無線タグ回路素子、無線タグ情報読み取り装置、タグラベル作成装置
【課題】情報取得の確実性を高めることができる無線タグ回路素子、無線タグ情報読み取り装置、タグラベル作成装置を提供する。
【解決手段】情報記憶機能を備えたIC回路部150と、このIC回路部150に接続されるループアンテナ151とを有する無線タグ回路素子Toであって、IC回路部150のメモリ部155は、保護対象となる非圧縮の本体情報Dと、この本体情報Dと実質同一の内容をバックアップするために、当該本体情報Dとは異なる態様となるように圧縮処理されたバックアップデータD′とを記憶保持する。
【解決手段】情報記憶機能を備えたIC回路部150と、このIC回路部150に接続されるループアンテナ151とを有する無線タグ回路素子Toであって、IC回路部150のメモリ部155は、保護対象となる非圧縮の本体情報Dと、この本体情報Dと実質同一の内容をバックアップするために、当該本体情報Dとは異なる態様となるように圧縮処理されたバックアップデータD′とを記憶保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグ回路素子、この無線タグ回路素子と信号送受を行う無線タグ情報読み取り装置、及び無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグと、リーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio
Frequency Identification)システムが知られている。無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグラベルが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このように種々の分野において活用されつつある無線タグであるが、無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ領域には、例えば氏名・生年月日などの個人情報や対象物品の名称・製造年月日等、その用途に応じて種々の情報が記憶される。このメモリ領域は、通常、所定の記憶容量(例えば数Kバイト)ごとのメモリ領域に区画化されて管理され、書き込まれる情報はそれら区画化されたブロック単位で記憶される。このようなメモリ領域(クラスタ)ごとに区画化されて管理されるメモリの従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開平6−95979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線タグ回路素子のIC回路部に書き込まれる情報には、読み取り不能になると利便性が低下する重要な情報が含まれる。しかしながら、例えば静電気等の外乱により無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ領域の一部が損傷したりデータが化ける懼れがあり、そのような場合には上記重要情報が読み取れなくなる懼れがあった。
【0006】
そこで、同一メモリ中に上記重要情報と同一の情報をバックアップすることが考えられるが、単に同一情報を同一態様でバックアップするのみでは、上記したようなメモリ損傷の際に両方の情報が読み取れなくなる懼れがあり、情報取得の確実性の観点において十分とは言えなかった。また、メモリ領域を余分に必要とするので経済的とは言い難かった。
【0007】
本発明の目的は、情報取得の確実性を高めることができる無線タグ回路素子、無線タグ情報読み取り装置、タグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報記憶機能を備えたIC回路部と、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを有する無線タグ回路素子であって、前記IC回路部は、保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報とを記憶保持することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、IC回路部に所定の第1情報を記憶する一方、これを保護しバックアップすることを目的に、この第1情報と実質同一の内容を異なる態様で処理した第2情報を併せてIC回路部に記憶保持させる。
【0010】
これにより、保護対象の第1情報と同一の態様で実質同一内容の第2情報をバックアップする場合に比べると、第2情報が異なる態様で処理されていることから、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。あるいは、第1情報及び第2情報の両方が取得できた場合には、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。以上のようにして、本願第1発明においては、実質同一内容の2つの情報を利用し、情報取得の確実性を高めることができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記第1情報及び第2情報のうち一方はデータ圧縮処理されて記憶しており、他方はデータ圧縮処理されずに記憶していることを特徴とする。
【0012】
第1又は第2情報の一方を圧縮処理、他方を非圧縮とすることにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に一方が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方は損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。また、一方を圧縮処理することによって全体のデータ容量が小さくなるため、IC回路部の記憶領域を節約でき、かつ読み取り処理を高速化することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記IC回路部は、前記第1情報及び前記第2情報を、互いに所定量だけ離れたメモリ領域に記憶していることを特徴とする。
【0014】
第1及び第2情報の記憶領域を互いに離すことにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に一方が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方は損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0015】
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記第2情報として、それぞれが単独で前記第1情報と実質同一の内容となりそれぞれが前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報を、互いに所定量だけ離れた異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする。
【0016】
バックアップを複数の情報で行うことにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に複数の情報のうち一つが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、残りは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、さらにデータ再現性を向上することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記第2情報として、前記第1情報と実質同一の内容を複数に分割して形成され、全体として合成されて前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報要素を、互いに異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする。
【0018】
バックアップ時に1つの情報を複数の情報要素に分割してバックアップすることにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に一部の情報要素が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、残りの情報要素は損傷を免れて安全に保たれる可能性が高くなり、データ再現率の低下を最小限にとどめ再現性を向上することができる。また分割された情報要素ごとに処理態様を変えることも可能となり、この場合にはバリエーションに富んだ保存方法が可能となる。
【0019】
第6の発明は、上記第4又は第5発明において、前記IC回路部は、前記第2情報として、前記複数の情報又は前記複数の情報要素を互いに異なる態様で記憶していることを特徴とする。
【0020】
バックアップを複数の情報又は分割した複数の情報要素で行うとともに、それらを互いに異なる態様で記憶させることにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に複数の情報(又は情報要素)のうち一つが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、残りは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、さらに確実にデータ再現性を向上することができる。
【0021】
第7の発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、メモリ領域に、前記第2情報の前記処理の態様に関する情報を記憶保持する処理態様記憶ブロックを備えることを特徴とする。
【0022】
これにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に、まず処理態様記憶ブロックの第2情報の処理態様に関する情報を取得した後に、当該処理態様に対応した取得態様で、円滑に第2情報の取得を行うことができる。
【0023】
第8の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記第1情報及び第2情報は、各々の情報が読み出された際にそれぞれの情報の正当性が個別に確認可能な誤り検出符号部を備えていることを特徴とする。
【0024】
これにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に、第1情報及び第2情報の検出符号部を確認することにより、それぞれの情報の正当性を個別に確認することができる。その結果、正当である場合にのみ情報の取得を行うことが可能となり、データ真正度をさらに高めることができる。
【0025】
上記目的を達成するために、第9の発明は、保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報と記憶したIC回路部、及び、このIC回路部に接続されたタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部から前記第1情報を取得するための問いかけ信号を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信する情報アクセス手段と、この情報アクセス手段からの前記問いかけ信号に対する前記無線タグ回路素子の応答結果に基づき、前記第1情報又は前記第2情報を取得する情報取得手段とを有することを特徴とする。
【0026】
本願第9発明においては、無線タグ回路素子のIC回路部に所定の第1情報が記憶される一方、これを保護しバックアップすることを目的に、この第1情報と実質同一の内容を異なる態様で処理した第2情報が併せてIC回路部に記憶保持されている。そして、情報アクセス手段で第1情報を取得するための問いかけ信号が生成されて装置側アンテナを介し無線タグ回路素子へ送信され、これに対する応答結果に基づき、情報取得手段で第1情報又は第2情報が取得される。
【0027】
この際、第2情報が第1情報とは異なる態様で処理されて記憶されていることから、第1情報と同一の態様で第2情報がバックアップされている場合に比べ、いずれか一方の情報が取得できなくても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。あるいは、第1情報及び第2情報の両方が取得できた場合には、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。以上のようにして、本願第9発明においては、実質同一内容の2つの情報を利用し、情報取得の確実性を高めることができる。
【0028】
第10の発明は、上記第9発明において、前記情報取得手段は、前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき、まず前記第1情報の取得を試み、当該第1情報を取得できなかった場合に、前記第2情報の取得を行うことを特徴とする。
【0029】
情報アクセス手段で第1情報を取得するための問いかけ信号が生成されて装置側アンテナを介し無線タグ回路素子へ送信される。そして、これに対する応答結果に基づきまず情報取得手段で第1情報の取得が試みられる。そして、第1情報が取得できなかった場合には、第2情報が取得される。この際、第2情報が第1情報とは異なる態様で処理されて記憶されていることから、第1情報が取得できなくても第2情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0030】
第11の発明は、上記第9発明において、前記情報取得手段が前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき取得した前記第1情報と前記第2情報との照合を行う照合手段を備えることを特徴とする。
【0031】
情報アクセス手段で第1情報を取得するための問いかけ信号が生成されて装置側アンテナを介し無線タグ回路素子へ送信される。そして、これに対する応答結果に基づき情報取得手段で第1及び第2情報が取得され、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。
【0032】
上記目的を達成するために、第12の発明は、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を搬送する搬送手段と、前記無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行うための送受信手段とを有し、前記無線タグ回路素子へ前記情報送受信が行われた前記タグ媒体を用いて無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置であって、保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報とを、前記送受信手段を介し、当該無線タグラベルに備えられた前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む書き込み制御手段を有することを特徴とする。
【0033】
本願第12発明においては、搬送手段で搬送されるタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し、送受信手段を介して無線通信により情報送受信が行われ、無線タグラベルが作成される。この情報送受信時に、書き込み制御手段が、IC回路部に所定の第1情報を記憶させる一方、これを保護しバックアップすることを目的に、この第1情報と実質同一の内容を異なる態様で処理した第2情報を併せてIC回路部に記憶保持させる。
【0034】
これにより、保護対象の第1情報と同一の態様で実質同一内容の第2情報をバックアップする場合に比べると、第2情報が異なる態様で処理されていることから、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。あるいは、第1情報及び第2情報の両方が取得できた場合には、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。以上のようにして、本願第12発明においては、実質同一内容の2つの情報を利用し、情報取得の確実性を高めることができる。さらに、第1情報と第2情報の態様を異ならせて書き込むことで、作成装置側で同じ書き込み処理が行われなくなる(例えば圧縮によるデータ長の短縮やビット列の変化)ため、情報書き込みの失敗を抑制することができる。これによっても、情報取得の確実性を高めることができる。
【0035】
第13の発明は、上記第12発明において、前記第2情報を、前記第1情報とは異なる態様で処理するための情報処理手段を備えることを特徴とする。
【0036】
情報処理手段で第1情報と第2情報との処理態様を異ならせることで、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0037】
第14の発明は、上記第13発明において、前記情報処理手段は、前記第1情報及び第2情報のうちいずれか一方をデータ圧縮処理する圧縮処理手段であることを特徴とする。
【0038】
情報処理手段である圧縮処理手段で第1情報と第2情報のいずれかを圧縮処理し一方を非圧縮とすることで、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。また、一方をデータ圧縮処理することによって全体のデータ容量が小さくなるため、IC回路部の記憶領域を節約でき、かつ読み取り処理を高速化することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、情報取得の確実性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルTの全体概略構造の一例を表す図であり、図1(a)は無線タグラベルTの上面図、図1(b)は下面図である。これら図1(a)及び図1(b)において、無線タグラベルTは、例えば略シート形状の基材2と、この基材2に配置された、情報を記憶するIC回路部150とこのIC回路部150に接続されるループコイル形状に構成されたループアンテナ151とをそれぞれ備えた無線タグ回路素子Toを備えている。
【0041】
図1(a)に示すように、無線タグラベルTの基材2の表側(上面)には、対応する印字情報(この例では「RF−ID」)を表記した領域Sを備えている。なお、これら領域Sは、文字でなく図形や符号、あるいは単なる色塗りや模様等であってもよい。
【0042】
図2は、上記無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0043】
図2において、無線タグ回路素子Toは、リーダ200(後述の図4参照)のループアンテナ210(後述の図4参照)と磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により信号の送受信を行う上記ループアンテナ151(タグ側アンテナ)と、このループアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0044】
IC回路部150は、ループアンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記ループアンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記ループアンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0045】
変復調部156は、ループアンテナ151により受信された上記リーダ200(無線タグ情報読み取り装置)のループアンテナ210(装置側アンテナ)からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、上記ループアンテナ210より受信された搬送波を変調反射する。
【0046】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155の所定の領域に受信データを書き込み記憶したり、所定の領域に記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0047】
メモリ部155は、不揮発性メモリにより構成されており、制御部157と周知のアドレス線、データ線、制御線により接続されており、制御部157の動作により所定番地のメモリ領域に受信データが書き込まれたり、または記憶データが読み出されたりするものである。
【0048】
図3(a)〜図3(c)は、上記無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子Toの上記メモリ部155に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【0049】
ここで、本実施形態の無線タグ回路素子Toの特徴は、上記メモリ部155に書き込まれる情報(以下、本体情報)がバックアップされて書き込まれていることにある。本実施形態では、バックアップ方式として、本体情報とは別に当該本体情報を圧縮したものをメモリ部155のメモリ領域の複数個所にそれぞれ記憶させておく複数バックアップ方式と、本体情報とは別に当該本体情報を分割して各分割情報を圧縮したものをメモリ部155のメモリ領域の複数個所にそれぞれ記憶させておく分割バックアップ方式とがある。
【0050】
図3(a)は、上記バックアップが行われていない無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容の一例を表す図である。図に示すように、メモリ部155のメモリ領域の例えば最初のメモリブロック番地である0番地にバックアップ対象である本体情報Dが、またメモリ領域の例えば最後のメモリブロック番地であるE番地(処理態様記憶ブロック)にバックアップ処理の態様に関する情報Db(この例ではバックアップを行っていない単純書き込み方式である旨の情報)が記憶保持されている。なお、ここでの番地とは、メモリ部155のメモリ領域を所定の記憶容量(例えば数Kバイト)ごとのメモリ領域(メモリブロック)に区画した場合における当該メモリブロックの場所を示すものであり、本実施形態では、上記したように0番地にバックアップ対象である本体情報Dが、E番地にバックアップ処理の態様に関する情報Db(バックアップを行っているか否か、バックアップを行っている場合には複数バックアップ方式か分割バックアップ方式か、バックアップデータが記憶されている番地、圧縮形態等)が記憶保持されるようになっている。
【0051】
図3(b)は、上記複数バックアップ方式の無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容の一例を表す図である。図に示すように、メモリ部155のメモリ領域の0番地にバックアップ対象である本体情報D(第1情報)が、n番地及び2n番地に上記本体情報Dを圧縮したバックアップデータD′(第2情報)が、またE番地にバックアップ処理の態様に関する情報Db(この例では、2つのバックアップデータD′を有する複数バックアップ方式である旨の情報、バックアップデータD′が記憶されている番地のオフセット情報n、及び圧縮形態に関する情報)が記憶保持されている。なお、本実施形態では、圧縮方式として公知の可逆圧縮であるラン・レングス圧縮(Run Length
Encoding)を用いている。
【0052】
図3(c)は、上記分割バックアップ方式の無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容の一例を表す図である。図に示すように、メモリ部155のメモリ領域の0番地にバックアップ対象である本体情報Dが、m番地及び2m番地に上記本体情報Dを圧縮して分割したバックアップデータd1′及びd2′(第2情報)が、またE番地にバックアップ処理の態様に関する情報Db(この例では、2分割の分割バックアップ方式である旨の情報、バックアップデータd1′,d2′が記憶されている番地のオフセット情報m、及び圧縮形態に関する情報)が記憶保持されている。
【0053】
なお、上記本体情報Dとしては、例えば書き換え不能なタグ識別情報であるユニークID(UID)等が好適であるが、その他の情報、すなわち氏名・生年月日などの個人情報、対象物品の名称・製造年月日などの物品情報等、タグからの読み取りが不能となると利便性が低下する種々の情報をバックアップ対象としてもよい。また、上記したように、本実施形態では圧縮方式として公知のラン・レングス圧縮を用いているが、他の圧縮形態、例えばZIP圧縮やLZH圧縮、LZ77圧縮等を用いてもよい。
【0054】
図4は、リーダ200の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、リーダ200は、無線タグ回路素子Toの上記ループアンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うループアンテナ210と、このループアンテナ210を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(この場合は読取りを行う)ための搬送波を発生させるとともに、後述する制御回路202から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する上記送信回路205と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナ210を介して受信された応答信号の復調を行い、後述の制御回路202に出力する受信回路206と、上記送信回路205における搬送波の変調制御及び上記受信回路206で復調した信号の処理を行う制御回路202と、操作者が操作可能な適宜のボタン、キー等を備えた操作部203と、所定の表示を行う表示部204とを有する。
【0055】
図5は、上記送信回路205、受信回路206とループアンテナ210との接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【0056】
この図5において、送信回路205はループアンテナ210に接続され、また受信回路206は装置側ループアンテナ210と直列に接続されたコンデンサ207に接続されている。
【0057】
図6は、この制御回路202の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0058】
図6において、制御回路202は、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU202A、ROM202B、RAM202C、送受信回路205,206との信号送受を行う回路制御部202D等から構成され、RAM202Cの一時記憶機能を利用しつつROM202Bに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0059】
図7は、上記制御回路202の実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0060】
まずステップS105において、送信回路205に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶された情報を読み取るための探索信号(例えばScroll All ID信号)としての所定の変調を行った搬送波をループアンテナ210を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0061】
その後、ステップS110に移り、上記探索信号に対応し無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がループアンテナ210を介し受信され、受信回路206を介し制御回路202へ取り込まれたかどうかを判定する。リプライ信号が受信されていなければ判定が満たされず、ステップS115に移ってエラー処理(上記表示部204にエラー表示を行う等)を行い、フローを終了する。一方、リプライ信号が受信されている場合には、判定が満たされて次のステップS120へ移る。なお、このとき受信されたリプライ信号に基づく無線タグ回路素子Toのメモリ部155から読み取った情報については、適宜のメモリ(例えばRAM202Cや図示しない受信バッファ等)に一時的に記憶される。
【0062】
ステップS120では、上記ステップS110で適宜のメモリに記憶された無線タグ回路素子Toから読み取った情報中に、本体情報Dがあるか否かを判定する。本体情報Dを読み取れた場合には、判定が満たされて、フローを終了する。一方、何らかの理由により本体情報Dが読み取れなかった場合には、判定が満たされずに次のステップS125に移る。
【0063】
ステップS125では、上記ステップS110で適宜のメモリに記憶された無線タグ回路素子Toから読み取った情報より、上記バックアップ処理の態様に関する情報Dbを取得する。そして、次のステップS130に移る。
【0064】
ステップS130では、上記ステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Dbに基づき、読み取り対象である無線タグ回路素子Toのバックアップ方式がいずれの方式であるかを判断する。
【0065】
上記判断の結果、単純書き込み方式(前述の図3(a)参照)である場合には、バックアップを行わないことから本体情報Dの読み取りに失敗したとみなし、次のステップS135に移り、エラー表示信号を上記表示部204へ出力して対応するエラー表示を行わせる。そして、フローを終了する。
【0066】
一方、上記ステップS130の判断の結果、複数バックアップ方式である場合には、次のステップS140に移り、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の番地のオフセット情報に基づいて当該番地に格納されたバックアップデータ(この時点では圧縮されている)を取得する。すなわち、n番地又は2n番地に格納されたバックアップデータD′を取得する(前述の図3(b)参照)。なおこのとき、n番地及び2n番地の両データを取得するようにしてもよいし、n番地のデータを取得できなかった場合にのみ2n番地のデータを取得するようにしてもよい。そして、次のステップS145に移る。
【0067】
ステップS145では、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の圧縮形態情報に基づき、上記ステップS140で取得したバックアップデータD′を解凍する。本実施形態ではラン・レングス圧縮を用いているので、当該圧縮形態に応じた解凍処理を行う。これにより、バックアップされた本体情報Dを取得すると、本フローを終了する。
【0068】
一方、上記ステップS130の判断の結果、分割バックアップ方式である場合には、次のステップS150に移り、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の番地のオフセット情報に基づいて当該番地に格納されたバックアップデータ(この時点では分割・圧縮されている)を取得する。すなわち、m番地及び2m番地に格納されたバックアップデータd1′,d2′を取得する(前述の図3(c)参照)。そして、次のステップS155に移る。
【0069】
ステップS155では、上記ステップS150で取得したバックアップデータd1′,d2′の合成処理を行う。これにより、本体情報DのバックアップデータD′(この時点では圧縮されている)が生成される。そして、次のステップS145に移り、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の圧縮形態情報に基づき、上記ステップS155で生成されたバックアップデータD′を解凍する。本実施形態ではラン・レングス圧縮を用いているので、当該圧縮形態に応じた解凍処理を行う。これにより、バックアップされた本体情報Dを取得すると、本フローを終了する。
【0070】
図8は、上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150に配置された制御部157が実行する制御手順を表すフローチャートである。図8において、まずステップS210において、リーダ200のループアンテナ210から送信された信号がループアンテナ151により受信されたかどうかを判定する。受信されていれば判定が満たされ、ステップS220に移る。
【0071】
ステップS220では、ステップS210にて受信が確認された信号が探索信号であるかどうかを判定する。判定が満たされなかった場合はステップS210に戻って同様の手順を繰り返し、判定が満たされた場合はステップS230に移る。
【0072】
ステップS230では、IC回路部150のメモリ部155の記憶情報、すなわち、本体情報D、バックアップデータD′等、及びバックアップ処理の態様に関する情報Db等(前述の図3参照)を変復調部156によりループアンテナ151を介してリーダ200のループアンテナ210に送信し、このフローを終了する。
【0073】
上記のように構成される無線タグラベルTであるが、これら無線タグラベルTを製造するラベル作成装置300(タグラベル作成装置)としては、例えば図9に示す装置が用いられる。
【0074】
図9において、このタグラベル作成装置300は、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ303(タグ媒体)を巻回したタグテープロール304を着脱可能な(又はタグテープロール304を備えたカートリッジを着脱可能な)タグテープロールホルダ部310と、このタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303のうち上記無線タグ回路素子Toに対応した上記領域Sに所定の印字を行う印字ヘッド305と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うループコイル形状のループアンテナ306(送受信手段)と、このループアンテナ306を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(ここでは書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、後述する制御回路302から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する送信回路308と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナ306を介して受信された応答信号の復調を行い、後述の制御回路302に出力する受信回路301と、上記送信回路308における搬送波の変調制御及び上記受信回路301で復調した信号の処理を行う制御回路302と、タグテープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了したタグテープ303を所定の長さに切断して無線タグラベルTとするカッタ307と、印字ヘッド305に対向して設けられ、制御回路302により制御されてタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303を搬送する搬送装置309(搬送手段)とを有する。
【0075】
送受信回路308,301及び制御回路302は、詳細な説明を省略するが、上記リーダ200の送受信回路205,206及び制御回路202とほぼ同等の機能を備えるものであり、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、ループアンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ情報書き込みを行う。また制御回路302は有線又は無線の通信回線(ネットワーク)を介して他のコンピュータ、サーバ、端末等と接続されており、それらと情報の送受が可能となっている。
【0076】
図10は、無線タグラベルTの作成時に上記制御回路302によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0077】
図10において、まずステップS305において、(上記通信回線を介し制御回路302に接続された)操作端末等により別途入力された、バックアップ方式に関する情報(単純書込み、複数バックアップ、及び分割バックアップのうちいずれの方式であるか、バックアップデータの記憶番地、圧縮形態等)が上記通信回線を介し取得される。なお、上記操作端末等に代えて、タグラベル作成装置300の図示しない操作部から入力するようにしてもよい。
【0078】
次に、ステップS310において、(上記通信回線を介し制御回路302に接続された)操作端末等により別途入力された、印字ヘッド305で上記無線タグラベルTの前述の領域Sに印字したい印字情報及び無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)が上記通信回線を介し取得される。なおこの場合も、上記操作端末等に代えて、タグラベル作成装置300の図示しない操作部から入力するようにしてもよい。
【0079】
その後、ステップS315において、搬送装置309を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力し、搬送装置309を駆動させてタグテープ303の搬送を開始するとともに、印字ヘッド305を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力して、上記ステップS310で入力した印字データに基づき当該無線タグラベルTに対応する印字を領域Sに対して行う。
【0080】
次のステップS320では、書込み対象である無線タグ回路素子Toが書込み可能な所定位置となるまでタグテープ303が搬送されたかどうかを判定する。この判定は、例えば、タグテープ303(詳細には例えば剥離紙)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークを公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる(あるいはこのマーク検出位置を基準とし、搬送装置309を駆動させるパルスモータ(図示せず)に出力したパルス数をカウントすることにより搬送距離を検出してもよい)。判定が満たされるまで当該ステップS320を繰り返し、判定が満たされると次のステップS325に移る。
【0081】
ステップS325では、搬送装置309を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力し、搬送装置309を停止させてタグテープ303の搬送を停止するとともに、印字ヘッド305を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力して印字を停止する。
【0082】
次のステップS330では、上記ステップS305で入力したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ方式を判断する。判断した結果、単純書き込み方式である場合には、ステップS400に移り、バックアップを行わずに本体情報Dの書き込みを行う場合のデータを作成する単純書込みデータ作成処理を行う(詳細は後述の図11参照)。そして、次のステップS340に移る。
【0083】
一方、上記ステップS330で複数バックアップ方式と判断した場合には、ステップS500に移り、本体情報Dとは別に当該本体情報Dを圧縮したバックアップデータD′をメモリ領域の複数個所にそれぞれ書き込む場合のデータを作成する複数バックアップデータ作成処理を行う(詳細は後述の図12参照)。そして、次のステップS340に移る。
【0084】
他方、上記ステップS330で分割バックアップ方式と判断した場合には、ステップS600に移り、本体情報Dとは別に当該本体情報Dを圧縮して分割したバックアップデータd1′,d2′をメモリ領域の複数個所にそれぞれ書きこむ場合のデータを作成する分割バックアップデータ作成処理を行う(詳細は後述の図13参照)。そして、次のステップS340に移る。
【0085】
ステップS340では、送信回路308に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに対し所定の情報を書き込むための信号(例えばProgram信号)としての所定の変調を行った搬送波をループアンテナ306を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に対し対応するデータ(上記ステップS400、ステップS500、またはステップS600で作成し送信バッファに記憶させたデータ)の書き込みを行う。
【0086】
次のステップS350では、先のステップS315と同様に、搬送装置309を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力し、搬送装置309を駆動させてタグテープ303の搬送を再開するとともに、印字ヘッド305を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力して印字を再開する。
【0087】
次のステップS355では、タグテープ303のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域Sへの印字がすべて完了しているかどうかを確認する。判定が満たされるまで当該ステップS355を繰り返し、判定が満たされると次のステップS360に移る。
【0088】
ステップS360では、タグテープ303がカッタ307で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。具体的には、例えば、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応する印字領域Sのすべてがカッタ307を所定の長さ(余白量)分だけ越えたかどうかを判定する。この判定は、先のステップS320と同様に、例えばタグテープ303(詳細には例えば剥離紙)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークを公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる(あるいはこのマーク検出位置を基準とし、搬送装置309を駆動させるパルスモータ(図示せず)に出力したパルス数をカウントすることにより搬送距離を検出してもよい)。判定が満たされるまで当該ステップS360を繰り返し、判定が満たされると次のステップS365に移る。
【0089】
ステップS365では、カッタ307によりテープを切断し、このフローを終了する。これにより、いずれかのバックアップ処理がなされた(バックアップされていない単純書込みも含む)無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルTが生成され、装置300外へと排出される。
【0090】
図11は、上記ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【0091】
この図11において、まずステップS410では、前述のステップS310で取得した無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)を、適宜のメモリ(例えばRAM202Cや図示しない送信バッファ等。以下、送信バッファとする)に読み込む。なお、この本体情報Dは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155における0番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0092】
次のステップS420では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ処理の態様に関する情報Dbを作成して送信バッファに付加する。なお、このバックアップ処理の態様に関する情報Dbは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるE番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。そして、本フローを終了する。
【0093】
以上により、無線タグ回路素子Toに書き込まれた際に、当該タグのメモリ部155が前述の図3(a)に示すデータ記憶内容となるような単純書き込みデータが作成される。
【0094】
図12は、上記ステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【0095】
この図12において、まずステップS510では、上記ステップS410と同様に、前述のステップS310で取得した無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)を送信バッファに読み込む。なお、この本体情報Dは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155における0番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0096】
次のステップS520では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の圧縮形態情報に基づき、本体情報Dを圧縮処理し、バックアップデータD′を作成する。なお本実施形態では、前述したようにラン・レングス圧縮を行う。
【0097】
次のステップS530では、上記ステップS520で作成したバックアップデータD′を送信バッファに付加する。なお、このバックアップデータD′は、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の番地情報に基づき、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるn番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0098】
次のステップS540では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中のバックアップ数情報に基づき、それら所定の数のバックアップデータD′が全て送信バッファに付加されたか否かを判定する。すなわち、本実施形態では前述したように2つのバックアップデータD′を書き込むので、1つ目のバックアップデータD′を送信バッファに付加した時点では本判定は満たされず、上記ステップS530に戻る。そして、このステップS530で、2つ目のバックアップデータD′を無線タグ回路素子Toのメモリ部155における2n番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込む。これにより、2つのバックアップデータの送信バッファへの付加が終了するので、判定が満たされて次のステップS550に移る。
【0099】
次のステップS550では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ処理の態様に関する情報Dbを作成して送信バッファに付加する。なお、このバックアップ処理の態様に関する情報Dbは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるE番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。そして、本フローを終了する。
【0100】
以上により、無線タグ回路素子Toに書き込まれた際に、当該タグのメモリ部155が前述の図3(b)に示すデータ記憶内容となるような複数バックアップデータが作成される。
【0101】
図13は、上記ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【0102】
この図13において、まずステップS610では、上記ステップS410と同様に、前述のステップS310で取得した無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)を送信バッファに読み込む。なお、この本体情報Dは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155における0番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0103】
次のステップS620では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の圧縮形態情報に基づき、本体情報Dを圧縮処理する。本実施形態では、前述したようにラン・レングス圧縮を行う。
【0104】
次のステップS630では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の分割数情報に基づき、上記ステップS620で圧縮した本体情報D′を分割処理し、バックアップデータd1′,d2′を作成する。本実施形態では、前述したように2つに分割する。
【0105】
次のステップS640では、上記ステップS630で作成したバックアップデータのうち、1つ目のデータd1′を送信バッファに付加する。なお、このバックアップデータd1′は、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の番地情報に基づき、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるm番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0106】
次のステップS650では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の分割数情報に基づき、それら所定の数の分割されたバックアップデータが全て送信バッファに付加されたか否かを判定する。すなわち、本実施形態では前述したように2つに分割したバックアップデータd1′,d2′を書き込むので、1つ目のバックアップデータd1′を送信バッファに付加した時点では本判定は満たされず、上記ステップS640に戻る。そして、このステップS640で2つ目のバックアップデータd2′を無線タグ回路素子Toのメモリ部155における2m番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込む。これにより、2つに分割したバックアップデータd1′,d2′の送信バッファへの付加が終了するので、判定が満たされて次のステップS660に移る。
【0107】
次のステップS660では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ処理の態様に関する情報Dbを作成して送信バッファに付加する。なお、このバックアップ処理の態様に関する情報Dbは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるE番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。そして、本フローを終了する。
【0108】
以上により、無線タグ回路素子Toに書き込まれた際に、当該タグのメモリ部155が前述の図3(c)に示すデータ記憶内容となるような分割バックアップデータが作成される。
【0109】
上記において、制御回路202(詳細には図7中ステップS105の手順)は、請求項7記載の問いかけ信号を生成し装置側アンテナを介して無線タグ回路素子へ送信する情報アクセス手段を構成するとともに、制御回路202(詳細には図7中ステップS110の手順)は、請求項7記載の情報アクセス手段からの問いかけ信号に対する無線タグ回路素子の応答結果に基づき、第1情報又は第2情報を取得する情報取得手段を構成する。
【0110】
また、制御回路302(詳細には図10中ステップS340の手順)は、請求項10記載の第1情報と第2情報とを送受信手段を介し無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子のIC回路部に書き込む書き込み制御手段を構成する。また、制御回路302(詳細には図12中ステップS520、図13中ステップS620)は、請求項12記載の第1情報及び第2情報のうちいずれか一方をデータ圧縮処理する圧縮処理手段を構成するとともに、これらと図13中ステップS630の手順とが、請求項11記載の第2情報を第1情報とは異なる態様で処理するための情報処理手段を構成する。
【0111】
以上のように構成した本実施形態においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155に本体情報Dを記憶する一方、当該本体情報Dを保護しバックアップすることを目的に、この本体情報Dと実質同一の内容を異なる態様で処理(本実施形態では圧縮・分割処理)したバックアップデータD′等を併せてメモリ部155に記憶保持させる。
【0112】
これにより、保護対象の本体情報Dと同一の態様で(すなわち圧縮処理等を行わずに)実質同一内容の本体情報Dをバックアップする場合に比べると、バックアップデータD′等が異なる態様で処理されていることから、リーダ200による読み取り時に、例えば静電気等の外乱により無線タグ回路素子Toのメモリ部155のメモリ領域の一部が損傷する等によりいずれか一方のデータが取得できなかったとしても残りのデータは取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。以上のようにして、本実施形態においては、実質同一内容の2つのデータを利用し、情報取得の確実性を高めることができる。
【0113】
さらに、本体情報DとバックアップデータD′等の態様を異ならせて書き込むことで、ラベル作成装置300側で同じ書き込み処理が行われなくなる(例えば圧縮によるデータ長の短縮やビット列の変化)ため、書き込みの失敗を抑制することができる。これによっても、情報取得の確実性を高めることができる。
【0114】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に、バックアップ対象である本体情報Dについては圧縮処理せずに記憶させ、この本体情報DのバックアップデータD′(又はd1′,d2′)については圧縮処理して記憶させる。このように一方のデータを圧縮処理、他方のデータを非圧縮とすることにより、リーダ200による読み取り時に一方のデータが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方のデータは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。また、一方を圧縮処理することによって全体のデータ容量が小さくなるため、メモリ部155の記憶領域を節約でき、かつ読み取り処理を高速化することができる。
【0115】
また、本実施形態では特に、複数バックアップ方式及び分割バックアップ方式のどちらにおいても、本体情報DとそのバックアップデータD′(又はd1′,d2′)とを互いに所定量(n番地またはm番地)だけ離れたメモリ領域に記憶する。このように互いに離して記憶させることにより、リーダ200による読み取り時に一方のデータが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方のデータは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0116】
また、本実施形態では特に、複数バックアップ方式を採用する。この複数バックアップ方式においては、前述の図3(b)に示すように、それぞれが単独で本体情報Dと実質同一の内容となりそれぞれが本体情報Dのバックアップ機能を果たす複数のバックアップデータD′が、互いに所定量だけ離れた異なるメモリ領域に記憶されている。このように、バックアップを複数のデータで行うことにより、リーダ200による読み取り時に、例えば本体情報Dに加え複数のバックアップデータD′のうちの一部が何らかの理由で損傷し取得できなかったような場合でも、残りのバックアップデータD′は損傷を免れて安全に保たれ取得できることになる。したがって、さらにデータ再現性を向上することができる。
【0117】
また、本実施形態では特に、分割バックアップ方式を採用する。この分割バックアップ方式においては、前述の図3(c)に示すように、本体情報Dと実質同一の内容を複数に分割して形成され、全体として合成されて上記本体情報Dのバックアップ機能を果たす複数のバックアップデータd1′,d2′が、互いに異なるメモリ領域に記憶されている。このように、バックアップ時に1つのデータを複数のデータ要素に分割してバックアップすることにより、リーダ200による読み取り時に一部のデータ要素が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、例えば残りの損傷を免れたデータ要素によりデータ全体を復元する等が可能となり、データ再現率の低下を最小限にとどめ再現性を向上することができる。また、分割されたデータ要素ごとに処理態様を変える(圧縮、非圧縮等)ことも可能となり、この場合にはバリエーションに富んだ保存方法が可能となる。
【0118】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toのメモリ部155のうち、所定のメモリ領域(E番地)にバックアップ処理の態様に関する情報Dbを記憶保持する。これにより、リーダ200による読み取り時に、まずE番地のバックアップ処理の態様に関する情報Dbを取得することで、当該情報中のバックアップデータの番地情報を利用してバックアップデータD′(又はd1′,d2′)の取得を行うことができる。その結果、円滑にバックアップデータの取得を行うことができる。
【0119】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲で更に種々の変形が可能である。以下その変形例を説明する。
【0120】
(1)本体情報とバックアップ情報とを照合する場合
上記実施形態においては、本体情報Dが読み取れなかった場合にバックアップデータD′等を参照することにより本体情報Dを取得し、本体情報Dが読み取れた場合にはバックアップデータD′等を参照しないようにしたが、これに限られない。すなわち、本体情報Dが読み取れた場合にもバックアップデータD′等を参照し、これらを照合して一致する場合にのみ無線タグ回路素子Toの本体情報Dを取得するようにしてもよい。
【0121】
図14は本変形例における制御回路202′(図示せず)の実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図7に対応する図である。この図14において図7と同様の手順には同符号を付している。
【0122】
図14において、ステップS105〜ステップS110は前述の図7と同様であり、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶された情報を読み取るための探索信号(例えばScroll All ID信号)をループアンテナ210を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がループアンテナ210を介し受信されたかどうかを判定する。リプライ信号が受信されていなければステップS115に移ってエラー処理を行い、リプライ信号が受信されている場合には次のステップS120′へ移る。
【0123】
ステップS120′では、上記ステップS110で無線タグ回路素子Toから読み取った情報中に、本体情報Dがあるか否かを判定する。本変形例では、何らかの理由により本体情報Dを読み取れなかった場合にはステップS115に移り、エラー処理を行う。一方、本体情報Dが読み取れた場合には、判定が満たされて次のステップS123に移る。
【0124】
ステップS123では、上記ステップS120′で取得した本体情報Dを適宜のメモリ(例えばRAM202C等)に一時記憶させる。そして、次のステップS125に移る。
【0125】
ステップS125は前述の図7と同様であり、上記ステップS110で無線タグ回路素子Toから読み取った情報より、前述した上記無線タグ回路素子Toのメモリ部155のE番地に記憶されているバックアップ処理の態様に関する情報Dbを取得する。そして、次のステップS130′に移る。
【0126】
ステップS130′では、上記ステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Dbに基づき、読み取り対象である無線タグ回路素子Toのメモリ部155のバックアップ方式がいずれの方式であるかを判断する。なお、本変形例は本体情報DとバックアップデータD′等とを照合して本体情報Dを取得する例であるので、上記実施形態のように単純書き込み方式はなく、無線タグ回路素子Toのメモリ部155には必ずバックアップデータが記憶されているものとする。したがって、ここでは複数バックアップ方式であるか分割バックアップ方式であるかを判断する。
【0127】
ステップS140〜ステップS155は前述の図7と同様であり、複数バックアップ方式である場合には、所定の番地に格納されたバックアップデータD′を取得して解凍処理を行う。一方、分割バックアップ方式である場合には、所定の番地に格納されたバックアップデータd1′,d2′を取得して当該分割されたバックアップデータの合成処理を行い、さらに解凍処理を行う。なお、以上で解凍されたバックアップデータ(以下、D2とする)は、適宜のメモリ(例えばRAM202C等)に一時記憶される。そして、次のステップS160に移る。
【0128】
ステップS160では、上記ステップS123で一時記憶された本体情報Dと、上記ステップS145で解凍処理され一時記憶されたバックアップデータD2とを読出し、両者を照合する。そして、次のステップS165に移る。
【0129】
ステップS165では、上記ステップS160で照合した結果、本体情報DとバックアップデータD2とが一致するか否かを判定する。一致しない場合には、判定が満たされずにステップS170に移り、エラー処理(上記表示部204にエラー表示を行う等)を行う。一方、一致する場合には、判定が満たされてステップS175に移り、当該本体情報D(又はD2)を無線タグ回路素子Toの真正の識別情報として取得する。そして、本フローを終了する。
【0130】
以上において、制御回路202′(詳細には図14中ステップS160の手順)は、請求項9に記載の第1情報と第2情報との照合を行う照合手段を構成する。
【0131】
以上のような制御を行う本変形例によれば、本体情報D及びバックアップデータD′等の両方を取得し、それら2つの情報を互いに照合して一致する場合のみ本体情報Dを取得するので、データ真正度を高めることができる。したがって、本変形例によっても、情報取得の確実性を高めることができる。
【0132】
(2)異なる態様のバリエーション
上記実施形態においては、バックアップ対象である本体情報Dについては圧縮処理を行わず、バックアップデータD′(又はd1′,d2′)については圧縮処理を行うことで、両者を異なる態様となるようにしたが、これに限られず、反対に本体情報Dを圧縮処理し、バックアップデータD′については圧縮処理を行わないようにしてもよい。また上記実施形態では、複数バックアップ方式及び分割バックアップ方式のどちらにおいても、バックアップデータD′(又はd1′,d2′)については全て圧縮処理するようにしたが、これに限られず、例えば図15(a)及び(b)に示すように、複数のバックアップデータ又は複数の分割データのうち一部は圧縮処理を行い、残りは圧縮処理を行わないようにしてもよい。
【0133】
さらに、上記実施形態では、一方のデータを圧縮処理し、他方を非圧縮とすることにより態様を異ならせるようにしたが、これに限られず、他の処理を行うことで態様を異ならせてもよい。例えば、一方のデータを符号変換して「1の補数表現」(2の補数表現でもよい)で表したものを他方のデータとすることで、態様を異ならせてもよい。この場合にも、情報取得の確実性を高めることができるという上記実施形態と同様の効果を得る。
【0134】
(3)データが誤り検出符号部を有する場合
上記実施形態では特に設けなかったが、バックアップ対象である本体情報D及びそのバックアップデータD′(又はd1′,d2′)が、各々の情報がリーダ200により読み出された際にそれぞれの情報の正当性が個別に確認可能な誤り検出符号部を有するようにしてもよい。
【0135】
図16は、本変形例における本体情報Dとそのバックアップデータのデータ概略構成の一例を概念的に表す図である。この図に示すように、所定のビットからなる本体情報Dとそのバックアップデータは、本体情報Dを圧縮処理されてそのビット数を減少させている。減少した余裕部に図16(a)では誤り検出符号部としてのチェックサム(check sum)部DS1,DS2を配しており、また図16(b)では該余裕部に誤り検出符号部としてのCRC(Cyclic Redundancy Check)部DC1,DC2を配している。バックアップ態様に関する情報が記憶されているところの番地Eには該誤り検出符号の種類も記録されている。チェックサムやCRCは周知の誤り検出符号で、バックアップデータから所定の演算により計算される。なお、この誤り検出符号部DS1,DS2,DC1,DC2は、例えば前述した単純書き込みデータ作成処理(図11のステップS400参照)、複数バックアップデータ作成処理(図12のステップS500参照)、又は分割バックアップデータ作成処理(図13のステップS600参照)において、例えば圧縮・分割等のデータ処理の後に求められて当該データに付加されるようになっている。なお、誤り検出符号は上記説明したチェックサムやCRC符号に限らず、パリティ符号を用いてもよい。さらにはBCH符号やRS符号などの誤り訂正符号を用いた場合には誤りが発生した場合に訂正ができるのでより好適に本体情報の送受ができる。
【0136】
本変形例によれば、リーダ200による読み取り時に、バックアップデータの誤り検出符号部を確認することにより、それぞれの情報の正当性を個別に確認することができる。その結果、各バックアップデータが正当であることを確認することが可能となり、データ真正度をさらに高めることができる。
【0137】
(4)その他
なお、以上においては、装置側のアンテナ210や無線タグ回路素子To側のアンテナ151としてループアンテナを用い、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行ったが、これに限られず、たとえば上記2つのアンテナとしてダイポールアンテナやパッチアンテナ等を送受信手段として用い、電波通信により情報送受信を行うようにしてもよい。
【0138】
また、以上においては、タグテープ303の搬送を所定位置で停止させて無線タグ情報の書き込みを行う例を示したが、これに限られず、移動中のタグテープ303に対して無線タグ情報の書き込みを行うようにしてもよい。
【0139】
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(書き込み)の終了したタグテープ303をカッタ307で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ307で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0140】
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ303に直接印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用した例を示したが、これに限られず、タグテープ303とは別のカバーフィルムに印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。さらに、以上においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対し無線タグ情報の書き込みを行うと共に、印字ヘッド305によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0141】
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロール304を構成し、ロールホルダ310内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、ロールがカートリッジ内に収納されてカートリッジ化されている場合や、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、これらのカートリッジをラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0142】
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0143】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0144】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の無線タグ回路素子の一実施形態を有する無線タグラベルの全体概略構造の一例を表す上面図及び下面図である。
【図2】本発明の無線タグ回路素子の一実施形態の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図3】本発明の無線タグ回路素子の一実施形態において、単純書き込み方式、複数バックアップ方式、分割バックアップ方式のそれぞれの場合におけるメモリ部に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図4】本発明の無線タグ情報読み取り装置の一実施形態であるリーダの詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図5】送信回路、受信回路とループアンテナとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【図6】本発明の無線タグ情報読み取り装置の一実施形態の制御回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図7】制御回路の実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図8】無線タグ回路素子のIC回路部に配置された制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図9】本発明のタグラベル作成装置の一実施形態の全体構成を概略的に表す概略構成図である。
【図10】本発明のタグラベル作成装置の一実施形態の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】ステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【図13】ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【図14】本体情報とバックアップ情報とを照合する場合の変形例における制御回路の実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図15】複数のバックアップデータ又は複数の分割データのうち一部は圧縮処理を行い残りは圧縮処理を行わない場合の変形例におけるメモリ部に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図16】データが誤り検出符号部を有する場合の変形例における本体情報(又はそのバックアップデータ)のデータ概略構成の一例を概念的に表す図である。
【符号の説明】
【0146】
150 IC回路部
151 ループアンテナ(タグ側アンテナ)
200 リーダ(無線タグ情報読み取り装置)
202 制御回路(情報アクセス手段、情報取得手段)
202′ 制御回路(照合手段)
210 ループアンテナ(装置側アンテナ)
222 誤り検出ビット(誤り検出符号部)
300 ラベル作成装置(タグラベル作成装置)
302 制御回路(書き込み制御手段、情報処理手段、圧縮処理手段)
303 タグテープ(タグ媒体)
306 ループアンテナ(送受信手段)
309 搬送装置(搬送手段)
D 本体情報(第1情報)
D′ バックアップデータ(第2情報)
D″ バックアップデータ(第2情報)
d1′,d2′ バックアップデータ(第2情報)
d2″ バックアップデータ(第2情報)
Db バックアップ処理の態様に関する情報(第2情報の処理の態様に関する情報)
E 番地(処理態様記憶ブロック)
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグ回路素子、この無線タグ回路素子と信号送受を行う無線タグ情報読み取り装置、及び無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグと、リーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio
Frequency Identification)システムが知られている。無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグラベルが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このように種々の分野において活用されつつある無線タグであるが、無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ領域には、例えば氏名・生年月日などの個人情報や対象物品の名称・製造年月日等、その用途に応じて種々の情報が記憶される。このメモリ領域は、通常、所定の記憶容量(例えば数Kバイト)ごとのメモリ領域に区画化されて管理され、書き込まれる情報はそれら区画化されたブロック単位で記憶される。このようなメモリ領域(クラスタ)ごとに区画化されて管理されるメモリの従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開平6−95979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線タグ回路素子のIC回路部に書き込まれる情報には、読み取り不能になると利便性が低下する重要な情報が含まれる。しかしながら、例えば静電気等の外乱により無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ領域の一部が損傷したりデータが化ける懼れがあり、そのような場合には上記重要情報が読み取れなくなる懼れがあった。
【0006】
そこで、同一メモリ中に上記重要情報と同一の情報をバックアップすることが考えられるが、単に同一情報を同一態様でバックアップするのみでは、上記したようなメモリ損傷の際に両方の情報が読み取れなくなる懼れがあり、情報取得の確実性の観点において十分とは言えなかった。また、メモリ領域を余分に必要とするので経済的とは言い難かった。
【0007】
本発明の目的は、情報取得の確実性を高めることができる無線タグ回路素子、無線タグ情報読み取り装置、タグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報記憶機能を備えたIC回路部と、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを有する無線タグ回路素子であって、前記IC回路部は、保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報とを記憶保持することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、IC回路部に所定の第1情報を記憶する一方、これを保護しバックアップすることを目的に、この第1情報と実質同一の内容を異なる態様で処理した第2情報を併せてIC回路部に記憶保持させる。
【0010】
これにより、保護対象の第1情報と同一の態様で実質同一内容の第2情報をバックアップする場合に比べると、第2情報が異なる態様で処理されていることから、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。あるいは、第1情報及び第2情報の両方が取得できた場合には、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。以上のようにして、本願第1発明においては、実質同一内容の2つの情報を利用し、情報取得の確実性を高めることができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記第1情報及び第2情報のうち一方はデータ圧縮処理されて記憶しており、他方はデータ圧縮処理されずに記憶していることを特徴とする。
【0012】
第1又は第2情報の一方を圧縮処理、他方を非圧縮とすることにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に一方が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方は損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。また、一方を圧縮処理することによって全体のデータ容量が小さくなるため、IC回路部の記憶領域を節約でき、かつ読み取り処理を高速化することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記IC回路部は、前記第1情報及び前記第2情報を、互いに所定量だけ離れたメモリ領域に記憶していることを特徴とする。
【0014】
第1及び第2情報の記憶領域を互いに離すことにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に一方が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方は損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0015】
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記第2情報として、それぞれが単独で前記第1情報と実質同一の内容となりそれぞれが前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報を、互いに所定量だけ離れた異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする。
【0016】
バックアップを複数の情報で行うことにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に複数の情報のうち一つが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、残りは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、さらにデータ再現性を向上することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記第2情報として、前記第1情報と実質同一の内容を複数に分割して形成され、全体として合成されて前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報要素を、互いに異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする。
【0018】
バックアップ時に1つの情報を複数の情報要素に分割してバックアップすることにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に一部の情報要素が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、残りの情報要素は損傷を免れて安全に保たれる可能性が高くなり、データ再現率の低下を最小限にとどめ再現性を向上することができる。また分割された情報要素ごとに処理態様を変えることも可能となり、この場合にはバリエーションに富んだ保存方法が可能となる。
【0019】
第6の発明は、上記第4又は第5発明において、前記IC回路部は、前記第2情報として、前記複数の情報又は前記複数の情報要素を互いに異なる態様で記憶していることを特徴とする。
【0020】
バックアップを複数の情報又は分割した複数の情報要素で行うとともに、それらを互いに異なる態様で記憶させることにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に複数の情報(又は情報要素)のうち一つが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、残りは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、さらに確実にデータ再現性を向上することができる。
【0021】
第7の発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、メモリ領域に、前記第2情報の前記処理の態様に関する情報を記憶保持する処理態様記憶ブロックを備えることを特徴とする。
【0022】
これにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に、まず処理態様記憶ブロックの第2情報の処理態様に関する情報を取得した後に、当該処理態様に対応した取得態様で、円滑に第2情報の取得を行うことができる。
【0023】
第8の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記第1情報及び第2情報は、各々の情報が読み出された際にそれぞれの情報の正当性が個別に確認可能な誤り検出符号部を備えていることを特徴とする。
【0024】
これにより、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時に、第1情報及び第2情報の検出符号部を確認することにより、それぞれの情報の正当性を個別に確認することができる。その結果、正当である場合にのみ情報の取得を行うことが可能となり、データ真正度をさらに高めることができる。
【0025】
上記目的を達成するために、第9の発明は、保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報と記憶したIC回路部、及び、このIC回路部に接続されたタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部から前記第1情報を取得するための問いかけ信号を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信する情報アクセス手段と、この情報アクセス手段からの前記問いかけ信号に対する前記無線タグ回路素子の応答結果に基づき、前記第1情報又は前記第2情報を取得する情報取得手段とを有することを特徴とする。
【0026】
本願第9発明においては、無線タグ回路素子のIC回路部に所定の第1情報が記憶される一方、これを保護しバックアップすることを目的に、この第1情報と実質同一の内容を異なる態様で処理した第2情報が併せてIC回路部に記憶保持されている。そして、情報アクセス手段で第1情報を取得するための問いかけ信号が生成されて装置側アンテナを介し無線タグ回路素子へ送信され、これに対する応答結果に基づき、情報取得手段で第1情報又は第2情報が取得される。
【0027】
この際、第2情報が第1情報とは異なる態様で処理されて記憶されていることから、第1情報と同一の態様で第2情報がバックアップされている場合に比べ、いずれか一方の情報が取得できなくても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。あるいは、第1情報及び第2情報の両方が取得できた場合には、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。以上のようにして、本願第9発明においては、実質同一内容の2つの情報を利用し、情報取得の確実性を高めることができる。
【0028】
第10の発明は、上記第9発明において、前記情報取得手段は、前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき、まず前記第1情報の取得を試み、当該第1情報を取得できなかった場合に、前記第2情報の取得を行うことを特徴とする。
【0029】
情報アクセス手段で第1情報を取得するための問いかけ信号が生成されて装置側アンテナを介し無線タグ回路素子へ送信される。そして、これに対する応答結果に基づきまず情報取得手段で第1情報の取得が試みられる。そして、第1情報が取得できなかった場合には、第2情報が取得される。この際、第2情報が第1情報とは異なる態様で処理されて記憶されていることから、第1情報が取得できなくても第2情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0030】
第11の発明は、上記第9発明において、前記情報取得手段が前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき取得した前記第1情報と前記第2情報との照合を行う照合手段を備えることを特徴とする。
【0031】
情報アクセス手段で第1情報を取得するための問いかけ信号が生成されて装置側アンテナを介し無線タグ回路素子へ送信される。そして、これに対する応答結果に基づき情報取得手段で第1及び第2情報が取得され、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。
【0032】
上記目的を達成するために、第12の発明は、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を搬送する搬送手段と、前記無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行うための送受信手段とを有し、前記無線タグ回路素子へ前記情報送受信が行われた前記タグ媒体を用いて無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置であって、保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報とを、前記送受信手段を介し、当該無線タグラベルに備えられた前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む書き込み制御手段を有することを特徴とする。
【0033】
本願第12発明においては、搬送手段で搬送されるタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し、送受信手段を介して無線通信により情報送受信が行われ、無線タグラベルが作成される。この情報送受信時に、書き込み制御手段が、IC回路部に所定の第1情報を記憶させる一方、これを保護しバックアップすることを目的に、この第1情報と実質同一の内容を異なる態様で処理した第2情報を併せてIC回路部に記憶保持させる。
【0034】
これにより、保護対象の第1情報と同一の態様で実質同一内容の第2情報をバックアップする場合に比べると、第2情報が異なる態様で処理されていることから、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。あるいは、第1情報及び第2情報の両方が取得できた場合には、それら2つの情報を互いに照合することで、データ真正度を高めることができる。以上のようにして、本願第12発明においては、実質同一内容の2つの情報を利用し、情報取得の確実性を高めることができる。さらに、第1情報と第2情報の態様を異ならせて書き込むことで、作成装置側で同じ書き込み処理が行われなくなる(例えば圧縮によるデータ長の短縮やビット列の変化)ため、情報書き込みの失敗を抑制することができる。これによっても、情報取得の確実性を高めることができる。
【0035】
第13の発明は、上記第12発明において、前記第2情報を、前記第1情報とは異なる態様で処理するための情報処理手段を備えることを特徴とする。
【0036】
情報処理手段で第1情報と第2情報との処理態様を異ならせることで、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0037】
第14の発明は、上記第13発明において、前記情報処理手段は、前記第1情報及び第2情報のうちいずれか一方をデータ圧縮処理する圧縮処理手段であることを特徴とする。
【0038】
情報処理手段である圧縮処理手段で第1情報と第2情報のいずれかを圧縮処理し一方を非圧縮とすることで、無線タグ情報読み取り装置による読み取り時にいずれか一方の情報が取得できなかったとしても残りの情報は取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。また、一方をデータ圧縮処理することによって全体のデータ容量が小さくなるため、IC回路部の記憶領域を節約でき、かつ読み取り処理を高速化することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、情報取得の確実性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルTの全体概略構造の一例を表す図であり、図1(a)は無線タグラベルTの上面図、図1(b)は下面図である。これら図1(a)及び図1(b)において、無線タグラベルTは、例えば略シート形状の基材2と、この基材2に配置された、情報を記憶するIC回路部150とこのIC回路部150に接続されるループコイル形状に構成されたループアンテナ151とをそれぞれ備えた無線タグ回路素子Toを備えている。
【0041】
図1(a)に示すように、無線タグラベルTの基材2の表側(上面)には、対応する印字情報(この例では「RF−ID」)を表記した領域Sを備えている。なお、これら領域Sは、文字でなく図形や符号、あるいは単なる色塗りや模様等であってもよい。
【0042】
図2は、上記無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0043】
図2において、無線タグ回路素子Toは、リーダ200(後述の図4参照)のループアンテナ210(後述の図4参照)と磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により信号の送受信を行う上記ループアンテナ151(タグ側アンテナ)と、このループアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0044】
IC回路部150は、ループアンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記ループアンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記ループアンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0045】
変復調部156は、ループアンテナ151により受信された上記リーダ200(無線タグ情報読み取り装置)のループアンテナ210(装置側アンテナ)からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、上記ループアンテナ210より受信された搬送波を変調反射する。
【0046】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155の所定の領域に受信データを書き込み記憶したり、所定の領域に記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0047】
メモリ部155は、不揮発性メモリにより構成されており、制御部157と周知のアドレス線、データ線、制御線により接続されており、制御部157の動作により所定番地のメモリ領域に受信データが書き込まれたり、または記憶データが読み出されたりするものである。
【0048】
図3(a)〜図3(c)は、上記無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子Toの上記メモリ部155に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【0049】
ここで、本実施形態の無線タグ回路素子Toの特徴は、上記メモリ部155に書き込まれる情報(以下、本体情報)がバックアップされて書き込まれていることにある。本実施形態では、バックアップ方式として、本体情報とは別に当該本体情報を圧縮したものをメモリ部155のメモリ領域の複数個所にそれぞれ記憶させておく複数バックアップ方式と、本体情報とは別に当該本体情報を分割して各分割情報を圧縮したものをメモリ部155のメモリ領域の複数個所にそれぞれ記憶させておく分割バックアップ方式とがある。
【0050】
図3(a)は、上記バックアップが行われていない無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容の一例を表す図である。図に示すように、メモリ部155のメモリ領域の例えば最初のメモリブロック番地である0番地にバックアップ対象である本体情報Dが、またメモリ領域の例えば最後のメモリブロック番地であるE番地(処理態様記憶ブロック)にバックアップ処理の態様に関する情報Db(この例ではバックアップを行っていない単純書き込み方式である旨の情報)が記憶保持されている。なお、ここでの番地とは、メモリ部155のメモリ領域を所定の記憶容量(例えば数Kバイト)ごとのメモリ領域(メモリブロック)に区画した場合における当該メモリブロックの場所を示すものであり、本実施形態では、上記したように0番地にバックアップ対象である本体情報Dが、E番地にバックアップ処理の態様に関する情報Db(バックアップを行っているか否か、バックアップを行っている場合には複数バックアップ方式か分割バックアップ方式か、バックアップデータが記憶されている番地、圧縮形態等)が記憶保持されるようになっている。
【0051】
図3(b)は、上記複数バックアップ方式の無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容の一例を表す図である。図に示すように、メモリ部155のメモリ領域の0番地にバックアップ対象である本体情報D(第1情報)が、n番地及び2n番地に上記本体情報Dを圧縮したバックアップデータD′(第2情報)が、またE番地にバックアップ処理の態様に関する情報Db(この例では、2つのバックアップデータD′を有する複数バックアップ方式である旨の情報、バックアップデータD′が記憶されている番地のオフセット情報n、及び圧縮形態に関する情報)が記憶保持されている。なお、本実施形態では、圧縮方式として公知の可逆圧縮であるラン・レングス圧縮(Run Length
Encoding)を用いている。
【0052】
図3(c)は、上記分割バックアップ方式の無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容の一例を表す図である。図に示すように、メモリ部155のメモリ領域の0番地にバックアップ対象である本体情報Dが、m番地及び2m番地に上記本体情報Dを圧縮して分割したバックアップデータd1′及びd2′(第2情報)が、またE番地にバックアップ処理の態様に関する情報Db(この例では、2分割の分割バックアップ方式である旨の情報、バックアップデータd1′,d2′が記憶されている番地のオフセット情報m、及び圧縮形態に関する情報)が記憶保持されている。
【0053】
なお、上記本体情報Dとしては、例えば書き換え不能なタグ識別情報であるユニークID(UID)等が好適であるが、その他の情報、すなわち氏名・生年月日などの個人情報、対象物品の名称・製造年月日などの物品情報等、タグからの読み取りが不能となると利便性が低下する種々の情報をバックアップ対象としてもよい。また、上記したように、本実施形態では圧縮方式として公知のラン・レングス圧縮を用いているが、他の圧縮形態、例えばZIP圧縮やLZH圧縮、LZ77圧縮等を用いてもよい。
【0054】
図4は、リーダ200の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、リーダ200は、無線タグ回路素子Toの上記ループアンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うループアンテナ210と、このループアンテナ210を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(この場合は読取りを行う)ための搬送波を発生させるとともに、後述する制御回路202から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する上記送信回路205と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナ210を介して受信された応答信号の復調を行い、後述の制御回路202に出力する受信回路206と、上記送信回路205における搬送波の変調制御及び上記受信回路206で復調した信号の処理を行う制御回路202と、操作者が操作可能な適宜のボタン、キー等を備えた操作部203と、所定の表示を行う表示部204とを有する。
【0055】
図5は、上記送信回路205、受信回路206とループアンテナ210との接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【0056】
この図5において、送信回路205はループアンテナ210に接続され、また受信回路206は装置側ループアンテナ210と直列に接続されたコンデンサ207に接続されている。
【0057】
図6は、この制御回路202の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0058】
図6において、制御回路202は、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU202A、ROM202B、RAM202C、送受信回路205,206との信号送受を行う回路制御部202D等から構成され、RAM202Cの一時記憶機能を利用しつつROM202Bに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0059】
図7は、上記制御回路202の実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0060】
まずステップS105において、送信回路205に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶された情報を読み取るための探索信号(例えばScroll All ID信号)としての所定の変調を行った搬送波をループアンテナ210を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0061】
その後、ステップS110に移り、上記探索信号に対応し無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がループアンテナ210を介し受信され、受信回路206を介し制御回路202へ取り込まれたかどうかを判定する。リプライ信号が受信されていなければ判定が満たされず、ステップS115に移ってエラー処理(上記表示部204にエラー表示を行う等)を行い、フローを終了する。一方、リプライ信号が受信されている場合には、判定が満たされて次のステップS120へ移る。なお、このとき受信されたリプライ信号に基づく無線タグ回路素子Toのメモリ部155から読み取った情報については、適宜のメモリ(例えばRAM202Cや図示しない受信バッファ等)に一時的に記憶される。
【0062】
ステップS120では、上記ステップS110で適宜のメモリに記憶された無線タグ回路素子Toから読み取った情報中に、本体情報Dがあるか否かを判定する。本体情報Dを読み取れた場合には、判定が満たされて、フローを終了する。一方、何らかの理由により本体情報Dが読み取れなかった場合には、判定が満たされずに次のステップS125に移る。
【0063】
ステップS125では、上記ステップS110で適宜のメモリに記憶された無線タグ回路素子Toから読み取った情報より、上記バックアップ処理の態様に関する情報Dbを取得する。そして、次のステップS130に移る。
【0064】
ステップS130では、上記ステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Dbに基づき、読み取り対象である無線タグ回路素子Toのバックアップ方式がいずれの方式であるかを判断する。
【0065】
上記判断の結果、単純書き込み方式(前述の図3(a)参照)である場合には、バックアップを行わないことから本体情報Dの読み取りに失敗したとみなし、次のステップS135に移り、エラー表示信号を上記表示部204へ出力して対応するエラー表示を行わせる。そして、フローを終了する。
【0066】
一方、上記ステップS130の判断の結果、複数バックアップ方式である場合には、次のステップS140に移り、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の番地のオフセット情報に基づいて当該番地に格納されたバックアップデータ(この時点では圧縮されている)を取得する。すなわち、n番地又は2n番地に格納されたバックアップデータD′を取得する(前述の図3(b)参照)。なおこのとき、n番地及び2n番地の両データを取得するようにしてもよいし、n番地のデータを取得できなかった場合にのみ2n番地のデータを取得するようにしてもよい。そして、次のステップS145に移る。
【0067】
ステップS145では、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の圧縮形態情報に基づき、上記ステップS140で取得したバックアップデータD′を解凍する。本実施形態ではラン・レングス圧縮を用いているので、当該圧縮形態に応じた解凍処理を行う。これにより、バックアップされた本体情報Dを取得すると、本フローを終了する。
【0068】
一方、上記ステップS130の判断の結果、分割バックアップ方式である場合には、次のステップS150に移り、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の番地のオフセット情報に基づいて当該番地に格納されたバックアップデータ(この時点では分割・圧縮されている)を取得する。すなわち、m番地及び2m番地に格納されたバックアップデータd1′,d2′を取得する(前述の図3(c)参照)。そして、次のステップS155に移る。
【0069】
ステップS155では、上記ステップS150で取得したバックアップデータd1′,d2′の合成処理を行う。これにより、本体情報DのバックアップデータD′(この時点では圧縮されている)が生成される。そして、次のステップS145に移り、先のステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Db中の圧縮形態情報に基づき、上記ステップS155で生成されたバックアップデータD′を解凍する。本実施形態ではラン・レングス圧縮を用いているので、当該圧縮形態に応じた解凍処理を行う。これにより、バックアップされた本体情報Dを取得すると、本フローを終了する。
【0070】
図8は、上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150に配置された制御部157が実行する制御手順を表すフローチャートである。図8において、まずステップS210において、リーダ200のループアンテナ210から送信された信号がループアンテナ151により受信されたかどうかを判定する。受信されていれば判定が満たされ、ステップS220に移る。
【0071】
ステップS220では、ステップS210にて受信が確認された信号が探索信号であるかどうかを判定する。判定が満たされなかった場合はステップS210に戻って同様の手順を繰り返し、判定が満たされた場合はステップS230に移る。
【0072】
ステップS230では、IC回路部150のメモリ部155の記憶情報、すなわち、本体情報D、バックアップデータD′等、及びバックアップ処理の態様に関する情報Db等(前述の図3参照)を変復調部156によりループアンテナ151を介してリーダ200のループアンテナ210に送信し、このフローを終了する。
【0073】
上記のように構成される無線タグラベルTであるが、これら無線タグラベルTを製造するラベル作成装置300(タグラベル作成装置)としては、例えば図9に示す装置が用いられる。
【0074】
図9において、このタグラベル作成装置300は、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ303(タグ媒体)を巻回したタグテープロール304を着脱可能な(又はタグテープロール304を備えたカートリッジを着脱可能な)タグテープロールホルダ部310と、このタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303のうち上記無線タグ回路素子Toに対応した上記領域Sに所定の印字を行う印字ヘッド305と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うループコイル形状のループアンテナ306(送受信手段)と、このループアンテナ306を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(ここでは書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、後述する制御回路302から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する送信回路308と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナ306を介して受信された応答信号の復調を行い、後述の制御回路302に出力する受信回路301と、上記送信回路308における搬送波の変調制御及び上記受信回路301で復調した信号の処理を行う制御回路302と、タグテープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了したタグテープ303を所定の長さに切断して無線タグラベルTとするカッタ307と、印字ヘッド305に対向して設けられ、制御回路302により制御されてタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303を搬送する搬送装置309(搬送手段)とを有する。
【0075】
送受信回路308,301及び制御回路302は、詳細な説明を省略するが、上記リーダ200の送受信回路205,206及び制御回路202とほぼ同等の機能を備えるものであり、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、ループアンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ情報書き込みを行う。また制御回路302は有線又は無線の通信回線(ネットワーク)を介して他のコンピュータ、サーバ、端末等と接続されており、それらと情報の送受が可能となっている。
【0076】
図10は、無線タグラベルTの作成時に上記制御回路302によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0077】
図10において、まずステップS305において、(上記通信回線を介し制御回路302に接続された)操作端末等により別途入力された、バックアップ方式に関する情報(単純書込み、複数バックアップ、及び分割バックアップのうちいずれの方式であるか、バックアップデータの記憶番地、圧縮形態等)が上記通信回線を介し取得される。なお、上記操作端末等に代えて、タグラベル作成装置300の図示しない操作部から入力するようにしてもよい。
【0078】
次に、ステップS310において、(上記通信回線を介し制御回路302に接続された)操作端末等により別途入力された、印字ヘッド305で上記無線タグラベルTの前述の領域Sに印字したい印字情報及び無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)が上記通信回線を介し取得される。なおこの場合も、上記操作端末等に代えて、タグラベル作成装置300の図示しない操作部から入力するようにしてもよい。
【0079】
その後、ステップS315において、搬送装置309を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力し、搬送装置309を駆動させてタグテープ303の搬送を開始するとともに、印字ヘッド305を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力して、上記ステップS310で入力した印字データに基づき当該無線タグラベルTに対応する印字を領域Sに対して行う。
【0080】
次のステップS320では、書込み対象である無線タグ回路素子Toが書込み可能な所定位置となるまでタグテープ303が搬送されたかどうかを判定する。この判定は、例えば、タグテープ303(詳細には例えば剥離紙)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークを公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる(あるいはこのマーク検出位置を基準とし、搬送装置309を駆動させるパルスモータ(図示せず)に出力したパルス数をカウントすることにより搬送距離を検出してもよい)。判定が満たされるまで当該ステップS320を繰り返し、判定が満たされると次のステップS325に移る。
【0081】
ステップS325では、搬送装置309を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力し、搬送装置309を停止させてタグテープ303の搬送を停止するとともに、印字ヘッド305を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力して印字を停止する。
【0082】
次のステップS330では、上記ステップS305で入力したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ方式を判断する。判断した結果、単純書き込み方式である場合には、ステップS400に移り、バックアップを行わずに本体情報Dの書き込みを行う場合のデータを作成する単純書込みデータ作成処理を行う(詳細は後述の図11参照)。そして、次のステップS340に移る。
【0083】
一方、上記ステップS330で複数バックアップ方式と判断した場合には、ステップS500に移り、本体情報Dとは別に当該本体情報Dを圧縮したバックアップデータD′をメモリ領域の複数個所にそれぞれ書き込む場合のデータを作成する複数バックアップデータ作成処理を行う(詳細は後述の図12参照)。そして、次のステップS340に移る。
【0084】
他方、上記ステップS330で分割バックアップ方式と判断した場合には、ステップS600に移り、本体情報Dとは別に当該本体情報Dを圧縮して分割したバックアップデータd1′,d2′をメモリ領域の複数個所にそれぞれ書きこむ場合のデータを作成する分割バックアップデータ作成処理を行う(詳細は後述の図13参照)。そして、次のステップS340に移る。
【0085】
ステップS340では、送信回路308に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに対し所定の情報を書き込むための信号(例えばProgram信号)としての所定の変調を行った搬送波をループアンテナ306を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に対し対応するデータ(上記ステップS400、ステップS500、またはステップS600で作成し送信バッファに記憶させたデータ)の書き込みを行う。
【0086】
次のステップS350では、先のステップS315と同様に、搬送装置309を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力し、搬送装置309を駆動させてタグテープ303の搬送を再開するとともに、印字ヘッド305を駆動する駆動回路(図示せず)に制御信号を出力して印字を再開する。
【0087】
次のステップS355では、タグテープ303のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域Sへの印字がすべて完了しているかどうかを確認する。判定が満たされるまで当該ステップS355を繰り返し、判定が満たされると次のステップS360に移る。
【0088】
ステップS360では、タグテープ303がカッタ307で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。具体的には、例えば、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応する印字領域Sのすべてがカッタ307を所定の長さ(余白量)分だけ越えたかどうかを判定する。この判定は、先のステップS320と同様に、例えばタグテープ303(詳細には例えば剥離紙)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークを公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる(あるいはこのマーク検出位置を基準とし、搬送装置309を駆動させるパルスモータ(図示せず)に出力したパルス数をカウントすることにより搬送距離を検出してもよい)。判定が満たされるまで当該ステップS360を繰り返し、判定が満たされると次のステップS365に移る。
【0089】
ステップS365では、カッタ307によりテープを切断し、このフローを終了する。これにより、いずれかのバックアップ処理がなされた(バックアップされていない単純書込みも含む)無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルTが生成され、装置300外へと排出される。
【0090】
図11は、上記ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【0091】
この図11において、まずステップS410では、前述のステップS310で取得した無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)を、適宜のメモリ(例えばRAM202Cや図示しない送信バッファ等。以下、送信バッファとする)に読み込む。なお、この本体情報Dは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155における0番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0092】
次のステップS420では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ処理の態様に関する情報Dbを作成して送信バッファに付加する。なお、このバックアップ処理の態様に関する情報Dbは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるE番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。そして、本フローを終了する。
【0093】
以上により、無線タグ回路素子Toに書き込まれた際に、当該タグのメモリ部155が前述の図3(a)に示すデータ記憶内容となるような単純書き込みデータが作成される。
【0094】
図12は、上記ステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【0095】
この図12において、まずステップS510では、上記ステップS410と同様に、前述のステップS310で取得した無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)を送信バッファに読み込む。なお、この本体情報Dは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155における0番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0096】
次のステップS520では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の圧縮形態情報に基づき、本体情報Dを圧縮処理し、バックアップデータD′を作成する。なお本実施形態では、前述したようにラン・レングス圧縮を行う。
【0097】
次のステップS530では、上記ステップS520で作成したバックアップデータD′を送信バッファに付加する。なお、このバックアップデータD′は、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の番地情報に基づき、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるn番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0098】
次のステップS540では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中のバックアップ数情報に基づき、それら所定の数のバックアップデータD′が全て送信バッファに付加されたか否かを判定する。すなわち、本実施形態では前述したように2つのバックアップデータD′を書き込むので、1つ目のバックアップデータD′を送信バッファに付加した時点では本判定は満たされず、上記ステップS530に戻る。そして、このステップS530で、2つ目のバックアップデータD′を無線タグ回路素子Toのメモリ部155における2n番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込む。これにより、2つのバックアップデータの送信バッファへの付加が終了するので、判定が満たされて次のステップS550に移る。
【0099】
次のステップS550では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ処理の態様に関する情報Dbを作成して送信バッファに付加する。なお、このバックアップ処理の態様に関する情報Dbは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるE番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。そして、本フローを終了する。
【0100】
以上により、無線タグ回路素子Toに書き込まれた際に、当該タグのメモリ部155が前述の図3(b)に示すデータ記憶内容となるような複数バックアップデータが作成される。
【0101】
図13は、上記ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【0102】
この図13において、まずステップS610では、上記ステップS410と同様に、前述のステップS310で取得した無線タグ回路素子Toへの書き込み情報(本体情報D)を送信バッファに読み込む。なお、この本体情報Dは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155における0番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0103】
次のステップS620では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の圧縮形態情報に基づき、本体情報Dを圧縮処理する。本実施形態では、前述したようにラン・レングス圧縮を行う。
【0104】
次のステップS630では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の分割数情報に基づき、上記ステップS620で圧縮した本体情報D′を分割処理し、バックアップデータd1′,d2′を作成する。本実施形態では、前述したように2つに分割する。
【0105】
次のステップS640では、上記ステップS630で作成したバックアップデータのうち、1つ目のデータd1′を送信バッファに付加する。なお、このバックアップデータd1′は、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の番地情報に基づき、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるm番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。
【0106】
次のステップS650では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報中の分割数情報に基づき、それら所定の数の分割されたバックアップデータが全て送信バッファに付加されたか否かを判定する。すなわち、本実施形態では前述したように2つに分割したバックアップデータd1′,d2′を書き込むので、1つ目のバックアップデータd1′を送信バッファに付加した時点では本判定は満たされず、上記ステップS640に戻る。そして、このステップS640で2つ目のバックアップデータd2′を無線タグ回路素子Toのメモリ部155における2m番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込む。これにより、2つに分割したバックアップデータd1′,d2′の送信バッファへの付加が終了するので、判定が満たされて次のステップS660に移る。
【0107】
次のステップS660では、前述のステップS305で取得したバックアップ方式に関する情報に基づき、バックアップ処理の態様に関する情報Dbを作成して送信バッファに付加する。なお、このバックアップ処理の態様に関する情報Dbは、無線タグ回路素子Toのメモリ部155におけるE番地に対応する送信バッファ上のメモリ領域に読み込まれる。そして、本フローを終了する。
【0108】
以上により、無線タグ回路素子Toに書き込まれた際に、当該タグのメモリ部155が前述の図3(c)に示すデータ記憶内容となるような分割バックアップデータが作成される。
【0109】
上記において、制御回路202(詳細には図7中ステップS105の手順)は、請求項7記載の問いかけ信号を生成し装置側アンテナを介して無線タグ回路素子へ送信する情報アクセス手段を構成するとともに、制御回路202(詳細には図7中ステップS110の手順)は、請求項7記載の情報アクセス手段からの問いかけ信号に対する無線タグ回路素子の応答結果に基づき、第1情報又は第2情報を取得する情報取得手段を構成する。
【0110】
また、制御回路302(詳細には図10中ステップS340の手順)は、請求項10記載の第1情報と第2情報とを送受信手段を介し無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子のIC回路部に書き込む書き込み制御手段を構成する。また、制御回路302(詳細には図12中ステップS520、図13中ステップS620)は、請求項12記載の第1情報及び第2情報のうちいずれか一方をデータ圧縮処理する圧縮処理手段を構成するとともに、これらと図13中ステップS630の手順とが、請求項11記載の第2情報を第1情報とは異なる態様で処理するための情報処理手段を構成する。
【0111】
以上のように構成した本実施形態においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155に本体情報Dを記憶する一方、当該本体情報Dを保護しバックアップすることを目的に、この本体情報Dと実質同一の内容を異なる態様で処理(本実施形態では圧縮・分割処理)したバックアップデータD′等を併せてメモリ部155に記憶保持させる。
【0112】
これにより、保護対象の本体情報Dと同一の態様で(すなわち圧縮処理等を行わずに)実質同一内容の本体情報Dをバックアップする場合に比べると、バックアップデータD′等が異なる態様で処理されていることから、リーダ200による読み取り時に、例えば静電気等の外乱により無線タグ回路素子Toのメモリ部155のメモリ領域の一部が損傷する等によりいずれか一方のデータが取得できなかったとしても残りのデータは取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。以上のようにして、本実施形態においては、実質同一内容の2つのデータを利用し、情報取得の確実性を高めることができる。
【0113】
さらに、本体情報DとバックアップデータD′等の態様を異ならせて書き込むことで、ラベル作成装置300側で同じ書き込み処理が行われなくなる(例えば圧縮によるデータ長の短縮やビット列の変化)ため、書き込みの失敗を抑制することができる。これによっても、情報取得の確実性を高めることができる。
【0114】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に、バックアップ対象である本体情報Dについては圧縮処理せずに記憶させ、この本体情報DのバックアップデータD′(又はd1′,d2′)については圧縮処理して記憶させる。このように一方のデータを圧縮処理、他方のデータを非圧縮とすることにより、リーダ200による読み取り時に一方のデータが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方のデータは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。また、一方を圧縮処理することによって全体のデータ容量が小さくなるため、メモリ部155の記憶領域を節約でき、かつ読み取り処理を高速化することができる。
【0115】
また、本実施形態では特に、複数バックアップ方式及び分割バックアップ方式のどちらにおいても、本体情報DとそのバックアップデータD′(又はd1′,d2′)とを互いに所定量(n番地またはm番地)だけ離れたメモリ領域に記憶する。このように互いに離して記憶させることにより、リーダ200による読み取り時に一方のデータが何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、他方のデータは損傷を免れて安全に保たれ取得できる可能性が高くなり、データ再現性を向上することができる。
【0116】
また、本実施形態では特に、複数バックアップ方式を採用する。この複数バックアップ方式においては、前述の図3(b)に示すように、それぞれが単独で本体情報Dと実質同一の内容となりそれぞれが本体情報Dのバックアップ機能を果たす複数のバックアップデータD′が、互いに所定量だけ離れた異なるメモリ領域に記憶されている。このように、バックアップを複数のデータで行うことにより、リーダ200による読み取り時に、例えば本体情報Dに加え複数のバックアップデータD′のうちの一部が何らかの理由で損傷し取得できなかったような場合でも、残りのバックアップデータD′は損傷を免れて安全に保たれ取得できることになる。したがって、さらにデータ再現性を向上することができる。
【0117】
また、本実施形態では特に、分割バックアップ方式を採用する。この分割バックアップ方式においては、前述の図3(c)に示すように、本体情報Dと実質同一の内容を複数に分割して形成され、全体として合成されて上記本体情報Dのバックアップ機能を果たす複数のバックアップデータd1′,d2′が、互いに異なるメモリ領域に記憶されている。このように、バックアップ時に1つのデータを複数のデータ要素に分割してバックアップすることにより、リーダ200による読み取り時に一部のデータ要素が何らかの理由で損傷し取得できなかった場合でも、例えば残りの損傷を免れたデータ要素によりデータ全体を復元する等が可能となり、データ再現率の低下を最小限にとどめ再現性を向上することができる。また、分割されたデータ要素ごとに処理態様を変える(圧縮、非圧縮等)ことも可能となり、この場合にはバリエーションに富んだ保存方法が可能となる。
【0118】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toのメモリ部155のうち、所定のメモリ領域(E番地)にバックアップ処理の態様に関する情報Dbを記憶保持する。これにより、リーダ200による読み取り時に、まずE番地のバックアップ処理の態様に関する情報Dbを取得することで、当該情報中のバックアップデータの番地情報を利用してバックアップデータD′(又はd1′,d2′)の取得を行うことができる。その結果、円滑にバックアップデータの取得を行うことができる。
【0119】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲で更に種々の変形が可能である。以下その変形例を説明する。
【0120】
(1)本体情報とバックアップ情報とを照合する場合
上記実施形態においては、本体情報Dが読み取れなかった場合にバックアップデータD′等を参照することにより本体情報Dを取得し、本体情報Dが読み取れた場合にはバックアップデータD′等を参照しないようにしたが、これに限られない。すなわち、本体情報Dが読み取れた場合にもバックアップデータD′等を参照し、これらを照合して一致する場合にのみ無線タグ回路素子Toの本体情報Dを取得するようにしてもよい。
【0121】
図14は本変形例における制御回路202′(図示せず)の実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図7に対応する図である。この図14において図7と同様の手順には同符号を付している。
【0122】
図14において、ステップS105〜ステップS110は前述の図7と同様であり、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶された情報を読み取るための探索信号(例えばScroll All ID信号)をループアンテナ210を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がループアンテナ210を介し受信されたかどうかを判定する。リプライ信号が受信されていなければステップS115に移ってエラー処理を行い、リプライ信号が受信されている場合には次のステップS120′へ移る。
【0123】
ステップS120′では、上記ステップS110で無線タグ回路素子Toから読み取った情報中に、本体情報Dがあるか否かを判定する。本変形例では、何らかの理由により本体情報Dを読み取れなかった場合にはステップS115に移り、エラー処理を行う。一方、本体情報Dが読み取れた場合には、判定が満たされて次のステップS123に移る。
【0124】
ステップS123では、上記ステップS120′で取得した本体情報Dを適宜のメモリ(例えばRAM202C等)に一時記憶させる。そして、次のステップS125に移る。
【0125】
ステップS125は前述の図7と同様であり、上記ステップS110で無線タグ回路素子Toから読み取った情報より、前述した上記無線タグ回路素子Toのメモリ部155のE番地に記憶されているバックアップ処理の態様に関する情報Dbを取得する。そして、次のステップS130′に移る。
【0126】
ステップS130′では、上記ステップS125で取得したバックアップ処理の態様に関する情報Dbに基づき、読み取り対象である無線タグ回路素子Toのメモリ部155のバックアップ方式がいずれの方式であるかを判断する。なお、本変形例は本体情報DとバックアップデータD′等とを照合して本体情報Dを取得する例であるので、上記実施形態のように単純書き込み方式はなく、無線タグ回路素子Toのメモリ部155には必ずバックアップデータが記憶されているものとする。したがって、ここでは複数バックアップ方式であるか分割バックアップ方式であるかを判断する。
【0127】
ステップS140〜ステップS155は前述の図7と同様であり、複数バックアップ方式である場合には、所定の番地に格納されたバックアップデータD′を取得して解凍処理を行う。一方、分割バックアップ方式である場合には、所定の番地に格納されたバックアップデータd1′,d2′を取得して当該分割されたバックアップデータの合成処理を行い、さらに解凍処理を行う。なお、以上で解凍されたバックアップデータ(以下、D2とする)は、適宜のメモリ(例えばRAM202C等)に一時記憶される。そして、次のステップS160に移る。
【0128】
ステップS160では、上記ステップS123で一時記憶された本体情報Dと、上記ステップS145で解凍処理され一時記憶されたバックアップデータD2とを読出し、両者を照合する。そして、次のステップS165に移る。
【0129】
ステップS165では、上記ステップS160で照合した結果、本体情報DとバックアップデータD2とが一致するか否かを判定する。一致しない場合には、判定が満たされずにステップS170に移り、エラー処理(上記表示部204にエラー表示を行う等)を行う。一方、一致する場合には、判定が満たされてステップS175に移り、当該本体情報D(又はD2)を無線タグ回路素子Toの真正の識別情報として取得する。そして、本フローを終了する。
【0130】
以上において、制御回路202′(詳細には図14中ステップS160の手順)は、請求項9に記載の第1情報と第2情報との照合を行う照合手段を構成する。
【0131】
以上のような制御を行う本変形例によれば、本体情報D及びバックアップデータD′等の両方を取得し、それら2つの情報を互いに照合して一致する場合のみ本体情報Dを取得するので、データ真正度を高めることができる。したがって、本変形例によっても、情報取得の確実性を高めることができる。
【0132】
(2)異なる態様のバリエーション
上記実施形態においては、バックアップ対象である本体情報Dについては圧縮処理を行わず、バックアップデータD′(又はd1′,d2′)については圧縮処理を行うことで、両者を異なる態様となるようにしたが、これに限られず、反対に本体情報Dを圧縮処理し、バックアップデータD′については圧縮処理を行わないようにしてもよい。また上記実施形態では、複数バックアップ方式及び分割バックアップ方式のどちらにおいても、バックアップデータD′(又はd1′,d2′)については全て圧縮処理するようにしたが、これに限られず、例えば図15(a)及び(b)に示すように、複数のバックアップデータ又は複数の分割データのうち一部は圧縮処理を行い、残りは圧縮処理を行わないようにしてもよい。
【0133】
さらに、上記実施形態では、一方のデータを圧縮処理し、他方を非圧縮とすることにより態様を異ならせるようにしたが、これに限られず、他の処理を行うことで態様を異ならせてもよい。例えば、一方のデータを符号変換して「1の補数表現」(2の補数表現でもよい)で表したものを他方のデータとすることで、態様を異ならせてもよい。この場合にも、情報取得の確実性を高めることができるという上記実施形態と同様の効果を得る。
【0134】
(3)データが誤り検出符号部を有する場合
上記実施形態では特に設けなかったが、バックアップ対象である本体情報D及びそのバックアップデータD′(又はd1′,d2′)が、各々の情報がリーダ200により読み出された際にそれぞれの情報の正当性が個別に確認可能な誤り検出符号部を有するようにしてもよい。
【0135】
図16は、本変形例における本体情報Dとそのバックアップデータのデータ概略構成の一例を概念的に表す図である。この図に示すように、所定のビットからなる本体情報Dとそのバックアップデータは、本体情報Dを圧縮処理されてそのビット数を減少させている。減少した余裕部に図16(a)では誤り検出符号部としてのチェックサム(check sum)部DS1,DS2を配しており、また図16(b)では該余裕部に誤り検出符号部としてのCRC(Cyclic Redundancy Check)部DC1,DC2を配している。バックアップ態様に関する情報が記憶されているところの番地Eには該誤り検出符号の種類も記録されている。チェックサムやCRCは周知の誤り検出符号で、バックアップデータから所定の演算により計算される。なお、この誤り検出符号部DS1,DS2,DC1,DC2は、例えば前述した単純書き込みデータ作成処理(図11のステップS400参照)、複数バックアップデータ作成処理(図12のステップS500参照)、又は分割バックアップデータ作成処理(図13のステップS600参照)において、例えば圧縮・分割等のデータ処理の後に求められて当該データに付加されるようになっている。なお、誤り検出符号は上記説明したチェックサムやCRC符号に限らず、パリティ符号を用いてもよい。さらにはBCH符号やRS符号などの誤り訂正符号を用いた場合には誤りが発生した場合に訂正ができるのでより好適に本体情報の送受ができる。
【0136】
本変形例によれば、リーダ200による読み取り時に、バックアップデータの誤り検出符号部を確認することにより、それぞれの情報の正当性を個別に確認することができる。その結果、各バックアップデータが正当であることを確認することが可能となり、データ真正度をさらに高めることができる。
【0137】
(4)その他
なお、以上においては、装置側のアンテナ210や無線タグ回路素子To側のアンテナ151としてループアンテナを用い、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行ったが、これに限られず、たとえば上記2つのアンテナとしてダイポールアンテナやパッチアンテナ等を送受信手段として用い、電波通信により情報送受信を行うようにしてもよい。
【0138】
また、以上においては、タグテープ303の搬送を所定位置で停止させて無線タグ情報の書き込みを行う例を示したが、これに限られず、移動中のタグテープ303に対して無線タグ情報の書き込みを行うようにしてもよい。
【0139】
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(書き込み)の終了したタグテープ303をカッタ307で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ307で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0140】
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ303に直接印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用した例を示したが、これに限られず、タグテープ303とは別のカバーフィルムに印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。さらに、以上においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対し無線タグ情報の書き込みを行うと共に、印字ヘッド305によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0141】
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロール304を構成し、ロールホルダ310内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、ロールがカートリッジ内に収納されてカートリッジ化されている場合や、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、これらのカートリッジをラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0142】
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0143】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0144】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の無線タグ回路素子の一実施形態を有する無線タグラベルの全体概略構造の一例を表す上面図及び下面図である。
【図2】本発明の無線タグ回路素子の一実施形態の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図3】本発明の無線タグ回路素子の一実施形態において、単純書き込み方式、複数バックアップ方式、分割バックアップ方式のそれぞれの場合におけるメモリ部に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図4】本発明の無線タグ情報読み取り装置の一実施形態であるリーダの詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図5】送信回路、受信回路とループアンテナとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【図6】本発明の無線タグ情報読み取り装置の一実施形態の制御回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図7】制御回路の実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図8】無線タグ回路素子のIC回路部に配置された制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図9】本発明のタグラベル作成装置の一実施形態の全体構成を概略的に表す概略構成図である。
【図10】本発明のタグラベル作成装置の一実施形態の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】ステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【図13】ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【図14】本体情報とバックアップ情報とを照合する場合の変形例における制御回路の実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図15】複数のバックアップデータ又は複数の分割データのうち一部は圧縮処理を行い残りは圧縮処理を行わない場合の変形例におけるメモリ部に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図16】データが誤り検出符号部を有する場合の変形例における本体情報(又はそのバックアップデータ)のデータ概略構成の一例を概念的に表す図である。
【符号の説明】
【0146】
150 IC回路部
151 ループアンテナ(タグ側アンテナ)
200 リーダ(無線タグ情報読み取り装置)
202 制御回路(情報アクセス手段、情報取得手段)
202′ 制御回路(照合手段)
210 ループアンテナ(装置側アンテナ)
222 誤り検出ビット(誤り検出符号部)
300 ラベル作成装置(タグラベル作成装置)
302 制御回路(書き込み制御手段、情報処理手段、圧縮処理手段)
303 タグテープ(タグ媒体)
306 ループアンテナ(送受信手段)
309 搬送装置(搬送手段)
D 本体情報(第1情報)
D′ バックアップデータ(第2情報)
D″ バックアップデータ(第2情報)
d1′,d2′ バックアップデータ(第2情報)
d2″ バックアップデータ(第2情報)
Db バックアップ処理の態様に関する情報(第2情報の処理の態様に関する情報)
E 番地(処理態様記憶ブロック)
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記憶機能を備えたIC回路部と、
このIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを有する無線タグ回路素子であって、
前記IC回路部は、
保護対象となる所定の第1情報と、
この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報と
を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第1情報及び第2情報のうち一方はデータ圧縮処理されて記憶しており、他方はデータ圧縮処理されずに記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項3】
請求項1又は2記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第1情報及び前記第2情報を、互いに所定量だけ離れたメモリ領域に記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第2情報として、それぞれが単独で前記第1情報と実質同一の内容となりそれぞれが前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報を、互いに所定量だけ離れた異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第2情報として、前記第1情報と実質同一の内容を複数に分割して形成され、全体として合成されて前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報要素を、互いに異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項6】
請求項4又は5記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第2情報として、前記複数の情報又は前記複数の情報要素を互いに異なる態様で記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、メモリ領域に、
前記第2情報の前記処理の態様に関する情報を記憶保持する処理態様記憶ブロックを備えることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記第1情報及び第2情報は、各々の情報が読み出された際にそれぞれの情報の正当性が個別に確認可能な誤り検出符号部を備えていることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項9】
保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報と記憶したIC回路部、及び、このIC回路部に接続されたタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、
前記無線タグ回路素子の前記IC回路部から前記第1情報を取得するための問いかけ信号を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信する情報アクセス手段と、
この情報アクセス手段からの前記問いかけ信号に対する前記無線タグ回路素子の応答結果に基づき、前記第1情報又は前記第2情報を取得する情報取得手段とを有することを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記情報取得手段は、
前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき、まず前記第1情報の取得を試み、当該第1情報を取得できなかった場合に、前記第2情報の取得を行う
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項11】
請求項9記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記情報取得手段が前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき取得した前記第1情報と前記第2情報との照合を行う照合手段を備える
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項12】
情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行うための送受信手段と
を有し、
前記無線タグ回路素子へ前記情報送受信が行われた前記タグ媒体を用いて無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置であって、
保護対象となる所定の第1情報と、
この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報とを、前記送受信手段を介し、当該無線タグラベルに備えられた前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む書き込み制御手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項13】
請求項12記載のタグラベル作成装置において、
前記第2情報を、前記第1情報とは異なる態様で処理するための情報処理手段を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項14】
請求項13記載のタグラベル作成装置において、
前記情報処理手段は、
前記第1情報及び第2情報のうちいずれか一方をデータ圧縮処理する圧縮処理手段であることを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項1】
情報記憶機能を備えたIC回路部と、
このIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを有する無線タグ回路素子であって、
前記IC回路部は、
保護対象となる所定の第1情報と、
この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報と
を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第1情報及び第2情報のうち一方はデータ圧縮処理されて記憶しており、他方はデータ圧縮処理されずに記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項3】
請求項1又は2記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第1情報及び前記第2情報を、互いに所定量だけ離れたメモリ領域に記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第2情報として、それぞれが単独で前記第1情報と実質同一の内容となりそれぞれが前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報を、互いに所定量だけ離れた異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第2情報として、前記第1情報と実質同一の内容を複数に分割して形成され、全体として合成されて前記第1情報のバックアップ機能を果たす複数の情報要素を、互いに異なるメモリ領域に記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項6】
請求項4又は5記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、
前記第2情報として、前記複数の情報又は前記複数の情報要素を互いに異なる態様で記憶していることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、メモリ領域に、
前記第2情報の前記処理の態様に関する情報を記憶保持する処理態様記憶ブロックを備えることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の無線タグ回路素子において、
前記第1情報及び第2情報は、各々の情報が読み出された際にそれぞれの情報の正当性が個別に確認可能な誤り検出符号部を備えていることを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項9】
保護対象となる所定の第1情報と、この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報と記憶したIC回路部、及び、このIC回路部に接続されたタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、
前記無線タグ回路素子の前記IC回路部から前記第1情報を取得するための問いかけ信号を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信する情報アクセス手段と、
この情報アクセス手段からの前記問いかけ信号に対する前記無線タグ回路素子の応答結果に基づき、前記第1情報又は前記第2情報を取得する情報取得手段とを有することを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記情報取得手段は、
前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき、まず前記第1情報の取得を試み、当該第1情報を取得できなかった場合に、前記第2情報の取得を行う
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項11】
請求項9記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記情報取得手段が前記問いかけ信号に対する前記応答結果に基づき取得した前記第1情報と前記第2情報との照合を行う照合手段を備える
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項12】
情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行うための送受信手段と
を有し、
前記無線タグ回路素子へ前記情報送受信が行われた前記タグ媒体を用いて無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置であって、
保護対象となる所定の第1情報と、
この第1情報と実質同一の内容をバックアップするために、当該第1情報とは異なる態様で処理された第2情報とを、前記送受信手段を介し、当該無線タグラベルに備えられた前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む書き込み制御手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項13】
請求項12記載のタグラベル作成装置において、
前記第2情報を、前記第1情報とは異なる態様で処理するための情報処理手段を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項14】
請求項13記載のタグラベル作成装置において、
前記情報処理手段は、
前記第1情報及び第2情報のうちいずれか一方をデータ圧縮処理する圧縮処理手段であることを特徴とするタグラベル作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−213115(P2007−213115A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29242(P2006−29242)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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