無線ECGを使用する不整脈検知と分類
CRMシステムは、埋込み可能な電極によって感知され、かつ表面ECGを近似する信号である、無線心電図(ECG)を使用した心臓内心電図ベースの不整脈検知を強化する。一実施形態では、心臓内心電図は、不整脈の検知を可能にし、かつ無線ECGは、その起源を突き止めることによって、検知された不整脈の分類を提供する。別の実施形態では、無線ECGが、心臓内心電図の感知が信頼性できるものでなくなったとき、心臓内心電図に対する代替信号として感知される。別の実施形態では、特定の目的のために必要とされる心臓信号が、望ましい信号品質に基づいて、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから選択される。別の実施形態では、心臓内心電図ベースの不整脈検知および無線ECGベースの不整脈検知が、あるタイプの不整脈の検知を示す前に互いに確認する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(優先権の請求)
参照によって本明細書に組み込まれる、2004年10月28日に提出された米国特許出願整理番号第10/975,166号に対して、優先権の利益が、本明細書によって請求される。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2004年7月22日に提出された「SYSTEMS,DEVICES,AND METHODS FOR TACHYARRHYTHMIA DISCRIMINATION OR THERAPY DECISIONS」という題名の、同時係属の同一出願人による米国特許出願整理番号第10/897,365号、2004年7月14日に提出された、「SELF−DIAGONOSTIC METHOD AND SYSTEM FOR IMPLANTABLE CARDIAC DEVICE」という題名の、米国特許出願整理番号第10/890,810、2004年3月5日に提出された、「WIRELESS ECG IN IMPLANTABLE DEVICES」という題名の米国特許出願整理番号第10/795,126号、2003年12月24日に提出された、「WIRELESS ECG PACE AVOIDANCE AND DISPLAY METHOD」という題名の米国特許出願整理番号第10/746,855号、2003年12月9日に提出された、「DISCRIMINATION OF SUPRAVENTRICULAR TACHYCARDIA AND VENTRICULAR TACHYCARDIA EVENTS」という題名の米国特許出願整理番号第10/731,223号、2003年1月10日に提出された、「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTION ENHANCEMENT PROGRAMMING」という題名の米国特許出願整理番号第10/339,926号、2002年11月8日に提出された「CARDIAC RHYTHM MANAGEMENT SYSTEMS AND METHODS USING MULTIPLE MORPHOLOGY TEMPLATES FOR DISCRIMINATING BETWEEN RHYTHMS」という題名の米国特許出願整理番号第10/291,200号、2001年12月18日に提出された、「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTION ENHANCEMENT PROGRAMMING」という題名の米国特許出願整理番号第10/025,958号、2001年11月13日に提出された、「APPARATUS AND METHOD FOR TREATING VENTRICULAR TACHYARRHYTHMIAS」という題名の米国特許出願整理番号第10/008,367号、および2001年10月22日に提出された「SYSTEM AND METHOD FOR ARRHYTHMIA DISCREMINATION」という題名の米国特許出願整理番号第10/014,933号に関する。これらはその全体において参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0003】
本文書は一般に、心臓律動管理(CRM)システムに関し、および特に、埋込み可能な電極を使用して埋込み可能なデバイスによって感知され、かつ表面ECGを近似する、無線心電図(EGG)を使用した心臓不整脈を検知し、分類するこのようなシステムに関するがそれに限定されない。
【背景技術】
【0004】
心臓は、人の循環系の中心である。心臓は、2つの主要なポンピング機能を行う複雑な電気機械的システムを備える。左心房(LA)と左心室(LV)を含む心臓の左側部分は、酸素を豊富に含んだ血液を肺から引き出し、それを代謝の必要性を有する組織に酸素を供給するために体の組織へ送り出す。右心房(RA)と右心室(RV)を含む心臓の右側部分は、酸素の少ない血液を器官から引き出し、それを血液が酸素を与えられる肺内へ送り出す。これらの機械的ポンピング機構は心筋(心臓筋肉)の収縮によって達成される。正常な電気系を有する心臓では、洞結節、心臓の自然のペース・メーカーが、体の代謝要求に応答した速度で、活動電位と呼ばれる電気信号を発生させる。活動電位は、電気伝導系を通って心臓の様々な領域へ伝播して、これらの領域内の心筋組織を励起させる。正常な電気伝導系内の活動電位の伝播の調整された遅延が、ポンピング機能が効率的に行われるように、心臓の様々な領域を同調して収縮させる。電気系が異常に機能するとき、心臓は、異常に遅いまたは異常に速い、または1つまたは複数の心臓領域での収縮が無秩序かつ非同期である速度で収縮することがある。このような状態は、心臓不整脈として公知である。心臓不整脈は、循環系内の血流を減少させ、したがって、体の代謝要求を満たすために不十分な酸素供給を結果として生じさせる。
【0005】
不整脈は、埋込み可能なCRMデバイスによって投与される様々なタイプのペーシング治療、電気的除細動治療、除細動治療を含むがそれに限定されない治療によって処置される。十分なタイミングで適切なタイプの治療を行うために、心電図と呼ばれる、1つまたは複数の生体電位信号が、心臓律動が異常になったときの不整脈のタイプを含む、心臓律動を示すために感知される。心臓内心電図は、心臓内または心臓上に配置された少なくとも1つの電極によって感知される。電極の位置に応じて、心臓内心電図は、ある特定の心臓領域の局所化された電気的活動を示す。ある状況下では、局所化された電気的活動は、その不整脈の源ではなく、進行中の不整脈を示すことがある。また、心臓内心電図ベースの不整脈検知の信頼性は、体の運動または環境的な要素によって生じる、ノイズまたは心臓と感知回路の間の電気的接続の不良によって危うくされる。
【0006】
心臓不整脈の治療の効果を強化するために、心臓内心電図ベースの不整脈検知の強化に対する必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
CRMシステムは、埋込み可能な電極によって感知され、かつ表面ECGを近似する信号である無線ECGを使用して心臓内心電図ベースの不整脈検知を強化する。一実施態様では、無線ECGは、皮下に埋め込まれている埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた電極など、皮下組織に埋め込まれた電極を通して感知される皮下ECGである。
【0008】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスおよび複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、心電図感知回路、無線ECG感知回路、不整脈検知回路、不整脈分類回路を備える。心電図感知回路は、心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路は、埋込み可能な皮下電極を通して皮下ECGを感知する。不整脈検知回路は、心臓内心電図に基づいて不整脈を検知する。不整脈分類回路は、少なくとも皮下ECGに基づいて検知された不整脈を分類する。
【0009】
一実施態様では、心臓律動を解析するための方法が提供される。心臓内心電図と皮下ECGを感知する。不整脈を、心臓内心電図に基づいて検知する。検知された不整脈が、少なくとも皮下ECGに基づいて分類される。
【0010】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスと複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、主感知回路、補助感知回路、処理回路、スイッチ回路、選択回路を備える。主感知回路は、心臓内心電図を感知するための心電図感知回路を備える。補助感知回路は、埋込み可能な皮下電極を通して皮下ECGを感知するための無線ECG感知回路を備える。処理回路は、心臓内心電図と皮下ECGのうちの一方である信号を受信する。スイッチ回路は、選択回路から選択信号を受信し、かつ選択信号に従って、主感知回路と補助感知回路のうちの一方を処理回路に接続する。
【0011】
一実施態様では、心臓信号感知のための方法を提供する。心臓内心電図を、埋込み可能な導線を通して感知する。心臓内心電図の感知における故障を示す故障信号を検知する。故障信号が検知された場合、皮下ECGを、心臓内心電図に対する代替として感知する。
【0012】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスと複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、感知回路、処理回路、信号選択回路を備える。感知回路は、1つまたは複数の心臓内心電図を感知するための心電図感知回路を備え、かつ埋込み可能な皮下電極を通して1つまたは複数の皮下ECGを感知するための無線ECG感知回路を備える。処理回路は、選択信号に基づいて、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから選択された少なくとも1つの信号とを受信し処理する。信号選択回路は、信号品質調査回路と選択信号発生器を備える。信号品質調査回路は、それぞれが、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGの一方の信号の品質の測定値である、品質パラメータを作成する。選択信号発生器は、少なくとも品質パラメータに基づいて選択信号を作成する。
【0013】
一実施態様では、不整脈検知のための心臓信号を選択するための方法が提供される。複数の心臓信号を感知する。複数の心臓信号は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の皮下ECGを含む。それぞれが複数の心臓信号のうちの1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータが、作成される。少なくとも1つの心臓信号を、少なくとも品質パラメータに基づいて複数の心臓信号から選択する。その選択された心臓信号に基づいて不整脈を検知する。
【0014】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスと複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、心電図感知回路、無線ECG感知回路、第1の不整脈検知回路、第2の不整脈検知回路、不整脈検知確認回路を備える。心電図感知回路は、心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路は、埋込み可能な皮下電極を通して皮下ECGを感知する。第1の不整脈検知回路は、心臓内心電図から不整脈を検知する。第2の不整脈検知回路は、皮下ECGから不整脈を検知する。不整脈検知確認回路は、不整脈が第1の不整脈検知回路によって検知されたかどうか、および不整脈が第2の不整脈検知回路によって検知されたかどうかに基づいて、不整脈の検知を示すかどうかを決定する。
【0015】
一実施態様では、不整脈検知方法を提供する。心臓内心電図を感知する。皮下ECGを感知する。心臓内心電図と皮下ECGに基づいて不整脈を検知する。その不整脈の検知が、心臓内心電図と皮下ECGの両方に基づいて不整脈が検知されたかどうかに基づいて示される。
【0016】
この概要は、本出願の教示のいくつかの概観であり、本主題の排他的または網羅的な処置を意図されたものではない。本主題についてのさらなる詳細が、詳細な説明および添付の特許請求の範囲で見出される。本発明の他の態様は、そのそれぞれが限定的な意味で取られるべきではない、以下の詳細な説明を読みかつ理解し、かつその一部を形成する図面を見れば、当業者なら明らかであろう。本発明の範囲が、頭記の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される。
【0017】
必ずしも同一縮尺で描かれていない図面では、類似の符号は、いくつかの図の全体を通じて類似の構成要素を記載している。図面は一般に、一例としてであるが、限定としてではなく、本文書で議論される様々な実施態様を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特定の実施形態が一例としてその中に示されている添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に説明される、また、実施形態が組み合わせられてもよいこと、または他の実施形態が使用されてもよいこと、さらにはその構造的、論理的、電気的な変更が、本発明の精神と範囲から逸脱することなく行われてもよいことを理解されたい。以下の詳細な説明は、例を提供し、本発明の範囲は、頭記の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定義される。
【0019】
本開示での「ある」、「1つの」、または「様々な」実施形態という言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、このような参照は2つ以上の実施形態を企図していることに注意すべきである。
【0020】
本文書は、心臓への電気的治療の実施を制御する信号の1つとして無線ECGを使用するCRMシステムを議論する。無線ECGは、皮膚に付着された電極を使用することなく埋込み可能な医療デバイスによって感知された表面ECGを近似する信号を含む。本文書では、「ユーザー」は、患者を治療するためにCRMシステムを使用する医師または他の介護人を含む。「心電図」すなわち「心臓内心電図」は、心臓内または心臓上に配置された1つまたは複数の感知電極によって感知される心臓電気信号の意味する。「表面ECG」は、皮膚の外部表面上に取り付けられた電極によって感知される心臓電気信号を意味する。「無線ECG」は、表面(埋込み可能でない、皮膚接触)電極を使用することなく取得される、表面ECGを近似する信号を意味する。「皮下ECG」は、無線ECGの、ある形態であり、かつ皮下に埋め込まれた埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた電極を通してなど、皮下組織内に埋め込まれた電極を通して感知される心臓電気信号を含む。
【0021】
表面ECGは、これらの信号を生成する発生源の差のため、心臓内心電図とは形態学的に異なる。それらの対応する形態学を反映して、表面ECGは、心臓全体の電気的活動の結果生じるが、一方心臓内心電図は主に、心臓内または心臓上に配置された1つまたは複数の感知電極の近傍の領域内での心臓活動の拡大の結果生じる。皮下ECGを含むがそれに限定されない無線ECGは、表面ECGの形態を近似する形態を有し、全心臓に至るまでの、心臓のかなりの部分の電気的活動を反映している。
【0022】
以下で議論される様々な実施形態では、無線ECGは、不整脈の検知および/または分類のために使用される。検知された不整脈の正確な分類が、十分な治療が必要なときに行われることを確実にする。検知された不整脈が知られているとき、すなわち2つのタイプの不整脈のうちの1つでありそうなとき、不整脈分類は、2つのタイプの不整脈の間の識別を含んでいるであろう。たとえば、速い心室心拍数を基にして検知される頻脈は、心室性頻脈(VT)と上室性頻脈(SVT)のうちの1つである可能性がある。心室除細動ショックなどのVT治療は、頻脈がVTである場合にのみ行われるべきである。この検知された頻脈の分類は、VTをSVTと識別することを含む。SVTの適切な分類は、除細動ショックが心室に投与されることを防止し、したがって患者への不必要な不快感、およびバッテリ式の埋込み可能な治療デバイスの平均寿命の短縮を回避させる。
【0023】
本発明の主題によると、初期検知の後での分類および/または確認プロセスが、不整脈検知の強化を提供する。様々な実施形態では、速い心室心拍数の検知の後でVTをSVTから識別することによって、および/または同じVT発作の別個の検知によってVT発作の検知を確認することによって、VT検知が強化される。さらなる実施形態では、不整脈分類(識別を含む)プロセスが、同じ検知された不整脈に適用される別個の分類プロセスによって確認される。このようにして、様々な実施形態では、特定のタイプの不整脈の検知プロセスは、分類および/または確認プロセスに追従される初期検知を含む。
【0024】
図1は、CRMシステム100の部分とシステム100がその中で使用される環境の部分の実施形態の図である。CRMシステム100は、埋込み可能なシステム105と外部システム125を含むと共に、埋込み可能なシステム105と外部システム125の間の双方向通信を可能にする遠隔測定リンク115を備える。埋込み可能なシステム105は、埋込み可能な医療デバイス110と導線システム108を備える。埋込み可能な医療デバイス110は、体102の中に埋め込まれ、かつ導線システム108を介して心臓101と結合されている。埋込み可能な医療デバイス110の例は、ペース・メーカー、ペース・メーカー/除細動器、心臓再同調治療(CRT)デバイス、心臓リモデリング制御治療(RCT)デバイス、心臓モニタを含むが、それに限定されない。一実施形態では、導線システム108は、ペーシングおよび/または電気的除細動/除細動のための1つまたは複数の電極をそれぞれ備える、複数の心房導線と心室導線を備える。一実施形態では、外部システム125はプログラマを備える。別の実施形態では、外部システム125は、埋込み可能なデバイス110の近傍にある外部デバイス120と比較的離れた位置にある遠隔デバイス124を備え、かつ、外部デバイス120と遠隔デバイス124を結合する遠隔通信ネットワーク122を備える、患者管理システムである。患者管理システムは、患者の状態を監視したり治療を調節するなどの目的のために、離れた位置からの埋込み可能なシステム105へのアクセスを可能にする。一実施形態では、遠隔測定リンク115は誘導遠隔測定リンクである。代替となる実施形態では、遠隔測定リンク115は遠距離場無線周波数(RF)遠隔測定リンクである。一実施形態では、遠隔測定リンク115によって、埋込み可能な医療デバイス110から外部システム125へのデータ送信を可能にする。このことは、たとえば、埋込み可能な医療デバイス110によって取得された実時間の生理学的データを送信すること、埋込み可能な医療デバイス110によって取得された生理学的データを抽出してその中に保管すること、埋込み可能な医療デバイス110内に記録された不整脈の発現と治療の実施などの患者履歴データを抽出すること、さらに埋込み可能な医療デバイス110の動作状態を示すデータ(たとえば、バッテリ・ステータスや導線インピーダンス)を抽出することなどを含んでいる。さらなる実施形態では、遠隔測定リンク115は、外部システム125から埋込み可能な医療デバイス110へのデータ通信を可能にする。このことは、たとえば、埋込み可能な医療デバイス110を生理学的データを取得するようにプログラミングすること、埋込み可能な医療デバイス110を少なくとも1つの自己診断テスト(デバイスの動作ステータスなどに対して)を行うようにプログラミングすること、埋込み可能な医療デバイス110を少なくとも1つの治療を行うようにプログラミングすることなどを含む。
【0025】
埋込み可能な医療デバイス110は、少なくとも1つの心臓内心電図と少なくとも1つの無線ECGを感知するための回路を備える。様々な実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、心臓内心電図ベースの不整脈検知し、心臓101への電気的治療を効果的に行うための分類を補完または強化するために無線ECGを解析する。他の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECGが心臓の電気的事象を検知する目的のためにより良い信号品質に付随されているときなどに、心臓内心電図に対する代替として無線ECGを感知する。
【0026】
図2は、無線ECG感知のための、ある例示的な電極システムの図である。無線ECGを感知するための電極システムは、2つ以上の埋込み可能な電極を備える。これらの電極は、図2に示されているものを含む電極から選択されるが、それに限定されない。電極は、心臓のかなりの部分から心臓全体に至るまでの電気的活動を感知できるように選択される。
【0027】
一実施形態では、導線システム108の1つまたは複数のペーシング電極が、無線ECG感知のための1つまたは複数の電極として使用される。一実施形態では、図2に示すように、導線システム108は、心房導線208Aと心室導線208Bを備える。1つまたは複数の電極が、たとえば、心房導線208Aのチップ電極207A、心房導線208Aのリング電極209A、心室導線208Bのチップ電極207B、心室導線208Bのリング電極209Bから選択される。導線208A〜Bはそれぞれ、埋込み可能な医療デバイス110と接続される近端部と、心臓内または心外膜配置のための遠端部を有する。各チップ電極は導線の遠端部に配置される。各リング電極は、遠端部の近くに、チップ電極から所定の距離に配置される。ある特定の実施形態では、心房導線208AはRA導線であり、心室導線208BはRV導線である。別の特定の実施形態では、心房導線208AはRA導線であり、心室導線208BはLV導線である。別の特定の実施形態では、導線システム108は、1つまたは複数の心房導線のみを備える。別の特定の実施形態では、導線システム108は、1つまたは複数の心室導線のみを備える。他の特定の実施形態では、導線システム108は、2つ以上の心房導線または2つ以上の心室導線を備える。
【0028】
埋込み可能な医療デバイス110は、その回路を収容するための密閉的に密封されたカン211を備える。カン211は、体の組織との接触を受ける外部表面を有する。カン211は、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能であるカン電極214の基礎を備えるまたは提供する。カン211の外部表面の少なくとも一部分は、導電性材料で作製されている。一実施形態では、カン211は、カン電極214として使用される。ある特定の実施形態では、カン電極214は、カン211の少なくとも1つの導電性の部分を備える。別の実施形態では、カン電極214が、カン211の外部表面上に組み込まれている。カン電極214は、非導電性の層を使用してカン211のいかなる導電性の部分からも電気的に絶縁されている。ある特定の実施形態では、導体を備える密閉的に密封された貫通接続が、カン電極214とカン211内に収容された回路との間の電気的接続を可能にする。
【0029】
ヘッダ212が、カン211に取り付けられており、かつカン211内に収容された回路への電気的アクセスを可能にするコネクタを備える。一実施形態では、1つまたは複数のヘッダ電極216A〜Bが、ヘッダ内に組み込まれている。ヘッダ電極216A〜Bはそれぞれ、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能である。
【0030】
一実施形態では、2つ以上の同心電極217A〜Cが、カン211の外部表面上に組み込まれている。同心電極217A〜Cのそれぞれは、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能である。同心電極217A〜Cは、非導電性の層によってカン211の導電性の部分から絶縁され、かつ密閉的に密封された貫通接続を介してカン211内に収容された回路と接続されている。一実施形態では、内部電極と外部電極を備える2つの電極が、無線ECG感知のための同心電極217A〜Cから選択される。一実施形態では、外部電極はリング状の形状を有する。別の実施形態では、外部電極は、カン211の輪郭形状に近い形状を有する。
【0031】
一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、遠距離場RF遠隔測定のためのアンテナ213を備える。アンテナ213は、カン211内に収容された回路と電気的に接続されている。一実施形態では、アンテナ213は、ヘッダ212から突き出して、カン211の一方の側面に沿って延びている。一実施形態では、アンテナ213は、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能である、アンテナ電極218として機能するように露出された遠端部を備える金属導体を備える。
【0032】
図2に示した電極が、限定するものではなく、例として意図されていることを理解されたい。他の電極構成が、表面ECGを近似する、またはそうでない場合、診断および/または治療の目的のために有益な情報を含む信号の感知を提供する限り、使用可能である。一実施形態では、無線ECG感知のための電極は、導線システム108の1つまたは複数の導線にある電極(たとえば、電極207A、209A、207B、209B)から選択される。この実施形態では、無線ECG感知が、それらの対応する形態が、無線ECGと心臓内心電図の発生源の差を反映する点で、心電図感知とは異なることを理解されたい。無線ECG感知のための電極が、心臓のかなりの部分から電気的活動を感知することを可能にするために選択される。このことは一般に、1つの無線ECGを感知するための電極の各対が、導線システム108の各導線から1つのみの電極を備えることを意味する。ある特定の実施形態では、電極209Aと209Bが無線ECG感知のために選択される。別の特定の実施形態では、無線ECG感知のための電極は埋込み可能な皮下電極である。このような埋込み可能な皮下電極の例は、カン電極214、ヘッダ電極216A〜B、同心電極217A〜C、アンテナ電極218などの、埋込み可能な医療デバイス110上に組み込まれる電極を含むがそれに限定されない。この実施形態では、無線ECGは、皮下ECGと称され、これは、心臓のかなりの部分から心臓全体にまで至る電気的活動の結果生じる。別の実施形態では、無線ECG感知のための電極は、導線システム108の1つまたは複数の導線にある電極、および埋込み可能な医療デバイス110に組み込まれた電極から選択される。
【0033】
複数の無線ECGベクタが必要とされる様々な実施形態では、電極の複数のペアが、マルチ・チャネル(マルチ・ベクタ)無線ECG感知のために、同時にすなわち一度に選択される。ある特定の実施形態では、無線ECGベクタの1つまたは複数が、標準的なマルチ・リード表面ECG記録の1つまたは複数のベクタを近似するように感知される。別の特定の実施形態では、複数の無線ECGベクタが、特定の診断目的のための特定の情報の必要性に基づいて感知される。このような無線ECGベクタは、標準的な表面ECGベクタを必ずしも近似しない。ある特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECG感知のためのヘッダ電極216A〜Bとカン電極214を備える。埋込み可能な医療デバイス110は、(1)ヘッダ電極216A、216B、(2)ヘッダ電極216Aとカン電極214、および/または(3)ヘッダ電極216Bとカン電極214の間でECGベクタを感知するようにプログラミング可能である。別の特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECG感知のために、ヘッダ電極216A〜B、アンテナ電極218、カン電極214のうちの1つを備える。埋込み可能な医療デバイス110は、(1)ヘッダ電極216Aまたは216Bとアンテナ電極218、(2)ヘッダ電極216Aまたは216Bとカン電極214、および/または(3)アンテナ電極218とカン電極214の間でECGベクタを感知するようにプログラミング可能である。別の特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECG感知のために、ヘッダ電極216A〜B、アンテナ電極218、カン電極40を備える。埋込み可能な医療デバイス110は、(1)ヘッダ電極216A、218、(2)ヘッダ電極216Aとアンテナ電極218、(3)ヘッダ電極216Aとカン電極214、(4)ヘッダ電極216Bとアンテナ電極218、(5)ヘッダ電極216Bとカン電極214、および/または(6)アンテナ電極218とカン電極214の間でECGベクタを感知するようにプログラミング可能である。無線ECG検知のためのいずれかの電極の組合せを含む他の特定の実施形態が、考えられる診断やその他の医療上の必要性と考慮に基づいて採用されるであろう。
【0034】
ECGベクタの選択は、無線ECG感知の目的に依存する。一実施形態では、無線ECGは、心房の脱分極(P波)を検知するために感知され、信頼性の高いP波検知を提供するECGベクタが選択される。別の実施形態では、無線ECGは、心室の脱分極(R波)を検知するために感知され、信頼性の高いR波検知を提供する1つまたは複数のECGベクタが選択される。別の実施形態では、無線ECGは、すべての心臓活動の全体的な概観のために検知され、このような全体的な概観を提供する1つまたは複数のECGベクタが、単独でまたは組み合わせてのいずれかで、選択される。一実施形態では、2つ以上のECGベクタが、特定の目的のための信頼性の高い感知を提供するとき、その目的のために最も高い信号対雑音比(SNR)を示すECGベクタが選択される。たとえば、無線ECGがP波を検知するために感知された場合、P波に対して最も高いSNRを示すECGベクタが、信号が選択されるときに考慮される。
【0035】
図3は、CRMシステム300の回路の各部の実施形態を示すブロック図である。CRMシステム300は、CRMシステム100の一実施形態を表し、埋込み可能なシステム105の一実施形態である埋込み可能なシステム305と、外部システム125の一実施形態である外部システム325を備える。遠隔測定リンク115が、埋込み可能なシステム305と外部システム325の間の双方向通信を提供する。
【0036】
埋込み可能なシステム305は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス310を備える。埋込み可能な電極306は無線ECG感知のための電極であり、図2を参照にして上記で議論された2つ以上のいずれかの電極を含むが、それに限定されない。様々な実施形態では、埋込み可能な電極306の特定の構成が、無線ECG感知の特定の目的に従って選択される。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、埋込み可能な医療デバイス310に組み込まれた少なくとも1つの電極を備える。さらなる実施形態では、埋込み可能な電極306は、1つまたは複数の皮下ECGの感知するための埋込み可能な医療デバイス310に組み込まれた2つ以上の電極を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、導線システム108の導線に組み込まれた少なくとも1つの電極を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、表面ECGをそれぞれ近似する1つまたは複数の心臓内信号を感知するために導線システム108に組み込まれた2つ以上の電極を備える。埋込み可能な医療デバイス310は、埋込み可能な医療デバイス110の実施形態であり、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込み遠隔測定モジュール336、埋込みコントローラ338を備える。感知回路330は、RA、RV、LA、LVのうちの1つまたは複数から1つまたは複数の心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路332が、1つまたは複数の無線ECGを感知する。無線ECGを感知するための回路の例が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Cardiac Pacemaker.,Inc.に対して譲渡された、2004年3月5日に提出された「WIRELESS ECG IN IMPLANTABLE DEVICES」という題名の、米国特許出願整理番号第10/795,126号で議論されている。治療回路334は、治療または治療を制御する信号を供給する。一実施形態では、治療回路334は、導線システム108を通って電気エネルギーを心臓へ送る治療出力回路を備える。このような治療出力回路の例は、ペーシング回路と電気的除細動/除細動回路を含む。この実施形態では、導線システム108は、ペーシングまたは電気的除細動/除細動パルスを心臓へ送るように構成された少なくとも1つの電極を有する少なくとも1つの導線を備える。別の実施形態では、治療回路334は、1つまたは複数の化学的および/または生物学的薬剤を投与するための物質治療回路を備える。別の実施形態では、治療回路334は、別のデバイスによって行われる治療を制御するための信号を送信するための治療制御信号発生器を備える。埋込み遠隔測定モジュール336は、命令などのデータを外部システム325から受信し、取得された信号やその他のデータを外部システム325へ送信する。埋込みコントローラ338は、外部システム325から受信されたコマンド、および、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含むがそれに限定されない取得された信号を基にして、埋込み可能な医療デバイス310の動作を制御する。一実施形態では、全体的な物理的活動を示す加速度信号および/または心音、血圧信号、胸腔インピーダンス信号、血行動態性能または心臓組織または血管の特性を示すその他の信号などの、他の生理学的信号もまた、埋込み可能な医療デバイス310によって取得され、かつその動作を制御するために使用される。
【0037】
一実施形態では、診断の目的のために、1つまたは複数の無線ECGが感知され、外部システム325へ送信される。別の実施形態では、治療を開始、停止または調節することの決定のため、または治療の最適化のためなどの、診断の目的のために、1つまたは複数の無線ECGが感知され、外部システム325へ送信される。別の実施形態では、1つまたは複数の無線ECGが、埋込み可能な医療デバイス310による治療を制御する1つまたは複数の信号として使用されるように埋込みコントローラ338によって処理される。別の実施形態では、1つまたは複数の無線ECGが、埋込みコントローラ338による使用の、および外部システム325への送信のために感知される。
【0038】
外部システム325は、外部遠隔測定モジュール340、外部コントローラ342、ユーザー入力デバイス344、表示デバイス346を備える。外部遠隔測定モジュール340は、埋込み可能な医療デバイス310から取得された信号などのデータを受信し、かつ命令やその他のデータを埋込み可能な医療デバイス310へ送信する。外部コントローラ342は、外部システム325の動作を制御する。ユーザー入力デバイス344と表示デバイス346は、ユーザーがCRMシステム300の動作を制御することを可能にするユーザー・インターフェイスの一部である。ユーザー入力デバイス344は、埋込み可能な医療デバイス310と外部システム325をプログラミングするための命令やその他の情報をユーザーから受信する。一実施形態では、表示デバイス346は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む、取得された信号を表示する。さらなる実施形態では、ユーザーは、埋込み可能な医療デバイス310をプログラミングすることによって、特定の目的のために1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから1つまたは複数の信号を選択する。
【0039】
埋込み可能なシステム305の様々な特定の実施形態が、埋込み可能なデバイスを備えるCRMシステム内での無線ECG感知の適用例を示す例として、図4〜16を参照にして以下で議論される。
【0040】
(実施例1 不整脈検知強化)
図4は、無線ECGを使用した心室不整脈検知強化を可能にする回路を備える、埋込み可能なシステム405の一部分の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム405は、心臓内心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス410を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム405は埋込み可能なシステム305の一部である。
【0041】
埋込み可能な医療デバイス410は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、不整脈検知回路450、不整脈分類回路452を備える。不整脈検知回路450は、導線システム108を通して心電図感知回路330によって感知された少なくとも1つの心臓内心電図に基づいて不整脈を検知する。不整脈分類回路452は、埋込み可能な電極306を通して無線ECG感知回路332によって感知された少なくとも1つの無線ECGに基づいて検知された不整脈を分類する。たとえば、不整脈検知回路450は、心室脱分極(R波)を示す心室心電図から検知された心室律動に基づいて頻脈を検知する。不整脈分類回路452は、検知された頻脈を、検知可能な心房の脱分極(P波)を含む無線ECGから検知された心房律動に基づいてVTとSVTの一方として分類する。
【0042】
図5は、無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を可能にする回路を備える埋込み可能なシステム505の各部の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム505は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、かつ上記で議論したような埋込み可能なシステム405の全体的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム505は、心室心電図を感知し、かつ電気エネルギーを心室へ移送するための心室導線508、心房脱分極を示す無線ECGを感知するための埋込み可能な電極306、さらには埋込み可能な医療デバイス510を備える。心室導線508は、導線システム108の導線である除細動導線である。埋込み可能な医療デバイス510は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路534、埋込みコントローラ538、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、無線ECGを感知するための2つ以上の電極を備える心室除細動器である。無線ECGは、心房内に感知電極を配置する必要なしで心房活動の監視を提供する。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、皮下ECGを無線ECGとして検知するために埋込み可能な医療デバイス510上に組み込まれている。
【0043】
一実施形態では、治療回路534は、心室導線508を通って心臓へ心室電気的除細動/除細動パルスを送るための電気的除細動/除細動回路560を備える。さらなる実施形態では、治療回路534はまた、心室導線508を通って心臓へATPパルスを送るための抗頻脈ペーシング(ATP)回路562を備える。
【0044】
埋込みコントローラ538は、心室事象検知器554、心室心拍数検知器555、心室性不整脈検知器556、心房事象検知器557、心房心拍検知器558、不整脈分類回路559を備える。心室事象検知器554は、心室導線508を通して心室感知回路330によって感知された心室心電図から心室脱分極(R波)を含む心室事象を検知する。心室心拍数検知器555は、一分間にわたって検知される心室事象の数である(毎分心拍数)心室心拍数を検知する。心室性不整脈検知器556は、心室心拍数が所定の頻脈閾値心拍数を超えたときの心室性不整脈を検知する。一実施形態では、心室性不整脈検知器556は、あるタイプの心室性不整脈にそれぞれ関連する心室心拍数と所定の閾値心拍数とに基づいて2つ以上のタイプの心室性不整脈を検知する。ある特定の実施形態では、心室性不整脈検知器556は、所定の閾値VT心拍数に基づいてVTを検知するVT検知器、および所定の閾値VF心拍数に基づいてVFを検知する心室細動(VF)検知器を少なくとも備える。心房事象検知器557は、埋込み可能な電極306を通して無線ECG感知回路332によって感知された無線ECGから心房脱分極(P波)を含む心房事象を検知する。心房心拍数検知器558は、一分間にわたって検知される心房事象の数である(毎分心拍数)心房心拍数を検知する。心室性不整脈が、心室性不整脈検知器538によって検知されたとき、不整脈分類回路559が、心室起源の心室性不整脈と上室起源の心室性不整脈の間を識別することによって、検知された不整脈を分類する。不整脈分類回路559は、心房心拍数と心室心拍数を比較するための心拍数比較器を備える。心拍数比較器は、心房心拍数を受信するための入力、心室心拍数を受信するための別の入力を備え、さらに心房と心室心拍数の比較に基づいて分類された不整脈タイプを示す出力を備える。一実施形態では、心室性不整脈検知器556は、VTまたはVFを検知する。心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きい場合、不整脈分類回路559が検知されたVTまたはVFを、心室起源の頻脈または細動として分類する。不整脈が、心室不整脈検知器538によって検知され、かつ不整脈分類回路559によってVTまたはVFとして分類された後にのみ、VFまたはVTの検知が宣告または表示される。分類は、心室の電気的除細動/除細動または心室ATP治療を適用する前に、検知された不整脈が実際に心室起源であることを確認することによって、VTまたはVFの検知を強化する。一実施形態では、電気的除細動/除細動回路560が、検知された頻脈または細動が心室起源の頻脈または細動として分類された後、電気的除細動/除細動治療を行う。一実施形態では、心室心拍数と心房心拍数の間の比較に基づいたVTまたはVFの分類に加えて、埋込みコントローラ538は、治療抑制子として公知の他の検知強化機構を備える。このような治療抑制子は、心室不整脈検知器556がVTまたはVFを検知している間にある事象または状態が検知されたとき、電気的除細動/除細動治療の実施を防止する。このような治療抑制子の例が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Cardiac Pacemaker.,Inc.に対して譲渡された、米国特許第6,493,579号、「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTION ENHANCEMENT PROGRAMMING」で議論されている。一実施形態では、埋込みコントローラ538は、不整脈分類回路559が、他の治療抑制子の状態にかかわらず、心室心拍数が心房心拍数よりもかなり速いと判定した後すぐに、電気的除細動/除細動回路560に電気的除細動/除細動治療を投与させるようにプログラミングされている。言い換えれば、心室心拍数と心房心拍数の間の比較を基にした検知強化は、電気的除細動/除細動治療の実施を決定することにおいて埋込みコントローラ538内の他のすべての検知強化機構をバイパスするようにプログラミング可能である。心室導線508は、少なくとも1つの電気的除細動/除細動電極を備える。さらなる実施形態では、ATP回路562が、検知された頻脈が心室起源の頻脈として分類された後、心室ATPパルスを送る。心室導線508はさらに少なくとも1つのペーシング電極を含む。
【0045】
図6は、無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える埋込み可能なシステム605の一部分の実施形態ブロック図である。埋込み可能なシステム605は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、上記で議論したような埋込み可能なシステム405の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム605は、心室導線508、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス610を備える。埋込み可能な医療デバイス610は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路534、埋込みコントローラ638、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、無線ECGを感知するための2つ以上の電極を備える心室除細動器である。無線ECGは、感知電極を心房内に配置する必要なしに心房活動の監視を提供する。一実施形態では、埋込み可能な電極306が、皮下ECGを無線ECGとして感知するために、埋込み可能な医療デバイス610上に組み込まれている。埋込み可能な医療デバイス610は、検知されたVTの分類のために別のアプローチを使用することによって埋込み可能な医療デバイス510とは異なっている。
【0046】
埋込みコントローラ638は、心室事象検知器554、心室心拍数検知器555、心室性不整脈検知器556、心房事象検知器557、心房心拍数検知器558、心房性不整脈検知器664、不整脈分類回路665を備える。心房性不整脈検知器664は、心房心拍数が所定の頻脈閾値心拍数を超えたとき、心房性不整脈を検知する。一実施形態では、心房性不整脈検知器664は、AFを検知するための心房細動(AF)検知器を備え、かつ心房粗動などのATを検知するための心房性頻脈(AT)検知器を備える。不整脈分類回路665は、心室起源の心室性不整脈と上室起源の心室性不整脈の間を識別することによって、検知された心室性不整脈を分類するための特異性強化回路を備える。識別は、心房性不整脈が同時に検知されたかどうかに少なくとも部分的に基づいている。心房性不整脈が同時に検知されなかった場合、検知された心室性不整脈は、心室起源の不整脈として分類される。心房性不整脈が同時に検知された場合、さらなる検知および/または分類が、検知された心室性不整脈が上室起源を有するか、上室と心室起源の両方を有するかを判定するために必要とされる。一実施形態では、心室性不整脈検知器556は、VTまたはVFを検知する。AFや心房粗動を含む心房性不整脈が検知されなかった場合、不整脈分類回路559の特異性強化回路が、検知された頻脈または細動を、心室起源の頻脈または細動として分類する。AFまたは心房粗動などの心房性不整脈が検知された場合、不整脈分類回路559の特異性強化回路が、検知された頻脈または細動を上室起源または心室起源の頻脈または細動として分類するかどうかを判定するために、心室心電図の形態学ベースの解析などの追加の解析を行う。
【0047】
図7は、無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化のための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム405、埋込み可能なシステム505、または埋込み可能なシステム605などのCRMシステムによって行われる。
【0048】
心臓内心電図が、700で感知される。それと同時に、無線ECGが、710で感知される。不整脈が、720で心臓内心電図に基づいて検知される。検知された不整脈が、730で少なくとも無線ECGに基づいて分類される。一実施形態では、分類は、心室起源の不整脈と心房起源の不整脈の間の識別を含む。
【0049】
一実施形態では、心室心電図が、700で感知される。心室事象が、心室心電図から検知される。心室心拍数が、1分間にわたって検知される心室事象の数として検知される。頻脈と細動のうちの少なくとも1つが、720で心室心電図に基づいて検知される。検知された頻脈または細動を分類するために、心房事象が無線ECGから検知される。心房心拍数が、1分間にわたって検知される心房事象の数として検知される。心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きい場合、検知された頻脈または細動が心室起源の頻脈または細動として分類される。一実施形態では、心室心拍数が少なくとも所定の心拍数マージンだけ心房心拍数よりも大きい場合、検知された頻脈または細動が、心室起源の頻脈または細動として分類される。ある特定の実施形態では、心拍数マージンは、1分当たり約10拍にプログラミングされる。
【0050】
別の実施形態では、心室心電図が、700で感知される。心室事象が、心室心電図から検知される。心室心拍数が、1分間にわたって検知される心室事象の数として検知される。頻脈と細動のうちの少なくとも1つが、720で心室心電図に基づいて検知される。検知された頻脈または細動を分類するために、心房性不整脈が無線ECGから検知される。このことは、AFと心房粗動のうちの少なくとも1つの検知を含む。心房性不整脈が検知されなかった場合、検知された頻脈または細動が、VTまたはVFとして分類される。心房性不整脈が検知された場合、心室心電図の形態学解析などのさらなる解析が、検知された頻脈または細動を、心室起源または上室と心室起源の両方を有する頻脈または細動として分類するかどうかを判定するために行われる。
【0051】
一実施形態では、心室電気的除細動/除細動ショックが、検知された頻脈または細動が心室起源の頻脈または細動として分類された後、心臓へ送られる。さらなる実施形態では、心室ATPパルスが、検知された頻脈が心室起源の頻脈として分類された後、心臓へ投与される。一実施形態では、心室性不整脈検知が、心拍数比較によって、さらには心室電気的除細動/除細動ショックを阻止する必要性を示すまたは示唆する事象と状態を検知する1つまたは複数の追加の方法によって強化される。検知された頻脈または細動が、心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きいことに基づいて、心室起源の頻脈または細動として分類された場合、1つまたは複数の追加の方法によって作成されるいずれの結果にもかかわらず、心室電気的除細動/除細動ショックが直ちに送られる。
【0052】
(実施例2:導線故障モードにおけるバックアップ感知)
図8は、バックアップ感知のための無線ECGを使用する回路を備える埋込み可能なシステム805の一部分の実施形態を示すブロック図である。バックアップ感知は、心臓活動の信頼性の高い感知を通常のまたは主感知回路がもはや提供しないときに必要とされる。埋込み可能なシステム805は、心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス810を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム805は埋込み可能なシステム305の一部である。
【0053】
埋込み可能な医療デバイス810は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、スイッチ回路866、選択回路868、処理回路870を備える。心電図感知回路330は、埋込み可能な医療デバイス810のための主感知回路として使用され、かつ心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、埋込み可能な医療デバイス810のための補助感知回路として使用され、かつ無線ECGを感知する。処理回路870は、心臓内心電図と無線ECGのいずれか一方から選択された心臓信号を受信するための入力を備える。スイッチ回路866は、選択信号に従って、処理回路870の入力と、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332のうちの一方を接続する。選択信号は、心臓内心電図と無線ECGのどちらを、さらなる処理のための処理回路870へルーティングするかを決定する。選択回路868は、主感知回路が信頼性の高い感知を提供することができない故障モード標示に応答して、選択信号を作成する。故障モードは、たとえば、心電図感知のための心電図感知回路330に接続された導線の取外しか、破損の結果生じる。無線ECGは、たとえば導線問題が修正されたとき、埋め込み可能な医療デバイス810が故障モードを出るまで、故障モード動作の一部としてバックアップ感知を提供する。一実施形態では、選択回路868もまた、外部システム325から送信される命令に応答して選択信号を作成する。命令は、ユーザーの心臓信号の選択を表す。
【0054】
図9は、バックアップ感知のための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム905の一部の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム905は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、かつ上記で議論したような埋込み可能なシステム805の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム905は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス910を備える。埋込み可能な医療デバイス910は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込みコントローラ938、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306が、皮下ECGを無線ECGとして感知するために埋込み可能な医療デバイス910上に組み込まれている。
【0055】
埋込みコントローラ938は、スイッチ回路866、選択回路968、処理回路870を備える。選択回路968は、選択回路868の特定の実施形態である。一実施形態では、選択回路968は、導線故障検知器971、信号品質アナライザ972、命令受信器973を備える。別の実施形態では、選択回路968は、導線故障検知器971、信号品質アナライザ972、命令受信器973のうちのいずれか1つまたは2つを備える。導線故障検知器971は、心臓内心電図の品質にかなり影響を与える導線故障を検知する。選択回路968は、導線故障が検知されたとき、プロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。一実施形態では、導線故障検知器971は、心電図感知回路330に付加されたときの導線インピーダンスを測定するための導線インピーダンス測定回路を備える。選択回路968は、導線インピーダンスが所定の閾値インピーダンス値を超えたときにプロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。信号品質アナライザ972は、心臓内心電図の品質の測定値を解析し、かつ心臓内心電図の品質を示す品質パラメータを作成する。選択回路968は、品質パラメータが所定の閾値パラメータ値未満であるときにプロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。一実施形態では、信号品質アナライザ972は、心臓内心電図のSNRを測定するためのSNR測定回路を備える。選択回路968はSNRが所定の閾値比未満であるときに、プロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。命令受信器973が、外部システム325のユーザー入力344を通してユーザーによって入力される外部命令を受信する。選択回路968が、外部命令に基づいてプロセッサ870の入力を心電図感知回路320と無線ECG感知回路332の1つまたはと接続するための選択信号を作成する。一実施形態では、ユーザーが、表示デバイス346を通して表示された導線の問題または低い心電図品質に応答してバックアップ感知をするために無線ECGを使用することを決定する。無線ECGは、心臓内心電図感知のための導線が再接続、再配置または交換されるときなどに、心電図感知回路330による信頼性の高い心臓内心電図感知が再開されるまで、心臓内心電図に対する代替信号として働く。
【0056】
図10は、バックアップ感知のために無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム805または埋込み可能なシステム905を備えるCRMシステムによって行われる。
【0057】
心臓内心電図は、1000で、少なくとも1つの心臓内電極を備える埋込み可能な導線を通して感知される。心臓内心電図を感知する際の故障を示す故障信号が、1010で検知される。故障信号が1020で検知された場合、無線ECGが、1030で、心臓内心電図に対する代替として感知される。
【0058】
一実施形態では、故障信号は、心臓内心電図の品質にかなり影響を与える導線故障を示す信号である。ある特定の実施形態では、故障信号は、導線インピーダンスを示す信号を含む。導線インピーダンスは、心臓内心電図を感知するために使用される埋込み可能な導線の取外しまたは破損を示す。
【0059】
別の実施形態では、故障信号は、低い心電図品質を示す信号である。心臓内心電図の品質を示す品質パラメータが、心臓内心電図の解析に基づいて作成される。品質パラメータが、所定の閾値パラメータ値未満に低下したとき、故障信号が作成される。ある特定の実施形態では、心臓内心電図の品質が、心臓内心電図のSNRによって示される。SNRが所定の閾値比未満であるとき、故障信号が作成される。
【0060】
別の実施形態では、故障信号は、ユーザーによって入力される外部命令である。ユーザーは、心臓内心電図感知の信頼に影響を与える問題の情報を与えられたとき、またはこのような問題の観測の際に、心臓内心電図に対する代替として、無線ECGを使用するための命令を入力する。
【0061】
一実施形態では、故障信号は、導線故障を示す信号、低い心電図品質を示す信号、外部命令のうちのいずれか1つまたは複数を含む。無線ECGが、これらの故障信号の少なくとも1つが検知されたとき、心臓内心電図に対する代替として使用される。
【0062】
(実施例3:代替となる感知ベクタ)
図11は、代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1105の一部分の実施形態を示すブロック図である。回路は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む複数の心臓信号を感知するための感知回路を備える。複数の心臓信号のうちの少なくとも1つの心臓信号が、各心臓信号の品質などの望ましい特性に基づくさらなる処理のために選択される。埋込み可能なシステム1105は、心臓内心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1110を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム1105は、埋込み可能なシステム305の一部である。
【0063】
埋込み可能な医療デバイス1110は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、処理回路1175、信号選択回路1176を備える。心電図感知回路330は、1つまたは複数の心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、1つまたは複数の無線ECGを感知する。処理回路1175は、信号選択回路1176によって作成された選択信号に基づいて、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから少なくとも1つの心臓信号を受信し、かつ処理する。信号選択回路1176は、信号品質調査回路1177と選択信号発生器1178を備える。信号品質調査回路1177は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを解析し、かつそれぞれがこれらの心臓信号の1つの品質の測定値である品質パラメータを作成する。選択信号発生器1178は、少なくともこれらの品質パラメータに基づいて選択信号を作成する。
【0064】
図12は、代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1205の一部分の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム1205は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、かつ上記で議論したような埋込み可能なシステム1105の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム1205は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1210を備える。埋込み可能な医療デバイス1210は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込みコントローラ1238、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、皮下ECGを無線ECGとして感知するために埋込み可能な医療デバイス1210上に組み込まれている。
【0065】
埋込みコントローラ1238は、信号選択回路1176の特定の実施形態である信号選択回路1276を備える。信号選択回路1276は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む複数の心臓信号のそれぞれのSNRを測定するためのSNR測定回路1279を備える、信号品質調査回路1277を備える。選択信号発生器1178は、SNRに基づいて選択信号を作成する。命令受信器1280が、ユーザーによって入力される外部命令を受信する。一実施形態では、信号選択回路1178は、少なくともSNRと外部命令に基づいて選択信号を作成する。ある特定の実施形態では、信号選択回路1178は、外部命令によってそうしないように指令された場合を除いて、少なくともSNRに基づいて選択信号を作成する。
【0066】
一実施形態では、図12に示すように、埋込みコントローラ1238は、処理回路1175の特定の実施形態として処理回路1275を備える。処理回路1275は、不整脈検知回路1282と不整脈分類回路1284を備える。不整脈検知回路1282は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから選択された少なくとも1つの心臓信号に基づいて不整脈を検知する。不整脈分類回路1284は、様々なタイプの不整脈の間を識別することによって検知された不整脈を分類する。識別は、既知の律動の間の1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGとから選択された、少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴から測定されるテンプレート・パラメータによって表される少なくとも1つのテンプレート形態学に基づいている。一実施形態では、図12に示すように、不整脈分類回路1284は、形態学的特徴検知器1285、形態学的パラメータ発生器1286、テンプレート・パラメータ発生器1287、形態学比較器1288を備える。形態学的特徴検知器1285は形態学的特徴を検知する。形態学的パラメータ発生器1286は、検知された形態学的特徴に関連する形態学的パラメータを作成する。テンプレート・パラメータ発生器1287は、テンプレート・パラメータを作成する。形態学比較器1288は、検知された不整脈中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータをテンプレート・パラメータと比較することによって検知された不整脈を分類する。一実施形態では、テンプレート・パラメータは、NSR中に検知される形態学的特徴に基づいて作成される正常洞律動(NSR)テンプレート・パラメータである。検知された不整脈は、NSRによる識別によって分類される。別の実施形態では、テンプレート・パラメータは、ATまたはVTなどの既知のタイプの不整脈中に検知された形態学的特徴に基づいて作成される不整脈のテンプレート・パラメータである。検知された不整脈は、所定のウインドウ内の形態学マッチングによって分類される。一実施形態では、不整脈検知回路1282は、ATを検知するためのAT検知器を備える。不整脈分類回路1284は、検知されたAT中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータを、所定のSNRおよび/またはATテンプレート・パラメータと比較することによって、検知されたATをATとして分類する(すなわちAT検知を確認する)。別の実施形態では、不整脈検知回路1282は、VTを検知するためのVT検知器を備える。不整脈分類回路1284は、検知されたVT中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータを、所定のSNRおよび/またはVTテンプレート・パラメータと比較することによって、検知されたVTをVTとして分類する(すなわち、VT検知を確認する)。一実施形態では、不整脈検知回路1282は、VTを検出するVT検出器を含む。不整脈分類回路1284は、検知されたVTを、検知されたVT中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータと所定のVTテンプレート・パラメータとの比較に基づいて、VTとSVTの一方として分類する。
【0067】
一実施形態では、不整脈検知回路1282はVT検知器を備える。不整脈分類回路1284は、VT検知器によって検知された各不整脈をVTとSVTの一方として分類する。
【0068】
代替となるベクタとしての無線ECGを、心臓活動の感知を必要とする多くの目的のために使用することができること、および処理回路1275は、1つのこのような使用例を例示する一例に過ぎないことを理解されたい。
【0069】
図13は、代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用するための方法の実施形態のフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム1105または埋込み可能なシステム1205を備えるCRMシステムによって行われる。
【0070】
複数の心臓信号が1300で感知される。複数の心臓信号は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む。それぞれが1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータが、心臓信号の品質解析に基づいて1310で作成される。1つまたは複数の心臓信号が、1320で少なくとも品質パラメータに基づいて選択される。不整脈が、1330で、選択された1つまたは複数の心臓信号に基づいて検知される。
【0071】
一実施形態では、品質パラメータは、各心臓信号に対するSNRを備える。心臓信号に対するSNRが、意図された使用に関連する注目する信号成分の振幅を信号振幅として使用することによって測定される。
【0072】
一実施形態では、外部命令をユーザーから受信する。少なくとも1つの心臓信号を、少なくとも品質パラメータとユーザー命令に基づいて選択する。ある特定の実施形態では、外部命令は、1つまたは複数の心臓信号を選択することにおいて最高の優先権を有する。
【0073】
一実施形態では、検知された不整脈は、選択された1つまたは複数の心臓信号から検知された形態学的特徴に基づいて分類される。形態学的特徴を、検知された不整脈中に検知する。不整脈の形態学的パラメータを、検知された不整脈中に検知された形態学的特徴に基づいて作成する。検知された不整脈を、不整脈の形態学的パラメータを1組のテンプレート形態学的パラメータと比較することによって分類する。テンプレート形態学的パラメータを、既知の律動中に検知された形態学的特徴に基づいて作成する。一実施形態では、既知の律動はNSRである。別の実施形態では、既知の律動は既知のタイプの不整脈である。一実施形態では、少なくとも1つの心臓内心電図と少なくとも1つの無線ECGを選択し、かつ不整脈分類のために使用されるテンプレート形態学的パラメータを、少なくとも1つの心臓内心電図と少なくとも1つの無線ECGの組合せに基づいて作成する。一実施形態では、検知された不整脈を、検知の確認として分類する。ある特定の実施形態では、ATが、心房心拍数に基づいて検知され、かつ検知されたAT中に検知された形態学的特徴に基づいて確認される。別の特定の実施形態では、VTが、心室心拍数に基づいて検知され、かつ検知されたVT中に検知された形態学的特徴に基づいて確認される。別の実施形態では、VTは、心室心拍数に基づいて検知され、かつ検知されたVT中に検知された形態学的特徴に基づいてVTとSVTの一方として分類される。
【0074】
(実施例4:検知確認)
図14は、不整脈検知を確認するために無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1405の一部分の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム1405は、心臓内心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1410を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム1405は、埋込み可能なシステム305の一部である。
【0075】
埋込み可能な医療デバイス1410は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、第1の不整脈検知回路1490、第2の不整脈検知回路1491、不整脈検知確認回路1492を備える。第1の不整脈検知回路1490は、心電図感知回路330から心臓内心電図を受信し、かつ心臓内心電図に基づいて不整脈を検知する。第2の不整脈検知回路1491は、無線ECG感知回路332から無線ECGを受信し、かつ無線ECGに基づいて不整脈を検知する。一実施形態では、第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491は、同じ不整脈の発作を同時に検知するために、同一の不整脈検知形態学またはほぼ類似の不整脈検知形態学を採用している。ある特定の実施形態では、第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491がそれぞれ、心室心拍数を検知することによって心室性不整脈を検知し、検知された心室心拍数を所定の頻脈閾値心拍数と比較する。別の実施形態では、第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491は、実質上異なる不整脈検知形態学を採用している。第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491によって作成された検知の結果に基づいて、不整脈検知確認回路1492が不整脈の検知を示す。一実施形態では、不整脈検知確認回路1492が、同じタイプの不整脈が第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491によって同時に検知されたときのみ、不整脈の検知を示す。別の実施形態では、重み係数が、検知の結果に適用される。不整脈検知回路1492は、同じタイプの不整脈が第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491によって同時に検知されかどうか、および重み係数に基づいて、不整脈の検知を示す。一実施形態では、心臓内心電図と無線ECGの品質の測定値に基づいて、重み係数が作成される。ある特定の実施形態では、各不整脈検知回路に対する検知の結果に適用される重み係数が、検知のためにその不整脈検知回路によって使用される信号のSNRによって決定される。SNRが増加するとき、重み係数が増加する。他の実施形態では、心拍数ならびに/または心臓内心電図と無線ECGに対する心拍安定性の測定値によって、重み係数が決定される。
【0076】
一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス1410による不整脈検知は、分類プロセスを含む。第1の不整脈検知回路1490は、心臓内心電図に基づいて検知された不整脈を分類する第1の不整脈分類回路を備える。第2の不整脈検知回路1491は、無線ECGに基づいて検知された不整脈を分類する第2の不整脈分類回路を備える。一実施形態では、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈検出回路は、同じ不整脈の発作を同時に分類するために同じ不整脈分類形態学またはほぼ類似の不整脈分類形態学を採用している。別の実施形態では、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路は、実質上異なる不整脈分類形態学を採用している。不整脈検知確認回路1492は、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に基づいて不整脈の分類を示すための不整脈分類確認回路を備える。一実施形態では、不整脈分類確認回路は、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路が一致した分類を作成したときにのみ不整脈の分類を示す。別の実施形態では、重み係数が、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に適用される。不整脈分類確認回路が、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路が一致した分類を作成したかどうか、さらには重み係数に基づいて、不整脈の分類を示す。一実施形態では、不整脈分類確認回路によって使用される重み係数が、心臓内心電図と無線ECGの品質の測定値に基づいて作成される。ある特定の実施形態では、各不整脈分類回路に対する検知の結果に適用される重み係数が、分類のためにその不整脈分類回路によって使用される信号のSNRによって決定される。SNRが増加するとき、重み係数が増加する。他の実施形態では、心拍数ならびに/または心臓内心電図と無線ECGに対する心拍安定性の測定値によって、重み係数が決定される。
【0077】
図15は、不整脈検知を確認するための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1505の一部分の実施形態のブロック図である。埋込み可能なシステム1505は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、上記で議論したような埋込み可能なシステム1405の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム1505は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1510を備える。埋込み可能な医療デバイス1510は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込みコントローラ1538、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、皮下ECGを無線ECGとして感知するために埋込み可能な医療デバイス1510上に組み込まれている。
【0078】
埋込みコントローラ1538は、第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591を備える。一実施形態では、心電図感知回路330は心房心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、心房脱分極を示す無線ECGを感知する。第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591は、それぞれATとAFを含む心房性不整脈を検知する。別の実施形態では、心電図感知回路330は心室心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、心室脱分極を示す無線ECGを感知する。第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591はそれぞれ、VTとVFを含む心室性不整脈を検知する。第1の不整脈検知回路1590は、第1の不整脈検知回路1490の特定の実施形態であり、かつ頻脈検知回路1593と細動検知回路1594を備える。第2の不整脈検知回路1591は、第2の不整脈検知回路1491の特定の実施形態であり、かつ頻脈検知回路1595と細動検知回路1596を備える。一実施形態では、頻脈検知回路1593、1595は、それぞれAT検知器であり、細動検知回路1594、1596は、それぞれAF検知器である。別の実施形態では、頻脈検知回路1593、1595は、それぞれVT検知器であり、細動検知回路1594、1596は、それぞれVF検知器である。不整脈検知確認回路1492は、同じタイプの不整脈が第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591によって同時に検知されたとき、不整脈の検知を示す。治療回路334が、不整脈検知確認回路1492が治療を必要とする不整脈の検知を示したとき、心臓に治療を行う。
【0079】
図16は、不整脈検知を確認するために無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム1405または埋込み可能なシステム1505を備えるCRMシステムによって行われる。
【0080】
心臓内心電図が、1600で感知され、かつ不整脈が、1610で心臓内心電図に基づいて検知される。それと同時に、無線ECGが、1605で感知され、かつ不整脈が、1615で無線ECGに基づいて検知される。不整脈が、1620で心臓内心電図に基づいて検知された場合、これが、無線ECGに基づいた同じタイプの不整脈の同時の検知によって確認される。不整脈が、1625で無線ECGに基づいて検知された場合、これが、心臓内心電図に基づいて同じタイプの不整脈が検知されたかどうかに基づいて確認される。一実施形態では、同じタイプの不整脈が、1630で、心臓内心電図と無線ECGに基づいて同時に検知された場合、そのタイプの不整脈の検知が、1640で表示される。別の実施形態では、重み係数が、皮下ECGと心臓内心電図に基づいた不整脈の検知の結果に適用される。ある特定の実施形態では、重み係数が、心臓内心電図と皮下ECGのSNRに基づいて決定される。別の特定の実施形態では、重み係数は、心臓内心電図と皮下ECGから測定された心拍数に基づいて決定される。一実施形態では、心臓内心電図は、心房心電図であり、無線ECGは、心房脱分極の検知を可能にし、検知される不整脈はATとAFを含む。別の実施形態では、心臓内心電図は、心室心電図であり、無線ECGは、心室脱分極の検知を可能にし、検知される不整脈はVTとVFを含む。
【0081】
一実施形態では、不整脈検知を確認するために無線ECGを使用するための方法は、不整脈分類を確認するために無線ECGを使用することを含む。不整脈は、1610で心臓内心電図に基づいて検知され、分類され、かつそれと同時に、1615で無線ECGに基づいて検知され、分類される。不整脈が、1620で心臓内心電図に基づいて特定のタイプの不整脈として検知され、分類された場合、その分類は、無線ECGに基づいた別個の分類によって確認される。不整脈が、1625で無線ECGに基づいて特定のタイプの不整脈として検知され、分類された場合、その分類は心臓内心電図に基づいて確認される。一実施形態では、同じ特定のタイプの不整脈が、1630で心臓内心電図と無線ECGに基づいて同時に分類された場合、その特定のタイプの不整脈の分類が1640で示される。別の実施形態では、重み係数が、皮下ECGと心臓内心電図に基づいた不整脈の分類の結果に適用される。ある特定の実施形態では、分類確認のために使用される重み係数は、心臓内心電図と皮下ECGのSNRに基づいて決定される。別の特定の実施形態では、重み係数は、心臓内心電図と皮下ECGから測定された心拍数に基づいて決定される
【0082】
実施例1〜4を含む上記の詳細な説明は、限定的ではなく、例示的であるように意図されていることを理解されたい。たとえば、上記で議論したような埋込み可能なシステム305、405、505、605、805、905、1105、1205、1405、1505のシステム構成要素は、他の埋込み可能なシステムまたはデバイスを形成するために、様々な考えられる置換によって結合されてもよい。他の実施形態は、上記の説明を読み、かつ理解すれば、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、頭記の特許請求の範囲がそれに対して権利を与えられる等価物の全範囲とともに、頭記の特許請求の範囲を参照して、決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】埋込み可能なシステムおよび外部システムを備えるCRMシステム、およびCRMシステムがその中で使用される環境の一部分を示す図である。
【図2】無線ECG感知のための例示的な電極システムを示す図である。
【図3】CRMシステムの回路の一部分の実施形態のブロック図である。
【図4】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える、埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図5】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える、別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図6】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える、別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図7】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化のための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【図8】バックアップ感知のための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図9】バックアップ感知のための無線ECGを使用した回路を備える別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図10】バックアップ感知のための無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【図11】代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図12】代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図13】代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【図14】不整脈検知を確認するための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステムの一部分の実施形態を示すブロック図である。
【図15】不整脈検知を確認するために無線ECGを使用した回路を備える別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態を示すブロック図である。
【図16】不整脈検知を確認するために無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【関連出願】
【0001】
(優先権の請求)
参照によって本明細書に組み込まれる、2004年10月28日に提出された米国特許出願整理番号第10/975,166号に対して、優先権の利益が、本明細書によって請求される。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2004年7月22日に提出された「SYSTEMS,DEVICES,AND METHODS FOR TACHYARRHYTHMIA DISCRIMINATION OR THERAPY DECISIONS」という題名の、同時係属の同一出願人による米国特許出願整理番号第10/897,365号、2004年7月14日に提出された、「SELF−DIAGONOSTIC METHOD AND SYSTEM FOR IMPLANTABLE CARDIAC DEVICE」という題名の、米国特許出願整理番号第10/890,810、2004年3月5日に提出された、「WIRELESS ECG IN IMPLANTABLE DEVICES」という題名の米国特許出願整理番号第10/795,126号、2003年12月24日に提出された、「WIRELESS ECG PACE AVOIDANCE AND DISPLAY METHOD」という題名の米国特許出願整理番号第10/746,855号、2003年12月9日に提出された、「DISCRIMINATION OF SUPRAVENTRICULAR TACHYCARDIA AND VENTRICULAR TACHYCARDIA EVENTS」という題名の米国特許出願整理番号第10/731,223号、2003年1月10日に提出された、「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTION ENHANCEMENT PROGRAMMING」という題名の米国特許出願整理番号第10/339,926号、2002年11月8日に提出された「CARDIAC RHYTHM MANAGEMENT SYSTEMS AND METHODS USING MULTIPLE MORPHOLOGY TEMPLATES FOR DISCRIMINATING BETWEEN RHYTHMS」という題名の米国特許出願整理番号第10/291,200号、2001年12月18日に提出された、「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTION ENHANCEMENT PROGRAMMING」という題名の米国特許出願整理番号第10/025,958号、2001年11月13日に提出された、「APPARATUS AND METHOD FOR TREATING VENTRICULAR TACHYARRHYTHMIAS」という題名の米国特許出願整理番号第10/008,367号、および2001年10月22日に提出された「SYSTEM AND METHOD FOR ARRHYTHMIA DISCREMINATION」という題名の米国特許出願整理番号第10/014,933号に関する。これらはその全体において参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0003】
本文書は一般に、心臓律動管理(CRM)システムに関し、および特に、埋込み可能な電極を使用して埋込み可能なデバイスによって感知され、かつ表面ECGを近似する、無線心電図(EGG)を使用した心臓不整脈を検知し、分類するこのようなシステムに関するがそれに限定されない。
【背景技術】
【0004】
心臓は、人の循環系の中心である。心臓は、2つの主要なポンピング機能を行う複雑な電気機械的システムを備える。左心房(LA)と左心室(LV)を含む心臓の左側部分は、酸素を豊富に含んだ血液を肺から引き出し、それを代謝の必要性を有する組織に酸素を供給するために体の組織へ送り出す。右心房(RA)と右心室(RV)を含む心臓の右側部分は、酸素の少ない血液を器官から引き出し、それを血液が酸素を与えられる肺内へ送り出す。これらの機械的ポンピング機構は心筋(心臓筋肉)の収縮によって達成される。正常な電気系を有する心臓では、洞結節、心臓の自然のペース・メーカーが、体の代謝要求に応答した速度で、活動電位と呼ばれる電気信号を発生させる。活動電位は、電気伝導系を通って心臓の様々な領域へ伝播して、これらの領域内の心筋組織を励起させる。正常な電気伝導系内の活動電位の伝播の調整された遅延が、ポンピング機能が効率的に行われるように、心臓の様々な領域を同調して収縮させる。電気系が異常に機能するとき、心臓は、異常に遅いまたは異常に速い、または1つまたは複数の心臓領域での収縮が無秩序かつ非同期である速度で収縮することがある。このような状態は、心臓不整脈として公知である。心臓不整脈は、循環系内の血流を減少させ、したがって、体の代謝要求を満たすために不十分な酸素供給を結果として生じさせる。
【0005】
不整脈は、埋込み可能なCRMデバイスによって投与される様々なタイプのペーシング治療、電気的除細動治療、除細動治療を含むがそれに限定されない治療によって処置される。十分なタイミングで適切なタイプの治療を行うために、心電図と呼ばれる、1つまたは複数の生体電位信号が、心臓律動が異常になったときの不整脈のタイプを含む、心臓律動を示すために感知される。心臓内心電図は、心臓内または心臓上に配置された少なくとも1つの電極によって感知される。電極の位置に応じて、心臓内心電図は、ある特定の心臓領域の局所化された電気的活動を示す。ある状況下では、局所化された電気的活動は、その不整脈の源ではなく、進行中の不整脈を示すことがある。また、心臓内心電図ベースの不整脈検知の信頼性は、体の運動または環境的な要素によって生じる、ノイズまたは心臓と感知回路の間の電気的接続の不良によって危うくされる。
【0006】
心臓不整脈の治療の効果を強化するために、心臓内心電図ベースの不整脈検知の強化に対する必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
CRMシステムは、埋込み可能な電極によって感知され、かつ表面ECGを近似する信号である無線ECGを使用して心臓内心電図ベースの不整脈検知を強化する。一実施態様では、無線ECGは、皮下に埋め込まれている埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた電極など、皮下組織に埋め込まれた電極を通して感知される皮下ECGである。
【0008】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスおよび複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、心電図感知回路、無線ECG感知回路、不整脈検知回路、不整脈分類回路を備える。心電図感知回路は、心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路は、埋込み可能な皮下電極を通して皮下ECGを感知する。不整脈検知回路は、心臓内心電図に基づいて不整脈を検知する。不整脈分類回路は、少なくとも皮下ECGに基づいて検知された不整脈を分類する。
【0009】
一実施態様では、心臓律動を解析するための方法が提供される。心臓内心電図と皮下ECGを感知する。不整脈を、心臓内心電図に基づいて検知する。検知された不整脈が、少なくとも皮下ECGに基づいて分類される。
【0010】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスと複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、主感知回路、補助感知回路、処理回路、スイッチ回路、選択回路を備える。主感知回路は、心臓内心電図を感知するための心電図感知回路を備える。補助感知回路は、埋込み可能な皮下電極を通して皮下ECGを感知するための無線ECG感知回路を備える。処理回路は、心臓内心電図と皮下ECGのうちの一方である信号を受信する。スイッチ回路は、選択回路から選択信号を受信し、かつ選択信号に従って、主感知回路と補助感知回路のうちの一方を処理回路に接続する。
【0011】
一実施態様では、心臓信号感知のための方法を提供する。心臓内心電図を、埋込み可能な導線を通して感知する。心臓内心電図の感知における故障を示す故障信号を検知する。故障信号が検知された場合、皮下ECGを、心臓内心電図に対する代替として感知する。
【0012】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスと複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、感知回路、処理回路、信号選択回路を備える。感知回路は、1つまたは複数の心臓内心電図を感知するための心電図感知回路を備え、かつ埋込み可能な皮下電極を通して1つまたは複数の皮下ECGを感知するための無線ECG感知回路を備える。処理回路は、選択信号に基づいて、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから選択された少なくとも1つの信号とを受信し処理する。信号選択回路は、信号品質調査回路と選択信号発生器を備える。信号品質調査回路は、それぞれが、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGの一方の信号の品質の測定値である、品質パラメータを作成する。選択信号発生器は、少なくとも品質パラメータに基づいて選択信号を作成する。
【0013】
一実施態様では、不整脈検知のための心臓信号を選択するための方法が提供される。複数の心臓信号を感知する。複数の心臓信号は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の皮下ECGを含む。それぞれが複数の心臓信号のうちの1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータが、作成される。少なくとも1つの心臓信号を、少なくとも品質パラメータに基づいて複数の心臓信号から選択する。その選択された心臓信号に基づいて不整脈を検知する。
【0014】
一実施態様では、CRMシステムは、埋込み可能な医療デバイスと複数の埋込み可能な皮下電極を備える。埋込み可能な医療デバイスは、心電図感知回路、無線ECG感知回路、第1の不整脈検知回路、第2の不整脈検知回路、不整脈検知確認回路を備える。心電図感知回路は、心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路は、埋込み可能な皮下電極を通して皮下ECGを感知する。第1の不整脈検知回路は、心臓内心電図から不整脈を検知する。第2の不整脈検知回路は、皮下ECGから不整脈を検知する。不整脈検知確認回路は、不整脈が第1の不整脈検知回路によって検知されたかどうか、および不整脈が第2の不整脈検知回路によって検知されたかどうかに基づいて、不整脈の検知を示すかどうかを決定する。
【0015】
一実施態様では、不整脈検知方法を提供する。心臓内心電図を感知する。皮下ECGを感知する。心臓内心電図と皮下ECGに基づいて不整脈を検知する。その不整脈の検知が、心臓内心電図と皮下ECGの両方に基づいて不整脈が検知されたかどうかに基づいて示される。
【0016】
この概要は、本出願の教示のいくつかの概観であり、本主題の排他的または網羅的な処置を意図されたものではない。本主題についてのさらなる詳細が、詳細な説明および添付の特許請求の範囲で見出される。本発明の他の態様は、そのそれぞれが限定的な意味で取られるべきではない、以下の詳細な説明を読みかつ理解し、かつその一部を形成する図面を見れば、当業者なら明らかであろう。本発明の範囲が、頭記の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される。
【0017】
必ずしも同一縮尺で描かれていない図面では、類似の符号は、いくつかの図の全体を通じて類似の構成要素を記載している。図面は一般に、一例としてであるが、限定としてではなく、本文書で議論される様々な実施態様を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特定の実施形態が一例としてその中に示されている添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に説明される、また、実施形態が組み合わせられてもよいこと、または他の実施形態が使用されてもよいこと、さらにはその構造的、論理的、電気的な変更が、本発明の精神と範囲から逸脱することなく行われてもよいことを理解されたい。以下の詳細な説明は、例を提供し、本発明の範囲は、頭記の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定義される。
【0019】
本開示での「ある」、「1つの」、または「様々な」実施形態という言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、このような参照は2つ以上の実施形態を企図していることに注意すべきである。
【0020】
本文書は、心臓への電気的治療の実施を制御する信号の1つとして無線ECGを使用するCRMシステムを議論する。無線ECGは、皮膚に付着された電極を使用することなく埋込み可能な医療デバイスによって感知された表面ECGを近似する信号を含む。本文書では、「ユーザー」は、患者を治療するためにCRMシステムを使用する医師または他の介護人を含む。「心電図」すなわち「心臓内心電図」は、心臓内または心臓上に配置された1つまたは複数の感知電極によって感知される心臓電気信号の意味する。「表面ECG」は、皮膚の外部表面上に取り付けられた電極によって感知される心臓電気信号を意味する。「無線ECG」は、表面(埋込み可能でない、皮膚接触)電極を使用することなく取得される、表面ECGを近似する信号を意味する。「皮下ECG」は、無線ECGの、ある形態であり、かつ皮下に埋め込まれた埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた電極を通してなど、皮下組織内に埋め込まれた電極を通して感知される心臓電気信号を含む。
【0021】
表面ECGは、これらの信号を生成する発生源の差のため、心臓内心電図とは形態学的に異なる。それらの対応する形態学を反映して、表面ECGは、心臓全体の電気的活動の結果生じるが、一方心臓内心電図は主に、心臓内または心臓上に配置された1つまたは複数の感知電極の近傍の領域内での心臓活動の拡大の結果生じる。皮下ECGを含むがそれに限定されない無線ECGは、表面ECGの形態を近似する形態を有し、全心臓に至るまでの、心臓のかなりの部分の電気的活動を反映している。
【0022】
以下で議論される様々な実施形態では、無線ECGは、不整脈の検知および/または分類のために使用される。検知された不整脈の正確な分類が、十分な治療が必要なときに行われることを確実にする。検知された不整脈が知られているとき、すなわち2つのタイプの不整脈のうちの1つでありそうなとき、不整脈分類は、2つのタイプの不整脈の間の識別を含んでいるであろう。たとえば、速い心室心拍数を基にして検知される頻脈は、心室性頻脈(VT)と上室性頻脈(SVT)のうちの1つである可能性がある。心室除細動ショックなどのVT治療は、頻脈がVTである場合にのみ行われるべきである。この検知された頻脈の分類は、VTをSVTと識別することを含む。SVTの適切な分類は、除細動ショックが心室に投与されることを防止し、したがって患者への不必要な不快感、およびバッテリ式の埋込み可能な治療デバイスの平均寿命の短縮を回避させる。
【0023】
本発明の主題によると、初期検知の後での分類および/または確認プロセスが、不整脈検知の強化を提供する。様々な実施形態では、速い心室心拍数の検知の後でVTをSVTから識別することによって、および/または同じVT発作の別個の検知によってVT発作の検知を確認することによって、VT検知が強化される。さらなる実施形態では、不整脈分類(識別を含む)プロセスが、同じ検知された不整脈に適用される別個の分類プロセスによって確認される。このようにして、様々な実施形態では、特定のタイプの不整脈の検知プロセスは、分類および/または確認プロセスに追従される初期検知を含む。
【0024】
図1は、CRMシステム100の部分とシステム100がその中で使用される環境の部分の実施形態の図である。CRMシステム100は、埋込み可能なシステム105と外部システム125を含むと共に、埋込み可能なシステム105と外部システム125の間の双方向通信を可能にする遠隔測定リンク115を備える。埋込み可能なシステム105は、埋込み可能な医療デバイス110と導線システム108を備える。埋込み可能な医療デバイス110は、体102の中に埋め込まれ、かつ導線システム108を介して心臓101と結合されている。埋込み可能な医療デバイス110の例は、ペース・メーカー、ペース・メーカー/除細動器、心臓再同調治療(CRT)デバイス、心臓リモデリング制御治療(RCT)デバイス、心臓モニタを含むが、それに限定されない。一実施形態では、導線システム108は、ペーシングおよび/または電気的除細動/除細動のための1つまたは複数の電極をそれぞれ備える、複数の心房導線と心室導線を備える。一実施形態では、外部システム125はプログラマを備える。別の実施形態では、外部システム125は、埋込み可能なデバイス110の近傍にある外部デバイス120と比較的離れた位置にある遠隔デバイス124を備え、かつ、外部デバイス120と遠隔デバイス124を結合する遠隔通信ネットワーク122を備える、患者管理システムである。患者管理システムは、患者の状態を監視したり治療を調節するなどの目的のために、離れた位置からの埋込み可能なシステム105へのアクセスを可能にする。一実施形態では、遠隔測定リンク115は誘導遠隔測定リンクである。代替となる実施形態では、遠隔測定リンク115は遠距離場無線周波数(RF)遠隔測定リンクである。一実施形態では、遠隔測定リンク115によって、埋込み可能な医療デバイス110から外部システム125へのデータ送信を可能にする。このことは、たとえば、埋込み可能な医療デバイス110によって取得された実時間の生理学的データを送信すること、埋込み可能な医療デバイス110によって取得された生理学的データを抽出してその中に保管すること、埋込み可能な医療デバイス110内に記録された不整脈の発現と治療の実施などの患者履歴データを抽出すること、さらに埋込み可能な医療デバイス110の動作状態を示すデータ(たとえば、バッテリ・ステータスや導線インピーダンス)を抽出することなどを含んでいる。さらなる実施形態では、遠隔測定リンク115は、外部システム125から埋込み可能な医療デバイス110へのデータ通信を可能にする。このことは、たとえば、埋込み可能な医療デバイス110を生理学的データを取得するようにプログラミングすること、埋込み可能な医療デバイス110を少なくとも1つの自己診断テスト(デバイスの動作ステータスなどに対して)を行うようにプログラミングすること、埋込み可能な医療デバイス110を少なくとも1つの治療を行うようにプログラミングすることなどを含む。
【0025】
埋込み可能な医療デバイス110は、少なくとも1つの心臓内心電図と少なくとも1つの無線ECGを感知するための回路を備える。様々な実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、心臓内心電図ベースの不整脈検知し、心臓101への電気的治療を効果的に行うための分類を補完または強化するために無線ECGを解析する。他の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECGが心臓の電気的事象を検知する目的のためにより良い信号品質に付随されているときなどに、心臓内心電図に対する代替として無線ECGを感知する。
【0026】
図2は、無線ECG感知のための、ある例示的な電極システムの図である。無線ECGを感知するための電極システムは、2つ以上の埋込み可能な電極を備える。これらの電極は、図2に示されているものを含む電極から選択されるが、それに限定されない。電極は、心臓のかなりの部分から心臓全体に至るまでの電気的活動を感知できるように選択される。
【0027】
一実施形態では、導線システム108の1つまたは複数のペーシング電極が、無線ECG感知のための1つまたは複数の電極として使用される。一実施形態では、図2に示すように、導線システム108は、心房導線208Aと心室導線208Bを備える。1つまたは複数の電極が、たとえば、心房導線208Aのチップ電極207A、心房導線208Aのリング電極209A、心室導線208Bのチップ電極207B、心室導線208Bのリング電極209Bから選択される。導線208A〜Bはそれぞれ、埋込み可能な医療デバイス110と接続される近端部と、心臓内または心外膜配置のための遠端部を有する。各チップ電極は導線の遠端部に配置される。各リング電極は、遠端部の近くに、チップ電極から所定の距離に配置される。ある特定の実施形態では、心房導線208AはRA導線であり、心室導線208BはRV導線である。別の特定の実施形態では、心房導線208AはRA導線であり、心室導線208BはLV導線である。別の特定の実施形態では、導線システム108は、1つまたは複数の心房導線のみを備える。別の特定の実施形態では、導線システム108は、1つまたは複数の心室導線のみを備える。他の特定の実施形態では、導線システム108は、2つ以上の心房導線または2つ以上の心室導線を備える。
【0028】
埋込み可能な医療デバイス110は、その回路を収容するための密閉的に密封されたカン211を備える。カン211は、体の組織との接触を受ける外部表面を有する。カン211は、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能であるカン電極214の基礎を備えるまたは提供する。カン211の外部表面の少なくとも一部分は、導電性材料で作製されている。一実施形態では、カン211は、カン電極214として使用される。ある特定の実施形態では、カン電極214は、カン211の少なくとも1つの導電性の部分を備える。別の実施形態では、カン電極214が、カン211の外部表面上に組み込まれている。カン電極214は、非導電性の層を使用してカン211のいかなる導電性の部分からも電気的に絶縁されている。ある特定の実施形態では、導体を備える密閉的に密封された貫通接続が、カン電極214とカン211内に収容された回路との間の電気的接続を可能にする。
【0029】
ヘッダ212が、カン211に取り付けられており、かつカン211内に収容された回路への電気的アクセスを可能にするコネクタを備える。一実施形態では、1つまたは複数のヘッダ電極216A〜Bが、ヘッダ内に組み込まれている。ヘッダ電極216A〜Bはそれぞれ、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能である。
【0030】
一実施形態では、2つ以上の同心電極217A〜Cが、カン211の外部表面上に組み込まれている。同心電極217A〜Cのそれぞれは、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能である。同心電極217A〜Cは、非導電性の層によってカン211の導電性の部分から絶縁され、かつ密閉的に密封された貫通接続を介してカン211内に収容された回路と接続されている。一実施形態では、内部電極と外部電極を備える2つの電極が、無線ECG感知のための同心電極217A〜Cから選択される。一実施形態では、外部電極はリング状の形状を有する。別の実施形態では、外部電極は、カン211の輪郭形状に近い形状を有する。
【0031】
一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、遠距離場RF遠隔測定のためのアンテナ213を備える。アンテナ213は、カン211内に収容された回路と電気的に接続されている。一実施形態では、アンテナ213は、ヘッダ212から突き出して、カン211の一方の側面に沿って延びている。一実施形態では、アンテナ213は、無線ECG感知のための電極の1つとして選択可能である、アンテナ電極218として機能するように露出された遠端部を備える金属導体を備える。
【0032】
図2に示した電極が、限定するものではなく、例として意図されていることを理解されたい。他の電極構成が、表面ECGを近似する、またはそうでない場合、診断および/または治療の目的のために有益な情報を含む信号の感知を提供する限り、使用可能である。一実施形態では、無線ECG感知のための電極は、導線システム108の1つまたは複数の導線にある電極(たとえば、電極207A、209A、207B、209B)から選択される。この実施形態では、無線ECG感知が、それらの対応する形態が、無線ECGと心臓内心電図の発生源の差を反映する点で、心電図感知とは異なることを理解されたい。無線ECG感知のための電極が、心臓のかなりの部分から電気的活動を感知することを可能にするために選択される。このことは一般に、1つの無線ECGを感知するための電極の各対が、導線システム108の各導線から1つのみの電極を備えることを意味する。ある特定の実施形態では、電極209Aと209Bが無線ECG感知のために選択される。別の特定の実施形態では、無線ECG感知のための電極は埋込み可能な皮下電極である。このような埋込み可能な皮下電極の例は、カン電極214、ヘッダ電極216A〜B、同心電極217A〜C、アンテナ電極218などの、埋込み可能な医療デバイス110上に組み込まれる電極を含むがそれに限定されない。この実施形態では、無線ECGは、皮下ECGと称され、これは、心臓のかなりの部分から心臓全体にまで至る電気的活動の結果生じる。別の実施形態では、無線ECG感知のための電極は、導線システム108の1つまたは複数の導線にある電極、および埋込み可能な医療デバイス110に組み込まれた電極から選択される。
【0033】
複数の無線ECGベクタが必要とされる様々な実施形態では、電極の複数のペアが、マルチ・チャネル(マルチ・ベクタ)無線ECG感知のために、同時にすなわち一度に選択される。ある特定の実施形態では、無線ECGベクタの1つまたは複数が、標準的なマルチ・リード表面ECG記録の1つまたは複数のベクタを近似するように感知される。別の特定の実施形態では、複数の無線ECGベクタが、特定の診断目的のための特定の情報の必要性に基づいて感知される。このような無線ECGベクタは、標準的な表面ECGベクタを必ずしも近似しない。ある特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECG感知のためのヘッダ電極216A〜Bとカン電極214を備える。埋込み可能な医療デバイス110は、(1)ヘッダ電極216A、216B、(2)ヘッダ電極216Aとカン電極214、および/または(3)ヘッダ電極216Bとカン電極214の間でECGベクタを感知するようにプログラミング可能である。別の特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECG感知のために、ヘッダ電極216A〜B、アンテナ電極218、カン電極214のうちの1つを備える。埋込み可能な医療デバイス110は、(1)ヘッダ電極216Aまたは216Bとアンテナ電極218、(2)ヘッダ電極216Aまたは216Bとカン電極214、および/または(3)アンテナ電極218とカン電極214の間でECGベクタを感知するようにプログラミング可能である。別の特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス110は、無線ECG感知のために、ヘッダ電極216A〜B、アンテナ電極218、カン電極40を備える。埋込み可能な医療デバイス110は、(1)ヘッダ電極216A、218、(2)ヘッダ電極216Aとアンテナ電極218、(3)ヘッダ電極216Aとカン電極214、(4)ヘッダ電極216Bとアンテナ電極218、(5)ヘッダ電極216Bとカン電極214、および/または(6)アンテナ電極218とカン電極214の間でECGベクタを感知するようにプログラミング可能である。無線ECG検知のためのいずれかの電極の組合せを含む他の特定の実施形態が、考えられる診断やその他の医療上の必要性と考慮に基づいて採用されるであろう。
【0034】
ECGベクタの選択は、無線ECG感知の目的に依存する。一実施形態では、無線ECGは、心房の脱分極(P波)を検知するために感知され、信頼性の高いP波検知を提供するECGベクタが選択される。別の実施形態では、無線ECGは、心室の脱分極(R波)を検知するために感知され、信頼性の高いR波検知を提供する1つまたは複数のECGベクタが選択される。別の実施形態では、無線ECGは、すべての心臓活動の全体的な概観のために検知され、このような全体的な概観を提供する1つまたは複数のECGベクタが、単独でまたは組み合わせてのいずれかで、選択される。一実施形態では、2つ以上のECGベクタが、特定の目的のための信頼性の高い感知を提供するとき、その目的のために最も高い信号対雑音比(SNR)を示すECGベクタが選択される。たとえば、無線ECGがP波を検知するために感知された場合、P波に対して最も高いSNRを示すECGベクタが、信号が選択されるときに考慮される。
【0035】
図3は、CRMシステム300の回路の各部の実施形態を示すブロック図である。CRMシステム300は、CRMシステム100の一実施形態を表し、埋込み可能なシステム105の一実施形態である埋込み可能なシステム305と、外部システム125の一実施形態である外部システム325を備える。遠隔測定リンク115が、埋込み可能なシステム305と外部システム325の間の双方向通信を提供する。
【0036】
埋込み可能なシステム305は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス310を備える。埋込み可能な電極306は無線ECG感知のための電極であり、図2を参照にして上記で議論された2つ以上のいずれかの電極を含むが、それに限定されない。様々な実施形態では、埋込み可能な電極306の特定の構成が、無線ECG感知の特定の目的に従って選択される。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、埋込み可能な医療デバイス310に組み込まれた少なくとも1つの電極を備える。さらなる実施形態では、埋込み可能な電極306は、1つまたは複数の皮下ECGの感知するための埋込み可能な医療デバイス310に組み込まれた2つ以上の電極を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、導線システム108の導線に組み込まれた少なくとも1つの電極を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、表面ECGをそれぞれ近似する1つまたは複数の心臓内信号を感知するために導線システム108に組み込まれた2つ以上の電極を備える。埋込み可能な医療デバイス310は、埋込み可能な医療デバイス110の実施形態であり、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込み遠隔測定モジュール336、埋込みコントローラ338を備える。感知回路330は、RA、RV、LA、LVのうちの1つまたは複数から1つまたは複数の心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路332が、1つまたは複数の無線ECGを感知する。無線ECGを感知するための回路の例が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Cardiac Pacemaker.,Inc.に対して譲渡された、2004年3月5日に提出された「WIRELESS ECG IN IMPLANTABLE DEVICES」という題名の、米国特許出願整理番号第10/795,126号で議論されている。治療回路334は、治療または治療を制御する信号を供給する。一実施形態では、治療回路334は、導線システム108を通って電気エネルギーを心臓へ送る治療出力回路を備える。このような治療出力回路の例は、ペーシング回路と電気的除細動/除細動回路を含む。この実施形態では、導線システム108は、ペーシングまたは電気的除細動/除細動パルスを心臓へ送るように構成された少なくとも1つの電極を有する少なくとも1つの導線を備える。別の実施形態では、治療回路334は、1つまたは複数の化学的および/または生物学的薬剤を投与するための物質治療回路を備える。別の実施形態では、治療回路334は、別のデバイスによって行われる治療を制御するための信号を送信するための治療制御信号発生器を備える。埋込み遠隔測定モジュール336は、命令などのデータを外部システム325から受信し、取得された信号やその他のデータを外部システム325へ送信する。埋込みコントローラ338は、外部システム325から受信されたコマンド、および、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含むがそれに限定されない取得された信号を基にして、埋込み可能な医療デバイス310の動作を制御する。一実施形態では、全体的な物理的活動を示す加速度信号および/または心音、血圧信号、胸腔インピーダンス信号、血行動態性能または心臓組織または血管の特性を示すその他の信号などの、他の生理学的信号もまた、埋込み可能な医療デバイス310によって取得され、かつその動作を制御するために使用される。
【0037】
一実施形態では、診断の目的のために、1つまたは複数の無線ECGが感知され、外部システム325へ送信される。別の実施形態では、治療を開始、停止または調節することの決定のため、または治療の最適化のためなどの、診断の目的のために、1つまたは複数の無線ECGが感知され、外部システム325へ送信される。別の実施形態では、1つまたは複数の無線ECGが、埋込み可能な医療デバイス310による治療を制御する1つまたは複数の信号として使用されるように埋込みコントローラ338によって処理される。別の実施形態では、1つまたは複数の無線ECGが、埋込みコントローラ338による使用の、および外部システム325への送信のために感知される。
【0038】
外部システム325は、外部遠隔測定モジュール340、外部コントローラ342、ユーザー入力デバイス344、表示デバイス346を備える。外部遠隔測定モジュール340は、埋込み可能な医療デバイス310から取得された信号などのデータを受信し、かつ命令やその他のデータを埋込み可能な医療デバイス310へ送信する。外部コントローラ342は、外部システム325の動作を制御する。ユーザー入力デバイス344と表示デバイス346は、ユーザーがCRMシステム300の動作を制御することを可能にするユーザー・インターフェイスの一部である。ユーザー入力デバイス344は、埋込み可能な医療デバイス310と外部システム325をプログラミングするための命令やその他の情報をユーザーから受信する。一実施形態では、表示デバイス346は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む、取得された信号を表示する。さらなる実施形態では、ユーザーは、埋込み可能な医療デバイス310をプログラミングすることによって、特定の目的のために1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから1つまたは複数の信号を選択する。
【0039】
埋込み可能なシステム305の様々な特定の実施形態が、埋込み可能なデバイスを備えるCRMシステム内での無線ECG感知の適用例を示す例として、図4〜16を参照にして以下で議論される。
【0040】
(実施例1 不整脈検知強化)
図4は、無線ECGを使用した心室不整脈検知強化を可能にする回路を備える、埋込み可能なシステム405の一部分の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム405は、心臓内心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス410を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム405は埋込み可能なシステム305の一部である。
【0041】
埋込み可能な医療デバイス410は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、不整脈検知回路450、不整脈分類回路452を備える。不整脈検知回路450は、導線システム108を通して心電図感知回路330によって感知された少なくとも1つの心臓内心電図に基づいて不整脈を検知する。不整脈分類回路452は、埋込み可能な電極306を通して無線ECG感知回路332によって感知された少なくとも1つの無線ECGに基づいて検知された不整脈を分類する。たとえば、不整脈検知回路450は、心室脱分極(R波)を示す心室心電図から検知された心室律動に基づいて頻脈を検知する。不整脈分類回路452は、検知された頻脈を、検知可能な心房の脱分極(P波)を含む無線ECGから検知された心房律動に基づいてVTとSVTの一方として分類する。
【0042】
図5は、無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を可能にする回路を備える埋込み可能なシステム505の各部の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム505は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、かつ上記で議論したような埋込み可能なシステム405の全体的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム505は、心室心電図を感知し、かつ電気エネルギーを心室へ移送するための心室導線508、心房脱分極を示す無線ECGを感知するための埋込み可能な電極306、さらには埋込み可能な医療デバイス510を備える。心室導線508は、導線システム108の導線である除細動導線である。埋込み可能な医療デバイス510は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路534、埋込みコントローラ538、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、無線ECGを感知するための2つ以上の電極を備える心室除細動器である。無線ECGは、心房内に感知電極を配置する必要なしで心房活動の監視を提供する。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、皮下ECGを無線ECGとして検知するために埋込み可能な医療デバイス510上に組み込まれている。
【0043】
一実施形態では、治療回路534は、心室導線508を通って心臓へ心室電気的除細動/除細動パルスを送るための電気的除細動/除細動回路560を備える。さらなる実施形態では、治療回路534はまた、心室導線508を通って心臓へATPパルスを送るための抗頻脈ペーシング(ATP)回路562を備える。
【0044】
埋込みコントローラ538は、心室事象検知器554、心室心拍数検知器555、心室性不整脈検知器556、心房事象検知器557、心房心拍検知器558、不整脈分類回路559を備える。心室事象検知器554は、心室導線508を通して心室感知回路330によって感知された心室心電図から心室脱分極(R波)を含む心室事象を検知する。心室心拍数検知器555は、一分間にわたって検知される心室事象の数である(毎分心拍数)心室心拍数を検知する。心室性不整脈検知器556は、心室心拍数が所定の頻脈閾値心拍数を超えたときの心室性不整脈を検知する。一実施形態では、心室性不整脈検知器556は、あるタイプの心室性不整脈にそれぞれ関連する心室心拍数と所定の閾値心拍数とに基づいて2つ以上のタイプの心室性不整脈を検知する。ある特定の実施形態では、心室性不整脈検知器556は、所定の閾値VT心拍数に基づいてVTを検知するVT検知器、および所定の閾値VF心拍数に基づいてVFを検知する心室細動(VF)検知器を少なくとも備える。心房事象検知器557は、埋込み可能な電極306を通して無線ECG感知回路332によって感知された無線ECGから心房脱分極(P波)を含む心房事象を検知する。心房心拍数検知器558は、一分間にわたって検知される心房事象の数である(毎分心拍数)心房心拍数を検知する。心室性不整脈が、心室性不整脈検知器538によって検知されたとき、不整脈分類回路559が、心室起源の心室性不整脈と上室起源の心室性不整脈の間を識別することによって、検知された不整脈を分類する。不整脈分類回路559は、心房心拍数と心室心拍数を比較するための心拍数比較器を備える。心拍数比較器は、心房心拍数を受信するための入力、心室心拍数を受信するための別の入力を備え、さらに心房と心室心拍数の比較に基づいて分類された不整脈タイプを示す出力を備える。一実施形態では、心室性不整脈検知器556は、VTまたはVFを検知する。心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きい場合、不整脈分類回路559が検知されたVTまたはVFを、心室起源の頻脈または細動として分類する。不整脈が、心室不整脈検知器538によって検知され、かつ不整脈分類回路559によってVTまたはVFとして分類された後にのみ、VFまたはVTの検知が宣告または表示される。分類は、心室の電気的除細動/除細動または心室ATP治療を適用する前に、検知された不整脈が実際に心室起源であることを確認することによって、VTまたはVFの検知を強化する。一実施形態では、電気的除細動/除細動回路560が、検知された頻脈または細動が心室起源の頻脈または細動として分類された後、電気的除細動/除細動治療を行う。一実施形態では、心室心拍数と心房心拍数の間の比較に基づいたVTまたはVFの分類に加えて、埋込みコントローラ538は、治療抑制子として公知の他の検知強化機構を備える。このような治療抑制子は、心室不整脈検知器556がVTまたはVFを検知している間にある事象または状態が検知されたとき、電気的除細動/除細動治療の実施を防止する。このような治療抑制子の例が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Cardiac Pacemaker.,Inc.に対して譲渡された、米国特許第6,493,579号、「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTION ENHANCEMENT PROGRAMMING」で議論されている。一実施形態では、埋込みコントローラ538は、不整脈分類回路559が、他の治療抑制子の状態にかかわらず、心室心拍数が心房心拍数よりもかなり速いと判定した後すぐに、電気的除細動/除細動回路560に電気的除細動/除細動治療を投与させるようにプログラミングされている。言い換えれば、心室心拍数と心房心拍数の間の比較を基にした検知強化は、電気的除細動/除細動治療の実施を決定することにおいて埋込みコントローラ538内の他のすべての検知強化機構をバイパスするようにプログラミング可能である。心室導線508は、少なくとも1つの電気的除細動/除細動電極を備える。さらなる実施形態では、ATP回路562が、検知された頻脈が心室起源の頻脈として分類された後、心室ATPパルスを送る。心室導線508はさらに少なくとも1つのペーシング電極を含む。
【0045】
図6は、無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える埋込み可能なシステム605の一部分の実施形態ブロック図である。埋込み可能なシステム605は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、上記で議論したような埋込み可能なシステム405の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム605は、心室導線508、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス610を備える。埋込み可能な医療デバイス610は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路534、埋込みコントローラ638、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、無線ECGを感知するための2つ以上の電極を備える心室除細動器である。無線ECGは、感知電極を心房内に配置する必要なしに心房活動の監視を提供する。一実施形態では、埋込み可能な電極306が、皮下ECGを無線ECGとして感知するために、埋込み可能な医療デバイス610上に組み込まれている。埋込み可能な医療デバイス610は、検知されたVTの分類のために別のアプローチを使用することによって埋込み可能な医療デバイス510とは異なっている。
【0046】
埋込みコントローラ638は、心室事象検知器554、心室心拍数検知器555、心室性不整脈検知器556、心房事象検知器557、心房心拍数検知器558、心房性不整脈検知器664、不整脈分類回路665を備える。心房性不整脈検知器664は、心房心拍数が所定の頻脈閾値心拍数を超えたとき、心房性不整脈を検知する。一実施形態では、心房性不整脈検知器664は、AFを検知するための心房細動(AF)検知器を備え、かつ心房粗動などのATを検知するための心房性頻脈(AT)検知器を備える。不整脈分類回路665は、心室起源の心室性不整脈と上室起源の心室性不整脈の間を識別することによって、検知された心室性不整脈を分類するための特異性強化回路を備える。識別は、心房性不整脈が同時に検知されたかどうかに少なくとも部分的に基づいている。心房性不整脈が同時に検知されなかった場合、検知された心室性不整脈は、心室起源の不整脈として分類される。心房性不整脈が同時に検知された場合、さらなる検知および/または分類が、検知された心室性不整脈が上室起源を有するか、上室と心室起源の両方を有するかを判定するために必要とされる。一実施形態では、心室性不整脈検知器556は、VTまたはVFを検知する。AFや心房粗動を含む心房性不整脈が検知されなかった場合、不整脈分類回路559の特異性強化回路が、検知された頻脈または細動を、心室起源の頻脈または細動として分類する。AFまたは心房粗動などの心房性不整脈が検知された場合、不整脈分類回路559の特異性強化回路が、検知された頻脈または細動を上室起源または心室起源の頻脈または細動として分類するかどうかを判定するために、心室心電図の形態学ベースの解析などの追加の解析を行う。
【0047】
図7は、無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化のための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム405、埋込み可能なシステム505、または埋込み可能なシステム605などのCRMシステムによって行われる。
【0048】
心臓内心電図が、700で感知される。それと同時に、無線ECGが、710で感知される。不整脈が、720で心臓内心電図に基づいて検知される。検知された不整脈が、730で少なくとも無線ECGに基づいて分類される。一実施形態では、分類は、心室起源の不整脈と心房起源の不整脈の間の識別を含む。
【0049】
一実施形態では、心室心電図が、700で感知される。心室事象が、心室心電図から検知される。心室心拍数が、1分間にわたって検知される心室事象の数として検知される。頻脈と細動のうちの少なくとも1つが、720で心室心電図に基づいて検知される。検知された頻脈または細動を分類するために、心房事象が無線ECGから検知される。心房心拍数が、1分間にわたって検知される心房事象の数として検知される。心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きい場合、検知された頻脈または細動が心室起源の頻脈または細動として分類される。一実施形態では、心室心拍数が少なくとも所定の心拍数マージンだけ心房心拍数よりも大きい場合、検知された頻脈または細動が、心室起源の頻脈または細動として分類される。ある特定の実施形態では、心拍数マージンは、1分当たり約10拍にプログラミングされる。
【0050】
別の実施形態では、心室心電図が、700で感知される。心室事象が、心室心電図から検知される。心室心拍数が、1分間にわたって検知される心室事象の数として検知される。頻脈と細動のうちの少なくとも1つが、720で心室心電図に基づいて検知される。検知された頻脈または細動を分類するために、心房性不整脈が無線ECGから検知される。このことは、AFと心房粗動のうちの少なくとも1つの検知を含む。心房性不整脈が検知されなかった場合、検知された頻脈または細動が、VTまたはVFとして分類される。心房性不整脈が検知された場合、心室心電図の形態学解析などのさらなる解析が、検知された頻脈または細動を、心室起源または上室と心室起源の両方を有する頻脈または細動として分類するかどうかを判定するために行われる。
【0051】
一実施形態では、心室電気的除細動/除細動ショックが、検知された頻脈または細動が心室起源の頻脈または細動として分類された後、心臓へ送られる。さらなる実施形態では、心室ATPパルスが、検知された頻脈が心室起源の頻脈として分類された後、心臓へ投与される。一実施形態では、心室性不整脈検知が、心拍数比較によって、さらには心室電気的除細動/除細動ショックを阻止する必要性を示すまたは示唆する事象と状態を検知する1つまたは複数の追加の方法によって強化される。検知された頻脈または細動が、心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きいことに基づいて、心室起源の頻脈または細動として分類された場合、1つまたは複数の追加の方法によって作成されるいずれの結果にもかかわらず、心室電気的除細動/除細動ショックが直ちに送られる。
【0052】
(実施例2:導線故障モードにおけるバックアップ感知)
図8は、バックアップ感知のための無線ECGを使用する回路を備える埋込み可能なシステム805の一部分の実施形態を示すブロック図である。バックアップ感知は、心臓活動の信頼性の高い感知を通常のまたは主感知回路がもはや提供しないときに必要とされる。埋込み可能なシステム805は、心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス810を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム805は埋込み可能なシステム305の一部である。
【0053】
埋込み可能な医療デバイス810は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、スイッチ回路866、選択回路868、処理回路870を備える。心電図感知回路330は、埋込み可能な医療デバイス810のための主感知回路として使用され、かつ心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、埋込み可能な医療デバイス810のための補助感知回路として使用され、かつ無線ECGを感知する。処理回路870は、心臓内心電図と無線ECGのいずれか一方から選択された心臓信号を受信するための入力を備える。スイッチ回路866は、選択信号に従って、処理回路870の入力と、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332のうちの一方を接続する。選択信号は、心臓内心電図と無線ECGのどちらを、さらなる処理のための処理回路870へルーティングするかを決定する。選択回路868は、主感知回路が信頼性の高い感知を提供することができない故障モード標示に応答して、選択信号を作成する。故障モードは、たとえば、心電図感知のための心電図感知回路330に接続された導線の取外しか、破損の結果生じる。無線ECGは、たとえば導線問題が修正されたとき、埋め込み可能な医療デバイス810が故障モードを出るまで、故障モード動作の一部としてバックアップ感知を提供する。一実施形態では、選択回路868もまた、外部システム325から送信される命令に応答して選択信号を作成する。命令は、ユーザーの心臓信号の選択を表す。
【0054】
図9は、バックアップ感知のための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム905の一部の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム905は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、かつ上記で議論したような埋込み可能なシステム805の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム905は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス910を備える。埋込み可能な医療デバイス910は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込みコントローラ938、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306が、皮下ECGを無線ECGとして感知するために埋込み可能な医療デバイス910上に組み込まれている。
【0055】
埋込みコントローラ938は、スイッチ回路866、選択回路968、処理回路870を備える。選択回路968は、選択回路868の特定の実施形態である。一実施形態では、選択回路968は、導線故障検知器971、信号品質アナライザ972、命令受信器973を備える。別の実施形態では、選択回路968は、導線故障検知器971、信号品質アナライザ972、命令受信器973のうちのいずれか1つまたは2つを備える。導線故障検知器971は、心臓内心電図の品質にかなり影響を与える導線故障を検知する。選択回路968は、導線故障が検知されたとき、プロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。一実施形態では、導線故障検知器971は、心電図感知回路330に付加されたときの導線インピーダンスを測定するための導線インピーダンス測定回路を備える。選択回路968は、導線インピーダンスが所定の閾値インピーダンス値を超えたときにプロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。信号品質アナライザ972は、心臓内心電図の品質の測定値を解析し、かつ心臓内心電図の品質を示す品質パラメータを作成する。選択回路968は、品質パラメータが所定の閾値パラメータ値未満であるときにプロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。一実施形態では、信号品質アナライザ972は、心臓内心電図のSNRを測定するためのSNR測定回路を備える。選択回路968はSNRが所定の閾値比未満であるときに、プロセッサ870の入力を無線ECG感知回路332と接続するための選択信号を作成する。命令受信器973が、外部システム325のユーザー入力344を通してユーザーによって入力される外部命令を受信する。選択回路968が、外部命令に基づいてプロセッサ870の入力を心電図感知回路320と無線ECG感知回路332の1つまたはと接続するための選択信号を作成する。一実施形態では、ユーザーが、表示デバイス346を通して表示された導線の問題または低い心電図品質に応答してバックアップ感知をするために無線ECGを使用することを決定する。無線ECGは、心臓内心電図感知のための導線が再接続、再配置または交換されるときなどに、心電図感知回路330による信頼性の高い心臓内心電図感知が再開されるまで、心臓内心電図に対する代替信号として働く。
【0056】
図10は、バックアップ感知のために無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム805または埋込み可能なシステム905を備えるCRMシステムによって行われる。
【0057】
心臓内心電図は、1000で、少なくとも1つの心臓内電極を備える埋込み可能な導線を通して感知される。心臓内心電図を感知する際の故障を示す故障信号が、1010で検知される。故障信号が1020で検知された場合、無線ECGが、1030で、心臓内心電図に対する代替として感知される。
【0058】
一実施形態では、故障信号は、心臓内心電図の品質にかなり影響を与える導線故障を示す信号である。ある特定の実施形態では、故障信号は、導線インピーダンスを示す信号を含む。導線インピーダンスは、心臓内心電図を感知するために使用される埋込み可能な導線の取外しまたは破損を示す。
【0059】
別の実施形態では、故障信号は、低い心電図品質を示す信号である。心臓内心電図の品質を示す品質パラメータが、心臓内心電図の解析に基づいて作成される。品質パラメータが、所定の閾値パラメータ値未満に低下したとき、故障信号が作成される。ある特定の実施形態では、心臓内心電図の品質が、心臓内心電図のSNRによって示される。SNRが所定の閾値比未満であるとき、故障信号が作成される。
【0060】
別の実施形態では、故障信号は、ユーザーによって入力される外部命令である。ユーザーは、心臓内心電図感知の信頼に影響を与える問題の情報を与えられたとき、またはこのような問題の観測の際に、心臓内心電図に対する代替として、無線ECGを使用するための命令を入力する。
【0061】
一実施形態では、故障信号は、導線故障を示す信号、低い心電図品質を示す信号、外部命令のうちのいずれか1つまたは複数を含む。無線ECGが、これらの故障信号の少なくとも1つが検知されたとき、心臓内心電図に対する代替として使用される。
【0062】
(実施例3:代替となる感知ベクタ)
図11は、代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1105の一部分の実施形態を示すブロック図である。回路は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む複数の心臓信号を感知するための感知回路を備える。複数の心臓信号のうちの少なくとも1つの心臓信号が、各心臓信号の品質などの望ましい特性に基づくさらなる処理のために選択される。埋込み可能なシステム1105は、心臓内心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1110を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム1105は、埋込み可能なシステム305の一部である。
【0063】
埋込み可能な医療デバイス1110は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、処理回路1175、信号選択回路1176を備える。心電図感知回路330は、1つまたは複数の心臓内心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、1つまたは複数の無線ECGを感知する。処理回路1175は、信号選択回路1176によって作成された選択信号に基づいて、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから少なくとも1つの心臓信号を受信し、かつ処理する。信号選択回路1176は、信号品質調査回路1177と選択信号発生器1178を備える。信号品質調査回路1177は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを解析し、かつそれぞれがこれらの心臓信号の1つの品質の測定値である品質パラメータを作成する。選択信号発生器1178は、少なくともこれらの品質パラメータに基づいて選択信号を作成する。
【0064】
図12は、代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1205の一部分の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム1205は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、かつ上記で議論したような埋込み可能なシステム1105の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム1205は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1210を備える。埋込み可能な医療デバイス1210は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込みコントローラ1238、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、皮下ECGを無線ECGとして感知するために埋込み可能な医療デバイス1210上に組み込まれている。
【0065】
埋込みコントローラ1238は、信号選択回路1176の特定の実施形態である信号選択回路1276を備える。信号選択回路1276は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む複数の心臓信号のそれぞれのSNRを測定するためのSNR測定回路1279を備える、信号品質調査回路1277を備える。選択信号発生器1178は、SNRに基づいて選択信号を作成する。命令受信器1280が、ユーザーによって入力される外部命令を受信する。一実施形態では、信号選択回路1178は、少なくともSNRと外部命令に基づいて選択信号を作成する。ある特定の実施形態では、信号選択回路1178は、外部命令によってそうしないように指令された場合を除いて、少なくともSNRに基づいて選択信号を作成する。
【0066】
一実施形態では、図12に示すように、埋込みコントローラ1238は、処理回路1175の特定の実施形態として処理回路1275を備える。処理回路1275は、不整脈検知回路1282と不整脈分類回路1284を備える。不整脈検知回路1282は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGから選択された少なくとも1つの心臓信号に基づいて不整脈を検知する。不整脈分類回路1284は、様々なタイプの不整脈の間を識別することによって検知された不整脈を分類する。識別は、既知の律動の間の1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGとから選択された、少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴から測定されるテンプレート・パラメータによって表される少なくとも1つのテンプレート形態学に基づいている。一実施形態では、図12に示すように、不整脈分類回路1284は、形態学的特徴検知器1285、形態学的パラメータ発生器1286、テンプレート・パラメータ発生器1287、形態学比較器1288を備える。形態学的特徴検知器1285は形態学的特徴を検知する。形態学的パラメータ発生器1286は、検知された形態学的特徴に関連する形態学的パラメータを作成する。テンプレート・パラメータ発生器1287は、テンプレート・パラメータを作成する。形態学比較器1288は、検知された不整脈中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータをテンプレート・パラメータと比較することによって検知された不整脈を分類する。一実施形態では、テンプレート・パラメータは、NSR中に検知される形態学的特徴に基づいて作成される正常洞律動(NSR)テンプレート・パラメータである。検知された不整脈は、NSRによる識別によって分類される。別の実施形態では、テンプレート・パラメータは、ATまたはVTなどの既知のタイプの不整脈中に検知された形態学的特徴に基づいて作成される不整脈のテンプレート・パラメータである。検知された不整脈は、所定のウインドウ内の形態学マッチングによって分類される。一実施形態では、不整脈検知回路1282は、ATを検知するためのAT検知器を備える。不整脈分類回路1284は、検知されたAT中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータを、所定のSNRおよび/またはATテンプレート・パラメータと比較することによって、検知されたATをATとして分類する(すなわちAT検知を確認する)。別の実施形態では、不整脈検知回路1282は、VTを検知するためのVT検知器を備える。不整脈分類回路1284は、検知されたVT中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータを、所定のSNRおよび/またはVTテンプレート・パラメータと比較することによって、検知されたVTをVTとして分類する(すなわち、VT検知を確認する)。一実施形態では、不整脈検知回路1282は、VTを検出するVT検出器を含む。不整脈分類回路1284は、検知されたVTを、検知されたVT中に検知された形態学的特徴から測定された形態学的パラメータと所定のVTテンプレート・パラメータとの比較に基づいて、VTとSVTの一方として分類する。
【0067】
一実施形態では、不整脈検知回路1282はVT検知器を備える。不整脈分類回路1284は、VT検知器によって検知された各不整脈をVTとSVTの一方として分類する。
【0068】
代替となるベクタとしての無線ECGを、心臓活動の感知を必要とする多くの目的のために使用することができること、および処理回路1275は、1つのこのような使用例を例示する一例に過ぎないことを理解されたい。
【0069】
図13は、代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用するための方法の実施形態のフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム1105または埋込み可能なシステム1205を備えるCRMシステムによって行われる。
【0070】
複数の心臓信号が1300で感知される。複数の心臓信号は、1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の無線ECGを含む。それぞれが1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータが、心臓信号の品質解析に基づいて1310で作成される。1つまたは複数の心臓信号が、1320で少なくとも品質パラメータに基づいて選択される。不整脈が、1330で、選択された1つまたは複数の心臓信号に基づいて検知される。
【0071】
一実施形態では、品質パラメータは、各心臓信号に対するSNRを備える。心臓信号に対するSNRが、意図された使用に関連する注目する信号成分の振幅を信号振幅として使用することによって測定される。
【0072】
一実施形態では、外部命令をユーザーから受信する。少なくとも1つの心臓信号を、少なくとも品質パラメータとユーザー命令に基づいて選択する。ある特定の実施形態では、外部命令は、1つまたは複数の心臓信号を選択することにおいて最高の優先権を有する。
【0073】
一実施形態では、検知された不整脈は、選択された1つまたは複数の心臓信号から検知された形態学的特徴に基づいて分類される。形態学的特徴を、検知された不整脈中に検知する。不整脈の形態学的パラメータを、検知された不整脈中に検知された形態学的特徴に基づいて作成する。検知された不整脈を、不整脈の形態学的パラメータを1組のテンプレート形態学的パラメータと比較することによって分類する。テンプレート形態学的パラメータを、既知の律動中に検知された形態学的特徴に基づいて作成する。一実施形態では、既知の律動はNSRである。別の実施形態では、既知の律動は既知のタイプの不整脈である。一実施形態では、少なくとも1つの心臓内心電図と少なくとも1つの無線ECGを選択し、かつ不整脈分類のために使用されるテンプレート形態学的パラメータを、少なくとも1つの心臓内心電図と少なくとも1つの無線ECGの組合せに基づいて作成する。一実施形態では、検知された不整脈を、検知の確認として分類する。ある特定の実施形態では、ATが、心房心拍数に基づいて検知され、かつ検知されたAT中に検知された形態学的特徴に基づいて確認される。別の特定の実施形態では、VTが、心室心拍数に基づいて検知され、かつ検知されたVT中に検知された形態学的特徴に基づいて確認される。別の実施形態では、VTは、心室心拍数に基づいて検知され、かつ検知されたVT中に検知された形態学的特徴に基づいてVTとSVTの一方として分類される。
【0074】
(実施例4:検知確認)
図14は、不整脈検知を確認するために無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1405の一部分の実施形態を示すブロック図である。埋込み可能なシステム1405は、心臓内心電図感知のための導線システム108、無線ECG感知のための埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1410を備える。一実施形態では、埋込み可能なシステム1405は、埋込み可能なシステム305の一部である。
【0075】
埋込み可能な医療デバイス1410は、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、第1の不整脈検知回路1490、第2の不整脈検知回路1491、不整脈検知確認回路1492を備える。第1の不整脈検知回路1490は、心電図感知回路330から心臓内心電図を受信し、かつ心臓内心電図に基づいて不整脈を検知する。第2の不整脈検知回路1491は、無線ECG感知回路332から無線ECGを受信し、かつ無線ECGに基づいて不整脈を検知する。一実施形態では、第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491は、同じ不整脈の発作を同時に検知するために、同一の不整脈検知形態学またはほぼ類似の不整脈検知形態学を採用している。ある特定の実施形態では、第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491がそれぞれ、心室心拍数を検知することによって心室性不整脈を検知し、検知された心室心拍数を所定の頻脈閾値心拍数と比較する。別の実施形態では、第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491は、実質上異なる不整脈検知形態学を採用している。第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491によって作成された検知の結果に基づいて、不整脈検知確認回路1492が不整脈の検知を示す。一実施形態では、不整脈検知確認回路1492が、同じタイプの不整脈が第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491によって同時に検知されたときのみ、不整脈の検知を示す。別の実施形態では、重み係数が、検知の結果に適用される。不整脈検知回路1492は、同じタイプの不整脈が第1の不整脈検知回路1490と第2の不整脈検知回路1491によって同時に検知されかどうか、および重み係数に基づいて、不整脈の検知を示す。一実施形態では、心臓内心電図と無線ECGの品質の測定値に基づいて、重み係数が作成される。ある特定の実施形態では、各不整脈検知回路に対する検知の結果に適用される重み係数が、検知のためにその不整脈検知回路によって使用される信号のSNRによって決定される。SNRが増加するとき、重み係数が増加する。他の実施形態では、心拍数ならびに/または心臓内心電図と無線ECGに対する心拍安定性の測定値によって、重み係数が決定される。
【0076】
一実施形態では、埋込み可能な医療デバイス1410による不整脈検知は、分類プロセスを含む。第1の不整脈検知回路1490は、心臓内心電図に基づいて検知された不整脈を分類する第1の不整脈分類回路を備える。第2の不整脈検知回路1491は、無線ECGに基づいて検知された不整脈を分類する第2の不整脈分類回路を備える。一実施形態では、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈検出回路は、同じ不整脈の発作を同時に分類するために同じ不整脈分類形態学またはほぼ類似の不整脈分類形態学を採用している。別の実施形態では、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路は、実質上異なる不整脈分類形態学を採用している。不整脈検知確認回路1492は、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に基づいて不整脈の分類を示すための不整脈分類確認回路を備える。一実施形態では、不整脈分類確認回路は、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路が一致した分類を作成したときにのみ不整脈の分類を示す。別の実施形態では、重み係数が、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に適用される。不整脈分類確認回路が、第1の不整脈分類回路と第2の不整脈分類回路が一致した分類を作成したかどうか、さらには重み係数に基づいて、不整脈の分類を示す。一実施形態では、不整脈分類確認回路によって使用される重み係数が、心臓内心電図と無線ECGの品質の測定値に基づいて作成される。ある特定の実施形態では、各不整脈分類回路に対する検知の結果に適用される重み係数が、分類のためにその不整脈分類回路によって使用される信号のSNRによって決定される。SNRが増加するとき、重み係数が増加する。他の実施形態では、心拍数ならびに/または心臓内心電図と無線ECGに対する心拍安定性の測定値によって、重み係数が決定される。
【0077】
図15は、不整脈検知を確認するための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステム1505の一部分の実施形態のブロック図である。埋込み可能なシステム1505は、埋込み可能なシステム305の特定の実施形態であり、上記で議論したような埋込み可能なシステム1405の一般的な概念、構造、機能を組み込んでいる。埋込み可能なシステム1505は、導線システム108、埋込み可能な電極306、埋込み可能な医療デバイス1510を備える。埋込み可能な医療デバイス1510は、埋込み可能な医療デバイス310の特定の実施形態であり、かつ、心電図感知回路330、無線ECG感知回路332、治療回路334、埋込みコントローラ1538、埋込み遠隔測定モジュール336を備える。一実施形態では、埋込み可能な電極306は、皮下ECGを無線ECGとして感知するために埋込み可能な医療デバイス1510上に組み込まれている。
【0078】
埋込みコントローラ1538は、第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591を備える。一実施形態では、心電図感知回路330は心房心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、心房脱分極を示す無線ECGを感知する。第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591は、それぞれATとAFを含む心房性不整脈を検知する。別の実施形態では、心電図感知回路330は心室心電図を感知する。無線ECG感知回路332は、心室脱分極を示す無線ECGを感知する。第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591はそれぞれ、VTとVFを含む心室性不整脈を検知する。第1の不整脈検知回路1590は、第1の不整脈検知回路1490の特定の実施形態であり、かつ頻脈検知回路1593と細動検知回路1594を備える。第2の不整脈検知回路1591は、第2の不整脈検知回路1491の特定の実施形態であり、かつ頻脈検知回路1595と細動検知回路1596を備える。一実施形態では、頻脈検知回路1593、1595は、それぞれAT検知器であり、細動検知回路1594、1596は、それぞれAF検知器である。別の実施形態では、頻脈検知回路1593、1595は、それぞれVT検知器であり、細動検知回路1594、1596は、それぞれVF検知器である。不整脈検知確認回路1492は、同じタイプの不整脈が第1の不整脈検知回路1590と第2の不整脈検知回路1591によって同時に検知されたとき、不整脈の検知を示す。治療回路334が、不整脈検知確認回路1492が治療を必要とする不整脈の検知を示したとき、心臓に治療を行う。
【0079】
図16は、不整脈検知を確認するために無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法は、埋込み可能なシステム1405または埋込み可能なシステム1505を備えるCRMシステムによって行われる。
【0080】
心臓内心電図が、1600で感知され、かつ不整脈が、1610で心臓内心電図に基づいて検知される。それと同時に、無線ECGが、1605で感知され、かつ不整脈が、1615で無線ECGに基づいて検知される。不整脈が、1620で心臓内心電図に基づいて検知された場合、これが、無線ECGに基づいた同じタイプの不整脈の同時の検知によって確認される。不整脈が、1625で無線ECGに基づいて検知された場合、これが、心臓内心電図に基づいて同じタイプの不整脈が検知されたかどうかに基づいて確認される。一実施形態では、同じタイプの不整脈が、1630で、心臓内心電図と無線ECGに基づいて同時に検知された場合、そのタイプの不整脈の検知が、1640で表示される。別の実施形態では、重み係数が、皮下ECGと心臓内心電図に基づいた不整脈の検知の結果に適用される。ある特定の実施形態では、重み係数が、心臓内心電図と皮下ECGのSNRに基づいて決定される。別の特定の実施形態では、重み係数は、心臓内心電図と皮下ECGから測定された心拍数に基づいて決定される。一実施形態では、心臓内心電図は、心房心電図であり、無線ECGは、心房脱分極の検知を可能にし、検知される不整脈はATとAFを含む。別の実施形態では、心臓内心電図は、心室心電図であり、無線ECGは、心室脱分極の検知を可能にし、検知される不整脈はVTとVFを含む。
【0081】
一実施形態では、不整脈検知を確認するために無線ECGを使用するための方法は、不整脈分類を確認するために無線ECGを使用することを含む。不整脈は、1610で心臓内心電図に基づいて検知され、分類され、かつそれと同時に、1615で無線ECGに基づいて検知され、分類される。不整脈が、1620で心臓内心電図に基づいて特定のタイプの不整脈として検知され、分類された場合、その分類は、無線ECGに基づいた別個の分類によって確認される。不整脈が、1625で無線ECGに基づいて特定のタイプの不整脈として検知され、分類された場合、その分類は心臓内心電図に基づいて確認される。一実施形態では、同じ特定のタイプの不整脈が、1630で心臓内心電図と無線ECGに基づいて同時に分類された場合、その特定のタイプの不整脈の分類が1640で示される。別の実施形態では、重み係数が、皮下ECGと心臓内心電図に基づいた不整脈の分類の結果に適用される。ある特定の実施形態では、分類確認のために使用される重み係数は、心臓内心電図と皮下ECGのSNRに基づいて決定される。別の特定の実施形態では、重み係数は、心臓内心電図と皮下ECGから測定された心拍数に基づいて決定される
【0082】
実施例1〜4を含む上記の詳細な説明は、限定的ではなく、例示的であるように意図されていることを理解されたい。たとえば、上記で議論したような埋込み可能なシステム305、405、505、605、805、905、1105、1205、1405、1505のシステム構成要素は、他の埋込み可能なシステムまたはデバイスを形成するために、様々な考えられる置換によって結合されてもよい。他の実施形態は、上記の説明を読み、かつ理解すれば、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、頭記の特許請求の範囲がそれに対して権利を与えられる等価物の全範囲とともに、頭記の特許請求の範囲を参照して、決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】埋込み可能なシステムおよび外部システムを備えるCRMシステム、およびCRMシステムがその中で使用される環境の一部分を示す図である。
【図2】無線ECG感知のための例示的な電極システムを示す図である。
【図3】CRMシステムの回路の一部分の実施形態のブロック図である。
【図4】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える、埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図5】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える、別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図6】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化を提供する回路を備える、別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図7】無線ECGを使用した心室性不整脈検知強化のための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【図8】バックアップ感知のための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図9】バックアップ感知のための無線ECGを使用した回路を備える別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図10】バックアップ感知のための無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【図11】代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図12】代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用した回路を備える別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態のブロック図である。
【図13】代替となる感知ベクタとして無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【図14】不整脈検知を確認するための無線ECGを使用した回路を備える埋込み可能なシステムの一部分の実施形態を示すブロック図である。
【図15】不整脈検知を確認するために無線ECGを使用した回路を備える別の埋込み可能なシステムの一部分の実施形態を示すブロック図である。
【図16】不整脈検知を確認するために無線ECGを使用するための方法の実施形態を示すフロー・チャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓内心電図を感知するための心電図感知回路と、
皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路と、
前記心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するために、前記心電図感知回路に結合された第1の不整脈検知回路と、
少なくとも前記皮下ECGを基にして前記検知された不整脈を分類するために、前記無線ECG感知回路と前記不整脈検知回路に結合された、不整脈分類回路とを備える埋込み可能な医療デバイスと、
前記無線ECG感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項2】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた少なくとも1つの電極を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記心電図感知回路に結合された心室導線をさらに備え、前記心室導線が、心室心電図を感知するための1つまたは複数の心室電極を備え、かつ前記第1の不整脈検知回路が心室性不整脈検知器を備える前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記心室性不整脈検知器が、心室性頻脈検知器と心室細動検知器のうちの1つまたは複数を備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記埋込み可能な医療デバイスは、前記不整脈分類回路に結合され、心室性頻脈と心室細動のうちの少なくとも1つとして検知された不整脈が分類されたとき電気的除細動/除細動回路ショックを送るために、電気的除細動/除細動回路をさらに備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記埋込み可能な医療デバイスが、前記検知された不整脈が心室性頻脈として分類されたときATPパルスを送るために、前記不整脈分類回路に結合された抗頻脈ペーシング(ATP)回路をさらに備える請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記埋込み可能な医療デバイスが、
前記心電図感知回路に結合され、前記心室心電図から心室事象を検知するための心室事象検知器と、
前記心室事象検知器に結合され、心室心拍数を検知するための心室心拍数検知器と、
前記無線ECG感知回路に結合され、前記皮下ECGから心房事象を検知するための心房事象検知器と、
前記心房事象検知器に結合され、心房心拍数を検知するための心房心拍数検知器と
をさらに備え、
前記不整脈分類回路が、心房心拍数を受信するための第1の入力、心室心拍数を受信するための第2の入力、心房心拍数と心室心拍数の間の比較に基づいて分類された不整脈タイプを示す出力を備える心拍数比較器を備える
請求項3から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記埋込み可能な医療デバイスが心房性不整脈検知器を備える第2の不整脈検知回路をさらに備え、かつ前記不整脈分類回路が、少なくとも心房性不整脈が検知されたかどうかに基づいて前記検知された不整脈を分類するように構成された特異性強化回路を備える
請求項3から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記心房性不整脈検知器が心房性頻脈検知器と心房細動検知器のうちの1つまたは複数を備え、かつ前記特異性強化回路が、少なくとも心房性頻脈と心房細動のうちの少なくとも1つが検知されたかどうかに基づいて、前記検知された不整脈を分類するように構成されている請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイス上に組み込まれ、かつ心房脱分極を感知するように構成されている複数の皮下電極を備える請求項3から9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
心臓内心電図を感知するステップと、
埋込み可能な皮下電極を使用して皮下心電図(ECG)を感知するステップと、
心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するステップと、
少なくとも前記皮下ECGに基づいて、前記検知された不整脈を分類するステップとを
含む心臓律動を解析するための方法。
【請求項12】
前記心臓内心電図を感知するステップが、心室心電図を感知するステップを含み、かつ前記不整脈を検知するステップが、心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検知された不整脈が、心室性頻脈と心室細動のうちの1つとして分類された場合、心室電気的除細動/除細動ショックを送るステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記不整脈を検知するステップが、
前記心室心電図から心室事象を検知するステップと、
所定の時間にわたって検知される心室事象の数である心室心拍数を検知するステップと、
心室心拍数を所定の閾値心室心拍数と比較するステップと、
心室心拍数が前記所定の閾値心室心拍数を超えたとき、不整脈の検知を示すステップと
を含む請求項12と13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
前記皮下ECGから心房事象を検知するステップと、
前記所定の時間にわたって検知される心房事象の数である心房心拍数を検知するステップと、
心房心拍数と心室心拍数を比較するステップと、
心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きいとき、前記不整脈を心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数として分類するステップと
を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
心室電気的除細動/除細動ショックの供給を阻止する必要性を示すまたは示唆する、1つまたは複数の事象または状態を検知するステップをさらに含み、かつ前記心室電気的除細動/除細動ショックを送るステップが、前記検知された不整脈が、前記1つまたは複数の事象または状態が検知されたかどうかにかかわらず、心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きいことに基づいて心室性頻脈と心室細動のうちの一方として分類された場合、心室電気的除細動/除細動ショックを送るステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
不整脈を分類するステップが、心室心拍数が、少なくとも所定の心拍数マージンだけ心房心拍数よりも大きいとき、不整脈を心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数として分類するステップを含む請求項15と16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記心拍数マージンを、1分当たり約10拍にプログラミングするステップをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
心房性不整脈を前記皮下ECGに基づいて検知するステップと、
心房性不整脈が同時に検知されなかった場合、前記検知された不整脈を心室性不整脈として分類するステップとを含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
心房性不整脈が同時に検知された場合、前記検知された不整脈が上室起源または上室起源と心室起源の両方を有するかどうかを判定するために、前記心室心電図を解析するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
心臓内心電図を感知するための心電図感知回路を備える主感知回路と、
皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路を備える補助感知回路と、
前記心臓内心電図と前記皮下ECGの一方である第1の信号を受信するための入力を有する処理回路と、
前記処理回路の入力に結合されたスイッチ回路であって、前記スイッチ回路が、選択信号を受信し、かつ前記処理回路の入力を、前記選択信号に従って前記主感知回路と前記補助感知回路の一方と接続するように構成されているスイッチ回路と、
前記スイッチ回路に結合された選択回路であって、前記選択回路が前記選択信号を作成するように構成されている選択回路とを備える埋込み可能な医療デバイスと、
前記補助感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項22】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれる少なくとも1つの電極を備える請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記主感知回路と接続された少なくとも1つの導線をさらに備え、前記少なくとも1つの導線が、前記心臓内心電図を感知するための1つまたは複数の電極を備える請求項21と22のいずれかに記載のシステム。
【請求項24】
前記選択回路が、前記心臓内心電図の品質に影響を与える導線故障を検知するために、前記少なくとも1つの導線に結合された導線故障検知器を備え、前記信号選択回路が、導線故障が検知されたとき、前記処理回路の入力を前記補助感知回路と接続するための選択信号を作成する請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記導線故障検知器が、導線インピーダンス測定回路を備える請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記選択回路が外部命令を受信するための命令受信器を備え、前記信号選択回路が、前記外部命令に基づいて選択信号を作成する請求項21から25のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記埋込み可能な医療デバイスと通信可能に結合された外部システムをさらに備え、前記外部システムが前記外部命令を受信するためのユーザー入力を備える請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記選択回路が前記主感知回路に結合された信号品質アナライザを備え、前記信号品質アナライザが、心臓内心電図の品質を示す品質パラメータを作成するように構成され、かつ前記選択回路が前記品質パラメータが所定の閾値未満であるとき、前記処理回路の入力を前記補助感知回路と接続するための選択信号を作成する請求項21から27のいずれかに記載のシステム。
【請求項29】
前記信号品質アナライザが、前記心臓内心電図の信号対雑音比を測定するための信号対雑音比測定回路を備える請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
埋込み可能な導線を通して心臓内心電図を感知するステップと、
前記心臓内心電図を感知するステップにおいて故障を示す故障信号を検知するステップと、
前記故障信号が検知された場合、前記心臓内心電図の代替として皮下心電図(ECG)を感知するステップと
を含む方法。
【請求項31】
前記故障信号を感知するステップが、導線故障を示す信号を検知するステップを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記導線故障を示す信号を検知するステップが、
導線インピーダンスを感知するステップと、
前記導線インピーダンスが所定の閾値を超えたとき、前記導線故障を示す信号を作成するステップと
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記故障信号を検知するステップが、外部プログラマから埋込み可能な医療デバイスへ送信された外部命令を検知するステップを含む請求項30から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
心臓内心電図の品質を示す品質パラメータを作成するステップと、
前記品質パラメータが所定の閾値未満であるとき、前記故障信号を作成するステップと
をさらに含む請求項30から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記品質パラメータを作成するステップが、信号対雑音比を作成するステップを含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
1つまたは複数の心臓内心電図を感知するための心電図感知回路と、1つまたは複数の皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路とを備える感知回路と、
選択信号に基づいて前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の無線ECGから選択された少なくとも1つの信号を受信し、かつ処理するための処理回路と、
前記処理回路に結合された信号選択回路であって、前記信号選択回路が、信号品質調査回路と選択信号発生器とを備え、前記信号品質調査回路が、それぞれが前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の無線ECGのうちの1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータを作成するように構成され、前記選択信号発生器が、少なくとも前記品質パラメータを基にして前記選択信号を作成するように構成されている信号選択回路とを備える埋込み可能な医療デバイスと、
前記感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項37】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた少なくとも1つの電極を備える請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記1つまたは複数の心臓内心電図が少なくとも1つの心房心電図を備え、前記少なくとも1つの心房心電図を感知するために、前記感知回路に結合された1つまたは複数の心房導線を備える少なくとも1つの導線をさらに備える請求項36と37のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
前記1つまたは複数の心臓内心電図が少なくとも1つの心室心電図を備え、前記少なくとも1つの心室心電図を感知するために、前記感知回路に結合された1つまたは複数の心室電極を備える少なくとも1つの導線をさらに備える請求項36から38のいずれかに記載のシステム。
【請求項40】
前記信号品質調査回路が、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の無線ECGのそれぞれの心臓信号の信号対雑音比を測定するための信号対雑音比測定回路を備える請求項36から39のいずれかに記載のシステム。
【請求項41】
前記信号選択回路が外部命令を受信するための命令受信器をさらに備え、前記選択信号発生器が、前記品質パラメータと前記外部命令の少なくとも1つに基づいて選択信号を作成するように構成されている請求項36から40のいずれかに記載のシステム。
【請求項42】
前記埋込み可能な医療デバイスに通信可能に結合された外部システムをさらに備え、前記外部システムが前記外部命令を受信するためのユーザー入力を備える請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記処理回路が、
不整脈の発作を検知するための不整脈検知回路と、
既知の律動中に前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて不整脈を分類するために、前記不整脈検知回路に結合された形態学ベースの不整脈分類回路と
を備える請求項36から42のいずれかに記載のシステム。
【請求項44】
前記形態学ベースの不整脈分類回路が、
形態学的特徴を検知するための形態学的特徴検知器と、
形態学的パラメータを作成するために、前記形態学的特徴検知器に結合された形態学的パラメータ発生器と、
テンプレート・パラメータを作成するために、前記形態学的特徴検知器に結合されたテンプレート・パラメータ発生器と、
を備えるテンプレート発生器を備える請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記不整脈検知回路が心房性頻脈の発作を検知するための心房性頻脈検知器を備え、かつ前記形態学ベースの不整脈分類回路が、正常洞律動と既知の心房性頻脈のうちの一方の間に、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて各心房性頻脈検知を確認するように構成されている請求項43と44のいずれかに記載のシステム。
【請求項46】
前記不整脈検知回路が心室性頻脈の発作を検知するための心室性頻脈検知器を備え、かつ前記形態学ベースの不整脈分類回路が、正常洞律動と既知の心室性頻脈のうちの一方の間に、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて各心室性頻脈検知を確認するように構成されている請求項43と44のいずれかに記載のシステム。
【請求項47】
前記不整脈検知回路が心室性頻脈の発作を検知するための心室性頻脈検知器を備え、かつ前記形態学ベースの不整脈分類回路が、既知の心室性頻脈の間に、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された前記少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて、各検知された心室性頻脈を、心室性頻脈と上室性頻脈のいずれか一方として分類するように構成されている請求項43と44のいずれかに記載のシステム。
【請求項48】
1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の皮下心電図(ECG)を含む複数の心臓信号を感知するステップと、
それぞれが、前記複数の心臓信号のうちの1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータを作成するステップと、
少なくとも品質パラメータに基づいて前記複数の心臓信号から少なくとも1つの心臓信号を選択するステップと、
前記選択された少なくとも1つの心臓信号に基づいて不整脈を検知するステップと
を含む方法。
【請求項49】
前記品質パラメータを作成するステップが前記複数の心臓信号の各心臓信号の信号対雑音比を測定するステップを含み、かつ、前記少なくとも1つの心臓信号を選択するステップが少なくとも前記信号対雑音比に基づいて前記複数の心臓信号から少なくとも1つの心臓信号を選択するステップをさらに含む
請求項48に記載の方法。
【請求項50】
外部プログラマから前記埋込み可能な医療デバイスへ送信された外部命令を受信するステップをさらに含み、前記少なくとも1つの心臓信号を選択するステップが、前記品質パラメータと前記外部命令のうちの少なくとも1つに基づいて前記複数の心臓信号から少なくとも1つの心臓信号を選択するステップをさらに含む請求項48と49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記選択された少なくとも1つの心臓信号に基づいて前記検知された不整脈を分類するステップをさらに含む請求項48から50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
前記検知された不整脈中に前記選択された少なくとも1つの心臓信号から所定の形態学的特徴を検知するステップと、
前記検知された不整脈中に検知された所定の形態学的特徴に関連する不整脈形態学的パラメータを作成するステップと、
前記不整脈形態学的パラメータに基づいて前記検知された不整脈を分類するステップとを含む請求項51に記載の方法。
【請求項53】
知られた律動中に、前記選択された少なくとも1つの心臓信号から前記所定の形態学的特徴を検知するステップと、
知られた律動中に、検知された前記所定の形態学的特徴に関連するテンプレート形態学的パラメータを作成するステップとを含み、
前記検知された不整脈を分類するステップが、前記不整脈形態学的パラメータを前記テンプレート形態学的パラメータと比較するステップを含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1つの心臓信号を選択するステップが、前記1つまたは複数の心臓内心電図のうちの少なくとも1つと前記1つまたは複数の皮下ECGのうちの少なくとも1つを選択するステップを含む請求項51から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記検知された不整脈を分類するステップが、前記検知された不整脈を上室性頻脈と心室性頻脈のうちの一方として分類するステップを含む請求項51から54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
心臓内心電図を感知するための心電図感知回路と、
皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路と、
前記心臓内心電図を受信するように、かつ前記心臓内心電図から不整脈を検知するように構成された第1の不整脈検知回路と、
前記皮下ECGを受信するように、かつ前記皮下ECGから不整脈を検知するように構成された第2の不整脈検知回路と、
前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路とに結合されており、不整脈が第1の不整脈検知回路によって検知されたかどうか、および不整脈が第2の不整脈検知回路によって検知されたかどうかに基づいて、不整脈の検知を示すように構成されている不整脈検知確認回路とを備える埋め込み可能な医療デバイスと、
前記無線ECG感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項57】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた少なくとも1つの電極を備える請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路がそれぞれ、頻脈検知回路と細動検知回路のうちの1つまたは複数を備える請求項56と57のいずれかに記載のシステム。
【請求項59】
1つまたは複数の心房心電図を感知するために、前記心電図感知回路に結合された1つまたは複数の心房導線をさらに備え、かつ前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路がそれぞれ、心房性頻脈検知回路と心房細動検知回路のうちの1つまたは複数を備える請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
1つまたは複数の心室心電図を感知するために、前記心電図感知回路に結合された1つまたは複数の心室導線をさらに備え、かつ前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路がそれぞれ、心室性頻脈検知回路と心室細動検知回路のうちの1つまたは複数を備える請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記不整脈検知確認回路が、前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路とによって作成された検知の結果に適用された重み係数にさらに基づいて、前記不整脈の検知を示すように構成されている請求項56から60のいずれかに記載のシステム。
【請求項62】
前記第1の不整脈検知回路が、前記心臓内心電図に基づいて不整脈を分類するように構成された第1の不整脈分類回路を備え、かつ前記第2の不整脈検知回路が、前記皮下ECGに基づいて不整脈を分類するように構成された第2の不整脈分類回路を備え、かつ前記不整脈検知確認回路が、前記第1の不整脈分類回路と前記第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に基づいて、不整脈の分類を示すように構成された不整脈分類確認回路を備える請求項56から60のいずれかに記載のシステム。
【請求項63】
前記不整脈分類確認回路が、前記第1の不整脈分類回路と前記第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に適用された重み係数にさらに基づいて、不整脈の分類を示すように構成されている請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
心臓内心電図を感知するステップと、
皮下心電図(ECG)を感知するステップと、
前記心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するステップと、
前記皮下ECGに基づいて不整脈を検知するステップと、
不整脈が前記心臓内心電図に基づいて検知されたかどうか、および不整脈が前記皮下ECGに基づいて検知されたかどうかに基づいて、不整脈の検知を示すステップと
を含む方法。
【請求項65】
不整脈を検知するステップが、頻脈と細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記心電図を感知ステップが心房心電図を感知するステップを含み、かつ不整脈を検知するステップが、心房性頻脈と心房細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記心電図を感知ステップが心室心電図を感知するステップを含み、かつ不整脈を検知するステップが、心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項68】
不整脈の検知を示すステップが、前記心臓内心電図と前記皮下ECGに基づいて同時に不整脈が検知されたとき、不整脈の検知を示すステップを含む請求項64から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
不整脈の検知を示すステップが、前記心臓内心電図に基づく不整脈の検知と前記皮下ECGに基づく不整脈の検知との結果に重み係数を適用するステップを含む請求項64から68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGの信号対雑音比に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGから測定された心拍数に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するステップが前記心臓内心電図に基づいて検知された不整脈を分類するステップを含み、前記皮下ECGに基づいて不整脈を検知するステップが前記皮下ECGに基づいて検知された不整脈を分類するステップを含み、かつ、不整脈が前記心臓内心電図に基づいて検知されたかどうか、および不整脈が前記皮下ECGに基づいて検知されたかどうかに基づいて不整脈の検知を示すステップが、前記心臓内心電図に基づいて検知された不整脈の分類を示すステップと、前記ECGに基づいて検知された不整脈の分類を示すステップとを含む請求項64から68のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
不整脈の分類を示すステップが、前記心臓内心電図に基づく検知された不整脈の分類と前記皮下ECGに基づく検知された不整脈の分類の結果に重み係数を適用するステップを含む請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGの信号対雑音比に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGから測定された心拍数に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項73に記載の方法。
【請求項1】
心臓内心電図を感知するための心電図感知回路と、
皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路と、
前記心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するために、前記心電図感知回路に結合された第1の不整脈検知回路と、
少なくとも前記皮下ECGを基にして前記検知された不整脈を分類するために、前記無線ECG感知回路と前記不整脈検知回路に結合された、不整脈分類回路とを備える埋込み可能な医療デバイスと、
前記無線ECG感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項2】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた少なくとも1つの電極を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記心電図感知回路に結合された心室導線をさらに備え、前記心室導線が、心室心電図を感知するための1つまたは複数の心室電極を備え、かつ前記第1の不整脈検知回路が心室性不整脈検知器を備える前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記心室性不整脈検知器が、心室性頻脈検知器と心室細動検知器のうちの1つまたは複数を備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記埋込み可能な医療デバイスは、前記不整脈分類回路に結合され、心室性頻脈と心室細動のうちの少なくとも1つとして検知された不整脈が分類されたとき電気的除細動/除細動回路ショックを送るために、電気的除細動/除細動回路をさらに備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記埋込み可能な医療デバイスが、前記検知された不整脈が心室性頻脈として分類されたときATPパルスを送るために、前記不整脈分類回路に結合された抗頻脈ペーシング(ATP)回路をさらに備える請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記埋込み可能な医療デバイスが、
前記心電図感知回路に結合され、前記心室心電図から心室事象を検知するための心室事象検知器と、
前記心室事象検知器に結合され、心室心拍数を検知するための心室心拍数検知器と、
前記無線ECG感知回路に結合され、前記皮下ECGから心房事象を検知するための心房事象検知器と、
前記心房事象検知器に結合され、心房心拍数を検知するための心房心拍数検知器と
をさらに備え、
前記不整脈分類回路が、心房心拍数を受信するための第1の入力、心室心拍数を受信するための第2の入力、心房心拍数と心室心拍数の間の比較に基づいて分類された不整脈タイプを示す出力を備える心拍数比較器を備える
請求項3から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記埋込み可能な医療デバイスが心房性不整脈検知器を備える第2の不整脈検知回路をさらに備え、かつ前記不整脈分類回路が、少なくとも心房性不整脈が検知されたかどうかに基づいて前記検知された不整脈を分類するように構成された特異性強化回路を備える
請求項3から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記心房性不整脈検知器が心房性頻脈検知器と心房細動検知器のうちの1つまたは複数を備え、かつ前記特異性強化回路が、少なくとも心房性頻脈と心房細動のうちの少なくとも1つが検知されたかどうかに基づいて、前記検知された不整脈を分類するように構成されている請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイス上に組み込まれ、かつ心房脱分極を感知するように構成されている複数の皮下電極を備える請求項3から9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
心臓内心電図を感知するステップと、
埋込み可能な皮下電極を使用して皮下心電図(ECG)を感知するステップと、
心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するステップと、
少なくとも前記皮下ECGに基づいて、前記検知された不整脈を分類するステップとを
含む心臓律動を解析するための方法。
【請求項12】
前記心臓内心電図を感知するステップが、心室心電図を感知するステップを含み、かつ前記不整脈を検知するステップが、心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検知された不整脈が、心室性頻脈と心室細動のうちの1つとして分類された場合、心室電気的除細動/除細動ショックを送るステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記不整脈を検知するステップが、
前記心室心電図から心室事象を検知するステップと、
所定の時間にわたって検知される心室事象の数である心室心拍数を検知するステップと、
心室心拍数を所定の閾値心室心拍数と比較するステップと、
心室心拍数が前記所定の閾値心室心拍数を超えたとき、不整脈の検知を示すステップと
を含む請求項12と13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
前記皮下ECGから心房事象を検知するステップと、
前記所定の時間にわたって検知される心房事象の数である心房心拍数を検知するステップと、
心房心拍数と心室心拍数を比較するステップと、
心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きいとき、前記不整脈を心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数として分類するステップと
を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
心室電気的除細動/除細動ショックの供給を阻止する必要性を示すまたは示唆する、1つまたは複数の事象または状態を検知するステップをさらに含み、かつ前記心室電気的除細動/除細動ショックを送るステップが、前記検知された不整脈が、前記1つまたは複数の事象または状態が検知されたかどうかにかかわらず、心室心拍数が心房心拍数よりもかなり大きいことに基づいて心室性頻脈と心室細動のうちの一方として分類された場合、心室電気的除細動/除細動ショックを送るステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
不整脈を分類するステップが、心室心拍数が、少なくとも所定の心拍数マージンだけ心房心拍数よりも大きいとき、不整脈を心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数として分類するステップを含む請求項15と16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記心拍数マージンを、1分当たり約10拍にプログラミングするステップをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
心房性不整脈を前記皮下ECGに基づいて検知するステップと、
心房性不整脈が同時に検知されなかった場合、前記検知された不整脈を心室性不整脈として分類するステップとを含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
心房性不整脈が同時に検知された場合、前記検知された不整脈が上室起源または上室起源と心室起源の両方を有するかどうかを判定するために、前記心室心電図を解析するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
心臓内心電図を感知するための心電図感知回路を備える主感知回路と、
皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路を備える補助感知回路と、
前記心臓内心電図と前記皮下ECGの一方である第1の信号を受信するための入力を有する処理回路と、
前記処理回路の入力に結合されたスイッチ回路であって、前記スイッチ回路が、選択信号を受信し、かつ前記処理回路の入力を、前記選択信号に従って前記主感知回路と前記補助感知回路の一方と接続するように構成されているスイッチ回路と、
前記スイッチ回路に結合された選択回路であって、前記選択回路が前記選択信号を作成するように構成されている選択回路とを備える埋込み可能な医療デバイスと、
前記補助感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項22】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれる少なくとも1つの電極を備える請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記主感知回路と接続された少なくとも1つの導線をさらに備え、前記少なくとも1つの導線が、前記心臓内心電図を感知するための1つまたは複数の電極を備える請求項21と22のいずれかに記載のシステム。
【請求項24】
前記選択回路が、前記心臓内心電図の品質に影響を与える導線故障を検知するために、前記少なくとも1つの導線に結合された導線故障検知器を備え、前記信号選択回路が、導線故障が検知されたとき、前記処理回路の入力を前記補助感知回路と接続するための選択信号を作成する請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記導線故障検知器が、導線インピーダンス測定回路を備える請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記選択回路が外部命令を受信するための命令受信器を備え、前記信号選択回路が、前記外部命令に基づいて選択信号を作成する請求項21から25のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記埋込み可能な医療デバイスと通信可能に結合された外部システムをさらに備え、前記外部システムが前記外部命令を受信するためのユーザー入力を備える請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記選択回路が前記主感知回路に結合された信号品質アナライザを備え、前記信号品質アナライザが、心臓内心電図の品質を示す品質パラメータを作成するように構成され、かつ前記選択回路が前記品質パラメータが所定の閾値未満であるとき、前記処理回路の入力を前記補助感知回路と接続するための選択信号を作成する請求項21から27のいずれかに記載のシステム。
【請求項29】
前記信号品質アナライザが、前記心臓内心電図の信号対雑音比を測定するための信号対雑音比測定回路を備える請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
埋込み可能な導線を通して心臓内心電図を感知するステップと、
前記心臓内心電図を感知するステップにおいて故障を示す故障信号を検知するステップと、
前記故障信号が検知された場合、前記心臓内心電図の代替として皮下心電図(ECG)を感知するステップと
を含む方法。
【請求項31】
前記故障信号を感知するステップが、導線故障を示す信号を検知するステップを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記導線故障を示す信号を検知するステップが、
導線インピーダンスを感知するステップと、
前記導線インピーダンスが所定の閾値を超えたとき、前記導線故障を示す信号を作成するステップと
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記故障信号を検知するステップが、外部プログラマから埋込み可能な医療デバイスへ送信された外部命令を検知するステップを含む請求項30から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
心臓内心電図の品質を示す品質パラメータを作成するステップと、
前記品質パラメータが所定の閾値未満であるとき、前記故障信号を作成するステップと
をさらに含む請求項30から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記品質パラメータを作成するステップが、信号対雑音比を作成するステップを含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
1つまたは複数の心臓内心電図を感知するための心電図感知回路と、1つまたは複数の皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路とを備える感知回路と、
選択信号に基づいて前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の無線ECGから選択された少なくとも1つの信号を受信し、かつ処理するための処理回路と、
前記処理回路に結合された信号選択回路であって、前記信号選択回路が、信号品質調査回路と選択信号発生器とを備え、前記信号品質調査回路が、それぞれが前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の無線ECGのうちの1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータを作成するように構成され、前記選択信号発生器が、少なくとも前記品質パラメータを基にして前記選択信号を作成するように構成されている信号選択回路とを備える埋込み可能な医療デバイスと、
前記感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項37】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた少なくとも1つの電極を備える請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記1つまたは複数の心臓内心電図が少なくとも1つの心房心電図を備え、前記少なくとも1つの心房心電図を感知するために、前記感知回路に結合された1つまたは複数の心房導線を備える少なくとも1つの導線をさらに備える請求項36と37のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
前記1つまたは複数の心臓内心電図が少なくとも1つの心室心電図を備え、前記少なくとも1つの心室心電図を感知するために、前記感知回路に結合された1つまたは複数の心室電極を備える少なくとも1つの導線をさらに備える請求項36から38のいずれかに記載のシステム。
【請求項40】
前記信号品質調査回路が、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の無線ECGのそれぞれの心臓信号の信号対雑音比を測定するための信号対雑音比測定回路を備える請求項36から39のいずれかに記載のシステム。
【請求項41】
前記信号選択回路が外部命令を受信するための命令受信器をさらに備え、前記選択信号発生器が、前記品質パラメータと前記外部命令の少なくとも1つに基づいて選択信号を作成するように構成されている請求項36から40のいずれかに記載のシステム。
【請求項42】
前記埋込み可能な医療デバイスに通信可能に結合された外部システムをさらに備え、前記外部システムが前記外部命令を受信するためのユーザー入力を備える請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記処理回路が、
不整脈の発作を検知するための不整脈検知回路と、
既知の律動中に前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて不整脈を分類するために、前記不整脈検知回路に結合された形態学ベースの不整脈分類回路と
を備える請求項36から42のいずれかに記載のシステム。
【請求項44】
前記形態学ベースの不整脈分類回路が、
形態学的特徴を検知するための形態学的特徴検知器と、
形態学的パラメータを作成するために、前記形態学的特徴検知器に結合された形態学的パラメータ発生器と、
テンプレート・パラメータを作成するために、前記形態学的特徴検知器に結合されたテンプレート・パラメータ発生器と、
を備えるテンプレート発生器を備える請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記不整脈検知回路が心房性頻脈の発作を検知するための心房性頻脈検知器を備え、かつ前記形態学ベースの不整脈分類回路が、正常洞律動と既知の心房性頻脈のうちの一方の間に、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて各心房性頻脈検知を確認するように構成されている請求項43と44のいずれかに記載のシステム。
【請求項46】
前記不整脈検知回路が心室性頻脈の発作を検知するための心室性頻脈検知器を備え、かつ前記形態学ベースの不整脈分類回路が、正常洞律動と既知の心室性頻脈のうちの一方の間に、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて各心室性頻脈検知を確認するように構成されている請求項43と44のいずれかに記載のシステム。
【請求項47】
前記不整脈検知回路が心室性頻脈の発作を検知するための心室性頻脈検知器を備え、かつ前記形態学ベースの不整脈分類回路が、既知の心室性頻脈の間に、前記1つまたは複数の心臓内心電図と前記1つまたは複数の皮下ECGから選択された前記少なくとも1つの信号から検知された形態学的特徴に関連するテンプレート・パラメータによって表されるテンプレート形態学に基づいて、各検知された心室性頻脈を、心室性頻脈と上室性頻脈のいずれか一方として分類するように構成されている請求項43と44のいずれかに記載のシステム。
【請求項48】
1つまたは複数の心臓内心電図と1つまたは複数の皮下心電図(ECG)を含む複数の心臓信号を感知するステップと、
それぞれが、前記複数の心臓信号のうちの1つの心臓信号の品質の測定値である品質パラメータを作成するステップと、
少なくとも品質パラメータに基づいて前記複数の心臓信号から少なくとも1つの心臓信号を選択するステップと、
前記選択された少なくとも1つの心臓信号に基づいて不整脈を検知するステップと
を含む方法。
【請求項49】
前記品質パラメータを作成するステップが前記複数の心臓信号の各心臓信号の信号対雑音比を測定するステップを含み、かつ、前記少なくとも1つの心臓信号を選択するステップが少なくとも前記信号対雑音比に基づいて前記複数の心臓信号から少なくとも1つの心臓信号を選択するステップをさらに含む
請求項48に記載の方法。
【請求項50】
外部プログラマから前記埋込み可能な医療デバイスへ送信された外部命令を受信するステップをさらに含み、前記少なくとも1つの心臓信号を選択するステップが、前記品質パラメータと前記外部命令のうちの少なくとも1つに基づいて前記複数の心臓信号から少なくとも1つの心臓信号を選択するステップをさらに含む請求項48と49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記選択された少なくとも1つの心臓信号に基づいて前記検知された不整脈を分類するステップをさらに含む請求項48から50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記検知された不整脈を分類するステップが、
前記検知された不整脈中に前記選択された少なくとも1つの心臓信号から所定の形態学的特徴を検知するステップと、
前記検知された不整脈中に検知された所定の形態学的特徴に関連する不整脈形態学的パラメータを作成するステップと、
前記不整脈形態学的パラメータに基づいて前記検知された不整脈を分類するステップとを含む請求項51に記載の方法。
【請求項53】
知られた律動中に、前記選択された少なくとも1つの心臓信号から前記所定の形態学的特徴を検知するステップと、
知られた律動中に、検知された前記所定の形態学的特徴に関連するテンプレート形態学的パラメータを作成するステップとを含み、
前記検知された不整脈を分類するステップが、前記不整脈形態学的パラメータを前記テンプレート形態学的パラメータと比較するステップを含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1つの心臓信号を選択するステップが、前記1つまたは複数の心臓内心電図のうちの少なくとも1つと前記1つまたは複数の皮下ECGのうちの少なくとも1つを選択するステップを含む請求項51から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記検知された不整脈を分類するステップが、前記検知された不整脈を上室性頻脈と心室性頻脈のうちの一方として分類するステップを含む請求項51から54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
心臓内心電図を感知するための心電図感知回路と、
皮下ECGを感知するための無線心電図(ECG)感知回路と、
前記心臓内心電図を受信するように、かつ前記心臓内心電図から不整脈を検知するように構成された第1の不整脈検知回路と、
前記皮下ECGを受信するように、かつ前記皮下ECGから不整脈を検知するように構成された第2の不整脈検知回路と、
前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路とに結合されており、不整脈が第1の不整脈検知回路によって検知されたかどうか、および不整脈が第2の不整脈検知回路によって検知されたかどうかに基づいて、不整脈の検知を示すように構成されている不整脈検知確認回路とを備える埋め込み可能な医療デバイスと、
前記無線ECG感知回路に結合された複数の埋込み可能な皮下電極と
を備える心臓律動管理(CRM)システム。
【請求項57】
前記複数の埋込み可能な皮下電極が、前記埋込み可能な医療デバイスに組み込まれた少なくとも1つの電極を備える請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路がそれぞれ、頻脈検知回路と細動検知回路のうちの1つまたは複数を備える請求項56と57のいずれかに記載のシステム。
【請求項59】
1つまたは複数の心房心電図を感知するために、前記心電図感知回路に結合された1つまたは複数の心房導線をさらに備え、かつ前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路がそれぞれ、心房性頻脈検知回路と心房細動検知回路のうちの1つまたは複数を備える請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
1つまたは複数の心室心電図を感知するために、前記心電図感知回路に結合された1つまたは複数の心室導線をさらに備え、かつ前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路がそれぞれ、心室性頻脈検知回路と心室細動検知回路のうちの1つまたは複数を備える請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記不整脈検知確認回路が、前記第1の不整脈検知回路と前記第2の不整脈検知回路とによって作成された検知の結果に適用された重み係数にさらに基づいて、前記不整脈の検知を示すように構成されている請求項56から60のいずれかに記載のシステム。
【請求項62】
前記第1の不整脈検知回路が、前記心臓内心電図に基づいて不整脈を分類するように構成された第1の不整脈分類回路を備え、かつ前記第2の不整脈検知回路が、前記皮下ECGに基づいて不整脈を分類するように構成された第2の不整脈分類回路を備え、かつ前記不整脈検知確認回路が、前記第1の不整脈分類回路と前記第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に基づいて、不整脈の分類を示すように構成された不整脈分類確認回路を備える請求項56から60のいずれかに記載のシステム。
【請求項63】
前記不整脈分類確認回路が、前記第1の不整脈分類回路と前記第2の不整脈分類回路によって作成された分類の結果に適用された重み係数にさらに基づいて、不整脈の分類を示すように構成されている請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
心臓内心電図を感知するステップと、
皮下心電図(ECG)を感知するステップと、
前記心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するステップと、
前記皮下ECGに基づいて不整脈を検知するステップと、
不整脈が前記心臓内心電図に基づいて検知されたかどうか、および不整脈が前記皮下ECGに基づいて検知されたかどうかに基づいて、不整脈の検知を示すステップと
を含む方法。
【請求項65】
不整脈を検知するステップが、頻脈と細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記心電図を感知ステップが心房心電図を感知するステップを含み、かつ不整脈を検知するステップが、心房性頻脈と心房細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記心電図を感知ステップが心室心電図を感知するステップを含み、かつ不整脈を検知するステップが、心室性頻脈と心室細動のうちの1つまたは複数を検知するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項68】
不整脈の検知を示すステップが、前記心臓内心電図と前記皮下ECGに基づいて同時に不整脈が検知されたとき、不整脈の検知を示すステップを含む請求項64から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
不整脈の検知を示すステップが、前記心臓内心電図に基づく不整脈の検知と前記皮下ECGに基づく不整脈の検知との結果に重み係数を適用するステップを含む請求項64から68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGの信号対雑音比に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGから測定された心拍数に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記心臓内心電図に基づいて不整脈を検知するステップが前記心臓内心電図に基づいて検知された不整脈を分類するステップを含み、前記皮下ECGに基づいて不整脈を検知するステップが前記皮下ECGに基づいて検知された不整脈を分類するステップを含み、かつ、不整脈が前記心臓内心電図に基づいて検知されたかどうか、および不整脈が前記皮下ECGに基づいて検知されたかどうかに基づいて不整脈の検知を示すステップが、前記心臓内心電図に基づいて検知された不整脈の分類を示すステップと、前記ECGに基づいて検知された不整脈の分類を示すステップとを含む請求項64から68のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
不整脈の分類を示すステップが、前記心臓内心電図に基づく検知された不整脈の分類と前記皮下ECGに基づく検知された不整脈の分類の結果に重み係数を適用するステップを含む請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGの信号対雑音比に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記心臓内心電図と前記皮下ECGから測定された心拍数に基づいて重み係数を決定するステップをさらに含む請求項73に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−517712(P2008−517712A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538936(P2007−538936)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035057
【国際公開番号】WO2006/049767
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(505003528)カーディアック・ペースメーカーズ・インコーポレーテッド (466)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035057
【国際公開番号】WO2006/049767
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(505003528)カーディアック・ペースメーカーズ・インコーポレーテッド (466)
【Fターム(参考)】
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