説明

無機EL装置

【課題】視覚的効果を向上させることができる無機EL装置を提供する。
【解決手段】無機EL装置1は、第1電極12の枝部22aと第2電極13aの枝部24とを含む第1電極対と、第1電極対とは異なる領域に形成された第1電極12の枝部22aと第2電極13bの枝部26とを含む第2電極対とを有する無機EL素子2と、第1電極対に第1交流を印加するとともに、第2電極対に第1交流とは波形の異なる第2交流を印加する波形生成装置3とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流の電圧により発光可能な無機EL(Electroluminescence)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交流の電圧が印加されて、複数個所をEL発光可能な無機EL装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、櫛歯型の電極を備えた無機EL装置が開示されている。特許文献1の装置の櫛歯型の電極は、複数の第1電極と第2電極とを有する。複数の第1電極は、所定の間隔を開けて配列されている。これにより、複数の第1電極は、互いに絶縁される。また、第2電極の歯の部分と第1電極の歯の部分と噛み合うように、第2電極は、第1電極と間隔を開けて配置されている。これにより、第2電極は、第1電極と絶縁される。また、第2電極は、接地されている。
【0004】
特許文献1の無機EL装置では、複数の第1電極のいずれかに交流の電圧を印加するとともに、他の第1電極への電圧の印加を停止することにより、発光領域と非発光領域とを形成することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−101001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の無機EL装置は、発光領域と非発光領域とを形成するだけなので、視覚的効果が乏しいといった課題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、視覚的効果を向上させることができる無機EL装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1電極対と、前記第1電極対とは異なる領域に形成された第2電極対とを有する無機EL素子と、前記第1電極対に第1交流を印加するとともに、前記第2電極対に前記第1交流とは波形の異なる第2交流を印加する波形生成装置とを備えている。
【0009】
尚、ここでいう交流を印加するとは、直接的または間接的に印加することを含む。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記波形生成装置は、前記第1交流の周期、または、前記第1交流の実効値である電圧値を時間変化させるものである。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記波形生成装置は、前記無機EL素子により発光される光の発光パターンを入力するための入力手段を備えている。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記入力手段は、前記無機EL素子により発光される光の輝度値を入力可能であって、前記波形生成装置は、前記入力された輝度値を前記交流の周波数に対応する電圧値に変換する変換部を備えている。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記変換部は、前記交流の周波数に対応する定数を含む一次関数であって、前記輝度値の一次関数により前記交流の電圧値を算出する。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、前記変換部は、前記輝度値及び前記交流の周波数と、前記交流の電圧値とを関連付けた電圧値変換テーブルを有する。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、前記無機EL素子は、発光層を有し、前記発光層には、発光可能な光の最も長い波長よりも長い波長の光に変換する色素が添加されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1電極対と第2電極対とに波形の異なる交流を印加することによって、無機EL素子において、第1電極対が形成された領域と第2電極対が形成された領域とが異なる発光パターンで発光する。これにより、本発明は、視覚的効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態による無機EL装置の全体構成図である。
【図2】無機EL素子の分解斜視図である。
【図3】周波数変換テーブルを説明する図である。
【図4】定数テーブルを説明する図である。
【図5】図4に示す定数を算出するための実験値の表である。
【図6】波形生成装置で実行される波形生成処理を説明するフローチャートである。
【図7】入力部で実行される入力処理を説明するフローチャートである。
【図8】変換部で実行される変換処理を説明するフローチャートである。
【図9】波形設定部で実行される波形設定処理を説明するフローチャートである。
【図10】波形形成部で実行される波形形成処理を説明するフローチャートである。
【図11】無機EL素子の−X側の領域に印加される交流の電圧と時間との関係を示すグラフである。
【図12】無機EL素子の+X側の領域に印加される交流の電圧と時間との関係を示すグラフである。
【図13】第2実施形態による無機EL素子の分解斜視図である。
【図14】第3実施形態による無機EL素子の平面図である。
【図15】第4実施形態による波形生成装置の構成図である。
【図16】第5実施形態による電圧値変換テーブルを説明する図である。
【図17】第7実施形態による交流の波形を説明する図である。
【図18】第8実施形態による無機EL素子の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態による無機EL装置を説明する。図1は、第1実施形態による無機EL装置の全体構成図である。図2は、無機EL素子の分解斜視図である。図3は、周波数変換テーブルを説明する図である。図4は、定数テーブルを説明する図である。図5は、図4に示す定数を算出するための実験値の表である。尚、図1に矢印で示すXYをXY方向とする。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態による無機EL装置1は、無機EL素子2と、波形生成装置3と、出力増幅部4、5とを備えている。
【0020】
無機EL素子2は、所定の形状(例えば、「AB」)の光を発光するものである。図2に示すように、無機EL素子2は、基材11と、第1電極12と、第2電極13a、13bと、誘電体層14と、発光層15と、透明電極16a、16bと、保護層17とを備えている。
【0021】
基材11は、紙や樹脂等のフレキシブルな材料からなる。基材11は、平面視にて、長方形状に形成されている。
【0022】
第1電極12及び第2電極13a、13bは、波形生成装置3から出力増幅部4、5を介して交流の電力が供給されるものである。第1電極12及び第2電極13a、13bは、銀やカーボンをポリエステル系樹脂に分散させたペースト状の導電性材料からなる。第1電極12及び第2電極13a、13bは、櫛歯状に形成されている。
【0023】
第1電極12は、端子部21と、複数の枝部22a、22bとを有する。
【0024】
端子部21は、基材11のX方向の中央部に配置されている。端子部21の一端部は、基材11から突出している。この端子部21の一端部は、波形生成装置3に接続されて接地される。
【0025】
枝部22a(22b)は、端子部21から−X方向(+X方向)の一辺へと伸びるように形成されている。枝部22a(22b)と隣接する枝部22a(22b)は、所定の間隔を開けて配置されている。枝部22a、22bと端子部21は、略直交するように一体的に形成されている。
【0026】
第2電極13aは、端子部23と、複数の枝部24とを有する。尚、枝部22aと枝部24とが請求項の第1電極対に相当する。
【0027】
端子部23は、基材11の−X側の一辺の近傍に配置されている。端子部23の一端部は、基材11から突出している。この端子部23の一端部は、出力増幅部4に接続されて、入力端子として機能する。
【0028】
枝部24は、端子部23から基材11の中央へと伸びるように形成されている。枝部24と隣接する枝部24は、所定の間隔を開けて配置されている。第2電極13aの枝部24は、第1電極12の枝部22aと枝部22aとの間に配置されている。これにより、第2電極13aは、第1電極12と絶縁される。枝部24と端子部23は、略直交するように一体的に形成されている。
【0029】
第2電極13bは、端子部25と、複数の枝部26とを有する。尚、枝部22bと枝部26とが請求項の第2電極対に相当する。第2電極13bは、第1電極12の端子部21を挟み、第2電極13aと反対側に配置されている。第2電極13bは、第1電極12の端子部21を対称線として、第2電極13aと略線対称に構成されている。第2電極13bの端子部25は、出力増幅部5に接続されている。第2電極13bの枝部26は、第1電極12の枝部22bと枝部22bとの間に配置されている。これにより、第1電極12と、第2電極13aと、第2電極13bは、互いに電気的に絶縁される。それ以外の第2電極13bの構成は、第2電極13aと略同じため説明を省略する。
【0030】
誘電体層14は、電極12、13a、13bと発光層15とを絶縁するものである。誘電体層14は、基材11及び電極12、13a、13bを覆うように形成されている。誘電体層14は、チタン酸バリウム粉をフッ素ゴム系樹脂に分散させた材料からなる。
【0031】
発光層15は、印加された交流の電圧によってEL発光するものである。発光層15は、誘電体層14上の全面に形成されている。発光層15は、ZnS系の蛍光体粉をフッ素ゴム系樹脂に分散させた材料からなる。
【0032】
透明電極16a、16bは、ITO(インジウム・スズ酸化物)からなる。透明電極16a、16bは、発光させる形状(「A」及び「B」)に合わせて発光層15上に形成されている。
【0033】
保護層17は、発光層15及び透明電極16a、16bを保護するためのものである。保護層17は、発光層15及び透明電極16a、16bを覆うように形成されている。保護層17は、ポリエステル系樹脂からなる。
【0034】
波形生成装置3は、出力増幅部4、5を介して無機EL素子2の電極12、13a、13bに交流の電圧を印加するものである。波形生成装置3は、第1電極12と第2電極13aに第1交流(図11参照)を印加するとともに、第1電極12と第2電極13bに第1交流と異なる第2交流(図12参照)を印加する。
【0035】
また、波形生成装置3は、出力する交流の周波数を大きくする場合には、交流の電圧値を小さくする。波形生成装置3は、出力する交流の周波数を小さくする場合には、交流の電圧値を大きくする。図1に示すように、波形生成装置3は、入力部31と、変換部32と、サンプル数記憶部33と、波形設定部34と、波形形成部35a、35bと、クロック生成部36とを備えている。
【0036】
入力部31は、無機EL素子2により発光される光の発光パターンLPmをユーザが入力するためのものである。ここで、「m」は、正の整数であり発光パターンLPmの数である。本実施形態では、透明電極16aに対応する「A」と透明電極16bに対応する「B」のそれぞれを発光させる発光パターンの数であるから、m=1、2となる。「A」を発光させるための発光パターンをLP1とし、「B」を発光させるための発光パターンをLP2とする。
【0037】
入力部31は、タッチパネル、キーボード、ダイアル等からなる。発光パターンLPmの設定方法は、ユーザが、複数の発光させたい色に対応する色レベルCLm,nと、各色を発光させる時間である発光時間Tm,nと、光の輝度値Lvmと、入力された発光パターンの繰り返し数である設定繰り返し数RNmとを入力することにより設定される。入力部31は、入力された発光パターンLPmを変換部32へと出力する。ここで、「n」は、正の整数であり1つの発光パターンに含まれるパターン数である。
【0038】
色レベルCLm,nは、「1〜10」の10段階に構成されている。具体的には、色レベルCLm,n=1が黄緑色に相当する。色レベルCLm,n=5が緑色に相当する。色レベルCLm,n=10が青色に相当する。色レベルCLm,n=「2〜4」及び「6〜9」は、上述した色の中間色に相当する。
【0039】
輝度値Lvmは、ユーザによって所望の数値が入力されて設定される。尚、輝度値Lvmの単位は、cd/mである。
【0040】
変換部32は、ユーザにより入力された発光パターンLPmから周波数fm,nを抽出する。また、変換部32は、入力された輝度値Lvmを交流の周波数fm,nに対応する電圧値Vm,nに変換する。電圧値Vm,nは、実効値である。また、実際は、電圧値Vm,nが、出力増幅部4、5の増幅率で割ったものとなるが、便宜上、増幅率により割っていない電圧値で以下説明する。変換部32は、周波数変換テーブル51及び定数テーブル52が記憶された記憶部38を有する。また、変換部32は、CPUからなる演算部、外部と内部とを接続するインターフェース等を含む。
【0041】
変換部32は、色レベルCLm,nに対応する周波数fm,nを周波数変換テーブル51から抽出する。図3に示すように、周波数変換テーブル51は、ユーザが入力した色レベルCLm,nに関連付けられた周波数fm,nからなる。
【0042】
変換部32は、輝度値Lvmの一次関数である式(1)に基づいて交流の電圧値Vm,nを算出する。
Vm,n=a×Lvm+b ・・・(1)
ここで、定数a及び定数bは、交流の各周波数fm,nに対応して設定された値である。変換部32は、各周波数fm,nに対応する定数a、bを定数テーブル52から抽出する。定数テーブル52は、図4に示すように、定数a、bを周波数fm,nに関連付けたものである。ここで、無機EL素子2の輝度を一定にするために、周波数fm,nが大きくなると電圧値Vm,nが小さくなるように、且つ、周波数fm,nが小さくなると電圧値Vm,nが大きくなるように、定数a、bは、設定されている。
【0043】
各定数a、bは、図5に示す周波数、輝度値及び電圧値(実効値)の関係を実験により測定した実測値を用いた最小二乗法によって算出されている。図5は、例えば、周波数が500Hz、電圧値が100Vの場合、輝度が67cd/mになったことを示し、周波数が1000Hz、電圧値が200Vの場合、輝度が284cd/mになったことを示している。
【0044】
変換部32は、抽出した周波数fm,n、発光時間Tm,n、変換した電圧値Vm,n、設定繰り返し数RNmを波形設定部34に出力する。
【0045】
サンプル数記憶部33には、ユーザにより入力された発光パターンの周波数fm,nの単位周波数に対するクロックパルスCLKの数であるサンプル数SNm,nがサンプル数テーブルとして記憶されている。尚、サンプル数SNm,nは、以下の式により求められる。
サンプル数=(クロックの周波数)/(発光パターンの周波数)
【0046】
波形設定部34は、変換部32から入力された周波数fm,nに対応するクロックのサンプル数SNm,nをサンプル数記憶部33から抽出する。波形設定部34は、サンプル数SN1,nと、電圧値V1,nと、発光時間T1,nと、設定繰り返し数RN1とを含む発光パターンLP1を波形形成部35aへと出力する。また、波形設定部34は、サンプル数SN2,nと、電圧値V2,nと、発光時間T2,nと、設定繰り返し数RN2とを含む発光パターンLP2を波形形成部35bへと出力する。波形設定部34は、CPUからなる演算部、RAM及びROMを有する記憶部、外部と内部とを接続するインターフェース等を含む。
【0047】
波形形成部35aは、波形設定部34から入力されたサンプル数SN1,n、発光時間T1,n、電圧値V1,n、設定繰り返し数RN1に基づいて、交流の波形(正弦波)を形成して出力する。波形形成部35bは、波形設定部34から入力されたサンプル数SN2,n、発光時間T2,n、電圧値V2,n、設定繰り返し数RN2に基づいて、交流の波形(正弦波)を形成して出力する。波形形成部35a、35bは、パルス幅を変更するシフトレジスタと、シフトレジスタにより形成されたデジタル波形をアナログ波形に変換するD/A変換器と、D/A変換器により変換されたアナログ波形を出力するアナログ出力部等を含む。
【0048】
クロック生成部36は、基準時間となるクロックパルスCLKを生成するものである。クロック生成部36は、クロックパルスCLKを波形設定部34及び波形形成部35a、35bへと出力する。
【0049】
出力増幅部4は、波形生成装置3の波形形成部35aから出力された交流の電圧値を増幅して、無機EL素子2の電極13aへと出力する。出力増幅部5は、波形生成装置3の波形形成部35bから出力された交流の電圧値を増幅して、無機EL素子2の電極13bへと出力する。
【0050】
次に、上述した無機EL装置1の動作を説明する。
【0051】
最初に、波形生成装置3における交流波形生成処理について説明する。図6は、波形生成装置で実行される波形生成処理を説明するフローチャートである。図7は、入力部で実行される入力処理を説明するフローチャートである。図8は、変換部で実行される変換処理を説明するフローチャートである。図9は、波形設定部で実行される波形設定処理を説明するフローチャートである。図10は、波形形成部で実行される波形形成処理を説明するフローチャートである。尚、図6〜図10におけるSの後に記載されている数字は、ステップ数を示す。
【0052】
図6に示すように、波形生成装置3が実行する交流波形生成処理では、入力部31で行われる入力処理(S1)、変換部32で行われる変換処理(S2)、波形設定部34で行われる波形設定処理(S3)、波形形成部35a、35bで行われる波形生成処理(S4)が順に行われる。以下、各処理について、具体的に説明する。
【0053】
まず、図7に示す入力部31で行われる入力処理について説明する。最初に、入力部31は、ユーザによる発光パターンが入力されたか否かを判定する(S11)。入力部31は、ユーザにより発光パターンが入力されたと判定すると(S11:Yes)、入力部31は、その発光パターンLPmのデータを変換部32へと出力する(S12)。これにより、入力処理が終了する。
【0054】
ここで、ユーザが入力した発光パターンLP1が、緑色発光を5秒、青色発光を5秒、これを輝度が100cd/mで、交互に4回ずつ繰り返すものとする。これに対応する各パラメータは、CL1,1=5、T1,1=5、CL1,2=10、T1,2=5、Lv1=100、RN1=4となる。
【0055】
ここで、ユーザが入力した発光パターンLP2が、青色発光を5秒、青緑色発光を5秒、これを輝度が100cd/mで、交互に4回ずつ繰り返すものとする。これに対応する各パラメータは、CL2,1=10、T2,1=5、CL2,2=8、T2,2=5、Lv2=100、RN2=4となる。
【0056】
次に、図8に示す変換部32で行われる変換処理を説明する。まず、変換部32は、入力された発光パターンの色レベルCLm,nに対応する周波数fm,nを、図3に示す周波数変換テーブル51から抽出する(S21)。具体的には、色レベルCL1,1=5に対応する周波数f1,1は、500Hzになる。色レベルCL1,2=10に対応する周波数f1,2は、1000Hzになる。色レベルCL2,1=10に対応する周波数f2,1は、1000Hzになる。色レベルCL2,2=8に対応する周波数f2,2は、800Hzになる。
【0057】
次に、変換部32は、周波数fm,nに対応する定数(a、b)を、図4に示す定数テーブル52から抽出する(S22)。周波数f1,1=500Hzに対する定数(a、b)は、(1.03、30.8)となる。周波数f1,2=1000Hzに対する定数(a、b)は、(0.586、33.5)となる。周波数f2,1=1000Hzに対する定数(a、b)は、(0.586、33.5)となる。周波数f2,2=800Hzに対する定数(a、b)は、(0.696、32.4)となる。
【0058】
次に、変換部32は、周波数fm,nに対応する定数(a、b)を式(1)に代入して、周波数fm,n及び輝度値Lvmに対応する電圧値Vm,nを算出する(S23)。具体的には、周波数f1,1=500Hz及び輝度値Lv1=100cd/mに対応する電圧値V1,1は、133Vである。周波数f1,2=1000Hz及び輝度値Lv1=100cd/mに対応する電圧値V1,2は、92.0Vである。周波数f2,1=1000Hz及び輝度値Lv2=100cd/mに対応する電圧値V2,1は、92.0Vである。周波数f2,2=800Hz及び輝度値Lv2=100cd/mに対応する電圧値V2,2は、102Vである。
【0059】
次に、変換部32は、発光時間Tm,n、設定繰り返し数RNm、変換した周波数fm,n及び電圧値Vm,nを含む発光パターンLPmのデータを波形設定部34へ出力する(S24)。これにより、変換処理が終了する。
【0060】
次に、図9に示す波形設定部34で行われる波形設定処理につい説明する。まず、波形設定部34は、変換部32から入力された発光パターンの周波数fm,nに対応するサンプル数SNm,nをサンプル数記憶部33から抽出する(S31)。
【0061】
次に、波形設定部34は、抽出したサンプル数SN1,n、発光時間T1,n、設定繰り返し数RN1、電圧値V1,nを含む発光パターンLP1のデータを波形形成部35aへ出力する。また、波形設定部34は、抽出したサンプル数SN2,n、発光時間T2,n、設定繰り返し数RN2、電圧値V2,nを含む発光パターンLP2のデータを波形形成部35bへ出力する。(S32)。これにより波形設定処理が終了する。
【0062】
次に、図10に示す波形形成部35aで行われる発光パターンLP1を用いた波形形成処理につい説明する。まず、波形形成部35aは、初期設定を行う(S41)。具体的には、波形形成部35aは、カウント用の繰り返し数R及びパターン数nを「0」に設定する。
【0063】
次に、波形形成部35aは、カウント用の繰り返し数Rを「1」インクリメントする(S42)。
【0064】
次に、波形形成部35aは、パターン数nを「1」インクリメントする(S43)。
【0065】
次に、波形形成部35aは、時間Tを「0」に設定する(S44)。
【0066】
次に、波形形成部35aは、クロック生成部36から入力されるクロックパルスCLKに基づいて、サンプル数SN1に対応する周波数f1,1(=500Hz)のデジタル波形を生成する(S45)。
【0067】
次に、波形形成部35aは、デジタル波形をアナログ波形(正弦波)に変換する(S46)。これにより、ユーザが設定した発光パターンの色レベルCL1,1(=5:緑色)及び輝度値Lv1(=100cd/m)に対応した周波数f1,1及び電圧値V1,1(=133V)の波形を有する交流が形成される。
【0068】
次に、波形形成部35aは、アナログ変換された交流を出力増幅部4へと出力する(S47)。
【0069】
次に、波形形成部35aは、時間Tが発光時間T1,1(=5秒)か否かを判定する(S48)。時間Tが発光時間T1,1でない場合は(S48:No)、S45に戻り、周波数f1,1及び電圧値V1,1を有する交流の波形の出力が継続される。時間Tが発光時間T1,1となると(S48:Yes)、ステップS49へ進む。
【0070】
次に、波形形成部35aは、パターン数nがパターン数の最大値であるnmaxか否かを判定する(S49)。尚、ここでのnmaxは、緑色と青色の2色を交互に発光させる発光パターンが設定されているので「2」となる。ここで、パターン数nは、「1」なので(S49:No)、ステップS43に戻る。
【0071】
次に、nが「1」インクリメントされてn=2となる(S43)。
【0072】
この後、ステップS45〜ステップS48が、時間Tが発光時間T1,2(=5秒)になるまで繰り返されて、色レベルCL1,2(=10:青色)及び輝度値Lv1(=100cd/m)に対応した周波数f1,2(=1000Hz)及び電圧値V1,2(=92.0V)を有する波形の交流が出力増幅部4へと出力される。
【0073】
次に、T=Tnと判定されると(S48:Yes)、n=2なので、n=nmaxと判定されて(S49:Yes)、ステップS50へ進む。
【0074】
次に、パターン数nが、「0」に設定される(S50)。
【0075】
次に、カウント用の繰り返し数Rが、設定繰り返し数RN1(=4)か否かが判定される(S51)。そして、繰り返し数Rが、設定繰り返し数RN1になるまで、ステップS42〜ステップS51が繰り返される。この後、発光パターンが4回繰り返されて、繰り返し数Rが、設定繰り返し数RN1になると(S51:Yes)、波形形成処理が終了する。
【0076】
また、波形形成部35bにおいても、発光パターンLP2を用いた上述の波形形成処理が行われる。
【0077】
この結果、図6に示す波形生成装置3による交流波形生成処理が終了する。
【0078】
次に、出力増幅部4では、波形生成装置3の波形形成部35aから入力された交流の電圧値V1,nを順次増幅して、無機EL素子2の電極13aへと出力する。また、出力増幅部5では、波形生成装置3の波形形成部35bから入力された交流の電圧値V2,nを順次増幅して、無機EL素子2の電極13bへと出力する。
【0079】
次に、交流が供給された無機EL素子2での発光動作について説明する。図11は、無機EL素子の−X側の領域に印加される交流の電圧と時間との関係を示すグラフである。図12は、無機EL素子の+X側の領域に印加される交流の電圧と時間との関係を示すグラフである。尚、図11に示す交流が、請求項の第1交流に相当する。図12に示す交流が、請求項の第2交流に相当する。
【0080】
無機EL素子2では、出力増幅部4から供給された交流電力が、電極12と電極13aとの間に印加される。これにより、電極12と透明電極16a、及び、透明電極16aと電極13aとの間に交流電界が形成される。ここで、平面視にて、透明電極16aは、「A」の形状に形成されているので、交流電界も同様の形状に形成される。次に、この交流電界により、発光層15の電荷が励起される。励起された電荷によって、光が「A」の形状で発光(EL発光)される。発光された光は、透明電極16a及び保護層17を透過して、外部に照射される。
【0081】
ここで、出力増幅部4によって無機EL素子2に印加される交流電力は、図11に示すように、5秒毎に周波数が500Hzと1000Hzとの間で変化する。この周波数f1,nの変化に伴って、無機EL素子2の発光する光の色が、ユーザが設定したように500Hzに対応した緑色から1000Hzに対応した青色、または、その逆へと変化する。更に、印加される交流の電圧は、周波数f1,nの変化に対応して、電圧値V1,nが変化する。具体的には、交流の周波数f1,nが500Hzから1000Hzへと変化すると、電圧値V1,nが133Vから92.0Vへと変化する。また、交流の周波数f1,nが1000Hzから500Hzへと変化すると、電圧値V1,nが92.0Vから133Vへと変化する。この結果、無機EL素子2から発光される光の輝度が、約100cd/mに統一される。
【0082】
また、同時に、無機EL素子2では、出力増幅部5から供給された交流電力が、電極12と電極13bとの間に印加される。これにより、電極12と透明電極16b、及び、透明電極16bと電極13bとの間に交流電界が形成される。ここで、平面視にて、透明電極16bは、「B」の形状に形成されているので、交流電界も同様の形状に形成される。次に、この交流電界により、発光層15の電荷が励起される。励起された電荷によって、光が「B」の形状で発光(EL発光)される。発光された光は、透明電極16b及び保護層17を透過して、外部に照射される。
【0083】
ここで、出力増幅部5によって無機EL素子2に印加される交流電力は、図11に示す交流の波形と異なり、図12に示すように、5秒毎に周波数が1000Hzと800Hzとの間で変化する。この周波数f2,nの変化に伴って、無機EL素子2の発光する光の色が、ユーザが設定したように1000Hzに対応した青色から800Hzに対応した青緑色、または、その逆へと変化する。更に、印加される交流の電圧は、周波数f2,nの変化に対応して、電圧値V2,nが変化する。具体的には、交流の周波数f2,nが1000Hzから800Hzへと変化すると、電圧値V2,nが92.0Vから102Vへと変化する。また、交流の周波数f2,nが800Hzから1000Hzへと変化すると、電圧値V2,nが102Vから92.0Vへと変化する。この結果、無機EL素子2から発光される光の輝度が、約100cd/mに統一される。
【0084】
上述したように第1実施形態による無機EL装置1では、波形生成装置3が、電極12と電極13aとの間に印加する交流の波形(図11参照)と、電極12と電極13bとの間に印加する交流の波形(図12参照)とが異なる。これにより、電極12の枝部22aと電極13aの枝部24とが形成された領域の発光パターンLP1と、電極12の枝部22bと電極13bの枝部26とが形成された領域の発光パターンLP2とを異ならせることができるので、視覚的効果を向上させることができる。
【0085】
また、無機EL装置1では、周波数fm,nが大きくなると電圧値Vm,nを小さくするとともに、周波数fm,nが小さくなると電圧値Vm,nを大きくして交流を出力する波形生成装置3を備えている。これにより、周波数fm,nの変化により発光される色を変化させて視覚的効果を得つつ、発光される光の色の変化に伴う輝度の変化を低減することができる。
【0086】
また、無機EL装置1では、電圧値Vm,nを式(1)により算出しているので、幅広い輝度値Lvmに柔軟に対応できる。
【0087】
(第2実施形態)
次に、上述した実施形態の無機EL素子を変更した第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態による無機EL素子の分解斜視図である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0088】
図13に示すように、第2実施形態による無機EL素子2Aは、基材11と、背面電極18、19と、誘電体層14と、発光層15と、透明電極16Aと、保護層17とを備えている。
【0089】
背面電極18、19は、基材11の上面の−X側の半面に形成されている。背面電極19は、基材11の上面の+X側の半面に形成されている。背面電極18、19は、銀やカーボンをポリエステル系樹脂に分散させたペースト状の導電性材料からなる。背面電極18(19)は、基材11から突出した端子部18a(19a)を有する。
【0090】
透明電極16Aは、ITO(インジウム・スズ酸化物)からなる。透明電極16Aは、発光させる形状に合わせて発光層15上に形成された透明電極部16Aa、16Abを有する。透明電極部16Aa及び透明電極部16Abは、一体的に形成されている。また、透明電極16Aは、透明電極部16Aaと透明電極部16Abとの間から延び、発光層15から突出する端子部16Acを有する。
【0091】
第2実施形態による無機EL素子2Aでは、背面電極18の端子部18aが出力増幅部4を介して波形形成部35aに接続される。背面電極19の端子部19aが出力増幅部5を介して波形形成部35bに接続される。透明電極16Aの端子部16Acが、接地される。
【0092】
これにより、上述した第2実施形態においても、波形生成装置3に無機EL素子2Aを接続することによって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0093】
(第3実施形態)
次に、上述した実施形態の無機EL素子の第1電極及び第2電極を変更した第3実施形態について説明する。図14は、第3実施形態による無機EL素子の平面図である。図14において、誘電体層、発光層、保護層は省略している。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0094】
図14に示すように、第3実施形態による無機EL素子2Cでは、第1電極12Cと、第2電極13Ca、13Cbとが第1実施形態と異なる。
【0095】
具体的には、各電極12C、13Ca、13Cbの枝部22Ca、22Cb、24C、26Cが、端子部21C、23C、25Cに対して傾斜している。即ち、枝部22Ca、22Cb、24C、26Cと端子部21C、23C、25Cとの間の角度が、直角に構成されていない。
【0096】
上述したように第3実施形態による無機EL素子2Cでは、端子部21C、23C、25Cに対して枝部22Ca、22Cb、24C、26Cを傾斜させることにより、X方向に平行な辺(例えば「B」の上中下辺)も明確に発光させることができる。
【0097】
(第4実施形態)
次に、上述した実施形態の波形生成装置を変更した第4実施形態について説明する。図15は、第4実施形態による波形生成装置の構成図である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0098】
図15に示す第4実施形態による波形生成装置3Dは、スイッチ41のオン/オフの切り替えによって、無機EL素子2へ所定の波形の交流を出力する。ここで、出力する交流の周波数fm,n、発光時間Tm,n、電圧値Vm,n、繰り返し数RNmは、波形記憶部42に1パターンだけ記憶されている。即ち、無機EL素子2は、予め決められた発光パターンのみで発光する。
【0099】
ここで、波形記憶部42に記憶されている周波数f1,n、発光時間T1,n、電圧値V1,n、繰り返し数RN1は、同様に波形記憶部42に記憶されている周波数f2,n、発光時間T2,n、電圧値V2,n、繰り返し数RN2と異なる。即ち、波形記憶部42に記憶されている発光パターンLP1と発光パターンLP2は異なる。
【0100】
第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、波形記憶部42に記憶されている周波数fm,n及び電圧値Vm,nは、周波数fm,nが大きくなると、電圧値Vm,nが小さくなるように、且つ、周波数fm,nが小さくなると、電圧値Vm,nが大きくなるように設定されることが好ましい。これにより、第4実施形態による波形生成装置3Dは、無機EL素子2から発光される光の色が変化しても、光の輝度の変化を抑制できる。
【0101】
(第5実施形態)
次に、上述した実施形態の変換部を変更した第5実施形態について説明する。図16は、第5実施形態による電圧値変換テーブルを説明する図である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0102】
第5実施形態による変換部32では、電圧値変換テーブル53が記憶部38に記憶されている。図16に示すように、電圧値変換テーブル53は、輝度値Lvm及び交流の周波数fm,nと、交流の電圧値Vm,nとを関連付けたものである。電圧値変換テーブル53は、例えば、周波数が600Hz、輝度値が50cd/mの場合、電圧値が75.5Vであることを示し、周波数が800Hz、輝度値が200cd/mの場合、電圧値が172Vであることを示している。変換部32は、入力部31から入力される輝度値Lvm及び周波数変換テーブル51から抽出した周波数fm,nに対応する電圧値Vm,nを電圧値変換テーブル53から抽出する。その後、変換部32は、抽出した電圧値Vm,nを含む発光パターンを波形設定部34に出力する。
【0103】
第5実施形態による変換部32では、電圧値変換テーブル53から電圧値Vm,nを抽出することにより、演算処理を簡素化することができる。
【0104】
(第6実施形態)
次に、上述した実施形態の無機EL素子を変更した第6実施形態について説明する。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0105】
第6実施形態による無機EL素子2では、発光層15に色変換用の色素が添加されている。これにより、無機EL素子2により発光される光の色の選択の幅を広げることができる。ここで、色素は、無機EL素子2の発光層15が発光可能な光のうち最も長い波長よりも長い波長の光に変換できるものが好ましい。発光できる最も長い波長の光が黄緑色である無機EL素子2に添加する色素の一例として、赤色の光に変換可能な色素(例えば、Exciton社製のLDS698)を上げることができる。このような色素を添加することにより、波形生成装置3から出力される周波数fm,nを小さくすると、発光される光のスペクトルが変化することが本願発明者の実験によりわかっている。具体的には、無機EL素子2が赤色の光を発光している状態で、周波数fm,nを小さくすると、無機EL素子2の発光する光の発光色が黄緑色に近づく。これにより、無機EL素子2から発光する光の色のバリエーションを増加させることができ、視覚効果をより高めることができる。
【0106】
(第7実施形態)
次に、上述した実施形態の交流の波形を変更した第7施形態について説明する。図17は、第7実施形態による交流の波形を説明する図である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0107】
図17に示すように、波形生成装置3が、無機EL素子2に印加する交流の電圧値を、1パターンの中で徐々に小さくなるように設定してもよい。これにより、発光する領域が、時間とともに徐々に色が変化するグラデーション効果を得ることができるので、より視覚的効果を向上させることができる。
【0108】
(第8実施形態)
次に、上述した実施形態の交流の波形を変更した第7施形態について説明する。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。図18は、第8実施形態による無機EL素子の平面図である。図18において、誘電体層、発光層、保護層は省略している。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0109】
図18に示すように、無機EL素子2Eの電極対を更に細かく分割してもよい。具体的には、無機EL素子2Eは、接地電極である3本の電極12E、波形生成装置3から異なる交流が印加される電極13Ea〜13Egとを備えている。電圧値を右の電極13Eaから左の電極13Egに徐々に小さくなるように、波形生成装置3が交流を印加することによって、右側の領域から左側の領域へと徐々に色が変化するグラデーション効果を得ることができるので、より視覚的効果を向上させることができる。
【0110】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。以下、上記実施形態を一部変更した変更形態について説明する。
【0111】
例えば、上述した実施形態の各構成は、一例であり、形状、数値、材料等は適宜変更可能である。
【0112】
また、上述した実施形態では、交流の周波数の変化に伴い、輝度を一定に保つように電圧値を変化させたが、周波数の変化に関わらず電圧値を一定にしてもよい。更に、交流の周波数を一定にして、電圧値を変化させてもよい。
【0113】
また、何れかの電極と波形生成装置との間にスイッチを設けて、ユーザが特定の領域のみを発光可能に構成してもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 無機EL装置
2、2A、2C、2E 無機EL素子
3、3D 波形生成装置
11 基材
12、12C、12E 電極
13a、13b、13Ca、13Cb、13Ea〜13Eg 電極
15 発光層
16a、16b、16A 透明電極
16Aa、16Ab 透明電極部
18、19 背面電極
22a、22b、22Ca、22Cb 枝部
24、26 枝部
31 入力部
32 変換部
33 サンプル数記憶部
34 波形設定部
35a、35b 波形形成部
36 クロック生成部
38 記憶部
41 スイッチ
42 波形記憶部
51 周波数変換テーブル
52 定数テーブル
53 電圧値変換テーブル
CLK クロックパルス
CLm,n 色レベル
fm,n 周波数
LPm 発光パターン
Lvm 輝度値
Vm,n 電圧値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極対と、前記第1電極対とは異なる領域に形成された第2電極対とを有する無機EL素子と、
前記第1電極対に第1交流を印加するとともに、前記第2電極対に前記第1交流とは波形の異なる第2交流を印加する波形生成装置とを備えていることを特徴とする無機EL装置。
【請求項2】
前記波形生成装置は、前記第1交流の周期、または、前記第1交流の実効値である電圧値を時間変化させることを特徴とする請求項1に記載の無機EL装置。
【請求項3】
前記波形生成装置は、
前記無機EL素子により発光される光の発光パターンを入力するための入力手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無機EL装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記無機EL素子により発光される光の輝度値を入力可能であって、
前記波形生成装置は、前記入力された輝度値を前記交流の周波数に対応する電圧値に変換する変換部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の無機EL装置。
【請求項5】
前記変換部は、前記交流の周波数に対応する定数を含む一次関数であって、前記輝度値の一次関数により前記交流の電圧値を算出することを特徴とする請求項4に記載の無機EL装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記輝度値及び前記交流の周波数と、前記交流の電圧値とを関連付けた電圧値変換テーブルを有することを特徴とする請求項4に記載の無機EL装置。
【請求項7】
前記無機EL素子は、発光層を有し、
前記発光層には、発光可能な光の最も長い波長よりも長い波長の光に変換する色素が添加されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の無機EL装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−7984(P2011−7984A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150646(P2009−150646)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】