説明

焼成ペースト組成物

【課題】低温脱脂性に優れるとともに、スクリーン印刷性やグリーンシートを作製する際のキャスト性に優れる焼成ペースト組成物を提供する。
【解決手段】非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)、粉体(B)及び溶剤(C)を含有する焼成ペースト組成物であって、前記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)は、一分子中に1個のビニロキシ基と1個の水酸基とを有する化合物を含有する重合性組成物を重付加させる方法によって得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温脱脂性に優れるとともに、スクリーン印刷性やグリーンシートを作製する際のキャスト性に優れる焼成ペースト組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、セラミック粉末、導電性粉末等の無機微粒子をバインダー樹脂に分散させた焼成ペースト組成物が、様々な形状の焼結体を得るために用いられている。特に、微粒子として蛍光体を樹脂バインダーに分散させた焼成ペースト組成物は、例えば、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED、SED)等に用いられ、近年需要が高まりつつある。ガラスフリットを樹脂バインダーに分散させた焼成ペースト組成物についても、従来のハンドリングを損なうことなく、従来の鉛フリットガラスよりも無鉛フリットガラスに対して、より分解温度の低い樹脂が求められつつある。また、焼結温度の低い銀粉を用いた配線用導電ペースト用途に対する需要も高まっている。
【0003】
このような焼成ペースト組成物に用いるバインダー樹脂としては、スクリーン印刷性に優れるペーストが得られるエチルセルロース等のセルロース系樹脂を用いることが一般的である。しかし、無機微粒子を分散させ、スクリーン印刷でパターンを印刷後、脱脂、焼成を行い、無機微粒子層を得るというプロセスを考慮した場合、セルロース系樹脂は熱分解性が悪いため、より高温で脱脂しなければならず、生産工程で大きなエネルギーが必要となったり、焼成時間を要したりする等の問題があった。また、ガラスフリットを分散させたペーストのバインダー樹脂としてセルロース系樹脂を用いた場合、ガラスフリットの焼結工程において、樹脂が分解して除去される前に、ガラスフリットの焼結が開始してしまうため、焼結体の中に樹脂に由来するカーボンが残留するといった問題があった。
【0004】
これに対して、特許文献1には、所定の重合度のポリビニルアセタール樹脂、セラミック粉末、可塑剤及び有機溶剤を含有するセラミックスラリーが開示されている。このようなポリビニルアセタール樹脂を含有するセラミックスラリーは、セラミック粉末の分散性に優れるとともに、調製作業性が良好であるとしている。しかしながら、このようなセラミックスラリーを焼成ペースト組成物として用いた場合、有機物が完全に分解させるために500℃以上まで加熱させる必要があるため、低温、短時間で焼成することは困難であった。
【0005】
また、特許文献2には、ポリオキシアルキレン樹脂を主成分とする加熱消滅性材料が開示されており、このような加熱消滅性材料は、比較的低温で短時間のうちに消滅するとしている。しかしながら、このような加熱消滅性材料を焼成した場合、焼結後にバインダー樹脂の分解痕跡が発生しやすく、焼結体の中にバインダー樹脂に由来するカーボンが残留するといった問題もあった。
【0006】
更に、特許文献3には、所定のポリアセタール化合物やポリグリセリン化合物等のバインダー樹脂、増粘剤及び溶剤を含有するバインダー組成物が開示されている。このようなバインダー組成物は、水に対する溶解度が高く、かつ、特定温度での完全焼失時間が極めて短いとしている。しかしながら、このようなバインダー組成物で用いられているバインダーは、極性が高いために450℃での完全焼失時間が長くなっていた。また、溶剤として有機溶剤を用いた場合、時間の経過とともに含水量が多くなって、粘度が変動し、安定した印刷性能を実現することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−106580号公報
【特許文献2】特開2004−256788号公報
【特許文献3】特開2005−54061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、低温脱脂性に優れるとともに、スクリーン印刷性やグリーンシートを作製する際のキャスト性に優れる焼成ペースト組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)、粉体(B)及び溶剤(C)を含有する焼成ペースト組成物であって、前記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂(A1)、下記一般式(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂(A2)、又は、下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂(A3)であり、前記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)中の酸素原子数に対する炭素原子数の比は、2.3〜6.0である焼成ペースト組成物である。
【0010】
【化1】

【0011】
一般式(1)〜(4)中、R、R及びRは、2価の有機基を表し、a〜dは1以上の整数を表し、かつ、c/dは0.8〜1.2である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の焼成ペースト組成物は、非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を含有する。
【0013】
上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)は、上記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂、上記一般式(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂、又は、上記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂である。
これらの非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を用いることで、本発明の焼成ペースト組成物は、低温、短時間で焼成することが可能となり、焼結後の残留炭素量を大幅に低減させることが可能となる。
また、粉体(B)を適度に分散させることができるとともに、安定した印刷性能を実現することができる。
【0014】
上記一般式(1)〜(4)中、a〜dは1以上の整数を表し、かつ、c/dは0.8〜1.2である。上記c/dが0.8未満であったり、1.2を超えたりすると、樹脂(A)の数平均分子量が著しく小さくなることがある。
【0015】
上記一般式(1)〜(4)中、R、R及びRは、2価の有機基である。また、R、R及びRは、下記一般式(5)〜(14)に示す構造単位からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上述した構造単位を有することで、低温分解性と、焼成ペースト組成物として用いる場合のレオロジーとを容易に調整することができる。
更に、上記R、R及びRとしては、一般式(5)〜(14)に示す構造単位中の水素をアルキル基、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基等で置換したものを用いてもよい。
【0016】
【化2】

【0017】
上記一般式(5)に示す構造単位において、eの好ましい下限は3である。上記eが3未満であると、上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)の極性が高くなり、完全焼失までの時間が長くなることがある。上記eのより好ましい下限は4、好ましい上限は12である。上記eが12を超えると、樹脂中のアセタール基の含有量が著しく低くなり、完全焼失までの時間が長くなる場合がある。
【0018】
上記一般式(7)に示す構造単位において、fは1以上の整数であるが、fの好ましい下限は10、好ましい上限は500である。上記fが10未満であると、一般式(7)に示す構造単位に由来する樹脂の柔軟性が得られない場合があり、500を超えると、樹脂中のアセタール単位の割合が少なくなり、低温下での充分な熱分解性が得られないことがある。
【0019】
上記一般式(8)に示す構造単位において、gは1以上の整数であるが、gの好ましい下限は5、好ましい上限は500である。上記gが5未満であると、一般式(8)に示す構造単位に由来する樹脂の凝集性が得られないことがあり、500を超えると、樹脂中のアセタール単位の割合が少なくなり、低温下での充分な熱分解性が得られないことがある。
【0020】
上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)中の酸素原子数に対する炭素原子数の比(炭素原子数/酸素原子数)の下限は2.3、上限は6.0である。上記酸素原子数に対する炭素原子数の比が2.3未満であると、上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)の極性が高くなり、完全焼失までの時間が長くなったり、空気中の水分を吸収しやすくなったりして、ペースト粘度性が低下し、安定した印刷、塗工を行うことが困難になる。上記酸素原子数に対する炭素原子数の比が6.0を超えると、樹脂中のアセタール含有割合が低下し、完全消失までの時間が長くなる。好ましい下限は2.5、好ましい上限は5.0である。なお、上記酸素原子数に対する炭素原子数の比は、CHO元素分析により測定することができる。
【0021】
上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)のポリメタクリル酸メチル換算による数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は100万である。上記数平均分子量が1000未満であると、焼成ペースト組成物の粘度が不充分となることがあり、100万を超えると、焼成ペースト組成物の粘度が著しく上がり、いずれの場合も塗工することが困難となることがある。なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。
【0022】
上記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂(A1)は、例えば、一分子中に1個のビニロキシ基と1個の水酸基とを有する化合物(a1)を含有する重合性組成物を重付加させる方法によって得られる。
【0023】
上記一分子中に1個のビニロキシ基と1個の水酸基とを有する化合物(a1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。
【0024】
上記一般式(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂(A2)は、例えば、一分子中に2個のビニロキシ基を有する化合物(a2)と、一分子中に2個の水酸基を有する化合物(a3)とを含有する重合性組成物を重付加させる方法によって得られる。
【0025】
この場合、上記重合性組成物中のビニロキシ基と水酸基とのモル比の好ましい下限は0.8、好ましい上限は1.2である。上記モル比が0.8未満であったり、1.2を超えたりすると、ビニロキシ基と水酸基との量論比が著しくずれ、樹脂(A)の数平均分子量が著しく小さくなることがある。
【0026】
上記一分子中に2個のビニロキシ基を有する化合物(a2)としては、例えば、ジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
なお、上記化合物(a2)には、ビニル基と酸素原子とが結合している部分を2箇所有する化合物も含む。
【0027】
上記一分子中に2個の水酸基を有する化合物(a3)としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリプロピレングリコール−ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエステルジオール等が挙げられる。
【0028】
上記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂(A3)は、一分子中に1個のビニロキシ基と1個の水酸基とを有する化合物(a1)と、一分子中に2個のビニロキシ基を有する化合物(a2)と、一分子中に2個の水酸基を有する化合物(a3)とを含有する重合性組成物を重付加させる方法によって得られる。
【0029】
この場合、上記重合性組成物中のビニロキシ基と水酸基とのモル比の好ましい下限は0.8、好ましい上限は1.2である。上記モル比が0.8未満であったり、1.2を超えたりすると、ビニロキシ基と水酸基との量論比が著しくずれ、樹脂(A)の数平均分子量が著しく小さくなることがある。
【0030】
上記重合性組成物は、更に、一分子中に水酸基を有し、かつ、数平均分子量が1000以上の樹脂(a4)を含有することが好ましい。上記樹脂(a4)を含有させることによって、上記樹脂(a4)に上記樹脂(A)がグラフト化したり、ブロック化したりして、櫛形樹脂やブロック共重合体が得られるため、焼成ペースト組成物のレオロジー特性を制御しやすくなる。
【0031】
上記一分子中に水酸基を有し、かつ、数平均分子量が1000〜50万の樹脂(a4)としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース誘導体、水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース誘導体、水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体が好ましい。
【0032】
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルプロパナール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
上記セルロース誘導体としては、例えば、エチルセルロール、ニトロセルロース等が挙げられる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート共重合体、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
【0033】
上記樹脂(a4)の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は50万である。上記樹脂(a4)の数平均分子量が1000未満であると、櫛形状の樹脂やブロック共重合体を得ることが困難となり、これらの形成によるレオロジー特性を期待できないことがある。また、上記樹脂(a4)の数平均分子量が50万を超えると、反応溶液の粘度が著しく高くなって、樹脂(a4)へ樹脂(A)がグラフト反応することが困難となることがある。
【0034】
上記重合性組成物は、更に、一分子中に水酸基を3個以上有し、かつ、数平均分子量が80以上、1000未満の化合物(a5)を含有することが好ましい。上記化合物(a5)を重合反応溶液中に含有させることによって、上記樹脂(A)を放射形状とすることができ、焼成ペースト組成物の溶剤乾燥時の増粘挙動を制御することができる。
【0035】
上記一分子中に水酸基を3個以上有し、かつ、数平均分子量が80以上、1000未満の化合物(a5)としては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0036】
上記化合物(a5)の数平均分子量は、80以上、1000未満であることが好ましい。80未満であると、上記化合物(a5)中の水酸基同士が近すぎることとなるため、上記化合物(a5)中の全ての水酸基と、樹脂(A)との反応が困難な場合がある。1000以上であると、上記化合物(a5)と反応した樹脂(A)が放射形状にならず、粘度挙動を制御することができないことがある。
【0037】
上記重合性組成物には、反応液の粘度の調整や、重合温度を安定化のために、重合溶剤を含有させてもよい。
上記重合溶剤としては、上述した各成分を均一に重合反応することが可能であり、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の活性水素を含有する官能基を有しない溶剤が好ましい。
上記重合溶剤としては、例えば、芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、テルペン系溶剤等が挙げられる。
【0038】
上記芳香族系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、アニソール等が挙げられる。
上記脂肪族系溶剤としては、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。
上記エステル系溶剤としては、例えば、蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
上記エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記テルペン系溶剤としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、p−シメン、リモネン、テルピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、イソボロニルアセテート、α−テルピニルアセテート、カンファー、ピナン、メンタン、メンテン等が挙げられる。
【0039】
上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)は、上述の化合物を重付加させることによって得られるが、上記重付加を行う場合、酸触媒を用いることが好ましい。
上記酸触媒としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファー(しょうのう)スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン及びその架橋樹脂、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、メチルリン酸、ジメチルリン酸、エチルリン酸、ジフェニルフォスフェート、リン酸、ヨウ化水素等が挙げられる。
また、上記酸触媒の除去を目的として、塩基を用いてもよい。
上記塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ピリジン、メチルピリジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール等が挙げられる。
【0040】
上記重合性組成物は、分子量調整剤を含有することが好ましい。
上記分子量調整剤としては、例えば、水酸基を含まないモノビニルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0041】
また、上記分子量調整剤として、モノオールを用いることができる。
上記モノオールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0042】
上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を重合させる場合、反応温度については適宜調節すればよいが、−78〜70℃であることが好ましい。また、この場合の反応時の圧力は、通常、常圧であるが、加圧や減圧してもよい。
また、上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を重合する場合、重合性組成物の含水量の好ましい上限は1000ppmである。上記重合性組成物の含水量が1000ppmを超えると、水による付加反応が著しくなり、樹脂(A)の数平均分子量を上げることが困難となることがある。なお、重合中の含水量を低く抑えるために、水酸基と反応性が低いモレキュラーシーブス、シリカゲル等の脱水材や、吸水材を適宜添加してもよい。
反応終了後、常法により重合溶剤や残存モノマーを減圧下除去して、得られた樹脂(A)を取り出したり、樹脂が不溶の溶媒を使用して再沈澱処理を行ったりすることで樹脂を単離する。
【0043】
本発明の焼成ペースト組成物において、上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)の含有量の好ましい下限は、粉体(B)の体積100に対して10、好ましい上限は100である。上記樹脂(A)の含有量が10未満であると、焼成ペースト組成物に充分な粘度が得られず、印刷性が悪くなったり、ペースト中の溶剤を除去後、粉体同士を結着できなくなったりすることがある。100を超えると、焼成ペースト組成物の粘度が高くなりすぎ、粘着性が増したり、糸曳性が低下し、スクリーン印刷性が悪くなることがあったり、樹脂(A)を分解することによる体積収縮が著しく大きくなり、焼結体にクラックが入る場合がある。
【0044】
本発明の焼成ペースト組成物は、粉体(B)を含有する。
上記粉体(B)としては、例えば、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、プラチナ粉、パラジウム粉の金属粉およびこれら合金粉、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、亜鉛華、マグネシア、フェライト、ITO、ZTO、PZT、SBT、BLT、KNN、YAG等の金属酸化物、ソーダガラス、無アルカリガラス、硼珪酸鉛ガラス、硼珪酸ビスマス、硼珪酸亜鉛ガラス等のガラスフリット、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物紛、蛍光体粉、シリコンカーバイド粉、チタン酸バリウム粉、半田粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の無機系粉体が挙げられる。
【0045】
上記粉体(B)として、熱溶着樹脂粉を用いてもよい。
上記熱溶着樹脂粉としては、樹脂(A)の分解温度ではほとんど分解しない樹脂からなる微粒子を用いることができる。例えば、アクリル微粒子、ポリアクリロニトリル微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリイミド微粒子、ベンゾグアナミン微粒子、ポリオレフィン微粒子等が挙げられる。また、これらの架橋性微粒子を用いてもよい。更に、溶着樹脂粒子と無機系粉体との複合粒子、例えば、コアシェル粒子、マイクロカプセル粒子、複合凝集粒子等を用いてもよい。
【0046】
本発明の焼成ペースト組成物は、溶剤(C)を含有する。
本発明の焼成ペースト組成物をスクリーン印刷に使用する場合、上記溶剤(C)として、1気圧における沸点が150〜280℃である溶剤を用いることが好ましい。上記1気圧における沸点が150〜280℃の溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、フルフラール、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、1,2−プロパンジオール、ジメチルスルホキシド、o−クレゾール、1,2−エタンジオール、p−クレゾール、N−メチルピロリドン、m−クレゾール、ベンジルアルコール、ホルムアミド、ニトロベンゼン、アセトアミド、キノリン、炭酸エチレン、ジエチレングリコール、スクシノニトリル、テルピネオール、ジヒドロテルピネール、テキサノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ブチルトリグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、ベンジルジグリコール、プロピルプロピレングリコール、2−ブトキシエチルアセテート、メシルトリグリコール、フェニルプロピレングリコール、ジプロピレングリコール者メチルエーテル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル、酪酸ブチル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルジグリコール、ジメチルジグリコール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、グリセリン等が挙げられる。
【0047】
本発明の焼成ペースト組成物をキャスト成形に使用する場合、上記溶剤(C)として、1気圧における沸点が50〜150℃である溶剤を用いることが好ましい。上記溶剤(C)として、1気圧における沸点が50〜150℃である溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、等が挙げられる。
【0048】
本発明の焼成ペースト組成物は、更に、分解促進剤(D)を含有することが好ましい。上記分解促進剤(D)としては、例えば、酸や、アゾ化合物、過酸化物等のラジカル発生剤等が挙げられる。
【0049】
上記酸としては、例えば、無機酸、リン酸、スルホン酸、カルボン酸等が挙げられる。
上記無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。
上記リン酸としては、例えば、ジメチルリン酸、メチルリン酸、エチルリン酸、ジエチルリン酸、ブチルリン酸、ジブチルリン酸、リン酸等が挙げられる。
上記スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、乳酸、酪酸、ブタン酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
これらは組み合わせて用いてもよく、一分子中に異なる複数類の酸を含有する化合物を用いてもよい。
【0050】
上記アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(4―メトキシ−2,4―ジメチルヴァレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が挙げられる。
【0051】
上記過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、有機過酸化物等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては特に限定されないが、本発明の焼成ペースト組成物に貯蔵安定性を付与させる必要がある場合には、10時間半減期温度が100℃以上であるものを用いることが好ましい。
上記10時間半減期温度が100℃以上の有機過酸化物としては、例えば、ハイドロキシパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル等が挙げられる。
【0052】
上記ハイドロキシパーオキサイドとしては、例えば、P−メンタンハイドロキシパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロキシパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロキシパーオキサイド、クメンハイドロキシパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロキシパーオキサイド、t−ブチルハイドロキシパーオキサイド等が挙げられる。
上記ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピルベンゼン)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
上記パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
上記パーオキシエステルとしては、例えば、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられる。
【0053】
本発明の焼成ペースト組成物は、更に、可塑剤、分散剤、レベリング剤、撥水剤、撥油剤、消泡剤、潤滑剤、解こう剤、離型剤、焼結助剤、帯電防止剤、防腐剤、抗菌剤、チキソ材、希釈材、増粘材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、腐食防止剤、相溶化剤、揮発防止剤等を含有していてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
本発明の焼成ペースト組成物の製造方法としては特に限定されず、従来公知の攪拌方法が挙げられ、具体的には例えば、上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)と、粉体(B)と、溶剤(C)と、必要に応じて加えた他の成分とを攪拌する方法等が挙げられる。上記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)と、粉体(B)と、溶剤(C)とを撹拌する方法としては、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ビーズミル、ボールミル、ディスパー、プラネタリーミキサー、自転公転式攪拌装置、ニーダー、押し出し機、ミックスローター、スターラー等を用いて攪拌する方法等が挙げられる。
また、攪拌時には、気泡を除くために減圧したり、ミキシング効率を上げるために、焼成ペースト組成物の温度を適宜調節したりしてもよい。
【0055】
本発明の焼成ペースト組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材に塗布した後、乾燥を行うことにより、グリーンシート等を作製することができる。
【0056】
本発明の焼成ペースト組成物を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法、ロール塗布法、キャスト法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷、孔版印刷法、マイクログラビア印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー法、スタンプ法、インプリント法等が挙げられる。
【0057】
本発明の焼成ペースト組成物を塗布した後の乾燥する方法としては、特に限定されず、例えば、熱風オーブン、ヒートガン、セラミックヒーター、石英ヒーター、ハロゲンヒーター、高周波誘導加熱装置、低周波誘導加熱装置、マイクロ波加熱装置、誘電加熱装置、IR加熱装置、遠赤外線装置等を用いたり、これらの装置を装備したコンベヤー等を用いたりする方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0058】
本発明は、低温脱脂性に優れるとともに、スクリーン印刷性やグリーンシートを作製する際のキャスト性に優れる焼成ペースト組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0060】
(実施例1)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水したテトラヒドロフラン50g(100重量部)、及び、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、0℃に冷却した後、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%テトラヒドロフラン溶液5g(10重量部、固形分換算0.1重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。
赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、製品名 IRA 96SB AG)3重量部を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後にイオン交換樹脂をろ過し、n−ヘキサンで再沈後、減圧することによりn−ヘキサンを除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより、ポリスチレン換算による数平均分子量を求めた。結果を表1に示す。
【0061】
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)15重量部、テルピネオール35重量部、平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(組成 SiO:32.5%、B:20.5%、ZnO:18%、Al:10%、BaO:3.5%、LiO:9%、NaO:6%、SnO:0.5%)150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルで3回処理を行い、焼成ペースト組成物を作製した。
【0062】
(実施例2〜23、比較例1〜3)
実施例1において用いた4−ヒドロキシブチルビニルエーテルに代えて、(a1)、(a2)、(a3)を表1及び表2記載の仕込み比で、(a1)、(a2)、(a3)の合計が仕込量50gとなるように原料を添加した後、表1及び表2記載に記載した割合のテトラヒドロフランを仕込み、実施例1と同様の方法により樹脂(A)を合成した。
なお、実施例2では、樹脂(A)の合成に際して、4−ヒドロキシビニルエーテルとテトラヒドロフランとの1対1溶液を予め、モレキュラーシーブス3Aにより12時間、乾燥した後、0.2リットルのフラスコに入れた以外は、実施例1と同様にして樹脂(A)を合成した。また、実施例6及び実施例7については、モレキュラーシーブス3Aによる乾燥時間を調整することにより、数平均分子量を変更させた以外は実施例5と同様にして樹脂(A)を合成した。
更に、表1及び表2に示す組成の樹脂(A)及び原材料を用いた以外は実施例1と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
なお、銀粉としてはSPQ03S(三井金属社製)を用い、カーボンナノチューブとしては、Multi−Walled(和光純薬社製、粒子径40〜70nm)を用い、架橋有機粒子としてはミクロパールSP(積水化学工業社製)を用いた。
また、酸としてはノルマルヘキサン酸を用い、過酸化物としてはベンゾイルパーオキサイドを用いた。
【0063】
(実施例24)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水したテトラヒドロフラン50g(100重量部)、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、充分に脱水したグリセリン(和光純薬社製)2g(4重量部)を入れて撹拌し、0℃に冷却した後、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%テトラヒドロフラン溶液5g(10重量部、固形分換算0.1重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、製品名 IRA 96SB AG)3重量部を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後にイオン交換樹脂をろ過し、n−ヘキサンで再沈後、減圧することによりn−ヘキサンを除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、52000であった。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)15重量部、テルピネオール35重量部、平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(組成 SiO:32.5%、B:20.5%、ZnO:18%、Al:10%、BaO:3.5%、LiO:9%、NaO:6%、SnO:0.5%)150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルで3回処理を行い、焼成ペースト組成物を作製した。
【0064】
(実施例25)
還流管を備えた1Lの三口フラスコに、モノマーとしてメチルメタクリレート50重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部と溶剤としてトルエン300重量部を攪拌、混合した後、還流するまで昇温させた。還流後、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)10重量部をトルエン20重量部に溶解させた溶液を加え、重合を開始した。重合開始3時間後、室温まで冷却し、GPC分析によるポリスチレン換算で数平均分子量が3万のヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を得た。その後、エバポレターを用いて、トルエンを除去して、固形樹脂を取り出した。
更に、撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水したテトラヒドロフラン50g(100重量部)、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、上記で得られたヒドロキシエチルメタクリレート共重合体2g(4重量部)を入れて均一になるまで撹拌し0℃に冷却した後、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%テトラヒドロフラン溶液5g(10重量部、固形分換算0.1重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、製品名 IRA 96SB AG)3重量部を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後にイオン交換樹脂をろ過し、n−ヘキサンで再沈後、減圧することによりn−ヘキサンを除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、89000であった。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)15重量部、テルピネオール35重量部、平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(組成 SiO:32.5%、B:20.5%、ZnO:18%、Al:10%、BaO:3.5%、LiO:9%、NaO:6%、SnO:0.5%)150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルで3回処理を行い、焼成ペースト組成物を作製した。
【0065】
(実施例26)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水したテトラヒドロフラン50g(100重量部)、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、上記で得られたポリビニルブチラール(積水化学社製BM−1)2g(4重量部)を入れて均一になるまで撹拌し0℃に冷却した後、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%テトラヒドロフラン溶液5g(10重量部、固形分換算0.1重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、製品名 IRA 96SB AG)3重量部を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後にイオン交換樹脂をろ過し、n−ヘキサンで再沈後、減圧することによりn−ヘキサンを除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、105000であった。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)15重量部、テルピネオール35重量部、平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(組成 SiO:32.5%、B:20.5%、ZnO:18%、Al:10%、BaO:3.5%、LiO:9%、NaO:6%、SnO:0.5%)150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルで3回処理を行い、焼成ペースト組成物を作製した。
【0066】
(実施例27)
実施例8で得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)35重量部、トルエン60重量部、平均粒子径1.0μmのアルミナ微粒子150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、ビーズミルで処理を行い、キャスト用のペースト組成物を作製した。
離型処理されたポリエチレンテレフタレートフォルム上に、ペースト組成物をアプリケーターを用いて塗布し、その後、オーブンで100℃、30分間乾燥して、厚さ50μmのグリーンシートを得た。得られたグリーンシートは柔軟で、Φ150mmの樹脂管に巻きつけても、ひび等の亀裂は入らなかった。また、得られたグリーンシートをマッフル炉で350℃で10分間脱脂し、その後、1500℃まで昇温して、焼結させることで、緻密なアルミナ基板を得ることができた。
【0067】
(実施例28)
実施例26で得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)35重量部、トルエン60重量部、平均粒子径1.0μmのアルミナ微粒子150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、ビーズミルで処理を行い、キャスト用のペースト組成物を作製した。
離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ペースト組成物をアプリケーターを用いて塗布し、その後、オーブンで100℃、30分間乾燥して、グリーンシートを得た。得られたグリーンシートは柔軟で、Φ150mmの樹脂管に巻きつけても、ひび等の亀裂は入らなかった。得られたグリーンシートをマッフル炉で350℃、10分間脱脂し、その後、1500℃まで昇温して、焼結させることで、緻密なアルミナ基板を得ることができた。
【0068】
(比較例4)
表2に示す組成のエチルセルロース及び原材料を用いた以外は実施例1と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
【0069】
(実施例29)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水した酢酸エチル50g(100重量部)、及び、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、0℃に冷却した後、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%酢酸エチル溶液10g(20重量部、固形分換算0.2重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。
赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、トリエチルアミン0.1g(0.2重量部)を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後に酢酸エチルを減圧することにより除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、58000であった。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)15重量部、ブチルカルビトールアセテート35重量部、マグネシア500A(宇部マテリアル社製)150重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルで3回処理を行い、焼成ペースト組成物を作製した。
【0070】
(実施例30)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水した酢酸エチル50g(100重量部)、及び、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、0℃に冷却した後、(+)−しょうのう−10−スルホン酸の1%酢酸エチル溶液10g(20重量部、固形分換算0.2重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。
赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、トリエチルアミン0.1g(0.2重量部)を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後に酢酸エチルを減圧することにより除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、60000であった。
得られた樹脂(A)を表3に示す原材料と配合し、実施例29と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
【0071】
(実施例31)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水した酢酸エチル50g(100重量部)、及び、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、室温下、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%酢酸エチル溶液3g(6重量部、固形分換算0.06重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、5時間反応させた。
赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、トリエチルアミン0.03g(0.06重量部)を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後に酢酸エチルを減圧することにより除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、54000であった。
得られた樹脂(A)を表3に示す原材料と配合し、実施例29と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
【0072】
(実施例32)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水した酢酸エチル50g(100重量部)、及び、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、室温下、パラトルエンスルホン酸一水和物の1%酢酸エチル溶液1g(2重量部、固形分換算0.02重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、4時間反応させた。
赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、トリエチルアミン0.01g(0.02重量部)を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後に酢酸エチルを減圧することにより除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、55000であった。
得られた樹脂(A)を表3に示す原材料と配合し、実施例29と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
【0073】
(実施例33)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、充分に脱水した酢酸エチル50g(100重量部)、及び、充分に脱水した4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)50g(100重量部)を入れて撹拌し、60℃でパラトルエンスルホン酸一水和物の1%酢酸エチル溶液1g(2重量部、固形分換算0.02重量部)を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。滴下した後、4時間反応させた。
赤外吸収分析(IR)によって水酸基に起因する3500cm−1付近のピークがほぼ消失していることを確認後、トリエチルアミン0.01g(0.02重量部)を添加してパラトルエンスルホン酸を除去した。最後に酢酸エチルを減圧することにより除去して非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)を得た。
得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)について、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行うことにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、55000であった。
得られた樹脂(A)を表3に示す原材料と配合し、実施例29と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
【0074】
(実施例34)
実施例29において得られた樹脂(A)を表3に示す原材料と配合して、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルで3回処理を行うことにより、焼成ペースト組成物を作製した。
【0075】
(実施例35)
実施例29において用いた4−ヒドロキシブチルビニルエーテルに代えて、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル及び2−ヒドロキシエチルビニルエーテルを表3記載の仕込み比で、(a1)の合計重量部が100重量部(仕込量50g)となるように、酢酸エチルを100重量部を仕込み、実施例29と同様の方法により樹脂(A)を合成した。
得られた樹脂(A)を表3に示す原材料と配合し、実施例29と同様にして焼成ペースト組成物を作製した。
【0076】
(評価)
実施例及び比較例で得られた非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)及び焼成ペースト組成物について、以下の方法により評価を行った。
【0077】
(分解特性(TG−DTA評価))
実施例及び比較例で作製した非環状アセタール構造単位を有する樹脂について、熱分解装置(TAインスツルメンツ社製「simultaneousSDT2960」)を用いて、空気雰囲気下にて昇温速度10℃/minで500℃まで加熱した場合における非環状アセタール構造単位を有する樹脂の初期重量の50重量%が熱分解した温度、及び、300℃到達時に残率を測定し、表1及び表2に示した。
【0078】
(脱脂性、残留炭素分評価)
得られた焼成ペースト組成物を、スクリーン印刷機を用いてガラス基板上に塗工し、150℃オーブン中で60分養生し、焼成ペースト組成物中の溶剤を蒸発させ、ガラス粒子層を得た。得られたガラス粒子層を、マッフル炉で300及び350℃で30分加熱してバインダー樹脂を脱脂した。得られた粒子層を目視にて確認し、バインダー樹脂の分解痕跡の有無を以下の基準で評価した。バインダー樹脂の分解痕跡がない場合を「○」、バインダー樹脂の分解痕跡がある場合を「×」とした。
更に、脱脂した無機粉を回収し、炭素−硫黄分析装置(堀場製作所製 EMIA−820)により脱脂後の残留炭素分を評価した。
【0079】
(スクリーン印刷性評価)
得られた焼成ペースト組成物を、スクリーン印刷機とパターンサイズ50mm×50mmのスクリーン版を用いて印刷することにより、ガラス基板上で印刷テストを行った。
具体的には、得られた被塗物を100℃×30分、溶剤を乾燥させた後、厚みを測定することにより行った。印刷は連続して行い、1回目、10回目、50回目の乾燥後の厚みを測定した。
【0080】
【表1】

【0081】
【表2】

【0082】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、低温脱脂性に優れるとともに、スクリーン印刷性やグリーンシートを作製する際のキャスト性に優れる焼成ペースト組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)、粉体(B)及び溶剤(C)を含有する焼成ペースト組成物であって、
前記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂(A1)、下記一般式(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂(A2)、又は、下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有する樹脂(A3)であり、
前記非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)中の酸素原子数に対する炭素原子数の比は、2.3〜6.0である
ことを特徴とする焼成ペースト組成物。
【化1】

一般式(1)〜(4)中、R、R及びRは、2価の有機基を表し、a〜dは1以上の整数を表し、かつ、c/dは0.8〜1.2である。
【請求項2】
、R及びRは、下記一般式(5)〜(14)に示す構造単位からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の焼成ペースト組成物。
【化2】

eは3以上の整数を表し、f及びgは1以上の整数を表す。
【請求項3】
非環状アセタール構造単位を有する樹脂(A)の数平均分子量は、1000〜100万であることを特徴とする請求項1又は2記載の焼成ペースト組成物。
【請求項4】
樹脂(A1)は、一分子中に1個のビニロキシ基と1個の水酸基とを有する化合物(a1)を含有する重合性組成物を重付加させることにより得られることを特徴とする請求項1、2又は3記載の焼成ペースト組成物。
【請求項5】
樹脂(A2)は、一分子中に2個のビニロキシ基を有する化合物(a2)と、一分子中に2個の水酸基を有する化合物(a3)とを含有する重合性組成物を重付加させることにより得られ、かつ、前記重合性組成物中のビニロキシ基と水酸基とのモル比が0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の焼成ペースト組成物。
【請求項6】
樹脂(A3)は、一分子中に1個のビニロキシ基と1個の水酸基とを有する化合物(a1)と、一分子中に2個のビニロキシ基を有する化合物(a2)と、一分子中に2個の水酸基を有する化合物(a3)とを含有する重合性組成物を重付加させることにより得られ、かつ、前記重合性組成物中のビニロキシ基と水酸基とのモル比が0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の焼成ペースト組成物。
【請求項7】
重合性組成物は、更に、一分子中に水酸基を有し、かつ、数平均分子量が1000〜50万の樹脂(a4)を含有することを特徴とする請求項4、5又は6記載の焼成ペースト組成物。
【請求項8】
一分子中に水酸基を有し、かつ、数平均分子量が1000〜50万の樹脂(a4)は、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース誘導体又は水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体であることを特徴とする請求項7記載の焼成ペースト組成物。
【請求項9】
重合性組成物は、更に、一分子中に水酸基を3個以上有し、かつ、数平均分子量が80以上、1000未満の化合物(a5)を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の焼成ペースト組成物。
【請求項10】
粉体(B)は、ガラスフリット、蛍光体粉、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、プラチナ粉、ITO、GZO、YAG、MgO、ZnO、カーボン粉又はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の焼成ペースト組成物。
【請求項11】
粉体(B)は、熱溶着樹脂粉であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の焼成ペースト組成物。
【請求項12】
更に、分解促進剤(D)を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の焼成ペースト組成物。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の焼成ペースト組成物を用いてなることを特徴とするグリーンシート。

【公開番号】特開2010−138369(P2010−138369A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122454(P2009−122454)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】