説明

無線通信システム及び無線通信方法

【課題】 端末の構成を複雑にすることなく、干渉軽減機能を有しランダムアクセスを可能とする無線通信システムの構築。
【解決手段】 基地局は、干渉信号検出機能を持ち、間欠的に干渉信号検出を行い、干渉信号が検出されなかった場合はビーコン信号を送信し、端末では、データ送信する前にスリープモードから立ち上がり、受信待受を行い上記のビーコン信号を受信した直後のみデータ送信を行い、上記のビーコン信号を受信できない場合は、再びスリープモードへ移行し、所定の時間経過後後上記シーケンスを繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信基地局と複数の無線通信端末の間で、効率的な無線通信を行う無線通信システム技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、干渉信号検出を具備しない端末へ干渉信号検出を具備した無線装置からその干渉検出結果を通知することにより、端末へのDAAの実装を回避する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、基地局で干渉信号レベルを通知し、通信する周波数チャンネルを移動端末に割り当てる方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−136743号公報
【非特許文献1】Bin Zhen、“DAA framework for UWB”、in IEEE15−06−0013−00−004a、Mar.2006
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のセンサー付き端末で集められたセンシングデータを無線で基地局へ伝送するセンサーネットワークのような、移動端末と基地局で構成される無線ネットワーク構成において、移動端末はバッテリー駆動が要求され一般的に低消費電力であることが求められる。
【0006】
このようなネットワークにおける無線アクセス制御方式の例として、ALOHA方式やCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式があげられる。ALOHA方式、CSMA方式は基本的には端末主導型のアクセス制御方式であり、端末側の時間制御によってデータ送信がなされ、一般的に端末の負荷を軽くすることができる。一方、TDMA方式は、ビーコンと呼ばれる基地局からの信号を端末が受け取り、それを元にデータを送信するタイミングが決められる基地局主導型のアクセス制御であり、常に端末はビーコン信号の待受していなければならず端末の負荷は比較的重い。
【0007】
一方近年、周波数資源の切迫から、周波数利用効率の向上が求められており、同じ周波数帯を複数の無線システムで共用できるようにする干渉軽減技術が求められている。例えばUWB(Ultra−Wideband)のような、広い周波数帯域を用いるような無線方式に対しては、他無線システムとの共存するためには必須の技術である。干渉軽減技術として、DAA(Detect And Avoid)やLDC(Low Duty Cycle)が知られている。
【0008】
前述した干渉軽減機能の一つであるLDCは、パケットの送信比率を低くことにより他のシステムへの影響を軽減させる技術である。しかしLDCは、システム全体のスループットが制限されてしまう。よって大量の端末を扱い大量のデータを扱うアプリケーションによっては、LDCの無線システムへの適用は困難になる。
【0009】
一方DAAは、他無線システムの信号(以後干渉信号)を監視し、もし干渉信号が検知(Detect)された場合は、データを送信しない、または検出された帯域を避けて(Avoid)送信する技術である。このDAAの課題は、干渉信号を検出する干渉信号検出器である。干渉軽減機能を有効に働かせるためには、広帯域にわたり干渉信号が存在するかどうかをスキャンする必要があり、またその感度はその干渉信号の無線システムの端末の一般的感度より高くする必要がある。そのため構成が複雑になり、消費電力も大きくなってしまうことが問題となる。したがって端末へDAA技術を実装することは端末の高コスト化及び電池寿命の低下を招く。
【0010】
そこで、干渉信号検出を具備しない端末へ干渉信号検出を具備した無線装置からその干渉検出結果を通知することにより、端末へのDAAの実装を回避する方法が非特許文献1に提案されている。
【0011】
また、基地局で干渉信号レベルを通知し、通信する周波数チャンネルを移動端末に割り当てる方式が特許文献1に提案されている。
【0012】
しかし、特許文献1、非特許文献1に記載されているような基地局側で干渉信号を検出し、端末へ通知する方法には、端末への通信手段をどのように構成するかという課題がある。すなわち、特許文献1、非特許文献1には具体的な通知手段は記載されていないが、端末側では上記の干渉結果の通知を受信する必要があり、その結果受信待受時間が長くなるため端末の消費電力の増大を招く。
【0013】
また、自立的に端末から送信が行えなくなるため、前述の端末主導型の無線アクセス制御方式が困難になり、システムを複雑にし、端末の消費電力の増大を招く。
【0014】
以上を顧みて、本発明の目的は、干渉軽減機能を有し他無線システムとの周波数共用を可能にし、かつ端末の負荷が少ないランダムアクセスを可能にする無線通信システムを構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の代表的なものの一例を示せば、以下の通りである。すなわち、基地局は、干渉信号検出機能を持ち、間欠的に干渉信号検出を行い、干渉信号が検出されなかった場合はビーコン信号を送信し、端末では、データ送信する前にスリープモードから立ち上がり、受信待受を行い上記のビーコン信号を受信した直後のみデータ送信を行い、上記のビーコン信号を受信できない場合は、再びスリープモードへ移行し、所定の時間経過後後上記シーケンスを繰り返す。
【0016】
また、本発明の代表的なものの別の一例を示せば、以下の通りである。すなわち、基地局は、干渉検出機能を持ち、間欠的に干渉検出を行い、干渉情報を付加したビーコン信号を送信し、端末では、データ送信する前にスリープモードから立ち上がり、受信待受を行い上記のビーコン信号を受信した後、上記の干渉情報から送信パラメータを変更してデータ送信を行い、上記のビーコン信号を受信できない場合は、再びスリープモードへ移行し、所定の時間後上記シーケンスを繰り返す。
【0017】
具体的には、本発明の無線通信システムは、無線送受信機能を有する基地局と複数の端末とを含んでなる無線通信システムであって、上記基地局は、ビーコン信号を送信する機能を有し、上記ビーコン信号を送信する前に、上記端末から上記基地局へのデータ送信に利用する周波数帯域内の干渉信号を検出する干渉信号検出を行い、上記端末は、上記データ送信を開始するタイミングより前に、無線受信機能が休止した状態である待機状態から上記ビーコン信号を受信可能な状態である受信待受状態に移行し、上記ビーコン信号を受信した場合にのみ上記データ送信を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の無線通信方法は、基地局と複数の端末との間で行われる無線通信方法であって、上記基地局においてビーコン信号を送信するステップと、上記ビーコン信号を送信するステップの前に、端末から基地局への無線通信に利用する周波数帯域内の干渉信号を検出するステップと、上記端末において、データを送信するタイミングの前に待機状態からビーコン信号の受信待受へ移行を行うステップと、上記ビーコン信号が受信された場合にのみ上記データ送信するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、干渉軽減機能を有し他無線システムとの周波数共用を可能にし、かつランダムアクセスを可能にすることから、端末の低消費電力化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
(実施形態1)
図1に本発明の第一の実施形態における無線通信システム例の構成図を示す。図1は代表例としてセンサーネットワークの無線通信システムの構成図として示してある。図1の0101は基地局、0102(a〜c)は端末1〜3、0104はアンテナ、0103はスイッチ(SW)、0105は時間制御部、0106は基地局側送信部、0107は基地局側受信部、0108は干渉信号検出部、0109は基地局側制御部、0110はセンサー部、0111は端末側送信部、0112は端末側受信部、0113制御部を示す。
【0022】
基地局0101は、Beacon信号、ACK信号を送信できる基地局側送信部0106と端末0102からのData信号を受信できる基地局側受信部0107を持ち、端末0102はBeacon信号やACK信号を受信できる端末側受信部0112と、センサー0110から取得したセンシングデータを含むData信号を送信できる端末側送信部0111を持つ。
【0023】
また基地局0101は、端末0102から基地局0101への無線通信に利用する周波数帯域内に存在する他無線システムの無線信号(以下干渉信号)を検出する干渉信号検出部を持つ。
【0024】
例えば干渉信号検出部は、周波数分解能dFで、周波数範囲F内で閾値を超えた干渉信号を検出する機能を持つ。例としてdF=10MHz、F=3.4〜4.8GHzとすると、3.4GHz〜4.2GHzの800MHz帯域のうち10MHz帯域の80点において干渉信号の有無を検出できる。
【0025】
図2に干渉信号検出部0101の一つの構成例を示す。図2の0201は低雑音増幅器(LNA)、0202は周波数変換部、0203はアナログディジタル変換部、0204は離散フーリエ変換部を示す。
【0026】
また、干渉信号検出部0101は、検出対象となる無線システムが限定されている場合は、該無線システムの受信器を搭載して信号レベルを検知することでも可能である。
【0027】
制御部0109、0113は、基地局及び端末における図3、図4を用いて説明する動作を実現する。
【0028】
図3A、図3Bは、第一の実施形態における基地局と端末のシーケンス例を表すフローチャートであり、図4は、図3が表すフローチャートの動作の、基地局、端末の状態及びデータフロー例を表す。
【0029】
基地局は、まず干渉信号検出を行う(S0301)。この結果、干渉信号が帯域内に存在する場合は、所定の時間だけ待機をして(S0307)、干渉信号検出を繰り返す。干渉信号検出の結果、干渉信号が帯域内に存在しない場合、Beacon信号を送信し(S0303)、Data信号の受信待ち受け(S0304)に移る。端末からのData
が受信された場合、ACK信号を送信し(S0306)、所定の時間待機(S0308)後、次の干渉検出に移る。もし、端末からのDataが所定の時間受信されなかった場合次の干渉検出に移る。上記の待機(S0307,S0308)は、干渉検出の間隔が一定の時間(Tb)になるように調整される。ただし、干渉信号が検出された場合と検出されない場合で異なる間隔に設定することもできる。
【0030】
上記ACK信号は、システムに求められる信頼性によっては必ずしも必要ではない。その場合、ACK送信ステップ(S0306)は省略される。
【0031】
端末は、待機しながら(S0311)送信すべきデータが存在する場合(S0312)に、所定の時間待機後(S0313)、Beacon信号の受信待受(S0314)に移る。この待機(S0313)は、基地局からのBeacon信号の到来時間が前回のBeacon信号受信から推定される場合、その時間にあわせてBeacon信号の受信待受に移る。また初回の送信など、Beacon信号の受信信号の到来時間が推定できない場合は、ただちにあるいはランダム時間待機後、Beacon信号の受信待受に入る。ランダム時間待機をする場合は、擬似的なALOHA方式のアクセス制御を実現できる。したがって、待機(S0313)は時間0の場合も有り得る
Beacon信号が受信されなかった場合、再び待機(S0313)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0032】
Beacon信号が受信された場合、Data信号の送信を行う(S0316)。その後ACK受信待受(S0317)に移り、ACK信号が受信されるのを待つ。所定の時間、ACK信号が受信されない場合は、再び待機状態(S0313)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0033】
ACK信号が受信された場合、次回の送信すべきデータを送るタイミングを待つ待機に入る(S0311)。ACK信号を用いないシステムの場合は、S0317、S0318のステップは省略され、ただちに送信タイミングを待つ待機(S0311)に入る。
【0034】
センサーネットワークの場合、例えば上記の待機(S0311)中にセンシングを行い、送信すべきデータを取得する。
【0035】
ここで上記に記載した、端末における待機(S0311,S0313)では、送信部0111、受信部0112の電源は遮断される。
【0036】
また基地局はある端末から一度データを受信した後、その端末に次回以降の通信タイミングを割りあて、ACK信号を用いて通知することにより擬似的なTDMA方式を実現することもできる。その際、次回以降の通信タイミングのビーコンは、その端末のID情報を含ませ、他端末はそのビーコン信号を受信しても送信できないようにすることにより、端末同士の衝突を防ぐことができ、システムのスループットを向上させることができる。
【0037】
以上で説明したフローチャートで実現できる、基地局、端末の状態及びデータフロー例が図4に示してある。
【0038】
以上説明した無線通信システムは、他無線システムとの周波数共用ができる干渉軽減機能を有しながら、端末には複雑な構成が必要とならず低コスト化が可能であり、また端末主導のランダムアクセスが可能となることで消費電力を抑えることができる。
【0039】
図4には、端末1の消費電力の概略グラフを示してある。図が示すように、端末からの送信は間欠的であり、受信動作はその前後で行うだけでよく、その他の待機時は送受信部への電力を遮断することによって、端末の消費電力を低く抑えることができる。
【0040】
以上で説明した無線システムにおいて基地局から端末へ送信する無線方式と、端末から基地局への無線方式が異なるもので構成することが可能である。すなわち図1中の基地局側送信部0106と端末側受信部0112は無線方式Aに対応し、基地局側受信部0107と端末側送信部0111は、無線方式Bに対応させる。この時、例えば受信時の消費電力が無線方式Aの方が無線方式Bより低く、また無線方式Aの伝送速度より無線方式Bの伝送速度が速い場合、BeaconやACK信号は伝送レートが低いが受信消費電力が低く、Data信号送信時は伝送レートが高く送信時間を少なくできることより、より端末の消費電力の低減が実現できる。
【0041】
上記の例として、無線方式Aにセンサーネット向け無線規格IEEE.802.15.4に代表される狭帯域無線方式を用い、無線方式BはUWB方式を用いることがあげられる。
【0042】
(実施形態2)
図5、図6、図7を用いて本発明の第二の実施形態の無線システムの説明を行う。第二の実施形態の無線システムの構成例の一つは図1の構成例で示すことができる。
【0043】
図5A、図5Bは、第二の実施形態における基地局と端末のシーケンス例を表すフローチャートであり、図6は、図5が表すフローチャートの動作が可能にする、基地局、端末の状態及びデータフロー例を表す。
【0044】
基地局は、まず干渉信号検出を行う(S0501)。干渉信号検出の結果である干渉信号情報をBeacon信号に付加して送信し(S0503)、Data信号の受信待ち受け(S0504)に移る。また受信器の受信帯域の設定を、上記干渉信号検出結果をもとに変更する(S0502)。
【0045】
端末からのDataが受信された場合、ACK信号を送信し(S0506)、所定の時間待機(S0508)後、次の干渉検出に移る。もし、端末からのDataが所定の時間受信されなかった場合は、次の干渉検出に移る。上記の待機(S0508)は、干渉検出の間隔が一定の時間(Tb)になるように調整される。
【0046】
上記ACK信号は、システムの求められる信頼性によっては必ずしも必要ではない。その場合、ACK送信ステップ(S0506)は省略される。
【0047】
端末は、待機しながら(S0511)送信すべきデータが存在する場合(S0512)に、所定の時間待機後(S0513)、Beacon信号の受信待受(S0514)に移る。この待機(S0513)は、基地局からのBeacon信号の到来時間が前回のBeacon信号受信からある程度推定される場合、その時間にあわせてBeacon信号の受信待受に移る。初回の送信など、Beacon信号の受信信号の到来時間が推定できない場合は、ただちにあるいはランダム時間待機後、Beacon信号の受信待受に入る。後者のランダム時間待機をする場合は、擬似的なALOHA方式のアクセス制御を実現できる。したがって、待機(S0513)は時間0の場合も有り得る
Beacon信号が受信されなかった場合、再び待機状態(S0513)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0048】
Beacon信号が受信された場合、Beacon信号中の干渉信号情報を送信部の送信帯域を変更(S0516)して、Data信号の送信を行う(S0517)。その後ACK受信待受(S0518)に移り、ACK信号が受信されるのを待つ。所定の時間、ACK信号が受信されない場合は、再び待機状態(S0513)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0049】
ACK信号が受信された場合、次回の送信すべきデータを送るタイミングを待つ待機に入る(S0511)。ACK信号を用いないシステムの場合は、S0518、S0519のステップは省略され、ただちに送信タイミングを待つ待機(S0511)に入る。
【0050】
ここで上記に記載した、端末における待機(S0511,S0513)では、送信部0111、受信部0112の電源は遮断される。
【0051】
センサーネットワークの場合、例えば上記の待機(S0511)中にセンシングを行い、送信すべきデータを取得する。
【0052】
以上で説明したフローチャートで実現できる、基地局、端末の状態及びデータフロー例が図6に示してある。
【0053】
図7には、S0516の送信帯域の変更制御の例を模式的に示したものである。図7A、図7Bとも、検出された干渉信号と送信信号のパワースペクトルの関係図を示している。図7Aは、干渉信号が存在する帯域をノッチして送信信号を送信する。例えばOFDMを採用したシステムで効果的である。すなわち検出された干渉信号が存在する帯域に該当するサブキャリアに情報の割り当てを行わず送信することによりノッチを形成する。
【0054】
図7Bは、周波数チャンネルが複数あり、干渉信号があるチャンネルに存在した場合、送信するチャンネルを変更することを示している。
【0055】
両者の方法とも、干渉信号が存在してもデータ送信を行えることからスループットの低下を抑えることができる。
【0056】
以上説明した無線システムは、他無線システムとの周波数共用ができる干渉軽減機能を有しながら、端末には複雑な構成が必要とならず低コスト化が可能で、また端末主導のランダムアクセスが可能となり消費電力を抑えることができる。
【0057】
第一の実施例と同じように、以上で説明した無線システムで基地局から端末へ送信する無線方式と、端末から基地局へ送る無線方式を異なるもので構成することが可能である。
【0058】
(実施形態3)
図8、図9を用いて本発明の第三の実施形態の無線システムの説明を行う。第二の実施形態の無線システムの構成例の一つは図1の構成例で示すことができる。
【0059】
図8A、図8Bは、第一の実施形態における基地局と端末のシーケンス例を表すフローチャートであり、図9は、図8が表すフローチャートの動作が可能とする、基地局、端末の状態及びデータフロー例を表す。
【0060】
基地局は、まず干渉信号検出を行う(S0801)。この結果、干渉信号が帯域内に存在する場合は、所定の時間だけ待機をして(S0807)、干渉信号検出を繰り返す。干渉信号検出の結果、干渉信号が帯域内に存在しない場合、Beacon信号を送信し(S0803)、Data信号の受信待ち受け(S0804)に移る。端末からのData
が受信された場合、ACK信号を送信する(S0306)。ACK送信後所定のData受信待ち受け開始時から所定の時間経過している場合は、干渉検出(S0801)に戻る。Data信号が受信されない場合は、受信待ち受け開始時から所定の時間経過するまで待ち受けを続ける。この所定の時間は、干渉検出の間隔が一定の時間(Tb)になるように調整される。
【0061】
上記ACK信号は、システムの求められる信頼性によっては必ずしも必要ではない。その場合、ACK送信ステップ(S0806)は省略される。
【0062】
端末は、待機しながら(S0811)送信すべきデータが存在する場合(S0812)に、所定の時間待機後(S0813)、Beacon信号の受信待受(S0814)に移る。この待機(S0813)は、基地局からのBeacon信号の到来時間が前回のBeacon信号受信からある程度推定される場合、その時間にあわせてBeacon信号の受信待受に移る。初回の送信など、Beacon信号の受信信号の到来時間が推定できない場合は、ただちにあるいはランダム時間待機後、Beacon信号の受信待受に入る。後者のランダム時間待機をする場合は、擬似的なALOHA方式のアクセス制御を実現できる。したがって、待機(S0813)は時間0の場合も有り得る。
【0063】
Beacon信号が受信されなかった場合、再び待機状態(S0813)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0064】
Beacon信号が受信された場合、M×Tslot時間待機後(S0816)、Data信号の送信を行う(S0817)。この時、M=0〜(MAX−1)までの整数値をランダムに取り、Tslotは一回のData送信及びACK受信に割り当てられる時間(スロット)である。MAXは、干渉検出の間隔でのスロットの数である。
【0065】
その後ACK受信待受(S0818)に移り、ACK信号が受信されるのを待つ。所定の時間、ACK信号が受信されない場合は、再び待機状態(S0813)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0066】
ACK信号が受信された場合、次回の送信すべきデータを送るタイミングを待つ待機に入る(S0811)。ACK信号を用いないシステムの場合は、S0818、S0819のステップは省略され、ただちに送信タイミングを待つ待機(S0811)に入る。
【0067】
ここで上記に記載した、端末における待機(S0811,S0813)では、送信部0111、受信部0112の電源は遮断される。
【0068】
また基地局はある端末から一度データを受信した後、その端末に次回以降の通信タイミングを割りあて、ACK信号を用いて通知することにより擬似的なTDMA方式を実現することもできる。その際、次回以降の通信タイミングのビーコンは、その端末のID情報を含ませ、他端末はそのビーコン信号を受信しても送信できないようにすることにより、端末同士の衝突を防ぐことができ、システムのスループットを向上させることができる。
【0069】
以上で説明したフローチャートで実現できる、基地局、端末の状態及びデータフロー例が図9に示してある。
【0070】
この実施形態をとることにより、一つのBeacon信号につき複数の端末がData送信をすることができ、Dataの衝突をさけることができシステムのスループットを向上させることができる。ただし、干渉信号検出から時間がある程度経過するため、本実施形態は、被干渉システムが上記時間経過後の送信を許容できる場合に限られる。
【0071】
以上説明した無線システムは、他無線システムとの周波数共用ができる干渉軽減機能を有しながら、端末には複雑な構成が必要とならず低コスト化が可能で、また端末主導のランダムアクセスが可能となり消費電力を抑えることができる。
【0072】
第一の実施例と同じように、以上で説明した無線システムで基地局から端末へ送信する無線方式と、端末から基地局へ送る無線方式を異なるもので構成することが可能である。
(実施形態4)
図10、図11を用いて本発明の第四の実施形態の無線システムの説明を行う。第四の実施形態の無線システムの構成例の一つは図1の構成例で示すことができる。また図1の端末側受信部0112は上記無線通信システム内の他端末0102及び基地局0101が送信した信号の有無を検知するキャリアセンス機能を有する。
【0073】
図10A、図10Bは、第一の実施形態における基地局と端末のシーケンス例を表すフローチャートであり、図11は、図10が表すフローチャートの動作で可能となる、基地局、端末の状態及びデータフロー例を表す。
【0074】
基地局は、まず干渉信号検出を行う(S1001)。この結果、干渉信号が帯域内に存在する場合は、所定の時間だけ待機をして(S1007)、干渉信号検出を繰り返す。干渉信号検出の結果、干渉信号が帯域内に存在しない場合、Beacon信号を送信し(S1003)、Data信号の受信待ち受け(S1004)に移る。端末からのData
が受信された場合、ACK信号を送信し(S1006)、所定の時間待機(S1008)後、次の干渉検出に移る。もし、端末からのDataが所定の時間受信されなかった場合次の干渉検出に移る。上記の待機(S1007,S1008)は、干渉検出の間隔が一定の時間(Tb)になるように調整される。ただし、干渉信号が検出された場合と検出されない場合で異なる間隔に設定することもできる。
【0075】
上記ACK信号は、システムの求められる信頼性によっては必ずしも必要ではない。その場合、ACK送信ステップ(S1006)は省略される。
【0076】
端末は、待機しながら(S1011)送信すべきデータが存在する場合(S1012)に、所定の時間待機後(S1013)、Beacon信号の受信待受(S1014)に移る。この待機(S1013)は、基地局からのBeacon信号の到来時間が前回のBeacon信号受信からある程度推定される場合、その時間にあわせてBeacon信号の受信待受に移る。初回の送信など、Beacon信号の受信信号の到来時間が推定できない場合は、ただちにあるいはランダム時間待機後、Beacon信号の受信待受に入る。後者のランダム時間待機をする場合は、擬似的なALOHA方式のアクセス制御を実現できる。したがって、待機(S1013)は時間0の場合も有り得る。
【0077】
Beacon信号が受信されなかった場合、再び待機状態(S1013)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0078】
Beacon信号が受信された場合、M×Tcs時間待機後(S1016)、キャリアセンスを行う(S0117)い、キャリアセンスで同じ無線システム内の無線信号が検出されなかった場合にData信号の送信を行う(S1018)。
【0079】
キャリアセンサで同じ無線システム内の無線信号が検出され場合は、待機(S1013)に戻り次回のBeacon受信タイミングを待つ。
【0080】
この時、M=0〜(MAX−1)までの整数値をランダムに取り、Tcsは一回のキャリアセンスに割り当てられる時間(スロット)である。MAXは、キャリアセンスができる最大数である。またキャリアセンスはM=0の時は行わずにData信号送信(S018)を行う。
【0081】
その後ACK受信待受(S1019)に移り、ACK信号が受信されるのを待つ。所定の時間、ACK信号が受信されない場合は、再び待機状態(S1013)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0082】
ACK信号が受信された場合、次回の送信すべきデータを送るタイミングを待つ待機に入る(S1011)。ACK信号を用いないシステムの場合は、S1019、S1020のステップは省略され、ただちに送信タイミングを待つ待機(S1011)に入る。
【0083】
ここで上記に記載した、端末における待機(S1011,S1013)は、送信部0111、受信部0112の電源は遮断される。
【0084】
以上で説明したフローチャートで実現できる、基地局、端末の状態及びデータフロー例が図11に示してある。
【0085】
この実施形態をとることにより、一つのBeacon信号につき複数の端末が受信してしまった時に、Data信号の衝突をさけることができ、システム全体のスループットを向上させることができる。
【0086】
以上説明した無線システムは、他無線システムとの周波数共用ができる干渉軽減機能を有しながら、端末には複雑な構成が必要とならず低コスト化が可能で、また端末主導のランダムアクセスが可能となり消費電力を抑えることができる。
【0087】
第一の実施例と同じように、以上で説明した無線システムで基地局から端末へ送信する無線方式と、端末から基地局へ送る無線方式を異なるもので構成することが可能である。
【0088】
(実施形態5)
図12、図13、図14を用いて本発明の第五の実施形態の無線システムの説明を行う。第五の実施形態の無線システムの構成例の一つは図1の構成例で示すことができる。
【0089】
図12に図1中の基地局0101の本実施形態における構成例を示す。図12で示した構成例は図1中の基地局の構成例と同じ構成であるが、送信部0106は、第一の無線方式(以下無線方式A)と第二の無線方式(以下無線方式B)の両方の信号を送信できる機能を持つ。図12の構成例では、無線方式Aと無線方式Bにそれぞれ対応する送信部A1201と送信部B1202とスイッチ(SW)1203からなり、制御部0109から選択することにより上記機能を選択する。
【0090】
受信部0107は、同様に無線方式Aと無線方式Bの両方の信号を受信できる機能を持つ。図12の構成例では、無線方式Aと無線方式Bにそれぞれ対応する受信部A1204と送信部B1205とスイッチ(SW)1206からなり、制御部0109から選択することにより上記機能を選択する。
【0091】
また図1中の端末0102を構成する端末側送信部0111と端末側受信部0112も基地局側送信部0106と基地局側受信部0107とそれぞれ同様の機能を持つ。
【0092】
図13A、図13Bは、第五の実施形態における基地局と端末のシーケンス例を表すフローチャートであり、図14は、図13が表すフローチャートの動作で可能となる基地局、端末の状態及びデータフロー例を表す。
【0093】
基地局、端末とも最初は無線方式Aで送受信を行えるよう設定する(S1309)。基地局は、まず干渉信号検出を行い(S1301)、干渉信号検出の結果である干渉信号情報をBeacon信号に付加して無線方式Aにて送信し(S1303)、Data信号の受信待ち受け(S1304)に移る。干渉信号検出結果をもとに無線方式Aか無線方式Bで送信するか選択する。すなわち干渉信号が存在しない帯域を持つ無線方式が選択される。
【0094】
端末からのDataが受信された場合、ACK信号を送信し(S1304)、所定の時間待機(S1308)後、次の干渉検出に移る。もし、端末からのDataが所定の時間受信されなかった場合は、次の干渉検出に移る。上記の待機(S1308)は、干渉検出の間隔が一定の時間(Tb)になるように調整される。次の干渉検出に移る前に送受信方式は無線方式Aに設定される(S1309)。
【0095】
上記ACK信号は、システムの求められる信頼性によっては必ずしも必要ではない。その場合、ACK送信ステップ(S1306)は省略される。
【0096】
端末は、待機しながら(S1311)送信すべきデータが存在する場合(S1312)に、所定の時間待機後(S1311,S1312、S1313)、Beacon信号の受信待受(S1314)に移る。Beaconは無線方式Aで受信する。
【0097】
この待機(S1313)は、基地局からのBeacon信号の到来時間が前回のBeacon信号受信からある程度推定される場合、その時間にあわせてBeacon信号の受信待受に移る。初回の送信など、Beacon信号の受信信号の到来時間が推定できない場合は、ただちにあるいはランダム時間待機後、Beacon信号の受信待受に入る。後者のランダム時間待機をする場合は、擬似的なALOHA方式のアクセス制御を実現できる。したがって、待機(S1313)は時間0の場合も有り得る。
【0098】
Beacon信号が受信されなかった場合、再び待機状態(S1313)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0099】
Beacon信号が受信された場合、Beacon信号中の干渉信号情報をもとに無線方式が選択され(S1316)、Data信号の送信を行う(S1317)。その後ACK受信待受(S1318)に移り、ACK信号が受信されるのを待つ。所定の時間、ACK信号が受信されない場合は、再び待機状態(S1313)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。その際、送受信方式は無線方式Aに戻される(S1320)。
【0100】
ACK信号が受信された場合、次回の送信すべきデータを送るタイミングを待つ待機に入る(S1311)。ACK信号を用いないシステムの場合は、S1318、S1319のステップは省略され、ただちに送信タイミングを待つ待機(S1311)に入る。
【0101】
以上で説明したフローチャートで実現できる、基地局、端末の状態及びデータフロー例が図14に示してある。
【0102】
ここで上記に記載した、端末における待機(S1311,S1313)は、送信部0111、受信部0112の電源は遮断される。
【0103】
以上で説明した無線システムは、好適には無線方式Aと無線方式Bは互いに異なる周波数帯域を使用する無線方式を採用し、他に干渉するシステムが存在しない無線方式を無線方式Aにし、干渉する可能性がある無線方式を無線方式Bに設定する。例えば、無線方式AにIEEE802.15.4に代表される狭帯域無線方式に採用し、無線方式BにUWBを用いた場合、干渉する他無線システムが存在しない場合、UWBの特徴を生かした高効率な通信が行え、また他無線システムが存在する場合は、狭帯域無線方式を行うことにより、システムのスループットの低下を防ぐ。
【0104】
また無線方式Aと無線方式Bの組み合わせは制限されるものでもなく、無線方式の種類も2種類のみならず3種類、4種類と増やしシステムの信頼性を高めることが可能である。またさらにいえば、無線方式の一つをPLC(Power Line Communication)といった有線系と組み合わせることによってさらに高効率かつ信頼性の高い無線通信システムを構築できる。
【0105】
以上説明した無線システムは、他無線システムとの周波数共用ができる干渉軽減機能を有しながら、端末には複雑な構成が必要とならず低コスト化が可能で、また端末主導のランダムアクセスが可能となり消費電力を抑えることができる。
【0106】
(実施形態6)
図15、図16用いて本発明の第六の実施形態の無線システムの説明を行う。第六の実施形態の無線システムの構成例の一つは図1の構成例で示すことができる。また基地局及び端末側送信部、受信部は第五の実施形態と同じように図12の構成例で示すことができる。
【0107】
図15A、図15Bは、第六の実施形態における基地局と端末のシーケンス例を表すフローチャートであり、図16は、図15が表すフローチャートの動作で可能となる基地局、端末の状態及びデータフロー例を表す。
【0108】
基地局、端末とも最初は無線方式Aで送受信を行えるよう設定する。基地局は、まず無線方式AにおいてRequest信号の待受を行う(S1509)。もしRequest信号が受信された場合、干渉信号検出を行う(S1501)。干渉信号検出の結果である干渉信号情報をBeacon信号に付加し送信し(S1503)、Data信号の受信待ち受け(S1504)に移る。この時のData信号の受信待受は無線方式Bに設定され、さらに干渉信号情報にもとづいて送受信帯域を設定する(S1507)。この動作は第二の実施形態で説明した干渉信号帯域の回避方法と同様である。
【0109】
端末からのDataが受信された場合、ACK信号を送信し(S1504)、送受信方式を無線方式Aに戻した後(S1508)、Request信号の受信待受に移る。もし、端末からのDataが所定の時間受信されなかった場合も同様に、送受信方式を無線方式Aに戻した後(S1508)、Request信号の受信待受に移る。
【0110】
上記ACK信号は、システムの求められる信頼性によっては必ずしも必要ではない。その場合、ACK送信ステップ(S1506)は省略される。
【0111】
端末は、待機しながら(S1511)送信すべきデータが存在する場合に(S1312)、一定時間待機し(S1513)、無線方式Aにおいて、Request信号を送信する(S1520)。
【0112】
この待機(S1513)は、待機時間の制御により擬似的なALOHA方式のアクセス制御を実現できる。
【0113】
Request信号送信後、Beacon信号の受信待受に入る(S1514)。Beacon信号が受信されなかった場合、再び待機状態(S1513)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。
【0114】
Beacon信号が受信された場合、送受信方式を無線方式Bに変更し、Beacon信号中の干渉信号情報をもとに使用する周波数帯域が設定される(S1516)。この周波数帯域の設定の方法は、第二の実施形態と同様である。その設定で、Data信号の送信を行う(S1517)。
【0115】
ACK受信待受(S1518)に移り、ACK信号が受信されるのを待つ。所定の時間、ACK信号が受信されない場合は、再び待機状態(S1513)に入り次のタイミングのBeacon信号の受信タイミングを待つ。その際、送受信方式は無線方式Aに戻される(S1520)。
【0116】
ACK信号が受信された場合、次回の送信すべきデータを送るタイミングを待つ待機に入る(S1511)。ACK信号を用いないシステムの場合は、S1518、S1519のステップは省略され、ただちに送信タイミングを待つ待機(S1511)に入る。
【0117】
ここで上記に記載した、端末における待機(S1511,S1513)は、送信部0111、受信部0112の電源は遮断される。
【0118】
以上で説明したフローチャートで実現できる、基地局、端末の状態及びデータフロー例が図16に示してある。
【0119】
以上で説明した無線システムは、好適には無線方式Aと無線方式Bは互いに異なる周波数帯域を使用する無線方式を採用し、他に干渉するシステムが存在しない無線方式を無線方式Aにし、干渉する可能性がある無線方式を無線方式Bに設定する。
【0120】
例えば、無線方式AにIEEE802.15.4に代表される狭帯域無線方式に採用し、無線方式BにUWBを用いて、干渉する他無線システムが存在する場合は、その帯域を回避して送受信を行う。このような構成とした場合、端末は受信の待受時間を少なくすることができより低消費電力化が実現できる。
【0121】
以上説明した無線システムは、他無線システムとの周波数共用ができる干渉軽減機能を有しながら、端末には複雑な構成が必要とならず低コスト化が可能で、また端末主導のランダムアクセスが可能となり消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】センサーネットワーク向け無線通信システムの構成例である。
【図2】第1の実施形態における干渉信号検出部の構成例である。
【図3A】本発明の第1の実施形態における基地局シーケンス例を表すフローチャートである。
【図3B】本発明の第1の実施形態における端末シーケンス例を表すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例における基地局と端末の状態、データフロー、端末の消費電力の例を示す図である。
【図5A】本発明の第2の実施形態における基地局シーケンス例を表すフローチャートである。
【図5B】本発明の第2の実施形態における端末シーケンス例を表すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例における基地局と端末の状態、データフロー例を示す図である。
【図7A】本発明の第2の実施形態の干渉回避の例を説明する図である。
【図7B】本発明の第2の実施形態の干渉回避の例を説明する図である。
【図8A】本発明の第3の実施形態における基地局シーケンス例を表すフローチャートである。
【図8B】本発明の第3の実施形態における端末シーケンス例を表すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施例における基地局と端末の状態、データフロー例を示す図である。
【図10A】発明の第4の実施形態における基地局シーケンス例を表すフローチャートである。
【図10B】本発明の第4の実施形態における端末シーケンス例を表すフローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施例における基地局と端末の状態、データフロー例を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施例における基地局構成例を示す図である。
【図13A】発明の第5の実施形態における基地局シーケンス例を表すフローチャートである。
【図13B】本発明の第5の実施形態における端末シーケンス例を表すフローチャートである。
【図14】本発明の第5の実施例における基地局と端末の状態、データフロー例を示す図である。
【図15A】発明の第6の実施形態における基地局シーケンス例を表すフローチャートである。
【図15B】本発明の第6の実施形態における端末シーケンス例を表すフローチャートである。
【図16】本発明の第6の実施例における基地局と端末の状態、データフロー例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信機能を有する基地局と複数の端末とを含んでなる無線通信システムであって、
上記基地局は、ビーコン信号を送信する機能を有し、上記ビーコン信号を送信する前に、上記端末から上記基地局へのデータ送信に利用する周波数帯域内の干渉信号を検出する干渉信号検出を行い、
上記端末は、上記データ送信を開始するタイミングより前に、無線受信機能が休止した状態である待機状態から上記ビーコン信号を受信可能な状態である受信待受状態に移行し、上記ビーコン信号を受信した場合にのみ上記データ送信を行う
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記基地局は、上記干渉信号検出の結果によって、干渉信号が検出されなかった場合ビーコン信号を送信し、干渉信号が検出された場合はビーコン信号の送信を停止し、一定時間経過後再び上記干渉信号検出動作を繰り返すことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1において、
上記基地局の干渉信号検出機能は、干渉信号の存在の有無とその干渉信号の周波数帯域を検出し、
上記基地局は上記ビーコン信号内に上記干渉信号の存在の有無とその干渉信号の周波数帯域を付加して送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項3において、
上記端末は、上記干渉信号の存在の有無と上記干渉信号の周波数帯域情報を含んだビーコン信号を受信し、上記情報にもとづいて周波数帯域を避けた無線信号を用いてデータ送信を行うことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項4において、
上記端末の送信機能は直交周波数多重方式(OFDM)の無線方式が送信でき、
上記干渉信号の周波数帯域を避ける無線信号は、干渉信号の周波数帯域に該当する上記OFDM信号のサブキャリアに情報ビットを割り当てないことにより実現され、
上記基地局は、上記無線信号で送信されたデータ信号を受信する機能を有する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
請求項4において、
上記端末の送信機能は複数の周波数チャンネルを持つ無線方式で行い、
上記干渉信号の周波数帯域を避ける無線信号は、干渉信号の周波数帯域を含まない周波数チャンネルを選択することにより実現され、
上記基地局は上記無線方式のすべての周波数チャンネルで受信できる機能を有し、上記選択された周波数チャンネルの無線信号で送信されたデータ信号を受信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項7】
請求項1において、
上記端末は、上記ビーコン信号を受信した後、ランダム時間経過後にデータ送信することを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
請求項7において、
上記ランダム時間は、Tslotを単位時間、変数Mを0以上MAX未満(MAXは正の整数)のランダムな整数として、M×Tslotで与えられることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
請求項1において、
上記端末は、上記無線システム内の他端末または基地局から送信されている他無線信号を検出するキャリアセンス機能を有し、
上記ビーコン信号を受信した後に、ランダム時間後にキャリアセンスを行い、上記他無線信号が検出されなかった場合にデータ送信を行う
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
請求項10において、
上記ランダム時間は、Tcsを単位時間、変数Mを0以上MAX未満(MAXは正の整数)のランダムな整数としてM×Tcsで与えられ、M=0の場合のみキャリアセンスを行わずデータ送信することを特徴とする無線通信システム。
【請求項11】
請求項1において、
上記基地局の送信機能と端末の受信機能は第一の無線方式の送信及ぶ受信をそれぞれ行い、
上記端末の送信機能と上記基地局の受信機能は、上記第一の無線方式とは異なる第二の無線方式の送信及び受信をそれぞれ行う
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
請求項11において、
上記第一の無線方式は、狭帯域無線方式であり、
上記第二の無線方式は、UWB(Ultra−Wideband)方式である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項13】
請求項1において、
上記基地局の無線送信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の送信機能を有し、
上記基地局の無線受信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の受信機能を有し、
上記端末の無線送信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の送信機能を有し、
上記端末の無線受信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の受信機能を有し、
上記干渉信号検出機能は上記第二の無線方式で用いる周波数帯域内の干渉信号の存在の有無を検出し、上記ビーコン信号内に付加して上記第一の無線方式で送信し、
上記端末は上記ビーコン信号の受信を行い、その結果をみて上記干渉信号が存在しなければ、第二の無線方式で上記データ信号の送信を行い、上記干渉信号が存在すれば第一の無線方式で上記データ信号の送信を行い、
上記基地局は上記選択された無線方式で送信されたデータ信号の受信をおこなう
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項14】
請求項13において、
上記第一の無線方式は、狭帯域無線方式であり、
上記第二の無線方式は、UWB(Ultra−Wideband)方式である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項15】
無線送受信機能を有する基地局と複数の端末とを含んでなる無線通信システムであって、
上記基地局の無線送信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の送信機能を有し、
上記基地局の無線受信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の受信機能を有し、
上記端末の無線送信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の送信機能を有し、
上記端末の無線受信機能は第一の無線方式と第二の無線方式の受信機能を有し、
上記端末は第一の無線方式でリクエスト信号を送信し、
上記基地局は上記リクエスト信号を受信して上記第二の無線方式に利用する周波数帯域内の干渉信号を検出する干渉信号検出を行い、上記干渉信号の存在の有無と周波数帯域情報を含んだビーコン信号を送信し、
上記端末は上記ビーコン信号を受信し、上記情報にもとづいて周波数帯域を避けた第二の無線方式の無線信号を用いてデータ送信を行う
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項16】
請求項15において、
上記第二の無線方式は、直交周波数多重方式(OFDM)であり、
上記干渉信号の周波数帯域を避ける無線信号を作る機能は、干渉信号の周波数帯域に該当する上記OFDM信号のサブキャリアに情報ビットを割り当てないことにより実現される
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項17】
請求項15において、
上記第二の無線方式は、複数の周波数チャンネルを持つ無線方式であり、
上記干渉信号の周波数帯域を避ける無線信号を作る機能は、干渉信号の周波数帯域に該当する上記周波数チャンネルではない周波数チャンネルとすることによる実現される
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項18】
請求項15において、
上記第一の無線方式は、狭帯域無線方式であり、
上記第二の無線方式は、UWB(Ultra−Wideband)方式である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項19】
請求項15において、
上記第一の無線方式のかわりに、有線通信を用いることを特徴とする無線通信システム。
【請求項20】
基地局と複数の端末との間で行われる無線通信方法であって、
上記基地局においてビーコン信号を送信するステップと、
上記ビーコン信号を送信するステップの前に、端末から基地局への無線通信に利用する周波数帯域内の干渉信号を検出するステップと、
上記端末において、データを送信するタイミングの前に待機状態からビーコン信号の受信待受へ移行を行うステップと、
上記ビーコン信号が受信された場合にのみ上記データ送信するステップと
を有することを特徴とする無線通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16】
image rotate