説明

無線ICタグ、無線ICタグの読み取り・書き込み装置、該無線ICタグおよび無線ICタグの読み取り・書き込み装置を用いた無線ICタグ通信システム

【課題】無線ICタグに対して比較的遠距離からであっても確実なデータの書き込み・読み取りができる装置および通信システムを提供すること。
【解決手段】無線ICタグに対して無線通信によりデータを読み取り・書き込みする読み取り・書き込み装置と、メモリ部とアンテナ部を基板上に実装してなる無線ICタグとを有し、前記読み取り・書き込み装置は、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを出力し、前記第一の周波数の電波により前記無線ICタグを起電させ、前記第二の周波数の電波でデータの書き込み・読み取りをする無線ICタグ通信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグと該RFIDタグと呼ばれる無線ICタグと該ICタグを用いた管理システムにおいて用いられる無線ICタグ、無線ICタグの読み取り・書き込み装置、該無線ICタグおよび無線ICタグの読み取り・書き込み装置を用いたデータ通信システムに関するものであり、特に、大型のコンクリート構造物等の管理のように広い通信エリアを必要とされる製品管理システムにおいて用いられる装置およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建築物、橋梁、トンネル、下水管等のコンクリート構造物にあっては、土木作業時、補修時や地震等の災害時にコンクリートの強度や高次の履歴等の情報を検証する必要がある。このような情報は従来、紙シート等の書面に記載して管理されていたが、近年は、無線ICタグを生コンクリート(以下、生コンという)の製造段階で混入し、生コンの搬入時、打設時、さらには硬化後にもこのICタグに各種情報を書き込み・読み取りして構造物の管理が行われている(特許文献1)。
【0003】
またこれまでにコンクリート構造物の管理に用いられる無線ICタグの通信距離は3cm程度であったため、無線ICタグをコンクリート構造物の表面に接着する、打設時に表面近傍に埋設するなどして取り付けていた(特許文献2)。
【0004】
一方、上述の生コン製造時から混入される無線ICタグにあっては、ICタグ用のメモリ素子としては、強誘電体を利用したFeRAMを用いた不揮発性記憶装置が開発されている。この不揮発性記憶装置は、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と、無線通信するためのアンテナ部と、これらを制御する制御部とからなる。この不揮発性記憶装置は、従来ICタグに用いられていたEEPROM等と比較し、書換回数、書き込み電圧の低さ、電源が不要であること、使用寿命の長さ、セルサイズが小型である等、様々な面で利点がある。そして現在、一個のICタグは、約8Kbyteの記憶容量を有し、それ自身が記憶装置として機能するとともに、演算装置としてのCPUとして機能するようになっている。RFIDタグとも呼ばれるこの電磁誘導方式によるパッシヴ型の無線ICタグは、アンテナ周囲に発生する磁界を伝送媒体とし、アンテナに誘起される誘導起電力により外部と通信を行うものである(特許文献3)。
【0005】
しかしながら、図10に示すように、現在使用されている通信システム9のアンテナ92を備えたリーダーライター91と無線ICタグ93は、一の周波数帯を用いてアンテナ通信を行うため、電源に電流を発生させる電波とデータの読み取り、書き込みを行う電波は同一の周波数帯の電波である。このシステムにおいて通信距離を伸ばそうとするときには出力を上げることが有効であるが、出力を上げすぎるとデータの読み取り、書き込みにおいてノイズが載ってしまう問題があった。また、国によってはある距離での最大電界強度を規制する等のように電波の出力に対して法的な規制を設けている。一方で、上述したように生コン製造時から混入される無線ICタグにあっては、混入された無線ICタグが必ずしもコンクリート構造物の表面付近に位置するとは限られず、また、大型のコンクリート構造物にあっては無線ICタグがユーザーの近くにあるとは限られない。この種のコンクリート構造物管理システムにあっては読み取り・書き込み装置から比較的遠距離にある無線ICタグに対してデータの送受信を行うことができ、かつ、この無線ICタグに対して確実にデータの送受信をすることが求められる。
【特許文献1】特開2008−063900号公報
【特許文献2】特開2008−138452号公報
【特許文献3】特開2007−241576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決すべく、主としてコンクリート構造物の管理システムに用いられるRFIDタグと呼ばれる無線ICタグに対して比較的遠距離からであっても確実なデータの書き込み・読み取りができる装置および通信システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明の無線ICタグ通信システムは、無線ICタグに対して無線通信によりデータを読み取り・書き込みする読み取り・書き込み装置と、メモリ部とアンテナ部を基板上に実装してなる無線ICタグとを有し、前記読み取り・書き込み装置は、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを出力し、前記第一の周波数の電波により前記無線ICタグを起電させ、前記第二の周波数の電波でデータの書き込み・読み取りをすることを特徴とする。
【0008】
また、上述の無線ICタグ通信システムにおいて、読み取り・書き込み装置は、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを交互に出力し、無線ICタグを動作させるとともにデータを読み取り・書き込みすることを特徴とする。
【0009】
また、読み取り・書き込み装置は、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを同時に出力し、無線ICタグを動作させるとともにデータを読み取り・書き込みすることを特徴とする。
【0010】
また、読み取り・書き込み装置と無線ICタグは電磁誘導方式により通信を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線ICタグ通信システム。
【0011】
また、読み取り・書き込み装置と無線ICタグは、電波方式により通信を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無線ICタグ通信システム。
【0012】
無線ICタグに対して無線通信によりデータを書き込みおよび読み取りする読み取り・書き込み装置であって、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを出力することを特徴とする。
【0013】
また、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを交互に出力することを特徴とする。
【0014】
また、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを同時に出力することを特徴とする。
【0015】
また、読み取り・書き込み装置は電磁誘導回路を有し、コイルアンテナに交流電流を流すことにより交流磁界を発生させる電磁誘導方式による電波を出力することを特徴とする。
【0016】
また、読み取り・書き込み装置は反射回路を有し、平板型アンテナに反射する電波により無線ICタグと通信タグと通信を行う電波方式による電波を出力することを特徴とする。
【0017】
無線ICタグは、読み取り・書き込み装置から出力される前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを受信する無線ICタグであって、コイルアンテナにより電波を受信する電磁誘導回路、または、平板型アンテナにより電波を受信する反射回路のいずれか、または、前記コイルアンテナにより電波を受信する電磁誘導回路および前記平板型アンテナにより電波を受信する反射回路の両方を備えてなることを特徴とする。
【0018】
無線ICタグを構成するメモリ部は、読み取り・書き込み装置からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部を有する強誘電体を利用した不揮発性メモリであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の無線ICタグ通信システムは、無線ICタグに対して無線通信によりデータを読み取り・書き込みする読み取り・書き込み装置と、メモリ部とアンテナ部を基板上に実装してなる無線ICタグとを有し、前記読み取り・書き込み装置は、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを出力し、前記第一の周波数の電波により前記無線ICタグを起電させ、前記第二の周波数の電波でデータの書き込み・読み取りをすることにより、例えば比較的長距離の通信が可能な第一の周波数の電波で無線ICタグの電源を動作させ、動作させた無線ICタグに対して第二の周波数の電波でデータの読み取り、書き込みを行うことで、RFIDタグと呼ばれる無線ICタグに対して長距離の通信でかつ確実なデータの読み取り、書き込みを行うことができる。また、データの読み取り、書き込みにノイズが載ることが少ない。特に、コンクリート構造物に混練、埋設された無線ICタグのように所在を外方から確認することのできない無線ICタグへのデータの読み取り、書き込みを確実に行うことができる。
【0020】
また、本発明の無線ICタグ通信システムにおいて、読み取り・書き込み装置は、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを交互に出力し、無線ICタグを動作させるとともにデータを読み取り・書き込みすることにより、第一の周波数と第二の周波数が同じアンテナ部から出力される場合であっても無線ICタグは確実に動作し、データの読み取りを確実に行うことができる。
【0021】
また、読み取り・書き込み装置は、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを同時に出力し、無線ICタグを動作させるとともにデータを読み取り・書き込みすることを特徴とすることにより、第一の周波数と第二の周波数が異なる方式の回路から出力される場合であっても無線ICタグは確実に動作し、データの読み取りを確実に行うことができる。
【0022】
また、読み取り・書き込み装置は、コイルに流す交流電流により交流磁界を発生させ電気誘導により無線ICタグと通信を行うことにより、近接から近傍距離のデータ通信を確実に行うことができる。
【0023】
また、読み取り・書き込み装置は、反射回路を有し電波により無線ICタグと通信タグと通信を行うことにより、長距離のデータ通信を確実に行うことができる。
【0024】
また、本発明のシステムにおいて用いられる無線ICタグに対して無線通信によりデータを書き込みおよび読み取りする読み取り・書き込み装置は、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを出力することにより、比較的長距離の通信が可能な第一の周波数の電波で無線ICタグの電源を動作させ、動作した無線ICタグに対して第二の周波数の電波でデータの読み取り、書き込みを行うことにより、RFIDタグと呼ばれる無線ICタグに対して、長距離の通信でかつ確実なデータの読み取り、書き込みを行うことができる。特に、コンクリート構造物に混練、埋設された無線ICタグのように所在を外方から確認することのできない無線ICタグへのデータの読み取り、書き込みを確実に行うことができる。
【0025】
また、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを交互に出力することにより、第一の周波数と第二の周波数が同じアンテナ部から出力される場合であっても無線ICタグの電源部は確実に動作し、データの読み取りを確実に行うことができる。
【0026】
また、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを同時に出力することにより、第一の周波数と第二の周波数が異なる方式の回路から出力される場合であっても無線ICタグの電源部は確実に動作し、データの読み取りを確実に行うことができる。
【0027】
読み取り・書き込み装置は電磁誘導回路を有し、コイルアンテナに交流電流を流すことにより交流磁界を発生させる電磁誘導方式による電波を出力することにより、近接から近傍距離のデータ通信を確実に行うことができる。
【0028】
読み取り・書き込み装置は反射回路を有し、平板型アンテナに反射する電波により無線ICタグと通信タグと通信を行う電波方式による電波を出力することにより、長距離のデータ通信を確実に行うことができる。
【0029】
また、本発明のシステムにおいて用いられる無線ICタグは、無線ICタグは、読み取り・書き込み装置から出力される前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを受信する無線ICタグであって、コイルアンテナにより電波を受信する電磁誘導回路、または、平板型アンテナにより電波を受信する反射回路のいずれか、または、前記コイルアンテナにより電波を受信する電磁誘導回路および前記平板型アンテナにより電波を受信する反射回路の両方を備えてなることにより、出力する周波数帯に応じた回路およびアンテナで確実なデータ通信を行うことができる。
【0030】
また、無線ICタグを構成するメモリ部は、読み取り・書き込み装置からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部を有する強誘電体を利用した不揮発性メモリであることにより、無線ICタグに電池等の電源を搭載せずとも動作し、読み取り・書き込み装置からの電力供給により無線ICタグを動作させることができるパッシヴ型の無線ICタグが提供され、無線ICタグを長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のシステムとこのシステムに用いる無線ICタグ、リーダーライターの概略図。
【図2】本発明のシステムの使用状態を示す模式図。
【図3】本発明の無線ICタグ本体の模式的斜視図。
【図4】本発明の無線ICタグ本体の模式的斜視図。
【図5】本発明の無線ICタグ本体の模式的斜視図。
【図6】本発明の無線ICタグの断面図。
【図7】コンクリート構造物管理システムのフローチャート。
【図8】本発明のシステムとこのシステムに用いる無線ICタグ、リーダーライターの概略図。
【図9】本発明のシステムとこのシステムに用いる無線ICタグ、リーダーライターの概略図。
【図10】従来のシステムとこのシステムに用いる無線ICタグ、リーダーライターの概略図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の無線ICタグ通信システムとこれに用いられる無線ICタグ、リーダーライターの発明について図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1に示すように本発明の無線ICタグ通信システム1は、リーダーライター3からメモリ部を動作させる第一の周波数の電波とデータの読み取り、書き込みをする第二の周波数の電波を出力し、第一の周波数の電波を受信した無線ICタグ2がメモリ部を動作させてスタンバイ状態となり、第二の周波数の電波を受信した無線ICタグ2にデータを読み取り、書き込みするシステムであり。例えば、図2に示すコンクリート構造物95に混入されてなる無線ICタグ2との間でデータの送受信をする場合のように、長距離の通信が必要とされる、または埋設位置が不明な無線ICタグ2にも確実にデータを読み取り、書き込みすることができるシステムである。以下、これらに用いられる装置とシステムについて詳細に説明する。
【0034】
まず、無線ICタグ2について説明する。図3に示すように、本発明の無線ICタグ通信システム1に用いられる無線ICタグ2を構成する無線ICタグ本体21は、RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる非接触型の記憶装置であって、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用してなる不揮発性メモリからなる制御部を備えたメモリ部22とコイルアンテナ24a、24bが電気的に接続されて一つの基板25上に実装されたICチップ26から構成される。後述するように、無線ICタグ本体21は必要に応じて合成樹脂材等の被覆体により被覆される。
【0035】
ICチップ26を構成する、メモリ部22のタイプは、アクティヴ型、パッシヴ型のいずれのタイプであってもよいが、後述するような生コンクリートに混入して用いる無線ICタグのように、無線ICタグの交換が難しい管理システムに適しているのは、リーダーライター3からの電波を受信し、これと共振して電流を発生する電源部を有する不揮発性メモリからなるメモリ部を用いたパッシヴ型の無線ICタグである。不揮発性メモリとしては、電源を搭載せず外部からのデータアクセス用の電波を整流して電源とするFeRAMと呼ばれる不揮発性強誘電体メモリ装置が例に挙げられる。FeRAMは、従来の無線ICタグに用いられていた不揮発性メモリ装置であるEEPROMと比較すると、その書き換え回数が、EEPROMが10の5乗回程度であるのに対し、FeRAMは10の13乗回以上と優れた性能を備えている。また、書き込み電圧は従来のEEPROMが12Vであるのに対して、FeRAMはDC1.1V〜3Vと極めて低い電圧で書き込みを行うことができ、無線ICタグ内部に電池を内蔵することなく、外部からの電波に共振して発電する電源部を備えているので、従来のICタグに用いられていたEEPROMと比較して5000倍もの書き込み速度を有している。データの保存期間が10年以上と長い。
【0036】
さらに、書き換えのアクセスにあっても、従来のEEPROMやフラッシュメモリーではほとんどがブロック単位の書き込みであったのに対し、FeRAMはワード単位でランダムに書き込みを行えるという利点がある。FeRAMの制御部は、一旦書き込まれた情報が改ざんされることがないように、追記はできるものの、上書きをできない設定とすることも可能で、データの書き込み・読み取りは暗号化したプロトコルを用いて行うことがよい。よって、約8KBのメモリ容量中に、各種データを、その都度、書き込み・読み取り装置としてのリーダーライター3と間の無線通信により、書き込み・読み取りができる。ICチップ26が無線交信可能な電波の帯域は、自由に設定することができ小型無線通信に適したLF帯からUHF帯さらにはマイクロ波帯域まで用いることができる。
【0037】
また、メモリ部22には、リーダーライター3で読み取り可能な管理フラグを、あらかじめ、または、書き込み時に記憶させ、リーダーライター3で情報の書き込み・読み取りを行う際にこの管理フラグを読み取ることにより、所定の管理システムを構成する無線ICタグ2であることが識別可能になっている。尚、必要に応じて、無線ICタグ2には、無線ICタグ2に対する通信の空間を分割する空間分割方式、通信周波数を分割する周波数分割多重方式、または無線ICタグからの返信のタイミングを変更する時分割方式等のアンチコリジョン機能を搭載し、リーダーライター3の通信範囲に複数の無線ICタグ2が位置していても混信して通信できないという事態がないようにできる。
【0038】
無線ICタグ本体21のICチップ26の具体的な構成は負荷抵抗を含むロジック・メモリ部(等価回路)と、整流回路と入力制限抵抗を含むアナログ部、送受信回路およびアンテナ部24a、bが電気的に接続されて基板25に実装されている。また、一つのICチップ26に本実施の形態においては、負荷抵抗と入力制限抵抗の値を適宜設定したりコイル型アンテナのコイルの巻回数の調整等アンテナ部24a、bを調整することにより、通信距離を調整する。
【0039】
この無線ICタグ2の無線ICタグ本体21は、二周波数通信方式により、リーダーライター3からの二種類の周波数の電波を受信する。例えば、リーダーライター3からの無線ICタグ2のメモリ部を動作させるための125KHzと、データ読み取り書き込みのための13.56MHzを受信し、125KHzの電波により無線ICタグの電源部を起電し、メモリ部22や、搭載されている各種駆動回路を起動させて無線ICタグ2は動作し、13.56MHzの電波により送られるデータを受信してメモリ部22に記憶させるようになっている。
【0040】
無線ICタグ本体21は、二つのコイル型のアンテナを用い電磁誘導方式により通信を行う方式で、リーダーライター3と無線ICタグ間の磁界を利用してリーダーライター3から無線ICタグ2への電力の供給とデータ転送を行う電磁誘導方式を用いて通信を行う。電磁誘導方式のコイル型アンテナを備えた無線ICタグ本体21は、このアンテナ24bにより、長距離通信が可能な125KHzの電波を受信してメモリ部22やその他駆動回路を動作させ、続いてアンテナ24aにより、13.56Hzの電波を受信して確実なデータ通信をするようになっている。電磁誘導方式は、磁界強度が距離の2乗の逆数で減衰するため、近接〜近傍通信に適しており確実にデータを書き込むことができる。尚、コイル型アンテナを一つ搭載して一つのアンテナで二つの周波数帯の電波を受信するようにしてもよい。
【0041】
図4に示すのは、図3に示す無線ICタグ本体21のバリエーションの無線ICタグ本体61である。RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる非接触型の記憶装置であって、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した不揮発性メモリと呼ばれる制御部を備えたメモリ部62とコイルアンテナ64a、平板型アンテナ(基板アンテナ)64bが電気的に接続されて一つの基板65上に実装されICチップ66から構成される。後述するように、無線ICタグ本体61は必要に応じて合成樹脂材等の被覆体により被覆される。
【0042】
無線ICタグ本体61のICチップ66の具体的な構成は負荷抵抗を含むロジック・メモリ部(等価回路)と、整流回路と入力制限抵抗含むアナログ部、送受信回路およびコイル型アンテナ部64a、平板型アンテナ部64bが電気的に接続されて基板65に実装されている。また、一つのICチップ26に本実施の形態においては、負荷抵抗と入力制限抵抗を適宜設定することや、コイル型アンテナのコイルの巻回数の調整や平板型アンテナの選択等によるアンテナの調整により通信距離を調整する。
【0043】
無線ICタグ本体61は、コイル型のアンテナ64aと平板型のアンテナ64bとの両方を搭載したハイブリット方式で、リーダーライター3と無線ICタグ間の磁界を利用してリーダーライター3から無線ICタグ2への電力の供給とデータ転送を行う電磁誘導方式を用いて通信を行うとともに、平板型アンテナで放射電磁波(電波)を利用して、リーダーライター3から無線ICタグへ電源供給を行い反射波(電波)によりデータ転送を行う。例えば、コイル型のアンテナ64aが受信した125KHzの電波により電源部を起電させてメモリ部や搭載された駆動回路を起動させて無線ICタグ2は動作し、平板型のアンテナ64bが受信した860MHzの電波により送られるデータを受信してロジック・メモリ部に記憶させるようになっている。尚、アンテナの組み合わせと、第一の周波数と第二の周波数の組み合わせは上述したものに限られるものではなく、通信距離やデータ書き込みに必要とされる確実さなどにより適宜選択してよい。
【0044】
図5に示すのは、図3に示す無線ICタグ本体21のバリエーションの無線ICタグに用いられる無線ICタグ本体71である。RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる非接触型の記憶装置であって、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した不揮発性メモリと呼ばれる制御部を備えたFeRAM72と平板型アンテナ(基板アンテナ)74a、平板型アンテナ(基板アンテナ)74bが電気的に接続されて一つの基板75上に実装されICチップ76から構成される。後述するように、無線ICタグ本体71は必要に応じて合成樹脂材等の被覆体により被覆される。
【0045】
無線ICタグ本体71のICチップ76は、負荷抵抗を含むロジック・メモリ部(等価回路)と、整流回路と入力制限抵抗を含むアナログ部、送受信回路および平板型アンテナ部74a、平板型アンテナ部74bが電気的に接続されて基板75に実装されてICチップ76を構成する。また、一つのICチップ76に本実施の形態においては、負荷抵抗と入力制限抵抗を適宜設定することにより通信距離を調整する。
【0046】
無線ICタグ本体71は、平板型のアンテナ74a、bとを備えた電波方式により通信を行う方式で、平板型アンテナで放射電磁波(電波)を利用して、リーダーライター3から無線ICタグへ電源供給を行い反射波(電波)によりデータ転送を行う。例えば、平板型のアンテナ74aが受信した860MHzの電波により電源部を起電させてメモリ部72や搭載された駆動回路を起動させて無線ICタグ2が動作し、平板型アンテナ74bが受信した2.45GHzの電波により送られるデータを受信してロジック・メモリ部に記憶させるようになっている。尚、アンテナの組み合わせと、第一の周波数と第二の周波数の組み合わせは上述したものに限られるものではなく、通信距離やデータ書き込みに必要とされる確実さなどにより適宜選択してよい。
【0047】
尚、無線ICタグは、あらかじめ無線ICタグに電池等の電源を搭載し、メモリ部として揮発性メモリを用いるアクティヴ型の無線ICタグとしてもよい。この場合は、電源として電池を搭載し、搭載された電池により揮発性メモリを動作させるようになっている。ただし、電池により動作させるのは揮発性メモリに記憶されたデータを保持するための最低限の範囲で足り、その他の回路の動作には、リーダーライター3からの第一の周波数の電波を用い、データの読み取り、書き込みに第二の周波数の電波を用いるようにしてもよい。
【0048】
図6(A)に示すように生コンの製造段階で混練されコンクリート構造物95の管理に用いられる無線ICタグ2は、メモリ部22を有する回路23にアンテナ24a,bが実装された基板25からなるICチップ26から構成される無線ICタグ本体21を抗アルカリ性樹脂材、例えばポリアミドMXD6を非透磁性のガラス繊維、無機質フィラー等で強化したレニー材(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)からなる被覆体29により覆ったものでありその外形形状は、周囲に生コンと親和性を高めるディンプル291が形成された楕円球体、または俵型を成し、かつ生コンクリートの混練時に偏在することなく分散混入するように生コン中の骨材と略同一の大きさ比重を有している。
【0049】
また、図6(B)に示す他の被覆の実施例である無線ICタグ4は、ICチップ66から構成される無線ICタグ本体61を抗アルカリ性樹脂材、例えばポリアミドMXD6を非透磁性のガラス繊維、無機質フィラー等で強化したレニー材(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)からなる被覆体41により覆ったICタグであり、その外形形状は、周囲に生コンと親和性を高める凸部42が形成された樽型を成し、かつ生コンの混練時に偏在することなく分散混入するように生コン中の骨材と略同一の大きさ比重を有している。
【0050】
また、図6(C)に示す他の被覆の実施例である無線ICタグ5は、無線ICタグ本体を構成するアンテナ部52やメモリ部53および回路54、55等が基材51の表面に実装されている。その周囲を被覆体56により被覆して球体、楕円体、多面体等の立体形状を成し、かつ生コンの混練時に偏在することなく分散混入するように生コン中の骨材と略同一の大きさ、比重を有している。尚、無線ICタグ本体の選択と被覆形状の組み合わせは上述したものに限られず、所望の組み合わせを選択することができる。
【0051】
次に、リーダーライター3について説明する。図1に示すリーダーライター3は、無線ICタグ2との間でデータ通信をする読み取り・書き込み装置であって、少なくとも二の周波数の電波を出力するようになっている。たとえば、無線ICタグ2のメモリ部を動作させるための125KHzと、データ読み取り、書き込みのための13.56MHzを回路に設置されてなるスイッチの切り替えにより交互に、または異なる回路から同時に出力する。尚、電波を交互に出力する場合の間隔は、1秒以下の短い間隔である。
【0052】
リーダーライター3は、第一の周波数の電波を電磁誘導式回路のコイル型アンテナから出力する、電磁誘導方式の回路を搭載し、第一の回路からの125KHzの電波をアンテナ32から出力し無線ICタグ2の電源部を駆動させ、第二の回路からの13.56MHzの電波をコイル型アンテナ32から出力してデータの読み取り、書き込みをする。リーダーライター3のアンテナに発生する交流磁界エネルギーによる誘導結合により無線ICタグ2を動作させデータを読み取り、書き込みする。アンテナからの二種類の電波の出力は、交互にしてもよいし同時にしてもよい。
【0053】
また、図8に示す他の実施の形態のアンテナ33を備えたリーダーライター32は、電磁誘導式回路と電波方式回路のハイブリット型回路を有し、コイル型アンテナと平板型アンテナから二つの周波数帯の電波を出力する。例えば、電磁誘導式のコイル型アンテナから13.56MHz電波を出力し、無線ICタグ本体61を搭載した無線ICタグ6の電源部を起動させ、電波方式の回路の平板型アンテナからの860MHzの電波を出力してデータの読み取り、書き込みする。リーダーライター32のコイル型アンテナに発生する交流磁界エネルギーによる誘導結合により無線ICタグを動作させデータを読み取り、書き込みをし、リーダーライター32の平板型アンテナからの照射電波でデータを読み取り、書き込みする。
【0054】
図9に示す他の実施の形態のアンテナ35を備えたリーダーライター34は電波方式回路を有し、平板型アンテナから二つの周波数帯の電波を出力する。例えば、UHF波帯の860MHzの電波を出力し無線ICタグ本体71を搭載した無線ICタグ7の電源部を駆動させ、マイクロ波帯の2.45GHzの電波を出力してデータを読み取り、書き込みする。
【0055】
上述した無線ICタグ2と、リーダーライター3を用いた無線ICタグ通信システム1について説明する。無線ICタグ通信システム1は、無線ICタグ2とリーダーライター3間で無線通信を行うシステムであり、電源を動作させる第一の周波数の電波と、データの読み取り、書き込みを行う第二周波数の電波による無線通信を行う二周波数通信方式の無線ICタグ通信システム1である。
【0056】
リーダーライター3は、第一に無線ICタグ2を起電させるための第一の周波数としての125KHzを出力すると電波を出力すると、通信範囲内に位置するこの電波を受信した無線ICタグ2の電源部は起電されメモリ部22や駆動回路を起動させて無線ICタグ2を動作させ、無線ICタグ2から動作電波が発生する。この無線ICタグ2からの電波(例えば、無線ICタグ2の識別子)を受信したリーダーライター3をデータの読み取り、書き込みが可能な範囲に位置させ、その無線ICタグ2に対してデータ読み取り、書き込みのための13.56MHzの電波を出力しデータの読み取り、書き込みを確実に行うようになっている。尚、通信範囲内に複数の無線ICタグ2が存在する場合にも、アンチコリジョン機能により、複数の無線ICタグ2を認識することが可能で、通信範囲内に位置するすべての無線ICタグ2に対して情報を読み取り、書き込みしてもよいし、識別子に対応する所定の無線ICタグ2に対して情報を読み取り、書き込みしてもよい。
【0057】
上述した無線ICタグ6と、リーダーライター32を用いた無線ICタグ通信システム11について説明する。無線ICタグ通信システム11は、無線ICタグ6とリーダーライター32間で無線通信を行うシステムであり、電源を動作させる第一の周波数の電波と、データの読み取り、書き込みを行う第二周波数の電波による無線通信を行う二種は数通信方式の無線ICタグ通信システム11である。
【0058】
リーダーライター32は、第一に無線ICタグ6を起電させるための13.56MHzの電波をコイル型アンテナより出力すると、通信範囲内に位置するこの電波を受信した無線ICタグ6は、電波により電源部は起電され、メモリ部62やその他の駆動回路を動作させ無線ICタグ6から動作電波が発生する。この無線ICタグ6からの電波(例えば無線ICタグ6の識別子)を受信したリーダーライター32を、データの読み取り、書き込みが可能な範囲に位置させ、その無線ICタグ6に対してデータ読み取り、書き込みのための平板型アンテナからの860MHzの電波を出力してデータの読み取り、書き込みを行うようになっている。尚、通信範囲内に複数の無線ICタグ6が存在する場合にも、アンチコリジョン機能により、複数の無線ICタグ6を認識することが可能で、通信範囲内に位置するすべての無線ICタグ6に対して情報を読み取り、書き込みしてもよいし、識別子に対応する所定の無線ICタグ6に対して情報を読み取り、書き込みしてもよい。
【0059】
上述した無線ICタグ7と、リーダーライター34を用いた無線ICタグ通信システム12について説明する。無線ICタグ通信システム12は、無線ICタグ7とリーダーライター34間で無線通信を行うシステムであり、電源を動作させる第一の周波数の電波と、データの読み取り、書き込みを行う第二周波数の電波による無線通信を行う二種は数通信方式の無線ICタグ通信システム12である。
【0060】
リーダーライター34は、第一に無線ICタグ7を起電させるための860MHzの電波を平板型アンテナから出力すると、通信範囲内に位置するこの電波を受信した無線ICタグ7は、電波により電源部は起電され、メモリ部72やその他の駆動回路を動作させ無線ICタグ7から動作電波が発生する。この無線ICタグ7からの電波(例えば無線ICタグ7の識別子)を受信したリーダーライター34を、データの読み取り、書き込みが可能な範囲に位置させ、無線ICタグ7に対してデータ読み取り、書き込みのための平板型アンテナからの2.45GHzの電波を出力してデータの読み取り、書き込みを行うようになっている。尚、通信範囲内に複数の無線ICタグ7が存在する場合にも、アンチコリジョン機能により、複数の無線ICタグ7を認識することが可能で、通信範囲内に位置するすべての無線ICタグ7に対して情報を読み取り、書き込みしてもよいし、識別子に対応する所定の無線ICタグ7に対して情報を読み取り、書き込みしてもよい。
【0061】
上述したリーダーライターと無線ICタグとの通信周波数帯の組み合わせは、いくつもの組み合わせ挙げられ、所望される通信距離や通信速度、また電波が進む媒体やその温度等の使用環境により適宜選択されるものである。その一例として、現在、RFIDタグに一般的に用いられている125KHz、13.56MHz、433MHz、860MHz、2.45GHzの組み合わせの例を下記の表に示す。横列が、無線ICタグを起電させる第一の周波数、縦列が無線ICタグにデータを読み取り、書き込みする第二の周波数である。
【0062】
【表1】

【0063】
最後に、図7に無線ICタグ2を用いたコンクリート管理のフローの中で用いる例を示す。無線ICタグ2は生コンの製造段階81で生コン材料中に混入されて前記骨材や水と一緒に混練される。この無線ICタグ2には図1に示す製造段階81、および出荷段階82、施工現場への搬入段階83、施工段階84あるいは。施工後の検査段階85や補修工事86等において種々の情報が書き込まれ、あるいは書き込まれた情報の読み出しが行われる。
【0064】
まず、コンクリート製造段階81では、例えば、製造工場名および製品番号、製造年月日や製造日時、セメントや骨材等の原料情報、コンクリートの配合計画、実際の材料計量値、製造責任者等の製造関連情報が書き込まれ生コンに投入されて混練される。また、製造が完了し、出荷段階82では出荷関連情報、最も重要な情報としては出荷日時または出荷スタート情報、さらには出荷場所、出荷数量等、出荷に関連した情報が書き込まれる。次に、施工現場への搬入段階83において、搬入関連情報として生コンの荷卸し時には、出荷から荷卸しまでにかかった時間を含む種々の荷卸し関連情報の書き込み、読み取りがなされ、また施工段階84においても生コンの荷卸しから打設までにかかった時間を含む種々の打設関連情報の書き込み、読み取りが行われる。
【0065】
図2に示す如く、コンクリート構造物が完成した後は、安全性等の検査85や補修工事86の際に、コンクリート構造物リーダーライター3を用いた無線ICタグ通信システム4により無線ICタグ2に記憶されている上記情報の読み取りや、新たな情報の書き込みが行われる。
【0066】
データの読み取りや書き込みをするユーザーは、リーダーライター3を持って、リーダーライター3の電源を入れると、リーダーライター3は、無線ICタグ2のメモリ部を動作させる第一の周波数の電波と、データの読み取り、書き込みをする第二の周波数の電波を出力し、第一の周波数の電波により電源を動作して無線ICタグ2から電波を出力させるとともに、第二の周波数の電波によりこの無線ICタグ2に対してデータを読み取り、書き込みするようになっている。
【0067】
上述した無線ICタグ2と、リーダーライター3を用いた無線ICタグ通信システム1について説明する。無線ICタグ通信システム1は、無線ICタグ2とリーダーライター3間で無線通信を行うシステムであり、電源を動作させる第一の周波数の電波と、データの読み取り、書き込みを行う第二周波数の電波による無線通信を行う二種は数通信方式の無線ICタグ通信システム1である。
【0068】
リーダーライター3は、第一に無線ICタグ2を起電し、動作させるための125KHzを出力すると約180〜200mm(コンクリート内)の範囲に電波が出力される、この電波を受信した無線ICタグ2は、駆動電波を発生する。この無線ICタグ2からの電波を受信したリーダーライター3を、その無線ICタグ2から30mm程度の位置まで近づきデータ読み取り、書き込みのための13.56MHzの電波を出力し約25mm〜30mm(コンクリート内)の通信距離でデータの読み取り、書き込みを確実に行うようになっている。尚、ここに示す距離は、リーダーライター3の出力や、電波が進む媒体、例えば空気、コンクリート、水等の種類や、温度等により異なり、場合に応じて、リーダーライターからの出力周波数や出力、無線ICタグの受信周波数を選択する。
【0069】
尚、当該システムはコンクリート構造物に混練してなる無線ICタグ2との通信に限られず、公園、駐車場などに設置した無線ICタグのように広範囲の無線通信によるデータの読み取り、書き込みや、地下に埋設した無線ICタグのように所在が不明な場合の無線通信に用いることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 無線ICタグ通信システム
11無線ICタグ通信システム
12無線ICタグ通信システム
2 無線ICタグ
21無線ICタグ本体
22メモリ部
23回路
24a,bコイル型アンテナ
25基板
26ICチップ
29被覆体
291ディンプル
3 リーダーライター
31アンテナ
32リーダーライター
33アンテナ
34リーダーライター
35アンテナ
4 無線ICタグ
41被覆体
42凸部
5 無線ICタグ
51基材
52アンテナ部
53,54回路
6 無線ICタグ
61無線ICタグ本体
62メモリ部
64aコイル型アンテナ
64b平板型アンテナ
65基板
66ICチップ
7 無線ICタグ
71無線ICタグ本体
72メモリ部
74a平板型アンテナ
74b平板型アンテナ
75基板
76ICチップ
81製造段階
82出荷段階
83搬入段階
84施工段階
85検査段階
86補修工事
9 無線ICタグ通信システム
91リーダーライター
92アンテナ
93無線ICタグ
95コンクリート構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICタグに対して無線通信によりデータを読み取り・書き込みする読み取り・書き込み装置と、メモリ部とアンテナ部を基板上に実装してなる無線ICタグとを有し、前記読み取り・書き込み装置は、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを出力し、前記第一の周波数の電波により前記無線ICタグを起電させ、前記第二の周波数の電波でデータの書き込み・読み取りをすることを特徴とする無線ICタグ通信システム。
【請求項2】
読み取り・書き込み装置は、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを交互に出力し、無線ICタグを動作させるとともにデータを読み取り・書き込みすることを特徴とする請求項1記載の無線ICタグ通信システム。
【請求項3】
読み取り・書き込み装置は、無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを同時に出力し、無線ICタグを動作させるとともにデータを読み取り・書き込みすることを特徴とする請求項1記載の無線ICタグ通信システム。
【請求項4】
読み取り・書き込み装置と無線ICタグは、電磁誘導方式により通信を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線ICタグ通信システム。
【請求項5】
読み取り・書き込み装置と無線ICタグは、電波方式により通信を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無線ICタグ通信システム。
【請求項6】
無線ICタグに対して無線通信によりデータを書き込みおよび読み取りする読み取り・書き込み装置であって、前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを出力することを特徴とする読み取り・書き込み装置。
【請求項7】
無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを交互に出力することを特徴とする請求項6記載の読み取り・書き込み装置。
【請求項8】
無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第二の周波数の電波とを同時に出力することを特徴とする請求項6記載の読み取り・書き込み装置。
【請求項9】
読み取り・書き込み装置は電磁誘導回路を有し、コイルアンテナに交流電流を流すことにより交流磁界を発生させる電磁誘導方式による電波を出力することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の読み取り・書き込み装置。
【請求項10】
読み取り・書き込み装置は反射回路を有し、平板型アンテナに反射する電波により無線ICタグと通信タグと通信を行う電波方式による電波を出力することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の読み取り・書き込み装置。
【請求項11】
無線ICタグは、読み取り・書き込み装置から出力される前記無線ICタグを起電させる第一の周波数の電波と、データを書き込み・読み取りする第一の周波数とは異なる周波数の第二の周波数の電波とを受信する無線ICタグであって、コイルアンテナにより電波を受信する電磁誘導回路、または、平板型アンテナにより電波を受信する反射回路のいずれか、または、前記コイルアンテナにより電波を受信する電磁誘導回路および前記平板型アンテナにより電波を受信する反射回路の両方を備えてなることを特徴とする無線ICタグ。
【請求項12】
無線ICタグを構成するメモリ部は、読み取り・書き込み装置からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部を有する強誘電体を利用した不揮発性メモリであることを特徴とする請求項11に記載の無線ICタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−221925(P2011−221925A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92543(P2010−92543)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(501415394)三智商事株式会社 (11)
【Fターム(参考)】