説明

無線センサーネットワークシステム

【課題】 装置据付時に、据付場所の適/不適を容易に判断でき、装置をユーザデータが確実に送受信できる場所に設置することができ、システムの信頼性を向上させることができる無線センサーネットワークシステムを提供する。
【解決手段】 アクセスポイント2又は端末3の被据付装置の据付時に、被据付装置が、予め記憶されている特定送信データをユーザデータとして送信し、中継機1又はアクセスポイント2の固定装置が、被据付装置から受信すると、ユーザデータを読み取って記憶してAckを返信し、特定回数連続してAckを返信した場合に、予め当該被据付装置と対応付けて記憶されている特定受信データと特定回数の受信におけるユーザデータとを比較照合し、特定回数分の比較結果を受信成績データとして被据付装置に送信し、被据付装置が、受信成績データに基づいてLEDの点灯の態様を変えて表示する無線センサーネットワークシステムとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサーネットワークシステムに係り、特に、アクセスポイントや端末の据付場所を適切に選択可能として、ネットワークにおける通信の信頼性を向上させることができる無線センサーネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[無線センサーネットワーシステムの概要]
オフィスビル、工場、ホテル、デパート、病院等の施設に、電気、ガス、上下水道等のサービスが提供されており、サービスの運用状況について監視するために、センサーと無線端末とを接続し、無線信号で監視状況のデータを収集する無線センサーネットワークが知られている。
【0003】
無線センサーネットワークシステムは、電気、ガス等のサービスの運用が正常に為されているかを監視するにとどまらず、火災や外部からの侵入も監視でき、サービスが無駄なく適正に運用されるよう制御することで、地球温暖化抑制のための省エネルギー対策の基盤技術として脚光を浴びてきている。
【0004】
[無線センサーネットワークシステムの構成例:図6]
無線センサーネットワークシステムの構成例について図6を用いて説明する。図6は、無線センサーネットワークシステムの構成例を示す説明図である。
図6に示すように、無線センサーネットワークシステムは、中継機1と、アクセスポイント2と、複数の端末3と、複数の各種センサー4と、監視サーバ5とを備えている。
中継機1は、地区毎に設けられ(ここでは地区A)、LAN(Local Area Network)によって監視サーバと接続されている。
アクセスポイント2は、地区内のエリア毎に設けられ(ここではエリアA,エリアB,エリアC)、複数の端末3及び中継機1と無線通信を行う。使用される周波数はエリア毎に異なる。
各端末3には各種センサー4が接続され、端末3は、各種センサー4からのデータを無線によって自己のエリアのアクセスポイント2に送信する。
【0005】
そして、上記構成の無線センサーネットワークシステムにおいては、端末3は、各種センサー4から入力された監視データを記憶しておき、随時又は定期的にアクセスポイント2に無線送信する。
アクセスポイント2は、端末3から受信したデータを記憶し、随時又は定期的に中継機1に無線送信する。
中継機1は、無線で受信した各エリアの端末情報(センサ情報)をTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに変換して、LANを介して監視サーバ5に送信する。
【0006】
[従来の無線センサーネットワークシステムにおける据付方法:図7]
次に、従来の無線センサーネットワークシステムにおける据付方法について図7を用いて説明する。図7は、従来の無線センサーネットワークシステムにおける据付時の動作を示す説明図である。
無線センサーネットワークシステムでは、アクセスポイント2や端末3(被据付装置)の据付時に、通信相手となる装置と確実に通信を行うことができるように、据付時に所定の送受信動作を行って、その結果をLED(Light Emitting Diode)やブザーで作業者に報知し、通信状態のよい適切な場所に装置を設置するようにしている。尚、被据付装置の通信相手は既に設置場所が固定された中継機1やアクセスポイント2等の装置(固定装置)である。
【0007】
図7では、アクセスポイント2の据付時の動作を示しており、アクセスポイント2と既に固定設置されている中継機1との間で無線送受信を行うが、端末3の据付時には、同様の動作を端末3と既に設置されたアクセスポイント2との間で行う。
【0008】
据付時の動作を行うために、中継機1及びアクセスポイント2には、固定装置の動作モードとして「据付受信モード」が設けられており、アクセスポイント2及び端末3には被据付装置の動作モードとして「据付送信モード」が設けられている。
そして、各装置には各動作モードに応じた処理プログラムが記憶されており、外部から動作モードが設定された場合には、制御部が処理プログラムを起動することにより、所定の動作を実現するようになっている。
【0009】
また、動作状態や送受信の結果を作業員に報知するために、アクセスポイント2及び端末3には緑色と赤色のLEDが設けられ、中継機1には緑色のLEDが設けられている。更に、アクセスポイント2及び端末3にはブザーが設けられている。
【0010】
[フェーズ1:図7(a)]
図7(a)に示すように、アクセスポイント2の据付時には、フェーズ1として、まず、固定装置である中継機1を据付受信モードに設定する。これにより、中継機1は受信動作を試行し、緑色LEDを点灯する。受信動作の回数は無限回とする。
【0011】
次に、被据付装置であるアクセスポイント2を据付送信モードに設定する。これにより、アクセスポイント2は送信動作を試行し、送信元(自己)を示すデータを中継機1宛に送信し、赤色LEDを点灯する。送信動作の回数は無限回とする。
【0012】
中継機1は、アクセスポイント2からの送信データの受信に成功すると、Ackデータをアクセスポイント2に応答する。
アクセスポイント2は、中継機1からのAckデータを3回連続して受信すると、送受信成功として緑色LEDを点灯する。これにより、アクセスポイント2では、赤色と緑色のLEDが両方点灯する。
【0013】
[フェーズ2:図7(b)]
そして、フェーズ2として、中継機1は3回連続してAckを送信すると、当該アクセスポイント2は送受信可能なエリアに設置されたとして、当該アクセスポイント2に対して、自装置内部で管理している時刻データを送信する。送信回数は20回とする。
【0014】
アクセスポイント2は、中継機1からの時刻データの受信に成功すると、自装置内部の時刻を受信した時刻データに基づいて設定し、据付成功として、緑色LEDを点灯し、赤色LEDを消灯し、ブザーを鳴音する。
作業者は、緑色LEDの点灯およびブザーの鳴音により、当該アクセスポイント2の据付は成功したと判断し、設置場所を確定する。
【0015】
また、アクセスポイント2は、中継機1からの時刻データの受信に失敗すると、赤色LEDを点灯して緑色LEDを消灯し、ブザーを鳴音する。
作業者は、赤色LEDの点灯により、当該アクセスポイント2の設置場所は不適切であると判断して、別の設置場所を選択し、フェーズ1から同様の動作を繰り返す。
このようにして無線センサーネットワークシステムにおける各装置の据付時の動作が行われるものである。
【0016】
[無線フレーム:図8]
無線センサーネットワークシステムにおける無線フレームについて図8を用いて説明する。図8は、無線センサーネットワークシステムにおいて用いられる無線フレームの構成を示す説明図である。
図8に示すように、無線センサーネットワークシステムにおける無線フレームは、同期部とデータ部とから構成され、同期部は、ガードタイム(G)、プリアンブル(P:Preamble)、同期ワード(Sync)、ガードタイム(G)から成り、データ部は、システム情報を含むINFOと、送受信するユーザデータを含むDATAとから成る。
【0017】
そして、従来の無線センサーネットワークシステムでは、アクセスポイント2の据付時において、中継機1は、アクセスポイント2からの送信データを受信した場合に、その中のINFOデータを読み取って受信の成否を判断している。端末3の据付時におけるアクセスポイント2も同様である。
そのため、DATA部に含まれるユーザデータが異常となってしまっていてもINFO部のデータが正常であれば、中継機1は正常受信と判断してアクセスポイント2にAckデータを送信してしまう。
【0018】
これにより、従来の無線センサーネットワークシステムでは、据付時に、作業員が、ユーザデータが正常に受信できたりできなかったりする不安定な場所に被据付装置を据え付けていても、3回続けてAckを受信すると、そこが十分高感度で受信可能な場所であると誤認識してしまう恐れがある。
【0019】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2007−195095号公報「無線センサシステム」(出願人:興和株式会社:特許文献1)、特開2008−28514号公報「ノードシステム」(出願人:日立電子サービス株式会社:特許文献2)、特開2009−111455号公報「センサネットシステム及びサーバ計算機」(出願人:日立電子サービス株式会社:特許文献3)がある。
【0020】
特許文献1には、無線センサ装置の設置時に、無線センサ装置からサンプル信号を送信し、無線基地局はその受信感度を検知して検知結果を応答し、無線センサ装置はLEDやブザーにより検知結果に応じた受信感度を報知することにより、最適設置場所を検知できることが記載されている。
【0021】
特許文献2には、ノードと管理サーバを備え、ノードを通常使用モードから設置モードに切り替えた場合に、管理サーバからの受信電界強度を検出し、検出レベルに応じた表示を行ってノード設置場所を容易にすることが記載されている。
【0022】
特許文献3には、サーバ計算機が、センサノードの運用中に、センサノードと中間ノードの通信品質を監視し、通信品質が悪化した場合には、最も通信品質の高い中間ノードを選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2007−195095号公報
【特許文献2】特開2008−28514号公報
【特許文献3】特開2009−111455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、従来の無線センサーネットワークシステムでは、固定装置が、据付受信モードにおいて、受信フレームのINFOデータを読み取って受信の成否を判断していたので、被据付装置がユーザデータの送受信が不安定な場所にあっても据付成功としてしまう恐れがあるという問題点があった。
【0025】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、装置据付時に、据付場所の適/不適を容易に判断でき、装置をユーザデータが確実に送受信できる場所に設置することができ、システムの信頼性を向上させることができる無線センサーネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、エリア内に設けられたセンサーに接続し、センサーから入力されたデータを無線送信する端末と、端末から送信されたデータを受信して無線送信するアクセスポイントと、アクセスポイントから送信されたデータを受信して上位装置に送信する中継機とを備えた無線センサーネットワークシステムであって、中継機又はアクセスポイントを固定装置とし、アクセスポイント又は端末を被据付装置とし、固定装置が、制御部と、記憶部とを備え、記憶部が、予め当該固定装置と無線通信を行う被据付装置と特定のデータとを対応付けて記憶しており、固定装置の制御部が、動作モードとして据付受信モードが設定されると、受信動作を開始し、被据付装置からの受信信号に含まれる制御データに基づいて被据付装置からの受信の有無を判断し、受信したと判断した場合には、被据付装置に応答を送信し、受信データにユーザデータとして含まれるデータを記憶部に記憶しておき、被据付装置から特定回数受信すると、記憶されたユーザデータを当該被据付装置に対応付けて記憶されている特定のデータと比較し、特定回数分の比較結果を受信成績データとして被据付装置に送信し、被据付装置が、制御部と、表示手段を備え、被据付装置の制御部が、動作モードとして据付受信モードが設定されると、予め設定された特定のデータをユーザデータとして含む送信信号を固定装置宛に送信し、前記固定装置からの応答を特定回数連続して受信した場合に、受信成績データの受信動作を行い、設定回数以内の受信動作で固定装置から受信成績データを受信した場合には、当該受信成績データに基づいて、表示手段の点灯の態様を変えて表示することを特徴としている。
【0027】
また、本発明は、上記無線センサーネットワークシステムにおいて、固定装置の制御部が、特定回数分の比較結果が全て一致であった場合に、受信成績データと共に時刻データを送信し、被据付装置の制御部が、固定装置から受信成績データと共に時刻データを受信すると、当該受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変えて表示すると共に、当該被据付装置内部の時刻を時刻データに基づいて設定することを特徴としている。
【0028】
また、本発明は、上記無線センサーネットワークシステムにおいて、固定装置の制御部が、特定回数分の比較結果が全て一致ではなかった場合に、時刻データを送信することなく受信成績データを送信し、被据付装置の制御部が、固定装置から受信成績データのみを受信すると、当該被据付装置内部の時刻を設定せずに、当該受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変えて表示することを特徴としている。
【0029】
また、本発明は、上記無線センサーネットワークシステムにおいて、被据付装置の制御部が、設定回数以内の受信動作で固定装置からの受信成績データを受信できなかった場合には、受信成績データを受信した場合の態様とは異なる態様で表示手段を点灯させることを特徴としている。
【0030】
また、本発明は、上記無線センサーネットワークシステムにおいて、被据付装置が、複数の表示手段を備え、固定装置からの受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変える代わりに、受信成績データに基づいて点灯させる表示手段の数を変えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、エリア内に設けられたセンサーに接続し、センサーから入力されたデータを無線送信する端末と、端末から送信されたデータを受信して無線送信するアクセスポイントと、アクセスポイントから送信されたデータを受信して上位装置に送信する中継機とを備えた無線センサーネットワークシステムであって、中継機又はアクセスポイントを固定装置とし、アクセスポイント又は端末を被据付装置とし、固定装置が、制御部と、記憶部とを備え、記憶部が、予め当該固定装置と無線通信を行う被据付装置と特定のデータとを対応付けて記憶しており、固定装置の制御部が、動作モードとして据付受信モードが設定されると、受信動作を開始し、被据付装置からの受信信号に含まれる制御データに基づいて被据付装置からの受信の有無を判断し、受信したと判断した場合には、被据付装置に応答を送信し、受信データにユーザデータとして含まれるデータを記憶部に記憶しておき、被据付装置から特定回数受信すると、記憶されたユーザデータを当該被据付装置に対応付けて記憶されている特定のデータと比較し、特定回数分の比較結果を受信成績データとして被据付装置に送信し、被据付装置が、制御部と、表示手段を備え、被据付装置の制御部が、動作モードとして据付受信モードが設定されると、予め設定された特定のデータをユーザデータとして含む送信信号を固定装置宛に送信し、前記固定装置からの応答を特定回数連続して受信した場合に、受信成績データの受信動作を行い、設定回数以内の受信動作で固定装置から受信成績データを受信した場合には、当該受信成績データに基づいて、表示手段の点灯の態様を変えて表示するとしているので、作業者は、表示手段の点灯の態様によって、被据付装置から送信されたユーザデータがどの程度正確に固定装置に受信されたかを把握でき、被据付装置の据え付け場所の適/不適を容易に判断することができ、それに基づいて通信の信頼性が十分良好な場所に被据付装置を設置して、無線センサーネットワークシステムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0032】
また、本発明によれば、固定装置の制御部が、特定回数分の比較結果が全て一致であった場合に、受信成績データと共に時刻データを送信し、被据付装置の制御部が、固定装置から受信成績データと共に時刻データを受信すると、当該受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変えて表示すると共に、当該被据付装置内部の時刻を時刻データに基づいて設定する上記無線センサーネットワークシステムとしているので、被据付装置と固定装置とが確実に無線通信を行える場合のみ被据付装置での時刻設定を可能とし、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0033】
また、本発明によれば、固定装置の制御部が、特定回数分の比較結果が全て一致ではなかった場合に、時刻データを送信することなく受信成績データを送信し、被据付装置の制御部が、固定装置から受信成績データのみを受信すると、当該被据付装置内部の時刻を設定せずに、当該受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変えて表示する上記無線センサーネットワークシステムとしているので、被据付装置と固定装置との間の無線通信が不安定な場所に被据付装置を設置してしまうのを防ぐことができ、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0034】
また、本発明によれば、被据付装置の制御部が、設定回数以内の受信動作で固定装置からの受信成績データを受信できなかった場合には、受信成績データを受信した場合の態様とは異なる態様で表示手段を点灯させる上記無線センサーネットワークシステムとしているので、作業者は、表示手段の点灯態様で、受信成績データを受信できなかったことを認識し、被据付装置の設置場所を変更することができ、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線センサーネットワークシステム(本システム)の構成及び据付時の動作の概要を示す模式説明図である。
【図2】本システムの端末及びアクセスポイントの構成を示す構成ブロック図である。
【図3】本システムにおける据付時の動作を示す説明図である。
【図4】固定装置の据付受信モードにおける処理を示すフローチャートである。
【図5】被据付装置の据付送信モードにおける処理を示すフローチャートである。
【図6】無線センサーネットワークシステムの構成例を示す説明図である。
【図7】従来の無線センサーネットワークシステムにおける据付時の動作を示す説明図である。
【図8】無線センサーネットワークシステムにおいて用いられる無線フレームの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る無線センサーネットワークシステムは、装置の据付時に被据付装置と上位の固定装置との間で通信を行うものであり、被据付装置が、据付送信モードにおいて、予め設定されたデータをユーザデータとして送信し、固定装置が、据付受信モードで被据付装置からの信号を受信すると、ユーザデータを読み取って記憶してAckを返信し、3回連続Ackを返信した場合に、3回分のユーザデータを予め当該被据付装置と対応付けて記憶されているデータと照合し、一致するか否かを判断して、当該3回の受信におけるユーザデータの照合結果を受信成績データとして被据付装置に送信し、被据付装置が、受信成績データに基づいてLEDの点灯や点滅の態様を変えて表示するようにしているので、作業者は、LEDの表示パターンによって当該場所における通信の信頼性の程度を認識することができ、据付場所の適/不適を容易に判断することができるものである。
【0037】
また、本発明の実施の形態に係る無線センサーネットワークシステムは、固定装置が、受信成績データを送信する際に、3回の受信における照合結果が全て整合であった場合のみ、自装置で管理している時刻データを付して被据付装置に送信するようにしているので、被据付装置が固定装置と確実に送受信できる場所にあることが明確になった場合のみ時刻設定を可能とし、通信が不安定であった場合には、適切な場所が選択されるまで据付をやり直すことができ、システム全体の信頼性を向上させることができるものである。
【0038】
[実施の形態の構成及び動作概要:図1]
図1は、本発明の実施の形態に係る無線センサーネットワークシステム(本システム)の構成及び据付時の動作の概要を示す模式説明図である。
本システムの構成は、図6を用いて説明した一般的な無線センサーネットワークシステムと同様であり、LANによって監視サーバ5に接続された中継機1と、エリア内に設けられたアクセスポイント2と、各種センサーが接続された複数の端末3とを備えている。
そして、各種センサーから入力されたデータは、端末3から無線通信でアクセスポイント2に送信され、アクセスポイント2から中継機1に無線送信され、中継機1からLANによって監視サーバに送信され、遠隔監視が行われるようになっている。
【0039】
そして、アクセスポイント2や端末3の据付時には、被据付装置から固定装置に予め設定された特定のデータをユーザデータとして無線送信し(1)、固定装置がそれを受信した場合には一旦記憶しておき、Ackを返信する(2)。そして、特定回数受信した場合には、記憶されたユーザデータを予め当該被据付装置に対応して記憶されている特定データと照合し、整合したか否かを示す受信成績データを被据付装置に送信する(3)。
被据付装置では、受信した受信成績データに基づいて異なる態様でLED表示を行って作業者に当該設置場所の適/不適を報知する。
このようにして、本システムにおける据付時の動作が行われる。被据付装置、固定装置の処理については後で詳細に説明する。
【0040】
[アクセスポイント2、端末3の構成:図2]
ここで、本システムにおいて用いられる端末3及びアクセスポイント2の構成について図2を用いて説明する。図2は、本システムの端末3及びアクセスポイント2の構成を示す構成ブロック図である。
図2に示すように、本システムの端末3及びアクセスポイント2は、無線部21と、制御部(CPU:Central Processing Unit)22と、RTC(Real Time Clock)23と、電源回路24と、A/D変換器(ADC)25と、インターフェース26と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read only Memory)27と、メモリ28と、LED29と、バッテリー又は外部電源30とを備えている。
尚、本実施の形態では請求項に記載した表示手段としてLED29を備えているが、表示手段として他の構成を用いてもよい。
【0041】
無線部21は、無線信号の送受信に伴う変復調や増幅等を行う。
制御部22は、EEPROM27に記憶された処理プログラムを起動して、送受信制御等、装置全体の制御を行う。特に、本端末3及びアクセスポイント2では、据付送信モードにおける処理が従来とは一部異なっており、更に、アクセスポイント2では、据付受信モードにおける処理が従来とは一部異なっている。
据付受信モード及び据付送信モードにおける処理については、後で説明する。
【0042】
RTC23は、現在時刻を管理し、制御部22の動作クロックを提供する。
電源回路24は、装置に接続されたバッテリー又は外部電源30から電力の供給を受け、装置全体に電源を供給する。尚、通常、端末3はバッテリーを用い、アクセスポイント2は外部電源を用いる。
A/D変換器25は、電源電圧を検出する。特に、バッテリー駆動の場合には、制御部22がA/D変換器25からの出力に基づいて電源電圧の低下を監視するために用いられる。
インターフェース26は、外部に設けられた各種センサーに接続し、センサーからの監視データを入力して制御部22に出力する。尚、アクセスポイント2では、通常、センサーは接続されていない。
【0043】
EEPROM27は、制御部22における処理プログラムや自己の固有番号等を記憶する。
特に、本システムの端末3では、EEPROM27は、据付送信モードにおいて固定装置にユーザデータとして送信すべきデータ(特定送信データ)を記憶している。
【0044】
また、アクセスポイント2では、EEPROM27に、据付送信モードで用いられる自己の特定送信データに加えて、据付受信モードで用いられる特定受信データを記憶している。特定受信データは、据付受信モードにおいて、自己のエリア内に設置される各端末3から受信されるべき特定のデータであり、端末3毎に固有のデータとなっている。
【0045】
そして、端末3に記憶されている特定送信データと、アクセスポイント2に記憶されている当該端末3に対応する特定受信データとは一致しており、同様に、アクセスポイント2に記憶されている特定送信データと、中継機1に記憶されている当該端末3に対応する特定受信データとは一致している。
【0046】
メモリ28は、センサーからの受信日時及びデータやアクセスポイント2又は中継機1への送信日時等のログを記憶する。
LED29は、赤色LEDと緑色LEDとを備え、制御部22からの指示に従って、点滅や点灯、消灯の動作を行う。
また、図示は省略するが従来と同様にブザーも設けられている。
【0047】
[中継機1の構成]
尚、中継機1は、少なくとも制御部と、記憶部と、無線部と、LANインタフェースを備えたコンピュータであり、記憶部には、据付受信モードの処理プログラムと、当該中継機1と無線通信を行うアクセスポイント2に対応する特定受信データが記憶され、据付受信モードが設定された場合には、制御部が、当該処理プログラムに従って動作を行うようになっている。
据付受信モードにおける処理は後で詳細に説明する。
【0048】
[本システムにおける据付時の動作:図3]
次に、本システムにおける据付時の動作について図3を用いて説明する。図3は、本システムにおける据付時の動作を示す説明図である。図3では、アクセスポイント2の据付時の動作についてアクセスポイント2と中継機1との間の送受信を説明するが、端末3の据付時も同様であり、端末3とアクセスポイント2との間で送受信が行われる。
【0049】
[フェーズ1:図3(a)]
図3(a)に示すように、フェーズ1では、従来と同様に固定装置である中継機1を据付受信モードに設定する。これにより、中継機1は受信動作を試行し、緑色LEDを点灯する。受信動作の回数は無限回とする。
【0050】
次に、被据付装置であるアクセスポイント2を据付送信モードに設定する。
本システムの特徴として、アクセスポイント2(被据付装置)は、据付送信モードにおいて、送信元である自己の固有番号や宛先となる中継機1(固定装置)の固有番号と共に、当該装置固有の特定送信データを送信する。特定送信データは、予めEEPROM27に記憶されており、制御部22は、据付送信モードが設定されると、EEPROM27から当該特定送信データを読み取って、ユーザデータとして送信する。
送信動作を開始すると、アクセスポイント2は赤色LEDを点灯する。送信動作の回数は無限回とする。
【0051】
中継機1は、アクセスポイント2からの送信データを受信すると、従来と同様に制御情報が含まれるINFOデータに基づいて受信の成否を判断し、INFOデータを正常に受信した場合には、本システムの特徴として、それに続くユーザデータを読み取ってEEPROM27又は制御部22内部に記憶し、当該アクセスポイント2にAckデータを送信する。
つまり、本システムの中継機1は、INFOデータに基づいて受信が成功したと判断した際には、ユーザデータに含まれる情報を記憶してからAckを送信するものである。
【0052】
アクセスポイント2は、中継機1からのAckデータを3回連続して受信すると、送受信成功として緑色LEDを点灯する。これにより、アクセスポイント2では、赤色と緑色のLEDが両方点灯する。
【0053】
[フェーズ2:図3(b)]
本システムの特徴として、中継機1には、予めEEPROM27に、各アクセスポイント2に対応する特定受信データが記憶されている。
そして、フェーズ2として、中継機1の制御部22は、3回Ackを送信すると、INFOデータから読み取った送信元のアクセスポイント2の固有番号に対応する特定受信データと、受信した3回分のユーザデータに含まれる特定送信データとを比較する。
そして、一致(整合)したか否かを示す3回分の比較結果を、受信成績データとしてアクセスポイント2に送信する。
【0054】
このとき、中継機1は、3回の受信全てにおいて、記憶している特定受信データと受信したユーザデータに含まれる特定送信データが一致した場合に限り、ユーザデータが正常に受信されたと判断し、受信成績データと共に自己が管理する時刻データを送信する。送信回数は20回とする。
【0055】
アクセスポイント2は、受信動作を20回試行し、中継機1からの受信成績データを受信すると、受信成績データの内容に基づいてLEDの点灯パターンを変えて表示すると共にブザーを鳴音する。
具体的には、受信成績データが、全てのデータ(3回分)が記憶されている特定データと整合したことを示すものであった場合には、アクセスポイント2は、緑色LEDを点灯して赤色LEDを消灯して、ブザーを鳴音し、更に受信した時刻データに基づいて時刻設定を行う。これにより、作業者は、当該アクセスポイント2は、据付に成功したことを認識するものである。
【0056】
また、受信成績データが、2回分整合で1回分不整合であった場合には、アクセスポイント2は、緑色LEDを消灯して、赤色LEDを1回点滅すると共に、ブザーを鳴音する。この場合、中継機1から時刻データは送信されないので、時刻設定は行わない。
【0057】
また、受信成績データが、1回分整合で2回分不整合であった場合には、アクセスポイント2は、緑色LEDを消灯して、赤色LEDを2回点滅すると共にブザーを鳴音する。
受信成績データが、3回分全てで不整合であった場合には、アクセスポイント2は、緑色LEDを消灯して赤色LEDを3回点滅すると共にブザーを鳴音する。
【0058】
更に、20回の受信動作で中継機1からのデータを受信できなかった場合、アクセスポイント2は、緑色LEDを消灯して、赤色LEDを4回点滅すると共にブザーを鳴音する。
【0059】
そして、受信成績データが「全て整合」以外の場合には、INFOデータは中継機1で正常に受信されたがユーザデータの受信は不安定であった、ということであるから、作業者は、より通信状態のよい設置場所に当該アクセスポイント2を移動して、再度フェーズ1から据付動作を行う。
【0060】
このように、本システムのアクセスポイント2では、フェーズ2において、フェーズ1での中継機1の受信成績に応じて、LEDの表示パターンを変えるようにしているので、作業者は、当該場所にアクセスポイント2を据え付けた場合のユーザデータの送受信の精度を認識することができ、不安定な場合にはより適した場所に設置場所を変更できるものである。
【0061】
尚、端末3の据付時には、アクセスポイント2は固定装置となるため、上述した例の中継機1と同様の動作を行い、端末3が被据付装置となって上述した例のアクセスポイント2と同様の動作を行うものである。
【0062】
また、LEDの点灯や点滅の態様を変えるのではなく、例えば、赤色LEDの数を4つに増やして、受信成績データに基づいて、2回整合の場合には赤色LEDを1つ点灯し、1回整合の場合には赤色LEDを2つ点灯し、0回整合の場合には赤色LEDを3つ点灯し、受信成績データを受信できなかった場合には赤色LEDを4つ点灯するようにしてもよい。
【0063】
[据付受信モードにおける処理:図4]
次に、中継機1又はアクセスポイント2における据付受信モードの処理について図4を用いて説明する。図4は、固定装置の据付受信モードにおける処理を示すフローチャートである。
据付受信モードは、据付時に固定装置として動作する場合に設定される動作モードである。
図4に示すように、中継機1又はアクセスポイント2において据付受信モードが設定されると、当該固定装置の制御部22は、受信動作を開始し(100)、被据付装置からのINFOデータを受信したかどうかを判断し(102)、受信した場合には、INFOデータに続くユーザデータを読み取って記憶し(104)、被据付装置にAckを送信する(106)。
【0064】
そして、固定装置の制御部22は、3回連続してAckを送信したかどうかを判断し(108)、3回連続して送信していない場合には(Noの場合)、処理102に戻ってINFOの受信を試みる。
【0065】
処理108で3回連続してAckを送信した場合、固定装置の制御部22は、記憶されている3回分のユーザデータをEEPROM27に記憶されている特定受信データと比較して(110)、比較結果を受信成績データとして被据付装置に送信する(114)。
【0066】
そして、固定装置の制御部22は、当該3回分の比較結果が全て整合であったかどうかを判断し(116)、全て整合であった場合には、自装置の内部で管理している時刻データを被据付装置に送信する(118)。
また、処理116で3回分の比較結果の中に不整合が含まれていた場合には、そのまま処理を終わる。
このようにして、中継機1及びアクセスポイント2における据付受信モードの処理が行われるものである。
【0067】
[据付送信モードにおける処理:図5]
次に、アクセスポイント2又は端末3における据付送信モードの処理について図5を用いて説明する。図5は、被据付装置の据付送信モードにおける処理を示すフローチャートである。
据付送信モードは、被据付装置として動作する場合に設定される動作モードである。
図5に示すように、アクセスポイント2又は端末3において据付送信モードが設定されると、当該被据付装置の制御部22は、赤色LEDを点灯し(200)、EEPROM27に記憶されている特定送信データを読み出してユーザデータに書き込み、固定装置宛に送信する動作を開始する(202)。
そして、被据付装置の制御部22は、固定装置から3回連続してAckを受信したかどうかを判断し(204)、3回連続してAckを受信した場合には、緑色LEDを点灯する(206)。3回連続してAckを受信していない場合には、処理202に戻って送信を行う。
【0068】
そして、被据付装置の制御部22は、固定装置から受信成績データを受信したかどうかを判断し(208)、所定の受信試行回数以内(例えば20回以内)で受信しなかった場合(Noの場合)、緑色LEDを消灯し、赤色LEDを4回点滅させ(218)、処理を終わる。
【0069】
また、処理208で受信成績データを受信した場合(Yesの場合)、被据付装置の制御部22は、受信成績の内容を読み取り(220)、3回整合であれば、受信成績データと共に受信した時刻データに基づいて時刻設定を行い(222)、赤色LEDを消灯し、緑色LEDを点灯する(224)。
【0070】
また、処理220で、2回整合であった場合には、被据付装置の制御部22は、緑色LEDを消灯し赤色LEDを1回点滅させる(226)。
また、処理220で、1回整合であった場合には、非末杖家装置の制御部22は、緑色LEDを消灯し赤色LEDを2回点滅させる(228)。
処理220で、0回整合であった場合には、制御部は、緑色LEDを消灯し赤色LEDを3回点滅させる(230)。
このようにして、据付送信モードにおける処理が行われるものである。
【0071】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る無線センサーネットワークシステムによれば、アクセスポイント2の据付時に、アクセスポイント2が据付送信モードにおいて、予め記憶されている特定送信データをユーザデータとして送信し、中継機1が、据付受信モードにおいてアクセスポイント2からの信号を受信すると、ユーザデータを読み取って記憶し、Ackを返信し、3回連続Ackを返信した場合に、予め当該アクセスポイント2と対応付けて記憶されている特定受信データと当該3回の受信におけるユーザデータとを比較照合し、一致するか否かを判断して、3回分の比較結果を受信成績データとしてアクセスポイント2に送信し、アクセスポイント2が、受信成績データに基づいてLEDの点灯や点滅の態様を変えて表示するようにしているので、作業者は、LEDの表示パターンによって、ユーザデータが正常に中継機1に受信されたかどうかを把握でき、当該据付場所でのアクセスポイント2と中継機1との無線通信の信頼性の程度を認識して、アクセスポイント2の据付場所の適/不適を容易に判断することができ、通信状態が十分良好な場所にアクセスポイント2を設置することができ、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0072】
また、本システムによれば、中継機1がアクセスポイント2に受信成績データを送信する際に、3回の受信における比較結果が全て整合であった場合のみ、自装置で管理している時刻データを付してアクセスポイント2に送信するようにしているので、アクセスポイント2と中継機1とが確実に送受信できることが明確になった場合のみ時刻設定を可能として設置場所を確定できると共に、通信が不安定であった場合には、時刻設定ができないため、適切な場所が選択されるまでアクセスポイント2の据付をやり直すことができ、システム全体の信頼性を向上させることができる効果がある。
【0073】
また、本システムによれば、端末3の据付時に、端末3が据付送信モードにおいて、予め記憶されている特定送信データをユーザデータとして送信し、アクセスポイント2が、据付受信モードにおいて端末3からの信号を受信すると、ユーザデータを読み取って記憶し、Ackを返信し、3回連続Ackを返信した場合に、予め当該アクセスポイント2と対応付けて記憶されている特定受信データと当該3回の受信におけるユーザデータとを比較照合し、一致するか否かを判断して、3回分の比較結果を受信成績データとして端末3に送信し、端末3が、受信成績データに基づいてLEDの点灯や点滅の態様を変えて表示するようにしているので、作業者は、LEDの表示パターンによって、ユーザデータが正常にアクセスポイント2に受信されたかどうかを把握でき、当該据付場所での端末3とアクセスポイント2との無線通信の信頼性の程度を認識して、端末3の据付場所の適/不適を容易に判断することができ、通信状態が十分良好な場所に端末3を設置することができ、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0074】
更にまた、本システムによれば、アクセスポイント2が端末3に受信成績データを送信する際に、3回の受信における比較結果が全て整合であった場合のみ、自装置で管理している時刻データを付して端末3に送信するようにしているので、端末3とアクセスポイント2とが確実に送受信できることが明確になった場合のみ時刻設定を可能として設置場所を確定できると共に、通信が不安定であった場合には、時刻設定ができないため適切な場所が選択されるまで端末3の据付をやり直すことができ、システム全体の信頼性を向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、アクセスポイントや端末の据付場所を適切に選択可能として、ネットワークにおける通信の信頼性を向上させることができる無線センサーネットワークシステムに適している。
【符号の説明】
【0076】
1…中継機、 2…アクセスポイント、 3…端末、 4…各種センサ、 5…監視サーバ、 21…無線部、 22…制御部(CPU)、 23…RTC、 24…電源回路、 25…A/D変換器、 26…インターフェース、 27…EEPROM、 28…メモリ、 29…LED、 30…バッテリー又は外部電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内に設けられたセンサーに接続し、前記センサーから入力されたデータを無線送信する端末と、前記端末から送信されたデータを受信して無線送信するアクセスポイントと、前記アクセスポイントから送信されたデータを受信して上位装置に送信する中継機とを備えた無線センサーネットワークシステムであって、
前記中継機又は前記アクセスポイントを固定装置とし、前記アクセスポイント又は前記端末を被据付装置とし、
前記固定装置が、制御部と、記憶部とを備え、
前記記憶部が、予め当該固定装置と無線通信を行う被据付装置と特定のデータとを対応付けて記憶しており、前記固定装置の制御部が、動作モードとして据付受信モードが設定されると、受信動作を開始し、前記被据付装置からの受信信号に含まれる制御データに基づいて前記被据付装置からの受信の有無を判断し、受信したと判断した場合には、前記被据付装置に応答を送信し、受信データにユーザデータとして含まれるデータを前記記憶部に記憶しておき、前記被据付装置から特定回数受信すると、前記記憶されたユーザデータを当該被据付装置に対応付けて記憶されている特定のデータと比較し、前記特定回数分の比較結果を受信成績データとして前記被据付装置に送信し、
前記被据付装置が、制御部と、表示手段を備え、
前記被据付装置の制御部が、動作モードとして据付受信モードが設定されると、予め設定された特定のデータをユーザデータとして含む送信信号を前記固定装置宛に送信し、前記固定装置からの応答を特定回数連続して受信した場合に、受信成績データの受信動作を行い、設定回数以内の受信動作で前記固定装置から受信成績データを受信した場合には、当該受信成績データに基づいて、前記表示手段の点灯の態様を変えて表示することを特徴とする無線センサーネットワークシステム。
【請求項2】
固定装置の制御部が、特定回数分の比較結果が全て一致であった場合に、受信成績データと共に時刻データを送信し、
被据付装置の制御部が、前記固定装置から受信成績データと共に時刻データを受信すると、当該受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変えて表示すると共に、当該被据付装置内部の時刻を前記時刻データに基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の無線センサーネットワークシステム。
【請求項3】
固定装置の制御部が、特定回数分の比較結果が全て一致ではなかった場合に、時刻データを送信することなく受信成績データを送信し、
被据付装置の制御部が、前記固定装置から受信成績データのみを受信すると、当該被据付装置内部の時刻を設定せずに、当該受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変えて表示することを特徴とする請求項1記載の無線センサーネットワークシステム。
【請求項4】
被据付装置の制御部が、設定回数以内の受信動作で固定装置からの受信成績データを受信できなかった場合には、前記受信成績データを受信した場合の態様とは異なる態様で表示手段を点灯させることを特徴とする請求項1記載の無線センサーネットワークシステム。
【請求項5】
被据付装置が、複数の表示手段を備え、固定装置からの受信成績データに基づいて表示手段の点灯の態様を変える代わりに、前記受信成績データに基づいて点灯させる表示手段の数を変えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の無線センサーネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−151700(P2011−151700A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12822(P2010−12822)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】