説明

無機質中空粉体、その製造方法及びその用途

【課題】微細化と共に耐熱性、機械的強度の高く、中空率の偏析のすくない無機質中空粉体と、その製造方法及びそれを含有したプラズマディスプレイパネル用隔壁材料、樹脂組成物を提供する。
【解決手段】粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満の中空粒子の粉末が10〜20質量%、粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満の中空粒子の粉末が75〜89.9質量%、粒子の中空率0体積%〜20体積%未満の中空粒子の粉末が0.1〜5質量%で、最大粒子径が10μm以下、BET法により求めた比表面積が20m/g以下、平均球形度0.85以上である無機質中空粉体。水分含有率が5〜30質量%、細孔容積0.1〜1.0ml/g、最大粒子径10μm以下、SiO含有量が99.0質量%以上の無機質原料粉末を、火炎中に200m/s以上の吐出速度で供給して、中空化させた無機質中空粉体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機質中空粉体に関する。
【背景技術】
【0002】
無機質中空粉体の典型として微小中空ガラス球状体がある。一般にガラスマイクロバルーンと呼ばれ、非中空無機質粉体と比較して比重が軽く、耐熱性、断熱性、耐衝撃性、耐圧性などの特徴を活かし、各種素材に添加することにより、軽量化、断熱性能、寸法安定性の付与のために使用されている。例えば軽量化目的のため、携帯電子機器や自動車などのモールディングコンパウンド等の樹脂成形部品、移動体用塗料や部材、各種建築材料などに用いられている。
【0003】
また、プラズマディスプレイパネルにおいては、電極に印加されて生じたプラズマ放電によって発生した紫外線が蛍光体に照射されて発光している。しかし、消費電力が高くなるという問題があり、消費電力を低減するために、隔壁材料の誘電率を低くすることが効果的であると考えられ検討されている。この分野においても中空粒子という形態に起因した低誘電率効果を有することから、プラズマディスプレイパネル用隔壁材料への利用が期待されている。
【0004】
しかし、プラズマディスプレイ用隔壁材料への利用のためには、隔壁を成型する際の焼成温度で中空粒子が軟化してしまっては、目的の低誘電率効果が得られず、また、空洞を有していることで隔壁の機械的強度が低くては、出ガス等の影響により輝度劣化や点灯不良が生じてしまうため、近年、更なる中空ガラス球状粉末の微細化や、耐熱性、機械的強度の高い無機質酸化物中空粉体の出現等が強く要求されてきている。
【0005】
微小中空ガラス球状体の製造方法としては、シリカゲルにガラス形成成分および発泡剤成分を担持させた微粉末を炉内で焼成して、微小中空ガラス球状体を得る方法である(特許文献1)。この方法により得られた中空ガラス球状体の物性としては、粒子密度0.3g/cm程度であり、また平均粒子径は70μm程度であることが示されている。しかしながら、このような製法で得られる中空ガラス球状体においては、軽量化効果や断熱効果等を付与するに十分な中空度は得られるものの、発泡剤成分が必須であり、また発泡剤成分が残存してしまうなど、純度が高まらず、耐熱性の低いものとなってしまう。
【0006】
微小無機質中空粉体の製造方法としては、比表面積の高いシリカ微粉末を炉内で焼成して、微小無機質中空粉体を得る方法である(特許文献2、3)。この方法により得られた微小無機質中空粉体の物性としては、平均中空率20〜85体積%程度であることが示されているが、中空粒子の中空率の分布や耐熱性、機械的強度については記載されておらず、プラズマディスプレイパネル用隔壁材料への利用は検討されていない。
【0007】
また、プラズマディスプレイパネル用隔壁材料の低誘電率化として、使用しているガラス粉末に添加フィラー粉末として、誘電率の低い多孔質構造粉末や中空構造粒子を利用することが検討されているが、焼成時に上記構造をとるような有機無機複合材料を用いており、粒子自体の強度が脆く、緻密で強度を有する隔壁形成ができない可能性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平4−37017号公報
【特許文献2】特開2005−206436号公報
【特許文献3】特開2006−62902号公報
【特許文献4】特開2007−324098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来の中空ガラス球状体よりも更に微細化された無機質中空粉体、特に微細化と共に耐熱性、機械的強度の高い無機質中空粉体と、その製造方法及びそれを含有したプラズマディスプレイパネル用隔壁形成材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満の中空粒子の粉末が10〜20質量%、粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満の中空粒子の粉末が75〜89.9質量%、粒子の中空率0体積%〜20体積%未満の中空粒子の粉末が0.1〜5質量%で、最大粒子径が10μm以下、BET法により求めた比表面積が20m/g以下、平均球形度0.85以上である無機質中空粉体。
(2)無機質中空粉体が非晶質シリカ中空粉体であり、SiO含有量が99.0質量%以上である前記(1)に記載の無機質中空粉体。
(3)無機質中空粉体が表面処理剤で処理されてなる前記(1)又は(2)に記載の無機質中空粉体。
(4)耐熱温度が900℃以上である前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の無機質中空粉体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の無機質中空粉体を含有してなる樹脂組成物。
(6)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の無機質中空粉体を用いたプラズマディスプレイパネル用隔壁形成材料。
(7)外側から助燃性ガス供給管、可燃性ガス供給管、助燃性ガス供給管、原料供給管の順に組まれた四重管部分を少なくとも備えたバーナーによって形成された火炎中に、水分含有率が5〜30質量%、細孔容積0.1〜1.0ml/g、最大粒子径10μm以下、SiO含有量が99.0質量%以上の無機質原料粉末を、上記原料供給管から200m/s以上の吐出速度で供給して、中空化させた前記(1)〜(4)に記載の無機質中空粉体の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、耐熱性、機械的強度の高く、中空率の偏析のすくない無機質中空粉体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の無機質中空粉体は粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満の中空粒子の粉末が10〜20質量%、粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満の中空粒子の粉末が75〜89.9質量%、粒子の中空率0体積%〜20体積%未満の中空粒子の粉末が0.1〜5質量%である。中空率が80体積%を超えると粒子の殻厚が薄くなり粒子強度が弱くなり、粉体のハンドリング中や混合中に粒子が破壊する恐れがある。また、粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満の中空粒子の粉末が20質量%を超えると、中空率ごとの中空粒子の偏析が起こった際、均一な成型体を製造することが難しくなる。粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満の中空粒子の粉末が75質量%未満、または、粒子の中空率が0〜20体積%の中空粒子が5質量%を超えると、中空粒子の特徴である低誘電特性の効果を十分に発現しない。
【0013】
本願発明の中空粒子は粒子の表層に殻を持ち、粒子内部が中空の構造になっているものである。基本的に単孔であり、多孔質の中空粒子とは、構造の異なるものである。多孔質の中空粒子では、本願発明の中空粒子の特徴である低誘電特性の効果を十分に発現しない。
【0014】
中空率は粒子中の独立気泡含有率と定義することができ、粒子の理論密度に対する粒子密度の実測値との比から算出することができる。たとえばシリカ中空粒子の密度の測定値(B)に対して、その非晶質シリカの理論密度(A)である場合、中空率(C)はC=(A−B)/A×100、から求めることができる。密度は、例えばセイシン企業社製ピクノメーター法自動粉粒体真比重測定器(商品名「オートトゥルーデンサーMAT−7000」)を用いて測定することができる。
【0015】
中空粒子の中空の度合いは走査型電子顕微鏡による粒子と膜厚との関係からも測定することができる。たとえば、粒子径8μm、中空率70体積%の球状シリカ中空粒子である場合、独立気泡に相当する部分が70体積%であるから、その体積は187.65μm、半径は3.55μmとなる。したがって、独立気泡を含んでいる殻の厚さは、中空粒子の半径と独立気泡の半径との差から、0.45μmと算出される。このような粒子と殻厚との関係は、本発明の無機質中空粉体を樹脂と混合・硬化して得られた樹脂成形物を切断・研磨し、研磨面に表出した無機質中空粒子の切断面を走査型電子顕微鏡にて撮影し、任意の500個の粒子について、殻厚を測定することによって求めることができる。
【0016】
中空率分布の測定は、液比重1.46のトリクロルエチレンに粉末を攪拌分散・沈降分級し、浮遊物と沈降物を分集・洗浄・乾燥・計量し、30体積%以上と未満の分布を算出する。次に沈降物の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子径と膜厚から中空率を求め、20体積%以下の質量頻度を算出する。浮遊物は更に液比重0.9のアルコール水溶液に攪拌分散・沈降分級し、浮遊物と沈降物を分集・洗浄・乾燥・計量し、60体積%以上と未満の分布を算出する。更に、浮遊物の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子径と膜厚から中空率を求め、80体積%以下の質量頻度を算出する。
【0017】
本発明の無機質中空粉体の最大粒子径は10μm以下である。最大粒子径が10μmを超えると、たとえば成型体とした場合に表面の平滑性が損なわれ、外観の悪化や凹凸部を起点とした劣化の原因となり、また多層基板用層間絶縁材料やレジスト材料用フィラーとして使用した場合には、所定の層厚中に収まりきれなくなり、導通部の短絡や断線等様々な不具合を招く恐れがある。最大粒子径は、たとえばベックマン・コールター社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(商品名「LS−230」)を用いて測定することができる。平均粒子径においては特に制約はないが、最大粒子径の1/5倍程度が好ましい。
【0018】
本発明の無機質中空粉体の比表面積は20m/g以下である。比表面積が20m/g以上を超えると、たとえばペーストにした際に増粘してしまい、高充填することが困難になる等、成形性が低下する恐れがあるからである。また、比表面積の増大に伴い、吸水性も増大してしまい、樹脂形成した際に耐湿信頼性が低下する恐れがあるからである。
【0019】
本発明の無機質中空粉体の平均球形度は0.85以上である。平均球形度が0.85未満では、混合性及びペーストや樹脂組成物の流動性に難がある。特に好ましくは平均球形度0.90以上である。平均球形度は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、この粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)として算出される。100個の粒子について球形度を測定し、その平均値でもって平均球形度とする。
【0020】
無機質中空粉体の材質には特に制限はなく、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等、更にこれらの少なくとも一成分を構成成分とする複合酸化物などを例示することができる。なかでも、非晶質シリカは強度、低熱膨張性、低誘電特性に優れるので好ましい。非晶質シリカの純度は、二酸化ケイ素の含有量が99.0質量%以上であることが好ましい。成分数が2以上の複合酸化物である場合は、複合酸化物を構成している成分は不純物とはしない。
【0021】
SiO含有量は、例えばエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)、原子吸光光度計(AAS)、プラズマ発光分光分析装置(ICP)、蛍光X線分析装置(XRF)等によって測定する。本発明では、無機質中空粉体をフッ化水素と過塩素酸の混合溶液(20:1の体積比)で加熱溶解し、純水で希釈してから、島津製作所社製原子吸光光度計を用いて測定した。
【0022】
本発明の無機質中空粉体が非晶質シリカの場合、非晶質率は、100〜99.0%であることが好ましい。非晶質シリカの非晶質率は、粉末X線回折装置(例えばRIGAKU社製(「モデルMini Flex」)を用い、CuKα線の2θが26°〜27.5°の範囲においてX線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定する。たとえば、シリカの場合、結晶質シリカは26.7°に主ピークがあるが、非晶質シリカではピークはない。非晶質シリカと結晶質シリカが混在する場合、結晶質シリカの割合に応じた26.7°のピーク高さが得られる。そこで、結晶質シリカ標準試料のX線強度に対応する試料のX線強度の比から、結晶質シリカ混在比を算出し、式、非晶質率(%)=(1−結晶質シリカ混在比)×100、から非晶質率を求める。
【0023】
耐熱温度が900℃以上である。耐熱温度が900℃未満では焼成処理した際に、軟化、変形してしまい成型し難くなる。この耐熱温度は形状に起因したもので多孔質物質では細孔の閉塞等による形状変化が進行し、また中空粒子の中空率が80体積%を超えると、殻の厚さが薄く、表面水分との反応により軟化温度が600℃になってしまうが、本発明の無機質中空粉体は単孔でありながら、中空粒子の中空率を80体積%未満に制御することで900℃以上の耐熱性を保持している。上限は膜を形成している物質の軟化温度である。
【0024】
粒子の機械的強度が30MPa以上である。粒子に加圧された圧力が、粒子の接線方向に圧力を分散するが、中空粒子が70μm程度であるとその接線方向が加圧方向に対して垂直方向側であり、機械的強度が低いが、本発明の無機質中空粉体は最大粒子径を10μm以下にすることで、粒子に加圧される局所的圧力を加圧方向側に分散させることができ、機械的強度を向上させることができる。粒子の機械的強度が30MPa未満ではハンドリング時に粒子が割れてしまい、目的の低誘電率効果を十分に発現できない。特に好ましくは50MPa以上である。粒子の機械的強度は、例えば島津製作所製微小圧縮試験機(商品名「MCT−W201」)をもちいて測定することができる。
【0025】
本発明の無機質中空粉体は、例えばシランカップリング剤等の表面処理剤で処理されていることが好ましい。通常、無機質粉体の表面は親水性であるので、樹脂や有機溶剤などの疎水性分散媒への分散性が良くないので、表面処理剤で処理しておくと分散性が改善される。また、ゴム又は樹脂との密着性、ピール強度等も向上する。表面処理剤の使用率は、無機質中空粉体100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
【0026】
表面処理剤としては、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネートカップリング剤、Zrキレートなどを用いることができる。シランカップリング剤を例示すれば、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン;メルカプトシランなどである。
【0027】
本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁形成材料は、形状維持・低誘電率化の目的で、ガラス粉末に加えて無機質中空粉体を含有する。ガラス粉末としては、特に制約はないが、熱膨張係数が60〜90×10−7/℃(30〜300℃)、25℃で1MHzにおける誘電率が11以下で、450〜650℃の軟化点を有するガラスであることが好ましく、この場合、その混合割合はガラス粉末50〜99質量%、無機質中空粉体1〜50質量%、特にガラス粉末60〜90質量%、無機質中空粉体10〜40質量%であることが好ましい。無機質中空粉体が50質量%より多いと焼結性が不十分になって緻密な隔壁を形成することが困難になり、1質量%より少ないと形状維持効果が小さく、また低誘電率効果が十分に得られなくなる。なおガラス粉末と無機質中空粉体に、さらに形状維持の目的でセラミックス粉末を添加することも可能である。
【0028】
本発明の製造方法の特徴は、外側から助燃性ガス供給管、可燃性ガス供給管、助燃性ガス供給管、原料供給管の順に組まれた四重管部分を少なくとも備えたバーナーによって形成された火炎中に、水分含有率が5〜30質量%、細孔容積0.1〜1.0ml/g、最大粒子径10μm以下の無機質原料粉末を、上記原料供給管から200m/s以上の吐出速度で供給して、中空化させることによって製造することができる。
【0029】
水分含有率が5質量%未満では気泡膨張効果が得られず、中空化を達成することができない。30質量%を超えると気泡膨張効果が得られ過ぎ、脱泡してしまう。水分含有率の調整は例えば、無機質原料粉末を水スラリーとし、噴霧乾燥もしくは加熱乾燥するなど多くの公知の方法を利用して調整することができる。水分含有率は無機質原料粉末を900℃まで加熱し、その際の質量変化から算出することができる。
【0030】
また、無機質原料粉末の細孔容積が1.0ml/gを超えると、球状化又は中空化のいずれか又は両方を達成することができず多孔化してしまい、細孔容積が0.1ml/g未満では中空化を達成することができず、中実化してしまう。好ましい細孔容積は0.2〜0.8ml/gである。最大粒子径は10μmを超えると中空化した際の粒子径が10μmを越えてしまい本発明の無機質中空粉体を製造することができない。好ましい最大粒子径は1.0〜8.0μmである。
【0031】
無機質原料粉末は、原料供給管より供給される。無機質原料粉末の担持ガスへの担持方法としては、例えば、テーブルフィーダーから切込まれた無機質原料粉末を担持ガスと共に原料供給管より供給する等の公知の方法で実施すれば良い。無機質原料粉末は、可燃性ガスと支燃性ガスのいずれか一方、あるいは両方に担持させることができる。いずれか一方に担持する方法については、本発明者らは検討の結果、支燃性ガスに担持する方法が好ましく、本発明の目的を達成することが容易である。支燃性ガスは、酸素を含むガスであればどのようなガスであっても使用可能である。吐出速度は200m/s以上で火炎中に噴出させる。吐出速度が200m/s未満では無機質原料粉末が過熱状態となり、中実粒子が発生してしまう。好ましくは250〜500m/sである。
【0032】
火炎を形成させるバーナーとしては、火炎温度を調整制御し易い外側から助燃性ガス供給管、可燃性ガス供給管、助燃性ガス供給管、原料供給管の順に組まれた四重管部分を少なくとも備えたバーナーを用いることが好ましい。可燃性ガスとしては、例えばメタン、エタン、アセチレン、プロパン、ブタン、プロピレン等の炭化水素ガス及び水素ガスから選ばれた1種又は2種以上の混合ガスが用いられる。助燃性ガスとしては酸素を含むガスであればどのようなガスであっても使用可能である。火炎温度の調整制御は、可燃性ガス量と助燃性ガス量との比を調整することによって制御することができる。また、助燃性ガス中の酸素濃度を調整制御することによっても可能である。
【0033】
火炎を形成させる炉は、縦型炉、横型炉などのいずれでも良いが、無機質中空粉体の炉体への付着抑制、火炎の安定性、操業安定性の点から、上記バーナーを炉頂に配し、下部が捕集系に接続されてなる縦型炉が好ましい。捕集系には集塵機が設置されており、製造された無機質中空粉体は、排気側に設けられたブロワーによって捕集系に吸引輸送捕集され、必要に応じ分級される。集塵機としては、例えばサイクロン、電気集塵機、バッグフィルター等がある。このような縦型炉の製造については、バーナー構造を除き、多くの公知があるので、それを用いることができる。
【0034】
無機質中空粉体の平均球形度、比表面積は、主に火炎の温度制御によって調整制御することができる。また、最大粒子径、粒子の機械的強度、粉体の50%破壊強度は、主に無機質原料粉末の最大粒子径によって調整制御することができる。中空率は、無機質原料粉末の水分含有率によって調整制御することができる。耐熱温度は、無機質原料粉末の細孔容積によって調製制御することができる。具体的には、火炎バーナーの可燃性ガスの流量を多くすると、火炎温度が高くなり原料が十分に加熱されるため、平均球形度の高く、比表面積の小さい無機質中空粉体が得られる。また、無機質原料粉末の水分含有率を高くすると、気泡膨張効果が高まり、中空率の大きい無機質中空粒子が得られるが、無機質原料粉末の細孔容積を大きくしすぎると多孔化してしまい、中空率が小さく、耐熱温度の低い無機質中空粒子が発生してしまう。
【0035】
本発明の組成物は、本発明の無機質中空粉体をゴム又は樹脂の少なくとも一方に含有させたものである。無機質中空粉体の含有率は目的に応じて異なり、例示すると1〜97質量%である。
【0036】
ゴムを例示すれば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などがある。
【0037】
樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、不飽和エステル樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、BTレジン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂などがある。
【0038】
多層基板用樹脂としては、例えば変性ポリイミド系樹脂などのポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、BTレジンなどの低誘電率樹脂、例えばポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、特に芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の良好な耐熱性と機械強度を有する樹脂などを使用することができる。
【0039】
半導体封止材料用樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましい。その具体例をあげれば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 及びビスフェノールS などのグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラック型エオキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点からは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。
【0040】
エポキシ樹脂の硬化剤については、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノールA やビスフェノールS 等のビスフェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン等をあげることができる。
【0041】
本発明の組成物がエポキシ樹脂である場合、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合することができる。その硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4 ,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等がある。
【0042】
本発明の組成物には、次の成分を必要に応じて配合することができる。すなわち、低応力化剤として、シリコーンゴム、ポリサルファイドゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリマーや飽和型エラストマー等のゴム状物質、各種熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂状物質、更にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂の一部又は全部をアミノシリコーン、エポキシシリコーン、アルコキシシリコーンなどで変性した樹脂など、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面処理剤として、Zrキレート、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤として、Sb、Sb、Sbなど、難燃剤として、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物など、着色剤として、カーボンブラック、酸化鉄、染料、顔料などである。更には、ワックス等の離型剤を添加することができる。その具体例をあげれば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸塩の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィンなどである。
【0043】
耐湿信頼性や高温放置安定性が要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化学社製商品名「DHF−4A」、「KW−2000」、「KW−2100」や東亜合成化学工業社製商品名「IXE−600」などである。
【0044】
本発明の組成物は、例えば上記各材料の所定量をブレンダーやヘンシェルミキサー等によりブレンドした後、加熱ロール、ニーダー、一軸又は二軸押し出し機等により混練したものを冷却後、粉砕することによって製造することができる。多層プリント基板用途や塗料用途においては、上記各材料と有機溶剤とを混合してワニスとするが、これにはらいかい機、ビーズミル、3本ロール、攪拌ミキサーなどの混合機が使用される。ワニスとした後は真空脱気によりワニス中の気泡を除去しておくことが好ましい。消泡機能、破泡機能を持たせるために、例えばシリコーン系、アクリル系、フッ素系の消泡剤の添加は有効である。
【実施例】
【0045】
用いた装置は、外側より助燃性ガス供給管A、可燃性ガス供給管、助燃性ガス供給管B、原料供給管の順に組まれた四重管構造ノズルからなるバーナーを縦型炉の炉頂部に4本設置する一方、炉の下部を捕集系(サイクロン、バッグフィルター)に接続されており、無機質中空粉体は燃焼排ガスと共にブロワーで吸引輸送され、サイクロン及びバッグフィルターで捕集されるものである。
【0046】
実施例1〜10 比較例1〜7
バーナー一本あたり、助燃性ガス供給管Aから酸素を3〜10Nm/Hr、可燃性ガス供給管からLPGを2〜7Nm/Hr、助燃性ガス供給管Bから酸素富化空気を3〜20Nm/Hr供給して火炎を形成する一方、表1に示される無機質原料粉末を原料供給管より2〜10kg/Hrを担持ガス(酸素富化空気)に同伴させて噴霧した。このときの無機質原料粉末の特性とLPG供給量、助燃性ガス(酸素、酸素富化空気)供給量の違いに応じ、特性の異なる種々の無機質中空粉体(球状シリカ中空粉体)がサイクロンから捕集された。それらの粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満と粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満と粒子の中空率が0体積%〜20体積%未満の中空粒子の含有量、最大粒子径、比表面積、平均球形度、純度を下記に従って測定した。それらの結果を表1及び表2に示す。また、非晶質率は前記の方法により測定した結果、ピークはなく非晶質であることを確認した。
なお、表1及び表2のA中空粉末は粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満の中空粒子の粉末、B中空粉末は粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満の中空粒子の粉末、C中空粉末は粒子の中空率が0〜20体積%未満の中空粒子の粉末である。
各種物性の測定方法
(1)細孔容積
細細孔容積は自動比表面積/ 細孔分布測定装置( マイクロメリティックス社製、TriStar3000) を用いて78K における窒素の吸着等温線を作成し、該吸着等温線から、B J H 法により細孔分布曲線を得て求めた。
(2)最大粒子径
最大粒子径は、ベックマン・コールター社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(商品名「LS−230」)を用いて測定した。屈折率には実数部1.5を虚数部には0を使用した。
(3)二酸化珪素の含有量
中空粉末の二酸化珪素の含有量は段落(0020)に記載の方法により、測定した。
(4)中空粒子の中空率分布
中空粒子の中空率分布は、段落(0015)に記載の方法により、測定した。
(5)比表面積
比表面積は前処理装置(バキュプレップ061形)で200℃、6時間真空排気を行い、自動比表面積/ 細孔分布測定装置( マイクロメリティックス社製、TriStar3000) を用いて、窒素ガスを使用してBET法による多点法比表面積を測定した。
(6)平均球形度
中空粒子の平均球形度は、段落(0018)に記載の方法により、測定した。
(7)水分含有率
水分含有率は、段落(0028)に記載の方法により、測定した。
(8)耐熱温度
耐熱温度の測定は、無機質中空粉体を電気炉で焼成し、BET比表面積の50%減少、もしくは走査型電子顕微鏡で形状変化を確認して測定した。
(9)粒子の機械的強度
粒子の機械的強度は、Aの中空粉末から任意の一粒子において島津製作所製微小圧縮試験機(商品名「MCT−W201」)を用いて試験力を加え、急激な変位点の試験力を測定し、式、機械的強度(MPa)=2.8×試験力(N)/(π×粒子径)にて求めた。この測定を20回行い、平均の機械的強度を求めた。
【0047】
また、プラズマディスプレイパネル用隔壁材料に用いる場合は、BaO35質量%、ZnO45質量%、B20質量%からなる組成のガラス粉末を調合し、均一に混合した後、白金坩堝に入れて、1250℃で2時間溶融して均一なガラス体を得た。これをアルミナボールで粉砕、分級を行い、最大粒子径が15μmのガラス粉末を得た。得られたガラス粉末の軟化点、誘電率及び熱膨張係数を測定したところ、軟化点は600℃、誘電率10.5、熱膨張係数が85×10−7/℃(30〜300℃)であった。
【0048】
更にガラス粉末80質量%に対して無機質中空粉体を20質量%加え、混合して隔壁形成材料とした。得られた隔壁材料について軟化点、誘電率、熱膨張係数、機械的強度(クラック発生荷重)を評価した。その結果を表1及び表2に示す。
(1)軟化点:マクロ型示差熱分析計を用いて測定し、第四の変曲点の値を軟化点とした。
(2)誘電率:各試料を粉末プレス成形し、焼成した後に、ガラス体を、2.0mm厚、直径30mmの円盤状に研磨加工し、この円盤状ガラスの両面に、直径20mmの電極を形成し、LCRメーターを用いて25℃、1MHzで測定した。
(3)熱膨張係数:各試料を粉末プレス成形し、焼成した後に、直径4mm、長さ40mmの円柱状に研磨加工し、JIS R3102に基づいて測定した後、30〜300℃の温度範囲における値を求めた。
(4)クラック発生荷重:隔壁材料の軟化点で10分間焼成した各試料の焼成体の表面にビッカース硬度計によるダイヤモンド圧子を押し付けて、正方形に生じる圧痕のコーナー部にクラックが発生する荷重を測定したものである、なお、この数値が大きいほど、機械的強度は大きい。
【0049】
他方、シランカップリング剤で表面処理を施す場合は、無機質中空粉体100質量部に対し0.5質量部のビニルトリエトキシシランを用いた。混合にはヘンシェルミキサーを用い、混合時間を10分とした。
【0050】
得られた無機質中空粉体の特性を評価するため、臭素化ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂100質量部、ジシアンジアミド4質量部、2−エチル4−メチルイミダゾール0.2質量部をメチルエチルケトン200質量部に溶解した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、無機質中空粉体を上記エポキシ樹脂100体積部に対して100体積部を加え、高速ミキサーで10分間攪拌してワニスを製造した。
【0051】
ワニスの粘度を測定してから、ワニスをガラスクロスに含浸させ150℃の電気炉で5分間加熱した後、切断してプリプレグを得た。このプリプレグを必要な厚さになるように重ね、圧力5.0MPa、温度180℃で200分の加熱成型プレスをして積層板を製造し、その熱膨張係数と難燃性と比誘電率を測定した。それらの結果を表1及び表2に示す。なお、ワニスを積層板に用いる場合には、ワニス粘度が800mPa・s以下、特に700mPa・s以下であることが積層板を成形する点から好ましい。
【0052】
(1)ワニス粘度:トキメック社製E型粘度計を用い、3°R14のコーンローター、温度30℃、ローター回転数2.5rpmの条件で測定した。
(2)積層板の熱膨張係数:積層板から、直径5mm×高さ10mmのテストピースを作製し、島津製作所社製熱機械分析装置(TMA)を用い、JIS K7197規格に準じて測定した。
(3)積層板の難燃性:積層板から、12.7mm×127mm×1mmのテストピースを作製し、UL−94規格に準じて測定した。
(4)積層板の比誘電率:積層板から、直径100mm×厚み2mmのテストピースを作製し、ヒューレット・パッカード社製誘電率測定器を用いて、JIS K6911規格に準じて測定した。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】



実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明の実施例によれば、熱膨張係数が65〜85×10−7/℃、誘電率が8.5以下、(25℃、1MHz)、機械的強度の高い隔壁を形成することが可能である。また、熱膨張係数が30ppm以下、難燃性がV−0、比誘電率が3.3以下(25℃、1GHz)の積層板を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の無機質中空粉体は、自動車、携帯電子機器、家庭電化製品等のモールディングコンパウンドなどの樹脂成型部品、更にはパテ、シーリング材、軽量外壁材などの充填材として使用される。また、プラズマディスプレイパネル用隔壁材料として使用され、さらに、本発明の組成物は、ガラス織布、ガラス不織布、その他有機基材に含浸硬化させてなる例えばプリント基板用プリプレグや、プリプレグの1枚又は複数枚を銅箔等と共に加熱成型された電子部品、更には電線被覆材、半導体封止材、ワニスなどの製造に使用される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の中空率が60体積%以上〜80体積%未満の中空粒子の粉末が10〜20質量%、粒子の中空率が20体積%以上〜60体積%未満の中空粒子の粉末が75〜89.9質量%、粒子の中空率0体積%〜20体積%未満の中空粒子の粉末が0.1〜5質量%で、最大粒子径が10μm以下、BET法により求めた比表面積が20m/g以下、平均球形度0.85以上である無機質中空粉体。
【請求項2】
無機質中空粉体が非晶質シリカ中空粉体であり、SiO含有量が99.0質量%以上である請求項1に記載の無機質中空粉体。
【請求項3】
無機質中空粉体が表面処理剤で処理されてなる請求項1又は2に記載の無機質中空粉体。
【請求項4】
耐熱温度が900℃以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機質中空粉体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機質中空粉体を含有してなる樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機質中空粉体を用いたプラズマディスプレイパネル用隔壁形成材料。
【請求項7】
外側から助燃性ガス供給管、可燃性ガス供給管、助燃性ガス供給管、原料供給管の順に組まれた四重管部分を少なくとも備えたバーナーによって形成された火炎中に、水分含有率が5〜30質量%、細孔容積0.1〜1.0ml/g、最大粒子径10μm以下、SiO含有量が99.0質量%以上の無機質原料粉末を、上記原料供給管から200m/s以上の吐出速度で供給して、中空化させた請求項1〜4に記載の無機質中空粉体の製造方法。


【公開番号】特開2010−260755(P2010−260755A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111835(P2009−111835)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】