無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法
【課題】所定の情報を受信したときに通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避すること。
【解決手段】無線通信端末1は、地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部2と、現在地を取得する取得部3と、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部4と、第2のメッセージを通知する通知部5と、を備える。決定部4は、緊急情報などの第1のメッセージに含まれる震源地などの情報と無線通信端末1の現在地の情報とに基づいて、待ち時間を決定する。通知部5は、待ち時間が経過したときに、安否の確認や現在地の位置情報などを含む第2のメッセージの通知を開始する。
【解決手段】無線通信端末1は、地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部2と、現在地を取得する取得部3と、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部4と、第2のメッセージを通知する通知部5と、を備える。決定部4は、緊急情報などの第1のメッセージに含まれる震源地などの情報と無線通信端末1の現在地の情報とに基づいて、待ち時間を決定する。通知部5は、待ち時間が経過したときに、安否の確認や現在地の位置情報などを含む第2のメッセージの通知を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、緊急災害速報を受信してから一定時間以内に特定の操作を行ったとき、予め指定された特定の相手に災害が発生したときの安否を知らせるための安否確認メールを送信する電話装置がある。また、災害情報を受信すると現在位置情報を取得し、現在位置情報に基づいて移動の有無を確認し、移動が確認できない場合には、利用者が非常状態であると判定する携帯端末がある。また、計測した震度数に基づき許容される通信時間を、通信範囲に在圏する移動端末装置に対して通知するとともに、通知後、移動端末装置の通信を通信時間のみ許容して、通信を許容時間中維持する無線基地局がある。
【0003】
一方、次世代移動通信システムであるLTE(Long Term Evolution)において、地震や津波などの緊急を要する情報配信(ETWS:Earthquake and Tsunami Warning System)に関する要求条件を満たす標準技術仕様が3GPP(Third Generation Partnership Project)のリリース8にて規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−182395号公報
【特許文献2】特開2010−86153号公報
【特許文献3】特開2007−53816号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 22.168 V8.1.0 (2008−06) Earthquake and Tsunami Warning System (ETWS) requirements; Stage 1 (Release 8)
【非特許文献2】3GPP TR 23.828 V8.0.0 (2008−09) Earthquake and Tsunami Warning System (ETWS) Requirements and Solutions; Solution Placeholder (Release 8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、緊急災害速報を受信した端末が一斉に安否を知らせるメールなどの通知を送信する場合、通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりすることがあるため、発信規制のかかった通信しにくい状況になってしまうという問題点がある。
【0007】
所定の情報を受信したときに通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避することができる無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
無線通信端末は、地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部と、現在地の情報を取得する取得部と、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、第2のメッセージを通知する通知部と、を備える。決定部は、第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて待ち時間を決定する。通知部は、待ち時間が経過したときに第2のメッセージの通知を開始する。
【発明の効果】
【0009】
この無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法によれば、所定の情報を受信したときに通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施例2にかかる区分対応情報データベースの一例を示す図表である。
【図7】図7は、実施例2にかかる待ち時間情報データベースの一例を示す図表である。
【図8】図8は、実施例2にかかる地名情報データベースの一例を示す図表である。
【図9】図9は、実施例2にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。
【図10】図10は、緊急地震速報画面の表示例を示す図である。
【図11】図11は、確認操作画面の表示例を示す図である。
【図12】図12は、実施例2にかかる関係者通知ウエイト時間の決定処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施例2にかかるメール受信処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施例2にかかる着信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法は、受信メッセージから取得した地域の情報と現在地の情報とに基づいて待ち時間を決定し、待ち時間が経過したときに第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するものである。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
(実施例1)
・無線通信端末の説明
図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。図1に示すように、無線通信端末1は、受信部2、取得部3、決定部4及び通知部5を備えている。受信部2は、地域の情報を含む第1のメッセージを無線通信により受信する。取得部3は、無線通信端末1の現在地の情報を取得する。決定部4は、受信部2及び取得部3に接続されている。決定部4は、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を、第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて決定する。通知部5は、決定部4に接続されている。通知部5は、決定部4により決定された待ち時間が経過したときに第2のメッセージの通知を開始する。
【0013】
・無線通信方法の説明
図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。図2に示すように、無線通信端末1において、受信部2が無線通信により第1のメッセージを受信すると(ステップS1)、取得部3は、無線通信端末1の現在地を取得する(ステップS2)。次いで、決定部4は、第1のメッセージに含まれる地域の情報と、取得部3が取得した現在地の情報とに基づいて、第三者に対して第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する(ステップS3)。通知部5は、決定部4が決定した待ち時間が経過するまで待機し(ステップS4:No)、待ち時間が経過したときに(ステップS4:Yes)、第2のメッセージの通知を開始する(ステップS5)。そして、無線通信端末1は、図2に示す一連の処理を終了する。
【0014】
実施例1によれば、受信したメッセージに含まれる地域の情報と、無線通信端末1の現在地の情報とによって、第三者に対して第2のメッセージの通知を開始するタイミングが無線通信端末1ごとに異なる。従って、第1のメッセージを受信したときに複数の無線通信端末1が一斉に第2のメッセージを通知することを回避することができるので、通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避することができる。
【0015】
(実施例2)
実施例2は、実施例1にかかる無線通信端末および無線通信方法を、例えばLTEのETWSに適用したものである。なお、実施例1にかかる無線通信端末および無線通信方法は、LTEのETWSに限らず、無線通信端末が所定のメッセージを受信したときに、それに対する応答として第三者に所定のメッセージを通知する無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に適用することができる。
【0016】
・無線通信システムの説明
図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図3に示すように、LTEの無線通信システム11では、携帯電話ネットワーク12に複数の基地局13,14が接続されている。各基地局13,14の通信範囲(セル)には、無線通信端末として例えば複数の携帯電話端末15,16,17,18が存在する。各基地局13,14は、それぞれのセルに在圏する携帯電話端末15,16,17,18と無線により通信する。
【0017】
例えば地震が起こったとき、携帯電話ネットワーク12は、震源地に近い基地局13を介して、基地局13のセルに在圏する携帯電話端末15,16に、第1のメッセージとして例えば緊急情報を一斉に配信する。緊急情報には、地域の情報として例えば震源地の情報が含まれている。
【0018】
基地局13から緊急情報を受信した携帯電話端末15,16は、ユーザの操作に応じて、あるいはユーザの操作がない場合に、第2のメッセージとしてユーザの安否や位置情報を知らせるメールを送信する。緊急情報を受信した携帯電話端末15,16は、緊急情報を受信してから、例えば各携帯電話端末15,16の現在地と震源地との距離に応じた時間が経過したときに、安否や位置情報を知らせるメールの送信を開始する。安否や位置情報を知らせるメールは、基地局13、携帯電話ネットワーク12及び他の基地局14を介して、その他の基地局14のセルに在圏する携帯電話端末17,18へ送られる。
【0019】
緊急情報を受信した携帯電話端末15は、この携帯電話端末15に対してユーザが所定の操作を行ったときに、ユーザの家族や知人などの関係者の携帯電話端末17へ安否や位置情報を知らせるメールを送信する。緊急情報を受信した携帯電話端末15は、この携帯電話端末15に対してユーザが所定の操作を行わなかったときに、ユーザの関係者の携帯電話端末17へ位置情報を知らせるメールを送信する。
【0020】
緊急情報を受信した携帯電話端末15,16が同一地域にいて、例えば同一の基地局13と無線で通信することがある。このような場合、各携帯電話端末15,16は、それぞれの現在地と震源地との距離に応じた時間に、例えば乱数により決まる時間を加味した時間が経過したときに、安否や位置情報を知らせるメールの送信を開始してもよい。
【0021】
なお、図3に示す例では、震源地に近い基地局13及びその他の基地局14がそれぞれ一つずつ示されているが、震源地に近い基地局13もその他の基地局14も複数ずつあってもよい。また、各基地局13,14のセルに在圏する携帯電話端末15,16,17,18の数も二つずつに限らない。
【0022】
・無線通信端末のハードウェア構成の説明
図4は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、携帯電話端末15は、例えばベースバンドプロセッサ21を備えている。ベースバンドプロセッサ21には、例えば無線回路部(RF:Radio Frequency)22が接続されている。無線回路部22には、アンテナ23が接続されている。
【0023】
無線回路部22は、アンテナ23を介して送受信する信号に対して変調処理または復調処理を行う。ベースバンドプロセッサ21は、ベースバンド信号に対して符号化処理または復号処理を行う。ベースバンドプロセッサ21は、通信プロトコルの制御を行う。
【0024】
ベースバンドプロセッサ21には、メモリ24が接続されている。メモリ24には、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ25及びSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ26が含まれていてもよい。不揮発性メモリ25には、例えばベースバンドプロセッサ21により実行されるプロトコルプログラムやデータなどが格納されている。揮発性メモリ26は、例えばベースバンドプロセッサ21の作業領域として用いられる。
【0025】
また、携帯電話端末15は、例えばアプリケーションプロセッサ27を備えている。アプリケーションプロセッサ27は、ベースバンドプロセッサ21に接続されている。アプリケーションプロセッサ27は、種々のアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプロセッサ27が実行するアプリケーションプログラムの一例として、例えば後述する緊急情報を受信した場合の無線通信方法を実現するプログラムが挙げられる。
【0026】
アプリケーションプロセッサ27には、例えばディスプレイ28、キーボード29、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)30、スピーカ31及びメモリ32が接続されている。ディスプレイ28は、アプリケーションプログラムの実行時に種々のメッセージや図柄を表示する。キーボード29は、アプリケーションプログラムの実行時にユーザからの入力を受け付ける。GPS30は、人工衛星の発する電波を受信して携帯電話端末15の現在地を取得する。スピーカ31は、メールの受信時や着信(着呼)時に音を発する。携帯電話端末15は、メールの受信時や着信時に携帯電話端末15を振動させるモータなどを備えていてもよい。
【0027】
メモリ32には、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ33及びSRAMなどの揮発性メモリ34が含まれていてもよい。不揮発性メモリ33には、例えばアプリケーションプロセッサ27により実行されるアプリケーションプログラムやデータなどが格納されている。揮発性メモリ34は、例えばアプリケーションプロセッサ27の作業領域として用いられる。なお、他の携帯電話端末16,17,18の構成も同様である。
【0028】
・無線通信端末の機能的構成の説明
図5は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的な構成を示すブロック図である。図6は、実施例2にかかる区分対応情報データベースの一例を示す図表である。図7は、実施例2にかかる待ち時間情報データベースの一例を示す図表である。図8は、実施例2にかかる地名情報データベースの一例を示す図表である。
【0029】
図5に示すように、携帯電話端末15は、例えばベースバンド処理部41を備えている。ベースバンド処理部41は、ベースバンド信号の処理を実行する。ベースバンド処理部41では、例えばレイヤ1ソフトウェア42、通信プロトコル制御部43及びターミナルアダプタ44が実現される。レイヤ1ソフトウェア42には、通信用のハードウェアを動作させるドライバが含まれている。レイヤ1ソフトウェア42に含まれているドライバによって駆動される通信用のハードウェアが、無線アクセスネットワークに接続する。
【0030】
通信プロトコル制御部43では、無線リンク制御機能(RLC:Radio Link Control)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)、無線資源制御機能(RRC:Radio Resource Control)、及び呼制御機能(CC:Call Control)や移動管理機能(MM:Mobility Management)などの非アクセスストラタムNAS(Non Access Stratum)が実現される。
【0031】
ターミナルアダプタ44は、通信プロトコル制御部43と後述するアプリケーション処理部45との間で信号変換を行うインタフェースである。ベースバンド処理部41は、例えばベースバンドプロセッサ21により実現される。
【0032】
アプリケーション処理部45は、種々のアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーション処理部45では、表示制御部46、キー入力制御部47、取得部3として例えばGPS情報管理部48、タイマ制御部49、受信部2として例えば緊急情報受信制御部50、決定部4として例えば通知制御部51、メール受信制御部52、着信制御部53、通知部5として例えばメール送信制御部54、及び音声ガイダンス制御部55が実現される。
【0033】
緊急情報受信制御部50は、ベースバンド処理部41から緊急情報を受け取ると、表示制御部46に緊急情報の表示を依頼する。また、緊急情報受信制御部50は、緊急情報を受け取ると、通知制御部51に緊急情報の受信内容を通知する。
【0034】
通知制御部51は、緊急情報受信制御部50から緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、関係者へ安否や位置情報を通知する制御全般を行う。例えば、通知制御部51は、緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、表示制御部46に確認操作画面の表示を依頼する。通知制御部51は、緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、GPS情報管理部48に位置情報の通知を依頼し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する。通知制御部51は、タイマ制御部49にタイマの監視を要求し、タイマ制御部49からタイムアップの通知を受け取る。
【0035】
通知制御部51は、緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、メール送信制御部54に、安否や位置情報を知らせるメールの送信を依頼する。通知制御部51は、所定の条件を満たすときに、メール送信制御部54に、メール受信制御部52から通知されたメールアドレス宛に位置情報を含むメールを送信するように依頼する。
【0036】
通知制御部51は、所定の条件を満たすときに、着信制御部53から通知された電話番号からの着信に対して通話状態とし、音声ガイダンス制御部55に、所定の音声ガイダンスを行うように依頼する。通知制御部51は、所定の条件を満たすときに、メール送信制御部54に、着信制御部53から通知された電話番号に関係づけられたメールアドレス宛に位置情報を含むメールを送信するように依頼する。通知制御部51は、電話番号に関係づけられたメールアドレスを後述する関係者データベースから取得する。
【0037】
メール送信制御部54は、通知制御部51からのメールの送信依頼を受け付け、ベースバンド処理部41にメールの送信依頼を行う。
【0038】
音声ガイダンス制御部55は、通知制御部51からの音声ガイダンスの依頼を受け付け、音声ガイダンスを流す制御を行い、ベースバンド処理部41に音声ガイダンスの送信依頼を行う。
【0039】
メール受信制御部52は、メール受信時の制御を行う。例えば、メール受信制御部52は、メールを受信すると、ディスプレイ28に受信したことを知らせる表示をしたり、着信音を鳴らしたり、携帯電話端末15を振動させたり、受信したメールのデータを格納するなどの制御を行う。メール受信制御部52は、通知制御部51に送信元のメールアドレス情報を通知する。
【0040】
着信制御部53は、着信時の制御を行う。例えば、着信制御部53は、着信時にディスプレイ28に着信したことを知らせる表示をしたり、着信音を鳴らしたり、携帯電話端末15を振動させるなどの制御を行う。着信制御部53は、通知制御部51に発信元の電話番号情報を通知する。
【0041】
表示制御部46は、緊急情報受信制御部50、通知制御部51、メール受信制御部52及び着信制御部53などの各制御部から依頼された内容をディスプレイ28に表示する制御を行う。
【0042】
キー入力制御部47は、キーボード29から入力された内容を各制御部、例えば通知制御部51へ通知する制御を行う。
【0043】
GPS情報管理部48は、GPS30を用いて取得した位置情報の管理を行う。GPS情報管理部48は、各制御部、例えば通知制御部51から位置情報を通知する要求を受け付けると、要求元の制御部に現在地の位置情報を通知する。
【0044】
タイマ制御部49は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)の機能を用いて、タイマの監視制御を行う。タイマ制御部49は、各制御部、例えば通知制御部51からタイマを監視する要求を受け付け、要求された監視時間に到達したときに要求元の制御部にタイムアップを通知する。アプリケーション処理部45は、例えばアプリケーションプロセッサ27により実現される。
【0045】
また、携帯電話端末15は、通知制御部51により参照される種々のデータベース(図では、DBと略している)を備えている。例えば、携帯電話端末15は、関係者情報データベース56、区分対応情報データベース57、待ち時間情報データベース58、地名情報データベース59及びタイマ情報データベース60を備えている。これらのデータベースは、携帯電話端末15の例えばメモリ32の不揮発性メモリ33に格納されていてもよい。そして、これらのデータベースは、例えば携帯電話端末15の起動時、例えば電源オン時やリセット時に、不揮発性メモリ33から読み出されて揮発性メモリ34に展開される。各データベースの情報は、運用データとして、オペレータが設定することができるようになっていてもよい。
【0046】
関係者情報データベース56は、緊急情報を受信したときに安否や位置情報を通知する関係者の情報を定義したデータベースである。関係者の一例として、例えば携帯電話端末15のユーザの家族や親戚や知人や所属する組織の担当者などが挙げられる。関係者の情報の一例として、例えば電話番号やメールアドレスが挙げられる。関係者情報データベース56として、携帯電話端末15に備わっているツールの一つであるアドレス帳を用いてもよい。
【0047】
区分対応情報データベース57は、携帯電話端末15の現在地の情報と例えば震源地の情報とに基づいて分類された区分の情報を定義したデータベースである。図6に示す区分対応情報データベース57では、携帯電話端末15の現在地に対し、例えば震源地ごとに区分A、区分B、区分C、区分Dというように、区分情報が定義されている。各区分の区切り方については、気象庁などの関係機関における区分の区切り方に合わせてもよい。
【0048】
待ち時間情報データベース58は、区分対応情報データベース57で定義されている各区分に対するウエイトベース時間の情報を定義したデータベースである。ウエイトベース時間は、待ち時間の基準となる時間である。図7に示す待ち時間情報データベース58では、特に限定しないが、例えば区分Aでは0sec、区分Bでは300secというように、ウエイトベース時間が定義されている。ウエイトベース時間は、例えば携帯電話端末15の現在地が例えば震源地から遠いほど長くなっていてもよい。
【0049】
地名情報データベース59は、緯度や経度などの位置情報に対する現在地名を定義したデータベースである。図8に示す地名情報データベース59では、経度と緯度のそれぞれについて範囲を区切って、例えば北海道道北や北海道道央などの地名が割り当てられている。
【0050】
タイマ情報データベース60は、各種タイマのタイマ値を定義したデータベースである。タイマとして、例えば後述する確認操作監視タイマや通知用タイマが用意されていてもよい。なお、他の携帯電話端末16,17,18の構成も同様である。
【0051】
・無線通信方法の説明
図9は、実施例2にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。図10は、緊急地震速報画面の表示例を示す図である。図11は、確認操作画面の表示例を示す図である。
【0052】
図9に示すように、携帯電話端末15において無線通信方法が開始され、携帯電話端末15が携帯電話ネットワーク12側から緊急情報のメッセージを受信すると、ベースバンド処理部41は、緊急情報受信制御部50に緊急情報のメッセージを通知する(ステップS11)。緊急情報受信制御部50は、表示制御部46に緊急情報のメッセージの表示を依頼する。表示制御部46は、ディスプレイ28に緊急情報のメッセージを表示する(ステップS12)。図10に、緊急情報のメッセージの表示例61を示す。また、緊急情報受信制御部50は、通知制御部51に緊急情報のメッセージを通知する(ステップS13)。
【0053】
次いで、通知制御部51は、緊急情報のメッセージに含まれる震源地名と、GPSにより割り出した携帯電話端末15の現在地名とに基づいて、関係者への所定の通知を開始するまでの待ち時間を決定する(ステップS14)。これ以降、この待ち時間を関係者通知ウエイト時間と称する。関係者通知ウエイト時間を決定する処理の詳細については、後述する。
【0054】
次いで、通知制御部51は、表示制御部46に安否の確認メッセージの表示依頼をする。表示制御部46は、ディスプレイ28に安否の確認メッセージを表示する。図11に、安否の確認メッセージの表示例62を示す。また、通知制御部51は、タイマ制御部49に確認操作監視タイマの監視を要求する。タイマ制御部49は、確認操作監視タイマをスタートさせる(ステップS15)。
【0055】
携帯電話端末15では、安否の確認メッセージに対して、ユーザが例えば「安全確認」、「危険状態」または「避難状態」の選択を行うのに許容される時間が設定されている。確認操作監視タイマの計時によって、通知制御部51は、安否の確認メッセージに対してユーザが選択するのに許容される時間のタイムアップを知ることができる。
【0056】
安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップする前にユーザが例えば「安全確認」を選択した場合(安全確認)、関係者通知ウエイト時間の経過時に、通知制御部51は、関係者情報データベース56から関係者のメールアドレスを取得する。そして、通知制御部51は、メール送信制御部54に、ユーザの安全が確認されたことを示すメールの送信を依頼する。メール送信制御部54は、ユーザの安全が確認されたことを示すメールを編集し、ベースバンド処理部41にメールの送信依頼を行う。それによって、ユーザの安全が確認されたことを示すメールが関係者に送信され、関係者にユーザが安全状態にあることが通知される(ステップS16)。そして、一連の処理が終了する。
【0057】
安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップする前にユーザが例えば「危険状態」を選択した場合(危険状態)、通知制御部51は、関係者情報データベース56から関係者のメールアドレスを取得する。また、通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を要求し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する。
【0058】
そして、通知制御部51は、メール送信制御部54に、ユーザが危険状態にあることと現在地の情報を示すメールの送信を依頼する。メール送信制御部54は、ユーザが危険状態にあることを示すメールを編集し、ベースバンド処理部41にメールの送信依頼を行う。それによって、ユーザが危険状態にあることを示すメールが関係者に送信され、関係者にユーザが危険状態にあることとユーザの現在地の情報が通知される(ステップS17)。現在地の情報には、地図情報が含まれていてもよい。
【0059】
次いで、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態として「危険状態」を設定する(ステップS18)。また、通知制御部51は、タイマ制御部49に通知用タイマの監視を要求する。タイマ制御部49は、通知用タイマをスタートさせる(ステップS19)。
【0060】
携帯電話端末15では、関係者に対して周期的にユーザの位置情報を通知するようになっている。通知用タイマの計時によって、通知制御部51は、関係者にユーザの位置情報を周期的に通知するタイミングを知ることができる。
【0061】
一方、安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップする前にユーザが例えば「避難状態」を選択した場合(避難状態)、「危険状態」を選択したときと同様の処理が行われる。すなわち、通知制御部51は、関係者のメールアドレス及び現在地の位置情報を取得して、メール送信制御部54に、ユーザが避難状態にあることと現在地の情報を示すメールの送信を依頼する。それによって、メール送信制御部54がメールを編集し、ベースバンド処理部41から関係者に避難状態を知らせるメールが送信される(ステップS20)。
【0062】
次いで、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態として「避難状態」を設定する(ステップS21)。また、通知制御部51からの通知用タイマの監視要求に対して、タイマ制御部49は、通知用タイマをスタートさせる(ステップS22)。
【0063】
安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップするまでにユーザが確認操作を行わなかった場合(確認操作なし)、「危険状態」を選択したときと同様の処理が行われる。すなわち、関係者に、現在地の情報とともに例えばユーザが危険状態にあることを示すメールが送信される(ステップS23)。そして、内部で管理するユーザの状態として「危険状態」が設定される(ステップS24)。また、通知用タイマがスタートする(ステップS25)。
【0064】
通知用タイマがスタートした後、内部で管理するユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」である場合、次のような処理が行われる。通知用タイマがタイムアウトした場合(通知用タイマタイムアウト)、「危険状態」や「避難状態」を選択したときと同様にして、関係者に、現在地の情報を示すメールが編集されて通知される(ステップS26)。そして、再び通知用タイマがスタートする(ステップS27)。ステップS26〜ステップS27は、ユーザが安全確認の操作を行うまで、通知用タイマによって決まる一定の周期で繰り返される。
【0065】
通知用タイマがタイムアウトする前に携帯電話端末15がメールを受信した場合(メール受信)、メール受信制御部52は、通知制御部51に送信元のメールアドレス情報を通知する。そして、通知制御部51は、後述するメール受信処理を行う(ステップS28)。メール受信処理では、関係者からのメールを受信した場合に当該メールの発信者に、現在地の情報を知らせるメールを送信する。
【0066】
また、通知用タイマがタイムアウトする前に携帯電話端末15が着信した場合(着信)、着信制御部53は、通知制御部51に発信元の電話番号情報を通知する。そして、通知制御部51は、後述する着信処理を行う(ステップS29)。着信処理では、関係者からの着信であれば、発信者に音声ガイダンスを流し、現在地の情報を知らせるメールを送信する。
【0067】
また、通知用タイマがタイムアウトする前にユーザが安全確認の操作を行えば(安全確認)、一連の処理が終了する。
【0068】
・関係者通知ウエイト時間の決定処理
図12は、実施例2にかかる関係者通知ウエイト時間の決定処理を示すフローチャートである。図12に示すように、関係者通知ウエイト時間の決定処理が開始されると、通知制御部51は、緊急情報のメッセージに含まれる震源地名を抽出する。
【0069】
例えば、図10に示す緊急情報のメッセージの表示例61の場合、「石垣島南方沖」という文字列が震源地名であるので、通知制御部51は、「石垣島南方沖」という文字列を抽出する。具体的には、例えば、緊急情報のメッセージのうち、震源地の情報が記載される開始バイト位置をフォーマットに従って予め定義しておき、その開始バイト位置から、ある固定キーワード(図示例では、「で地震発生」)が出現する前までの情報を通知制御部51が抜き出すようにしてもよい。
【0070】
通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を要求し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する。位置情報は、例えば緯度及び経度の情報であってもよい。通知制御部51は、現在地の位置情報を地名情報データベース59と照らし合わせて現在地の地名を取得する。そして、通知制御部51は、震源地名と現在地名との組み合わせを区分対応情報データベース57と照らし合わせて区分情報を取得する(ステップS31)。
【0071】
次いで、通知制御部51は、取得した区分情報を待ち時間情報データベース58と照らし合わせてウエイトベース時間を取得する(ステップS32)。さらに、通知制御部51は、アプリケーション処理部45によって実現される乱数発生機能により乱数を取得する(ステップS33)。乱数は、特に限定しないが、例えば0〜99の任意の整数であってもよい。
【0072】
次いで、通知制御部51は、ステップS33で取得した乱数を用いて、タイミング調整時間を決定する(ステップS34)。例えば、通知制御部51は、ステップS33で取得した乱数に、特に限定しないが、例えば100を乗算した値(単位:msec)をタイミング調整時間としてもよい。
【0073】
次いで、通知制御部51は、関係者通知ウエイト時間を決定する(ステップS35)。例えば、通知制御部51は、ステップS32で取得したウエイトベース時間にステップS34で取得したタイミング調整時間を加算した値を関係者通知ウエイト時間としてもよい。そして、一連の処理を終了する。
【0074】
このように、ウエイトベース時間にタイミング調整時間を加算することにより、同じエリア、例えば同じ基地局のセルに在圏する携帯電話端末であっても、安否の確認のメールを送信するタイミングが端末ごとに異なることになる。
【0075】
すなわち、タイミング調整時間を考慮しない場合には、同じ基地局のセルに在圏する全携帯電話端末のウエイトベース時間が同じになる。そのため、ウエイトベース時間の経過時に、同じ基地局のセルに在圏する全携帯電話端末が一斉に安否の確認のメールを送信すると、輻輳やシステムのダウンが発生するおそれがある。それに対して、本実施例のようにタイミング調整時間を考慮することによって、輻輳やシステムのダウンが発生するのを回避することができる。
【0076】
・メール受信処理
図13は、実施例2にかかるメール受信処理を示すフローチャートである。図13に示すように、メール受信処理が開始されると、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」であるか否かを判断する(ステップS41)。ユーザの状態が「危険状態」及び「避難状態」の何れでもない場合(ステップS41:No)、一連の処理を終了する。
【0077】
一方、ユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」である場合(ステップS41:Yes)、通知制御部51は、メール受信制御部52から通知された送信元のメールアドレス情報を関係者情報データベース56と照らし合わせる。そして、通知制御部51は、送信元のメールアドレスが関係者情報データベース56にあるか否かを判断する(ステップS42)。送信元のメールアドレスが関係者情報データベース56にない場合(ステップS42:No)、一連の処理を終了する。
【0078】
一方、送信元のメールアドレスが関係者情報データベース56にある場合(ステップS42:Yes)、通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を依頼し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する(ステップS43)。
【0079】
次いで、通知制御部51は、メール送信制御部54に、送信元のメールアドレス宛に現在地の位置情報を含むメールを送信するように依頼する。それによって、現在地の位置情報を含むメールがメールの送信元に送信され、このメールの送信元にユーザの位置情報が通知される(ステップS44)。そして、一連の処理が終了する。
【0080】
・着信処理
図14は、実施例2にかかる着信処理を示すフローチャートである。図14に示すように、着信処理が開始されると、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」であるか否かを判断する(ステップS51)。ユーザの状態が「危険状態」及び「避難状態」の何れでもない場合(ステップS51:No)、一連の処理を終了する。
【0081】
一方、ユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」である場合(ステップS51:Yes)、通知制御部51は、着信制御部53から通知された発信者の電話番号情報を関係者情報データベース56と照らし合わせる。そして、通知制御部51は、発信者の電話番号が関係者情報データベース56にあるか否かを判断する(ステップS52)。発信者の電話番号が関係者情報データベース56にない場合(ステップS52:No)、一連の処理を終了する。
【0082】
一方、発信者の電話番号が関係者情報データベース56にある場合(ステップS52:Yes)、通知制御部51は、着信制御部53から通知された電話番号からの着信に対して通話状態とする。そして、通知制御部51は、音声ガイダンス制御部55に、所定の音声ガイダンスを行うように依頼する。それによって、所定の音声ガイダンスが発信者の受話器のスピーカから流れる(ステップS53)。所定の音声ガイダンスの一例として、例えば「現在、危険な状態です。現在地の情報を記載したメールを送信します。」というメッセージや、「現在、避難しています。現在地の情報を記載したメールを送信します。」というメッセージでもよい。
【0083】
また、通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を依頼し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する(ステップS54)。
【0084】
次いで、通知制御部51は、関係者情報データベース56から発信者のメールアドレスを取得し、メール送信制御部54に、発信者のメールアドレス宛に現在地の位置情報を含むメールを送信するように依頼する。それによって、現在地の位置情報を含むメールが発信者に送信され、この発信者にユーザの位置情報が通知される(ステップS55)。そして、一連の処理が終了する。
【0085】
実施例2によれば、緊急情報が配信されたときに、緊急情報を受信した携帯電話端末が関係者に安否の確認や位置情報を知らせるメールを送信するタイミングが、携帯電話端末ごとに異なるので、輻輳やシステムのダウンが発生するのを回避することができる。また、緊急情報を受信したときに、ユーザが携帯電話端末を操作できない状態にある場合でも、携帯電話端末から関係者に現在地の情報が自動的に通知されるので、迅速にユーザを救助することができる。
【0086】
上述した実施例1、2に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0087】
(付記1)地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部と、現在地の情報を取得する取得部と、前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、を備えることを特徴とする無線通信端末。
【0088】
(付記2)前記決定部は、さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする付記1に記載の無線通信端末。
【0089】
(付記3)前記通知部は、前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記1または2に記載の無線通信端末。
【0090】
(付記4)前記通知部は、第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記3に記載の無線通信端末。
【0091】
(付記5)地域の情報を含む第1のメッセージを送信する基地局と、前記第1のメッセージを受信して第三者に対する第2のメッセージの通知を行う無線通信端末と、を備え、前記無線通信端末は、前記第1のメッセージを受信する受信部と、現在地の情報を取得する取得部と、前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、前記第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、を備えることを特徴とする無線通信システム。
【0092】
(付記6)前記決定部は、さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする付記5に記載の無線通信システム。
【0093】
(付記7)前記通知部は、前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記5または6に記載の無線通信システム。
【0094】
(付記8)前記通知部は、第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記7に記載の無線通信システム。
【0095】
(付記9)地域の情報を含む第1のメッセージを受信し、現在地の情報を取得し、前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定し、前記待ち時間が経過したときに前記第2のメッセージの通知を開始することを特徴とする無線通信方法。
【0096】
(付記10)さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする付記9に記載の無線通信方法。
【0097】
(付記11)前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記9または10に記載の無線通信方法。
【0098】
(付記12)第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記11に記載の無線通信方法。
【符号の説明】
【0099】
1,15,16,17,18 無線通信端末
2,50 受信部
3,48 取得部
4,51 決定部
5,54 通知部
11 無線通信システム
13,14 基地局
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、緊急災害速報を受信してから一定時間以内に特定の操作を行ったとき、予め指定された特定の相手に災害が発生したときの安否を知らせるための安否確認メールを送信する電話装置がある。また、災害情報を受信すると現在位置情報を取得し、現在位置情報に基づいて移動の有無を確認し、移動が確認できない場合には、利用者が非常状態であると判定する携帯端末がある。また、計測した震度数に基づき許容される通信時間を、通信範囲に在圏する移動端末装置に対して通知するとともに、通知後、移動端末装置の通信を通信時間のみ許容して、通信を許容時間中維持する無線基地局がある。
【0003】
一方、次世代移動通信システムであるLTE(Long Term Evolution)において、地震や津波などの緊急を要する情報配信(ETWS:Earthquake and Tsunami Warning System)に関する要求条件を満たす標準技術仕様が3GPP(Third Generation Partnership Project)のリリース8にて規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−182395号公報
【特許文献2】特開2010−86153号公報
【特許文献3】特開2007−53816号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 22.168 V8.1.0 (2008−06) Earthquake and Tsunami Warning System (ETWS) requirements; Stage 1 (Release 8)
【非特許文献2】3GPP TR 23.828 V8.0.0 (2008−09) Earthquake and Tsunami Warning System (ETWS) Requirements and Solutions; Solution Placeholder (Release 8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、緊急災害速報を受信した端末が一斉に安否を知らせるメールなどの通知を送信する場合、通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりすることがあるため、発信規制のかかった通信しにくい状況になってしまうという問題点がある。
【0007】
所定の情報を受信したときに通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避することができる無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
無線通信端末は、地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部と、現在地の情報を取得する取得部と、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、第2のメッセージを通知する通知部と、を備える。決定部は、第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて待ち時間を決定する。通知部は、待ち時間が経過したときに第2のメッセージの通知を開始する。
【発明の効果】
【0009】
この無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法によれば、所定の情報を受信したときに通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施例2にかかる区分対応情報データベースの一例を示す図表である。
【図7】図7は、実施例2にかかる待ち時間情報データベースの一例を示す図表である。
【図8】図8は、実施例2にかかる地名情報データベースの一例を示す図表である。
【図9】図9は、実施例2にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。
【図10】図10は、緊急地震速報画面の表示例を示す図である。
【図11】図11は、確認操作画面の表示例を示す図である。
【図12】図12は、実施例2にかかる関係者通知ウエイト時間の決定処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施例2にかかるメール受信処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施例2にかかる着信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法は、受信メッセージから取得した地域の情報と現在地の情報とに基づいて待ち時間を決定し、待ち時間が経過したときに第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するものである。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
(実施例1)
・無線通信端末の説明
図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。図1に示すように、無線通信端末1は、受信部2、取得部3、決定部4及び通知部5を備えている。受信部2は、地域の情報を含む第1のメッセージを無線通信により受信する。取得部3は、無線通信端末1の現在地の情報を取得する。決定部4は、受信部2及び取得部3に接続されている。決定部4は、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を、第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて決定する。通知部5は、決定部4に接続されている。通知部5は、決定部4により決定された待ち時間が経過したときに第2のメッセージの通知を開始する。
【0013】
・無線通信方法の説明
図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。図2に示すように、無線通信端末1において、受信部2が無線通信により第1のメッセージを受信すると(ステップS1)、取得部3は、無線通信端末1の現在地を取得する(ステップS2)。次いで、決定部4は、第1のメッセージに含まれる地域の情報と、取得部3が取得した現在地の情報とに基づいて、第三者に対して第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する(ステップS3)。通知部5は、決定部4が決定した待ち時間が経過するまで待機し(ステップS4:No)、待ち時間が経過したときに(ステップS4:Yes)、第2のメッセージの通知を開始する(ステップS5)。そして、無線通信端末1は、図2に示す一連の処理を終了する。
【0014】
実施例1によれば、受信したメッセージに含まれる地域の情報と、無線通信端末1の現在地の情報とによって、第三者に対して第2のメッセージの通知を開始するタイミングが無線通信端末1ごとに異なる。従って、第1のメッセージを受信したときに複数の無線通信端末1が一斉に第2のメッセージを通知することを回避することができるので、通信網が輻輳状態となったりシステムがダウンしたりするのを回避することができる。
【0015】
(実施例2)
実施例2は、実施例1にかかる無線通信端末および無線通信方法を、例えばLTEのETWSに適用したものである。なお、実施例1にかかる無線通信端末および無線通信方法は、LTEのETWSに限らず、無線通信端末が所定のメッセージを受信したときに、それに対する応答として第三者に所定のメッセージを通知する無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に適用することができる。
【0016】
・無線通信システムの説明
図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図3に示すように、LTEの無線通信システム11では、携帯電話ネットワーク12に複数の基地局13,14が接続されている。各基地局13,14の通信範囲(セル)には、無線通信端末として例えば複数の携帯電話端末15,16,17,18が存在する。各基地局13,14は、それぞれのセルに在圏する携帯電話端末15,16,17,18と無線により通信する。
【0017】
例えば地震が起こったとき、携帯電話ネットワーク12は、震源地に近い基地局13を介して、基地局13のセルに在圏する携帯電話端末15,16に、第1のメッセージとして例えば緊急情報を一斉に配信する。緊急情報には、地域の情報として例えば震源地の情報が含まれている。
【0018】
基地局13から緊急情報を受信した携帯電話端末15,16は、ユーザの操作に応じて、あるいはユーザの操作がない場合に、第2のメッセージとしてユーザの安否や位置情報を知らせるメールを送信する。緊急情報を受信した携帯電話端末15,16は、緊急情報を受信してから、例えば各携帯電話端末15,16の現在地と震源地との距離に応じた時間が経過したときに、安否や位置情報を知らせるメールの送信を開始する。安否や位置情報を知らせるメールは、基地局13、携帯電話ネットワーク12及び他の基地局14を介して、その他の基地局14のセルに在圏する携帯電話端末17,18へ送られる。
【0019】
緊急情報を受信した携帯電話端末15は、この携帯電話端末15に対してユーザが所定の操作を行ったときに、ユーザの家族や知人などの関係者の携帯電話端末17へ安否や位置情報を知らせるメールを送信する。緊急情報を受信した携帯電話端末15は、この携帯電話端末15に対してユーザが所定の操作を行わなかったときに、ユーザの関係者の携帯電話端末17へ位置情報を知らせるメールを送信する。
【0020】
緊急情報を受信した携帯電話端末15,16が同一地域にいて、例えば同一の基地局13と無線で通信することがある。このような場合、各携帯電話端末15,16は、それぞれの現在地と震源地との距離に応じた時間に、例えば乱数により決まる時間を加味した時間が経過したときに、安否や位置情報を知らせるメールの送信を開始してもよい。
【0021】
なお、図3に示す例では、震源地に近い基地局13及びその他の基地局14がそれぞれ一つずつ示されているが、震源地に近い基地局13もその他の基地局14も複数ずつあってもよい。また、各基地局13,14のセルに在圏する携帯電話端末15,16,17,18の数も二つずつに限らない。
【0022】
・無線通信端末のハードウェア構成の説明
図4は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、携帯電話端末15は、例えばベースバンドプロセッサ21を備えている。ベースバンドプロセッサ21には、例えば無線回路部(RF:Radio Frequency)22が接続されている。無線回路部22には、アンテナ23が接続されている。
【0023】
無線回路部22は、アンテナ23を介して送受信する信号に対して変調処理または復調処理を行う。ベースバンドプロセッサ21は、ベースバンド信号に対して符号化処理または復号処理を行う。ベースバンドプロセッサ21は、通信プロトコルの制御を行う。
【0024】
ベースバンドプロセッサ21には、メモリ24が接続されている。メモリ24には、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ25及びSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ26が含まれていてもよい。不揮発性メモリ25には、例えばベースバンドプロセッサ21により実行されるプロトコルプログラムやデータなどが格納されている。揮発性メモリ26は、例えばベースバンドプロセッサ21の作業領域として用いられる。
【0025】
また、携帯電話端末15は、例えばアプリケーションプロセッサ27を備えている。アプリケーションプロセッサ27は、ベースバンドプロセッサ21に接続されている。アプリケーションプロセッサ27は、種々のアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプロセッサ27が実行するアプリケーションプログラムの一例として、例えば後述する緊急情報を受信した場合の無線通信方法を実現するプログラムが挙げられる。
【0026】
アプリケーションプロセッサ27には、例えばディスプレイ28、キーボード29、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)30、スピーカ31及びメモリ32が接続されている。ディスプレイ28は、アプリケーションプログラムの実行時に種々のメッセージや図柄を表示する。キーボード29は、アプリケーションプログラムの実行時にユーザからの入力を受け付ける。GPS30は、人工衛星の発する電波を受信して携帯電話端末15の現在地を取得する。スピーカ31は、メールの受信時や着信(着呼)時に音を発する。携帯電話端末15は、メールの受信時や着信時に携帯電話端末15を振動させるモータなどを備えていてもよい。
【0027】
メモリ32には、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ33及びSRAMなどの揮発性メモリ34が含まれていてもよい。不揮発性メモリ33には、例えばアプリケーションプロセッサ27により実行されるアプリケーションプログラムやデータなどが格納されている。揮発性メモリ34は、例えばアプリケーションプロセッサ27の作業領域として用いられる。なお、他の携帯電話端末16,17,18の構成も同様である。
【0028】
・無線通信端末の機能的構成の説明
図5は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的な構成を示すブロック図である。図6は、実施例2にかかる区分対応情報データベースの一例を示す図表である。図7は、実施例2にかかる待ち時間情報データベースの一例を示す図表である。図8は、実施例2にかかる地名情報データベースの一例を示す図表である。
【0029】
図5に示すように、携帯電話端末15は、例えばベースバンド処理部41を備えている。ベースバンド処理部41は、ベースバンド信号の処理を実行する。ベースバンド処理部41では、例えばレイヤ1ソフトウェア42、通信プロトコル制御部43及びターミナルアダプタ44が実現される。レイヤ1ソフトウェア42には、通信用のハードウェアを動作させるドライバが含まれている。レイヤ1ソフトウェア42に含まれているドライバによって駆動される通信用のハードウェアが、無線アクセスネットワークに接続する。
【0030】
通信プロトコル制御部43では、無線リンク制御機能(RLC:Radio Link Control)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)、無線資源制御機能(RRC:Radio Resource Control)、及び呼制御機能(CC:Call Control)や移動管理機能(MM:Mobility Management)などの非アクセスストラタムNAS(Non Access Stratum)が実現される。
【0031】
ターミナルアダプタ44は、通信プロトコル制御部43と後述するアプリケーション処理部45との間で信号変換を行うインタフェースである。ベースバンド処理部41は、例えばベースバンドプロセッサ21により実現される。
【0032】
アプリケーション処理部45は、種々のアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーション処理部45では、表示制御部46、キー入力制御部47、取得部3として例えばGPS情報管理部48、タイマ制御部49、受信部2として例えば緊急情報受信制御部50、決定部4として例えば通知制御部51、メール受信制御部52、着信制御部53、通知部5として例えばメール送信制御部54、及び音声ガイダンス制御部55が実現される。
【0033】
緊急情報受信制御部50は、ベースバンド処理部41から緊急情報を受け取ると、表示制御部46に緊急情報の表示を依頼する。また、緊急情報受信制御部50は、緊急情報を受け取ると、通知制御部51に緊急情報の受信内容を通知する。
【0034】
通知制御部51は、緊急情報受信制御部50から緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、関係者へ安否や位置情報を通知する制御全般を行う。例えば、通知制御部51は、緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、表示制御部46に確認操作画面の表示を依頼する。通知制御部51は、緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、GPS情報管理部48に位置情報の通知を依頼し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する。通知制御部51は、タイマ制御部49にタイマの監視を要求し、タイマ制御部49からタイムアップの通知を受け取る。
【0035】
通知制御部51は、緊急情報の受信内容の通知を受け取ると、メール送信制御部54に、安否や位置情報を知らせるメールの送信を依頼する。通知制御部51は、所定の条件を満たすときに、メール送信制御部54に、メール受信制御部52から通知されたメールアドレス宛に位置情報を含むメールを送信するように依頼する。
【0036】
通知制御部51は、所定の条件を満たすときに、着信制御部53から通知された電話番号からの着信に対して通話状態とし、音声ガイダンス制御部55に、所定の音声ガイダンスを行うように依頼する。通知制御部51は、所定の条件を満たすときに、メール送信制御部54に、着信制御部53から通知された電話番号に関係づけられたメールアドレス宛に位置情報を含むメールを送信するように依頼する。通知制御部51は、電話番号に関係づけられたメールアドレスを後述する関係者データベースから取得する。
【0037】
メール送信制御部54は、通知制御部51からのメールの送信依頼を受け付け、ベースバンド処理部41にメールの送信依頼を行う。
【0038】
音声ガイダンス制御部55は、通知制御部51からの音声ガイダンスの依頼を受け付け、音声ガイダンスを流す制御を行い、ベースバンド処理部41に音声ガイダンスの送信依頼を行う。
【0039】
メール受信制御部52は、メール受信時の制御を行う。例えば、メール受信制御部52は、メールを受信すると、ディスプレイ28に受信したことを知らせる表示をしたり、着信音を鳴らしたり、携帯電話端末15を振動させたり、受信したメールのデータを格納するなどの制御を行う。メール受信制御部52は、通知制御部51に送信元のメールアドレス情報を通知する。
【0040】
着信制御部53は、着信時の制御を行う。例えば、着信制御部53は、着信時にディスプレイ28に着信したことを知らせる表示をしたり、着信音を鳴らしたり、携帯電話端末15を振動させるなどの制御を行う。着信制御部53は、通知制御部51に発信元の電話番号情報を通知する。
【0041】
表示制御部46は、緊急情報受信制御部50、通知制御部51、メール受信制御部52及び着信制御部53などの各制御部から依頼された内容をディスプレイ28に表示する制御を行う。
【0042】
キー入力制御部47は、キーボード29から入力された内容を各制御部、例えば通知制御部51へ通知する制御を行う。
【0043】
GPS情報管理部48は、GPS30を用いて取得した位置情報の管理を行う。GPS情報管理部48は、各制御部、例えば通知制御部51から位置情報を通知する要求を受け付けると、要求元の制御部に現在地の位置情報を通知する。
【0044】
タイマ制御部49は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)の機能を用いて、タイマの監視制御を行う。タイマ制御部49は、各制御部、例えば通知制御部51からタイマを監視する要求を受け付け、要求された監視時間に到達したときに要求元の制御部にタイムアップを通知する。アプリケーション処理部45は、例えばアプリケーションプロセッサ27により実現される。
【0045】
また、携帯電話端末15は、通知制御部51により参照される種々のデータベース(図では、DBと略している)を備えている。例えば、携帯電話端末15は、関係者情報データベース56、区分対応情報データベース57、待ち時間情報データベース58、地名情報データベース59及びタイマ情報データベース60を備えている。これらのデータベースは、携帯電話端末15の例えばメモリ32の不揮発性メモリ33に格納されていてもよい。そして、これらのデータベースは、例えば携帯電話端末15の起動時、例えば電源オン時やリセット時に、不揮発性メモリ33から読み出されて揮発性メモリ34に展開される。各データベースの情報は、運用データとして、オペレータが設定することができるようになっていてもよい。
【0046】
関係者情報データベース56は、緊急情報を受信したときに安否や位置情報を通知する関係者の情報を定義したデータベースである。関係者の一例として、例えば携帯電話端末15のユーザの家族や親戚や知人や所属する組織の担当者などが挙げられる。関係者の情報の一例として、例えば電話番号やメールアドレスが挙げられる。関係者情報データベース56として、携帯電話端末15に備わっているツールの一つであるアドレス帳を用いてもよい。
【0047】
区分対応情報データベース57は、携帯電話端末15の現在地の情報と例えば震源地の情報とに基づいて分類された区分の情報を定義したデータベースである。図6に示す区分対応情報データベース57では、携帯電話端末15の現在地に対し、例えば震源地ごとに区分A、区分B、区分C、区分Dというように、区分情報が定義されている。各区分の区切り方については、気象庁などの関係機関における区分の区切り方に合わせてもよい。
【0048】
待ち時間情報データベース58は、区分対応情報データベース57で定義されている各区分に対するウエイトベース時間の情報を定義したデータベースである。ウエイトベース時間は、待ち時間の基準となる時間である。図7に示す待ち時間情報データベース58では、特に限定しないが、例えば区分Aでは0sec、区分Bでは300secというように、ウエイトベース時間が定義されている。ウエイトベース時間は、例えば携帯電話端末15の現在地が例えば震源地から遠いほど長くなっていてもよい。
【0049】
地名情報データベース59は、緯度や経度などの位置情報に対する現在地名を定義したデータベースである。図8に示す地名情報データベース59では、経度と緯度のそれぞれについて範囲を区切って、例えば北海道道北や北海道道央などの地名が割り当てられている。
【0050】
タイマ情報データベース60は、各種タイマのタイマ値を定義したデータベースである。タイマとして、例えば後述する確認操作監視タイマや通知用タイマが用意されていてもよい。なお、他の携帯電話端末16,17,18の構成も同様である。
【0051】
・無線通信方法の説明
図9は、実施例2にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。図10は、緊急地震速報画面の表示例を示す図である。図11は、確認操作画面の表示例を示す図である。
【0052】
図9に示すように、携帯電話端末15において無線通信方法が開始され、携帯電話端末15が携帯電話ネットワーク12側から緊急情報のメッセージを受信すると、ベースバンド処理部41は、緊急情報受信制御部50に緊急情報のメッセージを通知する(ステップS11)。緊急情報受信制御部50は、表示制御部46に緊急情報のメッセージの表示を依頼する。表示制御部46は、ディスプレイ28に緊急情報のメッセージを表示する(ステップS12)。図10に、緊急情報のメッセージの表示例61を示す。また、緊急情報受信制御部50は、通知制御部51に緊急情報のメッセージを通知する(ステップS13)。
【0053】
次いで、通知制御部51は、緊急情報のメッセージに含まれる震源地名と、GPSにより割り出した携帯電話端末15の現在地名とに基づいて、関係者への所定の通知を開始するまでの待ち時間を決定する(ステップS14)。これ以降、この待ち時間を関係者通知ウエイト時間と称する。関係者通知ウエイト時間を決定する処理の詳細については、後述する。
【0054】
次いで、通知制御部51は、表示制御部46に安否の確認メッセージの表示依頼をする。表示制御部46は、ディスプレイ28に安否の確認メッセージを表示する。図11に、安否の確認メッセージの表示例62を示す。また、通知制御部51は、タイマ制御部49に確認操作監視タイマの監視を要求する。タイマ制御部49は、確認操作監視タイマをスタートさせる(ステップS15)。
【0055】
携帯電話端末15では、安否の確認メッセージに対して、ユーザが例えば「安全確認」、「危険状態」または「避難状態」の選択を行うのに許容される時間が設定されている。確認操作監視タイマの計時によって、通知制御部51は、安否の確認メッセージに対してユーザが選択するのに許容される時間のタイムアップを知ることができる。
【0056】
安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップする前にユーザが例えば「安全確認」を選択した場合(安全確認)、関係者通知ウエイト時間の経過時に、通知制御部51は、関係者情報データベース56から関係者のメールアドレスを取得する。そして、通知制御部51は、メール送信制御部54に、ユーザの安全が確認されたことを示すメールの送信を依頼する。メール送信制御部54は、ユーザの安全が確認されたことを示すメールを編集し、ベースバンド処理部41にメールの送信依頼を行う。それによって、ユーザの安全が確認されたことを示すメールが関係者に送信され、関係者にユーザが安全状態にあることが通知される(ステップS16)。そして、一連の処理が終了する。
【0057】
安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップする前にユーザが例えば「危険状態」を選択した場合(危険状態)、通知制御部51は、関係者情報データベース56から関係者のメールアドレスを取得する。また、通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を要求し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する。
【0058】
そして、通知制御部51は、メール送信制御部54に、ユーザが危険状態にあることと現在地の情報を示すメールの送信を依頼する。メール送信制御部54は、ユーザが危険状態にあることを示すメールを編集し、ベースバンド処理部41にメールの送信依頼を行う。それによって、ユーザが危険状態にあることを示すメールが関係者に送信され、関係者にユーザが危険状態にあることとユーザの現在地の情報が通知される(ステップS17)。現在地の情報には、地図情報が含まれていてもよい。
【0059】
次いで、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態として「危険状態」を設定する(ステップS18)。また、通知制御部51は、タイマ制御部49に通知用タイマの監視を要求する。タイマ制御部49は、通知用タイマをスタートさせる(ステップS19)。
【0060】
携帯電話端末15では、関係者に対して周期的にユーザの位置情報を通知するようになっている。通知用タイマの計時によって、通知制御部51は、関係者にユーザの位置情報を周期的に通知するタイミングを知ることができる。
【0061】
一方、安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップする前にユーザが例えば「避難状態」を選択した場合(避難状態)、「危険状態」を選択したときと同様の処理が行われる。すなわち、通知制御部51は、関係者のメールアドレス及び現在地の位置情報を取得して、メール送信制御部54に、ユーザが避難状態にあることと現在地の情報を示すメールの送信を依頼する。それによって、メール送信制御部54がメールを編集し、ベースバンド処理部41から関係者に避難状態を知らせるメールが送信される(ステップS20)。
【0062】
次いで、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態として「避難状態」を設定する(ステップS21)。また、通知制御部51からの通知用タイマの監視要求に対して、タイマ制御部49は、通知用タイマをスタートさせる(ステップS22)。
【0063】
安否の確認メッセージに対して、確認操作監視タイマがタイムアップするまでにユーザが確認操作を行わなかった場合(確認操作なし)、「危険状態」を選択したときと同様の処理が行われる。すなわち、関係者に、現在地の情報とともに例えばユーザが危険状態にあることを示すメールが送信される(ステップS23)。そして、内部で管理するユーザの状態として「危険状態」が設定される(ステップS24)。また、通知用タイマがスタートする(ステップS25)。
【0064】
通知用タイマがスタートした後、内部で管理するユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」である場合、次のような処理が行われる。通知用タイマがタイムアウトした場合(通知用タイマタイムアウト)、「危険状態」や「避難状態」を選択したときと同様にして、関係者に、現在地の情報を示すメールが編集されて通知される(ステップS26)。そして、再び通知用タイマがスタートする(ステップS27)。ステップS26〜ステップS27は、ユーザが安全確認の操作を行うまで、通知用タイマによって決まる一定の周期で繰り返される。
【0065】
通知用タイマがタイムアウトする前に携帯電話端末15がメールを受信した場合(メール受信)、メール受信制御部52は、通知制御部51に送信元のメールアドレス情報を通知する。そして、通知制御部51は、後述するメール受信処理を行う(ステップS28)。メール受信処理では、関係者からのメールを受信した場合に当該メールの発信者に、現在地の情報を知らせるメールを送信する。
【0066】
また、通知用タイマがタイムアウトする前に携帯電話端末15が着信した場合(着信)、着信制御部53は、通知制御部51に発信元の電話番号情報を通知する。そして、通知制御部51は、後述する着信処理を行う(ステップS29)。着信処理では、関係者からの着信であれば、発信者に音声ガイダンスを流し、現在地の情報を知らせるメールを送信する。
【0067】
また、通知用タイマがタイムアウトする前にユーザが安全確認の操作を行えば(安全確認)、一連の処理が終了する。
【0068】
・関係者通知ウエイト時間の決定処理
図12は、実施例2にかかる関係者通知ウエイト時間の決定処理を示すフローチャートである。図12に示すように、関係者通知ウエイト時間の決定処理が開始されると、通知制御部51は、緊急情報のメッセージに含まれる震源地名を抽出する。
【0069】
例えば、図10に示す緊急情報のメッセージの表示例61の場合、「石垣島南方沖」という文字列が震源地名であるので、通知制御部51は、「石垣島南方沖」という文字列を抽出する。具体的には、例えば、緊急情報のメッセージのうち、震源地の情報が記載される開始バイト位置をフォーマットに従って予め定義しておき、その開始バイト位置から、ある固定キーワード(図示例では、「で地震発生」)が出現する前までの情報を通知制御部51が抜き出すようにしてもよい。
【0070】
通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を要求し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する。位置情報は、例えば緯度及び経度の情報であってもよい。通知制御部51は、現在地の位置情報を地名情報データベース59と照らし合わせて現在地の地名を取得する。そして、通知制御部51は、震源地名と現在地名との組み合わせを区分対応情報データベース57と照らし合わせて区分情報を取得する(ステップS31)。
【0071】
次いで、通知制御部51は、取得した区分情報を待ち時間情報データベース58と照らし合わせてウエイトベース時間を取得する(ステップS32)。さらに、通知制御部51は、アプリケーション処理部45によって実現される乱数発生機能により乱数を取得する(ステップS33)。乱数は、特に限定しないが、例えば0〜99の任意の整数であってもよい。
【0072】
次いで、通知制御部51は、ステップS33で取得した乱数を用いて、タイミング調整時間を決定する(ステップS34)。例えば、通知制御部51は、ステップS33で取得した乱数に、特に限定しないが、例えば100を乗算した値(単位:msec)をタイミング調整時間としてもよい。
【0073】
次いで、通知制御部51は、関係者通知ウエイト時間を決定する(ステップS35)。例えば、通知制御部51は、ステップS32で取得したウエイトベース時間にステップS34で取得したタイミング調整時間を加算した値を関係者通知ウエイト時間としてもよい。そして、一連の処理を終了する。
【0074】
このように、ウエイトベース時間にタイミング調整時間を加算することにより、同じエリア、例えば同じ基地局のセルに在圏する携帯電話端末であっても、安否の確認のメールを送信するタイミングが端末ごとに異なることになる。
【0075】
すなわち、タイミング調整時間を考慮しない場合には、同じ基地局のセルに在圏する全携帯電話端末のウエイトベース時間が同じになる。そのため、ウエイトベース時間の経過時に、同じ基地局のセルに在圏する全携帯電話端末が一斉に安否の確認のメールを送信すると、輻輳やシステムのダウンが発生するおそれがある。それに対して、本実施例のようにタイミング調整時間を考慮することによって、輻輳やシステムのダウンが発生するのを回避することができる。
【0076】
・メール受信処理
図13は、実施例2にかかるメール受信処理を示すフローチャートである。図13に示すように、メール受信処理が開始されると、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」であるか否かを判断する(ステップS41)。ユーザの状態が「危険状態」及び「避難状態」の何れでもない場合(ステップS41:No)、一連の処理を終了する。
【0077】
一方、ユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」である場合(ステップS41:Yes)、通知制御部51は、メール受信制御部52から通知された送信元のメールアドレス情報を関係者情報データベース56と照らし合わせる。そして、通知制御部51は、送信元のメールアドレスが関係者情報データベース56にあるか否かを判断する(ステップS42)。送信元のメールアドレスが関係者情報データベース56にない場合(ステップS42:No)、一連の処理を終了する。
【0078】
一方、送信元のメールアドレスが関係者情報データベース56にある場合(ステップS42:Yes)、通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を依頼し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する(ステップS43)。
【0079】
次いで、通知制御部51は、メール送信制御部54に、送信元のメールアドレス宛に現在地の位置情報を含むメールを送信するように依頼する。それによって、現在地の位置情報を含むメールがメールの送信元に送信され、このメールの送信元にユーザの位置情報が通知される(ステップS44)。そして、一連の処理が終了する。
【0080】
・着信処理
図14は、実施例2にかかる着信処理を示すフローチャートである。図14に示すように、着信処理が開始されると、通知制御部51は、内部で管理するユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」であるか否かを判断する(ステップS51)。ユーザの状態が「危険状態」及び「避難状態」の何れでもない場合(ステップS51:No)、一連の処理を終了する。
【0081】
一方、ユーザの状態が「危険状態」または「避難状態」である場合(ステップS51:Yes)、通知制御部51は、着信制御部53から通知された発信者の電話番号情報を関係者情報データベース56と照らし合わせる。そして、通知制御部51は、発信者の電話番号が関係者情報データベース56にあるか否かを判断する(ステップS52)。発信者の電話番号が関係者情報データベース56にない場合(ステップS52:No)、一連の処理を終了する。
【0082】
一方、発信者の電話番号が関係者情報データベース56にある場合(ステップS52:Yes)、通知制御部51は、着信制御部53から通知された電話番号からの着信に対して通話状態とする。そして、通知制御部51は、音声ガイダンス制御部55に、所定の音声ガイダンスを行うように依頼する。それによって、所定の音声ガイダンスが発信者の受話器のスピーカから流れる(ステップS53)。所定の音声ガイダンスの一例として、例えば「現在、危険な状態です。現在地の情報を記載したメールを送信します。」というメッセージや、「現在、避難しています。現在地の情報を記載したメールを送信します。」というメッセージでもよい。
【0083】
また、通知制御部51は、GPS情報管理部48に位置情報の通知を依頼し、GPS情報管理部48から現在地の位置情報を取得する(ステップS54)。
【0084】
次いで、通知制御部51は、関係者情報データベース56から発信者のメールアドレスを取得し、メール送信制御部54に、発信者のメールアドレス宛に現在地の位置情報を含むメールを送信するように依頼する。それによって、現在地の位置情報を含むメールが発信者に送信され、この発信者にユーザの位置情報が通知される(ステップS55)。そして、一連の処理が終了する。
【0085】
実施例2によれば、緊急情報が配信されたときに、緊急情報を受信した携帯電話端末が関係者に安否の確認や位置情報を知らせるメールを送信するタイミングが、携帯電話端末ごとに異なるので、輻輳やシステムのダウンが発生するのを回避することができる。また、緊急情報を受信したときに、ユーザが携帯電話端末を操作できない状態にある場合でも、携帯電話端末から関係者に現在地の情報が自動的に通知されるので、迅速にユーザを救助することができる。
【0086】
上述した実施例1、2に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0087】
(付記1)地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部と、現在地の情報を取得する取得部と、前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、を備えることを特徴とする無線通信端末。
【0088】
(付記2)前記決定部は、さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする付記1に記載の無線通信端末。
【0089】
(付記3)前記通知部は、前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記1または2に記載の無線通信端末。
【0090】
(付記4)前記通知部は、第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記3に記載の無線通信端末。
【0091】
(付記5)地域の情報を含む第1のメッセージを送信する基地局と、前記第1のメッセージを受信して第三者に対する第2のメッセージの通知を行う無線通信端末と、を備え、前記無線通信端末は、前記第1のメッセージを受信する受信部と、現在地の情報を取得する取得部と、前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、前記第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、を備えることを特徴とする無線通信システム。
【0092】
(付記6)前記決定部は、さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする付記5に記載の無線通信システム。
【0093】
(付記7)前記通知部は、前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記5または6に記載の無線通信システム。
【0094】
(付記8)前記通知部は、第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記7に記載の無線通信システム。
【0095】
(付記9)地域の情報を含む第1のメッセージを受信し、現在地の情報を取得し、前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定し、前記待ち時間が経過したときに前記第2のメッセージの通知を開始することを特徴とする無線通信方法。
【0096】
(付記10)さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする付記9に記載の無線通信方法。
【0097】
(付記11)前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記9または10に記載の無線通信方法。
【0098】
(付記12)第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする付記11に記載の無線通信方法。
【符号の説明】
【0099】
1,15,16,17,18 無線通信端末
2,50 受信部
3,48 取得部
4,51 決定部
5,54 通知部
11 無線通信システム
13,14 基地局
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部と、
現在地の情報を取得する取得部と、
前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、
前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記決定部は、さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記通知部は、前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記通知部は、第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
地域の情報を含む第1のメッセージを送信する基地局と、
前記第1のメッセージを受信して第三者に対する第2のメッセージの通知を行う無線通信端末と、
を備え、
前記無線通信端末は、
前記第1のメッセージを受信する受信部と、
現在地の情報を取得する取得部と、
前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、前記第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、
前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
地域の情報を含む第1のメッセージを受信し、
現在地の情報を取得し、
前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定し、
前記待ち時間が経過したときに前記第2のメッセージの通知を開始することを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
地域の情報を含む第1のメッセージを受信する受信部と、
現在地の情報を取得する取得部と、
前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、
前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記決定部は、さらに乱数を用いて前記待ち時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記通知部は、前記第1のメッセージに対してユーザが操作を行わないとき、または前記第1のメッセージに対してユーザが所定の操作を行ったときに、第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記通知部は、第三者からの着信またはメールの受信があったときに該第三者に現在地の情報を通知することを特徴とする請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
地域の情報を含む第1のメッセージを送信する基地局と、
前記第1のメッセージを受信して第三者に対する第2のメッセージの通知を行う無線通信端末と、
を備え、
前記無線通信端末は、
前記第1のメッセージを受信する受信部と、
現在地の情報を取得する取得部と、
前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と前記現在地の情報とに基づいて、前記第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定する決定部と、
前記待ち時間の経過後に前記第2のメッセージを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
地域の情報を含む第1のメッセージを受信し、
現在地の情報を取得し、
前記第1のメッセージに含まれる地域の情報と現在地の情報とに基づいて、第三者に対する第2のメッセージの通知を開始するまでの待ち時間を決定し、
前記待ち時間が経過したときに前記第2のメッセージの通知を開始することを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−238979(P2012−238979A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105737(P2011−105737)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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