説明

焼結破砕ガラスからなる粒状体

粉砕ブロー成形ガラスから焼結された焼結体(21、21’)の砕片からなる粒状体が、粒状体(21、21’)の砕かれた表面に少なくとも1つの活性物質(17、27)の多数の介在物を有する。この活性物質(17、27)は粒として焼結体(21、21’)中に埋封されている。有害物質、特に水中に懸濁しまたは溶存する有害物質と接触すると、この活性物質はこれらの有害物質と相互作用に入ることができる。このような粒状体は活性物質、圧縮強さ、比重量、粒径等に関してごく多様に製造可能であり、相応に多面的に利用可能である。この粒状体は例えば原料がヒ素またはアンチモンを含有するにもかかわらず発泡ガラス砕片の態様で環境に敏感な分野で建設材料として利用可能である。この粒状体は例えば発泡焼結体または非発泡焼結体の態様で浄水において利用可能である。使用目的に応じて金属、特に金属鉄、活性炭が、または水溶性物質も、活性物質として利用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状体、およびこのような粒状体を有しまたはそれからなるばら材料に関する。粒状体は粉砕ブロー成形ガラスの焼結によって焼結体とされ、引き続き焼結体を砕片に砕くことによって製造されている。
【0002】
本発明は、そのガラス原料(例えば廃ガラス)中に有害物質、特にアンチモンおよび/またはヒ素が固定されていることのある砕かれた発泡ガラス砕片を有するばら材料にも関する。
【0003】
本発明は特に浄水用のばら材料に関する。浄水用のばら材料は粉砕ブロー成形ガラスから焼結される焼結体の砕片からなる粒状体、特に砕かれた発泡ガラス粒状体を含み、またはばら材料は完全にこのような粒状体からなる。
【背景技術】
【0004】
この明細書において焼結体とはブロー成形ガラス砕片から加熱によって焼成された物体のことである。この物体内で原粒子は焼結時に実質的に固定されたままである。砕片は焼結後に少なくとも橋絡部を介して互いに結合されている。ブロー成形ガラスの焼結砕片の間に空洞が残り、空洞は焼結の実施に応じて凝縮し、部分的に凝縮しまたは密閉細孔として構成されている。発泡ガラスはこのような焼結体の特殊態様と理解される。
【0005】
特許文献1により発泡ガラス粒が公知である。これは可燃性芯材を被覆することによって製造されている。被覆は交互にガラス粉末/発泡剤混合物の1層と金属粉末、特に鉄粉末の1層とからなる。被覆の形成用に結合剤が必要とされる。積層はガラス粉末層の内部に少なくとも1つの金属層を含む。熱の作用によって芯材が燃焼され、ガラスが発泡される。こうして、金属層を埋封した発泡ガラス外皮を有する中空球が得られる。
【0006】
特許文献2により、黒曜石、真珠岩、松脂岩、シラス等の天然ガラス質鉱物から製造された発泡ガラスが公知である。この鉱物に発泡剤として金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム、硝酸カリウム等の硝酸塩、炭素、SiC等々が添加される。低い再吸水性と水に対する高い抵抗とを有する発泡ガラスを低い温度で得るために、天然ガラス質鉱物は特定粒径において発泡剤、水酸化ナトリウム、鉄粉末、水と混合され、200度で乾燥され、加熱によって発泡される。
【0007】
特許文献3により公知の遮音材料は発泡材料、例えば発泡体、発泡水ガラス、または加硫ガラスか発泡ガラス製の発泡体からなる。この発泡体は金属を粉末または繊維の態様で含む。金属として述べられているのは鉛、亜鉛、スズ、鉄、アルミニウム、銅である。
【0008】
特許文献4によりガラス製品、そのガラス製品を製造するための方法と混合物が公知である。この方法では蓋、栓、ラベルを備えた容器ガラスが粉砕され、型内で焼結される。その際ガラス粒子は溶解されず、それゆえに製品は特徴的有色外見となる。ガラス粒子は焼結中プレスされ、または粒子混合物を発泡させることができる。ガラス粒子は1つの塊とされるが、しかし識別可能なままである。
【0009】
焼結に必要な処理剤は主に粉末化熱処理排泄物からなる。これにより再生製品から安価な方法で高価な製品が製造される。
【0010】
このガラス製品は、ガラスと一緒に粉砕された金属粒子からなる金属成分を含む。この金属成分は0.1〜3重量%の鉄を含み、しかしスズ(0.1〜2%)、アルミニウム(0.1〜2%)および別の金属(0.1〜2%)も含む。それに加えて、使用される中空ガラスが浄化されることなくかつ選別されることなく粉砕されるので、ガラス粉末中にセルロース誘導体やその他の有機物質が含まれている。
【0011】
ブロー成形ガラス一般や廃ガラスから特殊な発泡ガラスを製造することは技術の現状であり、文献に詳しく記載されている。発泡ガラス製造時に廃ガラスとガラス屑を使用することは環境に優しい有利な廃棄物利用である。発泡ガラスの製造は一般に以下のステップで行われる:
・ブロー成形ガラスを約0.1mmに粉砕(「ガラス粉末」を製造)するステップ、
・加熱時にガスを遊離する化学薬品を(「発泡剤」として)ガラス粉末に混加するステップ、
・ガラス粉末と発泡剤とからなる粉末混合物を約900℃の熱の作用によって溶解するステップ、
・ガラスを約10分間にわたって発泡、「焼成」するステップ、
・得られた発泡ガラス体を冷却するステップ、
・生の発泡ガラス体を調製し、例えば細かく切断または造粒するステップ。
【0012】
ガラス粉末と、熱の作用下にガスを発生する粉末態様の発泡剤とを含有する粉末混合物から製造される発泡ガラスは密閉細孔である。このような発泡ガラスは例えば特許文献5(ミサグ社[Misag AG])により公知である。発泡ガラス塊を製造するためのこのようなプロセスは評価を受け、大規模工業的に制御可能である。それとともに、事実上任意の由来のリサイクルガラスを高価な製品へと加工することができる。発泡ガラス塊は溶解性粉末層の発泡とこうして形成された発泡ガラス層の砕きとによって達成される。発泡ガラス層の砕きは冷却時に自発的に起きる。自発的に生じる粒径は層厚にほぼ一致する。
【0013】
このような発泡ガラス塊は見掛密度が約250kg/m3であり、重い発泡ガラスと軽い発泡ガラスが同様に製造可能である。密閉細孔を有する発泡ガラス塊は水に浮かぶ。発泡ガラスは密閉細孔かつ水密性であるので、細孔は水で充填されず、時間が経過しても浮力は衰えない。発泡ガラスは圧縮強さが大きく、平均して6N/mm2である。圧縮強さはやはり約1N/mm2と約10N/mm2との間で選択可能である。細孔の細孔寸法、細孔密度、および壁厚は粉末混合物の組成で調節可能である。例えば発泡剤が細かく粉末化されていればいるほど、細孔寸法は一層小さくなる。このような発泡ガラスは、特許文献6(ミサポール社[Misapor AG])により、建設分野において周辺断熱材として、捨石排水床として、支持力の弱い地盤上の軽量ばら物として、そしてきわめて性能の高い軽量コンクリート用の軽量骨材として利用される。
【0014】
使用されるブロー成形ガラスの組成に応じて、この有害物質を発泡ガラス中に持ち込むことができる。特に釉薬や光学ガラス中に利用される半金属のアンチモンとヒ素は、ごく微量ではあるが、家庭から個別に収集される廃ガラス中にも繰返し現れる。
【0015】
そのために使用されるガラス等の発泡ガラスはこれまで不活性物質と考えられた。非特許文献1において、スイスで不活性物質と見做されるものが定義されている。そこに述べられているのは、或る物質が不活性物質と見做されるのはなかんずくその酸性溶出液中でリットル当りヒ素0.01mgの限界値を上まわらないときだけであるとのことである。アンチモンの限界値は確定されていない。ガラスとガラス屑はこの条令によれば、そこで要請される限界値を守るので、不活性物質と見做される。
【0016】
しかし我々の実験が意外にも示したように、不活性廃ガラス中に元々十分に固定化された態様で存在するごく微量のアンチモンまたはヒ素でさえ、この不活性ガラスから発泡ガラスを製造するプロセスによって可動化されることがある。
【0017】
非特許文献1(TVA)により平均粒径約0.1mm、アンチモン含有量0.86mg/kgの粉末化生ガラスから溶出液が作られた。この溶出液中で0.005mg/L以下のアンチモン含有量が測定された。この生ガラスから発泡ガラスが製造された。発泡ガラスが約4mmの粒径に造粒された。この粒状体から再びTVAにより溶出液が製造された。この発泡ガラス溶出液中で溶出液1リットル当り0.052mgのアンチモンが測定された。同様の効果がヒ素について観察されたが、ヒ素についてTVAは溶出液1リットル当り0.01mgの限界値を定めている。
【0018】
つまり生ガラス中に含有された有害物質のアンチモンやヒ素またはガラス構造体は発泡ガラス製造プロセスによって、明らかに、水と接触時に発泡ガラスから有害物質が溶脱することがあるように転換される。不活性ではないこのような発泡ガラスを環境工学上敏感な用途、例えば水利工事に建設材料として利用する可能性は著しく制限されている。
【0019】
アンチモンとヒ素の溶脱が現れるのは発泡ガラスが水と接触するときだけである。発泡ガラスの表面が大きければ大きいほど、これらの有害物質がそこから水中に達し得る面も一層大きくなる。砕かれた発泡体からなるばら材料の場合、発泡ガラス塊表面のセルは開放している。それゆえに表面がきわめて大きい。しかし砕かれた発泡ガラス塊からなるばら材料は別のパラメータの方から例えば法面排水、支持力の弱い湿地状地盤での路線工事、周辺断熱、コンクリート製造、特に接地接続したコンクリート壁用にきわめて適している。それゆえに、ばら材料は水との接触に適していなければならない。
【0020】
上記問題は関係文献から公知ではない。また、観察されたこの変化の原因はまだ研究されてもいない。それゆえに、発泡ガラスからアンチモンとヒ素が溶脱するこの問題を防止または減少するための文書化された解決の手掛りも存在しない。
【0021】
ヒ素含有排水を処理するための方法は確かに公知であり、そこではこの排水が嫌気性条件下で基質に通され、この基質が金属鉄を含有している(特許文献7、コネティカット大学)。しかしこの特許は、有害物質で汚れた基質からのヒ素の溶脱、またはアンチモンの溶脱をどのように防止できるかの指示を何ら与えていない。
【0022】
金属鉄による排水浄化技術は十分に公知であり、鉄と排水との間の接触の仕方に応じて4つのグループに分類することができる:
【0023】
グループ1:粉末状鉄が排水に混ぜ入れられる方法。このような方法はリン除去について特許文献8に、鉄と硫黄粉末とによるヒ素固定について特許文献9に、そして酸性排水からの銅除去について特許文献10に述べられている。これらの方法で不利なのは、特に、引き続き沈降分離が必要であり、生成する有害物質含有鉄汚泥がこの沈降分離時に分離されねばならないことである。
【0024】
グループ2:鉄粉末がばら物として設けられ、そこを排水が貫流する方法。このような方法は重金属や有機塩素化合物の除去について特許文献11に、そして鉄屑と砂との混合物を使った実用上好ましい実施形態として特許文献12に述べられている。これらの方法には最適化の矛盾がある。一方で鉄は大きな比表面積を提供するために極力微粒状でなければならないであろう。他方で鉄粉末は層が十分良好に浸透可能に留まるように十分粗粒状でなければならない。錆生成によってばら物の微細孔が「成長閉鎖」することも不利である。不活性骨材で鉄ばら物の「希釈」を行う方法では、充填時と反応装置運転時とに材料分離現象を予想しなければならない。
【0025】
グループ3:鉄粉末が動かされる方法。このような方法は特許文献13に述べられている(流動層)。鉄粒状体が振動または攪拌によって動かされる別の方法が特許文献14に述べられている。この方法によって確かに粒子が錆によって焼結同様に凝集体を形成することは防止できるが、しかしプロセス技術に手間がかかる。いずれにしても(グループ1におけると同様に)、流動層から運び出される汚泥の沈降分離を引き続き行わねばならない。
【0026】
グループ4:微粒状鉄が担体材料上に定着される方法。シリカゲル上に定着された超微粒状鉄粒子(直径5〜50nm)による排水処理が特許文献15により公知である。
【0027】
特許文献16により微粒状鉄粒子を有する濾材が公知となっており、鉄粒子は鉱物性担体材料上に定着されている。この担体材料は鉄粉末や骨材の他に結合剤(例えばセメント)を含有しており、大きな比表面積となるために発泡されている。組織は実質的に開放細孔である。この濾材における欠点は結合剤が一般に強アルカリ性である事情であり、これは飲料水分野での使用を不可能にする。さらに、粒状体の機械的強度が低い事情が、いずれにしても高い細孔率が存在する場合、問題である。さらに、鉱物性結合剤を有する濾材はこの結合剤が完全に水に不溶ではないので長期耐久性ではない。公知の鉱物性結合剤は事実上すべてが特に酸によって強く腐食される。
【0028】
特許文献17と特許文献18により公知の方法では開放細孔吹込みガラス粒状体が製造可能である。これらの方法に共通するのは、主としてガラス粉末を含有する粉末混合物が湿潤され、粒径0.8〜4もしくは1〜4mmの粒状体へと造粒されることである。この粒状体が次に焼結される。
【0029】
造孔材としてさまざまな添加剤を使用することができる。例えば溶融可能なワックス微小球体、溶脱可能な塩またはガス発生発泡剤が列挙されている。
【0030】
予め成形され、次に焼結されるこのような粒状体粒子の欠点はその圧縮強さの小さいこと、その球形状、そして特に手間のかかる製造法にある。
【0031】
特許文献19は前記両方の公報を参考にし、触媒生物学的排水浄化方法とその方法を実施するための粒状体を述べている。平均直径42μmの細孔を有する粒状体が応用される。マクロ細孔の壁は粒状体を鉄塩溶液に浸漬し引き続き焼戻すことによってFe2O3で被覆される。この酸化鉄は粒状体の約5質量%になる。この粒状体は触媒生物学的排水浄化用に利用される。生物学的触媒過程は開放細孔体の細孔中で同時に実施される。この開放細孔体は吹込みガラス粒状体(例えば特許文献17または特許文献18による粒状体)、ゼオライトまたはセラミックからなり、触媒的に有効な物質(例えば鉄)が粒状体材料中に埋封されまたは細孔表面に被着されていることが請求される。この明細書は、細孔壁への前記被着によるのとは異なり物質をどのように支持体中に埋封できるかの指示を与えていない。
【0032】
このような粒状体でもって、H2O2を添加しながら難分解性有害物質が酸化され、この酸化の反応生成物は直接的空間的近傍で微生物によって分解することができる。この方法で良好に分解することのできる有害物質としてp‐クロロフェノールと有機物質が明示されている。有機物質の分解は有機結合全炭素に基づいて明示されている。
【特許文献1】特開昭61‐48441号公報
【特許文献2】特開昭63‐144144号公報
【特許文献3】特開昭52‐96501号公報
【特許文献4】独国特許出願公開第2334101号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0292424号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第1183218号明細書
【特許文献7】米国特許第6387276号明細書
【特許文献8】特開平01‐307497号公報
【特許文献9】米国特許第5575919号明細書
【特許文献10】米国特許第5906749号明細書
【特許文献11】特開平08‐257570号公報
【特許文献12】米国特許第6387276号公報
【特許文献13】米国特許第5133873号明細書
【特許文献14】国際公開第01‐010786号パンフレット
【特許文献15】米国特許第6242663号明細書
【特許文献16】欧州特許出願公開第436124号明細書
【特許文献17】独国特許出願公開第19531801号明細書
【特許文献18】独国特許出願公開第19734791号明細書
【特許文献19】独国特許出願公開第19817268号明細書
【非特許文献1】スイス「技術的廃棄物条令」(TVA)、附録1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本発明の課題は、広範に利用可能な粒状体、この粒状体からなるばら材料またはこの粒状体を有するばら材料を提案することである。この粒状体は環境に優しく、製造し易く、再生製品から製造可能でなければならない。粒状体は大きな圧縮強さを有する品質に製造可能でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0034】
この課題は、請求項1の対象によって解決される。粉砕ブロー成形ガラスから焼結される焼結体の砕片と砕かれた粒状体表面に少なくとも1つの活性物質の多数の介在物とからなる粒状体は従来の方法で、圧縮強さにきわめて優れた品質で製造することができる。活性物質は粒として焼結体中に埋封されている。特に水中に懸濁しまたは溶存する有害物質と接触すると有害物質と相互作用する活性物質のゆえに、製品は環境に優しいだけでなく、環境の浄化に利用することさえできる。活性物質として考慮の対象になるのは、まずなによりも、鉄粉、しかし別の金属も、および/または排水浄化において一般的なその他の活性炭、ゼオライト等の物質である。
【0035】
金属鉄は重金属を結合するための活性物質である。しかし水に溶けた別の有害物質も、鉄と接触させることによって分離または破壊することができる。以下の反応機構が利用される:還元による有害物質(例えば塩素化炭化水素、硝酸塩、クロム酸塩)の破壊、拡散浸透法による有害物質(例えば銅、水銀)の電気化学的分離、化学沈殿(例えばリン)、酸化鉄または水酸化鉄への吸着(亜鉛とカドミウム)。幾つかの有害物質(例えばヒ素、アンチモン)ではこれらの機構の幾つかが共に作用する。
【0036】
鉄のゆえに粒状体に結合される重金属が長期的にガラスマトリックス中に拡散するものと前提される。ガラスはアモルファスであるので、少なくとも長期的に、表面に吸着された重金属がマトリックス内深くに転移するものと推測することができる。これは発泡ガラスの内部と表面とで濃度勾配が異なることによる。拡散は濃度が最小である方向に進むので、例えば、Feドープ発泡ガラス表面に固定された銅と亜鉛がガラスの内部に拡散する。そこには「未使用の」金属鉄が存在し、銅と亜鉛の濃度が最も低い。その逆に固相拡散によって鉄はガラスマトリックスから表面に補充することができる。
【0037】
活性炭も、その反応性かつ微小多孔質表面のゆえに、多種多様な有害物質を結合するための公知の活性物質であり、それに加えて微生物を結合することができる。
【0038】
粒状体はその製造によっても特徴付けられている。粒化活性物質とガラス砕片が有利には均一に混合され、混合物が層として焼結され、焼結された層は引き続き砕かれる。これにより、ごく簡単な製造を提供できる。こうして製造された製品はばら物の圧縮強さ、安息角、流通性、粒状体からなるばら物の圧縮性、排水中の有害物質結合時の有効性等に関して優れた性質を有する。
【0039】
粒状体は主に焼結体中に空洞を有する。そのことから、焼結体もしくは粒状体粒子は流通可能となりおよび/または低い比重量を有することになる。この空洞内で浸透水はそこに存在する活性物質粒子と接触することができる。
【0040】
焼結体は多くの用途のため有利には発泡されている。しかし、排水浄化用に例えば非発泡焼結体は発泡焼結体と同様に効率的であることを確認できた。まったく意外なほど肯定的な実験結果のゆえに、非発泡焼結体が透水性であり、粒状体の表面に視認可能な成分だけよりも多くの活性物質が排水処理に関与すると推測される。
【0041】
ブロー成形ガラス中に固定されたアンチモンとヒ素の溶脱性がガラスの発泡プロセス時に著しく高まるとの新たに発見された事実に基づいて、原料が有害物質を含有する場合でも、その溶出液中で測定されるヒ素またはアンチモンが懸念のない含有量にすぎないブロー成形ガラスからなる砕かれた発泡ガラス塊でばら物を提供することも課題となる。その際、発泡ガラス、従ってばら材料の応用上重要な物理・化学的性質は極力損なわれないままとしなければならない。この発泡ガラスの製造は、極力本質的変化なしに、従来の発泡ガラス砕片生産プロセスに一体化できなければならない。
【0042】
この課題は、砕かれた発泡ガラス砕片を有するばら物において発泡ガラス砕片が主として従来の発泡ガラスの内容物質、つまりブロー成形ガラスと発泡剤とからなる。但し金属鉄の含有量を有することによって解決される。鉄粒子は割られたセルの表面に多数の介在物として存在する。この金属鉄は、主に均一に分布したごく微細な介在物として発泡ガラスマトリックス中に埋封されている。
【0043】
鉄含有のゆえに、特に、発泡時に還元作用する発泡剤を利用可能とすることもできる。つまり、発泡剤の還元作用が有害物質の溶脱性を高めるとの推測がある。
【0044】
我々の実験が意外なことに示したように、この発泡ガラス製品は溶出液中で遊離させるアンチモンが、比較のため同じ廃ガラス粉末から鉄粉末の添加なしに作製したゼロ試料よりもはるかに少ない。さらに、ガラス粉末混合物に対して6%までの鉄添加量は‐発泡剤量を相応に調整して‐発泡ガラスの構造と物理的性質(細孔寸法、圧縮強さ、断熱)に対してさしたる不利な作用を持たないことが判明した。製品は確かに黒く変色しているが、しかしこれは大抵の用途にとって重要でない。500m3の発泡ガラス砕材を製造するためのパイロット実験において、本発明に係る製品は僅かに変更しただけの従来の発泡ガラス生産施設で製造できることが立証された。
【0045】
製品は親環境性が大きいことを特徴としている。アンチモンが固定されるだけでなく、廃ガラス中に存在する他のヒ素、クロム酸塩等の有害物質も効果的に結合される。それゆえに製品は環境工学上敏感な用途、例えば水利工事分野において利用することができる。
【0046】
それゆえに、割られたセルを有するブロー成形ガラスから製造される発泡ガラス砕片はこれらセルの表面に多数の金属鉄介在物を有する。これにより、驚くべきことに発泡ガラス形成によって移動性増強を獲得するブロー成形ガラス中に固定されたアンチモンまたはヒ素が発泡ガラスから溶脱することのあることは防止される。
【0047】
有利なことに介在物は微粒状で均一に分布している。鉄の分布が一層均一であればあるほど有害物質の固定は一層良好に確保されていると考えられる。
【0048】
鉄介在物は、廃ガラス中に存在する有害物質が鉄によって固定されるので、発泡ガラスのガラス原料を廃ガラスから入手することができる。従って、リサイクル廃ガラスからなる発泡ガラスは環境に敏感な用途に利用することができる。これは、膨大な量で発生する廃ガラスの有利な利用を可能とする。
【0049】
発泡ガラスは発泡ガラス溶融体から製造しておくこともできるが、粉末混合物から粉末混合物を焼成して製造した発泡ガラスが優先される。この粉末混合物はガラス粉末と熱の作用下にガスを発生する発泡剤と微粒状金属鉄粉末とを含む。このように製造される発泡ガラスの場合、金属鉄粉末の混加は技術的に簡単に実現可能である。
【0050】
金属鉄は発泡ガラス中に有利には主として1マイクロメートル〜2000マイクロメートル、主に10マイクロメートル〜200マイクロメートルの粒径で存在する。鉄の粒径は発泡プロセスにもかかわらず変化のないままに留まる。それゆえに、このような発泡ガラスを達成するために、加熱によって発泡されるべき粉末混合物にこの粒径の金属鉄が混加される。特別優先される鉄の平均粒径は20〜1000マイクロメートル、有利には20〜500マイクロメートル、特に40〜400または50〜200マイクロメートルである。微粒状鉄粉末は粗粒状鉄粉末よりも高価であるが、しかし発泡ガラス中で有害物質を固定するとき著しく良好な作用を発揮する。それゆえに、本方法の好ましい1実施では、粗粒状鉄粉末が生ガラスと一緒に粉砕され、これによりごく微細な鉄粉が生成され、しかもこの鉄粉がごく均一にガラス粉末中に分散させられる。鉄粉末として例えば微粒状スプレーダストも使用することができる。廃ガラス中に含有された鉄、例えば従来は選別除去して廃鉄に加えられた瓶蓋は、有利なことに粉末化して発泡ガラス中で直接再利用することができる。
【0051】
発泡ガラス中の微粒状金属鉄の含有量は有利には0.5〜8重量%、主に1〜4重量%である。この範囲内で発泡剤の添加は適合可能であり、製品は圧縮強さ、密閉細孔性、セル寸法、セル密度、比重、遮断値等の応用上重要な性質が僅かに異なるだけである。特に、発泡ガラスの残りの性質を損なうことなく有害物質の溶脱性を十分に排除するために、一層狭い範囲が特別適していることが実証された。それゆえに、発泡ガラス体は望ましくは従来の高級発泡ガラスと同様に比重が200〜800kg/m3、主に300〜500kg/m3である。望ましいセル密度は300000〜2000000セル/cm3、主に600000細孔/cm3超である。また、本発明に係る製品では有利にはセルが互いに密閉されている。所要の圧縮強さは確実に1N/mm2超、主に4N/mm2超、特別好ましくは6N/mm2超である。6N/mm2超の圧縮強さは荷重を受ける領域での発泡ガラスの利用を可能にする。
【0052】
望ましくはガラス粉末と発泡剤は85:15〜98:2の重量比で存在する。
【0053】
発泡ガラスはセルを割られた砕片内に存在する。このような発泡ガラス塊の使用は、特に無機または有機結合建設材料またはばら材料として、特に道路工事、排水、周辺断熱または法面保全において、幅広く区分されている。
【0054】
この砕かれた発泡ガラス粒状体では、割られたセルを有する表面に金属鉄が存在する。
【0055】
砕かれた発泡ガラス粒状体は望ましくは粉塵と64mmとの間の粒径を有する。単一の粒径または若干の粒径の発泡ガラスからなるルーズなまたは結合されたばら物は透過性容積にとって望ましい。粒径は用途に合わせて選択することができる。コンクリートまたは別の結合体内で応用するために粒状体は、粉塵と64mmとの間のさまざまな粒径を有する主に均衡のとれた粒度曲線を有する。その際、すべての粒径が存在する必要はない。別の骨材で補充することが可能であり、すべての骨材の粒度曲線は有利にはフラー曲線を生じる。
【0056】
本発明は、環境適合性発泡ガラスを製造するための粉末混合物であって、この粉末混合物がブロー成形ガラス製のガラス粉末、特に廃ガラス粉末と熱の作用下にガスを発生する発泡剤の主要成分の他に、本発明によれば金属鉄粉末も有するものにも関する。その際、この粉末混合物は実質的に水酸化ナトリウムを含まない。
【0057】
粉末混合物は有利には金属鉄含有量が0.5〜8重量%、主に1〜4重量%である。ガラス粉末と発泡剤は望ましくは85:15〜98:2の重量比で存在する。
【0058】
本発明は、ブロー成形ガラス、特に廃ガラスからなるガラス粉末と熱の作用下にガスを発生する微粒状発泡剤とが互いに均一に混合される発泡ガラス製造方法にも関する。そこから得られる粉末混合物は、従来の発泡ガラス生産時と同様に、層中で下地に塗布され、この層が炉内で加熱される。こうして焼成し発泡されたガラスは次に冷却され、発泡ガラス砕片に砕かれる。この方法が従来の方法と異なる点として、本発明によれば、粉末混合物の製造時に付加的に鉄粉末がガラス粉末や発泡剤と均一に混合される。そのことから特に、還元性条件または強還元性条件下で発泡ガラスの製造が可能になる。水の添加は避けられる。それゆえに主に粉末混合物は乾燥混合され、湿潤されることなく下地に塗布され、ルーズなばら物として発泡される。
【0059】
発泡ガラスの砕きは第1ステップにおいて、冷却する発泡ガラスの応力亀裂の結果として起きる。そこから得られる発泡ガラス砕片は簡単に積み上げ、輸送し、一部ではそのままの形で使用可能である。しかしそれらはさらに機械的に砕き、その後例えば篩にかけ、個々の粒径を特定の混合比で再び混合することもできる。
【0060】
本発明に係るばら材料の利点として、環境工学上敏感な分野でのその応用に懸念がない。この懸念のないことは、使用されるガラス原料が廃ガラスであり、または別の理由からアンチモンまたは/およびヒ素を1mg/kg以上含有し、5mg/kg以上さえ含有する場合でも与えられている。そのことの利点として、原料が有害物質を含有しているかどうかを調べる必要がない。有害物質含有廃ガラスの認識および選別も必要でない。
【0061】
本発明は、無機または有機結合建設材料を製造するための骨材としての、またはルーズなばら材料としての、本発明に係るばら材料の使用にも関する。これらの使用は、特に地下水、地表水または飲料水と接触する環境工学上敏感な分野、例えば水利工事、地下工事または地上工事においても可能である。
【0062】
他の課題は、なかんずく浄化施設内の砂濾過器において砂の代わりに利用することのできる浄水用ばら材料を提供することである。浄水用ばら材料は水中にある固形物を濾過して除去し、水に溶存する有害物質、例えばリン酸塩や重金属を結合できなければならない。浄水用ばら材料は大規模工業的に経済的価格で、主に例えばリサイクル廃棄物から製造できなければならない。
【0063】
この課題は、粉砕ブロー成形ガラスから製造される焼結体の砕かれた粒状体からなる浄水用ばら材料、特に砕かれた発泡ガラス粒状体からなるばら材料、またはこのような粒状体を有するばら材料によって解決される。この粒状体は、砕かれた表面に存在して粒としてガラスマトリックス中に埋封された活性物質を特徴としている。活性物質は、選択された特に水に含有された有害物質と相互作用に入るような物質である。この相互作用は一般に吸着または化学反応である。
【0064】
粒状体は発泡焼結体または非発泡焼結体を砕くことによって製造される。砕くことによって、焼結体の内部でガラスマトリックス中に埋封された活性物質粒子は砕かれた表面に達する。非発泡焼結体の場合、驚くべき結果のゆえに、粒状体の内部に存在する活性物質も粒状体の浄化作用に影響すると考えられる。
【0065】
浄水用ばら材料と活性物質との材料分離は、活性物質が粒状体内で固定されているので有り得ない。これにより、均一なばら物が得られる。活性物質の粒径よりもかなり大きな粒径の粒状体内に活性物質が結合されているので、汚泥形成も防止されている。
【0066】
この粒状体は幅広く区分されたバリエーションで製造することができる。活性物質の種類と数、粒径、細孔寸法、比重量(特に発泡ガラスの場合)を選択することによって、幅広い使用の可能性が得られる。
【0067】
活性物質として考慮の対象になるのはまずなによりも鉄粉末、しかし別の金属も、および/または排水浄化において一般的なその他の活性炭、ゼオライト等の物質である。
【0068】
金属鉄の割合は有利には建設目的用粒状体の2〜4%である。排水浄化用粒状体において鉄の割合は有利には4〜20%、特別好ましくは6〜10%である。鉄の割合は50%までが考えられる。しかし最初の実験において、鉄の割合を8%超に高めても浄化作用の向上は確認できなかった。しかし、鉄の割合が粒状体の長期的作用に重要な影響を持つことは排除できない。
【0069】
活性炭も、その反応性微細孔表面のゆえに、多様な有害物質を結合するための公知の活性物質であり、それに加えて微生物を結合することができる。
【0070】
選択されたゼオライトは、焼結ガラス体中に埋封される活性物質として使用するのにとりわけ適している。つまりこのゼオライトは、焼結用に必要な高い温度によってはじめて活性化される。それゆえにガラスの焼結時、または発泡ガラスの発泡時、ゼオライトは同時に活性化される。有利にはガラス粉末に難溶性アルカリ土類フッ化物を添加することができ、これは焼結時に所要の易溶性アルカリフッ化物になる。
【0071】
ガラスマトリックス中にさらにアルミニウム粉末および/またはマグネシウム粉末が存在することがある。これらの金属で電気化学的局部電池が形成され、この局部電池のゆえに鉄が溶解して錆を形成する。
【0072】
意外なことに、密閉細孔発泡ガラスも活性物質用の理想的担体物質である。予想に反して、密閉細孔発泡ガラスは浄水用ばら材料を製造するための理想的出発製品となる。発泡ガラス粒状体は発泡ガラス層を砕くことによって、または開放細孔または密閉細孔発泡ガラスの既に砕かれた発泡ガラス塊によって製造される。それゆえに粒度は必要に応じて砕くことによって細かくすることができる。砕かれたこの粒状体中に活性物質が均一に分布している。粒状体の比重量は生産プロセスを適切に制御することによって調節することができる。密閉細孔発泡ガラスはごく細い細孔壁を有し、なおかつ大きい圧縮強さを有し、一定した品質で大規模工業的に製造することができる。このような砕かれた粒状体粒子の表面は割られた細孔の凹面状細孔表面からなる。それゆえに、このような粒状体粒子の有効表面はきわめて大きい。壁もしくは細孔表面内に埋封された活性物質はこの凹面状くぼみ内で摩耗から保護されている。有効粒状体表面と被浄化水との間の交換は、濾過容積と粒径が同じ場合、焼結前の造粒した球形粒状体と比較してきわめて大きい。粒状体の有効表面は大きく、水にとって容易に到達可能である。
【0073】
密閉細孔発泡ガラスは有利には、少なくともガラス粉末と、粒化活性物質と、熱の作用下にガスを発生する発泡剤とを含有した乾燥粉末混合物を加熱することによって製造される。それゆえに活性物質は粒として細孔壁内に埋封される。それとともに活性物質はガラスマトリックス内に結合され、粒状体粒内で機械的に保持されている。リサイクルガラス屑からなるものをガラス粉末として使用することができる。
【0074】
壁内に活性物質が結合されている割られた細孔の細孔表面が大きいので、細孔空間は活性粒の上や周囲に堆積物を形成するときにも成長閉鎖することがない。
【0075】
有利には発泡剤は還元性条件下に発泡する。例えばSiCによって提供される還元性条件はガラスマトリックス内での活性炭の一体化を促進する。
【0076】
密閉細孔発泡ガラスは一般に、マクロ細孔とも称される比較的大きな細孔に主容積を有する。このマクロ細孔の間の壁は、ミクロ細孔とも称される小さな細孔がやはり混在している。ばら材料の発泡ガラス粒状体は有利には発泡ガラスの最大細孔寸法を有する。この細孔寸法は発泡ガラス粒状体の粒径に少なくとも一致している。そのことの結果として、事実上すべてのマクロ細孔が割られており、従って粒状体の極力大きな表面が有効となり得る。事実上すべてのマクロ細孔が割られている場合、事実上すべての活性物質粒子も粒状体の有効表面にあり、被浄化水と接触することができる。粒状体の好ましい粒径は1〜6mm、有利には2〜5mm、特別好ましくは3〜4mmである。
【0077】
このように十分な砕きによって得られる粒状体粒子は、若干数(例えば4〜8個の)のマクロ細孔の細孔表面部分領域からなる表面を有する。ばら物において、突出した壁片を有する粒状体粒子は隣接する粒状体粒の凹面状くぼみ内に入り込む。そのことから、充填物内を貫流する水の良好な微小渦化が生じる。それゆえに水は、割られた細孔のきわめて大きな表面と集中的に交換する。
【0078】
ばら材料用発泡ガラス粒状体は有利には、発泡ガラス中に埋封された粒子の態様の水溶性骨材を有する。このような水溶性骨材は例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたは鉄のハロゲン化合物、酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩またはリン酸塩によって形成されている。
【0079】
水溶性粒の骨材は、割られていない細孔の細孔表面がその有効性を損なわれることなく、マクロ細孔の直径よりも大きな直径を有する粒径に粒状体を砕くことを可能とする。つまり水溶性骨材はばら材料の使用中に溶解する。これにより、マクロ細孔やミクロ細孔の付加的細孔表面が徐々に有効になる。それゆえにこのような浄水用ばら材料では、新たな未使用の活性物質が繰返し存在する。骨材は選択が適切な場合、例えばpH緩衝によって、凝集剤または酸化剤、栄養物等の連続的遊離によって、排水に肯定的に作用を及ぼすことができる。
【0080】
望ましくはこのような発泡ガラスは、ガラス粉末と粒化活性物質と熱の作用下にガスを発生する発泡剤と粒化水溶性塩とを少なくとも含む混合物から製造されている。この混合物も、液を添加することなく粉末層として下地上に散布され、加熱によって発泡される。
【0081】
「水溶性」塩とは特に、英語で“semi-soluble”と称される弱溶性塩のことである。そのような水溶性塩として考慮の対象となるのは特に石膏、石灰、および/または酸化マグネシウム等のpH調節物質である。酸化マグネシウムは、環境に優しく、約10.5のpH値において水溶液を緩衝し、そのことにより事実上すべての重金属を水酸化物として固定する利点を有する。
【0082】
発泡ガラスが超多孔質体へとエッチングされる場合、アルカリフッ化物もガラスマトリックス中に焼成し、次に発泡ガラス粒状体は水で処理することができる。フッ化物は水と一緒にフッ化水素酸を形成し、これがガラスを浸食する。このような処理は環境工学上の理由から当然に、被浄化水中で使用することによって行うことができない。有利には発泡ガラス製造時に難溶性アルカリ土類フッ化物を添加することができ、これは燃焼過程時に所要の易溶性アルカリフッ化物になる。
【0083】
ガラスマトリックス中にさらにアルミニウム粉末および/またはマグネシウム粉末を存在させることができる。これらの金属で電気化学的局部電池が形成され、これにより鉄が溶解して錆を形成する。
【0084】
水を充填されたばら材料の比重量は有利には1000±200kg/m3に調整される。そのことから、浮遊またはほぼ浮遊する浄水用ばら材料が得られる。これは容易に逆洗することができる。発泡ガラスの重量、もしくは発泡ガラス粒状体の浮力は、割られていない細孔の細孔容積によって調整することができる。これはまずなによりもマクロ細孔の細孔壁内のミクロ細孔である。他方で、重量は活性物質の割合によって調整することができる。例えば、発泡剤を合目的に添加する場合鉄含有量2%以下の発泡ガラス粒状体粒子の80%が水に浮かぶ一方、鉄含有量8%以上では粒状体粒子の80%が水に沈むことが判明した。
【0085】
水溶性骨材の溶解によって可溶可能な(ミクロまたはマクロ)細孔が発泡ガラス中に存在する場合、有利には、水を充填したばら材料の比重量は水溶性塩の溶解前が約1000kg/m3、水溶性塩の溶解後が1000kg/m3超に調整することができる。そのことから、被浄化水中での粒状体の重力もしくは浮遊高さに基づいて使用済みばら材料と新鮮なばら材料との自動的分離が引き起こされる。
【0086】
水に浮遊する浄水用ばら材料にとって鉄の割合は粒状体内の乾燥重量の3〜6重量%が望ましい。
【0087】
鉄の割合が乾燥重量の6重量%超であると約3mmの最適な細孔寸法が得られる。それに加えて粒状体は磁力で調節することができる。これは、別の汚れ物質を有する懸濁液から発泡ガラスの微小粒子を磁石で分離するのに利用することができる。この利点は、発泡ガラス中に含有された鉄が水の有害物質処理に利用されない場合にも利用することができる。
【0088】
鉄ドープ焼結ガラス粒状体または発泡ガラス粒状体は、水性懸濁液から微細常磁性粒子を除去するのにも適している。その応用分野は例えば鉄鉱石の精製にあり、しかし排水分野(製鉄所等)にもあり、微細酸化鉄含有汚泥の分離にある。そのような汚泥が発生するのは、有害物質の吸着を目的に鉄粉末が排水中に分散させられたときである。この汚泥を引き続き(有利には凝集剤なしにまたは手間のかかる機械的濾過なしに)再び排水流から取り除くために、本発明に係る鉄ドープばら材料を有する濾床内での磁気分離が考慮に値する。磁界を懸濁液の極力「近傍」に近づけるために、懸濁液を流通させる磁化可能なばら物は磁極の間に配置される。次に粒状体中に存在する鉄粒子(例えば鋼屑)に、懸濁液中に存在する常磁性粒子が磁力で結合される。磁界は周期的に切られ、ガラスマトリックス中に埋封された磁化鉄粒子で分離された材料が洗い流される。高い磁界勾配を形成するために、ばら物鉄粒子の「鋭い」表面もしくは稜が優先される。それゆえに本発明の好ましい1実施形態において沈積物は粒状体内の磁化可能な、但し不錆の鉄屑(例えば0.5〜5mm)からなる。本発明に係るばら材料は磁化性の他に抽出濾過性がきわめて良好で、活性表面が大きいという利点を有する。
【0089】
本発明に係る浄水用ばら材料は微粒状粉末として排水流中に分散させることもでき、それが鉄を含有している限り、引き続き磁石によって排水流から取り除くことができる。
【0090】
本発明に係る浄水用ばら材料は多段浄化施設の特に最終段において排水浄化に利用することができる。最近の施設においてこの段は砂濾過器からなり、これは周期的に逆洗されまたは連続的に循環させて再生される。本発明に係る浄水用ばら材料は活性濾材としてこの純機械的濾材に取り代わる。それはその鉄成分のゆえになお残存するリン酸塩と重金属を結合する。大きな表面、高い機械的強さ、僅かな比重量がばら材料(発泡ガラスまたは非発泡焼結ガラス)に対してこのような濾過段で利用するのに優れた適性を付与する。浄水用ばら材料の一部は連続的に抽出し、新鮮なもしくは再生されたばら材料と取り替えることができる。抽出されたばら材料は化学的に、または主に熱で再生される。
【0091】
本発明に係る浄水用ばら材料は、ヒ素、アンチモン、水銀、セレン、クロム酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機塩素化合物(塩素化炭化水素、殺虫剤等)等の有害物質を結合するために飲料水の精製でも利用することができる。若干数の内分泌有害物質と有機錯生成剤はFe0が存在するゆえにこのような濾過器で結合または破壊される。
【0092】
浄水用ばら材料は雨水の精製にも使用することができる。例えば、金属で覆われた屋根から流れ落ちる雨水の精製が考えられる。それが浸み込みまたは下水道に導かれる前に、この雨水から特に銅、鉛、スズ、亜鉛を分離することができる。
【0093】
Fe0は、担体材料中への鉄の結合にかかわりなく、内分泌有害物質を結合または破壊するのにも使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0094】
図1が線図を示しており、そのy軸はスイス技術的有害物質条令による酸性溶出液中の物質濃度値を、溶出液1リットル当り有害物質1ミリグラムにおける有害物質について示す。x軸には試料内の金属鉄の重量割合が百分率で示してある。線図は4つの試料の測定値、つまり鉄を添加しない発泡ガラスであるゼロ試料、鉄成分1重量%(1%)の第1試料、鉄成分2重量%(2%)の第2試料、鉄成分3重量%(3%)の第3試料の測定値を示す。アンチモンの測定値はゼロ試料では0.052mg/L、第1試料では0.037mg/L、第2試料では0.018mg/L、第3試料では0.011mg/Lである。ヒ素の測定値はゼロ試料では0.081mg/L、第1試料では0.032mg/L、第2試料では0.005mg/L、第3試料では0.008mg/Lである。
【0095】
それゆえに、発泡ガラス体を製造するための粉末混合物に2〜3重量%の鉄粉末を添加することによってヒ素についての不活性物質限界値(0.01mg/l)は守ることができる。
【0096】
上記結果をもたらす実験は以下の如く実施される。
【0097】
4つの試料すべての原料として98%の廃ガラス粉末と発泡ガラス製造生産からの2%の発泡剤との混合物が利用される。ここでは本出願人の発泡ガラス生産の原料が使用される。試料の廃ガラス粉末は10mg/kgのアンチモンと11mg/kgのヒ素とを含有しており、これらがガラス中で固定されている。この混合物200gの各1つの試料中に1%、2%もしくは3%の工業的品質の鉄粉末が混入される(つまり2g、4g、6g)。金属鉄粉末は平均粒径が100マイクロメートル以下である。本発明に係る粉末弧混合物からなる3つの試料がマッフル炉内で発泡され、冷却後に本発明に係る発泡ガラス体を生じる。これらの発泡ガラス体が2〜6mmの粒径に造粒される。これと平行して、鉄を添加しないゼロ試料で同様に処理される。ゼロ試料と本発明に係る3つの試料のこれら粒状体のそれぞれ100gが24時間かけて1Lの水に頭頂から振動注入される(スイスTVAによる「酸性溶出液」)。引き続きアンチモン濃度とヒ素濃度が4つの溶出液中で測定される。
【0098】
結果が図1に示してある。鉄3%の本発明に係る製品は溶出液中のアンチモン濃度がゼロ試料に比べて80%減少している。ヒ素濃度は90%減少しさえした。
【0099】
図2に示す発泡ガラス体21は粉末混合物を約700〜900度に加熱することによって得られた発泡ガラス11製である。この温度において鉱物性発泡剤がガスを発生し、このガスはその間に液化したガラス内で気泡13、15の態様で捕捉されたままである。気泡寸法は同じ個所で発生されたガス量に一致し、層厚が大きい場合圧力比のゆえに深部にある気泡は上部にある気泡よりも平均して多少小さい。発泡されたガラスは冷却によって硬化し、気泡は完全密閉細孔として耐圧発泡体内に留まる。
【0100】
符号13とされたマクロ細孔はその直径がほぼ1/10〜5mmで測定される。このマクロ細孔が発泡ガラス体21の主容積を形成する。マクロ細孔の間に発泡ガラス11からなる壁12が存在している。この壁12は10マイクロメートル範囲オーダのミクロ細孔を含有している。この壁12中に活性物質も埋封されており、活性物質は発泡ガラスを焼成する過程で発泡ガラス中に閉じ込められる。図2の例に、白円で強調された鉄粒子17を見ることができる。これはきわめて微粒状である(約30μm)。鉄粒子は、その粒直径が約3mmである発泡ガラス‐粒状体粒21内で捕捉されている。粒は比重量が1100kg/m3である。この重量は一方で鉄の高い比重量と他方でミクロ細孔による浮力とのゆえに生じる。粒の比重量は発泡ガラス中のミクロ細孔の数と鉄の割合とを調整することによって制御可能である。
【0101】
図示した両方のマクロ細孔の場合、鉄粒子17は内部空間に突き当たる。マクロ細孔の細孔表面19に沿って流れる水が鉄と接触する。水中に存在する有害物質はこの接触時に結合または破壊される。考えられる幾つかの作用機構は上で述べた。
【0102】
図3は、強く希釈された水溶液から銅もしくは亜鉛を取り除く2つの実験シリーズの結果を示す。呈示されるのは鉄粉末4%をドープされた発泡ガラスである。この発泡ガラス20gが6mmの粒径に造粒され、160mlの重金属溶液で「頭頂から」振動注入される。重金属含有溶液はそれぞれ10mg/Lの銅と10mg/lの亜鉛を含有している。周期的に溶液から試料を取り出し、重金属含有量が分析される。溶液中の重金属含有量が短時間のうちに著しく減少することを図3にはっきり認めることができる。1時間弱の処理時間後、浄化された溶液は既に飲料水の品質である。
【0103】
図4に略示した発泡ガラス粒状体21は平均的マクロ細孔の直径よりも小さく砕かれる。それゆえに粒状体中でミクロ細孔だけは割られていない。これにより粒の表面はきわめて大きい。それにもかかわらずその比重量は小さい。表面に鉄粒子17が分布している(円として図示)。鉄粒子の相互距離のゆえに、ばら物内で鉄粒子の堆積の結果として水用流通穴が閉塞される虞は生じない。そのことから、寿命全体にわたってばら材料の事実上一定した有効性が保証される。
【0104】
それに加えて、1つの粒内に1つの水溶性粒27の1つの介在物が示してある。図示された粒では、まだ割られていない細孔を開く必要がない。それにもかかわらず、水溶性粒は壁のガラスマトリックス中に閉じ込められている。水溶性粒は酸化マグネシウムであり、浄水作用する。活性炭または水溶性塩の介在物も同様の外観であり、これらは密閉細孔が開くのを遅らせるためにガラス粉末と発泡剤とからなる粉末混合物に加えることができる。
【0105】
図5の図示は、発泡剤なしにガラス粉末を焼結するときガラス粒子が無空洞塊へと溶解しないとの推測に一部依拠している。軟化されまたは液状のガラス粒子の間に空気介在物が存在し、焼結体21’の固化後にも空気介在物が維持されるものと前提する。図示された空気介在物は確かに過大に示してある。空気介在物の大きさと数は焼結温度と砕かれたブロー成形ガラスの粒径とに応じて調節可能である。焼結ガラス用には有利には発泡ガラスにおけるよりも大きな粒が出発製品において使用される。図5から明らかとなるように、非発泡焼結体21’は活性物質17の粒子が均一に混入し、場合によっては空洞15’が混入している。空洞15’は発泡ガラス体21中の空洞15とは異なり球形でなく、かなり小さい。水を流通可能なまたは有害物質または活性物質を容易に通すことのできるラビリンスを空洞が形成すると推測される。いずれにしても本発明に係る非発泡焼結体を使った実験結果は意外なほどに良好であり、排水浄化時に活性物質の鉄は粒状体の表面で認められるだけのものよりもはるかに大きな面が有効であると推測されるほどである。
【0106】
図6と図7の線図には水汚染の実験例の結果が示してある。本発明に係る発泡粒状体を使った実験結果が、焼結しただけの本発明に係る粒状体を使った第2実験の結果と比較される。
【0107】
発泡粒状体製造用原料としてミサポール(Misapor)社の粉砕ガラス(粒径<0.2mm)が使用される。ミサポールの粉砕ガラスがボールミル内で2%のSiCおよび8%の鉄粉末(製造業者:ロコル(Rocholl))と混合され、引き続き陶器ポットに入れてマッフル炉内で発泡される。
【0108】
焼結されるだけの粒状体の原料として使用されるのはジョークラッシャ内で粉砕される廃ガラス(粒径0.355〜0.5mm)。ジョークラッシャ内で粉砕されたガラスはやはり8%の同じ鉄粉末(製造業者:ロコル(Rocholl))および21mlの脱塩水と手操作で混合され、引き続き陶器ポットに入れてマッフル炉内で焼結される。
【0109】
出発製品の粒径、発泡剤の割合、混合物中の金属鉄と水、実験量、粒状体の粒径、両方の焼結の温度と滞留時間は、以下の表から読み取ることができる。
【0110】
【表1】

【0111】
使用される銅溶液は以下の性質を有する:濃度1000mg/lCu(標準溶液 メルク(Merck))のHNO3中のCu(NO3)2が脱塩水で10mg/lCuの濃度に希釈される。その際、銅溶液のpH値〜2.5が得られる。
【0112】
両方の実験において以下の如く処理される:各粒状体の15gが上記銅溶液120mlと一緒に容器に入れられる。容器が頭頂振動発生器内で固定される。頭頂振動発生器を16rpmの回転速度で回転させる。容器から5分、10分、20分、40分後にそれぞれ10ml溶液の試料を取り出す。このため頭頂振動発生器は短時間停止される。
【0113】
その都度取出した溶液でpH値を測定する。
【0114】
溶液は次に1mlの1モルHNO3溶液で酸性化し、10分間放置する。この10分間に溶液を時々振動させる。次に溶液を濾過し(濾紙:シュライヘル&シュル(Schleicher & Schuell))、最後に原子吸光分析計で分析する。図6に示す銅濃度は5分、10分、20分、40分後に取り出した試料で測定される。
【0115】
意外なことに、発泡ガラスと焼結ガラスはほぼ同様に良好な成果を収めることを確認することができる。運動力学に些細な違いを確認できるだけである。
【0116】
密閉細孔または開放細孔発泡ガラスと非発泡焼結ガラスは本発明によればそのなかに閉じ込められた例えば鉄粉塵、鉄屑、活性炭または酸化マグネシウム等の活性物質用の担体材料として利用され、砕かれて粒状体にされると、要約することができる。密閉細孔発泡ガラスからなる粒状体は耐圧性で軽く、砕かれた細孔の凹面状細孔表面からなる迅速に有効な大きな表面を有する。粒状体の細孔寸法と比重量は製造時に調整可能である。非発泡焼結ガラスからなる粒状体は高い圧縮強さと高い比重量とを有し、巨視的に視認可能な表面が小さいにもかかわらず発泡ガラス粒状体と同様に有効である。粒状体の生産は大規模工業的に、リサイクルガラス屑から経済的に行うことができる。粒状体は浄水用ばら材料として利用することができる。
【0117】
利用分野は例えば、地下水、汚染された泉水または地表水からの飲料水精製、特に濾過特性を有する最終段として、また重金属およびリン酸塩を結合するための排水処理である。さらに、降水、特に屋根または道路の水を浄化するのに使用することができる。粒状体は化学的、熱的に再生可能である。再生された製品は新たな発泡ガラスへと発泡し、または非発泡焼結ガラスへと焼結することができ、その後、コンクリート骨材または周辺断熱材等の建設材料として、または再び浄水用ばら材料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】4つの試料の測定値による酸性溶出液中の物質濃度を示す線図である。
【図2】密閉細孔発泡ガラスとそのなかに埋封された鉄粒子との断面拡大図である。
【図3】スイス「技術的廃棄物条令」(TVA)、附録1による頭頂溶出液中の有害物質濃度推移を示す表である。
【図4】2つの粒状体粒子とその表面の割られたマクロ細孔の内面との略図である。
【図5】ガラス粉末と活性粒子とから焼結した本発明に係る非発泡粒状体粒の研磨面の略部分図である。
【図6】発泡ガラス使用時の推移と焼結しただけの本発明に係る粒状体粒子使用時の推移とを比較した溶液中の銅濃度の動向線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕ブロー成形ガラスから焼結された焼結体(21、21’)の砕片からなる粒状体であって、粒状体(21、21’)の砕かれた表面に少なくとも1つの活性物質(17、27)の多数の介在物を有し、この活性物質(17、27)が粒として焼結体(21、21’)中に埋封されており、かつ有害物質、特に水中に懸濁しまたは溶存する有害物質に接触すると有害物質と相互作用することができる粒状体。
【請求項2】
粒化活性物質(17、27)を粉砕ブロー成形ガラスと混合し、引き続きこの混合物の1つの層を焼結し、引き続き焼結層を砕くことによって製造される請求項1記載の粒状体。
【請求項3】
活性物質、特に金属鉄が、主として1マイクロメートル〜2000マイクロメートル、主に10マイクロメートル〜200マイクロメートルの粒径で存在することを特徴とする請求項1または2記載の粒状体。
【請求項4】
活性物質が金属態様の鉄(17)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項5】
活性物質としての鉄と20〜1000マイクロメートル、主に20〜500マイクロメートル、特別好ましくは40〜400マイクロメートル、特に50〜200マイクロメートルの鉄平均粒径とを特徴とする請求項4記載の粒状体。
【請求項6】
0.5〜8重量%、主に1〜4重量%の微粒状金属鉄含有量を特徴とする請求項4または5のいずれか記載の粒状体。
【請求項7】
介在物が微粒状で均一に分布していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項8】
焼結体(21、21’)が空洞(13、15、15’)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項9】
ガラスがガラス屑から得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項10】
焼結体(21)が発泡されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項11】
発泡が、発泡時に還元作用する発泡剤で達成されることを特徴とする請求項10記載の粒状体。
【請求項12】
粒状体(21)が発泡ガラス(11)から砕かれ、その外表面が実質的に、割られた発泡ガラス細孔(13、15)の細孔表面(19)の複数の凹面状部分領域によって形成されていることを特徴とする請求項10または11のいずれか記載の粒状体。
【請求項13】
発泡ガラス(11)がマクロ細孔(13)と、マクロ細孔(13)の間に壁(12)にミクロ細孔(15)を有し、粒状体(21)が密閉ミクロ細孔(15)を有することを特徴とする請求項12記載の粒状体。
【請求項14】
粒状体(21)が密閉細孔発泡ガラス(11)から砕かれることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項15】
少なくとも発泡ガラス粒状体(21)の粒径に一致した発泡ガラス(11)の最大細孔寸法を特徴とする請求項10〜14のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項16】
2N/mm2超、主に4N/mm2超、特別好ましくは6N/mm2超の発泡ガラス砕片の圧縮強さを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項17】
発泡ガラス(11)中に埋封された粒子(27)の態様の活性物質としての水溶性骨材(27)を特徴とする先行請求項のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項18】
酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムが水溶性骨材(27)として発泡ガラス(11)のガラスマトリックス中に埋封されていることを特徴とする請求項17記載の粒状体。
【請求項19】
粒状体中に鉄粒子(17)がチップとして存在する先行請求項のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項20】
ステンレス鋼からなる鉄粒子(17)が粒状体中に存在することを特徴とする請求項19記載の粒状体。
【請求項21】
活性物質として活性炭の粒子(27)が粒状体中に存在することを特徴とする先行請求項のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項22】
活性物質としてゼオライトの粒子(27)が粒状体中に存在することを特徴とする先行請求項のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項23】
アルミニウム粉末、マグネシウム粉末の1つまたは複数が付加的に粒状体中に存在することを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項24】
ハロゲン化合物、酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩またはリン酸塩が、特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたは鉄のそれらが、活性物質として粒状体中に存在することを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項25】
水を充填された粒状体の比重量1000±200kg/m3を特徴とする請求項1〜24のいずれか1項記載の特に浄水用の粒状体。
【請求項26】
乾燥重量の6重量%超、主に6〜20、特別好ましくは7〜10重量%の金属鉄成分を特徴とする請求項1〜25のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項27】
発泡ガラスが粉末混合物から焼成されており、この粉末混合物がガラス粉末、熱の作用下にガスを発生する発泡剤、微粒状活性物質、特に金属鉄粉末を含むことを特徴とする請求項8記載の粒状体。
【請求項28】
すべての砕片の共通する粒径が粉塵と64mmとの間、好ましくは1〜32mmであることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項記載の粒状体。
【請求項29】
2〜8mm、好ましくは2〜4mmの粒径を特徴とする請求項28記載の特に水精製用の粒状体。
【請求項30】
請求項1〜28のいずれか1項記載の粒状体を有するばら材料において、粒径が例えば粉塵と64mmとの間、好ましくは1mm〜32mmの粒度曲線、特にフラー粒度曲線を特徴とするばら材料。
【請求項31】
焼結ガラス粒状体を製造する方法であって、ガラス粉末がブロー成形ガラス、特にガラス屑から製造され、ガラス粉末と粒化活性物質が互いに混合され、その活性物質が、一時的に約900度に加熱後に有害物質、特に水中に懸濁しまたは溶存する有害物質と接触時に有害物質と相互作用することができ、そこから帰結する粉末混合物が炉内で加熱され、こうして焼結されたガラスが引き続き冷却され、砕片に砕かれるようになった方法。
【請求項32】
ガラス粉末と活性物質が水と混合され、湿潤混合物が焼結されることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
ガラス粉末と、熱の作用下にガスを発生する微粒状発泡剤と、粒化活性物質とが互いに均一に混和され、混合物が炉内で発泡される、発泡ガラスを製造するための請求項31記載の方法。
【請求項34】
活性物質が鉄粉末であり、鉄粉末の平均粒径が主に20〜1000マイクロメートル、好ましくは20〜500マイクロメートル、特別に好ましくは40〜400マイクロメートルであり、または50〜200マイクロメートルでもあることを特徴とする請求項31〜33のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
発泡ガラスの製造が還元性条件下で行われることを特徴とする請求項32〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
請求項1〜29のいずれか1項記載の粒状体または請求項30記載のばら材料の、無機結合または有機結合建設材料製造用、特に発泡ガラスコンクリート製造用骨材としての使用。
【請求項37】
請求項1〜9および17〜29のいずれか1項記載の非発泡粒状体の、無機結合または有機結合建設材料製造用、特に焼結ガラスコンクリート製造用骨材としての使用。
【請求項38】
請求項10〜16のいずれか1項記載の粒状体または請求項30記載のばら材料の、例えば周辺断熱、排水、斜面保護または路線工事へのばら物での使用。
【請求項39】
請求項10〜16のいずれか1項記載の発泡粒状体または請求項30記載のばら材料の、特に地下水、地表水または飲料水と接触する環境工学上敏感な分野、例えば水利工事、地下工事または地上工事における使用。
【請求項40】
請求項1〜9および17〜29のいずれか1項記載の非発泡粒状体の、特に地下水、地表水または飲料水と接触する環境工学上敏感な分野、例えば水利工事、地下工事または地上工事における使用。
【請求項41】
請求項1〜29のいずれか1項記載の粒状体または請求項30記載のばら材料の、工業用または公共の多段浄化施設で排水処理することへの使用。
【請求項42】
懸濁粒子を濾過して取り除くためにおよび/または溶存有害物質を結合するために粒状体が最終段階で利用される請求項41記載の使用。
【請求項43】
請求項1〜29のいずれか1項記載の粒状体または請求項30記載のばら材料の、飲料水を精製し雨水を精製しまたは道路排水を精製することへの使用。
【請求項44】
排水または飲料水中の内分泌有害物質を破壊しまたは結合することへの金属鉄の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−506535(P2007−506535A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515625(P2006−515625)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000377
【国際公開番号】WO2004/113245
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(501402866)ミザポー・アーゲー (1)
【Fターム(参考)】