説明

無接触操作装置、電子機器及び車載機器

【課題】誤検知による誤動作を防止する。
【解決手段】指8を検出する右側及び左側光学センサ装置11R、11Lと、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれが前記指8を検知した場合に、ボリューム調整用信号DVを出力する信号処理ユニット12とを備え、前記信号処理ユニット12は、前記右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、前記物体が前記指8か否かを判断し、前記物体が前記指8でないと判断した場合には、前記ボリューム調整用信号DVを出力しない無接触操作装置10を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが操作子に触れる事なく機器に対する各種操作を可能にする無接触型の操作装置に係り、特に、誤検知による誤動作を防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ等のディスプレイデバイス技術の発展に伴い、各種電子機器に搭載されるディスプレイ装置の大型化が進み、情報提示における視認性の向上に寄与している。また、車載音響機器や車載情報機器等の車載機器においても同様にディスプレイ装置の大型化が進んでおり、それに伴って表示内容の充実、及び、視認性の向上が図られている。しかしながら、車載機器の場合は、一般の家庭用機器とは違い、車室内という空間が限定された場所に設置されることから装置本体のサイズに制約があり、ディスプレイ装置が大型化すると、車載装置を操作するための各種の操作ボタンを配置する配置スペースが狭くなるという問題がある。特に、車載機器においては、搭乗者がシートに座った位置から操作し易いレイアウトで各種の操作ボタンが車載機器に配置されていることが重要であるためレイアウトの制約を受け、ディスプレイ装置の大型化によって制限されたスペースに操作性を損なわないレイアウトで各種の操作ボタンを配置することは非常に困難である。
【0003】
そこで操作ボタンをダウンサイズすることが考えられるが、操作ボタンのダウンサイズにも限度がある。例えば、ボリューム調整用の操作子として、ボリューム調整量をユーザが把握し易くするために、内部に抵抗部品を有して構成された直線にスライド移動するつまみ部を有したスライダ操作子や、つまみ部が回転する回転式の回転操作子が用いられるのが一般的である。しかしながら、この種の操作子にあっては、つまみ部や当該つまみ部の操作に応じて駆動される機械的な構造体を有し、また、つまみ部を可動するためのスペースが必要となるため、操作子の小型化には限度があり、さらに、車載装置のフロント面からつまみ部が突出するため、この種の操作子を配設可能な箇所が限定されるという問題がある。
【0004】
ボリューム調整用の操作子には、上記の種類の操作子の他にも、ボリュームアップ用の押下スイッチと、ボリュームダウン用の押下スイッチとの2つの押下スイッチとを備えて構成された操作子が用いられることもあるが、この操作子にあっても、2つの押下スイッチという機械的な構造体を配設する必要があり配置可能な箇所が限定されるという問題を有する。
したがって、上記のような操作子をディスプレイ装置の周囲に配設すると、操作子のサイズと配設箇所の自由度の低さによりディスプレイ装置のサイズを制限する要因となる。
【0005】
そこで近年では、ディスプレイ装置自体に操作子の機能を持たせることで当該ディスプレイ装置の周囲に配設すべき操作子を削減すべく、パネル部分にタッチパネルを設けたディスプレイ装置が広く実用化されている。しかしながら、例えば車載機器のボリューム調整をタッチパネルの操作により行う構成とすると、カーオーディオ装置等の車載機器においては、ボリューム調整は常に操作可能にする必要のある機能であるため、ボリューム調整用の操作キーをディスプレイ装置に定常的に表示しておく必要が生じる。このため、車載機器にて実行されるアプリケーションを開発する際には、各アプリケーションのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)にボリューム調整用の操作キーを表示する機能を設ける必要が生じ、アプリケーションの開発作業が煩雑になる。
【0006】
ユーザがつまみ部やタッチパネルに表示された操作キーを操作する必要のある上記の各種の操作子の代わりとなる技術として、光センサを用いてユーザの動作を検出し、その動作により装置への操作入力を可能にした技術(以下、「無接触操作技術」と言う)が提案されている。この無接触操作技術においては、ユーザが光センサの上を横切るように指等を移動させたときの当該光センサの受光量の変化に応じて操作が入力されるようになっている。また、2つの光センサを並設することで、ユーザが2つの光センサを横切るように指等を移動させたときの各光センサのオン/オフのタイミングの差異を検出し、この検出値に基づいて指等の移動方向及び移動速度を推定し、これらの移動方向及び移動速度に応じて操作量を可変させて操作入力可能にすることもできるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−281963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の無接触操作技術においては、2つの光センサのオン/オフのタイミングの差異により指等の操作を検出しているため、例えば、ユーザが他の機器や他の操作子を操作しようとして2つの光センサの上を手や体が通過した場合であっても、かかる通過が検知されて意図せぬ操作入力が行われてしまう、といった問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、誤検知による誤動作を防止することが可能な無接触操作装置、電子機器及び車載機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、検知対象物を検出する2つの非接触センサと、前記非接触センサのそれぞれが前記検知対象物を検知した場合に、操作用の信号を出力する信号処理ユニットとを備え、前記信号処理ユニットは、前記非接触センサのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、前記物体が前記検知対象物か否かを判断し、前記物体が前記検知対象物でないと判断した場合には、前記操作用の信号を出力しないことを特徴とする無接触操作装置を提供する。
【0009】
また本発明は、上記発明において、前記信号処理ユニットは、前記非接触センサのそれぞれが物体を検知したときに、前記検知対象物の通過に伴って、いずれか一方の前記非接触センサが検知を開始してから検知を終了するまでの通過時間の予測値と、前記物体が検知されたときの通過時間の実測値とに基づいて、前記物体が前記検知対象物であるか否かを判断することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記発明において、前記検知対象物を同時に検出可能な間隔で前記2つの非接触センサを並設し、前記信号処理ユニットは、一方の前記非接触センサが物体を検知した後、他方の前記非接触センサが前記物体の検知を開始したときに、前記一方の非接触センサが前記物体を検知していない場合には、前記物体が前記検知対象物でないと判断することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、上記発明のいずれかに記載の無接触操作装置を備えたことを特徴とする電子機器を提供する。
【0012】
また本発明は、上記発明において、表示パネルを有する表示装置を備え、前記表示パネルの裏側に前記無接触操作装置を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、装置本体のフロント部分を露出させて車両の車室内に設けられる車載機器において、前記フロント部分にかざされたユーザの指を検出する2つの非接触センサと、前記非接触センサのそれぞれが前記指を検知した場合に、操作用の信号を出力する信号処理ユニットとを備え、前記信号処理ユニットは、前記非接触センサのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、検知された物体が前記指か否かを判断し、前記物体が前記指でないと判断した場合には、前記操作用の信号を出力しない無接触操作装置を具備することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上記発明において、前記信号処理ユニットは、前記指を検知した後、手の指同士の間隔に基づく所定時間以内に、指を検知した場合には、複数本の指による操作であると判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、非接触センサのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、前記物体が検知対象物か否かを判断し、前記物体が前記検知対象物でないと判断した場合には、操作用の信号を出力しない構成としたため、検知対象物による操作が検出された場合にだけ操作用の信号が出力され、誤検知による誤動作を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、車載機器の一態様たるカーオーディオ装置1の構成を示す図である。図1に示すように、カーオーディオ装置1は、フロント部分2Aを露出させるように車両のセンターコンソールに収納される装置本体2と、表示パネルとしての液晶パネル4を有し、各種情報を表示する表示装置3とを備え、この表示装置3が装置本体2のフロント部分2Aに配設されている。この表示装置3には、例えば音楽再生中においては、現在再生中の楽曲情報(楽曲タイトルや演奏時間、アーティスト名等)や現在の音量(ボリューム)といった情報が表示される。さらに、装置本体2のフロント部分2Aには、右側光学センサ装置11R及び左側光学センサ装置11Lを有した無接触操作装置10が配設されている。
【0017】
無接触操作装置10は、カーオーディオ装置1のボリューム(音量)調整操作を受け付けるものであり、上記右側光学センサ装置11R及び左側光学センサ装置11Lが間隔Wを設けてフロント部分2Aに並設されている。この配置間隔Wは、右側光学センサ装置11Rの検知点P1と、左側光学センサ装置11Lの検知点P2との幅が指8の一般的な幅Hよりも狭くなるように設定されており、これについては後に詳述する。
【0018】
右側及び左側光学センサ装置11R、11Lは、赤外線レーザ又は赤外線LEDを有し、装置本体2の正面に向けて放射する発光装置と、この赤外線が発光装置の正面に位置する物体に反射して戻ってくる反射光を受光して、受光強度に応じた電気信号を検出信号として出力する受光装置とを備えており(共に図示せず)、これら右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの検出信号の強度変化(オン/オフ)に基づいてボリューム調整が行われる。
【0019】
具体的には、図2に示すように、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの上を通過するようにユーザが指(検知対象物)8を移動させると、この指8の移動が右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれに検知され、ボリューム調整が行われる。このとき、右側光学センサ装置11Rから左側光学センサ装置11Lにかけて指8が通過した場合には、音量を上げ、これとは逆に、左側光学センサ装置11Lから右側光学センサ装置11Rにかけて指8が通過した場合には、音量を下げるように構成されている。
【0020】
次いで、カーオーディオ装置1の機能的構成について説明する。
図3は、カーオーディオ装置1の機能的構成を示すブロック図である。この図に示すように、カーオーディオ装置1は、上述した表示装置3及び無接触操作装置10を有し、さらに、全体制御装置と20と、記憶メディア装置21と、音響信号増幅装置22と、音響信号出力装置23とを備えている。
【0021】
全体制御装置20は、カーオーディオ装置1の各部を中枢的に制御するものであり、例えば、音楽の再生制御や、無接触操作装置10に対する操作に基づいてボリュームを変更する制御を実行する。
記憶メディア装置21は、楽曲データと、楽曲タイトル、演奏時間、アーティスト名等の楽曲情報とが記録されたCDやDVD、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリー等の記録媒体を再生する装置であり、全体制御装置20からの指示にしたがって楽曲データを音響信号増幅装置22にPCMデータとして出力する。
音響信号増幅装置22は、記憶メディア装置21から出力されるPCMデータをデジタルアナログ変換すると共に、全体制御装置20から指示された音量に相当する分だけ信号を増幅し音響信号として音響信号出力装置23へ出力する。
音響信号出力装置23は、音響信号増幅装置22から出力された音響信号を車室内に出力するものであり、例えば放音装置としてのスピーカを有している。
【0022】
無接触操作装置10は、上述した右側及び左側光学センサ装置11R、11Lと、これらの右側及び左側光学センサ装置11R、11Lが出力する検出信号PDR、PDLに基づいて、ボリュームの調整量を示すボリューム調整信号DVを生成し全体制御装置20に出力する信号処理ユニット12とを有し、この信号処理ユニット12は、センサ信号解析装置13と、センサ配置情報記憶装置14とを備えている。
【0023】
センサ信号解析装置13は、指8が右側及び左側光学センサ装置11R、11Lを通過したときに生じる検出信号PDR、PDLの強度変化に基づいて、指8が右側光学センサ装置11Rを通過した右側通過タイミングt1と、左側光学センサ装置11Rを通過した左側通過タイミングt2との時間差に基づいて指8の移動方向を特定し、当該移動方向に応じたボリューム調整信号DVを生成して全体制御装置20に出力するものである。
詳細には、センサ信号解析装置13は、右側通過タイミングt1又は左側通過タイミングt2を検出した場合に、内蔵のクロック回路(図示せず)のクロック信号に基づいて計時を開始して右側通過タイミングt1と左側通過タイミングt2との間の時間差を検出し、この時間差に基づいて指8の移動方向を特定し、その移動方向に対応したボリューム調整量を示す上記ボリューム調整信号DVを生成する。
【0024】
本実施形態では、センサ信号解析装置13は、指8の移動方向が右側光学センサ装置11Rから左側光学センサ装置11Lに向かう方向である場合には、音量を所定量だけ増加させるボリューム調整信号DVを生成し、また、指8の移動方向が左側光学センサ装置11Lから右側光学センサ装置11Rに向かう方向である場合には、音量を所定量だけ減少させるボリューム調整信号DVを生成して全体制御装置20に出力する。
【0025】
また、センサ信号解析装置13は、上記右側通過タイミングt1及び左側通過タイミングt2のいずれかを検知した場合には、上記ボリューム調整信号DVの生成に先立って、指8による操作のときだけボリューム調整信号DVを生成するようにすべく、検出信号PDR、PDLの強度変化が指8による操作によって生じたものであるか否かを判断する誤検知防止が可能な操作検出処理を実行するが、かかる操作検出処理については後に詳述する。
【0026】
センサ配置情報記憶装置14は、上記右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの配置間隔Wを示す間隔パラメータを格納するものであり、センサ信号解析装置13が誤検知防止処理を実行する際に当該センサ信号解析装置13により間隔パラメータが参照される。
【0027】
次いで、上述した誤検知が防止可能な操作検出処理について詳細に説明する。
図4は、左側光学センサ装置11Lに先だって右側光学センサ装置11Rの検出信号PDRに強度変化が生じたときの操作検出処理のフローチャートである。この図に示すように、ユーザが指8を右側光学センサ装置11Rから左側光学センサ装置11Lに向かって移動させたり、或いは、この方向に何らかの物体が横切ったときには、先ず、右側光学センサ装置11Rの検出信号PDRに強度変化が生じ、センサ信号解析装置13は、検出信号PDRの強度変化のタイミングを右側通過タイミングt1として検知し(ステップSa1)、左側通過タイミングt2までの時間差を検出すべく計時(タイマカウント)を開始する。
【0028】
そして、物体の移動に伴って左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLに強度変化が生じたときに、センサ信号解析装置13が、検出信号PDLの強度変化のタイミングを左側通過タイミングt2として検知する(ステップSa2)。また、センサ信号解析装置13は、左側通過タイミングt2を検知したとき、検出信号PDRに生じた強度変化が指8によるものか否かを特定するために、そのときの右側光学センサ装置11Rの検出状態を検出信号PDRに基づいて判断する(ステップSa3)。
【0029】
詳述すると、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの間隔Wは、上述の通り、右側光学センサ装置11Rの検知点P1と、左側光学センサ装置11Lの検知点P2との幅が指8の一般的な幅Hよりも狭くなるように設定されているため、指8による操作が行われていれば、上記左側通過タイミングt2において、右側光学センサ装置11Rの検知点P1にも指8が位置し、当該右側光学センサ装置11Rにおいても指8が検知されて続けていることになる。
【0030】
したがって、上記ステップSa3の判断の結果、右側光学センサ装置11Rが物体を検知していなときには(検出信号PDRが定常値に戻っているときには)、例えば鉛筆等の指8よりも細い物体が通過した事が推定される。そこで、この場合には、センサ信号解析装置13は、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lを通過した物体の形状(パターン)が、指8の形状(対象パターン)と異なるため計時動作を終了(タイマリセット)し(ステップSa4)、処理をステップSa1に戻すことになる。
一方、上記ステップSa3の判断の結果、右側光学センサ装置11Rが物体を検知しているときには、少なくとも指8以上に幅のある物体が通過している事が推定される。そこで、この場合には指8による操作か否かを特定することになる。
【0031】
詳述すると、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの配置間隔Wと、上記右側通過タイミングt1及び左側通過タイミングt2とに基づいて、次式(1)により物体の移動速度Vsが示される。
移動速度Vs=W/(t2−t1) (1)
なお、正確には移動速度Vsは、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの配置間隔Wに代えて、右側光学センサ装置11Rの検知点P1と左側光学センサ装置11Lとの間の検知点間距離W’を用いて算出されるが、簡単のため、配置間隔Wは検知点間距離W’とほぼ等しいものとする。
【0032】
一方、右側通過タイミングt1の後、右側光学センサ装置11Rが物体を検知しなくなったタイミングを右側検知終了タイミングt3とすると、右側光学センサ装置11Rを横断した物体の幅Hxは、次式(2)により示される。
物体の幅Hx=Vs×(t3−t1) (2)
【0033】
ここで、ユーザの指8によって操作がなされている場合には、指8の一般的な幅Hの最大値をHmaxとし、また、操作時における指8の一般的な移動速度の下限値をVmin(例えばVmin=5cm/sec)とすると、指8によって操作がなされている場合には、上記式(2)により、右側通過タイミングt1から右側検知終了タイミングt3までの時間差Tが取り得る時間差最大値Tmaxは、次式(3)により示される。
時間差最大値Tmax=Hmax/Vmin (3)
したがって、上記時間差Tが時間差最大値Tmaxを超えている場合には、例えば他の操作のために指8が非常にゆっくり動いている、或いは、動いていないか、又は、指8よりも幅のある物体が右側及び左側光学センサ装置11R、11Lを通過していることが示されることになる。
【0034】
センサ信号解析装置13には、上記時間差最大値Tmaxが設定最大値Tmaxとして予め設定されており、当該センサ信号解析装置13は、検出信号PDRに基づいて右側検知終了タイミングt3を検知すると(ステップSa5)、右側通過タイミングt1から設定最大値Tamxが経過するまでの間に、右側検知終了タイミングt3が検知されたか否かを判断し(ステップSa6)、設定最大値Tmaxを超えている場合には(ステップSa6:NO)、指8以外の物体、或いは、ユーザが操作を意図しない操作といった対象外の物体或いは操作が検知されたものと判断し、計時動作を終了(タイマリセット)し(ステップSa7)、処理手順をステップSa1に戻す。
【0035】
一方、右側通過タイミングt1から設定最大値Tamx以内に、右側検知終了タイミングt3が検知されている場合には(ステップSa6:YES)、指8が右側光学センサ装置11Rから左側光学センサ装置11Lにかけて移動する操作がなされたことを示すため、ボリュームアップを指示するボリューム調整信号DVを生成して全体制御装置20に出力すると共に、計時動作を終了(タイマリセット)し(ステップSa8)、処理手順をステップSa1に戻す。
【0036】
なお、上記式(1)により物体の移動速度を求めると共に、上記式(2)により物体の幅Hxを推定し、この物体の幅Hxが指8の最大値Hmaxよりも大きいか否かを上記ステップSa6において判断することで、物体が指8であるか否かを識別することも可能である。このとき、物体の移動速度が上記Vminよりも小さいか否かを合わせて判断することで、指8による操作が無接触操作装置10の操作を意図した操作であるか否かを判断することも可能である。
【0037】
以上の処理により、指8以外の物体、或いは、無接触操作装置10に対する操作以外の操作が右側及び左側光学センサ装置11R、11Lが検知された場合には、ボリューム調整信号DVが生成されることがなく、誤検知による誤操作が防止されることとなる。
なお、上記ステップSa1において右側通過タイミングt1が検知された後、一定時間が経過しても左側通過タイミングt2が検知されないときには、ユーザが操作を途中で中断したか、或いは、右側光学センサ装置11Rが指8以外の物体を検知したものと推定されるため、計時動作を終了(タイマリセット)し、処理手順をステップSa1に戻すようになっている。
【0038】
また、右側光学センサ装置11Rに先だって左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLに強度変化が生じたときにも、同様にして、誤検知の判断が行われる。
すなわち、図5に示すように、右側光学センサ装置11Rに先だって左側光学センサ装置11Lの検出信号PDLに強度変化が生じたときに、その強度変化のタイミングを左側通過タイミングt2としてセンサ信号解析装置13が検知し(ステップSb1)、次いで、右側通過タイミングt1を検知されたときに(ステップSb2)、そのときの左側光学センサ装置11Lの検出状態を検出信号PDLに基づいて判断することで(ステップSb3)、物体が指8よりも細いものであるか否かを判断することになる。
【0039】
ステップSb3の判断の結果、左側光学センサ装置11Lが物体を検知していなときには、指8よりも細い物体が通過した事が推定されるため、センサ信号解析装置13は、計時動作を終了(タイマリセット)し(ステップSb4)、処理をステップSb1に戻し、また、左側光学センサ装置11Lが物体を検知しているときには、物体が指8よりも幅のある物体であるか否かを特定すべく、センサ信号解析装置13は次の処理を実行する。
【0040】
すなわち、センサ信号解析装置13は、検出信号PDLに基づいて、左側通過タイミングt2の後、左側光学センサ装置11Lが物体を検知しなくなったタイミングである左側検知終了タイミングt4を検知し(ステップSb5)、左側通過タイミングt2から設定最大値Tamxが経過するまでの間に、左側検知終了タイミングt4が検知されたか否かを判断し(ステップSb6)、設定最大値Tmaxを超えている場合には(ステップSb6:NO)、指8以外の物体、或いは、ユーザが操作を意図しない操作といった対象外の物体或いは操作が検知されたものと判断し、計時動作を終了(タイマリセット)し(ステップSb7)、これとは逆に、左側通過タイミングt2から設定最大値Tamx以内に、左側検知終了タイミングt4が検知されている場合には(ステップSb6:YES)、指8が左側光学センサ装置11Lから右側光学センサ装置11Rにかけて移動する操作がなされたことを示すため、ボリュームダウンを指示するボリューム調整信号DVを生成して全体制御装置20に出力すると共に計時動作を終了(タイマリセット)し(ステップSb8)、処理手順をステップSa1に戻すことになる。
【0041】
このように、本実施形態によれば、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、物体がユーザの指8か否かを判断し、この判断結果に基づいてボリューム調整用信号の生成の可否が決定される構成としたため、指8以外の物体が検知されることによる誤動作を防止することが可能となる。
【0042】
特に、本実施形態によれば、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのいずれか一方が指8の検知を開始したタイミング(右側通過タイミングt1又は左側通過タイミングt2)から物体の検知を終了するまでの時間差として取り得る最大値である時間差最大値Tmaxと、物体が検知されたときの時間差の実測値とに基づいて、物体が指8であるか否かを判断する構成としたため、指8と、当該指8よりも幅のある物体とを識別可能となる。さらに、無接触操作装置10に隣接する他の操作子を操作する場合などに指8が無接触操作装置10に検知された場合であっても、当該無接触操作装置10に対する操作か否かが識別可能となる。
【0043】
また、本実施形態によれば、指8を同時に検出可能な間隔Wで右側及び左側光学センサ装置11R、11Lを並設し、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのいずれかが物体を検知した後、他方が物体の検知を開始したときに、一方が物体の検知を終了している場合には、検知した物体が指でないと判断する構成としたため、指8よりも細い物体を誤検知することが防止される。
【0044】
なお、本実施形態では、無接触操作装置10によりボリュームを調整する構成を例示したが、これに限らず、楽曲等の選択等などの各種メニュー操作に用いることも可能である。また、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの発光部と受光部にレンズもしくはスリットを設けることで、互いの検知点P1、P2間の距離を調整することも可能である。
【0045】
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態では、無接触操作装置10を1つだけ用いてボリューム調整を行うカーオーディオ装置1について説明したが、本実施形態では、2つの無接触操作装置10を用いて車室内の音量バランスを調整可能にしたカーオーディオ装置1Aについて説明する。
【0046】
図6は、本実施形態に係るカーオーディオ装置1Aの構成を示す図である。なお、同図において、第1実施形態と同様の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すように、カーオーディオ装置1Aには、表示装置3の下側に左右に間隔Wを設けて並設された右側光学センサ装置11R及び左側光学センサ装置11Lを有する無接触操作装置10と、表示装置3の左側に上下に間隔Wを設けて並設された下側光学センサ装置11RA及び上側光学センサ装置11LAを有する無接触操作装置10Aとを有している。これらの無接触操作装置10と無接触操作装置10Aとは、配置が異なる他は、上記第1実施形態にて説明した無接触操作装置と略同一の構成を有している。
【0047】
表示装置3の液晶パネル4には、車室内のフロント側左右のそれぞれに配設されたフロントスピーカSP−FR、SP−FLと、リア側左右のそれぞれに配設されたリアスピーカSP−RR、SP−RLとのそれぞれの配置関係を模式的に表示した音量バランス調整画面50が表示可能になされている。
【0048】
当該音量バランス調整画面50が表示されているときに、指8が無接触操作装置10の上を通過すると、無接触操作装置10が指8の左右への移動方向に応じて車室内の左右の音量バランスを調整するための信号を上記全体制御装置20に出力し、また、指8が無接触操作装置10Aの上を通過すると、指8の上下への移動方向に応じて無接触操作装置10Aが車室内のリア側とフロント側との間の音量バランスを調整するための信号を全体制御装置20に出力する。
【0049】
ここで、ユーザが車室内の左右の音量バランスを調整すべく、無接触操作装置10の右側光学センサ装置11Rから左側光学センサ装置11Lにかけて指8を移動させた場合には、ユーザの指8が位置(A)から位置(B)に移動することで、この指8の移動を右側及び左側光学センサ装置11R、11Lが検知して、左右の音量バランスが調整されることになる。
【0050】
このとき、無接触操作装置10Aの下側及び上側光学センサ装置11RA、11LAが、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lを結ぶ軸線付近に配設されていると、無接触操作装置10を操作したユーザの指8が意図せずに位置(C)まで移動し、下側及び上側光学センサ装置11RA、11LAを通過することがある。特に、下側及び上側光学センサ装置11RA、11LAを通過する際に指8が多少傾いていた場合には、下側及び上側光学センサ装置11RA、11LAとの間で検知タイミングに時間差が生じ、従来の構成においては、フロント側とリア側との音量バランス調整が意図せず行われることとなる。
【0051】
しかしながら、本実施形態においては、ユーザの指8が意図せず、下側及び上側光学センサ装置11RA、11LAを通過したとしても、下側光学センサ装置11RAの通過が検知されたタイミングt1Aから上側光学センサ装置11RAの通過が検知されたタイミングt3Aまでの時間差と、第1実施形態にて説明した設定最大値Tmaxとが比較されて誤検知と判定可能となるため、ユーザが指8を意図せずして位置(B)から位置(C)まで移動させてしまった場合であっても、誤動作の確率を低減することが可能となる。
【0052】
<第3実施形態>
次いで本発明の第3実施形態について説明する。
上述した第1及び第2実施形態では、1本の指8で無接触操作装置を操作する構成について説明したが、本実施形態では、図7に示すように、複数本の指8にて無接触操作装置10Bを操作可能にしたカーオーディオ装置1Bについて説明する。なお、この図において、第1及び第2実施形態にて説明した部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態においては、表示装置3の液晶パネル4は赤外波長帯域に透過率の高い領域を有し、当該液晶パネル4の裏側には、フロント部分2Aの正面に向けて赤外光を放射して検知対象物を検知する右側光学センサ装置11R及び左側光学センサ装置11Lを有した無接触操作装置10Bが配設されている。このように液晶パネル4に無接触操作装置10Bを配置することで表示装置3のサイズ拡大が容易となる。
【0053】
さて、無接触操作装置10Bは、1本以上の指8の通過を検出した場合、通過した指8の本数に応じた調整量の上記ボリューム調整信号を生成し、全体制御装置20に出力することとなる。すなわち、図8に示すように、操作時に指8が右から左にかけて移動している場合にはボリュームダウンとなり、また、左から右にかけて移動している場合にはボリュームアップとなるように、指8の移動方向とボリューム調整量とが対応付けられており、さらに、操作時の指8の本数に応じてボリューム調整量の絶対値が大きくなるように既定されている。
【0054】
ここで、2本以上の指8が無接触操作装置10B上を通過する場合、右側及び左側光学センサ装置11R、11Lの通過だけを検知すると、1本の指8を繰り返し通過させている繰り返し操作と略同じとなるため、かかる繰り返し操作との識別が必要となり、本実施形態では、次に説明する操作検出処理により、操作時の指8の本数を検出し、また、繰り返し操作との識別を行うこととしている。
【0055】
図9は、本実施形態に係る操作検出処理のフローチャートである。
この図に示すように、センサ信号解析装置13は、第1実施形態にて説明したステップSa1〜Sa6、又は、ステップSb1〜Sb6の処理を実行して1本目の指8による操作を検出すると(ステップSc1)、操作時の指8の本数をカウントするための本数カウンタNを「1」にセットした後(ステップSc1)、次の指8が右側及び左側光学センサ装置11R、11Lのいずれかを通過開始したときの検出開始タイミングt5を検知すべく待機する(ステップSc3)。
【0056】
ここで、複数本の指8にて無接触操作装置10Bを操作するときには、前掲図7に示すように、1本目の指8が検知されたときから、指8同士の間隔Htに応じた時間差T’で次の指8が検知される。また、繰り返し操作のときには、間隔Htよりも長い距離を指8が移動することになるため、複数本の指8による操作のときよりも、指8が検出される時間間隔は長くなる。したがって、時間差T’内で次の指8が検知された場合には、複数本の指8による操作の指と推定され、また、時間差T’内で次の指8が検知されない場合には、それまでの指8による1回の操作が完了したと推定される。
また、指8同士の一般的な間隔の最大値をHtmaxとし、複数本の指8での操作時の移動速度の下限値をVmin’とすると、上記時間差T’の最大値Tmax’は、
時間差最大値Tmax’=Htmax/Vmin’ (4)
となる。
【0057】
そこで、本実施形態では、この時間差最大値Tmax’が設定最大値Tmax’としてセンサ信号解析装置13に予め格納されており、センサ信号解析装置13は、次の指8の検出を開始した検出開始タイミングt5が、前の指8が検知されてから時間差最大値Tmax’以内であるか否かを判断し(ステップSc4)、時間差最大値Tmax’以内である場合には(ステップSc4:YES)、今回の指8の検出は、複数本の指8の操作によるものと推定されるため、本数カウンタNを「1」だけインクリメントした後(ステップSc5)、次の指8を検出すべく処理手順をステップSc3に戻す。
【0058】
また、前の指8が検知されてから時間差最大値Tmax’以内に検出開始タイミングt5が検知されていない場合には(ステップSc4:NO)、指8による1回の操作が完了したものと推定されるため、センサ信号解析装置13は、そのときの本数カウンタNのカウント値に応じたボリューム調整量を特定してボリューム調整信号DVを生成して全体制御装置20に出力し(ステップSc6)、次の操作を受け付けるべく、処理手順をステップSc1に戻す。
【0059】
このように、本実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果に加え、複数本の指8による操作と、1本の指8による繰り返し操作とを識別可能となるため、操作時の指8の本数に応じて異なる操作が可能になる。
特に、本実施形態においては、操作時の指8の本数に応じてボリューム調整量を異ならせる構成としたため、例えば、ボリュームを細かく調整する場合には1本の指8のみで繰り返し操作し、また、ボリュームを大きく調整する場合には複数本の指8で操作する等の使い分けが可能となる。
【0060】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、非接触センサの一例として光学センサ装置を用いる構成を例示したが、これに限らず、超音波センサ等の任意の非接触センサを用いることが可能である。
また、上述した各実施形態では、本発明に係る無接触操作装置を車載機器に適用した場合を例示したが、これに限らず、任意の電子機器に応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態に係るカーオーディオ装置の構成を示す図。
【図2】カーオーディオ装置のボリューム調整操作の態様を説明するための図。
【図3】カーオーディオ装置の機能的構成を示す図。
【図4】操作検出処理のフローチャート。
【図5】操作検出処理のフローチャート。
【図6】本発明の第2実施形態に係るカーオーディオ装置の構成を示す図。
【図7】本発明の第3実施形態に係るカーオーディオ装置の構成を示す図。
【図8】操作時の指の本数とボリューム調整量の対応を示す図。
【図9】操作検出処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0062】
1、1A、1B カーオーディオ装置
2 装置本体
2A フロント部分
3 表示装置
4 液晶パネル
8 指
10、10A、10B 無接触操作装置
11L、11LA、11R、11RA 光学センサ装置
12 信号処理ユニット
13 センサ信号解析装置
20 全体制御装置
T、T’ 時間差
Tamx、Tmax’ 設定最大値
W 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象物を検出する2つの非接触センサと、
前記非接触センサのそれぞれが前記検知対象物を検知した場合に、操作用の信号を出力する信号処理ユニットとを備え、
前記信号処理ユニットは、
前記非接触センサのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、前記物体が前記検知対象物か否かを判断し、前記物体が前記検知対象物でないと判断した場合には、前記操作用の信号を出力しない
ことを特徴とする無接触操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無接触操作装置において、
前記信号処理ユニットは、
前記非接触センサのそれぞれが物体を検知したときに、
前記検知対象物の通過に伴って、いずれか一方の前記非接触センサが検知を開始してから検知を終了するまでの通過時間の予測値と、前記物体が検知されたときの通過時間の実測値とに基づいて、前記物体が前記検知対象物であるか否かを判断する
ことを特徴とする無接触操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無接触操作装置において、
前記検知対象物を同時に検出可能な間隔で前記2つの非接触センサを並設し、
前記信号処理ユニットは、
一方の前記非接触センサが物体を検知した後、他方の前記非接触センサが前記物体の検知を開始したときに、前記一方の非接触センサが前記物体を検知していない場合には、前記物体が前記検知対象物でないと判断する
ことを特徴とする無接触操作装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の無接触操作装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
表示パネルを有する表示装置を備え、前記表示パネルの裏側に前記無接触操作装置を設けたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
装置本体のフロント部分を露出させて車両の車室内に設けられる車載機器において、
前記フロント部分にかざされたユーザの指を検出する2つの非接触センサと、
前記非接触センサのそれぞれが前記指を検知した場合に、操作用の信号を出力する信号処理ユニットとを備え、
前記信号処理ユニットは、
前記非接触センサのそれぞれが物体を検知したタイミングに基づいて、検知された物体が前記指か否かを判断し、前記物体が前記指でないと判断した場合には、前記操作用の信号を出力しない無接触操作装置を具備することを特徴とする車載機器。
【請求項7】
請求項6に記載の車載機器において、
前記信号処理ユニットは、
前記指を検知した後、手の指同士の間隔に基づく所定時間以内に、指を検知した場合には、複数本の指による操作であると判断する
ことを特徴とする車載機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−85701(P2008−85701A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263880(P2006−263880)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】