説明

無線ネットワークにおける動的データ管理のためのシステムおよび方法

【課題】データの優先順位付けの改善したシステム、装置、および方法を提供する。
【解決手段】ノードが、差別化されたサービスの制御パラメータ94に従ってアクセスポイントと無線通信するように構成される。ノードは、ノードに対応する差別化されたサービスの制御パラメータ94を個別に制御するように構成されたコントローラ26を含む。コントローラ26はさらに、データ60を受信し、データ60に優先レベル92を割り当て、優先レベル92に基づいてノードの差別化されたサービスの制御パラメータ94の設定を調整するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して無線ネットワークにおける通信に関し、より詳細には無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)におけるデータの動的管理に関する。
【背景技術】
【0002】
WLANによる患者の監視を含む医療施設のネットワークのようなある一定のネットワーク環境では、既存の投資、すなわち共用ネットワークを活用して、無線臨床および遠隔測定利用を実施することが望ましい。しかしながら、ますます多くの無線クライアントがWLANにアクセスするにつれ、様々な型の装置がWLAN上の優先順位をめぐって競合し、ネットワークは混雑した状態になる可能性がある。無線帯域の多数の装置に由来するこのような干渉および使用量の増加は、ネットワーク全体の性能を低下させ、重要な患者のデータに欠落箇所をもたらし、また患者の安全に影響する恐れのあるアラームの配信の中断または遅延をもたらす可能性がある。例えば、命にかかわる不整脈の可能性が高い重症患者を監視するために設置された患者装着式遠隔測定装置が、WLAN上でデータを伝送している場合があるが、患者の状態の変化を治療者に知らせるためのローカルアラームを装備されていない場合がある。このような装置からの患者のデータおよびアラームメッセージが、例えば遠隔中央監視局または治療者が所持する携帯型電子装置にWLANを介してリアルタイムで送信されることが重要である。一方、状態の変化を治療者に知らせるためのローカルアラームを装備することができ、ネットワークでのアラーム伝送の遅延が患者の安全に対してさほど重要ではない可能性がある、複数の臨床モニタがWLANへのアクセスをめぐって競合する場合もある。さらに、WLAN上の様々な無線監視装置によって監視されている様々な患者のそれぞれの症状レベルは絶えず変化している可能性があり、患者装着式遠隔測定装置によって監視されているより軽症の患者からのデータの遅延は、より重症の患者からのデータの遅延ほど患者の安全に対してさほど重要ではない可能性がある。こうした様々な装置の間で患者のデータおよびアラームメッセージの伝送に優先順位を付けるための効果的な手段がない場合、より重要なデータが遅れる、または損失する可能性がある。
【0003】
無線LANの電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格は、多くの産業環境、オフィス環境、家庭環境、および医療環境でネットワークを構成するための一般的な機構である。従来の802.11の主な限界は、様々なタイプのトラフィック間で差別化するための優先度の分類に対応できないことである。すなわち、あらゆるタイプのトラフィックは、ネットワークにおいて等しい公平性で扱われる。様々なレベルの重要度(criticality)でトラフィック間の差別化を行うためにトラフィックの配信に優先順位を付けた、802.11eと呼ばれる最新規格が登場した。この802.11e規格は、無線通信を制御するために、IP層に差別化されたサービスの制御パラメータを持つことによってこれを実現する。例えば、IP層に6ビットのDifferentiated Services Code Point(DCSP、差別化サービスコードポイント)が割り当てられ、MAC層で使用されてトラフィックのタイプを分類し、これに優先順位を付けることが可能である。より低い優先度のトラフィッククラスとより高い優先度のトラフィッククラスにDSCPパラメータを使用して、より高い優先度のトラフィッククラスは、WLANにわたる伝送により短い待機時間を割り当てられる。しかしながら、たとえ802.11eが標準的な動作状況下において、トラフィッククラス間で差別化が可能であっても、802.11eのDSCPパラメータは本来静的であり、あらゆる監視場面の下で最適であるとは限らないことを意味する。例えば、医療施設のWLANを介して監視されている患者の状態または状況に変化が発生するとき、802.11eのDSCPパラメータは、こうした変化する状況に順応しない。このため、802.11eのDSCPデフォルトパラメータは、アラームの配信の中断および遅延が患者の安全に影響を及ぼす恐れのある、医療施設で患者の監視に使用される装置のような、一部の利用には不適当となる。
【0004】
さらに、上記のように、WLANの信号品質が低下し、このWLANにアクセスしている無線クライアントの接続データレートを下げる原因となる環境がある場合もある。より低いデータレートで接続されるとき、個々の無線クライアントがそのデータを送信するためにかかる時間はより長くなり、その結果データの損失、アラームの遅延、または波形の欠落をもたらす可能性がある。現在、医療監視装置のような無線クライアントは、多くの場合、特定の監視場面によって決まる、いくつかの異なる型のデータを伝送する必要がある。しかしながら、無線クライアントがそのデータのペイロードのサイズを管理するための効果的な手段がない場合、無線帯域の多数の装置からの干渉および使用量の増加によってネットワーク全体の性能が下がるとき、より多くの重要なデータが遅れる、または損失する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7652993号明細書
【発明の概要】
【0006】
したがって、WLANによるデータ伝送の信頼性を高めるために、また、医療監視利用における患者データのような重要なデータのロバストな伝送を保証するために、データの優先順位付けの改善したシステム、装置、および方法の必要性がある。
【0007】
上述の短所、不都合、および問題に取り組むが、これは、以下の明細書を読んで理解することによって理解されるであろう。
【0008】
一実施形態では、差別化されたサービスの制御パラメータに従ってアクセスポイントと無線通信するように、ノードが構成される。ノードは、ノードに対応する差別化されたサービスの制御パラメータの設定の個別制御を行うように構成されたコントローラを含む。さらにコントローラは、データを受信し、データに優先レベルを割り当て、優先レベルに基づいてノードのために、差別化されたサービスの制御パラメータの設定を調整するように構成される。
【0009】
別の実施形態では、ネットワークが、アクセスポイントと、差別化されたサービスの制御パラメータに従ってアクセスポイントと無線通信するように構成されたノードとを含む。ノードのそれぞれが、ノードに対応する差別化されたサービスの制御パラメータの設定の個別制御を行うように構成されたコントローラを含む。さらにコントローラはデータを受信し、データに優先レベルを割り当て、優先レベルに基づいてノードのために差別化されたサービスの制御パラメータの設定を調整するように構成される。
【0010】
別の実施形態では、方法は、データを受信することを含む。データは、差別化されたサービスの制御パラメータに従ってアクセスポイントと無線通信するように構成されたノードを使用して取得される。またこの方法は、データに優先レベルを割り当てることを含む。優先レベルは、ノードに対応する差別化されたサービスの制御パラメータの設定の個別制御を行うように構成されたコントローラによって割り当てられる。またこの方法は、優先レベルに基づいてノードのために差別化されたサービスの制御パラメータの設定を調整することを含む。
【0011】
本発明の様々な他の特徴、目的、および利点は、添付の図面およびその詳細な説明から、当業者に明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】例示的実施形態によるネットワークの概略図である。
【図2】ネットワークにおいてデータの動的優先順位付けを行うための例示的コンピュータ実行プロセスを示すブロック図である。
【図3】一実施形態による例示的方法を示す流れ図である。
【図4】ペイロードデータの動的管理を行うための例示的コンピュータ実行プロセスを示すブロック図である。
【図5】一実施形態による例示的方法を示す流れ図である。
【図6】一実施形態による例示的方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面を参照し、図中には実行することができる特定の実施形態を例示によって示す。当業者がこれらの実施形態を実行できるように、これらの実施形態について十分に詳細に説明し、他の実施形態が利用できること、ならびにこの実施形態の範囲を逸脱することなく、論理的、機械的、電気的、およびその他の変更が行われることを理解されたい。次の詳細な説明は、したがって、本発明の範囲を限定するものとして受け取られるべきではない。
【0014】
図1を参照すると、概略的に表されるネットワーク10が図示されている。無線ネットワーク10は一般に、2つ以上のノード20、ならびにアクセスネットワーク10に設置された他の型の装置の間で無線通信を容易にするように構成されている。例として、ネットワーク10はWLANとすることができ、様々なノード20が1つまたは複数のアクセスポイント(AP)14を介して、IEEE802.11eプロトコルに従ってネットワーク10を通じて無線で通信するように構成されている。ノード20は、プローブ要求を送信し、アクセスポイント14によって伝送されたプローブ応答信号をスキャンすることにより、定期的スキャンを能動的に行うことによって、ネットワーク10に所属する装置をサーチしている状態であるとすることができる。あるいはノード20は、アクセスポイント14によって伝送されるビーコンをスキャンすることによって受動的にサーチすることができる。医療施設においてWLANによる患者の監視を含む一実施形態によれば、ネットワーク10は、変動する症状レベルの患者を監視している1つまたは複数の型のノード20(例えば、General Electric Company製のDASHまたはAPEX PRO監視装置)を含むことができる。ノード20は、IEEE802.11eプロトコルに従って1つまたは複数のアクセスポイント14を介してネットワーク10を通じて、患者データを中央監視局16(例えば、General Electric Company製のCIC PRO中央監視局)に伝えているものとすることができる。
【0015】
ノード20は、ネットワーク10のようなWLANにアクセスするように構成される。最も基本的な構成では、ノード20は少なくとも1つの処理装置22と、メモリ24とを含む。コンピューティングデバイスの正確な構成および型によって、メモリ24は揮発性(RAMなど)、不揮発性(ROM、フラッシュメモリ、その他など)、またはこの2つの何らかの組合せである場合がある。処理装置22およびメモリ24は、コントローラ26に含まれており、コントローラ26の一部を形成する。
【0016】
ノード20はまた、さらなる特徴/機能を有することができる。例えばノード20は、磁気ディスクもしくは光ディスクまたはテープなど、これらに限らず追加の記憶装置(取り外し可能および/または取り外し不能)を含むことも可能である。このような追加の記憶装置は、図1において取り外し可能記憶装置28および取り外し不能記憶装置30で示している。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を格納するためのあらゆる方法または技術により実現された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不能な媒体を含む。またノード20は、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置などのような1つまたは複数の入力装置32を有することもある。ディスプレイ、スピーカ、プリンタなどのような1つまたは複数の出力装置34が含まれることもある。またノード20には、バッテリパックなどのような電源36を設けることも可能である。電源36は、ノードによる演算および無線データ伝送のために電力を供給する。
【0017】
ノード20はまた、アナログまたはデジタル信号入力部38を含むことができる。ノード20が患者監視装置である一実施形態によれば、信号入力部38は、例えば信号収集ハードウェア(例えば、信号増幅器、ガルバニック絶縁コンポーネント、アナログ−デジタル変換器など)と、信号収集ハードウェアからデータを受け取ってさらなる処理を行うために処理装置22によって実行されるソフトウェアアプリケーションとを含むデータ収集コンポーネントとすることができる。この実施形態では、信号入力部38は、患者データを受信するために、例えば、心電図(ECG)のリード線、侵襲もしくは非侵襲的血圧装置、温度プローブ、血液ガス測定プローブ、気道ガスセンサなど、配列されたセンサまたはトランスデューサ39によって、患者に連結することができる。
【0018】
ノード20はまた、ノード20が他の装置と通信できるようにする1つまたは複数の通信接続部40を含むことができる。通信接続部40は、例えば音響、RF、赤外線、および他の無線媒体を介してWLANとの通信を行う。上述したように、本明細書で使用するコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体の両方を含む。例として通信接続部40は、様々なタイプの無線ネットワークと無線で通信するためのUSBまたはSD無線カードなどのような、ネットワークインターフェースカード(NIC)を含むことができる。NICは、好適な周波数のチャネルを通じて無線でデータを送受信するためにアンテナ44に結合されたトランシーバ42を含む。一実施形態によれば、通信接続部40は、インフラストラクチャネットワークおよびアドホックネットワークなど、ネットワークの設定を容易にするために、IEEE802.11e無線接続を通じて無線設定サービスを使用する。
【0019】
通信接続部40はまた、ノード20と例えばアクセスポイント14との間のネットワーク10の信号品質を評価するように構成されたハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。例として、通信接続部40は、ネットワーク10を通じて伝送される信号と背景雑音との間の電力比の形式で、伝送の信号対雑音比(SNR)を測定するように構成することができる。同様に、通信接続部40は、ネットワーク10を通じて伝送される信号に存在する電力を示す受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定するように構成することができる。通信接続部40はまた、ノード20によって復元可能な情報信号として認識することができる最小入力信号電力を示すノイズフロア値を測定するように構成することもできる。通信接続部40はまた、ノード20による伝送再試行の数を示す再送レートを決定するように構成することもできる。通信接続部40はまた、例えばAP 14からの失敗したビーコン信号の数を測定するように構成することもできる。他のタイプの信号品質測定も同様に期待される。
【0020】
さらに図1を参照すると、コントローラ26が、ペイロードデータを含んでいるデータパケットに優先レベルを割り当てるために、ノード20によって受信され、取得され、またはこれに格納されたペイロードデータを処理するためのアプリケーション46を含んでいる。一般に本明細書で使用する「ペイロードデータ」という用語は、データパケットに含むことができるヘッダデータとは対照的に、例えば患者パラメータ、アラーム、波形、装置型、または位置データのような、データパケットを介してエンドユーザに伝えられる実際の情報を指す。一般に本明細書で使用する「データ」という用語は、特に指定がない限り、様々な型のペイロードデータを指す。一般に本明細書で使用される「ペイロード」という用語は、ペイロードデータを含むデータパケットの部分を指す。一実施形態によれば、アプリケーション46は、このデータを定義された閾値と比較して、データの分類を決定し、次いで優先レベルを決定するために、加重和の計算を行う。コントローラ26はまた、アプリケーション46からの入力に基づいてデータパケットに差別化されたサービスの制御パラメータを割り当てるアプリケーション47を含む。一実施形態によれば、差別化されたサービスの制御パラメータは、アプリケーション46から受け取られたデータパケットにIP層で割り当てられたDifferentiated Services Control Point(DSCP)である。しかしながら、本明細書で定義する差別化されたサービスの制御パラメータは、他の層で適用されるDSCP以外の優先度分類子を同様に含むことができる。またコントローラ26は、アプリケーション47から受け取られたデータパケットの媒体アクセス制御(MAC)層を維持するネットワークドライバインターフェース仕様(NDIS)のインターフェース48を含み、通信接続部40の動作を制御する。一実施形態によれば、NDISのインターフェース48は、IEEE802.11eプロトコルに従って動作し、差別化されたサービスの制御パラメータを使用して、通信接続部40を介するデータパケットの伝送に優先順位を付ける。
【0021】
次に図2を参照すると、ネットワーク10においてデータの動的な優先順位付けを行うためのコンピュータで実行されるプロセス50を例示するブロック図を示している。一実施形態では、プロセス50は、WLANの802.11e実装の差別化されたサービスの制御パラメータの適応を対象にするものである。具体的には図2に例示するプロセス50は、ノード20によって送信されたデータパケットの優先度を決定するIP層のDSCPパラメータへの更新を行う。ここでノード20は、医療施設においてネットワーク10を通じてデータを伝送する患者監視装置である。ノード20によってネットワーク10に伝送されるデータパケットの実際の優先度は、時間とともに変化する可能性があるので、ノード20のDSCPを決定するための適応的方法が望まれる。ネットワーク10が混雑している場合、すなわちネットワーク10は伝送を試みる多数の装置で使用中であることを意味するが、非常に低い固定DSCP値は、患者の安全に影響を及ぼす可能性があるノード20からの重要なデータを配信する際に中断および遅延を招く場合がある。同様に、非常に高いノード20の固定DSCP値は、より重要なデータを送信する他の装置からの重要なデータを配信する際に中断および遅延を招く場合がある。したがって、ある所与の時間にノード20によって伝送されているデータの重要度に応じて、効率的なデータ伝送のための適切なDSCP値は時間とともに変化する可能性がある。
【0022】
図2は、データパケットのIP層のDSCP値を適応することに関して説明し、示しているが、DSCPパラメータ以外の他のパラメータまたは追加パラメータが変更される可能性があることも想定される。また、改訂された802.11プロトコル(例えば802.11n)のような、802.11e以外の他の無線通信プロトコルに、プロセス50が適用される可能性があることもさらに想定される。さらには、図2は、医療施設においてネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置としてのノード20の状況で説明しているが、プロセス50は、他の型のノードおよびネットワーク化されたアプリケーションに適用されることが想定される。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、WLANの分散型の制御として、ノード毎のレベルでの適応的DSCPの決定が行われる。DSCP値は、その特定のノード20への無線伝送に望まれるパケット伝送の優先レベルを定義する。各ノード20のコントローラ26は、WLANの802.11e規格の枠組みの下で機能するDSCP値を適応させるための分散型の適応的アルゴリズムを実行するように構成され、その特定のノード20の優先要件を満たすDSCP値を動的に選択するためのローカル計算を使用する。分散型制御方式では、ネットワーク10のノード20のそれぞれのコントローラ26は、その個別の動作状況に基づいて、プロセス50を個々に適用する。すなわち、データ優先度のローカル決定に基づいて、各ノードは、各ノード独自の優先要件を満たすことができるDSCP値の適切な適応を決定する。
【0024】
図2を参照すると、個別のノード20におけるプロセス50において、コントローラ26が、ネットワーク10を通じて伝送されるデータを受信する。例えばデータは、ノード20によって取得されるデータ、または以前にノード20に格納されたデータとすることができる。ノード20が、医療施設においてネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置である一実施形態によれば、取得データ60は、例えばパラメータデータ60a、アラームデータ60b、波形データ60cを含む可能性があると想定される。パラメータデータ60aには、例えば、心拍数もしくは心電図(ECG)のデータ、血圧データ(侵襲的または非侵襲的)、体温データ、血液ガス測定データ(例えば、SpO2データ)、および気道ガス測定データ(例えば、CO2データ)のような生理学的バイタルサインデータの離散(例えばデジタル)値が含まれる。アラームデータ60bは、例えば、患者のあるパラメータデータがあらかじめ設定された限界を越えたこと、支援が必要とされる可能性がある(例えば、患者は過度の心拍数または正常な体温よりも高い体温を有する)ことを示すデータを含むことができる。またアラームデータ60bは、ノード20の状態の変化(例えば、センサ39の接続が切れた、または電源36がほとんどなくなっているなど)を示すデータを含むこともできる。波形データ60cは、例えば、治療者による検査に適切なデータ分解能で送信された、ECG波形のような、アナログの、すなわち連続的な患者の生理学的データを含むことができる。またデータは、例えば、患者のモニタ(例えば臨床モニタまたは遠隔測定装置)の型に関する、ノード20に格納された装置型データ60dと、医療施設でノード20が配置されている場所(例えば集中治療室、ステップダウン治療室など)を示す装置位置データ60eとを含むこともできる。他の型のデータは、例えば、患者の状態を監視するのに重要である可能性がある電子医療記録(EMR)のデータを含むことができる。
【0025】
図2のプロセス50の例示の実行では、アプリケーション46は、ネットワーク10を通じて伝送するためにコントローラ26によって受け取られたデータ60を処理し、データの優先レベルを決定する。具体的には、アプリケーション46は、データについてデータの分類80を決定するために、データ60の値をデータ閾値70と比較する。各型のデータ60のデータ閾値70は、例えば、データ60の値が陥る可能性のあるクリティカルレベルまたは範囲に基づいて設定することができる。各型のデータ60に単一のデータ閾値70があることが可能であり、または複数のデータ閾値70が、各型のデータ60のデータの値の範囲を設定する。ノード20が医療施設でネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置である一実施形態によれば、データ閾値は、データ60の値と患者の症状との間の関係に基づいて設定することができると想定される。例示の実施形態では、パラメータデータ60aの値が、適切なデータ閾値70aと比較される。例えば、データ閾値70aは、心拍数ECGデータ、血圧データ、体温データ、血液ガス測定データ、および気道ガス測定データ(例えばCO2データ)についてユーザが定義した限界または範囲を含むことができる。同様に、アラームデータ60bの値が適切なデータ閾値70bと比較され、波形データ60cの値が適切なデータ閾値70cと比較される。
【0026】
アプリケーション46は、データ閾値70との比較に基づいてデータ60のデータの分類80を決定する。ノード20が医療施設でネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置である一実施形態によれば、データの分類80がデータ閾値70とのデータ60の比較に基づいた患者の症状を示すことが想定される。例えば、データ60が、心拍数データのデータ閾値70aを越える心拍数パラメータデータ60aの値を含む場合、アプリケーション46は重症患者レベルを示すデータの分類80aを割り当てることができる。心拍数パラメータデータ60の値が心拍数データのデータ閾値70aを下回る場合、アプリケーション46は軽症患者レベルを示すデータの分類80aを割り当てることができる。同様に、アプリケーション46は、アラームデータ60bの値がアラームデータ60bのデータ閾値70bを越えるかどうかによって、重症または軽症レベルを示すデータの分類80bを割り当てることができる。アプリケーション46はまた、波形データ60cの値が波形データ60cのデータ閾値70cを越えるかどうかによって重症または軽症レベルを示すデータの分類80cを割り当てることができる。データの分類80dおよび80eもまた、このデータとそれぞれのデータ閾値70d(例えば、ノード20は設定されたサイズまたは移植性制限を上回るまたは下回る)および70e(例えばノード20は、特定の距離範囲内にある、または特定の距離範囲外にある)との比較に基づいて、それぞれ装置型データ60dおよび装置位置データ60eに割り当てられることが可能である。
【0027】
アプリケーション46は、割り当てられたデータの分類80を有するデータ60の値の統計的重み値90を決定する。統計的重み値90は、データ優先度の変動するレベルが加重和の計算によって適応的に決定されることが可能である構造を提供するために使用される。ノード20が医療施設でネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置である一実施形態によれば、これらのデータの分類80のそれぞれに一致させた優先度に基づく様々な患者の症状によるデータの分類80のそれぞれに対して、対応する統計的重み値90が設定されると想定される。例として、データ60が、重症患者レベルを示すデータの分類80aを割り当てられた、伝送される心拍数パラメータデータ60aの値を含む場合、アプリケーション46は、対応する統計的重み値90aは適切であると判断する。この特定の環境では、統計的重み値90aの決定値は、伝送される心拍数パラメータデータ60aの値が、軽症患者レベルを示すデータの分類80aを割り当てられる場合よりも高い。様々なアラームデータの分類80bに対して統計的重み値90bが設定され、様々な波形データの分類80cに対して統計的重み値90cが設定される。一実施形態によれば、アラームデータの分類80bに対して設定された統計的重み値90bは、波形データの分類80cに設定された統計的重み値90cよりも高い可能性があり、同様に波形データの分類80cに対して設定された統計的重み値90cは、パラメータデータの分類80aに対して設定された統計的重み値90aよりも高い可能性がある。同様に、様々なそれぞれの装置型データの分類80d(例えば、装置データの分類80dをローカルアラーム付き臨床モニタとするノード20に対して、より低い重みを設定することができ、装置データの分類80dをローカルアラームなしの遠隔測定装置とするノード20に対してより高い重みを設定することができる)および位置データの分類80e(例えば、集中治療室に対応する位置データの分類80eを有するノード20により高い重みを割り当てることができる)に対して、統計的重み値90dおよび90eが設定される。
【0028】
アプリケーション46はまた、ネットワーク10を通じてノード20によって伝送されるデータ60に総優先レベル92を割り当てるために、加重和の計算を行う。線形、非線形、および幾何学的加重和計算のような、様々なタイプの加重和の計算手法を用いることができる。優先レベル92の加重和の計算は、ネットワーク10を通じてデータパケットで伝送されるデータ60の様々な値に割り当てられた様々な統計的重み値90のそれぞれを計算に入れ、総和を計算する。このように、重症患者レベルに対応するデータ値60は、総優先レベル92を上げ、それに対応してネットワーク10を通じてデータが伝送される確率を上げる。軽症レベルに対応するデータ値60は、総優先レベル92を下げ、それに対応してデータがネットワーク10を通じて伝送される確率を下げ、より高い優先度のデータの伝送確率を上げる。
【0029】
アプリケーション47は、アプリケーション46から総優先レベル92を受信し、総優先レベル92を対応する差別化されたサービスの制御パラメータ値94(例えば、IEEE802.11eに従った6ビットのDSCP値)に変換し、データ60を組み入れているデータパケットのIP層に差別化されたサービスの制御パラメータ値94を割り当てる。NDISインターフェース48は、差別化されたサービスの制御パラメータ値94を受信し、MAC層の対応するデータ待ち行列96にデータパケットを割り当てる。データ60を組み入れているデータパケットは、その後ネットワーク10を通じてアクセスポイント14に伝送するために通信接続部40に送信される。データ60を組み入れているデータパケットは、その後、表示するために例えば中央監視局に転送することができる。
【0030】
図3を参照すると、一実施形態に従った方法100を例示する流れ図が示してある。方法100は、例えば図1に示すネットワークで、例えば図3に関して上述したプロセスを使用して、実行されることが可能である。ステップ110では、ネットワークを通じて伝送されるデータが受信される。一実施形態によれば、データは、差別化されたサービスの制御パラメータに従ってアクセスポイント14と無線通信するように構成されたノード20によって取得される。ノード20は、IEEE802.11eプロトコルに従ってアクセスポイント14と無線通信するように構成することができ、差別化されたサービスの制御パラメータは、Differentiated Services Code Pointとすることができる。ステップ120では、データに優先レベルが割り当てられる。優先レベルは、例えば、データの分類を決定し、分類に基づいて加重和計算を行うことによって、割り当てることができる。ステップ130では、差別化されたサービスの制御パラメータは、優先レベルに基づいて調整されることが可能である。
【0031】
このように、開示のシステムおよび方法は、無線ローカルエリアネットワークにおけるデータ優先度に基づいて、無線通信プロトコルを動的に調整する。医療監視用途では、データは患者の症状に基づいて優先順位を付けられ、最も危険である患者は、そのデータがネットワークを通じて伝送される確率が上がるようにする。
【0032】
次に図4を参照すると、ペイロードデータの動的管理を行うための例示的コンピュータ実行プロセス200を示すブロック図が示してある。一実施形態では、プロセス200は、WLANの802.11e実装のデータパケットのペイロードに含まれるデータの量を調整することを対象とする。具体的には図2に示すプロセス200は、ノード20によって送信されるデータパケットに含まれるデータの量を調整し、ここではノード20は、医療施設でネットワーク10を通じてデータを伝送する患者監視装置である。ネットワーク10を通じた伝送の信号品質は、時々下がる可能性があり、ネットワーク10にアクセスするノード20の接続データレートを落とす原因となるので、ノード20によって伝送されるデータパケットに含まれるデータの量を調整するための適応的方法が望まれる。より低いデータレートで接続されるとき、個々のノードがそのデータを送信するのにより長い時間がかかり、その結果データの損失、アラームの遅延、または波形の欠落をもたらす可能性がある。したがって、ある所与の時間にネットワーク10を通じて送信される伝送の信号品質によって、効率的なデータ伝送のためにノード20によって送信されるパケットの適切なデータの量は、時間とともに変化する可能性がある。
【0033】
図4は、802.11 WLANにおける信号品質に基づいたデータパケットのペイロードに含まれるデータの量の適応について説明し、示しているが、プロセス200は、改訂された802.11プロトコル(例えば、802.11n)のような、802.11e以外の他の無線通信プロトコルに適用できることも想定される。さらに、図4は、医療施設でネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置としてのノード20という状況で説明しているが、プロセス200は、他のタイプのノードおよびネットワーク化されたアプリケーションに適用されると想定される。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、ノード毎のレベルで適応的にデータパケットのペイロードを調整することは、WLANの分散型の制御として行われる。各ノード20のコントローラ26は、WLANの802.11e規格の枠組みの下で機能する、データパケットのペイロードに含まれるデータの量を調整するための分散型で適応的なアルゴリズムを実行するように構成され、ローカルの信号品質の測定を用いて特定ノード20によって伝送されるデータパケットのペイロードを動的に調整する。分散型制御方式では、ネットワーク10のノード20のそれぞれのコントローラ26は、その個別の動作状況に基づいて、プロセス200を個々に適用する。すなわち、信号品質のローカル決定に基づいて、各ノード20は、その独自の要件を満たすことができる、データパケットのペイロードの適切な適応を決定する。
【0035】
図4を参照すると、個別のノード20におけるプロセス200では、コントローラ26は、ネットワーク10を通じて伝送されるデータを受け取る。図2に関して上述したように、データは、例えばノード20によって取得されたデータ、またはノード20にあらかじめ格納されたデータとすることができる。ノード20が医療施設でネットワーク10を通じて患者データを伝送する患者監視装置である一実施形態によれば、取得データ60は、例えばパラメータデータ60a、アラームデータ60b、および波形データ60cを含むことができると想定される。パラメータデータ60aは、例えば、心拍数もしくは心電図(ECG)データ、血圧データ(侵襲的または非侵襲的)、体温データ、血液ガス測定データ(例えば、SpO2データ)、および気道ガス測定データ(例えば、CO2データ)のような生理学的バイタルサインデータの離散(例えば、デジタル)値を含むことができる。アラームデータ60bは、例えば、患者のあるパラメータデータがあらかじめ設定された限度を超えること、および支援が必要とされる可能性があること(例えば、患者は過度の心拍数または正常な体温よりも高い熱を有する)を示すデータを含むことができる。アラームデータ60bはまた、ノード20の状態の変化(例えば、センサ39の接続が切れた、または電源36がほとんどない)を示すデータを含むことができる。波形データ60cは、例えば、治療者による検討のために適切なデータ分解能で送信される、ECG波形のような、アナログの、すなわち連続的な患者の生理学的データを含むことができる。データはまた、例えば、患者モニタ(例えば、臨床モニタまたは遠隔測定装置)の型に関するノード20に格納された装置型データ60dと、医療施設でノード20が配置される場所(例えば、集中治療室、ステップダウン治療室など)の表示を行う装置位置データ60eとを含むことができる。他の型のデータは、例えば患者の状態を監視するのに重要である可能性がある電子医療記録(EMR)のデータを含むことができる。
【0036】
図4のプロセス200の例示の実行では、アプリケーション46が、ネットワーク10の信号品質指標210も決定する。詳細にはアプリケーション46が、通信接続部40から1つまたは複数の信号品質測定値を受信し、総合的な信号品質指標値を決定するように構成される。信号品質測定値は、例えば、図1および通信接続部40を参照して上述したRSSI値、ノイズフロア値、SNR値、パケット再送率、および欠落ビーコン率とすることができる。信号品質指標210は、単一の信号品質測定値(例えば、RSSIのみ)に基づくことができ、または、信号接続部40から受信された信号品質測定値の組合せ(例えば、RSSIとSNR)から導出することができる。
【0037】
アプリケーション46は、信号品質指標210に基づいて、データパケットのペイロードに含まれる、ノード20によって受信されるデータ60の量を調整する。具体的には、信号品質指標210が、ネットワーク10を通じて得られる測定信号品質はある閾値を下回る、または特定の範囲外であることを示す場合、アプリケーション46は、データパケットのペイロードに含まれるデータの量を調整することができる。信号品質指標210の値に基づいて、アプリケーション46は、例えば、ある型の受信データ60を削除することによって、受信データ60からデータのサブセットを取り除くことができる220。ノード20が医療施設でネットワーク10を通じて患者データのパケットを伝送する患者監視装置である一実施形態では、アプリケーション46が、このようなデータがパラメータデータ60a、アラームデータ60b、波形データ60c、装置型データ60d、または位置データ60eであるかどうかに基づいて、データのサブセットを取り除き、ある型のデータ(例えば、アラーム)のみを残してデータパケットのペイロードに含まれるようにすることができると想定される。別の実施形態によれば、信号品質指標210の値に基づいて、アプリケーション46が、例えば、受信データ60の分解能を下げることによって、受信データ60からデータのサブセットを取り除くことができる220。ノード20が医療施設でネットワーク10を通じて患者データのパケットを伝送する患者監視装置である一実施形態では、アプリケーション46が、例えば、パラメータデータ60a、アラームデータ60b、波形データ60c、装置型データ60d、または位置データ60eの分解能を下げることによって、データのサブセットを取り除くことができると想定される。例として、信号品質指標210が、ネットワーク10を通じて得られる測定信号品質がある閾値を下回ることを示す場合、アプリケーション46がECG波形データの分解能を120Hzから60Hzへ下げることができる。別の例示的実施形態によれば、信号品質指標210が、ネットワーク10を通じて得られる測定信号品質がある閾値を下回ることを示す場合、アプリケーション46がデータパケット再送試行回数を下げることができる。アプリケーション46は、ネットワーク10で伝送するために、受信データ760の残りをパケットをペイロードデータ230として含む。
【0038】
次に図5を参照すると、一実施形態による方法300を例示する流れ図が示してある。方法300は、例えば図1に示すネットワークで、例えば図4に関して上述したプロセス200を使用して、実行されることが可能である。ステップ310では、ネットワークを通じて伝送されるデータが受け取られる。一実施形態によれば、データは、ネットワークを通じてデータパケットを無線伝送するように構成されたノードによって取得される。受信データは、例えば、アラームデータ、波形データ、バイタルサインデータ、装置型データ、および位置データのような、患者監視装置によって取得される生理学的データを含むことができる。ノードは、データパケットのペイロードの個別制御を行うように構成されたコントローラを含む。ノードは、IEEE802.11eプロトコルに従ってアクセスポイントと無線通信するように構成することができる。ステップ320では、無線ネットワークについて、信号品質指標が測定される。信号品質指標は、例えば、RSSI値、ノイズフロア値、SNR比値、パケット再送率、および欠落ビーコン率に基づくことができる。ステップ330では、ペイロードに含まれるデータの量が、信号品質指標に基づいて調整される。ペイロードに含まれるデータの量は、例えば、アラームデータ、波形でデータ、バイタルサインデータ、装置型データ、および位置データのような、データの型に基づいて、受信データからデータのサブセットを取り除くことによって調整することができる。ペイロードに含まれるデータの量は、例えば受信データの分解能を下げることによって調整されることも可能である。
【0039】
このように、ノード20によって送信されたパケットに含まれる受信データ60の適切な量は、所与の時間にネットワーク10を通じて送信された伝送の信号品質によって決まる効率的なデータ伝送に合わせて動的に調整される。このように、開示したシステムおよび方法は、無線帯域の複数の装置からの干渉および使用量の増加によりネットワーク全体の性能を低下させるとき、ある一定の型のデータが遅れない、または失われない可能性を増大させる。
【0040】
次に図6を参照すると、一実施形態による例示的方法400を説明する流れ図が示してある。詳細には、図6は、図2および図4に関して示して説明したプロセスを結合する方法400の実行を説明し、ネットワーク10を通じて伝送されるデータの優先度と、ある所与の時間にネットワーク10を通じて送信される伝送の信号品質との両方に基づいて、動的データ管理が行われるようにする。方法400は、例えば図1に示すネットワークで実行することができる。ステップ410では、ネットワークを通じて伝送されるデータが受信される。一実施形態によれば、データは、差別化されたサービスの制御パラメータにより、例えばアクセスポイントを介してネットワークを通じてデータパケットの無線通信を行うように構成されたノードによって取得される。ノードは、IEEE802.11eプロトコルに従ってアクセスポイントと無線通信を行うように構成することができ、差別化されたサービスの制御パラメータは、Differentiated Services Code Pointとすることができる。受信データは、例えば、アラームデータ、波形データ、バイタルサインデータ、装置型データ、および位置データのような、患者監視装置によって取得される生理学的データを含むことができる。ステップ420では、データに優先レベルが割り当てられる。優先レベルは、例えば、データの分類を決定し、分類に基づいた加重和の計算を行うことによって割り当てることができる。ステップ430では、差別化されたサービスの制御パラメータは、優先レベルに基づいて調整することができる。ステップ440では、ネットワークの信号品質指標が決定される。信号品質指標は、例えば、RSSI値、ノイズフロア値、SNR比値、パケット再送率、および欠落ビーコン率に基づくことができる。ステップ450では、ペイロードに含まれるデータの量が、信号品質指標に基づいて調整される。ペイロードに含まれるデータの量は、例えば、アラームデータ、波形でデータ、バイタルサインデータ、装置型データ、および位置データのような、データの型に基づいて、受信データからデータのサブセットを取り除くことによって調整することができる。ペイロードに含まれるデータの量は、例えば、受信データの分解能を下げることによって調整することもできる。
【0041】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態に対して本発明の趣旨を逸脱することなく一定の置換、変更、および省略をすることができることは当業者には理解されるであろう。したがって、前述の記載は単に例示であることを意図されおり、添付の特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定すべきではない。
【符号の説明】
【0042】
10 ネットワーク
14 アクセスポイント(AP)
16 中央監視局
20 ノード
22 処理装置
24 メモリ
26 コントローラ
28 取り外し可能記憶装置
30 取り外し不能記憶装置
32 入力装置
34 出力装置
36 電源
38 信号入力部
40 通信接続部
42 トランシーバ
44 アンテナ
46、47 アプリケーション
48 NDISインターフェース
50 プロセス
60 データ
70 データ閾値
80 データの分類
90 統計的重み値
92 優先レベル
94 差別化されたサービスの制御パラメータ値
96 データ待ち行列
100 方法
110、120、130 ステップ
200 プロセス
210 信号品質パラメータ
220 データのサブセット
230 ペイロードデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差別化されたサービスの制御パラメータ(94)に従ってアクセスポイント(14)と無線通信するように構成されたノード(20)であって、
ノード(20)に対応する差別化されたサービスの制御パラメータ(94)の設定の個別制御を行うように構成されたコントローラ(26)であって、
データ(60)を受信し、
前記データ(60)に優先レベル(92)を割り当て、
前記優先レベル(92)に基づいて前記ノード(20)に前記差別化されたサービスの制御パラメータ(94)の設定を調整する
ようにさらに構成された前記コントローラ(26)
を含む、ノード(20)。
【請求項2】
前記コントローラ(26)が、前記データ(60)に前記優先レベル(94)を割り当てるために加重和の計算(94)を行うようにさらに構成された、請求項1記載のノード(20)。
【請求項3】
前記コントローラ(26)が、前記データ(60)の分類(80)を決定し、前記分類(80)に基づいて前記加重和の計算(94)を行うようにさらに構成された、請求項2記載のノード(20)。
【請求項4】
前記ノード(20)が、IEEE802.11eプロトコルに従って前記アクセスポイント(14)と無線通信するように構成された、請求項1記載のノード(20)。
【請求項5】
前記差別化されたサービスの制御パラメータ(94)が、Differentiated Services Code Pointである、請求項4記載のノード(20)。
【請求項6】
前記ノード(20)が患者監視装置(20)であって、前記データ(60)が前記患者監視装置(20)によって取得される生理学的データ(60)である、請求項1記載のノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−142930(P2012−142930A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−280736(P2011−280736)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】