説明

点灯装置及びこの点灯装置を備える照明器具

【課題】 リップル電圧に基づいてランプLAが消費する電力を制御できるとともに、電解コンデンサC1の寿命を延ばす。
【解決手段】 入力される交流電圧を整流する電源整流回路20と、この電源整流回路20に接続され、平滑電圧を生成する電解コンデンサC1を有する直流電源回路30と、電解コンデンサC1に接続され、電解コンデンサC1で平滑した平滑電圧を接続されるランプLAに対応する電圧に変換して、ランプLAを点灯する点灯回路40と、電解コンデンサC1に並列に接続され、電解コンデンサC1のリップル電圧を検出するとともに、この検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧Lよりも下回るとき、ランプLAの明るさを低減させる寿命レベル信号を点灯回路40に出力する寿命検知回路50と、を備え、リップル電圧に基づいてランプLAが消費する電力を制御できるとともに、電解コンデンサC1の寿命を延ばすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプを点灯させる点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
点灯装置の寿命末期時に点灯装置内にあるコンデンサの両端電圧やコンデンサに流れる電流に含まれるリップル成分により点灯装置の寿命を判断する技術がある。(例えば、特許文献1)
【0003】
また、電解コンデンサのコンデンサ容量が低下したと判定するとき、スイッチング素子を強制的にオンにして過電流を流して過電流保護素子を溶断し、電源と放電灯点灯回路とを切り離す技術がある。(例えば、特許文献2)
【0004】
また、コンデンサの寿命が検知されたときに、スイッチング周波数を高くして、コンデンサのリップル電流を小さくし、コンデンサの内部発熱を抑制して、コンデンサの破裂、破損までの時間を延長する技術があり、コンデンサの温度及びコンデンサの出力電流に基づいて、使用条件によるコンデンサのリップル電圧の変動を補正してその影響をなくす技術がある。(例えば、特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−236666号公報(段落「0020」〜段落「0022」、図4参照。)
【特許文献2】特開2007−207708号公報(段落「0013」、図1参照。)
【特許文献3】特開2000−350448号公報(段落「0013」、段落「0024」、図1参照。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電解コンデンサのコンデンサ容量が低下したときに過電流保護素子を溶断すると、電源と放電灯点灯回路とが切り離されるため、ランプが点灯中に突然ランプが消える恐れがあった。
【0007】
また、電解コンデンサのリップル電圧が増加する、或いは内部の損失角の正接tanδが変化することにより、電解コンデンサのリップル発熱(リップル電流による自己発熱)が増大するため、電解コンデンサの温度上昇に伴って、電解コンデンサの経年劣化が加速される恐れがあった。また、電解コンデンサ内部の圧力が上昇して、電解コンデンサの安全弁が動作してミスト状の電解液が放出される恐れがあり、ユーザーはミスト状の電解液を煙と誤認して、火災と間違える恐れがあった。
【0008】
また、点灯装置の寿命は、電解コンデンサの寿命が大きく影響しており、電解コンデンサが寿命になると、リップル電圧の変動が大きくなり、点灯装置の動作が不安定になることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係わる点灯装置は、入力される交流電圧を整流する電源整流回路と、この電源整流回路に接続され、平滑電圧を生成する電解コンデンサを有する直流電源回路と、上記電解コンデンサに接続され、上記平滑電圧を接続されるランプに対応する電圧に変換して上記ランプを点灯する点灯回路と、上記電解コンデンサに並列に接続され、上記電解コンデンサのリップル電圧を検出するとともに、この検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧よりも下回るとき、上記ランプの明るさを低減させる寿命レベル信号を上記点灯回路に出力する寿命検知回路を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リップル電圧に基づいてランプが消費する電力を制御できるとともに、電解コンデンサの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1を示す点灯装置の回路ブロック図である。
【図2】実施の形態1を示す点灯装置の各部の動作を示す波形図である。
【図3】実施の形態1を示す点灯装置の各部の動作を示す波形図である。
【図4】実施の形態1を示す電解コンデンサの特性を示す特性図である。
【図5】実施例1に示す照明器具である。
【図6】実施例1を示す点灯装置のブロック図である。
【図7】実施例1を示す点灯装置の各部の動作を示す波形図である。
【図8】実施例1を示す点灯装置の各部の動作を示す波形図である。
【図9】実施例2を示す点灯装置の回路ブロック図である。
【図10】実施例2を示す他の点灯装置の回路ブロック図である。
【図11】実施例3を示す点灯装置の回路ブロック図である。
【図12】実施の形態2を示す点灯装置の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の点灯装置を示す回路ブロック図である。
【0013】
点灯装置10は、入力される交流電圧ACをダイオードブリッジDBにより直流電圧に変換する電源整流回路20と、この電源整流回路20に接続され、変換された直流電圧を平滑する直流電源回路30と、この直流電源回路30で平滑される平滑電圧を変換して、接続されるランプLAを点灯する点灯回路40と、直流電源回路30及び点灯回路40に接続され、直流電源回路30のリップル電圧に応じて、ランプLAの点灯状態を変更する寿命レベル信号を点灯回路40に出力する寿命検知回路50と、を備える。
【0014】
直流電源回路30は、電源整流回路20が整流した直流電圧を平滑して、平滑電圧を生成する電解コンデンサC1を備える。
【0015】
点灯回路40は、直流電源回路30の電解コンデンサC1に充電された平滑電圧を、接続されるランプLAの種類に応じた電力に変換して出力する回路である。例えば、点灯装置10に接続されるランプLAは、放電ランプ、LED、ハロゲンランプなどであり、例えば、点灯装置10に接続されるランプLAが放電ランプである場合は、高周波電流を出力するインバータ回路を点灯回路40として用い、点灯装置10に接続されるランプLAがLEDである場合は、定電流を出力する定電流回路を点灯回路40として用いる。
【0016】
寿命検知回路50は、直流電源回路30に並列に接続され、直流電源回路30の平滑電圧からリップル電圧を検出するリップル電圧検出回路51と、このリップル電圧検出回路51が検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧Lを下回るとき、寿命レベル信号を出力する検出信号判定回路52と、を備える。
【0017】
リップル電圧検出回路51は、電解コンデンサC1に並列接続され、電解コンデンサC1が平滑する平滑電圧に対応するリップル電圧検出信号を出力する。このリップル電圧検出回路51は、電解コンデンサC1により平滑された直流電圧に重畳されるリップル電圧のレベルを検出する回路であり、リップル電圧のレベルに応じて検出信号判定回路52にリップル電圧検出信号を送出する回路である。
【0018】
検出信号判定回路52は、入力されるリップル電圧検出信号と予め設定される基準電圧Lを比較して、リップル電圧検出信号が基準電圧Lよりも下回るとき、この基準電圧Lよりも下回る割合に応じる寿命レベル信号を出力する。例えば、検出信号判定回路52は、リップル電圧検出信号が予め設定される基準電圧L以上であれば、点灯回路40に寿命レベル信号を出力せず、リップル電圧検出信号が予め設定される基準電圧L未満であれば、基準電圧Lを下回るレベルに応じる寿命レベル信号を点灯回路40に出力する。
【0019】
次に、電解コンデンサC1のコンデンサ容量の変化に伴って、リップル電圧が変化するときの点灯装置10の動作について説明する。
【0020】
図2は、電解コンデンサが初期時(新品時)のときの各部の特性を示す特性図であり、図2(a)は、電解コンデンサの電圧を示す図であり、図2(b)は、リップル電圧検出回路が検出する電圧を示す図であり、図2(c)は、ランプの明るさを示す図である。
【0021】
電解コンデンサC1が初期状態のとき、リップル電圧は小さいので、リップル電圧検出回路51の出力の変動も小さい。そのため、リップル電圧検出回路51が出力するリップル電圧検出信号は、検出信号判定回路52の基準電圧Lよりも高い状態となる。
【0022】
したがって、リップル電圧検出信号が基準電圧Lよりも高い状態であるため、検出信号判定回路52は、寿命レベル信号を出力せず、点灯回路40は、ランプLAを通常点灯する。
【0023】
図3は電解コンデンサが経年劣化していき、寿命に至る前の状態の各部の特性を示す特性図であり、図3(a)は、電解コンデンサの電圧を示す図であり、図3(b)は、リップル電圧検出回路が検出する電圧を示す図であり、図3(c)は、ランプの明るさを示す図である。
【0024】
電解コンデンサC1が経年劣化して寿命(初期のコンデンサ容量に対して50%に低下したとき)になるまで、コンデンサ容量が徐々に低下していくので、電解コンデンサC1のリップル電圧が徐々に大きくなる。このとき、リップル電圧検出回路51が出力するリップル電圧検出信号のレベルも次第に大きくなる。
【0025】
リップル電圧検出信号のレベルが次第に大きくなって、リップル電圧検出回路51が出力するリップル電圧検出信号の下限値が、検出信号判定回路52の基準電圧Lを下回るとき、検出信号判定回路52は、寿命レベル信号を出力する。この寿命レベル信号は、基準電圧Lを下回った電圧値に応じた差分の信号である。例えば、リップル電圧検出信号が基準電圧Lを1V下回るとき、0.5Vの寿命レベル信号を出力し、リップル電圧検出信号が基準電圧Lを5V下回るとき、2.5Vの寿命レベル信号を出力する。
【0026】
点灯回路40は、寿命レベル信号が入力されると、寿命レベル信号のレベルに応じて、ランプLAの明るさを暗くして、ランプLAで消費される電力が低くなるように制御する。
【0027】
ランプLAで消費される電力が低くなると、電解コンデンサC1に対する負荷(この場合は点灯回路40及びランプLAによる消費電力)が軽減され、電解コンデンサC1のリップル電圧は小さくなる。
【0028】
なお、寿命レベル信号の説明の便宜上、「リップル電圧検出信号が基準電圧Lを1Vまたは2.5V下回るとき」としたが、実際には、リップル電圧検出信号が基準電圧Lに達すると、ランプLAの明るさを低減して、ランプLAで消費される電力が少なくなるように制御して、電解コンデンサC1のリップル電圧を低減するので、リップル電圧検出信号が基準電圧Lを大きく下回ることがない。したがって、寿命検知回路50が点灯回路40に寿命レベル信号を出力して、リップル電圧検出信号が基準電圧Lとほぼ等しくなるように制御している。
【0029】
次に、寿命検知回路50の有無による電解コンデンサC1の経年劣化(コンデンサ容量の低下)の違いを説明する。
【0030】
図4は、寿命検知回路の有無による経年時間と電解コンデンサのコンデンサ容量の関係を示す図である。
【0031】
電解コンデンサC1のコンデンサ容量は、新品時のコンデンサ容量を100%とすると、時間の経過とともにコンデンサ容量は低下していく。これは、電解コンデンサC1の内部の電解液が時間の経過とともに蒸発していくため、電解コンデンサC1のコンデンサ容量が徐々に低下する。
【0032】
なお、この実施の形態において、電解コンデンサC1のコンデンサ容量が50%まで経過するとき、電解コンデンサC1の寿命とする。
【0033】
ここで、電解コンデンサC1の寿命時間について説明する。電解コンデンサC1などの部品の寿命時間をτ、故障モードごとの固有の定数をA、Ea、絶対温度をT、ボルツマン定数をkとするとき、τ=A・exp(Ea/kT)という関係が成り立つというアレニウスの法則がある。一般的な電解コンデンサは、このアレニウスの法則により、使用温度が10℃低下すると寿命が2倍に延びることが知られている。裏返して捉えると、使用温度が10℃上昇すると寿命が半減すると言える。
【0034】
したがって、電解コンデンサC1の経年劣化時は、電解コンデンサC1の内部電解液が減少していくことによりコンデンサ容量が低下し、リップル電圧が上昇する現象が起こる。この状態においては、リップル発熱も増加するため、加速的に内部電解液の減少が進行する。
【0035】
また、電解コンデンサC1が経年劣化すると、電解コンデンサC1を流れる電流損失が大きくなるとともに、電解コンデンサC1の自己発熱が高くなる。したがって、電解コンデンサC1の自己発熱により温度が上昇するため、電解コンデンサC1の寿命を早めることに繋がる。
【0036】
このように、電解コンデンサC1が使用される環境によって、電解コンデンサC1の寿命時間が変化することが分かる。
【0037】
次に、この電解コンデンサC1の経年劣化を検出するときの点灯装置10の動作を説明する。
【0038】
この実施の形態に示す点灯装置10では、電源整流回路20が整流した脈流を電解コンデンサC1で平滑するため、電解コンデンサC1のピーク電圧値は脈流電圧のピーク電圧値に規制される。一方、電解コンデンサC1の平滑電圧のリップル電圧の下限は、コンデンサ容量とランプLA及び点灯回路40で消費される電力によって規制され、コンデンサ容量が低下する、或いはランプLA及び点灯回路40で消費される電力が増加すると、電解コンデンサC1のリップル電圧の下限は減少し、したがって、リップル電圧が高くなる。
【0039】
電解コンデンサC1が新品時のとき、直流電源回路30が平滑する平滑電圧は、電源整流回路20が出力するピーク電圧が最大値(リップル電圧の上限値)となり、電解コンデンサC1のコンデンサ容量及びランプLAによって消費される電力に応じてリップル電圧の下限値が決まる。
【0040】
したがって、新品時の電解コンデンサC1のコンデンサ容量に対する、経年劣化して低下した電解コンデンサC1のコンデンサ容量の割合に応じて、電解コンデンサC1が平滑する際に生じるリップル電圧は大きくなる。
【0041】
そのため、寿命検知回路50によって、電解コンデンサC1の経年劣化に伴う電解コンデンサC1のリップル電圧のレベルを検知してランプLAの点灯状態を変化させ、ランプLAにより消費される電力を軽減しているので、電解コンデンサC1のリップル電圧が所定の範囲内に収まり、また、電解コンデンサC1の自己発熱を抑える事ができる。
【0042】
よって、図4に示したように、寿命検知回路50の有無によって、電解コンデンサC1の寿命特性が変化し、寿命検知回路50によって、電解コンデンサC1の寿命が長くなる。
【0043】
また、電解コンデンサC1は、リップル電圧が大きくなるほど電解コンデンサC1を流れる電流損失(tanδ)が大きくなり、この電流損失により電解コンデンサC1は自己発熱する。
【0044】
しかしながら、リップル電圧は、電解コンデンサC1のコンデンサ容量とランプLAに供給する電力に影響を受けるので、リップル電圧が基準電圧Lよりも下回るとき、ランプLAに供給する電力を低下させることで、リップル電圧が大きくなるのを抑えることができる。
【0045】
したがって、電解コンデンサC1の電流損失を小さくできるので、電解コンデンサC1の自己発熱(リップル発熱)を小さくできる。
【0046】
よって、電解コンデンサC1の温度上昇を抑えることができるので、寿命特性カーブを緩やかにでき、電解コンデンサC1の長寿命化ができる。
【0047】
また、リップル電圧の大きさによって、ランプLAの明るさを変化させるので、ユーザーに点灯装置10の寿命、特に電解コンデンサC1の寿命が近づいていることを報知することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、基準電圧Lをリップル電圧の負側(リップル電圧の低い側)を基準に設定しているが、直流電源回路30のリップル電圧の正側(リップル電圧の高い側)が変化する場合は、基準電圧Lを正側に設定してもよいし、基準電圧Lを正側、負側の両側に設定しても良い。
【0049】
また、電解コンデンサC1のコンデンサ容量が大きいとき、リップル電圧は小さくなる。そのため、検出信号判定回路52が検出するリップル電圧検出信号は、基準電圧Lよりも高くなるので、用いる電解コンデンサC1のコンデンサ容量に応じて基準電圧Lを適宜設定するとよい。
【0050】
また、本実施の形態の点灯装置10は、ランプLAによって消費される電力が、点灯回路40などによって消費される電力と比較して非常に大きいため、リップル電圧が基準電圧Lを下回るときランプLAに供給する電力を制限する場合について説明したが、ランプLAによって消費される電力が小さい場合、点灯装置10が正常に動作する範囲で、消費電力の大きい回路の動作を一時的に制限或いは停止するように制御してもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、電解コンデンサC1のコンデンサ容量が、初期のコンデンサ容量に対して50%まで低下したときを寿命としたが、点灯装置10に用いる電解コンデンサC1の種類による電気特性に応じて設定すればよく、電解コンデンサC1の寿命は、初期のコンデンサ容量に対して、コンデンサ容量が50%まで低下したときに限定されない。
【0052】
なお、電解コンデンサC1のコンデンサ容量は、点灯装置10に通電していなくても時間の経過に伴って電解液が蒸発するためにコンデンサ容量が低下していく。また、電解コンデンサC1のコンデンサ容量の低下は、電解コンデンサC1が使用される環境による影響を大きく受ける。したがって、点灯装置10に通電しているときに発熱する電子部品(電解コンデンサC1の自己発熱を含む。)の影響によって、電解コンデンサC1の寿命に与える影響が大きい(電解コンデンサC1の寿命が短くなる)ため、本実施の形態では、点灯装置10に通電している場合の電解コンデンサC1の寿命特性を説明した。点灯装置10に通電していない場合は、図4に示す電解コンデンサC1の寿命特性の傾きが緩やかになる。
【0053】
実施例1.
本実施例は、本実施の形態に示す寿命検知回路及び点灯回路の具体的な構成を示すものである。
【0054】
図5は、本実施例を示す照明器具である。
照明器具100は、放電ランプLA1に電力を供給する点灯装置10aを内蔵する器具本体101と、放電ランプLA1を機械的に保持するとともに、放電ランプLA1と点灯装置10aを電気的に接続するランプソケット102から構成される。
【0055】
次に、図6を用いて、本実施例の点灯装置について説明する。
図6は、本実施の形態における点灯装置の寿命検知回路及び点灯回路の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【0056】
点灯装置10aは、入力される交流電圧ACをダイオードブリッジDBにより直流電圧に変換する電源整流回路20と、この電源整流回路20に接続され、変換された直流電圧を平滑する直流電源回路30と、この直流電源回路30で平滑される平滑電圧を変換して、接続される放電ランプLA1を点灯する点灯回路40aと、直流電源回路30及び点灯回路40aに接続され、直流電源回路30の平滑電圧に応じて、放電ランプLA1の点灯状態を変更する寿命レベル信号を点灯回路40aに出力する寿命検知回路50aと、を備える。
【0057】
点灯回路40aは、直流電源回路30が平滑する平滑電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路41と、このインバータ回路41のスイッチングを制御する制御回路42と、放電ランプLA1が接続されるとともに、接続される放電ランプLA1にインバータ回路41が変換する高周波電圧を供給する負荷回路43を備える。
【0058】
負荷回路43は、一端がインバータ回路41に接続され、他端に放電ランプLA1が接続されるインダクタL1と、接続される放電ランプLA1と並列に接続されるコンデンサC2と、一端に放電ランプLA1が接続されるとともに、他端がインバータ回路41に接続される結合コンデンサC3とを備え、インダクタL1、コンデンサC2の共振を利用して、接続される放電ランプLA1を点灯させるとともに、結合コンデンサC3によって、この負荷回路43内に流れる直流電流を制限する。
【0059】
インバータ回路41は、ドレイン端子が直流電源回路の正電位側に接続されるFET Q1と、ドレイン端子がFET Q1のソース端子に接続され、ソース端子が直流電源回路の負電位側に接続されるFET Q2とを備え、FET Q1、及び、Q2を交互にスイッチングして、直流電源回路30が平滑する平滑電圧を高周波電圧に変換する回路である。
【0060】
制御回路42は、インバータ回路41がスイッチング動作する動作周波数を決定するとともに、寿命検知回路50aが出力する寿命レベル信号を入力するときは、インバータ回路41の動作周波数を変更する周波数設定回路42aと、この周波数設定回路42aが設定する動作周波数でインバータ回路41のFET Q1、Q2をON/OFFするインバータ制御回路42bと、を備える。
【0061】
周波数設定回路42aは、インバータ回路41の発振周波数を決定する回路で、寿命検知回路50aから送出された信号を受け、その結果に基づき周波数を変更する回路である。負荷回路43が、インダクタL1とコンデンサC2によるLC共振回路で構成されているため、周波数が高くなるほど負荷出力(放電ランプLA1に供給する電力)が低減する。
【0062】
周波数設定回路42aは、寿命レベル信号が入力されるとき、入力される寿命レベル信号に応じてインバータ回路41の発振周波数を変更する。
【0063】
インバータ制御回路42bは、周波数設定回路42aから指示される周波数により、FET Q1,Q2を交互にON/OFFさせる回路である。
【0064】
寿命検知回路50aは、電解コンデンサC1に並列に接続されるリップル電圧検出回路51aと、このリップル電圧検出回路51aに接続されるとともに、点灯回路40aに接続される検出信号判定回路52aを備える。
【0065】
リップル電圧検出回路51aは、直列接続される抵抗R1、R2を備え、この直列接続されるR1、R2は電解コンデンサC1に並列接続され、抵抗R1と抵抗R2の接続点から電解コンデンサC1が平滑する平滑電圧に対応するリップル電圧検出信号を出力する。このリップル電圧検出回路51aは、電解コンデンサC1により平滑された直流電圧に重畳されるリップル電圧のレベルを検出する回路であり、リップル電圧のレベルに応じて検出信号判定回路52aにリップル電圧検出信号を送出する回路である。
【0066】
検出信号判定回路52aは、直列接続される抵抗R3、R4によって制御電源電圧Vccを分圧して基準電圧Lを生成する基準電圧設定回路53aと、この基準電圧設定回路53aが設定する基準電圧Lとリップル電圧検出回路51aが出力するリップル電圧検出信号とを比較するオペアンプOPと、このオペアンプOPの出力端子に接続され、オペアンプOPの出力に基づいて寿命レベル信号を生成する検出信号生成回路54aと、を備える。
【0067】
検出信号生成回路54aは、一端がオペアンプOPの出力端子に接続される抵抗R5と、この抵抗R5の他端にカソード端子が接続され、アノード端子が周波数設定回路42aに接続されるダイオードD1と、を備える。
【0068】
次に、本実施例の点灯装置の回路動作について説明する。
【0069】
図7は、電解コンデンサが初期時(新品時)のときの各部の特性を示す特性図であり、図7(a)は、電解コンデンサの電圧を示す図であり、図7(b)は、リップル電圧検出回路が検出する電圧を示す図であり、図7(c)は、インバータ回路の発振周波数を示す図であり、図7(d)は、放電ランプの明るさを示す図である。
【0070】
電解コンデンサC1が初期時(新品時)のときは、リップル電圧の変動が小さく、リップル電圧検出回路51が検出するリップル電圧は基準レベルよりも高い。したがって、リップル電圧検出回路51は寿命レベル信号を出力しないため、インバータ回路41の発振周波数は一定となり、放電ランプLA1の明るさも一定となる。
【0071】
図8は電解コンデンサが経年劣化していき、寿命に至る前の状態の各部の特性を示す特性図であり、図8(a)は、電解コンデンサの電圧を示す図であり、図8(b)は、リップル電圧検出回路が検出する電圧を示す図であり、図8(c)は、インバータ回路の発振周波数を示す図であり、図8(d)は、ランプの明るさを示す図である。
【0072】
電解コンデンサC1が経年劣化していくと、リップル電圧の変動が大きくなり、リップル電圧検出回路51aが検出するリップル電圧は基準電圧Lよりも下回るようになる。したがって、リップル電圧検出回路51aは、寿命レベル信号を出力して、インバータ回路41は、寿命レベル信号に応じてインバータ回路41の発振周波数を変動させる。そのため、放電ランプLA1の明るさもインバータ回路41の発振周波数に応じて変動する。
【0073】
本実施例では、交流電圧ACが200Vのときについて説明する。なお、交流電圧ACは、200Vに限定されることなく、100Vや254Vであってもよい。
【0074】
直流電源回路30の電解コンデンサC1が平滑した平滑電圧は、リップル電圧検出回路51aの抵抗R1、R2によって分圧されてリップル電圧検出信号が出力される。
【0075】
このリップル電圧検出信号は、検出信号判定回路52aのオペアンプOPによって基準電圧Lと比較される。
【0076】
例えば、電解コンデンサC1が新品時であり、放電ランプLA1が100%の明るさで点灯しているときのリップル電圧範囲(電解コンデンサが新品時の初期値)が5Vであったとする。
【0077】
この場合、直流電源回路30が平滑する平滑電圧は、最大値が282Vとなり、下限値が277Vとなる。
【0078】
一方、直流電源回路30が平滑する平滑電圧は、電解コンデンサC1のコンデンサ容量が低下すると、最大値が282Vと変化しないが、コンデンサ容量の低下する割合に応じて、下限値が低くなる(例えば、254V)ので、リップル電圧は大きくなる。
【0079】
検出信号判定回路52aは、リップル電圧検出信号が基準電圧L以上であるとき、オペアンプOPから寿命レベル信号を出力しない。また、検出信号判定回路52aは、リップル電圧検出信号が基準電圧Lを下回るとき、オペアンプOPから基準電圧Lよりも下回る割合(リップル電圧が基準レベルLを下回るとき、その下回る差分)に応じる寿命レベル信号を送出する。
【0080】
周波数設定回路42aは、寿命レベル信号が入力されないときは、予め設定されている動作周波数で動作するように、インバータ制御回路42bに周波数信号を出力し、寿命レベル信号が入力されるとき、寿命レベル信号に基づいて予め設定されている動作周波数よりも高い周波数信号をインバータ制御回路42bに出力する。このときの動作周波数は、オペアンプOPで比較されたリップル電流検出信号が基準電圧Lよりも低くなるほど動作周波数が高くなる周波数信号をインバータ制御回路42bに出力する。
【0081】
なお、この実施例における周波数設定回路42aは、周波数設定回路42aから引き出される電流量に応じてインバータ回路41を発振する周波数を決定しており、オペアンプOPを介して周波数設定回路42aから引き出す電流量を調整している。
【0082】
周波数設定回路42aは、その差分が大きいほど、設定周波数を高く遷移させる。これにより、負荷出力が低減される(放電ランプLA1に供給する電力が小さくなる)ため、リップル電圧は低下する。この動作の繰り返しにより、リップル電圧は、設定される基準レベルと等しくなるように制御され、電解コンデンサC1の容量低下時のリップル電流による自己発熱(リップル発熱)を低下させることができる。つまり、電解コンデンサC1のコンデンサ容量が低下したときの加速的な寿命の短縮を回避することができるので、電解コンデンサC1の寿命を延ばすことができる。
【0083】
検出信号判定回路52aは、入力されるリップル電圧検出信号と予め設定される基準電圧Lを比較して、リップル電圧検出信号が基準電圧Lよりも下回るとき、この基準電圧Lよりも下回る割合に応じる寿命レベル信号を出力する。この検出信号判定回路52aは、リップル電圧検出回路51aが検出するリップル電圧検出信号に基づいて、放電ランプLA1の点灯状態を変更する寿命レベル信号を出力する。例えば、リップル電圧検出信号が予め設定される基準電圧L以上であれば、インバータ回路41の周波数が通常となるように寿命レベル信号を出力せず、リップル電圧検出信号が予め設定される基準電圧L未満であれば、基準電圧Lを下回ったレベルに応じて、インバータ回路41の周波数をリニア(周波数を高く)に変更して、放電ランプLA1を調光する。
【0084】
なお、本実施例の検出信号判定回路52aは、オペアンプOPを用いる場合について説明したが、リップル電圧が基準電圧Lの範囲を下回るとき能動的にトランジスタを動作させて寿命レベル信号を生成してもよく、また、マイコンなどを用いて寿命レベル信号を生成してもよい。
【0085】
この実施例では、直流電源回路30が、電源整流回路20が整流した直流電圧を平滑して、平滑電圧を生成する電解コンデンサC1を備えるコンデンサインプット方式である場合について説明した。
【0086】
実施例2.
本実施例は、本実施の形態に示す点灯装置の具体的な構成を示すものである。また、本実施例は、実施例1に示す直流電源回路の構成が異なるものである。
【0087】
本実施例において、実施例1に示す部分と同じ構成の部分は同符号を付し、説明を省略する。
【0088】
図9を用いて、本実施例の点灯装置について説明する。
図9は、本実施例の点灯装置を示す回路ブロック図である。
【0089】
点灯装置10bは、交流電圧ACをダイオードブリッジDBにより直流電圧に変換する電源整流回路20と、この電源整流回路20に接続され、電源整流回路20が出力する電圧よりも高い電圧に昇圧するアクティブフィルタ回路30bと、アクティブフィルタ回路30bが出力する電圧を放電ランプLA1に供給する電力に変換する点灯回路40bと、アクティブフィルタ回路30bが出力する電圧からリップル電圧を判断する寿命検知回路50aを備える。
【0090】
アクティブフィルタ回路30bは、インダクタL2と、FET Q3と、FET Q3のオン/オフを制御する昇圧チョッパ制御回路31aと、ダイオードD2と、電解コンデンサC1aと、この電解コンデンサC1aに並列に接続され、電解コンデンサC1aの平均電圧を検出する直列接続された抵抗R6、R7を備える。
【0091】
アクティブフィルタ回路30bが出力する昇圧電圧は、昇圧チョッパ制御回路31aがFET Q3のスイッチングを制御して、抵抗R6、R7が検出する電圧(電解コンデンサC1aの平滑電圧の平均値)が一定になるように制御されている。
【0092】
寿命検知回路50aは、抵抗R1、R2が直列接続され、リップル電圧検出信号を出力するリップル電圧検出回路51aと、このリップル電圧検出回路51aが出力するリップル電圧検出信号と基準電圧Lを比較する検出信号判定回路52aとを備える。
【0093】
電解コンデンサC1aが初期(新品)状態で、電解コンデンサC1aの電圧は、平均値の±5%程度が最大値、最小値となる。電解コンデンサC1aが劣化した状態で、放電ランプLA1が消費する電力を一定とする場合は、電解コンデンサC1aの電圧は、平均値の±10%程度が最大値、最小値となる。また、負荷が大きくなるほどリップル電流が大きくなる。
【0094】
電解コンデンサC1aが劣化した状態のとき、寿命検知回路54aにより、放電ランプLA1が消費する電力をリップル電圧に応じて変化させると、電解コンデンサC1aの電圧の最大値、最小値を、平均値の±7〜8%程度となるように制御される。
【0095】
なお、本実施例では、電解コンデンサC1aの平均電圧を検知する回路(直列接続する抵抗R6、R7)と、リップル電圧を検出するリップル電圧検出回路51a(直列接続する抵抗R1、R2)をそれぞれ電解コンデンサC1aに並列接続する場合について説明したが、図10に示す点灯装置10cの寿命検知回路50bのように、複数の直列接続した抵抗R1a、R2a、R7aを電解コンデンサC1aに並列接続して、電解コンデンサC1aの平均電圧を検知する回路とリップル電圧を検出するリップル電圧検出回路を1つに纏めて、電解コンデンサ電圧検出回路51bとしてもよい。
【0096】
この実施例では、電源整流回路20で整流した直流電圧を昇圧するアクティブフィルタ回路30bを有するアクティブフィルタ方式である場合について説明した。
【0097】
実施例3.
本実施例は、本実施の形態に示す点灯装置の具体的な構成を示すものである。また、本実施例は、実施例1に示す点灯回路の構成が異なるものである。
【0098】
本実施例において、実施例1に示す部分と同じ構成の部分は同符号を付し、説明を省略する。
【0099】
図11を用いて、本実施例の点灯装置について説明する。
図11は、本実施例の点灯装置を示す回路ブロック図である。
【0100】
まず、点灯装置10dの構成について説明する。
点灯装置10dは、入力される交流電圧ACを脈流の直流電圧に変換する電源整流回路20と、電源整流回路20に接続され、変換された脈流の直流電圧をほぼ一定電圧となるように平滑する一次側電解コンデンサC1bを有する直流電源回路30cと、一次側電解コンデンサC1bに接続されるとともに、接続されるLEDランプLA2に電力を供給する点灯回路40cと、一次側電解コンデンサC1bのリップル電圧を検知する寿命検知回路50cと、を備える。
【0101】
点灯回路40cは、一次側電解コンデンサC1bに接続されるフライバック回路41aと、フライバック回路41aに接続される二次側電解コンデンサC1cと、接続されるLEDランプLA2に流れる負荷電流を検出する電流検出回路43と、電流検出回路43が検出する電流がほぼ一定となるように、フライバック回路41aを制御する制御回路42cと、を備える。
【0102】
フライバック回路41aは、1次側の一端が一次側電解コンデンサC1bの高電位側に接続されるトランスT1と、トランスT1の1次側の他端に接続され、ON/OFFするスイッチング回路44と、トランスT1の二次側の一端にアノード端子が接続されるダイオードD3と、を備える。
【0103】
制御回路42cは、負荷に流れる電流を決定する基準値を設定する基準値設定器DEと、電流検出回路43が検出する電流値と基準値設定器DEの基準値とを比較する比較器CPと、比較器CPで比較した結果に応じて、スイッチング回路44をオン/オフ制御する制御信号を生成するとともに、生成した制御信号を出力するスイッチング回路制御信号生成部PQと、を備える。
【0104】
スイッチング回路制御信号生成部PQは、フォトトランジスタを備えて、点灯装置10dの一次側と二次側とを電気的に絶縁している。
【0105】
スイッチング回路44は、FETなどからなるスイッチング部SWと、スイッチング回路制御部42cに接続され、入力される制御信号に応じてスイッチング部SWのオン/オフを切り替えるオン/オフコントローラCTを備える。
【0106】
寿命検知回路50cは、一次側電解コンデンサC1bのリップル電圧を検出し、検出したリップル電圧に応じた寿命レベル信号を制御回路42cに出力する。
【0107】
なお、本実施例の電源整流回路20は、入力される交流電圧ACを脈流の直流電圧に変換する場合について説明したが、入力される交流電圧ACを入力される交流電圧ACのピーク電圧よりも高い電圧まで昇圧する昇圧チョッパ型回路を用いてもよく、また、入力される交流電源ACを入力される交流電源のピーク電圧よりも低い電圧まで降圧する降圧チョッパ型回路などを用いてもよい。
【0108】
また、本実施例のスイッチング部SWは、FETを用いる場合について説明したが、バイポーラトランジスタなどの他の半導体スイッチング素子や、リレーなどの機械的スイッチング素子であってもよい。
【0109】
また、本実施例では、スイッチング回路制御信号生成部PQにフォトトランジスタを備えて、点灯装置10dの一次側と二次側とを絶縁するとともに、オン/オフコントローラCTを介してスイッチング部SWをオン/オフ制御する場合について説明したが、スイッチング回路制御信号生成部PQは、オン/オフコントローラCTを介さずに直接スイッチング部SWのオン/オフ制御をしてもよい。
【0110】
次に、点灯装置10dの動作について説明する。
【0111】
トランスT1の一次側には、スイッチング回路44のON/OFF動作に応じて、一次側電解コンデンサC1bで平滑された電力が供給され、トランスT1の二次側には、トランスT1の一次側に流れる一次電流に応じた二次電流が流れ、トランスT1の巻数比に応じた二次電圧が発生する。
【0112】
トランスT1の二次側に発生する二次電圧は、ダイオードD3によって整流されて、二次側電解コンデンサC1cに充電される。二次側電解コンデンサC1cに充電される電力は、接続されるLEDランプLA2に電力が供給される。
【0113】
スイッチング回路制御信号生成部PQが生成する制御信号は、ほぼ一定周波数の信号(例えば、100kHzの周波数の制御信号)であり、比較器CPによって比較した結果に応じて、スイッチング回路44のオン/オフデューティーを変更する。例えば、比較器CPによって電流検出回路43が検出する電流値が多いと判断するときは、スイッチング回路44のオン時間が短くなる制御信号を生成し、比較器CPによって電流検出回路43が検出する電流値が少ないと判断するときは、スイッチング回路44のオン時間が長くなる制御信号を生成する。
【0114】
次に、寿命検知回路50cがリップル電圧を検出した場合の点灯装置10dの動作について説明する。
【0115】
一次側電解コンデンサC1bが劣化して、リップル電圧の変動幅が大きくなるとき、スイッチング回路44のオン/オフデューティーを変更して、LEDランプLA2に供給する電力を抑制する。
【0116】
なお、本実施例では、寿命検知回路50cを一次側電解コンデンサC1bに並列に接続して、一次側電解コンデンサC1bのリップル電圧を検出する場合について説明したが、寿命検知回路50cを二次側電解コンデンサC1cに並列に接続して、二次側電解コンデンサC1cのリップル電圧を検出してもよい。
【0117】
また、寿命検知回路50cを、一次側電解コンデンサC1b及び二次側電解コンデンサC1cにそれぞれ並列に接続して、一次側電解コンデンサC1bまたは二次側電解コンデンサC1cのうち、いずれか一方のリップル電圧が基準電圧Lを下回るときにLEDランプLA2が消費する電力を軽減するように制御してもよい。
【0118】
また、一次側電解コンデンサC1bの寿命特性と、二次側電解コンデンサC1cの寿命特性が異なる場合、寿命が短い方に寿命検知回路50cを備えると、点灯装置10dを構成する回路構成が簡易になるとともに、一次側電解コンデンサC1b及び二次側電解コンデンサC1cの寿命をともに延ばすことができる。このように、複数の電解コンデンサを備える点灯装置の場合、寿命が最も短い電解コンデンサに寿命検知回路を並列に備えるのが望ましい。
【0119】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1に示す点灯回路のリップル電圧検出回路の構成が異なるものである。
【0120】
本実施の形態において、実施の形態1に示す部分と同じ構成の部分は同符号を付し、説明を省略する。
【0121】
図12は、本実施の形態の点灯装置の構成を示す回路ブロック図である。
【0122】
点灯装置10eは、入力される交流電圧ACをダイオードブリッジDBにより直流電圧に変換する電源整流回路20と、この電源整流回路20に接続され、変換された直流電圧を平滑する直流電源回路30と、この直流電源回路20で平滑される平滑電圧を変換して、接続されるランプLAを点灯する点灯回路40と、直流電源回路20及び点灯回路40に接続され、直流電源回路20の平滑電圧に応じて、ランプLAの点灯状態を変更する寿命レベル信号を点灯回路40に出力する寿命検知回路50dと、を備える。
【0123】
寿命検知回路50dは、リップル電圧を検出するリップル電圧検出回路51と、リップル電圧検出回路51のリップル電圧検出信号を入力するとともに、入力するリップル電圧検出信号から電解コンデンサC1が寿命であるか否かを判別し、判別した結果に基づいて、寿命レベル信号を出力する検出信号判定回路52bを備える。
【0124】
検出信号判定回路52bは、リップル電圧検出回路51が検出するリップル電圧と基準電圧Lとを比較して基準電圧Lを下回る回数をカウントするカウント部55を有し、このカウント部55がカウントする回数が所定回数(例えば120回)に達するとき、リップル電圧が基準電圧Lを下回るレベルに応じた寿命レベル信号を点灯回路40に出力する。
【0125】
一般に電力会社が供給している商用電源(交流電源)は50Hzか60Hzであり、瞬時停電、電源サグが発生する時間は、約2秒以下である。そのため、カウント部55がカウントする回数を120回程度とすると、瞬時停電、電源サグによって、リップル電圧検出回路51が基準電圧Lを下回るリップル電圧検出信号を出力するとき、検出信号判定回路52bが寿命レベル信号を出力するのを排除することができる。
【0126】
このように、リップル電圧検出信号が基準電圧Lを下回る回数をカウントするので、交流電圧ACが過渡的に変化するときなど、電解コンデンサC1が本来の寿命になっていないときに、リップル電圧検出信号が基準電圧Lを下回ることによって、点灯回路40の出力が制限されることがなくなる。したがって、一時的に暗くなることによって、照明器具を使用しているユーザーが不快感を感じたり、照明器具の故障であると誤解したりすることがない。
【符号の説明】
【0127】
10、10a、10b、10c、10d、10e 点灯装置、20 電源整流回路、30、30a、30c 直流電源回路、30b アクティブフィルタ回路、31a 昇圧チョッパ制御回路、40、40a、40b、40c 点灯回路、41 インバータ回路、41a フライバック回路、42、42c 制御回路、42a 周波数設定回路、42b インバータ制御回路、43 電流検出回路、44 スイッチング回路、50、50a、50b、50c、50d 寿命検知回路、51、51a リップル電圧検出回路、51b 電解コンデンサ電圧検出回路、52、52a、52b 検出信号判定回路、53a 基準電圧設定回路、54a 検出信号生成回路、55 カウント部、100 照明器具、101 器具本体、102 ランプソケット、AC 交流電圧、DB ダイオードブリッジ、C1、C1a、 電解コンデンサ、C1b 一次側電解コンデンサ、C1c 二次側電解コンデンサ、C2 コンデンサ、C3 結合コンデンサ、D1〜D3 ダイオード、R1〜R7、R1a、R2a、R7a 抵抗、L1、L2 インダクタ、T1 トランス、Q1〜Q3 FET、OP オペアンプ、SW スイッチング部、CT オン/オフコントローラ、PQ スイッチング回路制御信号生成部、CP 比較器、DE 基準値設定器、LA ランプ、LA1 蛍光ランプ、LA2 LED。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される交流電圧を整流する電源整流回路と、
上記電源整流回路に接続され、平滑電圧を生成する電解コンデンサを有する直流電源回路と、
上記電解コンデンサに接続され、上記平滑電圧を接続されるランプに対応する電圧に変換して上記ランプを点灯する点灯回路と、
上記電解コンデンサに並列に接続され、上記電解コンデンサのリップル電圧を検出するとともに、この検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧よりも下回るとき、上記ランプの明るさを低減させる寿命レベル信号を上記点灯回路に出力する寿命検知回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
寿命検知回路は、検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧を下回る回数をカウントするカウント部を備え、上記カウント部がカウントする回数が予め設定される規定回数を越えるとき、寿命レベル信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
入力される交流電圧を整流する電源整流回路と、
上記電源整流回路に接続され、平滑電圧を生成する電解コンデンサを有する直流電源回路と、
上記電解コンデンサに接続され、上記平滑電圧を接続されるランプに対応する電圧に変換して上記ランプを点灯する点灯回路と、
上記電解コンデンサに並列に接続され、上記電解コンデンサのリップル電圧を検出するとともに、この検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧よりも上回るとき、上記ランプの明るさを低減させる寿命レベル信号を上記点灯回路に出力する寿命検知回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
寿命検知回路は、検出するリップル電圧が予め設定される基準電圧を上回る回数をカウントするカウント部を備え、上記カウント部がカウントする回数が予め設定される規定回数を越えるとき、寿命レベル信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の点灯装置。
【請求項5】
点灯回路は、スイッチング素子と、このスイッチング素子を所定の周期でON/OFF制御するとともに、寿命検知回路が寿命レベル信号を出力するときは、スイッチング素子をON/OFFする周期を変更する制御回路と、上記スイッチング素子に接続され、ランプに供給する電流または電圧を制限するインダクタ及びコンデンサと、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の点灯装置。
【請求項6】
点灯回路は、スイッチング素子と、このスイッチング素子のON/OFFを制御して、予め設定される所定電流がランプに流れるように制御するとともに、寿命検知回路が寿命レベル信号を出力するときは、上記ランプに流れる電流を上記所定電流よりも少ない電流となるように制御する制御回路と、
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の点灯装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の点灯装置と、
上記点灯装置を固定する器具本体と、
を備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−177012(P2010−177012A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17736(P2009−17736)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】