説明

無線LAN測定フィードバック

WLANデータのような測定されたデータが受信される。この測定されたデータは、予想されるWLANデータのような予想されるデータと比較される。予想されるWLANデータは例えば、フロアプランデータ、アクセスポイントデータ(例えば、量、配置及び/又は設定)のような、様々なソースから作成することができる。このような測定されたデータに基づいて、フロアプランデータ、及び/又はアクセスポイントデータ(例えば、量、配置及び/又は設定)などのWLANの特徴を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
【0001】
実際のWLAN展開の動作に関するフィードバックによって、展開間違いを修正することができる。例えば、WLANサイトのいかなる現場調査又はシミュレーションであっても不正確な結果をもたらし得るものであり、ことによると、調査又はシミュレーションに基づく実際の展開におけるいかなるエラーによっても拡大される。結果として生じている問題は、WLANの実際の事後展開性能を検証すること、例えば、事前展開想定によってWLANトポロジーマップを作成することによって、最もよく対処されている。経験的な測定なく、これらの問題に対処しようとする試みは、問題を解決し損ねるか、あるいは問題を悪化させることにさえなり得る。場合によると、誤ったモデリング仮定に加え、現場調査の不足は、接続している及び接続していないユーザの絶え間なく変化しているWLAN環境の現実、アプリケーションの変更、さらに仕切り部屋(キュービクル)のような固定された構造内の変更に対して時間内の一つのスナップショットであることによる。したがって、実際のWLAN展開の動作のフィードバックをWLANのプランニングに適用することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
WLANデータなどの測定したデータが受け取られる。この測定されたデータは、予想されたWLANデータのような予想されたデータと比較される。予想されたWLANデータは、種々の情報源、例えば、フロアプランデータやアクセスポイントデータ(例えば、量、配置、及び/又は設定)から作成することができる。このような測定されたデータに基づき、例えばフロアプラン及び/又はアクセスポイントデータ(例えば、量、配置、及び/又は設定)などのWLANの機能を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
RF測定は、予想されたWLAN性能と実際のものとの相違を見つけて直すことができる。事前実施が計画された実際のWLAN性能を検証するのに、ネットワークアクセス機能停止あるいは遅い処理能力をユーザをユーザが経験することで、ユーザが不満を感じるのを待つべきでない。さらに、これらの測定は、アクセスポイントの将来の配置あるいは既存のアクセスポイントの設定の調整を手直しすることができる。
【0004】
定期的なRF測定は、事前展開の際に計画された設定の要素(例えば、アクセスポイント配置、繋がったポート、予想されるRF信号強度、適用範囲、チャンネル割当て、送信パワー)を検証しアップデートすることができる。
【0005】
実際のRFトポロジーは、検査を促進するために、元の設計の上に重ねることができる。フロアプラン上に全ての許可されたアクセスポイントを調査する組合せられたマップと、全チャンネルに亘ってリッスンする全てのアクセスポイントごとの通常のRFスイープとを結びつけることで、全てのアクセスポイント及びステーションの完全な図を示すことができる。全ての許可されたアクセスポイントのマップとRFスイープとを比較することで、不良アクセスポイントを検出して場所を探し出すことができる。同様に、全ての許可されたユーザをRFスイープマップから検出されるユーザと比較することで、不良ステーションを検出して場所を探すことが可能となる。不良アクセスポイントあるいはステーションは、アクセスポイントから三角測量することができる。
【0006】
図1は、WLAN100の展開例を示している。分配システム110は、第一の分配システムスイッチDS1 112と、第二の分配システムスイッチDS2 114と、第一の分配システムスイッチDS1 112と第二の分配システムDS2 114とを接続する分配システムバックボーン116とを含んでいる。第一の拡張サービスセットネットワークESS1 120は、第一の分配システムスイッチDS1 112と、アクセスポイントAP1A122と、アクセスポイントAP1B124と、アクセスポイントAP1C126と、ステーション128とを含んでいる。アクセスポイントAP1A122、アクセスポイントAP1B124、及びアクセスポイントAP1C126は、有線リンク172,174及び176によって第一の分配システムスイッチDS1 112と接続されている。ステーション128及びアクセスポイントAP1A122は、無線リンク192を介して接続され、第一の基本サービスセットネットワークBSS1 140を形成している。第二の拡張サービスネットワークESS2 130は、第二の分配システムスイッチDS2 114とアクセスポイントAP2A132と、アクセスポイントAP2B 134と、アクセスポイントAP2C 136と、ステーション138とを含んでいる。アクセスポイントAP2A132、アクセスポイントAP2B 134、及びアクセスポイントAP2C136は、有線リンク182,184及び186によって第二の分配システムスイッチDS2 114とをそれぞれ接続している。ステーション138及びアクセスポイントAP2B134は、無線リンク194を介して接続され、第二の基本サービスセットネットワークBSS2 150を形成している。ステーション160は、第一の拡張サービスネットワークESS1 120のアクセスポイント126と第二の拡張サービスセットネットワークESS 130のアクセスポイントAP2A 132との間でデータが伝達される途中にあり、したがって、アクセスポイントAP1C 126及びアクセスポイントAP2A132への二つの無線リンク196及び198とそれぞれ関連付けられている。
【0007】
図2は、WLANを管理する方法の一例を示している。
【0008】
210において、測定されたWLANデータが受け取られる。測定されたWLANデータは、無線周波数測定を含むことができる。この無線周波数測定は、測定された無線周波信号強度のデータ、測定されたチャンネルデータ、及び/又はWLANアクセスポイントの測定する位置データ、及び/又は無線周波数測定に関するメディアアクセス制御アドレスデータを備えることができる。無線周波数測定は、WLANアクセスポイントで測定されたアクセスポイント無線周波数測定を含むことができる。WLANアクセスポイントは、例えばWLANトラフィックをリッスンすることによって無線周波数測定を測定することができる。
【0009】
無線周波信号強度の測定は、RF測定ポイントを設置することによって高めることができる。このRF測定ポイントは、フロアプランデータを示すことができ、及び/又は、WLANの現場のある位置における一つ以上のアクセスポイントからの信号強度の測定をシミュレートすることができる。RF測定ポイントは、WLANの性能を検証するときに役立つ手段である。
【0010】
いくつかの具体例、測定されたWLANデータに少なくとも基づいて、受信範囲データを表示し、キャパシティデータを表示し、及び/又はフロアプランデータを表示する。キャパシティデータの事例は、802.11b用の1Mbpsや802.11a用の5Mbpsが挙げられる。
【0011】
測定されたWLANデータは、ネットワーク統計データを含むことができる。この統計データは、オクテットデータ、パケットデータ及び/又はエラーデータとして、イーサネット(登録商標)統計、イーサネットエラー、無線統計、そしてセッション統計を含むことができる。このようなネットワーク統計は、WLANの現場に対して、一つ以上のWLANの現場のの建物、一つ以上のWLANの現場のフロア、一つ以上のWLANの現場の部分、WLANアクセスポイントに接続している一つ以上の分配システムスイッチ、一つ以上のWLANアクセスポイント及び/又は分配システムスイッチの一つ以上のポートを集めることができる。
【0012】
ネットワーク統計データは、複数のアクセスポイント、VLANs,IPアドレス、ユーザ又はユーザのグループに対してアクセスを許可し又は拒否するアクセス制御リスト、及び/又はアクセス制御リストを作り上げるアクセス制御要素から収集することができる。ネットワーク管理者は、ユーザのアイデンティティ及び/又は位置、及び/又はこれらの処理能力の使用を通知することができる。WLAN設定は、意図されるWLAN理論的構造及び/又はセキュリティを維持すること目的として、検証することができる。システム全体障害及び/又は事象はモニタすることができる。性能統計は、収集及び/又はグラフ化することができる。これらの統計は、性能の問題を予測して、問題の報告を待つ必要性を軽減することができる。
【0013】
特定のポートに関して統計データを収集する従来のネットワーク監視ツールのように、従来のネットワーク統計データは、建物の特定のエリアのために収集することができ、それは複数のVLANサブネット上にあり、複数の分配システムスイッチを用い、及び/又は多数のバックボーントランクを用いる。
【0014】
これは、WLAN設定が変更されるべきであるかどうか、及び/又は、アクセスポイントを移動させるべきか若しくは追加させるべきであるかどうかを示すことができる。収集されたネットワーク統計は、WLANの混雑を緩和し、及び/又は、アクセスポイントの将来の配置及び/又は設定変化を通知するために利用することができる。例えば、ユーザは、具体的なアクセスポイントへのマップを作ることができ、特定のユーザのアクセスポイントにおける高いトラフィックに応じて、このユーザは一つ以上の低いトラフィックのアクセスポイントに切り換えることができる。トラフィックは、WLANの性能を全体として最適化すべく、他の経路で分配することができる。特定のVLAN、ユーザなどと関連したトラフィックの収集された統計データは、特定の物理的な領域、WLANの現場のフロア、又は建物、又は特定のチャンネル、又は特定のアクセスポイントなどの、そのトラフィックを伝達するWLANの物理的部分に対して描くことができる。そのようなカバーエリアのそれぞれに対してサービスレベルをチェックすることができる。このデータは、将来の計画される配置を通知し、過去の配置を測定することができる。
【0015】
受信範囲データは、WLANアクセスポイントによって提供される現場の受信範囲エリアを示すことができる。受信範囲データは、少なくともフロアプランデータによって示すことができる。受信範囲データは、WLANの技術標準に依存することができる。受信範囲エリアは、WLANの一つ又は複数の技術標準をサポートすることができ;同様に、複数の受信エリアは、WLANの一つ又は複数の技術標準をサポートすることができる。受信範囲エリアは、部分的に又は完全に重複することができる。受信範囲エリアには、受信範囲エリアにおける典型的なクライアント用の平均的な好ましい接続レートなど、より多くの特性を与えることができ、ステーションスループット(送信、受信、又は送信及び受信の組合せ)は、平均的な好ましい接続レートを超えるべきでない。
【0016】
キャパシティデータは、WLANアクセスポイントに提供されるステーション用の一つ以上のスループットを含むことができる。スループット速度の例としては、802.11b用の1mbpsや、802.11a用の5Mbpsが挙げられる。前記キャパシティデータは、WLANアクセスポイントによって提供されるステーション用の一つ以上の平均的な好ましい接続レートを含むことができる。キャパシティデータは、WLANアクセスポイントによって提供される一つ又はそれより多いステーションの数量を含むことができる。この数量は、例えば、WLANアクセスポイントによって提供される動作中のステーション、及び/又はWLANアクセスポイントによって提供されるステーションの総数によって特徴付けることができる。比率の例としては、すべてのクライアントに対する動作中のクライアントの比率が挙げあれる。例えば、比率5:1は、統計的にクライアントの20パーセントが常時動作中であることを示す。
【0017】
220において、測定されたWLANデータは、予想されるWLANデータと比較される。予想されるWLANデータは、予想される無線周波信号強度データ、予想されるチャンネルデータ、WLANアクセスポイントの予想される位置データ、及び/又は予想されるメディアアクセス制御アドレスデータを含むことができる。予想されるWLANデータは、少なくとも、WLANの現場に関するフロアプランデータ、及び/又はWLANアクセスポイントの量、配置及び/又は設定から生成することができる。
【0018】
WLANアクセスポイントの設定は、WLANアクセスポイント用のマルチホーミングを含むことができる。WLANアクセスポイントの設定は、WLANアクセスポイントのためのパワーレベルを含むことができる。送信パワーレベルのようなパワーレベルは、エリアを十分カバーするのに十分に高くなければならないが、同一チャンネル干渉を減少させるのを促進すべく、高すぎるべきではない。
【0019】
230において、少なくとも測定されたWLANデータに基づいて、WLANの現場に関するフロアプランデータ、及び/又はWLANアクセスポイントの量、配置及び/又は設定が変更される。フロアプランデータを変更することは、(無線周波減衰要因と関連し得る)フロアプランデータの中の物体、及び/又はフロアプランデータの中の物体と関連する無線周波減衰要因の一つ以上を変更することを含むことができる。WLANアクセスポイントの設定を変更することは、WLANアクセスポイントのパワーレベル、及び/又はWLANアクセスポイントのチャンネル割当ての一つ以上を変更することを含むことができる。
【0020】
フロアプランデータは、無線周波減衰要因と関連し得る物を示している。例えば、壁、窓、ドア、及び仕切り部屋は、RF信号を吸収する。素材が異なると、減衰要因は異なる。減衰要因は、802.11a又は802.11bなどのWLANの技術標準にも依存し得る。フロアプランデータは、取り込まれ、及び/又はコンピュータを介して手動で読み込むことができる。読み込めるファイルのタイプは、以下のとおりである。:AutoCAD図面(DWG)、図面交換フォーマット(DXF)、及び/又はジョイントフォトグラフエキスパートグループ(JPEG)。DWGやDXFなどのCADの図面は、適当に縮尺され、寸法的に正確なフロアプランのデータなどのように利点を有することが可能であり;ベクトルグラフィックに基づいた図面、及び/又はレイヤーによってグループ分けされ、及び/又は整理された図面オブジェクトで、壁、ドア、及び/又は窓などの同様の物の表示及び/又は操作を可能とする。
【0021】
物は、フロアプランデータにグラフィックで配置され、障害物の種類及び減衰要因を割り当てることができる。また、障害物の種類及び減衰要因は、CAD図面の中の物体に割り当てることができる。これらの値は、ネットワークの受信範囲の計算を行う際に用いることができる。物は、手動で作成することもできる。図面が完全に正確でない場合には、図面に含まれていないフロアプランデータの変更を反映すべく、物を追加及び/又は削除することができる。物をグループ分けすることは有益である。便宜上、CAD図面のレイヤーの中の全ての物を物に変換することができ、いかなる図面のエリアの全ての物も物に変換することができ、図面の中の複数の物を物に変換することができ、及び/又はいかなる図面の中のグループ分けされた物もRF障害物に変換することができる。
【0022】
アクセスポイントが部分的な壁又は他の垂直面に置かれる場合、正確に予測される受信範囲をモデルするために、部分的な壁又は他の垂直面などは、例えば100dBの減衰を伴う完全な壁として扱うことができる。同様に、他のモデルにも、より低い又はより高い減衰などを適用することができる。
【0023】
いくつかの具体例は、ワイヤリングクローゼットデータを受け取ることができる。このワイヤリングクローゼットデータは、一つ以上の分配システムスイッチ及び/又はWLAN用の現場における他のネットワーク機器の一つ以上の位置を示すことができる。分配システムスイッチは、WLANアクセスポイントを接続する。ワイヤリングクローゼットデータに少なくとも部分的に基づいて、WLANアクセスポイントの数量、配置、及び/又は設定を決定することができる。一つ以上の分配システムスイッチとWLANアクセスポイントの間の接続を決定することができる。ワイヤリングクローゼットデータには、WLANアクセスポイントに対して豊富な接続データを含ませることができる。分配システムスイッチの数量、配置及び/又は設定は、フロアプランデータ、受信範囲データ、及び/又はキャパシティデータに少なくとも基づいて決定することができる。これにより、アクセスポイントとそれらのそれぞれの流通システムスイッチとの間のUTP Cat5ケーブル距離が例えば100メートル又は330フィートを超えないことが保証される。WLAN現場でWLANアクセスポイントを接続している一つ以上の分配システムスイッチの数量、配置、及び/又は設定は少なくとも測定されたWLANデータに基づいて変更することができる。アクセスポイントのデュアルホーミングがサポートされ;同じ又は異なる分配システムスイッチを用いることができる。
【0024】
ローミングユーザをサポートすべく協働する分配システムスイッチのグループは、ドメインである。あるドメインにおいて、一つの分配システムスイッチをシードデバイスと定義することができ、それは、このドメインにおいて定義された分配システムスイッチに情報を分配することができる。このドメインは、ネットワーク接続性を途絶えさせることなく、ユーザがある分配システムスイッチから他の分配システムスイッチへ地理的にローミングすることができる。ユーザがある位置から他の位置に移動するとき、サーバーへの接続は同じように現れる。ユーザがドメインの分配システムスイッチと接続するとき、ユーザは認可されたアイデンティティを通してVLANのメンバーとして接続する。ユーザのためのネイティブのVLANが、ユーザが接続する分配システムスイッチに存在しない場合には、分配システムスイッチは、そのVLANにトンネルを作る。
【0025】
アクセスポイントがアクセスポイントごとよりもむしろ全体として一緒に管理されるならば、配置するWLANの管理を拡張することができる。必要条件を変更することで、このような拡張された管理は、どのようなWLAN展開にでも関連し得る。したがって、ある古い方のWLAN展開設定に従う現在のWLANがもはやユーザが必要とする能力に適合せず、ユーザの現在必要とする能力に適合するためのアクセスポイントの理想的な展開設定を備える完全な綿密な計画が存在したとしても、アクセスポイントを集中管理することなく、完全な綿密な計画を実施することは困難であり得る。同様のことは、WLANのバージョン対応にも当てはまる。したがって、いくつかの具体例では、分配システムスイッチ及び/又はアクセスポイントの集中管理が採用される。
【0026】
システムレベルでのアクセスポイント及び/又は分配システムスイッチの管理は、一つのアクセスポイント及び/又は分配システムスイッチを手動で調整し、それから近隣の全てのアクセスポイント及び/又は分配システムスイッチを手動で調整するなどという、時間集中的で手動反復的なプロセスを軽減する。その代わりに、設定は、中心的なアプリケーションから全てのアクセスポイント及び/又は分配システムスイッチに出すことができる。分配システムスイッチ及び/又はアクセスポイントのシステム全体のプロフィールは保守されて、パワーレベル及びRFチャンネルの割当てを簡素化することができる。また、ユーザプロフィール、VLANメンバーシップ、ポリシー、クラスオブサービス機能、及び対応する認可及び暗号化設定は、ずっと容易に集中管理することができる。
【0027】
WLANは、全体として、アクセスポイント及び/又は分配システムスイッチのばらばらな集合というより、むしろ単一の設定(例えばXMLエンティティと定義される)として扱うことができる。これにより、例えば離れたウェブアクセスを介したWLANの遠隔管理も可能となる。そのような設定(ネットワークプラントも呼ばれる)を展開する際、確認プロセスは、それがエラーを含んでいないことを自動的に保証することができる。ネットワークプランの確認は、例えば、展開に先駆けて、プランニングプロセスの間にいつでも行うことができる。確認プロセスの間に、このネットワークプランは、設定に何か間違いがないかを確かめるべく、規則のリストと照合することができる。既に行われたが、ネットワークには展開されていない及び/又は保存されていない全体設定及び/又は変更は、矛盾及び/又は依存状態についてチェックすることができる。例えば、分配システムスイッチがユニークなIPアドレスを有するか否か、及び/又はそのIPサブネットがVLANにおいて一貫していることを確認することができる。
【0028】
WLANアクセスポイントと接続する分配システムスイッチの設定は、WLANの現場において、一つ以上の分配システムスイッチにプッシュ配信することができる。分配システムスイッチ設定は、例えば、管理設定、IPサービス設定、認証設定、分配システムスイッチポート設定、及び/又は分配システムスイッチVLAN設定を含むことができる。管理設定の例には、HTTPS設定、テルネット設定、SNMP設定、ロギング設定、及び/又はタイムゾーン設定が含まれる。IPサービス設定の例には、スタティックルート設定、IPエイリアス設定、DNS設定、及び/又はNTP設定が含まれる。ポート設定は、分配システムスイッチポートのための設定を含むことができる。VLAN設定の例には、VLAN名称設定、トンネルアフィニティ設定、IPアドレス設定、エージングタイム設定、(VLANにおける分配システムスイッチポートのメンバーシップなどの)分配システムスイッチポートVLAN設定、STP設定、IGMP設定、及び静的マルチキャストポート設定が含まれる。
【0029】
いくつかの具体例は、一つ以上のWLANアクセスポイントに対してアクセスポイント設定がプッシュ配信される。アクセスポイント設定は、SSID設定、暗号化設定、及び/又は802.11の設定を含めることができる。SSID設定の例には、ビーコンを送られたSSID設定、暗号化されたSSID設定、及び/又は暗号化されていないデータSSID設定が含まれる。暗号化設定の例には、暗号化標準設定及び/又は暗号化キー設定が含まれる。802.11の設定の例には、ビーコン間隔設定、DTIM時間設定、フラグメントスレッショルド、ロングリトライ限界設定、最大送信ライフタイム設定、最大受信ライフタイム設定、RTS/CTS設定、ショートリトライ限界設定、プリアンブル設定、送信パワー設定、チャンネル数設定、及び最小送信レート設定が含まれる。
【0030】
WLANアクセスポイントの数量、配置、及び設定に少なくとも基づいて、及び/又はWLANの現場、WLANアクセスポイントの数量、WLANアクセスポイントの配置及び/又はWLANアクセスポイントの設置に関しての、フロアプランデータに対する一つ以上の変更に少なくとも基づいて、作業指示データを作成することができる。作業指示データは、WLANアクセスポイントの導入手順、及び/又はWLANアクセスポイントを接続する一つ以上の分配システムスイッチの導入手順を含めることができる。
【0031】
手作業の現場調査は、フロアプランおよびキャパシティを考慮するWLANシミュレーションに置き換えることができる。WLANシュミレーションにおいては、様々な物的要因が考慮される。様々な物的要因とは、例えば、:建築上の要因(例えば、建物の大きさ、建物のトポロジー、障害物、及びオフィスの大きさ)、異なる物(例えば、壁、窓、仕切り部屋、ドア、エレベーター、その他の固定された物)及び/又は素材の種類(例えば、空きスペース、金属、コンクリート、石膏、布地パーティション、)、及び干渉源(例えば、電子レンジ、コードレス電話、ブルートゥース機器)に関する減衰要因である。他の受信範囲要因には、送信機の能力、目標とする通信レートのレシーバ感度、及び目標とする操作上のリンクマージンが含まれる。
【0032】
WLANシミュレーションは、受信範囲に限らず、全てのユーザに共有されるWLANのバンド幅キャパシティを占める。空気は、切り替えられる媒体ではなく共有される媒体であるので、例えば一つのアクセスポイントなどの最も単純な配置であるほかは、受信範囲に焦点を当てることでは、理想的な結果を生むことができない。
【0033】
キャパシティ計算は、エリアをアプリケーションとユーザグループとを結び付けて、アプリケーションのバンド幅を考慮することができる。単純なウェブブラウジング及び電子メールアプリケーションは、企業資源プランニング又は顧客関係管理アプリケーションほど無線の活動が活発でない傾向がある。エリアのユーザのいくつかのグループが異なるバンド幅をネットワークに必要とするなら、WLAN現場の特定のエリアは、複数の受信範囲エリアを限定することができる。例えば、技術的なワークグループの技術的なアプリケーションは、販売及びマーケティングに用いられる事務的なアプリケーションよりも、バンド幅が集中的であり得る。また、ユーザごとのバンド幅、ユーザの数、ユーザごとの動作レート(例えば、MACの非効率性及びエラー訂正のオーバーヘッドなどの)オーバーヘッドの効率性、無線標準規格(802.11a/b/g)、作業する国、及び無線標準規格のための基準接続レートも同様に考慮される。適当なバンド幅及び適当な受信範囲は、十分な数のアクセスポイントを算定することによって確保することができる。マージンは、将来の成長、新たなユーザ、及びユーザのエリア内のローミングを可能とすべく設計される。
【0034】
アクセスポイントの配置及び最終設定が決定される。アクセスポイントの送信能力及びアクセスポイント間の距離を調整することによって、ユーザ密度及びセルサイズが調整される。より低いアクセスポイント設定を有するマイクロセルは、アクセスポイントごとに、より少ないユーザ間でより多くのバンド幅を共有し、より近接して計画することができる。これとは対照的に、アクセスポイントから遠ざかると、信号強度が減少し、キャパシティが低下する。また、最小の接続レート、ユーザが別のアクセスポイントと接続しなければならなくなる最低のデータ転送レートをサポートすることができる最低のRF信号強度も、同様に潜在的に調整することができる。これにより、送信により多くの送信時間を必要とし、且つ、他のユーザのスループットを遅くするような遅いユーザを防止することができる。アクセスポイントの送信能力を調整することで、周波数の再使用融通性を増大させ、同一チャンネルの干渉を減少させることができる。アクセスポイント間でのチャンネル割当てが最適化され、チャンネルコンフリクトを自動的に識別し、チャンネルを割り当てる。アクセスポイントへの自動的なチャンネル割当ては、802.11bの三つの非重複チャンネルと802.11aの八つ以上の非重複チャンネルを利用して、同一チャンネルの干渉を最小化し、スループットを増加させる。
【0035】
アクセスポイントを追加する、若しくは既存のアクセスポイントの設定を調整すると、周辺のアクセスポイントに影響を与える。したがって、新しいアクセスポイントを追加し、又はアクセスポイントの設定を変更すると、チャンネル割当て及び全てのアクセスポイントのパワーレベルを自動的に再計算することとなる。システムレベルで全てのアクセスポイントを調整し、RFトポロジーを再シミュレーションすることで、十分なバンド幅が確認される。この種のプランニングは、新規のWLAN展開をモデルすることができるだけでなく、既に展開されたWLANに新しいアクセスポイントの追加をモデルすることもできる。
【0036】
シミュレーションは、アクセスポイントの導入及び/又は分配システムスイッチの導入のために、フロアプラン上に実際の物の位置及び寸法を描く導入プランを含む作業指示を作成することができる。
【0037】
様々な具体例におけるコンピュータコードは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハートウェアとソフトウェアとの組合せにおいて実行することができる。
【0038】
図3は、プログラムメディア320に格納されたコードによって少なくとも部分的にプログラムされるコンピュータ310を示している。プログラムメディア320は、コード325の少なくともいくつかをコンピュータ310に配置するのに用いられる。
【0039】
図4は、ネットワーク430からのコードによって少なくとも部分的にプログラムされるコンピュータ410を示す。ネットワーク430は、コンピュータ410にコードを配置するのに用いられる。
【0040】
コードを実行するコンピュータは、分配スイッチ、アクセスポイント等々のネットワーク要素に統合可能、若しくはそれらと分離可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】WLANの展開例を示している。
【図2】WLANについて測定フィードバックの使用方法の一例を示している。
【図3】プログラムメディアからプログラムされたコンピュータを示している。
【図4】ネットワークからプログラムされたコンピュータを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータを受け取り;
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークを、予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータであって、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関するフロアプランデータ、ワイヤレスローカルエリアネットワークの複数のアクセスポイントの数量、配置、及び設定から少なくとも作成された予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータと比較し;そして
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークに少なくとも基づいて、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関する一つ以上のフロアプランデータ、複数のアクセスポイントの数量、複数のアクセスポイントの配置、及び複数のアクセスポイントの設定を一つ以上変更することを含むワイヤレスローカルエリアネットワーク計画に関する検証方法。
【請求項2】
前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、無線周波数測定が含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、無線周波数測定から測定された無線周波信号強度データが含まれ、そして予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、予想される無線周波信号強度データが含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、無線周波数測定から測定されたチャンネルデータが含まれ、そして前記予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、予想されるチャンネルデータが含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、無線周波数測定からの複数のアクセスポイントの測定されたアクセスポイント位置データが含まれ、そして予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、複数のアクセスポイントの予想されるアクセスポイント位置データが含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、無線周波数測定に関連付けられるメディアアクセス制御アドレスデータが含まれ、そして前記予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、予想されるメディアアクセス制御アドレスデータが含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記フロアプランデータの変更には、無線周波減衰要因に関連付けられるフロアプランデータの中で物を一つ以上変更することが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フロアプランデータの変更には、フロアプランデータ内の物に関連付けられる無線周波減衰要因を一つ以上変更することを含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークに基づいて、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場における一つ以上の分配システムスイッチの数量、配置、及び設定の少なくとも一つ:
の一つ以上を変更することを
さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のアクセスポイントの設定の変更には、複数のアクセスポイントのパワーレベルの一つ以上を変更することが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のアクセスポイントの変更には、複数のアクセスポイントのチャンネル割当ての一つ以上を変更することが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関するフロアプランデータ、複数のアクセスピンとの数量、複数のアクセスポイントの配置、及び複数のアクセスポイントの設定:
の一つ以上の変更に少なくとも基づいて:
作業指示データを生成することがさらに含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記作業指示データには、ワイヤレスローカルエリアネットワークの複数のアクセスポイントの導入手順が含まれる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記作業指示データには、ワイヤレスローカルエリアネットワークの複数のアクセスポイントに接続する一つ以上の分配システムスイッチの導入手順が含まれる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータに基づいて、受信範囲データを表示すること:
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記受信範囲データが、複数のアクセスポイントによって提供される現場の受信範囲エリアを示す請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記受信範囲データが、少なくともフロアプランデータとともに示される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記受信範囲データが、ワイヤレスローカルエリアネットワークの技術標準に依存する請求項15に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも一つの前記受信範囲エリアが、ワイヤレスローカルエリアネットワークの一つ以上の技術標準をサポートする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータに基づいてキャパシティデータを表示することを:
さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記キャパシティデータには、複数のアクセスポイントによって提供されるステーションのための一つ以上のスループットが含まれる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記キャパシティデータには、複数のアクセスポイントによって提供されるステーションのための一つ以上の平均の好ましい接続レートが含まれる請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記キャパシティデータには、複数のアクセスポイントによって提供される一つ又はそれより多いステーションの数量が含まれる請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記キャパシティデータには、複数のアクセスポイントによって提供される一つ又はそれより多い動作中のステーションの数量が含まれる請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記キャパシティデータには、複数のアクセスポイントによって提供される一つ又はそれより多い全てのステーションの数量が含まれる請求項23に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータに基づいてフロアプランデータを表示することを:
さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記フロアプランデータが読み込まれる込まれる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フロアプランデータがコンピュータを介して手動で取り出される請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記フロアプランデータ中の物が無線周波減衰要因と関連付けられる請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記フロアプランデータ内の物が、ワイヤレスローカルエリアネットワークの技術水準に依存する無線周波減衰要因と関連付けられる請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記無線周波測定には、複数のアクセスポイントのアクセスポイントによって行われるアクセスポイントの無線周波数測定が含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項32】
前記複数のアクセスポイントのアクセスポイントは、少なくともワイヤレスローカルエリアネットワークトラフィックを少なくともリッスンすることによって無線周波数測定を行う請求項32に記載の方法。
【請求項33】
前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータには、ネットワーク統計が含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記ネットワーク統計には、イーサネット統計、イーサネットエラー、無線通信統計、及びセッション統計の一つ以上が含まれる請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ネットワーク統計は、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場の一つ以上の建物、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場の一つ以上のフロア、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場の一つ以上の部分、複数のアクセスポイントに接続する一つ以上の分配システムスイッチ、複数のアクセスポイントの一つ以上のアクセスポイント、及び一つ以上の分配システムスイッチの一つ以上のポート、の内の一つ以上のために収集される請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ネットワーク統計には、オクテットデータ、パケットデータ、及びエラーデータの一つ以上が含まれる請求項33に記載の方法。
【請求項37】
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータを受信するコードと、
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータを、予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークであって、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関するフロアプランデータ、ワイヤレスローカルエリアネットワークの複数のアクセスポイントの数量、配置、及び設定から少なくとも生成され予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータとを比較するコードと;
そして
少なくとも前記測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータに基づいて、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関するフロアプランデータ、複数のアクセスポイントの数量、複数のアクセスポイントの配置、及び複数のアクセスポイントの設定の一つ以上を変更するコードと、
が備えられているワイヤレスローカルエリアネットワークの検証コード。
【請求項38】
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータを受け取る手段と;
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークデータを、予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータであって、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関するフロアプランデータ、ワイヤレスローカルエリアネットワークの複数のアクセスポイント、数量、配置及び設定から少なくとも作成された予想されるワイヤレスローカルエリアネットワークと比較する手段と;そして
測定されたワイヤレスローカルエリアネットワークに少なくとも基づいて、ワイヤレスローカルエリアネットワークの現場に関するフロアプランデータ、複数のアクセスポイントの数量、複数のアクセスポイントの配置、及び複数のアクセスポイントの設定の一つ以上を変更する手段と、
を備えているワイヤレスローカルエリアネットワークの検証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−521761(P2007−521761A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527098(P2006−527098)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030684
【国際公開番号】WO2005/029278
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(506092477)
【氏名又は名称原語表記】TRAPEZE NETWORKS
【住所又は居所原語表記】5753 W. Las Positas Blvd., Pleasanton, CA 94588 (US)
【Fターム(参考)】