説明

焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備、廃熱回収方法、および焼結機システム

【課題】焼結鉱冷却装置の設備を高価なものとすることなく、かつ焼結鉱冷却装置の冷却能力を低下させることなく排出される排ガスの熱を有効に利用することができる焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備を提供すること。
【解決手段】焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備4は、焼結鉱冷却装置3の前半部分から発生した高温の排ガスが導かれる排気ダクト43と、排気ダクト43に設けられ、排ガスの廃熱を蒸気として回収するボイラ45と、焼結鉱冷却装置3の前半部分から発生した高温の排ガスを排気ダクト43に吸引するファン46とを有し、排気ダクト43は廃熱回収後の排ガスを焼結機2の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉原料として用いる焼結鉱を製造する焼結機に用いる焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備、廃熱回収方法、および焼結機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高炉原料として用いる焼結鉱を製造する焼結機は、循環移動するパレット上に焼結原料を装入し焼結原料層を形成し、前段部に設けられた点火炉にて焼結原料層中の炭材に点火し、空気を吸引しつつ炭材を燃焼させて、その際の燃焼熱によって焼結原料を焼結する。そして、得られた焼結鉱は、クラッシャーで粉砕された後、焼結鉱冷却装置の循環移動するパレット上に装入され、その間に空気が吹き付けられることにより冷却される。
【0003】
ところで、冷却装置に装入された当初の焼結鉱は600〜700℃という高温であり、多大なエネルギーを有するため、その廃熱を回収することが行われている。例えば、冷却装置の前半部分から排出される高温の排ガスを、簡易除塵器にて後段の設備に影響が出ない程度に簡易除塵した後、ボイラにて熱回収を行い、後段の集塵装置にて、大気へ放出可能なダスト濃度に除塵した後、大気に放出する技術(例えば、非特許文献1)や、冷却装置の前半部分から排出される高温の排ガスを簡易除塵器で簡易除塵した後、ボイラにて熱回収を行い、熱回収により温度の下がった排ガスを冷却装置の前半部分の冷却用ガスとして循環再利用する技術(例えば、特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭53−18041号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】第3版 鉄鋼便覧 第II巻 製鉄・製鋼 (1980年発行)p.94−104
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記非特許文献1の技術では、ボイラにて熱回収された後の排ガス中のダスト濃度を排出基準以下にするため、ボイラの後段に設置する集塵装置としては、マルチサイクロン、電機集塵機、バグフィルタ等の高性能なものを用いる必要があり、設備費が高くなるという問題がある。また、ボイラによる熱回収の効率の点から、熱回収後の排ガス温度は150℃以上とならざるを得ず、この150℃以上の排ガスを大気に放出することになるため、廃熱の有効利用という観点からは未だ不十分である。
【0007】
また、上記特許文献1の技術では、高性能の集塵装置を付加する必要がないが、上述したようにボイラにより熱回収された後の排ガスの温度は150℃以上であるため、前半部分の高温の焼結鉱の冷却を150℃以上の排ガスで行うこととなり、冷却性能が低下する可能性がある。したがって、冷却装置の後半部分の冷却能力に余裕がない場合には、冷却能力を増強する必要があり、また、前半部分の冷却ガス供給部が、高温のガスに耐えられない構造の場合、設備を高温に耐え得るものにする必要があり、設備が高価なものになるという問題がある。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高性能の集塵機を付加することなく、焼結鉱冷却装置の設備を高価なものとすることなく、かつ焼結鉱冷却装置の冷却能力を低下させることなく排出される排ガスの熱を有効に利用することができる焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備および廃熱回収方法、ならびにそのような廃熱回収設備を備えた焼結機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、無端移動式のパレット上に焼結原料を装入し、焼結原料に点火した後、前記パレットを移動させながらパレットに沿って複数配置された風箱を介して焼結原料に空気を供給することにより焼結原料中の炭材を燃焼させてその燃焼熱で焼結させ焼結鉱を製造する焼結機と、無端移動式のパレット上に焼結機で焼結されて粉砕された焼結鉱を装入し、前記パレットを移動させながら焼結鉱に冷却空気を供給して焼結鉱を冷却させる焼結鉱冷却装置とを有する焼結機システムにおいて、焼結鉱冷却装置の前半部分の高温の排ガスから廃熱を回収する、焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備であって、前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスが導かれる排気ダクトと、前記排気ダクトに設けられ、排ガスの廃熱を蒸気として回収するボイラと、前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスを前記排気ダクトに導くファンとを有し、前記排気ダクトは廃熱回収後の排ガスを前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給することを特徴とする焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備を提供する。
【0010】
上記第1の観点の設備において、前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に設けられたフードを有し、前記排気ダクトは、前記フードに接続されている構成をとることができる。また、前記フードは、前記焼結機の後半部分に設けることができ、その場合に、前記フードは、前記パレットの進行方向に沿って移動可能であることが好ましい。また、前記フードは、焼結機の前半部分に設けられることができる。
【0011】
本発明の第2の観点では、無端移動式のパレット上に焼結原料を装入し、焼結原料に点火した後、前記パレットを移動させながらパレットに沿って複数配置された風箱を介して焼結原料に空気を供給することにより焼結原料中の炭材を燃焼させてその燃焼熱で焼結させ焼結鉱を製造する焼結機と、無端移動式のパレット上に焼結機で焼結されて粉砕された焼結鉱を装入し、前記パレットを移動させながら焼結鉱に冷却空気を供給して焼結鉱を冷却させる焼結鉱冷却装置とを有する焼結機システムにおいて、焼結鉱冷却装置の前半部分の高温の排ガスから廃熱を回収する、焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法であって、前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスを排気ダクトに導き、排気ダクトに設けられたボイラにより導かれた排ガスの廃熱を蒸気として回収し、廃熱が回収された後の排ガスを前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給することを特徴とする焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法を提供する。
【0012】
上記第2の観点の方法において、前記廃熱が回収された後の排ガスを前記焼結機の後半部分に供給するようにすることができる。この場合に、前記排ガスの供給範囲を可変とすることが好ましい。また、前記廃熱が回収された後の排ガスを前記焼結機の前半部分に供給するようにすることができる。
【0013】
本発明の第3の観点では、無端移動式のパレット上に焼結原料を装入し、焼結原料に点火した後、前記パレットを移動させながらパレットに沿って複数配置された風箱を介して焼結原料に空気を供給することにより焼結原料中の炭材を燃焼させてその燃焼熱で焼結させ焼結鉱を製造する焼結機と、無端移動式のパレット上に焼結機で焼結されて粉砕された焼結鉱を装入し、前記パレットを移動させながら焼結鉱に冷却空気を供給して焼結鉱を冷却させる焼結鉱冷却装置と、焼結鉱冷却装置の前半部分の高温の排ガスから廃熱を回収する、焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備とを有する焼結機システムであって、前記廃熱回収設備は、前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスが導かれる排気ダクトと、前記排気ダクトに設けられ、排ガスの廃熱を蒸気として回収するボイラと、前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスを前記排気ダクトに吸引するファンとを有し、前記排気ダクトは廃熱回収後の排ガスを前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給し、前記焼結機システムは、前記焼結機の後半部分における排ガスからボイラにより廃熱を回収する焼結機廃熱回収設備をさらに有することを特徴とする焼結機システムを提供する。
【0014】
上記第3の観点のシステムにおいて、前記焼結機の後半部分における排ガスからボイラにより廃熱を回収する焼結機廃熱回収設備をさらに有し、廃熱を回収した後の排ガスを、前記焼結機の主排ガスダクトに供給するようにすることができる。
【0015】
上記第3の観点において、前記焼結機廃熱回収設備は、廃熱を回収した後の排ガスを、前記焼結機の前半部分に燃焼ガスとして供給するようにしてもよいし、前記焼結機の前半部分に供給するようにしてもよい。また、前記焼結機廃熱回収設備の前記ボイラへの給水温度を、前記焼結機の排ガスの酸露点以上とすることが好ましい。この場合に、前記焼結機廃熱回収設備の前記ボイラは、蒸発器を有し、節炭器および過熱器は設置されないことが好ましい。また、前記焼結機廃熱回収設備の前記ボイラと、前記廃熱回収設備の前記ボイラとは、共通の蒸気ドラムと共通の循環ポンプを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、焼結鉱冷却装置の前半部分における排ガスの廃熱をボイラにより蒸気として回収した後、その排ガスを焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給するので、焼結機に供給された排ガスを、焼結機排ガスの温度上昇、または焼結原料中の炭材の燃焼空気への顕熱の付与等に有効に利用することができるとともに、焼結鉱冷却装置の設備を高価なものとすることなく焼結鉱冷却装置の冷却能力の低下を抑制することができる。また、廃熱回収後の排ガスは焼結機の集塵装置で集塵されるので、廃熱回収設備自体に高価な集塵装置を付加する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る焼結機システムを示す概略構成図である。
【図2】図1の焼結機システムに用いた廃熱回収設備のボイラの構造を説明するための模式図である。
【図3】焼結機におけるウインドボックスの温度パターンのイメージについて、廃熱回収後の排ガスを供給しない場合(A)、焼結機の後半部分の最終ウインドボックスを含めた範囲に廃熱回収後の排ガスを供給する場合(B)、焼結機の後半部分の最終ウインドボックスを除いた範囲に廃熱回収後の排ガスを供給する場合(C)を比較して示す図である。
【図4】焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備のフードをパレットの進行方向に移動可能にした例を示す図である。
【図5】焼結機廃熱回収設備のボイラの構造を説明するための模式図である。
【図6】焼結機廃熱回収設備における焼結機の廃熱を回収するウインドボックスの範囲を調整する他の方式を説明するための概略構成図である。
【図7】焼結機廃熱回収設備における焼結機の廃熱を回収するウインドボックスの範囲を調整せずに、ボイラ出口の排ガス温度を管理する例を示す概略構成図である。
【図8】焼結機廃熱回収設備の排気ダクトを焼結機の前半部分に設けたフードに接続した例を示す概略構成図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る焼結機システムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る焼結機システムを示す概略構成図である。
【0019】
焼結機システム1は、焼結原料を焼結する焼結機2と、焼結機2で製造された焼結鉱を冷却する焼結鉱冷却装置3と、焼結鉱冷却装置3の前半部分から排出される排ガスの熱を回収する廃熱回収設備4と、焼結機2の後段における排ガスの熱を回収する焼結機廃熱回収設備5とを有する。
【0020】
焼結機2は、下方吸引式無端移動型のものであり、無端移動式のパレット11を有しており、そのパレット11上に、装入システム(図示せず)により焼結原料が装入され、焼結原料層13が形成されるようになっている。焼結原料としては、粉鉄鉱石に、CaOやSiO等を含む副原料、炭材等を混合・造粒して得られた擬似粒子を用いる。
【0021】
パレット11の移動経路の上方には点火炉12が設けられており、パレット11上の焼結原料(擬似粒子)がその点火炉12を通過する際に点火されて原料層13の焼結が開始される。
【0022】
パレット11の直下には、パレット11の進行方向に沿って、複数のウインドボックス(風箱)15が配列されており、各ウインドボックス15にはダクト16が接続されている。これにより、焼結原料層13の上方の空気がウインドボックス15およびダクト16により焼結原料層13を通過して吸引され、吸引された空気により炭材が燃焼し、その燃焼熱により焼結原料が焼結される。
【0023】
ダクト16は、水平に配置された主排ガスダクト17に接続されている。主排ガスダクト17には、集塵装置18、排風機19、煙突20が設けられており、排風機19により焼結原料層13の上方から吸引されたダストを含む空気が、ウインドボックス15、ダクト16を経て主排ガスダクト17に吸引されて集塵装置18に至り、ダストを取り除かれた排ガスが煙突20から排出される。
【0024】
パレット11の出口側には、クラッシャー21が設けられており、このクラッシャー21によりパレット11から落下した焼結鉱を粉砕する。クラッシャー21の下方には粉砕された焼結鉱のうち微粉をカットするスクリーン22が設けられており、スクリーン22上に残存した焼結鉱が焼結鉱冷却装置3に供給される。
【0025】
クラッシャー21には、排ガスダクト23が接続されている。排ガスダクト23には、集塵装置24、排風機25、煙突26が設けられており、排風機25により、クラッシャー25内からの排ガスが排ガスダクト23に吸引されて集塵装置24に至り、ダストを取り除かれた排ガスが煙突26から排出される。
【0026】
上記焼結鉱冷却装置3は、無端移動式のパレット31を有しており、そのパレット11上に、焼結機2からの粉砕された焼結鉱33がシュート32により装入され焼結鉱33の層が形成されるようになっている。
【0027】
パレット31の直下には、パレット31の進行方向に沿って、複数のウインドボックス(風箱)35が配列されており、各ウインドボックス35には送風ダクト36が接続されている。そして、送風ダクト36には冷却ファン37が接続されており、冷却ファン37から送風ダクト36およびウインドボックス35を介してパレット31上の焼結鉱33に冷却空気が送られ、焼結鉱33が冷却されるようになっている。そして、パレット31の出口側にはコンベア(図示せず)が設けられており、100℃以下程度まで冷却された焼結鉱がパレット31からコンベアへ排出され、高炉へ搬送される。
【0028】
上記廃熱回収設備4は、焼結機2から排出された600〜700℃という高温の焼結鉱33に、焼結鉱冷却装置3において冷却のための空気を供給した際に発生する高温の排ガスから廃熱を回収するためのものであり、焼結鉱冷却装置3の前半部分におけるパレット31移動経路の上方に設けられたフード41と、焼結機2のパレット11の移動経路上方であって、複数のウインドボックス(風箱)15のうち少なくとも最終のものを除いたものに対応する部分に設けられたフード42と、高温の焼結鉱33に冷却ファン37から空気が供給されることにより生成され、フード41に集められた排ガスを排出するとともに、その排ガスをフード42に供給する排気ダクト43と、排気ダクト43に設けられた簡易除塵器44と、排気ダクト43の簡易除塵器44の下流側に設けられ、簡易除塵器44で簡易除塵された排ガスの廃熱を回収するボイラ45と、排気ダクト43のボイラ45の下流側に設けられ、排ガスをフード41側からフード42側へ導くファン46とを有している。
【0029】
図1の例では、フード42は、焼結機の後段部分であって、複数のウインドボックス(風箱)15のうち最終のものを除くものに対応する位置に設けられている。具体的には、最後から2番目のウインドボックスから5個分に対応する位置にフード42が設けられているが、これに限定されるものではない。なお、フード42は、ウインドボックス15の個数の3分の1程度の個数分に対応する位置に設けられていることが好ましい。

【0030】
ボイラ45は、図2に示すように、排気ダクト43からの高温の排ガスが供給される本体61を有し、本体61内には、いずれも伝熱管で構成された過熱器62、蒸発器63、節炭器64が設けられている。蒸発器63には蒸気ドラム65内の水がポンプ66により循環されるようになっている。そして、本体61内を流れる高温の排ガスにより蒸発器63内の水が蒸気に変換され蒸気ドラム65に返戻される。すなわち、排ガスの廃熱が蒸気として回収され、回収された蒸気が蒸気タービンに供されて発電等に利用される。過熱器62は、蒸気ドラム65内の蒸気を加熱して過熱蒸気にするものであり、節炭器64は、蒸気ドラム65に供給する水を本体61内の熱流により加熱するためのものである。
【0031】
上記焼結機廃熱回収設備5は、主排ガスダクト17に接続された排気ダクト51と、排気ダクト51に設けられた簡易除塵器52と、排気ダクト51の簡易除塵器52の下流側に設けられ、簡易除塵器52で簡易除塵された排ガスの廃熱を回収するボイラ53と、排気ダクト51の下流側に設けられたファン54とを有している。排気ダクト51は、主排ガスダクト17における最終のウインドボックスに対応する位置に吸引端が接続され、主排ガスダクト17のボイラ53のパレット11進行方向下流側に排出端が接続されている。そして、焼結機2の後半部分の所定の範囲のウインドボックス15に接続されたダクト16を介して廃熱を回収する。
【0032】
この焼結機廃熱回収設備5では、ファン54により、焼結原料層13の後段側からウインドボックス15、ダクト16、主排ガスダクト17、および排気ダクト51を介して、ボイラ53に高温の排ガスを供給する。ボイラ53では、排ガスの廃熱が蒸気として回収される。蒸気は蒸気タービンに供され、発電等に利用される。ボイラ53で廃熱が回収された後の排ガスは、主排ガスダクト17へ供給され、集塵装置18でダストを取り除かれた後、煙突20から排出される。
【0033】
ボイラ53は、ボイラ45と同様に構成されていてもよいが、後述するように蒸発器のみを有しているほうが好ましい。
【0034】
以上のように構成された焼結機システム1においては、循環移動するパレット11上に焼結原料を装入し焼結原料層13を形成し、点火炉12にて焼結原料層13中の炭材に点火し、焼結原料層13の上方から、排風機19により空気を吸引しつつ炭材を燃焼させて、その際の燃焼熱によって焼結原料を焼結する。そして、得られた焼結鉱をクラッシャー21で粉砕し、焼結鉱冷却装置3に供給する。
【0035】
焼結鉱冷却装置3のパレット31上に供給された焼結鉱33は、600〜700℃という高温であるから、冷却ファン37により送風ダクト36、ウインドボックス35を介して空気を供給することにより焼結鉱33を冷却し、冷却された焼結鉱33をコンベアに排出して高炉へ搬送する。
【0036】
一方、焼結鉱冷却装置3の前半部分では、焼結鉱33は600〜700℃という高温であるため、これに冷却のための空気を供給すると高温の排ガスが発生する。このため、廃熱回収設備4により焼結鉱33を冷却した後の高温の排ガスから廃熱を回収する。廃熱回収設備4ではフード41に接続された排気ダクト43を介してボイラ45に高温の排ガスを供給する。ボイラ45では、高温の廃熱により蒸発器63に流れる水が蒸気とされ、排ガスの廃熱が蒸気として回収される。この蒸気は、蒸気タービンに供されて発電等に利用される。
【0037】
ボイラ45には、400℃程度の排ガスが供給され、廃熱が回収された後の排ガスは、150℃以上、典型的には200℃程度である。このようにボイラ45により廃熱を回収された後の排ガスも未だ高温であるため、これを有効利用することが求められる。ただし、この際に、焼結鉱冷却装置の設備を高価なものとすることなく、かつ焼結鉱冷却装置の冷却能力を低下させないことが要求される。また、ボイラ45から排出された排ガスはダストを含んでおり、これを大気中に放出しようとすると排ガス中のダスト濃度を排出基準以下にするため、高性能で高価な集塵装置が必要となる。
【0038】
そこで、これらを一気に解決する手法として、本実施形態では、廃熱回収設備4において、排気ダクト43をフード42に接続し、焼結鉱冷却装置3から排出された高温の排ガスをボイラ45により熱回収するとともに、焼結機2の熱回収後の排ガスを複数のウインドボックス(風箱)15のうち後段部分でかつ少なくとも最終のものを除いたものに対応する部分に供給するようにした。
【0039】
すなわち、ボイラ45により熱回収した後の150℃以上、典型的には200℃の排ガスを焼結機2の後半部分に供給することにより、焼結機2において高温排ガスの領域が増加し、排ガス温度も上昇するので、焼結機2において有効な廃熱回収量を増加させることができ、焼結鉱冷却装置3の廃熱回収設備4で熱回収した後の排ガスを有効利用することができるが、最終のウインドボックスまで高温の排ガスを供給する場合には、温度の高い焼結鉱33が焼結鉱冷却装置3に供給されることとなり、焼結鉱冷却装置3の冷却能力が低下してしまう。このため、少なくとも最終のウインドボックスを除いた部分に排ガスを供給するようにして、焼結機2での熱回収量を増加させつつ焼結鉱冷却装置3の冷却能力を低下させないようにした。また、廃熱回収後の排ガスは焼結機2の集塵装置24で集塵されるので、廃熱回収設備4自体に高価な集塵装置を付加する必要がなくなる。
【0040】
一方、焼結機2においては、後段に配置された焼結機廃熱回収設備5により排ガスの廃熱回収が行われる。この焼結機廃熱回収設備5では、ファン54により主排ガスダクト17の後端から排気ダクト51を介してボイラ53に高温の排ガスを供給する。ボイラ53では、廃熱回収設備4のボイラ45と同様、排ガスの廃熱が蒸気として回収され、その蒸気が蒸気タービンに供されて発電等に利用される。ボイラ53で廃熱が回収された後の排ガスは、主排ガスダクト17の下流側へ供給され、集塵装置18でダストを取り除かれた後、煙突20から排出される。
【0041】
このように焼結機2の後半部分から排出される高温の排ガスが循環して廃熱回収されることにより、排ガス温度が低下するため、焼結鉱冷却装置3から熱回収した後の排ガスを焼結機2に戻さない場合には、このような温度が低下した排ガスにより主排ガス温度がより低下する可能性がある。焼結機主排ガス中にはSOxが含まれており、温度低下により主排ガス温度が酸露点以下に低下して主排ガスダクト17、集塵装置18、ファン19が低温腐食しないように熱回収量を調整・制限する必要があり、運転状況によっては低温腐食が発生してしまう。
【0042】
これに対し、本実施形態では、焼結機2の後半部分において、焼結鉱冷却装置3の廃熱回収設備4からの150℃以上の排ガスが供給されて、焼結機2からの排ガスの高温となる領域が広がるので、廃熱回収後の焼結機2の主排ガス温度が酸露点以下に低下することを防止することができる。このため、主排ガスダクト17や集塵器18等の腐食を生じさせることなく焼結機2の廃熱を回収することができる。
【0043】
図3に、焼結機2におけるウインドボックスおよび焼結鉱冷却装置3の温度パターンのイメージについて、廃熱回収後の排ガスを供給しない場合(A)、焼結機2の後半部分の最終ウインドボックスを含めた範囲に廃熱回収後の排ガスを供給する場合(B)、焼結機の後半部分の最終ウインドボックスを除いた範囲に廃熱回収後の排ガスを供給する場合(C)を比較して示す。なお、図3の(a)は焼結機2におけるウインドボックスの温度パターンを示し、(b)は焼結鉱冷却装置3の温度パターンを示す。図3に示すように、廃熱回収後の排ガスを供給しない場合(A)には、焼結機2の後段部分の排ガス温度が低いため、焼結機2の排ガスの廃熱回収を行うことにより焼結機2の主排ガス温度が酸露点以下になるおそれがある。一方、焼結機2の後半部分の最終ウインドボックスを含めた範囲に廃熱回収後の排ガスを供給する場合(B)には、焼結機2の後段部分の排ガス温度が高いため、廃熱回収後の焼結機2の主排ガス温度が酸露点以下になるおそれはないが、温度の高い焼結鉱が焼結鉱冷却装置3に供給されて焼結鉱冷却装置3の冷却能力が低下するおそれがある。これに対して、焼結機の後半部分の最終ウインドボックスを除いた範囲に廃熱回収後の排ガスを供給する場合(C)には、焼結機2の後段部分の排ガス温度が高く維持されるが、最終ウインドボックスに対応する部分の温度が低下して焼結鉱冷却装置3に供給される焼結鉱の温度が(B)の場合よりも低下するため、焼結鉱冷却装置3の冷却能力を低下させずに、廃熱回収後の焼結機2の主排ガス温度が酸露点以下になることを防止することができる。
【0044】
焼結機廃熱回収設備5における焼結機2の廃熱を回収するウインドボックス15の範囲は、ファン54を制御することにより調整することができる。すなわち、ファン54の出力を大きくするほど排気ダクト51側に吸引されるウインドボックス15の範囲が広くなり、ファン54の出力を小さくするほど排気ダクト51側に吸引されるウインドボックス15の範囲が狭くなるので、焼結機2の主排ガスの温度が酸露点以上になるようにファン54の出力を調整すればよい。
【0045】
また、フード42を設ける範囲、つまり廃熱回収設備4からの排ガスの供給範囲は、廃熱回収後の焼結機2の主排ガス温度が酸露点以下に低下しないような範囲で、かつ、焼結機2から排鉱される焼結鉱の温度が適当な値となる範囲とすることが好ましい。少なくとも最終のウインドボックスを除いた範囲であればよいが、焼結鉱冷却装置3の冷却能力を十分なものとしたい場合には、最終のウインドボックスを含めて2以上のウインドボックスを除いてフード42を設けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、図4に示すように、フード42を、アクチュエータ71によってパレット11の進行方向に沿って移動可能な構造とし、廃熱回収設備4からの排ガスの供給範囲を変更可能とすることにより、焼結機2におけるウインドボックス温度パターンや排鉱温度、主排ガス温度を調整可能とすることもできる。これにより、焼結機の廃熱回収部位や回収ガス量は一定のままで、主排ガス温度を変化させることができ、主排ガス温度を管理することができる。
【0047】
主排ガスダクト17や集塵器18等の腐食のみならず、ボイラ53等の腐食をも防止する観点からは、ボイラ53への給水温度を排ガス酸露点以上(略110℃以上)に確保することが好ましい。このためには、ボイラ53に節炭器を設けないことが好ましい。ボイラは、通常、熱流蒸発器の他に、その上流側に過熱器、その下流側に節炭器を設置されているが、節炭器を設置しないことにより、蒸発器には高温の熱水が供給されるので、ボイラ53への給水温度を排ガス酸露点温度以上とすることができ、ボイラ53等の腐食を防止することができる。また、節炭器を設置しないことによりボイラ53出口のガス温度を高温化することができ、主排ガス温度を酸露点温度以上とすることがより容易となる。ボイラ53に節炭器を設置しても、給水温度が酸露点以上(略110℃以上)であればボイラ53等の腐食は生じない。この場合、ボイラ53出口の排ガス温度は、蒸発器での蒸発量との関係で決定され、実効的には200℃近くにまでしか下がらない。
【0048】
また、ボイラ53には過熱器を設置しないことが好ましい。すなわち、ボイラ53は、図5に示すように、本体81内に蒸発器82のみを設けることが好ましい。蒸発器82には蒸気ドラム83内の水がポンプ84により循環され、本体81内を流れる高温の排ガスにより蒸発器82内の水が蒸気に変換され蒸気ドラム83に返戻される。すなわち、排ガスの廃熱が蒸気として回収され、回収された蒸気が蒸気タービンに供されて発電等に利用される。
【0049】
これにより設備がよりシンプル化するのみならず、焼結鉱冷却装置3側の廃熱回収設備4の給水量や過熱器供給量が増加し、ボイラ45の排ガス温度を下げることができるので、焼結鉱冷却装置3側の廃熱回収設備4の廃熱回収量を増加させることができる。さらに、ボイラ45の排ガス温度が低下することにより、焼結鉱冷却装置3の廃熱回収対象領域を増加させることができるので、より多くの熱回収が可能となる。
【0050】
さらに、焼結鉱冷却装置3における廃熱回収設備4のボイラ45と、焼結機2における焼結機廃熱回収設備5のボイラ53とについて、蒸気ドラムを共通にするとともに、蒸発器へ水(蒸気)を強制的に循環させる循環ポンプも共通にすることが好ましい。これにより、設備をシンプルにすることができ、設備費削減、メンテナンスの容易化、制御の容易化を実現することができる。
【0051】
なお、上述した例では、焼結機廃熱回収設備5における焼結機2の廃熱を回収するウインドボックス15の範囲を、ファン54を制御することにより調整するようにしたが、ファン54を設ける代わりに、図6に示すように、主排ガスダクト17の後段部分において、各ウインドボックス15の間に対応する位置に複数の遮断弁72を設置し、これらを切り替えることで廃熱回収領域を調整することもできる。
【0052】
また、このように焼結機廃熱回収設備5における焼結機2の廃熱を回収するウインドボックス15の範囲を調整するのではなく、図7に示すように、主排ガスダクト17の廃熱回収境界近傍に一個の遮断弁73を設置して、遮断弁73よりも後段部分のダクト16を廃熱回収域と非回収域とで切替可能にすることで、ボイラ53出口の排ガス温度を管理するようにしてもよい。
【0053】
上記例では、焼結機廃熱回収設備5の排気ダクト51を主排ガスダクト17に接続して、焼結機2で廃熱回収を行った後の排ガスを主排ガスダクト17に流すようにしたが、図8に示すように、焼結機2の前半部分(点火炉12の下流側)にフード81を設け、このフード81に焼結機廃熱回収設備5の排気ダクト51に接続してもよい。このようにした場合でも、焼結機2の排ガス温度を上昇させることができ、主排ガス温度が酸露点以下に低下するおそれを減らすことができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、廃熱回収設備4では、焼結鉱冷却装置3の前半部分の廃熱を回収した後、排ガスを複数のウインドボックス(風箱)15のうち少なくとも最終のものを除いたものに対応する部分であって、焼結機2の後段部分にフード42を設けた例を示したが、複数のウインドボックス(風箱)15のうち少なくとも最終のものを除いた部分であれば、これに限定されず、本実施形態では、図9に示すように、焼結機2の前半部分にフード42を設けて、廃熱回収設備4で廃熱を回収した後の排ガスを焼結機2の前半部分に供給して、焼結原料中の炭材の燃焼空気として有効利用することができる。
【0055】
すなわち、廃熱回収設備4からの200℃程度の排ガスの顕熱が燃焼空気に付与されることとなり、効率的な焼結を行うことができる。また、当然のことながら、本実施形態の場合にも第1の実施形態と同様、最終のウインドボックスの排ガス温度は上昇しないので、焼結鉱冷却装置3の冷却能力を低下させることはない。このように、本実施形態においても焼結鉱冷却装置の冷却能力を低下させることなく排出される排ガスの熱を有効に利用することができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、焼結鉱冷却装置の廃熱を回収した後の排ガスを焼結機の後半部分または前半部分に供給する例を示したが、焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分全体に供給してもよい。また、焼結機および焼結鉱冷却装置のパレットとして直線状に移動するものを用いたが、円形状に移動することで無端移動型としたものであってもよい。さらに、焼結鉱冷却装置において焼結鉱に冷却空気を送風するようにしたが、冷却空気を吸引するようにしてもよい。
【0057】
また、本発明は、上記実施形態の構成要素を全て具備している必要はなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、上記実施形態の構成要素を一部取り除いたものも本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0058】
1;焼結機システム
2;焼結機
3;焼結鉱冷却装置
4;焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備
5;焼結機廃熱回収設備
11;パレット
12;点火炉
13;焼結原料層
15;ウインドボックス
16;ダクト
17;主排ガスダクト
31;パレット
33;焼結鉱
35;ウインドボックス
36;送風ダクト
37;冷却ファン
41,42;フード
43;排気ダクト
44;簡易除塵器
45;ボイラ
46;ファン
51;排ガスダクト
52;簡易除塵器
53;ボイラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端移動式のパレット上に焼結原料を装入し、焼結原料に点火した後、前記パレットを移動させながらパレットに沿って複数配置された風箱を介して焼結原料に空気を供給することにより焼結原料中の炭材を燃焼させてその燃焼熱で焼結させ焼結鉱を製造する焼結機と、無端移動式のパレット上に焼結機で焼結されて粉砕された焼結鉱を装入し、前記パレットを移動させながら焼結鉱に冷却空気を供給して焼結鉱を冷却させる焼結鉱冷却装置とを有する焼結機システムにおいて、焼結鉱冷却装置の前半部分の高温の排ガスから廃熱を回収する、焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備であって、
前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスが導かれる排気ダクトと、
前記排気ダクトに設けられ、排ガスの廃熱を蒸気として回収するボイラと、
前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスを前記排気ダクトに導くファンと
を有し、
前記排気ダクトは廃熱回収後の排ガスを前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給することを特徴とする焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備。
【請求項2】
前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に設けられたフードを有し、前記排気ダクトは、前記フードに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備。
【請求項3】
前記フードは、前記焼結機の後半部分に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備。
【請求項4】
前記フードは、前記パレットの進行方向に沿って移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備。
【請求項5】
前記フードは、焼結機の前半部分に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備。
【請求項6】
無端移動式のパレット上に焼結原料を装入し、焼結原料に点火した後、前記パレットを移動させながらパレットに沿って複数配置された風箱を介して焼結原料に空気を供給することにより焼結原料中の炭材を燃焼させてその燃焼熱で焼結させ焼結鉱を製造する焼結機と、無端移動式のパレット上に焼結機で焼結されて粉砕された焼結鉱を装入し、前記パレットを移動させながら焼結鉱に冷却空気を供給して焼結鉱を冷却させる焼結鉱冷却装置とを有する焼結機システムにおいて、焼結鉱冷却装置の前半部分の高温の排ガスから廃熱を回収する、焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法であって、
前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスを排気ダクトに導き、排気ダクトに設けられたボイラにより導かれた排ガスの廃熱を蒸気として回収し、廃熱が回収された後の排ガスを前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給することを特徴とする焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法。
【請求項7】
前記廃熱が回収された後の排ガスを前記焼結機の後半部分に供給することを特徴とする請求項6に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法。
【請求項8】
前記排ガスの供給範囲を可変としたことを特徴とする請求項7に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法。
【請求項9】
前記廃熱が回収された後の排ガスを前記焼結機の前半部分に供給することを特徴とする請求項6に記載の焼結鉱冷却装置の廃熱回収方法。
【請求項10】
無端移動式のパレット上に焼結原料を装入し、焼結原料に点火した後、前記パレットを移動させながらパレットに沿って複数配置された風箱を介して焼結原料に空気を供給することにより焼結原料中の炭材を燃焼させてその燃焼熱で焼結させ焼結鉱を製造する焼結機と、
無端移動式のパレット上に焼結機で焼結されて粉砕された焼結鉱を装入し、前記パレットを移動させながら焼結鉱に冷却空気を供給して焼結鉱を冷却させる焼結鉱冷却装置と、
焼結鉱冷却装置の前半部分の高温の排ガスから廃熱を回収する、焼結鉱冷却装置の廃熱回収設備とを有する焼結機システムであって、
前記廃熱回収設備は、
前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスが導かれる排気ダクトと、
前記排気ダクトに設けられ、排ガスの廃熱を蒸気として回収するボイラと、
前記焼結鉱冷却装置の前半部分から発生した高温の排ガスを前記排気ダクトに吸引するファンと
を有し、
前記排気ダクトは廃熱回収後の排ガスを前記焼結機の少なくとも最終の風箱を除いた部分に供給し、
前記焼結機システムは、前記焼結機の後半部分における排ガスからボイラにより廃熱を回収する焼結機廃熱回収設備をさらに有することを特徴とする焼結機システム。
【請求項11】
前記焼結機廃熱回収設備は、廃熱を回収した後の排ガスを、前記焼結機の前半部分に燃焼ガスとして供給することを特徴とする請求項10に記載の焼結機システム。
【請求項12】
前記焼結機廃熱回収設備は、廃熱を回収した後の排ガスを、前記焼結機の前半部分に供給することを特徴とする請求項10に記載の焼結機システム。
【請求項13】
前記焼結機廃熱回収設備の前記ボイラへの給水温度を、前記焼結機の排ガスの酸露点以上とすることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の焼結機システム。
【請求項14】
前記焼結機廃熱回収設備の前記ボイラは、蒸発器を有し、節炭器および過熱器は設置されないことを特徴とする請求項13に記載の焼結機システム。
【請求項15】
前記焼結機廃熱回収設備の前記ボイラと、前記廃熱回収設備の前記ボイラとは、共通の蒸気ドラムと共通の循環ポンプを有することを特徴とする請求項14に記載の焼結機システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−251698(P2012−251698A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123815(P2011−123815)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(501120122)スチールプランテック株式会社 (49)
【Fターム(参考)】