説明

無段変速機ベルトリングの熱処理装置

【課題】懸架時、熱処理時に金属リングに生じうる変形を抑制する無段変速機の熱処理装置を提供する。
【解決手段】略円形の金属リング1に内周側から当接する当接部12a、12bを介して、第1部位10と第2部位11とによって金属リング1に張力を与えて長円形状に変形させて金属リング1を保持し、第1部位10と第2部位11とによって保持された金属リング1を懸架治具3の内側へ、水平に搬送し、懸架治具3に水平方向に懸架する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無段変速機ベルトリングの熱処理装置に関するものであり、特に無段変速機に使用する金属リングを熱処理する熱処理装置の金属リング懸架部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属リングを熱処理、例えば窒化処理する際には、金属リングを熱処理する前段階として、熱処理に使用する治具に金属リングを懸架する。従来においては、金属リングを治具に懸架する場合に、金属リングの内側が治具に懸架されるようにし、上下のストッパで金属リングを固定するものが特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2002−161314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の発明は、治具の外側から、金属リングの内側が治具に懸架されるように金属リングに張力を掛けて懸架し、上下のストッパで金属リングを固定するので、金属リングに掛かる張力が大きくなる。そのため、治具に金属リングを懸架する時、または例えば窒化処理などの熱処理を行った場合に、金属リングが変形し、または金属リングの表面に傷が付き、金属リングの強度が低下し、無段変速機のベルトの性能が低下するといった問題点がある。
【0004】
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、懸架時、熱処理時おける金属リングの変形、金属リングの表面に傷が付くことによる金属リングの強度低下を抑制し、無段変速機の金属ベルトの性能低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、薄板を略円形のリング状に加工したリング部材を熱処理する無段変速機ベルトリングの熱処理装置において、リング部材に内周側から当接する当接部を有し、当接部を介してリング部材を長円に変形させることによって、リング部材を保持する広げ部位と、リング部材を水平方向に懸架する懸架治具と、広げ部位によって保持したリング部材を広げ部位とともに懸架治具の内側へ、水平方向に搬送する搬送装置と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、略円形のリング状に加工したリング部材を、当接部によって長円に変形させてリング部材を保持し、懸架治具の内側まで搬送することで、懸架時、熱処理時における金属リングの変形、金属リングの表面に傷が付くことを抑制し、無段変速機の金属ベルトの性能低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施形態の構成を図1、2を用いて説明する。図1、2は、無段変速機で使用する金属リングを熱処理する際に使用する熱処理装置の金属リング懸架部を示す図であり、金属リングは、詳しくは図示しないが、金属リング懸架部によって懸架された後に、熱処理される。図1は金属リング懸架部の正面図であり、図2は上面図である。
【0008】
この金属リング懸架部は、金属リング1を搬送するベルトコンベア2と、金属リング1に張力を与えて保持する広げ部位9と、金属リング1を懸架する懸架治具3と、広げ部位9によって保持した金属リング1を懸架治具3へ搬送する搬送装置4と、を備える。
【0009】
金属リング1は、薄板を略円形のリング形状に加工した部材であり、無段変速機の金属ベルトに用いられる。金属ベルトは、例えば12枚の金属リング1を積層して構成され、2つの金属ベルトによって、各プーリと接触する金属エレメントを挟持する。なお、金属リング1は、幅方向においてクラウニングが設けられている。
【0010】
ベルトコンベア2は第1ライン5と、第1ライン5と対峙し、かつ第1ライン5に対して平行に設けた第2ライン6と、を備える。第1ライン5と第2ライン6とは同一の方向へ相対速度が略ゼロとなるように動き、第1ライン5と第2ライン6とによって支持する金属リング1を搬送準備位置30まで搬送する。
【0011】
搬送装置4、広げ部位9について図3〜図5を用いて説明する。図3は搬送装置4、広げ部位9の上面拡大図であり、図4は広げ部位9付近の背面拡大図であり、図5は図3のA−A断面図である。
【0012】
広げ部位9は、第1ライン5と第2ライン6との間を昇降するリフト8によって、搬送準備位置30から上方に押し上げられた金属リング1を、周長を保ちつつ内周側から所定の方向へ長くする第1部位10と第2部位11とを備える。
【0013】
第1部位10と第2部位11とは、略円形の金属リング1よりも曲率が大きい当接部12a、12bを備える。第1部位10と第2部位11とは或る点(図3、4中a点、以下、これを点aとする)を中心に、点対称となるように移動する。つまり、第1部位10と第2部位11との距離が最小となる位置(以下、初期位置とする)から、第1部位10と第2部位11とは180°反対の方向へ同じ距離だけ移動する。また、初期位置へ戻る場合も同様に移動する。第1部位10と第2部位11とが初期位置から移動すると、第1部位10と第2部位11の当接部12a、12bが金属リング1の内周面に当接し、その後さらに移動すると金属リング1を第1部位10と第2部位11とによる張力によって保持する(以下、第1部位10と第2部位11との張力によって金属リング1を保持することをクランプという)。図3において、金属リング1をクランプする場合の第1部位10と第2部位11との位置を一点鎖線で示す。
【0014】
金属リング1をクランプすることにより、金属リング1は、同一の周長を保ちつつ、長円形状に変形する。この実施形態では、第1部位10と第2部位11とによって金属リング1に張力が掛かる方向、つまり第1部位10と第2部位11とが移動する方向に長くなり、第1部位10と第2部位11とが移動する方向と直交する方向に短くなり、金属リング1は長円形状に変形する。この実施形態において、長円形状とは、楕円形状または平行する2つの直線の端部を半円によってそれぞれ接続して形成される小判形状などをいい、円形状と比較して、張力が掛かることによって、張力が掛かる方向へ長くなった形状をいう。
【0015】
当接部12a、12bは、図5に示すようにクラウニングを有しており、金属リング1のクラウニングと同一形状である。この形状により当接部12a、12bが、金属リング1のクラウニングに沿って当接し、当接部12a、12bと、金属リング1の内周面と、の接触面積を大きくすることができ、搬送装置4によって金属リング1を搬送する際の金属リング1の落下を防止し、また金属リング1の表面に傷が付くことを抑制することができる。また、熱処理を行う前の金属リング1の硬度は、さほど大きくないので、当接部12a、12bによってクランプすると、金属リング1が変形するおそれがあるが、当接部12a、12bのクラウニングを金属リング1のクラウニングと同一形状とすることで、金属リング1のクラウニングに与える影響を極力小さくすることができ、クラウニングの変形を抑制することができる。
【0016】
搬送装置4は、第1部位10と第2部位とによってクランプした金属リング1を、第1部位10と第2部位とともに懸架治具3まで搬送し、また、懸架治具3に金属リング1を懸架した後に、第1部位10と第2部位とを懸架治具3から取り出す。搬送装置4が移動する方向は、第1部位10、第2部位が移動する方向と同一方向である。
【0017】
ここで懸架治具3について、図6〜8を用いて詳しく説明する。図6は懸架治具3の正面図であり、図7は懸架治具3の上面図である。また、図8は図6のA部分の概略拡大図である。なお、図7においては、懸架治具3内に搬送された第1部位10、第2部位11および金属リング1を説明のため図示し、第1部位10と第2部位11とが金属リング1をクランプしている状態を破線で示し、クランプを解除している状態を一点鎖線で示す。
【0018】
懸架治具3は、上プレート20と、下プレート21と、上下プレート間に設けた支柱22a〜22fと、を備える。4本の支柱22a〜22dは上面から見た場合に、長方形(図7中、点線)の頂点となる箇所を通るように、かつ各支柱22a〜22dが平行に設けられる。なお、支柱22a〜22dは長方形の頂点に位置するように配置されることが望ましい。
【0019】
長方形の長辺を形成する支柱22aと支柱22bとの間、支柱22cと支柱22dとの間に、さらに支柱22e、22fを設ける。支柱22e、22fは、長方形の長辺を形成する支柱22aと支柱22b、支柱22cと支柱22dよりも外側に設けられ、特に支柱22aと支柱22bとの中間地点、支柱22cと支柱22dとの中間地点となる箇所より外側に設けられる。また、長方形の短辺を形成する支柱22aと支柱22d間の距離x1は、第1部位10と第2部位11とによってクランプされた金属リング1の外周面間の距離x2よりも大きく設定される。懸架治具3は、搬送装置4によって支柱22a、22dの間から搬入された金属リング1を、金属リング1の外周面側から支柱22a〜22fによって懸架する。
【0020】
懸架治具3に懸架された金属リング1は、例えば窒化処理などの熱処理が行われる。熱処理が行われると、金属リング1に歪みが生じる場合がある。歪みは支柱22a〜22fを支点として生じ、この歪みは支柱間の距離が大きい程生じ易い。そのため、この実施形態では支柱間の距離が比較的大きくなる支柱22aと支柱22bとの間、支柱22cと支柱22dとの間に、さらに支柱22e、22fを設けることで、歪みを抑制することができ、特に金属リング1のクラウニングの形状を安定させてることができる。これによって、金属リング1を積層して金属ベルトを形成した場合に、金属ベルトの強度低下を防止し、無段変速機の金属ベルトの性能を良くすることができる。
【0021】
支柱22a〜22fは、円柱部23と、金属リング1の外周面の端部に当接することで金属リング1を懸架する保持部(支持具)24と、を備える。保持部24は、円柱部23から突出し、円柱部23と同心円の突出部25と、突出部25の両側の円柱部23から突出部25へ向けて拡径して形成されるテーパ部26と、を備える。なお、この実施形態では、円柱部23近辺のテーパ部の一部を取り除くことで、軽量化を図っている。
【0022】
懸架治具3は、隣り合う保持部24の向かい合うテーパ部26が、金属リング1の外周面の端面に接触して外周面側から金属リング1を水平方向に懸架する。向かい合うテーパ部26の角度θは、少なくとも65°より大きい角度とする。この角度を大きくすることで金属リング1の変形などを抑制することができる。支柱22a〜22fの表面には、例えばチタン、窒化チタンなどのチタン化合物などによって表面処理が施され、これによって金属リング1の接触による支柱22a〜22fの摩耗を低減することができる。全ての支柱22a〜22fにおいて、保持部24は等間隔で設けられ、複数の金属リング1を水平に懸架することができる。
【0023】
保持部24は、1つの無段変速機で使用される金属リング1、例えば24枚を1つの懸架治具3で懸架可能に設けられる。また、検査用の金属リング1を懸架可能としてもよい。つまり、支柱22a〜22fは、保持部24を1つの無段変速機で使用される金属リング1の数だけ、積層するようにして形成される。
【0024】
無段変速機で使用される金属ベルトは、複数の金属リング1を積層して構成されるが、積層される金属リング1を1つの懸架治具3によって懸架することで、各金属リング1をほぼ等しい条件で熱処理することができ、熱処理の条件によって生じる各金属リング1の誤差を小さくすることができる。これによって、金属ベルトの強度低下を防止し、無段変速機の金属ベルトの性能を良くすることができる。また、積層する金属リング1の管理を容易に行うことができる。
【0025】
また、無段変速機で使用される金属ベルトを、1つの懸架治具3によって懸架することで、熱処理後に1つの懸架治具3に、積層する金属リング1が揃っており、容易に金属リング1を積層することができ、作業効率を向上することができる。
【0026】
なお、懸架治具3の支柱の本数、配置はこの実施形態に限られることはなく、熱処理時に金属リング1の変形を抑制するように設定、配置されればよい。
【0027】
次に、この実施形態の金属リング1の懸架工程について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0028】
ステップS100では、無段変速機の一組の金属ベルトを構成するために、周長を微調整された金属リング1が、ベルトコンベア2の最上流部に搬入される。なお、この実施形態では、一組の金属ベルトを構成するための金属リング1が、積層される順番に搬入される。
【0029】
ステップS101では、第1ライン5と第2ライン6とによって金属リング1が搬送され、搬送準備位置30よりも上流側の待機位置31まで搬送されると、第1ライン5と第2ライン6とが一旦停止し、待機位置31で金属リング1は保持される。
【0030】
ステップS102では、前工程によって搬送準備位置30にある金属リング1が、搬送準備位置30から取り出されると、第1ライン5と第2ライン6とが再び動き、待機位置31にある金属リング1が搬送準備位置30まで搬送される。金属リング1が搬送準備位置30まで搬送されると、第1ライン5と第2ライン6とを停止させる。
【0031】
ステップS103では、リフト8を上昇させ、搬送準備位置30にある金属リング1を搬送準備位置30から垂直に押し上げる。リフト8は、第1ライン5と第2ライン6との間を昇降するので、リフト8は第1ライン5と第2ライン6と干渉することなく、金属リング1を搬送準備位置30から押し上げることができる。また、第1ライン5と第2ライン6とによって、金属リング1を搬送するので、搬送準備位置30まで、確実に金属リング1を搬送することができる。金属リング1は、押し上げられた金属リング1の内周面と、第1部位10と第2部位11のクラウニングを設けた当接部12a、12bと、が向かい合う位置まで押し上げられる。
【0032】
ステップS104では、第1部位10と第2部位11とを、初期位置から第1部位10と第2部位11との距離が長くなるように移動させる。これにより、第1部位10と第2部位11のクラウニングを設けた当接部12a、12bが金属リング1の内周面に当接する。その後さらに第1部位10と第2部位11が移動することで、金属リング1は、第1部位10と第2部位11とによってクランプされる。第1部位10と第2部位11とによってクランプされると、略円形の金属リング1は、第1部位10と第2部位11とによって張力を掛ける方向、つまり、第1部位10と第2部位11の移動方向に長くなり、かつ第1部位10と第2部位11との移動方向と直交する方向に短くなり、長円形状となる。第1部位10と第2部位11とが金属リング1と同形状のクラウニングを有することで、金属リング1の脱落を防止することができる。また、第1部位10と第2部位11とによって金属リング1をクランプすると、リフト8を降下させる。
【0033】
ステップS105では、搬送装置4によって、広げ部位9とともに金属リング1を移動させて、金属リング1を支柱22aと支柱22dの間から懸架治具3に搬送する。支柱22aと支柱22dとの距離x1を第1部位10と第2部位11との幅x2よりも大きくすることで、支柱22aと支柱22dとの間を通って、広げ部位9によってクランプする金属リング1を懸架治具3の内側へ搬送することができる。
【0034】
ステップS106では、広げ部位9と金属リング1が懸架治具3の所定の位置まで搬送されると、第1部位10と第2部位11とを初期位置まで移動させて、金属リング1のクランプを解除する。これによって、金属リング1は復元力によって元の略円形形状に戻ろうとするので、第1部位10と第2部位11との移動方向の金属リング1の長さが短くなり、第1部位10と第2部位11との移動方向に直交する方向の金属リング1の長さが長くなる。そのため、第1部位10と第1部位10との移動方向に直交する方向において、金属リング1の外周面の端部が支柱22a〜22fのテーパ部26に当接し、金属リング1が楕円形状となって保持部24によって懸架治具3に懸架される。所定の位置は、広げ部位9のa点と、懸架治具3の支柱に懸架された楕円形状の金属リング1の中心点とが略一致する位置である。予め実験などによって、所定の位置を設定することで、金属リング1のクランプが解除されて金属リング1が支柱22a〜22fに接触した場合に、支柱22a〜22fからの反発力によって生じる金属リング1のずれを防ぐことができる。そのため金属リング1を懸架治具3に安定して懸架することができ、懸架治具3における金属リング1の脱落を抑制することができる。
【0035】
ステップS107では、懸架治具3を所定量だけ鉛直方向下向きに移動させ、広げ部位9を懸架治具3から取り出し、搬送準備位置30の上部まで移動させる。所定量は、次回の懸架工程において、金属リング1を懸架する懸架治具3位置となる量であり、懸架治具3の保持部24の1ピッチ分である。
【0036】
以上の工程を、1組のベルトを構成する金属リング1を懸架するまで繰り返す。また、1組のベルトを構成する金属リング1が懸架されると、懸架治具3を入れ替えて、上記工程を繰り返す。そして、懸架治具3に懸架した金属リング1を詳しくは図示しないが、熱処理部へ送り、例えば窒化処理などによって熱処理する。
【0037】
本発明の実施形態の効果について説明する。
【0038】
この実施形態では、無段変速機の金属ベルトに使用する金属リング1を、熱処理の際に使用する懸架治具3へ懸架する場合に、金属リング1の内周側から、当接部12a、12bを介し、第1部位10と第2部位11とによって金属リング1を長円形状に変形させてクランプし、搬送装置4によって懸架治具3の内側に搬送する。そして、金属リング1の外周面を懸架治具3によって懸架することで、懸架治具3に金属リング1を懸架する時、または熱処理を行う時の金属リング1の変形、または金属リング1の表面に傷が付くことを抑制することができ、金属リング1、すなわち金属ベルトの強度を強くすることができ、無段変速機の金属ベルトの性能を良くすることができる。
【0039】
第1部位10と第2部位11との当接部12を、金属リング1の幅方向に設けたクラウニングと略同一形状とすることで、金属リング1を搬送装置4によって搬送する際に、金属リング1の脱落を抑制し、金属リング1にかかる応力を分散することができ、金属リング1の表面の傷が生じることを抑制することができ、また、金属リング1のクラウニングの変形を抑制することができ、金属ベルトの強度を強くすることができ、無段変速機の金属ベルトの性能を良くすることができる。
【0040】
第1部位10と第2部位11とが移動する方向と直交する方向の金属リング1の幅を、懸架治具3の支柱22aと支柱22dとの間の距離よりも小さくすることで、クランプした金属リング1を懸架治具3の中に搬送することができる。
【0041】
無段変速機の金属ベルトを構成する金属リング1を1つの懸架治具に懸架することで、熱処理の条件がほぼ等しい金属ベルトを得ることができ、無段変速機の金属ベルトの品質を向上させることができる。また、金属リング1を積層する際に、容易に積層することができ、作業効率を向上するさせることができる。
【0042】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態を示すリング懸架装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態を示すリング懸架装置の上面図である。
【図3】本発明の実施形態の搬送装置、広げ部位の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態の広げ部位の背面図である。
【図5】図3におけるA−A断面図である。
【図6】本発明の実施形態の懸架治具の正面図である。
【図7】本発明の実施形態の懸架治具の上面図である。
【図8】図6におけるA詳細図である。
【図9】本発明の実施形態の金属リング懸架工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 金属リング(リング部材)
2 ベルトコンベア
3 懸架治具
4 搬送装置
9 広げ部位
12a、12b 当接部
22a〜22f 支柱
24 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板を略円形のリング状に加工したリング部材を熱処理する無段変速機ベルトリングの熱処理装置において、
前記リング部材に内周側から当接する当接部を有し、前記当接部を介して前記リング部材を長円に変形させることによって、前記リング部材を保持する広げ部位と、
前記リング部材を水平方向に懸架する懸架治具と、
前記広げ部位によって保持したリング部材を前記広げ部位とともに前記懸架治具の内側へ、水平方向に搬送する搬送装置と、を備えることを特徴とする無段変速機ベルトリングの熱処理装置。
【請求項2】
前記懸架治具は、保持部を有する少なくとも4本の支柱を備え、
前記懸架治具は、前記少なくとも4本の支柱の前記保持部によって前記リング部材の外周面側から前記リング部材を懸架することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機ベルトリングの熱処理装置。
【請求項3】
前記当接部は、前記略円形のリング状に加工したリング部材よりも大きい曲率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機ベルトリングの熱処理装置。
【請求項4】
前記当接部は、前記リング部材の幅方向に設けたクラウニングと略同一形状のクラウニングを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の無段変速機ベルトリングの熱処理装置。
【請求項5】
前記広げ部位によって、前記リング部材に張力を掛けた時に、前記張力を掛けた方向と交差する方向における前記リング部材の外周面間の距離は、この方向と同方向の前記懸架治具の支柱間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の無段変速機ベルトリングの熱処理装置。

【図4】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−240086(P2008−240086A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83556(P2007−83556)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】