説明

点灯装置及び照明装置

【課題】1つの調光信号に応じて第1の光源を調光し、その調光信号の信号値が所定値になると第1の光源を確実に消灯させるとともに第2の光源を確実に点灯させることを目的とする。
【解決手段】照明装置10の点灯装置40において、調光信号検出回路70により入力された調光信号のデューティ比が閾値D1未満である場合、第1の点灯制御部61は調光信号のデューティ比が大きいほど第1の光源LA1を小さい光出力で点灯させ、第2の点灯制御部62は第2の光源LA2を消灯させる。調光信号のデューティ比がD1以上である場合、第1の点灯制御部61は第1の光源LA1を消灯させ、第2の点灯制御部62は調光信号のデューティ比が大きいほど第2の光源LA2を小さい光出力で点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置及び照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置において、主照明光源、補助照明光源を調光制御信号に基づいて調光制御する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−19060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の照明器具における無駄な明かりの削減は、省エネ、省電力において重要である。このことから、その実現手段である点灯装置の調光制御の需要は増加している。特許文献1に記載されている通り、外部から入力される調光信号に応じて、調光制御する照明装置及び調光制御方式は、省エネ、省電力のニーズを満たすことができ、さらに異なる光源を調光制御することで照明装置としての演出性を高めることができる。
【0005】
特許文献1に記載の照明装置は、調光制御信号により、それぞれの光源が連続的に調光する照明ユニットであり、調光制御信号が、所定の調光率に達したとき、略連続する光束を出力するように照明用光源を切り換えることで、主照明光源から補助照明光源に、又は、逆に補助照明光源から主照明光源に照明用光源を切り換えても使用者に違和感による不快感を与えないようにする。しかし、この従来の照明装置では、互いに波長の異なる光を照射する第1の光源と第2の光源とを用い、1つの調光信号に応じて第1の光源を調光し、その調光信号の信号値が所定値になると第1の光源を確実に消灯させるとともに第2の光源を確実に点灯させるということができないという課題があった。
【0006】
本発明は、例えば、1つの調光信号に応じて第1の光源を調光し、その調光信号の信号値が所定値になると第1の光源を確実に消灯させるとともに第2の光源を確実に点灯させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係る点灯装置は、
互いに波長の異なる光を照射する第1の光源と第2の光源とを点灯させる点灯装置において、
パルス幅変調が施された調光信号を入力する入力部と、
前記入力部により入力された調光信号のデューティ比が所定の第1の閾値未満である場合、当該調光信号のデューティ比が大きいほど前記第1の光源を小さい光出力で点灯させ、当該調光信号のデューティ比が前記第1の閾値以上である場合、前記第1の光源を消灯させる第1の点灯制御部と、
前記入力部により入力された調光信号のデューティ比が前記第1の閾値以上の第2の閾値未満である場合、前記第2の光源を消灯させ、当該調光信号のデューティ比が前記第2の閾値以上である場合、前記第2の光源を点灯させる第2の点灯制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一の態様によれば、第1の光源が点灯している期間は第2の光源が消灯し、第1の光源が消灯している期間は第2の光源が点灯するように点灯及び消灯制御を確実に行うことで、使用者が第1の光源及び第2の光源を操作したときの誤動作をなくすことができる。また、第1の光源と第2の光源との点灯制御を効率よく行うことで、消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る照明装置の斜視図。
【図2】実施の形態1に係る(a)照明装置の光源部及び配光制御部の斜視図、(b)照明装置の光源部の上面図。
【図3】実施の形態1に係る照明装置の構成を示すブロック図。
【図4】実施の形態1に係る調光信号のデューティ比と光源部の光出力との関係の第1例を示すグラフ。
【図5】実施の形態1に係る調光信号のデューティ比と光源部の光出力との関係の第2例を示すグラフ。
【図6】実施の形態1に係る調光信号のデューティ比と光源部の光出力との関係の第3例を示すグラフ。
【図7】実施の形態1に係る照明装置の詳細構成の第1例を示すブロック図。
【図8】実施の形態1に係る照明装置の点灯制御部の動作の例を示すフローチャート。
【図9】実施の形態1に係る照明装置の詳細構成の第2例を示すブロック図。
【図10】実施の形態1に係る照明装置の詳細構成の第2例を示す回路図。
【図11】実施の形態2に係る照明装置の構成を示すブロック図。
【図12】実施の形態3に係る(a)照明装置の光源部及び配光制御部の斜視図、(b)照明装置のA断面図、(c)照明装置の光源部の上面図。
【図13】実施の形態4に係る(a)照明装置の光源部及び配光制御部の斜視図、(b)照明装置のA断面図、(c)照明装置の光源部の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の斜視図である。図2(a)は、照明装置10の光源部20及び配光制御部30の斜視図である。図2(b)は、光源部20の上面図である。
【0012】
図1において、照明装置10は、筐体11、拡散板12、カバー13を備える。筐体11の内部には、図2(a)に示す光源部20及び配光制御部30が複数並べて配設されるほか、後述する点灯装置等が収容される。拡散板12は、配光制御部30の前方に取り付けられ、光源部20から配光制御部30を介して出射される光を拡散させて装置外部に放射する。カバー13は、拡散板12の形状に合わせて開口されており、筐体11の前面にネジ14で取り付けられる。なお、本実施の形態の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、照明装置10及び照明装置10の各部の配置や向き等を限定するものではない。例えば照明装置10が天井に設置されるとすれば、前述した「上面図」の「上」や、「前方」及び「前面」の「前」は、照明装置10の設置状態ではいずれも「下」に該当することになる。
【0013】
図2(a)及び(b)において、光源部20は、第1の光源LA1、第2の光源LA2、基板21、コネクタ22を備える。配光制御部30は、複数の窓部31(リフレクタ)を備える。
【0014】
第1の光源LA1は、可視光を照射する複数の可視光LEDであり、具体的には、白色LED群である。第2の光源LA2は、第1の光源LA1と波長の異なる光として紫外光を照射する複数の紫外光LEDであり、即ち、紫外線LED群である。基板21には、第1の光源LA1と第2の光源LA2とが交互に、直線状かつ1列に並べて実装される。コネクタ22は、基板21を直接又は他の基板を介して点灯装置と電気的に接続する。なお、第1の光源LA1及び第2の光源LA2は、それぞれ白色光及び紫外光以外の発光色の光源であってもよいし、また、EL等、LED以外の種類の光源であってもよい。第1の光源LA1及び第2の光源LA2の配置は、直線状でなくてもよいし、1列でなくてもよいし、また、第1の光源LA1と第2の光源LA2とが交互に並ばなくてもよい。第1の光源LA1及び第2の光源LA2のLED実装数は、2個以下でも4個以上でもよいし、また、第1の光源LA1と第2の光源LA2とが異なる数のLEDで構成されてもよい。
【0015】
配光制御部30は、光源部20を上から覆い、第1の光源LA1及び第2の光源LA2から照射される光を窓部31で配光制御する。配光制御部30は、第1の光源LA1及び第2の光源LA2から発せられる光を漏らさないように遮光性の高い樹脂で構成される。また、配光制御部30は、第2の光源LA2からの紫外線で劣化しない物質で構成される。窓部31は、第1の光源LA1(白色LED群)及び第2の光源LA2(紫外線LED群)に1対1で対応する。窓部31は、対応する1つのLEDと同じ位置に設けられており、当該LEDから照射される光を配光制御する。窓部31は、所望の配光特性が得られるように内側面が所定の角度で傾斜した筒状の形態を有する。角度を設けた筒状の形態であると、LEDから発させられる光が窓部31の内側面で反射し、窓部31より拡散した光を得ることができる。
【0016】
図3は、照明装置10の構成を示すブロック図である。
【0017】
図3において、照明装置10は、点灯装置40を備える。点灯装置40は、点灯回路部50、点灯制御部60、調光信号検出回路70(入力部)を備える。点灯回路部50には、外部の商用電源ACから電源が入力される。調光信号検出回路70には、外部の調光器90からパルス幅変調(PWM)が施された調光信号、即ち、PWM信号が入力される。点灯回路部50は、第1の点灯回路51と第2の点灯回路52とを備え、第1の点灯回路51には第1の光源LA1が接続され、第2の点灯回路52には第2の光源LA2が接続される。
【0018】
点灯制御部60は、PWM信号を検出した調光信号検出回路70の出力を受け、PWM信号に応じた点灯制御指令を点灯回路部50に出力する。第1の点灯回路51と第2の点灯回路52とは、入力された電源からPWM信号に従った電力を生成し、それぞれ第1の光源LA1と第2の光源LA2とに供給する。
【0019】
図4は、調光信号のデューティ比と光源部20の光出力との関係の第1例を示すグラフである。
【0020】
図4において、横軸は、調光器90から入力されるPWM信号(調光信号)のオン・デューティ比を示し、縦軸は、点灯装置40から得られるアウトプットとして、オン・デューティ比に対応する第1の光源LA1及び第2の光源LA2の光出力を示している。なお、PWM信号のオン・デューティ比の代わりに、PWM信号のオフ・デューティ比を用いても構わない。
【0021】
PWM信号のオン・デューティ比と第1の光源LA1が発する光出力との関係は、オン・デューティ比を増加させたとき、光出力がオン・デューティ比に比例して小さくなる関係となっている。オン・デューティ比がD1(例えば、97%)を超えたとき、第1の点灯回路51は第1の光源LA1を消灯させる。また、第2の点灯回路52は、第1の点灯回路51が第1の光源LA1を点灯させるオン・デューティ比の期間は、第2の光源LA2を消灯させ、第1の光源LA1が消灯するように制御されると第2の光源LA2を点灯させる。即ち、オン・デューティ比がD1を超えたとき、第2の点灯回路52は第2の光源LA2を点灯させる。PWM信号のオン・デューティ比と第2の光源LA2が発する光出力との関係は、オン・デューティ比が増加しても、光出力が一定である関係となっている。オン・デューティ比がD3(例えば、100%)に達すると、第2の点灯回路52は第2の光源LA2を消灯させる。
【0022】
本例に係る照明装置10を、例えば蛍光塗料で壁に絵が描かれた部屋の天井に設置すれば、白色LED群の点灯時は部屋を明るく照らし、紫外線LED群の点灯時は部屋の壁を照らして壁の絵を浮かび上がらせるといった演出効果が得られる。
【0023】
図5は、調光信号のデューティ比と光源部20の光出力との関係の第2例を示すグラフである。
【0024】
図4と図5との異なる点は、PWM信号のオン・デューティ比と第2の光源LA2の光出力との関係である。図4では、第2の光源LA2が、オン・デューティ比によらず固定出力で点灯するが、図5では、第2の光源LA2の光出力が、第1の光源LA1と同様にオン・デューティ比に比例して小さくなる。
【0025】
本例において、オン・デューティ比がD1(例えば、80%)を超えたとき、第1の点灯回路51は第1の光源LA1を消灯させ、それと同時に、第2の点灯回路52は第2の光源LA2を点灯させる。オン・デューティ比がD3(例えば、100%)に達すると、第2の点灯回路52は第2の光源LA2を消灯させる。
【0026】
本例に係る照明装置10を、例えば蛍光塗料で壁に絵が描かれた部屋の天井に設置すれば、前述したような演出効果をさらに高めることができる。
【0027】
図6は、調光信号のデューティ比と光源部20の光出力との関係の第3例を示すグラフである。
【0028】
図5と図6との異なる点は、第1の光源LA1を消灯させるタイミングと第2の光源LA2を点灯させるタイミングとの関係である。図5では、第1の光源LA1が消灯するタイミングと第2の光源LA2が点灯するタイミングとが同時である。図6では、オン・デューティ比が大きくなっていくと、まず第1の光源LA1が消灯し、その後、さらにオン・デューティ比が大きくなっていくと、第2の光源LA2が点灯する。
【0029】
本例において、オン・デューティ比がD1(例えば、80%)を超えたとき、第1の点灯回路51は第1の光源LA1を消灯させる。オン・デューティ比がD2(例えば、83%)を超えたとき、第2の点灯回路52は第2の光源LA2を点灯させる。オン・デューティ比がD3(例えば、100%)に達すると、第2の点灯回路52は第2の光源LA2を消灯させる。
【0030】
このように、本例では、オン・デューティ比に、第1の光源LA1が点灯する区間(期間)と第2の光源LA2が点灯する区間(期間)との間に、第1の光源LA1も第2の光源LA2も消灯する区間(期間)を設けている。したがって、本例に係る照明装置10を、例えば蛍光塗料で壁に絵が描かれた部屋の天井に設置すれば、紫外線LED群の点灯時は白色LED群が必ず消灯しているため、前述したような演出効果が確実に得られる。
また、白色LEDが点灯している間は紫外線LEDは消灯している構成にしているので、使用者が白色LEDが発する可視光のせいで紫外線LEDが点灯していることに気づかないといった問題も生じない。
【0031】
なお、PWM信号のデューティ比と光源部20の光出力との関係は、図4、図5、図6に示したものに限らない。例えば、光源自身のもつ光出力特性に応じて、オン・デューティ比に対する光出力の変化率を直線状ではなく、曲線状としてもよい。
【0032】
図7は、照明装置10の詳細構成の第1例を示すブロック図である。
【0033】
図7において、点灯制御部60はマイクロコンピュータで構成され、マイクロコンピュータに第1の点灯制御部61と、第2の点灯制御部62と、デューティ比検出部63と、判定部64とを備える。
【0034】
調光信号検出回路70は、一端側が調光器90に接続される抵抗R1と、この抵抗R1の他端と調光器90に接続されるコンデンサC1と、抵抗R1及びコンデンサC1が接続される接続点に一端側が接続される抵抗R2と、この抵抗R2に接続されるダイオードブリッジDB1とを備える。このダイオードブリッジDB1は、調光信号検出回路70に接続される調光器90の極性を誤った場合であっても、ダイオードブリッジDB1の後段に接続されるスイッチング回路80に入力する信号の極性を同じにするためのものである。
【0035】
スイッチング回路80は、調光信号検出回路70のダイオードブリッジDB1に発光ダイオード部が接続され、調光信号(PWM信号)に応動してフォトトランジスタ部がスイッチング(オン・オフ)するフォトカプラPCを備える。このスイッチング回路80は、フォトカプラPCがスイッチング動作することによって、制御電源VDDから抵抗R3を介して入力される電圧を、矩形波状の電圧に変換し、PWM制御信号として出力する。このPWM制御信号は、調光信号を反転した信号となるが、周波数及びデューティ比は同じものである。
【0036】
デューティ比検出部63は、スイッチング回路80が出力するPWM制御信号を入力する。判定部64は、デューティ比検出部63が検出したPWM制御信号を判定して、第1の点灯制御部61と第2の点灯制御部62とに対し、調光信号に応じた指令を行う。第1の点灯制御部61は、第1の点灯回路51に点灯制御、調光制御、消灯制御の信号を出力する。第2の点灯制御部62は、第2の点灯回路52に点灯制御、調光制御、消灯制御の信号を出力する。
【0037】
図8は、点灯制御部60の動作の例を示すフローチャートである。
【0038】
図8では、調光信号のオン・デューティ比と第1の光源LA1及び第2の光源LA2の光出力との関係が図5に示したような関係になる場合の制御フローを示している。
【0039】
ステップS11において、デューティ比検出部63は、PWM制御信号のデューティ比Dを検出する。
【0040】
ステップS12において、判定部64は、ステップS11で検出されたデューティ比DがD1(第1の閾値及び第2の閾値の例)より大きいか否か判定する。デューティ比DがD1以下であれば、ステップS13に進む。デューティ比DがD1より大きければ、ステップS16に進む。
【0041】
ステップS13において、第1の点灯制御部61は、第1の点灯回路51の点灯制御を行う。ステップS14において、第1の点灯制御部61は、デューティ比Dに従った調光率を指定して第1の点灯回路51の調光制御を行う。ステップS15において、第2の点灯制御部62は、第2の点灯回路52の消灯制御を行う。
【0042】
ステップS16において、判定部64は、ステップS11で検出されたデューティ比DがD3(第3の閾値の例)より小さいか否か判定する。デューティ比DがD3より小さければ、ステップS17に進む。デューティ比DがD3以上であれば、ステップS20に進む。
【0043】
ステップS17において、第2の点灯制御部62は、第2の点灯回路52の点灯制御を行う。ステップS18において、第2の点灯制御部62は、デューティ比Dに従った調光率を指定して第2の点灯回路52の調光制御を行う。ステップS19において、第1の点灯制御部61は、第1の点灯回路51の消灯制御を行う。
【0044】
ステップS20において、第1の点灯制御部61は、第1の点灯回路51の消灯制御を行う。ステップS21において、第2の点灯制御部62は、第2の点灯回路52の消灯制御を行う。
【0045】
上記のように、本例において、調光信号検出回路70により入力された調光信号(PWM制御信号)のデューティ比が所定の第1の閾値D1未満である場合、第1の点灯制御部61は調光信号のデューティ比が大きいほど第1の光源LA1を小さい光出力で点灯させ、第2の点灯制御部62は第2の光源LA2を消灯させる。調光信号のデューティ比がD1以上、かつ、D1より大きい第3の閾値D3未満である場合、第1の点灯制御部61は第1の光源LA1を消灯させ、第2の点灯制御部62は調光信号のデューティ比が大きいほど第2の光源LA2を小さい光出力で点灯させる。調光信号のデューティ比がD3以上である場合、第2の点灯制御部62は第2の光源LA2を消灯させる。
【0046】
本実施の形態によれば、第1の光源LA1が点灯している期間は第2の光源LA2が消灯し、第1の光源LA1が消灯している期間は第2の光源LA2が点灯するように点灯及び消灯制御を確実に行うことで、使用者が第1の光源LA1及び第2の光源LA2を操作したときの誤動作をなくすことができる。また、第1の光源LA1と第2の光源LA2との点灯制御を効率よく行うことで、消費電力を低減させることができる。
【0047】
なお、調光信号のオン・デューティ比と第1の光源LA1及び第2の光源LA2の光出力との関係が図4に示したような関係になるとすると、調光信号のデューティ比がD1以上、かつ、D3未満である場合、第2の点灯制御部62は調光信号のデューティ比の大きさに関わらず第2の光源LA2を一定の光出力で点灯させる。
【0048】
また、調光信号のオン・デューティ比と第1の光源LA1及び第2の光源LA2の光出力との関係が図6に示したような関係になるとすると、調光信号のデューティ比がD1以上、かつ、D1より大きい第2の閾値D2未満である場合、第2の点灯制御部62は第2の光源LA2を消灯させる。調光信号のデューティ比がD2以上、かつ、D2より大きいD3未満である場合、第2の点灯制御部62は調光信号のデューティ比が大きいほど第2の光源LA2を小さい光出力で点灯させる。
【0049】
図9は、照明装置10の詳細構成の第2例を示すブロック図である。
【0050】
図9は、図7と異なり、照明装置10が点灯制御部60にマイクロコンピュータを使用しない回路構成をとる。点灯制御部60は、時間積分回路65と、ダイオードDDと、ピーク電圧検出回路66と、第1の消灯制御回路67(第1の点灯制御部)と、反転部68及び第2の消灯制御回路69(第2の点灯制御部)とを備える。なお、図7の例と同じ構成部分の説明を省略する。
【0051】
時間積分回路65は、スイッチング回路80が出力するPWM制御信号を入力し、このPWM制御信号を積分して、略平坦な波形の直流電圧を生成し、この生成した直流電圧を第1の点灯回路51と第2の点灯回路52とに出力する。ピーク電圧検出回路66は、ダイオードDDを介して、スイッチング回路80が出力するPWM制御信号を入力し、この入力したPWM制御信号のピーク電圧を検出する。ピーク電圧検出回路66は、第1の消灯制御回路67と第2の消灯制御回路69とに接続される。第1の消灯制御回路67及び第2の消灯制御回路69は、ピーク電圧検出回路66が出力する信号に従い、それぞれ第1の点灯回路51及び第2の点灯回路52の消灯制御を行う。反転部68は、ピーク電圧検出回路66からの信号を反転させることにより、第2の消灯制御回路69に第1の消灯制御回路67と逆の動作(点灯制御に対しては消灯制御、消灯制御に対しては点灯制御)をさせる。このため、第1の点灯回路51が第1の光源LA1を点灯させているときは、第2の点灯回路52が第2の光源LA2を消灯させ、第2の点灯回路52が第2の光源LA2を点灯させているときは、第1の点灯回路51が第1の光源LA1を消灯させることになる。
【0052】
図10は、照明装置10の詳細構成の第2例を示す回路図である。
【0053】
図10では、図9の構成の実装例を示している。
【0054】
スイッチング回路80は、図7の例と同様のフォトカプラPCのほかに、フォトカプラPCが出力する信号を増幅するための増幅回路81を備えている。
【0055】
増幅回路81は、抵抗R4,R5、コンデンサC2、スイッチング素子Q1(MOS−FET)からなる反転スイッチング部82と、スイッチング素子Q2,Q3(MOS−FET)、抵抗R6,R7からなる出力スイッチング部83とを備える。反転スイッチング部82は、フォトカプラPCの出力によりスイッチングして、フォトカプラPCの出力波形を反転した反転信号を出力する。出力スイッチング部83は、この反転信号を入力し、さらに反転してフォトカプラPCの出力波形と同位相とするとともに、フォトカプラPCの出力よりも信号レベルの高いPWM制御信号を出力する。これにより、フォトカプラPCが出力する出力信号のレベルが低いとき、後段の時間積分回路65、ピーク電圧検出回路66が誤動作するのを防止することができる。なお、フォトカプラPCが出力する出力信号のレベルが高く、時間積分回路65、ピーク電圧検出回路66が誤動作するおそれがないときは、増幅回路81を省略してもよい。
【0056】
時間積分回路65は、抵抗R8と、この抵抗R8に接続されるコンデンサC3とからなる積分回路である。ピーク電圧検出回路66は、ダイオードDDに接続されるコンデンサC4と、このコンデンサC4に接続される抵抗R9と、この抵抗R9にベース端子が接続されるトランジスタQ4と、このトランジスタQ4のベース端子とエミッタ端子とに並列に接続される抵抗R10と、トランジスタQ4のコレクタ端子に接続される抵抗R11とを備える。第1の消灯制御回路67は、ゲート端子がピーク電圧検出回路66のトランジスタQ4のコレクタ端子に接続されるスイッチング素子Q5(MOS−FET)と、このスイッチング素子Q5のドレイン端子に接続される抵抗R12とを備える。反転部68は、ピーク電圧検出回路66のトランジスタQ4を共用している。第2の消灯制御回路69は、トランジスタQ4のコレクタ端子に接続される抵抗R13を備える。
【0057】
ここで、フォトカプラPCにより、制御電源VDDをスイッチングして得られる電圧をPWM制御信号V1とする。PWM制御信号V1は、時間積分回路65に入力されるとともに、ダイオードDDを介してピーク電圧検出回路66に入力される。ピーク電圧検出回路66の駆動は、トランジスタQ4で行う。
【0058】
時間積分回路65から出力される調光制御信号は、PWM制御信号V1の時間積分で得られる直流電圧、即ち、(制御電源VDDの電圧)×(PWM制御信号V1のオン・デューティ比)で算出される信号である。なお、抵抗R8とコンデンサC3との時定数は、PWM制御信号V1で得られる矩形波電圧の周期、即ち、PWM信号の周期以上となる必要がある。
【0059】
ピーク電圧検出回路66のコンデンサC4は、PWM制御信号V1がHIのときに、
(制御電源VDDの電圧)−(ダイオードDDの固有の順方向電圧VF)で算出されるピーク電圧まで充電される。そして、PWM制御信号V1がLOWのときに、ピーク電圧から抵抗R9,R10とコンデンサC4との放電時定数で放電し、ピーク電圧検出回路66のトランジスタQ4の駆動信号を出力する。第1の消灯制御回路67は、トランジスタQ4の駆動で消灯制御の動作を行うため、トランジスタQ4の駆動閾値電圧以上の電位がコンデンサC4に充電されていれば動作することはなく、第2の消灯制御回路69は、トランジスタQ4がオンのため、消灯制御の動作を行う。
【0060】
次に、PWM信号のオン・デューティ比が100%のときについて説明する。
【0061】
ピーク電圧検出回路66から得られる電位がなくなることから、トランジスタQ4がオフ、スイッチング素子Q5がオンになって、第1の消灯制御回路67が動作し、第2の消灯制御回路69が動作しなくなる。このとき、オン・デューティ比による第1の消灯制御回路67及び第2の消灯制御回路69のそれぞれの消灯制御動作は、例えば、PWM信号のオン・デューティ比が93%以上のときに行うとすると、抵抗R9,R10とコンデンサC4との放電時定数が、PWM制御信号V1のLOW期間以上となるようにして、PWM制御信号V1のLOW期間中にコンデンサC4の電圧をトランジスタQ4のオン電圧未満にして、トランジスタQ4をオフにする。
【0062】
例えば、PWM制御信号V1のHI期間中のコンデンサC4の電圧と、トランジスタQ4のオン電圧との関係が逆転(コンデンサC4の電圧≧トランジスタQ4のオン電圧)すると、所定の調光状態で点灯制御している最中に、第1の消灯制御回路67と第2の消灯制御回路69とが誤動作となる。よって、放電時定数は、PWM信号の1周期以上として設定することが望ましい。
【0063】
さらに、放電時定数は、第1の光源LA1と第2の光源LA2との点灯を切り替え操作したときに、実際に回路が消灯制御と点灯制御とを行うまでの応答時間であるため、違和感のない時間に設定することが望ましい。
【0064】
調光制御信号としては、共通の信号を第1の点灯回路51と第2の点灯回路52とに入力する。一方、第1の点灯回路51と第2の点灯回路52とには、それぞれ消灯制御信号が入力されることから、共通の調光制御信号を入力すれば第1の光源LA1と第2の光源LA2とのオン・デューティ比に従った調光制御が可能である。
【0065】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0066】
図11は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
【0067】
照明装置10は、点灯装置40として、第1の点灯装置41と第2の点灯装置42とを備える。第1の点灯装置41は、第1の点灯回路51と第1の点灯制御部61とを備える。第2の点灯装置42は、第2の点灯回路52と第2の点灯制御部62とを備える。
【0068】
第1の点灯回路51及び第2の点灯回路52は、共通の商用電源ACから入力される交流電源を基に、それぞれ接続する第1の光源LA1及び第2の光源LA2に電力を供給する。第1の点灯制御部61及び第2の点灯制御部62は、共通の調光器90から入力される調光信号(PWM信号)に従って、実施の形態1と同様の制御を行う。
【0069】
このように、点灯装置40を2つの装置に分割して実装しても構わない。
【0070】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0071】
本実施の形態に係る照明装置10の外観は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。
【0072】
図12(a)は、照明装置10の光源部20及び配光制御部30の斜視図である。図12(b)は、照明装置10のA断面図である。図12(c)は、光源部20の上面図である。
【0073】
図12(a)〜(c)において、光源部20は、実施の形態1と同様に、第1の光源LA1、第2の光源LA2、基板21、コネクタ22を備える。配光制御部30は、実施の形態1と同様に、複数の窓部31(リフレクタ)を備える。
【0074】
本実施の形態では、第2の光源LA2(紫外線LED群)が、第1の光源LA1(白色LED群)のそれぞれの近傍に1つずつ配置される。そして、窓部31が、第1の光源LA1に1対1で対応する。つまり、1つの白色LEDと1つの紫外線LEDとが、同じ窓部31に配置される。窓部31は、対応する1つの白色LEDと当該白色LEDの近傍に配置された1つの紫外線LEDとから照射される光を配光制御する。
【0075】
窓部31の内側面は、白色LEDが配置されるB側と、紫外線LEDが近傍に配置されるC側とで角度が異なっている。ここでは、C側がB側よりも、基板21に対して急峻である。そのため、白色LEDの発する光に比べて、紫外線LEDが発する光はC側の方向に集まる。よって、例えば照明装置10が天井に設置されるとすれば、紫外線LEDは、白色LEDが主として直下(所定の第1の方向)を照らすのに対して、主として横方向(第1の方向と異なる第2の方向)を照らすことができる。つまり、窓部31は、1つの白色LEDから照射される光を下方向に配光制御し、当該白色LEDの近傍に配置された紫外線LEDから照射される光を横方向に配光制御することができる。
【0076】
本実施の形態に係る照明装置10を、例えば蛍光塗料で壁に絵が描かれた部屋の天井に設置すれば、白色LED群の点灯時は部屋全体を明るく照らし、紫外線LED群の点灯時は部屋の壁のみを照らして壁の絵をくっきりと浮かび上がらせるといった演出効果が得られる。
【0077】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態2との差異を説明する。
【0078】
本実施の形態に係る照明装置10の外観は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。
【0079】
図13(a)は、照明装置10の光源部20及び配光制御部30の斜視図である。図13(b)は、照明装置10のA断面図である。図13(c)は、光源部20の上面図である。
【0080】
図13(a)〜(c)において、光源部20は、実施の形態2と同様に、第1の光源LA1、第2の光源LA2、基板21、コネクタ22を備える。配光制御部30は、実施の形態2と同様に、複数の窓部31(リフレクタ)を備える。
【0081】
本実施の形態では、第2の光源LA2(紫外線LED群)が、第1の光源LA1(白色LED群)のそれぞれの近傍に、第1の光源LA1を挟むように2つずつ配置される。窓部31は、対応する1つの白色LEDと当該白色LEDの両隣に配置された2つの紫外線LEDとから照射される光を配光制御する。
【0082】
窓部31の内側面は、放物面をなしている。そのため、白色LEDが発する光と紫外線LEDが発する光とを略同じ方向に出射することができる。よって、本実施の形態に係る照明装置10から、照明として均一な光が得られる。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0084】
10 照明装置、11 筐体、12 拡散板、13 カバー、14 ネジ、20 光源部、21 基板、22 コネクタ、30 配光制御部、31 窓部、40 点灯装置、41 第1の点灯装置、42 第2の点灯装置、50 点灯回路部、51 第1の点灯回路、52 第2の点灯回路、60 点灯制御部、61 第1の点灯制御部、62 第2の点灯制御部、63 デューティ比検出部、64 判定部、65 時間積分回路、66 ピーク電圧検出回路、67 第1の消灯制御回路、68 反転部、69 第2の消灯制御回路、70 調光信号検出回路、80 スイッチング回路、81 増幅回路、82 反転スイッチング部、83 出力スイッチング部、90 調光器、AC 商用電源、C1〜C4 コンデンサ、DD ダイオード、DB1 ダイオードブリッジ、LA1 第1の光源、LA2 第2の光源、PC フォトカプラ、Q1〜Q3,Q5 スイッチング素子、Q4 トランジスタ、R1〜R13 抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに波長の異なる光を照射する第1の光源と第2の光源とを点灯させる点灯装置において、
パルス幅変調が施された調光信号を入力する入力部と、
前記入力部により入力された調光信号のデューティ比が所定の第1の閾値未満である場合、当該調光信号のデューティ比が大きいほど前記第1の光源を小さい光出力で点灯させ、当該調光信号のデューティ比が前記第1の閾値以上である場合、前記第1の光源を消灯させる第1の点灯制御部と、
前記入力部により入力された調光信号のデューティ比が前記第1の閾値以上の第2の閾値未満である場合、前記第2の光源を消灯させ、当該調光信号のデューティ比が前記第2の閾値以上である場合、前記第2の光源を点灯させる第2の点灯制御部と
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記第2の点灯制御部は、前記入力部により入力された調光信号のデューティ比が前記第2の閾値以上である場合、当該調光信号のデューティ比が大きいほど前記第2の光源を小さい光出力で点灯させることを特徴とする請求項1の点灯装置。
【請求項3】
前記第2の閾値は、前記第1の閾値と同じ値であることを特徴とする請求項1又は2の点灯装置。
【請求項4】
前記第2の閾値は、前記第1の閾値より大きい値であることを特徴とする請求項1又は2の点灯装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの点灯装置と、前記第1の光源と、前記第2の光源とを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記第1の光源は、可視光を照射する複数の可視光LEDであり、
前記第2の光源は、紫外光を照射する複数の紫外光LEDであることを特徴とする請求項5の照明装置。
【請求項7】
前記複数の紫外光LEDは、前記複数の可視光LEDのそれぞれの近傍に少なくとも1つずつ配置され、
前記照明装置は、さらに、前記複数の可視光LEDに1対1で対応する複数の窓部であって、それぞれが前記複数の可視光LEDの1つと当該可視光LEDの近傍に配置された紫外光LEDとから照射される光を配光制御する複数の窓部を有する配光制御部を備えることを特徴とする請求項6の照明装置。
【請求項8】
前記複数の窓部は、それぞれが前記複数の可視光LEDの1つから照射される光を所定の第1の方向に配光制御し、当該可視光LEDの近傍に配置された紫外光LEDから照射される光を前記第1の方向と異なる第2の方向に配光制御することを特徴とする請求項7の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−169147(P2012−169147A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29046(P2011−29046)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】