説明

炭素微粒子の処理方法及び炭素燃料の製造方法

【課題】廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスに含まれる炭素微粒子を炭素燃料として有効利用する際に、エネルギー効率がよく、鉛を効果的に分離し炭素燃料中の鉛含有率を低減できることができる炭素微粒子を処理する方法及び炭素微粒子から炭素燃料を製造する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】廃棄物の還元性熱処理時に発生する炭素微粒子の処理方法において、発生した炭素微粒子を含むガスを洗浄液で洗浄して得る炭素微粒子含有洗浄水を固液分離又は固体濃縮分離して炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を取り出し、を抽出し、炭素微粒子を含む上記固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に油を添加し攪拌して、炭素微粒子を液中造粒して炭素造粒体を形成し、しかる後に炭素造粒体を取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ごみや産業廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスに含まれる炭素微粒子を処理する方法及び炭素微粒子から炭素燃料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物をガス化溶融炉等で還元性熱処理すると、例えば、発生したガスの冷却の過程でCOの分解反応(2CO→C+CO)により、又炭化水素の分解反応(CnHm→nC+1/2mH)などにより、粒子径が1μm程度の炭素微粒子が生成し発生ガスに含まれる。この炭素微粒子は可燃分として利用できるため、発生ガスを洗浄液により洗浄して該洗浄液で炭素微粒子を捕集し、この洗浄液を固液分離して得られる炭素微粒子をガス化溶融炉等に返送して炭素をガス化して燃料ガスとするように有効利用される。しかし、廃棄物中に鉛が含まれる場合には、発生ガスを洗浄した洗浄液に鉛が不溶分として含まれてしまうため、洗浄液を固液分離して得られる固形物に炭素微粒子とともに鉛が含まれることとなる。そうなると、炭素微粒子をガス化溶融炉等に返送するため固形物を返送すると、鉛も返送されガス化溶融炉と発生ガス処理装置との系内で鉛が次第に濃縮され、熱処理残渣に鉛が多く含まれこととなり鉛の溶出防止処理を施さなければならなくなる等問題が生じる。
【0003】
また、廃棄物中に硫黄が含まれていると、還元性熱処理時にこの硫黄から硫化水素ガスが発生し、発生ガス中の鉛と化合して硫化鉛として存在することが多くなる。この硫化鉛は不溶性で粒子径が0.1μm程度の微粒子であり、発生ガスを洗浄した洗浄液を固液分離して得られる固形物に炭素微粒子とともに硫化鉛粒子が含まれてしまう。その結果、炭素微粒子から炭素燃料を製造し有効利用しようとしても、硫化鉛が含まれるために燃料として適さない。
【0004】
炭素微粒子と硫化鉛を分離する方法として特許文献1が提案されている。廃棄物を還元性熱処理する際に発生するガスを洗浄した洗浄液を固液分離して得られる固形物を浮遊選鉱により、炭素微粒子を主に含む部分をフロス(浮遊物)として、硫化鉛を含む部分をティル(液)として分離する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−95885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、廃棄物を還元性熱処理する際に発生するガスを洗浄した洗浄液を固液分離して得られる固形物から、特許文献1の方法にもとづいて炭素微粒子と硫化鉛を浮遊選鉱により分離して、炭素微粒子を造粒しこれを炭素燃料として有効利用しようとすると、以下の問題が生じる。浮遊選鉱によって得られる炭素微粒子を主に含む部分は水分を多量に含んでおり、炭素微粒子を造粒し炭素燃料とする前に乾燥する必要があり、乾燥のためのエネルギーを要しエネルギー効率が悪い。また、上記固形物から、浮遊選鉱により炭素微粒子を主に含む部分を分離する際に、実用的な目標歩留まりとして固形物重量に対して60質量%以上の炭素歩留まりとなるように分離操作すると、分離された炭素微粒子を主に含む部分の中に1質量%程度以上の鉛が含まれ、炭素微粒子から炭素燃料を製造しても鉛含有率が高いため、炭素燃料として品質が適さない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて、廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスに含まれる炭素微粒子を炭素燃料として有効利用する際に、エネルギー効率がよく、鉛を効果的に分離し炭素燃料中の鉛含有率を低減できる炭素微粒子を処理する方法及び炭素微粒子から炭素燃料を製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスを洗浄した洗浄液を固液分離して得られる固形物から炭素微粒子を硫化鉛微粒子と分離して得る方法として、液中造粒が適用可能であることを見出した。
【0009】
微粒子相互の選別を行う方法として液中造粒法として知られている方法がある。この方法では、複数の種類の微粒子が懸濁している液体に、その液体に溶けない第二の液体を加え攪拌する。第二の液体と親和性のある懸濁微粒子は、この第二の液体を結合液体(バインダー)として凝集し、次に圧密されて緻密な造粒体になり、第二の液体と親和性のない他の微粒子は造粒されないで微粒子状のまま懸濁液中に残り、篩い分けにより造粒体を篩い上産物として、他の微粒子を篩い下産物として分離できる。
【0010】
このような液中造粒法を、廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスからの炭素微粒子の抽出に適用する場合、この炭素微粒子の抽出は、次のような原理のもとに行われる。すなわち、本発明では、廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスを洗浄した洗浄液を固液分離して得られる固形物を水溶液に分散させ、炭素微粒子と硫化鉛微粒子とを懸濁させた分散液にバインダーとして油を添加し攪拌して、炭素微粒子を液中造粒して炭素造粒体を形成する。硫化鉛微粒子は微粒子状のまま分散液に懸濁して留まる。炭素造粒体を含む分散液を篩い分けし炭素造粒体を篩い上産物として回収することにより硫化鉛微粒子と分離することができる。
【0011】
かかる原理にもとづき、本発明の方法は、次のように構成される。
【0012】
廃棄物の還元性熱処理時に発生する炭素微粒子の処理方法において、
発生した炭素微粒子を含むガスを洗浄液で洗浄して得る炭素微粒子含有洗浄液を固液分離又は固体濃縮分離して炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を取り出し、
炭素微粒子を含む上記固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に油を添加し攪拌して、炭素微粒子を液中造粒して炭素造粒体を形成し、しかる後に炭素造粒体を取り出す。
【0013】
このような本発明においては、炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液のpHを4.5以下に調整した後、液中造粒することが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に酸化剤を添加した後、液中造粒することが好ましい。
【0015】
さらに、本発明においては、炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に硫化鉛粒子表面を親水性にする化合物を添加した後、液中造粒することが好ましい。
【0016】
本発明においては、炭素燃料は、既述の本発明の炭素微粒子の処理方法により形成された炭素造粒体を燃料として取り出すことにより得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、廃棄物の還元性熱処理時に発生するガスに含まれる炭素微粒子を液中造粒により抽出することとしたので、炭素燃料として有効利用する際に、エネルギー効率がよく、鉛を効果的に分離し炭素燃料中の鉛含有率を低減できる炭素微粒子を処理する方法及び炭素微粒子から炭素燃料を製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態の処理フローを説明する図である。
【図2】本発明の他の実施形態の処理フローを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面の図1及び図2にもとづき、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
<第一実施形態>
図1に示される第一実施形態は、主として、急冷・酸洗浄工程、固液分離又は固体濃縮分離工程、分散工程、液中造粒工程そして造粒体分離工程を順に有している。以下、これらの工程を順に説明する。
【0021】
(1)急冷・酸洗浄工程
廃棄物が熱分解ガス化炉等での還元性熱処理1により、炭素微粒子そして硫化鉛微粒子を含有するガスが発生する。この発生ガスが急冷・酸洗浄工程2で洗浄される。この急冷・酸洗浄工程2では、上記発生ガスを受けた急冷・酸洗浄塔内で、pH5以下(好ましくはpH4以下)の酸性洗浄液を上記発生ガスに対して噴霧して、該発生ガスを急冷すると共に洗浄し、該洗浄液で炭素微粒子そして硫化鉛微粒子を捕捉して該洗浄液中へ移行させる。
【0022】
(2)固液分離又は固体濃縮分離工程
上記炭素微粒子そして硫化鉛微粒子を捕捉して含有することとなった洗浄液は、水酸化ナトリウム(NaOH)添加によりpHが調整され凝集沈澱処理される凝集沈澱槽、遠心分離機、重力濃縮槽、フィルタープレス等の濾過装置のうちいずれかを用いる固液分離又は固体濃縮分離工程3で、炭素微粒子と硫化鉛微粒子を含む固形分又は濃縮液と、分離液とに分離される。分離液は、後述の洗浄液処理工程で処理される。
【0023】
(3)分散工程
一方、炭素微粒子と硫化鉛微粒子を含む固形分又は濃縮液は、分散工程4にもたらされる。この分散工程4では、上記固形分又は濃縮液は、後述する造粒体分離工程で分離された分離処理液が帰還される分散槽中にもたらされて、この分離処理液と共に分散液を形成する。固形分は上記造粒体分離工程で炭素造粒体が分離された分離処理液中で微細分散され、炭素微粒子と硫化鉛微粒子が分散された分散液を得る。濃縮液は上記分離処理液で希釈され炭素微粒子と硫化鉛微粒子が分散された分散液を得る。
【0024】
(4)液中造粒工程
炭素微粒子と硫化鉛微粒子が分散された分散液は、次に、液中造粒工程5にて造粒槽にもたらされる。造粒槽中の分散液には、バインダーとして油(ケロシン、灯油、重油等)が添加され、分散液がこの油と共に攪拌される。分散液中の炭素微粒子は、硫化鉛微粒子に比し、疎水性(親油性)が高いために、この攪拌のもとに、分散液中で油と結合して凝集し、炭素造粒体となる。したがって、油と結合しない硫化鉛微粒子はそのまま分散液中に分散した状態で留まる。
【0025】
(5)造粒体分離工程
しかる後、炭素造粒体と分散液は造粒体分離工程6へもたらされ、ここで炭素造粒体が分離されて、例えば炭素燃料として取り出される。この分離工程では、篩い分けにより炭素造粒体が篩い上産物として回収され、硫化鉛微粒子と分離でき、水分含有率の低い炭素造粒体を得る。かかる炭素造粒体はそのままで又は所定形状に成形して炭素燃料として好適である。
【0026】
一方、篩い分けにより炭素造粒体が分離された残りの分離処理液は、上述の分散工程4に戻され再利用に供される。また、この分離処理液の一部は、適切な時期に洗浄液処理工程7に送られ、硫化鉛微粒子が除去される。
【0027】
(6)洗浄液処理工程
洗浄液処理工程7では、ガス精製工程8からの洗浄液、固液分離又は固体濃縮分離工程3からの分離液、造粒体分離工程6からの分離処理液を受けてこれらを処理する。ここで、洗浄液とは、急冷・酸洗浄工程2で急冷・酸洗浄塔から排出される粗ガスがガス精製工程8に送られて、この工程で、アルカリ性洗浄液によりHClを除去すること等で洗浄されて精製ガスとされる際の洗浄後の洗浄液のことである。また、分離液とは、固液分離又は固体濃縮分離工程3で、固形分又は濃縮液と分離された分離液である。さらに、分離処理液とは、造粒体分離工程6で炭素造粒体が取り出された後に残る分離処理液であって、分散工程4に戻された後に残る一部の分離処理液である。
【0028】
この洗浄液処理工程7では、上記洗浄液、分離液、分離処理液を受けて、これにNaOH等を添加して、pH値を調整し、Fe,Al,Ca分を析出させて固液分離により除去する。また、造粒体分離工程6からの分離処理液に含まれる硫化鉛微粒子を凝集沈澱させて除去する。かくして、固液分離された液分を、後に塩製造工程で処理して、塩と再処理液として回収する。
【0029】
<第二実施形態>
図2に示される第二実施形態では、図1の第一実施形態における分散工程4の後、液中造粒工程5の前に、硫化鉛溶解工程4A又は硫化鉛親水化工程4Bを設けることが特徴である。他の工程は第一実施形態と同じであるので、この硫化鉛溶解工程4Aそして硫化鉛親水化工程4Bについて、以下説明する。
【0030】
(硫化鉛溶解工程)
この硫化鉛溶解工程4Aでは、炭素微粒子と硫化鉛微粒子が分散された分散液に酸を添加してpHを2未満にすることや、過酸化水素などの酸化剤を添加することにより、炭素微粒子と硫化鉛微粒子が分散された分散液中に分散している硫化鉛微粒子を溶解する。硫化鉛微粒子の少なくとも一部を溶解処理することにより、液中造粒工程5と造粒体分離工程6において炭素造粒体と硫化鉛との分離効率を高めることができ、炭素燃料に混入する鉛量を極めて低くすることができる。
過酸化水素を用いた溶解反応は、次のごとくである。
PbS+H+2H→Pb2++2HO+S
【0031】
(硫化鉛親水化工程)
この硫化鉛親水化工程4Bでは、炭素微粒子と硫化鉛微粒子が分散された分散液に硫化鉛微粒子の表面を親水性にする化合物を添加することにより、液中造粒工程5において親水性を付与した硫化鉛微粒子を分散液中に留まらせ、炭素微粒子を液中造粒する際に炭素造粒体に硫化鉛微粒子が混入することを防止し、炭素燃料に混入する鉛量を極めて低くすることができる。
【0032】
硫化鉛微粒子の表面を親水性にする化合物としては、親水性基を持つ化合物、好ましくは複数の親水基をもつ化合物、例えば、複数のカルボキシル基又はアミノカルボン酸基を持つ化合物、クエン酸、クエン酸塩、シュウ酸、シュウ酸塩などが使用できる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明についての各種実施例と、従来例による比較例とを説明する。
[実施例1]
【0034】
この実施例1は、図1の第一実施形態による実施の一例であり、廃棄物を熱分解ガス化炉で処理し発生したガスをpH2〜3の酸性洗浄液で急冷・酸洗浄し、急冷・酸洗浄後の洗浄液を凝集沈殿処理した後、固形分を濃縮分離した。この濃縮液に後述の造粒体分離後の分離処理液を加えて微細化分散させ分散液とした後、pHを4.5に調整し、炭素量に対して、10質量%のケロシンを添加して、液中造粒して炭素微粒子を炭素造粒体とした。
【0035】
分散液から篩い分けにより分離して得られた炭素造粒体中の鉛濃度は0.5質量%であり、炭素微粒子から鉛含有率が極めて低い炭素燃料を製造することができる。また、炭素造粒体中の亜鉛濃度は0.1質量%未満であり、亜鉛含有率についても極めて低いことを確認した。
[実施例2]
【0036】
この実施例2は、図2による第二実施形態で、硫化鉛溶解工程4Aを経た実施の一例であり、廃棄物を熱分解ガス化炉で処理し発生したガスをpH2〜3の酸性洗浄液で急冷・酸洗浄し、急冷・酸洗浄後の洗浄液を凝集沈殿処理した後、固形分を濃縮分離した。この濃縮液に後述の造粒体分離後の分離処理液を加えて微細化分散させ分散液とした後、酸を添加してpHを2未満に調整し、さらに過酸化水素を添加して硫化鉛を溶解した。この分散液に、炭素量に対して、10質量%のケロシンを添加して、液中造粒して炭素微粒子を炭素造粒体とした。
【0037】
分散液から篩い分けにより分離して得られた炭素造粒体中の鉛濃度は0.1質量%であり、硫化鉛を溶解処理することにより、炭素造粒体から硫化鉛をさらに分離でき、炭素微粒子から鉛含有率が極めて低い炭素燃料を製造することができる。また、炭素造粒体中の亜鉛濃度は0.1質量%未満であり、亜鉛含有率についても極めて低いことを確認した。
[実施例3]
【0038】
この実施例3は、図2による第二実施形態で、硫化鉛親水化工程4Bを経た実施の一例であり、廃棄物を熱分解ガス化炉で処理し発生したガスをpH2〜3の酸性洗浄液で急冷・酸洗浄し、急冷・酸洗浄後の洗浄液を凝集沈殿処理した後、固形分を濃縮分離した。この濃縮液に後述の造粒体分離後の分離処理液を加えて微細化分散させ分散液とした後、酸を添加してpHを2未満に調整し、さらにクエン酸ナトリウムを添加混合した。この分散液に、炭素量に対して、10質量%のケロシンを添加して、液中造粒して炭素微粒子を炭素造粒体とした。
【0039】
分散液から篩い分けにより分離して得られた炭素造粒体中の鉛濃度は0.1質量%であり、硫化鉛を親水化処理することにより、炭素造粒体から硫化鉛をさらに分離でき、炭素微粒子から鉛含有率が極めて低い炭素燃料を製造することができる。また、炭素造粒体中の亜鉛濃度は0.1質量%未満であり、亜鉛含有率についても極めて低いことを確認した。
[比較例]
【0040】
廃棄物を熱分解ガス化炉で処理し発生したガスをpH2〜3の酸性洗浄液で急冷・酸洗浄し、急冷・酸洗浄後の洗浄液を凝集沈殿処理した後、フィルタープレスにより固形分を分離した。この固形分中には、炭素微粒子が含まれているが、硫化鉛、硫化亜鉛も含まれており、この固形分中の鉛濃度は乾ベースで10質量%、亜鉛濃度は5質量%であった。固形分中の炭素微粒子から炭素燃料を製造すると、炭素燃料中の鉛濃度がかなり高くなり利用することができないことが確認された。
【符号の説明】
【0041】
2 急冷・酸洗浄工程
3 固液分離又は固体濃縮分離工程
4 分散工程
4A 硫化鉛溶解工程
4B 硫化鉛親水化工程
5 液中造粒工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物の還元性熱処理時に発生する炭素微粒子の処理方法において、
発生した炭素微粒子を含むガスを洗浄液で洗浄して得る炭素微粒子含有洗浄液を固液分離又は固体濃縮分離して炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を取り出し、
炭素微粒子を含む上記固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に油を添加し攪拌して、炭素微粒子を液中造粒して炭素造粒体を形成し、しかる後に炭素造粒体を取り出すことを特徴とする炭素微粒子の処理方法。
【請求項2】
炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液のpHを4.5以下に調整した後、液中造粒することとする請求項1に記載の炭素微粒子の処理方法。
【請求項3】
炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に酸化剤を添加した後、液中造粒することとする請求項1又は2に記載の炭素微粒子の処理方法。
【請求項4】
炭素微粒子を含む固形分又は濃縮液を液中に分散した分散液に硫化鉛粒子表面を親水性にする化合物を添加した後、液中造粒することとする請求項1又は2に記載の炭素微粒子の処理方法。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の炭素微粒子の処理方法により形成された炭素造粒体を燃料として取り出すことを特徴とする炭素燃料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−91086(P2012−91086A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238949(P2010−238949)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】