無洗米製造設備
【課題】 清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行い易くすることが可能となる無洗米製造設備を提供する。
【解決手段】 被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置Hと、その被覆装置から供給される米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させる乾燥装置とが設けられ、被覆装置Hにおける横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材52が、乾燥装置4の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で乾燥装置4に重複させかつ米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を乾燥装置の横側外方に突出させる状態を作業位置と、攪拌室形成部材52の全体を乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成される。
【解決手段】 被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置Hと、その被覆装置から供給される米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させる乾燥装置とが設けられ、被覆装置Hにおける横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材52が、乾燥装置4の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で乾燥装置4に重複させかつ米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を乾燥装置の横側外方に突出させる状態を作業位置と、攪拌室形成部材52の全体を乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置と、その被覆装置から供給される前記付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置とが設けられ、前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材と、その攪拌室形成部材の内部に設けられて、米粒受入口から前記攪拌室形成部材内部に受け入れた前記被覆対象米粒を前記攪拌室形成部材の長手方向に搬送して米粒排出口から排出させる攪拌搬送手段と、前記攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段とを備えて構成されている無洗米製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成の無洗米製造設備は、糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて乾燥させることにより、米粒表面を覆う被膜を形成して無洗米を製造するためのものである。そして、このような無洗米製造設備において、従来では、次のように構成されるものがあった。
【0003】
すなわち、前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材の内部に回転式の攪拌搬送体を備えて、攪拌室形成部材の一端側から受け入れた被覆対象米粒を攪拌室形成部材の他端側に向けて搬送させながら攪拌させるようにして、米粒を搬送しながら被覆材溶液を付着させ、攪拌室形成部材の他端側から下方に落下排出させる構成となっている。そして、前記乾燥装置が、上下中間位置に多孔板を設けた横倒れ姿勢の横筒を振動させることにより、被覆装置から排出されて前記横筒の内部に受け入れた米粒を他端側に向けて搬送しながら米粒を乾燥させる構成となっており、前記被覆装置は、乾燥装置の横筒長手方向に沿わせた状態で前記乾燥装置と重複するように乾燥装置の上方に位置固定状態で設けて、被覆装置の米粒排出口から落下排出される付着済み米粒を乾燥装置の横筒内に供給させる構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。ちなみに、上記特許文献では、被覆材溶液として、デキストリン等を含むコーティング材を攪拌室形成部材の内部に供給する構成となっている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成は、被覆装置の米粒排出口から落下排出される付着済み米粒を乾燥装置の横筒内に直接供給する構成とすることによって、前記付着済み米粒を、極力早く、しかも、例えばスクリューコンベアや掻上式のコンベア等の機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしたものである。説明を加えると、前記付着済み米粒は、被覆材溶液が付着している米粒同士がその被覆材溶液の粘着力によって引っ付いて塊状になり易い状態となっているので、乾燥処理が行われないまま長い時間が経過すると、塊状のまま強くくっ付いてしまうおそれがある。しかも、被覆装置において米粒の表面に被覆材を略均一に付着させることができても、その後、例えば、スクリューコンベア等の搬送装置によって搬送されると被覆材溶液が剥されて被膜が均一でなくなるおそれがある。そこで、上記したように前記付着済み米粒を、極力早く、しかも、搬送装置による搬送を行わずに移送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしているのである。
【0006】
ところで、上記したような設備では、前記被覆装置の攪拌室形成部材の内部において、被覆対象米粒に対して被覆材溶液を付着させながら搬送させる構成であるから、そのような被覆材付着作業を実行した後には、攪拌室形成部材の内面及び攪拌搬送手段の外表面には前記被覆材溶液の一部が付着した状態となっているが、このような被覆材溶液の一部が付着した状態をそのまま放置しておくと、例えばカビが発生したり雑菌が繁殖したりするおそれがあり食品衛生上好ましくないので、作業終了時には、被覆装置における攪拌室形成部材の内面や攪拌搬送手段等を清掃する必要がある。
【0007】
しかし、上記従来構成においては、前記被覆装置を前記乾燥装置の横筒長手方向に沿わせた状態で乾燥装置と重複するように、乾燥装置の上方に位置固定状態で設ける構成であるから、被覆装置における攪拌室形成部材の内面や攪拌搬送手段等を清掃するにあたって、部品を取り外したり分解して清掃を行うような場合に、乾燥装置が邪魔になって作業が行い難いものとなっていた。又、このような清掃作業に限らず、部材の点検や修理交換等の作業を行う場合にも同様に行い難いものとなっていた。
【0008】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的は、被覆材溶液が付着された付着済み米粒を、極力早く、しかも、機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしながらも、上記したような被覆装置における清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行い易くすることが可能となる無洗米製造設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置と、その被覆装置から供給される前記付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置とが設けられ、
前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材と、その攪拌室形成部材の内部に設けられて、米粒受入口から前記攪拌室形成部材内部に受け入れた前記被覆対象米粒を前記攪拌室形成部材の長手方向に搬送して米粒排出口から排出させる攪拌搬送手段と、前記攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段とを備えて構成されている無洗米製造設備であって、
前記被覆装置が、
前記攪拌室形成部材における前記米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置に重複させかつ前記攪拌室形成部材における前記米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置の横側外方に突出させる状態を作業位置として設置され、且つ、
前記乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材の全体を前記乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、前記被覆装置は、前記作業位置において、前記攪拌室形成部材における前記米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置に重複させる状態となるから、被覆装置の米粒排出口から落下排出される付着済み米粒を乾燥装置の内部に直接供給する構成とすることによって、被覆材溶液が付着された付着済み米粒を、極力早く、しかも、機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることが可能となる。
【0011】
又、作業位置において、前記攪拌室形成部材における前記米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置の横側外方に突出させる状態となっており、乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材の全体を前記乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されているから、被覆装置における清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行う場合には、前記メンテナンス位置に切り換えておくことで、被覆装置が乾燥装置から離れた状態となっており、乾燥装置が邪魔にならない状態で作業を行う易いものにすることができる。
【0012】
ところで、上記したようなメンテナンス作業を行い易いものとするための構成として、被覆装置を、前記作業位置にある攪拌室形成部材をその長手方向に沿ってスライド移動させてメンテナンス位置に切り換える構成とすることも考えられるが、このように長手方向に沿ってスライド移動させる構成では、攪拌室形成部材を移動自在に支持するための構成が複雑になる不利がある。
【0013】
これに対して、第1特徴構成によれば、乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により作業位置とメンテナンス位置とに切り換える構成であるから、攪拌室形成部材を移動自在に支持するための構成がスライド構成に比べて簡単なもので済ませることができ、又、移動させる操作も長い距離をスライドさせるものに比べて容易に行い易いものとなる。
【0014】
従って、被覆材溶液が付着された付着済み米粒を、極力早く、しかも、機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしながらも、攪拌室形成部材を移動自在に支持するための構成を複雑にすることなく、被覆装置における清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行い易いものにすることが可能となる無洗米製造設備を提供できるに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記攪拌室形成部材が、前記作業位置において、前記長手方向一端側部分を前記乾燥装置の側壁部を通して前記乾燥装置の内部に入り込ませるように構成され、前記乾燥装置の前記側壁部に、前記攪拌室形成部材が前記作業位置と前記メンテナンス位置との切換のために通過する開口が形成され、その開口を閉塞する閉状態と前記開口を開放する開状態とに切り換え自在な扉部材が設けられ、 前記閉状態にある前記扉部材によって前記攪拌室形成部材を前記作業位置に保持するように構成されている点にある。
【0016】
第2特徴構成によれば、攪拌室形成部材を作業位置に位置させるときは、その長手方向一端側部分を乾燥装置の側壁部に形成された開口を通して乾燥装置の内部に入り込ませることになるが、乾燥装置の側壁部に形成された開口を閉塞するために扉部材を閉状態に切り換えると、閉状態にある扉部材によって攪拌室形成部材を作業位置に保持することになる。そして、メンテナンス作業を行うために攪拌室形成部材をメンテナンス位置に切り換えるときは、扉部材を閉状態から開状態に切り換えると、扉部材による攪拌室形成部材の保持が解除されるので、そのまま開口を通して攪拌室形成部材を旋回支点周りで揺動させてメンテナンス位置に切り換えることができる。
【0017】
従って、メンテナンス作業を行うときには、扉部材を開状態に切り換えてそのまま攪拌室形成部材を揺動操作させるだけでよく、メンテナンス作業が終了して作業位置に切り換えるときには攪拌室形成部材を揺動操作させて作業位置に切り換えた後に扉部材を閉状態に切り換えるだけでよいので、攪拌室形成部材を位置保持させる操作やそれを解除するための操作が不要であり、メンテナンス作業を行い易いものにできる。しかも、攪拌室形成部材を位置保持させるための専用の保持手段も不要で、それらを設けるものに比べて構成を簡素なものにできる。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記作業位置にある前記攪拌室形成部材の長手方向と交差する方向に沿う作業用通路が、前記旋回支点位置よりも前記乾燥装置が存在する側とは反対側に位置させて形成されている点にある。
【0019】
第3特徴構成によれば、前記作業用通路が旋回支点位置よりも乾燥装置が存在する側とは反対側に位置させて形成され、しかも、その作業用通路は、作業位置にある攪拌室形成部材の長手方向と交差する方向に沿うように形成されているから、メンテナンス作業を行うために、作業位置にある被覆装置を旋回支点周りでの旋回によりメンテナンス位置に切り換えると、被覆装置における攪拌室形成部材はその全体が作業用通路に近づくように揺動することになる。
【0020】
従って、被覆装置がメンテナンス位置に切り換わった後は、攪拌室形成部材の全体が作業用通路に近づく状態となっているから、作業用通路に位置する作業者がメンテナンス作業を容易に行えるようにすることが可能となる。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、供給される被覆材と供給される水とから前記被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置が設けられ、前記被覆材供給手段が、この被覆材溶液生成装置にて生成された前記被覆材溶液を前記攪拌室形成部材の内部に供給するように構成され、前記乾燥装置と前記作業用通路との間に、原料用の米粒の糊粉層の全て又は大部分を除去して前記被覆対象米粒を生成して前記米粒受入れ口に供給する被覆対象米粒生成装置が設けられ、前記作業用通路に対して前記攪拌室形成部材が位置する側とは反対側箇所に、前記被覆材を投入するための被覆材投入部が設けられている点にある。
【0022】
第4特徴構成によれば、被覆材溶液生成装置は、供給される被覆材と供給される水とから被覆材溶液を生成して、この被覆材溶液生成装置にて生成された被覆材溶液が被覆材供給手段により攪拌室形成部材の内部に供給されることになる。又、被覆対象米粒生成装置により原料用の米粒の糊粉層の全て又は大部分を除去して被覆対象米粒が生成され、その被覆対象米粒が米粒受入れ口を通して攪拌室形成部材の内部に供給されることになる。
前記被覆材は作業者によって被覆材投入部より投入されて被覆材溶液生成装置に供給されることになる。又、被覆対象米粒生成装置は、点検作業や調節作業等の作業者によるメンテナンス作業を必要とするものである。
【0023】
そこで、被覆対象米粒生成装置が乾燥装置と作業用通路との間に設けられるから、被覆対象米粒生成装置は作業用通路に近い箇所に位置することになり、作業者が作業用通路から被覆対象米粒生成装置に対するメンテナンス作業を行う場合、極力近い位置から容易に行えるようにすることが可能となる。又、作業用通路に対して攪拌室形成部材が位置する側とは反対側箇所に被覆材投入部が設けられているから、被覆材投入部は作業用通路に近い箇所に位置することになり、作業者は作業用通路から被覆材投入部に対して被覆材を投入する作業を行う場合、極力近い位置から容易に行えるようにすることが可能となる。
【0024】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記被覆装置が、前記旋回支点周りで旋回自在に設けられた基端側支持部材により前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送手段を構成する攪拌搬送用の回転体を片持ち状に支持して構成され、前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が前記基端側支持部材に対して各別に取り外し可能に連結されている点にある。
【0025】
第5特徴構成によれば、被覆装置が基端側支持部材により攪拌室形成部材並びに攪拌搬送用の回転体を片持ち状に支持して構成され、しかも、攪拌室形成部材並びに攪拌搬送用の回転体の夫々が基端側支持部材に対して各別に取り外し可能に連結されるから、メンテナンス作業を行う場合には、基端側支持部材から攪拌室形成部材や攪拌搬送用の回転体を各別に取り外して清掃作業や点検作業等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0026】
説明を加えると、例えば、旋回支点に対して被覆装置の全体を取り外す構成とすると、大重量の被覆装置全体を持ち上げる等の煩わしい作業が必要になるが、上述したように攪拌室形成部材や攪拌搬送用の回転体を各別に取り外すことができる構成であるから、それだけ作業負担の少ない状態でメンテナンス作業を容易に行うことができるのである。
【0027】
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成に加えて、前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が、前記攪拌室形成部材の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で前記基端側支持部材に対して取り外し可能に連結されている点にある。
【0028】
前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が、攪拌室形成部材の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で基端側支持部材に対して取り外し可能であることから、各分割単位体に分離した状態で取り外すことで、攪拌室形成部材や攪拌搬送用の回転体の全体を取り外すような場合に比べて、持ち運ぶ部材の重量が軽くなり、しかも、外形寸法も小さくなるので、扱い易いものとなり、メンテナンス作業を行う場合に作業負担をより少なくした状態で作業を容易に行うことができる。
【0029】
本発明の第7特徴構成は、第6特徴構成に加えて、前記攪拌室形成部材の前記複数の分割単位体の夫々に接続用のフランジ部が形成され、前記複数の分割単位体同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材により前記各フランジ部同士を挟み込んで連結するように構成されている点にある。
【0030】
第7特徴構成によれば、例えば、連結している複数の分割単位体同士を取り外す場合には、各分割単位体の接続箇所において装着されているクランプ部材を外すことで、そのクランプ部材により挟み込んで連結している各フランジ部同士を分離させて各分割単位体同士を簡単に分離させることができる。又、各分割単位体同士を連結する場合には、接続箇所においてクランプ部材を装着して、各分割単位体の各フランジ部同士をそのクランプ部材により挟み込んで簡単に連結させることができる。
【0031】
従って、メンテナンス作業を行う場合に、クランプ部材を装着したり取り外したりするだけでの簡単な作業で、攪拌室形成部材の複数の分割単位体同士を連結したり、分離させたりすることができ、例えば、複数のボルトにより締め付けるような構成に比べて作業を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
無洗米製造設備は、糊粉層の全て又は大部分を除去した米粒に被覆材溶液を添加付着させて乾燥させることにより、米粒表面を覆う被膜を形成して無洗米を製造するためのものであって、その構成を大別すると、図1に示すように、無洗米を製造する無洗米製造部A、その無洗米製造部Aにて製造された無洗米の検査、包装等を行う後処理部B、及び、設備各部の運転を予め設定された動作条件にて制御する表示操作パネル付きの制御部Cからなる。
【0033】
先ず、無洗米製造部Aの構成について説明する。
この無洗米製造部Aは、その主要な設備として、被覆材としての澱粉並びに米粒の品質を向上させるための品質向上剤を水に溶かした被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置1、精米処理が終了した後の米粒(精米)の糊粉層の全て又は大部分を除去して被覆対象米粒を生成する被覆対象米粒生成装置としての研米機2、その研米機2にて得られた被覆対象米粒を攪拌して搬送しながら前記被覆材溶液生成装置1にて生成された被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する攪拌搬送機3、その攪拌搬送機3から供給される付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置4等を備えて構成される。
【0034】
更に、無洗米製造部Aは、精米処理が終了した後に図示しない搬送機にて搬送される米粒が研米機2に供給されるようになっており、前記研米機2にて研米処理された米粒が攪拌搬送機3に供給され、攪拌搬送機3から排出された米粒が乾燥装置4に供給されるようになっている。又、乾燥装置4にて澱粉溶液の乾燥処理が終了した米粒は搬送装置7により後処理部Bに搬送する構成となっている。
【0035】
前記後処理部Bは、前記搬送装置7にて搬送される米粒群の中の破砕粒や小径の異物を除去する異物除去装置8、その異物除去装置8にて異物除去処理された米粒を一時貯留する米粒タンク9、その米粒タンク9から落下供給される米粒から着色粒や屑米等の不良粒等を除去する不良物除去装置10、その不良物除去装置10にて不良物除去されてエアー搬送装置11にてエアー搬送される米粒について金属の混入物の存否を検査する金属検出器12、その金属検出器12にて検査処理された米粒を所定量づつ計量して排出する計量タンク13、その計量タンク13から所定量づつ排出される米粒を包装袋にて包装する包装装置14等を備えて構成されている。
【0036】
次に、無洗米製造部Aの各部について説明を加える。
前記被覆材溶液生成装置1は、澱粉と水とを設定比率で攪拌混合してその澱粉水溶液を送り出す澱粉水溶液生成供給部15と、品質向上剤を貯留するとともにその貯留している品質向上剤を設定量だけ送り出す品質向上剤供給部16と、前記澱粉水溶液生成供給部15にて攪拌混合した澱粉水溶液と前記品質向上剤供給部16から供給される品質向上剤とを攪拌しながら高温蒸気(110℃程度)を噴霧して被覆材溶液を生成する高温溶液生成部17とを備える。
【0037】
説明を加えると、澱粉水溶液生成供給部15は、固形粉状の澱粉を貯留する澱粉貯留用ホッパー18、その澱粉貯留用ホッパー18から振動フィーダ19にて定量づつ送り出される澱粉と給水路20を通して供給される水道水とを貯留する澱粉水溶液タンク21、その澱粉水溶液タンク21の重量を計測する吊り下げ式のロードセル22、前記澱粉水溶液タンク21内に設けられた攪拌羽根23aを電動モータ23bにより回転させて澱粉水溶液タンク21内の澱粉と水とを攪拌混合する攪拌装置23を備えて構成されている。
【0038】
前記固形粉状の澱粉としては、架橋型の化工澱粉であるリン酸架橋澱粉を用いるようにしている。又、澱粉としてはこれ以外に、ヒドロキシプロピル澱粉のようなエーテル化型澱粉や酢酸澱粉のようなエステル化型澱粉などの他の種類の誘導体型の化工澱粉を用いてもよい。
【0039】
又、前記給水路20には通流を断続する開閉弁24が備えられ、ロードセル22によって重量計測しながら水を供給して設定重量に達すると供給を停止させ、同様にしてロードセル22によって重量計測しながら澱粉を供給して、水と澱粉との比率が設定比率に対応する重量になると供給を停止させる構成としている。前記澱粉水溶液タンク21にて攪拌混合された澱粉と水との澱粉水溶液は、澱粉水溶液供給路25を通して高温溶液生成部17に供給される構成となっており、その澱粉水溶液供給路25には澱粉水溶液を供給する状態と供給を停止させる状態とに切り換え自在な断続弁26が設けられている。
【0040】
前記品質向上剤供給部16は、固形粉状の品質向上剤を貯留する品質向上剤貯留タンク27、その品質向上剤貯留タンク27から単位時間あたりに設定量づつ品質向上剤を送り出して品質向上剤供給路28を通して高温溶液生成部17に供給するための振動フィーダ29等を備えて構成されている。
【0041】
前記品質向上剤について説明すると、例えば、栄養を向上させるものや米の食味を向上させるもの、あるいは、無洗米を炊飯したときに例えば米につやの有無やふっくらとしているか否かといった炊き上がり具合を向上させるもの等がある。具体的に説明すると、品質としての栄養を向上させる品質向上剤としては、例えば、タンパク質、食物繊維、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)、フィチン酸、ビタミンB1,B2,B6、イノシトール等の各種の栄養補助剤がある。品質としての米の食味を向上させる品質向上剤としては、例えば、糖や糖アルコール等の米の食味を向上させる食味向上剤がある。又、品質としての上述したような炊き上がり具合を向上させる品質向上剤としては、例えば、植物性油脂や乳化剤等の炊飯向上剤がある。更に、品質向上剤としては、このようなものの他、摂取した食物の消化を遅延させてダイエット効果が得られるようなダイエット食品素材等を用いることもできる。
【0042】
前記高温溶液生成部17は、澱粉水溶液生成供給部15から供給される澱粉水溶液及び品質向上剤供給部16から供給される品質向上剤を貯留する被覆溶液貯留タンク30、その被覆溶液貯留タンク30に蒸気供給路31を通して加熱用の蒸気を供給するボイラ32、前記ボイラ32に供給する水道水を軟水に調製する軟水器33、被覆溶液貯留タンク30内の高温の澱粉溶液を被覆材溶液供給路34を通して前記攪拌搬送機3に供給する送出用ポンプ35等を備えて構成されている。そして、蒸気供給路31から高温の蒸気を被覆溶液貯留タンク30内に噴出する噴出ノズル36を備えて、ボイラ32によって生成された高温の蒸気をその噴出ノズル36から被覆溶液貯留タンク30内に噴出させる構成となっている。
【0043】
前記被覆溶液貯留タンク30内においては、前記噴出ノズル36から高温の蒸気が噴出されることで、澱粉と水との澱粉水溶液及び品質向上剤が蒸気の高温の熱エネルギーによって加熱されて澱粉及び品質向上剤が溶解して糊化されて高温の被覆材溶液が生成されることになる。又、このとき高温の蒸気による加熱だけでなく、高温の溶液が保有する熱によっても加熱されることになる。
【0044】
そして、この被覆溶液貯留タンク30には、その底部付近に位置してタンク底部に沈殿している澱粉あるいは沈殿しようとする澱粉を攪拌させて、澱粉と水(溶液)とがよく混ざり合って澱粉が充分に分散した状態を維持させる下部側攪拌羽根37が設けられている。又、被覆溶液貯留タンク30に貯留される溶液の表面付近に浮遊した状態で粉状のままで溜まり易い品質向上剤を攪拌させて溶液中に分散した状態を維持させる上部側攪拌羽根38が設けられている。これらの下部側攪拌羽根37及び上部側攪拌羽根38は、共通の電動モータ39によって回転駆動される構成となっている。但し、下部側攪拌羽根37は回転によって上方に向けて澱粉を移動させて分散させるように羽根の形状を設定して構成され、上部側攪拌羽根38は回転によって下方に向けて品質向上剤を移動させて分散させるように羽根の形状を設定して構成されている。
【0045】
前記澱粉水溶液生成供給部15の澱粉水溶液タンク21は被覆溶液貯留タンク30の容量に比べて小さい容量のタンクにて構成され、澱粉水溶液生成供給部15から被覆溶液貯留タンク30に繰り返し澱粉水溶液を供給するように構成されている。具体的に説明すると、澱粉水溶液生成供給部15にて澱粉と水とを設定比率で攪拌混合した設定量の澱粉水溶液を複数回にわたり繰り返し、被覆溶液貯留タンク30に供給することで、被覆溶液貯留タンク30内に所定量の溶液が供給されることになる。そして、所定量の溶液が供給された後に蒸気が供給されて、高温の被覆材溶液が生成される。溶液の温度が充分高くなったときに、前記品質向上剤供給部16から固形粉状の品質向上剤を設定量まとめて被覆溶液貯留タンク30に供給するのである。尚、下部側攪拌羽根37及び上部側攪拌羽根38は、澱粉水溶液生成供給部15から供給を開始したときから回転させるようにしている。ちなみに、被覆材溶液の混入比率としては、例えば、水1リットルに対して澱粉の比率は40g、品質向上剤の比率は300gに設定される。
【0046】
前記澱粉水溶液生成供給部15及び前記品質向上剤供給部16は、図2に示すように、被覆溶液貯留タンク30の上方に位置させて配備され、澱粉水溶液生成供給部15にて生成された澱粉水溶液及び品質向上剤供給部16から供給路28を通して供給される品質向上剤を被覆溶液貯留タンク30に供給する構成となっている。
【0047】
前記被覆材溶液供給路34には、供給路を開閉自在な切換弁V1と被覆材溶液の流量を計測する流量計42が備えられ、この流量計42によって攪拌搬送機3への供給量を計測しながら、送出用ポンプ35の作動状態を制御する構成となっている。前記被覆材溶液供給路34の途中には流路切替弁43が設けられて、供給される被覆材溶液の全部を循環路44を通して被覆溶液貯留タンク30に戻すことができるようになっている。又、循環路44には、更に、被覆材溶液を被覆溶液貯留タンク30に戻す状態と、清掃用の循環水を更に下手側に流動させる状態とに切り換え自在な流路切替弁45と、その流動方向下手側には清掃用循環水を被覆溶液貯留タンク30に供給する状態と遮蔽する状態とに切り換わる切換弁V2と、清掃用循環水を排出させる状態と排水を停止させる状態とに切り換え自在な切換弁V3とが備えられている。尚、図中、48は作業終了時に配管内を清掃するための洗浄水を循環供給するための洗浄用ポンプ、V4〜V7は洗浄水の通流路を開閉するための各切換弁である。
【0048】
そして、被覆材溶液を生成するときには、図1の一点鎖線にて示すように、設定時間が経過する間だけ循環路44を通して高温の溶液を循環させて配管の温度を上昇させる予備循環運転を実行するようにしている。又、被覆材溶液の生成並びに供給作業が終了した後には、図1の二点鎖線で示すように、洗浄用ポンプ48により循環路44を通して清浄水を循環供給させて被覆溶液貯留タンク30や配管の内部を清浄することができる構成となっている。尚、循環水の被覆溶液貯留タンク30への戻り部分は噴出ノズルとして構成されており、被覆溶液貯留タンク30の内面を清掃することができるようになっている。
【0049】
前記研米機2は、構成について詳述はしないが、図2〜図4に示すように、図示しない供給装置により供給される精米処理済みの米粒を研米機ホッパ2aにて受け入れた後、横送りスクリュー2bにより横送りして供給する構成となっており、米粒を上方に移送させながら研米する上方移送式のものを用いている。つまり、円筒状の研米処理筒2cの内部に研米処理室を形成して、研米処理筒2cの上部側に米粒を排出する排出シュート2dが備えられている。図示はしないが、研米処理筒2cの内部において、周囲にブラシを備えて電動モータによって縦軸芯周りで回転駆動される回転ロールとその外周部に位置する多孔状の筒部材との間を米粒を上方に移送させながら、ブラシによって米粒の表面に残留する糠すなわち糊粉層の全て又は大部分を除去して研米処理し、その研米処理後の米粒を排出シュート2dを通して排出する構成となっている。
【0050】
前記研米機2は、上記したようなブラシによる掻き取り作用によって糊粉層を除去するものに代えて、回転ロールの周囲に砥石等の研削用部材を備えて、この研削用部材による削り取り作用等によって糊粉層を除去するように構成してもよい。更には、回転ロールの周囲に鉄製等の棒状の擦り用部材を備えて、この擦り用部材による擦り取り作用によって糊粉層を除去するように構成してもよい。
【0051】
前記攪拌搬送機3は、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材52と、その攪拌室形成部材52の内部に設けられて、米粒受入口53から攪拌室形成部材52内部に受け入れた被覆対象米粒を攪拌室形成部材52の長手方向に搬送して米粒排出口54から排出させ、且つ、被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させる攪拌搬送手段55とを備えて構成されている。そして、後述するように攪拌室形成部材52に形成された被覆材供給口60に前記高温溶液生成部17における被覆材溶液供給路34を通して送出用ポンプ35による送り作用によって被覆材溶液が供給され、その被覆材供給口60から前記攪拌室形成部材52の内部に被覆材溶液が供給される構成となっている。従って、被覆材溶液供給路34、送出用ポンプ35、及び、被覆材供給口60により、攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段56が構成されており、この被覆材溶液供給手段56と前記攪拌搬送機3とによって、前記攪拌室形成部材52の内部を搬送されている被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する米粒被覆装置Hが構成される。
【0052】
以下、攪拌搬送機3の構成について説明を加える。
すなわち、攪拌搬送機3は、図6及び図9に示すように、前記攪拌室形成部材52の内部に、前記攪拌搬送手段55として、攪拌室形成部材52の長手方向の略全長にわたって一体的に形成される状態で延びる駆動軸57と、その駆動軸57に一体回転自在に外嵌装着された攪拌搬送用の回転体としての螺旋状体58とから構成されている。又、駆動軸57と螺旋状体58とを回転駆動する駆動手段としての電動モータ59を備えている。
【0053】
前記攪拌室形成部材52の長手方向一端側の上部側箇所に、研米機2から供給される米粒を受け入れる前記米粒受入口53が形成されており、この米粒受入口53の上部側には、ホッパー形式の研米タンク6が備えられて、研米機2から供給される米粒をこの研米タンク6にて受け入れて米粒受入口53から攪拌室形成部材52の内部に供給する構成となっている。攪拌室形成部材52の長手方向他端側箇所に、米粒を乾燥装置4に向けて排出させる米粒排出口54が形成されている。前記攪拌室形成部材52の長手方向中間位置であって米粒受入口53よりも少し搬送方向下手側に寄った箇所に被覆材供給口60が形成されている。
【0054】
図9に示すように、前記螺旋状体58は、駆動軸57に外嵌装着されて駆動軸57と一体回転するようにキー61にて連結される構成の筒軸部58aの外周部に、一条の螺旋状羽根体58b(スクリュー羽根)を一体的に連設して構成され、及び、その搬送方向終端部には螺旋状羽根体58bが一連に連なるように連設されて、軸芯方向に沿う掻き出し羽根58cを備えて構成されている。更に、前記被覆材供給口60に対応する部分よりも米粒搬送方向下手側の部分には3箇所に螺旋状羽根体58bが途切れる螺旋羽根途切れ部分62を設けてあり、その螺旋羽根途切れ部分62には、周方向に適宜間隔をあけて径方向に延びる複数の棒状攪拌体63が形成されている。この螺旋羽根途切れ部分62分では、米粒の搬送作用がなく攪拌体63による攪拌作用を受けることから、螺旋状体58による米粒搬送に対する抵抗として作用し、米粒の攪拌を促進させる構成となっている。
【0055】
前記米粒排出口54は、図7に示すように、米粒搬送方向に長い長尺状に形成されており、攪拌室形成部材52の外周部に位置変更調節自在に装着された開度調節用部材64によって開度を変更調節自在な長尺状排出口部54aと、それよりも幅広に形成された終端排出口部54bとが夫々形成されている。
【0056】
次に、上述のように構成された攪拌搬送機3の作用について説明する。
前記米粒受入口53から前記攪拌室内に受け入れられた米粒は、前記螺旋状体58により米粒排出口54側に向かって攪拌されつつ搬送され、そのように攪拌されつつ搬送される米粒に対して、被覆材供給口60から被覆材溶液が供給され、米粒がその被覆材溶液供給位置から更に攪拌されつつ搬送される過程で、米粒の一粒一粒の表面の全体にわたる状態で被覆材溶液が付着して、米粒の一粒一粒が表面の全体にわたる状態で被覆材溶液にて被覆されることになる。
【0057】
そして、米粒が米粒排出口54の長尺状排出口部54aに達すると、米粒搬送方向に沿う方向の広い範囲にわたって満遍なく排出され、その長尺状排出口部54aを通過した米粒は、掻き出し羽根58cにより掻き出される状態で終端排出口部54bから排出される。更に、上述のように、前記螺旋羽根途切れ部分62が螺旋状羽根体58bによる米粒搬送に対する抵抗として作用するので米粒同士を擦り合わせて、被覆材溶液を米粒一粒一粒の表面の全面にわたって一段と均等に付着させることが可能になる。
【0058】
前記乾燥装置4は、図2に示すように、前記攪拌搬送機3の米粒排出口54から落下排出される米粒を受けて載置搬送する複数の載置搬送部65を備えており、前記攪拌搬送機3にて被覆材溶液が被覆されて米粒排出口54から落下排出される米粒を載置搬送部65にて受けて載置搬送しながら乾燥させることにより、米粒表面に被膜を形成するようになっている。前記載置搬送部65は、外周形状が円形状に形成されて乾燥用電動モータ66にて上下軸心周りで回転駆動される多孔状体にて構成され、上方より供給される米粒を受け止めて載置搬送したのちに下方に落下排出するように構成されている。このような載置搬送部65の複数を、上方側のものから落下排出される米粒を下方側のものが受け取る形態で上下方向に複数並べて設けている。これらの複数の載置搬送部65は略円筒状の乾燥装置ケーシング67に収納される構成となっている。
【0059】
更に、最下部の載置搬送部65の排出箇所の下方には、その最下部の載置搬送部65から落下排出される米粒を受けて装置外に排出する排出シュート68が乾燥装置ケーシング67から外部に突出する状態で設けられ、この排出シュート68から外部に排出した米粒は後処理部Bに向けて搬送される。又、乾燥装置ケーシング67内において、最上部の載置搬送部65よりも上方側に位置させて電気ヒータ69を備えて、乾燥装置ケーシング67の上部に乾燥装置4内部に乾燥用空気を給気する乾燥用送風機70を備えている。又、外部の吸引装置によって吸引することにより、乾燥装置4内部の空気が外部に排気される構成となっている。ちなみに、乾燥装置ケーシング67における外周側壁部のうち電気ヒータ69よりも上方側に位置する部分は多孔状のパンチングメタルにて構成され、電気ヒータ69よりも下方側箇所は無孔板材にて構成されている。
【0060】
つまり、前記攪拌搬送機3の米粒排出口54から、被覆材溶液が付着した付着済み米粒が最上部の載置搬送部65上に落下排出され、その米粒が各載置搬送部65にて載置搬送されながら順次下方側の載置搬送部65に落下排出されて最下部の載置搬送部65まで移送されて、排出シュート68から装置外に排出されるようになっており、そのように米粒が各載置搬送部間を移送される過程で、電気ヒータ69の輻射熱により、最上部の載置搬送部65にて載置搬送される米粒を乾燥し、並びに、乾燥装置ケーシング67の上部から吸気又は吸引された乾燥用空気を電気ヒータ69にて加熱した後上下に並ぶ各載置搬送部65を下方側に通過させて装置外に排出するように通風させて、米粒に付着した被覆材溶液を乾燥するようになっている。つまり、電気ヒータ69による輻射熱及び乾燥用空気の通風による協働乾燥作用により付着済み米粒を乾燥して皮膜を形成することになる。
【0061】
この無洗米製造設備においては、軟水器33を除いた被覆材溶液生成装置1、研米機2、攪拌搬送機3、乾燥装置4、及び、制御部Cを一体的に組み付けて、無洗米製造部ユニットUを構成している。この無洗米製造部ユニットUは、図2、図3に示すように、前記乾燥装置ケーシング67と、その乾燥装置ケーシング67よりも高さが低く且つ概ね直方体形状に組み立てられた基枠73とを横方向に並べて連結し、前記基枠73に、前記研米機2、前記攪拌搬送機3及び前記制御部C等を組み付けて構成している。尚、図示しないが清掃用の配管類等も組み付けられることになる。
【0062】
前記攪拌搬送機3は、前記攪拌室形成部材52における前記米粒排出口54が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置4に重複させかつ前記攪拌室形成部材52における前記米粒受入れ口53が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置4の横側外方に突出させる状態を作業位置として設置され、且つ、乾燥装置4の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材52の全体を前記乾燥装置4の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されている。
【0063】
そして、前記作業位置にある前記攪拌室形成部材52の長手方向と交差する方向に沿う作業用通路74が、前記旋回支点位置よりも前記乾燥装置4が存在する側とは反対側に位置させて形成されている。すなわち、作業用通路74は直方体形状の通路形成用枠体74aの上部に載置台を形成して構成してあり、作業者がその載置台上に載置した状態で作業を行えるようになっている。この作業用通路74は、基枠73に対して乾燥装置4とは反対側に位置させて、その基枠73に連なるように固定連結されており、作業用通路74、基枠73、及び、乾燥装置ケーシング67がその順序で横方向に並べて一体的に連結して無洗米製造部ユニットUが構成されている。
【0064】
又、前記乾燥装置4と前記作業用通路74との間に、研米機2、攪拌搬送機3、ボイラ32、制御部C等が設けられている。そして、前記作業用通路74に対して前記攪拌室形成部材52が位置する側とは反対側箇所に、被覆材を投入するための被覆材投入部Tとしての澱粉水溶液生成供給部15及び品質向上剤供給部16が備えられ、それらの下方側に被覆溶液貯留タンク30等が設けられている。
【0065】
前記澱粉水溶液生成供給部15と前記品質向上剤供給部16との組み付け構成について説明すると、図2、図3に示すように、澱粉水溶液生成供給部15と品質向上剤供給部16とは、通路形成用枠体74aに連結された略矩形状の機枠75によって支持され、作業用通路74上に作業者が載置している状態で固形粉状の被覆材(澱粉、品質向上剤)を投入し易い高さに澱粉貯留タンク18と品質向上剤貯留タンク27とが夫々配備されており、被覆材を投入するための被覆材投入部Tが形成されている。そして、澱粉貯留タンク18の下方側には上述したような振動フィーダ19、澱粉水溶液タンク21、ロードセル22等が配備されており、品質向上剤貯留タンク27の下方側には振動フィーダ29等が配備されている。尚、図5において記載される符号78は、澱粉貯留タンク18及び品質向上剤貯留タンク27の内部で澱粉や品質向上剤が滑らかに繰り出されるように攪拌させる攪拌体を低速回転させる減速機電動モータである。
【0066】
前記攪拌搬送機3は、前記旋回支点周りで旋回自在に設けられた基端側支持部材79により攪拌室形成部材52、前記駆動軸57、及び、攪拌搬送用の回転体としての螺旋状体58を片持ち状に支持して構成され、攪拌室形成部材52並びに螺旋状体58の夫々が基端側支持部材79に対して各別に取り外し可能に連結されている。更に、攪拌室形成部材52並びに螺旋状体58の夫々が、攪拌室形成部材52の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で基端側支持部材79に対して取り外し可能に連結されている。
【0067】
又、攪拌室形成部材52の前記複数の分割単位体52A,52Bの夫々に接続用のフランジ部80が形成され、複数の分割単位体52A,52B同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材81により各フランジ部80同士を挟み込んで連結するように構成されている。
【0068】
以下、前記攪拌搬送機3の具体的な組み付け構成について説明を加える。
すなわち、図9に示すように、前記基端側支持部材79は、機枠75に位置固定状態で立設された固定ピン82に縦軸芯Y周りで回動自在に外嵌装着される枢支ボス部79aと、この枢支ボス部79aの上部に位置する横向き筒部79bとを一体形成して構成され、この横向き筒部79bにて攪拌室形成部材52並びに駆動軸57及び螺旋状体58を片持ち状に支持する構成となっている。従って、基端側支持部材79は、前記固定ピン82における縦軸芯Y周りで回動自在に攪拌室形成部材52並びに駆動軸57及び螺旋状体58を片持ち状に支持する構成となっている。
【0069】
この基端側支持部材79には駆動軸57及び螺旋状体58を一体的に回動駆動する減速機付き電動モータ59が固定状態で取り付けられる。前記横向き筒部79bの内部において前記駆動軸57がベアリング83にて回転自在に支持され、電動モータ59の出力軸59aとこの駆動軸57とをカプリング84にて直結して一体回転自在に連結している。又、横向き筒部79bの端部には、攪拌室形成部材52の一端部が外嵌装着されて複数箇所を連結ネジ85によって連結して支持する構成となっており、この連結ネジ85を外すと攪拌室形成部材52の全体を取り外すことができるようになっている。
【0070】
又、前記攪拌室形成部材52は、長手方向の中間位置において分割される構成となっており、それらの各分割単位体52A,52Bの接続箇所において、接続用のフランジ部80が形成され、複数の分割単位体同士52A,52Bを、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材81により各フランジ部80同士を挟み込んで連結する構成となっている。前記各フランジ部80の合わせ面部分には周方向の位相が一定になるように嵌り合う位置決めピン86が設けられている。
図8に示すように、クランプ部材80は蝶ネジ87を調節することでフランジ部80を締め付けたり緩めたりすることが可能な構成であり、簡単な操作で着脱を行えるようになっている。尚、攪拌室形成部材52の揺動端部側は、駆動軸57に固定用ネジ88によって締め付け固定されているベアリングユニット89によって受け止め保持される構成となっている。
【0071】
つまり、攪拌室形成部材52を取り外す場合は、図10に示すように、前記固定用ネジ88を緩めてベアリングユニット89を外した後、中間位置のクランプ部材81を外して揺動端側に位置する分割単位体52Bを外し、その後、連結ネジ85を外すことによって基端側に位置する分割単位体52Aを外すことができる。又、攪拌室形成部材52は、研米ホッパー2aや被覆材供給口60に接続される被覆材溶液供給路34との接続箇所においても、同様に、着脱自在なクランプ部材81により各フランジ部80同士を挟み込んで連結する構成となっている。
【0072】
そして、前記螺旋状体58も同様にして、複数の分割単位体58A,58bに分離した状態で基端側支持部材79に対して取り外し可能に構成されている。つまり、螺旋状体58は、長手方向の中間部において、図11に示すように、筒軸部58a同士が分離される構成となっており、その分離された分割単位体58A,58B同士の筒軸部58aの対向する端縁部に互いに軸芯方向に噛み合い自在な噛み合い部90が形成され、それらが噛み合うことで一体回転する構成となっている。又、基端側に位置する分割単位体58Aと駆動軸57とが基端側の端部に位置させたキー61の噛み合いによって一体回動自在に連動連結される構成となっている。そして、この螺旋状体58も攪拌室形成部材52と同様に、揺動端部側が、駆動軸57に固定用ネジ88によって締め付け固定されているベアリングユニット89によって受け止め保持される構成となっており、螺旋状体58を取り外す場合は、前記固定用ネジ88を緩めてベアリングユニット89を外すと、揺動端側に位置する分割単位体58Bを抜き外すことができ、基端側に位置する分割単位体58Aも軸芯方向に抜き外すことができる。
【0073】
そして、前記攪拌室形成部材52が、前記作業位置において、前記長手方向一端側部分を前記乾燥装置4の側壁部92を通して前記乾燥装置4の内部に入り込ませるように構成され、前記乾燥装置4の前記側壁部92に、前記攪拌室形成部材52が前記作業位置と前記メンテナンス位置との切換のために通過する開口93が形成され、その開口93を閉塞する閉状態と前記開口93を開放する開状態とに切り換え自在な扉部材94が設けられ、前記閉状態にある前記扉部材94によって前記攪拌室形成部材52を前記作業位置に保持するように構成されている。
【0074】
説明を加えると、図3及び図12に示すように、略円筒状に形成される乾燥装置ケーシング67における側壁部92において、攪拌室形成部材52が出入りするための開口93が形成され、その開口93を覆う状態と開口93を開放させる状態とにわたり、縦軸芯Y2周りで揺動開閉自在な扉部材94が設けられている。そして、この扉部材94の揺動端縁は攪拌室形成部材52の外周部に沿うように円弧状に形成してパッキン95を付設しており、攪拌室形成部材52が接当する開口93の内縁部も同様に、攪拌室形成部材52の外周部に沿うように円弧状に形成してパッキン95を付設している。つまり、扉部材94を閉状態に切り換えると、この扉部材94によって攪拌室形成部材52に接当して作業位置に位置保持させる構成であり、しかも、攪拌室形成部材52の外周部と乾燥装置ケーシング67の側壁部93との間に大きな隙間が生じないようにしている。
【0075】
そして、前記攪拌室形成部材52は、清掃等のメンテナンス作業を行うときは、扉部材94を開状態に切り換えて開口93を開放させ、図3に仮想線で示すメンテナンス位置にまで前記縦軸芯Y1周りで揺動して旋回させることができる。そして、このメンテナンス位置にまで旋回すると、前記基端側支持部材79の枢支ボス部79aに一体的に形成されている接当部96(図9参照)が機枠73に設けられた規制部97に接当してそれ以上の揺動を規制する構成となっている。このメンテナンス位置においては、図3に示すように、攪拌室形成部材52の全体が作業用通路74に近づいた状態となっており、メンテナンス作業を作業用通路74から近い位置で容易に行うことができる。
【0076】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
【0077】
(イ) 上記実施形態では、前記攪拌室形成部材52を2個の分割単位体に分割する構成とし、複数の分割単位体の夫々に接続用のフランジ部が形成され、複数の分割単位体同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材により前記各フランジ部同士を挟み込んで連結する構成を示したが、このような構成に限らず、複数の分割単位体として2個に分割する構成に限らず、3個以上に分割させる構成としてもよく、前記各フランジ部同士をネジ止め固定によって連結させる構成とする等、他の連結構成を用いてもよい。
又、前記攪拌室形成部材52を複数の分割単位体に分割する構成に限らず、全体を一体的に形成した構成のものとしてもよい。
【0078】
(ロ) 上記実施形態では、攪拌搬送用の回転体としての前記螺旋状体58を2個の分割単位体に分割する構成として、それらが噛み合い部によって軸芯方向に沿って係合する構成としたが、この構成に代えて、例えば接続部材によって互いに連結させて一体回転する構成とする等、他の連結構成を用いてもよい。
又、前記螺旋状体58を複数の分割単位体に分割する構成に限らず、全体を一体的に形成した構成のものとしてもよい。
【0079】
(ハ) 上記実施形態では、攪拌搬送用の回転体としての前記螺旋状体58が、軸の外周部に一条の螺旋状羽根体(スクリュー羽根)を一体的に連設して構成されるスクリューコンベアとして構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
【0080】
図13に示すように、攪拌室形成部材52の内部において、丸棒材を螺旋状に屈曲形成したコイル状体にて構成されて攪拌室形成部材52の長手方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状搬送体58が備えられ、その螺旋状搬送体58の径方向内方側に、前記駆動軸57がその外周面と螺旋状搬送体58との間に攪拌室形成部材52の長手方向に連なる内部空間Kを形成する状態で設けられる構成としてもよい。
【0081】
説明を加えると、前記駆動軸57の攪拌室形成部材52の長手方向両端側箇所部には、前記螺旋状搬送体58を一体回転自在に支持する支持部Sを構成する筒状支持体62、63が夫々設けられている。このうち、電動モータ59配設側の筒状支持体62は、キー61によって回転軸57と一体回転する状態で回転軸57に外嵌装着されており、この筒状支持体62には、螺旋状搬送体58の一部を接触する状態で巻回支持する螺旋体保持部62aと、螺旋状搬送体58の一端部を周方向に係止して回転力を伝える係止部62bとが形成されている。一方、電動モータ59配設側とは反対側の筒状支持体63は、回転軸57に外嵌装着されて、その軸端側の段差部分63cが、回転軸57の軸端部に固定ネジ88で固定されるベアリングユニット89と回転軸57の端部との間で締め付け固定されて、回転軸57と一体回転する状態で設けられている。この筒状支持体63にも他方側のものと同様に、螺旋状搬送体58の一部を接触する状態で巻回支持する螺旋体保持部63aと、螺旋状搬送体58の一端部を周方向に係止して回転力を伝える係止部63bとが形成されている。
【0082】
前記螺旋状搬送体58における前記米粒排出口54に対応する箇所には、攪拌室形成部材52の内周面に近接させた状態で且つ攪拌室形成部材52の長手方向に沿って直線状又は略直線状に延びる掻き出し作用部58bが設けられている。つまり、螺旋状搬送体58における米粒排出口54の終端側箇所に対応する箇所に、螺旋状に屈曲している螺旋状の搬送作用部58aの端部から一体的に連なる状態で、棒材を攪拌室形成部材52の内周面に近接させた状態で直線状又は略直線状に延びるように形成して掻き出し作用部58bを構成している。そして、この掻き出し作用部58bを前持筒状支持体63における螺旋体保持部63aにて受け止めて径方向外方への移動を阻止するようになっており、掻き出し作用部58bの端部を筒状支持体63における係止部63bに係止させる構成となっている。
【0083】
この構成においても、攪拌室形成部材52は分割して取り外すことができる構成としてあり、螺旋状搬送体は長手方向両側部の前記係止部62b,63bに対する係止を解除することで容易に取り外すことができるようになっている。
【0084】
(ハ) 上記実施形態では、供給される被覆材と供給される水とから被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置として、澱粉と水とを設定比率で混合してその澱粉水溶液を送り出す澱粉水溶液生成供給部15と、品質向上剤を貯留するとともにその貯留している品質向上剤を設定量だけ送り出す品質向上剤供給部16と、前記澱粉水溶液生成供給部15にて攪拌混合した澱粉水溶液と前記品質向上剤供給部16から供給される品質向上剤とを攪拌しながら高温蒸気を噴霧して高温の被覆材溶液にする高温溶液生成部17とを備える構成としたが、このような構成に限らず、前記澱粉水溶液生成供給部15と前記品質向上剤供給部16のうちのいずれか一方だけを備える構成としてもよい。
【0085】
又、上記構成に代えて、前記澱粉水溶液生成供給部15及び前記品質向上剤供給部16のいずれも備えない構成としてもよい。このような前記澱粉水溶液生成供給部15及び前記品質向上剤供給部16のいずれも備えない構成のものでは、高温溶液生成部17における被覆溶液貯留タンク30に対して、澱粉と水を予め設定した比率で攪拌混合したもの及び設定量の品質向上剤の夫々を作業者が手作業で供給する構成となる。この構成においては、被覆材を投入するための被覆材投入部は存在しないことになる。
【0086】
(ニ) 前記乾燥装置の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。例えば、前記載置搬送部として無端回動ベルトや振動コンベア式に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】無洗米製造設備の全体構成を示すブロック図
【図2】無洗米製造部ユニットの正面図
【図3】無洗米製造部ユニットの平面図
【図4】研米機配設部の側面図
【図5】澱粉水溶液生成供給部及び品質向上剤供給部の構成を示す図
【図6】攪拌搬送機の側面図
【図7】米粒排出口を示す図
【図8】クランプ部材を示す図
【図9】攪拌搬送機の断面図
【図10】攪拌搬送機の分解状態を示す説明図
【図11】攪拌搬送機の分解状態を示す説明図
【図12】乾燥装置の開口形成部を示す図
【図13】別実施形態の攪拌搬送機の断面図
【符号の説明】
【0088】
1 被覆材溶液生成装置
4 乾燥装置
52 攪拌室形成部材
54 米粒排出口
55 攪拌搬送手段
56 被覆材溶液供給手段
58 回転体
79 基端側支持部材
80 フランジ部
81 クランプ部材
92 側壁部
93 開口
94 扉部材
H 被覆装置
T 被覆材投入部
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置と、その被覆装置から供給される前記付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置とが設けられ、前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材と、その攪拌室形成部材の内部に設けられて、米粒受入口から前記攪拌室形成部材内部に受け入れた前記被覆対象米粒を前記攪拌室形成部材の長手方向に搬送して米粒排出口から排出させる攪拌搬送手段と、前記攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段とを備えて構成されている無洗米製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成の無洗米製造設備は、糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて乾燥させることにより、米粒表面を覆う被膜を形成して無洗米を製造するためのものである。そして、このような無洗米製造設備において、従来では、次のように構成されるものがあった。
【0003】
すなわち、前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材の内部に回転式の攪拌搬送体を備えて、攪拌室形成部材の一端側から受け入れた被覆対象米粒を攪拌室形成部材の他端側に向けて搬送させながら攪拌させるようにして、米粒を搬送しながら被覆材溶液を付着させ、攪拌室形成部材の他端側から下方に落下排出させる構成となっている。そして、前記乾燥装置が、上下中間位置に多孔板を設けた横倒れ姿勢の横筒を振動させることにより、被覆装置から排出されて前記横筒の内部に受け入れた米粒を他端側に向けて搬送しながら米粒を乾燥させる構成となっており、前記被覆装置は、乾燥装置の横筒長手方向に沿わせた状態で前記乾燥装置と重複するように乾燥装置の上方に位置固定状態で設けて、被覆装置の米粒排出口から落下排出される付着済み米粒を乾燥装置の横筒内に供給させる構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。ちなみに、上記特許文献では、被覆材溶液として、デキストリン等を含むコーティング材を攪拌室形成部材の内部に供給する構成となっている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成は、被覆装置の米粒排出口から落下排出される付着済み米粒を乾燥装置の横筒内に直接供給する構成とすることによって、前記付着済み米粒を、極力早く、しかも、例えばスクリューコンベアや掻上式のコンベア等の機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしたものである。説明を加えると、前記付着済み米粒は、被覆材溶液が付着している米粒同士がその被覆材溶液の粘着力によって引っ付いて塊状になり易い状態となっているので、乾燥処理が行われないまま長い時間が経過すると、塊状のまま強くくっ付いてしまうおそれがある。しかも、被覆装置において米粒の表面に被覆材を略均一に付着させることができても、その後、例えば、スクリューコンベア等の搬送装置によって搬送されると被覆材溶液が剥されて被膜が均一でなくなるおそれがある。そこで、上記したように前記付着済み米粒を、極力早く、しかも、搬送装置による搬送を行わずに移送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしているのである。
【0006】
ところで、上記したような設備では、前記被覆装置の攪拌室形成部材の内部において、被覆対象米粒に対して被覆材溶液を付着させながら搬送させる構成であるから、そのような被覆材付着作業を実行した後には、攪拌室形成部材の内面及び攪拌搬送手段の外表面には前記被覆材溶液の一部が付着した状態となっているが、このような被覆材溶液の一部が付着した状態をそのまま放置しておくと、例えばカビが発生したり雑菌が繁殖したりするおそれがあり食品衛生上好ましくないので、作業終了時には、被覆装置における攪拌室形成部材の内面や攪拌搬送手段等を清掃する必要がある。
【0007】
しかし、上記従来構成においては、前記被覆装置を前記乾燥装置の横筒長手方向に沿わせた状態で乾燥装置と重複するように、乾燥装置の上方に位置固定状態で設ける構成であるから、被覆装置における攪拌室形成部材の内面や攪拌搬送手段等を清掃するにあたって、部品を取り外したり分解して清掃を行うような場合に、乾燥装置が邪魔になって作業が行い難いものとなっていた。又、このような清掃作業に限らず、部材の点検や修理交換等の作業を行う場合にも同様に行い難いものとなっていた。
【0008】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的は、被覆材溶液が付着された付着済み米粒を、極力早く、しかも、機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしながらも、上記したような被覆装置における清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行い易くすることが可能となる無洗米製造設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置と、その被覆装置から供給される前記付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置とが設けられ、
前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材と、その攪拌室形成部材の内部に設けられて、米粒受入口から前記攪拌室形成部材内部に受け入れた前記被覆対象米粒を前記攪拌室形成部材の長手方向に搬送して米粒排出口から排出させる攪拌搬送手段と、前記攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段とを備えて構成されている無洗米製造設備であって、
前記被覆装置が、
前記攪拌室形成部材における前記米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置に重複させかつ前記攪拌室形成部材における前記米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置の横側外方に突出させる状態を作業位置として設置され、且つ、
前記乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材の全体を前記乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、前記被覆装置は、前記作業位置において、前記攪拌室形成部材における前記米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置に重複させる状態となるから、被覆装置の米粒排出口から落下排出される付着済み米粒を乾燥装置の内部に直接供給する構成とすることによって、被覆材溶液が付着された付着済み米粒を、極力早く、しかも、機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることが可能となる。
【0011】
又、作業位置において、前記攪拌室形成部材における前記米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置の横側外方に突出させる状態となっており、乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材の全体を前記乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されているから、被覆装置における清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行う場合には、前記メンテナンス位置に切り換えておくことで、被覆装置が乾燥装置から離れた状態となっており、乾燥装置が邪魔にならない状態で作業を行う易いものにすることができる。
【0012】
ところで、上記したようなメンテナンス作業を行い易いものとするための構成として、被覆装置を、前記作業位置にある攪拌室形成部材をその長手方向に沿ってスライド移動させてメンテナンス位置に切り換える構成とすることも考えられるが、このように長手方向に沿ってスライド移動させる構成では、攪拌室形成部材を移動自在に支持するための構成が複雑になる不利がある。
【0013】
これに対して、第1特徴構成によれば、乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により作業位置とメンテナンス位置とに切り換える構成であるから、攪拌室形成部材を移動自在に支持するための構成がスライド構成に比べて簡単なもので済ませることができ、又、移動させる操作も長い距離をスライドさせるものに比べて容易に行い易いものとなる。
【0014】
従って、被覆材溶液が付着された付着済み米粒を、極力早く、しかも、機械的な搬送手段による搬送を行わずに搬送距離を短くして乾燥装置に供給させることができるようにしながらも、攪拌室形成部材を移動自在に支持するための構成を複雑にすることなく、被覆装置における清掃作業や修理点検作業等のメンテナンス作業を行い易いものにすることが可能となる無洗米製造設備を提供できるに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記攪拌室形成部材が、前記作業位置において、前記長手方向一端側部分を前記乾燥装置の側壁部を通して前記乾燥装置の内部に入り込ませるように構成され、前記乾燥装置の前記側壁部に、前記攪拌室形成部材が前記作業位置と前記メンテナンス位置との切換のために通過する開口が形成され、その開口を閉塞する閉状態と前記開口を開放する開状態とに切り換え自在な扉部材が設けられ、 前記閉状態にある前記扉部材によって前記攪拌室形成部材を前記作業位置に保持するように構成されている点にある。
【0016】
第2特徴構成によれば、攪拌室形成部材を作業位置に位置させるときは、その長手方向一端側部分を乾燥装置の側壁部に形成された開口を通して乾燥装置の内部に入り込ませることになるが、乾燥装置の側壁部に形成された開口を閉塞するために扉部材を閉状態に切り換えると、閉状態にある扉部材によって攪拌室形成部材を作業位置に保持することになる。そして、メンテナンス作業を行うために攪拌室形成部材をメンテナンス位置に切り換えるときは、扉部材を閉状態から開状態に切り換えると、扉部材による攪拌室形成部材の保持が解除されるので、そのまま開口を通して攪拌室形成部材を旋回支点周りで揺動させてメンテナンス位置に切り換えることができる。
【0017】
従って、メンテナンス作業を行うときには、扉部材を開状態に切り換えてそのまま攪拌室形成部材を揺動操作させるだけでよく、メンテナンス作業が終了して作業位置に切り換えるときには攪拌室形成部材を揺動操作させて作業位置に切り換えた後に扉部材を閉状態に切り換えるだけでよいので、攪拌室形成部材を位置保持させる操作やそれを解除するための操作が不要であり、メンテナンス作業を行い易いものにできる。しかも、攪拌室形成部材を位置保持させるための専用の保持手段も不要で、それらを設けるものに比べて構成を簡素なものにできる。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記作業位置にある前記攪拌室形成部材の長手方向と交差する方向に沿う作業用通路が、前記旋回支点位置よりも前記乾燥装置が存在する側とは反対側に位置させて形成されている点にある。
【0019】
第3特徴構成によれば、前記作業用通路が旋回支点位置よりも乾燥装置が存在する側とは反対側に位置させて形成され、しかも、その作業用通路は、作業位置にある攪拌室形成部材の長手方向と交差する方向に沿うように形成されているから、メンテナンス作業を行うために、作業位置にある被覆装置を旋回支点周りでの旋回によりメンテナンス位置に切り換えると、被覆装置における攪拌室形成部材はその全体が作業用通路に近づくように揺動することになる。
【0020】
従って、被覆装置がメンテナンス位置に切り換わった後は、攪拌室形成部材の全体が作業用通路に近づく状態となっているから、作業用通路に位置する作業者がメンテナンス作業を容易に行えるようにすることが可能となる。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、供給される被覆材と供給される水とから前記被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置が設けられ、前記被覆材供給手段が、この被覆材溶液生成装置にて生成された前記被覆材溶液を前記攪拌室形成部材の内部に供給するように構成され、前記乾燥装置と前記作業用通路との間に、原料用の米粒の糊粉層の全て又は大部分を除去して前記被覆対象米粒を生成して前記米粒受入れ口に供給する被覆対象米粒生成装置が設けられ、前記作業用通路に対して前記攪拌室形成部材が位置する側とは反対側箇所に、前記被覆材を投入するための被覆材投入部が設けられている点にある。
【0022】
第4特徴構成によれば、被覆材溶液生成装置は、供給される被覆材と供給される水とから被覆材溶液を生成して、この被覆材溶液生成装置にて生成された被覆材溶液が被覆材供給手段により攪拌室形成部材の内部に供給されることになる。又、被覆対象米粒生成装置により原料用の米粒の糊粉層の全て又は大部分を除去して被覆対象米粒が生成され、その被覆対象米粒が米粒受入れ口を通して攪拌室形成部材の内部に供給されることになる。
前記被覆材は作業者によって被覆材投入部より投入されて被覆材溶液生成装置に供給されることになる。又、被覆対象米粒生成装置は、点検作業や調節作業等の作業者によるメンテナンス作業を必要とするものである。
【0023】
そこで、被覆対象米粒生成装置が乾燥装置と作業用通路との間に設けられるから、被覆対象米粒生成装置は作業用通路に近い箇所に位置することになり、作業者が作業用通路から被覆対象米粒生成装置に対するメンテナンス作業を行う場合、極力近い位置から容易に行えるようにすることが可能となる。又、作業用通路に対して攪拌室形成部材が位置する側とは反対側箇所に被覆材投入部が設けられているから、被覆材投入部は作業用通路に近い箇所に位置することになり、作業者は作業用通路から被覆材投入部に対して被覆材を投入する作業を行う場合、極力近い位置から容易に行えるようにすることが可能となる。
【0024】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記被覆装置が、前記旋回支点周りで旋回自在に設けられた基端側支持部材により前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送手段を構成する攪拌搬送用の回転体を片持ち状に支持して構成され、前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が前記基端側支持部材に対して各別に取り外し可能に連結されている点にある。
【0025】
第5特徴構成によれば、被覆装置が基端側支持部材により攪拌室形成部材並びに攪拌搬送用の回転体を片持ち状に支持して構成され、しかも、攪拌室形成部材並びに攪拌搬送用の回転体の夫々が基端側支持部材に対して各別に取り外し可能に連結されるから、メンテナンス作業を行う場合には、基端側支持部材から攪拌室形成部材や攪拌搬送用の回転体を各別に取り外して清掃作業や点検作業等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0026】
説明を加えると、例えば、旋回支点に対して被覆装置の全体を取り外す構成とすると、大重量の被覆装置全体を持ち上げる等の煩わしい作業が必要になるが、上述したように攪拌室形成部材や攪拌搬送用の回転体を各別に取り外すことができる構成であるから、それだけ作業負担の少ない状態でメンテナンス作業を容易に行うことができるのである。
【0027】
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成に加えて、前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が、前記攪拌室形成部材の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で前記基端側支持部材に対して取り外し可能に連結されている点にある。
【0028】
前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が、攪拌室形成部材の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で基端側支持部材に対して取り外し可能であることから、各分割単位体に分離した状態で取り外すことで、攪拌室形成部材や攪拌搬送用の回転体の全体を取り外すような場合に比べて、持ち運ぶ部材の重量が軽くなり、しかも、外形寸法も小さくなるので、扱い易いものとなり、メンテナンス作業を行う場合に作業負担をより少なくした状態で作業を容易に行うことができる。
【0029】
本発明の第7特徴構成は、第6特徴構成に加えて、前記攪拌室形成部材の前記複数の分割単位体の夫々に接続用のフランジ部が形成され、前記複数の分割単位体同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材により前記各フランジ部同士を挟み込んで連結するように構成されている点にある。
【0030】
第7特徴構成によれば、例えば、連結している複数の分割単位体同士を取り外す場合には、各分割単位体の接続箇所において装着されているクランプ部材を外すことで、そのクランプ部材により挟み込んで連結している各フランジ部同士を分離させて各分割単位体同士を簡単に分離させることができる。又、各分割単位体同士を連結する場合には、接続箇所においてクランプ部材を装着して、各分割単位体の各フランジ部同士をそのクランプ部材により挟み込んで簡単に連結させることができる。
【0031】
従って、メンテナンス作業を行う場合に、クランプ部材を装着したり取り外したりするだけでの簡単な作業で、攪拌室形成部材の複数の分割単位体同士を連結したり、分離させたりすることができ、例えば、複数のボルトにより締め付けるような構成に比べて作業を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
無洗米製造設備は、糊粉層の全て又は大部分を除去した米粒に被覆材溶液を添加付着させて乾燥させることにより、米粒表面を覆う被膜を形成して無洗米を製造するためのものであって、その構成を大別すると、図1に示すように、無洗米を製造する無洗米製造部A、その無洗米製造部Aにて製造された無洗米の検査、包装等を行う後処理部B、及び、設備各部の運転を予め設定された動作条件にて制御する表示操作パネル付きの制御部Cからなる。
【0033】
先ず、無洗米製造部Aの構成について説明する。
この無洗米製造部Aは、その主要な設備として、被覆材としての澱粉並びに米粒の品質を向上させるための品質向上剤を水に溶かした被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置1、精米処理が終了した後の米粒(精米)の糊粉層の全て又は大部分を除去して被覆対象米粒を生成する被覆対象米粒生成装置としての研米機2、その研米機2にて得られた被覆対象米粒を攪拌して搬送しながら前記被覆材溶液生成装置1にて生成された被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する攪拌搬送機3、その攪拌搬送機3から供給される付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置4等を備えて構成される。
【0034】
更に、無洗米製造部Aは、精米処理が終了した後に図示しない搬送機にて搬送される米粒が研米機2に供給されるようになっており、前記研米機2にて研米処理された米粒が攪拌搬送機3に供給され、攪拌搬送機3から排出された米粒が乾燥装置4に供給されるようになっている。又、乾燥装置4にて澱粉溶液の乾燥処理が終了した米粒は搬送装置7により後処理部Bに搬送する構成となっている。
【0035】
前記後処理部Bは、前記搬送装置7にて搬送される米粒群の中の破砕粒や小径の異物を除去する異物除去装置8、その異物除去装置8にて異物除去処理された米粒を一時貯留する米粒タンク9、その米粒タンク9から落下供給される米粒から着色粒や屑米等の不良粒等を除去する不良物除去装置10、その不良物除去装置10にて不良物除去されてエアー搬送装置11にてエアー搬送される米粒について金属の混入物の存否を検査する金属検出器12、その金属検出器12にて検査処理された米粒を所定量づつ計量して排出する計量タンク13、その計量タンク13から所定量づつ排出される米粒を包装袋にて包装する包装装置14等を備えて構成されている。
【0036】
次に、無洗米製造部Aの各部について説明を加える。
前記被覆材溶液生成装置1は、澱粉と水とを設定比率で攪拌混合してその澱粉水溶液を送り出す澱粉水溶液生成供給部15と、品質向上剤を貯留するとともにその貯留している品質向上剤を設定量だけ送り出す品質向上剤供給部16と、前記澱粉水溶液生成供給部15にて攪拌混合した澱粉水溶液と前記品質向上剤供給部16から供給される品質向上剤とを攪拌しながら高温蒸気(110℃程度)を噴霧して被覆材溶液を生成する高温溶液生成部17とを備える。
【0037】
説明を加えると、澱粉水溶液生成供給部15は、固形粉状の澱粉を貯留する澱粉貯留用ホッパー18、その澱粉貯留用ホッパー18から振動フィーダ19にて定量づつ送り出される澱粉と給水路20を通して供給される水道水とを貯留する澱粉水溶液タンク21、その澱粉水溶液タンク21の重量を計測する吊り下げ式のロードセル22、前記澱粉水溶液タンク21内に設けられた攪拌羽根23aを電動モータ23bにより回転させて澱粉水溶液タンク21内の澱粉と水とを攪拌混合する攪拌装置23を備えて構成されている。
【0038】
前記固形粉状の澱粉としては、架橋型の化工澱粉であるリン酸架橋澱粉を用いるようにしている。又、澱粉としてはこれ以外に、ヒドロキシプロピル澱粉のようなエーテル化型澱粉や酢酸澱粉のようなエステル化型澱粉などの他の種類の誘導体型の化工澱粉を用いてもよい。
【0039】
又、前記給水路20には通流を断続する開閉弁24が備えられ、ロードセル22によって重量計測しながら水を供給して設定重量に達すると供給を停止させ、同様にしてロードセル22によって重量計測しながら澱粉を供給して、水と澱粉との比率が設定比率に対応する重量になると供給を停止させる構成としている。前記澱粉水溶液タンク21にて攪拌混合された澱粉と水との澱粉水溶液は、澱粉水溶液供給路25を通して高温溶液生成部17に供給される構成となっており、その澱粉水溶液供給路25には澱粉水溶液を供給する状態と供給を停止させる状態とに切り換え自在な断続弁26が設けられている。
【0040】
前記品質向上剤供給部16は、固形粉状の品質向上剤を貯留する品質向上剤貯留タンク27、その品質向上剤貯留タンク27から単位時間あたりに設定量づつ品質向上剤を送り出して品質向上剤供給路28を通して高温溶液生成部17に供給するための振動フィーダ29等を備えて構成されている。
【0041】
前記品質向上剤について説明すると、例えば、栄養を向上させるものや米の食味を向上させるもの、あるいは、無洗米を炊飯したときに例えば米につやの有無やふっくらとしているか否かといった炊き上がり具合を向上させるもの等がある。具体的に説明すると、品質としての栄養を向上させる品質向上剤としては、例えば、タンパク質、食物繊維、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)、フィチン酸、ビタミンB1,B2,B6、イノシトール等の各種の栄養補助剤がある。品質としての米の食味を向上させる品質向上剤としては、例えば、糖や糖アルコール等の米の食味を向上させる食味向上剤がある。又、品質としての上述したような炊き上がり具合を向上させる品質向上剤としては、例えば、植物性油脂や乳化剤等の炊飯向上剤がある。更に、品質向上剤としては、このようなものの他、摂取した食物の消化を遅延させてダイエット効果が得られるようなダイエット食品素材等を用いることもできる。
【0042】
前記高温溶液生成部17は、澱粉水溶液生成供給部15から供給される澱粉水溶液及び品質向上剤供給部16から供給される品質向上剤を貯留する被覆溶液貯留タンク30、その被覆溶液貯留タンク30に蒸気供給路31を通して加熱用の蒸気を供給するボイラ32、前記ボイラ32に供給する水道水を軟水に調製する軟水器33、被覆溶液貯留タンク30内の高温の澱粉溶液を被覆材溶液供給路34を通して前記攪拌搬送機3に供給する送出用ポンプ35等を備えて構成されている。そして、蒸気供給路31から高温の蒸気を被覆溶液貯留タンク30内に噴出する噴出ノズル36を備えて、ボイラ32によって生成された高温の蒸気をその噴出ノズル36から被覆溶液貯留タンク30内に噴出させる構成となっている。
【0043】
前記被覆溶液貯留タンク30内においては、前記噴出ノズル36から高温の蒸気が噴出されることで、澱粉と水との澱粉水溶液及び品質向上剤が蒸気の高温の熱エネルギーによって加熱されて澱粉及び品質向上剤が溶解して糊化されて高温の被覆材溶液が生成されることになる。又、このとき高温の蒸気による加熱だけでなく、高温の溶液が保有する熱によっても加熱されることになる。
【0044】
そして、この被覆溶液貯留タンク30には、その底部付近に位置してタンク底部に沈殿している澱粉あるいは沈殿しようとする澱粉を攪拌させて、澱粉と水(溶液)とがよく混ざり合って澱粉が充分に分散した状態を維持させる下部側攪拌羽根37が設けられている。又、被覆溶液貯留タンク30に貯留される溶液の表面付近に浮遊した状態で粉状のままで溜まり易い品質向上剤を攪拌させて溶液中に分散した状態を維持させる上部側攪拌羽根38が設けられている。これらの下部側攪拌羽根37及び上部側攪拌羽根38は、共通の電動モータ39によって回転駆動される構成となっている。但し、下部側攪拌羽根37は回転によって上方に向けて澱粉を移動させて分散させるように羽根の形状を設定して構成され、上部側攪拌羽根38は回転によって下方に向けて品質向上剤を移動させて分散させるように羽根の形状を設定して構成されている。
【0045】
前記澱粉水溶液生成供給部15の澱粉水溶液タンク21は被覆溶液貯留タンク30の容量に比べて小さい容量のタンクにて構成され、澱粉水溶液生成供給部15から被覆溶液貯留タンク30に繰り返し澱粉水溶液を供給するように構成されている。具体的に説明すると、澱粉水溶液生成供給部15にて澱粉と水とを設定比率で攪拌混合した設定量の澱粉水溶液を複数回にわたり繰り返し、被覆溶液貯留タンク30に供給することで、被覆溶液貯留タンク30内に所定量の溶液が供給されることになる。そして、所定量の溶液が供給された後に蒸気が供給されて、高温の被覆材溶液が生成される。溶液の温度が充分高くなったときに、前記品質向上剤供給部16から固形粉状の品質向上剤を設定量まとめて被覆溶液貯留タンク30に供給するのである。尚、下部側攪拌羽根37及び上部側攪拌羽根38は、澱粉水溶液生成供給部15から供給を開始したときから回転させるようにしている。ちなみに、被覆材溶液の混入比率としては、例えば、水1リットルに対して澱粉の比率は40g、品質向上剤の比率は300gに設定される。
【0046】
前記澱粉水溶液生成供給部15及び前記品質向上剤供給部16は、図2に示すように、被覆溶液貯留タンク30の上方に位置させて配備され、澱粉水溶液生成供給部15にて生成された澱粉水溶液及び品質向上剤供給部16から供給路28を通して供給される品質向上剤を被覆溶液貯留タンク30に供給する構成となっている。
【0047】
前記被覆材溶液供給路34には、供給路を開閉自在な切換弁V1と被覆材溶液の流量を計測する流量計42が備えられ、この流量計42によって攪拌搬送機3への供給量を計測しながら、送出用ポンプ35の作動状態を制御する構成となっている。前記被覆材溶液供給路34の途中には流路切替弁43が設けられて、供給される被覆材溶液の全部を循環路44を通して被覆溶液貯留タンク30に戻すことができるようになっている。又、循環路44には、更に、被覆材溶液を被覆溶液貯留タンク30に戻す状態と、清掃用の循環水を更に下手側に流動させる状態とに切り換え自在な流路切替弁45と、その流動方向下手側には清掃用循環水を被覆溶液貯留タンク30に供給する状態と遮蔽する状態とに切り換わる切換弁V2と、清掃用循環水を排出させる状態と排水を停止させる状態とに切り換え自在な切換弁V3とが備えられている。尚、図中、48は作業終了時に配管内を清掃するための洗浄水を循環供給するための洗浄用ポンプ、V4〜V7は洗浄水の通流路を開閉するための各切換弁である。
【0048】
そして、被覆材溶液を生成するときには、図1の一点鎖線にて示すように、設定時間が経過する間だけ循環路44を通して高温の溶液を循環させて配管の温度を上昇させる予備循環運転を実行するようにしている。又、被覆材溶液の生成並びに供給作業が終了した後には、図1の二点鎖線で示すように、洗浄用ポンプ48により循環路44を通して清浄水を循環供給させて被覆溶液貯留タンク30や配管の内部を清浄することができる構成となっている。尚、循環水の被覆溶液貯留タンク30への戻り部分は噴出ノズルとして構成されており、被覆溶液貯留タンク30の内面を清掃することができるようになっている。
【0049】
前記研米機2は、構成について詳述はしないが、図2〜図4に示すように、図示しない供給装置により供給される精米処理済みの米粒を研米機ホッパ2aにて受け入れた後、横送りスクリュー2bにより横送りして供給する構成となっており、米粒を上方に移送させながら研米する上方移送式のものを用いている。つまり、円筒状の研米処理筒2cの内部に研米処理室を形成して、研米処理筒2cの上部側に米粒を排出する排出シュート2dが備えられている。図示はしないが、研米処理筒2cの内部において、周囲にブラシを備えて電動モータによって縦軸芯周りで回転駆動される回転ロールとその外周部に位置する多孔状の筒部材との間を米粒を上方に移送させながら、ブラシによって米粒の表面に残留する糠すなわち糊粉層の全て又は大部分を除去して研米処理し、その研米処理後の米粒を排出シュート2dを通して排出する構成となっている。
【0050】
前記研米機2は、上記したようなブラシによる掻き取り作用によって糊粉層を除去するものに代えて、回転ロールの周囲に砥石等の研削用部材を備えて、この研削用部材による削り取り作用等によって糊粉層を除去するように構成してもよい。更には、回転ロールの周囲に鉄製等の棒状の擦り用部材を備えて、この擦り用部材による擦り取り作用によって糊粉層を除去するように構成してもよい。
【0051】
前記攪拌搬送機3は、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材52と、その攪拌室形成部材52の内部に設けられて、米粒受入口53から攪拌室形成部材52内部に受け入れた被覆対象米粒を攪拌室形成部材52の長手方向に搬送して米粒排出口54から排出させ、且つ、被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させる攪拌搬送手段55とを備えて構成されている。そして、後述するように攪拌室形成部材52に形成された被覆材供給口60に前記高温溶液生成部17における被覆材溶液供給路34を通して送出用ポンプ35による送り作用によって被覆材溶液が供給され、その被覆材供給口60から前記攪拌室形成部材52の内部に被覆材溶液が供給される構成となっている。従って、被覆材溶液供給路34、送出用ポンプ35、及び、被覆材供給口60により、攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段56が構成されており、この被覆材溶液供給手段56と前記攪拌搬送機3とによって、前記攪拌室形成部材52の内部を搬送されている被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する米粒被覆装置Hが構成される。
【0052】
以下、攪拌搬送機3の構成について説明を加える。
すなわち、攪拌搬送機3は、図6及び図9に示すように、前記攪拌室形成部材52の内部に、前記攪拌搬送手段55として、攪拌室形成部材52の長手方向の略全長にわたって一体的に形成される状態で延びる駆動軸57と、その駆動軸57に一体回転自在に外嵌装着された攪拌搬送用の回転体としての螺旋状体58とから構成されている。又、駆動軸57と螺旋状体58とを回転駆動する駆動手段としての電動モータ59を備えている。
【0053】
前記攪拌室形成部材52の長手方向一端側の上部側箇所に、研米機2から供給される米粒を受け入れる前記米粒受入口53が形成されており、この米粒受入口53の上部側には、ホッパー形式の研米タンク6が備えられて、研米機2から供給される米粒をこの研米タンク6にて受け入れて米粒受入口53から攪拌室形成部材52の内部に供給する構成となっている。攪拌室形成部材52の長手方向他端側箇所に、米粒を乾燥装置4に向けて排出させる米粒排出口54が形成されている。前記攪拌室形成部材52の長手方向中間位置であって米粒受入口53よりも少し搬送方向下手側に寄った箇所に被覆材供給口60が形成されている。
【0054】
図9に示すように、前記螺旋状体58は、駆動軸57に外嵌装着されて駆動軸57と一体回転するようにキー61にて連結される構成の筒軸部58aの外周部に、一条の螺旋状羽根体58b(スクリュー羽根)を一体的に連設して構成され、及び、その搬送方向終端部には螺旋状羽根体58bが一連に連なるように連設されて、軸芯方向に沿う掻き出し羽根58cを備えて構成されている。更に、前記被覆材供給口60に対応する部分よりも米粒搬送方向下手側の部分には3箇所に螺旋状羽根体58bが途切れる螺旋羽根途切れ部分62を設けてあり、その螺旋羽根途切れ部分62には、周方向に適宜間隔をあけて径方向に延びる複数の棒状攪拌体63が形成されている。この螺旋羽根途切れ部分62分では、米粒の搬送作用がなく攪拌体63による攪拌作用を受けることから、螺旋状体58による米粒搬送に対する抵抗として作用し、米粒の攪拌を促進させる構成となっている。
【0055】
前記米粒排出口54は、図7に示すように、米粒搬送方向に長い長尺状に形成されており、攪拌室形成部材52の外周部に位置変更調節自在に装着された開度調節用部材64によって開度を変更調節自在な長尺状排出口部54aと、それよりも幅広に形成された終端排出口部54bとが夫々形成されている。
【0056】
次に、上述のように構成された攪拌搬送機3の作用について説明する。
前記米粒受入口53から前記攪拌室内に受け入れられた米粒は、前記螺旋状体58により米粒排出口54側に向かって攪拌されつつ搬送され、そのように攪拌されつつ搬送される米粒に対して、被覆材供給口60から被覆材溶液が供給され、米粒がその被覆材溶液供給位置から更に攪拌されつつ搬送される過程で、米粒の一粒一粒の表面の全体にわたる状態で被覆材溶液が付着して、米粒の一粒一粒が表面の全体にわたる状態で被覆材溶液にて被覆されることになる。
【0057】
そして、米粒が米粒排出口54の長尺状排出口部54aに達すると、米粒搬送方向に沿う方向の広い範囲にわたって満遍なく排出され、その長尺状排出口部54aを通過した米粒は、掻き出し羽根58cにより掻き出される状態で終端排出口部54bから排出される。更に、上述のように、前記螺旋羽根途切れ部分62が螺旋状羽根体58bによる米粒搬送に対する抵抗として作用するので米粒同士を擦り合わせて、被覆材溶液を米粒一粒一粒の表面の全面にわたって一段と均等に付着させることが可能になる。
【0058】
前記乾燥装置4は、図2に示すように、前記攪拌搬送機3の米粒排出口54から落下排出される米粒を受けて載置搬送する複数の載置搬送部65を備えており、前記攪拌搬送機3にて被覆材溶液が被覆されて米粒排出口54から落下排出される米粒を載置搬送部65にて受けて載置搬送しながら乾燥させることにより、米粒表面に被膜を形成するようになっている。前記載置搬送部65は、外周形状が円形状に形成されて乾燥用電動モータ66にて上下軸心周りで回転駆動される多孔状体にて構成され、上方より供給される米粒を受け止めて載置搬送したのちに下方に落下排出するように構成されている。このような載置搬送部65の複数を、上方側のものから落下排出される米粒を下方側のものが受け取る形態で上下方向に複数並べて設けている。これらの複数の載置搬送部65は略円筒状の乾燥装置ケーシング67に収納される構成となっている。
【0059】
更に、最下部の載置搬送部65の排出箇所の下方には、その最下部の載置搬送部65から落下排出される米粒を受けて装置外に排出する排出シュート68が乾燥装置ケーシング67から外部に突出する状態で設けられ、この排出シュート68から外部に排出した米粒は後処理部Bに向けて搬送される。又、乾燥装置ケーシング67内において、最上部の載置搬送部65よりも上方側に位置させて電気ヒータ69を備えて、乾燥装置ケーシング67の上部に乾燥装置4内部に乾燥用空気を給気する乾燥用送風機70を備えている。又、外部の吸引装置によって吸引することにより、乾燥装置4内部の空気が外部に排気される構成となっている。ちなみに、乾燥装置ケーシング67における外周側壁部のうち電気ヒータ69よりも上方側に位置する部分は多孔状のパンチングメタルにて構成され、電気ヒータ69よりも下方側箇所は無孔板材にて構成されている。
【0060】
つまり、前記攪拌搬送機3の米粒排出口54から、被覆材溶液が付着した付着済み米粒が最上部の載置搬送部65上に落下排出され、その米粒が各載置搬送部65にて載置搬送されながら順次下方側の載置搬送部65に落下排出されて最下部の載置搬送部65まで移送されて、排出シュート68から装置外に排出されるようになっており、そのように米粒が各載置搬送部間を移送される過程で、電気ヒータ69の輻射熱により、最上部の載置搬送部65にて載置搬送される米粒を乾燥し、並びに、乾燥装置ケーシング67の上部から吸気又は吸引された乾燥用空気を電気ヒータ69にて加熱した後上下に並ぶ各載置搬送部65を下方側に通過させて装置外に排出するように通風させて、米粒に付着した被覆材溶液を乾燥するようになっている。つまり、電気ヒータ69による輻射熱及び乾燥用空気の通風による協働乾燥作用により付着済み米粒を乾燥して皮膜を形成することになる。
【0061】
この無洗米製造設備においては、軟水器33を除いた被覆材溶液生成装置1、研米機2、攪拌搬送機3、乾燥装置4、及び、制御部Cを一体的に組み付けて、無洗米製造部ユニットUを構成している。この無洗米製造部ユニットUは、図2、図3に示すように、前記乾燥装置ケーシング67と、その乾燥装置ケーシング67よりも高さが低く且つ概ね直方体形状に組み立てられた基枠73とを横方向に並べて連結し、前記基枠73に、前記研米機2、前記攪拌搬送機3及び前記制御部C等を組み付けて構成している。尚、図示しないが清掃用の配管類等も組み付けられることになる。
【0062】
前記攪拌搬送機3は、前記攪拌室形成部材52における前記米粒排出口54が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置4に重複させかつ前記攪拌室形成部材52における前記米粒受入れ口53が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置4の横側外方に突出させる状態を作業位置として設置され、且つ、乾燥装置4の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材52の全体を前記乾燥装置4の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されている。
【0063】
そして、前記作業位置にある前記攪拌室形成部材52の長手方向と交差する方向に沿う作業用通路74が、前記旋回支点位置よりも前記乾燥装置4が存在する側とは反対側に位置させて形成されている。すなわち、作業用通路74は直方体形状の通路形成用枠体74aの上部に載置台を形成して構成してあり、作業者がその載置台上に載置した状態で作業を行えるようになっている。この作業用通路74は、基枠73に対して乾燥装置4とは反対側に位置させて、その基枠73に連なるように固定連結されており、作業用通路74、基枠73、及び、乾燥装置ケーシング67がその順序で横方向に並べて一体的に連結して無洗米製造部ユニットUが構成されている。
【0064】
又、前記乾燥装置4と前記作業用通路74との間に、研米機2、攪拌搬送機3、ボイラ32、制御部C等が設けられている。そして、前記作業用通路74に対して前記攪拌室形成部材52が位置する側とは反対側箇所に、被覆材を投入するための被覆材投入部Tとしての澱粉水溶液生成供給部15及び品質向上剤供給部16が備えられ、それらの下方側に被覆溶液貯留タンク30等が設けられている。
【0065】
前記澱粉水溶液生成供給部15と前記品質向上剤供給部16との組み付け構成について説明すると、図2、図3に示すように、澱粉水溶液生成供給部15と品質向上剤供給部16とは、通路形成用枠体74aに連結された略矩形状の機枠75によって支持され、作業用通路74上に作業者が載置している状態で固形粉状の被覆材(澱粉、品質向上剤)を投入し易い高さに澱粉貯留タンク18と品質向上剤貯留タンク27とが夫々配備されており、被覆材を投入するための被覆材投入部Tが形成されている。そして、澱粉貯留タンク18の下方側には上述したような振動フィーダ19、澱粉水溶液タンク21、ロードセル22等が配備されており、品質向上剤貯留タンク27の下方側には振動フィーダ29等が配備されている。尚、図5において記載される符号78は、澱粉貯留タンク18及び品質向上剤貯留タンク27の内部で澱粉や品質向上剤が滑らかに繰り出されるように攪拌させる攪拌体を低速回転させる減速機電動モータである。
【0066】
前記攪拌搬送機3は、前記旋回支点周りで旋回自在に設けられた基端側支持部材79により攪拌室形成部材52、前記駆動軸57、及び、攪拌搬送用の回転体としての螺旋状体58を片持ち状に支持して構成され、攪拌室形成部材52並びに螺旋状体58の夫々が基端側支持部材79に対して各別に取り外し可能に連結されている。更に、攪拌室形成部材52並びに螺旋状体58の夫々が、攪拌室形成部材52の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で基端側支持部材79に対して取り外し可能に連結されている。
【0067】
又、攪拌室形成部材52の前記複数の分割単位体52A,52Bの夫々に接続用のフランジ部80が形成され、複数の分割単位体52A,52B同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材81により各フランジ部80同士を挟み込んで連結するように構成されている。
【0068】
以下、前記攪拌搬送機3の具体的な組み付け構成について説明を加える。
すなわち、図9に示すように、前記基端側支持部材79は、機枠75に位置固定状態で立設された固定ピン82に縦軸芯Y周りで回動自在に外嵌装着される枢支ボス部79aと、この枢支ボス部79aの上部に位置する横向き筒部79bとを一体形成して構成され、この横向き筒部79bにて攪拌室形成部材52並びに駆動軸57及び螺旋状体58を片持ち状に支持する構成となっている。従って、基端側支持部材79は、前記固定ピン82における縦軸芯Y周りで回動自在に攪拌室形成部材52並びに駆動軸57及び螺旋状体58を片持ち状に支持する構成となっている。
【0069】
この基端側支持部材79には駆動軸57及び螺旋状体58を一体的に回動駆動する減速機付き電動モータ59が固定状態で取り付けられる。前記横向き筒部79bの内部において前記駆動軸57がベアリング83にて回転自在に支持され、電動モータ59の出力軸59aとこの駆動軸57とをカプリング84にて直結して一体回転自在に連結している。又、横向き筒部79bの端部には、攪拌室形成部材52の一端部が外嵌装着されて複数箇所を連結ネジ85によって連結して支持する構成となっており、この連結ネジ85を外すと攪拌室形成部材52の全体を取り外すことができるようになっている。
【0070】
又、前記攪拌室形成部材52は、長手方向の中間位置において分割される構成となっており、それらの各分割単位体52A,52Bの接続箇所において、接続用のフランジ部80が形成され、複数の分割単位体同士52A,52Bを、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材81により各フランジ部80同士を挟み込んで連結する構成となっている。前記各フランジ部80の合わせ面部分には周方向の位相が一定になるように嵌り合う位置決めピン86が設けられている。
図8に示すように、クランプ部材80は蝶ネジ87を調節することでフランジ部80を締め付けたり緩めたりすることが可能な構成であり、簡単な操作で着脱を行えるようになっている。尚、攪拌室形成部材52の揺動端部側は、駆動軸57に固定用ネジ88によって締め付け固定されているベアリングユニット89によって受け止め保持される構成となっている。
【0071】
つまり、攪拌室形成部材52を取り外す場合は、図10に示すように、前記固定用ネジ88を緩めてベアリングユニット89を外した後、中間位置のクランプ部材81を外して揺動端側に位置する分割単位体52Bを外し、その後、連結ネジ85を外すことによって基端側に位置する分割単位体52Aを外すことができる。又、攪拌室形成部材52は、研米ホッパー2aや被覆材供給口60に接続される被覆材溶液供給路34との接続箇所においても、同様に、着脱自在なクランプ部材81により各フランジ部80同士を挟み込んで連結する構成となっている。
【0072】
そして、前記螺旋状体58も同様にして、複数の分割単位体58A,58bに分離した状態で基端側支持部材79に対して取り外し可能に構成されている。つまり、螺旋状体58は、長手方向の中間部において、図11に示すように、筒軸部58a同士が分離される構成となっており、その分離された分割単位体58A,58B同士の筒軸部58aの対向する端縁部に互いに軸芯方向に噛み合い自在な噛み合い部90が形成され、それらが噛み合うことで一体回転する構成となっている。又、基端側に位置する分割単位体58Aと駆動軸57とが基端側の端部に位置させたキー61の噛み合いによって一体回動自在に連動連結される構成となっている。そして、この螺旋状体58も攪拌室形成部材52と同様に、揺動端部側が、駆動軸57に固定用ネジ88によって締め付け固定されているベアリングユニット89によって受け止め保持される構成となっており、螺旋状体58を取り外す場合は、前記固定用ネジ88を緩めてベアリングユニット89を外すと、揺動端側に位置する分割単位体58Bを抜き外すことができ、基端側に位置する分割単位体58Aも軸芯方向に抜き外すことができる。
【0073】
そして、前記攪拌室形成部材52が、前記作業位置において、前記長手方向一端側部分を前記乾燥装置4の側壁部92を通して前記乾燥装置4の内部に入り込ませるように構成され、前記乾燥装置4の前記側壁部92に、前記攪拌室形成部材52が前記作業位置と前記メンテナンス位置との切換のために通過する開口93が形成され、その開口93を閉塞する閉状態と前記開口93を開放する開状態とに切り換え自在な扉部材94が設けられ、前記閉状態にある前記扉部材94によって前記攪拌室形成部材52を前記作業位置に保持するように構成されている。
【0074】
説明を加えると、図3及び図12に示すように、略円筒状に形成される乾燥装置ケーシング67における側壁部92において、攪拌室形成部材52が出入りするための開口93が形成され、その開口93を覆う状態と開口93を開放させる状態とにわたり、縦軸芯Y2周りで揺動開閉自在な扉部材94が設けられている。そして、この扉部材94の揺動端縁は攪拌室形成部材52の外周部に沿うように円弧状に形成してパッキン95を付設しており、攪拌室形成部材52が接当する開口93の内縁部も同様に、攪拌室形成部材52の外周部に沿うように円弧状に形成してパッキン95を付設している。つまり、扉部材94を閉状態に切り換えると、この扉部材94によって攪拌室形成部材52に接当して作業位置に位置保持させる構成であり、しかも、攪拌室形成部材52の外周部と乾燥装置ケーシング67の側壁部93との間に大きな隙間が生じないようにしている。
【0075】
そして、前記攪拌室形成部材52は、清掃等のメンテナンス作業を行うときは、扉部材94を開状態に切り換えて開口93を開放させ、図3に仮想線で示すメンテナンス位置にまで前記縦軸芯Y1周りで揺動して旋回させることができる。そして、このメンテナンス位置にまで旋回すると、前記基端側支持部材79の枢支ボス部79aに一体的に形成されている接当部96(図9参照)が機枠73に設けられた規制部97に接当してそれ以上の揺動を規制する構成となっている。このメンテナンス位置においては、図3に示すように、攪拌室形成部材52の全体が作業用通路74に近づいた状態となっており、メンテナンス作業を作業用通路74から近い位置で容易に行うことができる。
【0076】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
【0077】
(イ) 上記実施形態では、前記攪拌室形成部材52を2個の分割単位体に分割する構成とし、複数の分割単位体の夫々に接続用のフランジ部が形成され、複数の分割単位体同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材により前記各フランジ部同士を挟み込んで連結する構成を示したが、このような構成に限らず、複数の分割単位体として2個に分割する構成に限らず、3個以上に分割させる構成としてもよく、前記各フランジ部同士をネジ止め固定によって連結させる構成とする等、他の連結構成を用いてもよい。
又、前記攪拌室形成部材52を複数の分割単位体に分割する構成に限らず、全体を一体的に形成した構成のものとしてもよい。
【0078】
(ロ) 上記実施形態では、攪拌搬送用の回転体としての前記螺旋状体58を2個の分割単位体に分割する構成として、それらが噛み合い部によって軸芯方向に沿って係合する構成としたが、この構成に代えて、例えば接続部材によって互いに連結させて一体回転する構成とする等、他の連結構成を用いてもよい。
又、前記螺旋状体58を複数の分割単位体に分割する構成に限らず、全体を一体的に形成した構成のものとしてもよい。
【0079】
(ハ) 上記実施形態では、攪拌搬送用の回転体としての前記螺旋状体58が、軸の外周部に一条の螺旋状羽根体(スクリュー羽根)を一体的に連設して構成されるスクリューコンベアとして構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
【0080】
図13に示すように、攪拌室形成部材52の内部において、丸棒材を螺旋状に屈曲形成したコイル状体にて構成されて攪拌室形成部材52の長手方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状搬送体58が備えられ、その螺旋状搬送体58の径方向内方側に、前記駆動軸57がその外周面と螺旋状搬送体58との間に攪拌室形成部材52の長手方向に連なる内部空間Kを形成する状態で設けられる構成としてもよい。
【0081】
説明を加えると、前記駆動軸57の攪拌室形成部材52の長手方向両端側箇所部には、前記螺旋状搬送体58を一体回転自在に支持する支持部Sを構成する筒状支持体62、63が夫々設けられている。このうち、電動モータ59配設側の筒状支持体62は、キー61によって回転軸57と一体回転する状態で回転軸57に外嵌装着されており、この筒状支持体62には、螺旋状搬送体58の一部を接触する状態で巻回支持する螺旋体保持部62aと、螺旋状搬送体58の一端部を周方向に係止して回転力を伝える係止部62bとが形成されている。一方、電動モータ59配設側とは反対側の筒状支持体63は、回転軸57に外嵌装着されて、その軸端側の段差部分63cが、回転軸57の軸端部に固定ネジ88で固定されるベアリングユニット89と回転軸57の端部との間で締め付け固定されて、回転軸57と一体回転する状態で設けられている。この筒状支持体63にも他方側のものと同様に、螺旋状搬送体58の一部を接触する状態で巻回支持する螺旋体保持部63aと、螺旋状搬送体58の一端部を周方向に係止して回転力を伝える係止部63bとが形成されている。
【0082】
前記螺旋状搬送体58における前記米粒排出口54に対応する箇所には、攪拌室形成部材52の内周面に近接させた状態で且つ攪拌室形成部材52の長手方向に沿って直線状又は略直線状に延びる掻き出し作用部58bが設けられている。つまり、螺旋状搬送体58における米粒排出口54の終端側箇所に対応する箇所に、螺旋状に屈曲している螺旋状の搬送作用部58aの端部から一体的に連なる状態で、棒材を攪拌室形成部材52の内周面に近接させた状態で直線状又は略直線状に延びるように形成して掻き出し作用部58bを構成している。そして、この掻き出し作用部58bを前持筒状支持体63における螺旋体保持部63aにて受け止めて径方向外方への移動を阻止するようになっており、掻き出し作用部58bの端部を筒状支持体63における係止部63bに係止させる構成となっている。
【0083】
この構成においても、攪拌室形成部材52は分割して取り外すことができる構成としてあり、螺旋状搬送体は長手方向両側部の前記係止部62b,63bに対する係止を解除することで容易に取り外すことができるようになっている。
【0084】
(ハ) 上記実施形態では、供給される被覆材と供給される水とから被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置として、澱粉と水とを設定比率で混合してその澱粉水溶液を送り出す澱粉水溶液生成供給部15と、品質向上剤を貯留するとともにその貯留している品質向上剤を設定量だけ送り出す品質向上剤供給部16と、前記澱粉水溶液生成供給部15にて攪拌混合した澱粉水溶液と前記品質向上剤供給部16から供給される品質向上剤とを攪拌しながら高温蒸気を噴霧して高温の被覆材溶液にする高温溶液生成部17とを備える構成としたが、このような構成に限らず、前記澱粉水溶液生成供給部15と前記品質向上剤供給部16のうちのいずれか一方だけを備える構成としてもよい。
【0085】
又、上記構成に代えて、前記澱粉水溶液生成供給部15及び前記品質向上剤供給部16のいずれも備えない構成としてもよい。このような前記澱粉水溶液生成供給部15及び前記品質向上剤供給部16のいずれも備えない構成のものでは、高温溶液生成部17における被覆溶液貯留タンク30に対して、澱粉と水を予め設定した比率で攪拌混合したもの及び設定量の品質向上剤の夫々を作業者が手作業で供給する構成となる。この構成においては、被覆材を投入するための被覆材投入部は存在しないことになる。
【0086】
(ニ) 前記乾燥装置の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。例えば、前記載置搬送部として無端回動ベルトや振動コンベア式に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】無洗米製造設備の全体構成を示すブロック図
【図2】無洗米製造部ユニットの正面図
【図3】無洗米製造部ユニットの平面図
【図4】研米機配設部の側面図
【図5】澱粉水溶液生成供給部及び品質向上剤供給部の構成を示す図
【図6】攪拌搬送機の側面図
【図7】米粒排出口を示す図
【図8】クランプ部材を示す図
【図9】攪拌搬送機の断面図
【図10】攪拌搬送機の分解状態を示す説明図
【図11】攪拌搬送機の分解状態を示す説明図
【図12】乾燥装置の開口形成部を示す図
【図13】別実施形態の攪拌搬送機の断面図
【符号の説明】
【0088】
1 被覆材溶液生成装置
4 乾燥装置
52 攪拌室形成部材
54 米粒排出口
55 攪拌搬送手段
56 被覆材溶液供給手段
58 回転体
79 基端側支持部材
80 フランジ部
81 クランプ部材
92 側壁部
93 開口
94 扉部材
H 被覆装置
T 被覆材投入部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置と、その被覆装置から供給される前記付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置とが設けられ、
前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材と、その攪拌室形成部材の内部に設けられて、米粒受入口から前記攪拌室形成部材内部に受け入れた前記被覆対象米粒を前記攪拌室形成部材の長手方向に搬送して米粒排出口から排出させる攪拌搬送手段と、前記攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段とを備えて構成されている無洗米製造設備であって、
前記被覆装置が、
前記攪拌室形成部材における前記米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置に重複させかつ前記攪拌室形成部材における前記米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置の横側外方に突出させる状態を作業位置として設置され、且つ、
前記乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材の全体を前記乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されている無洗米製造設備。
【請求項2】
前記攪拌室形成部材が、前記作業位置において、前記長手方向一端側部分を前記乾燥装置の側壁部を通して前記乾燥装置の内部に入り込ませるように構成され、
前記乾燥装置の前記側壁部に、前記攪拌室形成部材が前記作業位置と前記メンテナンス位置との切換のために通過する開口が形成され、その開口を閉塞する閉状態と前記開口を開放する開状態とに切り換え自在な扉部材が設けられ、
前記閉状態にある前記扉部材によって前記攪拌室形成部材を前記作業位置に保持するように構成されている請求項1記載の無洗米製造設備。
【請求項3】
前記作業位置にある前記攪拌室形成部材の長手方向と交差する方向に沿う作業用通路が、前記旋回支点位置よりも前記乾燥装置が存在する側とは反対側に位置させて形成されている請求項1又は2記載の無洗米製造設備。
【請求項4】
供給される被覆材と供給される水とから前記被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置が設けられ、前記被覆材供給手段が、この被覆材溶液生成装置にて生成された前記被覆材溶液を前記攪拌室形成部材の内部に供給するように構成され、
前記乾燥装置と前記作業用通路との間に、原料用の米粒の糊粉層の全て又は大部分を除去して前記被覆対象米粒を生成して前記米粒受入れ口に供給する被覆対象米粒生成装置が設けられ、
前記作業用通路に対して前記攪拌室形成部材が位置する側とは反対側箇所に、前記被覆材を投入するための被覆材投入部が設けられている請求項3記載の無洗米製造設備。
【請求項5】
前記被覆装置が、前記旋回支点周りで旋回自在に設けられた基端側支持部材により前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送手段を構成する攪拌搬送用の回転体を片持ち状に支持して構成され、
前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が前記基端側支持部材に対して各別に取り外し可能に連結されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の無洗米製造設備。
【請求項6】
前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が、前記攪拌室形成部材の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で前記基端側支持部材に対して取り外し可能に連結されている請求項5記載の無洗米製造設備。
【請求項7】
前記攪拌室形成部材の前記複数の分割単位体の夫々に接続用のフランジ部が形成され、
前記複数の分割単位体同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材により前記各フランジ部同士を挟み込んで連結するように構成されている請求項6記載の無洗米製造設備。
【請求項1】
糊粉層の全て又は大部分を除去した被覆対象米粒に被覆材溶液を付着させて付着済み米粒を生成する被覆装置と、その被覆装置から供給される前記付着済み米粒に付着された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する乾燥装置とが設けられ、
前記被覆装置が、横倒れ姿勢の筒状の攪拌室形成部材と、その攪拌室形成部材の内部に設けられて、米粒受入口から前記攪拌室形成部材内部に受け入れた前記被覆対象米粒を前記攪拌室形成部材の長手方向に搬送して米粒排出口から排出させる攪拌搬送手段と、前記攪拌室形成部材の内部に前記被覆材溶液を供給する被覆材溶液供給手段とを備えて構成されている無洗米製造設備であって、
前記被覆装置が、
前記攪拌室形成部材における前記米粒排出口が位置する長手方向一端側部分を平面視で前記乾燥装置に重複させかつ前記攪拌室形成部材における前記米粒受入れ口が位置する長手方向他端側部分を前記乾燥装置の横側外方に突出させる状態を作業位置として設置され、且つ、
前記乾燥装置の横外側方に位置する旋回支点周りでの旋回により、前記作業位置と、前記攪拌室形成部材の全体を前記乾燥装置の横側外方に突出させるメンテナンス位置とに切換自在に構成されている無洗米製造設備。
【請求項2】
前記攪拌室形成部材が、前記作業位置において、前記長手方向一端側部分を前記乾燥装置の側壁部を通して前記乾燥装置の内部に入り込ませるように構成され、
前記乾燥装置の前記側壁部に、前記攪拌室形成部材が前記作業位置と前記メンテナンス位置との切換のために通過する開口が形成され、その開口を閉塞する閉状態と前記開口を開放する開状態とに切り換え自在な扉部材が設けられ、
前記閉状態にある前記扉部材によって前記攪拌室形成部材を前記作業位置に保持するように構成されている請求項1記載の無洗米製造設備。
【請求項3】
前記作業位置にある前記攪拌室形成部材の長手方向と交差する方向に沿う作業用通路が、前記旋回支点位置よりも前記乾燥装置が存在する側とは反対側に位置させて形成されている請求項1又は2記載の無洗米製造設備。
【請求項4】
供給される被覆材と供給される水とから前記被覆材溶液を生成する被覆材溶液生成装置が設けられ、前記被覆材供給手段が、この被覆材溶液生成装置にて生成された前記被覆材溶液を前記攪拌室形成部材の内部に供給するように構成され、
前記乾燥装置と前記作業用通路との間に、原料用の米粒の糊粉層の全て又は大部分を除去して前記被覆対象米粒を生成して前記米粒受入れ口に供給する被覆対象米粒生成装置が設けられ、
前記作業用通路に対して前記攪拌室形成部材が位置する側とは反対側箇所に、前記被覆材を投入するための被覆材投入部が設けられている請求項3記載の無洗米製造設備。
【請求項5】
前記被覆装置が、前記旋回支点周りで旋回自在に設けられた基端側支持部材により前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送手段を構成する攪拌搬送用の回転体を片持ち状に支持して構成され、
前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が前記基端側支持部材に対して各別に取り外し可能に連結されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の無洗米製造設備。
【請求項6】
前記攪拌室形成部材並びに前記攪拌搬送用の回転体の夫々が、前記攪拌室形成部材の長手方向に沿って複数の分割単位体に分離した状態で前記基端側支持部材に対して取り外し可能に連結されている請求項5記載の無洗米製造設備。
【請求項7】
前記攪拌室形成部材の前記複数の分割単位体の夫々に接続用のフランジ部が形成され、
前記複数の分割単位体同士を、その接続箇所において、着脱自在なクランプ部材により前記各フランジ部同士を挟み込んで連結するように構成されている請求項6記載の無洗米製造設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−735(P2006−735A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178636(P2004−178636)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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