無線通信システムおよび無線通信方法
【課題】既存の無線通信システムの無線局間で、既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現するための機能を、既存の無線通信システムを改造することなく外付けの安価なオプション機器で対応する。
【解決手段】第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信システムにおいて、第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置は、第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する構成である。
【解決手段】第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信システムにおいて、第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置は、第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の無線通信システムの無線局間で、既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現する無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な無線通信システムが普及している。要免許の周波数帯を用いる携帯電話などのシステムはもとより、 2.4GHz帯を中心とした無線LANなどでは免許不要のため、家庭やオフィスでの利用のために非常に多くの基地局および端末局が開発されている。
【0003】
図9は、従来の無線通信システムの構成例を示す。
図9において、101は基地局、102は端末局、103,104はアンテナ、105,106はアンテナ端子を表す。基地局101および端末局102は、アンテナ端子105,106にそれぞれ適当なアンテナ103,104を接続し、無線回線を介して、基地局101に接続されたネットワークと、端末局102に接続されたPC等の機器との間の通信を実現する。このアンテナ端子105,106を備えた装置構成は一般的であり、要免許の周波数帯を用いる無線通信システムでも基地局101または端末局102と、それに接続するアンテナ103,104の設置場所の関係で、アンテナ端子105,106を介して接続する形態は一般的である。
【0004】
ところで、 2.4GHz帯の免許不要の無線通信システムや携帯電話などの要免許の周波数帯を用いる無線通信システムがそれぞれ普及しているが、その他にも特定のユーザに限定した小規模な利用を前提とする無線通信システムも存在する。例えば、電話線などの敷設が困難な場所、例えば山岳部や離島などのような場所に、電話やインターネットアクセスのための回線を引く場合の無線通信システムである。このようなケースでは、有線のシステムに対する無線通信システムの導入の有効性は疑う余地もないが、それ単独でビジネス的な採算が取れるような好条件とはならない。一方で、公共性の観点からは、これらのニーズを無視する訳にもいかず、非特許文献1に示すように一部の企業で採算性に目を瞑りこれらのニーズに対応するための無線通信システムが新規に開発されている。
【0005】
ここで、非特許文献1に記載の拠点間無線ソリューションでは、様々な無線通信システムを用いて、物理的に離れた2箇所の地点を接続し、有線ネットワークにつながる拠点Aと、有線ネットワークから隔離された拠点Bの間を無線接続する。拠点Bとしては、ユーザ宅として直接、各ユーザを無線で収容することも可能であるし、または中継点として無線設備を設置し、その先は有線(または別の無線)回線で各ユーザ宅まで分配するという構成であっても構わない。
【0006】
図10は、中継局を介する無線通信システムの構成例を示す。
図10において、101は基地局、102は端末局、107は中継局、103,104,108,109はアンテナを表す。図9に示す基地局101と端末局102は直接通信を行う構成であるが、この区間を2分割し、基地局101と中継局107の通信と、中継局107と端末局102の通信に分離する。それぞれ双方向の通信を行うことから、基地局101から端末局102に向けての下り方向の通信と、端末局102から基地局101に向けての上り方向の通信が存在する。下り方向の通信では、基地局101のアンテナ103から送信された信号は中継局107のアンテナ108で受信し、これを増幅してアンテナ109から再送信し、これを端末局102のアンテナ104で受信し、各種無線信号処理を行ってPC等に向けて出力する。上り方向の通信では、端末局102のアンテナ104から送信された信号は中継局107のアンテナ109で受信し、これを増幅してアンテナ108から再送信し、これを基地局108のアンテナ103で受信し、各種無線信号処理を行ってネットワークに向けて出力する。
【0007】
中継局107は、基地局101との通信と端末局102との通信を双方向で同時並行的に行うため、時分割複信(TDD)や周波数分割複信(FDD)などを用い、それらの混信を回避する。このために、図10では中継局の両側にそれぞれ1本ずつのアンテナを備えた例を示しているが、状況に応じて複数本ずつの構成となることもある。以下、中継局として非再生中継を行う非再生中継無線装置の構成例を示す。
【0008】
図11は、周波数分割複信(FDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例を示す。
図11において、111,113はフィルタ、112,114はハイパワーアンプ(HPA)、115−1,116−1は受信アンテナ、115−2,116−2は送信アンテナを示す。下り方向(図中右方向)への信号は周波数F1、上り方向(図中左方向)への信号は周波数F1と異なる周波数F2を用いるものとする。
【0009】
下り方向の周波数F1の信号を受信アンテナ115−1で受信すると、フィルタ111で帯域外の信号を除去し、ハイパワーアンプ112で信号増幅し、送信アンテナ116−2から信号を送信する。一方、上り方向の周波数F2の信号を受信アンテナ116−1で受信すると、フィルタ113で帯域外の信号を除去し、ハイパワーアンプ114で信号増幅し、送信アンテナ115−2から信号を送信する。基本的に下り方向および上り方向は並列の無線中継機となっている。ここで、例えば送信アンテナ115−2からの信号が隣接する受信アンテナ115−1にもれ込むことはあるが、この場合にはフィルタ111で送信アンテナ115−2が送信した周波数F2の信号を除去し、受信アンテナ115−1で受信した周波数F1の信号成分だけを抽出することで、相互の干渉を抑圧している。ただし、送信アンテナ116−2で送信した信号が受信アンテナ115−1にもれ込む場合にはフィルタ111では除去できないので、これを避けるために周波数F1に対応する受信アンテナ115−1と送信アンテナ116−2、周波数F2に対応する受信アンテナ162−1と送信アンテナ115−2はそれぞれ指向性を備えたアンテナとし、下り方向および上り方向のそれぞれの送受信信号間のもれ込みを遮断する必要がある。
【0010】
一般にマイクロ波帯の電波であれば、見通し波の他に様々な多重反射波が有意な受信レベルで受かるため、アンテナの指向性だけでは十分に下り方向および上り方向のそれぞれの送受信信号間の漏れこみを完全に遮断し切れない場合が多い。その場合には、特許文献1の「無線中継装置及び無線通信システム」に示されるように、基地局側と端末局側の信号の周波数を異なる周波数に設定し、下り信号と上り信号を周波数軸上で多重する代わりに時間軸上で時分割で多重するTDD方式を採用することが好ましい。
【0011】
図12は、時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例1を示す。
図12において、121,124,126,129はフィルタ、122,127はローノイズアンプ(LNA)、123,128はミキサー、125,130はハイパワーアンプ(HPA)、131は発振器、132,133はサーキュレータ、134,135はアンテナを示す。基地局との双方向通信(図中左側の通信)を周波数F1を用いて時分割で行い、端末局との双方向通信(図中右側の通信)を周波数F2を用いて時分割で行うものとする。
【0012】
下り方向の周波数F1の信号はアンテナ134で受信すると、サーキュレータ132を介してフィルタ121に入力する。フィルタ121では帯域外の信号を除去し、ローノイズアンプ122で微弱な受信信号を所定のレベルに引き上げる。ミキサー123は、発振器131から所定の周波数の信号を入力し、これにローノイズアンプ112からの信号を乗算して周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF1からF2に変換されるが、実際にはミキサー123からの出力信号にはF1+|F1−F2|に加えてF1−|F1−F2|が含まれるので、周波数F2以外の成分を除去するためにフィルタ124を用いる。フィルタ124から出力される周波数F2の信号は、ハイパワーアンプ125で増幅され、サーキュレータ133を介してアンテナ135より出力される。ここで理想的なサーキュレータであれば、ハイパワーアンプ125からサーキュレータ133に入力された信号はアンテナ135側のみに出力され、フィルタ126側にはもれ込まない。
【0013】
一方、上り方向の周波数F2の信号はアンテナ135で受信すると、サーキュレータ133を介してフィルタ126に入力する。フィルタ126では帯域外の信号を除去し、ローノイズアンプ127で微弱な受信信号を所定のレベルに引き上げる。ミキサー128は、この信号に発振器131からの信号を乗算し、周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF2からF1に変換されるが、周波数F1以外の成分を除去するためにフィルタ129を用いる。フィルタ129から出力される周波数F1の信号は、ハイパワーアンプ130で増幅され、サーキュレータ132を介してアンテナ134より出力される。ここで、理想的なサーキュレータであれば、ハイパワーアンプ130からサーキュレータ132に入力された信号はアンテナ134側のみに出力され、フィルタ121側にはもれ込まない。
【0014】
図13は、時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例2を示す。
本構成例は、図12に示すサーキュレータ132,133をTDDスイッチ(TDD−SW)136,137に置き換え、TDDスイッチ136,137を切り替えるTDD−SW制御回路138を備えた構成である。このTDD−SW制御回路138には、ローノイズアンプ122で増幅された信号が入力され、信号処理によって基地局側からの送受信タイミングに関する制御情報を取得する。TDDスイッチ136,137は、この制御情報に従ったタイミングで切り替えられる。例えば、下り信号(図中右方向の信号)のタイミングでは、TDDスイッチ136は、アンテナ134とフィルタ121を接続するとともに、ハイパワーアンプ125とアンテナ135を接続する。同様に、上り信号(図中左方向の信号)のタイミングでは、TDDスイッチ137は、アンテナ135とフィルタ126を接続し、ハイパワーアンプ130とアンテナ134を接続する。このようにして、図10に示した無線信号の中継を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−335199号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】http://www.ntt-west.co.jp/solution/solution/category/kyoten.html、NTT西日本「拠点間無線ソリューション」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図12に示す非再生中継無線装置において正常な動作のためには、サーキュレータ132,133が理想的な回路であることが前提となる。しかし、実際のサーキュレータは、アンテナ134からフィルタ121の方向、フィルタ121からハイパワーアンプ130の方向、ハイパワーアンプ130からアンテナ134の方向の3つの順方向に対し、この逆方向への信号のもれ込みの抑圧は順方向の信号に対して30〜40dBの減衰程度にしかならない。
【0018】
例えば、ハイパワーアンプ130からの出力信号レベルが+10dBmであるとき、この信号はハイパワーアンプ130からアンテナ134の順方向にほぼ減衰がなく通過するが、ハイパワーアンプ130からフィルタ121の逆方向に40dB減衰した−30dBmの信号として入力する。一方、アンテナ134に受信する信号の受信レベルは基地局との距離に応じて異なるが、通常は−30dBmから−80dBm程度の50dB程度のダイナミックレンジをもって受信される。ハイパワーアンプ130からの信号のもれ込みが−30dBmであることを考慮すると、この不要な信号は通常の運用の中では無視できず、高いレベルの干渉信号として振舞うことになる。さらにこの信号は、ローノイズアンプ122、ミキサー123、フィルタ124、ハイパワーアンプ125を経由し、大電力の送信信号となってサーキュレータ133に入力する。この信号も同様にサーキュレータ133の逆方向の経路を介してフィルタ126に入力し、ローノイズアンプ127、ミキサー128、フィルタ129、ハイパワーアンプ130と経由し、ループを形成してしまう。この結果、信号は発振状態となり、希望信号の通信に致命的な影響を与える。
【0019】
一方、図13に示す非再生中継無線装置では、TDDスイッチ136,137により、ハイパワーアンプ130からフィルタ121の方向やハイパワーアンプ125からフィルタ126の方向への漏洩電力の問題は解消されるが、別途それを制御するTDD−SW制御回路138が必要になる。TDD−SW制御回路138は、基地局からの下り信号を信号処理し、必要な送受信タイミングに関する制御情報を取得する必要があり、低コストの非再生中継無線装置にとってはコスト上昇要因となる。
【0020】
本発明は、既存の無線通信システムの無線局間で、既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現するための機能を、既存の無線通信システムを改造することなく外付けの安価なオプション機器で対応することができる無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の発明は、第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信システムにおいて、第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置は、第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する構成である。
【0022】
第1の発明の無線通信システムにおいて、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第2の信号分離手段と、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、第2の信号分離手段で分離した第2の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段とを備える。
【0023】
この第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、第2の信号分離手段は、第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離するサーキュレータを用い、第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、第2の信号分離手段から第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含むことを特徴とする。
【0024】
この第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、第2の信号分離手段は、第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば第2の周波数チャネルの送信信号を選択し、当該信号レベルが所定の閾値未満であれば第2の周波数チャネルの受信信号を選択するスイッチを用いた構成であることを特徴とする。
【0025】
この第2の信号分離手段は、第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離して送受信する送信アンテナと受信アンテナを用いた構成であることを特徴とする。さらに、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、第2の信号分離手段は、第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、受信アンテナから第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含むことを特徴とする。
【0026】
この第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、それぞれ有線接続される無線局から時分割複信の送信タイミングまたは受信タイミングの情報を受信する手段を備え、第1の信号分離手段および第2の信号分離手段は、送信タイミングまたは受信タイミングの情報に応じて、第1の周波数変換手段を介する信号経路または第2の周波数変換手段を介する信号経路のどちらかに切り替えるスイッチを用いた構成であることを特徴とする。
【0027】
第1の発明の無線通信システムにおいて、第2の周波数チャネルの信号は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第3の周波数チャネルと第4の周波数チャネルの信号を分離する第2の信号分離手段と、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、第2の信号分離手段で分離した第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段とを備える。
【0028】
この第2の信号分離手段は、第3の周波数チャネルの信号と第4の周波数チャネルの信号を分離するサーキュレータを用い、第2の信号分離手段から第2の周波数変換手段に至る経路に、対向する無線通信装置に送信する周波数チャネルの信号を除去するフィルタを含むことを特徴とする。
【0029】
第2の発明は、第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信方法において、第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置は、第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継することを特徴とする。
【0030】
第2の発明の無線通信方法において、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、第2の信号分離手段で、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、第1の周波数変換手段で、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力し、第2の周波数変換手段で、第2の信号分離手段で分離した第2の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力することを特徴とする。
【0031】
この第2の周波数チャネルの信号は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、第2の信号分離手段で、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第3の周波数チャネルと第4の周波数チャネルの信号を分離し、第1の周波数変換手段で、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力し、第2の周波数変換手段で、第2の信号分離手段で分離した第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明の無線通信システムは、既存の無線通信システムの第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置を介して第2の周波数チャネルの信号に変換して送受信することにより、既存の無線通信システムを改造することなく既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現することができる。
【0033】
これにより、既に市販されている様々な無線通信システムを利用し、特定の用途で用いられる他の周波数帯での無線通信を行う際に、多大な改造費用等を費やすことなく安価な無線通信システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の無線通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【図2】無線通信装置1,3の構成例1を示す図である。
【図3】無線通信装置1,3の構成例2を示す図である。
【図4】無線通信装置1,3の構成例3を示す図である。
【図5】無線通信装置1,3の構成例4を示す図である。
【図6】無線通信装置1,3の構成例5を示す図である。
【図7】本発明の無線通信システムの第2の実施形態を示す図である。
【図8】無線通信装置1,3の構成例6を示す図である。
【図9】従来の無線通信システムの構成例を示す図である。
【図10】中継局を介する無線通信システムの構成例を示す図である。
【図11】周波数分割複信(FDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例を示す図である。
【図12】時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例1を示す図である。
【図13】時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(無線通信システムの第1の実施形態)
図1は、本発明の無線通信システムの第1の実施形態を示す。
図1において、1,3は無線通信装置、2,4は無線通信装置のアンテナ、101は基地局、102は端末局、105は基地局のアンテナ端子、106の端末局のアンテナ端子を示す。ここで、基地局101および端末局102は、従来の無線通信システムにおけるものと同等であり、周波F1を用い、時分割複信(TDD)で双方向通信を行う構成である。すなわち、基地局101はアンテナ端子105を備え、端末局102はアンテナ端子106を備え、このアンテナ端子105,106にそれぞれ無線通信装置1,3を接続する構成である。また、無線通信装置1と無線通信装置3は全く同一の装置であり、その接続先が基地局101か端末局102かには依存しない。基地局101と無線通信装置1との間、端末局102と無線通信装置3との間の信号は周波数F1であり、無線通信装置1,3間の信号は周波数F2である(F1≠F2)。なお、後述するように、無線通信装置1から無線通信装置3への信号を周波数F3、無線通信装置3から無線通信装置1への信号を周波数F4としてもよい(F1≠F3, F1≠F4, F3≠F4)。
【0036】
基地局101から端末局102への下り方向の通信では、基地局101のアンテナ端子105から無線通信装置1に周波数F1の信号を入力し、無線通信装置1で周波数F1からF2に周波数変換してアンテナ2から送信する。送信された信号は、端末局102に接続された無線通信装置3のアンテナ4に受信し、無線通信装置3で周波数F2からF1へ周波数変換され、出力された信号は端末局102のアンテナ端子106を介して端末局102に受信する。端末局102では、周波数F1の信号を受信するため、結果的に基地局101が送信した信号と全く等価な信号として処理可能であり、基地局101と端末局102は全く改造を行うことなしに動作可能である。
【0037】
同様に、端末局102から基地局101への上り方向の通信では、端末局102のアンテナ端子106から無線通信装置3に周波数F1の信号を入力し、無線通信装置3で周波数F1からF2の信号に周波数変換してアンテナ4から送信する。送信された信号は、基地局101に接続された無線通信装置1のアンテナ2に受信し、無線通信装置1で周波数F2からF1へ周波数変換され、出力された信号は基地局101のアンテナ端子105を介して基地局101に受信する。基地局101では、周波数F1の信号を受信するため、結果的に端末局102が送信した信号と全く等価な信号として処理可能であり、同様に基地局101と端末局102は全く改造を行うことなしに動作可能である。
【0038】
(無線通信装置1,3の構成例1)
図2は、無線通信装置1,3の構成例1を示す。
図2において、11,16はサーキュレータ、12は信号検出回路、13,19はミキサー、14,20はフィルタ、15はハイパワーアンプ(HPA)、17はスイッチ(SW)、18はローノイズアンプ(LNA)、21はレベル調整回路、22は発振器、23はアンテナを示す。基地局または端末局との双方向通信(図中左側の通信)を周波数F1を用いて時分割複信(TDD)で行い、対向する無線通信装置との双方向通信(図中右側の通信)を周波数F2を用いて時分割複信(TDD)で行うものとする。ただし、TDD制御は基地局と端末局が行い、無線通信装置1,3はそのTDD制御に従属するだけである。無線通信装置1,3は同一構成であるが、以下基地局に接続される無線通信装置1を例に、その構成および動作について説明する。
【0039】
基地局から送信される下り方向の周波数F1の信号は、サーキュレータ11から信号検出回路12に入力する。信号検出回路12では、入力信号をミキサー13に出力するとともに、入力信号のレベルを定期的に監視し、所定の閾値以上の入力があるか否かを判定する。判定した結果、所定のレベル以上と判断した場合はスイッチ17に対して回路の開放(切断)を指示する。ミキサー13は、発振器22から所定の周波数の信号を入力し、これに信号検出回路12からの信号を乗算して周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF1からF2に変換されるが、実際にはミキサー13からの出力信号にはF1+|F1−F2|に加えてF1−|F1−F2|が含まれるので、周波数F2以外の成分を除去するためにフィルタ14を用いる。フィルタ14から出力される周波数F2の信号は、ハイパワーアンプ15で増幅され、サーキュレータ16を介してアンテナ23から送信される。
【0040】
一方、対向する無線通信装置から送信される上り方向の周波数F2の信号はアンテナ23に受信すると、サーキュレータ16を介してスイッチ17に入力し、さらにローノイズアンプ18で増幅された信号はミキサー19に入力する。ミキサー19は、この信号に発振器22からの信号を乗算し、周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF2からF1に変換されるが、周波数F1以外の成分を除去するためにフィルタ20を用いる。フィルタ20から出力される周波数F1の信号は、レベル調整回路21で所定の信号レベルに調整され、サーキュレータ11を介して出力される。
【0041】
ここで、レベル調整回路21は、この無線通信装置が接続される基地局(または端末局)において、受信信号のレベルとして想定している最大の受信レベルを超えないように所定のレベルに調整する機能を有する。例えば、無線LANなどの受信信号は、ダイナミックレンジの都合上、最大で−30dBm程度となる。本発明における無線通信装置は、基地局(または端末局)に有線接続されており、中継器のように空間上を伝搬するために高レベルまで増幅する必要がないため、サーキュレータ11への入力は一例として−30dBm程度が想定される。この信号がサーキュレータ11の順方向に対して逆向きに漏れ出す場合の減衰が40dBとすれば、レベル調整回路21から信号検出回路12への信号のもれ込みは−70dBm程度となる。一方、外部からの信号の入力は、もともとの送信電力がそのまま入力されるので、無線LANを例にとれば、+10dBm程度の信号レベルとなる。したがって、レベル調整回路21側から−70dBm程度のもれ込みは十分に無視できるレベルであり、全く問題とはならない。また、外部に無線LANより大出力の装置を接続している場合には、信号検出回路12側への入力はさらに大電力になり、レベル調整回路21側からの信号のもれ込みはさらに無視可能なレベルとなる。
【0042】
一方、対向する無線通信装置と無線通信を行う側、すなわちサーキュレータ16側は状況が異なる。ハイパワーアンプ15からの出力は、長距離中継を想定すれば例えば+30dBm程度またはそれ以上が想定される。この場合、サーキュレータ16の逆方向への信号のもれ込みの減衰量を40dBとすると、ハイパワーアンプ15からスイッチ17側への信号のもれ込みは−10dBm程度となる。ローノイズアンプ18等のダイナミックレンジの関係上、この−10dBmの入力はローノイズアンプ18を破壊しかねない過剰な入力となる。そこで、スイッチ17は通常は導通状態とするが、信号検出回路12の入力信号レベルが閾値以上で送信タイミングにあるとき、信号検出回路12からの開放の指示に応じて切断状態となる。この結果、仮にハイパワーアンプ15からの送信信号の漏れ込みがあったとしても、ローノイズアンプ18への入力は回避され、ローノイズアンプ18への過剰入力による破壊を回避することができる。
【0043】
(無線通信装置1,3の構成例2)
図3は、無線通信装置1,3の構成例2を示す。
本構成例2は、図2に示す構成例1のサーキュレータ16およびスイッチ17に代えて送受信切り替えを行うスイッチ(SW)24を設け、信号検出回路12からの判定結果に応じて送受信切り替えを行う構成である。
【0044】
スイッチ24は、通常はアンテナ23の受信信号をローノイズアンプ18に出力する側に接続されており、ハイパワーアンプ15とアンテナ23との間およびハイパワーアンプ15とローノイズアンプ18との間の導通はない。ここで、信号検出回路12で所定の閾値以上の信号レベルが検出されると、スイッチ24の接続を切り替え、ハイパワーアンプ15の送信信号をアンテナ23側に出力する。この際、ハイパワーアンプ15とローノイズアンプ18との間およびアンテナ23とローノイズアンプ18との間に導通はない。
【0045】
なお、信号検出回路12の信号検出からスイッチ24の切り替えまでのタイムラグが無視できる理想的な状況では、図3の構成で十分に対応できる。しかし、そのタイムラグが無視できない場合には、送信信号の先頭部分が切れてアンテナ23から送信されることがありえるため、若干の特性が劣化する可能性がある。
【0046】
(無線通信装置1,3の構成例3)
図4は、無線通信装置1,3の構成例3を示す。
本構成例3は、図2に示す構成例1の信号検出回路12、スイッチ17、サーキュレータ16、アンテナ23に代えて、送受信それぞれに対応する送信アンテナ27−1および受信アンテナ27−2を備えた構成である。送信アンテナ27−1および受信アンテナ27−2は、それぞれのアンテナに指向性をもたせたり、異なる偏波特性を与えたり、それぞれのアンテナの物理的な距離を離すなどにより、送信アンテナ27−1から受信アンテナ27−2への直接的なもれ込みのパスを切った構成である。
【0047】
自由空間における伝搬損失は以下の式で与えられる。
L=10 log10(4πD/λ)2 …(1)
ここでDは距離、λは波長を表す。例えば2GHzの場合では、D=1mに対し伝搬損失は38.5dBとなる。これは、これまでのサーキュレータ16で逆方向の減衰量とほぼ一致する。したがって、送信アンテナ27−1と受信アンテナ27−2の間隔を1m離して設置し、アンテナ指向性により希望方向に対するアンテナ利得と隣接アンテナ方向のアンテナ利得の指向性利得差が15dBであれば、受信アンテナ27−2から見た送信アンテナ27−1からの送信信号に対する信号分離度は送信アンテナと受信アンテナの利得差が30dB加算され、結果として68.5dBだけ信号抑圧されたもれ込みに抑えられる。
【0048】
同様に、送信アンテナ27−1および受信アンテナ27−2を偏波アンテナとして水平偏波、垂直偏波と異なる偏波に設定し、周りの反射による偏波の回転を無視できる状況では、偏波間の漏れこみを20dB程度以下に抑えることは可能である。この結果、受信アンテナ27−2へのもれ込みは偏波間の信号分離を利用することで、さらに追加で20dBの減衰を見込むことが可能になる。その結果、送信アンテナ27−1と受信アンテナ27−2の間隔を1m離して設置し、アンテナの指向性と偏波特性を利用することで、アンテナ間の信号抑圧効果としては上記の全てを加算した88.5dBとすることができ、結果的にローノイズアンプ18への過剰入力を回避することが可能になる。なお、この受信信号がサーキュレータ11を介して基地局または端末局側に出力されたとしても、それらはTDDスイッチを備えているために問題にならない。
【0049】
また、偏波アンテナの利用に際しては、水平偏波および垂直偏波の組み合わせや、円偏波の右旋偏波および左旋偏波の組み合わせなどを利用可能である。ここで、例えば基地局側に接続された無線通信装置の送信アンテナが水平偏波であった場合には、端末局側に接続する受信アンテナを水平偏波に、さらに端末局側に接続された無線通信装置の送信アンテナを垂直偏波に、さらに基地局側に接続する受信アンテナを垂直偏波にするというように、対向する無線通信装置間の偏波の送受信の関係がクロスするように設定する。
【0050】
(無線通信装置1,3の構成例4)
図5は、無線通信装置1,3の構成例4を示す。
本構成例3は、図2に示す構成例1のサーキュレータ16、アンテナ23に代えて、送受信それぞれに対応する送信アンテナ28−1および受信アンテナ28−2を備えた構成である。図4に示す構成例3と同様に、送信アンテナ28−1と受信アンテナ28−2を分離しているが、信号検出回路12が所定の閾値以上の送信信号を検出することでスイッチ17を開放状態とするため、送信アンテナ28−1から受信アンテナ28−2への信号のもれ込みが許容されることになる。このため、送信アンテナ28−1および受信アンテナ28−2は必ずしも指向性等を備える必要はない。
【0051】
(無線通信装置1,3の構成例5)
図6は、無線通信装置1,3の構成例5を示す。
本構成例5は、無線通信装置1から無線通信装置3への信号は周波数F3、無線通信装置3から無線通信装置1への信号は周波数F4としたものである(F1≠F3, F1≠F4, F3≠F4)。ここでは、図2に示す構成例1に適用した例を示すが、他の構成例にも同様に適用可能である。
【0052】
本構成例5は、図2に示す構成例1の発振器22に代えて2つの発振器26−1,26−2を備え、さらに信号検出回路12およびスイッチ17に代えてフィルタ25を備えた構成である。アンテナ23は、周波数F3,F4の信号を送受信する。基地局および端末局は、もともとTDDで動作しており、実際の信号も時間軸上で衝突しないように制御されている。本構成例は、あくまでも信号のもれ込みを回避するために、基地局側の無線通信装置1と端末局側の無線通信装置3との間の通信を周波数軸上で分離するFDD化を行っている。このため、発振器26−1と発振器26−2から出力される信号の周波数はそれぞれ異なるものとなる。この結果、ハイパワーアンプ15からサーキュレータ16を介してもれ込んできた信号は、フィルタ25で帯域外の信号として除去される。一方、アンテナ23で受信された信号は、フィルタ25では帯域内となるために減衰なしに通過してローノイズアンプ18に入力する。
【0053】
(無線通信システムの第2の実施形態)
図7は、本発明の無線通信システムの第2の実施形態を示す。
本実施形態の無線通信システムは、図1に示す第1の実施形態の基地局101および端末局102にそれぞれTDDスイッチの切り替え信号を出力する端子29,30が備えられており、無線通信装置1,3がその切り替え信号に応じて送受信切り替えを行う構成である。
【0054】
図13に示す従来構成では、TDD−SW制御回路138は基地局からの受信信号から各種無線信号処理を施してTDDスイッチの切り替えタイミングを把握していたが、この情報を基地局101または端末局102から取得できる場合には、無線通信装置1,3の制御が簡単になる。例えば、図2または図5に示す信号検出回路12に代えてスイッチ17の切り替えを行うことができる。また、図3に示す信号検出回路12に代えてスイッチ24の切り替えを行うことができる。
【0055】
(無線通信装置1,3の構成例6)
図8は、無線通信装置1,3の構成例6を示す。
本構成例6は、図2に示す構成例1のサーキュレータ11,16、信号検出回路12、スイッチ17に代えてTDDスイッチ(TDD−SW)31−1,31−2を設け、基地局または端末局から入力する切り替えタイミングに応じて送受信切り替えを行う構成である。
【0056】
例えば、基地局が送信状態になるとき、TDD切り替えタイミングによりTDDスイッチ31−1,31−2が下り信号側に切り替わる。基地局に接続される無線通信装置1では、基地局からの受信信号は、TDDスイッチ31−1からミキサー13、フィルタ14、ハイパワーアンプ15、TDDスイッチ31−2を介してアンテナ23から対向する無線通信装置3に送信される。これにより、ハイパワーアンプ15からローノイズアンプ18方向への信号のもれ込みはない。
【0057】
一方、基地局が受信状態になるとき、TDD切り替えタイミングによりTDDスイッチ31−1,31−2が上り信号側に切り替わる。基地局に接続される無線通信装置1では、対向する無線通信装置3からの受信信号(端末局の送信信号)は、TDDスイッチ31−2からローノイズアンプ18、ミキサー19、フィルタ20、レベル調整回路21、TDDスイッチ31−1を介して基地局に送信される。これにより、レベル調整回路21からミキサー13方向への信号のもれ込みはない。
【0058】
以上の説明は、主要な機能ブロックのみを抽出して説明を行ったものであり、その他の関連した機能ブロックを同時に実装していても構わない。例えば、ローノイズアンプの前段には希望信号に対応した周波数帯の信号を通過させるフィルタを備えていても構わない。また、信号検出回路への入力信号が過剰な信号であれば、適宜アッテネータを挿入するなど、信号のレベル調整行っても構わない。また、不要な信号の逆流を防ぐために、方向性結合器を適宜利用することも可能である。ハイパワーアンプでの信号増幅のレベル調整のためにも、レベル調整回路を備えることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1,3 無線通信装置
2,4 無線通信装置のアンテナ
11,16 サーキュレータ
12 信号検出回路
13,19 ミキサー
14,20 フィルタ
15 ハイパワーアンプ(HPA)
17,24 スイッチ(SW)
18 ローノイズアンプ(LNA)
21 レベル調整回路
22,26−1,26−2 発振器
23 アンテナ
25 フィルタ
27−1,28−1 送信アンテナ
27−2,28−2 受信アンテナ
29,30 TDDスイッチの切り替え信号を出力する端子
31−1,31−2 TDDスイッチ(TDD−SW)
101 基地局
102 端末局
105 基地局のアンテナ端子
106 端末局のアンテナ端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の無線通信システムの無線局間で、既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現する無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な無線通信システムが普及している。要免許の周波数帯を用いる携帯電話などのシステムはもとより、 2.4GHz帯を中心とした無線LANなどでは免許不要のため、家庭やオフィスでの利用のために非常に多くの基地局および端末局が開発されている。
【0003】
図9は、従来の無線通信システムの構成例を示す。
図9において、101は基地局、102は端末局、103,104はアンテナ、105,106はアンテナ端子を表す。基地局101および端末局102は、アンテナ端子105,106にそれぞれ適当なアンテナ103,104を接続し、無線回線を介して、基地局101に接続されたネットワークと、端末局102に接続されたPC等の機器との間の通信を実現する。このアンテナ端子105,106を備えた装置構成は一般的であり、要免許の周波数帯を用いる無線通信システムでも基地局101または端末局102と、それに接続するアンテナ103,104の設置場所の関係で、アンテナ端子105,106を介して接続する形態は一般的である。
【0004】
ところで、 2.4GHz帯の免許不要の無線通信システムや携帯電話などの要免許の周波数帯を用いる無線通信システムがそれぞれ普及しているが、その他にも特定のユーザに限定した小規模な利用を前提とする無線通信システムも存在する。例えば、電話線などの敷設が困難な場所、例えば山岳部や離島などのような場所に、電話やインターネットアクセスのための回線を引く場合の無線通信システムである。このようなケースでは、有線のシステムに対する無線通信システムの導入の有効性は疑う余地もないが、それ単独でビジネス的な採算が取れるような好条件とはならない。一方で、公共性の観点からは、これらのニーズを無視する訳にもいかず、非特許文献1に示すように一部の企業で採算性に目を瞑りこれらのニーズに対応するための無線通信システムが新規に開発されている。
【0005】
ここで、非特許文献1に記載の拠点間無線ソリューションでは、様々な無線通信システムを用いて、物理的に離れた2箇所の地点を接続し、有線ネットワークにつながる拠点Aと、有線ネットワークから隔離された拠点Bの間を無線接続する。拠点Bとしては、ユーザ宅として直接、各ユーザを無線で収容することも可能であるし、または中継点として無線設備を設置し、その先は有線(または別の無線)回線で各ユーザ宅まで分配するという構成であっても構わない。
【0006】
図10は、中継局を介する無線通信システムの構成例を示す。
図10において、101は基地局、102は端末局、107は中継局、103,104,108,109はアンテナを表す。図9に示す基地局101と端末局102は直接通信を行う構成であるが、この区間を2分割し、基地局101と中継局107の通信と、中継局107と端末局102の通信に分離する。それぞれ双方向の通信を行うことから、基地局101から端末局102に向けての下り方向の通信と、端末局102から基地局101に向けての上り方向の通信が存在する。下り方向の通信では、基地局101のアンテナ103から送信された信号は中継局107のアンテナ108で受信し、これを増幅してアンテナ109から再送信し、これを端末局102のアンテナ104で受信し、各種無線信号処理を行ってPC等に向けて出力する。上り方向の通信では、端末局102のアンテナ104から送信された信号は中継局107のアンテナ109で受信し、これを増幅してアンテナ108から再送信し、これを基地局108のアンテナ103で受信し、各種無線信号処理を行ってネットワークに向けて出力する。
【0007】
中継局107は、基地局101との通信と端末局102との通信を双方向で同時並行的に行うため、時分割複信(TDD)や周波数分割複信(FDD)などを用い、それらの混信を回避する。このために、図10では中継局の両側にそれぞれ1本ずつのアンテナを備えた例を示しているが、状況に応じて複数本ずつの構成となることもある。以下、中継局として非再生中継を行う非再生中継無線装置の構成例を示す。
【0008】
図11は、周波数分割複信(FDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例を示す。
図11において、111,113はフィルタ、112,114はハイパワーアンプ(HPA)、115−1,116−1は受信アンテナ、115−2,116−2は送信アンテナを示す。下り方向(図中右方向)への信号は周波数F1、上り方向(図中左方向)への信号は周波数F1と異なる周波数F2を用いるものとする。
【0009】
下り方向の周波数F1の信号を受信アンテナ115−1で受信すると、フィルタ111で帯域外の信号を除去し、ハイパワーアンプ112で信号増幅し、送信アンテナ116−2から信号を送信する。一方、上り方向の周波数F2の信号を受信アンテナ116−1で受信すると、フィルタ113で帯域外の信号を除去し、ハイパワーアンプ114で信号増幅し、送信アンテナ115−2から信号を送信する。基本的に下り方向および上り方向は並列の無線中継機となっている。ここで、例えば送信アンテナ115−2からの信号が隣接する受信アンテナ115−1にもれ込むことはあるが、この場合にはフィルタ111で送信アンテナ115−2が送信した周波数F2の信号を除去し、受信アンテナ115−1で受信した周波数F1の信号成分だけを抽出することで、相互の干渉を抑圧している。ただし、送信アンテナ116−2で送信した信号が受信アンテナ115−1にもれ込む場合にはフィルタ111では除去できないので、これを避けるために周波数F1に対応する受信アンテナ115−1と送信アンテナ116−2、周波数F2に対応する受信アンテナ162−1と送信アンテナ115−2はそれぞれ指向性を備えたアンテナとし、下り方向および上り方向のそれぞれの送受信信号間のもれ込みを遮断する必要がある。
【0010】
一般にマイクロ波帯の電波であれば、見通し波の他に様々な多重反射波が有意な受信レベルで受かるため、アンテナの指向性だけでは十分に下り方向および上り方向のそれぞれの送受信信号間の漏れこみを完全に遮断し切れない場合が多い。その場合には、特許文献1の「無線中継装置及び無線通信システム」に示されるように、基地局側と端末局側の信号の周波数を異なる周波数に設定し、下り信号と上り信号を周波数軸上で多重する代わりに時間軸上で時分割で多重するTDD方式を採用することが好ましい。
【0011】
図12は、時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例1を示す。
図12において、121,124,126,129はフィルタ、122,127はローノイズアンプ(LNA)、123,128はミキサー、125,130はハイパワーアンプ(HPA)、131は発振器、132,133はサーキュレータ、134,135はアンテナを示す。基地局との双方向通信(図中左側の通信)を周波数F1を用いて時分割で行い、端末局との双方向通信(図中右側の通信)を周波数F2を用いて時分割で行うものとする。
【0012】
下り方向の周波数F1の信号はアンテナ134で受信すると、サーキュレータ132を介してフィルタ121に入力する。フィルタ121では帯域外の信号を除去し、ローノイズアンプ122で微弱な受信信号を所定のレベルに引き上げる。ミキサー123は、発振器131から所定の周波数の信号を入力し、これにローノイズアンプ112からの信号を乗算して周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF1からF2に変換されるが、実際にはミキサー123からの出力信号にはF1+|F1−F2|に加えてF1−|F1−F2|が含まれるので、周波数F2以外の成分を除去するためにフィルタ124を用いる。フィルタ124から出力される周波数F2の信号は、ハイパワーアンプ125で増幅され、サーキュレータ133を介してアンテナ135より出力される。ここで理想的なサーキュレータであれば、ハイパワーアンプ125からサーキュレータ133に入力された信号はアンテナ135側のみに出力され、フィルタ126側にはもれ込まない。
【0013】
一方、上り方向の周波数F2の信号はアンテナ135で受信すると、サーキュレータ133を介してフィルタ126に入力する。フィルタ126では帯域外の信号を除去し、ローノイズアンプ127で微弱な受信信号を所定のレベルに引き上げる。ミキサー128は、この信号に発振器131からの信号を乗算し、周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF2からF1に変換されるが、周波数F1以外の成分を除去するためにフィルタ129を用いる。フィルタ129から出力される周波数F1の信号は、ハイパワーアンプ130で増幅され、サーキュレータ132を介してアンテナ134より出力される。ここで、理想的なサーキュレータであれば、ハイパワーアンプ130からサーキュレータ132に入力された信号はアンテナ134側のみに出力され、フィルタ121側にはもれ込まない。
【0014】
図13は、時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例2を示す。
本構成例は、図12に示すサーキュレータ132,133をTDDスイッチ(TDD−SW)136,137に置き換え、TDDスイッチ136,137を切り替えるTDD−SW制御回路138を備えた構成である。このTDD−SW制御回路138には、ローノイズアンプ122で増幅された信号が入力され、信号処理によって基地局側からの送受信タイミングに関する制御情報を取得する。TDDスイッチ136,137は、この制御情報に従ったタイミングで切り替えられる。例えば、下り信号(図中右方向の信号)のタイミングでは、TDDスイッチ136は、アンテナ134とフィルタ121を接続するとともに、ハイパワーアンプ125とアンテナ135を接続する。同様に、上り信号(図中左方向の信号)のタイミングでは、TDDスイッチ137は、アンテナ135とフィルタ126を接続し、ハイパワーアンプ130とアンテナ134を接続する。このようにして、図10に示した無線信号の中継を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−335199号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】http://www.ntt-west.co.jp/solution/solution/category/kyoten.html、NTT西日本「拠点間無線ソリューション」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図12に示す非再生中継無線装置において正常な動作のためには、サーキュレータ132,133が理想的な回路であることが前提となる。しかし、実際のサーキュレータは、アンテナ134からフィルタ121の方向、フィルタ121からハイパワーアンプ130の方向、ハイパワーアンプ130からアンテナ134の方向の3つの順方向に対し、この逆方向への信号のもれ込みの抑圧は順方向の信号に対して30〜40dBの減衰程度にしかならない。
【0018】
例えば、ハイパワーアンプ130からの出力信号レベルが+10dBmであるとき、この信号はハイパワーアンプ130からアンテナ134の順方向にほぼ減衰がなく通過するが、ハイパワーアンプ130からフィルタ121の逆方向に40dB減衰した−30dBmの信号として入力する。一方、アンテナ134に受信する信号の受信レベルは基地局との距離に応じて異なるが、通常は−30dBmから−80dBm程度の50dB程度のダイナミックレンジをもって受信される。ハイパワーアンプ130からの信号のもれ込みが−30dBmであることを考慮すると、この不要な信号は通常の運用の中では無視できず、高いレベルの干渉信号として振舞うことになる。さらにこの信号は、ローノイズアンプ122、ミキサー123、フィルタ124、ハイパワーアンプ125を経由し、大電力の送信信号となってサーキュレータ133に入力する。この信号も同様にサーキュレータ133の逆方向の経路を介してフィルタ126に入力し、ローノイズアンプ127、ミキサー128、フィルタ129、ハイパワーアンプ130と経由し、ループを形成してしまう。この結果、信号は発振状態となり、希望信号の通信に致命的な影響を与える。
【0019】
一方、図13に示す非再生中継無線装置では、TDDスイッチ136,137により、ハイパワーアンプ130からフィルタ121の方向やハイパワーアンプ125からフィルタ126の方向への漏洩電力の問題は解消されるが、別途それを制御するTDD−SW制御回路138が必要になる。TDD−SW制御回路138は、基地局からの下り信号を信号処理し、必要な送受信タイミングに関する制御情報を取得する必要があり、低コストの非再生中継無線装置にとってはコスト上昇要因となる。
【0020】
本発明は、既存の無線通信システムの無線局間で、既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現するための機能を、既存の無線通信システムを改造することなく外付けの安価なオプション機器で対応することができる無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の発明は、第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信システムにおいて、第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置は、第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する構成である。
【0022】
第1の発明の無線通信システムにおいて、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第2の信号分離手段と、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、第2の信号分離手段で分離した第2の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段とを備える。
【0023】
この第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、第2の信号分離手段は、第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離するサーキュレータを用い、第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、第2の信号分離手段から第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含むことを特徴とする。
【0024】
この第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、第2の信号分離手段は、第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば第2の周波数チャネルの送信信号を選択し、当該信号レベルが所定の閾値未満であれば第2の周波数チャネルの受信信号を選択するスイッチを用いた構成であることを特徴とする。
【0025】
この第2の信号分離手段は、第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離して送受信する送信アンテナと受信アンテナを用いた構成であることを特徴とする。さらに、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、第2の信号分離手段は、第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、受信アンテナから第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含むことを特徴とする。
【0026】
この第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、それぞれ有線接続される無線局から時分割複信の送信タイミングまたは受信タイミングの情報を受信する手段を備え、第1の信号分離手段および第2の信号分離手段は、送信タイミングまたは受信タイミングの情報に応じて、第1の周波数変換手段を介する信号経路または第2の周波数変換手段を介する信号経路のどちらかに切り替えるスイッチを用いた構成であることを特徴とする。
【0027】
第1の発明の無線通信システムにおいて、第2の周波数チャネルの信号は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第3の周波数チャネルと第4の周波数チャネルの信号を分離する第2の信号分離手段と、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、第2の信号分離手段で分離した第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段とを備える。
【0028】
この第2の信号分離手段は、第3の周波数チャネルの信号と第4の周波数チャネルの信号を分離するサーキュレータを用い、第2の信号分離手段から第2の周波数変換手段に至る経路に、対向する無線通信装置に送信する周波数チャネルの信号を除去するフィルタを含むことを特徴とする。
【0029】
第2の発明は、第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信方法において、第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置は、第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継することを特徴とする。
【0030】
第2の発明の無線通信方法において、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、第2の信号分離手段で、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、第1の周波数変換手段で、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力し、第2の周波数変換手段で、第2の信号分離手段で分離した第2の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力することを特徴とする。
【0031】
この第2の周波数チャネルの信号は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置は、第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、第2の信号分離手段で、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で送受信する第3の周波数チャネルと第4の周波数チャネルの信号を分離し、第1の周波数変換手段で、第1の信号分離手段で分離した第1の周波数チャネルの受信信号を第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第2の信号分離手段に入力し、第2の周波数変換手段で、第2の信号分離手段で分離した第3の周波数チャネルまたは第4の周波数チャネルの受信信号を第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して第1の信号分離手段に入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明の無線通信システムは、既存の無線通信システムの第1の無線局と第2の無線局との間で時分割複信で行われる第1の周波数チャネルの信号を、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置を介して第2の周波数チャネルの信号に変換して送受信することにより、既存の無線通信システムを改造することなく既存の無線通信システムとは異なる周波数帯を用いた無線通信を実現することができる。
【0033】
これにより、既に市販されている様々な無線通信システムを利用し、特定の用途で用いられる他の周波数帯での無線通信を行う際に、多大な改造費用等を費やすことなく安価な無線通信システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の無線通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【図2】無線通信装置1,3の構成例1を示す図である。
【図3】無線通信装置1,3の構成例2を示す図である。
【図4】無線通信装置1,3の構成例3を示す図である。
【図5】無線通信装置1,3の構成例4を示す図である。
【図6】無線通信装置1,3の構成例5を示す図である。
【図7】本発明の無線通信システムの第2の実施形態を示す図である。
【図8】無線通信装置1,3の構成例6を示す図である。
【図9】従来の無線通信システムの構成例を示す図である。
【図10】中継局を介する無線通信システムの構成例を示す図である。
【図11】周波数分割複信(FDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例を示す図である。
【図12】時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例1を示す図である。
【図13】時分割複信(TDD)に対応する非再生中継無線装置の構成例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(無線通信システムの第1の実施形態)
図1は、本発明の無線通信システムの第1の実施形態を示す。
図1において、1,3は無線通信装置、2,4は無線通信装置のアンテナ、101は基地局、102は端末局、105は基地局のアンテナ端子、106の端末局のアンテナ端子を示す。ここで、基地局101および端末局102は、従来の無線通信システムにおけるものと同等であり、周波F1を用い、時分割複信(TDD)で双方向通信を行う構成である。すなわち、基地局101はアンテナ端子105を備え、端末局102はアンテナ端子106を備え、このアンテナ端子105,106にそれぞれ無線通信装置1,3を接続する構成である。また、無線通信装置1と無線通信装置3は全く同一の装置であり、その接続先が基地局101か端末局102かには依存しない。基地局101と無線通信装置1との間、端末局102と無線通信装置3との間の信号は周波数F1であり、無線通信装置1,3間の信号は周波数F2である(F1≠F2)。なお、後述するように、無線通信装置1から無線通信装置3への信号を周波数F3、無線通信装置3から無線通信装置1への信号を周波数F4としてもよい(F1≠F3, F1≠F4, F3≠F4)。
【0036】
基地局101から端末局102への下り方向の通信では、基地局101のアンテナ端子105から無線通信装置1に周波数F1の信号を入力し、無線通信装置1で周波数F1からF2に周波数変換してアンテナ2から送信する。送信された信号は、端末局102に接続された無線通信装置3のアンテナ4に受信し、無線通信装置3で周波数F2からF1へ周波数変換され、出力された信号は端末局102のアンテナ端子106を介して端末局102に受信する。端末局102では、周波数F1の信号を受信するため、結果的に基地局101が送信した信号と全く等価な信号として処理可能であり、基地局101と端末局102は全く改造を行うことなしに動作可能である。
【0037】
同様に、端末局102から基地局101への上り方向の通信では、端末局102のアンテナ端子106から無線通信装置3に周波数F1の信号を入力し、無線通信装置3で周波数F1からF2の信号に周波数変換してアンテナ4から送信する。送信された信号は、基地局101に接続された無線通信装置1のアンテナ2に受信し、無線通信装置1で周波数F2からF1へ周波数変換され、出力された信号は基地局101のアンテナ端子105を介して基地局101に受信する。基地局101では、周波数F1の信号を受信するため、結果的に端末局102が送信した信号と全く等価な信号として処理可能であり、同様に基地局101と端末局102は全く改造を行うことなしに動作可能である。
【0038】
(無線通信装置1,3の構成例1)
図2は、無線通信装置1,3の構成例1を示す。
図2において、11,16はサーキュレータ、12は信号検出回路、13,19はミキサー、14,20はフィルタ、15はハイパワーアンプ(HPA)、17はスイッチ(SW)、18はローノイズアンプ(LNA)、21はレベル調整回路、22は発振器、23はアンテナを示す。基地局または端末局との双方向通信(図中左側の通信)を周波数F1を用いて時分割複信(TDD)で行い、対向する無線通信装置との双方向通信(図中右側の通信)を周波数F2を用いて時分割複信(TDD)で行うものとする。ただし、TDD制御は基地局と端末局が行い、無線通信装置1,3はそのTDD制御に従属するだけである。無線通信装置1,3は同一構成であるが、以下基地局に接続される無線通信装置1を例に、その構成および動作について説明する。
【0039】
基地局から送信される下り方向の周波数F1の信号は、サーキュレータ11から信号検出回路12に入力する。信号検出回路12では、入力信号をミキサー13に出力するとともに、入力信号のレベルを定期的に監視し、所定の閾値以上の入力があるか否かを判定する。判定した結果、所定のレベル以上と判断した場合はスイッチ17に対して回路の開放(切断)を指示する。ミキサー13は、発振器22から所定の周波数の信号を入力し、これに信号検出回路12からの信号を乗算して周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF1からF2に変換されるが、実際にはミキサー13からの出力信号にはF1+|F1−F2|に加えてF1−|F1−F2|が含まれるので、周波数F2以外の成分を除去するためにフィルタ14を用いる。フィルタ14から出力される周波数F2の信号は、ハイパワーアンプ15で増幅され、サーキュレータ16を介してアンテナ23から送信される。
【0040】
一方、対向する無線通信装置から送信される上り方向の周波数F2の信号はアンテナ23に受信すると、サーキュレータ16を介してスイッチ17に入力し、さらにローノイズアンプ18で増幅された信号はミキサー19に入力する。ミキサー19は、この信号に発振器22からの信号を乗算し、周波数変換を行う。この周波数変換により、周波数はF2からF1に変換されるが、周波数F1以外の成分を除去するためにフィルタ20を用いる。フィルタ20から出力される周波数F1の信号は、レベル調整回路21で所定の信号レベルに調整され、サーキュレータ11を介して出力される。
【0041】
ここで、レベル調整回路21は、この無線通信装置が接続される基地局(または端末局)において、受信信号のレベルとして想定している最大の受信レベルを超えないように所定のレベルに調整する機能を有する。例えば、無線LANなどの受信信号は、ダイナミックレンジの都合上、最大で−30dBm程度となる。本発明における無線通信装置は、基地局(または端末局)に有線接続されており、中継器のように空間上を伝搬するために高レベルまで増幅する必要がないため、サーキュレータ11への入力は一例として−30dBm程度が想定される。この信号がサーキュレータ11の順方向に対して逆向きに漏れ出す場合の減衰が40dBとすれば、レベル調整回路21から信号検出回路12への信号のもれ込みは−70dBm程度となる。一方、外部からの信号の入力は、もともとの送信電力がそのまま入力されるので、無線LANを例にとれば、+10dBm程度の信号レベルとなる。したがって、レベル調整回路21側から−70dBm程度のもれ込みは十分に無視できるレベルであり、全く問題とはならない。また、外部に無線LANより大出力の装置を接続している場合には、信号検出回路12側への入力はさらに大電力になり、レベル調整回路21側からの信号のもれ込みはさらに無視可能なレベルとなる。
【0042】
一方、対向する無線通信装置と無線通信を行う側、すなわちサーキュレータ16側は状況が異なる。ハイパワーアンプ15からの出力は、長距離中継を想定すれば例えば+30dBm程度またはそれ以上が想定される。この場合、サーキュレータ16の逆方向への信号のもれ込みの減衰量を40dBとすると、ハイパワーアンプ15からスイッチ17側への信号のもれ込みは−10dBm程度となる。ローノイズアンプ18等のダイナミックレンジの関係上、この−10dBmの入力はローノイズアンプ18を破壊しかねない過剰な入力となる。そこで、スイッチ17は通常は導通状態とするが、信号検出回路12の入力信号レベルが閾値以上で送信タイミングにあるとき、信号検出回路12からの開放の指示に応じて切断状態となる。この結果、仮にハイパワーアンプ15からの送信信号の漏れ込みがあったとしても、ローノイズアンプ18への入力は回避され、ローノイズアンプ18への過剰入力による破壊を回避することができる。
【0043】
(無線通信装置1,3の構成例2)
図3は、無線通信装置1,3の構成例2を示す。
本構成例2は、図2に示す構成例1のサーキュレータ16およびスイッチ17に代えて送受信切り替えを行うスイッチ(SW)24を設け、信号検出回路12からの判定結果に応じて送受信切り替えを行う構成である。
【0044】
スイッチ24は、通常はアンテナ23の受信信号をローノイズアンプ18に出力する側に接続されており、ハイパワーアンプ15とアンテナ23との間およびハイパワーアンプ15とローノイズアンプ18との間の導通はない。ここで、信号検出回路12で所定の閾値以上の信号レベルが検出されると、スイッチ24の接続を切り替え、ハイパワーアンプ15の送信信号をアンテナ23側に出力する。この際、ハイパワーアンプ15とローノイズアンプ18との間およびアンテナ23とローノイズアンプ18との間に導通はない。
【0045】
なお、信号検出回路12の信号検出からスイッチ24の切り替えまでのタイムラグが無視できる理想的な状況では、図3の構成で十分に対応できる。しかし、そのタイムラグが無視できない場合には、送信信号の先頭部分が切れてアンテナ23から送信されることがありえるため、若干の特性が劣化する可能性がある。
【0046】
(無線通信装置1,3の構成例3)
図4は、無線通信装置1,3の構成例3を示す。
本構成例3は、図2に示す構成例1の信号検出回路12、スイッチ17、サーキュレータ16、アンテナ23に代えて、送受信それぞれに対応する送信アンテナ27−1および受信アンテナ27−2を備えた構成である。送信アンテナ27−1および受信アンテナ27−2は、それぞれのアンテナに指向性をもたせたり、異なる偏波特性を与えたり、それぞれのアンテナの物理的な距離を離すなどにより、送信アンテナ27−1から受信アンテナ27−2への直接的なもれ込みのパスを切った構成である。
【0047】
自由空間における伝搬損失は以下の式で与えられる。
L=10 log10(4πD/λ)2 …(1)
ここでDは距離、λは波長を表す。例えば2GHzの場合では、D=1mに対し伝搬損失は38.5dBとなる。これは、これまでのサーキュレータ16で逆方向の減衰量とほぼ一致する。したがって、送信アンテナ27−1と受信アンテナ27−2の間隔を1m離して設置し、アンテナ指向性により希望方向に対するアンテナ利得と隣接アンテナ方向のアンテナ利得の指向性利得差が15dBであれば、受信アンテナ27−2から見た送信アンテナ27−1からの送信信号に対する信号分離度は送信アンテナと受信アンテナの利得差が30dB加算され、結果として68.5dBだけ信号抑圧されたもれ込みに抑えられる。
【0048】
同様に、送信アンテナ27−1および受信アンテナ27−2を偏波アンテナとして水平偏波、垂直偏波と異なる偏波に設定し、周りの反射による偏波の回転を無視できる状況では、偏波間の漏れこみを20dB程度以下に抑えることは可能である。この結果、受信アンテナ27−2へのもれ込みは偏波間の信号分離を利用することで、さらに追加で20dBの減衰を見込むことが可能になる。その結果、送信アンテナ27−1と受信アンテナ27−2の間隔を1m離して設置し、アンテナの指向性と偏波特性を利用することで、アンテナ間の信号抑圧効果としては上記の全てを加算した88.5dBとすることができ、結果的にローノイズアンプ18への過剰入力を回避することが可能になる。なお、この受信信号がサーキュレータ11を介して基地局または端末局側に出力されたとしても、それらはTDDスイッチを備えているために問題にならない。
【0049】
また、偏波アンテナの利用に際しては、水平偏波および垂直偏波の組み合わせや、円偏波の右旋偏波および左旋偏波の組み合わせなどを利用可能である。ここで、例えば基地局側に接続された無線通信装置の送信アンテナが水平偏波であった場合には、端末局側に接続する受信アンテナを水平偏波に、さらに端末局側に接続された無線通信装置の送信アンテナを垂直偏波に、さらに基地局側に接続する受信アンテナを垂直偏波にするというように、対向する無線通信装置間の偏波の送受信の関係がクロスするように設定する。
【0050】
(無線通信装置1,3の構成例4)
図5は、無線通信装置1,3の構成例4を示す。
本構成例3は、図2に示す構成例1のサーキュレータ16、アンテナ23に代えて、送受信それぞれに対応する送信アンテナ28−1および受信アンテナ28−2を備えた構成である。図4に示す構成例3と同様に、送信アンテナ28−1と受信アンテナ28−2を分離しているが、信号検出回路12が所定の閾値以上の送信信号を検出することでスイッチ17を開放状態とするため、送信アンテナ28−1から受信アンテナ28−2への信号のもれ込みが許容されることになる。このため、送信アンテナ28−1および受信アンテナ28−2は必ずしも指向性等を備える必要はない。
【0051】
(無線通信装置1,3の構成例5)
図6は、無線通信装置1,3の構成例5を示す。
本構成例5は、無線通信装置1から無線通信装置3への信号は周波数F3、無線通信装置3から無線通信装置1への信号は周波数F4としたものである(F1≠F3, F1≠F4, F3≠F4)。ここでは、図2に示す構成例1に適用した例を示すが、他の構成例にも同様に適用可能である。
【0052】
本構成例5は、図2に示す構成例1の発振器22に代えて2つの発振器26−1,26−2を備え、さらに信号検出回路12およびスイッチ17に代えてフィルタ25を備えた構成である。アンテナ23は、周波数F3,F4の信号を送受信する。基地局および端末局は、もともとTDDで動作しており、実際の信号も時間軸上で衝突しないように制御されている。本構成例は、あくまでも信号のもれ込みを回避するために、基地局側の無線通信装置1と端末局側の無線通信装置3との間の通信を周波数軸上で分離するFDD化を行っている。このため、発振器26−1と発振器26−2から出力される信号の周波数はそれぞれ異なるものとなる。この結果、ハイパワーアンプ15からサーキュレータ16を介してもれ込んできた信号は、フィルタ25で帯域外の信号として除去される。一方、アンテナ23で受信された信号は、フィルタ25では帯域内となるために減衰なしに通過してローノイズアンプ18に入力する。
【0053】
(無線通信システムの第2の実施形態)
図7は、本発明の無線通信システムの第2の実施形態を示す。
本実施形態の無線通信システムは、図1に示す第1の実施形態の基地局101および端末局102にそれぞれTDDスイッチの切り替え信号を出力する端子29,30が備えられており、無線通信装置1,3がその切り替え信号に応じて送受信切り替えを行う構成である。
【0054】
図13に示す従来構成では、TDD−SW制御回路138は基地局からの受信信号から各種無線信号処理を施してTDDスイッチの切り替えタイミングを把握していたが、この情報を基地局101または端末局102から取得できる場合には、無線通信装置1,3の制御が簡単になる。例えば、図2または図5に示す信号検出回路12に代えてスイッチ17の切り替えを行うことができる。また、図3に示す信号検出回路12に代えてスイッチ24の切り替えを行うことができる。
【0055】
(無線通信装置1,3の構成例6)
図8は、無線通信装置1,3の構成例6を示す。
本構成例6は、図2に示す構成例1のサーキュレータ11,16、信号検出回路12、スイッチ17に代えてTDDスイッチ(TDD−SW)31−1,31−2を設け、基地局または端末局から入力する切り替えタイミングに応じて送受信切り替えを行う構成である。
【0056】
例えば、基地局が送信状態になるとき、TDD切り替えタイミングによりTDDスイッチ31−1,31−2が下り信号側に切り替わる。基地局に接続される無線通信装置1では、基地局からの受信信号は、TDDスイッチ31−1からミキサー13、フィルタ14、ハイパワーアンプ15、TDDスイッチ31−2を介してアンテナ23から対向する無線通信装置3に送信される。これにより、ハイパワーアンプ15からローノイズアンプ18方向への信号のもれ込みはない。
【0057】
一方、基地局が受信状態になるとき、TDD切り替えタイミングによりTDDスイッチ31−1,31−2が上り信号側に切り替わる。基地局に接続される無線通信装置1では、対向する無線通信装置3からの受信信号(端末局の送信信号)は、TDDスイッチ31−2からローノイズアンプ18、ミキサー19、フィルタ20、レベル調整回路21、TDDスイッチ31−1を介して基地局に送信される。これにより、レベル調整回路21からミキサー13方向への信号のもれ込みはない。
【0058】
以上の説明は、主要な機能ブロックのみを抽出して説明を行ったものであり、その他の関連した機能ブロックを同時に実装していても構わない。例えば、ローノイズアンプの前段には希望信号に対応した周波数帯の信号を通過させるフィルタを備えていても構わない。また、信号検出回路への入力信号が過剰な信号であれば、適宜アッテネータを挿入するなど、信号のレベル調整行っても構わない。また、不要な信号の逆流を防ぐために、方向性結合器を適宜利用することも可能である。ハイパワーアンプでの信号増幅のレベル調整のためにも、レベル調整回路を備えることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1,3 無線通信装置
2,4 無線通信装置のアンテナ
11,16 サーキュレータ
12 信号検出回路
13,19 ミキサー
14,20 フィルタ
15 ハイパワーアンプ(HPA)
17,24 スイッチ(SW)
18 ローノイズアンプ(LNA)
21 レベル調整回路
22,26−1,26−2 発振器
23 アンテナ
25 フィルタ
27−1,28−1 送信アンテナ
27−2,28−2 受信アンテナ
29,30 TDDスイッチの切り替え信号を出力する端子
31−1,31−2 TDDスイッチ(TDD−SW)
101 基地局
102 端末局
105 基地局のアンテナ端子
106 端末局のアンテナ端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、前記第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線局と前記第2の無線局との間で時分割複信で行われる前記第1の周波数チャネルの信号を、前記第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、
前記第2の信号分離手段で分離した前記第2の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段と
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、
前記第2の信号分離手段は、前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離するサーキュレータを用い、前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、前記第2の信号分離手段から前記第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含む
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、
前記第2の信号分離手段は、前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば前記第2の周波数チャネルの送信信号を選択し、当該信号レベルが所定の閾値未満であれば前記第2の周波数チャネルの受信信号を選択するスイッチを用いた構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の信号分離手段は、前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離して送受信する送信アンテナと受信アンテナを用いた構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、
前記第2の信号分離手段は、前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、前記受信アンテナから前記第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含む
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項7】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
それぞれ有線接続される無線局から前記時分割複信の送信タイミングまたは受信タイミングの情報を受信する手段を備え、
前記第1の信号分離手段および前記第2の信号分離手段は、前記送信タイミングまたは受信タイミングの情報に応じて、前記第1の周波数変換手段を介する信号経路または前記第2の周波数変換手段を介する信号経路のどちらかに切り替えるスイッチを用いた構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の周波数チャネルの信号は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第3の周波数チャネルと前記第4の周波数チャネルの信号を分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、
前記第2の信号分離手段で分離した前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段と
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
請求項8に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の信号分離手段は、前記第3の周波数チャネルの信号と前記第4の周波数チャネルの信号を分離するサーキュレータを用い、前記第2の信号分離手段から前記第2の周波数変換手段に至る経路に、対向する無線通信装置に送信する周波数チャネルの信号を除去するフィルタを含む
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信方法において、
前記第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、前記第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線局と前記第2の無線局との間で時分割複信で行われる前記第1の周波数チャネルの信号を、前記第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
請求項10に記載の無線通信方法において、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、
第2の信号分離手段で、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、
第1の周波数変換手段で、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力し、
第2の周波数変換手段で、前記第2の信号分離手段で分離した前記第2の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項12】
請求項10に記載の無線通信方法において、
前記第2の周波数チャネルの信号は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、
第2の信号分離手段で、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第3の周波数チャネルと前記第4の周波数チャネルの信号を分離し、
第1の周波数変換手段で、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力し、
第2の周波数変換手段で、前記第2の信号分離手段で分離した前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、前記第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線局と前記第2の無線局との間で時分割複信で行われる前記第1の周波数チャネルの信号を、前記第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、
前記第2の信号分離手段で分離した前記第2の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段と
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、
前記第2の信号分離手段は、前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離するサーキュレータを用い、前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、前記第2の信号分離手段から前記第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含む
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、
前記第2の信号分離手段は、前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば前記第2の周波数チャネルの送信信号を選択し、当該信号レベルが所定の閾値未満であれば前記第2の周波数チャネルの受信信号を選択するスイッチを用いた構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の信号分離手段は、前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離して送受信する送信アンテナと受信アンテナを用いた構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルを検出する手段を備え、
前記第2の信号分離手段は、前記第1の周波数チャネルの受信信号(無線局の送信信号)の信号レベルが所定の閾値以上であれば、前記受信アンテナから前記第2の周波数変換手段に至る信号経路を遮断する遮断手段を含む
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項7】
請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
それぞれ有線接続される無線局から前記時分割複信の送信タイミングまたは受信タイミングの情報を受信する手段を備え、
前記第1の信号分離手段および前記第2の信号分離手段は、前記送信タイミングまたは受信タイミングの情報に応じて、前記第1の周波数変換手段を介する信号経路または前記第2の周波数変換手段を介する信号経路のどちらかに切り替えるスイッチを用いた構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の周波数チャネルの信号は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離する第1の信号分離手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第3の周波数チャネルと前記第4の周波数チャネルの信号を分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力する第1の周波数変換手段と、
前記第2の信号分離手段で分離した前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する第2の周波数変換手段と
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
請求項8に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の信号分離手段は、前記第3の周波数チャネルの信号と前記第4の周波数チャネルの信号を分離するサーキュレータを用い、前記第2の信号分離手段から前記第2の周波数変換手段に至る経路に、対向する無線通信装置に送信する周波数チャネルの信号を除去するフィルタを含む
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
第1の無線局と第2の無線局との間で、第1の周波数チャネルを用いて時分割複信で双方向の無線通信を行う無線通信方法において、
前記第1の無線局のアンテナ端子に有線接続される第1の無線通信装置と、前記第2の無線局のアンテナ端子に有線接続される第2の無線通信装置とを備え、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線局と前記第2の無線局との間で時分割複信で行われる前記第1の周波数チャネルの信号を、前記第1の周波数チャネルと異なる第2の周波数チャネルの信号に周波数変換し、相互に中継する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
請求項10に記載の無線通信方法において、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、
第2の信号分離手段で、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第2の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、
第1の周波数変換手段で、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第2の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力し、
第2の周波数変換手段で、前記第2の信号分離手段で分離した前記第2の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項12】
請求項10に記載の無線通信方法において、
前記第2の周波数チャネルの信号は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の信号の方向に応じて、互いに異なる第3の周波数チャネルの信号および第4の周波数チャネルの信号とし、
前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置は、
第1の信号分離手段で、それぞれ有線接続される無線局との間で送受信する前記第1の周波数チャネルの送信信号と受信信号を分離し、
第2の信号分離手段で、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で送受信する前記第3の周波数チャネルと前記第4の周波数チャネルの信号を分離し、
第1の周波数変換手段で、前記第1の信号分離手段で分離した前記第1の周波数チャネルの受信信号を前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第2の信号分離手段に入力し、
第2の周波数変換手段で、前記第2の信号分離手段で分離した前記第3の周波数チャネルまたは前記第4の周波数チャネルの受信信号を前記第1の周波数チャネルの送信信号に周波数変換して前記第1の信号分離手段に入力する
ことを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−239229(P2011−239229A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109494(P2010−109494)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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