焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置
【課題】 広い焦点検出エリアを有し、収差による影響の少ない焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置を提供する。
【解決手段】 コンデンサーレンズ4と、瞳分割絞り開口5と、再結像レンズ群6と、受光素子列7を有する焦点検出光学系が、予定結像面上にて互いに隣り合う若しくは互いに交差する少なくともn個(n≧2)の焦点検出エリアをもち、再結像レンズ群は、第n+1個の再結像レンズ6を備え、第n−1番目及び第n番目の再結像レンズ6n-1,nは第n−1番目の焦点検出エリアに対応し、且つ、互いに隣り合う一対の再結像レンズ6n-1,nであり、第n番目及び第n+1番目の再結像レンズ6n,n+1は第n番目の焦点検出エリアに対応し、且つ、互いに隣り合う一対の再結像レンズ6n,n+1であり、第n−1番目の再結像レンズ6n-1と第n+1番目の再結像レンズ6n+1は異なる位置に配置されることを特徴とする。
【解決手段】 コンデンサーレンズ4と、瞳分割絞り開口5と、再結像レンズ群6と、受光素子列7を有する焦点検出光学系が、予定結像面上にて互いに隣り合う若しくは互いに交差する少なくともn個(n≧2)の焦点検出エリアをもち、再結像レンズ群は、第n+1個の再結像レンズ6を備え、第n−1番目及び第n番目の再結像レンズ6n-1,nは第n−1番目の焦点検出エリアに対応し、且つ、互いに隣り合う一対の再結像レンズ6n-1,nであり、第n番目及び第n+1番目の再結像レンズ6n,n+1は第n番目の焦点検出エリアに対応し、且つ、互いに隣り合う一対の再結像レンズ6n,n+1であり、第n−1番目の再結像レンズ6n-1と第n+1番目の再結像レンズ6n+1は異なる位置に配置されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一眼レフレックスカメラ(SLR)等に用いられる所謂位相差式オートフォーカス(AF)システムに用いる焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置に関する。特に、原理的に撮影レンズがデフォーカスされた状態で、そのデフォーカス方向とデフォーカス量を算出でき、所謂コントラスト法に比較し、素早く合焦状態にすることができる焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体を撮像面上に投影する撮影レンズと、撮影レンズから撮像面までの光路を分割あるいは切り替える手段(クイックリターンミラーやハーフミラー等)と、それらを経た光路上にある前記撮像面と概略等価な位置に設定される1次結像面(予定結像面)と、その1次結像面近傍に配置され焦点検出エリアを形成する視野絞りと、1次結像面近傍に配置されるコンデンサーレンズと、複数開口部により瞳分割を行う明るさ絞りと、それぞれの明るさ絞りに対応して配置された複数の再結像レンズ及び受光素子列とが配置され、コンデンサーレンズは撮影レンズ内の異なる領域をそれぞれ明るさ絞りに投影し、再結像レンズは1次結像位置の空中像を対応する明るさ絞りを通して受光素子列に投影するシステムがある。
【0003】
このシステムでは、測距は、焦点検出エリアに対応する受光素子列に投影されたそれぞれの像位置を比較して行い、焦点検出エリアの両端の一定領域は、デフォーカス情報を得る部位であり、その位置の被写体の焦点検出はできない。
【0004】
このような方式を用いた従来例として、複数の焦点検出エリアの各々の検出を行うために、それぞれ一対の再結像レンズを持たせ、各再結像レンズを複数の焦点検出エリアの再結像にて共通化させた焦点検出系が知られている(特許文献1)。
【0005】
第20図に示すように、従来技術では、予定結像面に一方向に並ぶ3つの焦点検出エリアの各々に対応するそれぞれ一対の再結像レンズからなる再結像レンズ群504を備えてなる。これらの再結像レンズ群504は一方向に並ぶ3つの再結像レンズ541,542,543で構成され、中心の焦点検出エリアに対しては外側両方の再結像レンズ541,543が対応して焦点検出を行い、外側の焦点検出エリアに対しては外側片方の再結像レンズ541と中心の再結像レンズ542が対応して焦点検出を行う構成となっている。また、紙面の垂直方向にも同様に焦点検出系を配置できる旨が開示されている。
【特許文献1】特開平1−266503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この焦点検出系は、中間に位置する焦点検出エリアに対して互いに離れた再結像レンズを用いて、焦点検出を行うものである。このような光学レイアウトの場合、再結像レンズへの入射角が大きくなりやすく、収差の影響を受けやすくなる。また、再結像レンズへの入射角を小さくしようとすると、焦点検出エリアと再結像レンズ群との距離が長くなり小型化に不利となる。
【0007】
さらに、この従来技術では、再結像レンズを少なくとも3つもち、その組み合わせを複数設定することが提案されているが、それぞれの再結像レンズに対応する受光素子列を独立してまとめて配置する構成である。そして、一つの測距エリアでの焦点検出では、一方向の位相差の検出にて1組のみの再結像レンズによる位相差情報で焦点検出を行う構成である。
【0008】
このような構成では、焦点検出エリアのサイズを大きくしようとすると、再結像レンズ群の各再結像レンズへの入射角が大きくなり、収差が出やすくなる。この収差を抑えようとすると、再結像レンズが焦点検出エリアから遠ざかることになり、この点でも小型化に不利である。
【0009】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、複数の焦点検出エリアを持ち、焦点検出エリアを近づけやすく、且つ、その焦点検出エリアに再結像レンズ群を近づけながらも焦点検出能力の確保を行いやすい焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。さらには、広い焦点検出エリアを有し、収差による影響の少ない焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の焦点検出光学系は、撮影レンズの予定結像面上の焦点検出エリア近傍に配置されたコンデンサーレンズと、前記焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て並ぶ一対の開口部を有する瞳分割絞りと、前記各開口部に対応して配置された複数の再結像レンズを持つ再結像レンズ群と、前記各再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有し、前記撮影レンズの異なる領域を夫々通過し前記焦点検出エリアを通過する二光束による光強度分布を前記受光素子列で受け、前記受光素子列から得られる光強度分布を表す出力信号の位相差を検出することにより前記焦点検出エリアの焦点検出を行うことのできる焦点検出光学系であって、前記焦点検出光学系は、前記予定結像面上にて互いに隣り合う若しくは互いに交差する少なくともn個(n≧2)の前記焦点検出エリアをもち、前記再結像レンズ群は、第n+1個の前記再結像レンズを備え、第n−1番目及び第n番目の再結像レンズは前記第n−1番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、第n番目及び第n+1番目の再結像レンズは前記第n番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、前記第n−1番目の再結像レンズと前記n+1番目の再結像レンズは異なる位置に配置されることを特徴とする。
【0011】
したがって、隣り合うもしくは交差するn個の焦点検出エリアの各々についてそれぞれ隣り合う対をなす開口部および再結像レンズで構成できる。そして、それぞれの再結像レンズが隣り合うことで、焦点検出エリアと再結像レンズとの距離を小さくしても、再結像レンズに入射する光線の入射角を抑えやすく、収差を抑えやすい。
【0012】
特に、上述の第n番目及び第n+1番目の再結像レンズを前記第n番目の焦点検出エリアに対応させて配置することで、再結像レンズn+1個にて隣り合うもしくは交差するn個の焦点検出エリアの焦点検出が行え、構成を簡単にし開口部のサイズも大きくしやすくなる。
【0013】
また、それぞれの焦点検出エリアに対する焦点検出系を独立させる必要がないので、それぞれの焦点検出エリアを近づけやすくなる。
【0014】
また、一つの焦点検出エリアに対応する1対の再結像レンズが隣り合う配置とすることで、同じ受光素子列に複数の焦点検出エリアからの光線が入ることを防ぎやすくなり、焦点検出系の薄型化に貢献する。
【0015】
したがって、瞳分割絞り、再結像レンズ群の構成を簡略にできると共に、複数の焦点検出エリアを持ち、各々の焦点検出エリアを近づけやすく、且つ、その焦点検出エリアに再結像レンズ群を近づけながらも焦点検出能力の確保を行いやすい焦点検出系を提供できる。
【0016】
また、例えば、焦点検出精度を上げるために、被写体の縦線と横線に対応させて、並ぶ方向の異なる二対の瞳分割絞りと再結像レンズを用いる場合も、瞳分割絞りの開口部を大きくとることができる。
【0017】
なお、焦点検出エリアが「互いに隣り合う」とは、相互の焦点検出エリアの中心同士の間に相互の焦点検出エリアの中心を結ぶ方向の位相差を検出する焦点検出エリアが無いことと定義する。
【0018】
また、対をなす再結像レンズが「互いに隣り合う」とは、対をなす各再結像レンズの有効面中心を結ぶ線上に他の再結像レンズの有効面が挟まれないことと定義する。
【0019】
さらに、本発明によれば、例えば3つの焦点検出エリアに対して4つの瞳分割絞りと再結像レンズで構成でき、例えばn個の焦点検出エリアに対してn+1個の瞳分割絞りと再結像レンズを対応させて構成することも可能となる。
【0020】
また、前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する前記各開口部が一列に並んで配置されると共に、前記第1番目〜第n番目の前記焦点検出エリアも一列に並んで配置されることを特徴とする。
【0021】
これにより、並ぶ方向にてn個の焦点検出エリアをもつ焦点検出系にて、おのおのの焦点検出エリアを近づけることができる。また、各々の焦点検出エリアに対応する再結像レンズも互いに近づけやすくできる。
【0022】
また、前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する各受光素子列が同じ受光部材に設けられることを特徴とする。
【0023】
各受光素子列を単体の受光部材に設けられることで、受光部材の個体差による受光性能のばらつきを抑えられ、合焦検出精度の確保に有利となる。
【0024】
また、前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアに対応するそれぞれ一対の開口部の並ぶ方向が同一であり、前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアのうちの複数の焦点検出エリアの光強度分布から一つの位相差情報を検出することを特徴とする。
【0025】
一つ一つの焦点検出エリアを小さくし、収差による検出精度の低下を小さくし、複数の焦点検出エリアから一体的に位相差情報を得ることにより、実質的に広い焦点検出エリアを構成できる。また、焦点検出可能なデフォーカス量も大きくなる。
【0026】
また、前記複数の焦点検出エリアは互いに隣り合い、受光素子列上における焦点検出エリアごとに分離された不連続な強度分布を用いて前記位相差情報を検出することを特徴とする。
【0027】
このように、隣り合う焦点検出エリアに基づく位相により位相差を検出することで、連続する焦点検出エリアの焦点検出ができ合焦精度の向上が行える。また、単一の焦点検出エリアによるスポット的な焦点検出や、連続する複数の焦点検出エリアによるエリア的な焦点検出の切り替え、焦点検出を行うエリアの選択等が行えるようにしてもよい。
【0028】
また、隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応する各々一対の開口部の間隔が同じであることを特徴とする。
【0029】
これにより、それぞれの焦点検出エリアのデフォーカス量と位相差量の関係が同じになり、焦点検出が容易になる。
【0030】
また、隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応する各々一対の開口部の前記コンデンサーレンズに対する共役位置は、同じ一対の領域であることを特徴とする。
【0031】
これにより、撮影レンズ内を効率的な光路のレイアウトが可能になる。撮影レンズ内の同一領域を通った光束の位相差情報を用いることで焦点検出精度を良好にできる。
【0032】
また、前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに平行に並べて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに平行に並べて配置したことを特徴とするので、予定結像面における焦点検出可能なエリアを広くできる。
【0033】
また、前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに交差させて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに交差させて配置したことを特徴とするので、予定結像面における焦点検出可能なエリアを広くできるとともに、異なる方向での位相差検出が可能となるので、焦点検出を行いやすくなる。
【0034】
また、前記一列に並んで配置される開口部の列を複数備え、それら複数の開口部の列は、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差して配置した複数の開口部の列を備え、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も複数備え、それら複数の焦点検出エリアの列も、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差させて配置した複数の焦点検出エリアの列を備えたことを特徴とするので、予定結像面における焦点検出可能なエリアを広くできるとともに、異なる方向での位相差検出が可能となるので焦点検出を行いやすくなる。
【0035】
また、前記第n−1番目、第n番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向が、前記第n番目、第n+1番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向と異なることを特徴とするので、被写体の位相差情報を一方向のみでなく他の方向から得ることができ、焦点検出を行いやすくなる。
【0036】
また、前記第n−1番目、第n番目の焦点検出エリアとの間に他の焦点検出エリアがなく、そのうち一方の焦点検出エリアが、他方の焦点検出エリアにおける長手方向に位置することを特徴とする。
【0037】
焦点検出を行う位相差の方向を異なる複数の焦点検出エリアに近づけることで、主とする被写体の焦点検出精度を上げることができ、好ましい。
【0038】
さらには、一方の焦点検出エリアが、他方の焦点検出エリアにおける長手方向の延長上に位置する場合は、全体として焦点検出エリアを大きくできる。
【0039】
一方、並ぶ方向の異なる二対の視野分割絞りと再結像レンズを用いて焦点検出エリアを交差させると、スポットにて被写体の縦線と横線に対応させて焦点検出が行え、焦点検出精度を上げることができ好ましい。
【0040】
また、交差する焦点検出エリアを一つの焦点検出エリアとみなすと、全体の焦点検出エリアの数を減らすことができ好ましい。これは、縦線対応の焦点検出エリアと横線対応の検出エリアの集密度を上げることも可能にする。
【0041】
また、前記コンデンサーレンズが、複数の前記焦点検出エリアに対応して、複数の光軸を備えることを特徴とするので、コンデンサーレンズの光軸を焦点検出エリア毎に設定することで、撮影レンズ内を通る光束のレイアウトを効率的に配置することができる。
【0042】
また、前記予定結像面の近傍にそれぞれの焦点検出エリアに対応して配置された視野開口を有することを特徴とするので、受光素子列上での他の焦点検出エリアとのクロストークを防止できる。これにより、さらに焦点検出エリア同士を近づけることができる。
【0043】
また、前記受光素子列の直前にそれぞれの受光素子列の撮像領域ごとに遮光壁を配置したことを有することを特徴とするので、受光素子列上での他の焦点検出エリアとのクロストークを防止できる。これにより、さらに焦点検出エリア同士を近づけることができる。
【0044】
また、前記視野分割絞り開口は、前記焦点検出エリアのうちいずれか一つの焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て異なる方向に並ぶ少なくとも二対の開口部を有し、再結像レンズ群は、それら少なくとも二対の開口部の各々の開口部に対応して配置された再結像レンズを有し、前記受光素子列は該再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有することを特徴とする。
【0045】
同じ焦点検出エリアに対応した並ぶ方向の異なる二対の明るさ絞りと再結像レンズを用いることで、被写体の縦線と横線に対応させて焦点検出精度を上げることができる。また、全体の焦点検出エリアの数を減らすことができ、好ましい。これは、縦線対応の焦点検出エリアと横線対応の検出エリアの集密度を上げることも可能にする。
【0046】
また、前記再結像レンズ群は、面状に規則的に配置された複数の再結像レンズを有し、前記受光素子列は、面状に規則的に配置された複数の受光素子を有することを特徴とする。
【0047】
したがって、隣り合う再結像レンズの対および対応する受光素子列の組み合わせの自由度が高くなる。また、使用する受光素子列の選択により焦点検出を行う焦点検出エリアの選択の自由度を上げることができる。
【0048】
さらに、本発明の撮像装置は、前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射し前記予定結像面に前記光束を導く反射部材を有し、前記反射部材は、前記撮像素子にて撮像する際に撮影光路から退避することを特徴とするので、撮像素子による撮影時に反射部材を退避させることで撮影時の撮影画像の光量低下を抑える撮像装置を提供できる。
【0049】
また、本発明の撮像装置は、前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射および透過する反射部材を有し、前記反射部材の反射側又は透過側の一方に前記撮像素子を配置し、他方に前記焦点検出系を配置したことを特徴とするので、撮像素子による撮影中も焦点検出をおこなえる撮像装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下に、一般的な焦点検出光学系、参考例の説明を含め本願発明の実施の形態を説明する。
【0051】
まず、一般的な位相差式焦点検出光学系の基本構成と課題について説明する。図15に位相差式焦点検出光学系の基本的な構成を示す。被写体側より 撮影光学系101、撮像面と等価な位置にある予定結像面102、予定結像面102近傍に設定された焦点検出エリアの視野絞り開口(以下、視野開口ともいう。)103、予定結像面102の近傍に配置されるコンデンサーレンズ104、瞳分割を行う一対の明るさ絞り(瞳分割絞り)の開口部(以下、瞳分割絞り開口ともいう。)105a,105b、それぞれの瞳分割絞り開口近傍に配置される再結像レンズ106a,106b、そして、それぞれの再結像レンズ106a,106bに対応する光電変換部(ここでは明るさ絞り開口部の並ぶ方向に配列された光電変換素子列である受光素子列)107a,107bが配置される。このうち、視野開口103、コンデンサーレンズ104、瞳分割絞り開口105a,105b、再結像レンズ106a,106b及び受光部材107Aに設けた光電変換部107a,107bの光電変換面が、一般に焦点検出光学系と称されている。
【0052】
光電変換部107a,107bはラインセンサー等であり、被写体から発せられ、センサー上に再結像される像の光の強度分布を出力できる構成が多い。
【0053】
撮影レンズ101内には、光束がけられず且つ焦点検出に十分な間隔をもった仮想的な一対の仮想の開口108a,108bを想定する。この開口は撮影レンズ101の射出瞳上に想定することが望ましいが、実際は、フォーカシング、ズーミング、レンズ交換等で射出瞳位置を一定位置とすることが困難なため、光学システム全体を考慮して設定することが多い。仮想の開口108aは、コンデンサーレンズ104によって、瞳分割絞りの開口部105aと共役関係になるように構成する。又、視野開口103は、コンデンサーレンズ104と再結像レンズ106aにより、光電変換部107aの受光面上に投影される。同様にして、仮想の開口108bは、コンデンサーレンズ104によって、瞳分割絞り開口105bと共役関係になるように構成する。又、視野開口103は、コンデンサーレンズ104と再結像レンズ106bにより、光電変換部107bの受光面上に投影される。
【0054】
この時、光電変換部107a,107bそれぞれに投影される視野開口103の像は、光電変換部107a,107bの受光面上で重なり合わないように構成しなければならない。また、焦点検出光学系全長は、視野開口103の大きさ、焦点検出光学系の倍率、一対の瞳分割絞り開口105a,105bの間隔等の仕様によりほぼ決定される。
【0055】
図16は、焦点検出光学系の収差による誤差要因のひとつを簡易に示したものである。図16において、ΔUaは視野開口103において中心点Cと点Uが光電変換部107aの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離、ΔLaは視野開口103において中心点Cと点Lが光電変換部107aの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離、ΔUbは視野開口103において中心点Cと点Uが光電変換部107bの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離、ΔLbは視野開口103において中心点Cと点Lが光電変換部107bの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離である。なお、視野開口103上の中心点Cと点L、中心点Cと点Uの距離は同じとしている。
【0056】
位相差式の焦点検出方法では、視野開口3等を経て光電変換部107a,107bの受光面上に投影される2つ被写体像の光の強度分布のズレ量を評価することで行なう。
【0057】
この時、2つの像自体の光の強度分布の形は同じことが要求される。この形が2つの像の間で異なると、2つの像のズレを評価するときの誤差要因となる。この光学強度の変形を起こす大きな要因が、焦点検出光学系の歪曲収差(像位置による倍率誤差)である。歪曲収差は基本的に再結像レンズ106a,106bの光軸に対称に発生する。一般にコンデンサーレンズ104と再結像レンズ106a,106bはそれぞれ単レンズで構成され、図16では、ΔUaとΔLaは歪曲収差により同じするのは困難である。そして、点Uと点Lとの距離が大きくなるほど、ΔUaとΔLaの差は大きくなる傾向がある。製造誤差がなければΔUaとΔLbは同じ値となるが、位相差情報取得のため比較するΔUaとΔUbの差を無くすのは困難である。特に、焦点検出光学系の全長を短くするために、再結像レンズ106a,106bのパワーをあげるとこの傾向は強くなる。
【0058】
ここでは簡単に説明するために、それぞれの光電変換部107a,107bの光電変換面を2分割したが、実際は更に分割され、又、歪曲収差以外に色収差や像面湾曲による誤差要因も同様に発生する。視野開口103を広くすると測距エリアは広がるが測距精度の維持が困難になる。
【0059】
図17は、焦点検出光学系の薄型化、測距視野の拡大のために、焦点検出エリアの視野開口203を分割し、それぞれに焦点検出光学系を配置したものである。図17では、図15と同様の撮影レンズ201と仮想領域208a,208bと予定結像面202を配置又は想定し、予定結像面202近傍に2031、2032及び2033と分割された視野開口203が配置され、それぞれの視野開口2031、2032及び2033に対応した各瞳分割絞り開口205a1〜205b3、各再結像レンズ206a1〜206b3、受光部材に設けた各光電変換面207a1〜207b3を持つ光電変換部が配置されている。
【0060】
そして、視野開口2031の近傍にコンデンサーレンズ2041が配置され、コンデンサーレンズ2041による仮想領域208aの共役位置に瞳分割絞り開口205a1が配置され、その瞳分割絞り開口205a1の近傍に再結像レンズ206a1が配置されている。
【0061】
その再結像レンズ206a1は視野開口2031上の像をコンデンサーレンズ2041、瞳分割絞り開口205a1を介して光電変換面207a1上に投影する。
【0062】
同様の関係で、仮想領域208b、視野開口2031、コンデンサーレンズ2041、瞳分割絞り開口205b1、再結像レンズ206b1、光電変換面207b1の組み合わせ、仮想領域208a、視野開口2032、コンデンサーレンズ2042、瞳分割絞り開口205a2、再結像レンズ206a2、光電変換面207a2の組み合わせ、仮想領域208b、視野開口2032、コンデンサーレンズ2042、瞳分割絞り開口205b2、再結像レンズ206b2、光電変換面207b2の組み合わせ、仮想領域208a、視野開口2033、コンデンサーレンズ2043、瞳分割絞り開口205a3、再結像レンズ206a3、光電変換面207a3の組み合わせ、及び、仮想領域208b、視野開口2033、コンデンサーレンズ2043、瞳分割絞り開口205b3、再結像レンズ206b3、光電変換面207b3の組み合わせで構成される。
【0063】
この場合、薄型化や測距精度の確保等は有利であるが、視野開口2031、2032及び2033が予定結像面202上にて離散的に配置されることになり好ましくない。
【0064】
図18は、3つの隣接する視野開口のうち外側に位置する視野開口に対応する光路を反射させることで、各視野開口の離散性を小さくする焦点検出光学系の例である。
【0065】
図18に示す比較例2では、図17に示す比較例1と同様の撮影レンズ301と仮想領域308a,308bと予定結像面302を配置又は想定し、予定結像面302近傍に3031、3032、3033と分割された焦点検出エリアの3つの視野開口303が配置される。そして、それぞれの視野開口3031、3032、3033に対応した各瞳分割絞り開口305a1〜305b3、各再結像レンズ306a1〜306b3、受光部材に設けた各光電変換面307a1〜307b3が配置されている。
【0066】
そして、視野開口3031の近傍にコンデンサーレンズ3041が配置され、コンデンサーレンズ3041による仮想領域308aの共役位置に瞳分割絞り開口305a1が配置され、その瞳分割絞り開口305a1の近傍に再結像レンズ306a1が配置されている。
【0067】
その再結像レンズ306a1は、視野開口303a上の像を、コンデンサーレンズ304a、瞳分割絞り開口305a1を介して光電変換面307a1上に投影する。
【0068】
同様の関係で、仮想領域308b、視野開口3031、コンデンサーレンズ3041、瞳分割絞り開口305b1、再結像レンズ306b1、光電変換面307b1の組み合わせ、仮想領域308a、視野開口3032、コンデンサーレンズ3042、瞳分割絞り開口305a2、再結像レンズ306a2、光電変換面307a2の組み合わせ、仮想領域308b、視野開口3032、コンデンサーレンズ3042、瞳分割絞り開口305b2、再結像レンズ306b2、光電変換面307b2の組み合わせ、仮想領域308a、視野開口3033、コンデンサーレンズ3043、瞳分割絞り開口305a3、再結像レンズ306a3、光電変換面307a3の組み合わせ、及び、仮想領域308b、視野開口3033、コンデンサーレンズ3043、瞳分割絞り開口305b3、再結像レンズ306b3、光電変換面307b3の組み合わせで構成される。
【0069】
また、光路上、コンデンサーレンズ3041と再結像レンズ306a1,306b1の間に、図示のように反射部材3091を配置し、コンデンサーレンズ3043と再結像レンズ306a3,306b3の間に、図示のように反射部材3093を配置している。
【0070】
このように反射部材を配置することで、光電変換面307b1と307a2の干渉や、光電変換面307b2と307a3の干渉の問題を解消できる。それにより、視野開口303の離散性の課題はある程度解消できる。
【0071】
しかし、この場合、視野開口3031、3033に関する光束を反射させる為の反射面のスペースを必要とする。また、視野開口303の大きさに対応して広がる光束の干渉を防ぐため、視野開口303どうしの間隔の確保も必要となる。また、再結像レンズ306や光電変換面307が同一平面上に構成できなくなり、部品の大型化や、部品点数の増加につながり、組み立て制度、コストの面でも不利となる。
【0072】
図19は反射部材で折り曲げる方向のバリエーションを簡単に示したものである。ここではコンデンサーレンズ群304、再結像レンズ群306、光電変換面307等は紙面に対して垂直方向に並んでいる。
【0073】
このようなレイアウトとしても、光束を反射させる為の反射面のスペースを必要とする。また、視野開口303の大きさに対応して広がる光束の干渉を防ぐため、視野開口303どうしの間隔の確保も必要となる。
【0074】
次に、本願発明内容を説明する。図1(a)、1(b)、2(a)は本願発明の第1の実施の形態を示すと共に、他の実施の形態とも共通する基本構成を示す説明図である。図2(b)は従来技術の一例を示す比較例である。
【0075】
図1(a)は、各々の焦点検出エリアの中心と、各々の明るさ絞り開口部中心を通過する主光線を図示している。図1(b)は、一つの焦点検出エリアの上端または下端を通過し、それに対応して隣り合う明るさ絞り開口部の上端、中心、下端を通過する光線を図示している。
【0076】
図1(a)、図1(b)では 図15と同様の撮影レンズ1と仮想領域8a,8bと予定結像面2を配置又は想定している。そして、予定結像面2近傍に一列に並んで31,32,33と区切られた焦点検出エリアの視野絞りの開口部である視野開口が想定され、それぞれの視野開口31,32,33に対応して、それぞれ光軸が異なるコンデンサーレンズ4、瞳分割絞りの開口部である複数の瞳分割絞り開口5、再結像レンズ群6、受光部材7Aに設けた受光素子列である光電変換面7の各々をそれぞれ同じ方向に並べて配置する。
【0077】
そして、視野開口31の近傍にコンデンサーレンズ41が配置されている。仮想領域8aのコンデンサーレンズ41による共役位置に、瞳分割絞り開口51が配置され、その近傍に再結像レンズ61が配置され、再結像レンズ61は、視野開口31上の像を、コンデンサーレンズ41、瞳分割絞り開口51を通して光電変換面7a1上に略投影する。
【0078】
仮想領域8bのコンデンサーレンズ41による共役位置に瞳分割絞り開口52が配置される。その開口部の近傍に再結像レンズ62が配置され、再結像レンズ62は視野開口31の像をコンデンサーレンズ41瞳分割絞り52を通して光電変換面7b1上に略投影する。
【0079】
他の視野開口3に対しても同様に光学系が構成されるが、瞳分割絞り開口5と再結像レンズ6とが他の視野開口3に対応する光学系の瞳分割絞り開口5及び再結像レンズ6と共通となっている。
【0080】
視野開口32の近傍にコンデンサーレンズ42が配置されている。仮想領域8aのコンデンサーレンズ42による共役位置に、瞳分割絞り開口52が配置される。その瞳分割絞り開口52の近傍に再結像レンズ62が配置され、再結像レンズ62は、視野開口32上の像をコンデンサーレンズ42、瞳分割絞り開口52を通して光電変換面7a2上に略投影する。
【0081】
また、仮想領域8bのコンデンサーレンズ42による共役位置に、瞳分割絞り開口53が配置される。その瞳分割絞り開口53の近傍に再結像レンズ63が配置され、再結像レンズ63は視野開口32上の像をコンデンサーレンズ42、瞳分割絞り開口53を通して光電変換面7b2上に略投影する。
【0082】
視野開口33の近傍にコンデンサーレンズ43が配置されている。仮想領域8aのコンデンサーレンズ43による共役位置に、瞳分割絞り開口53が配置される。その瞳分割絞り開口53の近傍に再結像レンズ63が配置され、再結像レンズ63は、視野開口33上の像をコンデンサーレンズ43、瞳分割絞り開口53を通して光電変換面7a3上に略投影する。
【0083】
さらに、仮想領域8bのコンデンサーレンズ43による共役位置に瞳分割絞り開口54が配置される。その瞳分割絞り開口54近傍に再結像レンズ64が配置され、再結像レンズ64は視野開口33上の像をコンデンサーレンズ43、瞳分割絞り開口54を通して光電変換面74上に略投影する。
【0084】
各光電変換面7は一体で構成されたCCD、CMOS、一列に並ぶ受光素子列を持つ部材等の受光部材に形成され、各光電変換面7の受光感度等の特性のばらつきを抑えている。もちろん、光電変換面7の受光素子列は一列のみの並びであっても複数列の並びであってもよい。また、焦点検出に用いるところ意外に受光素子列を設けてもよい。
【0085】
各光電変換面7から得られる強度分布の信号は、信号処理部Sに導かれる。信号処理部Sでは、各焦点検出エリア31,32,33の各仮想領域8a,8bを通過した光束による強度分布の位相差を検出し、検出した位相差に基づいて、撮影レンズ1に焦点合わせのための移動量を指示する。
【0086】
例えば、焦点検出エリア32のみのスポット的な焦点検出を行う場合は、光電変換面7a2と光電変換面7b2で受光した強度分布の位相差を検出し、その位相差の大小により撮影レンズ1の移動量を決定する。この例では、光電変換面7a2と光電変換面7b2で受光した強度分布の位相差が0であれば合焦状態であり、図1(a)に示す状態となる。
【0087】
焦点検出エリア32の被写体の像が撮影レンズ1側にずれた状態では、光電変換面7a2での位相が光電変換面7b2での位相に対して図の下側の位相差をもつ。撮影レンズ1側とは逆側にピントがずれた状態では、光電変換面7a2での位相が光電変換面7b2での位相に対して図の上側の位相差をもつ。他の焦点検出エリア3についても同様である。
【0088】
また、複数の焦点検出エリア3を用いて焦点検出を行うことも可能である。例えば、焦点検出エリア31,32,33の3つの焦点検出エリアにて合焦検出を行う場合、光電変換面7a1、7a2、7a3での強度分布を元に焦点検出エリア31,32,33の強度分布を検出し、光電変換面7b1、7b2、7b3での強度分布を元に焦点検出エリア31,32,33の強度分布を検出する。そして、検出したそれぞれの強度分布の位相差の大小により撮影レンズ1の移動量を決定する。任意に2つの焦点検出エリア3を選択して焦点検出を行ってもよい。
【0089】
この図1(a)、図1(b)で示すように、瞳分割絞り開口52、再結像レンズ62は、視野開口31と視野開口32に共通に対応している。但し、それぞれの視野開口3で対応する仮想領域8は異なり、視野開口31では仮想領域8b、視野開口32では仮想領域8aに対応している。
【0090】
同様に、瞳分割絞り開口53、再結像レンズ63は、視野開口32と視野開口33に共通に対応している。視野開口3は比較例として説明した図17、図18と同じ3つであるが、再結像レンズは4つ(比較例1,2は6つ)である。
【0091】
このように、それぞれの視野開口3から再結像レンズ6までの光束の重なりを気にする必要がないので視野開口3の配置の離散性はかなり小さくすることができる。また、再結像レンズ6への入射角も小さくでき収差的にも有利であり、視野の広がりに対して薄型化もしやすい。さらに、光電変換面7も同一平面に配置できるので部材のコストや組み立てコストが抑えやすくなる、また、離散性が小さくできるので、7a1,7a2,7a3の出力と、7b1,7b2,7b3の出力とを連続的な出力として取り扱いやすく、測距エリアの拡大や測距可能なデフォーカス量の拡大に有利である。
【0092】
図2(a),2(b)は、本実施の形態と従来タイプとの比較を示す図である。図2a(a)は、図1(a),1(b)でも示した本願実施の形態の一つであり、図2(b)は、図15で示したものと同様な一般的な従来例である。
【0093】
従来例に比べて、ほぼ同じ大きさで離散性の極めて少ない視野開口3を持ちながらコンデンサーレンズ4と再結像レンズ6のパワーを無理せず強くでき、薄型化が達成できていることがわかる。図16のように視野開口203が離散的になったり、図17のように反射部材309のスペースを確保する必要もない。また、図17では視野開口を射出した光路を重ねることができない制約条件があり、実質的に離散性が強くなる傾向があったが、本実施例ではこの点も解消されていることがわかる。
【0094】
図3は先述の各実施の形態に対して、特定方向の視野開口を多くし、視野を延ばした実施の形態である。図1(a),1(b)に示した実施の形態では一方向に視野開口が3つのケースであったが、ここでは4つ以上の視野開口を一列に並べたものである。
【0095】
以下、撮影レンズ11の光軸を基準に説明する。実際の例ではミラー等で光路が折り曲げられる場合もあるが、撮影レンズの光軸が直線であることを仮定している。他の実施の形態も同様である。
【0096】
図3では撮影レンズ11と仮想領域18a,18bと予定結像面12を配置又は想定し、予定結像面12近傍に焦点検出エリアのn個の視野絞りの開口部である視野開口131,132,133,・・・13n-1,13nが並んでおり、光軸を中心にして、この各視野開口13の並ぶ方向は仮想領域18a,18bの並ぶ方向と同一である。それぞれの視野開口13の大きさは同じであり、等間隔で隣接して配置されている。そうすることで、焦点検出系を整然と構成でき、コスト低減に有利となり望ましい。
【0097】
各視野開口131,132,133,・・・13n-1,13nの光軸方向に離れた近傍に、各視野開口13に対応して、異なる光軸を持つコンデンサーレンズ141,142,143,・・・14n-1,14nが配置されている。
【0098】
また、予定結像面12から撮影レンズ11と反対の方向に所定量離れた光軸に垂直な面上に(n+1個)の瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口151,152,153,・・・15n-1,15n,15n+1が配置されている。それぞれの瞳分割絞り開口15の形大きさは同じで等間隔で並んでいる。
【0099】
又、光軸方向に透視したとき、瞳分割絞り開口15iと瞳分割絞り開口15i+1の各々の間に視野開口13iがあることが望ましい。ここでのiは1〜nである。それにより、各瞳分割絞り開口15への光線入射角を小さくしやすくなり、小型化と収差の低減に有利となる。
【0100】
コンデンサーレンズ141,14nを除いて、コンデンサーレンズ14iは仮想領域18aと瞳分割絞り開口15iを共役関係とし、仮想領域18bと瞳分割絞り開口15i+1を共役関係とするように構成される。コンデンサーレンズ141は、仮想領域18aと瞳分割絞り開口151を共役関係とするように構成され、コンデンサーレンズ14nは、仮想領域18bと瞳分割絞り開口15n+1を共役関係とするように構成される。
【0101】
これを実現するために各コンデンサーレンズのパワーは等しく、各コンデンサーレンズの光軸と対応する各開口中心の位置関係は少しずつ異なることが望ましい。
【0102】
各瞳分割絞り開口15i(iは1〜n+1)の光軸方向にずれた近傍に複数の再結像レンズ16iを持つ再結像レンズ群16が配置される。
【0103】
又、再結像レンズ群16により各視野開口13の面と略共役な面に2次結像面が想定され、受光部材17Aの光電変換面17である受光素子列が配置される。
【0104】
再結像レンズ16i(ただしiは1〜n)は、視野開口13i上の像をコンデンサーレンズ14i、瞳分割絞り開口15iを通じて受光部材の2次結像面上の光電変換面17ai上に投影する。また、再結像レンズ16i(ただしiは2〜n+1)は、視野開口13i-1上の像をコンデンサーレンズ14i-1、瞳分割絞り開口15iを通じて2次結像面上の光電変換面17bi上に投影する。
【0105】
2次結像面上には光電変換面17が、光電変換面17a1,17a2,17b1,17a3,17b2,・・・17ai,17b(i-1),17a(i+1),17bi,17a(i+2),17b(i+1),・・・17an,17b(n-1),17bnで並んでおり、17a1と17a2の間及び17b(n-1)と17bnの間以外は等間隔で同じ長さの光電変換面17が並んでいる。ここでの光電変換面17は位相差情報をとる有効エリアを指しており、実際の製造プロセスでは一体のものとして構成しても良い。
【0106】
本願は薄型と広い測距視野を実現できる。コンデンサーレンズ群14と瞳分割絞り開口群15の間隔を小さくするにはコンデンサーレンズ14のパワーを強くする必要があるが、一つ一つの開口が小さくすることができるため、コンデンサーレンズ14の径も小さくでき結果として容易にコンデンサーレンズ14のパワーを強くできる。同様に再結像レンズ16のパワーも強くできる。
【0107】
また、それぞれの視野開口13同士を密接に構成できるので視野全体の離散性を小さくできるので、一つ一つの視野開口13を小さくしても複数の視野開口13をまとめて一つの視野開口13として扱って焦点検出を行うことで、全体では大きな視野開口13として焦点検出ができる。この場合、焦点検出が可能なデフォーカス量も大きくできる。
【0108】
尚、この実施の形態では、クロストーク等を防ぐために各視野開口13の間に視野枠を配置している。
【0109】
これに加えて、もしくはこれに代えて、図4に示すように再結像レンズ16と光電変換面17の間に遮光壁19を配置してもよい。特に遮光壁19は、光電変換面17b(i-2)と17aiとの間を区切るように配置すると効果的である。つまり、各再結像レンズ16単位で各再結像レンズ16による像どうしの間に遮光壁19を設けることで、各再結像レンズ16の有効光束の光量を確保しつつ、隣の再結像レンズ16からの光束を遮ることができる。
【0110】
尚、光電変換面17を等間隔に配置した場合、両端から2つ目の光電変換面は利用しない形となる。
【0111】
図5は、図1に示した実施の形態をさらに2方向に十字状に測距エリアを広げた第2実施形態を示すもので、焦点検出を行う位相差情報も2方向にて使うことができる実施の形態を示すものである。中心部の再結像レンズ6のレイアウトについては、十字状に測距エリアを広げることが出来やすいというメリットがある。
【0112】
図5に示す実施の形態では、撮影レンズ21と2組の仮想領域(28aと28bの対、28cと28dの対)を想定する。一組は仮想領域28a,28bでもう一組は仮想領域28c,28dとする。
【0113】
それぞれの組の仮想領域は異なる方向(ここでは28aと28bが水平方向、28cと28dが垂直方向)に並んでいる。撮像面と等価な予定結像面22(不図示)の近傍に焦点検出エリアの5つの視野絞りの開口部である視野開口2321,2322,2323,2312,2332が想定されている。各々の視野開口23が焦点検出エリアに対応するが、中心の視野開口2322は、垂直方向と水平方向の2つの焦点検出エリアが交差した状態となっている。
【0114】
視野開口2322を中心に視野開口2321と2322と2323がこの順で一直線上(ここでは水平方向)に配置されている。また、視野開口2322を中心に視野開口2312と2322と2332が(視野開口2321,2322,2323の並ぶ方向とは垂直方向に)一直線上に並んでいる。
【0115】
この時、仮想領域28a,28bの並ぶ方向と視野開口2321,2322,2323の並ぶ方向は、撮影レンズ21の光軸を中心にして、それぞれ同一方向となるように配置している。また、仮想領域28c,28dの並ぶ方向と2312,2322,2332の並ぶ方向は、撮影レンズ21の光軸を中心にして、それぞれ同一方向であるように配置している。
【0116】
視野開口2321の近傍には、コンデンサーレンズ2421が配置され、同様に視野開口2322,2323,2312,2332のそれぞれの近傍には、光軸の異なるコンデンサーレンズ2422,2423,2412,2432が配置される。
【0117】
仮想領域28aのコンデンサーレンズ2422による共役位置に瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口25h22が配置される。そして、同様に仮想領域28b,28c,28dのコンデンサーレンズ2422による共役位置に各仮想領域に対応して瞳分割絞り開口25h23,25v22,25v32が配置される。更に、仮想領域28a,28bのコンデンサーレンズ2421の共役位置に瞳分割絞り開口25h21(仮想領域28aに対応),25h22(仮想領域28bに対応)が配置される。
【0118】
他のコンデンサーレンズ2423,2412,2432の対応関係についても、上述のコンデンサーレンズ2421の対応関係を、撮影レンズ21の光軸を軸にして回転移動させた構成となっている。
【0119】
すなわち、仮想領域28a,28bのコンデンサーレンズ2423の共役位置に瞳分割絞り開口25h23,25h24が配置される。また、仮想領域28c,28dのコンデンサーレンズ2412の共役位置に瞳分割絞り開口25v12,25v22が配置される。さらに、仮想領域28c,28dのコンデンサーレンズ2432の共役位置に瞳分割絞り開口25v32,25v42が配置される。
【0120】
瞳分割絞り開口25h21,25h22,25h23,25h24,25v12,25v22,25v32,25v42の近傍にそれぞれ再結像レンズ26h21,26h22,26h23,26h24,26v12,26v22,26v32,26v42が配置される。図5では簡略のため再結像レンズ群26を図示していないが、各瞳分割絞り開口25と一体に各再結像レンズ26が配置されていると考えればよい。
【0121】
水平方向の再結像レンズの機能を説明する。
【0122】
再結像レンズ26h21は、視野開口2321上の像をコンデンサーレンズ2421、瞳分割絞り開口25h21を通じて、光電変換面27ha21上に投影する。
【0123】
再結像レンズ26h22は、視野開口2321上の像をコンデンサーレンズ2421、瞳分割絞り開口25h22を通じて、光電変換面27hb21上に投影し、また、視野開口2322上の像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25h22を通じて、光電変換面27ha22上に投影する。
【0124】
再結像レンズ26h23は、視野開口2322上の像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25h23を通じて、光電変換面27hb22上に投影し、また、視野開口2323上の像をコンデンサーレンズ2423、瞳分割絞り開口25h23を通じて、光電変換面27ha23上に投影する。
【0125】
再結像レンズ26h24は、視野開口2323上の像をコンデンサーレンズ2423、瞳分割絞り開口25h24を通じて、光電変換面27hb23上に投影する。
【0126】
垂直方向の再結像レンズの機能を説明する。
【0127】
再結像レンズ26v12は、視野開口2312上の像をコンデンサーレンズ2412、瞳分割絞り開口25v12を通じて、光電変換面27vc12上に投影する。
【0128】
再結像レンズ26v22は、視野開口2312上の像をコンデンサーレンズ2412、瞳分割絞り開口25v22を通じて、光電変換面27vd12上に投影し、また、視野開口2322上の像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25v22を通じて、光電変換面27vc22上に投影する。
【0129】
再結像レンズ26v32は、視野開口2322上像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25v32を通じて、光電変換面27vd22上に投影し、また、視野開口2332上の像をコンデンサーレンズ2432、瞳分割絞り開口25v32を通じて、光電変換面27vc32上に投影する。
【0130】
再結像レンズ26v42は、視野開口2332上の像をコンデンサーレンズ2432、瞳分割絞り開口25v42を通じて、光電変換面27vd32上に投影する。
【0131】
受光部材27Aの各光電変換面27は各視野開口面23と略共役面に配置する。光電変換面27の受光素子列は、焦点検出のための位相差が生じる水平方向、垂直方向に各々一列に並んで配置される。それぞれの受光素子列は、それぞれの受光素子列を含む単一のエリアセンサーを用いてもよい。他の実施の形態も同様である。
【0132】
このように本実施の形態は、所謂十字方向の測距視野をもつ焦点検出光学系に適用できる。
【0133】
図6に示す実施の形態は、図5の実施の形態のような十字状の焦点検出視野をそれぞれ延ばしたものである。画面の縦方向横方向ともに視野を広げることができる。この例では、撮像レンズ31の光軸を中心に、焦点検出エリアの視野絞りの開口部である視野開口33を縦方向に5つ、横方向に5つ並べて持ち、それぞれの中心の視野開口3333を交差させている。視野開口33は、図示のように計9つあり、中心の視野開口3333は、縦方向、横方向の位相差を検出でき、焦点検出精度を高めている。
【0134】
それぞれの焦点検出エリアに対応して、それぞれ異なる光軸を持つコンデンサーレンズ34が配置される。それぞれのコンデンサーレンズ34は、ぞれぞれの視野開口33に対応して配置された隣り合う再結像レンズ36の対に向かって光束を導く作用をなす。
【0135】
再結像レンズ群36は、縦方向に並んで6つ、横方向に並んで6つの再結像レンズ36からなる。それぞれの再結像レンズ36の配置は、撮影レンズ31の光軸を中心に対称的に配置されている。一番外側の4つの再結像レンズ36以外は、隣り合う2つの視野開口33から入射する光束を後続の受光素子列に導く。
【0136】
撮影レンズ31の仮想領域38a,38b,38c,38d、視野開口33、コンデンサーレンズ34、瞳分割絞り開口35、再結像レンズ36、受光素子列の対応は、縦方向、横方向共に図3にて説明した関係となっている。
【0137】
すでに説明した実施の形態からその作用効果は明らかであるので、詳細な説明は省略するが、焦点検出エリアの拡大、焦点検出系の小型化、焦点検出可能なデフォーカス量の拡大等の効果を奏する。
【0138】
図7に示す実施の形態は、図3の焦点検出系を縦方向と横方向にそれぞれ複数列並べた第3実施形態を示すものである。図では、焦点検出エリアの視野絞りの開口部である視野開口43、再結像レンズ46、受光素子列47などは模式的にあらわしている。
【0139】
簡単に説明すると、図6のような仮想領域48a,48b,48c,48dがあり、仮想領域48a,48bの並び方向にm個、仮想領域48c,48dの並び方向にn個のマトリックス上に配置された視野開口43ij(1<i<m,1<j<n)が配置され、その近傍に各視野開口43に対応したコンデンサーレンズ44ij(1<i<m,1<j<n)(図では視野開口43と一体で記載)が配置される。
【0140】
なお、m,nは図6に示すように、並び順に1ずつ増加するものとする。
この視野開口43の各々は、縦方向と横方向の位相差の検出に対応しており、縦方向と横方向に長い焦点検出エリアを重ねた十字形状の開口部としてもよし、量検出エリアをカバーする正方形や長方形等でもよい。
【0141】
各コンデンサーレンズ44による仮想領域面の共役面上に瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口45を配置する。瞳分割絞り開口45は、横方向の位相差情報を得るために、横方向にm+1個の開口部からなる瞳分割絞り開口の列を縦方向にn列平行に配置した瞳分割絞り開口45hij(1<i<m+1,1<j<n)、縦方向の位相差情報を得るために、縦方向にn+1個の開口部からなる瞳分割絞り開口の列を横方向にm列平行に配置した瞳分割絞り開口45vij(1<i<m,1<j<n+1)を有する。
【0142】
この配置は、コンデンサーレンズ44ijにより仮想領域48aと瞳分割絞り開口45hij、 仮想領域48bと瞳分割絞り開口45h(i+1)j、仮想領域48cと瞳分割絞り開口45vij、仮想領域48dと瞳分割絞り開口45vi(j+1)が共役関係になるようにする。
【0143】
そして、各瞳分割絞り開口45に対応する再結像レンズ46hij(1<i<m+1,1<j<n)、46hij(1<i<m,1<j<n+1)(図では瞳分割絞り開口45と一体に記載)を近接して配置する。
【0144】
また、各視野開口43ijと略共役な面を2次結像面と想定しこの面上に配置した光電変換面47ahij(1<i<m,1<j<n)、47bhij(1<i<m,1<j<n)、47cvij(1<i<m,1<j<n)、47dvij(1<i<m,1<j<n)を配置し、視野開口43ijの像は各再結像レンズ46hij,46vijにより各光電変換面47上に再結像する。
【0145】
横方向の位相差検出を行うための光電変換面47ahij(1<i<m,1<j<n)、47bhij(1<i<m,1<j<n)は、両端を除き、同じ列にて図3のように交互に配置される。縦方向の位相差検出を行うための光電変換面47cvij(1<i<m,1<j<n)、47dvij(1<i<m,1<j<n)は、両端を除き、同じ列にて図3のように交互に配置される。
【0146】
仮想領域48aを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45hij、再結像レンズ46hijを通して再結像面上に配置した光電変換面47ahijに導かれ、視野開口43ij付近の像が再結像される。
【0147】
また、仮想領域48bを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45hi(j+1)、再結像レンズ46hi(j+1)を通して再結像面上に配置した光電変換面47bhijに導かれ、視野開口43ij付近の像が再結像される。
【0148】
同様に、仮想領域48cを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45vij、再結像レンズ46vijを通して再結像面上に配置した光電変換面47cvijに導かれ、視野開口43ij付近の像が再結像され、仮想領域48dを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45v(i+1)j、再結像レンズ46v(i+1)jを通して再結像面上に配置した光電変換面47dvijに導かれ視野開口43ij付近の像が再結像される。
【0149】
このように、本願発明を利用した本実施の形態では、大きな測距エリアを、2方向の位相差情報をとり、且つ、薄型の焦点検出系で構成できる。また、視野開口を、離散性を小さいまま細分化することにより精度の高い焦点検出系が構成できる。尚、クロストーク等を防ぐために視野開口上に視野枠を構成したり、再結像レンズと光電変換面の間に遮光壁49(不図示)を配置してもよい。
【0150】
本願による再結像系の倍率は図3のような一方向の位相差情報で焦点検出する場合は1/2倍以下、図5、図6のような2方向の位相差情報で焦点検出する場合は1/3倍以下とすると、効率よく光電変換面を構成できるので好ましい。
【0151】
図8で数値実施例を説明する。図7のような2次元的な広がりを持つ例で説明する。図8では、説明のため、一つのh方向の断面の一部で説明する。この数値実施例では、仮想領域を予定結像面から−100mm、焦点検出エリアの隣り合う視野絞りの開口部である視野開口53の中心の間隔(ピッチ)は(水平方向)h方向(fh)0.02mm、(垂直方向)v方向(fv)0.02mmであり、コンデンサーレンズ54と再結像レンズ56の間は光学媒質で埋められている。
【0152】
換言すると、プレート50の撮影レンズ側に、コンデンサーレンズアレイ54a(面)を構成し、光電変換面57側に再結像レンズアレイ56a(面)を構成する。
【0153】
ここでは、プレート50は樹脂で構成する。媒質の屈折率を1.5とし、コンデンサーレンズ54面の曲率半径rcを0.13mm、再結像レンズ56(面)の曲率半径rを0.034mmとする。プレートの厚みdpは0.4mm、瞳分割絞り開口55の形状は再結像レンズ56(面)と一体として直径φsを0.013mmとした円、再結像レンズ面56と光電変換面57の間隔daを0.1mmとし、焦点検出系の倍率が約1/3倍となるように構成する。
【0154】
h方向、v方向の再結像レンズ56の並ぶ間隔(ピッチ)も、コンデンサーレンズ54と同様に約0.02mmである。ここでは、コンデンサーレンズ54の焦点距離を0.27mm、再結像レンズ56の焦点距離を0.09mmと想定している。視野開口53の中心から撮影レンズの光軸51までの距離 をhとすると、コンデンサーレンズ54から光軸51までの距離hcは0.9973×hである。尚、視野開口53の中心から光軸51方向に伸ばした位置に隣り合う再結像レンズ56の中間点が配置されている。それぞれの光電変換部分57の受光範囲はsh(水平方向)×sv(垂直方向)は0.0067mm×0.0067mmとなる。
【0155】
さらに、遮光壁59を隣り合う再結像レンズ56の中間位置と使用する光電変換面57の間に配置すると良い。尚、焦点検出光学系の倍率を1/3とすると、隣り合う再結像レンズ56の中間位置の中心と光電変換面57との間に、正規光束(焦点検出に用いる光束)が通らない空間ができる。この例では、遮光壁59は、隣り合う再結像レンズ56の中間位置を中心に、0.0067mm×0.0067mmのエリアに配置している。
【0156】
また、視野開口53に視野枠53aを配置している。この遮光壁59や、視野枠53aで一つの再結像レンズ56が対応する光電変換面57のクロストークを効率よく防止できる。
【0157】
図9は、光電変換部材47を光軸方向からみたレイアウトを示す。この図は、一体化された光電変換部47の一部のレイアウトを拡大したものである。光電変換部47には、垂直方向、水平方向にマトリックス状に受光素子列が並んで配置されている。
【0158】
図中、斜線が施された四角の中が焦点検出に用いない部分、a、b、c、dと記された四角はそれぞれ図7の仮想領域48a,48b,48c,48dに対応する光電変換部分の範囲である。
【0159】
太線で囲まれた四角の範囲は光軸方向に投射した視野開口43の範囲である。太線で囲まれた四角の範囲は、光電変換手段47の範囲より水平垂直それぞれ3倍であることがわかる。
【0160】
円で示したのが光軸方向に投射した瞳分割絞り開口45とその近傍に配置される再結像レンズ46の有効範囲である。実線の円が図7の仮想領域48a,48bに対応する水平方向の位相情報を検出する瞳分割絞り開口45と再結像レンズ47、点線の円が、図7の仮想領域48c,48dに対応する垂直方向の位相情報を検出する瞳分割絞り開口45に対応する。
【0161】
図10は、本願発明の別の実施の形態を示したものである。図10(a)は、この別実施形態の斜視図、図10(b)は、この別実施形態の正面図である。
【0162】
なお、構成をわかりやすくするために、再結像レンズ群66、受光素子列67の間隔やサイズ等を誇張して図示しているが、実際の距離やサイズの関係は、図1(a),1(b)のように、結像性能を満足するように配置される。
【0163】
この図では、撮影レンズ61と2組の仮想領域(68aと68bの対、68cと68dの対)を想定する。一組は仮想領域68a,68bでもう一組は仮想領域68c,68dとする。それぞれの組の仮想領域は異なる方向に並んでいる。撮像面と等価な予定結像面62(不図示)の近傍に焦点検出エリアの2つの視野絞りの開口部である視野開口63イ,63ロが想定され、それぞれの視野開口63イ,63ロに対応して、各々光軸が異なるコンデンサーレンズ64、瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口65、再結像レンズ群66、受光部材67Aに設けた受光素子列を持つ光電変換面67を配置する。
【0164】
そして、視野開口63イの近傍にコンデンサーレンズ64イが配置され、仮想領域68aのコンデンサーレンズ64イによる共役位置に瞳分割絞り開口65イロが配置される。この瞳分割絞り開口65イロの近傍に再結像レンズ66イロ(図では65イロと一体で記載)が配置され、再結像レンズ66イロは視野開口63イ上の像をコンデンサーレンズ64イ、瞳分割絞り開口65イロを通して光電変換面67a上に略投影する。
【0165】
この図では、簡単のため、各再結像レンズ66は瞳分割絞り開口65と一体化された構成とし、図における瞳分割絞り開口65イロ、65イb、65ロdは開口部であるが、再結像レンズ66イロ、66イb、66ロdも同時に示すものである。もちろん、図1(a)等に示すように、再結像レンズ66と瞳分割絞り開口65を少し離してもよいし、再結像レンズ66の一面に塗装により瞳分割絞り開口65を形成してもよい。
【0166】
また、仮想領域68bのコンデンサーレンズ64イによる共役位置に瞳分割絞り開口65イbが配置され、その近傍に再結像レンズ66イb(瞳分割絞り開口65イbと一体で記載)が配置され、再結像レンズ66イbは視野開口63イ上の像をコンデンサーレンズ64イ、瞳分割絞り開口65イbを通して光電変換面67b上に略投影する。
【0167】
そして、視野開口63ロの近傍にコンデンサーレンズ64ロが配置され、仮想領域68cのコンデンサーレンズ64ロによる共役位置に瞳分割絞り開口65イロが配置される。その近傍に再結像レンズ66イロ(図では瞳分割絞り開口65イロと一体)が配置され、再結像レンズ66イロは視野開口63ロ上の像をコンデンサーレンズ642ロで屈折し、瞳分割絞り開口65イロを通して光電変換面67c上に略投影する。
【0168】
仮想領域68dのコンデンサーレンズ64ロによる共役位置に瞳分割絞り開口部65ロdが配置される。その近傍に再結像レンズ66ロd(65ロdと一体で図示)が配置され、再結像レンズ66ロdは視野開口63ロ上の像をコンデンサーレンズ64ロで屈折し、瞳分割絞り開口65ロdを通して光電変換面67d上に略投影する。
【0169】
それぞれの再結像レンズ66は、互いに隣り合って配置される。
【0170】
この図で示すように、異なる方向の位相差情報を扱える焦点検出装置にも適用できる。視野開口63イ、63ロを隣り合って配置ができる。さらには、必要であればこれらの焦点検出エリアを交差させ、実用的には同一測距ポイントとなるように構成してもよい。
【0171】
このような構成とすることで、従来の構成の位相差方式の焦点検出系にくらべそれぞれの瞳分割絞り開口、再結像レンズを近づけることができ、光量を多く使え、性能を向上させることができる。また、再結像レンズ群と受光素子列を持つ光電変換面を予定結像面に近づけやすくなり、焦点検出系の小型化に有利となる。
【0172】
図11(a)は図10で示した構成での瞳分割絞り開口65および再結像レンズ66のレイアウト、図11(b)は2方向の位相差情報を扱う焦点検出装置の瞳分割絞り開口165及び再結像レンズ167のレイアウトである。図11(a)では開口部、再結像レンズの数が少なくなり、また、再結像レンズ同士を近づけることができると共に、開口を大きくでき、光量的に有利になることがわかる。
【0173】
図12、図13、図14は 実際のカメラボディへの搭載例である。
【0174】
図12に示す例は、撮影レンズ71を一体化または交換可能とした撮像装置の例である。この撮像装置は、焦点検出時やフレームミング時、光路中にはいり、撮影時の光路から退避するクイックリターンミラー73とサブミラー77を備える。そして、クイックリターンミラー73の反射光路上に構成されるファインダー光学系76を有し、クイックリターンミラー73を透過しサブミラー77で反射した光路上に本願発明の焦点検出系74が配置されている。クイックリターンミラー73とサブミラー77が退避した状態の光路上にCCC,CMOS等の撮像素子75の撮像面が配置される。
【0175】
図13は撮影レンズ81と撮像面85の間にハーフミラー83が配置され、反射光路中上に本願の焦点検出系84が配置される。この時、ハーフミラー83は、ぺリクル状等の薄い構成か、ハーフミラー面でない面に無反射処理を行なうことが望ましい。
【0176】
この方法であれば、焦点検出のエリアを撮像画面範囲全体に広げることができる。この時、フレーミング等のためのファインダー機能は、撮像素子から得た画像情報を用いて液晶画面等に表示してもよい。
【0177】
図14は、図12のハーフミラーをクイックリターンミラー93としたものである。クイックリターンミラー93は、焦点検出時やフレームミング時、光路中にはいり 撮影時光路から退避する。この場合、クイックリターンミラーはほぼ全反射とできるので焦点検出系への光量が増え望ましい。フレーミング等は画像範囲とほぼ同じ領域の画像情報を本願焦点検出装置からの出力より構成し、液晶画面等に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本願発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】第1実施形態と従来例との比較を示す図である。
【図3】第1実施形態において視野を延ばした実施の形態を示す図である。
【図4】遮光壁を配置した実施形態を示す図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図6】第2実施形態において視野を延ばした実施の形態を示す図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態を示す図である。
【図8】数値実施例を示す図である。
【図9】光電変換部材を光軸方向からみたレイアウトを示す図である。
【図10】本願発明の別の実施の形態を示す図である。
【図11】瞳分割絞り開口及び再結像レンズのレイアウトを示す図である。
【図12】撮像装置への搭載例を示す図である。
【図13】撮像装置への搭載例を示す図である。
【図14】撮像装置への搭載例を示す図である。
【図15】一般的な位相差式焦点検出光学系を示す図である。
【図16】参考例を示す図である。
【図17】比較例を示す図である。
【図18】比較例を示す図である。
【図19】比較例を示す図である。
【図20】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0179】
1,11,21,31,41,51,61,71,81,91…撮影レンズ
2,12,22,32,42,52,62…予定結像面
3,13,23,33,43,53,63…視野開口
4,14,24,34,44,54,64…コンデンサーレンズ
5,15,25,35,45,55,65…瞳分割絞り開口
6,16,26,36,46,56,66…再結像レンズ
7,17,27,37,47,57,67…光電変換面
8,18,28,38,48,58,68…仮想領域
9,19,29,39,49,59,69…遮光壁
50…プレート
72,82,92…カメラ本体
73,93…クイックリターンミラー
74,84,94…AF光学系
75,85,95…撮像素子
76…ファインダー光学系
77…サブミラー
83…ハーフミラー
A…光軸
S…信号処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、一眼レフレックスカメラ(SLR)等に用いられる所謂位相差式オートフォーカス(AF)システムに用いる焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置に関する。特に、原理的に撮影レンズがデフォーカスされた状態で、そのデフォーカス方向とデフォーカス量を算出でき、所謂コントラスト法に比較し、素早く合焦状態にすることができる焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体を撮像面上に投影する撮影レンズと、撮影レンズから撮像面までの光路を分割あるいは切り替える手段(クイックリターンミラーやハーフミラー等)と、それらを経た光路上にある前記撮像面と概略等価な位置に設定される1次結像面(予定結像面)と、その1次結像面近傍に配置され焦点検出エリアを形成する視野絞りと、1次結像面近傍に配置されるコンデンサーレンズと、複数開口部により瞳分割を行う明るさ絞りと、それぞれの明るさ絞りに対応して配置された複数の再結像レンズ及び受光素子列とが配置され、コンデンサーレンズは撮影レンズ内の異なる領域をそれぞれ明るさ絞りに投影し、再結像レンズは1次結像位置の空中像を対応する明るさ絞りを通して受光素子列に投影するシステムがある。
【0003】
このシステムでは、測距は、焦点検出エリアに対応する受光素子列に投影されたそれぞれの像位置を比較して行い、焦点検出エリアの両端の一定領域は、デフォーカス情報を得る部位であり、その位置の被写体の焦点検出はできない。
【0004】
このような方式を用いた従来例として、複数の焦点検出エリアの各々の検出を行うために、それぞれ一対の再結像レンズを持たせ、各再結像レンズを複数の焦点検出エリアの再結像にて共通化させた焦点検出系が知られている(特許文献1)。
【0005】
第20図に示すように、従来技術では、予定結像面に一方向に並ぶ3つの焦点検出エリアの各々に対応するそれぞれ一対の再結像レンズからなる再結像レンズ群504を備えてなる。これらの再結像レンズ群504は一方向に並ぶ3つの再結像レンズ541,542,543で構成され、中心の焦点検出エリアに対しては外側両方の再結像レンズ541,543が対応して焦点検出を行い、外側の焦点検出エリアに対しては外側片方の再結像レンズ541と中心の再結像レンズ542が対応して焦点検出を行う構成となっている。また、紙面の垂直方向にも同様に焦点検出系を配置できる旨が開示されている。
【特許文献1】特開平1−266503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この焦点検出系は、中間に位置する焦点検出エリアに対して互いに離れた再結像レンズを用いて、焦点検出を行うものである。このような光学レイアウトの場合、再結像レンズへの入射角が大きくなりやすく、収差の影響を受けやすくなる。また、再結像レンズへの入射角を小さくしようとすると、焦点検出エリアと再結像レンズ群との距離が長くなり小型化に不利となる。
【0007】
さらに、この従来技術では、再結像レンズを少なくとも3つもち、その組み合わせを複数設定することが提案されているが、それぞれの再結像レンズに対応する受光素子列を独立してまとめて配置する構成である。そして、一つの測距エリアでの焦点検出では、一方向の位相差の検出にて1組のみの再結像レンズによる位相差情報で焦点検出を行う構成である。
【0008】
このような構成では、焦点検出エリアのサイズを大きくしようとすると、再結像レンズ群の各再結像レンズへの入射角が大きくなり、収差が出やすくなる。この収差を抑えようとすると、再結像レンズが焦点検出エリアから遠ざかることになり、この点でも小型化に不利である。
【0009】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、複数の焦点検出エリアを持ち、焦点検出エリアを近づけやすく、且つ、その焦点検出エリアに再結像レンズ群を近づけながらも焦点検出能力の確保を行いやすい焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。さらには、広い焦点検出エリアを有し、収差による影響の少ない焦点検出光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の焦点検出光学系は、撮影レンズの予定結像面上の焦点検出エリア近傍に配置されたコンデンサーレンズと、前記焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て並ぶ一対の開口部を有する瞳分割絞りと、前記各開口部に対応して配置された複数の再結像レンズを持つ再結像レンズ群と、前記各再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有し、前記撮影レンズの異なる領域を夫々通過し前記焦点検出エリアを通過する二光束による光強度分布を前記受光素子列で受け、前記受光素子列から得られる光強度分布を表す出力信号の位相差を検出することにより前記焦点検出エリアの焦点検出を行うことのできる焦点検出光学系であって、前記焦点検出光学系は、前記予定結像面上にて互いに隣り合う若しくは互いに交差する少なくともn個(n≧2)の前記焦点検出エリアをもち、前記再結像レンズ群は、第n+1個の前記再結像レンズを備え、第n−1番目及び第n番目の再結像レンズは前記第n−1番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、第n番目及び第n+1番目の再結像レンズは前記第n番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、前記第n−1番目の再結像レンズと前記n+1番目の再結像レンズは異なる位置に配置されることを特徴とする。
【0011】
したがって、隣り合うもしくは交差するn個の焦点検出エリアの各々についてそれぞれ隣り合う対をなす開口部および再結像レンズで構成できる。そして、それぞれの再結像レンズが隣り合うことで、焦点検出エリアと再結像レンズとの距離を小さくしても、再結像レンズに入射する光線の入射角を抑えやすく、収差を抑えやすい。
【0012】
特に、上述の第n番目及び第n+1番目の再結像レンズを前記第n番目の焦点検出エリアに対応させて配置することで、再結像レンズn+1個にて隣り合うもしくは交差するn個の焦点検出エリアの焦点検出が行え、構成を簡単にし開口部のサイズも大きくしやすくなる。
【0013】
また、それぞれの焦点検出エリアに対する焦点検出系を独立させる必要がないので、それぞれの焦点検出エリアを近づけやすくなる。
【0014】
また、一つの焦点検出エリアに対応する1対の再結像レンズが隣り合う配置とすることで、同じ受光素子列に複数の焦点検出エリアからの光線が入ることを防ぎやすくなり、焦点検出系の薄型化に貢献する。
【0015】
したがって、瞳分割絞り、再結像レンズ群の構成を簡略にできると共に、複数の焦点検出エリアを持ち、各々の焦点検出エリアを近づけやすく、且つ、その焦点検出エリアに再結像レンズ群を近づけながらも焦点検出能力の確保を行いやすい焦点検出系を提供できる。
【0016】
また、例えば、焦点検出精度を上げるために、被写体の縦線と横線に対応させて、並ぶ方向の異なる二対の瞳分割絞りと再結像レンズを用いる場合も、瞳分割絞りの開口部を大きくとることができる。
【0017】
なお、焦点検出エリアが「互いに隣り合う」とは、相互の焦点検出エリアの中心同士の間に相互の焦点検出エリアの中心を結ぶ方向の位相差を検出する焦点検出エリアが無いことと定義する。
【0018】
また、対をなす再結像レンズが「互いに隣り合う」とは、対をなす各再結像レンズの有効面中心を結ぶ線上に他の再結像レンズの有効面が挟まれないことと定義する。
【0019】
さらに、本発明によれば、例えば3つの焦点検出エリアに対して4つの瞳分割絞りと再結像レンズで構成でき、例えばn個の焦点検出エリアに対してn+1個の瞳分割絞りと再結像レンズを対応させて構成することも可能となる。
【0020】
また、前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する前記各開口部が一列に並んで配置されると共に、前記第1番目〜第n番目の前記焦点検出エリアも一列に並んで配置されることを特徴とする。
【0021】
これにより、並ぶ方向にてn個の焦点検出エリアをもつ焦点検出系にて、おのおのの焦点検出エリアを近づけることができる。また、各々の焦点検出エリアに対応する再結像レンズも互いに近づけやすくできる。
【0022】
また、前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する各受光素子列が同じ受光部材に設けられることを特徴とする。
【0023】
各受光素子列を単体の受光部材に設けられることで、受光部材の個体差による受光性能のばらつきを抑えられ、合焦検出精度の確保に有利となる。
【0024】
また、前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアに対応するそれぞれ一対の開口部の並ぶ方向が同一であり、前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアのうちの複数の焦点検出エリアの光強度分布から一つの位相差情報を検出することを特徴とする。
【0025】
一つ一つの焦点検出エリアを小さくし、収差による検出精度の低下を小さくし、複数の焦点検出エリアから一体的に位相差情報を得ることにより、実質的に広い焦点検出エリアを構成できる。また、焦点検出可能なデフォーカス量も大きくなる。
【0026】
また、前記複数の焦点検出エリアは互いに隣り合い、受光素子列上における焦点検出エリアごとに分離された不連続な強度分布を用いて前記位相差情報を検出することを特徴とする。
【0027】
このように、隣り合う焦点検出エリアに基づく位相により位相差を検出することで、連続する焦点検出エリアの焦点検出ができ合焦精度の向上が行える。また、単一の焦点検出エリアによるスポット的な焦点検出や、連続する複数の焦点検出エリアによるエリア的な焦点検出の切り替え、焦点検出を行うエリアの選択等が行えるようにしてもよい。
【0028】
また、隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応する各々一対の開口部の間隔が同じであることを特徴とする。
【0029】
これにより、それぞれの焦点検出エリアのデフォーカス量と位相差量の関係が同じになり、焦点検出が容易になる。
【0030】
また、隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応する各々一対の開口部の前記コンデンサーレンズに対する共役位置は、同じ一対の領域であることを特徴とする。
【0031】
これにより、撮影レンズ内を効率的な光路のレイアウトが可能になる。撮影レンズ内の同一領域を通った光束の位相差情報を用いることで焦点検出精度を良好にできる。
【0032】
また、前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに平行に並べて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに平行に並べて配置したことを特徴とするので、予定結像面における焦点検出可能なエリアを広くできる。
【0033】
また、前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに交差させて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに交差させて配置したことを特徴とするので、予定結像面における焦点検出可能なエリアを広くできるとともに、異なる方向での位相差検出が可能となるので、焦点検出を行いやすくなる。
【0034】
また、前記一列に並んで配置される開口部の列を複数備え、それら複数の開口部の列は、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差して配置した複数の開口部の列を備え、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も複数備え、それら複数の焦点検出エリアの列も、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差させて配置した複数の焦点検出エリアの列を備えたことを特徴とするので、予定結像面における焦点検出可能なエリアを広くできるとともに、異なる方向での位相差検出が可能となるので焦点検出を行いやすくなる。
【0035】
また、前記第n−1番目、第n番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向が、前記第n番目、第n+1番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向と異なることを特徴とするので、被写体の位相差情報を一方向のみでなく他の方向から得ることができ、焦点検出を行いやすくなる。
【0036】
また、前記第n−1番目、第n番目の焦点検出エリアとの間に他の焦点検出エリアがなく、そのうち一方の焦点検出エリアが、他方の焦点検出エリアにおける長手方向に位置することを特徴とする。
【0037】
焦点検出を行う位相差の方向を異なる複数の焦点検出エリアに近づけることで、主とする被写体の焦点検出精度を上げることができ、好ましい。
【0038】
さらには、一方の焦点検出エリアが、他方の焦点検出エリアにおける長手方向の延長上に位置する場合は、全体として焦点検出エリアを大きくできる。
【0039】
一方、並ぶ方向の異なる二対の視野分割絞りと再結像レンズを用いて焦点検出エリアを交差させると、スポットにて被写体の縦線と横線に対応させて焦点検出が行え、焦点検出精度を上げることができ好ましい。
【0040】
また、交差する焦点検出エリアを一つの焦点検出エリアとみなすと、全体の焦点検出エリアの数を減らすことができ好ましい。これは、縦線対応の焦点検出エリアと横線対応の検出エリアの集密度を上げることも可能にする。
【0041】
また、前記コンデンサーレンズが、複数の前記焦点検出エリアに対応して、複数の光軸を備えることを特徴とするので、コンデンサーレンズの光軸を焦点検出エリア毎に設定することで、撮影レンズ内を通る光束のレイアウトを効率的に配置することができる。
【0042】
また、前記予定結像面の近傍にそれぞれの焦点検出エリアに対応して配置された視野開口を有することを特徴とするので、受光素子列上での他の焦点検出エリアとのクロストークを防止できる。これにより、さらに焦点検出エリア同士を近づけることができる。
【0043】
また、前記受光素子列の直前にそれぞれの受光素子列の撮像領域ごとに遮光壁を配置したことを有することを特徴とするので、受光素子列上での他の焦点検出エリアとのクロストークを防止できる。これにより、さらに焦点検出エリア同士を近づけることができる。
【0044】
また、前記視野分割絞り開口は、前記焦点検出エリアのうちいずれか一つの焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て異なる方向に並ぶ少なくとも二対の開口部を有し、再結像レンズ群は、それら少なくとも二対の開口部の各々の開口部に対応して配置された再結像レンズを有し、前記受光素子列は該再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有することを特徴とする。
【0045】
同じ焦点検出エリアに対応した並ぶ方向の異なる二対の明るさ絞りと再結像レンズを用いることで、被写体の縦線と横線に対応させて焦点検出精度を上げることができる。また、全体の焦点検出エリアの数を減らすことができ、好ましい。これは、縦線対応の焦点検出エリアと横線対応の検出エリアの集密度を上げることも可能にする。
【0046】
また、前記再結像レンズ群は、面状に規則的に配置された複数の再結像レンズを有し、前記受光素子列は、面状に規則的に配置された複数の受光素子を有することを特徴とする。
【0047】
したがって、隣り合う再結像レンズの対および対応する受光素子列の組み合わせの自由度が高くなる。また、使用する受光素子列の選択により焦点検出を行う焦点検出エリアの選択の自由度を上げることができる。
【0048】
さらに、本発明の撮像装置は、前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射し前記予定結像面に前記光束を導く反射部材を有し、前記反射部材は、前記撮像素子にて撮像する際に撮影光路から退避することを特徴とするので、撮像素子による撮影時に反射部材を退避させることで撮影時の撮影画像の光量低下を抑える撮像装置を提供できる。
【0049】
また、本発明の撮像装置は、前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射および透過する反射部材を有し、前記反射部材の反射側又は透過側の一方に前記撮像素子を配置し、他方に前記焦点検出系を配置したことを特徴とするので、撮像素子による撮影中も焦点検出をおこなえる撮像装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下に、一般的な焦点検出光学系、参考例の説明を含め本願発明の実施の形態を説明する。
【0051】
まず、一般的な位相差式焦点検出光学系の基本構成と課題について説明する。図15に位相差式焦点検出光学系の基本的な構成を示す。被写体側より 撮影光学系101、撮像面と等価な位置にある予定結像面102、予定結像面102近傍に設定された焦点検出エリアの視野絞り開口(以下、視野開口ともいう。)103、予定結像面102の近傍に配置されるコンデンサーレンズ104、瞳分割を行う一対の明るさ絞り(瞳分割絞り)の開口部(以下、瞳分割絞り開口ともいう。)105a,105b、それぞれの瞳分割絞り開口近傍に配置される再結像レンズ106a,106b、そして、それぞれの再結像レンズ106a,106bに対応する光電変換部(ここでは明るさ絞り開口部の並ぶ方向に配列された光電変換素子列である受光素子列)107a,107bが配置される。このうち、視野開口103、コンデンサーレンズ104、瞳分割絞り開口105a,105b、再結像レンズ106a,106b及び受光部材107Aに設けた光電変換部107a,107bの光電変換面が、一般に焦点検出光学系と称されている。
【0052】
光電変換部107a,107bはラインセンサー等であり、被写体から発せられ、センサー上に再結像される像の光の強度分布を出力できる構成が多い。
【0053】
撮影レンズ101内には、光束がけられず且つ焦点検出に十分な間隔をもった仮想的な一対の仮想の開口108a,108bを想定する。この開口は撮影レンズ101の射出瞳上に想定することが望ましいが、実際は、フォーカシング、ズーミング、レンズ交換等で射出瞳位置を一定位置とすることが困難なため、光学システム全体を考慮して設定することが多い。仮想の開口108aは、コンデンサーレンズ104によって、瞳分割絞りの開口部105aと共役関係になるように構成する。又、視野開口103は、コンデンサーレンズ104と再結像レンズ106aにより、光電変換部107aの受光面上に投影される。同様にして、仮想の開口108bは、コンデンサーレンズ104によって、瞳分割絞り開口105bと共役関係になるように構成する。又、視野開口103は、コンデンサーレンズ104と再結像レンズ106bにより、光電変換部107bの受光面上に投影される。
【0054】
この時、光電変換部107a,107bそれぞれに投影される視野開口103の像は、光電変換部107a,107bの受光面上で重なり合わないように構成しなければならない。また、焦点検出光学系全長は、視野開口103の大きさ、焦点検出光学系の倍率、一対の瞳分割絞り開口105a,105bの間隔等の仕様によりほぼ決定される。
【0055】
図16は、焦点検出光学系の収差による誤差要因のひとつを簡易に示したものである。図16において、ΔUaは視野開口103において中心点Cと点Uが光電変換部107aの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離、ΔLaは視野開口103において中心点Cと点Lが光電変換部107aの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離、ΔUbは視野開口103において中心点Cと点Uが光電変換部107bの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離、ΔLbは視野開口103において中心点Cと点Lが光電変換部107bの受光面上に投影されるそれぞれの点の距離である。なお、視野開口103上の中心点Cと点L、中心点Cと点Uの距離は同じとしている。
【0056】
位相差式の焦点検出方法では、視野開口3等を経て光電変換部107a,107bの受光面上に投影される2つ被写体像の光の強度分布のズレ量を評価することで行なう。
【0057】
この時、2つの像自体の光の強度分布の形は同じことが要求される。この形が2つの像の間で異なると、2つの像のズレを評価するときの誤差要因となる。この光学強度の変形を起こす大きな要因が、焦点検出光学系の歪曲収差(像位置による倍率誤差)である。歪曲収差は基本的に再結像レンズ106a,106bの光軸に対称に発生する。一般にコンデンサーレンズ104と再結像レンズ106a,106bはそれぞれ単レンズで構成され、図16では、ΔUaとΔLaは歪曲収差により同じするのは困難である。そして、点Uと点Lとの距離が大きくなるほど、ΔUaとΔLaの差は大きくなる傾向がある。製造誤差がなければΔUaとΔLbは同じ値となるが、位相差情報取得のため比較するΔUaとΔUbの差を無くすのは困難である。特に、焦点検出光学系の全長を短くするために、再結像レンズ106a,106bのパワーをあげるとこの傾向は強くなる。
【0058】
ここでは簡単に説明するために、それぞれの光電変換部107a,107bの光電変換面を2分割したが、実際は更に分割され、又、歪曲収差以外に色収差や像面湾曲による誤差要因も同様に発生する。視野開口103を広くすると測距エリアは広がるが測距精度の維持が困難になる。
【0059】
図17は、焦点検出光学系の薄型化、測距視野の拡大のために、焦点検出エリアの視野開口203を分割し、それぞれに焦点検出光学系を配置したものである。図17では、図15と同様の撮影レンズ201と仮想領域208a,208bと予定結像面202を配置又は想定し、予定結像面202近傍に2031、2032及び2033と分割された視野開口203が配置され、それぞれの視野開口2031、2032及び2033に対応した各瞳分割絞り開口205a1〜205b3、各再結像レンズ206a1〜206b3、受光部材に設けた各光電変換面207a1〜207b3を持つ光電変換部が配置されている。
【0060】
そして、視野開口2031の近傍にコンデンサーレンズ2041が配置され、コンデンサーレンズ2041による仮想領域208aの共役位置に瞳分割絞り開口205a1が配置され、その瞳分割絞り開口205a1の近傍に再結像レンズ206a1が配置されている。
【0061】
その再結像レンズ206a1は視野開口2031上の像をコンデンサーレンズ2041、瞳分割絞り開口205a1を介して光電変換面207a1上に投影する。
【0062】
同様の関係で、仮想領域208b、視野開口2031、コンデンサーレンズ2041、瞳分割絞り開口205b1、再結像レンズ206b1、光電変換面207b1の組み合わせ、仮想領域208a、視野開口2032、コンデンサーレンズ2042、瞳分割絞り開口205a2、再結像レンズ206a2、光電変換面207a2の組み合わせ、仮想領域208b、視野開口2032、コンデンサーレンズ2042、瞳分割絞り開口205b2、再結像レンズ206b2、光電変換面207b2の組み合わせ、仮想領域208a、視野開口2033、コンデンサーレンズ2043、瞳分割絞り開口205a3、再結像レンズ206a3、光電変換面207a3の組み合わせ、及び、仮想領域208b、視野開口2033、コンデンサーレンズ2043、瞳分割絞り開口205b3、再結像レンズ206b3、光電変換面207b3の組み合わせで構成される。
【0063】
この場合、薄型化や測距精度の確保等は有利であるが、視野開口2031、2032及び2033が予定結像面202上にて離散的に配置されることになり好ましくない。
【0064】
図18は、3つの隣接する視野開口のうち外側に位置する視野開口に対応する光路を反射させることで、各視野開口の離散性を小さくする焦点検出光学系の例である。
【0065】
図18に示す比較例2では、図17に示す比較例1と同様の撮影レンズ301と仮想領域308a,308bと予定結像面302を配置又は想定し、予定結像面302近傍に3031、3032、3033と分割された焦点検出エリアの3つの視野開口303が配置される。そして、それぞれの視野開口3031、3032、3033に対応した各瞳分割絞り開口305a1〜305b3、各再結像レンズ306a1〜306b3、受光部材に設けた各光電変換面307a1〜307b3が配置されている。
【0066】
そして、視野開口3031の近傍にコンデンサーレンズ3041が配置され、コンデンサーレンズ3041による仮想領域308aの共役位置に瞳分割絞り開口305a1が配置され、その瞳分割絞り開口305a1の近傍に再結像レンズ306a1が配置されている。
【0067】
その再結像レンズ306a1は、視野開口303a上の像を、コンデンサーレンズ304a、瞳分割絞り開口305a1を介して光電変換面307a1上に投影する。
【0068】
同様の関係で、仮想領域308b、視野開口3031、コンデンサーレンズ3041、瞳分割絞り開口305b1、再結像レンズ306b1、光電変換面307b1の組み合わせ、仮想領域308a、視野開口3032、コンデンサーレンズ3042、瞳分割絞り開口305a2、再結像レンズ306a2、光電変換面307a2の組み合わせ、仮想領域308b、視野開口3032、コンデンサーレンズ3042、瞳分割絞り開口305b2、再結像レンズ306b2、光電変換面307b2の組み合わせ、仮想領域308a、視野開口3033、コンデンサーレンズ3043、瞳分割絞り開口305a3、再結像レンズ306a3、光電変換面307a3の組み合わせ、及び、仮想領域308b、視野開口3033、コンデンサーレンズ3043、瞳分割絞り開口305b3、再結像レンズ306b3、光電変換面307b3の組み合わせで構成される。
【0069】
また、光路上、コンデンサーレンズ3041と再結像レンズ306a1,306b1の間に、図示のように反射部材3091を配置し、コンデンサーレンズ3043と再結像レンズ306a3,306b3の間に、図示のように反射部材3093を配置している。
【0070】
このように反射部材を配置することで、光電変換面307b1と307a2の干渉や、光電変換面307b2と307a3の干渉の問題を解消できる。それにより、視野開口303の離散性の課題はある程度解消できる。
【0071】
しかし、この場合、視野開口3031、3033に関する光束を反射させる為の反射面のスペースを必要とする。また、視野開口303の大きさに対応して広がる光束の干渉を防ぐため、視野開口303どうしの間隔の確保も必要となる。また、再結像レンズ306や光電変換面307が同一平面上に構成できなくなり、部品の大型化や、部品点数の増加につながり、組み立て制度、コストの面でも不利となる。
【0072】
図19は反射部材で折り曲げる方向のバリエーションを簡単に示したものである。ここではコンデンサーレンズ群304、再結像レンズ群306、光電変換面307等は紙面に対して垂直方向に並んでいる。
【0073】
このようなレイアウトとしても、光束を反射させる為の反射面のスペースを必要とする。また、視野開口303の大きさに対応して広がる光束の干渉を防ぐため、視野開口303どうしの間隔の確保も必要となる。
【0074】
次に、本願発明内容を説明する。図1(a)、1(b)、2(a)は本願発明の第1の実施の形態を示すと共に、他の実施の形態とも共通する基本構成を示す説明図である。図2(b)は従来技術の一例を示す比較例である。
【0075】
図1(a)は、各々の焦点検出エリアの中心と、各々の明るさ絞り開口部中心を通過する主光線を図示している。図1(b)は、一つの焦点検出エリアの上端または下端を通過し、それに対応して隣り合う明るさ絞り開口部の上端、中心、下端を通過する光線を図示している。
【0076】
図1(a)、図1(b)では 図15と同様の撮影レンズ1と仮想領域8a,8bと予定結像面2を配置又は想定している。そして、予定結像面2近傍に一列に並んで31,32,33と区切られた焦点検出エリアの視野絞りの開口部である視野開口が想定され、それぞれの視野開口31,32,33に対応して、それぞれ光軸が異なるコンデンサーレンズ4、瞳分割絞りの開口部である複数の瞳分割絞り開口5、再結像レンズ群6、受光部材7Aに設けた受光素子列である光電変換面7の各々をそれぞれ同じ方向に並べて配置する。
【0077】
そして、視野開口31の近傍にコンデンサーレンズ41が配置されている。仮想領域8aのコンデンサーレンズ41による共役位置に、瞳分割絞り開口51が配置され、その近傍に再結像レンズ61が配置され、再結像レンズ61は、視野開口31上の像を、コンデンサーレンズ41、瞳分割絞り開口51を通して光電変換面7a1上に略投影する。
【0078】
仮想領域8bのコンデンサーレンズ41による共役位置に瞳分割絞り開口52が配置される。その開口部の近傍に再結像レンズ62が配置され、再結像レンズ62は視野開口31の像をコンデンサーレンズ41瞳分割絞り52を通して光電変換面7b1上に略投影する。
【0079】
他の視野開口3に対しても同様に光学系が構成されるが、瞳分割絞り開口5と再結像レンズ6とが他の視野開口3に対応する光学系の瞳分割絞り開口5及び再結像レンズ6と共通となっている。
【0080】
視野開口32の近傍にコンデンサーレンズ42が配置されている。仮想領域8aのコンデンサーレンズ42による共役位置に、瞳分割絞り開口52が配置される。その瞳分割絞り開口52の近傍に再結像レンズ62が配置され、再結像レンズ62は、視野開口32上の像をコンデンサーレンズ42、瞳分割絞り開口52を通して光電変換面7a2上に略投影する。
【0081】
また、仮想領域8bのコンデンサーレンズ42による共役位置に、瞳分割絞り開口53が配置される。その瞳分割絞り開口53の近傍に再結像レンズ63が配置され、再結像レンズ63は視野開口32上の像をコンデンサーレンズ42、瞳分割絞り開口53を通して光電変換面7b2上に略投影する。
【0082】
視野開口33の近傍にコンデンサーレンズ43が配置されている。仮想領域8aのコンデンサーレンズ43による共役位置に、瞳分割絞り開口53が配置される。その瞳分割絞り開口53の近傍に再結像レンズ63が配置され、再結像レンズ63は、視野開口33上の像をコンデンサーレンズ43、瞳分割絞り開口53を通して光電変換面7a3上に略投影する。
【0083】
さらに、仮想領域8bのコンデンサーレンズ43による共役位置に瞳分割絞り開口54が配置される。その瞳分割絞り開口54近傍に再結像レンズ64が配置され、再結像レンズ64は視野開口33上の像をコンデンサーレンズ43、瞳分割絞り開口54を通して光電変換面74上に略投影する。
【0084】
各光電変換面7は一体で構成されたCCD、CMOS、一列に並ぶ受光素子列を持つ部材等の受光部材に形成され、各光電変換面7の受光感度等の特性のばらつきを抑えている。もちろん、光電変換面7の受光素子列は一列のみの並びであっても複数列の並びであってもよい。また、焦点検出に用いるところ意外に受光素子列を設けてもよい。
【0085】
各光電変換面7から得られる強度分布の信号は、信号処理部Sに導かれる。信号処理部Sでは、各焦点検出エリア31,32,33の各仮想領域8a,8bを通過した光束による強度分布の位相差を検出し、検出した位相差に基づいて、撮影レンズ1に焦点合わせのための移動量を指示する。
【0086】
例えば、焦点検出エリア32のみのスポット的な焦点検出を行う場合は、光電変換面7a2と光電変換面7b2で受光した強度分布の位相差を検出し、その位相差の大小により撮影レンズ1の移動量を決定する。この例では、光電変換面7a2と光電変換面7b2で受光した強度分布の位相差が0であれば合焦状態であり、図1(a)に示す状態となる。
【0087】
焦点検出エリア32の被写体の像が撮影レンズ1側にずれた状態では、光電変換面7a2での位相が光電変換面7b2での位相に対して図の下側の位相差をもつ。撮影レンズ1側とは逆側にピントがずれた状態では、光電変換面7a2での位相が光電変換面7b2での位相に対して図の上側の位相差をもつ。他の焦点検出エリア3についても同様である。
【0088】
また、複数の焦点検出エリア3を用いて焦点検出を行うことも可能である。例えば、焦点検出エリア31,32,33の3つの焦点検出エリアにて合焦検出を行う場合、光電変換面7a1、7a2、7a3での強度分布を元に焦点検出エリア31,32,33の強度分布を検出し、光電変換面7b1、7b2、7b3での強度分布を元に焦点検出エリア31,32,33の強度分布を検出する。そして、検出したそれぞれの強度分布の位相差の大小により撮影レンズ1の移動量を決定する。任意に2つの焦点検出エリア3を選択して焦点検出を行ってもよい。
【0089】
この図1(a)、図1(b)で示すように、瞳分割絞り開口52、再結像レンズ62は、視野開口31と視野開口32に共通に対応している。但し、それぞれの視野開口3で対応する仮想領域8は異なり、視野開口31では仮想領域8b、視野開口32では仮想領域8aに対応している。
【0090】
同様に、瞳分割絞り開口53、再結像レンズ63は、視野開口32と視野開口33に共通に対応している。視野開口3は比較例として説明した図17、図18と同じ3つであるが、再結像レンズは4つ(比較例1,2は6つ)である。
【0091】
このように、それぞれの視野開口3から再結像レンズ6までの光束の重なりを気にする必要がないので視野開口3の配置の離散性はかなり小さくすることができる。また、再結像レンズ6への入射角も小さくでき収差的にも有利であり、視野の広がりに対して薄型化もしやすい。さらに、光電変換面7も同一平面に配置できるので部材のコストや組み立てコストが抑えやすくなる、また、離散性が小さくできるので、7a1,7a2,7a3の出力と、7b1,7b2,7b3の出力とを連続的な出力として取り扱いやすく、測距エリアの拡大や測距可能なデフォーカス量の拡大に有利である。
【0092】
図2(a),2(b)は、本実施の形態と従来タイプとの比較を示す図である。図2a(a)は、図1(a),1(b)でも示した本願実施の形態の一つであり、図2(b)は、図15で示したものと同様な一般的な従来例である。
【0093】
従来例に比べて、ほぼ同じ大きさで離散性の極めて少ない視野開口3を持ちながらコンデンサーレンズ4と再結像レンズ6のパワーを無理せず強くでき、薄型化が達成できていることがわかる。図16のように視野開口203が離散的になったり、図17のように反射部材309のスペースを確保する必要もない。また、図17では視野開口を射出した光路を重ねることができない制約条件があり、実質的に離散性が強くなる傾向があったが、本実施例ではこの点も解消されていることがわかる。
【0094】
図3は先述の各実施の形態に対して、特定方向の視野開口を多くし、視野を延ばした実施の形態である。図1(a),1(b)に示した実施の形態では一方向に視野開口が3つのケースであったが、ここでは4つ以上の視野開口を一列に並べたものである。
【0095】
以下、撮影レンズ11の光軸を基準に説明する。実際の例ではミラー等で光路が折り曲げられる場合もあるが、撮影レンズの光軸が直線であることを仮定している。他の実施の形態も同様である。
【0096】
図3では撮影レンズ11と仮想領域18a,18bと予定結像面12を配置又は想定し、予定結像面12近傍に焦点検出エリアのn個の視野絞りの開口部である視野開口131,132,133,・・・13n-1,13nが並んでおり、光軸を中心にして、この各視野開口13の並ぶ方向は仮想領域18a,18bの並ぶ方向と同一である。それぞれの視野開口13の大きさは同じであり、等間隔で隣接して配置されている。そうすることで、焦点検出系を整然と構成でき、コスト低減に有利となり望ましい。
【0097】
各視野開口131,132,133,・・・13n-1,13nの光軸方向に離れた近傍に、各視野開口13に対応して、異なる光軸を持つコンデンサーレンズ141,142,143,・・・14n-1,14nが配置されている。
【0098】
また、予定結像面12から撮影レンズ11と反対の方向に所定量離れた光軸に垂直な面上に(n+1個)の瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口151,152,153,・・・15n-1,15n,15n+1が配置されている。それぞれの瞳分割絞り開口15の形大きさは同じで等間隔で並んでいる。
【0099】
又、光軸方向に透視したとき、瞳分割絞り開口15iと瞳分割絞り開口15i+1の各々の間に視野開口13iがあることが望ましい。ここでのiは1〜nである。それにより、各瞳分割絞り開口15への光線入射角を小さくしやすくなり、小型化と収差の低減に有利となる。
【0100】
コンデンサーレンズ141,14nを除いて、コンデンサーレンズ14iは仮想領域18aと瞳分割絞り開口15iを共役関係とし、仮想領域18bと瞳分割絞り開口15i+1を共役関係とするように構成される。コンデンサーレンズ141は、仮想領域18aと瞳分割絞り開口151を共役関係とするように構成され、コンデンサーレンズ14nは、仮想領域18bと瞳分割絞り開口15n+1を共役関係とするように構成される。
【0101】
これを実現するために各コンデンサーレンズのパワーは等しく、各コンデンサーレンズの光軸と対応する各開口中心の位置関係は少しずつ異なることが望ましい。
【0102】
各瞳分割絞り開口15i(iは1〜n+1)の光軸方向にずれた近傍に複数の再結像レンズ16iを持つ再結像レンズ群16が配置される。
【0103】
又、再結像レンズ群16により各視野開口13の面と略共役な面に2次結像面が想定され、受光部材17Aの光電変換面17である受光素子列が配置される。
【0104】
再結像レンズ16i(ただしiは1〜n)は、視野開口13i上の像をコンデンサーレンズ14i、瞳分割絞り開口15iを通じて受光部材の2次結像面上の光電変換面17ai上に投影する。また、再結像レンズ16i(ただしiは2〜n+1)は、視野開口13i-1上の像をコンデンサーレンズ14i-1、瞳分割絞り開口15iを通じて2次結像面上の光電変換面17bi上に投影する。
【0105】
2次結像面上には光電変換面17が、光電変換面17a1,17a2,17b1,17a3,17b2,・・・17ai,17b(i-1),17a(i+1),17bi,17a(i+2),17b(i+1),・・・17an,17b(n-1),17bnで並んでおり、17a1と17a2の間及び17b(n-1)と17bnの間以外は等間隔で同じ長さの光電変換面17が並んでいる。ここでの光電変換面17は位相差情報をとる有効エリアを指しており、実際の製造プロセスでは一体のものとして構成しても良い。
【0106】
本願は薄型と広い測距視野を実現できる。コンデンサーレンズ群14と瞳分割絞り開口群15の間隔を小さくするにはコンデンサーレンズ14のパワーを強くする必要があるが、一つ一つの開口が小さくすることができるため、コンデンサーレンズ14の径も小さくでき結果として容易にコンデンサーレンズ14のパワーを強くできる。同様に再結像レンズ16のパワーも強くできる。
【0107】
また、それぞれの視野開口13同士を密接に構成できるので視野全体の離散性を小さくできるので、一つ一つの視野開口13を小さくしても複数の視野開口13をまとめて一つの視野開口13として扱って焦点検出を行うことで、全体では大きな視野開口13として焦点検出ができる。この場合、焦点検出が可能なデフォーカス量も大きくできる。
【0108】
尚、この実施の形態では、クロストーク等を防ぐために各視野開口13の間に視野枠を配置している。
【0109】
これに加えて、もしくはこれに代えて、図4に示すように再結像レンズ16と光電変換面17の間に遮光壁19を配置してもよい。特に遮光壁19は、光電変換面17b(i-2)と17aiとの間を区切るように配置すると効果的である。つまり、各再結像レンズ16単位で各再結像レンズ16による像どうしの間に遮光壁19を設けることで、各再結像レンズ16の有効光束の光量を確保しつつ、隣の再結像レンズ16からの光束を遮ることができる。
【0110】
尚、光電変換面17を等間隔に配置した場合、両端から2つ目の光電変換面は利用しない形となる。
【0111】
図5は、図1に示した実施の形態をさらに2方向に十字状に測距エリアを広げた第2実施形態を示すもので、焦点検出を行う位相差情報も2方向にて使うことができる実施の形態を示すものである。中心部の再結像レンズ6のレイアウトについては、十字状に測距エリアを広げることが出来やすいというメリットがある。
【0112】
図5に示す実施の形態では、撮影レンズ21と2組の仮想領域(28aと28bの対、28cと28dの対)を想定する。一組は仮想領域28a,28bでもう一組は仮想領域28c,28dとする。
【0113】
それぞれの組の仮想領域は異なる方向(ここでは28aと28bが水平方向、28cと28dが垂直方向)に並んでいる。撮像面と等価な予定結像面22(不図示)の近傍に焦点検出エリアの5つの視野絞りの開口部である視野開口2321,2322,2323,2312,2332が想定されている。各々の視野開口23が焦点検出エリアに対応するが、中心の視野開口2322は、垂直方向と水平方向の2つの焦点検出エリアが交差した状態となっている。
【0114】
視野開口2322を中心に視野開口2321と2322と2323がこの順で一直線上(ここでは水平方向)に配置されている。また、視野開口2322を中心に視野開口2312と2322と2332が(視野開口2321,2322,2323の並ぶ方向とは垂直方向に)一直線上に並んでいる。
【0115】
この時、仮想領域28a,28bの並ぶ方向と視野開口2321,2322,2323の並ぶ方向は、撮影レンズ21の光軸を中心にして、それぞれ同一方向となるように配置している。また、仮想領域28c,28dの並ぶ方向と2312,2322,2332の並ぶ方向は、撮影レンズ21の光軸を中心にして、それぞれ同一方向であるように配置している。
【0116】
視野開口2321の近傍には、コンデンサーレンズ2421が配置され、同様に視野開口2322,2323,2312,2332のそれぞれの近傍には、光軸の異なるコンデンサーレンズ2422,2423,2412,2432が配置される。
【0117】
仮想領域28aのコンデンサーレンズ2422による共役位置に瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口25h22が配置される。そして、同様に仮想領域28b,28c,28dのコンデンサーレンズ2422による共役位置に各仮想領域に対応して瞳分割絞り開口25h23,25v22,25v32が配置される。更に、仮想領域28a,28bのコンデンサーレンズ2421の共役位置に瞳分割絞り開口25h21(仮想領域28aに対応),25h22(仮想領域28bに対応)が配置される。
【0118】
他のコンデンサーレンズ2423,2412,2432の対応関係についても、上述のコンデンサーレンズ2421の対応関係を、撮影レンズ21の光軸を軸にして回転移動させた構成となっている。
【0119】
すなわち、仮想領域28a,28bのコンデンサーレンズ2423の共役位置に瞳分割絞り開口25h23,25h24が配置される。また、仮想領域28c,28dのコンデンサーレンズ2412の共役位置に瞳分割絞り開口25v12,25v22が配置される。さらに、仮想領域28c,28dのコンデンサーレンズ2432の共役位置に瞳分割絞り開口25v32,25v42が配置される。
【0120】
瞳分割絞り開口25h21,25h22,25h23,25h24,25v12,25v22,25v32,25v42の近傍にそれぞれ再結像レンズ26h21,26h22,26h23,26h24,26v12,26v22,26v32,26v42が配置される。図5では簡略のため再結像レンズ群26を図示していないが、各瞳分割絞り開口25と一体に各再結像レンズ26が配置されていると考えればよい。
【0121】
水平方向の再結像レンズの機能を説明する。
【0122】
再結像レンズ26h21は、視野開口2321上の像をコンデンサーレンズ2421、瞳分割絞り開口25h21を通じて、光電変換面27ha21上に投影する。
【0123】
再結像レンズ26h22は、視野開口2321上の像をコンデンサーレンズ2421、瞳分割絞り開口25h22を通じて、光電変換面27hb21上に投影し、また、視野開口2322上の像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25h22を通じて、光電変換面27ha22上に投影する。
【0124】
再結像レンズ26h23は、視野開口2322上の像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25h23を通じて、光電変換面27hb22上に投影し、また、視野開口2323上の像をコンデンサーレンズ2423、瞳分割絞り開口25h23を通じて、光電変換面27ha23上に投影する。
【0125】
再結像レンズ26h24は、視野開口2323上の像をコンデンサーレンズ2423、瞳分割絞り開口25h24を通じて、光電変換面27hb23上に投影する。
【0126】
垂直方向の再結像レンズの機能を説明する。
【0127】
再結像レンズ26v12は、視野開口2312上の像をコンデンサーレンズ2412、瞳分割絞り開口25v12を通じて、光電変換面27vc12上に投影する。
【0128】
再結像レンズ26v22は、視野開口2312上の像をコンデンサーレンズ2412、瞳分割絞り開口25v22を通じて、光電変換面27vd12上に投影し、また、視野開口2322上の像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25v22を通じて、光電変換面27vc22上に投影する。
【0129】
再結像レンズ26v32は、視野開口2322上像をコンデンサーレンズ2422、瞳分割絞り開口25v32を通じて、光電変換面27vd22上に投影し、また、視野開口2332上の像をコンデンサーレンズ2432、瞳分割絞り開口25v32を通じて、光電変換面27vc32上に投影する。
【0130】
再結像レンズ26v42は、視野開口2332上の像をコンデンサーレンズ2432、瞳分割絞り開口25v42を通じて、光電変換面27vd32上に投影する。
【0131】
受光部材27Aの各光電変換面27は各視野開口面23と略共役面に配置する。光電変換面27の受光素子列は、焦点検出のための位相差が生じる水平方向、垂直方向に各々一列に並んで配置される。それぞれの受光素子列は、それぞれの受光素子列を含む単一のエリアセンサーを用いてもよい。他の実施の形態も同様である。
【0132】
このように本実施の形態は、所謂十字方向の測距視野をもつ焦点検出光学系に適用できる。
【0133】
図6に示す実施の形態は、図5の実施の形態のような十字状の焦点検出視野をそれぞれ延ばしたものである。画面の縦方向横方向ともに視野を広げることができる。この例では、撮像レンズ31の光軸を中心に、焦点検出エリアの視野絞りの開口部である視野開口33を縦方向に5つ、横方向に5つ並べて持ち、それぞれの中心の視野開口3333を交差させている。視野開口33は、図示のように計9つあり、中心の視野開口3333は、縦方向、横方向の位相差を検出でき、焦点検出精度を高めている。
【0134】
それぞれの焦点検出エリアに対応して、それぞれ異なる光軸を持つコンデンサーレンズ34が配置される。それぞれのコンデンサーレンズ34は、ぞれぞれの視野開口33に対応して配置された隣り合う再結像レンズ36の対に向かって光束を導く作用をなす。
【0135】
再結像レンズ群36は、縦方向に並んで6つ、横方向に並んで6つの再結像レンズ36からなる。それぞれの再結像レンズ36の配置は、撮影レンズ31の光軸を中心に対称的に配置されている。一番外側の4つの再結像レンズ36以外は、隣り合う2つの視野開口33から入射する光束を後続の受光素子列に導く。
【0136】
撮影レンズ31の仮想領域38a,38b,38c,38d、視野開口33、コンデンサーレンズ34、瞳分割絞り開口35、再結像レンズ36、受光素子列の対応は、縦方向、横方向共に図3にて説明した関係となっている。
【0137】
すでに説明した実施の形態からその作用効果は明らかであるので、詳細な説明は省略するが、焦点検出エリアの拡大、焦点検出系の小型化、焦点検出可能なデフォーカス量の拡大等の効果を奏する。
【0138】
図7に示す実施の形態は、図3の焦点検出系を縦方向と横方向にそれぞれ複数列並べた第3実施形態を示すものである。図では、焦点検出エリアの視野絞りの開口部である視野開口43、再結像レンズ46、受光素子列47などは模式的にあらわしている。
【0139】
簡単に説明すると、図6のような仮想領域48a,48b,48c,48dがあり、仮想領域48a,48bの並び方向にm個、仮想領域48c,48dの並び方向にn個のマトリックス上に配置された視野開口43ij(1<i<m,1<j<n)が配置され、その近傍に各視野開口43に対応したコンデンサーレンズ44ij(1<i<m,1<j<n)(図では視野開口43と一体で記載)が配置される。
【0140】
なお、m,nは図6に示すように、並び順に1ずつ増加するものとする。
この視野開口43の各々は、縦方向と横方向の位相差の検出に対応しており、縦方向と横方向に長い焦点検出エリアを重ねた十字形状の開口部としてもよし、量検出エリアをカバーする正方形や長方形等でもよい。
【0141】
各コンデンサーレンズ44による仮想領域面の共役面上に瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口45を配置する。瞳分割絞り開口45は、横方向の位相差情報を得るために、横方向にm+1個の開口部からなる瞳分割絞り開口の列を縦方向にn列平行に配置した瞳分割絞り開口45hij(1<i<m+1,1<j<n)、縦方向の位相差情報を得るために、縦方向にn+1個の開口部からなる瞳分割絞り開口の列を横方向にm列平行に配置した瞳分割絞り開口45vij(1<i<m,1<j<n+1)を有する。
【0142】
この配置は、コンデンサーレンズ44ijにより仮想領域48aと瞳分割絞り開口45hij、 仮想領域48bと瞳分割絞り開口45h(i+1)j、仮想領域48cと瞳分割絞り開口45vij、仮想領域48dと瞳分割絞り開口45vi(j+1)が共役関係になるようにする。
【0143】
そして、各瞳分割絞り開口45に対応する再結像レンズ46hij(1<i<m+1,1<j<n)、46hij(1<i<m,1<j<n+1)(図では瞳分割絞り開口45と一体に記載)を近接して配置する。
【0144】
また、各視野開口43ijと略共役な面を2次結像面と想定しこの面上に配置した光電変換面47ahij(1<i<m,1<j<n)、47bhij(1<i<m,1<j<n)、47cvij(1<i<m,1<j<n)、47dvij(1<i<m,1<j<n)を配置し、視野開口43ijの像は各再結像レンズ46hij,46vijにより各光電変換面47上に再結像する。
【0145】
横方向の位相差検出を行うための光電変換面47ahij(1<i<m,1<j<n)、47bhij(1<i<m,1<j<n)は、両端を除き、同じ列にて図3のように交互に配置される。縦方向の位相差検出を行うための光電変換面47cvij(1<i<m,1<j<n)、47dvij(1<i<m,1<j<n)は、両端を除き、同じ列にて図3のように交互に配置される。
【0146】
仮想領域48aを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45hij、再結像レンズ46hijを通して再結像面上に配置した光電変換面47ahijに導かれ、視野開口43ij付近の像が再結像される。
【0147】
また、仮想領域48bを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45hi(j+1)、再結像レンズ46hi(j+1)を通して再結像面上に配置した光電変換面47bhijに導かれ、視野開口43ij付近の像が再結像される。
【0148】
同様に、仮想領域48cを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45vij、再結像レンズ46vijを通して再結像面上に配置した光電変換面47cvijに導かれ、視野開口43ij付近の像が再結像され、仮想領域48dを通過した光束は、視野開口43ij、コンデンサーレンズ44ij、瞳分割絞り開口45v(i+1)j、再結像レンズ46v(i+1)jを通して再結像面上に配置した光電変換面47dvijに導かれ視野開口43ij付近の像が再結像される。
【0149】
このように、本願発明を利用した本実施の形態では、大きな測距エリアを、2方向の位相差情報をとり、且つ、薄型の焦点検出系で構成できる。また、視野開口を、離散性を小さいまま細分化することにより精度の高い焦点検出系が構成できる。尚、クロストーク等を防ぐために視野開口上に視野枠を構成したり、再結像レンズと光電変換面の間に遮光壁49(不図示)を配置してもよい。
【0150】
本願による再結像系の倍率は図3のような一方向の位相差情報で焦点検出する場合は1/2倍以下、図5、図6のような2方向の位相差情報で焦点検出する場合は1/3倍以下とすると、効率よく光電変換面を構成できるので好ましい。
【0151】
図8で数値実施例を説明する。図7のような2次元的な広がりを持つ例で説明する。図8では、説明のため、一つのh方向の断面の一部で説明する。この数値実施例では、仮想領域を予定結像面から−100mm、焦点検出エリアの隣り合う視野絞りの開口部である視野開口53の中心の間隔(ピッチ)は(水平方向)h方向(fh)0.02mm、(垂直方向)v方向(fv)0.02mmであり、コンデンサーレンズ54と再結像レンズ56の間は光学媒質で埋められている。
【0152】
換言すると、プレート50の撮影レンズ側に、コンデンサーレンズアレイ54a(面)を構成し、光電変換面57側に再結像レンズアレイ56a(面)を構成する。
【0153】
ここでは、プレート50は樹脂で構成する。媒質の屈折率を1.5とし、コンデンサーレンズ54面の曲率半径rcを0.13mm、再結像レンズ56(面)の曲率半径rを0.034mmとする。プレートの厚みdpは0.4mm、瞳分割絞り開口55の形状は再結像レンズ56(面)と一体として直径φsを0.013mmとした円、再結像レンズ面56と光電変換面57の間隔daを0.1mmとし、焦点検出系の倍率が約1/3倍となるように構成する。
【0154】
h方向、v方向の再結像レンズ56の並ぶ間隔(ピッチ)も、コンデンサーレンズ54と同様に約0.02mmである。ここでは、コンデンサーレンズ54の焦点距離を0.27mm、再結像レンズ56の焦点距離を0.09mmと想定している。視野開口53の中心から撮影レンズの光軸51までの距離 をhとすると、コンデンサーレンズ54から光軸51までの距離hcは0.9973×hである。尚、視野開口53の中心から光軸51方向に伸ばした位置に隣り合う再結像レンズ56の中間点が配置されている。それぞれの光電変換部分57の受光範囲はsh(水平方向)×sv(垂直方向)は0.0067mm×0.0067mmとなる。
【0155】
さらに、遮光壁59を隣り合う再結像レンズ56の中間位置と使用する光電変換面57の間に配置すると良い。尚、焦点検出光学系の倍率を1/3とすると、隣り合う再結像レンズ56の中間位置の中心と光電変換面57との間に、正規光束(焦点検出に用いる光束)が通らない空間ができる。この例では、遮光壁59は、隣り合う再結像レンズ56の中間位置を中心に、0.0067mm×0.0067mmのエリアに配置している。
【0156】
また、視野開口53に視野枠53aを配置している。この遮光壁59や、視野枠53aで一つの再結像レンズ56が対応する光電変換面57のクロストークを効率よく防止できる。
【0157】
図9は、光電変換部材47を光軸方向からみたレイアウトを示す。この図は、一体化された光電変換部47の一部のレイアウトを拡大したものである。光電変換部47には、垂直方向、水平方向にマトリックス状に受光素子列が並んで配置されている。
【0158】
図中、斜線が施された四角の中が焦点検出に用いない部分、a、b、c、dと記された四角はそれぞれ図7の仮想領域48a,48b,48c,48dに対応する光電変換部分の範囲である。
【0159】
太線で囲まれた四角の範囲は光軸方向に投射した視野開口43の範囲である。太線で囲まれた四角の範囲は、光電変換手段47の範囲より水平垂直それぞれ3倍であることがわかる。
【0160】
円で示したのが光軸方向に投射した瞳分割絞り開口45とその近傍に配置される再結像レンズ46の有効範囲である。実線の円が図7の仮想領域48a,48bに対応する水平方向の位相情報を検出する瞳分割絞り開口45と再結像レンズ47、点線の円が、図7の仮想領域48c,48dに対応する垂直方向の位相情報を検出する瞳分割絞り開口45に対応する。
【0161】
図10は、本願発明の別の実施の形態を示したものである。図10(a)は、この別実施形態の斜視図、図10(b)は、この別実施形態の正面図である。
【0162】
なお、構成をわかりやすくするために、再結像レンズ群66、受光素子列67の間隔やサイズ等を誇張して図示しているが、実際の距離やサイズの関係は、図1(a),1(b)のように、結像性能を満足するように配置される。
【0163】
この図では、撮影レンズ61と2組の仮想領域(68aと68bの対、68cと68dの対)を想定する。一組は仮想領域68a,68bでもう一組は仮想領域68c,68dとする。それぞれの組の仮想領域は異なる方向に並んでいる。撮像面と等価な予定結像面62(不図示)の近傍に焦点検出エリアの2つの視野絞りの開口部である視野開口63イ,63ロが想定され、それぞれの視野開口63イ,63ロに対応して、各々光軸が異なるコンデンサーレンズ64、瞳分割絞りの開口部である瞳分割絞り開口65、再結像レンズ群66、受光部材67Aに設けた受光素子列を持つ光電変換面67を配置する。
【0164】
そして、視野開口63イの近傍にコンデンサーレンズ64イが配置され、仮想領域68aのコンデンサーレンズ64イによる共役位置に瞳分割絞り開口65イロが配置される。この瞳分割絞り開口65イロの近傍に再結像レンズ66イロ(図では65イロと一体で記載)が配置され、再結像レンズ66イロは視野開口63イ上の像をコンデンサーレンズ64イ、瞳分割絞り開口65イロを通して光電変換面67a上に略投影する。
【0165】
この図では、簡単のため、各再結像レンズ66は瞳分割絞り開口65と一体化された構成とし、図における瞳分割絞り開口65イロ、65イb、65ロdは開口部であるが、再結像レンズ66イロ、66イb、66ロdも同時に示すものである。もちろん、図1(a)等に示すように、再結像レンズ66と瞳分割絞り開口65を少し離してもよいし、再結像レンズ66の一面に塗装により瞳分割絞り開口65を形成してもよい。
【0166】
また、仮想領域68bのコンデンサーレンズ64イによる共役位置に瞳分割絞り開口65イbが配置され、その近傍に再結像レンズ66イb(瞳分割絞り開口65イbと一体で記載)が配置され、再結像レンズ66イbは視野開口63イ上の像をコンデンサーレンズ64イ、瞳分割絞り開口65イbを通して光電変換面67b上に略投影する。
【0167】
そして、視野開口63ロの近傍にコンデンサーレンズ64ロが配置され、仮想領域68cのコンデンサーレンズ64ロによる共役位置に瞳分割絞り開口65イロが配置される。その近傍に再結像レンズ66イロ(図では瞳分割絞り開口65イロと一体)が配置され、再結像レンズ66イロは視野開口63ロ上の像をコンデンサーレンズ642ロで屈折し、瞳分割絞り開口65イロを通して光電変換面67c上に略投影する。
【0168】
仮想領域68dのコンデンサーレンズ64ロによる共役位置に瞳分割絞り開口部65ロdが配置される。その近傍に再結像レンズ66ロd(65ロdと一体で図示)が配置され、再結像レンズ66ロdは視野開口63ロ上の像をコンデンサーレンズ64ロで屈折し、瞳分割絞り開口65ロdを通して光電変換面67d上に略投影する。
【0169】
それぞれの再結像レンズ66は、互いに隣り合って配置される。
【0170】
この図で示すように、異なる方向の位相差情報を扱える焦点検出装置にも適用できる。視野開口63イ、63ロを隣り合って配置ができる。さらには、必要であればこれらの焦点検出エリアを交差させ、実用的には同一測距ポイントとなるように構成してもよい。
【0171】
このような構成とすることで、従来の構成の位相差方式の焦点検出系にくらべそれぞれの瞳分割絞り開口、再結像レンズを近づけることができ、光量を多く使え、性能を向上させることができる。また、再結像レンズ群と受光素子列を持つ光電変換面を予定結像面に近づけやすくなり、焦点検出系の小型化に有利となる。
【0172】
図11(a)は図10で示した構成での瞳分割絞り開口65および再結像レンズ66のレイアウト、図11(b)は2方向の位相差情報を扱う焦点検出装置の瞳分割絞り開口165及び再結像レンズ167のレイアウトである。図11(a)では開口部、再結像レンズの数が少なくなり、また、再結像レンズ同士を近づけることができると共に、開口を大きくでき、光量的に有利になることがわかる。
【0173】
図12、図13、図14は 実際のカメラボディへの搭載例である。
【0174】
図12に示す例は、撮影レンズ71を一体化または交換可能とした撮像装置の例である。この撮像装置は、焦点検出時やフレームミング時、光路中にはいり、撮影時の光路から退避するクイックリターンミラー73とサブミラー77を備える。そして、クイックリターンミラー73の反射光路上に構成されるファインダー光学系76を有し、クイックリターンミラー73を透過しサブミラー77で反射した光路上に本願発明の焦点検出系74が配置されている。クイックリターンミラー73とサブミラー77が退避した状態の光路上にCCC,CMOS等の撮像素子75の撮像面が配置される。
【0175】
図13は撮影レンズ81と撮像面85の間にハーフミラー83が配置され、反射光路中上に本願の焦点検出系84が配置される。この時、ハーフミラー83は、ぺリクル状等の薄い構成か、ハーフミラー面でない面に無反射処理を行なうことが望ましい。
【0176】
この方法であれば、焦点検出のエリアを撮像画面範囲全体に広げることができる。この時、フレーミング等のためのファインダー機能は、撮像素子から得た画像情報を用いて液晶画面等に表示してもよい。
【0177】
図14は、図12のハーフミラーをクイックリターンミラー93としたものである。クイックリターンミラー93は、焦点検出時やフレームミング時、光路中にはいり 撮影時光路から退避する。この場合、クイックリターンミラーはほぼ全反射とできるので焦点検出系への光量が増え望ましい。フレーミング等は画像範囲とほぼ同じ領域の画像情報を本願焦点検出装置からの出力より構成し、液晶画面等に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本願発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】第1実施形態と従来例との比較を示す図である。
【図3】第1実施形態において視野を延ばした実施の形態を示す図である。
【図4】遮光壁を配置した実施形態を示す図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図6】第2実施形態において視野を延ばした実施の形態を示す図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態を示す図である。
【図8】数値実施例を示す図である。
【図9】光電変換部材を光軸方向からみたレイアウトを示す図である。
【図10】本願発明の別の実施の形態を示す図である。
【図11】瞳分割絞り開口及び再結像レンズのレイアウトを示す図である。
【図12】撮像装置への搭載例を示す図である。
【図13】撮像装置への搭載例を示す図である。
【図14】撮像装置への搭載例を示す図である。
【図15】一般的な位相差式焦点検出光学系を示す図である。
【図16】参考例を示す図である。
【図17】比較例を示す図である。
【図18】比較例を示す図である。
【図19】比較例を示す図である。
【図20】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0179】
1,11,21,31,41,51,61,71,81,91…撮影レンズ
2,12,22,32,42,52,62…予定結像面
3,13,23,33,43,53,63…視野開口
4,14,24,34,44,54,64…コンデンサーレンズ
5,15,25,35,45,55,65…瞳分割絞り開口
6,16,26,36,46,56,66…再結像レンズ
7,17,27,37,47,57,67…光電変換面
8,18,28,38,48,58,68…仮想領域
9,19,29,39,49,59,69…遮光壁
50…プレート
72,82,92…カメラ本体
73,93…クイックリターンミラー
74,84,94…AF光学系
75,85,95…撮像素子
76…ファインダー光学系
77…サブミラー
83…ハーフミラー
A…光軸
S…信号処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズの予定結像面上の焦点検出エリア近傍に配置されたコンデンサーレンズと、前記焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て並ぶ一対の開口部を有する瞳分割絞りと、前記各開口部に対応して配置された複数の再結像レンズを持つ再結像レンズ群と、前記各再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有し、前記撮影レンズの異なる領域を夫々通過し前記焦点検出エリアを通過する二光束による光強度分布を前記受光素子列で受け、前記受光素子列から得られる光強度分布を表す出力信号の位相差を検出することにより前記焦点検出エリアの焦点検出を行うことのできる焦点検出光学系であって、
前記焦点検出光学系は、前記予定結像面上にて互いに隣り合う若しくは互いに交差する少なくともn個(n≧2)の前記焦点検出エリアをもち、前記再結像レンズ群は、第n+1個の前記再結像レンズを備え、第n−1番目及び第n番目の再結像レンズは前記第n−1番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、第n番目及び第n+1番目の再結像レンズは前記第n番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、前記第n−1番目の再結像レンズと前記n+1番目の再結像レンズは異なる位置に配置されることを特徴とする焦点検出光学系。
【請求項2】
前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する前記各開口部が一列に並んで配置されると共に、前記第1番目〜第n番目の前記焦点検出エリアも一列に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
【請求項3】
前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する各受光素子列が同じ受光部材に設けられることを特徴とする請求項2に記載の焦点検出光学系。
【請求項4】
前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアに対応するそれぞれ一対の開口部の並ぶ方向が同一であり、前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアのうちの複数の焦点検出エリアの光強度分布から一つの位相差情報を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項5】
前記複数の焦点検出エリアは互いに隣り合い、受光素子列上における焦点検出エリアごとに分離された不連続な強度分布を用いて前記位相差情報を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項6】
隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応するおのおの一対の開口部の間隔が同じであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項7】
隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応するおのおの一対の開口部の前記コンデンサーレンズに対する共役位置は同じ一対の領域であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項8】
前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに平行に並べて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに平行に並べて配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項9】
前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに交差させて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに交差させて配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項10】
前記一列に並んで配置される開口部の列を複数備え、それら複数の開口部の列は、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差して配置した複数の開口部の列を備え、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も複数備え、それら複数の焦点検出エリアの列も、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差させて配置した複数の焦点検出エリアの列を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項11】
前記第n−1番目、第n番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向が、前記第n番目、第n+1番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向と異なることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
【請求項12】
前記第n−1番目、第n番目の焦点検出エリアとの間に他の焦点検出エリアがなく、そのうち一方の焦点検出エリアが、他方の焦点検出エリアにおける長手方向に位置することを特徴とする請求項11に記載の焦点検出光学系。
【請求項13】
前記コンデンサーレンズが、複数の前記焦点検出エリアに対応して、複数の光軸を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項14】
前記予定結像面の近傍にそれぞれの焦点検出エリアに対応して配置された視野開口を有することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項15】
前記受光素子列の直前にそれぞれの受光素子列の撮像領域ごとに遮光壁を配置したことを有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項16】
前記視野分割絞り開口は、前記焦点検出エリアのうちいずれか一つの焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て異なる方向に並ぶ少なくとも二対の開口部を有し、再結像レンズ群は、それら少なくとも二対の開口部の各々の開口部に対応して配置された再結像レンズを有し、前記受光素子列は該再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項17】
前記再結像レンズ群は、面状に規則的に配置された複数の再結像レンズを有し、前記受光素子列は、面状に規則的に配置された複数の受光素子を有することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項18】
前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射し前記予定結像面に前記光束を導く反射部材を有し、前記反射部材は、前記撮像素子にて撮像する際に撮影光路から退避することを特徴とする撮像装置。
【請求項19】
前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射および透過する反射部材を有し、前記反射部材の反射側又は透過側の一方に前記撮像素子を配置し、他方に前記焦点検出系を配置したことを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
撮影レンズの予定結像面上の焦点検出エリア近傍に配置されたコンデンサーレンズと、前記焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て並ぶ一対の開口部を有する瞳分割絞りと、前記各開口部に対応して配置された複数の再結像レンズを持つ再結像レンズ群と、前記各再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有し、前記撮影レンズの異なる領域を夫々通過し前記焦点検出エリアを通過する二光束による光強度分布を前記受光素子列で受け、前記受光素子列から得られる光強度分布を表す出力信号の位相差を検出することにより前記焦点検出エリアの焦点検出を行うことのできる焦点検出光学系であって、
前記焦点検出光学系は、前記予定結像面上にて互いに隣り合う若しくは互いに交差する少なくともn個(n≧2)の前記焦点検出エリアをもち、前記再結像レンズ群は、第n+1個の前記再結像レンズを備え、第n−1番目及び第n番目の再結像レンズは前記第n−1番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、第n番目及び第n+1番目の再結像レンズは前記第n番目の焦点検出エリアに対応し且つ互いに隣り合う一対の再結像レンズであり、前記第n−1番目の再結像レンズと前記n+1番目の再結像レンズは異なる位置に配置されることを特徴とする焦点検出光学系。
【請求項2】
前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する前記各開口部が一列に並んで配置されると共に、前記第1番目〜第n番目の前記焦点検出エリアも一列に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
【請求項3】
前記第1番目〜第n+1番目の再結像レンズに対応する各受光素子列が同じ受光部材に設けられることを特徴とする請求項2に記載の焦点検出光学系。
【請求項4】
前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアに対応するそれぞれ一対の開口部の並ぶ方向が同一であり、前記第1番目〜第n番目の焦点検出エリアのうちの複数の焦点検出エリアの光強度分布から一つの位相差情報を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項5】
前記複数の焦点検出エリアは互いに隣り合い、受光素子列上における焦点検出エリアごとに分離された不連続な強度分布を用いて前記位相差情報を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項6】
隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応するおのおの一対の開口部の間隔が同じであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項7】
隣り合う前記複数の焦点検出エリアの各々の焦点検出エリアに対応するおのおの一対の開口部の前記コンデンサーレンズに対する共役位置は同じ一対の領域であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項8】
前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに平行に並べて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに平行に並べて配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項9】
前記一列に並んで配置される開口部の列を少なくとも2つ備え、それら2つの開口部の列を互いに交差させて配置し、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も少なくとも2つ備え、それら2つの焦点検出エリアの列も互いに交差させて配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項10】
前記一列に並んで配置される開口部の列を複数備え、それら複数の開口部の列は、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差して配置した複数の開口部の列を備え、前記一列に並んで配置される焦点検出エリアの列も複数備え、それら複数の焦点検出エリアの列も、互いに平行に配置した複数の列と、前記平行に配置した複数の列に交差させて配置した複数の焦点検出エリアの列を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項11】
前記第n−1番目、第n番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向が、前記第n番目、第n+1番目の再結像レンズに対応する開口部の並ぶ方向と異なることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
【請求項12】
前記第n−1番目、第n番目の焦点検出エリアとの間に他の焦点検出エリアがなく、そのうち一方の焦点検出エリアが、他方の焦点検出エリアにおける長手方向に位置することを特徴とする請求項11に記載の焦点検出光学系。
【請求項13】
前記コンデンサーレンズが、複数の前記焦点検出エリアに対応して、複数の光軸を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項14】
前記予定結像面の近傍にそれぞれの焦点検出エリアに対応して配置された視野開口を有することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項15】
前記受光素子列の直前にそれぞれの受光素子列の撮像領域ごとに遮光壁を配置したことを有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項16】
前記視野分割絞り開口は、前記焦点検出エリアのうちいずれか一つの焦点検出エリアに対応して合焦精度を確保し得る間隔を以て異なる方向に並ぶ少なくとも二対の開口部を有し、再結像レンズ群は、それら少なくとも二対の開口部の各々の開口部に対応して配置された再結像レンズを有し、前記受光素子列は該再結像レンズによる結像位置に配置された受光素子列を有することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項17】
前記再結像レンズ群は、面状に規則的に配置された複数の再結像レンズを有し、前記受光素子列は、面状に規則的に配置された複数の受光素子を有することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の焦点検出光学系。
【請求項18】
前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射し前記予定結像面に前記光束を導く反射部材を有し、前記反射部材は、前記撮像素子にて撮像する際に撮影光路から退避することを特徴とする撮像装置。
【請求項19】
前記撮影レンズによる像を撮影する撮像素子と、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の焦点検出光学系と、前記撮影レンズからの光束を反射および透過する反射部材を有し、前記反射部材の反射側又は透過側の一方に前記撮像素子を配置し、他方に前記焦点検出系を配置したことを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−286816(P2008−286816A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128782(P2007−128782)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]