説明

無線周波数応答タグに使用するためのポリマーフィルム基板

ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板と、基板のヒートシール表面と直接接触している導電性材料のパターンを含むアンテナとを含む無線周波数(RF)応答タグ;前記RF応答タグの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商品監視に使用される無線周波数タグ(RFタグ)および無線周波数識別タグ(RFIDタグ)を含めた無線周波数応答タグ用の基板として有用な複合フィルム、その基板および無線周波数機能性構成部品を含む複合構造、ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(RT)通信システムは、盗難防止装置、偽造防止装置、および認証セキュリティ装置、ならびに商品または在庫品の保管、移動、保全、追跡、および分類のための制御システムへの使用に有益であることが見出されている。具体的な適用例には、衣服に縫い込むことができる可洗のRF応答タグ、スマートカードおよび個人識別カードとしてのRF応答タグ、医療装置および医療用品としてのRF応答タグ、物流および供給チェーン適用例用のスマートラベルとしてのRF応答タグ、ならびに銀行券に埋め込むためのRF応答タグが含まれる。RF応答装置は、独自のデータ、例えば(i)数字または英数字の列が、識別の目的で記憶される、あるいはコンピュータまたは情報管理システム内の他の場所に格納されているデータへのアクセスキーとして記憶される識別データ、ならびに(ii)情報が、通信できるように編成できる、あるいは他の場所に記憶されたデータを利用せずに、またはそのデータと組み合わせて動作を開始する手段として編成できる、移植可能なデータファイルを搬送するために使用することができる。
【0003】
この技術では、直接接触または見通しを必要とせずにRF応答装置と通信するために電波を使用する。RF応答装置は、再送信することによって、あるいは無線周波数信号を反射しまたはその他の形で妨害することによって機能する。RF応答タグには2つの主要なクラスがある。
【0004】
第1のクラスは、本明細書では「無線周波数タグ」(RFタグ)と称するが、主として電子商品監視(EAS)用に、一般には盗難防止装置として使用される。タグは、送信機が定められた周波数を受信機に送信することによって生成される監視ゾーンを通過するとき、監視フィールド内に乱れを生じさせ、それが受信機によって検出される。これらのタイプのRFタグは、一般に、必須の構成部品として、基板および金属パターンやコイルなどのアンテナを含む。
【0005】
第2のクラスのRF応答タグは、本明細書では「無線周波数識別タグ」(RFIDタグ)と称するが、アンテナおよび基板だけでなく、独自の情報で電子的にプログラム可能なデータ搬送手段をも含む。したがって、このタグは、マイクロチップまたは集積回路を含むことができる。また、チップレスタグを使用する適用例もあり、このようなタグは、薄膜トランジスタ(TFT)や、いわゆるバルクハウゼン電磁効果を最大にするように設計され、制御された表面特性対バルク特性を有する電磁マイクロワイヤなどのデータ搬送電子構成部品、ならびに音響磁気検出システムにおいてプログラマブル磁気共鳴技術(PMR)を使用する構成部品を含むことができる。
【0006】
典型的な無線周波数識別システムは、アンテナ、トランシーバ(復号器付き)、およびトランスポンダ(RF応答タグ)を含む。アンテナは、無線信号を放出してタグを起動させ、データを読み取り、かつ/またはタグに書き込む。トランシーバは、データの取得および通信を制御し、一般には情報管理システムとインターフェースする。アンテナをトランシーバおよび復号器と共にパッケージして、ハンドヘルド型または固定搭載型装置として構成することができる読取り装置にしてもよい。この読取り装置は、その出力および使用される電波に基づいて、数センチメートルから30メートル以上のどの到達範囲にも電波を放出する。タグは、電磁ゾーンを通過するとき、読取り装置の動作信号を検出する。読取り装置は、タグの集積回路内で符号化されたデータを復号し、このデータが、処理のためにホストコンピュータ(情報管理システム)に渡される。
【0007】
無線周波数識別システムは、様々な周波数範囲で動作する。低周波(一般に30KHzから500KHz)システムは、読取り範囲が狭く、システムコストが低く、大抵の場合セキュリティアクセスおよびローカルアセット追跡の適用例に使用される。高周波(一般に13.56MHz)システムは、しばしばスマートカード、図書館、クリーニング、ならびに追跡およびトレース適用例に使用される。超高周波(一般に168〜950MHz)およびマイクロ波周波数(>2.4GHz)は、しばしば読取り範囲がより広く(30メートルを超える)、読取り速度がより速く、いくつかの適用分野では関心が高まりつつある。
【0008】
RF応答タグは、能動または受動のいずれかとして範疇分けすることができる。能動タグは、内部バッテリによって動力を供給され、一般に読み/書きされる。典型的な読み/書き仕掛品システムでは、タグが機械に1組の命令を与え、次いで機械がその性能をタグに報告し、次いで符号化されたデータがタグ付き部品の履歴の一部分になる。一般に、能動タグのバッテリ供給動力は、タグにより広い読取り範囲を付与するが、このようなタグはサイズがより大きく、よりコストが高く、動作寿命が限られる。受動タグは、内部電源なしに動作する。すなわち、バッテリを持たず、最初の無線信号から応答を送信するための動作電力を得る。その結果、受動タグは能動タグよりもずっと軽量で、より低価格であり、実質的に動作寿命が制限されないものの、読取り範囲がより狭く、より高い電力の読取り装置を必要とする。リードオンリータグは、一般に受動的であり、修正することができない独自の1組のデータ(通常、チップタグ1個あたり32から256ビットであり、チップレスタグではそれより少ない)でプログラムされる。リードオンリータグは、大抵の場合バーコードと同じやり方で、修正可能な製品特有の情報を含むデータベースとあいまって動作する。
【0009】
RF応答タグは、データ転送および電力供給のために、(アンテナ、および例えばキャパシタを含めた)アナログ回路を含むことができ、チップタグの場合には、デジタル式低電力集積回路(またはマイクロチップ)、および場合によりバッテリを含むことができる。例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3には、典型的なトランスポンダが記載されている。チップタグでは、マイクロプロセッサは、トランスポンダのメモリとインターフェースし、データ記憶のために装置のタイプおよび精巧さに応じて、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性プログラマブルメモリ(一般的には電気的消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM))を含むことができる。ROMベースのメモリは、セキュリティデータと、トランスポンダのオペレーティングシステムの命令とを格納するために使用され、プロセッサまたはプロセッシング論理回路とあいまって応答タイミングの遅延、データフローの制御、電源切替えなどの内部機能を処理する。RAMベースのメモリは、トランスポンダの問合せおよび応答中の一時的なデータ記憶を容易にするために使用される。不揮発性プログラマブルメモリは、トランスポンダのデータを記憶するために使用され、装置が静止状態または省電力状態のときにデータが確実に保持されるようにする。トランスポンダのアンテナは、装置が問合せフィールド(および、該当する場合はプログラミングフィールド)を感知するための手段であり、また、問合せに対するトランスポンダの応答を伝送する手段としても働く。一般にアンテナは、誘電性または絶縁性基板上に配設された、一般にはアルミニウム、銅、または銀のワイヤのコイルまたは導体パターンからなる。アンテナは、いくつかのやり方で、例えば金属性構成部品を基板上にスタンピングまたはエンボス加工する;導体パターンをホイル基板内にエッチングする;導電性のペイント、インク、またはペーストを使用する;(例えば、RT回路技術に従って)金属シーディングインク上に無電解めっきまたは電気めっきする;あるいは基板上にプレカットパターンを接着することにより形成することができる。あるプロセスでは、アンテナは、基板に銀のインクをスクリーンプリントし、場合によってはそのインクの上に銅めっきすることによって形成される。一般にアンテナは、エッチング、または銀のインクをプリントすることによって形成される。アンテナとマイクロチップの間のインターフェース回路は、受動トランスポンダの電力供給の目的で、またトランスポンダの応答をトリガするために、問合せフィールドのエネルギーを導き、収容する。従来型の基板、特に、アンテナの導体パターンが導電性インクまたはペーストを使用して形成されるRF応答タグの製造に用いられる基板の使用に伴う問題の1つは、導体パターンの曲げ亀裂であった(これは、アンテナの到達範囲および機能、ならびに導体パターンの上に搭載される、RF応答タグの他の各構成部品の導体パターンに対する付着強度に、悪影響を及ぼす恐れがある)。
【0010】
本明細書では、「RF応答タグ」という用語は、無線周波数信号に反応し、必須の機能性構成部品として基板およびアンテナを、さらに場合によってはバッテリ、および/または集積回路などのデータ搬送手段を含むものを指す。「RF応答タグ」という用語は、先に定義したように、RFタグおよびRFIDタグの両方を含む。本明細書では、「アンテナ」という用語は、無線周波数を受信する金属パターンまたはコイルを指す。
【0011】
従来、RF応答タグは、ポリマーフィルム基板を提供し、接着層を使用して、アンテナ構成部品を含めた1種または複数のトランスポンダ構成部品を基板に付着することによって製造されてきた。一般に、接着層は、オフラインで、すなわちポリマーフィルム基板の製造ステップとは別の、有害で環境上許容し難い溶媒の使用を伴うプロセスステップでコーティングされる。接着層は、一般に、従来技術のRF応答タグでは20から30ミクロンの厚さである。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,541,399号明細書
【特許文献2】米国特許第4,730,188号明細書
【特許文献3】米国特許第4,598,276号明細書
【特許文献4】英国特許出願公開第838,708号明細書
【特許文献5】米国特許第6,623,844号明細書
【特許文献6】米国特許第6,621,153号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開2002/015002号明細書
【非特許文献1】HorowitzおよびHillによる「The Art of Electronics」(第2版、12.04節、ケンブリッジ大学出版、1989年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の一目的は、より経済的でより薄く、また可撓性であってもよいRF応答タグを提供することである。また本発明の目的は、ポリマーフィルム基板とアンテナ構成部品の間の良好な層間剥離耐性を提供することである。また本発明の目的は、特に導体パターンが導電性インクまたはペーストを使用して形成される場合に、導体パターンの曲げ亀裂の低減を示すかかるRF応答タグ(または、RF応答タグの製造の前駆物質として適する、基板および導体パターンを含む複合フィルム)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板と、基板のヒートシール表面と直接接触している導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合によっては、アンテナと電気的に連絡しているデータ搬送手段とを含むRF応答タグが提供される。
【0015】
アンテナの導電性材料は、好ましくは金属性であり、好ましくは銅、アルミニウム、銀、金、亜鉛、ニッケル、およびスズなどの金属から選択され、好ましくは銅、アルミニウム、銀、および金、好ましくはアルミニウムおよび銅、好ましくは銅である。
【0016】
本発明のRF応答タグは、アンテナと基板の間の接着層が不要であり、したがって製造するのにより経済的、効率的であり、かつ環境上許容され、またRF応答タグをより薄く製造することができるという点で有利である。
【0017】
この基板は、自立型のフィルムまたはシートであり、これは支持ベースなしに独立に存在可能であるフィルムまたはシートを意味する。基板は、好ましくは一軸または二軸延伸、好ましくは二軸延伸される。基板は、ポリエステルフィルムを含む。線状ポリエステルが好ましい。適するポリエステルには、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−、2,5−、2,6−、または2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ヘキサヒドロ−テレフタル酸、1,2−ビス−p−カルボキシフェノキシエタンなど、1種または複数のジカルボン酸(任意選択で、ピバル酸などのモノカルボン酸をも含む)と、1種または複数のグリコール、特にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族または脂環式グリコールとから誘導されたものが含まれる。脂肪族グリコールが好ましい。好ましい基板用ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)から選択される。PETまたはそのコポリエステルが特に好ましい。
【0018】
基板層は、単層基板でも多層基板でもよいが、その機能的要件は、それがアンテナの導電性材料にヒートシール可能なことである。したがって本明細書では、「ヒートシール基板」という用語は、アンテナの導電性材料にヒートシールされた基板層を指す。同様に、「ヒートシール基板およびアンテナを含むRF応答タグ」という用語は、接着性のヒートシールボンドが、ヒートシール可能な基板とアンテナの間に形成されたRF応答タグを指す。同様に、「導電性材料の層およびヒートシール基板を含む複合フィルム」という用語は、ヒートシールボンドがヒートシール可能な基板と導電性材料の間に形成された複合フィルムを指す。
【0019】
ヒートシール可能なポリマー材料は、それが接着される表面に付着するのに十分な濡れを可能にするに足る低い粘性となるのに十分な程度に軟化すべきである。ヒートシール可能なポリマーは、好ましくは、本明細書で言及される、1種または複数のジカルボン酸あるいはそれらの低級アルキルジエステルと、1種または複数のグリコールとから誘導されるコポリエステルである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
一実施形態では、基板は1つの層を含み、以下これを実施形態Aと呼ぶ。この実施形態では、ポリエステルが上記のものから、好ましくは脂肪族グリコールと、少なくとも2種類のジカルボン酸、特に芳香族ジカルボン酸とから誘導されるコポリエステルから選択される。好ましくは、ジカルボン酸は、テレフタル酸であり、別の1種のジカルボン酸は、好ましくは芳香族ジカルボン酸、好ましくはイソフタル酸である。好ましいコポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導される。テレフタル酸成分と、イソフタル酸成分の好ましいモル比は、50:50から90:10の範囲、好ましくは65:35から85:15の範囲である。好ましい一実施形態では、このコポリエステルは、エチレングリコールと、テレフタレート約82モル%およびイソフタレート約18モル%とのコポリエステルである。
【0021】
別の一実施形態では、以下これを実施形態Bと呼ぶが、基板は2つ以上の層を含み、ただし少なくとも1つの層(すなわち、金属性アンテナの層に隣接する層)がヒートシール可能である。この実施形態において本明細書では、金属性アンテナの層に隣接するヒートシール可能な層以外の層(複数)を基板層の「ベース層」(複数)と呼ぶ。
【0022】
実施形態Bでは、ベース層は、十分な中間層の接着を実現するために、ヒートシール可能なポリマーと相容性のあるいかなる層でもよい。このベース層は、好ましくは前述のものから選択された合成線状ポリエステル、特に1種のジカルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸、好ましくはテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸、より好ましくはテレフタル酸と、1種のグリコール、特に脂肪族または脂環式グリコール、好ましくはエチレングリコールとから誘導されたポリエステルである。特に以下の実施形態B1、B2、B3、およびB4では、PETまたはPEN、特にPETがベース層として特に好ましい。
【0023】
好ましい一実施形態では、ヒートシール可能な層は、脂肪族グリコールと、2種以上のジカルボン酸、好ましくは2種以上の芳香族ジカルボン酸とから誘導されたコポリエステルを含み、以下これを実施形態B1と呼ぶ。好ましくは、ジカルボン酸は、テレフタル酸および別の1種のジカルボン酸、好ましくは別の1種の芳香族ジカルボン酸、好ましくはイソフタル酸である。好ましいコポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導される。テレフタル酸成分とイソフタル酸成分の好ましいモル比は、50:50から90:10の範囲、好ましくは65:35から85:15の範囲である。好ましい一実施形態では、このコポリエステルは、エチレングリコールと、テレフタレート約82モル%およびイソフタレート約18モル%とのコポリエステルである。
【0024】
一代替実施形態では、ヒートシール可能な層のコポリエステルは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸を含み、以下これを実施形態B2と呼ぶ。好ましい芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸である。好ましい脂肪族ジカルボン酸は、セバシン酸、アジピン酸、およびアゼライン酸から選択される。コポリエステル中の芳香族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に対して、好ましくは45から80、より好ましくは50から70、特に55から65モル%の範囲である。コポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に対して、好ましくは20から55、より好ましくは30から50、特に35から45モル%の範囲である。このようなコポリエステルの特に好ましい例は、(i)アゼライン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、(ii)アジピン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、ならびに(iii)セバシン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはブチレングリコールとのコポリエステルである。好ましいポリマーには、ガラス転移点(Tg)が−30℃、融点(Tm)が177℃である、セバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコール(好ましくは、これらの成分を45〜55/55〜45/100、より好ましくは50/50/100の相対的モル比で有する)のコポリエステル、およびTg−が15℃、Tmが150℃である、アゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコール(好ましくは、これらの成分を40〜50/60〜50/100、より好ましくは45/55/100の相対的モル比で有する)のコポリエステルが含まれる。
【0025】
一代替実施形態では、ヒートシール可能な層は、脂肪族ジオールおよび脂環式ジオールと、1種または複数、好ましくは1種のジカルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸とから誘導されたコポリエステルを含み、以下これを実施形態B3と呼ぶ。この例には、テレフタル酸と、脂肪族ジオールおよび脂環式ジオール、特にエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリエステルが含まれる。脂環式ジオールと脂肪族ジオールの好ましいモル比は、10:90から60:40の範囲、好ましくは20:80から40:60の範囲、より好ましくは30:70から35:65である。好ましい一実施形態では、このコポリエステルは、テレフタル酸と、1,4−シクロヘキサンジメタノール約33モル%およびエチレングリコール約67モル%とのコポリエステルである。このようなポリマーの一例が、PETG(商標)6763(Eastman)であり、これはテレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール約33%、およびエチレングリコール約67%のコポリエステルを含み、通常は非晶質である。一代替実施形態では、ヒートシール可能な層のポリマーは、エチレングリコールの代わりにブタンジオールを含んでもよい。
【0026】
コポリエステルの調製は、周知のやり方で、縮合またはエステル交換により、一般に最大275℃の温度で行うのが好都合である。
【0027】
別の一代替実施形態では、ヒートシール可能な層はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含み、以下これを実施形態B4と呼ぶ。適切なEVAポリマーは、DuPontからElvax(商標)樹脂として入手することができる。一般に、これらの樹脂は、酢酸ビニル含有量が9%から40%、一般には15%から30%の範囲である。
【0028】
実施形態Bのヒートシール可能な層の厚さは、一般に基板の厚さの約1〜30%、好ましくは約10〜20%の間である。ヒートシール可能な層の厚さは、約25μmまで、より好ましくは約20μmまで、より好ましくは約15μmまで、より好ましくは約10μmまで、より好ましくは約0.5〜6μmの間、より好ましくは約0.5〜4μmの間である。基板の全厚は、好ましくは約350μmまで、より好ましくは約100μmまで、より好ましくは約75μmまで、より好ましくは約12〜100μmの間、より好ましくは約20〜75μmの間である。
【0029】
好ましくは、基板はそれ自体に対して、少なくとも300g/25mm、好ましくは約400g/25mmから約1000g/25mm、より好ましくは約500から約850g/25mmのヒートシール強度を示す。
【0030】
好ましくは、基板は、金属層に対して少なくとも200g/25mm、好ましくは少なくとも約400g/25mm、好ましくは少なくとも約600g/25mm、好ましくは少なくとも約800g/25mmのヒートシール強度を示す。典型的な接着強度は、約400から約1000g/25mmの範囲である。金属に対する接着強度は、ポリマー基板から金属性アンテナを分離しようと試みた場合にフィルムが破損してしまうほど高い強度とすべきである。一実施形態では、金属層に対する基板の付着強度は、基板の極限引張強さ(UTS)を上回る。
【0031】
基板は、好ましくは190℃で30分かけて3%未満、好ましくは2%未満、好ましくは1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.2%未満の低い収縮率を示す。
【0032】
基板の調製は、当技術分野で周知の従来技術によって行うことができる。基板の調製は、押出し法により、以下に記載する手順に従って行うのが好都合である。一般には、このプロセスは、溶融ポリマーの層を押し出し、押出物を急冷し、急冷した押出物を少なくとも1方向に延伸するステップを含む。
【0033】
基板は、一軸延伸することもできるが、機械的および物理的特性の満足のいく組合せを実現するために、好ましくはフィルムの平面内で互いに垂直な2方向に延伸することによって二軸延伸される。延伸は、延伸フィルム製造の技術分野で周知の任意の方法、例えばインフレーションフィルム法またはフラットフィルム法によっても行うことができる。フラットフィルム法は、順次延伸または同時延伸を伴う。
【0034】
フラットフィルムの好ましいプロセスでは、基板形成用のポリエステルを溶融し、スロットダイを通して押し出し、冷却した流延ドラム上で急冷して、そのポリエステル溶融物の不規則な非晶構造を保持するようにする。その後、押出物または流延フィルムを、そのガラス転移点(Tg)より高い温度まで再加熱し、少なくとも1方向に延伸することによって、分子レベルの延伸を行う。一般には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合、延伸は、70〜150℃の間に昇温されたフィルムで行われることになる。例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)では、高温、一般には110〜170℃が必要とされる。一般に、好ましい延伸温度は、約(Tg+10℃)から約(Tg+60℃)の範囲である。
【0035】
二軸延伸物は、急冷された平らな押出物を、まず一方向、通常はプロセスの機械方向(MD)である長手方向すなわち前方に、次いで横方向(TD)に順次延伸することによって生成することができる。流延フィルムの前方延伸は、異なる速度で駆動される1組の回転ロールの上で行うのが好都合である。このプロセスステップの詳細は変更することができるものの、流延フィルムを加熱し、処理方向に加速するというこの技術の原理は、あらゆる設計に特徴的である。その後、幅出しオーブン内で横延伸が行われる。プロセスの幅出し段階では、フィルムの縁部をクリップで掴み、レールに沿って導き、このレールは、再加熱ステップ中に支持を実現し、次いで2回目に材料を延伸させるために互いに遠ざかっていく。あるいは、流延フィルムを二軸型の幅出し機内で前方および横方向の両方に同時延伸してもよい。延伸は、ポリエステルの性質によって決まる程度に行われ、例えばPETは通常、延伸されたフィルムのMDおよび/またはTD寸法が、その元の寸法の2から5、より好ましくは2.5から4.5倍になるように延伸される。一方向のみの延伸が必要とされる場合には、それより大きい延伸率(例えば、最大で約8倍)を使用してもよい。必ずしも機械方向および横方向に均等に延伸する必要はないが、均衡の取れた特性が望ましい場合には、そうすることが好ましい。
【0036】
この好ましいフラットフィルムプロセスでは、最終段階で、依然として幅出しオーブンの高温で、制御された寸法制限のもとで熱硬化を行うことによって、延伸したフィルムを安定にする。ポリエステルの結晶化を可能にするために、フィルムは、そのガラス転移点を上回るが、その溶融温度未満の温度で加熱される。完成したフィルムの最終的な熱収縮性または寸法安定性をさらに改善するために、この段階でMDまたはTD、あるいはその両方で、ある程度の寸法緩和(または「トーイン」)を行うことが可能である。横方向でのフィルムの緩和は、幅出し機内でフィルムを保持するクリップの経路を互いに近付けることによって行われる。その後の延伸プロセスでは、MDでの緩和は、フィルムの回転速度が幅出し機から出る速度よりも遅いときに可能となる。同時二軸延伸プロセスを用いると、幅出しオーブンを出るフィルムの速度が幅出し機のフレーム内の最大速度よりも遅くなるように、熱硬化中またはその後にリニアモータ駆動のクリップを制御された方式で減速させることによって、幅出し機内の長手方向(MD)の緩和が可能になる。寸法安定性が重要な問題ではない適用例では、フィルムは比較的低温度で熱硬化され、または全く熱硬化されない。それとは対照的に、フィルムが熱硬化される温度が高くなるにつれて、破断伸びや引裂抵抗などの他の諸特性が変化することがある。したがって、実際の熱硬化温度および時間は、フィルムの組成および最終的な特性の所望のバランスに応じて、フィルムの最終用途に適するように選択されることになる。これらの制約の範囲内で、プロセスの熱硬化段階を通過するフィルムの最大温度は、特許文献4に記載されているように、一般に約135から約250℃となる。その後フィルムは、制御された張力および温度のもとで冷却され、ロールに巻き取られる。
【0037】
基板を製造する任意選択の一ステップは、フィルムにおける固有収縮の大部分を生じさせ(緩和させ)、それによって残留収縮がかなり少なく、したがって寸法安定性が向上したフィルムを製造するために、最小の物理的制限下、ポリエステルのガラス転移点を上回るがその溶融点未満である温度で基板を加熱することによって、基板にさらなる熱安定化を行うことである。さらなる熱安定化段階中に起こるフィルムの収縮または緩和は、高温で、フィルムが受けるライン張力を制御することにより、またはライン速度を制御することにより行われる。フィルムが受ける張力は、低張力であり、一般にフィルム幅の5kg/m未満、好ましくは3.5kg/m未満、より好ましくは1から約2.5kg/mの範囲、一般に1.5から2kg/mの範囲である。フィルム速度を制御する緩和プロセスでは、フィルム速度の減少(したがって緊張緩和)は、一般に0から2.5%、好ましくは0.5から2.0%の範囲である。熱安定化ステップ中にフィルムの横寸法は増大しない。熱安定化ステップで使用される温度は、最終的なフィルムの諸特性の所望の組合せに応じて変わり得るが、温度が高いほど、良好な、すなわち低い残留収縮特性が得られる。135℃から250℃の温度が一般に望ましく、好ましくは150から230℃、より好ましくは170から200℃である。加熱持続時間は、使用する温度に応じて決まることになるが、一般には10から40秒の範囲であり、20から30秒の持続時間が好ましい。この熱安定化プロセスは、平面および垂直配置、ならびにフィルム製造プロセスとは別のプロセスステップとしての「オフライン」か、それともプロセスの継続としての「インライン」か、を含めた様々な方法によって行うことができる。一実施形態では、熱安定化は「オフライン」で行われる。熱安定化ステップにより、収縮率が、一般には190℃のオーブン内で30分かけて1%未満、特に0.5%未満、特に0.2%未満と非常に低くなる。熱安定化ステップは、特に実施形態B2やB4などのコーティング付き多層基板の製造に適しており、ヒートシール可能な層のオフラインコーティングの前にベース層に対して行う。
【0038】
ヒートシール可能な層およびベース層を含む多層基板の形成は、通常の技術によって行うことができる。多層基板の形成方法は、ヒートシール可能な層がどんなものかに依存することになる。通常の技術は、ヒートシール可能な層を、予め形成されたベース層上に流延することを含む。ヒートシール可能な層およびベース層の形成は、同時押出し成形によって行うのが好都合であり、これは本明細書に記載の実施形態B1およびB3に適している。多層基板を形成する他の方法は、ヒートシール可能なポリマーをベース層にコーティングすることを含み、この技術は、本明細書に記載の実施形態B2およびB4に適している。コーティングは、グラビアロール塗装、リバースロール塗装、浸漬塗装、ビーズ塗装、押出しコーティング、溶融塗装、または静電吹付被覆を含めた任意の適切なコーティング技術を使用して行うことができる。コーティングは、「オフライン」で、すなわち基板の製造中に用いられる延伸ステップ、熱硬化ステップ、および任意選択の熱安定化ステップの後に行うことができ、あるいは「インライン」で、すなわちコーティングステップを、使用する任意の延伸動作(複数)の前、その最中、またはそれらの合間に行うことができる。一実施形態では、ヒートシール層のコーティングは、オフラインで行われる。ヒートシール可能な層をベース層に施す前に、ベース層の露出した表面を、望むなら化学的または物理的な表面改質処理にかけて、その表面とその後に施される層の間の接着性を改善することができる。例えば、ベース層の露出した表面に、コロナ放電を伴う高圧の電気的ストレスをかけることができる。あるいは、ベース層を、通常の有機溶媒に溶かしたハロゲン化フェノール、例えば、p−クロロ−m−クレゾール、2,4−ジクロロフェノール、2,4,5−または2,4,6−トリクロロフェノール、あるいは4−クロロレゾルシノールのアセトン溶液またはメタノール溶液など、技術分野で周知の試剤と共に前処理して、基板に溶媒作用または膨潤作用をもたせることもできる。
【0039】
好ましい一実施形態では、基板は、好ましくは実施形態B1およびB3による、ヒートシール可能な層およびベース層を含む同時押出し成形された多層基板である。特にこの実施形態では、ヒートシール可能な層の厚さは、好ましくは基板の厚さの約10から約20%、好ましくは最大で約20μmであり、本明細書に記載するように、それより薄いことが好ましい。
【0040】
別の好ましい一実施形態では、基板は、好ましくは実施形態B2およびB4、好ましくは実施形態B2による、ヒールシール可能な層およびベース層を含むコーティング付き多層基板であり、特に前記ベース層は、本明細書に記載するように熱安定化される。
【0041】
アンテナは、通常の方法により、例えば上記の方法に従って、基板上に形成することができ、この方法は、高温(すなわち、ヒートシール可能な層のポリマー材料が、金属の層に付着するのに十分な程度に軟化する、室温より高い温度)条件下、場合によっては高圧条件下で、アンテナの金属材料を基板のヒートシール可能な表面に接触させるステップを含む。一実施形態では、予め形成された形状の金属ワイヤを、基板にヒートシールすることができる。さらに別の実施形態では、金属ホイルを、高温下、場合により高圧下で基板のヒートシール可能な表面に接触させることによって、基板のヒートシール可能な表面に貼り合わせる。その後、アンテナの導体パターンを、エッチングなど通常の技術によって形成する。導体パターンを基板上にエッチングする技術は当技術分野で周知であり、例えば、非特許文献1、特許文献5、特許文献6、および特許文献7に開示されており、これらは、本明細書中に参照として組み込まれる。エッチングプロセスの一実施形態では、金属層を基板に施した後、例えば、適切なインクを金属層の表面上に所望の導体パターンの形でプリントすることによって、エッチングレジストパターンを金属層に施す。例えばグラビアプリント等、適切ないずれのプリント技術を使用してもよい。エッチングレジストインクが、下にある金属層に対して、後続のエッチングステップに耐えるのに十分強力に付着するようにするために、例えば加熱またはUV放射によってそれを硬化させる必要があるかもしれない。次に、基板/金属層/レジストパターンの積層体を、適切な試薬を使用してエッチングして、所望の導体パターンを形成させる。例えば、銅層の露出した部分の除去は、塩化鉄FeClの溶液を使用して、約50℃で行うことができる。プロセスの最後のステップは、適切な化学試薬によってレジストパターンの材料を除去して、基板上にインプリントされた金属導体パターンを残すことである。エッチングプロセスの第2の実施形態では、液状またはドライフィルムレジスト(DuPont製Riston(登録商標)など)を、連続コーティングまたは層の形で金属層に施す。その後、導体パターンのネガティブイメージを有する写真フィルム(「フォトツール」)を、基板/金属層/フォトレジストの積層体の上に重ね合わせ、次いでそのフォトレジストの層を、UV光を使用してネガを通して露光する。それによって、フォトレジストの露出した区域を架橋させ、またはその他の形で化学的に改変させる。次いで、現像剤を使用してフォトレジストの未変化領域を除去して、銅基板上に保護されたポジティブパターンを残す。次いで、積層体をエッチングする。最後のステップは、残りのフォトレジストを除去して、基板上にインプリントされた金属導体パターンを残すことである。
【0042】
導体金属パターンの厚さは、一般に約2〜100μm、特に約10〜50μmであるが、10μm未満の厚さがより一般的になりつつある。
【0043】
アンテナは、通常の手段、例えばハンダまたは導電性接着剤を使用することによって、集積回路などの任意選択のデータ搬送手段と電気的に接続することができる。必要ならば、データ搬送手段を、(感圧接着剤および非導電性接着剤を含めた)追加の接着剤を使用して基板に取り付けることもできる。
【0044】
RF応答タグは、さらなる任意選択の層を含むことができる。集積回路が、実質上アンテナの上に位置する必要があるRF応答タグでは、絶縁層をアンテナの少なくとも一部分の上に配設することができる。カバー層が、アンテナおよび集積回路の上に存在してもよく、本明細書に記載のポリエステルフィルムを含めた適切ないかなる層形成材料またはフィルム形成材料から形成することもできる。このカバーはプリント可能なものでよく、場合によってはインク受容性の層を含む。基板の、アンテナが配設される表面とは反対側の表面は、接着剤の層を、場合によっては、RF応答タグを商品に取り付けるときに引き剥すことができるカバー層または剥離層と共に含むことができる。一代替実施形態では、ヒートシールボンドを形成することによって、RF応答タグを商品に取り付けることができる。この実施形態では、単層基板それ自体が、商品に対するヒートシールボンドを形成することもでき、あるいは追加のヒートシール可能な層が存在してもよい。本明細書で記載するように、ベース層と、その第1の表面上にアンテナを接着するための第1のヒートシール可能な層とを含む多層基板は、その第2の表面上に、商品に対するヒートシールボンドを形成するための第2のヒートシール可能な層を含むことができ、その第2のヒートシール可能な層は、第1のヒートシール可能な層と同じでも異なっていてもよい。
【0045】
本発明の別の態様によれば、基板と、導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合によりデータ搬送手段とを含むRF応答タグの製造方法が提供され、前記方法は、以下のステップを含む。
【0046】
(i)ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満である、ヒートシール可能な基板を提供するステップ、
(ii)アンテナの導電性材料を、基板のヒートシール可能な表面の少なくとも一部分に直接配設するステップ、
(iii)ヒートシール可能な基板と導電性材料の間でヒートシールを行うステップ、および
(iv)場合により、導電性材料と電気的に連絡しているデータ搬送手段を提供するステップ。
【0047】
アンテナの導電性材料が、アンテナの導体パターンの形に予め形成されていない場合には、上で定義したプロセス中のステップ(ii)がアンテナ形成の第1段階となり、アンテナ形成の第2段階は、導電性材料にパターンを形成するステップであり、この第2段階は、導電性材料を基板にヒートシールするステップ(上記で定義したプロセス中のステップ(iii))の後に行われる。導体パターンの形成は、本明細書に記載する通常の方法により、一般に導電層の表面上に、配線パターンを有するエッチングレジストを形成するステップと、エッチングによって基板の表面上に導体パターンを形成するステップと、レジストを除去するステップとを含むエッチングプロセスによって行うことができる。
【0048】
本発明の別の一態様によれば、基板としてのヒートシールフィルムと、フィルムのヒートシール表面と直接接触している導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合により、アンテナと電気的に連絡しているデータ搬送手段とを含むRF応答タグの製造において、本明細書で記載する、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシールフィルムを、基板として使用することが提供される。
【0049】
本発明の別の一態様によれば、本明細書で記載する、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシールフィルムを、導電性材料の層および前記ヒートシールフィルムを含み、かつ前駆物質として適する複合フィルムの曲げ亀裂を低減する目的でRF応答タグの製造に使用することが提供され、この導電性材料は、基板のヒートシール表面と直接接触しており、特に導電性材料の前記層は、導電性インクまたはペーストを使用して形成され、特に前記ヒートシールフィルムは、実施形態B2およびB4によるものなどのコーティング付きフィルムである。RF応答タグは、基板としての前記複合フィルムと、導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合により、アンテナと電気的に連絡しているデータ搬送手段とを含む。
【0050】
本発明の別の一態様によれば、導電性材料の層と、本明細書で記載する、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板とを含む複合フィルムを、前記ヒートシール基板と、基板のヒートシール表面と直接接触している前記導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合により、アンテナと電気的に連絡しているデータ搬送手段とを含むRF応答タグの製造において、前駆物質として使用することが提供される。
【0051】
本発明の別の一態様によれば、RF応答タグの製造において前駆物質として適する、または前駆物質として使用するための複合フィルムが提供され、前記複合フィルムは、基板のヒートシール表面と直接接触している導電性材料の層と、本明細書で記載する、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板とを含む。
【0052】
基板の1つまたは複数の層が、好都合には、ポリマーフィルムの製造に通常使用される添加剤のいずれかを含有することができる。すなわち、架橋剤、染料、顔料、ボイド化剤、潤滑剤、抗酸化剤、ラジカル捕捉剤、UV吸収剤、熱安定剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤、蛍光増白剤、光沢増強剤、分解促進剤、粘度調整剤、分散安定剤などの試剤を、適宜組み込むことができる。特に基板は、例えば粒状無機充填剤または非相溶性樹脂充填剤、あるいはこのような充填剤の2つ以上の組合せであってよい粒状充填剤を含むことができる。このような充填剤は、従来技術で周知である。
【0053】
粒状無機充填剤には、従来の無機充填剤、特にアルミナ、シリカ(特に沈降シリカまたは珪藻シリカおよびシリカゲル)、チタニアなどの金属またはメタロイド酸化物、チャイナクレイ、ならびにカルシウムおよびバリウムの炭酸塩や硫酸塩などのアルカリ金属塩が含まれる。粒状無機充填剤は、ボイドタイプまたは非ボイドタイプのものでよい。適切な粒状無機充填剤は均質であり、本質的に、二酸化チタンや硫化バリウム単独など、単一の充填材料または化合物からなることができる。あるいは、充填剤の少なくとも一部分が不均質で、主要な充填材料が、追加の調整成分を伴っていてもよい。例えば、主要な充填剤粒子を、顔料、石鹸、界面活性カップリング剤、他の調整剤などの表面改質剤で処理して、充填剤とポリマー層との相容性の程度を高める、または変えることができる。好ましい粒状無機充填剤には、二酸化チタンおよびシリカが含まれる。
【0054】
無機充填剤は微粉砕されたものであるべきであり、体積分布中央粒径(体積%と粒径の関係を示す累積分布曲線から読み取った、全粒子の体積の50%に対応する同等の球径であり、しばしば「D(v,0.5)」値と呼ばれる)が、好ましくは0.01から5μmの範囲、より好ましくは0.05から1.5μm、特に0.15から1.2μmである。無機充填剤粒子の好ましくは少なくとも90体積%、より好ましくは少なくとも95体積%が、体積分布中央粒径の±0.8μm、特に±0.5μmの範囲内にある。充填剤粒子の粒径は、電子顕微鏡、コールターカウンター、沈降分析、および静的または動的光散乱によって測定することができる。レーザー回折に基づく技術が好ましい。中央粒径は、選択された粒径未満の粒子の体積を百分率で表した累積分布曲線をプロットし、中央値を読み取ることによって決定することができる。
【0055】
層の組成物の諸成分は、通常のやり方で合わせて混合することができる。例えば、諸成分を、層のポリマーがそれから誘導されるモノマー性反応物と混合することにより、あるいは諸成分を、タンブルもしくはドライブレンドし、または押出機内で混ぜ合わせ、続いて冷却し、通常は顆粒もしくはチップに粉砕することによってポリマーと混合することもできる。マスターバッチ技術を用いることもできる。
【0056】
一実施形態では、基板は光学的に透明であり、規格ASTM D1003に従って測定して、散乱可視光(ヘイズ)の%が<10%、好ましくは<6%、より好ましくは<3.5%、特に<2%であることが好ましい。好ましくは、400〜800nmの範囲内の全光線透過率(TLT)が、規格ASTM D1003に従って測定して少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%である。この実施形態では、一般に、充填剤はほんの少量、一般には所与の層のポリマーの0.5重量%を上回らず、好ましくは0.2重量%未満存在する。
【0057】
以下の試験方法を使用して、ポリマーフィルムを特徴付けることができる。
【0058】
(i)フィルムの透明度は、Gardner XL 211視程計を使用し、ASTM D−1003−61に従って、フィルムの全厚を通した全光線透過率(TLT)およびヘイズ(散乱透過可視光の%)を測定することによって評価することができる。
【0059】
(ii)ヒートシール可能な基板のそれ自体に対するヒートシール強度は、43psi(約296kPa)の圧力下、140℃で1秒間、ポリエステルフィルムの2種類のサンプルのヒートシール可能な層を重ねて置き、加熱することによって、インストロン4301型で測定する。シールされたフィルムを室温に冷却し、シールの単位幅あたり線形張力のもとで、フィルムの各層を4.23mm/秒の一定速度で引き剥がすのに必要とされる力を測定することによって、ヒートシール強度を決定する。
【0060】
(iii)導電性材料と基板の間のヒートシールボンドのヒートシール強度は、43psi(約296kPa)の圧力下、140℃で1秒間、導電層および基板を重ねて置き、加熱することによって、インストロンシリーズIX材料試験用自動システムの機械で測定した。複合フィルムを室温に冷却し、シールの単位幅あたり線形張力のもとで、フィルムの各層を50mm/分の一定速度で引き剥がすのに必要とされる力を測定することによって、ヒートシール強度を決定する。
【0061】
(iv)極限引張破断強さ(UTD)および破断伸び(ETD)を、本明細書に記載のように改変したASTM D882−88試験を使用して測定する。
【0062】
(v)所与の温度の収縮率は、サンプルを、割り当てられた時間(一般に30分)、その温度に加熱したオーブンに拘束しないで入れることにより測定する。収縮率の%は、所与の方向における加熱前後のフィルムの寸法変化の%として算出する。
【0063】
(vi)曲げ亀裂は、ヒートシール可能な基板と導電層を含む複合フィルムを繰り返し曲げ(支点の周りに所与の角度で)、導電層に亀裂が生じたかどうかを目視で評価することによって、質的に評価することができる。
【0064】
本発明をさらに以下の実施例によって例示する。これらの実施例は、例示のために示したものに過ぎず、本発明を上記のものに限定するものではないことを理解されたい。本発明の範囲から逸脱することなく、細部の修正を加えることができる。
【実施例1】
【0065】
透明なPETの基板層と、コポリエステルのヒートシール可能な層とを含む2層ポリエステルフィルムを以下のように調製した。PETを含むポリマー組成物を、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール(82/18/100)を含むコポリエステルと同時押出し、冷却した回転ドラム上に流延し、押出し方向にその元の寸法の約3倍に延伸した。このフィルムを100℃の温度の幅出しオーブン内を通過させると、横方向にその元の寸法の約3倍に延伸された。二軸延伸したフィルムを、通常の手段によって約230℃の温度で熱硬化させた。最終的なフィルムの全厚は23μm、ヒートシール可能な層は、約4μmの厚さであった。
【0066】
銅ホイル(12μm)を、同時押出ししたフィルムのヒートシール可能な表面と接触させ、43psi(約296kPa)の圧力下、140℃で1秒間、貼り合わせることよって、フィルムの表面上に直接配設した。金属/フィルムボンドのヒートシール強度は、450g/25mmであった。
【0067】
本明細書に記載する技術に従って、グラビアプリントにより銅ホイルの表面上に配線パターンを有するエッチングレジストを形成し、UV放射によりエッチングレジストインクを硬化させ、50℃で塩化第二鉄によるエッチングを行うことにより導体配線パターンを基板の表面上に形成し、エッチングしたフィルムを室温で水酸化ナトリウム溶液に浸してエッチングレジスト材料を除去することによって、銅層内にパターンをエッチングした。
【実施例2】
【0068】
最終的なフィルムの全厚を75μmとし、ヒートシール可能な層を約11μmの厚さとした点を除き、実施例1を繰り返した。さらに、20μmの厚さの銅ホイルを、40psi(約275kPa)の圧力下、160℃で1秒間、同時押出しフィルムに貼り合わせた。金属/フィルムボンドのヒートシール強度は、1323g/25mmであった。フィルムの収縮率は、MDおよびTD両方向で2%であった。
【実施例3】
【0069】
最終的なフィルムの全厚を75μmとし、ヒートシール可能な層を約11μmの厚さとした点を除き、実施例1を繰り返した。さらに、13μmの厚さのアルミニウムホイルを、40psi(約275kPa)の圧力下、160℃で1秒間、同時押出しフィルムに貼り合わせた。金属/フィルムボンドのヒートシール強度は、343g/25mmであった。
【実施例4】
【0070】
最終的なフィルムの全厚を30μmとし、ヒートシール可能な層を約5μmの厚さとした点を除き、実施例1を繰り返した。さらに、20μmの厚さの銅ホイルを、40psi(約275kPa)の圧力下、160℃で1秒間、同時押出しフィルムに貼り合わせた。金属/フィルムボンドのヒートシール強度は、537g/25mmであった。
【実施例5】
【0071】
最終的なフィルムの全厚を30μmとし、ヒートシール可能な層を約5μmの厚さとした点を除き、実施例1を繰り返した。さらに、13μmの厚さのアルミニウムホイルを、40psi(約275kPa)の圧力下、160℃で1秒間、同時押出しフィルムに貼り合わせた。金属/フィルムボンドのヒートシール強度は、213g/25mmであった。
【実施例6】
【0072】
テレフタル酸/1,4−シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール(100/33/67)のコポリエステルをヒートシール可能な層として使用して、実施例1の手順を繰り返した。
【実施例7】
【0073】
ポリエチレンテレフタレートを含むポリマー組成物を、冷却した回転ドラム上に流延し、延伸方向にその元の寸法の約3倍に延伸した。このフィルムを100℃の温度の幅出しオーブン内を通過させると、横方向にその元の寸法の約3倍に延伸された。二軸延伸したフィルムを、通常の手段によって約230℃で熱硬化させた。次いで熱硬化したフィルムを、通常のコーティング手段を使用して、オフラインでアゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコール(45/55/100)でコーティングして、2μmの厚さのドライコーティングを得た。全フィルムの厚さは25μmであった。
【0074】
アルミニウムホイル(13μm)を、同時押出ししたフィルムのヒートシール可能な表面と接触させ、40psi(約275kPa)の圧力下、160℃で1秒間、貼り合わせることよって、フィルムの表面上に直接配設した。金属/フィルムボンドのヒートシール強度は、528g/25mmであった。実施例1に記載したように、パターンをホイルに形成した。
【実施例8】
【0075】
ベース層の厚さを75μmとし、コーティングの厚さを約12μmとし、アゼライン酸を含有するコポリエステルでコーティングする前に、まずフィルムを巻き戻し、一連の4つのフローテーションオーブンを通過させ、ウェブの移動を制御するのに適合する最小のライン張力をかけてフィルムを緩和させることによって、熱硬化された二軸延伸フィルムを熱安定化させた点を除き、実施例7の手順を繰り返した。次いで、熱安定化したフィルムを巻き取った。4つのオーブンのそれぞれは、横方向に3つの制御された温度ゾーン(左、中央、および右)を有していた。
【0076】
左 中央 右
オーブン1 170 180 170
オーブン2 170 180 170
オーブン3 170 180 170
オーブン4 165 180 165
熱安定化ステップ中のフィルムのライン速度は、15m/分であった。フィルム(元のロール幅1360mm)にかけた張力は、24〜25Nであった。
【0077】
アルミニウムホイルを、60psi(約413kPa)の圧力下、160度で1秒間、フィルムに貼り合わせて、2028g/25mmの強度のヒートシールボンドを形成した。実施例1に記載するように、パターンをホイルに形成した。
【実施例9】
【0078】
アルミニウムホイルの代わりに銅ホイルを使用した点を除き、実施例8の手順を繰り返した。接着強度は、2824g/25mmであった。
【実施例10】
【0079】
ベースフィルムを10μmの厚さのEVAコポリマーでコーティングし、フィルムの全厚を33μmとした点を除き、実施例7の手順を繰り返した。金属/ポリマー接着強度は、471g/25mmであった。
【実施例11】
【0080】
複合フィルムに銅ホイルを貼り合わせた点を除き、実施例10を繰り返し、その金属/ポリマーの接着強度は833g/25mmであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板と、前記基板のヒートシール表面と直接接触している導電性材料のパターンを含むアンテナとを含むことを特徴とする、無線周波数応答タグ。
【請求項2】
前記収縮率は、3%未満であることを特徴とする、請求項1に記載のタグ。
【請求項3】
前記基板は、単層基板であることを特徴とする、請求項1または2に記載のタグ。
【請求項4】
前記基板は、コポリエステルを含むことを特徴とする、請求項1、2、または3に記載のタグ。
【請求項5】
前記コポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導されることを特徴とする、請求項4に記載のタグ。
【請求項6】
前記基板は、ヒートシール可能な層およびベース層を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のタグ。
【請求項7】
前記ベース層は、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする、請求項6に記載のタグ。
【請求項8】
前記ヒートシール可能な層は、コポリエステルであることを特徴とする、請求項6または7に記載のタグ。
【請求項9】
前記コポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導されることを特徴とする、請求項8に記載のタグ。
【請求項10】
前記コポリエステルは、テレフタル酸、エチレングリコール、および1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導されることを特徴とする、請求項8に記載のタグ。
【請求項11】
1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールのモル比は、30:70から35:65の範囲内にあることを特徴とする、請求項10に記載のタグ。
【請求項12】
前記ヒートシール可能な層およびベース層は、同時押し出しされることを特徴とする、請求項6から11のいずれかに記載のタグ。
【請求項13】
前記コポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導され、テレフタル酸成分とイソフタル酸成分のモル比が、65:35から85:15の範囲内にあることを特徴とする、請求項5から9に記載のタグ。
【請求項14】
前記コポリエステルは、テレフタル酸、脂肪族ジカルボン酸、およびグリコールから誘導されることを特徴とする、請求項8に記載のタグ。
【請求項15】
前記コポリエステルは、テレフタル酸、アゼライン酸、およびエチレングリコールから誘導されることを特徴とする、請求項8に記載のタグ。
【請求項16】
前記コポリエステルは、エチレングリコールと、テレフタル酸約55%およびアゼライン酸約45%とのコポリエステルであることを特徴とする、請求項15に記載のタグ。
【請求項17】
前記ヒートシール可能な層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載のタグ。
【請求項18】
前記ヒートシール可能な層は、ベース層上にコーティングされることを特徴とする、請求項6、7、8または14から17のいずれかに記載のタグ。
【請求項19】
前記収縮率は、1%未満であることを特徴とする、請求項14から18のいずれかに記載のタグ。
【請求項20】
前記収縮率は、0.5%未満であることを特徴とする、請求項14から18のいずれかに記載のタグ。
【請求項21】
前記導電性材料は、金属材料を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載のタグ。
【請求項22】
前記導電性材料は、銅を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載のタグ。
【請求項23】
さらに、前記アンテナに電気的に連絡しているデータ搬送手段を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載のタグ。
【請求項24】
基板と、導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合によってはデータ搬送手段とを含む無線周波数応答タグの製造方法であって、以下のステップ、
(i)ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール可能な基板を提供するステップと、
(ii)前記アンテナの導電性材料を、前記基板のヒートシール可能な表面の少なくとも一部分上に直接配設するステップと、
(iii)前記ヒートシール可能な基板と導電性材料との間でヒートシールを行うステップと、
(iv)場合によって、前記導電性材料と電気的に連絡しているデータ搬送手段を提供するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
ステップ(iii)の後、さらに、前記導電性材料にパターンを形成するステップを含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
基板としてのフィルムと、前記フィルムのヒートシール表面に直接接触している導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合によっては、前記アンテナと電気的に連絡しているデータ搬送手段とを含む無線周波数応答タグの製造における、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシールフィルムの基板としての使用。
【請求項27】
基板のヒートシール表面と直接接触している導電性材料の層と、前記ヒートシールフィルムとを含む、RF応答タグの製造における、複合フィルムの曲げ亀裂を低減するための、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満である前駆物質として適したヒートシールフィルムの使用。
【請求項28】
ヒートシール基板と、前記基板のヒートシール表面と直接接触している前記導電性材料のパターンを含むアンテナと、場合によっては、前記アンテナと電気的に連絡しているデータ搬送手段とを含む無線周波数応答タグの製造における、導電性材料の層と、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板とを含む複合フィルムの前駆物質としての使用。
【請求項29】
無線周波数応答タグの製造において前駆物質として使用するのに適しており、基板のヒートシール表面と直接接触している導電性材料の層と、ポリエステル層を含み、収縮率が190℃で30分かけて5%未満であるヒートシール基板とを含むことを特徴とする複合フィルム。
【請求項30】
前記導電性材料と前記基板の間のヒートシールの接着強度は、少なくとも200g/25mmであることを特徴とする、請求項29に記載の複合フィルム。

【公表番号】特表2007−529804(P2007−529804A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503407(P2007−503407)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000999
【国際公開番号】WO2005/091213
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(300038826)デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ (36)
【Fターム(参考)】