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無線通信システムおよび通信制御方法
説明

無線通信システムおよび通信制御方法

【課題】基地局間での情報の共有に費やす時間を低減できるとともに、高速性と通信品質とのトレードオフの関係を改善してCoMP送受信を実現する。
【解決手段】無線端末MS、基地局BS1およびBS2、上位側基地局BSXを有し、上位側基地局BSXは、CoMP送受信の要求があった場合に、CoMP送受信のために連携する基地局BS2を決定し、無線端末MSと接続中の基地局BS1およびBS2に対して無線回線を開き、同じ信号を送ることでCoMP送受信を行い、基地局BS1およびBS2は、上位側基地局BSXとの間で、無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムおよび通信制御方法に関し、特に、多地点協調(CoMP:Coordinated MultiPoint)送受信に適した無線通信システムおよび通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局のエリアフリンジでの無線通信の性能を向上させる手法として、多地点協調(CoMP)送受信が3GPP(Third Generation Partnership Project)等にて提案、検討されている。
【0003】
CoMPの基本的な原理は、異なるセル間で送信あるいは受信を連携して調整することにあり、例えば、複数のセルでそれぞれ受信された信号情報をセル間で通信して結合処理する(joint Processing)方法や、下り送信であれば、複数のセルから同一ユーザに向けての結合送信(joint transmission)などが考えられる。
【0004】
CoMP送受信を行うことで、隣接セルからの干渉の低減や、所望信号レベルを増大する効果が得られ、そのため、基地局のエリアフリンジでの周波数利用効率の改善が期待できる。
【0005】
CoMP送受信を実行する通信システムとしては、特許文献1に開示される通信システムが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−101358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
CoMP送受信を実現するには、各基地局が複数の基地局情報を共有して通信端末と通信する必要があるが、異なる場所に設置された基地局間で情報を共有するには有線ネットワークを経由し、上位装置を介してのデータの授受が必要となる。
【0008】
すなわち、各基地局は有線ネットワークに接続され、ある基地局からの情報を他の基地局で共有しようとする場合、ある基地局からの情報は有線ネットワークを経由して一旦、上位装置に与えられ、上位装置から再び有線ネットワークを介して他の基地局に与えられることとなる。このため、情報を共有するまでに時間を要し、遅延が発生するという問題がある。
【0009】
また、高速性と通信品質とのトレードオフの問題がある。すなわち、高速性を求めると、オーバーヘッド量を抑える必要があるが、通信品質を高めるにはオーバーヘッド量が増えることとなる。そして、CoMP送受信には様々な形態があり、それぞれの形態に合わせて高速性と通信品質とのトレードオフの関係を考慮したデータフォーマットを規定するのは困難という問題があった。
【0010】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、基地局間での情報の共有に費やす時間を低減できるとともに、高速性と通信品質とのトレードオフの関係を改善してCoMP送受信を実現できる無線通信システムおよび通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る無線通信システムは、無線端末と、前記無線端末と無線通信を行う複数の通信装置と、前記複数の通信装置との間で無線通信を行うことが可能な上位側通信装置とを備え、前記複数の通信装置のそれぞれは、前記無線端末と接続中である場合に、前記無線端末からの上り信号の受信情報および前記無線端末からのフィードバック情報を取得し、取得した前記上り信号の受信情報および前記フィードバック情報の何れかに基づいて、前記上位側通信装置との間の無線通信による多地点協調送受信処理が必要か否かの判定を行う制御部を備え、前記制御部は、前記多地点協調送受信が必要と判定した場合は、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理を要求するとともに、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理のために連携する他の通信装置を決定するに必要な情報を送信し、前記上位側通信装置は、前記多地点協調送受信処理の要求があった場合に、前記情報に基づいて前記多地点協調送受信処理のために連携する前記他の通信装置を決定し、前記無線端末と接続中の通信装置および前記他の通信装置に対して無線回線を開き、同じ信号を送ることで前記多地点協調送受信処理を行う制御部を備え、前記複数の通信装置の前記制御部は、前記複数の通信装置が、前記上位側通信装置との間で、前記無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能するように自局を制御する。
【0012】
本発明に係る無線通信システムの一態様は、前記上り信号の受信情報が、上り信号の受信信号強度および上り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比を含み、前記複数の通信装置の前記制御部は、前記上り信号の受信信号強度および前記上り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比のうち少なくとも一方の値が、所定の閾値よりも小さい場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する。
【0013】
本発明に係る無線通信システムの一態様は、前記フィードバック情報が、前記無線端末で受信された前記複数の通信装置からの下り信号の受信信号強度および下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比のうち一方の値に基づいて前記無線端末で決定されたハンドオーバー候補となるハンドオーバー候補情報を含み、前記複数の通信装置の前記制御部は、前記無線端末が前記ハンドオーバー候補とした通信装置について、前記下り信号の受信信号強度または下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比の値が、自局と前記無線端末との間での前記下り信号の受信信号強度または下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比の値よりも大きい場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する。
【0014】
本発明に係る無線通信システムの一態様は、前記フィードバック情報が、前記無線端末で受信された前記複数の通信装置からの下り信号の受信信号強度および下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比のうち一方の値に基づいて前記無線端末で決定されたハンドオーバー候補となるハンドオーバー候補情報を含み、前記複数の通信装置の前記制御部は、前記無線端末が前記ハンドオーバー候補とした通信装置について、前記下り信号の受信信号強度または下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比の値が、所定値よりも大きい場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する。
【0015】
本発明に係る無線通信システムの一態様は、前記フィードバック情報が、前記無線端末の位置情報を含み、前記複数の通信装置の前記制御部は、前記無線端末の位置情報に基づいてその周辺の通信装置の位置を探索し、自局よりも前記無線端末に近い通信装置がある場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する。
【0016】
本発明に係る無線通信システムは、無線端末と、前記無線端末と無線通信を行う複数の通信装置とを備え、前記複数の通信装置のそれぞれは、前記無線端末と接続中である場合に、前記無線端末からの上り信号の受信情報および前記無線端末からのフィードバック情報を取得し、取得した前記上り信号の受信情報および前記フィードバック情報の何れかに基づいて、他の通信装置との間の無線通信による多地点協調送受信処理が必要か否かの判定を行う制御部を備え、前記制御部は、前記多地点協調送受信が必要と判定した場合は、前記多地点協調送受信処理のために連携する前記他の通信装置を決定し、自局が前記無線端末と接続中の前記通信装置である場合は、前記他の通信装置に対して無線回線を開き、同じ信号を送ることで前記多地点協調送受信処理を行い、前記複数の通信装置の前記制御部は、自局が前記他の通信装置である場合に、前記無線端末と接続中の前記通信装置との間で、前記無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能するように自局を制御する。
【0017】
本発明に係る通信制御方法は、無線端末と、前記無線端末と無線通信を行う複数の通信装置と、前記複数の通信装置との間で無線通信を行うことが可能な上位側通信装置と、を備えた無線通信システムの通信制御方法であって、前記無線端末と接続中の通信装置において、前記無線端末からの上り信号の受信情報および前記無線端末からのフィードバック情報を取得するステップ(a)と、前記ステップ(a)において取得した前記上り信号の受信情報および前記フィードバック情報の何れかに基づいて、前記上位側通信装置との間の無線通信による多地点協調送受信処理が必要か否かの判定を行うステップ(b)と、前記ステップ(b)において前記多地点協調送受信が必要と判定した場合は、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理を要求するとともに、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理のために連携する他の通信装置を決定するに必要な情報を送信するステップ(c)と、前記上位側通信装置において、前記多地点協調送受信処理の要求があった場合に、前記情報に基づいて、前記多地点協調送受信処理のために連携する前記他の通信装置を決定し、前記無線端末と接続中の前記通信装置および前記他の通信装置に対して無線回線を開き、同じ周波数で同じ信号を送ることで前記多地点協調送受信処理を行うステップ(d)と、前記複数の通信装置において、前記上位側通信装置との間で、前記無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能するように自局を制御するステップ(e)とを備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る無線通信システムによれば、通信装置間での情報の共有に費やす時間を低減できるとともに、高速性と通信品質とのトレードオフの関係を改善してCoMP送受信を実現できる。
【0019】
本発明に係る通信制御方法によれば、通信装置間での情報の共有に費やす時間を低減できるとともに、高速性と通信品質とのトレードオフの関係を改善してCoMP送受信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施の形態の通信システムの構成を示す図である。
【図2】基地局の構成を示すブロック図である。
【図3】上位側基地局の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の通信システムの通信制御方法を説明するフローチャートである。
【図5】信号品質によってCoMP処理の要否を判定するフローチャートである。
【図6】ハンドオーバー先の有無によってCoMP処理の要否を判定するフローチャートである。
【図7】周辺基地局の位置によってCoMP処理の要否を判定するフローチャートである。
【図8】本発明に係る実施の形態の変形例の通信システムの構成を示す図である。
【図9】本発明に係る実施の形態の通信システムの通信制御方法の変形例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施の形態>
<通信システムの構成>
図1は、本発明に係る実施の形態の通信システムの構成を示す図である。図1に示す無線通信システム100は、無線端末MS、基地局BS1およびBS2、上位側基地局BSXを有している。基地局BS1およびBS2と上位側基地局BSXとは光回線やISDN回線などの有線回線WCを介して接続されており、また有線回線WCには図示しない上位装置も接続されている。
【0022】
<基地局の構成>
図2は、基地局BS1(BS2も同じ)の構成を示すブロック図であるが、図2においては発明に係る構成についてのみ示しており、他の構成は省略している。
【0023】
図2に示すように、基地局BS1は、送受信アンテナATが接続されたRF部(無線通信部)1と、RF部1に接続されたCPU(Central Processing Unit)等で構成される無線信号処理部2と、無線信号処理部2に接続されたMAC部(Media Access Control)3と、MAC部3に接続されたデータ送受信部4とを備えている。
【0024】
MAC部3は、CPU等で構成され、無線通信システム100が用いる通信方式のプロトコルに則った通信制御を行う部位であり、回線切替え判断部31を含んでいる。
【0025】
データ送受信部4は、有線回線WCが光回線である場合はONU(Optical Network Unit)がこれに該当し、有線回線WCを介して、図示されない上位装置との間での回線の交換を行う回線交換局EXに接続されている。
【0026】
基地局BS1において、送受信アンテナATで受信した受信信号はRF部1の受信部(図示せず)に入力され、増幅処理やダウンコンバートを行って、ベースバンド信号に変換して出力する。なお、送受信アンテナATで受信される信号は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式などで変調されている。
【0027】
また、RF部1は、無線信号処理部2からの指示に従い、BPSK変調方式やQPSK変調方式などで変調された無線信号を送出する。
【0028】
無線信号処理部2は、RF部1から出力される無線信号を受け、メッセージやデータを解析し、その解析結果をMAC部3に通知する。なお、当該メッセージには無線端末MSからの通信の接続要求や接続切断要求が含まれる。また、MAC部3が、上位装置(図示せず)から受け取った通信の接続要求や接続切断要求に対する回答結果等は、無線信号処理部2に与えられ、メッセージやデータに変換されてRF部1を介して無線端末MSに通知される。
【0029】
データ送受信部4は、MAC部3からの通信制御に従って、送受信アンテナATで受信された信号を有線回線WCに出力する。なお、当該信号は回線交換局EXを介して図示されない上位装置に与えられる。
【0030】
MAC部3に含まれる回線切替え判断部31は、基地局BS1が通常の基地局として機能するか、あるいは中継装置として機能するかを判断し、中継装置として機能する場合は、送受信アンテナATで受信された信号を、データ送受信部4に与えるのではなく、再び送受信アンテナATで送信するようにMAC部3に戻すように回線を切り替える機能を有している。
【0031】
図3は、上位側基地局BSXの構成を示すブロック図であるが、図3においては発明に係る構成についてのみ示しており、他の構成は省略している。
【0032】
図3に示すように、基地局BSXは、送受信アンテナATが接続されたRF部(無線通信部)11と、RF部11に接続されたCPU(Central Processing Unit)等で構成される無線信号処理部12と、無線信号処理部12に接続されたMAC部(Media Access Control)13と、MAC部13に接続されたデータ送受信部14とを備えている。
【0033】
MAC部13は、CPU等で構成され、無線通信システム100が用いる通信方式のプロトコルに則った通信制御を行う部位であり、CoMP送受信制御部131を含んでいる。
【0034】
データ送受信部14は、有線回線WCが光回線である場合はONU(Optical Network Unit)がこれに該当し、有線回線WCを介して、図示されない上位装置との間での回線の交換を行う回線交換局EXに接続されている。
【0035】
基地局BSXにおいて、送受信アンテナATで受信した受信信号はRF部11の受信部(図示せず)に入力され、増幅処理やダウンコンバートを行って、ベースバンド信号に変換して出力する。なお、送受信アンテナATで受信される信号は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式などで変調されている。
【0036】
また、RF部11は、無線信号処理部12からの指示に従い、BPSK変調方式やQPSK変調方式などで変調された無線信号を送出する。
【0037】
無線信号処理部12は、RF部1から出力される無線信号を受け、メッセージやデータを解析し、その解析結果をMAC部13に通知する。なお、当該メッセージには無線端末MSからの通信の接続要求や接続切断要求が含まれる。また、MAC部13が、上位装置(図示せず)から受け取った通信の接続要求や接続切断要求に対する回答結果等は、無線信号処理部12に与えられ、メッセージやデータに変換されてRF部11を介して無線端末MSに通知される。なお、無線信号処理部12には、CoMP送受信制御部121を含んでいる。
【0038】
データ送受信部14は、MAC部13からの通信制御に従って、送受信アンテナATで受信された信号を有線回線WCに出力する。なお、当該信号は回線交換局EXを介して図示されない上位装置に与えられる。
【0039】
MAC部13に含まれるCoMP送受信制御部131は、CoMP送受信を行う場合にMAC部13を制御する機能を有しており、無線信号処理部12に含まれるCoMP送受信制御部121と連携してCoMP送受信を制御する。
【0040】
ここで、図1に示す無線通信システム100においては、基地局BS1からCoMPの実施が求められた場合に、基地局BS1と上位側基地局BSXとの間、および基地局BS1と隣接する基地局BS2との間を結ぶ伝送路であるエントランス回線として、それぞれ無線回線(無線エントランス回線)WLE1およびWLE2を使用する。そして、CoMPの実施を求めた基地局BS1は、上位側基地局BSXとつながる中継装置として動作させる。一方、CoMPの実施を求められた上位側基地局BSXは、CoMPの実施を求めた基地局が通信している無線端末MSと通信可能な別の基地局BS2をサーチし、基地局BS2も中継装置として動作させる。
【0041】
このようにして、複数の中継装置を設定し、これらを使って1つの無線端末との無線通信を行うことでCoMP送受信を行うことが可能となる。
【0042】
図1には、CoMP送受信による効果として、基地局の通信可能エリアを広くできる効果を模式的に示している。すなわち、図1において、基地局BS1およびBS2のそれぞれの通信可能エリアがAR1およびAR2であった場合に、無線端末MSが通信可能エリアAR1およびAR2のエリアフリンジにあると、通信品質が劣化することが考えられる。しかし、基地局BS1およびBS2が、無線端末MSに対してそれぞれ無線パスP1およびP2を介してCoMP送受信を行うことで、基地局BS1およびBS2が相互に通信品質を補間して、通信品質の劣化を抑制し、基地局BS1およびBS2による通信可能エリアを実質的に広げることができる。図1には、基地局BS1およびBS2による通信可能エリアをAR3として示している。
【0043】
このCoMP送受信においては、PHS(Personal Handyphone System)の基地局で使用されるスロットダイバーシチ処理と類似の処理を採用しており、複雑なプロトコルを設定する必要がない。
【0044】
すなわち、PHSの基地局におけるスロットダイバーシチ処理とは、複数の時間スロットあるいは複数の周波数スロットを用いて1つの無線端末と通信を行うことで、リンク性能を向上させる処理であり、これをCoMP送受信に適用する場合は、複数のスロットの代わりに複数の中継装置から同じデータを送るように構成するだけで済む。このため、従来のCoMP送受信のように、異なる場所に設置された基地局間で情報を共有するために有線ネットワークを経由し、上位装置を介してのデータの授受を行う必要がなく、複雑なプロトコルを設定する必要がなくなる。
【0045】
また、基地局間で情報を共有するために有線ネットワークを経由し、上位装置を介してのデータの授受を行う必要がなくなるので、情報を共有するために遅延の発生を抑制できる。このため、高速性と通信品質とのトレードオフの関係を改善してCoMP送受信を実現できる。
【0046】
<CoMP送受信実行までのフロー>
以下、本発明に係る無線通信システム100におけるCoMP送受信の実行までのフローについて、図1〜図3を参照しつつ図4〜図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0047】
以下の説明では、図1に示す無線通信システム100において、無線端末MSと基地局BS1とが通信接続中の状態にあることを前提とする。
【0048】
図4は本発明に係る無線通信システム100の通信制御方法を説明するフローチャートである。
【0049】
図4において、無線端末MSと通信接続中の状態にある基地局BS1は、無線端末MSからの上り信号の受信情報を取得する(ステップS1)。この受信情報は、無線信号処理部2を介してMAC部3に取り込まれ、上り信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)や、上り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比(CINR:Carrier to Interference-plus-Noise Ratio)などの、信号品質情報が含まれている。
【0050】
また、基地局BS1は、無線端末MSからのフィードバック情報を取得する(ステップS2)。このフィードバック情報には、無線端末MSで受信された基地局BS1および周辺基地局からの下り信号の信号品質情報(RSSI、CINR)や、無線端末MSでのエラー率、ハンドオーバー候補情報や無線端末MSのGPS(Global Positioning System)情報が含まれている。
【0051】
ここで、ハンドオーバー候補情報としては、現在接続中の無線端末MSのハンドオーバー候補となる基地局の情報であり、無線端末MSが周辺基地局からの下り信号のCINRを測定し、それに基づいてハンドオーバー候補とした周辺基地局のIDや、測定したCINRの値などを含んでいる。
【0052】
また、GPS情報としては、無線端末MSがGPS機能を有している場合に、無線端末MSの位置(緯度、経度)を示す情報である。
【0053】
以上の情報を取得した基地局BS1は、取得した情報に基づいて、例えばMAC部3においてCoMP処理(CoMP送受信処理)の実施の要否についての判定、すなわちCoMP処理が必要か否かの判定を行う(ステップS3)。
【0054】
この判定は、例えば、接続中の無線端末MSがエリアフリンジに近づいて信号電力が弱まったか否かによって判定することができ、ステップS1で取得した上り信号の信号品質情報(RSSI、CINR)、ステップS2で取得した下り信号の信号品質情報(RSSI、CINR)によって判定することができる。
【0055】
ステップS3でCoMP処理が必要と判定された場合は、上位側基地局BSXにCoMP処理を要求するとともに、CoMP処理に必要な情報、例えばハンドオーバー候補となる周辺基地局の情報(ID、CINR)や無線端末MSの位置情報などを有線回線WCを介して送信し(ステップS4)、一連の処理を終了する。
【0056】
ここで、上位側基地局BSXは基地局BS1を含む複数の基地局と無線通信が可能であって、CoMP送受信の制御機能を有している基地局であれば良く、CoMP送受信のための専用の基地局である必要はない。従って、無線端末MSと接続中の基地局BS1は、自局と無線通信が可能な基地局であって、他の基地局とも無線通信が可能な基地局についての情報(予め基地局情報として有している)に基づいて、他の基地局の中から上位側基地局BSXを決定し、上記ステップS4の処理を行う。
【0057】
なお、上位側基地局BSXの決定に際しては、ステップS2で取得した無線端末MSからのフィードバック情報に基づいて、例えば無線端末MSのハンドオーバー候補となる周辺基地局と無線通信が可能な基地局の中から選ぶなどして決定しても良いし、同じく、無線端末MSからのフィードバック情報に含まれる無線端末MSのGPS情報に基づいて、無線端末MSから所定の距離内にある基地局の中から選ぶなどして決定しても良い。
【0058】
また、システム上、上位となる基地局と下位となる基地局とを基地局ごとに予め決定しておき、下位となる基地局は、自局がCoMP処理の実施の要否についての判定を行う局面となった場合には、予め定められた上位側基地局に対して上記ステップS4の処理を行う構成としても良い。
【0059】
なお、ステップS3で、CoMP処理が不要と判定された場合も一連の処理を終了するが、何れかの無線端末と接続中の場合はステップS1〜S3の処理は繰り返して実行される。
【0060】
これらのCoMP処理の要求およびCoMP処理に必要な情報を受けた上位側基地局BSXは、当該情報に基づいて、例えば、MAC部13において、無線端末MSと通信可能で、最も通信品質が良好な基地局BS2を連携基地局として決定し、上位側基地局BSXと基地局BS1との間、および上位側基地局BSXと基地局BS2との間に無線回線(無線エントランス回線)を開く。そして、基地局BS1およびBS2を、無線エントランス回線を介して無線端末MSと信号の授受を行う場合の中継装置として使用しCoMP送受信を実施する。
【0061】
この場合、上位側基地局BSXのMAC部13(図3)のCoMP送受信制御部131が、無線信号処理部12のCoMP送受信制御部121と連携してCoMP送受信を制御し、CoMP送受信制御部121が、基地局BS1およびBS2に対して無線エントランス回線を開くように無線信号処理部12を制御し、無線信号処理部12は送受信アンテナATの指向性を制御して、基地局BS1およびBS2に対して無線エントランス回線を開く。
【0062】
ここで、送受信アンテナATとしては、例えば複数のアンテナ素子で構成されるアレイアンテナを使用し、アンテナのビーム方向を調整することで、所望の基地局との間で選択的に信号の送受信を行うことができる。
【0063】
CoMP送受信の対象となる信号は、有線回線WCを介して回線交換局EXとの間で授受され、回線交換局EXは図示されない上位装置との間でネットワークを介して当該信号の授受を行う。
【0064】
また、CoMP送受信において中継装置として機能する基地局BS1およびBS2は、上位側基地局BSXとの間に無線エントランス回線が開き、上位側基地局BSXから無線信号を受信すると、MAC部3の回線切替え判断部31が、自局は中継装置として機能するものと判断し、送受信アンテナATで受信された信号を、送受信アンテナATから無線端末MSに向けて送信するようにMAC部3に戻すように回線を切り替える。
【0065】
この動作により、基地局BS1およびBS2は、上位側基地局BSXから受信した無線信号を無線端末MSに中継する中継装置として機能することとなり、また、無線端末MSから受信した無線信号を上位側基地局BSXに中継する中継装置として機能することとなる。
【0066】
なお、CoMP送受信においては、無線端末MSから送信される信号は、連携する基地局がそれぞれ受信し、上位側基地局BSXに無線エントランス回線を介して送信する。この場合、中継する基地局BS1およびBS2がIQ情報を上位側基地局BSXに送信し、上位側基地局BSXで合成すると言った対応を行うことも可能なので、基地局BS1およびBS2で受信した信号の品質が低くても、上位側基地局BSXでは品質が改善されることとなる。
【0067】
次に、図5〜図7に示すフローチャートを用いて、ステップS3(図4)のCoMP処理実施要否判定処理のバリエーションについて説明する。
【0068】
図5は、信号品質によってCoMP処理の要否を判定する例を示しており、例えば、ステップS1(図4)で取得した上り信号のCINR(RSSIでも良い)が所定の閾値Xよりも小さいか否かで判定する(ステップS11)。
【0069】
上り信号のCINRが閾値Xよりも小さい場合は、接続中の無線端末MSがエリアフリンジに近づいて信号電力が弱まったことが考えられ、その場合は信号品質が低下しているものとしてCoMP処理が必要と判断される。
【0070】
一方、上り信号のCINRが閾値X以上の場合は、信号品質は低下していないものとしてCoMP処理は不要と判断される。
【0071】
図6は、ハンドオーバー先の有無によってCoMP処理の要否を判定する例を示しており、ステップS2(図4)で取得した無線端末MSからのフィードバック情報に含まれるハンドオーバー候補情報、すなわち、無線端末MSが周辺基地局からの下り信号のCINR(RSSIでも良い)を測定してハンドオーバー候補とした周辺基地局について、そのCINRの値が、自局、すなわち基地局BS1と無線端末MSとの間での下り信号のCINRの値よりも大きいか否かで判定する(ステップS21)。
【0072】
ハンドオーバー候補と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値の方が、自局と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値よりも大きい場合は、自局よりも信号品質の良好な基地局(高性能な基地局)が存在するものと考え、その場合は当該基地局を利用してCoMP処理を行うことで、より良好な通信が可能になるものとしてCoMP処理が必要と判断される。
【0073】
一方、ハンドオーバー候補と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値が、自局と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値以下の場合は、自局よりも信号品質の良好な基地局は存在しないものとしてCoMP処理は不要と判断される。
【0074】
また、図6のステップS21については、上述の、ハンドオーバー候補と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値と、自局と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値と、における比較の替わりに、ハンドオーバー候補と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値が、所定の閾値Yよりも大きいか否かで判定することも可能である。
【0075】
この場合、ハンドオーバー候補と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値が、閾値Yよりも大きい場合は、信号品質の良好な基地局(高性能な基地局)が存在するものと考え、その場合は当該基地局を利用してCoMP処理を行うことで、より良好な通信が可能になるものとしてCoMP処理が必要と判断される。
【0076】
一方、ハンドオーバー候補と無線端末MSとの間での下り信号のCINR(RSSI)の値が、閾値Y以下の場合は、信号品質の良好な基地局は存在しないものとしてCoMP処理は不要と判断される。
【0077】
図7は、周辺基地局の位置によってCoMP処理の要否を判定する例を示しており、ステップS2(図4)で取得した無線端末MSからのフィードバック情報に含まれる無線端末MSのGPS情報に基づいて無線端末MSの周辺基地局の位置を探索し、自局、すなわち基地局BS1よりも無線端末MSに近い基地局の有無で判定を行う(ステップS31)。
【0078】
各基地局は固定であるため位置は確定している。このため、各基地局において互いの位置についての情報は共有可能であり、例えば基地局BS1は、現在接続中の無線端末MSの位置がGPS情報により判れば、その周辺の基地局がどこにあるかを判断できる。
【0079】
従って、自局である基地局BS1よりも無線端末MSに近い基地局が存在するか否かを判定することは容易である。
【0080】
そして、自局よりも無線端末MSに近い基地局が存在する場合には、自局よりも信号品質の良好な基地局が存在するものと考え、その場合は当該基地局を利用してCoMP処理を行うことで、より良好な通信が可能になるものとしてCoMP処理が必要と判断される。
【0081】
一方、自局よりも無線端末MSに近い基地局が存在しない場合には、自局よりも信号品質の良好な基地局は存在しないものとしてCoMP処理は不要と判断される。
【0082】
なお、CoMP処理の要求を受けた上位側基地局BSXでは、例えば、ステップS4(図4)で送信される無線端末MSからのフィードバック情報に含まれるハンドオーバー候補情報に基づいて、基地局BS1以外の基地局を、基地局BS1とともにCoMP送受信のための中継装置として決定しても良いし、同じく、無線端末MSからのフィードバック情報に含まれる無線端末MSのGPS情報に基づいて、基地局BS1以外の基地局を、基地局BS1とともにCoMP送受信のための中継装置として決定しても良い。
【0083】
また、以上の説明においては、基地局BS1およびBS2は、通常は基地局として機能し、CoMP送受信においては中継装置として機能するものとして説明したが、基地局BS1およびBS2の代わりに、レピーターなどの中継専用の通信装置を用いても良い。
【0084】
すなわち、レピーターは、基地局と無線端末との通信において、例えば、何れの基地局からの無線信号も受信しにくい位置にある無線端末との通信を実行するために使用される中継専用の通信装置であり、基地局から受信した信号を増幅して無線端末に出力する機能を有している。
【0085】
このレピーターの中には、ステップS1(図4)として説明したような、上り信号のRSSIや、上り信号のCINRなどの無線端末MSからの上り信号の受信情報を取得する機能や、ステップS2(図4)として説明したような、無線端末MSからのフィードバック情報を取得する機能を有したものもある。これらの機能に加えて、ステップS3(図4)として説明したようなCoMP処理の実施の要否についての判定機能を持たせることで、レピーターを基地局BS1およびBS2の代わりに使用することができる。レピーターを使わなければ通信エリアを確保できないような地域においては、本システムが有効である。
【0086】
また、以上の説明においては、基地局の中の何れかを上位側基地局BSXとし、上位側基地局BSXが複数の他の基地局を無線エントランス回線の中継装置として使用する構成について説明したが、上位側基地局BSXの代わりに回線交換局EXを使用しても良い。回線交換局EXに、無線エントランス回線を開くための無線通信機能と、CoMP送受信を制御するためのCoMP送受信制御機能を持たせることで、CoMP送受信の制御が可能となる。
【0087】
<変形例>
以上説明した無線通信システム100においては、基地局の中の何れかを上位側基地局BSXとし、上位側基地局BSXが複数の他の基地局を無線エントランス回線の中継装置として使用する構成について説明したが、上位側基地局BSXの代わりに無線端末MSと接続中の基地局が、他の基地局と無線エントランス回線を介して無線通信を行い、CoMP処理を実行する構成としても良い。
【0088】
<無線通信システムの構成>
図8に示す無線通信システム100Aは、無線端末MS、基地局BS1およびBS2を有している。基地局BS1およびBS2とは光回線やISDN回線などの有線回線WCを介して接続されており、また有線回線WCには図示しない上位装置も接続されている。
【0089】
基地局BS1およびBS2の構成は、図2を用いて説明した構成と基本的に同じであるが、上位側基地局BSX(図3)と同様にCoMP送受信を制御するために、無線信号処理部2およびMAC部3にはCoMP送受信制御部を有している。
【0090】
<CoMP送受信実行までのフロー>
以下、本発明に係る無線通信システム100AにおけるCoMP送受信の実行までのフローについて、図8を参照しつつ図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0091】
以下の説明では、図8に示す無線通信システム100において、無線端末MSと基地局BS1とが通信接続中の状態にあることを前提とする。
【0092】
図9は本発明に係る無線通信システム100Aの通信制御方法を説明するフローチャートである。
【0093】
図9において、無線端末MSと通信接続中の状態にある基地局BS1は、無線端末MSからの上り信号の受信情報を取得する(ステップS41)。この受信情報には、上り信号のRSSIや、上り信号のCINRなどの、信号品質情報が含まれている。
【0094】
また、基地局BS1は、無線端末MSからのフィードバック情報を取得する(ステップS42)。このフィードバック情報には、無線端末MSで受信された基地局BS1からの下り信号の信号品質情報(RSSI、CINR)や、無線端末MSでのエラー率、ハンドオーバー候補情報や無線端末MSのGPS情報が含まれている。
【0095】
以上の情報を取得した基地局BS1は、取得した情報に基づいて、例えばMAC部3においてCoMP処理の実施の要否についての判定、すなわちCoMP処理が必要か否かの判定を行う(ステップS43)。なお、ステップS43での判定動作は、図5〜図7を用いて説明したステップS3(図4)での判定動作と同様である。
【0096】
ステップS43でCoMP処理が必要と判定された場合は、隣接基地局BS2をCoMP送受信のための中継装置として決定し(ステップS44)、一連の処理を終了する。
【0097】
このような構成を採ることで、上位側基地局を設定する必要がなくなるので、より簡便なシステムを構築できる。
【0098】
ここで、基地局BS1は、例えば、ステップS41で取得した無線端末MSからのフィードバック情報に含まれるハンドオーバー候補情報に基づいて、自局以外の基地局を、CoMP送受信のための中継装置として決定しても良いし、同じく、無線端末MSからのフィードバック情報に含まれる無線端末MSのGPS情報に基づいて、自局以外の基地局を、CoMP送受信のための中継装置として決定しても良い。
【0099】
なお、無線通信システム100Aにおいては、基地局BS1は基地局BS2を中継装置として決定した後は、基地局BS2との間で無線エントランス回線WLEを開き、無線端末MSに送信する信号を基地局BS2にも与える。
【0100】
このように、自局の他に中継装置を介して1つの無線端末との無線通信を行うことでCoMP送受信を行うことが可能となる。
【0101】
なお、ステップS43で、CoMP処理が不要と判定された場合も一連の処理を終了するが、何れかの無線端末と接続中の場合はステップS41〜S43の処理は繰り返して実行される。
【符号の説明】
【0102】
BS1,BS2 基地局
BSX 上位側基地局
MS 無線端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と、
前記無線端末と無線通信を行う複数の通信装置と、
前記複数の通信装置との間で無線通信を行うことが可能な上位側通信装置と、を備えた無線通信システムであって、
前記複数の通信装置のそれぞれは、
前記無線端末と接続中である場合に、前記無線端末からの上り信号の受信情報および前記無線端末からのフィードバック情報を取得し、取得した前記上り信号の受信情報および前記フィードバック情報の何れかに基づいて、前記上位側通信装置との間の無線通信による多地点協調送受信処理が必要か否かの判定を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記多地点協調送受信が必要と判定した場合は、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理を要求するとともに、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理のために連携する他の通信装置を決定するに必要な情報を送信し、
前記上位側通信装置は、
前記多地点協調送受信処理の要求があった場合に、前記情報に基づいて前記多地点協調送受信処理のために連携する前記他の通信装置を決定し、前記無線端末と接続中の通信装置および前記他の通信装置に対して無線回線を開き、同じ信号を送ることで前記多地点協調送受信処理を行う制御部を備え、
前記複数の通信装置の前記制御部は、
前記複数の通信装置が、前記上位側通信装置との間で、前記無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能するように自局を制御することを特徴とする、無線通信システム。
【請求項2】
前記上り信号の受信情報は、
上り信号の受信信号強度および上り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比を含み、
前記複数の通信装置の前記制御部は、
前記上り信号の受信信号強度および前記上り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比のうち少なくとも一方の値が、所定の閾値よりも小さい場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する、請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記フィードバック情報は、
前記無線端末で受信された前記複数の通信装置からの下り信号の受信信号強度および下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比のうち一方の値に基づいて前記無線端末で決定されたハンドオーバー候補となるハンドオーバー候補情報を含み、
前記複数の通信装置の前記制御部は、
前記無線端末が前記ハンドオーバー候補とした通信装置について、前記下り信号の受信信号強度または下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比の値が、自局と前記無線端末との間での前記下り信号の受信信号強度または下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比の値よりも大きい場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する、請求項1記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記フィードバック情報は、
前記無線端末で受信された前記複数の通信装置からの下り信号の受信信号強度および下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比のうち一方の値に基づいて前記無線端末で決定されたハンドオーバー候補となるハンドオーバー候補情報を含み、
前記複数の通信装置の前記制御部は、
前記無線端末が前記ハンドオーバー候補とした通信装置について、前記下り信号の受信信号強度または下り信号の搬送波電力対干渉・雑音電力比の値が、所定値よりも大きい場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する、請求項1記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記フィードバック情報は、
前記無線端末の位置情報を含み、
前記複数の通信装置の前記制御部は、
前記無線端末の位置情報に基づいてその周辺の通信装置の位置を探索し、自局よりも前記無線端末に近い通信装置がある場合には、前記多地点協調送受信処理が必要と判定する、請求項1記載の無線通信システム。
【請求項6】
無線端末と、
前記無線端末と無線通信を行う複数の通信装置と、を備えた無線通信システムであって、
前記複数の通信装置のそれぞれは、
前記無線端末と接続中である場合に、前記無線端末からの上り信号の受信情報および前記無線端末からのフィードバック情報を取得し、取得した前記上り信号の受信情報および前記フィードバック情報の何れかに基づいて、他の通信装置との間の無線通信による多地点協調送受信処理が必要か否かの判定を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記多地点協調送受信が必要と判定した場合は、前記多地点協調送受信処理のために連携する前記他の通信装置を決定し、自局が前記無線端末と接続中の前記通信装置である場合は、前記他の通信装置に対して無線回線を開き、同じ信号を送ることで前記多地点協調送受信処理を行い、
前記複数の通信装置の前記制御部は、
自局が前記他の通信装置である場合に、前記無線端末と接続中の前記通信装置との間で、前記無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能するように自局を制御することを特徴とする、無線通信システム。
【請求項7】
無線端末と、
前記無線端末と無線通信を行う複数の通信装置と、
前記複数の通信装置との間で無線通信を行うことが可能な上位側通信装置と、を備えた無線通信システムの通信制御方法であって、
(a)前記無線端末と接続中の通信装置において、前記無線端末からの上り信号の受信情報および前記無線端末からのフィードバック情報を取得するステップと、
(b)前記ステップ(a)において取得した前記上り信号の受信情報および前記フィードバック情報の何れかに基づいて、前記上位側通信装置との間の無線通信による多地点協調送受信処理が必要か否かの判定を行うステップと、
(c)前記ステップ(b)において前記多地点協調送受信が必要と判定した場合は、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理を要求するとともに、前記上位側通信装置に前記多地点協調送受信処理のために連携する他の通信装置を決定するに必要な情報を送信するステップと、
(d)前記上位側通信装置において、前記多地点協調送受信処理の要求があった場合に、前記情報に基づいて、前記多地点協調送受信処理のために連携する前記他の通信装置を決定し、前記無線端末と接続中の前記通信装置および前記他の通信装置に対して無線回線を開き、同じ周波数で同じ信号を送ることで前記多地点協調送受信処理を行うステップと、
(e)前記複数の通信装置において、前記上位側通信装置との間で、前記無線回線を介して信号を授受する場合は、中継装置として機能するように自局を制御するステップ、とを備えることを特徴とする、無線通信システムの通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−93796(P2013−93796A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235908(P2011−235908)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】