説明

無線通信システム

【課題】基地局と複数の固定若しくは移動加入局とを有するシステムで用いられる無線通信方法を提供する。
【解決手段】基地局は、各フレーム内にデータ送信用及び無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、各加入者局とのコネクションを維持する。各フレーム内に、基地局とのコネクション品質を報告するために加入者局により用いられる新たな専用共有チャンネルを設ける。共有チャンネルに割り当てられる資源は、各加入者局が個々に報告するために同一のフレーム内で必要な資源の合計より少ない。基地局は、共有チャンネルに資源を割り当て、共有チャンネルを複数の報告機会に分割し、加入者局へ報告要求を送信する。加入者局は、報告機会の1つをランダムに選択しチャンネル品質に関する報告を送出することにより前記要求に応答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局(BS)が複数の固定又は移動加入者局(MS)と通信する種類の無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広帯域無線接続を介したデータ通信のために種々の規格が開発されてきている。このような規格の1つは、IEEE802.16仕様書で設計され、WiMAXとして一般に知られている。当該仕様書は、主として固定加入者局を有するシステムを対象とするIEEE802.16−2004、及び特に移動加入者局を規定するIEEE802.16e−2005を含む。以下の記載では、移動局(MS)の語は固定及び移動局の両方の表現に適用される。「ユーザー」の語も移動局と同義に用いられる。
【0003】
IEEE規格802.16−2004「Air Interface For Fixed Broadband Wireless Access Systems」及びIEEE規格802.16e−2005「Amendment2 and Corrigendum1 to IEEE Std.802.16−2004」の全体の内容は、参照されることにより本願明細書に組み込まれる。IEEE802.16は、移動局が、基地局が定める少なくとも1つの「セル」の範囲内で基地局と通信する無線通信システムを規定する。基地局を所与の地理的領域内の適切な位置に展開することにより、及び/又は同一の基地局にフック数のアンテナを設けることにより、セルの隣接するグループが作成され、広域ネットワークを形成し得る。当該仕様では、用語「ネットワーク」及び「システム」は、同等に使用される。
【0004】
上述の種類のシステムでは、移動局と基地局との間でコネクション(マネジメントコネクション又はトランスポートコネクション)が維持される間、データは、加入者局と基地局との間のパケット交換により通信される。以下で、「チャンネル」の語は、文脈から明らかなようにしばしばあるMSとそのBSとの間の接続を表すために用いられる。加入者局から基地局へのパケットの送信方向は上り回線(UL)と称される。また基地局から加入者局への方向は下り回線(DL)と称される。パケットは、システム及びシステムの構成要素の無線装置に適用される階層プロトコルに従う定められたフォーマットを有する。パケットに関するプロトコルの層は、それ自体、所謂、物理層(PHY)及びメディアアクセス層(MAC)である。IEEE802.16−2004仕様では、これらのプロトコル層は、図1に示されるプロトコル「スタック」を形成する。
【0005】
図1に示されるメディアアクセス層は、本願明細書に記載される本発明に最も関連するプロトコル層である。メディアアクセス層は、ネットワークアクセス、帯域割り当て、及びコネクション維持を含む種々の機能の処理に関与する。メディアアクセス層は、「フレーム」に基づくBS及びSSのネットワークへのアクセス制御を含む。「フレーム」はシステム内の所定の時間単位であり、時間及び周波数領域で多数のスロットに分割され、複数の送信アンテナを用いる場合に空間的に多数のストリームに分割されて良い。
【0006】
利用可能な周波数範囲及びアプリケーションに依存して、種々の物理層の実装がIEEE802.16ネットワークで可能である。例えば、以下に記載される時分割二重(TDD)方式及び周波数分割二重(FDD)方式である。PHY層はまた、OFDM(直交周波数分割多重)又はOFDMA(直交周波数分割多重アクセス)のような伝送技術を定める。これらの技術は以下に簡単に説明される。
【0007】
OFDMでは、単一のデータストリームがN個の並列の副搬送波に変調される。各副搬送波の信号はそれぞれの周波数範囲を有する。これは、全帯域(つまり所与の時間間隔で送信されるべきデータ量)を複数の副搬送波に渡り分割し、それにより各データ・シンボルの期間を増大する。各副搬送波は低い情報レートを有するので、複数搬送波システムは単一搬送波システムと比べてチャンネルに導入される歪みが少ないので有利である。これは、送信レート、従って各副搬送波の帯域幅がチャンネルのコヒーレンス帯域幅より小さいことを保証することにより可能になる。結果として、単一搬送波で被るチャンネル歪みは周波数に依存せず、従って単純な位相及び振幅補正係数により補正できる。従って、複数搬送波受信機内でチャンネル歪みを補正することにより、システムの帯域幅がチャンネルのコヒーレンス帯域幅を超えている場合に、単一搬送波受信機内の対向部分の複雑性を有意に低下し得る。
【0008】
OFDMシステムは複数の副搬送波周波数を用いる。複数の副搬送波周波数は数学的意味で直交するので、副搬送波のスペクトルが相互に独立であるという事実により、副搬送波は干渉せずに重なり合う。OFDMシステムの直交性は帯域周波数を保護する必要がなく、それによりシステムのスペクトル効率を向上する。OFDMは多くの無線システムに提案され適用されている。OFDMシステムでは、逆離散又は高速フーリエ変換アルゴリズム(IDFT/IFFT)を用いることにより、N個の変調された並列データ源の信号ブロックがN個の直交する並列副搬送波にマッピングされ、送信機で時間領域の「OFDMシンボル」として知られる信号を形成する。従って、「OFDMシンボル」はN個の副搬送波信号全ての複合信号である。受信機で、受信された時間領域信号は、離散フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを適用することにより周波数領域に変換して戻される。
【0009】
OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)はOFDMの多重アクセス版である。OFDMAは副搬送波のサブセットを個々の副搬送波に割り当てることにより動作する。これは、複数のユーザーからの同時送信を許容し、一層良好なスペクトル効率をもたらす。しかしながら、双方向通信の実現、つまり上り及び下り方向に干渉のない通信可能にするという課題が依然として存在する。
【0010】
2つのノード間で双方向通信を実現するために、2つの良く知られた異なる手法が存在する。これらの手法は、2つの(順方向又は下り、及び逆方向又は上り)通信リンクを二重にして、装置が同一の資源媒体で同時に送信及び受信できないという物理的制約を克服する。第1の手法である周波数分割二重(FDD)は、2つのリンクを同時に動作するが、送信媒体を2つの別個の帯域、つまり1つはDL通信のため、もう1つはUL通信のために分割することにより異なる周波数帯域で動作する。第2の手法である時分割二重(TDD)は、2つのリンクを同一周波数帯で動作させるが、媒体への同時アクセスを分割し、如何なる時点においてもDL又はULのみが媒体を使用する。両方の手法とも利点を有しIEEE802.16規格はFDDとTDD方式の両方を盛り込んでいるが、本願明細書では以下にTDD方式に関して主に記載する。
【0011】
図2及び3はIEEE802.16規格(WiMAX)のOFDM/OFDMA物理層で用いられるTDDフレーム構造を示す。
【0012】
先ず図2を参照すると、パケットの観点からOFDM TDDフレーム構造が示される。図2に示されるUL下位フレームは、先ず初期レンジングのための競合スロットを提供する。初期レンジングにより、MSがネットワークに入ることを許可される。初期レンジングでは、MSは当該スロットを用い、競争に基づき(つまり他のユーザーからの任意の同様のレンジング要求と競争して)、CDMAに基づくレンジング要求として一般的に参照されるIDコードをBSへ送信する。BSは、次のUL下位フレームで資源割り当てを行うことによりレンジング・コードの受信に応答する。BSはどのMSがCDMAに基づくレンジング要求を行ったかを知らないが、所望の受信機は割り当てられた資源を使用でき、メッセージ(標準的に以下に説明されるRNG−REQ、MAC管理メッセージ)で応答し、自身を識別し、ネットワーク・エントリ手順を開始する。
【0013】
UL下位フレーム内に割り当てられた次の資源は、BW要求の競合スロットである。BW要求は、如何なる加入者局によっても(再び競争に基づき)使用され、基地局から帯域を要求する。同様の手順は、初期レンジングのために概略だけ以下に説明される。
【0014】
図2は、UL下位フレーム内の2個の部分、つまりPHYヘッダー及びMAC PDUを有するパケットフォーマットを更に示す。MAC PDUはまた、MACヘッダー、任意のペイロード、及び任意の誤りチェック符号(巡回冗長符号又はCRC)を有する。PHYヘッダーはトレーニング・シーケンスを含む。MAC PDU内で、MACヘッダーは通常、ヘッダーの種類、CID、及びPDUのフォーマット(例えば暗号化されているか否か、長さ)等のような、媒体アクセスのために不可欠なパラメーターを与える。MAC PDU内のCRCは任意であり、受信したMAC PDUを検査するために使用され得る。MAC PDU内のペイロードは、MSがBSへ送信したいデータを含めるために用いられるが、任意である。例えば、帯域要求のような特定の制御メッセージ又はACKメッセージは、以下に説明されるフィードバック・ヘッダーのような如何なるペイロードも有さない。
【0015】
一般に、DL又はULのMAC PDUのペイロードは、所定のMACメッセージ(Mmsg)の如何なるセットを有しても良い。これらはチャンネル測定報告要求(REP−REQ)及びチャンネル測定報告応答(REP−RSP)を有する。これらは以下に説明される。更に、下位ヘッダーはMAC PDUの一般的なMACヘッダーの直後に含まれて良い。この下位ヘッダーの1つの目的は、以下に説明される高速フィードバック・チャンネルを定めることである。
【0016】
同一の基本構造はOFDMAにも利用されるが、PHY層のシグナリングにいくつかの違いがある。OFDMA物理層は、利用可能なOFDMシンボル及び構成要素である副搬送波(図3を参照)を、別個の論理的及び物理的下位チャンネルに分割し、複数のバーストの共存又は各時間間隔での重なり合いを許容する。下り回線では単一のバーストが複数のユーザー(加入者局)により共有されて良いが、上り回線では各バーストは一般的に単一のユーザーに対応する。
【0017】
図3では、フレームは所与の時間長及び所与の周波数帯、つまり図3に「OFDMシンボル数」により示される時間領域、及び「下位チャンネル数」(各下位チャンネルは上述の副搬送波のセットである)により示される周波数領域を占有すると考えられる。各フレームは、それぞれ別個の送信間隔であるDL及びUL下位フレームに分割される。それらは送信/受信及び受信/送信遷移保護間隔(それぞれTTG及びRTG)により分離される。各DL下位フレームはプリアンブルで始まり、次にフレーム制御ヘッダー(FCH)、DL−MAP、そして存在する場合にはUL−MAPが続く。FCHはDLフレーム・プレフィックス(DLFP、図2を参照)を含み、バースト特性及びDL−MAPの長さを指定する。DLFPは各フレームの始めに送信されるデータ構造であり、FCHにマッピングされる現在のフレームに関する情報を含む。同時DL割り当ては、ブロードキャスト、マルチキャスト、及びユニキャストであり、それらはBSにサービスを提供するというより、別のBSのための割り当てを含む。同時ULはデータ割り当て、及びレンジング又は帯域幅要求であって良い。
【0018】
DL下位フレームは、DL−MAPとUL−MAPを備えたブロードキャスト制御フィールドを含む。これらにより、BSは受信装置にフレーム構造を知らせる。MAPはフレーム内の帯域幅割り当てのマップであり、PHYシグナリングに関連するメッセージも含む。MAPはそれぞれコネクションIDを含む情報要素(IE)を有する。マップのIEは、移動局に、当該移動局が情報を受信するよう割り当てられたバーストを知らせる。従って、TDD及びFDD方式のネットワークでは、帯域幅割り当てはフレーム内の資源(スロット)の割り当てを意味する。DL−MAPとUL−MAPはBSによる管理メッセージのブロードキャスト(つまり全ての加入者へ送信される)の例である。図3でULバースト#1乃至#5と記された領域は、BSへのデータ送信のために個々のユーザーに割り当てられたことを表す。この例では、各バーストは時間領域の全体(UL下位フレームの期間)に渡り延在するが、利用可能な周波数領域(副搬送波)の異なる部分を占有する。
【0019】
UL下位フレームは、所謂チャンネル品質表示チャンネル(CQICH)を含む。CQICHは、以下に説明されるようにBSへチャンネル品質をフィードバックするためにMSにより用いられる。
【0020】
基地局と加入者局との間のコネクション(より詳細には、それら装置、所謂ピアエンティティのMAC層間)は、コネクション識別子(CID)を割り当てられ、及び基地局は基地局のアクティブなコネクション又はサービス・フローを管理するためCIDを追跡し続ける。サービス・フローは、例えばMSのユーザーにより行われる音声呼を表して良い。
【0021】
無線通信システムでは、及び特に適応型チャンネル符号化及び変調を利用するOFDM及びOFDMAシステムでは、各MSが当該MSのBSに当該MSのコネクションの品質(チャンネル品質とも称される)及び他のパラメーターを知らせることは非常に重要である。これを達成するある方法は、従来知られており、各MSが散発的なメッセージをMSへ送信することである。一般的にこれを行うために用いられる当該方法は、MAC管理メッセージ(Mmsg)を送信することにより、上述のREP−RSP等をMSへ報告する。このようなMmsgは要求型であって良く、つまりREP−REQを送信することによりBSにより要求されて良く、又は非要求型であっても良い。このようなメッセージを送信する代替の方法は、PDUペイロードを有さない特定のMACヘッダー、例えばフィードバック・ポーリングIEとして又は非要求型フィードバックとしてMSにより送信されたフィードバック・ヘッダーを使用することである。
【0022】
MSがBSにコネクション品質を知らせる第2の方法は、高速フィードバック(FFB)専用チャンネル、例えば各MSが周期的にBSへ報告する前述のCQICHを使用することである。ここで、「専用」は、スロット(又はスロットの一部)がどのフレームでも他のユーザーにより共有されることなく1つのコネクションに割り当てられ、しかし同一の物理資源が後続のフレームで異なるコネクション(ユーザー)に使用され得ることを意味する。帯域幅のFFBチャンネルへの割り当ては、上述のFFB MAC下位ヘッダーを通じて、又はCQICH制御IE及びCQICH割り当てIEを通じて行われる。これらの割り当ては、一回限り行われ(FFB MAC下位ヘッダー)、換言すると現在のフレームの間のみ継続するか、又は持続的に行われる(CQICH割り当てIE)。また、持続的割り当ては周期的に、つまりフレーム毎に、又はnフレーム毎に生じて良い。当業者に知られているようにこの割り当てを行うために種々の方法が利用可能である。
【0023】
これら2つの手法を結合し、専用フィードバック・チャンネルを報告のために同一セッション中に使用することに加えて、各MSが散発的Mmsgを送信するようにすることも可能である。
【0024】
しかしながら、上述の手法には以下の問題がある。Mmsgを規則的に用いることは、特にBSが多数の移動局のために動作している場合に大きな処理オーバーヘッドを生じる。FFBチャンネルを用いる場合、オーバーヘッドは場合によっては小さいが、MSが何も報告する必要がない(つまり如何なる状態変化もない)場合でも、BSは専用資源を各MSに割り当てなければならない。いくつかの適用では、多くのMSはBSに非周期的に、しかし頻繁に報告する必要がある。この場合には、Mmsgも専用チャンネル手法も最適な機構を提供しない。このような場合には、BSは、何時、どれだけの数の移動局が一度に報告するのかを知らず、どのMSが報告するかしか知らない。従って、BSは、全ての移動局のための帯域幅資源(スロット)を要求する専用チャンネルの割り当て、従って帯域幅の浪費か、又はMmsgを頻繁に使用することによる追加オーバーヘッドの発生かを選択しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従って、移動局に非周期的だが頻繁に基地局へ報告させる無線通信システムで必要な帯域幅を低減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の第1の態様によると、基地局と複数の固定若しくは移動加入者局とを有する無線通信システムが提供される。前記基地局は、フレーム単位で無線通信を実行し、各フレーム内にデータ送信用及び前記無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、前記加入者局のそれぞれとのコネクションを維持し、各フレームは、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するために設けられた共有チャンネルを有し、前記共有チャンネルに割り当てられた前記資源は各加入者局が報告のために必要とする資源の合計より少ない。
【0027】
本発明の第2の態様によると、複数の加入者局にコネクションを提供するために無線通信システムで用いられ、前記加入者局とフレーム単位でデータ送信及びシグナリングのために通信する基地局が提供される。前記基地局は、前記システム内で利用可能な資源を割り当て前記加入者局のデータ送信要件とシグナリング要件とを満たす資源割り当て手段を有し、前記資源割り当て手段は、前記加入者局が前記基地局へ報告を送信するために用いる共有チャンネルに資源を割り当てるよう構成され、前記共有チャンネルは各フレームに加入者局の数より少ない数の報告機会を設ける。
【0028】
本発明の第3の態様によると、加入者局が提供される。当該加入者局は、基地局が複数の加入者局と通信し、前記加入者局が前記基地局へ報告を送信するために用いる共有チャンネルを提供する無線通信システムで用いられ、前記加入者局は、前記基地局から通信品質の最小許容レベルを表す閾を受信し、前記基地局との通信品質を監視し、前記通信品質が前記閾を横切った場合に報告を生成し、及び前記報告を前記共有チャンネルで前記基地局へ送信するよう構成される。
【0029】
本発明の第4の態様によると、無線通信システムで用いられるフレーム・フォーマットが提供される。当該フレーム・フォーマットは、基地局から前記無線通信システムの前記基地局とのコネクションを有する加入者局へ送信されるべき下り回線データとシグナリング情報とを有する下り回線下位フレーム、及び前記加入者局から前記基地局へ送信されるべき上り回線データとシグナリング情報とを有する上り回線下位フレーム、を有し、前記上り回線下位フレームは、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するための共有チャンネルを有し、前記共有チャンネルに割り当てられる資源は、各加入者局が前記基地局へ報告するために必要な資源の合計より少ない。
【0030】
本発明の第5の態様によると、基地局と複数の固定若しくは移動加入者局とを有するシステムの無線通信方法が提供される。前記基地局は、フレーム単位で無線通信を実行し、各フレーム内にデータ送信用及び前記無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、前記加入者局のそれぞれとのコネクションを維持する。前記方法は、各フレームに、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するために共有チャンネルを設ける段階を有し、前記共有チャンネルに割り当てられた前記資源は各加入者局が報告のために必要とする資源の合計より少ない。
【0031】
上述の本発明の方法は、無線通信システムの基地局及び/又は移動局のプロセッサーで実行されるソフトウェアにより実行されて良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
例として、添付の図面を参照する。
【0033】
本発明の好適な実施例は、図4乃至9を参照して説明される。
【0034】
既に冒頭で説明したように、本発明は、フレーム内に含まれるデータ・パケットを交換することにより基地局が加入者局と通信する無線通信システムに関する。フレームは、特定の時間期間及び周波数範囲を占有する。各フレームは基地局から加入者局への下り回線(DL)下位フレーム、及び加入者によりデータを基地局へ送信するために用いられる上り回線(UL)下位フレームを有する。各(DL及びUL)下位フレームは複数のバーストを有し、各MSは当該MSに割り当てられた1又は複数のバーストの中でパケットを送信及び受信することによりBSとのコネクション(又は「サービス・フロー」)を維持する。換言するとUL下位フレーム内の帯域幅が、特にシグナリングを目的として用いられる。本発明は、移動局が当該移動局のコネクションの品質を報告する新しいシグナリング方法を提供する。
【0035】
BSのオーバーヘッドを減らし、無線通信システムのスペクトル効率を向上するために、本発明は、移動局にBSのチャンネル品質を報告するための共有チャンネルを提供する。共有チャンネルに割り当てられた帯域幅/資源の総量は、セル内の全ての移動局が同時に報告するために必要な帯域幅/資源の総量より少ない。つまり、
Rtotal<N×Re (1)
ここで、Rtotalは新たな共有チャンネルに割り当てられた帯域幅、NはBSがサービスを提供するセル内の移動局の数、Reは1つのMSが報告するために必要な資源である。
【0036】
共有チャンネルは専用チャンネルである。専用チャンネルとは、当該チャンネルが実際に使用されているか否かに関わらず、UL下位フレーム内の資源が常に報告専用であることを意味する。しかしながら、当該共有チャンネルは、知られている上述のFFB専用チャンネル又はCQICH報告チャンネルとは異なり、1より多いユーザーが当該チャンネルに一度に送信できる。この多重アクセス機能により、共有チャンネルは、標準的な報告チャンネルよりもレンジング・チャンネル(移動局をネットワークに導入する際に用いられる)に似ている。
【0037】
本発明では、共有チャンネルは、各フレーム内で(特にUL下位フレーム内で)限られた数の可能な報告(以下では報告機会と称される)を提供する。換言すると、移動局は共有チャンネル内で報告機会をある程度争うが、以下に説明されるように1つの報告機会は1つのMSだけに限定されない。図4はこの報告方式がどのように管理されるかを示す。
【0038】
段階1:BSは競合に基づく報告のため、新たな共有チャンネルに帯域幅を割り当てる。提供される資源の量は上述の式(1)を満たす。
【0039】
段階2:BSは共有チャンネルの資源全体を複数の報告機会に分割する。1つの報告機会は1つのタイムスロット、周波数帯域、又は2D(周波数領域と時間領域)に割り当てられる。図5は、IEEE802.16eのUL下位フレームに2D割り当てとして設けられた報告機会の例を示す。
【0040】
段階3:BSは移動局に測定結果及び/又は現在の通信品質に関するパラメーターを報告するよう要求する。BSはまた、移動局に報告のための如何なる条件を知らせても良い。例えば、1又は複数の閾レベルが各MSに通知され、(例えば)閾を下回るSINRだけがBSへ報告されるようにして良い。別の例では、閾を上回るSINRだけが報告される。本願明細書では、閾が「満たされる」か否かは、測定された品質が所望の閾を上回るか下回るか(若しくは等しいか)を意味する。報告要求は、閾条件の通信の際に示されて良い。
【0041】
留意すべき点は、種々の種類の閾が可能である。チャンネルに関する品質の如何なる測定が用いられても良い。例えば、プリアンブル・データに関して測定されたSNR、SIR、SINR、例えば物理的又は実効SINR測定を用いたパイロット、又はコネクションのQoS(サービス品質)のような特定の他の基準、又はMSのバッファー状態などである。請求項の「チャンネル品質」の語は、広義に解釈されるべきである。
【0042】
段階4:BSが移動局への報告に関する条件を知らせた場合、各MSはBSにより送信された報告のための条件を調べる。MSが当該条件を満たす場合、処理は段階5へ進む。MSが当該条件を満たさない場合、処理は少なくとも現行のフレームで終了する。BSが移動局に応答のための如何なる条件も知らせていない場合、処理は段階3から段階5へ直接進む。
【0043】
段階5:BSへ測定結果/パラメーターを報告する必要のある各MSは、報告すべき報告機会をランダムに選択する。報告機会の「ランダム」な選択は、例えば移動局が起動されてからの経過時間に基づき、疑似乱数発生器を用い達成されて良い。全ての移動局が同時に起動されるのではないとすると、異なる移動局による報告機会の選択は事実上ランダムである。
【0044】
MSは次にチャンネル品質(及び/又は他の所望のパラメーター)をBSへ報告する。MSは共有チャンネルに割り当てられ、常にチャンネル品質を監視する。単純な肯定/否定信号(例えば以上及び以下に示された閾)、又は実際の測定結果(例えばSINR)はMSによりBSへ報告されて良い。望ましくは、所定の直交符号のセットから選択された特定の直交符号を送信することにより報告が行われる。測定結果が報告されるべき場合、CDMAシステムで利用されるのと同様の方法で測定結果を符号化するために符号が用いられる。ネットワーク設定に依存して、ネットワークに入る際、当該符号はMS自身によりランダムに選択されて良く、又は代案としてBSにより独自符号が割り当てられて良い。
【0045】
前者の場合、異なる移動局により報告機会とIDコードがランダムに選択されることにより、衝突が生じる可能性がある。つまり1つより多いMSが同一の符号及び報告機会を選択する可能性がある。図4の段階3のような応答型報告の場合、衝突解決処理が設けられ、この自体を処理する。当該衝突処理では、BSはMSに異なる時点で報告を再送するよう指示する。
【0046】
BSから移動局への要求は、図4の段階3に示されるように、必須ではない。換言すると、共有チャンネルに関する全ての報告がBSにより事前に応答される必要はない。しかしながら、非応答型報告の場合、BSは特定のMSが報告を送信しようとしていることを知る方法がないので、再送を指示できない。或いは、BSは報告するMSのために、報告機会で送信する(直交)符号を用いたメッセージの符号化が常に可能ではない。このような例では、BSは不明なMSへ受領確認を返送し、ULに資源を割り当て、前述の初期レンジング手順と同様の方法でMSに自身を識別させて良い。関連する特定のMSを識別しなくても、MSからの閾を横切ったという報告が受領されれば、BSが動作を実行するには十分である。
【0047】
BSが独自の符号を各MSに割り当てる場合、BSは一緒に受信された複数の報告を区別できるので、如何なる衝突も生じない。つまり、各MSのIDコードを備えた報告されるべき測定結果/パラメーターの値を予め符号化することにより、複数のユーザーが同時に選択された報告機会を使用することを可能にするが、依然としてBSにより識別可能である。生じ得る唯一の問題は、余りにも多くの移動教区が同一の報告機会を使用しようとした場合に、又は複数送信の受信信号パワーが良好に平衡されない場合に、BSの負荷が高くなり過ぎることである。この場合、再び報告が失われる可能性がある。これらは共有資源のための媒体アクセス技術としてCDMAを用いる場合に良く知られた問題である。再び、解決手順は応答型報告の場合に従うか、又はBSの目的のためには報告の部分応答で十分である。如何なる場合も、BSは報告機会の使用を監視し、必要に応じて更なる報告機会を将来のフレームに割り当てる。
【0048】
図4に示される処理は、各MSが報告する毎に終了する。しかしながら、BSは報告を用い、任意の適切な動作を行いチャンネル品質を維持する。例えば、グループのユーザー全てが同一のブロードキャスト又はマルチキャスト信号を受信した場合、上述の閾に基づく報告は、任意のユーザーへのリンク品質が特定の最小値より下に降下するかどうかを監視するために用いられて良い。当該降下が生じた場合、BSはユーザーのパケットに適用される変調及び符号化方式を調整し、グループ内の全てのユーザーが所望のパケット誤り率で信号を受信できることを保証する。一般に、BSにより取られる動作は、1人の、一部の、又は全てのユーザーに適切に適用され得る。
【0049】
標準的に、図4に示された処理は、フレーム毎、又は所定のフレーム数毎に繰り返される。
【0050】
図5は、共有チャンネルがフレーム構造にどのように適合するかを示す第1の例である。図3に示されたフレーム構造はここでは変更され、ユーザー・バーストに割り当てられたかも知れない帯域幅の一部は新たな共有チャンネルに専用になっている。この例(IEEE802.16e、OFDMA)では、共有チャンネルは2次元、つまり時間(図のx軸)と周波数(図のy軸)の両方に延在する。示された例は、3×3構成である(つまり3個の時間区画と3個の周波数区画を占有する)9個の報告機会を有する共有チャンネル「ウインドウ」であり、時間的にUL下位フレームの終わりよりも始まり近くに位置する。
【0051】
ここで、時間及び周波数の区画は上述のように「スロット」及び「副搬送波」に関連する。しかし、各報告機会自体は時間及び周波数の両方に延在していることに留意すべきである。例えば、1つの報告機会は、レンジング・チャンネルの場合のように、6個の下位チャンネル、及び3つのシンボルが1つのスロットに割り当てられる標準的なIEEE802.16無線通信システムの1又は2つのタイムスロットに渡り延在する。
【0052】
勿論、本発明はこのような共有チャンネルの構成に限定されない。収容される移動局の数及びフレームの特性に依存して多数の異なる変形が可能である。
【0053】
例えば、図6は時間的にUL下位フレームの始めよりUL下位フレームの終わり近くに位置する4×4の共有チャンネル・ウインドウを示す。時間領域でのウインドウの位置づけは、報告される品質情報の適時性と、BSが報告を復号し次のフレームの前にそれらを処理するために利用可能な時間とのトレードオフである。一般に、UL下位フレームの始まり近くにウインドウを位置付けることは、先行するDL下位フレームから可能な限り早く測定結果を報告し、変調及び符号化パラメーターの任意の調整のためにBSの処理時間を許容するために望ましい。
【0054】
共有チャンネルの大きさを一層具体的に表示するために、標準的なWiMAX UL下位フレームは、全245スロットのために最大35下位チャンネル×21シンボルを有する。1つの報告機会は、上述のように、6スロットを占有し、標準的なUL下位フレームに最大245/6報告機会(1024FFTで5msの期間)を可能にする。実際には、報告機会の数は通常は非常に少ないので、共有チャンネルは通常はUL下位フレーム内の対応する小さい帯域幅の部分のみ占有する。
【0055】
別の例として、図7はUL下位フレームの始まり近くに位置する2×6ウインドウを示す。図7は、必要に応じ1つのウインドウを拡張し、実用的なように全ての報告機会がUL下位フレームの始まり近くに生じるようにする手法を示す。この方法では、BSは報告を復号し必要な動作を行う(例えば1又は複数の移動局に使用する変調方式を変更する)一層多くの時間を有する。他方で、全シンボルがデータ送信に利用可能である下位チャンネルの数が減るので、ユーザー・バーストがより多くの下位チャンネルに広がり易いというトレードオフがある。重要な点は、(より多くの副搬送波が何れの1つのシンボルにも用いられなければならないので)MSがより大きいパワー・スペクトル密度を必要とするので、結果としてMSの電力増幅器に影響を与え、単位周波数当たりの実効放射電力を低下させ、範囲を狭めてしまうことである。実際には、しかしながら、最も考慮すべき点はBSの処理時間である。
【0056】
最後に、図8は最小限の共有チャンネルを単一の報告機会の形式で示す。
【0057】
ウインドウの形状、大きさ、及び位置は如何なる実際の無線通信システムでも固定される必要はない。原則的に、必要に応じてこれらの何れのパラメーターもフレーム単位で変更されて良い。これを達成するために、BSは、各MSを通信する際に報告機会が存在する領域を定める。つまり、BSがMSに共有チャンネルに基づき報告するよう要求する場合、BSは特定のコードをMSに割り当て、閾条件があればそれをMSに知らせて良い。更にBSは(異なる移動局グループのための異なる閾がアクティブかも知れないので)どの閾を用いるべきか示し、UL下位フレームのどの領域が、当該閾が適合した場合にMSが使用すべき報告機会を有するかを示す。
【0058】
移動局が報告機会を識別するのが困難になるので報告機会の散乱を回避することが望ましいが、報告機会が下位フレーム内で隣接している必要はない(換言すると共有チャンネルが時間軸と周波数軸の単一領域を占有する必要はない)。
【0059】
上述の例はTDDフレーム構造に関するが、本発明はFDD構成の場合にも適用可能である。この場合、図9に示されるように、有効なDL及びUL下位フレームは連続してではなく並列に生じる。共有チャンネル、又は言い換えると報告機会を有するウインドウは、図示されるように再びUL下位フレームの始まり近くに位置し、可能な限り早く先行する下位フレームの測定結果を報告できるようにするのが望ましい。ウインドウがUL下位フレームの中央に位置している場合、どのDL下位フレームが報告される測定結果の主体であるかを調べる必要がある。何故ならこれはMSが測定を完了し、測定結果を返すDL内の時点に間に合わせて報告できるか否かに依存するからである。
【0060】
上述の例は、ユーザー・バーストが同時に異なる周波数帯域で生じるOFDMA構成に適用される。しかしながら、本発明はユーザー・バーストが順次生じるOFDMシステムにも適用可能である。この場合、共有チャンネルは、初期レンジング及び帯域幅要求に使用されるのと同種の「競合スロット」を占有する1次元ウインドウの形式である。図3は、UL下位フレームの始まりにあるこのような競合スロットを示す。
【0061】
纏めると、本発明は、基地局と複数の固定若しくは移動加入局とを有するシステムで用いられる無線通信方法を提供する。基地局は、フレーム単位で無線通信を実行し、各フレーム内にデータ送信用及び無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、各加入者局とのコネクションを維持する。当該方法は、各フレーム内に、基地局とのコネクション品質を報告するために加入者局により用いられる新たな専用共有チャンネルを設ける段階を有する。システムの帯域幅を節約するため、共有チャンネルに割り当てられる資源は、各加入者局が個々に報告するために同一のフレーム内で必要な資源の合計より少ない。当該方法は、基地局で、共有チャンネルに資源を割り当てる段階、共有チャンネルを複数の報告機会に分割する段階、及び加入者局へ報告要求を送信する段階、並びに加入者局で、前記報告機会の1つをランダムに選択しチャンネル品質に関する報告を送出することにより前記要求に応答する段階、を有する。望ましくは、応答する段階は、基地局により設定され要求に含まれた閾条件に適合する各加入者局が経験したチャンネル品質を条件とする。従って、当該方法は、オーバーヘッドを減少し無線通信システムのスペクトル効率を向上するように、複数の移動局が測定結果/パラメーターを基地局へ報告することを可能にする。本発明は新たなBS又はMS又は同一のハードウェア・モジュールの形式を取っても良く、BS及び/又は各MSのプロセッサーにより実行されるソフトウェアを置き換えるか若しくは変更することにより実施されて良い。
【0062】
従って、本発明の実施例は、ハードウェア、又は1つ以上のプロセッサーで若しくはそれらの組み合わせで作動するソフトウェアモジュールとして実施されて良い。つまり、当業者は、上述のサブシステムの動作の一部又は全ての機能を実施するために、マイクロプロセッサー又はデジタル信号プロセッサー(DSP)が実際に使用されて良いことを理解するだろう。本発明はまた、本願明細書に記載された方法の一部又は全てを実行する、1つ以上の素子又は装置のプログラム(例えば、コンピュータープログラム及びコンピュータープログラム製品)として実施されて良い。このような本発明を実施するプログラムは、コンピューター可読媒体に格納されて良く、又は例えば1つ以上の信号の形式であって良い。このような信号は、インターネットウェブサイトからダウンロード可能な、又は搬送信号により提供される、又は任意の他の形式のデータ信号であって良い。
【0063】
以上にIEEE802.16無線通信システムが例として記載されたが、本発明は、コネクション品質に関する報告が必要な他のフレームに基づく通信システムにも適用されて良い。
(付記1) 基地局と複数の固定若しくは移動加入者局とを有する無線通信システムであって、前記基地局は、フレーム単位で無線通信を実行し、各フレーム内にデータ送信用及び前記無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、前記加入者局のそれぞれとのコネクションを維持し、
各フレームは、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するために設けられた共有チャンネルを有し、前記共有チャンネルに割り当てられた前記資源は各加入者局が報告のために必要とする資源の合計より少ない、無線通信システム。
(付記2) 各フレームは、前記基地局から前記加入者局への送信のための下り回線下位フレーム、及び前記加入者局から前記基地局への送信のための上り回線下位フレームを有し、前記共有チャンネルは前記上り回線下位フレームに含まれる、付記1記載の無線通信システム。
(付記3) 各報告は、直前の下り回線下位フレーム内の伝送品質に関する情報を有する、付記2記載の無線通信システム。
(付記4) 前記情報は閾条件が適合したか否かを示し、前記基地局は前記下り回線下位フレーム内で前記基地局により前記閾条件を前記加入者局へ伝達するよう構成される、付記3記載の無線通信システム。
(付記5) 前記基地局は異なる加入者局又は加入者局のセットに異なる閾条件を伝達するよう構成される、付記4記載の無線通信システム。
(付記6) 各報告内の情報は伝送品質を表す値を有する、付記2記載の無線通信システム。
(付記7) 各報告は、前記基地局に前記加入者局を識別させるコードを有する、付記2記載の無線通信システム。
(付記8) 前記共有チャンネルは、加入者局の数より少ない数の報告機会に分割され、各報告機会は少なくとも1つの加入者局が前記基地局へコネクション品質を報告することを可能にする、付記7記載の無線通信システム。
(付記9) 各報告機会は、複数の加入者局が、前記コードに基づき前記報告を区別する前記基地局へ報告することを可能にする、付記8記載の無線通信システム。
(付記10) 前記共有チャンネルは、前記上り回線下位フレーム内に割り当てられた資源量を少なくとも前記資源量の時間領域で変更することにより、前記基地局により動的に大きさを定められる、付記2記載の無線通信システム。
(付記11) 複数の加入者局にコネクションを提供するために無線通信システムで用いられ、前記加入者局とフレーム単位でデータ送信及びシグナリングのために通信する基地局であって、前記基地局は、前記システム内で利用可能な資源を割り当て前記加入者局のデータ送信要件とシグナリング要件とを満たす資源割り当て手段を有し、前記資源割り当て手段は、前記加入者局が前記基地局へ報告を送信するために用いる共有チャンネルに資源を割り当てるよう構成され、前記共有チャンネルは各フレームに加入者局の数より少ない数の報告機会を設ける、基地局。
(付記12) 前記基地局は、前記加入者局へ要求を送信することにより前記報告を求めるよう更に構成される、付記11記載の基地局。
(付記13) 前記報告は、前記基地局と前記加入者局との間のコネクション品質に関する報告を有する、付記12記載の基地局。
(付記14) 前記基地局は、前記加入者局から受信した前記報告に応答し、後続フレームで用いられる変調及び符号化パラメーターを調整する、付記11記載の基地局。
(付記15) 加入者局であって、基地局が複数の加入者局と通信し、前記加入者局が前記基地局へ報告を送信するために用いる共有チャンネルを提供する無線通信システムで用いられ、前記加入者局は、
前記基地局から通信品質の最小許容レベルを表す閾を受信し、
前記基地局との通信品質を監視し、前記通信品質が前記閾を横切った場合に報告を生成し、及び
前記報告を前記共有チャンネルで前記基地局へ送信するよう構成される、加入者局。
(付記16) 無線通信システムで用いられるフレーム・フォーマットであって、
基地局から前記無線通信システムの前記基地局とのコネクションを有する加入者局へ送信されるべき下り回線データとシグナリング情報とを有する下り回線下位フレーム、及び
前記加入者局から前記基地局へ送信されるべき上り回線データとシグナリング情報とを有する上り回線下位フレーム、を有し、
前記上り回線下位フレームは、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するための共有チャンネルを有し、前記共有チャンネルに割り当てられる資源は、各加入者局が前記基地局へ報告するために必要な資源の合計より少ない、フレーム・フォーマット。
(付記17) 基地局と複数の固定若しくは移動加入者局とを有するシステムの無線通信方法であって、前記基地局は、フレーム単位で無線通信を実行し、各フレーム内にデータ送信用及び前記無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、前記加入者局のそれぞれとのコネクションを維持し、前記方法は、
各フレームに、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するための共有チャンネルを設ける段階、を有し、
前記共有チャンネルに割り当てられた前記資源は各加入者局が報告のために必要とする資源の合計より少ない、無線通信方法。
(付記18) コンピューター可読媒体であって、無線通信システムの基地局及び加入者局のプロセッサーにより実行されると付記17記載の方法を実行するソフトウェアを格納するコンピューター可読媒体。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】IEEE802.16無線通信システムに従うプロトコル階層を示す。
【図2】IEEE802.16無線通信システムで用いられるTDD方式のフレーム・フォーマットを説明し、パケット・レベルのフレーム構造を示す。
【図3】IEEE802.16無線通信システムで用いられるTDD方式のフレーム・フォーマットを説明し、バースト・レベルのフレーム構造を示す。
【図4】本発明で提案される競争に基づく報告方式のフローチャートである。
【図5】TDD方式システムのUL下位フレーム内の報告機会の種々の割り当てを示すフレーム・フォーマットの説明図である。
【図6】TDD方式システムのUL下位フレーム内の報告機会の種々の割り当てを示すフレーム・フォーマットの説明図である。
【図7】TDD方式システムのUL下位フレーム内の報告機会の種々の割り当てを示すフレーム・フォーマットの説明図である。
【図8】TDD方式システムのUL下位フレーム内の報告機会の種々の割り当てを示すフレーム・フォーマットの説明図である。
【図9】FDD方式システムの場合の本発明を利用したフレーム・フォーマットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と複数の固定若しくは移動加入者局とを有する無線通信システムであって、前記基地局は、フレーム単位で無線通信を実行し、各フレーム内にデータ送信用及び前記無線通信システムのシグナリング用の資源を割り当てることにより、前記加入者局のそれぞれとのコネクションを維持し、
各フレームは、前記加入者局がコネクション品質を前記基地局へ報告するために設けられた共有チャンネルを有し、前記共有チャンネルに割り当てられた前記資源は各加入者局が報告のために必要とする資源の合計より少ない、無線通信システム。
【請求項2】
各フレームは、前記基地局から前記加入者局への送信のための下り回線下位フレーム、及び前記加入者局から前記基地局への送信のための上り回線下位フレームを有し、前記共有チャンネルは前記上り回線下位フレームに含まれる、請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
各報告は、直前の下り回線下位フレーム内の伝送品質に関する情報を有する、請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記情報は閾条件が適合したか否かを示し、前記基地局は前記下り回線下位フレーム内で前記基地局により前記閾条件を前記加入者局へ伝達するよう構成される、請求項3記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記基地局は異なる加入者局又は加入者局のセットに異なる閾条件を伝達するよう構成される、請求項4記載の無線通信システム。
【請求項6】
各報告内の情報は伝送品質を表す値を有する、請求項2記載の無線通信システム。
【請求項7】
各報告は、前記基地局に前記加入者局を識別させるコードを有する、請求項2記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記共有チャンネルは、加入者局の数より少ない数の報告機会に分割され、各報告機会は少なくとも1つの加入者局が前記基地局へコネクション品質を報告することを可能にする、請求項7記載の無線通信システム。
【請求項9】
各報告機会は、複数の加入者局が、前記コードに基づき前記報告を区別する前記基地局へ報告することを可能にする、請求項8記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記共有チャンネルは、前記上り回線下位フレーム内に割り当てられた資源量を少なくとも前記資源量の時間領域で変更することにより、前記基地局により動的に大きさを定められる、請求項2記載の無線通信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−60611(P2009−60611A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220849(P2008−220849)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】