説明

無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法およびそのシステム

【課題】CSMA/CA方式を用いる無線センサネットワーク環境において、パケットの往復所要時間(RTT)を用いて2つのノード間の物理的距離を推定する無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法およびそのシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、(a)相手ノードに送信する送信号の送信時間と送信号に応答して相手ノードから受信される受信号の受信時間とを測定し、受信号または前記受信号の次に受信される信号を介して相手ノードから送信号の受信時間と受信号の送信時間が提供されるステップ;および(b)前記(a)ステップで取得されたすべての信号の送受信時間を用いて相手ノードまでの距離を推定するステップ;を含む。本発明によれば、2つのノード間の距離を正確に推定することができ、これによってセンサフィールドに位置するそれぞれのノードの位置を正確に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法およびそのシステムに関し、より詳しくは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式を用いる無線センサネットワーク環境において、パケットの往復所要時間(RTT:Round Trip Time)を用いて2つのノード間の物理的距離を推定する技術に関連する無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法およびそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線センサネットワークは、既存の無線ネットワークとは異なる特性を持ち、価格が低廉であり、電力効率が優れており、通信距離が短いノードで構成されたネットワークである。したがって、無線センサネットワークは、検索、救助、災難地域モニタリング、目標物トラッキングなど、実用的かつ商業的な多様なサービスに適用することができる。
【0003】
無線センサネットワークにおいて必須となる機能の1つは、各ノードの位置推定または推定機能である。数多くのノードそれぞれから観測されたデータは、それぞれのノードの位置が明示されていなければ実質的な活用が難しい場合が多い。周知の位置決定方法としてはGPS(Globla Positioning Satellite)を用いたものがあるが、室内での測位にはGPSの利用が不可能なだけでなく、小型でありながらも低消費電力が求められるノードに対して、GPS受信機は大きな負担となる。
【0004】
これに対し、無線センサネットワークの各ノード間の距離に基づいてノードの位置を認識する方法がある。このように、各ノード間の距離に基づいてノード位置を認識する場合においては、ノード間の正確な距離を推定することが必須となる。
【0005】
ノード間の距離測定方式としては、受信信号強度(Received Signal Strength:RSS)の減殺を観察するROA(Received signal strength Of Arrival)技法と、時間を用いて距離を測定するTOA(Time Of Arrival)またはTDOA(Time Difference of Arrival)技法がある。TOAまたはTDOA技法は、パケットの往復所要時間(RTT)に基づいて伝達遅延時間を算出することによってノード間の距離を推定するが、時間測定の正確度に応じて性能が左右される。
【0006】
RTTを用いたノード間の距離測定方法の一例として、大韓民国公開特許公報第10−2002−0026562号(2002.4.10.公開)には、CSMA/CA通信技法でRTS(Request To Send)−CTS(Clear To Send)パケットを用いてTOAを算出することによってノード間の距離を測定する方法が開示されている。送信ノードは、パケットの往復所要時間(RTSパケットを送信した直後からCTSパケットを受信した時点までの時間)を測定し、受信ノードは、RTSパケットを受信した直後からCTSパケットを送信する時点までの処理遅延時間を測定する。処理遅延時間はCTSパケットに含まれて送信ノードに伝達され、往復所要時間から処理遅延時間を差し引いて2つのノード間のパケット遅延時間を算出する。上記の公開特許公報には、より正確な測定値を得るためにパケットの送受信時間過程において発生するシステム遅延時間を補正する方法と、受信信号から正確な時点を得るための信号整合ステップ、および電波環境に対応するための拡散コードの活用技法が開示されている。
【0007】
ところが、CTSパケットに含まれる処理遅延時間は、CTSパケットを送信する時点においてようやく計算が可能となる。言い換えれば、処理遅延時間をCTSパケットに挿入するためには、パケット送信途中に送信しようとするCTSパケットを修正しなければならない。しかしながら、送信速度が速くなるほど送信中であるパケットを修正すればパケットの毀損の可能性が増加するようになり、場合によっては修正自体が困難となる。
【0008】
特に、センサネットワークを構成するノードのシステム性能が制限される場合、往復所要時間を用いた距離推定方法は、パケットの送受信時間を正確に測定できないことにより誤差が大きく発生するという問題点がある。その主な原因としては、1)送受信パケットの時刻を記録する過程においてノードが処理するのに所要される時間、2)時刻測定においてタイマー正確度の限界、3)送信パケットに送信時刻を格納する過程において発生するパケット送信処理遅延時間などがある。
【0009】
図1は、従来のセンサネットワークの送信ノードから受信ノードにパケットを送信するとき、送受信時間の測定において発生する誤差の原因を説明するための図である。図1において、(ト)は、チャンネル占有試図時刻を示す。前記図1を参照すれば、受信ノード120がパケットを受信し始める受信時刻(イ)と、受信ノード120が実際にタイマーを読み取った後に記録する受信記録時刻(ロ)との間の時間差である受信処理遅延時間(ハ)が前記1)に該当する。同様に、送信ノード110の送信時刻(ニ)と送信記録時刻(ホ)との間に発生する処理遅延時間差(ヘ)が前記3)に該当する。一方、2)は、ノードのクロック周波数と依存することが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、他のノードとの通信からパケットの送受信が感知されれば、このときの時刻を記録し、この記録された時刻を次の通信のときにパケットに含めて提供することを特徴とする無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法およびそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した目的を達成するために案出されたものであって、(a)相手ノードに送信する送信号の送信時間と前記送信号に応答して前記相手ノードから受信される受信号の受信時間とを測定し、前記受信号または前記受信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記送信号の受信時間と前記受信号の送信時間が提供されるステップ;および(b)前記(a)ステップで取得されたすべての信号の送受信時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定するステップ;を含むことを特徴とする無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法を提供する。
【0012】
好ましくは、前記(a)ステップは、(aa)質問したり保有中であるデータを提供するために相手ノードに送信する通知信号の送信時間または前記通知信号に応答する応答信号の受信時間を測定し、前記応答信号または前記応答信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記通知信号の受信時間または前記応答信号の送信時間が提供されるステップ;または(aa’)質問したり保有中であるデータを提供しようと相手ノードが送信する通知信号の受信時間または前記通知信号に応答する応答信号の送信時間を測定し、前記通知信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記通知信号の送信時間または前記応答信号の受信時間が提供されるステップ;に具体化される。
【0013】
好ましくは、前記(a)ステップは、2回〜2つのノードがデータを交換できるように一定に割り当てられた時間内において最大限に可能なN回を繰り返す。
【0014】
好ましくは、前記(b)ステップは、(ba)前記(a)ステップで取得されたすべての信号の送受信時間を用いて前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間を計算するステップ;および(bb)前記計算された信号伝達引き延ばし時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定するステップ;を含む。
【0015】
また、本発明は、相手ノードに送信する送信号の送信時間と前記送信号に応答して前記相手ノードから受信される受信号の受信時間とを測定し、前記受信号または前記受信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記送信号の受信時間と前記受信号の送信時間が提供されるセンシングノードを備えることを特徴とする無線センサネットワークにおけるノード間距離推定システムを提供する。
【0016】
好ましくは、前記センシングノードは、質問したり保有中であるデータを提供するためのノード、または前記質問や前記データが提供されるノードであることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記センシングノードは、取得されたすべての信号の送受信時間を用いて前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間を計算し、前記計算された信号伝達引き延ばし時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定する。
【0018】
好ましくは、前記センシングノードは、前記相手ノードに送信する送信号の送信時間と前記送信号に応答して前記相手ノードから受信される受信号の受信時間とを測定する時間測定部;および前記受信号または前記受信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記送信号の受信時間と前記受信号の送信時間が提供されれば、前記提供された時間と前記時間測定部が測定した時間とを用いて前記相手ノードまでの距離を推定する距離推定部;を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、他のノードとの通信からパケットの送受信が感知されれば、このときの時刻を記録し、この記録された時刻を次の通信のときにパケットに含んで提供することによって次のような効果を得ることができる。第1に、ノードがパケットの往復所要時間を正確に測定することができる。これにより、他のノードとの距離を正確に推定することができる。さらに、センサフィールドに位置するそれぞれのノードの位置を正確に把握することができる。第2に、他のノードに送信中であるパケットを修正しなくても良く、正確なパケットの送受信時点を他のノードに提供することができる。第3に、GPSを用いなくても良いため費用を節減することができ、特定物の室内位置も容易に把握することができる。
【0020】
また、本発明によって応答速度が速いカウンタと動作周波数が高いクロックとを用いることによって他のノードへのパケット伝達引き延ばし時間値に対する正確度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のセンサネットワークの送信ノードから受信ノードにパケットを送信するとき、送受信時間の測定において発生する誤差原因を説明するタイミングダイヤグラムである。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係る無線センサネットワークシステムの構成を概略的に示す概念図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態に係る無線センサネットワークシステムに備えられるセンサノードの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態に係る2つのセンサノード間の距離を推定する方法を示す順序図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態に係る第1センサノードが第2センサノードとの距離を推定するために互いに通信する過程を示すフローチャートである。
【図6】本発明の好ましい実施形態に係るセンサノードの制御部駆動を説明するための概念図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態に係るセンサノードの制御部駆動を説明するための概念図である。
【図8】本発明によって改善されたパケット送信時間の測定誤差を説明するためのタイミングダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。まず。各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明することにおいて、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、以下で本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明の技術的思想がこれに限定または制限されることはなく、当業者によって変形されて多様な実施が可能であることは勿論である。
【0023】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係る無線センサネットワークシステムの構成を概略的に示す概念図である。前記図2によれば、本発明の好ましい実施形態に係る無線センサネットワークシステム200は、少なくとも2つ以上のセンサノード210と、シンクノード215と、センシングデータ管理サーバ230と、センシングデータ管理データベース235と、観察者端末機240とを備える。
【0024】
無線センサネットワークシステム200では、センサフィールド(sensor field)220に分布されたセンサノード210が特定データをセンシングすれば、シンクノード215が一定経路を介してこれを収集し、有無線通信網を介してセンシングデータ管理サーバ230に伝達するようになる。センシングデータ管理サーバ230は、これを用いてセンサフィールド220に異常が発生したか否かを判別するようになり、センシングデータ管理データベース235に関連データを格納させるようになる。そうすると、観察者は、観察者端末機240を介してセンシングデータ管理サーバ230に接続してこれを確認し、適切な措置を取ることができるようになる。または、センシングデータ管理サーバ230によって観察者端末機240に関連データが提供され、観察者がこれに基づいて適切な行為をできるようになる。
【0025】
このような一連の過程を例とすれば、センサフィールド220が戦争地帯である場合、センシングデータは特定物が自軍であるか敵軍であるかに対するデータとすることができ、センシングデータ管理サーバ230または観察者端末機240は、これから敵軍の移動状況を把握できるようになる。一方、シンクノード215は、有無線通信網を介して観察者端末機240にセンシングデータを直接伝達することも可能である。このような場合には、観察者がディスプレイ装置に表示されるデータを容易に理解できるように、シンクノード215または観察者端末機240がセンシングデータを加工することが好ましい。
【0026】
センサノード210は、コンピューティングパワーが付与されたセンシングデバイス(Sensing Device)であり、無線センサネットワークを構成する知能型通信デバイスを意味する。このようなセンサノード210は、本発明の実施形態において物理的な状況データを収集し、状況変化に応じてリアルタイム状況探知情報、すなわちセンシングデータを無線通信を用いてシンクノード215に伝達する機能を行う。ここで、無線通信とは通常のRF通信を意味し、これにはジグビー(Zigbee)、ブルートゥース(Bluetooth)、WiFi(Wireless Fidelity)などが適用される。
【0027】
センサノード210は、その内部にセンサ、ローカル格納モジュール、通信モジュール、プロセッサ、およびバッテリなどが備えられる。例えば、このようなセンサノード210は、Jamal N.Al−KarakiおよびAhmed E.Kamalが2004年度「IEEE Wireless Communications 11,6−28」に発表した「Routing Techniques in Wireless Sensor Networks:A Survey」に示されたように構成することができる。センサノード210の内部構成についてのさらに詳しい説明は、図3を参照しながら後述する。
【0028】
センサノード210は、本発明の実施形態においてエネルギー浪費の原因となるCollision、Overhearing、Control packetoverhead、Idle listeningなどを解決することが好ましい。その理由は次のとおりである。前記において、Collisionは、パケット衝突時にパケット情報の損傷によって使用できなくなる場合を言う。このような場合、センサノード210は、情報を含んだパケットを再送信しなければならない負担が発生する。Overhearingは、目的地が自分ではない他のノードであるにもかかわらず、センサノード210がこれを受信する場合を言う。このような場合、センサノード210は、受信したパケットを目的地に該当するノードに送信しなければならない負担が発生する。Control packet overheadは、センサノード210が取得したセンシング情報以外に、ネットワークコントロールパケットのように送信しなくても問題のないパケットを送信する場合を言う。Idle listeningは、センサノード210が他のノードからいつデータを受信するようになるか分からないため、睡眠状態に転換せずに継続して待機状態を維持する場合を言う。
【0029】
シンクノード215は、本発明の実施形態においてセンサノード210のセンシングデータを収集し、これを有無線通信網を介してセンシングデータ管理サーバ230に伝達するゲートウェイの役割を行う。ここで、有無線通信網とは、シンクノード215とセンシングデータ管理サーバ230とを中継する通信網であり、本発明の実施形態においてはインターネット網や移動通信網(例えば、CDMA網)で構成される。しかしながら、必ずしもこれにのみ限定される必要はなく、GPS網やWPAN(Wireless Personal Area Network)網などで構成することも可能である。
【0030】
シンクノード215は、大体的な構成がセンサノード210と類似しているが、センシング機能を行わず無制限エネルギーが供給されるという点において区別される。シンクノード215は、このような点を勘案する場合、本発明の実施形態において基地局(Base station)に代替することも可能である。基地局は移動式または固定式の無線局を言うが、本発明の実施形態において有無線通信網が移動通信網で構成される場合は、特に基地局への代替が好ましいであろう。
【0031】
センシングデータ管理サーバ230は、シンクノード215からセンシングデータが伝達され、これを処理する機能を行うサーバである。このようなセンシングデータ管理サーバ230は、本発明の実施形態においてセンシングデータに基づいてセンサフィールド220に異常発生現象があるか否かを判別し、その結果をセンシングデータ管理データベース235に記録したり観察者端末機240に提供する機能を実行する。
【0032】
センシングデータ管理データベース235は、センシングデータ管理サーバ230が生成したデータを格納したり、各種情報を含んでいるデータベースを提供する。このようなセンシングデータ管理データベース235は、本発明の実施形態においてセンシングデータとセンシングデータ管理サーバ230の解釈/判別結果値を格納する。
【0033】
観察者端末機240は、センサフィールド220にセンサノード210を設置した者またはセンシングデータの結果値を要請する者が接続する端末機である。このような観察者端末機240は、本発明の実施形態において前記結果値を表示したり、これをセンシングデータ管理サーバ230に要請する機能を実行する。一方、本発明では、センシングデータ管理サーバ230が観察者端末機240から接続が要請される場合、前記観察者端末機240を認証する(すなわち、前記観察者端末機240を介して接続要請する者が正当な者であるか否かを判別する)ことが好ましい。これは、センシングデータまたはその結果値に対する保安性をより向上させるためである。
【0034】
一方、無線センサネットワークシステム200は、管理者端末機をさらに備えることができる。管理者端末機は、センシングデータ管理サーバ230の運用に責任を負う管理者が接続する端末機であり、本発明の実施形態においてセンシングデータ管理サーバ230に随時接続して正常状態で運用されているかをチェックする機能を実行する。
【0035】
以上、上述した本発明に係る無線センサネットワークシステム200は、センサノード210間にセンシングデータを含んだパケットを送受信するときに、このパケットの送受信時刻をチェックし、チェックされた時刻を用いてパケットを送受信するセンサノード210間の距離を測定することを特徴とする。無線センサネットワークシステム200のこのような機能を考慮し、本発明に係るセンサノード210は、パケットの送信時間を測定し、他のセンサノードから伝達されたパケットの送信時間とこのパケットの受信時間を用いて前記センサノードとの距離を計算する役割を実行する。以下、このようなセンサノード210ついてさらに詳しく説明する。
【0036】
図3は、本発明の好ましい実施形態に係る無線センサネットワークシステムに備えられるセンサノードの内部構成を概略的に示すブロック図である。前記図3に示したように、本発明の好ましい実施形態に係るセンサノード210は、センシング部310と、制御部320と、通信部330と、電源部340と、パケット送信時間測定部350と、距離推定部360とを備える。
【0037】
センシング部310は、配置された場所に発生する各種イベントを感知する機能を実行する。このようなセンシング部310は、少なくとも1つ以上のセンサを含んでなされる。
【0038】
制御部320は、センサノード210の全体的な作動を制御(演算処理)する機能を実行する。このような制御部320は、本発明の実施形態において超小型/低電力MCU(Micro Controller Unit)で実現されることが好ましい。この場合、MCUにはCPU、プログラムメモリ、SRAM、EEPROM、ADCなどが集積され、その例としてアトメル社のATMega128L、TIのMSP430、マイクロチップのPIC18Fなどがある。一方、制御部320はA/D Converterを含んでおり、センシング部310が感知したアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を実行することもできる。
【0039】
通信部330はアンテナ331を備えており、センシングデータ(またはイベント)を含むパケットを外部に送信したり、他のセンサノード210から送信されたパケットを受信する機能を実行する。このような通信部330は、本発明の実施形態において送受信パケットを感知するパケット感知部332を備えることを特徴とする。
【0040】
電源部340は、センサノード210の円滑な駆動が可能なようにセンサノード210を構成する各部にエネルギーを供給する機能を実行する。このような電源部340は、例えばバッテリである発電機(power generator)を用いて実現することができる。
【0041】
パケット送信時間測定部350は、通信部330のパケット送受信時刻を測定する機能を実行する。このようなパケット送信時間測定部350は、時間を測定するタイマー(timer)で実現することができ、具体的には、往復所要時間(RTT)を測定できるように時間分解能(time resolution)を有するカウンタ351と、通信部330のパケット送受信時にカウンタ値を格納することができるレジスタ352とを備えることができる。本発明の実施形態において、パケット送信時間測定部350が測定したパケットの送受信時刻を記録する機能は制御部320が担当し、このために制御部320はパケットの準備および送受信にも関与する。しかしながら、本発明の実施形態においては、制御部320の代わりに前記機能を実行する測定時間管理部を別途で備えることも可能である。
【0042】
パケット送信時間測定部350がカウンタ351とレジスタ352で実現される場合、本発明の実施形態では次のように作動する。まず、制御部320は、制御信号aを介して通信部330の動作を制御し、データバスbを介して通信部330とパケット送受信データを交換する。また、制御部320は、パケット送信時間測定部350から時刻情報を読み取る。パケット感知部332は、通信部330がパケットを送信したり受信するとき、パケットヘッダーの一定パターン(すなわち、パケットのプリアンブル(preamble)またはパケット開始指示子)を監視する。パケット感知部332が一定パターンを感知すれば、即時に制御部320の外部インターラプト入力端子であるINT_1 321とレジスタ352のEnable353にパケット送受信感知信号cを印加する。印加された信号cを基準として、レジスタ352は、カウンタ351から現在のカウンタ値を読み取って格納する。この後、制御部320がレジスタ352に格納された値を読み取った後、印加された信号cの発生時点を計算する。
【0043】
図6は、制御部320に備えられるINT_1 321のインターラプトハンドラについての内容である。具体的に、通信部330がパケット送受信感知信号cを制御部320に印加させたとき、制御部320の作動についての内容である。
【0044】
上述したように、レジスタ352がカウンタ値を格納すれば、制御部320は印加された信号cの発生時点、すなわちパケット送信時間(またはパケット受信時間)を算出する(S600)。算出される時間は、制御部が有していた「msec_unit+1000×{sec_unit+60×(min_unit+60×hour_unit)}」とレジスタに格納されたカウンタ値とを合算して得ることができる。この後、制御部320は、すべての通信が終了したかを確認し(S610)、通信が終了した場合には自分がパケット伝達引き延ばし時間Δtを計算するかを判別する(S620)。もし、自分がパケット伝達引き延ばし時間を計算しなければならなければ、制御部320は、数式(2)と数式(3)を用いて他のセンサノードまでのパケット伝達引き延ばし時間を計算する(S630)。パケット伝達引き延ばし時間Δt、数式(2)、および数式(3)については、図4および図5を参照しながら以下で詳細に説明する。
【0045】
カウンタ351は、多数のフリップフロップ(flip−flop)で構成されたディバイスであり、機能が単純で価格が低廉である。さらに、カウンタ351は、ハードウェア(H/W)のみで構成されるため、動作反応速度が極めて速いという長所もある。また、所定周期が経過した後、カウンタ351に自動でオーバーフロー(over flow)が発生すれば、カウンタ351はこの事実に対する信号を制御部320の外部インターラプト入力端子であるINT_2 322に印加させるため、制御部320はGPIO_1 323を介してカウンタ351をリセット(reset)させるなど、内部時刻情報を更新させることができる。
【0046】
このように、システム性能が制限されるセンサノード210であっても、このようなパケット送信時間測定部350が与える負担は極めて少ない。これだけでなく、細密な時刻測定に対するノード負荷を減少させるという効果も得ることができる。
【0047】
図7は、制御部320に備えられるINT_2 322のインターラプトハンドラについての内容である。具体的に、カウンタ351からオーバーフロー信号が印加された場合の制御部320の作動に関するものである。本発明の実施形態においてカウンタ351は、1ms周期でINT_2 322にオーバーフロー信号を印加するが、用いるカウンタ351とクロック周波数に応じてINT_2 322に印加される信号の周期は異なることがある。
【0048】
まず、nmsec(n=0以上の有理数)単位でINT_2 322 に入力される信号に応じ、制御部320は、カウンタ351が再び動作できるように命令する(S700)。この後、制御部320はmsec_unitを増加させ、msec_unit変数が1000であるかを判別する(S710)。msec_unit変数が1000でなければ終了するが、msec_unit変数が1000であればmsec_unit変数を0に設定し、秒(second)を格納するsec_unit変数値を増加させる。この後、sec_unit変数が60であるかを判別する(S720)。sec_unit変数が60でなければ終了するが、sec_unit変数が60であればsec_unit変数を0に設定し、分(minute)を格納するmin_unit変数値を増加させる。この後、min_unit変数が60であるかを判別する(S730)。min_unit変数が60でなければ終了するが、min_unit変数が60であればmin_unit変数を0に設定し、時(hour)を格納するhour_unit変数値を増加させる。この後、hour_unit変数が24になれば0で初期化する(S740)。
【0049】
以上により、1msec以下の精密な時刻測定はカウンタ351が担当し、1msec以上の時刻測定は制御部320が管理する場合、インターラプト発生頻度を大幅に減少させ、制御部320に印加される負荷を大きく減らすことができるようになる。
【0050】
再び図3を参照しながら説明する。
距離推定部360は、他のセンサノードから伝達されたパケットの送信時間とパケット送信時間測定部350が測定したこのパケットの受信時間とを用いて、前記センサノードとの距離を推定する機能を実行する。距離推定部360の距離推定方法は、図面を参照しながら以下で詳細に説明するため、ここではその内容を省略する。
【0051】
一方、センサノード210は、レジスタ362と別途に格納部をさらに備えることができる。このとき、格納部はセンシングデータ(Sensing Data)やセンサデータ(Sensor Data)を格納する。センシングデータは、センシング部310によって測定された状況情報であるイベントを意味し、温度、湿度、振動などに対する測定値で表現することができる。また、センサデータは、センサノード210自体に対する情報、すなわちノード名、ID、位置、ネットワークアドレスなどを意味する。センサデータは、センサノード210のメモリ限界を勘案してセンシング情報管理データベース235に格納されることがより好ましい。
【0052】
次に、本発明に係るセンサノード(以下、第1センサノードという。)が他のセンサノード(以下、第2センサノードという。)とのパケット交換によって、2つのセンサノード間の距離を推定する方法を説明する。図4は、本発明の好ましい実施形態に係る2つのセンサノード間の距離を推定する方法を示すフローチャートである。また、図5は、本発明の好ましい実施形態に係る第1センサノードが第2センサノードとの距離を推定するために互いに通信する過程を示すフローチャートである。
【0053】
従来には、パケットにこのパケットの送信時間を含んで送信することによってセンサノードがパケットの往復所要時間を計算した。ところが、この送信時間は、パケットを生成した時間に遅延時間を合算した値であり、遅延時間はパケットを生成した時点からパケットを送信する予定時点までの時間差から求めた。しかしながら、この送信時間は、パケット送信のたびに変更される遅延時間により、実際の値とは多くの差を見せた。これにより、本発明では、パケットの送信時間の正確な測定と伝達のために、パケット送信時間は図3の通信部330、パケット送信時間測定部350、制御部320などを用いて取得し、このときの時間情報は次のパケットに含んで送信する方法を提案する。以下、図4および図5を参照しながら詳細に説明する。
【0054】
一般的に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)プロトコルの場合、(RTS−CTS)−(DATA−ACK)の順序でパケット交換がなされる。1番目のパケット交換過程(RTS−CTS)(S400)で、まず、第1センサノード510は、通信部330を介して第2センサノード520にRTS(Request To Send)パケットを送信し、パケット送信時間測定部350を用いて前記RTSパケットの送信時間S(t)を測定記録する(S401)。この後、第2センサノード520がパケット送信時間測定部350を用いてRTSパケットの受信時間R(t)を測定記録する(S402)。その後、第2センサノード520は、RTSパケットの応答としてR(t)を記録したCTS(Clear To Send)パケットを第1センサノード510に送信し、パケット送信時間測定部350を用いてCTSパケットの送信時間R(t)を測定記録する(S403)。この後、第1センサノード510は、CTSパケットの受信時間S(t)を測定記録する(S404)。
【0055】
以上のS401〜S404により、第1センサノード510は、S(t)、R(t)、S(t)を確保することができる。しかしながら、距離推定部360が2つのセンサノード510、520の距離を計算するためには、パケット伝達引き延ばし時間Δtが必要となる。また、このパケット遅延時間を求めるためには、R(t)が必要となる。第1センサノード510のR(t)確保は、2番目のパケット交換過程(DATA−ACK)(S410)を介して達成することができる。具体的に、第2センサノード520がDATAパケットに対する応答としてACK(ACKnowledgement)パケットを送信するときに、このACKパケットに含んで送信する。
【0056】
2番目のパケット交換過程を構成する詳細なステップは、次のとおりである。まず、第1センサノード510がDATAパケットを送信し、DATAパケットの送信時間S(t)を測定記録する(S411)。この後、第2センサノード520がDATAパケットの受信時間R(t)を測定記録する(S412)。この後、第2センサノード520がR(t)と R(t)を含んだACKパケットを送信し、ACKパケットの送信時間R(t)を測定記録する(S413)。この後、第1センサノード510がACKパケットの受信時間S(t)を測定記録する(S414)。
【0057】
ところが、S(t)、R(t)、R(t)、S(t)を用いて推定した2つのセンサノード510、520間の距離が正確であるかを検証する必要がある。これにより、本発明の実施形態においては、2番目のパケット交換過程の後、第2センサノード520がR(t)に対する情報を含んだT_ACKパケットを送信する(S420)。そうすると、第1センサノード510は、S(t)、R(t)、R(t)、S(t)も確保して、2つのセンサノード510、520間の距離をより正確に測定できるようになる。
【0058】
Slotted CSMA/CAプロトコルの場合、2つのセンサノード510、520がパケットを交換することができる総時間が一定に割り当てられる。これにより、第2センサノード520がACKパケットを送信した後にも多くの時間が残っていることがある。したがって、パケット伝達引き延ばし時間Δtの正確度を改善するために、本発明の実施形態においては、残っている時間の間に継続してパケット交換過程がなされるようにすることが好ましい。
【0059】
S420ステップの後、第1センサノード510の距離推定部360は、確保されたS(t)、R(t)、R(t)、S(t)、およびS(t)、R(t)、R(t)、S(t)を用いて、第2センサノード520までのパケット伝達引き延ばし時間Δtを計算する(S430)。
【0060】
2つのセンサノード510、520間のパケット伝達引き延ばし時間Δtは、次のように求めることができる。まず、任意のk番目のパケット交換過程において、第1センサノード510が第2センサノード520に送信する要請パケットをQ(reQuest)パケットとし、第2センサノード520が第1センサノード510に送信する応答パケットをW(ansWer)パケットと仮定する。そうすると、第1センサノード510がWパケットを受信するS(t4k)は、数式(1)のように定義される。
【0061】
[数1]
S(t4k)=S(t4k−3)+Δtk+{R(t4k−1)−R(t4k−2)}+Δt・・・(1)
前記数式において、S(t4k)は第1センサノード510のWパケット受信時間、S(t4k−3)は第1センサノード510のQパケット送信時間、R(t4k−2)は第2センサノード520のQパケット受信時間、R(t4k−1)は第2センサノード520のWパケット送信時間、Δtは第1センサノード510から第2センサノード520へのパケット伝達引き延ばし時間または第2センサノード520から第1センサノード510へのパケット伝達引き延ばし時間である。
したがって、前記数式(1)から、パケット伝達引き延ばし時間Δtは数式(2)のように求めることができる。
【0062】
[数2]
Δtk=[S(t4k)−S(t4k−3)−{R(t4k−1)−R(t4k−2)}]/2・・・(2)
【0063】
ところが、上述したようにCSMA/CAプロトコルの場合、2回のパケット交換過程を介して2つのパケット伝達引き延ばし時間Δtを求めることができる。したがって、この場合には、2つの値のうちで小さい値をパケット伝達引き延ばし時間として決定する。一方、Slotted CSMA/CAプロトコルの場合、N回のパケット交換過程を介してN個のパケット伝達引き延ばし時間を求めることができる。この場合には、N個の値に対する平均値をパケット伝達引き延ばし時間として決定する。以上の内容を整理してみれば、数式(3)のとおりとなる。
【0064】
【数3】

【0065】
S430ステップの後、距離推定部360は、取得されたパケット伝達引き延ばし時間を用いて2つのセンサノード510、520の距離を推定する(S440)。2つのセンサノード510、520の距離推定式は、数式(4)のとおりとなる。
【0066】
[数4]
d=V×Δt・・・(4)
前記数式において、dは2つのセンサノード間の距離であって単位はmeterであり、Vはパケットの伝達速度(一般的に無線の場合、V=3×10m/s)である。
【0067】
一方、本発明の実施形態において、第2センサノード520が第1センサノード510までの距離を推定することも可能である。第2センサノード520のこのような機能を可能とするためには、第1センサノード510からS(t)、S(t)、S(t)、S(t)が提供されなければなならい。ところが、これは、上述した図4および図5から容易に類推することができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0068】
以上のように、図3のセンサノードを用いて、図4および図5にしたがってパケット伝達引き延ばし時間を計算して2つのセンサノード間の距離を推定すれば、従来とは異なり、図8に示すように、パケットを送信するノード110の送信時刻(ニ)と送信記録時刻(ホ)の時間差(ヘ)、パケットを受信するノード120の受信時刻(イ)と受信記録時刻(ロ)の時間差(ハ)を大幅に減らすことができるようになる。
【0069】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正、変更、および置換が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態および添付の図面は、本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施形態および添付の図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は、添付の請求範囲によって解釈されなければならず、これと同等な範囲内に存在するすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、センサネットワーク、無線LANなどでの使用が可能であり、病院での患者探し、迷子探し、港湾コンテナの位置確認などに応用することができる。特に、本発明は、GPS通信網を用いずに室内での特定物の位置を正確に把握することができるため、病院、博物館などの建物室内で人を探すのに有用に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
110:送信ノード
120:受信ノード
200:無線センサネットワークシステム
210:センサノード
215:シンクノード
230:センシングデータ管理サーバ
240:観察者端末機
310:センシング部
320:制御部
330:通信部
332:パケット感知部
340:電源部
350:パケット送信時間測定部
360:距離推定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)相手ノードに送信する送信信号の送信時間と前記送信信号に応答して前記相手ノードから受信される受信信号の受信時間とを測定し、前記受信信号または前記受信信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記送信信号の受信時間と前記受信信号の送信時間が与えられるステップ;および
(b)前記(a)ステップで取得されたすべての信号の送受信時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定するステップ;
を含むことを特徴とする無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項2】
前記(a)ステップは、
(aa)質問したり保有中であるデータを提供するために相手ノードに送信する通知信号の送信時間または前記通知信号に応答する応答信号の受信時間を測定し、前記応答信号または前記応答信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記通知信号の受信時間または前記応答信号の送信時間が与えられるステップ;または
(aa’)質問したり保有中であるデータを提供しようと相手ノードが送信する通知信号の受信時間または前記通知信号に応答する応答信号の送信時間を測定し、前記通知信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記通知信号の送信時間または前記応答信号の受信時間が与えられるステップ;
であることを特徴とする、請求項1に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項3】
前記(a)ステップは、2つのノードがデータ交換を2回することができるように、一定に割り当てられた時間内で最大限に可能なN回を繰り返すことを特徴とする、請求項1に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項4】
前記(aa)ステップが2回繰り返す場合、
(aa1)前記相手ノードに通信可能であるか否かを確認する第1信号を送信し、前記第1信号の送信時間を測定するステップ;
(aa2)前記相手ノードから前記第1信号の受信時間を含む第2信号を受信すれば、前記第2信号の受信時間を測定し、センシングデータを含む第3信号を送信し、前記第3信号の送信時間を測定するステップ;
(aa3)前記相手ノードから前記第2信号の送信時間と前記第3信号の受信時間とを含む第4信号を受信するステップ;および
(aa4)前記相手ノードから前記第4信号の送信時間を含む第5信号を受信するステップ;
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項5】
前記(aa’)ステップが2回繰り返す場合、
(aa’1)前記相手ノードから通信可能であるか否かを確認する第1信号を受信すれば、前記第1信号の受信時間を測定するステップ;
(aa’2)前記相手ノードに前記第1信号に応答する第2信号を送信し、前記第2信号の送信時間を測定するステップ;
(aa’3)前記相手ノードから前記第1信号の送信時間と前記第2信号の受信時間とが含まれた第3信号を受信すれば、前記第3信号の受信時間を測定するステップ;
(aa’4)前記相手ノードに前記第3信号の送信時間要請を含んだ第4信号を送信し、前記第4信号の送信時間を測定するステップ;および
(aa’5)前記相手ノードから前記第3信号の送信時間および前記第4信号の受信時間を含む信号を受信するステップ;
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項6】
前記(b)ステップは、
(ba)前記(a)ステップで取得されたすべての信号の送受信時間を用いて前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間を計算するステップ;および
(bb)前記計算された信号伝達引き延ばし時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定するステップ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項7】
前記(ba)ステップでは、下記の数式を用いて前記信号伝達引き延ばし時間を計算することを特徴とする、請求項6に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
[数5]
Δt=[S(t4k)−S(t4k−3)−{R(t4k−1)−R(t4k−2)}]/2
前記数式において、Δtは前記信号伝達引き延ばし時間、S(t4k)は前記応答信号の受信時間、S(t4k−3)は前記通知信号の送信時間、R(t4k−2)は前記相手ノードの前記通知信号受信時間、R(t4k−1)は前記相手ノードの前記応答信号送信時間。
【請求項8】
前記(ba)ステップを介して計算された信号伝達引き延ばし時間が2つである場合、小さい値を前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間として決定し、前記(ba)ステップを介して計算された信号伝達引き延ばし時間が3つ以上である場合、前記信号伝達引き延ばし時間の平均値を前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間として決定することを特徴とする、請求項6に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項9】
前記(bb)ステップでは、下記の数式を用いて前記相手ノードまでの距離を推定することを特徴とする、請求項6に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
[数6]
d=V×Δtk=V×[[S(t4k)−S(t4k−3)−{R(t4k−1)−R(t4k−2)}]/2]
前記数式において、dは前記相手ノードまでの距離、Vはパケットの伝達速度、Δtは前記信号伝達引き延ばし時間、S(t4k)は前記応答信号の受信時間、S(t4k−3)は前記通知信号の送信時間、R(t4k−2)は前記相手ノードの前記通知信号受信時間、R(t4k−1)は前記相手ノードの前記応答信号送信時間。
【請求項10】
時間分解能機能を有するカウンタ;および
前記カウンタが表示するカウンタ値を格納するレジスタ;
を用い、
前記(a)ステップは、下記の数式で導き出された導出値Vと前記レジスタに格納されたカウンタ値とを合算して前記送信時間または前記受信時間を測定することを特徴とする、請求項1に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
[数7]
V=msec_unit+1000×{sec_unit+60×(min_unit+60×hour_unit)}
前記数式において、msec_unitは前記カウンタが測定した秒以下単位の値、sec_unitは前記カウンタが測定した秒単位の値、min_unitは前記カウンタが測定した分単位の値、hour_unitは前記カウンタが測定した時単位の値。
【請求項11】
前記(a)ステップは、前記測定された秒以下単位の値が1000になったり、前記測定された秒単位の値または前記測定された分単位の値が60になったり、または前記測定されたとき単位の値が24になったりすれば、該当単位の値を0に初期化させるステップ、
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定方法。
【請求項12】
相手ノードに送信する送信信号の送信時間と前記送信信号に応答して前記相手ノードから受信される受信信号の受信時間とを測定し、前記受信信号または前記受信信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記送信信号の受信時間と前記受信信号の送信時間が与えられるセンシングノード、
を備えることを特徴とする無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項13】
前記センシングノードは、質問したり保有中であるデータを提供するためのノード、または前記質問や前記データが提供されるノードであることを特徴とする、請求項12に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項14】
前記センシングノードは、前記相手ノードから前記送信信号の受信時間と前記受信信号の送信時間を2つのノードがデータ交換を2回することができるように一定に割り当てられた時間内で最大限に可能なN回が提供されることを特徴とする、請求項12に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項15】
前記センシングノードは、取得されたすべての信号の送受信時間を用いて前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間を計算し、前記計算された信号伝達引き延ばし時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定することを特徴とする、請求項12に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項16】
前記センシングノードは、前記計算された信号伝達引き延ばし時間が2つである場合、小さい値を前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間として決定し、前記計算された信号伝達引き延ばし時間が3つ以上である場合、前記信号伝達引き延ばし時間の平均値を前記相手ノードまでの信号伝達引き延ばし時間として決定することを特徴とする、請求項15に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項17】
前記センシングノードは、下記の数式を用いて前記相手ノードまでの距離を推定することを特徴とする、請求項15に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
[数8]
d=V×Δt=V×[[S(t4k)−S(t4k−3)−{R(t4k−1)−R(t4k−2)}]/2]
前記数式において、dは前記相手ノードまでの距離、Vはパケットの伝達速度、Δtは前記信号伝達引き延ばし時間、S(t4k)は前記応答信号の受信時間、S(t4k−3)は前記通知信号の送信時間、R(t4k−2)は前記相手ノードの前記通知信号受信時間、R(t4k−1)は前記相手ノードの前記応答信号送信時間。
【請求項18】
前記センシングノードは、
前記相手ノードに送信する信号の送信時間と前記送信信号に応答して前記相手ノードから受信される受信信号の受信時間とを測定する時間測定部;および
前記受信信号または前記受信信号の次に受信される信号を介して前記相手ノードから前記送信信号の受信時間と前記受信信号の送信時間が提供されれば、前記提供された時間と前記時間測定部が測定した時間を用いて前記相手ノードまでの距離を推定する距離推定部;
を備えることを特徴とする、請求項12に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項19】
前記時間測定部は、前記送信信号や前記受信信号を感知する信号感知部が感知信号を印加すれば、前記印加された信号の発生時間を測定することを特徴とする、請求項18に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
【請求項20】
前記時間測定部は、
時間分解能機能を有するカウンタ;および
前記カウンタが表示するカウンタ値を格納するレジスタ;
を備え、
下記の数式で導き出された導出値Vと前記レジスタに格納されたカウンタ値とを合算して前記送信時間または前記受信時間を測定することを特徴とする、請求項18に記載の無線センサネットワークにおけるノード間の距離推定システム。
[数9]
V=msec_unit+1000×{sec_unit+60×(min_unit+60×hour_unit)}
前記数式において、msec_unitは前記カウンタが測定した秒以下単位の値、sec_unitは前記カウンタが測定した秒単位の値、min_unitは前記カウンタが測定した分単位の値、hour_unitは前記カウンタが測定した時単位の値。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−50964(P2010−50964A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181750(P2009−181750)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(507373508)クヮンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (28)
【Fターム(参考)】