無線検索システム
【課題】簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムを提供する。
【解決手段】移動局登録部70により登録された検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部72と、その基地局判定部72により検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグ18に対して報知部28による報知出力を行う指令を送信する報知指令部74とを、備えたものであることから、検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在する場合には、その物品タグ18から音及び/又は光による報知を出力させることで、その検索に係る物品タグ18を容易に発見することができる。
【解決手段】移動局登録部70により登録された検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部72と、その基地局判定部72により検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグ18に対して報知部28による報知出力を行う指令を送信する報知指令部74とを、備えたものであることから、検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在する場合には、その物品タグ18から音及び/又は光による報知を出力させることで、その検索に係る物品タグ18を容易に発見することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線機器を利用した無線検索システムに関し、特に、その検索を簡便且つ迅速なものとするための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバと、そのサーバとの間で情報の送受信が可能である複数の基地局とを、備え、その基地局と移動局との間の無線通信によりその移動局を検索する無線検索システムが知られている。例えば、特許文献1に記載された移動体通信における位置管理方式がそれである。この技術では、検索対象となる移動局は近接される基地局に対して位置登録を行い、その登録した基地局を介して交換局(サーバ)で移動局の存在位置を検索する構成により、その交換局において即時に移動局の位置を確認してその位置管理を適切に実行することができるとされている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−168074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述したような従来の無線検索システムを家庭やSOHO(Small Office Home Office)等に導入することを考えた場合、設備コストや初期時における手間等が比較的大きく、導入し難いという弊害があった。また、対象となる移動局の検索が正常に完了しても、物陰に隠れている場合等には更にそこから探す手間が生じ、その移動局に対応する目的の物品を見つけだすまでに時間がかかるといった不具合があった。このため、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムの開発が求められていた。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、サーバと、そのサーバとの間で情報の送受信が可能である複数の基地局とを、備え、その基地局と移動局との間の無線通信によりその移動局を検索する無線検索システムであって、前記移動局として、音及び/又は光により報知出力を行う報知部を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグと、検索者によって携行されて用いられる検索者タグとを、備え、前記サーバは、検索に係る前記物品タグ及び検索者タグそれぞれの識別情報を登録する移動局登録部と、その移動局登録部により登録された前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部と、その基地局判定部により前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグに対して前記報知部による報知出力を行う指令を送信する報知指令部とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
このようにすれば、前記移動局として、音及び/又は光により報知出力を行う報知部を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグと、検索者によって携行されて用いられる検索者タグとを、備え、前記サーバは、検索に係る前記物品タグ及び検索者タグそれぞれの識別情報を登録する移動局登録部と、その移動局登録部により登録された前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部と、その基地局判定部により前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグに対して前記報知部による報知出力を行う指令を送信する報知指令部とを、備えたものであることから、検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在する場合には、その物品タグから音及び/又は光による報知を出力させることで、その検索に係る物品タグを容易に発見することができる。すなわち、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムを提供することができる。
【0008】
ここで、好適には、前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、その移動局がそれら複数の基地局のうち何れか1つの基地局の通信領域内に存在すると判定するものである。このようにすれば、複数の基地局に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応する基地局を好適に決定することができる。
【0009】
また、好適には、前記基地局は、前記移動局からの返信信号の信号強度を検出する信号強度検出部を備え、前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数の基地局のうちその移動局について最も強い信号強度を検出した基地局の通信領域内にその移動局が存在すると判定するものである。このようにすれば、複数の基地局に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応する基地局を実用的な態様で好適に決定することができる。
【0010】
また、好適には、前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合、その物品タグの検索中フラグを立てるものであり、その検索中フラグは所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものである。このようにすれば、検索中である物品タグに関して他の検索者による検索要求が行われた場合等において、その物品タグが検索中であることを好適に通知することができる。
【0011】
また、好適には、前記移動局登録部は、前記検索者タグにおいて所定の操作が行われた場合に前記検索中フラグを下げるものである。このようにすれば、前記検索者タグにおける簡単な操作に応じて検索中フラグを下げ、検索モードを終了することができる。
【0012】
また、好適には、前記移動局登録部は、前記検索中フラグを立ててから所定時間が経過した際にその検索中フラグが未だ立っている場合にはその検索中フラグを自動的に下げるものである。このようにすれば、例えば所定の物品タグの検索中フラグが立てられた後、何らかの事情でその検索が打ち切られたり忘れられた場合等において、検索モードを終了することができる。
【0013】
また、好適には、前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合であって、その物品タグの検索中フラグが立っている場合には、新たにその物品タグの検索を開始させないものである。このようにすれば、検索中である物品タグに関して他の検索者による検索要求が行われた場合において、その物品タグの新たな検索を不許可とすることで、検索のバッティングを好適に防止することができる。
【0014】
また、好適には、前記移動局登録部は、所定の物品タグの検索中フラグが立っている場合にその検索中フラグに係る検索者タグとは別の検索者タグからの検索開始要求がなされた場合には、その検索者タグにその物品タグは検索中である旨の通知を行うと共にその検索者タグに係る情報を記憶装置にログとして記憶するものである。このようにすれば、既に検索中である物品タグに検索開始要求を行った検索者タグにその物品タグが検索中である旨を好適に通知できると共に、その検索者タグの情報をログとして残すことで、次にその検索者タグに優先して検索を許可する等の制御が可能とされる。
【0015】
また、好適には、前記移動局登録部は、前記検索中フラグを自動的に下げた場合において、その検索中フラグに係る物品タグに関連づけられて前記記憶装置に記憶された検索者タグに対してその物品タグの検索が可能となった旨の通知を行うものである。このようにすれば、他の検索者タグによる前記物品タグの検索中にその物品タグに検索開始要求を行った検索者タグに優先してその物品タグの検索を行わしめることができる。
【0016】
また、好適には、前記報知部は、予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものであり、前記報知指令部は、前記移動局登録部により所定の検索者タグが検索に係る検索者タグとして登録された場合、前記複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかをその検索者タグに対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグに対して送信するものである。このようにすれば、複数の検索者が同時に検索を行っている場合において、各検索者の検索対象である物品タグの反応が混同しないように、それぞれの検索者に個別の報知パターンを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明が好適に適用される無線検索システム10を説明する図である。この図1に示すように、本実施例の無線検索システム10は、少なくとも1つのサーバ12と、そのサーバ12との間で有線乃至無線での情報の送受信が可能とされた基地局である複数(図1では2つ)のアクセスポイント14a、14b(以下、特に区別しない場合には単にアクセスポイント14という)と、上記サーバ12における種々の操作を行うための端末16とを、備え、基地局すなわち上記アクセスポイント14と移動局との間の無線通信によりその移動局を検索する所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムである。この移動局として、検索対象である物品に貼り付けられる等固定されて用いられる少なくとも1つ(図1では3つ)の物品タグ18a、18b、18c(以下、特に区別しない場合には単に物品タグ18という)と、検索者によって携行されて用いられる少なくとも1つ(図1では2つ)の検索者タグ20a、20b(以下、特に区別しない場合には単に検索者タグ20という)とを、備えている。ここで、上記無線検索システム10の検索範囲は、例えば図1に示すように複数の範囲(図1では2つの階)に分かれており、好適には、それぞれの範囲に対応して上記アクセスポイント14が設置されている。例えば、A1に対応して上記アクセスポイント14aが、第2範囲A2に対応して上記アクセスポイント14bがそれぞれ設置されている。斯かる態様において、上記アクセスポイント14aは少なくとも第1範囲A1を通信範囲として網羅し、上記アクセスポイント14bは少なくとも第2範囲A2を通信範囲として網羅している。
【0019】
図2は、上記物品タグ18の構成を説明するブロック線図である。この図2に示すように、上記物品タグ18は、上記アクセスポイント14との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部22と、そのアンテナ部22に接続されて上記アクセスポイント14との間の無線通信制御をはじめとする各種制御を行うためのIC回路部24とを、備えて構成されている。そのIC回路部24は、上記アンテナ部22により受信される受信信号の復調・復号等の処理乃至そのアンテナ部22から送信される送信信号の符号化・変調等の処理を行うための無線部26と、音及び/又は光により報知出力を行うための報知部28と、上記無線部26による上記アクセスポイント14との間の無線通信を制御すると共に上記報知部26による報知出力を制御する制御部30とを、備えている。この制御部30は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、そのROM乃至RAMには各物品タグ18の識別情報であるIDが記憶されている。また、上記報知部28は、後述するように予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものである。なお、この物品タグ18は、好適には、上記IC回路部24を作動させるための図示しない電源を有するアクティブタグである。
【0020】
図3は、前記検索者タグ20の構成を説明するブロック線図である。この図3に示すように、前記検索者タグ20は、前記アクセスポイント14との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部32と、そのアンテナ部32に接続されて前記アクセスポイント14との間の無線通信制御をはじめとする各種制御を行うためのIC回路部34とを、備えて構成されている。そのIC回路部34は、上記アンテナ部32により受信される受信信号の復調・復号等の処理乃至そのアンテナ部32から送信される送信信号の符号化・変調等の処理を行うための無線部36と、前記無線検索システム10による検索に係る種々の情報の表示を行うための表示部38と、前記検索者タグ20を用いての検索に係る種々の操作を行うための操作部40と、上記無線部36による上記アクセスポイント14との間の無線通信制御、上記表示部38による表示制御、及び上記操作部40による操作に応じた種々の制御を実行する制御部42とを、備えている。この制御部42は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、そのROM乃至RAMには各検索者タグ20の識別情報であるIDが記憶されている。なお、この検索者タグ20は、好適には、上記IC回路部34を作動させるための電源を有するアクティブタグである。
【0021】
図4は、前記アクセスポイント14の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記アクセスポイント14は、前記物品タグ18乃至検索者タグ20等との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部44と、そのアンテナ部44に接続されて前記物品タグ18乃至検索者タグ20との間の無線通信制御をはじめとする各種制御を行うための通信制御装置46とを、備えて構成されている。その通信制御装置46は、上記アンテナ部44により受信される受信信号の復調・復号等の処理乃至そのアンテナ部44から送信される送信信号の符号化・変調等の処理を行うための無線部48と、前記アンテナ部44により受信された受信信号(例えば無線部48により復調された復調信号)の信号強度を検出するためのRSSI検出部50と、前記サーバ12との間で有線乃至無線での情報の通信を行うための通信インターフェイス52と、上記無線部48による前記物品タグ18乃至検索者タグ20との間の無線通信制御、上記RSSI検出部50による信号強度検出制御、及び上記通信インターフェイス52による前記サーバ12との間の情報通信制御等を実行する制御部54とを、備えて構成されている。この制御部54は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、そのROM乃至RAMには各アクセスポイント14の識別情報であるIDが記憶されている。なお、本実施例において、前記サーバ12と各アクセスポイント14とは、LAN56により有線接続されており、そのLAN56を介して前記サーバ12と各アクセスポイント14との間で情報の通信が可能とされている。
【0022】
図5は、前記サーバ12の構成を説明するブロック線図である。この図5に示すように、前記サーバ12は、上記LAN56を介して各アクセスポイント14との間で情報の通信を行うための通信インターフェイス58と、各アクセスポイント14による移動局との通信結果に応じてその移動局が何れの検索範囲に存在するかを判定する測位演算部60と、前記無線検索システム10による検索に係る種々の入力操作を行うための入力部62と、上記測位演算部60による検索範囲の判定制御、及び上記入力部62による入力操作に応じた種々の制御を実行するCPU64と、ROM乃至RAM等の記憶部66と、前記無線検索システム10に関する各種情報を記憶する記憶装置としてのデータベース68とを、備えて構成されている。すなわち、前記サーバ12は、上記記憶部66の一時記憶機能を利用しつつその記憶部66に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン型コンピュータであり、前記無線検索システム10による無線検索を統合的に制御する。なお、前記端末16は、このサーバ12を操作するための端末装置として機能するものであるが、本実施例では特にその構成を説明しない。
【0023】
上記データベース68は、例えばハードディスク等の記憶装置を主体として構成されるものであり、前記無線検索システム10における複数の物品タグ18それぞれのIDが、各物品タグ18に対応する物品(すなわちそのタグが貼り付けられた物品)の名前(例えばカメラ、車の鍵等)と関連づけられて記憶されている。また、前記無線検索システム10における複数の検索者タグ20それぞれのIDが、各検索者タグ20に対応する利用者の氏名と関連づけられて記憶されている。また、前記無線検索システム10に設置された複数のアクセスポイント14それぞれのIDが、各アクセスポイント14の検索範囲の名前(例えば1階第1倉庫、2階第2倉庫等)と関連づけられて記憶されている。また、後述するように、前記無線検索システム10において所定の検索者タグ20による検索が開始された際、その検索者タグ20に対応する反応パターン(物品タグ18の報知部28による報知出力パターン)等、その検索者タグ20による検索に係る各種の情報が記憶されるようになっている。
【0024】
ここで、前記CPU64には、前記無線検索システム10による無線検索に係る制御機能として、移動局登録部70、基地局判定部72、及び報知指令部74を備えている。本実施例において、これら移動局登録部70、基地局判定部72、及び報知指令部74は、例えばそれぞれ制御プログラムとして前記記憶部66に記憶され、必要に応じて読み出されて実行されることで前記CPU64を以下に説明する各制御手段として機能させるものであるが、それぞれ前記CPU64とは別体の制御装置として備えられるものであってもよい。
【0025】
上記移動局登録部70は、検索に係る前記物品タグ18及び検索者タグ20それぞれの識別情報を登録する。例えば、所定の検索者タグ20により所定の物品タグ18の検索が開始された場合、その検索者タグ20によりその物品タグ18の検索が行われている旨を前記データベース68等に記憶させる。好適には、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として登録された場合、その物品タグ18の検索中フラグを立てる。この検索中フラグは、前記検索者タグ20からの検索開始要求があった場合に、その検索者タグ20による検索開始(検索モード開始)と同時に立てられる一方、その検索者タグ20による所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものである。上記移動局登録部70は、例えばその物品タグ18を検索中である検索者タグ20における操作部40に備えられた所定のボタンが押された場合(その操作に対応する信号がアクセスポイント14を介して受信された場合)に対応する検索中フラグを下げる。また、所定の物品タグ18に関して検索中フラグが立ててから所定時間が経過した際にその検索中フラグが未だ立っている場合にはその検索中フラグを自動的に下げる。
【0026】
また、前記移動局登録部70は、好適には、所定の物品タグ18に対応して同時に2つ以上の検索者タグ20に対応する検索が行われないように(換言すれば、1つの物品タグ18に対応しては同時に1つの検索者タグ20のみにより検索が行われるように)制御する。具体的には、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として前記データベース68に登録されている場合すなわちその物品タグ18の検索中フラグが立っている場合には、新たにその物品タグ18の検索を開始させない。すなわち、そのように検索中フラグが立っている物品タグ18に対応して別の検索者タグ20からの検索開始要求がなされた場合には、その検索者タグ20による新たな検索は許可しない一方、その検索者タグ20に対して対象となる物品タグ18は検索中である旨の通知を行う。この通知に応じて、その検索者タグ20の表示部38にその旨の表示が行われる。更に、前記移動局登録部70は、好適には、その検索者タグ20に係る情報を前記データベース68にログとして記憶するものである。このログは、先に対象となる物品タグ18に検索開始要求を行った検索者タグ20ほど上位となるように複数の検索者タグ20のIDを順位付けして記憶するものであり、前記移動局登録部70は、好適には、その対象となる物品タグ18の検索モードが解除されてその物品タグ18の検索中フラグが下げられた場合には、その物品タグ18に対応して記憶されたログの上位における検索者タグ20から順にその物品タグ18の検索が可能となった旨の通知を行う。なお、検索者への通知は表示に限らず、例えば音声によるものであってもよい。
【0027】
前記基地局判定部72は、前記移動局登録部70により登録された前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する。すなわち、前記測位演算部60による演算結果に基づいて、所定の物品タグ18の検索を行っている検索者タグ20及びその検索者タグ20による検索に係る物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する。ここで、前記測位演算部60は、好適には、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、何れか一方を切り捨てることでその移動局がそれら複数のアクセスポイント14のうち何れか1つのアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定する。例えば、図1に示す構成において、前記物品タグ18bが前記アクセスポイント14a及び14bにより検出された場合には、その物品タグ18bは前記アクセスポイント14a及び14bの何れか一方の通信領域内に存在すると判定する。斯かるアクセスポイント14の優先順位は、好適には予め定められたものである。
【0028】
前記基地局判定部72は、更に好適には、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数のアクセスポイント14のうちその移動局について前記RSSI検出部50により検出された信号強度に基づいて何れか1つのアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定する。すなわち、対象となる移動局との通信に関して各アクセスポイント14のRSSI検出部50により検出された信号強度を比較し、最も強い信号強度を検出したアクセスポイント14の通信領域内にその移動局が存在すると判定する。
【0029】
前記報知指令部74は、前記基地局判定部72により前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグ18に対して前記報知部28による報知出力を行う指令を送信する。すなわち、その報知部28により音及び/又は光により報知出力を行うように対象となる物品タグ18に反応開始要求を送信する。ここで、前記物品タグ18に備えられた報知部28は、好適には、音及び光それぞれに関して複数パターンの報知出力が設定可能とされている。例えば、音に関して第1パターン「ブー、ブー、・・・」、第2パターン「ピピッ、ピピッ、・・・」、第3パターン「ピー、ピー、・・・」等というように、報知出力の違いが認識できる程度に異なる複数種類の音声パターンが選択的に設定可能とされている。また、光に関しても同様に、報知出力の違いが認識できる程度に異なる複数種類の発光パターンが選択的に設定可能とされている。前記報知指令部74は、前記移動局登録部70により所定の検索者タグ20が検索に係る検索者タグ20として登録された場合、斯かる複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかをその検索者タグ20に対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグ18に対して送信する。また、その報知パターンをその検索者タグ20に係る報知パターンとして前記データベース68に登録する。
【0030】
以上のように構成された無線検索システム10では、所定の検索者タグ20による所定の物品タグ18の検索が以下のような流れで実行される。すなわち、先ず、(1)前記端末16によって検索対象である物品タグ18及び検索に係る検索者タグ20が選択(入力)される。次に、(2)前記サーバ12において、該当する物品タグ18及び検索者タグ20に対して位置検出用信号が送信される。次に、(3)前記アクセスポイント14を介して該当する移動局(物品タグ18及び検索者タグ20)との間で通信が行われる。次に、(4)移動局からの応答信号を受信したアクセスポイント14は、その応答信号に対応するID及び自局のIDを前記サーバ12へ送信する。次に、(5)前記サーバ12において前記物品タグ18及び検索者タグ20からの応答信号と各応答信号に対応するアクセスポイント14のIDの比較が行われる。次に、(6)各移動局からの応答信号に対応するアクセスポイント14のIDが一致している場合、対象となる物品タグ18に対して報知出力を行う指令を送信する。次に、(7)対象となる検索者タグ20に対して該当するアクセスポイント14に対応する名前を表示させるように制御を行う。次に、(8)前記検索者タグ20の操作部40において所定のボタン(ストップボタン)が押されることにより検索が終了させられる。以下、斯かる制御に関して、図6乃至図16を参照して詳しく説明する。
【0031】
図6は、前記端末16の制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図6に示す制御は、必ずしも前記端末16によって実行されるものでなくともよく、例えば前記サーバ12のCPU64により実行されるものであっても構わない。
【0032】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)ST1において、前記端末16による所定の操作に応じて前記サーバ12のデータベース68に記憶された各物品タグ18の名前が読み出され、探し物リストとしてその端末16に表示される。次に、ST2において、前記端末16による所定の操作に応じて探し物リストの中から所定の物品の名前が選択されると共に利用者の名前が入力されると、その物品に係る物品タグ18のID及び利用者に係る検索者タグ20のIDが前記サーバ12へ送信された後、本ルーチンが終了させられる。このST2において送信される信号T11に応じて、前記サーバ12において図7のSS1以下の処理が実行される。
【0033】
図7は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0034】
先ず、信号T11に応じての処理であるSS1において、前記端末16から検索に係る物品タグ18及び検索者タグ20それぞれのIDが受信される。次に、SS2において、全てのアクセスポイント14に対してSS1にて受信されたIDに対応する物品タグ18及び検索者タグ20の位置検出用要求信号が送信され、検索モードが開始される。すなわち、その物品タグ18及び検索者タグ20に関して検索中フラグが立てられる。このSS2において送信される信号T21に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA1以下の処理が実行される。次に、信号T24に応じての処理であるSS3において、前記アクセスポイント14から検索に係る物品タグ18に対応する応答信号が受信される。次に、信号T27に応じての処理であるSS4において、前記アクセスポイント14から検索に係る検索者タグ20に対応する応答信号が受信される。次に、SS5において、SS3にて受信された物品タグ18に係る応答信号とSS4にて受信された検索者タグ20に係る応答信号とが同一のアクセスポイント14からの発信であるか否かが判断される。このSS5の判断が否定される場合には、SS2以下の処理が再び実行されるが、SS5の判断が肯定される場合には、前記報知指令部74の動作に対応するSS6において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る物品タグ18の報知部28による反応開始要求信号乃至その反応パターンの種類を指定する信号が送信される。このSS6において送信される信号T31に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA8以下の処理が実行される。次に、SS7において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る検索者タグ20にそのアクセスポイント14の名前を表示させるように要求するAP名表示要求信号が送信される。このSS7において送信される信号T61に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA10以下の処理が実行される。次に、SS8において、検索に係る検索者タグ20から検索モード停止要求があったか否かが判断される。このSS8の判断が否定される場合には、その判断が繰り返されることにより待機させられるが、SS8の判断が肯定される場合には、SS9において、その検索者タグ20に係る検索モードが停止させられる。すなわち、検索に係る物品タグ18及び検索者タグ20に関して検索中フラグが下げられる。次に、SS10において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る物品タグ18へ反応停止要求信号が発信された後、本ルーチンが終了させられる。このSS10において送信される信号T51に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA14以下の処理が実行される。以上の制御において、SS1及びSS2が前記移動局登録部70の動作に、SS3乃至SS5が前記基地局判定部72の動作にそれぞれ対応する。
【0035】
図8は、前記アクセスポイント14の制御部54により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0036】
先ず、信号T21に応じての処理であるSA1において、前記サーバ12から位置検出用要求信号が受信される。次に、SA2において、SA1にて受信された信号(ID)に対応する物品タグ18に対して位置検出用要求信号が送信される。このSA2において送信される信号T22に応じて、対象となる物品タグ18において図9のSM1以下の処理が実行される。次に、SA3において、SA1にて受信された信号(ID)に対応する検索者タグ20に対して位置検出用要求信号が送信される。このSA3において送信される信号T25に応じて、対象となる検索者タグ20において図10のSH1以下の処理が実行される。次に、信号T23に応じての処理であるSA4において、前記物品タグ18から位置検出用応答信号が受信される。次に、SA5において、SA4にて受信された物品タグ18の位置検出用応答信号に自局のIDを追加した信号が前記サーバ12へ送信される。このSA5にて送信される信号T24に応じて、前記サーバ12において図7のSS3以下の処理が実行される。次に、信号T26に応じての処理であるSA6において、前記検索者タグ20から位置検出用応答信号が受信される。次に、SA7において、SA6にて受信された検索者タグ20の位置検出用応答信号に自局のIDを追加した信号が前記サーバ12へ送信される。このSA7にて送信される信号T27に応じて、前記サーバ12において図7のSS4以下の処理が実行される。次に、信号T31に応じての処理であるSA8において、前記サーバ12から所定の物品タグ18に対する反応開始要求信号が受信される。次に、SA9において、SA8にて受信された信号に対応する物品タグ18へ反応開始要求信号が送信される。このSA9において送信される信号T32に応じて、前記物品タグ18において図9に示すSM3以下の処理が実行される。次に、信号T61に応じての処理であるSA10において、自局(アクセスポイント14)の名前を表示させるように要求するAP名表示要求信号が受信される。次に、SA11において、対象となる検索者タグ20に対して自局のAP名表示要求信号が送信される。このSA11において送信される信号T62に応じて、前記検索者タグ20において図10に示すSH3以下の処理が実行される。次に、信号T41に応じての処理であるSA12において、前記検索者タグ20からの検索モード停止要求信号が受信される。次に、SA13において、SA12にて受信された検索モード停止要求信号が前記サーバ12へ送信される。このSA13において送信される信号T42に応じて、前記サーバ12において図7に示すSS8以下の処理が実行される。次に、信号T51に応じての処理であるSA14において、前記サーバ12から所定の物品タグ18に対する反応停止要求信号が受信される。次に、SA15において、SA14にて受信された反応停止要求信号が対象となる物品タグ18に送信された後、本ルーチンが終了させられる。このSA15において送信される信号T52に応じて、前記物品タグ18において図9に示すSM5以下の処理が実行される。
【0037】
図9は、前記物品タグ18の制御部30により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0038】
先ず、信号T22に応じての処理であるSM1において、前記アクセスポイント14から位置検出用要求信号が受信される。次に、SM2において、SM1にて受信された位置検出用要求信号に応じて位置検出用応答信号が前記アクセスポイント14へ送信される。このSM2において送信される信号T23に応じて、前記アクセスポイント14において図8に示すSA4以下の処理が実行される。また、信号T32に応じての処理であるSM3において、前記アクセスポイント14から反応開始要求信号乃至その反応パターンの種類を指定する信号が受信される。次に、SM4において、前記報知部28により音及び/又は光により指定された反応パターンにて報知出力が開始される。また、信号T52に応じての処理であるSM5において、前記アクセスポイント14から反応停止要求信号が受信される。次に、SM6において、前記報知部28による音及び/又は光による報知出力が停止させられた後、本ルーチンが終了させられる。
【0039】
図10は、前記検索者タグ20の制御部42により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0040】
先ず、信号T25に応じての処理であるSH1において、前記アクセスポイント14から位置検出用要求信号が受信される。次に、SH2において、SH1にて受信された位置検出用要求信号に応じて位置検出用応答信号が前記アクセスポイント14へ送信される。このSH2において送信される信号T26に応じて、前記アクセスポイント14において図8に示すSA6以下の処理が実行される。次に、信号T62に応じての処理であるSH3において、前記アクセスポイント14からそのアクセスポイント14の名前を表示させるように要求するAP名表示要求信号が受信される。次に、SH4において、SH3にて受信された信号に対応するアクセスポイント14の名前が前記表示部38に表示される。次に、SH5において、前記操作部40におけるストップボタンが押されたか否かが判断される。このSH5の判断が否定されるうちは、その判断が繰り返されることにより待機させられるが、SH5の判断が肯定される場合には、SH6において、検索モード停止要求信号が前記アクセスポイント14へ送信された後、本ルーチンが終了させられる。このSH6において送信される信号T41に応じて、前記アクセスポイント14において図8に示すSA12以下の処理が実行される。
【0041】
このように、本実施例によれば、前記移動局として、音及び/又は光により報知出力を行う報知部28を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグ18と、検索者によって携行されて用いられる検索者タグ20とを、備え、前記サーバ12は、検索に係る前記物品タグ18及び検索者タグ20それぞれの識別情報を登録する移動局登録部70(SS1及びSS2)と、その移動局登録部70により登録された前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部72(SS3乃至SS5)と、その基地局判定部72により前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグ18に対して前記報知部28による報知出力を行う指令を送信する報知指令部74(SS6)とを、備えたものであることから、検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在する場合には、その物品タグ18から音及び/又は光による報知を出力させることで、その検索に係る物品タグ18を容易に発見することができる。すなわち、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システム10を提供することができる。
【0042】
また、前記基地局判定部72は、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、その移動局がそれら複数のアクセスポイント14のうち何れか1つのアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定するものであるため、複数のアクセスポイント14に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応するアクセスポイント14を好適に決定することができる。
【0043】
また、前記アクセスポイント14は、前記移動局からの返信信号の信号強度を検出する信号強度検出部としてのRSSI検出部50を備え、前記基地局判定部72は、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数のアクセスポイント14のうちその移動局について最も強い信号強度を検出したアクセスポイント14の通信領域内にその移動局が存在すると判定するものであるため、複数のアクセスポイント14に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応するアクセスポイント14を実用的な態様で好適に決定することができる。
【0044】
また、前記移動局登録部70は、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として登録された場合、その物品タグ18の検索中フラグを立てるものであり、その検索中フラグは所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものであるため、検索中である物品タグ18に関して他の検索者による検索要求が行われた場合等において、その物品タグ18が検索中であることを好適に通知することができる。
【0045】
また、前記報知部28は、予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものであり、前記報知指令部74は、前記移動局登録部70により所定の検索者タグ20が検索に係る検索者タグ20として登録された場合、前記複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかをその検索者タグ20に対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグ18に対して送信するものであるため、複数の検索者が同時に検索を行っている場合において、各検索者の検索対象である物品タグ18の反応が混同しないように、それぞれの検索者に個別の報知パターンを設定することができる。
【0046】
続いて、本実施例の無線検索システム10におけるサーバ12のCPU64乃至検索者タグ20の制御部42による制御の他の態様について、図11乃至図16のフローチャートを用いて説明する。なお、これらのフローチャートに関して、前述した図6乃至図10に示す制御と共通のステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図11は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の他の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、前述したSS4の処理に続くSS11において、SS2において検索中フラグが立てられてから予め定められた設定時間内であるか否かが判断される。このSS11の判断が肯定される場合には、前述したSS5以下の処理が実行されるが、SS11の判断が否定される場合には、前述したSS9以下の処理が実行される。また、前述したSS6の処理に続くSS13において、対象となる物品タグ18へ反応開始要求信号が送信されてから予め定められた設定時間内であるか否かが判断される。このSS13の判断が否定される場合には、前述したSS9以下の処理が実行されるが、SS13の判断が肯定される場合には、SS14において、前記アクセスポイント14から検索に係る検索者タグ20に係る検索モード停止要求があったか否かが判断される。このSS14の判断が否定される場合には、SS13以下の処理が再び実行されるが、SS14の判断が肯定される場合には、前述したSS9以下の処理が実行される。以上の制御において、SS11乃至SS14が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0048】
このように、本実施例において、前記移動局登録部70(SS11乃至SS14)は、前記検索中フラグを立ててから所定時間が経過した際にその検索中フラグが未だ立っている場合にはその検索中フラグを自動的に下げるものであるため、例えば所定の物品タグ18の検索中フラグが立てられた後、何らかの事情でその検索が打ち切られたり忘れられた場合等において、検索モードを終了することができる。また、前記物品タグ18へ報知指令が出力されてから所定時間が経過した後に未だ報知停止指令が出されていない場合には自動的に報知停止指令を出すものであるため、何らかの理由で対象となる物品タグ18において報知出力が無駄に継続することを好適に抑制することができる。
【0049】
図12は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、前述したSS7の処理に続く信号T71に応じての処理であるSS15において、前記アクセスポイント14から検索に係る検索者タグ20に対応する検索中フラグ取り下げ要求があったか否かが判断される。このSS15の判断が否定される場合には、前述したSS8以下の処理が実行されるが、SS15の判断が肯定される場合には、SS16において、対象となる物品タグ18に係る検索中フラグが下げられる。次に、SS17において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る物品タグ18へ反応停止要求信号が発信される。このSS17において送信される信号T51に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA14以下の処理が実行される。次に、SS18において、前記データベース68からログに記憶された次の検索者のIDが読み出される。次に、SS19において、前記データベース68のログに次の検索者のIDが記憶されていたか否かが判断される。このSS19の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SS19の判断が肯定される場合には、SS20において、前記データベース68のログに記憶された上位のIDに係る検索者から対応する検索者タグ20へ、対象となる物品タグ18の検索が可能となった旨の告知が行われる。このSS20において送信される信号T29に応じて、前記検索者タグ20において図13に示すSH7以下の処理が実行される。次に、SS21において、所定の検索者タグ20から検索開始要求があったか否かが判断される。このSS21の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SS21の判断が肯定される場合には、前述したSS2以下の処理が実行される。以上の制御において、SS15及びSS16が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0050】
図13は、前記サーバ12による図12の制御に対応して、前記検索者タグ20の制御部42により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、信号T29に応じての処理であるSH7において、所定の物品タグ18の検索が可能となった旨が前記表示部38に表示される。また、前述したSH4の処理に続くSH8において、タイマによる時間計測が開始される。次に、SH9において、SH8にて時間計測が開始されてから所定の制限時間内であるか否かが判断される。このSH9の判断が否定される場合には、SH10において、検索中フラグ取り下げ要求信号が前記アクセスポイント14へ送信された後、本ルーチンが終了させられるが、SH9の判断が肯定される場合には、SH11において、前記操作部40においてストップボタンが押されたか否かが判断される。このSH11の判断が否定される場合には、SH9以下の処理が実行されるが、SH11の判断が肯定される場合には、前述したSH6以下の処理が実行される。
【0051】
このように、本実施例において、前記移動局登録部70(SS15及びSS16)は、前記検索者タグ20において所定の操作が行われた場合に前記検索中フラグを下げるものであるため、前記検索者タグ20における簡単な操作に応じて検索中フラグを下げ、検索モードを終了することができる。
【0052】
図14は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の更に別の一例を、前記端末16の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。この制御では、前述したSS1の処理に続くSS22において、SS1にて受信された検索要求に係る物品タグ18のIDが検索中でないか否かが判断される。このSS22の判断が肯定される場合には、前述したSS2以下の処理が実行されるが、SS22の判断が否定される場合には、SS23において、他の利用者に係る検索者タグ20により対象となる無線タグ18が検索中である旨が前記端末16により告知されると共に検索が中断された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SS22及びSS23が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0053】
このように、本実施例において、前記移動局登録部70(SS22及びSS23)は、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として登録された場合であって、その物品タグ18の検索中フラグが立っている場合には、新たにその物品タグの検索を開始させないものであるため、検索中である物品タグ18に関して他の検索者による検索要求が行われた場合において、その物品タグ18の新たな検索を不許可とすることで、検索のバッティングを好適に防止することができる。
【0054】
図15は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の更に別の一例を、前記端末16の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。この制御では、前述したSS23の処理に続くSS24において、SS23にての検索中断に係る検索者タグ20のIDが、前記データベース68における依頼ログに追加(記憶)された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SS24が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0055】
このように、本実施例によれば、前記移動局登録部70(SS24)は、所定の物品タグ18の検索中フラグが立っている場合にその検索中フラグに係る検索者タグ20とは別の検索者タグ20からの検索開始要求がなされた場合には、その検索者タグ20にその物品タグ18は検索中である旨の通知を行うと共にその検索者タグ20に係る情報を記憶装置である前記データベース68にログとして記憶するものであるため、既に検索中である物品タグ18に検索開始要求を行った検索者タグ20にその物品タグ18が検索中である旨を好適に通知できると共に、その検索者タグ20の情報をログとして残すことで、次にその検索者タグ20に優先して検索を許可する等の制御が可能とされる。
【0056】
図16は、検索中フラグが自動的に下げられる場合において前記サーバ12のCPU64により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、先ず、SS25において、検索中フラグが立ってから所定時間が経過する等してその検索中フラグが自動取り下げされるか否かが判断される。このSS25の判断が否定されるうちは、判断が繰り返されることにより待機させられるが、SS25の判断が肯定される場合には、SS25において、対象となる物品タグ18が反応中であるか否かが判断される。このSS26の判断が肯定される場合には、前述したSS17以下の処理が実行されるが、SS26の判断が否定される場合には、前述したSS18以下の処理が実行される。
【0057】
このように、本実施例によれば、前記移動局登録部70は、前記検索中フラグを自動的に下げた場合において、その検索中フラグに係る物品タグ18に関連づけられて前記データベース68に記憶された検索者タグ20に対してその物品タグ18の検索が可能となった旨の通知を行うものであるため、他の検索者タグ20による前記物品タグ18の検索中にその物品タグ18に検索開始要求を行った検索者タグ20に優先してその物品タグの検索を行わしめることができる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0059】
例えば、前述の実施例において、前記サーバ12と複数のアクセスポイント14とは、LAN56を介して有線接続されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば無線LAN乃至他の通信手段を用いて無線接続されるものであってもよい。更に、前記無線検索システム10において、前記端末16は必ずしも設けられなくともよい。
【0060】
また、前述の実施例において、前記サーバ12は、前記測位演算部60を備えてると共に前記CPU64の制御機能としての基地局判定部72を備え、それら測位演算部60及び基地局判定部72により検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定するものであったが、それら測位演算部60及び基地局判定部72の機能を有する単一の制御装置乃至制御機能により斯かる制御が行われるものであってもよい。
【0061】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明が好適に適用される無線検索システムを説明する図である。
【図2】図1の無線検索システムにおける移動局である物品タグの構成を説明するブロック線図である。
【図3】図1の無線検索システムにおける移動局である検索者タグの構成を説明するブロック線図である。
【図4】図1の無線検索システムにおける基地局であるアクセスポイントの構成を説明するブロック線図である。
【図5】図1の無線検索システムにおけるサーバの構成を説明するブロック線図である。
【図6】図1の無線検索システムにおける端末の制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図7】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図4に示すアクセスポイントの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図9】図2に示す物品タグの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図10】図3に示す検索者タグの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図11】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図12】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図13】図12の制御に対応して、図3に示す検索者タグの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図14】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の更に別の一例を、端末の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。
【図15】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の更に別の一例を、端末の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。
【図16】検索中フラグが自動的に下げられる場合において図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10:無線検索システム
12:サーバ
14:アクセスポイント(基地局)
18:物品タグ(移動局)
20:検索者タグ(移動局)
28:報知部
50:RSSI検出部(信号強度検出部)
68:データベース(記憶装置)
70:移動局登録部
72:基地局判定部
74:報知指令部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線機器を利用した無線検索システムに関し、特に、その検索を簡便且つ迅速なものとするための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバと、そのサーバとの間で情報の送受信が可能である複数の基地局とを、備え、その基地局と移動局との間の無線通信によりその移動局を検索する無線検索システムが知られている。例えば、特許文献1に記載された移動体通信における位置管理方式がそれである。この技術では、検索対象となる移動局は近接される基地局に対して位置登録を行い、その登録した基地局を介して交換局(サーバ)で移動局の存在位置を検索する構成により、その交換局において即時に移動局の位置を確認してその位置管理を適切に実行することができるとされている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−168074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述したような従来の無線検索システムを家庭やSOHO(Small Office Home Office)等に導入することを考えた場合、設備コストや初期時における手間等が比較的大きく、導入し難いという弊害があった。また、対象となる移動局の検索が正常に完了しても、物陰に隠れている場合等には更にそこから探す手間が生じ、その移動局に対応する目的の物品を見つけだすまでに時間がかかるといった不具合があった。このため、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムの開発が求められていた。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、サーバと、そのサーバとの間で情報の送受信が可能である複数の基地局とを、備え、その基地局と移動局との間の無線通信によりその移動局を検索する無線検索システムであって、前記移動局として、音及び/又は光により報知出力を行う報知部を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグと、検索者によって携行されて用いられる検索者タグとを、備え、前記サーバは、検索に係る前記物品タグ及び検索者タグそれぞれの識別情報を登録する移動局登録部と、その移動局登録部により登録された前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部と、その基地局判定部により前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグに対して前記報知部による報知出力を行う指令を送信する報知指令部とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
このようにすれば、前記移動局として、音及び/又は光により報知出力を行う報知部を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグと、検索者によって携行されて用いられる検索者タグとを、備え、前記サーバは、検索に係る前記物品タグ及び検索者タグそれぞれの識別情報を登録する移動局登録部と、その移動局登録部により登録された前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部と、その基地局判定部により前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグに対して前記報知部による報知出力を行う指令を送信する報知指令部とを、備えたものであることから、検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在する場合には、その物品タグから音及び/又は光による報知を出力させることで、その検索に係る物品タグを容易に発見することができる。すなわち、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システムを提供することができる。
【0008】
ここで、好適には、前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、その移動局がそれら複数の基地局のうち何れか1つの基地局の通信領域内に存在すると判定するものである。このようにすれば、複数の基地局に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応する基地局を好適に決定することができる。
【0009】
また、好適には、前記基地局は、前記移動局からの返信信号の信号強度を検出する信号強度検出部を備え、前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数の基地局のうちその移動局について最も強い信号強度を検出した基地局の通信領域内にその移動局が存在すると判定するものである。このようにすれば、複数の基地局に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応する基地局を実用的な態様で好適に決定することができる。
【0010】
また、好適には、前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合、その物品タグの検索中フラグを立てるものであり、その検索中フラグは所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものである。このようにすれば、検索中である物品タグに関して他の検索者による検索要求が行われた場合等において、その物品タグが検索中であることを好適に通知することができる。
【0011】
また、好適には、前記移動局登録部は、前記検索者タグにおいて所定の操作が行われた場合に前記検索中フラグを下げるものである。このようにすれば、前記検索者タグにおける簡単な操作に応じて検索中フラグを下げ、検索モードを終了することができる。
【0012】
また、好適には、前記移動局登録部は、前記検索中フラグを立ててから所定時間が経過した際にその検索中フラグが未だ立っている場合にはその検索中フラグを自動的に下げるものである。このようにすれば、例えば所定の物品タグの検索中フラグが立てられた後、何らかの事情でその検索が打ち切られたり忘れられた場合等において、検索モードを終了することができる。
【0013】
また、好適には、前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合であって、その物品タグの検索中フラグが立っている場合には、新たにその物品タグの検索を開始させないものである。このようにすれば、検索中である物品タグに関して他の検索者による検索要求が行われた場合において、その物品タグの新たな検索を不許可とすることで、検索のバッティングを好適に防止することができる。
【0014】
また、好適には、前記移動局登録部は、所定の物品タグの検索中フラグが立っている場合にその検索中フラグに係る検索者タグとは別の検索者タグからの検索開始要求がなされた場合には、その検索者タグにその物品タグは検索中である旨の通知を行うと共にその検索者タグに係る情報を記憶装置にログとして記憶するものである。このようにすれば、既に検索中である物品タグに検索開始要求を行った検索者タグにその物品タグが検索中である旨を好適に通知できると共に、その検索者タグの情報をログとして残すことで、次にその検索者タグに優先して検索を許可する等の制御が可能とされる。
【0015】
また、好適には、前記移動局登録部は、前記検索中フラグを自動的に下げた場合において、その検索中フラグに係る物品タグに関連づけられて前記記憶装置に記憶された検索者タグに対してその物品タグの検索が可能となった旨の通知を行うものである。このようにすれば、他の検索者タグによる前記物品タグの検索中にその物品タグに検索開始要求を行った検索者タグに優先してその物品タグの検索を行わしめることができる。
【0016】
また、好適には、前記報知部は、予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものであり、前記報知指令部は、前記移動局登録部により所定の検索者タグが検索に係る検索者タグとして登録された場合、前記複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかをその検索者タグに対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグに対して送信するものである。このようにすれば、複数の検索者が同時に検索を行っている場合において、各検索者の検索対象である物品タグの反応が混同しないように、それぞれの検索者に個別の報知パターンを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明が好適に適用される無線検索システム10を説明する図である。この図1に示すように、本実施例の無線検索システム10は、少なくとも1つのサーバ12と、そのサーバ12との間で有線乃至無線での情報の送受信が可能とされた基地局である複数(図1では2つ)のアクセスポイント14a、14b(以下、特に区別しない場合には単にアクセスポイント14という)と、上記サーバ12における種々の操作を行うための端末16とを、備え、基地局すなわち上記アクセスポイント14と移動局との間の無線通信によりその移動局を検索する所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムである。この移動局として、検索対象である物品に貼り付けられる等固定されて用いられる少なくとも1つ(図1では3つ)の物品タグ18a、18b、18c(以下、特に区別しない場合には単に物品タグ18という)と、検索者によって携行されて用いられる少なくとも1つ(図1では2つ)の検索者タグ20a、20b(以下、特に区別しない場合には単に検索者タグ20という)とを、備えている。ここで、上記無線検索システム10の検索範囲は、例えば図1に示すように複数の範囲(図1では2つの階)に分かれており、好適には、それぞれの範囲に対応して上記アクセスポイント14が設置されている。例えば、A1に対応して上記アクセスポイント14aが、第2範囲A2に対応して上記アクセスポイント14bがそれぞれ設置されている。斯かる態様において、上記アクセスポイント14aは少なくとも第1範囲A1を通信範囲として網羅し、上記アクセスポイント14bは少なくとも第2範囲A2を通信範囲として網羅している。
【0019】
図2は、上記物品タグ18の構成を説明するブロック線図である。この図2に示すように、上記物品タグ18は、上記アクセスポイント14との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部22と、そのアンテナ部22に接続されて上記アクセスポイント14との間の無線通信制御をはじめとする各種制御を行うためのIC回路部24とを、備えて構成されている。そのIC回路部24は、上記アンテナ部22により受信される受信信号の復調・復号等の処理乃至そのアンテナ部22から送信される送信信号の符号化・変調等の処理を行うための無線部26と、音及び/又は光により報知出力を行うための報知部28と、上記無線部26による上記アクセスポイント14との間の無線通信を制御すると共に上記報知部26による報知出力を制御する制御部30とを、備えている。この制御部30は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、そのROM乃至RAMには各物品タグ18の識別情報であるIDが記憶されている。また、上記報知部28は、後述するように予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものである。なお、この物品タグ18は、好適には、上記IC回路部24を作動させるための図示しない電源を有するアクティブタグである。
【0020】
図3は、前記検索者タグ20の構成を説明するブロック線図である。この図3に示すように、前記検索者タグ20は、前記アクセスポイント14との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部32と、そのアンテナ部32に接続されて前記アクセスポイント14との間の無線通信制御をはじめとする各種制御を行うためのIC回路部34とを、備えて構成されている。そのIC回路部34は、上記アンテナ部32により受信される受信信号の復調・復号等の処理乃至そのアンテナ部32から送信される送信信号の符号化・変調等の処理を行うための無線部36と、前記無線検索システム10による検索に係る種々の情報の表示を行うための表示部38と、前記検索者タグ20を用いての検索に係る種々の操作を行うための操作部40と、上記無線部36による上記アクセスポイント14との間の無線通信制御、上記表示部38による表示制御、及び上記操作部40による操作に応じた種々の制御を実行する制御部42とを、備えている。この制御部42は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、そのROM乃至RAMには各検索者タグ20の識別情報であるIDが記憶されている。なお、この検索者タグ20は、好適には、上記IC回路部34を作動させるための電源を有するアクティブタグである。
【0021】
図4は、前記アクセスポイント14の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記アクセスポイント14は、前記物品タグ18乃至検索者タグ20等との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部44と、そのアンテナ部44に接続されて前記物品タグ18乃至検索者タグ20との間の無線通信制御をはじめとする各種制御を行うための通信制御装置46とを、備えて構成されている。その通信制御装置46は、上記アンテナ部44により受信される受信信号の復調・復号等の処理乃至そのアンテナ部44から送信される送信信号の符号化・変調等の処理を行うための無線部48と、前記アンテナ部44により受信された受信信号(例えば無線部48により復調された復調信号)の信号強度を検出するためのRSSI検出部50と、前記サーバ12との間で有線乃至無線での情報の通信を行うための通信インターフェイス52と、上記無線部48による前記物品タグ18乃至検索者タグ20との間の無線通信制御、上記RSSI検出部50による信号強度検出制御、及び上記通信インターフェイス52による前記サーバ12との間の情報通信制御等を実行する制御部54とを、備えて構成されている。この制御部54は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、そのROM乃至RAMには各アクセスポイント14の識別情報であるIDが記憶されている。なお、本実施例において、前記サーバ12と各アクセスポイント14とは、LAN56により有線接続されており、そのLAN56を介して前記サーバ12と各アクセスポイント14との間で情報の通信が可能とされている。
【0022】
図5は、前記サーバ12の構成を説明するブロック線図である。この図5に示すように、前記サーバ12は、上記LAN56を介して各アクセスポイント14との間で情報の通信を行うための通信インターフェイス58と、各アクセスポイント14による移動局との通信結果に応じてその移動局が何れの検索範囲に存在するかを判定する測位演算部60と、前記無線検索システム10による検索に係る種々の入力操作を行うための入力部62と、上記測位演算部60による検索範囲の判定制御、及び上記入力部62による入力操作に応じた種々の制御を実行するCPU64と、ROM乃至RAM等の記憶部66と、前記無線検索システム10に関する各種情報を記憶する記憶装置としてのデータベース68とを、備えて構成されている。すなわち、前記サーバ12は、上記記憶部66の一時記憶機能を利用しつつその記憶部66に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン型コンピュータであり、前記無線検索システム10による無線検索を統合的に制御する。なお、前記端末16は、このサーバ12を操作するための端末装置として機能するものであるが、本実施例では特にその構成を説明しない。
【0023】
上記データベース68は、例えばハードディスク等の記憶装置を主体として構成されるものであり、前記無線検索システム10における複数の物品タグ18それぞれのIDが、各物品タグ18に対応する物品(すなわちそのタグが貼り付けられた物品)の名前(例えばカメラ、車の鍵等)と関連づけられて記憶されている。また、前記無線検索システム10における複数の検索者タグ20それぞれのIDが、各検索者タグ20に対応する利用者の氏名と関連づけられて記憶されている。また、前記無線検索システム10に設置された複数のアクセスポイント14それぞれのIDが、各アクセスポイント14の検索範囲の名前(例えば1階第1倉庫、2階第2倉庫等)と関連づけられて記憶されている。また、後述するように、前記無線検索システム10において所定の検索者タグ20による検索が開始された際、その検索者タグ20に対応する反応パターン(物品タグ18の報知部28による報知出力パターン)等、その検索者タグ20による検索に係る各種の情報が記憶されるようになっている。
【0024】
ここで、前記CPU64には、前記無線検索システム10による無線検索に係る制御機能として、移動局登録部70、基地局判定部72、及び報知指令部74を備えている。本実施例において、これら移動局登録部70、基地局判定部72、及び報知指令部74は、例えばそれぞれ制御プログラムとして前記記憶部66に記憶され、必要に応じて読み出されて実行されることで前記CPU64を以下に説明する各制御手段として機能させるものであるが、それぞれ前記CPU64とは別体の制御装置として備えられるものであってもよい。
【0025】
上記移動局登録部70は、検索に係る前記物品タグ18及び検索者タグ20それぞれの識別情報を登録する。例えば、所定の検索者タグ20により所定の物品タグ18の検索が開始された場合、その検索者タグ20によりその物品タグ18の検索が行われている旨を前記データベース68等に記憶させる。好適には、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として登録された場合、その物品タグ18の検索中フラグを立てる。この検索中フラグは、前記検索者タグ20からの検索開始要求があった場合に、その検索者タグ20による検索開始(検索モード開始)と同時に立てられる一方、その検索者タグ20による所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものである。上記移動局登録部70は、例えばその物品タグ18を検索中である検索者タグ20における操作部40に備えられた所定のボタンが押された場合(その操作に対応する信号がアクセスポイント14を介して受信された場合)に対応する検索中フラグを下げる。また、所定の物品タグ18に関して検索中フラグが立ててから所定時間が経過した際にその検索中フラグが未だ立っている場合にはその検索中フラグを自動的に下げる。
【0026】
また、前記移動局登録部70は、好適には、所定の物品タグ18に対応して同時に2つ以上の検索者タグ20に対応する検索が行われないように(換言すれば、1つの物品タグ18に対応しては同時に1つの検索者タグ20のみにより検索が行われるように)制御する。具体的には、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として前記データベース68に登録されている場合すなわちその物品タグ18の検索中フラグが立っている場合には、新たにその物品タグ18の検索を開始させない。すなわち、そのように検索中フラグが立っている物品タグ18に対応して別の検索者タグ20からの検索開始要求がなされた場合には、その検索者タグ20による新たな検索は許可しない一方、その検索者タグ20に対して対象となる物品タグ18は検索中である旨の通知を行う。この通知に応じて、その検索者タグ20の表示部38にその旨の表示が行われる。更に、前記移動局登録部70は、好適には、その検索者タグ20に係る情報を前記データベース68にログとして記憶するものである。このログは、先に対象となる物品タグ18に検索開始要求を行った検索者タグ20ほど上位となるように複数の検索者タグ20のIDを順位付けして記憶するものであり、前記移動局登録部70は、好適には、その対象となる物品タグ18の検索モードが解除されてその物品タグ18の検索中フラグが下げられた場合には、その物品タグ18に対応して記憶されたログの上位における検索者タグ20から順にその物品タグ18の検索が可能となった旨の通知を行う。なお、検索者への通知は表示に限らず、例えば音声によるものであってもよい。
【0027】
前記基地局判定部72は、前記移動局登録部70により登録された前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する。すなわち、前記測位演算部60による演算結果に基づいて、所定の物品タグ18の検索を行っている検索者タグ20及びその検索者タグ20による検索に係る物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する。ここで、前記測位演算部60は、好適には、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、何れか一方を切り捨てることでその移動局がそれら複数のアクセスポイント14のうち何れか1つのアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定する。例えば、図1に示す構成において、前記物品タグ18bが前記アクセスポイント14a及び14bにより検出された場合には、その物品タグ18bは前記アクセスポイント14a及び14bの何れか一方の通信領域内に存在すると判定する。斯かるアクセスポイント14の優先順位は、好適には予め定められたものである。
【0028】
前記基地局判定部72は、更に好適には、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数のアクセスポイント14のうちその移動局について前記RSSI検出部50により検出された信号強度に基づいて何れか1つのアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定する。すなわち、対象となる移動局との通信に関して各アクセスポイント14のRSSI検出部50により検出された信号強度を比較し、最も強い信号強度を検出したアクセスポイント14の通信領域内にその移動局が存在すると判定する。
【0029】
前記報知指令部74は、前記基地局判定部72により前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグ18に対して前記報知部28による報知出力を行う指令を送信する。すなわち、その報知部28により音及び/又は光により報知出力を行うように対象となる物品タグ18に反応開始要求を送信する。ここで、前記物品タグ18に備えられた報知部28は、好適には、音及び光それぞれに関して複数パターンの報知出力が設定可能とされている。例えば、音に関して第1パターン「ブー、ブー、・・・」、第2パターン「ピピッ、ピピッ、・・・」、第3パターン「ピー、ピー、・・・」等というように、報知出力の違いが認識できる程度に異なる複数種類の音声パターンが選択的に設定可能とされている。また、光に関しても同様に、報知出力の違いが認識できる程度に異なる複数種類の発光パターンが選択的に設定可能とされている。前記報知指令部74は、前記移動局登録部70により所定の検索者タグ20が検索に係る検索者タグ20として登録された場合、斯かる複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかをその検索者タグ20に対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグ18に対して送信する。また、その報知パターンをその検索者タグ20に係る報知パターンとして前記データベース68に登録する。
【0030】
以上のように構成された無線検索システム10では、所定の検索者タグ20による所定の物品タグ18の検索が以下のような流れで実行される。すなわち、先ず、(1)前記端末16によって検索対象である物品タグ18及び検索に係る検索者タグ20が選択(入力)される。次に、(2)前記サーバ12において、該当する物品タグ18及び検索者タグ20に対して位置検出用信号が送信される。次に、(3)前記アクセスポイント14を介して該当する移動局(物品タグ18及び検索者タグ20)との間で通信が行われる。次に、(4)移動局からの応答信号を受信したアクセスポイント14は、その応答信号に対応するID及び自局のIDを前記サーバ12へ送信する。次に、(5)前記サーバ12において前記物品タグ18及び検索者タグ20からの応答信号と各応答信号に対応するアクセスポイント14のIDの比較が行われる。次に、(6)各移動局からの応答信号に対応するアクセスポイント14のIDが一致している場合、対象となる物品タグ18に対して報知出力を行う指令を送信する。次に、(7)対象となる検索者タグ20に対して該当するアクセスポイント14に対応する名前を表示させるように制御を行う。次に、(8)前記検索者タグ20の操作部40において所定のボタン(ストップボタン)が押されることにより検索が終了させられる。以下、斯かる制御に関して、図6乃至図16を参照して詳しく説明する。
【0031】
図6は、前記端末16の制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図6に示す制御は、必ずしも前記端末16によって実行されるものでなくともよく、例えば前記サーバ12のCPU64により実行されるものであっても構わない。
【0032】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)ST1において、前記端末16による所定の操作に応じて前記サーバ12のデータベース68に記憶された各物品タグ18の名前が読み出され、探し物リストとしてその端末16に表示される。次に、ST2において、前記端末16による所定の操作に応じて探し物リストの中から所定の物品の名前が選択されると共に利用者の名前が入力されると、その物品に係る物品タグ18のID及び利用者に係る検索者タグ20のIDが前記サーバ12へ送信された後、本ルーチンが終了させられる。このST2において送信される信号T11に応じて、前記サーバ12において図7のSS1以下の処理が実行される。
【0033】
図7は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0034】
先ず、信号T11に応じての処理であるSS1において、前記端末16から検索に係る物品タグ18及び検索者タグ20それぞれのIDが受信される。次に、SS2において、全てのアクセスポイント14に対してSS1にて受信されたIDに対応する物品タグ18及び検索者タグ20の位置検出用要求信号が送信され、検索モードが開始される。すなわち、その物品タグ18及び検索者タグ20に関して検索中フラグが立てられる。このSS2において送信される信号T21に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA1以下の処理が実行される。次に、信号T24に応じての処理であるSS3において、前記アクセスポイント14から検索に係る物品タグ18に対応する応答信号が受信される。次に、信号T27に応じての処理であるSS4において、前記アクセスポイント14から検索に係る検索者タグ20に対応する応答信号が受信される。次に、SS5において、SS3にて受信された物品タグ18に係る応答信号とSS4にて受信された検索者タグ20に係る応答信号とが同一のアクセスポイント14からの発信であるか否かが判断される。このSS5の判断が否定される場合には、SS2以下の処理が再び実行されるが、SS5の判断が肯定される場合には、前記報知指令部74の動作に対応するSS6において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る物品タグ18の報知部28による反応開始要求信号乃至その反応パターンの種類を指定する信号が送信される。このSS6において送信される信号T31に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA8以下の処理が実行される。次に、SS7において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る検索者タグ20にそのアクセスポイント14の名前を表示させるように要求するAP名表示要求信号が送信される。このSS7において送信される信号T61に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA10以下の処理が実行される。次に、SS8において、検索に係る検索者タグ20から検索モード停止要求があったか否かが判断される。このSS8の判断が否定される場合には、その判断が繰り返されることにより待機させられるが、SS8の判断が肯定される場合には、SS9において、その検索者タグ20に係る検索モードが停止させられる。すなわち、検索に係る物品タグ18及び検索者タグ20に関して検索中フラグが下げられる。次に、SS10において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る物品タグ18へ反応停止要求信号が発信された後、本ルーチンが終了させられる。このSS10において送信される信号T51に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA14以下の処理が実行される。以上の制御において、SS1及びSS2が前記移動局登録部70の動作に、SS3乃至SS5が前記基地局判定部72の動作にそれぞれ対応する。
【0035】
図8は、前記アクセスポイント14の制御部54により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0036】
先ず、信号T21に応じての処理であるSA1において、前記サーバ12から位置検出用要求信号が受信される。次に、SA2において、SA1にて受信された信号(ID)に対応する物品タグ18に対して位置検出用要求信号が送信される。このSA2において送信される信号T22に応じて、対象となる物品タグ18において図9のSM1以下の処理が実行される。次に、SA3において、SA1にて受信された信号(ID)に対応する検索者タグ20に対して位置検出用要求信号が送信される。このSA3において送信される信号T25に応じて、対象となる検索者タグ20において図10のSH1以下の処理が実行される。次に、信号T23に応じての処理であるSA4において、前記物品タグ18から位置検出用応答信号が受信される。次に、SA5において、SA4にて受信された物品タグ18の位置検出用応答信号に自局のIDを追加した信号が前記サーバ12へ送信される。このSA5にて送信される信号T24に応じて、前記サーバ12において図7のSS3以下の処理が実行される。次に、信号T26に応じての処理であるSA6において、前記検索者タグ20から位置検出用応答信号が受信される。次に、SA7において、SA6にて受信された検索者タグ20の位置検出用応答信号に自局のIDを追加した信号が前記サーバ12へ送信される。このSA7にて送信される信号T27に応じて、前記サーバ12において図7のSS4以下の処理が実行される。次に、信号T31に応じての処理であるSA8において、前記サーバ12から所定の物品タグ18に対する反応開始要求信号が受信される。次に、SA9において、SA8にて受信された信号に対応する物品タグ18へ反応開始要求信号が送信される。このSA9において送信される信号T32に応じて、前記物品タグ18において図9に示すSM3以下の処理が実行される。次に、信号T61に応じての処理であるSA10において、自局(アクセスポイント14)の名前を表示させるように要求するAP名表示要求信号が受信される。次に、SA11において、対象となる検索者タグ20に対して自局のAP名表示要求信号が送信される。このSA11において送信される信号T62に応じて、前記検索者タグ20において図10に示すSH3以下の処理が実行される。次に、信号T41に応じての処理であるSA12において、前記検索者タグ20からの検索モード停止要求信号が受信される。次に、SA13において、SA12にて受信された検索モード停止要求信号が前記サーバ12へ送信される。このSA13において送信される信号T42に応じて、前記サーバ12において図7に示すSS8以下の処理が実行される。次に、信号T51に応じての処理であるSA14において、前記サーバ12から所定の物品タグ18に対する反応停止要求信号が受信される。次に、SA15において、SA14にて受信された反応停止要求信号が対象となる物品タグ18に送信された後、本ルーチンが終了させられる。このSA15において送信される信号T52に応じて、前記物品タグ18において図9に示すSM5以下の処理が実行される。
【0037】
図9は、前記物品タグ18の制御部30により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0038】
先ず、信号T22に応じての処理であるSM1において、前記アクセスポイント14から位置検出用要求信号が受信される。次に、SM2において、SM1にて受信された位置検出用要求信号に応じて位置検出用応答信号が前記アクセスポイント14へ送信される。このSM2において送信される信号T23に応じて、前記アクセスポイント14において図8に示すSA4以下の処理が実行される。また、信号T32に応じての処理であるSM3において、前記アクセスポイント14から反応開始要求信号乃至その反応パターンの種類を指定する信号が受信される。次に、SM4において、前記報知部28により音及び/又は光により指定された反応パターンにて報知出力が開始される。また、信号T52に応じての処理であるSM5において、前記アクセスポイント14から反応停止要求信号が受信される。次に、SM6において、前記報知部28による音及び/又は光による報知出力が停止させられた後、本ルーチンが終了させられる。
【0039】
図10は、前記検索者タグ20の制御部42により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0040】
先ず、信号T25に応じての処理であるSH1において、前記アクセスポイント14から位置検出用要求信号が受信される。次に、SH2において、SH1にて受信された位置検出用要求信号に応じて位置検出用応答信号が前記アクセスポイント14へ送信される。このSH2において送信される信号T26に応じて、前記アクセスポイント14において図8に示すSA6以下の処理が実行される。次に、信号T62に応じての処理であるSH3において、前記アクセスポイント14からそのアクセスポイント14の名前を表示させるように要求するAP名表示要求信号が受信される。次に、SH4において、SH3にて受信された信号に対応するアクセスポイント14の名前が前記表示部38に表示される。次に、SH5において、前記操作部40におけるストップボタンが押されたか否かが判断される。このSH5の判断が否定されるうちは、その判断が繰り返されることにより待機させられるが、SH5の判断が肯定される場合には、SH6において、検索モード停止要求信号が前記アクセスポイント14へ送信された後、本ルーチンが終了させられる。このSH6において送信される信号T41に応じて、前記アクセスポイント14において図8に示すSA12以下の処理が実行される。
【0041】
このように、本実施例によれば、前記移動局として、音及び/又は光により報知出力を行う報知部28を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグ18と、検索者によって携行されて用いられる検索者タグ20とを、備え、前記サーバ12は、検索に係る前記物品タグ18及び検索者タグ20それぞれの識別情報を登録する移動局登録部70(SS1及びSS2)と、その移動局登録部70により登録された前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部72(SS3乃至SS5)と、その基地局判定部72により前記検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定された場合、その物品タグ18に対して前記報知部28による報知出力を行う指令を送信する報知指令部74(SS6)とを、備えたものであることから、検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在する場合には、その物品タグ18から音及び/又は光による報知を出力させることで、その検索に係る物品タグ18を容易に発見することができる。すなわち、簡便且つ迅速な検索が可能な無線検索システム10を提供することができる。
【0042】
また、前記基地局判定部72は、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、その移動局がそれら複数のアクセスポイント14のうち何れか1つのアクセスポイント14の通信領域内に存在すると判定するものであるため、複数のアクセスポイント14に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応するアクセスポイント14を好適に決定することができる。
【0043】
また、前記アクセスポイント14は、前記移動局からの返信信号の信号強度を検出する信号強度検出部としてのRSSI検出部50を備え、前記基地局判定部72は、複数のアクセスポイント14と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数のアクセスポイント14のうちその移動局について最も強い信号強度を検出したアクセスポイント14の通信領域内にその移動局が存在すると判定するものであるため、複数のアクセスポイント14に対応して前記移動局との無線通信が行われた場合であっても、対応するアクセスポイント14を実用的な態様で好適に決定することができる。
【0044】
また、前記移動局登録部70は、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として登録された場合、その物品タグ18の検索中フラグを立てるものであり、その検索中フラグは所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものであるため、検索中である物品タグ18に関して他の検索者による検索要求が行われた場合等において、その物品タグ18が検索中であることを好適に通知することができる。
【0045】
また、前記報知部28は、予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものであり、前記報知指令部74は、前記移動局登録部70により所定の検索者タグ20が検索に係る検索者タグ20として登録された場合、前記複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかをその検索者タグ20に対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグ18に対して送信するものであるため、複数の検索者が同時に検索を行っている場合において、各検索者の検索対象である物品タグ18の反応が混同しないように、それぞれの検索者に個別の報知パターンを設定することができる。
【0046】
続いて、本実施例の無線検索システム10におけるサーバ12のCPU64乃至検索者タグ20の制御部42による制御の他の態様について、図11乃至図16のフローチャートを用いて説明する。なお、これらのフローチャートに関して、前述した図6乃至図10に示す制御と共通のステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図11は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の他の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、前述したSS4の処理に続くSS11において、SS2において検索中フラグが立てられてから予め定められた設定時間内であるか否かが判断される。このSS11の判断が肯定される場合には、前述したSS5以下の処理が実行されるが、SS11の判断が否定される場合には、前述したSS9以下の処理が実行される。また、前述したSS6の処理に続くSS13において、対象となる物品タグ18へ反応開始要求信号が送信されてから予め定められた設定時間内であるか否かが判断される。このSS13の判断が否定される場合には、前述したSS9以下の処理が実行されるが、SS13の判断が肯定される場合には、SS14において、前記アクセスポイント14から検索に係る検索者タグ20に係る検索モード停止要求があったか否かが判断される。このSS14の判断が否定される場合には、SS13以下の処理が再び実行されるが、SS14の判断が肯定される場合には、前述したSS9以下の処理が実行される。以上の制御において、SS11乃至SS14が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0048】
このように、本実施例において、前記移動局登録部70(SS11乃至SS14)は、前記検索中フラグを立ててから所定時間が経過した際にその検索中フラグが未だ立っている場合にはその検索中フラグを自動的に下げるものであるため、例えば所定の物品タグ18の検索中フラグが立てられた後、何らかの事情でその検索が打ち切られたり忘れられた場合等において、検索モードを終了することができる。また、前記物品タグ18へ報知指令が出力されてから所定時間が経過した後に未だ報知停止指令が出されていない場合には自動的に報知停止指令を出すものであるため、何らかの理由で対象となる物品タグ18において報知出力が無駄に継続することを好適に抑制することができる。
【0049】
図12は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、前述したSS7の処理に続く信号T71に応じての処理であるSS15において、前記アクセスポイント14から検索に係る検索者タグ20に対応する検索中フラグ取り下げ要求があったか否かが判断される。このSS15の判断が否定される場合には、前述したSS8以下の処理が実行されるが、SS15の判断が肯定される場合には、SS16において、対象となる物品タグ18に係る検索中フラグが下げられる。次に、SS17において、前記アクセスポイント14に対して検索に係る物品タグ18へ反応停止要求信号が発信される。このSS17において送信される信号T51に応じて、前記アクセスポイント14において図8のSA14以下の処理が実行される。次に、SS18において、前記データベース68からログに記憶された次の検索者のIDが読み出される。次に、SS19において、前記データベース68のログに次の検索者のIDが記憶されていたか否かが判断される。このSS19の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SS19の判断が肯定される場合には、SS20において、前記データベース68のログに記憶された上位のIDに係る検索者から対応する検索者タグ20へ、対象となる物品タグ18の検索が可能となった旨の告知が行われる。このSS20において送信される信号T29に応じて、前記検索者タグ20において図13に示すSH7以下の処理が実行される。次に、SS21において、所定の検索者タグ20から検索開始要求があったか否かが判断される。このSS21の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SS21の判断が肯定される場合には、前述したSS2以下の処理が実行される。以上の制御において、SS15及びSS16が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0050】
図13は、前記サーバ12による図12の制御に対応して、前記検索者タグ20の制御部42により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、信号T29に応じての処理であるSH7において、所定の物品タグ18の検索が可能となった旨が前記表示部38に表示される。また、前述したSH4の処理に続くSH8において、タイマによる時間計測が開始される。次に、SH9において、SH8にて時間計測が開始されてから所定の制限時間内であるか否かが判断される。このSH9の判断が否定される場合には、SH10において、検索中フラグ取り下げ要求信号が前記アクセスポイント14へ送信された後、本ルーチンが終了させられるが、SH9の判断が肯定される場合には、SH11において、前記操作部40においてストップボタンが押されたか否かが判断される。このSH11の判断が否定される場合には、SH9以下の処理が実行されるが、SH11の判断が肯定される場合には、前述したSH6以下の処理が実行される。
【0051】
このように、本実施例において、前記移動局登録部70(SS15及びSS16)は、前記検索者タグ20において所定の操作が行われた場合に前記検索中フラグを下げるものであるため、前記検索者タグ20における簡単な操作に応じて検索中フラグを下げ、検索モードを終了することができる。
【0052】
図14は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の更に別の一例を、前記端末16の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。この制御では、前述したSS1の処理に続くSS22において、SS1にて受信された検索要求に係る物品タグ18のIDが検索中でないか否かが判断される。このSS22の判断が肯定される場合には、前述したSS2以下の処理が実行されるが、SS22の判断が否定される場合には、SS23において、他の利用者に係る検索者タグ20により対象となる無線タグ18が検索中である旨が前記端末16により告知されると共に検索が中断された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SS22及びSS23が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0053】
このように、本実施例において、前記移動局登録部70(SS22及びSS23)は、所定の物品タグ18が検索に係る物品タグ18として登録された場合であって、その物品タグ18の検索中フラグが立っている場合には、新たにその物品タグの検索を開始させないものであるため、検索中である物品タグ18に関して他の検索者による検索要求が行われた場合において、その物品タグ18の新たな検索を不許可とすることで、検索のバッティングを好適に防止することができる。
【0054】
図15は、前記サーバ12のCPU64により実行される制御の更に別の一例を、前記端末16の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。この制御では、前述したSS23の処理に続くSS24において、SS23にての検索中断に係る検索者タグ20のIDが、前記データベース68における依頼ログに追加(記憶)された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SS24が前記移動局登録部70の動作に対応する。
【0055】
このように、本実施例によれば、前記移動局登録部70(SS24)は、所定の物品タグ18の検索中フラグが立っている場合にその検索中フラグに係る検索者タグ20とは別の検索者タグ20からの検索開始要求がなされた場合には、その検索者タグ20にその物品タグ18は検索中である旨の通知を行うと共にその検索者タグ20に係る情報を記憶装置である前記データベース68にログとして記憶するものであるため、既に検索中である物品タグ18に検索開始要求を行った検索者タグ20にその物品タグ18が検索中である旨を好適に通知できると共に、その検索者タグ20の情報をログとして残すことで、次にその検索者タグ20に優先して検索を許可する等の制御が可能とされる。
【0056】
図16は、検索中フラグが自動的に下げられる場合において前記サーバ12のCPU64により実行される制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、先ず、SS25において、検索中フラグが立ってから所定時間が経過する等してその検索中フラグが自動取り下げされるか否かが判断される。このSS25の判断が否定されるうちは、判断が繰り返されることにより待機させられるが、SS25の判断が肯定される場合には、SS25において、対象となる物品タグ18が反応中であるか否かが判断される。このSS26の判断が肯定される場合には、前述したSS17以下の処理が実行されるが、SS26の判断が否定される場合には、前述したSS18以下の処理が実行される。
【0057】
このように、本実施例によれば、前記移動局登録部70は、前記検索中フラグを自動的に下げた場合において、その検索中フラグに係る物品タグ18に関連づけられて前記データベース68に記憶された検索者タグ20に対してその物品タグ18の検索が可能となった旨の通知を行うものであるため、他の検索者タグ20による前記物品タグ18の検索中にその物品タグ18に検索開始要求を行った検索者タグ20に優先してその物品タグの検索を行わしめることができる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0059】
例えば、前述の実施例において、前記サーバ12と複数のアクセスポイント14とは、LAN56を介して有線接続されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば無線LAN乃至他の通信手段を用いて無線接続されるものであってもよい。更に、前記無線検索システム10において、前記端末16は必ずしも設けられなくともよい。
【0060】
また、前述の実施例において、前記サーバ12は、前記測位演算部60を備えてると共に前記CPU64の制御機能としての基地局判定部72を備え、それら測位演算部60及び基地局判定部72により検索に係る検索者タグ20及び物品タグ18が同一のアクセスポイント14の通信領域内に存在するか否かを判定するものであったが、それら測位演算部60及び基地局判定部72の機能を有する単一の制御装置乃至制御機能により斯かる制御が行われるものであってもよい。
【0061】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明が好適に適用される無線検索システムを説明する図である。
【図2】図1の無線検索システムにおける移動局である物品タグの構成を説明するブロック線図である。
【図3】図1の無線検索システムにおける移動局である検索者タグの構成を説明するブロック線図である。
【図4】図1の無線検索システムにおける基地局であるアクセスポイントの構成を説明するブロック線図である。
【図5】図1の無線検索システムにおけるサーバの構成を説明するブロック線図である。
【図6】図1の無線検索システムにおける端末の制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図7】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図4に示すアクセスポイントの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図9】図2に示す物品タグの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図10】図3に示す検索者タグの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図11】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図12】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図13】図12の制御に対応して、図3に示す検索者タグの制御部により実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【図14】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の更に別の一例を、端末の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。
【図15】図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の更に別の一例を、端末の制御部により実行される制御と併せて説明するフローチャートである。
【図16】検索中フラグが自動的に下げられる場合において図5に示すサーバのCPUにより実行される制御の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10:無線検索システム
12:サーバ
14:アクセスポイント(基地局)
18:物品タグ(移動局)
20:検索者タグ(移動局)
28:報知部
50:RSSI検出部(信号強度検出部)
68:データベース(記憶装置)
70:移動局登録部
72:基地局判定部
74:報知指令部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、該サーバとの間で情報の送受信が可能である複数の基地局とを、備え、該基地局と移動局との間の無線通信により該移動局を検索する無線検索システムであって、
前記移動局として、
音及び/又は光により報知出力を行う報知部を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグと、
検索者によって携行されて用いられる検索者タグと
を、備え、
前記サーバは、
検索に係る前記物品タグ及び検索者タグそれぞれの識別情報を登録する移動局登録部と、
該移動局登録部により登録された前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部と、
該基地局判定部により前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在すると判定された場合、該物品タグに対して前記報知部による報知出力を行う指令を送信する報知指令部と
を、備えたものであることを特徴とする無線検索システム。
【請求項2】
前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、該移動局がそれら複数の基地局のうち何れか1つの基地局の通信領域内に存在すると判定するものである請求項1に記載の無線検索システム。
【請求項3】
前記基地局は、前記移動局からの返信信号の信号強度を検出する信号強度検出部を備え、
前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数の基地局のうち該移動局について最も強い信号強度を検出した基地局の通信領域内に該移動局が存在すると判定するものである請求項2に記載の無線検索システム。
【請求項4】
前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合、該物品タグの検索中フラグを立てるものであり、該検索中フラグは所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものである請求項1から3の何れか1項に記載の無線検索システム。
【請求項5】
前記移動局登録部は、前記検索者タグにおいて所定の操作が行われた場合に前記検索中フラグを下げるものである請求項4に記載の無線検索システム。
【請求項6】
前記移動局登録部は、前記検索中フラグを立ててから所定時間が経過した際に該検索中フラグが未だ立っている場合には該検索中フラグを自動的に下げるものである請求項4又は5に記載の無線検索システム。
【請求項7】
前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合であって、該物品タグの検索中フラグが立っている場合には、新たに該物品タグの検索を開始させないものである請求項4から6の何れか1項に記載の無線検索システム。
【請求項8】
前記移動局登録部は、所定の物品タグの検索中フラグが立っている場合に該検索中フラグに係る検索者タグとは別の検索者タグからの検索開始要求がなされた場合には、該検索者タグに該物品タグは検索中である旨の通知を行うと共に該検索者タグに係る情報を該物品タグと関連づけて記憶装置にログとして記憶するものである請求項7に記載の無線検索システム。
【請求項9】
前記移動局登録部は、前記検索中フラグを自動的に下げた場合において、該検索中フラグに係る物品タグに関連づけられて前記記憶装置に記憶された検索者タグに対して該物品タグの検索が可能となった旨の通知を行うものである請求項8に記載の無線検索システム。
【請求項10】
前記報知部は、予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものであり、
前記報知指令部は、前記移動局登録部により所定の検索者タグが検索に係る検索者タグとして登録された場合、前記複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかを該検索者タグに対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグに対して送信するものである請求項1から9の何れか1項に記載の無線検索システム。
【請求項1】
サーバと、該サーバとの間で情報の送受信が可能である複数の基地局とを、備え、該基地局と移動局との間の無線通信により該移動局を検索する無線検索システムであって、
前記移動局として、
音及び/又は光により報知出力を行う報知部を有し、検索対象である物品に固定されて用いられる物品タグと、
検索者によって携行されて用いられる検索者タグと
を、備え、
前記サーバは、
検索に係る前記物品タグ及び検索者タグそれぞれの識別情報を登録する移動局登録部と、
該移動局登録部により登録された前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在するか否かを判定する基地局判定部と、
該基地局判定部により前記検索に係る検索者タグ及び物品タグが同一の基地局の通信領域内に存在すると判定された場合、該物品タグに対して前記報知部による報知出力を行う指令を送信する報知指令部と
を、備えたものであることを特徴とする無線検索システム。
【請求項2】
前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、該移動局がそれら複数の基地局のうち何れか1つの基地局の通信領域内に存在すると判定するものである請求項1に記載の無線検索システム。
【請求項3】
前記基地局は、前記移動局からの返信信号の信号強度を検出する信号強度検出部を備え、
前記基地局判定部は、複数の基地局と前記移動局との間で無線通信が行われたことが確認された場合、それら複数の基地局のうち該移動局について最も強い信号強度を検出した基地局の通信領域内に該移動局が存在すると判定するものである請求項2に記載の無線検索システム。
【請求項4】
前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合、該物品タグの検索中フラグを立てるものであり、該検索中フラグは所定の操作により或いは自動的に下げられ得るものである請求項1から3の何れか1項に記載の無線検索システム。
【請求項5】
前記移動局登録部は、前記検索者タグにおいて所定の操作が行われた場合に前記検索中フラグを下げるものである請求項4に記載の無線検索システム。
【請求項6】
前記移動局登録部は、前記検索中フラグを立ててから所定時間が経過した際に該検索中フラグが未だ立っている場合には該検索中フラグを自動的に下げるものである請求項4又は5に記載の無線検索システム。
【請求項7】
前記移動局登録部は、所定の物品タグが検索に係る物品タグとして登録された場合であって、該物品タグの検索中フラグが立っている場合には、新たに該物品タグの検索を開始させないものである請求項4から6の何れか1項に記載の無線検索システム。
【請求項8】
前記移動局登録部は、所定の物品タグの検索中フラグが立っている場合に該検索中フラグに係る検索者タグとは別の検索者タグからの検索開始要求がなされた場合には、該検索者タグに該物品タグは検索中である旨の通知を行うと共に該検索者タグに係る情報を該物品タグと関連づけて記憶装置にログとして記憶するものである請求項7に記載の無線検索システム。
【請求項9】
前記移動局登録部は、前記検索中フラグを自動的に下げた場合において、該検索中フラグに係る物品タグに関連づけられて前記記憶装置に記憶された検索者タグに対して該物品タグの検索が可能となった旨の通知を行うものである請求項8に記載の無線検索システム。
【請求項10】
前記報知部は、予め定められた複数の報知パターンのうち何れかの報知パターンを設定可能とされたものであり、
前記報知指令部は、前記移動局登録部により所定の検索者タグが検索に係る検索者タグとして登録された場合、前記複数の報知パターンのうちその時点において未だ設定されていない報知パターンの何れかを該検索者タグに対応する報知パターンとして設定する指令を対象となる物品タグに対して送信するものである請求項1から9の何れか1項に記載の無線検索システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−87626(P2010−87626A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251822(P2008−251822)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]