説明

無線基地局および通信方法

【課題】ある無線基地局が通信不可能な状態となった場合に、隣接基地局間で電波の干渉を増大させることなく、通信不可能な状態となった無線基地局がカバーしていた通信エリアが圏外とならないようにすることができる無線通信システムにおける無線基地局および通信方法を提供する。
【解決手段】待ち受けレベル制御部7は、隣接基地局が通信不可能である停止状態の場合に、自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを減少させる。制御チャネル管理部6は、減少させた待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局および通信方法に関し、特に、待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知することが可能な無線基地局および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PHS(Personal Handy-phone System)方式などの無線基地局は、立ち上げ時に隣接基地局が送信している制御チャネルの状況を確認し、隣接基地局の制御チャネルのタイミングと異なるタイミングで制御チャネルを送信している(たとえば、特許文献1(特開平9−107323号公報)を参照)。
【0003】
無線端末は、無線基地局から報知チャネルを通じて、待ち受けゾーン選択レベルと待ち受けゾーン保持レベルを受信する。無線端末は、待ち受けゾーン選択レベル以上の受信レベルで受信される制御チャネルを送信する無線基地局を待ち受け基地局に設定する。さらに、設定した待ち受け基地局の制御チャネルの受信レベルが待ち受けゾーン保持レベルを一定期間に一定の割合で下回らない限り、待ち受け基地局の設定を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−107323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ある無線基地局で障害が発生し、その無線基地局において通信不可能となった場合には、その無線基地局のカバーしていた通信エリアは圏外となってしまう。
【0006】
これを回避するために、通信不可能となった基地局に隣接する無線基地局の送信出力を増加させて、通信不可能となった基地局がカバーしていたエリアをリカバーすることも考えられるが、複数の隣接基地局が送信出力を増加させた場合には、これらの無線基地局間で電波の干渉が増大する。
【0007】
それゆえに、本発明の目的は、ある無線基地局が通信不可能な状態となった場合に、隣接基地局間で電波の干渉を増大させることなく、通信不可能な状態となった無線基地局がカバーしていた通信エリアが圏外とならないようにすることができる無線通信システムにおける無線基地局および通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の無線基地局は、隣接基地局が通信不可能である停止状態の場合に、自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを減少させる待ち受けレベル制御部と、減少させた待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知する通知部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ある無線基地局において通信不可能な状態となった場合に、隣接基地局間で電波の干渉を増大させることなく、通信不可能な状態となった無線基地局がカバーしていた通信エリアが圏外とならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。
【図2】第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【図3】(a)は、基地局が通信不可能である停止状態となる前の通信エリア圏内を表わす図である。(b)は、ある基地局が通信不可能である停止状態となったときの、通信エリア圏内を説明するための図である。(c)は、停止状態の基地局が通信可能である動作状態に復帰したときの、通信エリア圏内を説明するための図である。
【図4】隣接基地局の制御チャネルの送信タイミングを表わす図である。
【図5】自局および隣接基地局の制御チャネルの送信タイミングを表わす図である。
【図6】基地局を停止状態と判定する過程を説明するための図である。
【図7】停止状態と判定した基地局が動作状態に復帰したと判定する過程を説明するための図である。
【図8】第1の実施形態の無線基地局の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルの制御手順を表わすフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、既存のPHS基地局を例にして説明する。
【0012】
(構成)
図1は、本発明の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。
【0013】
図1を参照して、この無線通信システムは、基地局制御センタ31と、複数の無線基地局1−1〜1−Nと、これらの無線基地局と通信する無線端末32−1〜32−3とを備える。基地局制御センタ31と、複数の無線基地局1−1〜1−Nとの間は、有線のネットワーク30−1〜30−Nで接続される。以下では、無線基地局1−1〜1−Nを総称して無線基地局1と表記し、ネットワーク30−1〜30−Nを総称してネットワーク30と表記し、無線端末32−1〜32−3を総称して無線端末32と表記することもある。
【0014】
図2は、第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
図2を参照して、この無線基地局1は、アンテナ10と、無線通信部2と、受信電力測定部3と、タイミング制御部4と、通話チャネル管理部5と、制御チャネル管理部6と、判定部21と、待ち受けレベル制御部7と、隣接基地局ID記憶部8と、停止基地局ID記憶部9とを備える。
【0015】
無線通信部2は、アンテナ10を通じて無線信号を送受信する。
受信電力測定部3は、無線通信部2で受信した受信信号の電力を測定する。
【0016】
タイミング制御部4は、制御チャネル管理部6に対して、制御チャネルの送信タイミングを指示し、通話チャネル管理部5に対して、通話チャネルの送信および受信のタイミングを指示する。
【0017】
判定部21は、隣接基地局の制御チャネルを監視し、隣接基地局の運用状況を把握する。具体的には、判定部21は、隣接基地局から一定周期で送信される制御チャネルを所定回数以上連続して受信できなかった場合には、隣接基地局が通信不可能である停止状態であると判定する。判定部21は、停止状態の隣接基地局から送信される制御チャネルを所定回数以上連続して受信できた場合には、停止状態の隣接基地局が通信可能である動作状態に復旧したと判定する。
【0018】
待ち受けレベル制御部7は、隣接基地局が通信不可能である停止状態の場合に、自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを減少させる。また、待ち受けレベル制御部7は、停止状態の隣接基地局が通信可能である動作状態に復旧した場合に、減少させた自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを元のレベルに増加させる。
【0019】
ここで、待ち受けゾーン選択レベルとは、無線端末が最初に待ち受け状態になる受信レベルの閾値を表わす。この待ち受けゾーン選択レベルを大きくすると、待ち受けエリアは小さくなるが、エリア端での通信品質が良くなる。逆に、待ち受けゾーン選択レベルを小さくすると、待ち受けエリアは大きくなるが、エリア端での通信品質が悪化する。
【0020】
また、待ち受けゾーン保持レベルとは、無線端末が接続先の基地局を選択した後、待ち受けを維持する受信レベルの閾値を表わす。待ち受けゾーン保持レベルがあることで、エリア端で無線端末において圏外/待ち受けが頻繁に切り替わるのを防止することができる。無線端末が待ち受けを保持するためには、待ち受けゾーン保持レベルは、待ち受けゾーン選択レベル以下の値が望ましいとされている。待ち受けゾーン保持レベルを小さくすると、待ち受けエリアは大きくなるが、エリア端での通信品質が悪化する。逆に、待ち受けゾーン保持レベルを大きくすると、待ち受け状態でも発呼などができなくなる。
【0021】
従来のデフォルト設定された待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルで定まるエリアは、安定した通信のため、実際に電波が届くエリアよりも狭く設定されている。つまり、従来のデフォルト設定された待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルは、実際に電波が届く限界よりもいくぶんか大きな値に設定されている。
【0022】
なぜなら、待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルは、実際に電波が届くエリアの限界に設定した場合には、エリア端において無線端末において圏外/待ち受けが頻繁に切り替わる問題があることと、エリア端において隣接基地局からの干渉を受けやすいという問題があるからである。
【0023】
それゆえ、待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルをデフォルトから多少減少させても、無線端末では基地局からの電波を受信することできる。また、隣接基地局が通信を停止した場合には、エリア端において隣接基地局からの干渉を受けることもなくなる。
【0024】
本発明の実施形態では、このような特質を利用することによって、隣接基地局が通信を停止した場合には、自局(自己の無線基地局)の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを減少させることによって、停止状態の隣接基地局の通信エリアをカバーする。
【0025】
隣接基地局ID記憶部8は、隣接基地局の識別番号であるCS−IDを記憶する。
停止基地局ID記憶部9は、停止状態と判定された基地局のCS−IDを記憶する。
【0026】
制御チャネル管理部6は、タイミング制御部4から指示されるタイミングに従って、制御チャネルの送信を管理する。制御チャネル管理部6は、待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを制御チャネルの一種である報知チャネルを用いて通知する。
【0027】
通話チャネル管理部5は、タイミング制御部4から指示されるタイミングに従って、通話チャネルの送信および受信を管理する。
【0028】
(通信エリア圏内)
図3(a)は、無線基地局が通信不可能である停止状態となる前の通信エリア圏内を表わす図である。
【0029】
図3(a)に示すように、無線基地局#1、無線基地局#2、無線基地局#3は、それぞれ通信エリア圏内52,55,54内で無線端末との通信が可能である。
【0030】
図3(b)は、ある無線基地局が通信不可能である停止状態となったときの、通信エリア圏内を説明するための図である。
【0031】
図3(b)に示すように、無線基地局#2が通信不可能である停止状態となることによって、無線基地局#1および無線基地局#3の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを減少させる。これによって、無線基地局#1の通信エリア圏内52が通信エリア圏内51に拡大し、無線基地局#3の通信エリア圏内54が通信エリア圏内53に拡大する。
【0032】
図3(c)は、停止状態の無線基地局が通信可能である動作状態に復帰したときの、通信エリア圏内を説明するための図である。無線基地局#2が通信可能である動作状態に復帰することによって、無線基地局#2を停止状態と判定した無線基地局#1の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルが元のレベルに増加し、通信エリア圏内51が元の通信エリア圏内52に戻る。また、無線基地局#2を停止状態と判定した無線基地局#3の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルが元のレベルに増加し、通信エリア圏内53が元の通信エリア圏内54に戻る。
【0033】
(制御チャネルのタイミング)
図4は、隣接基地局の制御チャネルの送信タイミングを表わす図である。
【0034】
図4に示すように、隣接基地局#1および隣接基地局#2は、それぞれ互いに異なるタイミングで、100msecの周期で制御チャネルを送信する。
【0035】
図5は、自局および隣接基地局の制御チャネルの送信タイミングを表わす図である。
図5に示すように、自局(すなわち、無線基地局)は、隣接基地局#1および隣接基地局#2の制御チャネルの送信タイミングと異なるタイミングで、100msecの周期で制御チャネルを送信するように制御する。
【0036】
図6は、基地局を停止状態と判定する過程を説明するための図である。
図6に示すように、(1)〜(5)の5回連続して、隣接基地局#2からの制御チャネルの受信に失敗している。その結果、隣接基地局#2は、停止状態と判定される。
【0037】
図7は、停止状態と判定した基地局が動作状態に復帰したと判定する過程を説明するための図である。
【0038】
図7に示すように、(1)〜(5)の5回連続して、停止状態の基地局#2からの制御チャネルの受信に成功している。その結果、停止状態の基地局#2は、動作状態に復帰したと判定される。
【0039】
(動作)
図8は、第1の実施形態の無線基地局の待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルの制御手順を表わすフローチャートである。
【0040】
図8を参照して、電源がオンになると(ステップS101)、待ち受けレベル制御部7は、受信電力測定部3で測定された受信レベルが所定値(たとえば30dB)以上の無線基地局を隣接基地局に設定し、設定した隣接基地局のCS−IDを隣接基地局ID記憶部8に記憶する(ステップS102)。
【0041】
次に、タイミング制御部4は、制御チャネル管理部6に対して、CS−IDを記憶した隣接基地局が制御チャネルを送信するタイミングと異なるタイミングで自局の制御チャネルを100msecの周期で送信させる(ステップS103)。
【0042】
次に、判定部21は、CS−IDを記憶した隣接基地局のうち、制御チャネルを5回(つまり、500msecの間)連続して受信できなかった無線基地局がある場合には(ステップS104)、その隣接基地局を停止状態であると判定し、停止状態の隣接基地局のCS−IDを停止基地局ID記憶部9に記憶する(ステップS105)。
【0043】
待ち受けレベル制御部7は、待ち受けゾーン選択レベルをたとえば50dBから30dBに減少させ、待ち受けゾーン保持レベルをたとえば30dBから10dBへ減少させる(ステップS106)。
【0044】
制御チャネル管理部6は、報知チャネルを用いて、減少させた待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知する。無線端末は、受信した報知チャネルで通知された待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルに変更がある場合には、待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを変更する(ステップS107)。
【0045】
次に、判定部21は、CS−IDを記憶した停止状態の隣接基地局のうち、制御チャネルを5回連続して受信できた無線基地局がある場合には(ステップS108)、その停止状態の無線基地局が動作状態に復帰したと判定し、判定した隣接基地局のCS−IDを停止基地局ID記憶部9から削除する(ステップS109)。
【0046】
待ち受けレベル制御部7は、待ち受けゾーン選択レベルを30dbから元の50dBに戻し、待ち受けゾーン保持レベルを10dBから元の30dBに戻す(ステップS110)。
【0047】
制御チャネル管理部6は、報知チャネルを用いて、元のレベルに増加させた待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知する(ステップS111)。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、無線信号が通信不可能である停止状態となった無線基地局の隣接基地局が、待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルの変更を無線端末へ報知することによって、従来は圏外となったエリアを隣接基地局がカバーして通信可能とすることができる。これにより停止状態となった無線基地局がカバーしていたエリアを、停止状態となった無線基地局が復旧する前からカバーすることができるので、通信サービスを滞りなく提供することが可能となる。特に、本発明の実施形態によれば、災害発生時に1つの無線基地局が故障した場合でも、緊急時に連絡ができないという事態を減少させることができるという利点がある。
【0049】
本発明の実施形態では、無線基地局の送信出力を変更せずに、エリアを拡大するため、無線基地局間の干渉を増大することなく、停止状態となった無線基地局のサービスエリアを隣接基地局で一時的にカバーすることが可能となる。
【0050】
また、本発明の実施形態では、停止状態となった無線基地局が動作状態に復旧した場合、停止状態となった無線基地局のエリアをカバーしていた隣接基地局は、そのカバーエリアを以前のカバーエリアに戻すことができる。
【0051】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、セルがオーバーラップしないように設計されているLTE(Long Term Evolution)などの通信方式の無線通信システムに適用可能である。セルがオーバーラップしていない場合には、隣接基地局の制御チャネルを捕捉することができないので、第1の実施形態のように、無線上での制御チャネル監視によって隣接基地局が停止しているかどうかを把握することができない。そこで、第2の実施形態では、通信不可能である停止状態となった基地局が、ネットワーク30を通じて、基地局制御センタ31へ停止状態である旨のメッセージを送信することとする。また、通信可能な動作状態に復帰した無線基地局は、ネットワーク30を通じて、基地局制御センタ31へ動作状態に復帰した旨のメッセージを送信することとする。
【0052】
図9は、第2の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
この無線基地局11が、図2の第1の実施形態の無線基地局1と相違する点は、ネットワーク通信部13を備えた点、判定部22の機能である。
【0053】
ネットワーク通信部13は、基地局制御センタ31からネットワーク30を通じて隣接基地局が停止状態である旨の通知を受ける。また、ネットワーク通信部13は、基地局制御センタ31からネットワーク30を通じて停止状態の隣接基地局が動作状態に復旧した旨の通知を受ける。
【0054】
判定部22は、ネットワーク通信部13を通じて隣接基地局が停止状態である旨の通知を受けて、隣接基地局が停止状態であると判定する。
【0055】
判定部22は、ネットワーク通信部13を通じて停止状態の隣接基地局が動作状態に復旧した旨の通知を受けて、停止状態の隣接基地局が動作状態に復旧したと判定する。
【0056】
以上のように、本実施の形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含む。
【0057】
(1)待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベル
本発明の実施形態では、制御チャネルの受信に成功したか否かに応じて、待ち受けゾーン選択レベルおよび待ち受けゾーン保持レベルの両方を変化させることとしたが、いずれか一方だけを変化させることとしてもよい。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
1,11 無線基地局、2 無線通信部、3 受信電力測定部、4 タイミング制御部、5 通話チャネル管理部、6 制御チャネル管理部、7 待ち受けレベル制御部、8 隣接基地局ID記憶部、9 停止基地局ID記憶部、10 アンテナ、13 ネットワーク通信部、21,22 判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接基地局が通信不可能である停止状態の場合に、自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを減少させる待ち受けレベル制御部と、
前記減少させた待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知する通知部とを備えた、無線基地局。
【請求項2】
前記無線基地局は、さらに、
前記隣接基地局から一定周期で送信される制御チャネルに基づいて、前記隣接基地局が通信不可能である停止状態か否かを判定する判定部を備える、請求項1記載の無線基地局。
【請求項3】
前記判定部は、前記隣接基地局から一定周期で送信される制御チャネルを所定回数以上連続して受信できなかった場合には、前記隣接基地局が停止状態であると判定する、請求項2記載の無線基地局。
【請求項4】
前記無線基地局は、
基地局を管理するセンタから、前記隣接基地局が停止状態である旨の通知を受けて、前記隣接基地局が停止状態であると判定する判定部を備える、請求項1記載の無線基地局。
【請求項5】
前記待ち受けレベル制御部は、前記停止状態の隣接基地局が通信可能である動作状態に復旧した場合に、前記減少された自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを元のレベルに増加させ、
前記通知部は、前記元のレベルに増加させた待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知する、請求項1記載の無線基地局。
【請求項6】
前記無線基地局は、さらに、
前記停止状態の隣接基地局から一定周期で送信される制御チャネルに基づいて、前記停止状態の隣接基地局が前記動作状態に復旧したか否かを判定する判定部を備える、請求項5記載の無線基地局。
【請求項7】
前記判定部は、前記停止状態の隣接基地局から送信される制御チャネルを所定回数以上連続して受信できた場合には、前記停止状態の隣接基地局が前記動作状態に復旧したと判定する、請求項6記載の無線基地局。
【請求項8】
前記無線基地局は、
基地局を管理するセンタから、前記停止状態の隣接基地局が前記動作状態に復旧した旨の通知を受けて、前記停止状態の隣接基地局が動作状態に復旧したと判定する判定部を備える、請求項5記載の無線基地局。
【請求項9】
前記無線基地局は、PHS基地局であって、
前記通知部は、報知チャネルを用いて、前記待ち受けゾーン選択レベルおよび/または前記待ち受けゾーン保持レベルを前記無線端末へ通知する、請求項1〜8記載の無線基地局。
【請求項10】
隣接基地局が通信不可能である停止状態の場合に、自局の待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを減少させるステップと、
前記減少させた待ち受けゾーン選択レベルおよび/または待ち受けゾーン保持レベルを無線端末へ通知するステップとを備えた、通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−156870(P2012−156870A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15405(P2011−15405)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】