説明

無線基地局、無線通信端末、無線通信システム

【課題】無線通信端末が無線基地局の通信エリアを通過する際に、大容量のコンテンツを受信するために即座に無線基地局と通信リンクを確立する無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線基地局が備える副無線通信手段は、副無線通信方式に従った通信によって、無線通信端末へ設定情報を送信する。無線通信端末が無線基地局の通信エリアを通過する際に、無線通信端末が備える副無線通信手段は、副無線通信方式に従った通信によって、無線基地局から設定情報を受信する。無線通信端末が備える主無線通信手段と、設定情報に従って、主無線通信方式に従った通信によって、無線基地局が備える主無線通信手段と接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局、無線通信端末及び無線通信システムに関し、より特定的には、スポット状の通信エリアにて通信を行う無線基地局、無線基地局と接続する無線通信端末、及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE802.11規格に準拠した通信機能(以下、無線LAN通信機能)を備える持ち運び可能な機器は普及の一途をたどっている。使われる場所も、オフィスやホームだけに留まらず、屋外においても、孤立したスポット状の通信エリアではあるものの、いわゆるホットスポットとして使用可能な場所が急速に増えつつある。これに対応して、無線LAN搭載機器もパソコンやオフィス機器に留まらず、家電機器を含め種々なものに搭載され、とりわけ、携帯電話を始め、携帯型あるいは車載型の各種機器に広がりを見せている。
【0003】
IEEE802.11規格において、通信端末が無線LAN基地局と接続をするためには以下の基本的な処理が必要となる。通信端末は、まず、すべての通信チャネルをスキャンし、無線LAN基地局が周期的に送信しているビーコンを受信する。通信端末は、無線LAN基地局の存在する通信チャネルを特定した後、接続したい無線LAN基地局を決めて、当該基地局との接続可否をSSID(Service Set Identifier)という識別子によって行い、無線LAN基地局と通信端末との間の通信路をWEP(Wired Equivalent Privacy)やWPA(Wi−Fi Protected Access)等に代表される暗号化方式によって暗号化を行う。認証と暗号化の完了後、無線LAN基地局と通信端末は通信をはじめて開始することができる。
【0004】
このように、IEEE802.11規格は、通信チャネルスキャンから基地局発見、認証、暗号化までの接続処理が完了した後に通信を開始するといった特徴を持っている。また、規格上、制御チャネルを有さず、外部無線信号の受信によって電源オフあるいはスリープ等の状態から立ち上がり、自動的に基地局と接続するような機能も無い。このため、一般に通信端末が基地局と接続するには、ユーザが通信端末を電源オフあるいはスリープ等の状態から復帰させる共に、複数の接続手順をユーザ自身が操作したり、接続を行うソフトウェアを立ち上げることが必要であった。しかし、これらの操作は煩わしく、ユーザ操作に伴う時間もかかる。さらには、ユーザ操作以外の接続処理実時間も有意にかかり、即座に通信が開始されるものではなかった。
【0005】
今後、無線LAN搭載機器を備えたサービスとして、屋外に無線LAN基地局を配置し、スポット状エリアの通過時に情報を送受信するシステム形態を用いたサービスの利用が一層盛んになることが予想される。今後の通信端末は、半固定での運用に限らず、歩行中の利用のケースに加え、バスや電車等で高速移動する際に利用されるケースや、無線LAN通信機能を備えたカーナビゲーションシステム等に利用されることが多くなると予想される。通信端末の移動速度が上がるにつれて、ユーザ操作の時間もさることながら、通信端末が通信を開始するまでに要する時間自身も短縮化することが求められる。例えば、スポット状エリアを通過時に、通信端末が通信開始までの接続処理に手間と時間とを要すると、スポット状エリアの通過時に情報を殆ど送受信できない事態か生じる可能性がある。また、最悪、通信を開始するまでに、スポット状エリアを通り過ぎてしまって、通信ができない事態が生じる可能性もある。
以上のような課題に対して、従来から種々の改善策が検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
図58は、特許文献1に開示される従来の無線通信システムの構成を示すブロック図である。図58において、利用者が所有するPDA(携帯情報端末)2001は、あらかじめ携帯電話やPHS等の情報提供サービスを契約している利用者が所有する前提で、WOR(Wake−on Ring:自動起動)機能を有すると共に、無線LANクライアントソフトがインストールされているものとする。情報提供会社2004は、エージェントサーバー2003によって制御されるウェイクオンサーバー2005と、ゲートサーバー2002を持つ。また、情報を提供する特定地点には、利用者の所有するPDA2001とのデータの送受信を行う無線LAN基地局を設置しておく。PDA2001を所有する利用者が特定地点を通過するときに、ウェイクオンサーバー2005はPDA2001のクライアントソフトを起動させる。クライアントソフトは、無線LAN基地局を通じて、ゲートサーバー2002へ接続し、情報提供会社2004が配信する情報をPDA2001のメモリに記録する。
【0007】
かかる構成により特許文献1では、無線LAN基地局の通信エリアを通過する携帯情報端末に対して情報を配信するシステムを提供することを目的とした、携帯情報端末無線LANサービスについての技術を開示している。
【0008】
図59は、特許文献2に開示されている従来の無線通信システムの構成を示すブロック図である。図59において、接続装置2101は、WLAN通信部2104と、RFIDリーダ2106とを備える。非接続装置2102は、WLAN通信部2111と、RFIDトランスポンダ2119とを備える。接続装置2101は、非接続装置2102のIPアドレスなどの固有の通信データをあらかじめRFIDトランスポンダ2119と、RFIDリーダ2106との間の密着通信によって取得する。これにより、接続装置2101のWLAN通信部2104と、非接続装置2102のWLAN通信部2111とは、無線通信を開始することができるようになる。かかる構成により特許文献2では、ユーザ操作による接続手順を簡易化する無線通信システムを開示している。
【0009】
図60は、特許文献3に開示されている従来の無線通信システムの構成を示すブロック図である。図60において、無線通信端末であるPC2203は、無線LANカード2201と、ページャカード2202とを備える。ネットワーク2207は、無線LAN基地局2205と、ページャ基地局2206とを備える。また、通信相手2209は、ネットワーク2207と接続されている。通信相手2209は、PC2203を呼び出して、通信を行う場合に、まずネットワーク2207のページャ基地局2206を経由して、PC2203のページャカード2202を用いて呼び出しを行い、自身のネットワークIDと、宛先であるPC2203のネットワークIDとの交換を行う。
【0010】
PC2203は、ページャカード2202によって、ネットワーク2207からの呼び出しを検出すると、無線LANカード2201を起動させる。次に、PC2203は、ページャカード2202によって交換されたネットワークIDを元に、無線LANカード2201と無線LAN基地局2205とが通信を行うことで、通信相手2209と無線LANを用いた通信を行う。かかる構成により特許文献3では、本来呼び出し機能を有しない無線通信システムに対して、ページャカードによる通信を用いて、呼び出し機能と無線LANの電源を操作する機能を付加した無線通信システムを開示している。
【特許文献1】特開2004−048395号公報
【特許文献2】特開2004−287767号公報
【特許文献3】特開2003−199171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1〜3に開示されている技術を用いたとしても、通信端末がスポット状エリア等を高速移動することを想定した場合には、通信を開始するまでに要する時間が十分に短縮されたとはいえなかった。特許文献1では、ウェイクオンサーバー2005で起動されるクライアントソフトによって、接続に要するユーザ操作の部分は改善することができた。しかし、通信チャネルスキャンから基地局発見、認証、暗号化といったユーザ操作以外の接続処理時間(通常、これらの接続処理には、数秒程度を要する)の短縮に関しては何ら触れられていなかった。
【0012】
また、特許文献2に関しても、接続装置2101と非接続装置2102との間でアドホック通信を行うための通信設定情報を近接通信によって交換することで、ユーザ操作による接続手順を簡易化することを目的としており、上述したようなユーザ操作以外の接続処理実時間の短縮を図ったものではなかった。また、特許文献2では、互いに密着させることで1:1の接続相手を特定することがポイントになっており、この特定方法での前提でユーザ操作の簡易化を図るものとなっていた。つまり、接続する側の接続装置2101が、非接続装置2102の通信設定情報を近接通信によって読み取り、接続する側の接続装置2101の通信設定を逆に非接続装置2102のそれに合わせ込む構成となっていた。従って、接続装置2101に、通信設定情報が異なる通過中の複数の通信端末を同時に接続するような(1:N)本願想定システムに適用することはできなかった。なお、近接通信を用い、互いに密着させることで接続相手を特定することがポイントとなっているために、特に、バスや電車などで高速移動するユーザが持つ携帯通信端末や車載端末等、高速度で通り抜けるような本願想定システムにはそぐわないし適用できなかった。
【0013】
特許文献3に関しても、広範囲の通信エリアをカバーするページャによって、無線LANを起動させる技術について開示されているものみであった。すなわち、通信端末が、無線LANのスポット状エリアを通過時に、接続処理実時間の短縮に関して何ら触れられていなかった。
【0014】
それ故に、本発明の目的は、スポット状の無線エリアを高速で通過移動する無線通信端末に対して、スリープ待機状態から迅速な接続処理が行われると共に安定した通信ができ、より大きな情報量を送受信することができる無線基地局、無線基地局と接続する無線通信端末、及び無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、無線通信端末と通信する無線基地局に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の送信回路は、主無線通信方式に従った通信を行う主無線通信手段と、副無線通信方式に従った通信を行う副無線通信手段と、無線通信端末と主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を取得する設定情報取得手段とを備える。副無線通信手段は、副無線通信方式に従った通信によって、無線通信端末へ設定情報を送信する。
【0016】
また、本発明は、無線基地局と通信する無線通信端末にも向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の無線通信端末は、主無線通信方式に従った通信を行う主無線通信手段と、副無線通信方式に従った通信を行う副無線通信手段と、無線基地局と主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を設定する通信設定手段とを備える。副無線通信手段は、副無線通信方式に従った通信によって、無線基地局から設定情報を受信する。
【0017】
また、本発明は、情報を蓄積するサーバと、情報を送信する無線基地局と、当該無線基地局から情報を受信する無線通信端末とから構成される無線通信システムにも向けられている。そして、上記目的を達成するために、サーバは無線基地局と接続され、無線基地局は、主無線信方式に従った通信を行う第1の主無線通信手段と、副無線通信方式に従った通信を行う第1の副無線通信手段と、無線通信端末と主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を取得する設定情報取得手段とを備える。第1の副無線通信手段は、副無線通信方式に従った通信によって、無線通信端末へ設定情報を送信する。無線通信端末は、主無線信方式に従った通信を行う第2の主無線通信手段と、副無線通信方式に従った通信を行う第2の副無線通信手段と、無線基地局と主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を設定する通信設定手段とを備える。第1の副無線通信手段は、副無線通信方式に従った通信によって、無線基地局から設定情報を受信する
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スポット状の無線エリアを高速で通過移動する無線通信端末に対して、スリープ待機状態から迅速な接続処理が行われると共に安定した通信ができ、より大きな情報量を送受信することができる無線基地局、無線基地局と接続する無線通信端末、及び無線通信システムを提供することができる。すなわち、無線通信端末は、コンテンツを送受信する無線基地局を通り過ぎる時に、コンテンツを送受信する無線基地局との接続時間を短くすることが可能となり、無線LAN基地局と通信する時間を長く確保することが可能となるため、大容量のコンテンツを送受信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を説明する概略図である。図1において、無線通信システムは、統合基地局101と、通信端末201とから構成される。また、図1に示す例では、統合基地局101は、各種コンテンツに関する情報を配信可能なサーバ10と、無線あるいは有線通信によって接続されているものとする。本発明は、通信端末201が、統合基地局101と通信可能なエリアを通過する際に、統合基地局101との通信を即座に開始し、コンテンツを送受信するための時間を短縮する技術に関するものである。
【0020】
サーバ10から配信される情報としては、例えば、ニュース情報、スポーツの結果、映画、音楽などのエンターテイメントなどの各種コンテンツに関する情報がある。これらの情報は、一般的に地域特性が少ないコンテンツに関する情報である。統合基地局101は、これらのコンテンツとは別に、自身がいる地域に関連する情報をサーバ10より受信して、通信端末201へ送信してもよい。このようなコンテンツをローカルコンテンツと呼ぶ。ローカルコンテンツの例として、例えば、統合基地局101の近傍の地域の天気予報や、地図情報、飲食店情報、地域の案内情報などが挙げられる。以降は地域特性が少ないコンテンツと、ローカルコンテンツを総称して単にコンテンツと呼ぶ。
【0021】
通信端末201は、携帯端末や、PDA、カーナビ、持ち運び可能なカーナビであるPND(Personal Navigation Device)等、移動しながら情報を受信することが可能な通信端末のことであり、以降はこれらを総称して単に通信端末と呼ぶ。通信端末201がサーバ10へアップロードする情報としては、例えば、通信端末201が撮影した画像や映像情報などが挙げられる。
【0022】
また、コンテンツを送受信する通信方式として、IEEE802.11委員会で標準化されている、いわゆる無線LAN規格による通信方式(以下、無線LAN方式)を代表して用いて説明する。ただし、本発明は、コンテンツを送受信する通信局が独立して動作するスポット通信を行うことができる通信方式すべてに適応することが可能であり、便宜上以降無線LAN方式を用いて説明を行うが、必ずしも無線LANに限定されるものではない。例えば、スポット状の孤立無線エリアを成すように置局されたWiMAXや、ミリ波によって通信を行うミリ波通信や、光を使った通信等にも応用可能である。
【0023】
また、制御信号の送受信に利用される無線通信方式を総称して、制御無線通信と呼ぶ。制御無線通信は、送信局が独立して動作しスポット通信を行うことができる通信方式すべてに適応することが可能である。ただし、省電力で動作することが望ましいので、例えば、Zigbee等の通信方式が候補として挙げられる。低消費電力の制御無線通信を用いることで、通信端末201におけるバッテリの消費を小さくすることが可能となる。加えて、制御無線通信においては、通信エリアに入ると、自動でスリープ状態から立ち上がり通信を開始する機能(WOR:Wake On Radio)を持っていることが望ましい。これによって、通信端末201は、通信エリア外ではごく省電力で待機し、通信エリア内に入るとスリープ状態から立ち上がり、自動で統合基地局101と接続することができる。このため、通信端末201は、制御無線通信を用いて、省電力で常時エリアを検出し、エリアが見つかり次第、統合基地局101と速やかに接続することが可能となる。
【0024】
なお、省電力性では、Bluetoothも候補に挙がるが、当該方式にはWORの機能が無く、上記のような動作をさせることはできない。加えて、通信を開始するまでの処理時間が短いことが望ましい。この点でも、数秒程度の接続時間を要するBluetoothよりもZigbeeの方が望ましい。他の候補を挙げれば、高速車両に対する狭域通信システム(DSRC:Dedicated Short Range Communication)として開発された通信方式は高速接続が可能で望ましい。なお、DSRCは、高速に通信端末へ情報を送信することが可能な無線方式であるため、この方式を用いることで、通信端末は統合基地局からコンテンツを送受信するための時間をより短縮することが可能であり、この面でも望ましい。
【0025】
なお、制御無線通信に用いる物理層の方式としては、前述した各通信方式に用いる物理層の方式に加えて、UHF帯等の各種特定小電力無線やUWB(Ultra Wide Band)等を用いても良い。また、必ずしも無線通信に限定されることもなく、例えば、光ビーコンなど、光を使った通信を用いることも可能である。
【0026】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図2において、統合基地局101は、無線LAN基地局として動作すると共に、制御無線基地局として動作する。すなわち、統合基地局101は、無線LAN基地局として通信端末201と無線LAN通信を行う機能(無線LAN通信機能)と、制御無線基地局として通信端末201と制御無線通信を行う機能(制御無線通信機能)とを備える。なお、統合基地局101は、サーバ10と各種情報(コンテンツを含む)を送受信する機能を備えているものとする。
【0027】
統合基地局101は、(1)無線LAN基地局のプロファイル情報を制御無線通信を介して通信端末201へ送信する。以下、無線LAN基地局のプロファイル情報を単にプロファイル情報と呼ぶことにする。プロファイル情報とは、統合基地局101の無線LAN基地局へ接続するための設定情報である。具体的には、プロファイル情報には、通信チャネルやWEPキー情報等が含まれる。プロファイル情報の詳細に関しては後述する。
【0028】
通信端末201は、無線LAN基地局と通信する機能(無線LAN通信機能)と、制御無線基地局と通信する機能(制御無線通信機能)とを備える。なお、通信端末201は、サーバ10及び統合基地局101と各種情報(コンテンツを含む)を送受信する機能を備えているものとする。通信端末201は、統合基地局101の制御無線通信エリア20を通過する際に、統合基地局101から送信されたプロファイル情報を制御無線通信を介して受信する。制御無線通信エリア20とは、統合基地局101が制御無線通信を行うことが可能なエリアである。また、無線LAN通信エリア30とは、統合基地局101が無線LAN通信を行うことが可能なエリアである。プロファイル情報を受信した通信端末201は、(2)受信したプロファイル情報から無線LAN通信に関する設定情報を更新する。
【0029】
通信端末201は、(3)統合基地局101の無線LAN基地局と無線LAN通信を介して接続を開始し、(4)接続完了後に各種情報の送受信を行う。統合基地局101は、制御無線通信エリア20を無線LAN通信エリア30の内部に配置することが好ましい。これによって、プロファイル情報を受信した通信端末201は、即座に統合基地局101との接続を開始することができる。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る統合基地局101の構成例を示すブロック図である。図3において、統合基地局101は、外部情報通信部102と、メモリ部103と、制御部104と、プロファイル情報格納部115と、主無線通信部105と、副無線通信部110とを含む。各機能ブロックは、システムバスで接続され、互いにデータの転送を行うことが可能である。主無線通信部105は、無線LAN通信機能を持った通信部であり、送信部106と、受信部107と、アンテナ部113とから構成される。また、副無線通信部110は、制御無線通信機能を持った通信部であり、送信部111と、受信部112と、アンテナ部114とから構成される。ここでは、無線LAN通信機能を持った通信部を主無線通信部と呼び、制御無線通信機能を持った通信部を副無線通信部と呼んでいるが、これは便宜上このように呼んでいるだけであり、どちらが主としての機能を果たし、どちらが副としての機能を果たすというわけではない。
【0031】
外部情報通信部102は、Ethernet(登録商標)等の有線通信技術や各無線通信技術を利用して、サーバ10からメモリ部103へコンテンツ情報の転送を行ったり、あるいは反対にメモリ部103の情報をサーバ10へ転送を行ったりする機能ブロックである。
【0032】
メモリ部103は、統合基地局101内で処理される情報を記憶するための機能ブロックである。すなわち、主無線通信部105によって、受信復号されたコンテンツを記憶する用途や、送信コンテンツをバッファリングする用途に用いられる。また、副無線通信部110によって、受信復号されたデータを記憶する用途や、送信データをバッファリングする用途に用いられる。また、サーバ10から外部情報通信部102を経由して受信したコンテンツを保存する用途にも利用される。
【0033】
制御部104は、主無線制御部108と、副無線制御部109と、プロファイル情報格納部115とを主体として構成され、統合基地局101の全体を制御する。
【0034】
主無線通信部105及び主無線制御部108は、無線LAN方式に従った無線通信技術により、データの送受信を行うための機能ブロックである。主無線通信部105において、受信部107は、無線LAN通信によって接続された通信端末から送信されたデータの復号処理を行い、送信部106は、メモリ部103のデータを無線LAN通信によって接続された通信端末へ送信する処理を行う。主無線制御部108は、これらの処理を制御するための処理を行うものであり、主にCPUを主体とした構成を持つ。
【0035】
副無線制御部109及び副無線通信部110は、制御無線通信よってデータの送受信を行うための機能ブロックである。副無線通信部110において、受信部112は、制御無線通信によって接続された通信端末から送信されたデータの復号処理を行い、送信部111は、メモリ部103のデータを制御無線通信によって接続された通信端末へ送信する処理を行う。副無線制御部109は、これらの処理を制御するための処理を行うものであり、主にCPUを主体とした構成を持つ。
【0036】
プロファイル情報格納部115は、他の通信端末が、主無線通信部105と接続するために必要なプロファイル情報を格納するための機能ブロックである。
【0037】
主無線制御部108は、プロファイル情報をプロファイル情報格納部115へ転送する。副無線通信部109は、プロファイル情報格納部115からプロファイル情報を取得し、副無線通信部110における送信部111へ転送する。副無線通信部110は、送信部111よりプロファイル情報の送信を行う。
【0038】
ここで、プロファイル情報について説明を行う。プロファイル情報には、主無線制御部108で用いられる通信チャネル、BSSID、及びWEPキー情報が含まれる。
【0039】
なお、プロファイル情報は、主無線制御部108との接続を容易にするための情報であれば、上述した情報に限定されるものではない。例えば、プロファイル情報は、各種情報を送受信するために認証情報が必要であれば、そのID及びパスワード情報を含んでいても良い。これによって、制御無線通信による制御信号を受信したユーザは、自動で各種情報を送受信することが可能となる。また、暗号化の方式もWEPキーを用いたものに限定される必要はなく、より強度の高いWPA(Wi−Fi Protected Access)などでも同等の効果を得ることができる。
【0040】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る通信端末201の構成例を示すブロック図である。図4において、通信端末201は、制御部202と、主無線通信部206と、副無線通信部210と、メモリ部220と、表示制御部216と、入力部217と、表示部218とを含む。各機能ブロックは、システムバスで接続され、互いにデータの転送を行うことが可能である。
【0041】
また、主無線通信部206は、送信部207と、受信部208と、アンテナ部209とから構成される。さらに、副無線通信部210は、送信部211と、受信部212と、アンテナ部213とから構成される。メモリ部220は、プロファイル情報格納部214と、送信メモリ部219と、受信メモリ部215から構成される。
【0042】
主無線制御部204及び主無線通信部206は、無線LAN方式に従った無線通信技術により、データの送受信を行うための機能ブロックである。主無線通信部206において、受信部208は、無線LAN通信によって接続された統合基地局101や他の基地局から送信されたデータの復号処理を行い、送信部207は、送信メモリ部219のデータを無線LAN通信によって接続された統合基地局101や他の基地局へ送信する処理を行う。主無線制御部204は、これらの処理を制御するための処理を行うものであり、主にCPUを主体とした構成を持つ。
【0043】
副無線制御部203及び副無線通信部210は、制御無線通信よってデータの送受信を行うための機能ブロックである。副無線通信部210において、受信部212は、制御無線通信によって接続された統合基地局101から送信されたデータの復号処理を行い、送信部211は、メモリ部220のデータを制御無線通信によって接続された統合基地局101へ送信する処理を行う。副無線制御部203は、これらの処理を制御するための処理を行うものであり、主にCPUを主体とした構成を持つ。
【0044】
副無線制御部203及び副無線通信部210は、間欠受信を行うことが望ましい。通信端末201は、一般にバッテリで動作するため、間欠受信を行うことによって、待機時の消費電力を小さくすることができる。
【0045】
なお、統合基地局101は、制御無線通信において、データ送信区間におけるデータを送信している時間の割合(すなわち、送信デューティ)を高くすることが望ましい。通信端末201が制御無線通信を用いた送信データの電力レベルの検出によって統合基地局101の存在を判断する場合には、送信デューティを高くすることによって、より統合基地局101を発見するまでの時間が短くなるからである。また、逆に間欠受信間隔を延ばすことで省電力の効果が期待できる。
【0046】
統合基地局101は、送信データを繰り返し送信する機構を持ち、繰り返しプロファイル情報等のデータを送信する構成であっても良い。これによって、送信デューティを高くすることができるので、上記接続時間の短縮あるいは省電力の効果が得られる。また、同時に、通信端末201は、同一データを複数回受信することになるので、データの受信誤り率の低下が期待できる。
【0047】
メモリ部220は、通信端末201内で処理される情報を記憶するための機能ブロックであり、プロファイル情報格納部214と、送信メモリ部219と、受信メモリ部215とによって構成される。送信メモリ部219は、主無線通信部206や、副無線通信部210によって、送信される各種情報(コンテンツを含む)を記憶する用途に用いられる。受信メモリ部215は、主無線通信部206や、副無線通信部210によって、受信された各種情報を記憶する用途に用いられる。
【0048】
プロファイル情報格納部214は、副無線制御部203により転送された、統合基地局101のプロファイル情報を保存する用途に用いられる。
【0049】
主無線制御部204は、プロファイル情報設定部205を含む構成になっている。プロファイル情報設定部205は、プロファイル情報格納部214より、接続する統合基地局101(すなわち、無線LAN基地局)のプロファイル情報を取得する。これにより、プロファイル情報設定部205は、主無線制御部204が備える無線LAN基地局への接続情報を更新することができる。
【0050】
表示制御部216は、入力部217からの入力指示に従って、受信メモリ部215に記憶された情報を表示部218に転送する。表示部218は、表示制御部216の制御に従い、受信メモリ部215に記憶された情報を表示する。受信した情報を表示するタイミングに関しては後述する。
【0051】
図5は、統合基地局101が無線LAN基地局のプロファイル情報を格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。図3及び図5を参照して、まず、統合基地局101において、主無線制御部108は、無線LAN通信を行うための通信設定を行う(ステップS101)。この設定内容は、後に詳細を説明するが、通信チャネルの設定などである。この通信設定は、ユーザによって設定可能であることが望ましいが、あらかじめ出荷時に設定されていても良い。主無線制御部108は、通信設定を無線LAN基地局のプロファイル情報として、プロファイル情報格納部115に格納する(ステップS102)。
【0052】
図6は、統合基地局101が制御無線通信を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。図3及び図6を参照して、まず、統合基地局101において、副無線制御部109は、プロファイル情報格納部115より、無線LAN基地局のプロファイル情報を取得する(ステップS111)。次に、副無線制御部109は、送信キューを参照し、制御無線通信で送信する予定の情報(パケット)があるか否かを判定する(ステップS112)。送信キューに送信予定の情報(パケット)がある場合、副無線通信部110は、送信予定の情報(パケット)にプロファイル情報を付加する(ステップS113)。送信キューに送信予定の情報(パケット)が無い場合、副無線通信部110は、新たにプロファイル情報を含むパケットを生成する(ステップS114)。副無線通信部110は、前述のプロファイル情報を含むパケット(以下、制御無線パケットと呼ぶ)を、送信部111及びアンテナ部114を介して送信する(ステップS115)。
【0053】
ここで、制御無線パケットのフレームの構成について説明する。図7は、制御無線パケット401の全体フレームを示す図である。制御無線パケット401としては、制御無線通信で用いられる通常のデータの一部にプロファイル情報を付加したパケットと、プロファイル情報専用のパケットの2通りのフレーム構成が想定される。図7には、制御無線通信で用いられる通常のデータの一部にプロファイル情報を付加したパケットを示す。プロファイル情報専用のパケットは、図示しないが、図7で示されたパケットから、制御通信データフレーム404を除いたものになる。
【0054】
図7を参照して、制御無線パケット401は、制御無線ヘッダ402と、プロファイル情報403と、制御無線データフレーム404とを含む。制御無線ヘッダ402と、制御無線データフレーム404には、制御無線通信のヘッダ情報と、データ情報とが含まれている。また、プロファイル情報403には、無線LAN通信チャネル406と、無線LANBSSID405と、無線LANWEPキー407等に関する情報が含まれている。
【0055】
さらに、プロファイル情報403は、ヘッダ部分など、統合基地局101と接続手続きを行わずに、復号することができる領域に記憶されていることが望ましい。これによって、通信端末201は、即座にプロファイル情報403を受信することが可能となり、結果的に通信端末201が、無線LANによって接続するための待ち時間が短くなるという効果がある。
【0056】
なお、プロファイル情報403は、統合基地局101と無線LANを通じて接続に必要な情報であれば良く、必ずしも前記情報に限定されるものではない。
【0057】
図8は、通信端末201が制御無線パケットを受信した際の動作の一例を示すフローチャートである。図4及び図8を参照して、通信端末201において、まず、副無線通信部210は、制御無線通信により、制御無線パケット401を受信する(ステップS201)。次に、副無線制御部203は、コンテンツ受信モードのON/OFFを判定し(ステップS202)、コンテンツ受信モードがOFFの場合には、通常の状態に遷移する(ステップS204)。
【0058】
コンテンツ受信モードとは、本発明で開示されている、ユーザが統合基地局101の通信エリアを通過する際に、自動でコンテンツを受信するか否かを決定するモードのことである。ユーザがあらかじめ通信端末201上で、コンテンツ受信モードのON/OFFを設定しておくことが望ましい。
【0059】
副無線制御部203は、コンテンツ受信モードがONの場合には、制御無線通信によって受信した制御無線パケット401に、プロファイル情報403が含まれているか否かを判定する(ステップS203)。プロファイル情報403が含まれている場合には、副無線制御部203は、プロファイル情報格納部214にプロファイル情報403を格納する(ステップS205)。プロファイル情報403が含まれていない場合は、通常の状態に遷移する(ステップS204)。
【0060】
次に、プロファイル情報設定部205は、プロファイル情報格納部214に格納されているプロファイル情報403に基づいて、無線LAN通信設定処理を実施する(ステップS206)。無線LAN通信設定処理(ステップS206)の詳細については後に説明する。通信端末201(主無線制御部204及び主無線通信部206)は、プロファイル情報403を受信した統合基地局101の無線LAN基地局への接続を開始する(ステップS207)。
【0061】
図9は、通信端末201が、統合基地局101の無線LAN基地局へ接続を開始する際の動作の一例を示すフローチャートである。図9では、通信端末201がコンテンツを受信する場合の動作のみを説明する。通信端末201は、無線LAN基地局と接続後に、サーバ10へ情報をアップロードすることが可能である。図4及び図9を参照して、通信端末201において、主無線制御部204は、主無線通信部206を制御して、統合基地局101の無線LAN基地局との接続処理を試みる。具体的には、主無線制御部204は、主無線通信部206を制御して、統合基地局101の主無線通信部105が送信しているビーコンの受信を試みる。主無線制御部204は、統合基地局101の無線LAN基地局との接続処理の成否を判定し(ステップS208)、接続できなかった場合には、通常の状態に遷移する(ステップS209)。接続できた場合には、主無線制御部204は、主無線通信部206の受信部208を制御し、統合基地局101を経由してサーバ10より、コンテンツとコンテンツに関連する情報とをダウンロードする(ステップS210)。また、通信端末201がサーバ10へアップロードする情報を持っている場合には、当該情報をサーバ10へアップロードしてもよい。
【0062】
通信端末201において、表示制御部216は、コンテンツのダウンロード後、コンテンツ表示指示の入力待ち状態になる(ステップS211)。ここで、入力部217から、コンテンツ表示指示が入力されると、表示部218にコンテンツを表示する(ステップS212)。入力部217がコンテンツ表示指示の入力を待つのは、ユーザがコンテンツを表示したい場合に、ユーザの指示によって、コンテンツを表示するためである。
【0063】
図10は、通信端末201が表示部218にコンテンツを表示する際の動作の一例を示すフローチャートである。図10を参照して、通信端末201において、入力部217は、コンテンツの表示指示が入力されるのを待ち受けており(ステップS2001)、コンテンツ表示指示が入力されると、表示制御部216へコンテンツ表示信号を送信する(ステップS2002)。表示制御部216へコンテンツ表示信号が送信されると、表示制御部216は、表示部218にコンテンツを表示する。
【0064】
また、通信端末201は、ユーザが受信したコンテンツを表示するか否かを選択できる構成であってもよい。図11は、通信端末201の表示部218に表示されるコンテンツの一例を示す図である。図11に示すように、例えば、通信端末201の表示部218には、コンテンツの表示を行うかどうかの選択画面501が表示され、ユーザがコンテンツの表示を選択すれば、コンテンツのメニュー画面502が表示される。また、通信端末201は、フィルタリング情報を用いて、受信コンテンツの中で表示する情報を取捨選択してもよい。このとき、通信端末201は、統合基地局101よりフィルタリング情報(一般フィルタ)を取得してもよいし、通信端末201に蓄積された履歴情報等からフィルタリング情報(パーソナルフィルタ)を生成してもよい。
【0065】
図9の説明に戻る。さらに、ユーザがコンテンツの閲覧を行う中で、ダウンロードされていないコンテンツへのリンク等にアクセス要求を行う場合が想定される。このようなコンテンツをコンテンツ詳細情報と呼ぶ。コンテンツ詳細情報としては、コンテンツとして受信したニュースの中でリンクが張られた関連情報等が考えられる。そのため、通信端末201は、入力部217を介して、ユーザからコンテンツ詳細情報へのリクエストがあったか否かを判定する(ステップS213)。
【0066】
コンテンツ詳細情報へのリクエストがあった場合、通信端末201は、統合基地局101の主無線通信部105との接続をチェックし(ステップS214)、主無線通信部105と接続中ならば、ユーザがリクエストしたコンテンツ詳細情報をダウンロードする(ステップS215)。主無線通信部105と接続していない場合、通信端末201は、再度、プロファイル情報を取得した無線LAN基地局(すなわち、統合基地局101の主無線通信部105)への接続を試みる(ステップS216)。通信端末201は、接続が成功したか否かを判断し(ステップS217)、接続が成功すれば、ステップS215の動作を行う。接続が失敗すれば、通信端末201において、主無線制御部204は、無線LAN基地局のサーチを開始する(ステップS218)。サーチの結果、接続可能な無線LAN基地局があれば、表示部218に接続可能な無線LAN基地局を表示する(ステップS219)。
【0067】
ユーザがこの無線LAN基地局の中から任意の基地局を選択すれば(ステップS220)、主無線制御部204は、主無線通信部206を介して、ユーザが選択した無線LAN基地局との接続を開始し(ステップS221)、コンテンツの詳細情報をダウンロードする(ステップS215)。コンテンツ詳細情報をダウンロードすると、通信端末201は、表示部218にコンテンツ詳細情報を表示する(ステップS222)。このように、通信端末201は、コンテンツやコンテンツ詳細情報を一度に受信するのではなく、まずコンテンツのみを受信することで、ユーザは短時間に情報の概略を知ることができる。
【0068】
次に、通信端末201が実施する無線LAN通信設定処理(ステップS206)の詳細について説明する。図12は、通信端末201における無線LAN通信設定処理(ステップS206)の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。図4及び図12を参照して、通信端末201において、プロファイル情報設定部205は、まず、主無線通信部206の起動状態をチェックする(ステップS301)。主無線通信部206が起動状態に無い場合には、通常モードへ遷移する(ステップS302)。
【0069】
主無線通信部206が既に起動中の場合、プロファイル情報設定部205は、主無線通信部206が他の通信に利用されているかどうかをチェックする(ステップS303)。利用されていない場合、プロファイル情報設定部205は、プロファイル情報格納部214よりプロファイル情報を取得する(ステップS305)。利用中である場合には、プロファイル情報設定部205は、主無線通信部206の利用が終了するまで待機した後(ステップS304)に、ステップS305の処理を行う。次に、プロファイル情報設定部205は、取得したプロファイル情報に従い、主無線通信部206の設定を更新する(ステップS306)。
【0070】
次に、統合基地局101が、通信端末201から無線LAN通信によって接続された場合の動作について説明する。図13は、統合基地局101の動作の一例を示すフローチャートである。図13を参照して、まず、統合基地局101は、無線LAN通信によって通信端末201と接続する(ステップS401)。次に、統合基地局101は、通信端末201からのリクエストに従い、サーバ10よりコンテンツを受信する(ステップS402)。その後、統合基地局101は、通信端末201へサーバ10から受信したコンテンツを送信する(ステップS403)。なお、統合基地局101は、通信端末201からアップロードされた情報がある場合は、当該情報をサーバ10へ送信してもよい。
【0071】
なお、コンテンツは、図14に示されるように、通信端末201の待ち受け画面3501に常に表示されても良い。これによって、ユーザは、通信端末201の画面を閲覧するだけで、容易にコンテンツを享受することが可能となる。
【0072】
通信端末201が、携帯電話端末又はPDA等の歩行者向け携帯端末である場合の動作一例は上記に示すとおりである。一方、通信端末201が、カーナビやPNDである場合、運転中にコンテンツを表示させることは事故に繋がる可能性がある。
【0073】
このため、通信端末201は、カーナビやPNDが乗っている車両の移動を検出し、車両が静止もしくは準静止状態になることを検出すると、コンテンツを表示するという方法を用いることが望ましい。車両の移動速度の検出方法としては、車輪の回転数を検出する方法が望ましいが、GPS等によって位置情報を測定し、位置情報の移動推移を確認する方法や、カーナビやPNDが加速度センサを備え、加速度の検出によって移動中か静止中かを検出する方式にしても良い。
【0074】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る無線通信システムは、第1の実施形態と比較して、無線LAN通信機能を持った構成の電源をON/OFFすることが可能である。第2の実施形態に係る無線通信システムは、第1の実施形態に係る無線通信システムと比較し、統合基地局601と、通信端末801との構成が異なる。第2の実施形態において、統合基地局601は、通信端末801の無線LAN通信機能を起動させるための起動情報を制御無線パケットに付加して、通信端末801に送信する。通信端末801は、起動情報を含んだ制御無線パケットを受信すると、無線LAN通信機能を持った構成の電源を起動させる。また、通信端末801は、一定の条件下で、無線LAN通信機能を持った構成の電源をスリープ状態に移行させる。
【0075】
無線LAN通信方式では、パケットを受信した無線局は、パケットのMACヘッダまで復号を行った後で、宛先の判定を行い、自身宛のパケットで無ければ以降のパケットを破棄するという処理を行う。このため、同一チャネルで通信を行う無線局が複数存在する環境では、無線LAN通信機能を起動させると、不要な受信復号が発生する。これをオーバーヒアリングと呼ぶ。オーバーヒアリングによる電力消費を低減することは、バッテリで駆動の通信端末にとっては重要な課題である。
【0076】
本発明に係る第2の実施形態によると、通信端末801は、制御無線パケットを受信することによって、統合基地局601と無線LAN通信を行うことが可能なエリア(すなわち、無線LAN通信エリア30)を検出する。通信端末801は、無線LAN通信エリア30に入ると、無線LAN通信機能を持った構成を起動させる。これによって、通信端末801は、コンテンツを送受信するために、常時無線LAN通信機能を持った構成の電源をONにしておく必要がなくなるため、オーバーヒアリングによる電力消費を低減し、通信端末801の利用時間を延ばす効果が期待できる。基本的な構成に関しては、第1の実施形態で示したものと同様であるので、同一部分に関しては、同一符号を付してその説明は省略する。
【0077】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る統合基地局601の構成例を示すブロック図である。図15において、統合基地局601は、第1の実施形態に係る統合基地局101と比較して、さらに主無線起動情報格納部602を持つ。主無線起動情報格納部602は、通信端末801の無線LAN通信機能を持った構成を起動させるための起動情報を保持しており、副無線制御部109へ起動情報を送信することで、制御無線パケットに起動情報を付加する。
【0078】
図16は、本発明の第2の実施形態に係る通信端末801の構成例を示すブロック図である。図16において、通信端末801は、制御部802と、主無線通信部804と、副無線通信部210と、メモリ部220と、表示制御部216と、入力部217と、表示部218とを含む。各機能ブロックは、システムバスで接続され、互いにデータの転送を行うことが可能である。主無線通信部804は、無線LAN通信機能を持った通信部であり、送信部207と、受信部208と、アンテナ部219と、主無線電源部807とから構成される。
【0079】
制御部802において、主無線制御部805は、プロファイル情報設定部205と、主無線電源制御部806とから構成される。主無線電源制御部806は、統合基地局601からの制御無線パケットによって起動情報を受信すると、主無線電源部807の電源がOFFになっている場合は、電源をONにするという動作を行う。
【0080】
図17は、本発明の第2の実施形態で用いられる制御無線パケットのフレーム構成例を示す図である。図17を参照して、無線制御パケット701のプロファイル情報702は、無線LAN通信チャネル406、無線LANBSSID405、無線LANWEPキー407に加えて、無線LAN起動情報703を含む。
【0081】
図18、本発明の第2の実施形態に係る統合基地局601の動作の一例を示すフローチャートである。図15及び図18を参照して、まず、統合基地局601において、副無線制御部109は、プロファイル情報格納部115より、無線LAN基地局のプロファイル情報を取得する(ステップS121)。次に、副無線制御部109は、送信キューを参照し、制御無線通信で送信する予定の情報(パケット)があるか否かを判定する(ステップS122)。送信キーに送信予定の情報(パケット)がある場合、副無線通信部110は、送信予定の情報(パケット)にプロファイル情報と起動情報とを付加する(ステップS123)。送信キューに送信予定の情報(パケット)がない場合、副無線通信部110は、新たにプロファイル情報と起動情報とを含むパケットを生成する(ステップS124)。副無線通信部110は、前述のプロファイル情報及び起動情報を含むパケット(すなわち、制御無線パケット701)を、送信部111及びアンテナ部114を介して送信する(ステップS125)。
【0082】
次に、通信端末801の動作について説明する。通信端末801が、制御無線パケット701を受信し、統合基地局601の無線LAN基地局へ接続を開始する際の動作は、無線LAN通信設定処理(ステップS206)を除き、第1の実施形態と同様であるので、図8及び図9を援用して説明を省略する。ここで、通信端末801が実施する無線LAN通信設定処理(ステップS206)の詳細について説明する。図19は、通信端末801における無線LAN通信設定処理(ステップS206)の詳細な動作の一例を示す図である。
【0083】
図16及び図19を参照して、通信端末801において、プロファイル情報設定部205は、まず、無線LAN通信機能(すなわち、主無線通信部804)の起動状態をチェックする(ステップS311)。主無線通信部804が起動状態に無い場合には、主無線電源制御部806が、主無線電源部807を制御し、主無線通信部804を起動させる(ステップS312)。
【0084】
主無線通信部804が既に起動中の場合、プロファイル情報設定部205は、主無線通信部804が他の通信に利用されているか否かをチェックする(ステップS313)。利用されていない場合は、プロファイル情報設定部205は、プロファイル情報格納部214よりプロファイル情報を取得する(ステップS315)。利用中である場合には、プロファイル情報設定部205は、主無線通信部804の利用が終了するまで待機した後(ステップS314)に、ステップS315の処理を行う。次に、プロファイル情報設定部205は、取得したプロファイル情報に従い、主無線通信部206の設定を更新する(ステップS316)。
【0085】
図20から図23を用いて、通信端末801が、コンテンツ受信後に主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる際の動作を説明する。図20〜23は、通信端末801が主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる際の動作の一例を示すフローチャートである。図20は、コンテンツのダウンロードが完了すると、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる動作の一例を示している。図20を参照して、通信端末201がコンテンツのダウンロードを完了すると(ステップS501)、主無線電源制御部806は、主無線電源部807を制御して、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる(ステップS502)。なお、通信端末801は、サーバ10へアップロードするコンテンツがある場合は、コンテンツのアップロードが完了した後に、スリープにすることが望ましい。
【0086】
図21は、統合基地局601との接続処理が失敗した場合に、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる動作の一例を示している。図21を参照して、通信端末801は、統合基地局601と接続処理を行い(ステップS601)、統合基地局601と接続できたか否かを判定する(ステップS602)。統合基地局601とN回以上接続に失敗した場合は(ステップS603)、主無線電源制御部806は、主無線電源部807を制御して、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる(ステップS604)。これは、通信端末801の移動や伝搬環境の変動などによって、通信端末801が統合基地局601と接続できなくなった場合に、主無線通信部804を起動させていることによる不要な電力消費を抑えるためである。
【0087】
図22は、主無線通信部804が一定期間利用されなかった場合に、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる動作の一例を示している。図22を参照して、主無線通信部804が一定期間利用されなかった場合(ステップS701)、主無線電源制御部806は、主無線電源部807を制御して、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる(ステップS702)。また、通信端末801は、主無線通信部804が統合基地局101と接続していたとしても、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させることができる。図23は、主無線通信部804が一定時間をコンテンツを受信しなかった場合に、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる動作の一例を示している。図23を参照して、主無線通信部804が統合基地局101と接続していたとしても、主無線通信部804が一定期間コンテンツを受信しなかった場合に(ステップS801)、主無線電源制御部806は、主無線電源部807を制御して、主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる(ステップS802)。
【0088】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムは、第1及び第2の実施形態で説明した統合基地局の機能を複数の基地局によって実現することに特徴がある。以下、本発明の第3の実施形態について、第2の実施形態に係る統合基地局601(図15参照)の機能を複数の基地局によって実現する構成を用いて説明する。
【0089】
すなわち、第2の実施形態に係る統合基地局601の機能を、コンテンツを送受信する無線LAN通信機能に関連する部分を担う親基地局と、制御無線通信機能に関連する部分を担う子基地局とに分けた構成について説明する。
【0090】
以降、第3の実施形態に係る統合基地局について、第2の実施形態に係る統合基地局601の機能を複数の基地局で実現する例を用いて説明する。基本的な構成に関しては、第2の実施形態で示したものと同様であるので、同一部分に関しては、同一符号を付けその説明は省略する。
【0091】
図24は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を説明する概略図である。図24において、無線通信システムは、親基地局901と、子基地局902と、通信端末801とから構成される。また、図24に示す例では、親基地局901は、各種コンテンツに関する情報を配信可能なサーバ10と、無線あるいは有線通信によって接続されているものとする。通信端末801は、親基地局901及び子基地局902の通信エリアを通過する際に、親基地局901及び子基地局902と情報の送受信を行う。
【0092】
図25は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図25において、親基地局901は、(1)無線LAN基地局のプロファイル情報を子基地局902へ通知する。プロファイル情報を受信した子基地局902は、(2)プロファイル情報を通信端末801へ送信する。制御無線通信エリア20においてプロファイル情報を受信した通信端末201は、(3)受信したプロファイル情報から無線LAN通信に関する設定情報を更新し、(4)親基地局901の無線LAN基地局と、無線LAN通信を介して接続を開始する。通信端末801は、親基地局901の無線LAN基地局と接続後、(5)情報の送受信を行う。
【0093】
図26は、本発明の第3の実施形態に係る親基地局901の構成例を示すブロック図である。図26において、親基地局901は、外部情報通信部1003と、メモリ部1004と、制御部1001と、主無線起動情報格納部1009と、プロファイル情報格納部1010と、主無線通信部1005とを含む。各機能ブロックは、システムバスで接続され、互いにデータの転送を行うことが可能である。主無線通信部1005は、無線LAN通信機能を持った通信部であり、送信部1006と、受信部1007と、アンテナ部1008とから構成される。
【0094】
図26で示された親基地局901は、図15で示された統合基地局601と比較して、制御無線通信機能に関する構成(すなわち、副無線通信部110及び副無線制御部109)を持っていない構成である。そのため、親基地局901の各機能ブロックの説明は、図15を用いて省略する。
【0095】
図27は、本発明の第3の実施形態に係る子基地局902の構成例を示すブロック図である。図27において、子基地局902は、メモリ部1101と、制御部1102と、主無線通信部1105と、副無線通信部1109とを含む。各機能ブロックは、システムバスで接続され、互いにデータの転送を行うことが可能である。
【0096】
制御部1102は、主無線制御部1104と、副無線制御部1103とから構成される。また、主無線通信部1105は、無線LAN通信機能を持った通信部であり、送信部1106と、受信部1107と、アンテナ部1108とから構成される。副無線通信部1109は、制御無線通信機機能を持った通信部であり、送信部1110と、受信部1111と、アンテナ部1112とから構成される。
【0097】
図27で示された子基地局902において、主無線通信部1105及び副無線通信部1109は、図15で示された統合基地局601の主無線通信部105、および副無線通信部110と同様の構成である。そのため、主無線通信部1105及び副無線通信部1109の説明は、図15を用いて省略する。
【0098】
図28は、親基地局901が無線LAN基地局のプロファイル情報を子基地局902へ送信する際の動作の一例を示すフローチャートである。図26及び図28を参照して、親基地局901において、主無線制御部1002は、無線LAN通信を行うための通信設定を行なう(ステップS901)。この設定内容は、第1の実施形態で説明したものと同様である。主無線通信部1005は、通信設定を無線LAN基地局のプロファイル情報として、プロファイル情報格納部1010に格納する(ステップS902)。また、主無線通信部1005は、主無線通信部1005を介して、プロファイル情報を子基地局902へ送信する(ステップS903)。
【0099】
図29は、子基地局902が制御無線通信を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。図27及び図29を参照して、子基地局902において、主無線制御部1104は、主無線通信部1105を介して、親基地局901からプロファイル情報を受信する(ステップS1001)。主無線制御部1104は、受信したプロファイル情報をメモリ部1101へ格納する(ステップS1002)。
【0100】
副無線制御部1103は、送信キューを参照し、制御無線通信で送信する予定の情報(パケット)があるか否かを判定する(ステップS1103)。送信キューに送信予定の情報(パケット)がある場合、副無線制御部1103は、送信予定の情報(パケット)にプロファイル情報を追加する(ステップS1104)。送信キューに送信予定の情報(パケット)が無い場合、副無線制御部1103は、新たに、プロファイル情報を含むパケットを生成する(ステップS1105)。副無線通信部1109は、前述のプロファイル情報を含むパケット(すなわち、制御無線パケット)を、送信部1110及びアンテナ部112を介して送信を行う(ステップS1106)。
【0101】
なお、通信端末801の動作に関しては、第2の実施形態に係る統合基地局601(図15参照)の副無線通信部110からプロファイル情報を受信する処理を、子基地局902(図27参照)の副無線通信部1109から行うものとする。また、統合基地局601(図15参照)の主無線通信部105からコンテンツを受信する処理を、親基地局901(図26参照)の主無線通信部1005から行うものとする。
【0102】
本発明において、例えば、第1の実施形態に係る統合基地局101(図3参照)、及び第2の実施形態に係る統合基地局601(図15参照)を街中に配置する際には、設置スペースの問題により大きな統合基地局を所望の場所に設置できない場合が想定される。第3の実施形態の構成により、親基地局901(図26参照)が比較的大きなエリアに対してコンテンツを送信し、子基地局902(図27参照)を用いることで利用者が多い場所に柔軟に基地局を配置することが可能となるため、システム構築の柔軟性が向上するという利点がある。
【0103】
(第4の実施形態)
本発明の第1及び第2の実施形態に係る統合基地局や、第3の実施形態に係る親基地局では、通信端末とのコンテンツのやり取りは無線LAN通信を用いて行っていたが、第4の実施形態に係る統合基地局は、コンテンツを無線LAN方式における放送モードに置き換えることを特徴とする。放送モードの仕組みに関する部分以外は、基本的に第1〜3の実施形態と同様である。
【0104】
なお、本実施形態では、代表として、第2の実施形態に係る統合基地局601(図15参照)の無線LAN通信部分を放送型無線LAN通信に置き換えた場合の実施例を用いて説明する。
【0105】
図30は、本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図30において、統合基地局1201は、(1)サーバ10よりコンテンツを受信し、(2)プロファイル情報を制御無線通信で送信する。プロファイル情報を受信した通信端末801は、(3)無線LAN通信に関する通信設定を行い、(4)無線LAN通信によって放送コンテンツを受信する。ユーザが放送されたコンコンテンツを閲覧していく中で、放送されていないコンテンツへのアクセスが発生すると、(6)通信端末201は、統合基地局1201との接続処理を行う。ここで、放送されていないコンテンツを詳細コンテンツと呼ぶ。通信端末801は、統合基地局1201と接続されると、(7)詳細コンテンツを受信し、(8)詳細コンテンツの表示を行う。
【0106】
図31は、本発明の第4の実施形態に係る統合基地局1201の構成例を示すブロック図である。図31において、統合基地局1201は、第2の実施形態に係る統合基地局601(図15参照)と比較して、メモリ部103が放送コンテンツ蓄積部1301をさらに備える。放送コンテンツ蓄積部1301は、外部情報通信部102より受信されたサーバ10のコンテンツを蓄積する。主無線制御部108は、蓄積したコンテンツを主無線通信部105を介して放送する。プロファイル情報格納部115は、主無線制御部108より放送されるコンテンツを受信するために必要な情報を主無線制御部108より取得する。
【0107】
図32は、統合基地局1201がコンテンツを放送する際の動作の一例を示すフローチャートである。図32を参照して、統合基地局1201は、サーバ10よりあらかじめ放送するコンテンツを受信する(ステップS1101)。次に、統合基地局1201は、当該受信したコンテンツを放送コンテンツ蓄積部1301にキャッシュし、キャッシュしたコンテンツを放送する(ステップS1102)。
【0108】
図33は、統合基地局1201が通信端末801へ詳細コンテンツを送信する際の動作の一例を示すフローチャートである。図33を参照して、統合基地局1201は、通信端末801と接続し(ステップS1201)、通信端末801から詳細コンテンツへのリクエストがあったか否かを判定する(ステップS1202)。次に、統合基地局1201は、通信端末801から詳細コンテンツへのリクエストがあった場合、リクエストに応じて、サーバ10よりコンテンツを受信し(ステップS1203)、当該受信したコンテンツを通信端末801へ送信する(ステップS1204)。
【0109】
図34は、通信端末801が制御無線パケットを受信した際の動作の一例を示すフローチャートである。制御無線パケットのフレーム構成については、図7に示すフレーム構成を援用する。また、通信端末801の構成については、図16に示す構成を援用する。図34を参照して、通信端末801において、副無線通信部210は、制御無線通信により、制御無線パケット401を受信する(ステップS1301)。次に、制御部802は、コンテンツ受信モードのON/OFFを判定し(ステップS1302)、コンテンツ受信モードがOFFの場合には、通常の状態に遷移する(ステップS1304)。
【0110】
コンテンツ受信モードとは、本発明で開示されている、ユーザが統合基地局1201の通信エリアを通過する際に、自動でコンテンツを受信するか否かを決定するモードのことである。ユーザがあらかじめ通信端末801上で、コンテンツ受信モードのON/OFFを設定しておくことが望ましい。
【0111】
制御部802は、コンテンツ受信モードがONの場合には、制御無線通信によって受信した制御無線パケット401に、プロファイル情報403が含まれているか否かを判定する(ステップS1303)。プロファイル情報403が含まれている場合には、制御部802は、プロファイル情報格納部214にプロファイル情報403を格納し(ステップS1305)、プロファイル情報403が含まれていない場合には、通常の状態に遷移する(ステップS1304)。
【0112】
プロファイル情報設定部205は、無線LAN基地局が放送するコンテンツを受信するために、プロファイル情報格納部214に保存されているプロファイル情報403に基づいて、無線LAN通信設定処理を実施する(ステップS1306)。無線LAN通信設定処理(ステップS1306)の詳細については、図12に示す処理を援用する。
【0113】
図35は、通信端末801が、統合基地局1201の無線LAN基地局へ接続を開始する際の動作の一例を示すフローチャートである。図16及び図35を参照して、通信端末801において、主無線制御部805は、主無線通信部804を制御して、無線LAN基地局が送信するコンテンツが受信可能であるか否かをチェックする(ステップS1307)。コンテンツが受信不可能であれば、通常モードへ遷移する(ステップS1308)。コンテンツが受信可能であれば、主無線制御部805は、主無線通信部804を制御して、コンテンツをダウンロードする(ステップS1309)。
【0114】
通信端末801において、表示制御部216は、コンテンツのダウンロード後、コンテンツ表示指示の入力待ち状態になる(ステップS1310)。ここで、入力部217から、コンテンツ表示指示が入力されると、表示部218にコンテンツを表示する(ステップS1311)。入力部217がコンテンツ表示指示の入力を待つのは、ユーザがコンテンツを表示したい場合に、ユーザの指示によって、コンテンツを表示するためである。
【0115】
さらに、ユーザがコンテンツの閲覧を行う中で、放送されていない詳細コンテンツへのリンク等にアクセス要求を行う場合が想定される。そのため、通信端末801は、入力部217を介して、ユーザからコンテンツ詳細情報へのリクエストがあったか否かを判定する(ステップS1312)。
【0116】
コンテンツ詳細情報へのリクエストがあった場合、通信端末801は、プロファイル情報を取得した無線LAN基地局(すなわち、統合基地局1201の主無線通信部105)への接続を試みる(ステップS1313)。通信端末801は、接続が成功したか否かを判断し(ステップS1314)、接続が成功すれば、ユーザがリクエストしたコンテンツ詳細情報をダウンロードする(ステップS1319)。接続が失敗すれば、通信端末801において、主無線制御部805は、無線LAN基地局のサーチを開始する(ステップS1315)。サーチの結果、接続可能な無線LAN基地局があれば、表示部218に接続可能な無線LAN基地局を表示する(ステップS1316)。
【0117】
ユーザがこの無線LAN基地局の中から任意の基地局を選択すれば(ステップS1317)、主無線通信部804は、ユーザが選択した無線LAN基地局との接続を開始し(ステップS1318)、コンテンツ詳細情報をダウンロードする(ステップS1319)。コンテンツ詳細情報をダウンロードすると、通信端末801は、表示部218にコンテンツ詳細情報を表示する(ステップS1320)。
【0118】
なお、本実施形態における統合基地局1201の主無線通信部105は、コンテンツの放送を行う機能と、通信端末801と接続し、各種情報(コンテンツを含む)を送信する機能の両方を備えているものとする。
【0119】
図36は、統合基地局1201と通信端末801との送信シーケンスの一例を示す図である。図36を参照して、統合基地局1201は、放送を行う放送期間と、通信端末801が通信可能な通信期間とを周期的に繰り返す処理を行う。放送期間では、統合基地局1201は通信端末801へコンテンツ1401を放送している。通信期間では、通信端末801は、統合基地局1201と接続し、詳細コンテンツ1402の受信処理を行う。
【0120】
図37は、統合基地局1201が放送するコンテンツ1401の構成例を示す図である。図37を参照して、コンテンツ1401は、メタ情報1501と、コンテンツ内容1502とを含む。メタ情報1501とは、コンテンツの属性やカテゴリを示すものであり、ニュース情報であれば、「スポーツ」「政治・経済」等のジャンル情報や、飲食店であれば「和食」「洋食」等の分類情報などが含まれる。コンテンツ内容1502とは、ニュース情報や、飲食店の名前やURL、電話番号などコンテンツの本体部分を示す。
【0121】
メタ情報1501と、コンテンツ内容1502とは、個別のパケットが連結されたループ状の構成(カルーセル構造)を持っている。統合基地局1201は、コンテンツをフレーム毎に順次放送することで、周期的にコンテンツが放送される様になる。統合基地局1201が放送するコンテンツ1401がカルーセル構造を持つことで、通信端末801は、一定時間統合基地局1201のコンテンツを受信すれば、すべての放送コンテンツを受信することが可能となり、受信できなかったコンテンツの再放送の要求を行う等の処理が不要になる。
【0122】
なお、放送されるコンテンツ1401の構成は、必ずしもメタ情報1501とコンテンツ内容1502とが分離しているこの形態に限定される必要はない。すなわち、放送されるコンテンツ1401の構成は、コンテンツ内容1502の1つ1つにメタ情報1501を付加する構成であってもよい。これによって、ユーザは、メタ情報によって表示コンテンツを識別する場合において、メタ情報を受信した後すぐにコンテンツ内容を受信するため、受信した情報を即座に表示することが可能となる。
【0123】
本実施形態では、コンテンツが統合基地局1201より放送されることを特徴とする。そのため、統合基地局1201から放送されるコンテンツを受信する場合、通信端末801と統合基地局1201との間での認証が不要となり、よりコンテンツを受信するまでの待機時間が短くなる。このため、通信端末801は、無線LAN通信エリア30を通過する間に、より大容量のコンテンツを受信することが可能となる。
【0124】
また、複数の通信端末801が同一のコンテンツを受信する場合において、放送により複数の通信端末801に同時にコンテンツを配信した方が、個別の通信端末801にコンテンツを送信するよりも効率が良い。
【0125】
なお、本実施形態では、制御無線通信で用いる制御無線パケットにもカルーセル構造を持たせ、複数の通信端末801に放送する形態を採用することも可能である。複数の通信端末801が受信する制御無線パケットにはプロファイル情報が含まれており、同一のプロファイル情報を統合基地局1201が放送することによって、周波数の有効利用を図ることができる。また、放送は認証が不要であるため、制御無線通信エリアに通信端末801が入ってから、プロファイル情報を受信するまでの時間が短くなるという効果も期待できる。
【0126】
また、本発明に係る無線通信システムは、図38に示すように、制御無線通信で用いる制御無線パケットに、プロファイル情報と、コンテンツのメタ情報とを含めて送信する形態を採用することも可能である。図38は、制御無線パケットにコンテンツのメタ情報を含めて送信する場合の本発明の第4の実施形態に無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図39は、プロファイル情報とメタ情報とを含む制御無線パケットを受信した際の通信端末801の動作の一例を示すフローチャートである。図38及び図39を参照して、通信端末801は、制御無線パケットによって、プロファイル情報とメタ情報とを受信する(ステップS1401)。
【0127】
次に、通信端末801は、受信したメタ情報より、統合基地局1201と無線LAN通信を用いた接続を行うか否かを判断する(ステップS1402)。この判断処理の詳細について後述する。統合基地局1201と接続を行わないと判断した場合(ステップS1403:No)、通信端末801は、無線LAN通信を用いた統合基地局1201への接続処理を終了し、通常の動作へ戻る。統合基地局1201と接続を行うと判断した場合(ステップS1403:Yes)、通信端末801は、主無線電源部807(無線LAN通信機能)の電源を入れ(ステップ1404)、統合基地局1201から無線LAN通信を用いて情報を送受信する準備を開始する(ステップS1405)。
【0128】
本構成によって、通信端末801は、メタ情報より統合基地局1201が送信しているコンテンツを把握することができる。これにより、例えば、統合基地局1201が送信しているコンテンツを通信端末801が受信する必要がないと判断した場合には、無線LAN通信機能に関する構成の電源を入れずにおくことで、必要以上に無線LAN通信機能に関する構成の電源をオンにすることが少なくなるため、待機時の消費電力を小さくすることが可能となる。また、メタ情報の送信によって、第1の実施形態で説明したのと同様に、統合基地局1201の制御無線通信における送信デューティを高くすることができるため、通信端末801が、より統合基地局1201を発見するまでの時間を短くすることができる。あるいは、逆に間欠受信間隔を延ばすことで省電力の効果が期待できる。
【0129】
さらに、本発明に係る無線通信システムは、制御無線通信を放送の形態にし、同一のプロファイル情報やメタ情報を周期的に放送する構成にすることで、より制御無線通信の送信デューティをあげることが可能となる。また、これによって、上記接続時間の短縮あるいは省電力の効果が得られ、同時に、通信端末801は、同一の情報を複数回受信することができるために、受信誤り率が低下するという効果も期待できる。
【0130】
通信端末801がコンテンツの要否を判断し、無線LAN通信機能に関する構成の電源を操作する判断は、ユーザがあらかじめ、「スポーツ」「ニュース」「案内情報」といった、受信したいジャンルを指定しておき、ユーザが指定したジャンルにマッチしたコンテンツが、統合基地局1201から送信される場合にのみ、無線LAN通信機能に関する構成の電源をいれると判断することが望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、通信端末801のコンテンツ詳細情報へのアクセス履歴を元に、ユーザの嗜好度を判定し、その嗜好度にマッチしたコンテンツが送信される場合にのみ、無線LAN通信機能に関する構成の電源をいれることも可能である。これによって、ユーザはあらかじめ自分がほしいコンテンツを指定する必要がなくなると共に、ユーザ自身が気づいていない嗜好に関連するコンテンツを受信することが可能となる。
【0131】
なお、ユーザの嗜好度の判定には、コンテンツ詳細情報の履歴を用いるだけでなく、その他の通信端末801の利用履歴などを用いても良い。例えば、通信端末801が携帯電話である場合、そのメールやウェブアクセスの履歴を元に嗜好度を判定しても良い。これによって、よりユーザの嗜好度の判定精度を高くすることができる。
【0132】
また、通信端末801は、メタ情報によって、統合基地局1201が保持するコンテンツが分かるため、ユーザが統合基地局1201から送信されるコンテンツを既に受信している場合には、無線LAN通信機能に関する構成を起動しないと判断することも可能である。これによって、消費電力の削減効果が期待できる。
【0133】
統合基地局1201が保持するコンテンツと通信端末801が保持するコンテンツとの比較方法は、メタ情報にコンテンツIDを付加しておき、統合基地局1201の保持するコンテンツIDと通信端末801が保持するコンテンツIDとを比較する方法が望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0134】
例えば、メタ情報に統合基地局1201が保持するコンテンツの最終更新日時情報を付加しても良い。通信端末801は、自身が保持しているコンテンツの最終更新日時情報とメタ情報に含まれる最終更新日時情報とを比較することで、より高速に通信端末801が保持するコンテンツと統合基地局1201が保持するコンテンツとに差分情報があるかどうかを判断することが可能となる。
【0135】
また、前述の差分情報の判断を高速化するために、統合基地局1201は、自身の保持する全コンテンツ群に対するハッシュ値を生成し、制御無線通信によって送信するメタ情報にこのハッシュ値を付加しても同等の効果を得ることができる。
【0136】
なお、本発明において、子基地局(図27参照)の副無線通信部1109は、必ずしも送信部1110と受信部1111との双方を備える必要はない。図40は、子基地局902の構成例を示すブロック図である。図40を参照して、子基地局902は、例えば、送信部1110のみを備え、制御無線パケットの送信のみを行う構成であっても良い。これによって、子基地局902の構成が簡単になるため、安価に子基地局を製造することが可能となる。
【0137】
なお、本発明に係る無線通信システムは、図41に示すように、制御無線通信エリア1602と、無線LAN通信エリア1601とを、一部のエリアのみが重複するように配置してもよい。このような場合、通信端末1603、1604は、自身が移動する方向に応じて各種情報(コンテンツを含む)を送受信するか否かを決定することができる。図41を参照して、例えば、通信端末1603は、制御無線通信エリア1602に入った後、無線LAN通信エリア1601に入る場合(すなわち、矢印Aの向きに移動している場合)には、各種情報を送受信すると決定することができる。一方、通信端末1603は、無線LAN通信エリア1601に入った後、制御無線通信エリア1602に入る場合(すなわち、矢印Bの向きに移動している場合)には、各種情報を送受信しないと決定することができる。
【0138】
また、本発明に係る無線通信システムは、道路沿いに、親基地局と子基地局とが交互に設置されるような構成である場合には、例えば、以下のような動作を行うことが可能である。子基地局は、隣接する複数の親基地局のプロファイル情報と、子基地局のIDとを制御無線通信により送信する。通信端末は、子基地局から送信された子基地局のIDを保持しておく。これによって、通信端末が移動している場合に、どちらの向きに移動しているかを把握することができる。また、通信端末は、子基地局から送信されるプロファイル情報の中から、次に接続する親基地局を判断する機能を持っていてもよい。これによって、通信端末の移動方向毎に(すなわち、図41における矢印A、Bの両方向に)、親基地局及び子基地局を設置する必要が無くなるため、インフラ設置のコストを下げることが可能となる。
【0139】
また、本発明に係る無線通信システムは、子基地局を光ビーコン等にすることで、走行車線毎に異なるプロファイル情報を送信する構成にしてもよい。図42は、子基地局902における光通信部の構成例を示すブロック図である。例えば、交差点の右折レーンに、交差点を右折した先にある親基地局のプロファイル情報を送信する光ビーコン(子基地局)を備え、交差点の左折レーンには、交差点を左折した先にある親基地局のプロファイル情報を送信する光ビーコン(子基地局)を備える。これによって、車両と共に移動する通信端末は、自身が走行しない道路上を通信エリアとする親基地局との接続を開始することが無くなり、自身が移動する先にある、親基地局と確実に接続することが可能となる。
【0140】
なお、第3の実施形態(図25)に係る発明は、第2の実施形態で説明した統合基地局601(図15参照)の機能を、親基地局901と子基地局902とに分ける構成を例に説明したが、必ずしもこの構成に限定される必要はない。すなわち、第1〜2の実施形態に係る統合基地局101,601における通信エリア(制御無線通信エリア、無線LAN通信エリア)をアンテナ制御などの方法によって、第3の実施形態と同様の通信エリアに設定すれば、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0141】
なお、本発明においては、制御無線通信により送信された制御無線パケットにより、通信端末は、自動でコンテンツを送信する基地局へ接続することが可能となるため、各種情報のダウンロード及びアップロードは、ユーザが意識することなく、バックグラウンドで行われる場合もありえる。
【0142】
このような場合などは、通信端末は、必ずしも図10に示すように、コンテンツ表示に関してユーザ操作を待つのではなく、ユーザが画面を見たと認識した場合に、コンテンツを自動的に表示させる構成にすることや、ユーザの目に付く場所に常にコンテンツを表示していおいてもよい。これにより、ユーザはコンテンツを見る機会が増加する。例えば、通信端末の壁紙にコンテンツを表示させておく等の方法が有効である。また、メール送信直後等、通信端末の操作直後は、ユーザは通信端末を閲覧しているため、このような場合にコンテンツを表示させることは有効である。
【0143】
なお、プロファイル情報は、図43に示すように、コンテンツ受信端末属性情報704を含む構成にしても良い。ここで、コンテンツ受信端末属性情報704とは、コンテンツを受信することが可能な通信端末の属性情報あり、例えば「カーナビ」や「携帯電話」といった通信端末のカテゴリ情報や、同じ携帯電話であっても、「男性/女性」「20代」と通信端末を持つユーザの属性情報でも良い。ユーザの属性情報は、通信端末を持つユーザが手動で設定することが望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、メールの内容や利用履歴に応じて自動で属性が追加される構成にしても良い。かかる構成によって、特定の属性を持つ通信端末のみに、コンテンツを送信することが可能となり、特定のユーザに向けてコンテンツを送信するなど、提供する情報サービスの多機能化を図ることができる。
【0144】
なお、第4の実施形態において、制御無線パケットにメタ情報を付加する方法(図38参照)について説明したが、このメタ情報が付加された制御無線パケットは、必ずしも第4の実施形態(すなわち、統合基地局と通信端末とが放送モードでコンテンツを送受信する実施形態)だけに用いられるものではない。すなわち、統合基地局と通信端末とが、無線LAN通信によってコンテンツの送受信を行う実施形態においても、制御無線パケットにメタ情報を付加することで、通信端末は、無線LAN通信機能に関する構成の電源を入れる/入れないとする判断を行うことが可能となり、同様に消費電力の削減効果が見込まれる。また、メタ情報の送信によって、第4の実施形態と同様に、制御無線通信における送信デューティを高くすることが可能となるため、通信端末が制御無線通信を間欠受信する場合に、より統合基地局を発見するまでの時間を短くすることができる。あるいは、逆に間欠受信間隔を延ばすことで省電力の効果が期待できる。
【0145】
(第5の実施形態)
図44は、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図44を参照して、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムは、UHF帯等の各種特定小電力無線等を用い、制御無線通信エリアが、無線LAN通信エリアより大きい場合の実施例を示す。より具体的には、通信端末201は、子基地局付近の特定のエリア3001(子基地局近傍エリア)を検出すれば、この検出をトリガーとして、親基地局901の無線LAN基地局との間で情報(コンテンツを含む)を送受信する処理を開始する。第5の実施形態では、第3の実施形態と同様に、無線LAN通信機能を担う親基地局901と、制御無線通信機能を担う子基地局902とを備えた構成を用いて説明を行うが、第1及び第2の実施形態(すなわち、制御無線通信機能と無線LAN通信機能との両方を備えた統合基地局を利用する実施形態)に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0146】
通信端末201が、親基地局901の無線LAN基地局よりコンテンツを受信する処理について説明する。第1〜4の実施形態で説明したように、無線LAN基地局は、無線LAN通信によって情報を送受信しても良いし、放送によって情報を送信しても良い。すなわち、無線LAN通信を用いる場合、通信端末201は、プロファイル情報より、親基地局901(すなわち、無線LAN基地局)への接続・認証手続きを行い、その後情報の送受信を行う。同様に放送を用いる場合、通信端末201は、自身の無線LANの受信チャネルをプロファイル情報に含まれた親基地局901の通信チャネルへ合わせることで、親基地局901からの情報を受信する処理を開始する。
【0147】
さらに、これら通信と放送とを組み合わせ、例えばユーザの利用度が高い情報を放送し、放送されなかった情報を通信によって受信し、アップロードする情報があれば通信によってアップロードするといった方法も有効である。
【0148】
以降は、通信端末201が通信によって情報を送受信する場合と、放送によって情報を受信する場合について分けて説明を行うが、当然これらを組み合わせることも可能である。すなわち、通信端末201は、まず親基地局901の送信チャネルへ自身の受信チャネルを変更し、情報を受信する。情報を受信後、通信端末201は、親基地局901へ接続を行い、さらに情報の送受信をするということも可能である。
【0149】
図44において、子基地局902は、親基地局901と情報を送受信するためのプロファイル情報を送信している。親基地局901と情報の送受信が可能なエリアを親基地局通信エリア3002と呼び、子基地局902と情報の送受信が可能なエリアを子基地局通信エリア3003と呼ぶ。
【0150】
子基地局近傍エリア3001の定義方法としては例えば、子基地局902の送信する信号の受信電力(RSSI:Received Signal Strength Indicator)が閾値以上であるエリアを子基地局近傍エリア3001とする方法などが挙げられる。以降子基地局近傍エリア3001の検出はこの方法を代表として説明を行う。
【0151】
通信端末201の動作概要について説明を行う。通信端末201は、まず子基地局902より信号を受信し、この信号により制御無線通信機能を起動させ(WOR)、プロファイル情報を受信する。通信端末201は、周期的に自身が子基地局近傍エリア3001にいるかどうかの判定を行う。通信端末201は、通信によってコンテンツを受信する際には、子基地局近傍エリア3001に自身がいると検出した場合にあらかじめ受信したプロファイル情報を元に親基地局901に対する接続処理を行い、親基地局901と情報の送受信を行う。通信端末201が放送によって情報を受信する場合、子基地局近傍エリア3001に自身がいると検出した場合には、受信したプロファイル情報をもとに、親基地局901がコンテンツを送信しているチャネルへ自身の受信チャネルを合わせ、親基地局901より情報を受信する。
【0152】
図45は、本発明の第5の実施形態に係る通信端末201の構成例を示すブロック図である。図45を参照して、通信端末201において、副無線通信部210の受信部212は、RSSI測定部3005を持つ。通信端末201は、RSSI測定部3005で子基地局902から受信する信号の受信強度を観測し、それが閾値を超えた場合に、制御部802へ信号を送信する。通信端末201において、制御部802は、この信号の受信をトリガーとして、親基地局901との間で情報の送受信を行うための処理を開始する。その他の構成に関しては、第2の実施形態に係る通信端末201と同じ構成であるため説明を省略する。
【0153】
図46は、RSSIを用いた子基地局近傍エリア3001の検出方法を説明する図である。図46を参照して、横軸は距離であり、縦軸は通信端末201の受信電力である。一般的に、子基地局902からの受信電力は、子基地局902から離れるに従って小さくなる。このため、通信端末201は、あらかじめ子基地局902からの受信電力の比較用に受信電力閾値Prcvを設定しておく。これによって、通信端末201は、子基地局902からの受信電力が受信電力閾値Prcvより大きいならば、自身が子基地局近傍エリア3001にいることを検出することができる。なお、受信電力閾値Prcvは必ずしも固定である必要はない。制御無線通信で送信されるメタデータや、通信端末201の種類などに応じて可変にしても良い。これによって、本実施形態に係る無線通信システムは、送受信する情報や通信端末201の種類に応じて、通信端末201に情報を表示するエリアを適応的に変えることが可能となる。
【0154】
図47は、通信端末201が、無線LAN通信によって親基地局901と情報を送受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。図47では、通信端末201が、子基地局902よりプロファイル情報を受信してから、親基地局901と情報を送受信するまでの動作フローを示す。図47を参照して、通信端末201は、まず子基地局902よりプロファイル情報を受信する(ステップS3001)。次に、通信端末201は、子基地局近傍エリア3001内にいるかどうかの判定を行う(ステップS3002)。通信端末201は、子基地局近傍エリア3001内にいる場合(ステップS3003のYes)、親基地局901への接続を開始する(ステップS3004)。
【0155】
通信端末201は、子基地局近傍エリア3001内にいない場合(ステップS3003のNo)、一定時間後に再度子基地局近傍エリア3001内にいるかどうかの判定を行う(ステップS3002)。通信端末201は、親基地局901への接続処理後、親基地局901と通信できた場合(ステップS3005のYes)、親基地局901と情報を送受信する(ステップS3007)。親基地局901と通信できなかった場合(ステップS3005のNo)、通信端末201は、親基地局901と再接続するかどうかの再接続判定を行い(ステップS3006)、再接続する場合は親基地局901との接続処理(ステップS3004)へ戻り、再接続しない場合には処理を終了する。
【0156】
再接続判定について説明を行う。再接続判定において、通信端末201は、親基地局901と接続できなかった場合、再度RSSIを測定し、子基地局近傍エリア3001内にいるかどうかの判定を行い、エリア内にいるのであれば、親基地局901への接続を再度試みる方法が望ましい。また、通信端末201は、親基地局901への再接続のリトライ回数を制限しておき、制限回数を超えない範囲で親基地局901へ接続してもよい。これによって、親基地局901へ接続するための電力を小さくすることが可能となる。
【0157】
図48は、通信端末201が、放送によって親基地局901から情報を受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。図48では、通信端末201が、子基地局902よりプロファイル情報を受信してから、放送によって親基地局901から情報を受信するまでの動作フローを示す。図48を参照して、通信端末201は、まず子基地局902よりプロファイル情報を受信する(ステップS3001)。次に、通信端末201は、子基地局近傍エリア3001内にいるかどうかの判定を行う(ステップS3002)。通信端末201は、子基地局近傍エリア3001内にいる場合(ステップS3003のYes)、親基地局901の送信チャネルへ自身の受信チャネルを変更する(ステップS5002)。
【0158】
通信端末201は、子基地局近傍エリア3001内にいない場合(ステップS3003のNo)、一定時間後に再度子基地局近傍エリア3001内にいるかどうかの判定を行う(ステップS3002)。通信端末201は、受信チャネルを親基地局901の送信チャネルへ変更した後、親基地局901からの信号が受信できた場合(ステップS5003のYes)、親基地局901より情報を受信する(ステップS5005)。親基地局901からの信号が受信できなかった場合(ステップS5003のNo)、通信端末201は、親基地局901からの信号を受信できる受信状態を継続するかどうかの判断を行い、継続する場合は、ステップS5003へ戻る。受信状態を継続しない場合は、処理を終了する。
【0159】
ここで、通信端末201が受信状態を継続するかどうかの判断としては、一定時間親基地局901からの信号を受信できない場合は、処理を終了するという動作が望ましいが、必ずしもこの動作に限ったものではない。例えば、ステップS5003において、通信端末201が、親基地局901からの信号が受信できない場合でも、周期的に親基地局901からの信号が受信できる状態へと遷移しても良い。
【0160】
本実施形態では、制御無線通信エリアが大きいため、通信端末201は、制御無線を受信している時間が長くなり、より大容量の情報を受信する、もしくは制御無線に要求される通信レートを小さく設計することが可能となる。例えば、これによって、受信回路のクロックレートを低くすることができるため、制御無線動作時の消費電力を小さくすることが可能となる。また、子基地局近傍エリア3001内に入った通信端末201のみが親基地局901と接続してコンテンツの送受信を行うことが可能となる。これによって、例えば交差点や、駅の改札などを通過する端末のみに周辺案内情報を送信することが可能となる。
【0161】
なお、一般的に無線信号は、フェージングやシャドウイングによって変動するため、通信端末201が同じ場所にいても、子基地局902からの受信電力は変動する。このため、受信電力が受信電力閾値Prcv近傍で変動することがありうる。この場合、親基地局901への再接続判断が不安定になる場合が想定される。したがって、子基地局近傍エリア3001にいるかどうかの判定には、ヒステリシス特性をもたせることが望ましい。
【0162】
(第6の実施形態)
図49は、本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図49を参照して、第6の実施形態に係る無線通信システムは、第5の実施形態と同様に、制御無線通信エリアが無線LAN通信エリアより大きい場合の実施例を示す。より具体的には、通信端末201は、制御無線通信によって信号を受信した後、即座に親基地局901と情報(コンテンツを含む)を送受信する処理を開始する。第6の実施形態では、第3の実施形態と同様に、無線LAN通信機能に関連する部分を担う親基地局901と、制御無線通信機能に関連する部分を担う子基地局902とを備えた構成を用いて説明を行うが、第1及び第2の実施形態(すなわち、制御無線通信機能と無線LAN通信機能の両方を備えた統合基地局を利用する実施形態)に適用しても同様の効果を得ることができる。第1〜5の実施形態で説明したように、親基地局901の無線LAN基地局は、無線LAN通信によって情報を送受信しても良いし、放送によって情報を送信しても良い。
【0163】
通信端末201が、通信によって親基地局901と情報の送受信を行うまでの処理の概要について説明を行う。通信端末201は、プロファイル情報を受信後に、親基地局901を検出する動作を行い、親基地局901を検出すると、当該検出した基地局901と認証処理をおこない、情報の送受信を行う。
【0164】
通信端末201が、放送によって親基地局901より情報を受信する処理の概要について説明を行う。通信端末201は、プロファイル情報を受信後に、自身の無線LAN通信の受信チャネルをプロファイル情報に含まれた親基地局901の通信チャネルへ合わせることで、親基地局901からの情報を受信する処理を開始する。
【0165】
本実施形態では、さらに1つの制御無線通信エリア内に複数の親基地局901が存在する場合についての技術についても開示する。
【0166】
図49を参照して、通信端末201は、子基地局902よりプロファイル情報や、メタデータを受信する。通信端末201が、通信によって情報をやりとりする場合、受信したプロファイル情報をもとに、接続する親基地局901を探索する。親基地局通信エリア3002を検出すると通信端末201は、親基地局901への接続認証などの処理行い、情報を受信する。通信端末201は、放送によって情報を受信する場合、受信したプロファイル情報をもとに、親基地局901がコンテンツを送信しているチャネルへ自身の受信チャネルを合わせ、親基地局901よりコンテンツを受信する。
【0167】
図50は、通信端末201が、無線LAN通信によって親基地局901と情報を送受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。図50では、通信端末201が、子基地局902よりプロファイル情報を受信してから、無線LAN通信によって親基地局901と情報を送受信するまでの動作フローを示す。図50を参照して、通信端末201は、子基地局902よりプロファイル情報を受信する(ステップS4001)。次に、通信端末201は、受信したプロファイル情報を参照し、親基地局901の送信するビーコンを受信することで、自身が接続する親基地局901を検出する親基地局検出処理を実施する(ステップS4002)。自身が接続する親基地局901を検出できなかった場合(ステップS4003のNo)、通信端末201は、親基地局901を再度検索するかどうかの判定を行い(ステップS4004)、再度検索を行う場合はステップS4003へ遷移し、再度検索を行わない場合、処理を終了する。
【0168】
親基地局901を再度検索するかどうかの判定について説明する。通信端末201は、所定時間親基地局901が発見されない場合は処理を終了する、もしくは、所定回数親基地局901が発見されなければ処理を終了するという動作が望ましい。自身が接続する親基地局901を検出した場合、通信端末201は、親基地局901への接続処理を行う(ステップS4005)。親基地局901が検出できなかった場合、通信端末201は、親基地局901と再接続するかどうかの再接続判定を行い(ステップS4007)、再接続する場合は、再度親基地局901への接続処理(ステップS4006)を行う。再接続を行わない場合は処理を終了する。親基地局901と接続できた場合、通信端末201は、親基地局901と情報の送受信を行う(ステップS4008)。
【0169】
図51は、通信端末201が、放送によって親基地局901から情報を受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。図51では、通信端末201が、子基地局902よりプロファイル情報を受信してから、放送によって親基地局901から情報を受信するまでの動作フローを示す。図51を参照して、通信端末201は、子基地局902よりプロファイル情報を受信する(ステップS5001)。次に、通信端末201は、受信チャネルを親基地局901の送信チャネルへ変更する(ステップS5002)。親基地局901の信号が受信できた場合(ステップS5003のYes)、通信端末201は、親基地局901より情報を受信する(ステップS5005)。親基地局901の信号が受信できなかった場合(ステップS5003のNo)、通信端末201は、親基地局901の信号受信状態を継続するかどうかの判断を行い、継続する場合は、ステップS5003へ戻る。受信状態を継続しない場合は、処理を終了する。
【0170】
図52は、子基地局902の通信エリア(すなわち、子基地局通信エリア3003)に複数の親基地局4001、4002が存在する場合のネットワーク構成例を示す図である。図52を参照して、子基地局902は、制御無線通信を用いて、親基地局4001および親基地局4002のプロファイル情報を送信する。なお、子基地局902は、プロファイル情報やメタデータを親基地局4001,4002のいずれかより無線LAN通信を用いて受信しても良いし、図52に示すように、サーバ10より受信しても良い。
【0171】
図53は、通信端末201の構成例を示すブロック図である。図53を参照して、無線LAN通信機能を制御する主無線制御部805は、無線LAN基地局選択部4003を持つ。接続無線LAN基地局選択部4003は、子基地局902が送信するプロファイル情報に複数の親基地局の情報が含まれている場合に、この中から最適な親基地局を選択する処理を行う。親基地局の選択方法としては、複数の親基地局のビーコン信号などのRSSIが最も大きい親基地局を選択する方法が挙げられる。これによって、最も受信電力が大きい親基地局を選択することが可能となる。
【0172】
また、プロファイル情報に親基地局の位置情報を付加しておき、子基地局902は、自身の位置情報を元に最も近い親基地局と情報の送受信を行っても、同等の効果を得ることができる。また、通信端末201は、親基地局のトラヒックを監視し、トラヒックが少ない基地局を選択することも可能である。これによって、親基地局の負荷分散を図ることが可能となる。また、反対に特定の親基地局のRSSIが閾値以上であれば、必ずその親基地局と情報のやりとりを行う構成にしても良い。これによって、例えば特定の親基地局へ集中的に通信端末を接続させ、この親基地局が複数の通信端末へ放送をもちいて一斉に情報を送信することで、通信端末が個々に親基地局へ接続し、情報のやりとりを行う方法と比べてシステム全体としてのトラヒックを抑えることが可能となる。
【0173】
なお、例えば、子基地局に指向性アンテナを持たせることなどによって、アンテナ制御を行うことで、第5及び6の実施形態で開示した子基地局近傍エリアおよび親基地局近傍エリアを意図的に特定の場所に成形する構成にしても良い。
【0174】
これによって、子基地局近傍エリアとしたい場所に基地局を設置するスペースが無い場合などでも、望む場所に子基地局近傍エリアを作り、ユーザの親基地局へのアクセスをコントロールすることができる。
【0175】
また、子基地局近傍エリアもしくは親基地局近傍エリアは、必ずしも固定である必要はない。すなわち、アンテナの指向性を変えることなどによって、子基地局近傍エリアもしくは親基地局近傍エリアを時間帯に応じて変動させることも可能である。これによって、より柔軟性のあるサービスを提供することができる。
【0176】
なお、第5及び第6の実施形態における、子基地局による制御無線通信を用いたプロファイル情報やメタデータ等の情報送信は、前述した他の実施例と同様に、通信を用いても、放送を用いても良い。通信端末は、これら同じ情報を受信するため、制御無線通信を放送の形態にすることで、送信データ量を少なくすることができる、さらに、通信端末は、放送される情報を受信するだけであるため、子基地局と認証等の処理を行う必要がなくなり、情報受信までの待ち時間が短くなるという効果も期待できる。
【0177】
なお、本発明全体に通して、通信端末が、コンテンツを表示するタイミングに関しては、第1の実施形態において説明を行ったが、必ずしもコンテンツの受信直後にコンテンツを表示する必要はない。また、コンテンツをすべての場所で閲覧可能な構成でなくとも、表示するコンテンツを場所によって制限し、あるコンテンツは、特定の場所にいるユーザのみが閲覧可能という構成にしても良い。
【0178】
すなわち、例えば、第5及び6の実施形態において説明すると、コンテンツをカテゴリ化し、「どこでも表示可能なコンテンツ」、「子基地局近傍エリアのみで表示可能なコンテンツ」といった複数のカテゴリに分け、この情報を子基地局が送信するメタデータや、親基地局が送信する情報に含めても良い。図54に一例として、第6の実施形態におけるシステム図を示す。
【0179】
図54を参照して、子基地局近傍エリア3001に入ったことを検出した通信端末は、自分が受信したコンテンツのデータベースを参照する。データベースの中で、「どこでも表示可能なコンテンツ」というクラスのコンテンツがあれば、通信端末は、コンテンツ受信後にコンテンツをいつ表示させても構わない。一方「子基地局近傍エリアのみで表示可能なコンテンツ」に関しては、通信端末が子基地局近傍エリア内に通信端末がいる場合のみ表示可能にさせてもよい。
【0180】
これによって、ニュース情報などはいつでもどこでも端末に表示させ、案内情報などは特定の場所のみで閲覧可能にしたり、特定の場所では必ずあるコンテンツを表示させるといった自由度の高い情報の表示方法が可能となる。
【0181】
これによって、表示可能なコンテンツを通信端末の場所によって制御するといったことが可能となる。なお、特定のエリアは必ずしも子基地局近傍エリアに限ったものではない。
【0182】
図55及び図56は、第5及び第6の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図55及び図56に示すように、親基地局近傍エリア5001に存在する通信端末のみに情報を提供する構成にすることも可能である。親基地局近傍エリア5001の検出方法は、子基地局近傍エリア3001の検出方法と同じ技術を用いて実現することが可能である。
【0183】
なお、これら表示のタイミングや、表示するコンテンツを通信端末の存在するエリアで制限する方式は本発明のすべの実施の形態で利用可能である。
【0184】
なお、本発明における実施形態では、前述したように親基地局もしくは統合基地局における無線LAN基地局は、無線LAN通信によって通信端末と情報を送受信しても良いし、放送によって通信端末へ情報をブロードキャストしても良い。さらに、これら通信と放送を組み合わせた構成にしても良い。すなわち、親基地局は、放送区間と通信区間の二つを持ち、放送区間では、通信端末のリクエストが高い情報や、優先度が高い情報を送信する。全コンテンツの概要は、無線LAN基地局もしくは制御無線より送信されるメタデータに記載されている。通信端末は、無線LAN基地局より情報をやり取りする際、まずは放送区間で情報の受信を行う。その後、足りない情報を無線LAN基地局へ接続することによって受信するという構成にしても良い。優先度が高い情報のみを放送することで、比較的通信端末の数が少ない場合は、全情報を放送する場合と比較して必要通信レートが小さくなるという効果が期待できる。
【0185】
また、無線LAN基地局が情報を放送する場合においても、全コンテンツを放送するのではなく、まず各通信端末が欲しい情報を無線LAN基地局へリクエストし、無線LAN基地局は、通信端末からのリクエストを集計後、リクエストされた情報を放送する構成にしても良い。これによって、通信端末が個別に情報をリクエストする場合と比較して、無線LAN基地局の情報を送信するための必要通信レートを低くすることが可能となる。
【0186】
なお、本発明における実施の形態において、通信端末が無線LAN基地局と情報を送受信する構成において、主にサーバの情報を受信する、つまりダウンリンクの機能について説明を行ったが、これは必ずしもコンテンツなどの情報を受信するための機能に限定されるものではなく、通信端末が持つ情報を無線LAN基地局を経由してサーバへアップロードする場合においても有効である。
【0187】
図57に第1の実施形態における通信端末201が、無線LAN通信によって統合基地局101と接続し、通信端末201がもつ情報をサーバ10へアップロードする際のフローを代表として示す。図57を参照して、通信端末201は、図8に示すフローAの後、無線LAN基地局と接続できたかどうかを判断する(ステップS6001)。接続できなかった場合、通常の処理を行う(ステップS6002)。接続できた場合、通信端末が持つ情報のアップロード判定を行う(ステップS6003)。情報をアップロードすると判定した場合(ステップS6004)、通信端末201は、通信端末が持つ情報を統合基地局101を経由してサーバ10へアップロードし(ステップS6005)、アップロード後、処理を終了する。
【0188】
通信端末201の情報のアップロード判定方法について説明する。通信端末201は、サーバ10へアクセスし、自身が持つ情報がサーバ10にすでにアップロードされたかどうかをチェックする。サーバ10へアップロードされていない場合には、自身が持っている情報をサーバ10へアップロードする。
【0189】
なお、通信端末201が持つ情報がサーバ10へアップロードされているかどうかの判断は、必ずしも前述した方法に限定されるものではない。サーバ10は情報をアップロードした最終アップロード日時を保存しておき、通信端末201はこの最終アップロード日時以降に作成されたデータが有る場合はこれをアップロードするという構成にしても良い。これによって、全情報をチェックし、アップロードされたかどうかの判断を行う必要が無いため、処理時間の短縮に繋がる。
【0190】
なお、通信端末201がサーバ10へアップロードしていない情報を持っているかどうかの判断は、必ずしも無線LAN通信によって行う必要はなく、制御無線通信を用いることも可能である。通信端末201は、制御無線通信を用いてサーバ10へアクセスし、自身が持っている情報がサーバ10へアップロードされているかどうかを判断する。通信端末201は、無線LAN基地局より情報を受信しない場合で、かつサーバ10へアップロードする情報も無い場合、無線LANを起動させないことで、待機時の電力を小さくすることが可能となる。
【0191】
なお、サーバ10へアップロードした情報を通信端末201から削除する機能を備えても良い。これによって、通信端末201のメモリの節約に繋がる。
【0192】
なお、通信端末201は、自身がもつすべての情報をサーバ10へアップロードせず、必要な情報のみをサーバ10へアップロードする構成にしても良い。例えば、他のユーザと共有したい情報はサーバ10へアップロードし、それ以外の情報はアップロードしない構成にすることも可能である。これによって、意図しないユーザがサーバ10へアクセスし、通信端末201の保持しているユーザの情報を閲覧することを防止することができる。
【0193】
なお、通信端末201の情報に「公開」「非公開」といったタグを付けておき、サーバ10へアップロードしたときに、公開のタグが付いた情報のみ、他のユーザが閲覧可能になるような処理をサーバ10側で行う構成にしても良い。通信端末201の情報毎に、公開/非公開の設定ができるため、全コンテンツを公開もしくは非公開とする場合と比較して、より詳細なプライバシー設定が可能になる。
【0194】
通信端末201は、無線LAN基地局と高速に接続することで、より情報の高速なアップロードが可能になり、また常時無線LANの電源をオンにしておく必要が無いため、低消費電力に繋がる点など、情報を受信する場合と同様の効果が期待できる。
【0195】
なお、本発明における各実施形態では、通信端末利用者へのサービス提供方法は表示部を用いた視覚的な方法について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。周辺地域案内などは音声で提供しても良いし、緊急情報などはバイブレーションなどを用いてユーザに情報を提供しても良い。
【0196】
また、本発明に係る各実施形態で述べた各機能ブロックが行うそれぞれの処理手順は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実行可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現されてもよい。この場合、プログラムデータは、記憶媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記憶媒体上から直接実行されてもよい。なお、記憶媒体は、ROMやRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVDやBD等の光ディスクメモリ、及びメモリカード等をいう。また、記憶媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体を含む概念である。
【0197】
また、本発明に係る各実施形態で述べた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI、と呼称されることもある。
【0198】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。あるいはプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられても良い。
【0199】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明の無線通信システムは、通信端末がアクセスポイントの通信エリアを通過する際に、大容量の通信コンテンツを送受信し、ユーザの所望するコンテンツを表示させる技術等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を説明する概略図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る統合基地局101の構成例を示すブロック図
【図4】本発明の第1の実施形態に係る通信端末201の構成例を示すブロック図
【図5】統合基地局101が無線LAN基地局のプロファイル情報を格納する際の動作の一例を示すフローチャート
【図6】統合基地局101が制御無線通信を行う際の動作の一例を示すフローチャート
【図7】制御無線パケット401のフレーム構成例を示す図
【図8】通信端末201が制御無線パケットを受信した際の動作の一例を示すフローチャート
【図9】通信端末201が、統合基地局101の無線LAN基地局へ接続を開始する際の動作の一例を示すフローチャート
【図10】通信端末201が表示部218にコンテンツを表示する際の動作の一例を示すフローチャート
【図11】通信端末201の表示部218に表示されるコンテンツの一例を示す図
【図12】通信端末201における無線LAN通信設定処理の動作の一例を示すフローチャート
【図13】統合基地局101の動作の一例を示すフローチャート
【図14】通信端末201の画像表示方法の一例を示す図
【図15】本発明の第2の実施形態に係る統合基地局601の構成例を示すブロック図
【図16】本発明の第2の実施形態に係る通信端末801の構成例を示すブロック図
【図17】本発明の第2の実施形態で用いられる制御無線パケットのフレーム構成例を示す図
【図18】本発明の第2の実施形態に係る統合基地局601の動作の一例を示すフローチャート
【図19】通信端末801における無線LAN通信設定処理の詳細な動作の一例を示す図
【図20】通信端末801が主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる際の動作の一例を示すフローチャート
【図21】通信端末801が主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる際の動作の一例を示すフローチャート
【図22】通信端末801が主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる際の動作の一例を示すフローチャート
【図23】通信端末801が主無線通信部804をスリープ状態に遷移させる際の動作の一例を示すフローチャート
【図24】本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を説明する概略図
【図25】本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図26】本発明の第3の実施形態に係る親基地局901の構成例を示すブロック図
【図27】本発明の第3の実施形態に係る子基地局902の構成例を示すブロック図
【図28】基地局901が無線LAN基地局のプロファイル情報を子基地局902へ送信する際の動作の一例を示すフローチャート
【図29】子基地局902が制御無線通信を行う際の動作の一例を示すフローチャート
【図30】本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図31】本発明の第4の実施形態に係る統合基地局1201の構成例を示すブロック図
【図32】統合基地局1201がコンテンツを放送する際の動作の一例を示すフローチャート
【図33】統合基地局1201が通信端末801へ詳細コンテンツを送信する際の動作の一例を示すフローチャート
【図34】通信端末801が制御無線パケットを受信した際の動作の一例を示すフローチャート
【図35】通信端末801が、統合基地局1201の無線LAN基地局へ接続を開始する際の動作の一例を示すフローチャート
【図36】統合基地局1201と通信端末801との送信シーケンスの一例を示す図
【図37】統合基地局1201が放送するコンテンツ1401の構成例を示す図
【図38】本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図39】プロファイル情報とメタ情報とを含む制御無線パケットを受信した際の通信端末801の動作の一例を示すフローチャート
【図40】子基地局902の構成例を示すブロック図
【図41】本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図42】子基地局902における光通信部の構成例を示すブロック図
【図43】制御無線パケット701のフレーム構成例を示す図
【図44】本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図45】本発明の第5の実施形態に係る通信端末201の構成例を示すブロック図
【図46】RSSIを用いた子基地局近傍エリア3001の検出方法を説明する図
【図47】通信端末201が、無線LAN通信によって親基地局901と情報を送受信する際の動作の一例を示すフローチャート
【図48】通信端末201が、放送によって親基地局901から情報を受信する際の動作の一例を示すフローチャート
【図49】本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図50】通信端末201が、無線LAN通信によって親基地局901と情報を送受信する際の動作の一例を示すフローチャート
【図51】通信端末201が、放送によって親基地局901から情報を受信する際の動作の一例を示すフローチャート
【図52】子基地局902の通信エリア(すなわち、子基地局通信エリア3003)に複数の親基地局4001、4002が存在する場合のネットワーク構成例を示す図
【図53】通信端末201の構成例を示すブロック図
【図54】本発明の無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図55】本発明の無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図56】本発明の無線通信システムのネットワーク構成例を示す図
【図57】通信端末201の動作の一例を示すフローチャート
【図58】従来の無線通信システムの構成を示すブロック図
【図59】従来の無線通信システムの構成を示すブロック図
【図60】従来の無線通信システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0202】
10 サーバ
20 制御無線通信エリア
30 無線LAN通信エリア
101 統合基地局
102 外部情報通信部
103 メモリ部
104 制御部
105 主無線通信部(無線LAN通信機能)
106 送信部
107 受信部
108 主無線制御部
109 副無線制御部
110 副無線通信部(制御無線通信機能)
111 送信部
112 受信部
113 アンテナ部
114 アンテナ部
115 プロファイル情報格納部
201 通信端末
202 制御部
203 副無線制御部
204 主無線制御部
205 プロファイル情報設定部
206 主無線通信部(無線LAN通信機能)
207 送信部
208 受信部
209 アンテナ部
210 副無線通信部(制御無線通信機能)
211 送信部
212 受信部
213 アンテナ部
214 プロファイル情報格納部
215 受信メモリ部
216 表示制御部
217 入力部
218 表示部
219 送信メモリ部
220 メモリ部
602 主無線起動情報格納部
801 通信端末
802 制御部
806 主無線電源制御部
807 主無線電源部
901 親基地局
902 子基地局
1001 制御部
1002 主無線制御部
1003 外部情報通信部
1004 メモリ部
1005 主無線通信部(無線LAN通信機能)
1006 送信部
1007 受信部
1008 アンテナ部
1109 主無線起動情報格納部
1010 プロファイル情報格納部
1101 メモリ部
1102 制御部
1103 副無線制御部
1104 主無線制御部
1105 主無線通信部(無線LAN通信機能)
1106 送信部
1107 受信部
1108 アンテナ部
1109 副無線通信部(制御無線通信機能)
1110 送信部
1111 受信部
1112 アンテナ部
1301 放送コンテンツ蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末と通信する無線基地局であって、
主無線通信方式に従った通信を行う主無線通信手段と、
副無線通信方式に従った通信を行う副無線通信手段と、
前記無線通信端末と前記主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を取得する設定情報取得手段とを備え、
前記副無線通信手段は、前記副無線通信方式に従った通信によって、前記無線通信端末へ前記設定情報を送信することを特徴とする、無線基地局。
【請求項2】
前記設定情報は、前記主無線通信手段の通信チャネル情報、または前記無線基地局の識別IDを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記設定情報は、さらに、前記主無線通信方式を暗号化するための暗号化情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記設定情報は、さらに、前記無線通信端末が備える、前記主無線通信方式に従った通信を行うための構成を起動させる起動情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記設定情報は、さらに、前記主無線通信手段のビーコン送信周期に関する情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項6】
前記設定情報は、さらに、前記無線通信端末が、前記主無線通信方式を用いてアクセスするサーバを特定するサーバ特定情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項7】
前記設定情報は、前記無線基地局と接続処理手続きを行わずに前記無線通信端末が参照することができる領域に格納されていることを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項8】
前記副無線通信方式は、複数の受信者が同時に情報を受信できる放送型の通信方式を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項9】
前記主無線通信方式は、複数の受信者が同時に情報を受信できる放送型の通信方式を含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項10】
前記主無線通信方式は、さらに周期的に同一内容の情報を送信する周期放送構造を持つこと特徴とする、請求項9に記載の無線基地局。
【請求項11】
前記周期放送構造は、カルーセル型の通信構造であることを特徴とする、請求項10に記載の無線基地局。
【請求項12】
前記無線基地局は、放送する情報をあらかじめサーバより受信して保存しておくことを特徴とする、請求項9に記載の無線基地局。
【請求項13】
前記主無線通信手段が主無線通信方式を用いて送信する情報は、情報の本体であるコンテンツと、コンテンツの特徴や分類を示す特徴情報とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線基地局。
【請求項14】
前記副無線通信方式を用いた通信可能なエリアである副無線通信エリアが、前記主無線通信方式を用いた通信可能なエリアである主無線通信エリアに関連する位置に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の無線基地局。
【請求項15】
前記主無線通信エリアと前記副無線通信エリアとは重複するように配置されることを特徴とする、請求項14に記載の無線基地局。
【請求項16】
前記主無線通信エリア内に前記副無線通信エリアが配置されることを特徴とする、請求項15に記載の無線基地局。
【請求項17】
前記主無線通信エリアと一部領域のみを重複するように前記副無線通信エリアが配置されることを特徴とする、請求項15に記載の無線基地局。
【請求項18】
無線基地局と通信する無線通信端末であって、
主無線通信方式に従った通信を行う主無線通信手段と、
副無線通信方式に従った通信を行う副無線通信手段と、
前記無線基地局と前記主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を設定する通信設定手段とを備え、
前記副無線通信手段は、前記副無線通信方式に従った通信によって、前記無線基地局から前記設定情報を受信することを特徴とする、無線通信端末。
【請求項19】
前記通信設定手段は、前記主無線通信手段の通信チャネルの設定、または前記設定情報に含まれる前記無線基地局の識別IDからの情報を受信するための設定を行うことを特徴とする、請求項18に記載の無線通信端末。
【請求項20】
前記通信設定手段は、さらに前記設定情報に含まれる前記無線基地局の暗号化情報を元に、前記主無線通信手段の暗号化に関する設定を行うことを特徴とする、請求項19に記載の無線通信端末。
【請求項21】
前記通信設定手段は、さらに前記主無線通信手段の電源を入れる電源制御手段を含むことを特徴とする、請求項19に記載の無線通信端末。
【請求項22】
前記無線通信端末は、前記主無線通信手段を用いて、前記設定情報に含まれるサーバへアクセスすることを特徴とする、請求項18に記載の無線通信端末。
【請求項23】
前記主無線通信手段は、前記無線基地局より放送される情報を受信する機能を備えることを特徴とする、請求項19に記載の無線通信端末。
【請求項24】
前記放送される情報の中でユーザが閲覧した情報の識別情報を前記無線基地局へ送信することを特徴とする、請求項23に記載の無線通信端末。
【請求項25】
前記無線通信端末が、前記無線基地局より放送されていない情報へのアクセスが発生すると、前記設定情報に含まれる情報に基づき、前記無線基地局と通信を行うために、前記主無線通信手段を再度設定することを特徴とする、請求項23に記載の無線通信端末。
【請求項26】
前記無線通信端末は、情報の表示手段と、前記情報の表示手段において情報を表示するタイミングを制御する表示制御手段とをさらに備えることを特徴とする、請求項18に記載の無線通信端末。
【請求項27】
前記無線通信端末は、前記主無線通信手段を用いて受信した情報の中で表示する情報を取捨選択するフィルタリング手段をさらに備えることを特徴とする、請求項18に記載の無線通信端末。
【請求項28】
前記フィルタリング手段は、一般フィルタとパーソナルフィルタとを持ち、前記一般フィルタは前記無線基地局より受信し、前記パーソナルフィルタは前記無線通信端末で生成することを特徴とする、請求項27に記載の無線通信端末。
【請求項29】
前記パーソナルフィルタは、前記無線通信端末に蓄積された履歴情報により生成されることを特徴とする、請求項28に記載の無線通信端末。
【請求項30】
情報を蓄積するサーバと、情報を送信する無線基地局と、当該無線基地局から情報を受信する無線通信端末とから構成される無線通信システムであって、
前記サーバは前記無線基地局と接続され、
前記無線基地局は、
主無線信方式に従った通信を行う第1の主無線通信手段と、
副無線通信方式に従った通信を行う第1の副無線通信手段と、
前記無線通信端末と前記主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を取得する設定情報取得手段とを備え、
前記第1の副無線通信手段は、前記副無線通信方式に従った通信によって、前記無線通信端末へ前記設定情報を送信し、
前記無線通信端末は、
主無線信方式に従った通信を行う第2の主無線通信手段と、
副無線通信方式に従った通信を行う第2の副無線通信手段と、
前記無線基地局と前記主無線通信方式に従った通信を行うための設定情報を設定する通信設定手段とを備え、
前記第1の副無線通信手段は、前記副無線通信方式に従った通信によって、前記無線基地局から前記設定情報を受信することを特徴とする、無線通信端末。
【請求項31】
前記無線基地局が送信する前記設定情報は、前記第1の主無線通信手段の通信チャネル情報、または前記無線機基地局の識別IDを含むことを特徴とする、請求項30に記載の通信システム。
【請求項32】
前記無線基地局が送信する前記設定情報は、さらに、前記第1の主無線通信手段を暗号化するための暗号化情報を含み、
前記無線通信端末が備える前記通信設定手段は、前記設定情報に含まれる前記無線基地局の暗号化情報を元に、第1の主無線通信手段と前記第2の主無線通信手段との間の暗号化に関する設定を行なうことを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項33】
前記無線基地局が送信する前記設定情報は、さらに、前記第2の主無線通信手段を起動させる起動情報を含み、
前記無線通信端末は、前記起動情報に従って、前記第2の主無線通信手段の電源を制御する電源制御手段を含むことを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項34】
前記無線基地局が送信する前記設定情報は、さらに、前記第1の主無線通信手段のビーコン送信周期に関する情報を含むことを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項35】
前記無線基地局が送信する前記設定情報は、さらに、前記無線通信端末が、前記主無線通信方式を用いてアクセスするサーバを特定するためのサーバ特定情報を含み、
前記無線通信端末は、前記第2の副無線通信手段を介して前記設定情報を受信すると、前記第2の主無線通信手段を用いて前記サーバへアクセスすることを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項36】
前記設定情報は、前記無線基地局と接続処理手続きを行わずに前記無線通信端末が参照することができる領域に格納されていることを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項37】
前記副無線通信方式は、複数の受信者が同時に情報を受信できる放送型の通信方式を含むことを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項38】
前記主無線通信手段は、複数の受信者が同時に情報を受信できる放送型の通信方式を含むことを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項39】
前記第1の主無線通信手段は、さらに周期的に同一内容の情報を送信する周期放送構造を持つこと特徴とする、請求項38に記載の無線通信システム。
【請求項40】
周期放送構造は、カルーセル型の通信構造であることを特徴とする、請求項39記載の無線通信システム。
【請求項41】
前記無線基地局は、放送する情報をあらかじめサーバより受信して保存しておくことを特徴とする、請求項38に記載の無線通信システム。
【請求項42】
前記第1の主無線通信手段が前記主無線通信方式を用いて送信する情報は、情報の本体であるコンテンツと、コンテンツの特徴や分類を示す特徴情報を含むことを特徴とする、請求項31に記載の無線通信システム。
【請求項43】
前記副無線通信方式を用いた通信可能なエリアである副無線通信エリアが、前記主無線通信方式を用いた通信可能なエリアである主無線通信エリアに関連する位置に配置されることを特徴とする、請求項30に記載の無線通信システム。
【請求項44】
前記主無線通信エリアと前記副無線通信エリアとは重複するように配置されることを特徴とする、請求項43に記載の無線通信システム。
【請求項45】
前記主無線通信エリア内に前記副無線通信エリアが配置されることを特徴とする、請求項44に記載の無線通信システム。
【請求項46】
前記主無線通信エリアと一部領域のみを重複するように前記副無線通信エリアが配置されることを特徴とする、請求項44に記載の無線通信システム。
【請求項47】
前記無線通信端末は、情報の表示手段と、前記情報の表示手段において情報を表示する制御を行う表示制御手段とをさらに備えることを特徴とする、請求項30に記載の無線通信システム。
【請求項48】
前記無線通信端末は、前記第2の主無線通信手段を用いて受信した情報の中で表示する情報を取捨選択するフィルタリング手段を備えることを特徴とする、請求項30に記載の無線通信システム。
【請求項49】
前記フィルタリング手段は、一般フィルタとパーソナルフィルタとを持ち、前記一般フィルタはサーバで作成され、前記無線基地局より受信し、前記パーソナルフィルタは無線通信端末で生成することを特徴とする、請求項48に記載の無線通信システム。
【請求項50】
前記パーソナルフィルタは、前記無線通信端末に蓄積された履歴情報により生成されることを特徴とする、請求項49に記載の無線通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate


【公開番号】特開2009−177765(P2009−177765A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102619(P2008−102619)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】