無線通信端末及び無線通信システム
【課題】 ネットワークのサービスを受けながら他のネットワークのサービスを自動的に検索してその検索結果についてユーザが分かるようにした無線通信端末及び無線通信システムを提供する。
【解決手段】 無線通信ネットワーク内における通信時間帯を検出し、無線通信ネットワーク内で通信中に通信時間帯以外の非通信時間帯内に複数の通信チャネルのうちの1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出し、チャネルスキャン処理終了後、チャネルスキャン処理の結果を示す。
【解決手段】 無線通信ネットワーク内における通信時間帯を検出し、無線通信ネットワーク内で通信中に通信時間帯以外の非通信時間帯内に複数の通信チャネルのうちの1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出し、チャネルスキャン処理終了後、チャネルスキャン処理の結果を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末に関し、特に、通信を継続しながら他のネットワークサービスを検出する無線通信端末及び無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線PAN(パーソナルエリアネットワーク)の利用が進んでいる。無線PANの通信規格としてはIEEE802.11シリーズやIEEE802.15.4,IEEE802.15.5等があげられる。これらの通信規格は他の通信規格に比べて通信距離が短い。このため、場所毎に、異なるネットワークのサービスが存在することがある。また、複数のネットワークサービスが互いに異なる通信チャネル、及び互いに異なるPANID、SSID等の識別子で区別される。ネットワークサービスを初めて受けるときには、どのチャネルでどのような識別子のネットワークが存在するか、チャネルスキャン及びネットワークサービスの探索が行われる。
【0003】
しかしながら、このサービス探索は受信帯域を切り替えて行うために、既に特定のチャネルで通信を行っている場合は、一度そのチャネルでの無線信号の受信を休止し、チャネルスキャンのために受信帯域を変える必要がある。
【0004】
図1は従来の無線通信端末として無線通信端末200の構成を示している。説明を簡単にするため、本発明に直接関係のないネットワークの初期化処理の部分は省略している。
【0005】
無線通信端末200は、通信部201、チャネル制御部202、チャネルスキャン処理部203、チャネル選択処理部204及びアプリケーション処理部205を備えている。
【0006】
通信を開始するにあたり、特定の通信チャネルが決まっていない場合には、通信の初期化時にチャネルスキャン処理部203はチャネルスキャン処理を開始する。通信規格で定められたチャネルを順次チャネル制御部202が設定し、通信部201を介してポーリング信号を送信する。ポーリング信号に対しての適当な応答があれば、当該チャネルにて通信サービスが提供されているとし、チャネル選択処理部204に選択可能なチャネルである旨を登録する。通信規格で定められた全てのチャネルに対してポーリング処理を行い、応答信号のあったチャネルをチャネル選択処理部204に登録すると、チャネルスキャン処理は完了する。チャネル選択処理部204の登録では、同じチャネル内で異なるネットワークサービスであることを示すSSIDやPANID等の識別子を登録する場合もある。
【0007】
チャネル選択処理部204はユーザに対して適当なユーザインターフェースを介して選択可能なチャネルを示す。ユーザが端末に対する操作によってチャネルを選択すると、チャネル選択処理部204はチャネル制御部202に対して通信を行うチャネルを設定する。
【0008】
通信に用いるチャネルが設定された後は、アプリケーション処理部205が通信部201を介して通信を行うことができる。
【特許文献1】特願2003−78625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アプリケーション処理部205が通信をしている間は、通信チャネルは固定されていなければならない。他の通信サービスを検索するためには通信チャネルを切り替えるためにチャネルスキャン処理が必要となる。例えば、1つのエリアでネットワークサービスを無線通信端末を介して受けているユーザが別の通信チャネルにて他のネットワークサービスも同時に提供されているエリアに移動したときには現在受けているサービスの無線信号の受信を一度休止しなければ、他のサービスを受けることはできない。しかしながら、通信チャネル切り替えのためのチャネルスキャン処理では、通常全てのチャネルをスキャンするので時間がかかり、長い間通信が途絶えてしまうという問題がある。更には、このような問題がある中、ユーザが現在いる場所でネットワークサービスがあるか否かがわからない状態で意図的に定期的にネットワークを初期化して他のサービスを探すのは利便性が非常に悪いという問題がある。
【0010】
そこで、本発明では、ネットワークのサービスを受けながら他のネットワークのサービスを自動的に検索してその検索結果についてユーザが分かるようにした無線通信端末及び無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無線通信端末は、複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯を検出する検出手段と、前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記検出手段によって検出された通信時間帯以外の非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
本発明の無線通信端末は、複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯以外の非通信時間帯を予め設定した設定手段と、前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記設定手段によって設定された前記非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明の無線通信システムは、複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局と無線通信端末との間で通信を行う無線通信システムであって、前記通信基地局は、前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を前記無線通信端末に送信する送信手段と、を備え、前記無線通信端末は、前記送信手段によって送信された前記チャネルスキャン処理の結果を受信してそれを示す手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1のネットワークのサービスを受けながら他のネットワークのサービスをチャネルスキャン処理して検出してその検出結果を示すことができるので、無線通信端末のユーザは現在1のネットワークのサービスのために行っている通信への影響を少なくして他のサービスの存在を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施例として無線通信端末100の構成を示している。この無線通信端末100は、通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、アプリケーション処理部105、切り替え制御部106、及びアクティブ間隔問合せ部107を備えている。
【0017】
通信部101は、無線通信を行う。チャネル制御部102は、通信部101の通信チャネルの切り替え制御を行う。チャネルスキャン処理部103は、チャネルスキャンの処理を行う。チャネル選択処理部104は、チャネルスキャンした結果から、通信を行うチャネルを決定するための処理を行う。アプリケーション処理部105は、通信部101を介した通信を利用したアプリケーションを処理する。アクティブ間隔問合せ部107は、通信部101を介して通信基地局へ通信頻度の問い合わせ処理を行う。切り替え制御部106は、アクティブ間隔問合せ部107からの通信頻度情報に基づいて、通信の間欠区間中にチャネルスキャンを、通信の行われる区間中に通常通信を行うよう切り替え制御を行う。
【0018】
次に、かかる構成の無線通信端末100の動作について説明する。ここで、この無線通信端末100には複数の通信チャネルのうちの1の通信チャネルが設定されており、所定のネットワークサービスに参加しているとする。所定のネットワークサービスを提供する通信基地局はその所定のネットワーク内の無線通信端末100を含む無線通信端末各々へ無線信号を送信することにより送信サービスを実行している単位時間(例えば、10分)内における通信時間帯を頻度として算出し、1の無線通信端末からの通信頻度問合せメッセージを受信すると、それに応答して算出した頻度を示す頻度情報をその1の無線通信端末に対して送信する機能を有している。
【0019】
無線通信端末100においては、図3に示すように、アクティブ間隔問合せ部107が通信部101を介して通信基地局に現在サービスを受けている通信の通信頻度の問合せメッセージを送る(ステップS1)。通信基地局から現在行っている送信サービスの頻度が無線通信端末100に送り返される(ステップS2)。通信基地局の代えて通信端末100に対して送信サービスを行っている他の端末に問合せメッセージが送られ、他の端末から送信サービスの頻度が送り返されるようにしても良い。
【0020】
アクティブ間隔問合せ部107は、送り返された送信サービスの頻度情報からサービスの間欠区間(非通信時間帯)を推測して決定し、それを切り替え処理部106に伝える(ステップS3)。切り替え処理部106はチャネルスキャン処理部103に対して制御信号を出力する(ステップS4)。その制御信号は間欠区間時にはチャネルスキャン処理を行う指令であり、通信区間時(通信時間帯)にはチャネルスキャン処理を禁止する指令である。通信時間帯は通信基地局が無線信号を送信している時間であり、非通信時間帯は通信基地局が無線信号の送信を停止している時間である。
【0021】
チャネルスキャン処理部103は制御信号がチャネルスキャン処理指令であるときにチャネルスキャン処理を実行する(ステップS5)。
【0022】
すなわち、そのチャネルスキャン処理部103によるチャネルスキャン処理に従って、通信規格で定められたチャネルを順次チャネル制御部102が設定し、通信部101を介してポーリング信号を送信する。ポーリング信号に対しての適当な応答があれば、当該チャネルにて通信サービスが提供されているとし、チャネル選択処理部104に選択可能なチャネルである旨を登録する。通信規格で定められた全てのチャネルに対してポーリング処理を行い、応答信号のあったチャネルをチャネル選択処理部104に登録すると、チャネルスキャン処理は完了する。チャネル選択処理部104はユーザに対して適当なユーザインターフェースを介して選択可能なチャネルをユーザに対して例えば、表示器に表示して示す(ステップS6)。選択可能なチャネルは他の通信ネットワークのサービスを受けることができる通信可能チャネルである。
【0023】
また、チャネルスキャン処理中にはそれまで設定されている上記の1のチャネルの通信状態を維持するようチャネル制御部102が制御され、チャネルスキャン処理の完了後、1のチャネルの通信状態に戻ることが行われる(ステップS7)。
【0024】
よって、無線通信端末100においては、通信サービスの間欠区間を利用してチャネルスキャン処理が行われ、その結果をユーザに示すので、ユーザが受ける通信サービスを低減させることをできるだけ回避させる。ユーザが現在利用しているサービス以外の他のネットワークのサービスを検知することができる。
【0025】
上記した実施例のステップS1の通信頻度の問合せメッセージは、上記のしたように通信基地局や通信端末100に対して送信サービスを行っている他の端末が受け取って処理することに限らず、ネットワークを管理している管理局が処理をして頻度情報を送り返しても良い。更に、情報サービスなどの特定のサービスアプリケーションを提供している端末又は基地局が処理をしても良い。
【0026】
また、サービスアプリケーションを提供している端末は送信サービスの頻度を特定の管理端末に登録し、特定の管理端末がアクティブ間隔問合せ部の問い合わせに対して送信サービスの頻度を伝えても良い。
【0027】
上記した実施例においては、通信基地局又は他の端末は問合せメッセージに応答して送信サービスの頻度の情報を送信するが、送信頻度の情報を送信する代わりに、次の送信タイミング情報を送信しても良い。なお、上記した実施例においては通信基地局は常時、単位時間内においては予め定められた時間帯に送信サービスを行っている。
【0028】
更に、間欠区間の全ての時間においてチャネルスキャン処理をするように制御しなくても良い。通信区間から閾値T以上の時間を経過した後にチャネルスキャンを開始するようにしても良いし、また同時に通信区間が開始する閾値T以上の時間を空けてチャネルスキャンが終了するように動作しても良い。また、間欠区間の間、チャネルスキャンを時間Tperiodの間隔を空けてチャネルスキャンを繰り返すように処理しても良い。
【0029】
図4は本発明の第2の実施例として無線通信端末300の構成を示している。この無線通信端末300は、通信部301、チャネル制御部302、チャネルスキャン処理部303、チャネル選択処理部304、アプリケーション処理部305、切り替え制御部306、受信間隔解析部307、及びログ記録部308を備えている。
【0030】
通信部301、チャネル制御部302、チャネルスキャン処理部303、チャネル選択処理部304、及びアプリケーション処理部305は第1の実施例の通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、及びアプリケーション処理部105と同様の構成を備えている。
【0031】
受信間隔解析部307は、通信部301の受信データ数、もしくは送信データ数を含めて統計解析をして通信の間欠区間、繁忙区間を推定する。ログ記録部308は、受信間隔解析部307の解析データを記録する。
【0032】
切り替え制御部306は、受信間隔解析部307によって推定された間欠区間の情報に基づいてチャネルスキャン動作を処理するようにチャネルスキャン処理部303を制御する。
【0033】
次に、かかる構成の無線通信端末300の動作について説明する。ここで、この無線通信端末300には複数の通信シャネルのうちのいずれか1の通信チャネルが設定されており、所定のネットワークサービスに参加している通信状態とする。
【0034】
その通信状態において、図5に示すように、受信間隔解析部307は通信部301の受信データ数とデータの到着時間とに応じて、その到着間隔の平均時間やデータが継続して到着するバースト時間を算出し(ステップS11)、それら算出結果の統計情報をログ記録部308に記録する(ステップS12)。また、受信間隔解析部307はログ記録部308に記録されている統計情報の履歴から、到着平均時間の変化の周期を統計的に解析し、到着間隔が閾値Tthより大きく、一定の時間Trest以上に亘って受信データが来ないときに推定間欠区間として、切り替え制御部306に通知する(ステップS13)。また、最適な閾値Tthや、Trestの値を周期的な変化から補正する。推定間欠区間が通知された後は第1の実施例と同様の処理(ステップS4〜S7)を実行する。
【0035】
よって、無線通信端末300においては、上記の第1の実施例の無線通信端末とは異なり、他の端末への間隔問合せメッセージを送信する必要がなく、他の端末や基地局は変更をせずに従来の技術で構成することができるので、配置コストを抑えることが可能である。更には、第1の実施例と同様に受けている通信サービスを統計的に低減することを回避しながら、ユーザに現在利用しているサービス以外の他のチャネルのサービスを検知することができる。
【0036】
図6は本発明の第3の実施例として無線通信端末400の構成を示している。この無線通信端末400は、通信部401、チャネル制御部402、チャネルスキャン処理部403、チャネル選択処理部404、アプリケーション処理部405、切り替え制御部406、及びスキャン間隔設定部407を備えている。
【0037】
通信部401、チャネル制御部402、チャネルスキャン処理部403、チャネル選択処理部404、及びアプリケーション処理部405は第1の実施例の通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、及びアプリケーション処理部105と同様の構成を備えている。
【0038】
スキャン間隔設定部407はチャネルスキャン間隔、チャネルスキャン回数、チャネルスキャン可能時間等のチャネルスキャンに関するパラメータの値を予め設定して保持している
切り替え制御部406は、スキャン間隔設定部407によって設定されたスキャン間隔値に基づいて、通信の間欠区間中にチャネルスキャンを、通信の行われる区間中に通常通信を行うよう切り替え制御を行う。
【0039】
次に、かかる構成の無線通信端末400の動作について説明する。ここで、この無線通信端末400には複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルが設定されており、所定のネットワークサービスに参加している通信状態とする。
【0040】
その通信状態において、スキャン間隔設定部407は予め設定されている、チャネルスキャン間隔、チャネルスキャン回数、チャネルスキャン可能時間等のチャネルスキャンに関するパラメータを切り替え制御部406に伝える。切り替え制御部406は、スキャン間隔設定部407によって指定されたチャネルスキャンに関するパラメータの設定値に応じてチャネルスキャン処理の可能期間が定まるので、そのチャネルスキャン処理の可能期間以外の期間に亘って、チャネルスキャン処理部403に対してチャネルスキャン処理を禁止させ、チャネルスキャン可能期間においてはチャネルスキャン処理部403に対して時間Tperiod毎にチャネルスキャン処理を指定されたチャネルスキャン回数だけ実行させる。チャネルスキャンの後の動作は第1及び第2の実施例のステップS6,S7と同様である。
【0041】
よって、無線通信端末400においては、通信規格によっては通信端末の休眠時間を予め設定することができたり、休眠時間の規定値が決まっていたりする場合があるので、そのような通信規格を用いることにより、複雑な処理機構なくユーザが現在利用しているサービス以外の他のネットワークのサービスを検知することができる。
【0042】
図7は本発明の第4の実施例として無線通信システム700の概略構成を示している。通信システム700はネットワークAを構成している通信基地局702及び通信基地局703と、ネットワークBを構成している通信基地局711と、無線通信端末701とによって構成されている。
【0043】
無線通信端末701は、図8に示すように、通信部501、チャネル制御部502、チャネルスキャン処理部503、チャネル選択処理部504、アプリケーション処理部505、及び他チャネルサービス通知情報処理部506を備えている。
【0044】
通信部501、チャネル制御部502、チャネルスキャン処理部503、チャネル選択処理部504、及びアプリケーション処理部505は第1の実施例の通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、及びアプリケーション処理部105と同様の構成を備えている。
【0045】
他チャネルサービス通知情報処理部506は通信部501を介して基地局から他チャネルサービス通知情報を受け取る。
【0046】
通信基地局702,703,711各々は、図9に示すように、通信部601、チャネルスキャン部602、チャネルスキャン制御部603、及び他チャネルサービス通知部604を備えている。
【0047】
通信部601は、通常の無線通信処理をする。チャネルスキャン部602は、他チャネルのチャネルスキャンを行う。チャネルスキャン制御部603はチャネルスキャン部602のチャネルスキャンの制御を行う。他チャネルサービス通知部604はチャネルスキャン制御部603によって検知された通信サービスを通信データとして通信部601を介して通信端末へと送信する。
【0048】
かかる構成の無線通信システム700の動作について説明する。
【0049】
通信基地局702の通信部601はネットワークAにおいて複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルで通信サービスを無線通信端末701に提供しているとする(ステップS31)。通信基地局702のチャネルスキャン制御部603は定期的にチャネルスキャン部602を介して近隣で提供されている他のネットワークの通信サービスをチャネルスキャンで検知する(ステップS32)。検知した通信サービス各々について、他チャネルサービス通知部604に通知する(ステップS33)。他チャネルサービス通知部604は検知された通信サービスを通信データとして通信部601を介して600が提供するネットワークサービスに参加している無線通信端末701に送付する(ステップS34)。
【0050】
すなわち、通信基地局702及び通信基地局703によってネットワークAを生成、通信基地局711によって別の通信チャネルにおいてネットワークBを提供していて、通信端末701は通信基地局702に接続しネットワークAに参加している場合、通信端末701にはネットワークAとの通信を遮断してチャネルスキャンをしない限り、通信基地局711を検知することはできないが、通信基地局702においては通知部601においてネットワークAの通信を維持しつつ、チャネルスキャン部602が周辺の他の通信チャネルがないかをチャネルスキャンする。通信基地局711は通信基地局702によって検知され、通信基地局702における通信部602を介してネットワークA上の通信端末701に対して、ネットワークBの存在及び通信基地局711の存在を伝えることが可能となる。
【0051】
通信端末701においては、他チャネルサービス通知情報が通信端末702から受け取ると(ステップS41)、その他チャネルサービス通知情報は通信部501を介して、他チャネルサービス通知情報処理部506で処理される(ステップS42)。その処理ではネットワーク情報及び通信基地局情報が抽出され、それらの情報はチャネル選択処理部504に送られる。チャネル選択処理部504はその送られたネットワーク情報及び通信基地局情報に応じてユーザに他の通信サービスの存在を伝え、サービスの切り替えが可能であることを示す(ステップS43)。
【0052】
よって、無線通信システム700においては、通信端末701は通信を遮断して他チャンルをチャネルスキャンする必要がないので、他のネットワークのサービスを検知するためにチャネルスキャン中に通信ができなくなるという通信サービスの不具合を生じることがない。
【0053】
なお、チャネルスキャン制御部502は定期的にチャネルスキャンを行うのではなく、通信端末701等の無線通信端末がネットワークに参加したことを通信部601が検知したときに行っても良い。そうした場合には他チャネルサービス通知情報を通信端末で得られるまでの応答時間は多少大きくなる可能性があるが、効率的な処理が可能となる。
【0054】
また、チャネルスキャン制御部502はネットワークサービスだけではなく、同様に上位のアプリケーションサービスの検知機能を併せ持つとより詳細なサービス通知機能を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例として無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の通信端末の他ネットワークサービス提示動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例として無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の通信端末の他ネットワークサービス提示動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施例として無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施例として無線通信ネットワークを示す図である。
【図8】図7のネットワークの無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図9】図7のネットワークの通信基地局の構成を示すブロック図である。図である。
【図10】図9の通信基地局の他ネットワークサービス検知動作を示すフローチャートである。
【図11】図10の通信端末の他チャネルサービス提示動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
100,200,300,400,701 無線通信端末
106,306,406 切り替え制御部
107 アクティブ間隔問合せ部
307 受信間隔解析部
308 ログ記録部
407 スキャン間隔設定部
506 他チャネルサービス通知情報処理部
604 他チャネルサービス通知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末に関し、特に、通信を継続しながら他のネットワークサービスを検出する無線通信端末及び無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線PAN(パーソナルエリアネットワーク)の利用が進んでいる。無線PANの通信規格としてはIEEE802.11シリーズやIEEE802.15.4,IEEE802.15.5等があげられる。これらの通信規格は他の通信規格に比べて通信距離が短い。このため、場所毎に、異なるネットワークのサービスが存在することがある。また、複数のネットワークサービスが互いに異なる通信チャネル、及び互いに異なるPANID、SSID等の識別子で区別される。ネットワークサービスを初めて受けるときには、どのチャネルでどのような識別子のネットワークが存在するか、チャネルスキャン及びネットワークサービスの探索が行われる。
【0003】
しかしながら、このサービス探索は受信帯域を切り替えて行うために、既に特定のチャネルで通信を行っている場合は、一度そのチャネルでの無線信号の受信を休止し、チャネルスキャンのために受信帯域を変える必要がある。
【0004】
図1は従来の無線通信端末として無線通信端末200の構成を示している。説明を簡単にするため、本発明に直接関係のないネットワークの初期化処理の部分は省略している。
【0005】
無線通信端末200は、通信部201、チャネル制御部202、チャネルスキャン処理部203、チャネル選択処理部204及びアプリケーション処理部205を備えている。
【0006】
通信を開始するにあたり、特定の通信チャネルが決まっていない場合には、通信の初期化時にチャネルスキャン処理部203はチャネルスキャン処理を開始する。通信規格で定められたチャネルを順次チャネル制御部202が設定し、通信部201を介してポーリング信号を送信する。ポーリング信号に対しての適当な応答があれば、当該チャネルにて通信サービスが提供されているとし、チャネル選択処理部204に選択可能なチャネルである旨を登録する。通信規格で定められた全てのチャネルに対してポーリング処理を行い、応答信号のあったチャネルをチャネル選択処理部204に登録すると、チャネルスキャン処理は完了する。チャネル選択処理部204の登録では、同じチャネル内で異なるネットワークサービスであることを示すSSIDやPANID等の識別子を登録する場合もある。
【0007】
チャネル選択処理部204はユーザに対して適当なユーザインターフェースを介して選択可能なチャネルを示す。ユーザが端末に対する操作によってチャネルを選択すると、チャネル選択処理部204はチャネル制御部202に対して通信を行うチャネルを設定する。
【0008】
通信に用いるチャネルが設定された後は、アプリケーション処理部205が通信部201を介して通信を行うことができる。
【特許文献1】特願2003−78625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アプリケーション処理部205が通信をしている間は、通信チャネルは固定されていなければならない。他の通信サービスを検索するためには通信チャネルを切り替えるためにチャネルスキャン処理が必要となる。例えば、1つのエリアでネットワークサービスを無線通信端末を介して受けているユーザが別の通信チャネルにて他のネットワークサービスも同時に提供されているエリアに移動したときには現在受けているサービスの無線信号の受信を一度休止しなければ、他のサービスを受けることはできない。しかしながら、通信チャネル切り替えのためのチャネルスキャン処理では、通常全てのチャネルをスキャンするので時間がかかり、長い間通信が途絶えてしまうという問題がある。更には、このような問題がある中、ユーザが現在いる場所でネットワークサービスがあるか否かがわからない状態で意図的に定期的にネットワークを初期化して他のサービスを探すのは利便性が非常に悪いという問題がある。
【0010】
そこで、本発明では、ネットワークのサービスを受けながら他のネットワークのサービスを自動的に検索してその検索結果についてユーザが分かるようにした無線通信端末及び無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無線通信端末は、複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯を検出する検出手段と、前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記検出手段によって検出された通信時間帯以外の非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
本発明の無線通信端末は、複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯以外の非通信時間帯を予め設定した設定手段と、前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記設定手段によって設定された前記非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明の無線通信システムは、複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局と無線通信端末との間で通信を行う無線通信システムであって、前記通信基地局は、前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を前記無線通信端末に送信する送信手段と、を備え、前記無線通信端末は、前記送信手段によって送信された前記チャネルスキャン処理の結果を受信してそれを示す手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1のネットワークのサービスを受けながら他のネットワークのサービスをチャネルスキャン処理して検出してその検出結果を示すことができるので、無線通信端末のユーザは現在1のネットワークのサービスのために行っている通信への影響を少なくして他のサービスの存在を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施例として無線通信端末100の構成を示している。この無線通信端末100は、通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、アプリケーション処理部105、切り替え制御部106、及びアクティブ間隔問合せ部107を備えている。
【0017】
通信部101は、無線通信を行う。チャネル制御部102は、通信部101の通信チャネルの切り替え制御を行う。チャネルスキャン処理部103は、チャネルスキャンの処理を行う。チャネル選択処理部104は、チャネルスキャンした結果から、通信を行うチャネルを決定するための処理を行う。アプリケーション処理部105は、通信部101を介した通信を利用したアプリケーションを処理する。アクティブ間隔問合せ部107は、通信部101を介して通信基地局へ通信頻度の問い合わせ処理を行う。切り替え制御部106は、アクティブ間隔問合せ部107からの通信頻度情報に基づいて、通信の間欠区間中にチャネルスキャンを、通信の行われる区間中に通常通信を行うよう切り替え制御を行う。
【0018】
次に、かかる構成の無線通信端末100の動作について説明する。ここで、この無線通信端末100には複数の通信チャネルのうちの1の通信チャネルが設定されており、所定のネットワークサービスに参加しているとする。所定のネットワークサービスを提供する通信基地局はその所定のネットワーク内の無線通信端末100を含む無線通信端末各々へ無線信号を送信することにより送信サービスを実行している単位時間(例えば、10分)内における通信時間帯を頻度として算出し、1の無線通信端末からの通信頻度問合せメッセージを受信すると、それに応答して算出した頻度を示す頻度情報をその1の無線通信端末に対して送信する機能を有している。
【0019】
無線通信端末100においては、図3に示すように、アクティブ間隔問合せ部107が通信部101を介して通信基地局に現在サービスを受けている通信の通信頻度の問合せメッセージを送る(ステップS1)。通信基地局から現在行っている送信サービスの頻度が無線通信端末100に送り返される(ステップS2)。通信基地局の代えて通信端末100に対して送信サービスを行っている他の端末に問合せメッセージが送られ、他の端末から送信サービスの頻度が送り返されるようにしても良い。
【0020】
アクティブ間隔問合せ部107は、送り返された送信サービスの頻度情報からサービスの間欠区間(非通信時間帯)を推測して決定し、それを切り替え処理部106に伝える(ステップS3)。切り替え処理部106はチャネルスキャン処理部103に対して制御信号を出力する(ステップS4)。その制御信号は間欠区間時にはチャネルスキャン処理を行う指令であり、通信区間時(通信時間帯)にはチャネルスキャン処理を禁止する指令である。通信時間帯は通信基地局が無線信号を送信している時間であり、非通信時間帯は通信基地局が無線信号の送信を停止している時間である。
【0021】
チャネルスキャン処理部103は制御信号がチャネルスキャン処理指令であるときにチャネルスキャン処理を実行する(ステップS5)。
【0022】
すなわち、そのチャネルスキャン処理部103によるチャネルスキャン処理に従って、通信規格で定められたチャネルを順次チャネル制御部102が設定し、通信部101を介してポーリング信号を送信する。ポーリング信号に対しての適当な応答があれば、当該チャネルにて通信サービスが提供されているとし、チャネル選択処理部104に選択可能なチャネルである旨を登録する。通信規格で定められた全てのチャネルに対してポーリング処理を行い、応答信号のあったチャネルをチャネル選択処理部104に登録すると、チャネルスキャン処理は完了する。チャネル選択処理部104はユーザに対して適当なユーザインターフェースを介して選択可能なチャネルをユーザに対して例えば、表示器に表示して示す(ステップS6)。選択可能なチャネルは他の通信ネットワークのサービスを受けることができる通信可能チャネルである。
【0023】
また、チャネルスキャン処理中にはそれまで設定されている上記の1のチャネルの通信状態を維持するようチャネル制御部102が制御され、チャネルスキャン処理の完了後、1のチャネルの通信状態に戻ることが行われる(ステップS7)。
【0024】
よって、無線通信端末100においては、通信サービスの間欠区間を利用してチャネルスキャン処理が行われ、その結果をユーザに示すので、ユーザが受ける通信サービスを低減させることをできるだけ回避させる。ユーザが現在利用しているサービス以外の他のネットワークのサービスを検知することができる。
【0025】
上記した実施例のステップS1の通信頻度の問合せメッセージは、上記のしたように通信基地局や通信端末100に対して送信サービスを行っている他の端末が受け取って処理することに限らず、ネットワークを管理している管理局が処理をして頻度情報を送り返しても良い。更に、情報サービスなどの特定のサービスアプリケーションを提供している端末又は基地局が処理をしても良い。
【0026】
また、サービスアプリケーションを提供している端末は送信サービスの頻度を特定の管理端末に登録し、特定の管理端末がアクティブ間隔問合せ部の問い合わせに対して送信サービスの頻度を伝えても良い。
【0027】
上記した実施例においては、通信基地局又は他の端末は問合せメッセージに応答して送信サービスの頻度の情報を送信するが、送信頻度の情報を送信する代わりに、次の送信タイミング情報を送信しても良い。なお、上記した実施例においては通信基地局は常時、単位時間内においては予め定められた時間帯に送信サービスを行っている。
【0028】
更に、間欠区間の全ての時間においてチャネルスキャン処理をするように制御しなくても良い。通信区間から閾値T以上の時間を経過した後にチャネルスキャンを開始するようにしても良いし、また同時に通信区間が開始する閾値T以上の時間を空けてチャネルスキャンが終了するように動作しても良い。また、間欠区間の間、チャネルスキャンを時間Tperiodの間隔を空けてチャネルスキャンを繰り返すように処理しても良い。
【0029】
図4は本発明の第2の実施例として無線通信端末300の構成を示している。この無線通信端末300は、通信部301、チャネル制御部302、チャネルスキャン処理部303、チャネル選択処理部304、アプリケーション処理部305、切り替え制御部306、受信間隔解析部307、及びログ記録部308を備えている。
【0030】
通信部301、チャネル制御部302、チャネルスキャン処理部303、チャネル選択処理部304、及びアプリケーション処理部305は第1の実施例の通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、及びアプリケーション処理部105と同様の構成を備えている。
【0031】
受信間隔解析部307は、通信部301の受信データ数、もしくは送信データ数を含めて統計解析をして通信の間欠区間、繁忙区間を推定する。ログ記録部308は、受信間隔解析部307の解析データを記録する。
【0032】
切り替え制御部306は、受信間隔解析部307によって推定された間欠区間の情報に基づいてチャネルスキャン動作を処理するようにチャネルスキャン処理部303を制御する。
【0033】
次に、かかる構成の無線通信端末300の動作について説明する。ここで、この無線通信端末300には複数の通信シャネルのうちのいずれか1の通信チャネルが設定されており、所定のネットワークサービスに参加している通信状態とする。
【0034】
その通信状態において、図5に示すように、受信間隔解析部307は通信部301の受信データ数とデータの到着時間とに応じて、その到着間隔の平均時間やデータが継続して到着するバースト時間を算出し(ステップS11)、それら算出結果の統計情報をログ記録部308に記録する(ステップS12)。また、受信間隔解析部307はログ記録部308に記録されている統計情報の履歴から、到着平均時間の変化の周期を統計的に解析し、到着間隔が閾値Tthより大きく、一定の時間Trest以上に亘って受信データが来ないときに推定間欠区間として、切り替え制御部306に通知する(ステップS13)。また、最適な閾値Tthや、Trestの値を周期的な変化から補正する。推定間欠区間が通知された後は第1の実施例と同様の処理(ステップS4〜S7)を実行する。
【0035】
よって、無線通信端末300においては、上記の第1の実施例の無線通信端末とは異なり、他の端末への間隔問合せメッセージを送信する必要がなく、他の端末や基地局は変更をせずに従来の技術で構成することができるので、配置コストを抑えることが可能である。更には、第1の実施例と同様に受けている通信サービスを統計的に低減することを回避しながら、ユーザに現在利用しているサービス以外の他のチャネルのサービスを検知することができる。
【0036】
図6は本発明の第3の実施例として無線通信端末400の構成を示している。この無線通信端末400は、通信部401、チャネル制御部402、チャネルスキャン処理部403、チャネル選択処理部404、アプリケーション処理部405、切り替え制御部406、及びスキャン間隔設定部407を備えている。
【0037】
通信部401、チャネル制御部402、チャネルスキャン処理部403、チャネル選択処理部404、及びアプリケーション処理部405は第1の実施例の通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、及びアプリケーション処理部105と同様の構成を備えている。
【0038】
スキャン間隔設定部407はチャネルスキャン間隔、チャネルスキャン回数、チャネルスキャン可能時間等のチャネルスキャンに関するパラメータの値を予め設定して保持している
切り替え制御部406は、スキャン間隔設定部407によって設定されたスキャン間隔値に基づいて、通信の間欠区間中にチャネルスキャンを、通信の行われる区間中に通常通信を行うよう切り替え制御を行う。
【0039】
次に、かかる構成の無線通信端末400の動作について説明する。ここで、この無線通信端末400には複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルが設定されており、所定のネットワークサービスに参加している通信状態とする。
【0040】
その通信状態において、スキャン間隔設定部407は予め設定されている、チャネルスキャン間隔、チャネルスキャン回数、チャネルスキャン可能時間等のチャネルスキャンに関するパラメータを切り替え制御部406に伝える。切り替え制御部406は、スキャン間隔設定部407によって指定されたチャネルスキャンに関するパラメータの設定値に応じてチャネルスキャン処理の可能期間が定まるので、そのチャネルスキャン処理の可能期間以外の期間に亘って、チャネルスキャン処理部403に対してチャネルスキャン処理を禁止させ、チャネルスキャン可能期間においてはチャネルスキャン処理部403に対して時間Tperiod毎にチャネルスキャン処理を指定されたチャネルスキャン回数だけ実行させる。チャネルスキャンの後の動作は第1及び第2の実施例のステップS6,S7と同様である。
【0041】
よって、無線通信端末400においては、通信規格によっては通信端末の休眠時間を予め設定することができたり、休眠時間の規定値が決まっていたりする場合があるので、そのような通信規格を用いることにより、複雑な処理機構なくユーザが現在利用しているサービス以外の他のネットワークのサービスを検知することができる。
【0042】
図7は本発明の第4の実施例として無線通信システム700の概略構成を示している。通信システム700はネットワークAを構成している通信基地局702及び通信基地局703と、ネットワークBを構成している通信基地局711と、無線通信端末701とによって構成されている。
【0043】
無線通信端末701は、図8に示すように、通信部501、チャネル制御部502、チャネルスキャン処理部503、チャネル選択処理部504、アプリケーション処理部505、及び他チャネルサービス通知情報処理部506を備えている。
【0044】
通信部501、チャネル制御部502、チャネルスキャン処理部503、チャネル選択処理部504、及びアプリケーション処理部505は第1の実施例の通信部101、チャネル制御部102、チャネルスキャン処理部103、チャネル選択処理部104、及びアプリケーション処理部105と同様の構成を備えている。
【0045】
他チャネルサービス通知情報処理部506は通信部501を介して基地局から他チャネルサービス通知情報を受け取る。
【0046】
通信基地局702,703,711各々は、図9に示すように、通信部601、チャネルスキャン部602、チャネルスキャン制御部603、及び他チャネルサービス通知部604を備えている。
【0047】
通信部601は、通常の無線通信処理をする。チャネルスキャン部602は、他チャネルのチャネルスキャンを行う。チャネルスキャン制御部603はチャネルスキャン部602のチャネルスキャンの制御を行う。他チャネルサービス通知部604はチャネルスキャン制御部603によって検知された通信サービスを通信データとして通信部601を介して通信端末へと送信する。
【0048】
かかる構成の無線通信システム700の動作について説明する。
【0049】
通信基地局702の通信部601はネットワークAにおいて複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルで通信サービスを無線通信端末701に提供しているとする(ステップS31)。通信基地局702のチャネルスキャン制御部603は定期的にチャネルスキャン部602を介して近隣で提供されている他のネットワークの通信サービスをチャネルスキャンで検知する(ステップS32)。検知した通信サービス各々について、他チャネルサービス通知部604に通知する(ステップS33)。他チャネルサービス通知部604は検知された通信サービスを通信データとして通信部601を介して600が提供するネットワークサービスに参加している無線通信端末701に送付する(ステップS34)。
【0050】
すなわち、通信基地局702及び通信基地局703によってネットワークAを生成、通信基地局711によって別の通信チャネルにおいてネットワークBを提供していて、通信端末701は通信基地局702に接続しネットワークAに参加している場合、通信端末701にはネットワークAとの通信を遮断してチャネルスキャンをしない限り、通信基地局711を検知することはできないが、通信基地局702においては通知部601においてネットワークAの通信を維持しつつ、チャネルスキャン部602が周辺の他の通信チャネルがないかをチャネルスキャンする。通信基地局711は通信基地局702によって検知され、通信基地局702における通信部602を介してネットワークA上の通信端末701に対して、ネットワークBの存在及び通信基地局711の存在を伝えることが可能となる。
【0051】
通信端末701においては、他チャネルサービス通知情報が通信端末702から受け取ると(ステップS41)、その他チャネルサービス通知情報は通信部501を介して、他チャネルサービス通知情報処理部506で処理される(ステップS42)。その処理ではネットワーク情報及び通信基地局情報が抽出され、それらの情報はチャネル選択処理部504に送られる。チャネル選択処理部504はその送られたネットワーク情報及び通信基地局情報に応じてユーザに他の通信サービスの存在を伝え、サービスの切り替えが可能であることを示す(ステップS43)。
【0052】
よって、無線通信システム700においては、通信端末701は通信を遮断して他チャンルをチャネルスキャンする必要がないので、他のネットワークのサービスを検知するためにチャネルスキャン中に通信ができなくなるという通信サービスの不具合を生じることがない。
【0053】
なお、チャネルスキャン制御部502は定期的にチャネルスキャンを行うのではなく、通信端末701等の無線通信端末がネットワークに参加したことを通信部601が検知したときに行っても良い。そうした場合には他チャネルサービス通知情報を通信端末で得られるまでの応答時間は多少大きくなる可能性があるが、効率的な処理が可能となる。
【0054】
また、チャネルスキャン制御部502はネットワークサービスだけではなく、同様に上位のアプリケーションサービスの検知機能を併せ持つとより詳細なサービス通知機能を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例として無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の通信端末の他ネットワークサービス提示動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例として無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の通信端末の他ネットワークサービス提示動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施例として無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施例として無線通信ネットワークを示す図である。
【図8】図7のネットワークの無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図9】図7のネットワークの通信基地局の構成を示すブロック図である。図である。
【図10】図9の通信基地局の他ネットワークサービス検知動作を示すフローチャートである。
【図11】図10の通信端末の他チャネルサービス提示動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
100,200,300,400,701 無線通信端末
106,306,406 切り替え制御部
107 アクティブ間隔問合せ部
307 受信間隔解析部
308 ログ記録部
407 スキャン間隔設定部
506 他チャネルサービス通知情報処理部
604 他チャネルサービス通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、
前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯を検出する検出手段と、
前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記検出手段によって検出された通信時間帯以外の非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、
前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記検出手段は、前記無線通信ネットワークの通信基地局に対して通信間隔を問合せてその通信基地局から通信時間帯を取得するアクティブ間隔問合せ部を有し、
前記チャネルスキャン処理手段は、通信基地局から取得した通信時間帯以外の非通信時間帯を推定し、その非通信時間帯内に前記チャネルスキャン処理を実行することを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記検出手段は、前記無線通信ネットワークの通信基地局からの無線信号の受信間隔を解析する受信間隔解析部と、
前記受信間隔解析部によって解析された受信間隔を逐次記録する記録部と、を備え、
前記チャネルスキャン処理手段は、前記記録部に記録された受信間隔に応じて非通信時間帯を推定し、その非通信時間帯内に前記チャネルスキャン処理を実行することを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記通信時間帯は、単位時間内に通信基地局から送信される無線信号の送信時間帯を示すことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項5】
複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、
前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯以外の非通信時間帯を予め設定した設定手段と、
前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記設定手段によって設定された前記非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、
前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴とする無線通信端末。
【請求項6】
複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局と無線通信端末との間で通信を行う無線通信システムであって、
前記通信基地局は、前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、
前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を前記無線通信端末に送信する送信手段と、を備え、
前記無線通信端末は、前記送信手段によって送信された前記チャネルスキャン処理の結果を受信してそれを示す手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項1】
複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、
前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯を検出する検出手段と、
前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記検出手段によって検出された通信時間帯以外の非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、
前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記検出手段は、前記無線通信ネットワークの通信基地局に対して通信間隔を問合せてその通信基地局から通信時間帯を取得するアクティブ間隔問合せ部を有し、
前記チャネルスキャン処理手段は、通信基地局から取得した通信時間帯以外の非通信時間帯を推定し、その非通信時間帯内に前記チャネルスキャン処理を実行することを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記検出手段は、前記無線通信ネットワークの通信基地局からの無線信号の受信間隔を解析する受信間隔解析部と、
前記受信間隔解析部によって解析された受信間隔を逐次記録する記録部と、を備え、
前記チャネルスキャン処理手段は、前記記録部に記録された受信間隔に応じて非通信時間帯を推定し、その非通信時間帯内に前記チャネルスキャン処理を実行することを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記通信時間帯は、単位時間内に通信基地局から送信される無線信号の送信時間帯を示すことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項5】
複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局との間で通信を行う無線通信端末であって、
前記無線通信ネットワーク内における通信時間帯以外の非通信時間帯を予め設定した設定手段と、
前記無線通信ネットワーク内で通信中に前記設定手段によって設定された前記非通信時間帯内に前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、
前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を示す手段と、を備えたことを特徴とする無線通信端末。
【請求項6】
複数の通信チャネルのうちのいずれか1の通信チャネルを用いて無線通信ネットワークの通信基地局と無線通信端末との間で通信を行う無線通信システムであって、
前記通信基地局は、前記複数の通信チャネルのうちの前記1のチャネル以外の通信チャネルについてチャネルスキャン処理を実行して前記無線通信ネットワーク以外の他の無線通信ネットワークの通信可能チャネルを検出するチャネルスキャン処理手段と、
前記チャネルスキャン処理終了後、前記チャネルスキャン処理の結果を前記無線通信端末に送信する送信手段と、を備え、
前記無線通信端末は、前記送信手段によって送信された前記チャネルスキャン処理の結果を受信してそれを示す手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−232188(P2009−232188A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75452(P2008−75452)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度独立行政法人情報通信研究機構「民間基盤技術研究促進制度/ZigBeeを利用したユビキタスネットワーク技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度独立行政法人情報通信研究機構「民間基盤技術研究促進制度/ZigBeeを利用したユビキタスネットワーク技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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