説明

無線通信を制御する方法

無線通信を制御する例示的な方法は、複数の干渉デバイスそれぞれからの複数の干渉信号の所望の送信タイミングを指示する制御信号を生成するステップを含む。制御信号は複数の干渉デバイスに送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略として通信に関する。より詳細には、本発明は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムはよく知られており、広く使用されている。セルラ電話、携帯情報端末、及びノートブックコンピュータなどの個人的な無線通信デバイスが多種多様な状況下において便利な通信能力を提供する。しかし、そのような通信デバイスを使用する個人の能力を制限することが望ましい場合がある。例えば、一部の病院の場では、個人的な無線通信が診療器具の所望の動作に干渉しないよう、診療器具の一定の近距離内において個人が無線通信を行うのを防ぐことが望ましい。別の例示的なシナリオは劇場などの娯楽会場にある。例えば、上演中に無線通信デバイスを操作させないようにすることが望ましいことがある。
【0003】
無線通信を行う通信デバイスの能力に干渉する効果を有する干渉信号を生成するための知られている技術がある。知られている干渉技術に対する1つの制約は、一部の通信に選択的に干渉し、他の通信には干渉しないようにカスタマイズされないことである。例えば、所与の区域内で他のデバイスが無線通信を行うのを防ぐことが望ましい一方で、その同じ区域内で一定の個人又はデバイスが無線通信を行うのを許可され、又は要求されることがある。そのようなデバイスがたとえ1つ以上の干渉信号のカバレッジエリア内にあっても、特定の又は許可された個人若しくはデバイスが無線通信を行う能力を継続して有することを選択的に可能にするやり方で、干渉信号を制御することが有用であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
無線通信を制御する例示的な方法は、複数の干渉デバイスそれぞれからの複数の干渉信号の所望の送信タイミングを指示する制御信号を生成するステップを含む。制御信号は複数の干渉デバイスに送信される。
【0005】
無線通信を制御するための例示的なシステムはそれぞれが干渉信号を送信する複数の干渉デバイスを含む。制御装置が複数の干渉デバイスに制御信号を提供する。制御信号は干渉信号の所望の送信タイミングを指示する。
【0006】
干渉デバイスは制御信号の所望の送信タイミングに従って干渉信号を送信する。一例における干渉信号は、少なくとも無線通信を行う通信デバイスの能力に干渉するように構成される。
【0007】
開示される例の様々な特徴及び効果は、当業者には以下の詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明に添付する図面を以下のように簡単に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】無線通信システムの選択された部分を概略的に示す図である。
【図2】例示的な一手法を要約したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、無線通信を制御するのに有用である無線通信システム20の選択された部分を概略的に示す。この例では、無線通信に対する少なくとも選択された制限が所定の位置に存在する区域内に無線通信デバイス22がある。複数の干渉デバイス24、26、及び28が選択された区域内に干渉をもたらすように効果を考慮して配置されて、無線通信を行う無線通信デバイス22の能力を妨げ、又は選択的に制限する。
【0010】
図1の例は、干渉デバイス24〜28のそれぞれに提供される制御信号32を生成する制御装置30を含む。制御信号32は、干渉デバイス24〜28のそれぞれの干渉信号34、36、及び38の所望の送信タイミングを指示する。所望の送信タイミングは、干渉信号34〜38の送信をスケジュールする。一例では、所望の送信タイミングは、干渉信号の送信をそれぞれ異なる時間においてスケジュールする。別の例では、干渉信号の全部が同時送信のためにスケジュールされる。
【0011】
図2は例示的な一手法を要約したフローチャート図40を含む。この例では、42において、干渉デバイス24〜28が選択された区域をカバーするように配置される。44において、干渉信号の所望の送信タイミングが決定される。46において、所望の送信タイミングを指示する制御信号が干渉デバイスに提供される。48において、干渉デバイスはそれぞれのその干渉信号を所望の送信タイミングに従って送信する。
【0012】
一例では、干渉信号34〜38は受信するデバイスが関連した符号を解読できるように符号化された信号である。一例は、干渉信号34〜38のための、パルス雑音又は疑似雑音(PN)符号変調などのスペクトラム拡散符号化を使用することを含む。そのような例では、所望の送信タイミングの指示により、符号が干渉信号を受信するデバイスによって解読可能であることを確実にする。
【0013】
この特徴は、1つ以上の干渉信号34〜38によってカバーされる区域内にある少なくとも1個人又は1デバイスが、干渉信号の存在下であっても無線通信を行うようにできることが望ましい状況において有用である。例えば、許可されたデバイスは、干渉信号の符号を解読する能力、及び干渉信号を適正に解読した結果として干渉信号の干渉効果を効果的に打ち消す能力を有することになる。
【0014】
信号の送信のタイミングを制御することにより、符号がそのような許可されたデバイスによって解読可能でなくなるような符号同士の重複、又はそうでない場合は符号同士の干渉がないことを確実にする。干渉デバイス24〜28からの干渉信号の送信を選択的にスケジュールすることにより、干渉信号の符号が解読可能であることを確実にし、それにより、干渉信号34〜38の存在下であっても、無線通信を行う許可された通信デバイスの能力を無用に無効化し、又は能力に干渉することを回避する。
【0015】
例えば、干渉信号34〜38のうちの1つ以上を受信する受信機は、符号化された干渉信号を電子的に解除するために、受信した干渉信号を処理するように構成されたレイク受信機を含むことができ、それにより受信機は正常に動作し、干渉の影響を受けないことが可能になるであろう。
【0016】
開示された例は、許可された通信のみが所望される選択された区域において、無線通信を制御するのに有用である。開示された例は、例えば、選択された状況下において他の通話に干渉がなされている間に緊急時の911通話を可能にするのに有用である。開示された方法の別の例示的な使用は、例えば、許可されないやり方で、又は許可されない場所で動作している問題を起こす受信機を特定するための、指向性無線の使用を円滑化することである。干渉信号の制御された送信タイミングにより、干渉信号がそのような例における位置特定無線の動作に干渉するのを防ぐことが可能になる。他の例示的なシナリオは、病院、劇場、又は他の場所における無線通信の制限を含む。
【0017】
前述の説明は本質的に限定ではなく例示である。当業者には、本発明の本質から必ずしも逸脱しない、開示された例に対する変更形態及び改変形態が明らかになり得る。本発明に与えられる法的保護の範囲は、以下の特許請求の範囲を検討することによってのみ決定することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を制御する方法であって、
複数の干渉デバイスそれぞれからの複数の干渉信号の所望の送信タイミングを指示する制御信号を生成するステップ、及び
前記複数の干渉デバイスに前記制御信号を送信するステップ
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記所望の送信タイミングが、前記複数の干渉信号が互いに干渉し合うことを防ぐ方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記干渉信号間のいずれの相互干渉も、少なくとも1つの受信機デバイスがそれぞれの干渉信号の符号を解読することを可能にするに足りる十分な低さであるように、前記干渉信号が符号化され、前記所望の送信タイミングが前記複数の干渉信号をスケジュールする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記所望の送信タイミングが、前記干渉信号の送信をそれぞれ異なる時間においてスケジュールする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記所望の送信タイミングが、前記干渉信号の送信のうちの少なくともいくつかを同時にスケジュールする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、前記所望の送信タイミングが、前記干渉信号の送信の全部を同時にスケジュールする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、
前記干渉信号の全部に同じ符号を使用して、前記干渉信号を符号化するステップを備える方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、
前記干渉信号のうちの少なくとも1つを受信する少なくとも1つのデバイスによって解読可能である符号を使用して前記干渉信号を符号化するステップを備える方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記干渉信号が、少なくとも無線通信を行う通信デバイスの能力に干渉するように構成される方法。
【請求項10】
無線通信を制御するためのシステムであって、
それぞれが干渉信号を送信する複数の干渉デバイス、及び
前記干渉信号の所望の送信タイミングを指示する制御信号を前記複数の干渉デバイスに提供する制御装置
を備えたシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−509021(P2011−509021A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540641(P2010−540641)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/013750
【国際公開番号】WO2009/085147
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】