説明

無線中継局及び無線中継方法

【課題】干渉の影響を低減でき、他の周波数帯を用いるシステムへの転用が容易であり、且つ、小型化を図ることができる無線中継局を提供する。
【解決手段】無線中継局10Aは、第1周波数帯が用いられるドナー側信号RS1を無線基地局BSと送受信するドナー側送受信部100と、第1周波数帯と隣接する第2周波数帯が用いられるサービス側信号RS2を無線端末MSと送受信するサービス側送受信部200と、ドナー側送受信部100及びサービス側送受信部200をそれぞれ制御する制御部150及び制御部250とを備える。ドナー側送受信部100は、サービス側信号RS2を受信した際に、第1周波数帯におけるサービス側信号RS2の信号レベルを測定する。制御部150及び制御部250は、当該信号レベルが低下するように、周波数シフト部223における第2周波数帯のシフト量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継局及び無線中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線基地局からの信号が届きにくい屋内などにおいても無線端末と無線基地局との通信を可能にするために、無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継局が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような無線中継局は、無線基地局と信号(以下、第1信号)を送受信する第1送受信部と、無線端末と信号(以下、第2信号)を送受信する第2送受信部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−67386号公報([要約]など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線中継局において、第1信号の周波数帯(以下、第1周波数帯)と、第2信号の周波数帯(以下、第2周波数帯)とが例えば隣接する場合、第2送受信部からの第2信号が干渉信号として第1送受信部によって受信され、第1送受信部からの第1信号が干渉信号として第2送受信部によって受信される。
【0006】
この結果、第1送受信部及び第2送受信部が互いに干渉の影響を受けるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、無線基地局における第1送受信部と第2送受信部とが互いに受ける干渉の影響を低減できる無線中継局及び無線中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、無線基地局(無線基地局BS)と無線端末(無線端末MS)との間の通信を中継する無線中継局(無線中継局10A)であって、第1周波数帯(ドナー側周波数帯B1)が用いられる第1信号(ドナー側信号RS1)を前記無線基地局と送受信する第1送受信部(ドナー側送受信部100)と、第2周波数帯(サービス側周波数帯B2)が用いられる第2信号(サービス側信号RS2)を前記無線端末と送受信する第2送受信部(サービス側送受信部200)と、前記第1送受信部及び前記第2送受信部を制御する制御部(制御部500)とを備え、前記第2送受信部は、前記第2周波数帯をシフトする周波数シフト部(周波数シフト部223)を有し、前記第1送受信部は、前記第2送受信部から前記第2信号を受信した際に、前記第1周波数帯における前記第2信号の信号レベルを測定し、前記制御部は、前記第1送受信部によって測定された前記信号レベルが低下するように、前記周波数シフト部における前記第2周波数帯のシフト量を調整することを要旨とする。
【0009】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第1送受信部は、前記第1送受信部が前記無線基地局に接続した後、且つ、前記無線端末が前記第2送受信部に接続する前において、前記第2送受信部から前記第2信号を受信することを要旨とする。
【0010】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記制御部は、前記シフト量を変化させつつ前記信号レベルを前記第1送受信部に複数回測定させ、複数回の測定のうち最も低い前記信号レベルが測定された際の前記シフト量を、前記周波数シフト部に設定する前記シフト量として決定することを要旨とする。
【0011】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1〜第3の何れかの特徴に係り、前記第1信号は、互いに直交する複数の第1サブキャリアを用いて構成され、前記第2信号は、互いに直交する複数の第2サブキャリアを用いて構成され、前記制御部は、前記第2サブキャリアが前記第1サブキャリアに直交するように、前記シフト量を調整することを要旨とする。
【0012】
本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記第1送受信部は、フーリエ変換により、前記第1信号を前記第1サブキャリアに変換するフーリエ変換部(FFT処理部112)と、前記第2信号の前記信号レベルを測定する信号レベル測定部(信号レベル測定部113)とを備え、前記信号レベル測定部は、前記フーリエ変換部による前記フーリエ変換後の前記第2信号の前記信号レベルを測定することを要旨とする。
【0013】
本発明の第6の特徴は、無線基地局(無線基地局BS)と無線端末(無線端末MS)との間の通信を中継する無線中継局(無線中継局10A又は無線中継局10B)であって、第1周波数帯(ドナー側周波数帯B1)が用いられる第1信号(ドナー側信号RS1)を前記無線基地局と送受信し、第2周波数帯(サービス側周波数帯B2)が用いられる第2信号(サービス側信号RS2)を前記無線端末と送受信する送受信部(送受信部300)を備え、前記送受信部は、前記第1信号と直交する前記第2信号を前記無線端末と送受信することを要旨とする。
【0014】
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記第1信号は、互いに直交する複数の第1サブキャリアを用いて構成され、前記第2信号は、互いに直交する複数の第2サブキャリアを用いて構成され、前記送受信部は、前記第1サブキャリアと直交する前記第2サブキャリアを用いて構成される前記第2信号を前記無線端末と送受信することを要旨とする。
【0015】
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記送受信部は、逆フーリエ変換により、前記第1サブキャリアを前記第1信号に変換するとともに、前記第2サブキャリアを前記第2信号に変換する逆フーリエ変換部(IFFT処理部311)と、フーリエ変換により、前記第1信号を前記第1サブキャリアに変換するとともに、前記第2信号を前記第2サブキャリアに変換するフーリエ変換部(FFT処理部312)とを備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の第9の特徴は、本発明の第1〜第8の何れの特徴に係り、前記第1送受信部が前記第1信号を受信する時間帯は、前記第2送受信部が前記第2信号を送信する時間帯と重複し、前記第1送受信部が前記第1信号を送信する時間帯は、前記第2送受信部が前記第2信号を受信する時間帯と重複することを要旨とする。
【0017】
本発明の第10の特徴は、無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継方法であって、第1周波数帯が用いられる第1信号を第1送受信部が無線基地局と送受信するステップと、第2周波数帯が用いられる第2信号を第2送受信部が前記無線端末と送受信するステップと、前記第1送受信部が、前記第2送受信部から前記第2信号を受信した際に、前記第1周波数帯における前記第2信号の信号レベルを測定するステップと、前記第2送受信部に設けられた周波数シフト部が、前記第2周波数帯をシフトするステップと、前記測定するステップにおいて測定された前記信号レベルが低下するように、前記周波数シフト部における前記第2周波数帯のシフト量を調整するステップとを備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の第11の特徴は、無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継方法であって、第1周波数帯が用いられる第1信号を前記無線基地局と送受信するステップと、第2周波数帯が用いられる第2信号を前記無線端末と送受信するステップとを備え、前記第2信号を送受信するステップでは、前記第1信号と直交する前記第2信号を前記無線端末と送受信することを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、無線基地局における第1送受信部と第2送受信部とが互いに受ける干渉の影響を低減できる無線中継局及び無線中継方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムにおける通信動作の概略を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係る無線中継局において発生する干渉の電力状態について説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る無線中継局の構成を示すブロック図である。
【図5】典型的な位相変調信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図6】OFDM方式の周波数スペクトルを示す図である。
【図7】干渉発生時のOFDM隣接チャネルの周波数スペクトルを示す図である。
【図8】直交状態のOFDM隣接チャネルの周波数スペクトルを示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る無線中継局の動作例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る無線中継局の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る無線中継局の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態、第2実施形態、及びその他の実施形態を説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0022】
[第1実施形態]
第1実施形態においては、(1)無線通信システムの概要、(2)無線中継局の構成、(3)干渉低減処理、(4)無線中継局の動作フローについて説明する。
【0023】
(1)無線通信システムの概要
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム1の概略構成図である。
【0024】
図1に示すように、無線通信システム1は、無線中継局10A、無線基地局BS、及び無線端末MSを有する。無線通信システム1は、WiMAX(IEEE802.16)に基づく構成を有する。すなわち、無線通信システム1には、直交周波数分割多重(OFDM)/直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)方式、及び時分割複信(TDD)方式が採用されている。
【0025】
OFDM/OFDMA方式(以下、単に「OFDM方式」と称する)は、送信データを互いに直交する複数のサブキャリアに分散して各サブキャリアを変調する方式である。具体的には、送信側にて、各サブキャリアを多相PSK変調又は多値QAM変調した後、各サブキャリアを逆高速フーリエ変換(IFFT)することで、OFDM信号が生成される。これに対して受信側では、OFDM信号を高速フーリエ変換(FFT)することで復調を行う。
【0026】
TDD方式は、1つの通信フレーム内においてアップリンク(以下、UL)通信及びダウンリンク(以下、DL)通信を時分割で実行することにより、双方向通信を実現する。
【0027】
無線中継局10Aは、無線基地局BSと無線端末MSとの間の通信を中継する。これにより、無線端末MSは、無線基地局BSの通信エリアの範囲外、あるいは、当該通信エリアの端部に位置していても、無線中継局10Aを介して、無線基地局BSとの通信を行うことができる。
【0028】
無線中継局10Aは、ドナー側アンテナANT1を介してドナー側信号RS1(第1信号)を無線基地局BSと送受信するドナー側送受信部100(第1送受信部)と、サービス側アンテナANT2を介してサービス側信号RS2(第2信号)を無線端末MSと送受信するサービス側送受信部200(第2送受信部)とを有する。
【0029】
ドナー側信号RS1の送受信には、ドナー側周波数帯B1(第1周波数帯)が用いられる。サービス側信号RS2の送受信には、ドナー側周波数帯B1と隣接するサービス側周波数帯B2(第2周波数帯)が用いられる。
【0030】
ドナー側送受信部100は、無線基地局BSとの無線接続を行う。ドナー側送受信部100は、無線端末MSと同様のレイヤ1/レイヤ2機能を持つ。
【0031】
サービス側送受信部200は、無線端末MSとの無線接続を行う。サービス側送受信部200は、無線基地局BSと同様のレイヤ1/レイヤ2機能を持つ。サービス側送受信部200は、無線基地局BSと同期してサービス側信号RS2の送受信を行う。
【0032】
無線中継局10Aは、例えば家庭内に設置される比較的小型のものであり、ドナー側送受信部100及びサービス側送受信部200が同一の筐体に収められる。このような場合、ドナー側送受信部100及びサービス側送受信部200は、比較的近い距離で無線送受信を行うことになる。
【0033】
図2は、無線通信システム1における通信動作の概略を示すタイムチャートである。
【0034】
図2に示すように、TDD方式を採用する無線通信システム1においては、DL通信の時間帯において、ドナー側送受信部100が無線基地局BSからドナー側信号RS1を受信(図2中の“Rx”)し、サービス側送受信部200がサービス側信号RS2を無線端末MSに送信(図2中の“Tx”)する。
【0035】
UL通信の時間帯において、ドナー側送受信部100がドナー側信号RS1を無線基地局BSに送信し、サービス側送受信部200がサービス側信号RS2を無線端末MSから受信する。
【0036】
ドナー側周波数帯B1及びサービス側周波数帯B2は隣接しているため、DL通信の時間帯においてサービス側送受信部200がドナー側送受信部100に干渉を与え、UL通信の時間帯においてドナー側送受信部100がサービス側送受信部200に干渉を与える。
【0037】
図3は、無線中継局10Aにおいて発生する干渉の電力状態について説明するための図である。
【0038】
ドナー側送受信部100及びサービス側送受信部200それぞれについて、送信電力は最大23dBm程度であり、隣接周波数帯域(以下、適宜「隣接チャネル」と称する)への漏洩電力は4〜-4dBm相当である。
【0039】
したがって、ドナー側送受信部100からサービス側送受信部200への干渉信号の受信電力、及び、サービス側送受信部200からドナー側送受信部100への干渉信号の受信電力は、-10〜-20dBm程度になる。それに対して、ドナー側送受信部100及びサービス側送受信部200が本来受信すべき希望信号の受信電力は、-40〜-80dBm程度になる。
【0040】
このように、希望信号に対して干渉信号の電力が大きいことが通信品質劣化の一つの原因となる。第1実施形態では、このような干渉の影響を回避するために、サービス側周波数帯B2のシフト機能を設ける。例えば、サービス側周波数帯B2のシフトにより、サービス側信号RS2がドナー側信号RS1と直交すると、干渉の影響が効果的に低減できる。ただし、必ずしもサービス側信号RS2がドナー側信号RS1と直交しなくてもよい。
【0041】
(2)無線中継局の構成
図4は、無線中継局10Aの構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、無線中継局10Aは、ドナー側アンテナANT1、ドナー側送受信部100、制御部150、サービス側アンテナANT2、サービス側送受信部200、及び制御部250を有する。
【0043】
制御部150は、ドナー側送受信部100を制御する。制御部250は、サービス側送受信部200を制御する。本実施形態において、制御部150及び制御部250は、ドナー側送受信部100及びサービス側送受信部200を制御する制御部500を構成する。
【0044】
ドナー側送受信部100は、信号処理部110及び無線部120を有する。信号処理部110は、ベースバンド(BB)帯のドナー側信号RS1を処理する。無線部120は、無線周波数(RF)帯のドナー側信号RS1を処理する。
【0045】
信号処理部110は、IFFT処理部111、FFT処理部112、及び信号レベル測定部113を有する。無線部120は、送信部121及び受信部122を有する。
【0046】
制御部150からの送信データは、互いに直交する複数の第1サブキャリアに分散され、第1サブキャリア毎に変調が施された後、IFFT処理部111によるIFFTにより、ドナー側信号RS1に変換される。このようにして得られたドナー側信号RS1は、送信部121において、RF帯にアップコンバートされ、且つ増幅された後、ドナー側アンテナANT1から送出される。
【0047】
一方、ドナー側アンテナANT1が受信したドナー側信号RS1は、受信部122において、RF帯からBB帯にダウンコンバートされ、且つ増幅された後、FFT処理部112によるFFTが施される。FFTにより、ドナー側信号RS1は、複数の第1サブキャリアに変換され、且つ第1サブキャリア毎に復調されて、受信データとして制御部150に入力される。
【0048】
第1実施形態においては、ドナー側送受信部100は、サービス側信号RS2に対する受信処理も行うことができる。この場合、ドナー側アンテナANT1が受信したサービス側信号RS2は、受信部122において、RF帯からBB帯にダウンコンバートされ、且つ増幅された後、FFT処理部112によるFFTが施される。FFT後のサービス側信号RS2は、信号レベル測定部113に入力される。
【0049】
サービス側送受信部200は、信号処理部210及び無線部220を有する。信号処理部210は、BB帯のサービス側信号RS2を処理する。無線部220は、RF帯のサービス側信号RS2を処理する。
【0050】
信号処理部210は、IFFT処理部211及びFFT処理部212を有する。無線部220は、送信部221、受信部222、及び周波数シフト部223を有する。
【0051】
制御部250からの送信データは、互いに直交する複数の第2サブキャリアに分散され、第2サブキャリア毎に変調が施された後、IFFT処理部211によるIFFTにより、サービス側信号RS2に変換される。このようにして得られたサービス側信号RS2は、送信部221において、RF帯にアップコンバートされ、且つ増幅された後、サービス側アンテナANT2から送出される。
【0052】
一方、サービス側アンテナANT2が受信したサービス側信号RS2は、受信部222において、RF帯からBB帯にダウンコンバートされ、且つ増幅された後、FFT処理部212によるFFTが施される。FFTにより、サービス側信号RS2は、複数の第2サブキャリアに変換され、且つ第2サブキャリア毎に復調されて、受信データとして制御部150に入力される。
【0053】
周波数シフト部223は、サービス側周波数帯B2をシフトする。具体的には、周波数シフト部223は、サービス側周波数帯B2の初期値からサービス側周波数帯B2を上昇又は低下させる。なお、サービス側周波数帯B2の上限及び下限は予め定められていることから、周波数シフト部223は、上限及び下限の範囲内でサービス側周波数帯B2をシフトする。
【0054】
信号レベル測定部113は、ドナー側送受信部100がサービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信した際に、ドナー側周波数帯B1におけるサービス側信号RS2の信号レベル(つまり、干渉レベル)を測定する。
【0055】
具体的には、信号レベル測定部113がサービス側信号RS2の信号レベルを測定する場合、FFT処理部212は、複数の第1サブキャリアそれぞれの周波数でFFTを実施する。信号レベル測定部113によって測定された信号レベルは、制御部500に通知される。
【0056】
制御部500は、信号レベル測定部113によって測定された信号レベルが低下するように、周波数シフト部223におけるサービス側周波数帯B2のシフト量を調整する。
【0057】
なお、周波数シフト部223におけるサービス側周波数帯B2のシフト量を調整する処理は、ドナー側送受信部100が無線基地局BSとの接続(ネットワークエントリ)が完了したときに行われる。ドナー側送受信部100は、ドナー側送受信部100が無線基地局BSに接続した後に、サービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する。ここで、本実施形態では、無線端末MSがサービス側送受信部200に接続する前にサービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する場合について説明するが、無線端末MSがサービス側送受信部200に接続した後にサービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する場合であってもよい。
【0058】
制御部500は、信号レベル測定部113によって測定された信号レベルが低下する方向に変更する処理を繰り返し、当該信号レベルが最も小さくなるシフト量を探索する。具体的には、制御部500は、周波数シフト部223におけるシフト量を変化させつつ信号レベルを信号レベル測定部113に複数回測定させ、複数回の測定のうち最も低い信号レベルが測定された際のシフト量を、周波数シフト部223に設定する最終的なシフト量として決定する。
【0059】
信号レベル測定部113によって測定された信号レベルが小さくなる条件とは、例えば、ドナー側信号RS1(あるいは第1サブキャリア)及びサービス側信号RS2(あるいは第2サブキャリア)が直交している状態である。
【0060】
上記のようなシフト量調整処理により、サービス側送受信部200は、例えば、ドナー側送受信部100と直交している周波数で無線端末MSとの無線通信を行うことができる。
【0061】
(3)干渉低減処理
以下において、図5〜図8を用いて、無線中継局10Aにおける干渉低減処理の一例について詳細に説明する。
【0062】
図5は、典型的な位相変調信号の周波数スペクトルを示す図である。
【0063】
図5において、中心の矢印で示しているのが、実際の信号成分である。位相変調信号は、実際の信号がある周波数だけでなく、前後に雑音成分が発生する。
【0064】
ただし、図5に示すように、位相変調信号の雑音成分には、一定周波数ごとに、信号レベルが0となる点(以下、「0点」)が存在する。この0点は、位相変調のシンボル周期に比例している。したがって、同じシンボル周期である信号では、同じ周期で0点が現れる。OFDM方式は、その0点となるところに、信号を重ね合わせて多重伝送を行う方式である。
【0065】
図6は、OFDM方式の周波数スペクトルを示す図である。
【0066】
図6に示すように、0点に他の信号を重ねれば(直交させれば)、お互いの信号が干渉することなく伝送を行うことができる。OFDMの信号帯域外に漏れる信号雑音についても、一定周波数ごとにレベルが0となる0点が存在する。
【0067】
図7は、干渉発生時のOFDM隣接チャネルの周波数スペクトルを示す図である。
【0068】
図7の例において、破線はドナー側送受信部100の受信信号(ドナー側信号RS1)、実線はサービス側送受信部200の送信信号(サービス側信号RS2)を示す。
【0069】
通常、OFDMの隣接セル間では直交性を有する周波数を用いないので、サービス側送受信部200の送信信号(サービス側信号RS2)の雑音がドナー側送受信部100の受信信号(ドナー側信号RS1)に干渉する。
【0070】
図8は、直交状態のOFDM隣接チャネルの周波数スペクトルを示す図である。
【0071】
図8に示すように、第1実施形態に係る無線中継局10Aは、ドナー側送受信部100の受信信号(ドナー側信号RS1)と、サービス側送受信部200の送信信号(サービス側信号RS2)とを直交させることができる。
【0072】
すなわち、サービス側送受信部200の送信信号(サービス側信号RS2)の雑音の0点が、ドナー側送受信部100の受信信号(ドナー側信号RS1)の信号成分と重なるため、サービス側送受信部200の送信信号(サービス側信号RS2)の雑音が干渉しない。そのため、ドナー側送受信部100は、キャリア間干渉の影響を受けずに、正常に受信信号(ドナー側信号RS1)を復調することができる。
【0073】
また、ドナー側送受信部100の送信信号(ドナー側信号RS1)の雑音の0点も、サービス側送受信部200の受信信号(サービス側信号RS2)の信号成分と重なることになるため、ドナー側送受信部100の送信信号(ドナー側信号RS1)の雑音が干渉しない。そのため、サービス側送受信部200は、キャリア間干渉の影響を受けずに、正常に受信信号(サービス側信号RS2)を復調することができる。
【0074】
(4)無線中継局の動作フロー
図9は、無線中継局10Aの動作例を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS101において、ドナー側送受信部100は、無線基地局BSへの接続(ネットワークエントリ)を行う。ドナー側送受信部100は、サービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する。
【0076】
ステップS102において、ドナー側送受信部100の受信部122は、ドナー側アンテナANT1が受信したサービス側信号RS2をRF帯からBB帯にダウンコンバートし、且つ増幅する。ドナー側送受信部100のFFT処理部112は、受信部122からのサービス側信号RS2にFFTを施す。ドナー側送受信部100の信号レベル測定部113は、FFT後のサービス側信号RS2の信号レベルを測定する。測定された信号レベルは、制御部500によって記憶される。
【0077】
ステップS103において、制御部500は、周波数シフト部223を用いて、サービス側周波数帯B2を初期値から所定量だけ上昇させる。
【0078】
ステップS104において、ドナー側送受信部100は、サービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する。ステップS102と同様にして、ドナー側送受信部100の信号レベル測定部113は、FFT後のサービス側信号RS2の信号レベルを測定する。測定された信号レベルは、制御部500に通知される。
【0079】
ステップS105において、制御部500は、ステップS104で測定された信号レベルが、ステップS102で測定された信号レベルよりも低いか否かを判定する。ステップS104で測定された信号レベルが、ステップS102で測定された信号レベルよりも低い場合には、処理がステップS106に進む。一方、ステップS104で測定された信号レベルが、ステップS102で測定された信号レベル以上である場合には、処理がステップS109に進む。
【0080】
ステップS106において、制御部500は、周波数シフト部223を用いて、サービス側周波数帯B2をさらに所定量だけ上昇させる。
【0081】
ステップS107において、ドナー側送受信部100は、サービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する。ステップS102と同様にして、ドナー側送受信部100の信号レベル測定部113は、FFT後のサービス側信号RS2の信号レベルを測定する。測定された信号レベルは、制御部500に通知される。
【0082】
ステップS108において、制御部500は、ステップS107で測定された信号レベルが、ステップS104で測定された信号レベルよりも低いか否かを判定する。ステップS107で測定された信号レベルが、ステップS104で測定された信号レベルよりも低い場合には、処理がステップS106に戻る。一方、ステップS107で測定された信号レベルが、ステップS104で測定された信号レベル以上である場合には、処理がステップS112に進む。
【0083】
ステップS109において、制御部500は、周波数シフト部223を用いて、サービス側周波数帯B2を初期値から所定量だけ低下させる。
【0084】
ステップS110において、ドナー側送受信部100は、サービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信する。ステップS102と同様にして、ドナー側送受信部100の信号レベル測定部113は、FFT後のサービス側信号RS2の信号レベルを測定する。測定された信号レベルは、制御部500に通知される。
【0085】
ステップS111において、制御部500は、ステップS110で測定された信号レベルが、ステップS102で測定された信号レベルよりも低いか否かを判定する。ステップS110で測定された信号レベルが、ステップS102で測定された信号レベルよりも低い場合には、処理がステップS109に戻る。その後のステップS109では、制御部500は、周波数シフト部223を用いて、サービス側周波数帯B2をさらに所定量だけ低下させることになる。一方、ステップS110で測定された信号レベルが、ステップS102で測定された信号レベル以上である場合には、処理がステップS112に進む。
【0086】
ステップS112において、制御部500は、複数回の信号レベル測定のうち最も低い信号レベルが測定された際のシフト量を、周波数シフト部223に設定する最終的なシフト量として決定する。
【0087】
なお、本動作フローでは、ステップS103において周波数を上昇させているが、これに代えて、ステップS103において周波数を低下させてもよい。この場合、ステップS106では、周波数の上昇に代えて周波数の低下を行うことになり、ステップS109では、周波数の低下に代えて周波数の上昇を行うことになる。
【0088】
以上説明したように、第1実施形態によれば、例えばドナー側信号RS1とサービス側信号RS2とをOFDM上で直交させることで、干渉を回避することができる。このため、TDD方式において隣接チャネルが存在する場合等に特に有効である。さらに、干渉低減用のフィルタ回路を必ずしも用いる必要がないため、他の周波数帯を用いるシステムへの転用が容易である。また、干渉低減用のフィルタ回路を必ずしも用いる必要がないため、小型化を図ることができる。
【0089】
第1実施形態では、ドナー側送受信部100は、無線端末MSがサービス側送受信部200に接続する前において、サービス側送受信部200からサービス側信号RS2を受信するため、周波数シフト部223におけるシフト量を決定することができ、無線端末MSとの無線通信に悪影響を与えることを防止できる。
【0090】
なお、無線端末MSは、サービス側送受信部200に接続する際に、自動周波数制御により、シフト量が反映されたサービス側周波数帯B2に追従することができる。
【0091】
第1実施形態では、制御部500は、シフト量を変化させつつ信号レベルを信号レベル測定部113に複数回測定させ、複数回の測定のうち最も低い信号レベルが測定された際のシフト量を、周波数シフト部223に設定する最終的なシフト量として決定するため、効果的なシフト量を自動的に探索することができる。
【0092】
[第2実施形態]
第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。図10は、第2実施形態に係る無線中継局10Bの構成を示すブロック図である。
【0093】
図10に示すように、無線中継局10Bは、アンテナANT、送受信部300及び制御部350を有する。送受信部300は、アンテナANTを介して、ドナー側周波数帯B1が用いられるドナー側信号RS1を無線基地局BSと送受信し、ドナー側周波数帯B1と隣接するサービス側周波数帯B2が用いられるサービス側信号RS2を無線端末MSと送受信する。制御部350は、送受信部300を制御する。
【0094】
第2実施形態において、送受信部300は、ドナー側信号RS1と直交するサービス側信号RS2を無線端末MSと送受信する。
【0095】
送受信部300は、信号処理部310及び無線部320を有する。信号処理部310は、BB帯のドナー側信号RS1及びサービス側信号RS2の両信号を処理する。無線部320は、RF帯のドナー側信号RS1及びサービス側信号RS2の両信号を処理する。
【0096】
信号処理部310は、IFFT処理部311及びFFT処理部312を有する。IFFT処理部311は、IFFTにより、互いに直交する複数の第1サブキャリアをドナー側信号RS1に変換するとともに、互いに直交する複数の第2サブキャリアをサービス側信号RS2に変換する。
【0097】
ここで、IFFT処理部311は、第1サブキャリア及び第2サブキャリアそれぞれを予め直交させている。すなわち、IFFT処理部311は、ドナー側周波数帯B1とサービス側周波数帯B2とを併せた周波数帯(すなわち、通常の倍の周波数帯)に対し、一括してIFFTを行うように構成されている(図11参照)。
【0098】
FFT処理部312は、FFTにより、ドナー側信号RS1を互いに直交する複数の第1サブキャリアに変換するとともに、サービス側信号RS2を互いに直交する複数の第2サブキャリアに変換する。FFT処理部312は、ドナー側周波数帯B1とサービス側周波数帯B2とを併せた周波数帯(すなわち、通常の倍の周波数帯)に対し、一括してFFTを行うように構成されている(図11参照)。
【0099】
無線部320は、送信部321及び受信部322を有する。送信部321は、IFFT処理部311からのドナー側信号RS1及びサービス側信号RS2を一括してRF帯にアップコンバートし、且つ増幅し、アンテナANTから送出する。受信部322は、アンテナANTが受信したドナー側信号RS1及びサービス側信号RS2を一括してRF帯からBB帯にダウンコンバートし、且つ増幅する。
【0100】
このように構成された無線中継局10Bの動作について、図11を参照しながら説明する。図11では、無線中継局10Aにおける全帯域が20MHzであると仮定している。
【0101】
無線中継局10Bが無線基地局BSとの接続を行い、周波数が同期すると、ドナー側周波数帯B1(10MHz)が確定する。
【0102】
ドナー側周波数帯B1が同期すると、サービス側周波数帯B2も同期する。このため、無線中継局10A内部で、ドナー側信号RS1(第1サブキャリア)及びサービス側信号RS2(第2サブキャリア)を直交させることができる。
【0103】
このように、無線中継局10Bによれば、第1実施形態のようなシフト量調整処理を省略して、最初から、互いに直交するドナー側信号RS1及びサービス側信号RS2を送受信できる。したがって、第1実施形態において得られる効果に加え、無線中継局10Bの処理負荷を低減するという効果が得られる。
【0104】
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0105】
上述した第1実施形態では、周波数シフト部223におけるシフト量を調整する構成について説明した。しかしながら、最適なシフト量が一旦確定すれば、無線中継局10Aは、以後のシフト量調整処理を省略し、シフト量を固定にしてもよい。
【0106】
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、周波数領域の信号(サブキャリア)から時間領域の信号(ドナー側信号RS1又はサービス側信号RS2)への変換にIFFTを使用し、時間領域の信号(ドナー側信号RS1又はサービス側信号RS2)から周波数領域の信号(サブキャリア)への変換にFFTを使用していた。しかしながら、FFTに限らず、DFT(discrete Fourier transform)等を使用してもよい。
【0107】
上述した実施形態では、WiMAX(IEEE802.16)に基づく無線通信システム1について説明したが、WiMAXに限らず、OFDM方式を採用する無線通信システムであればよく、例えば、次世代PHS(Personal Handyphone System)や、LTE(Long Term Evolution)などに対しても本発明を適用可能である。
【0108】
上述した実施形態では、無線中継局10A及び無線中継局10Bとして固定型のものを説明したが、固定型に限らず、例えば車両などに搭載される移動型中継局であってもよい。
【0109】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0110】
ANT,ANT1,ANT2…アンテナ、BS…無線基地局、MS…無線端末、1…無線通信システム、10A,10B…無線中継局、100…ドナー側送受信部、110…信号処理部、111…IFFT処理部、112…FFT処理部、113…信号レベル測定部、120…無線部、121…送信部、122…受信部、150…制御部、200…サービス側送受信部、210…信号処理部、211…IFFT処理部、212…FFT処理部、220…無線部、221…送信部、222…受信部、223…周波数シフト部、250…制御部、300…送受信部、310…信号処理部、311…IFFT処理部、312…FFT処理部、320…無線部、321…送信部、322…受信部、350,500…制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継局であって、
第1周波数帯が用いられる第1信号を前記無線基地局と送受信する第1送受信部と、
第2周波数帯が用いられる第2信号を前記無線端末と送受信する第2送受信部と、
前記第1送受信部及び前記第2送受信部を制御する制御部と
を備え、
前記第2送受信部は、前記第2周波数帯をシフトする周波数シフト部を有し、
前記第1送受信部は、前記第2送受信部から前記第2信号を受信した際に、前記第1周波数帯における前記第2信号の信号レベルを測定し、
前記制御部は、前記第1送受信部によって測定された前記信号レベルが低下するように、前記周波数シフト部における前記第2周波数帯のシフト量を調整する無線中継局。
【請求項2】
前記第1送受信部は、前記第1送受信部が前記無線基地局に接続した後、且つ、前記無線端末が前記第2送受信部に接続する前において、前記第2送受信部から前記第2信号を受信する請求項1に記載の無線中継局。
【請求項3】
前記制御部は、
前記シフト量を変化させつつ前記信号レベルを前記第1送受信部に複数回測定させ、
複数回の測定のうち最も低い前記信号レベルが測定された際の前記シフト量を、前記周波数シフト部に設定する前記シフト量として決定する請求項1又は2に記載の無線中継局。
【請求項4】
前記第1信号は、互いに直交する複数の第1サブキャリアを用いて構成され、
前記第2信号は、互いに直交する複数の第2サブキャリアを用いて構成され、
前記制御部は、前記第2サブキャリアが前記第1サブキャリアに直交するように、前記シフト量を調整する請求項1〜3の何れか一項に記載の無線中継局。
【請求項5】
前記第1送受信部は、
フーリエ変換により、前記第1信号を前記第1サブキャリアに変換するフーリエ変換部と、
前記第2信号の前記信号レベルを測定する信号レベル測定部と
を備え、
前記信号レベル測定部は、前記フーリエ変換部による前記フーリエ変換後の前記第2信号の前記信号レベルを測定する請求項4に記載の無線中継局。
【請求項6】
無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継局であって、
第1周波数帯が用いられる第1信号を前記無線基地局と送受信し、第2周波数帯が用いられる第2信号を前記無線端末と送受信する送受信部を備え、
前記送受信部は、前記第1信号と直交する前記第2信号を前記無線端末と送受信する無線中継局。
【請求項7】
前記第1信号は、互いに直交する複数の第1サブキャリアを用いて構成され、
前記第2信号は、互いに直交する複数の第2サブキャリアを用いて構成され、
前記送受信部は、前記第1サブキャリアと直交する前記第2サブキャリアを用いて構成される前記第2信号を前記無線端末と送受信する請求項6に記載の無線中継局。
【請求項8】
前記送受信部は、
逆フーリエ変換により、前記第1サブキャリアを前記第1信号に変換するとともに、前記第2サブキャリアを前記第2信号に変換する逆フーリエ変換部と、
フーリエ変換により、前記第1信号を前記第1サブキャリアに変換するとともに、前記第2信号を前記第2サブキャリアに変換するフーリエ変換部と
を備える請求項7に記載の無線中継局。
【請求項9】
前記第1送受信部が前記第1信号を受信する時間帯は、前記第2送受信部が前記第2信号を送信する時間帯と重複し、
前記第1送受信部が前記第1信号を送信する時間帯は、前記第2送受信部が前記第2信号を受信する時間帯と重複する請求項1〜8の何れか一項に記載の無線中継局。
【請求項10】
無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継方法であって、
第1周波数帯が用いられる第1信号を第1送受信部が無線基地局と送受信するステップと、
第2周波数帯が用いられる第2信号を第2送受信部が前記無線端末と送受信するステップと、
前記第1送受信部が、前記第2送受信部から前記第2信号を受信した際に、前記第1周波数帯における前記第2信号の信号レベルを測定するステップと、
前記第2送受信部に設けられた周波数シフト部が、前記第2周波数帯をシフトするステップと、
前記測定するステップにおいて測定された前記信号レベルが低下するように、前記周波数シフト部における前記第2周波数帯のシフト量を調整するステップと
を備える無線中継方法。
【請求項11】
無線基地局と無線端末との間の通信を中継する無線中継方法であって、
第1周波数帯が用いられる第1信号を前記無線基地局と送受信するステップと、
第2周波数帯が用いられる第2信号を前記無線端末と送受信するステップと
を備え、
前記第2信号を送受信するステップでは、前記第1信号と直交する前記第2信号を前記無線端末と送受信する無線中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−232921(P2010−232921A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77749(P2009−77749)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】