説明

焼酎粕処理方法及び焼酎粕処理装置

【課題】実質的に化石燃料に依存せずに焼酎粕濃縮液を燃焼させて効率良く蒸気回収することができる焼酎粕処理方法及び焼酎粕処理装置を提供すること。
【解決手段】焼酎粕を固液分離した後の液側を濃縮して生成した焼酎粕濃縮液を、燃焼炉50内に向けて配置されたバーナー噴射装置51から前記燃焼炉50内に噴射して燃焼させ、その燃焼熱を利用して蒸気回収を行う。前記焼酎粕濃縮液には、バイオマス由来の油を添加することにより前記バーナー噴射装置51から噴射可能となる程度まで粘度を低下させた後、前記バーナー噴射装置51から噴射することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は焼酎粕処理方法及び焼酎粕処理装置に関し、詳しくは、焼酎粕濃縮液を燃焼させて燃焼熱から蒸気回収を行う焼酎粕処理方法及び焼酎粕処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、焼酎粕(蒸留残渣)の処理方法としては、特許文献1に記載のように家畜飼料等に利用する方法が知られている。焼酎粕の飼料化は、栄養価値の高い焼酎粕の再資源化として優れた方法であるが、乾燥のための熱源が必要となる。
【0003】
このような熱源を生成するには、専ら灯油等の化石燃料が使用されるため、特許文献1に記載の技術は化石燃料消費型の処理プロセスとなっている。
【0004】
ところで、化石燃料の使用は、その燃焼に伴って硫黄酸化物や窒素酸化物が発生し、大気汚染や酸性雨を引き起こす原因となるばかりでなく、化石燃料の燃焼によって発生する二酸化炭素は地球温暖化の大きな原因となっており、資源の有限性の観点のみならず、環境問題の観点からも、化石燃料使用量の低減化が大きな課題となっている。
【特許文献1】特開2000−125777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、焼酎粕をバイオマス燃料として利用する試みがなされている。本発明者らは、焼酎粕から固液分離された分離液を濃縮して濃縮液を生成し、その濃縮液を燃焼させることにより、その燃焼熱から蒸気回収を行うことを検討した。
【0006】
しかし、焼酎粕濃縮液は多くの水分を含んでいるため、これを燃焼するには多くの助燃剤が必要となる。また、焼酎粕濃縮液を燃焼させるためのバーナー等に供給する燃料も必要である。一般にこれら助燃剤や燃料には灯油等の化石燃料が使用されるため、化石燃料消費型の処理プロセスとなって、化石燃料使用量の低減化を図る上では好ましい方法とはいえない。
【0007】
そこで、本発明は、実質的に化石燃料に依存せずに焼酎粕濃縮液を燃焼させて効率良く蒸気回収することができる焼酎粕処理方法及び焼酎粕処理装置を提供することを課題とする。
【0008】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0010】
(請求項1)
焼酎粕を固液分離した後の液側を濃縮して生成した焼酎粕濃縮液を、燃焼炉内に向けて配置されたバーナー噴射装置から前記燃焼炉内に噴射して燃焼させ、その燃焼熱を利用して蒸気回収を行うことを特徴とする焼酎粕処理方法。
【0011】
(請求項2)
前記焼酎粕濃縮液に、バイオマス由来の油を添加することにより前記バーナー噴射装置から噴射可能となる程度まで粘度を低下させた後、前記バーナー噴射装置から噴射することを特徴とする請求項1記載の焼酎粕処理方法。
【0012】
(請求項3)
前記バイオマス由来の油を添加することにより、前記焼酎粕濃縮液の粘度を100cp以下とすることを特徴とする請求項2記載の焼酎粕処理方法。
【0013】
(請求項4)
前記バイオマス由来の油としてフーゼル油を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の焼酎粕処理方法。
【0014】
(請求項5)
前記バイオマス由来の油として植物油を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の焼酎粕処理方法。
【0015】
(請求項6)
前記焼酎粕濃縮液の含水率が50〜55wt%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼酎粕処理方法。
【0016】
(請求項7)
前記燃焼炉は竪型炉であり、前記バーナー噴射装置は、前記竪型炉の頂部又はその近傍に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼酎粕処理方法。
【0017】
(請求項8)
焼酎粕を固液分離した後の液側を濃縮して生成した焼酎粕濃縮液を燃焼させる燃焼炉と、
前記燃焼炉内に向けて前記焼酎粕濃縮液を噴射して燃焼させるバーナー噴射装置と、
前記燃焼炉内の燃焼ガスを導入して蒸気回収を行う廃熱ボイラーとを有することを特徴とする焼酎粕処理装置。
【0018】
(請求項9)
前記焼酎粕濃縮液を前記バーナー噴射装置に供給する前段に、該焼酎粕濃縮液にバイオマス由来の油を添加することにより前記バーナー噴射装置から噴射可能となる程度まで粘度を低下させる油添加手段を有することを特徴とする請求項8記載の焼酎粕処理装置。
【0019】
(請求項10)
前記油添加手段は、バイオマス由来の油を添加することにより、前記焼酎粕濃縮液の粘度を100cp以下とすることを特徴とする請求項9記載の焼酎粕処理装置。
【0020】
(請求項11)
前記バイオマス由来の油としてフーゼル油を用いることを特徴とする請求項9又は10記載の焼酎粕処理装置。
【0021】
(請求項12)
前記バイオマス由来の油として植物油を用いることを特徴とする請求項9又は10記載の焼酎粕処理装置。
【0022】
(請求項13)
前記燃焼炉は竪型炉であり、前記バーナー噴射装置は、前記竪型炉の頂部又はその近傍に配置されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の焼酎粕処理装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、実質的に化石燃料に依存せずに焼酎粕濃縮液を燃焼させて効率良く蒸気回収することができる焼酎粕処理方法及び焼酎粕処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る焼酎粕処理方法を実施するためのシステムの一例を示すフロー図である。
【0026】
酒造会社等において発生した焼酎粕(例えば芋焼酎粕)は、例えばタンクローリーにより処理設備に搬入され、原液貯留タンク1に貯留される。原液貯留タンク1は、腐敗防止のために例えばスチームコイルを内蔵しており、内部に貯留される焼酎粕原液の温度を60〜80℃に保っている。また、原液貯留タンク1には固形分の沈降防止のために攪拌機(図示せず)を設けることが好ましい。
【0027】
原液貯留タンク1に搬入される焼酎粕原液は、固形分濃度が約6〜10wt%の範囲である。
【0028】
原液貯留タンク1に貯留された焼酎粕原液は、図示しないポンプにより固液分離設備2に送られる。
【0029】
固液分離設備2では、原液貯留タンク1から送られた焼酎粕原液を固液分離し、固形分と液側(分離液)とに分離する。固液分離設備2において使用することのできる具体的な固液分離手段は特に問わず、例えばスクリュープレス、デカンタ、ロータリースクリーン等、一般に固液分離手段として用いられている装置を使用することができる。これらはいずれか一種を用いるものに限らず、例えばスクリュープレスで固形分と分離液とに一旦分離した後、分離液をデカンタによって更に固形分と分離液とに分離するという具合に、二種以上の固液分離手段を多段で使用することも好ましい。
【0030】
この固液分離設備2では、分離液の含水率が95wt%程度となるように焼酎粕原液を固液分離する。
【0031】
固液分離設備2で分離された分離液は濃縮設備3に送られると共に、固形分は乾燥設備4に送られる。
【0032】
濃縮設備3では、含水率95wt%程度の分離液を含水率50〜55wt%程度まで低下させる。このために用いられる具体的な濃縮手段としては多重効用缶が好ましい。
【0033】
また、焼酎粕の種類によっては、多重効用缶とドラムドライヤー等の他の蒸発器とを組み合わせた濃縮手段も好ましい。
【0034】
図2に多重効用缶を用いた濃縮設備3のフローを示す。
【0035】
多重効用缶31は、固液分離設備2において固液分離された焼酎粕の分離液を加熱蒸発させて濃縮する。図2では第1缶31a、第2缶31b及び第3缶31cからなる3重効用缶を用いているが、特に限定されない。
【0036】
第1缶31aは、蒸気供給ライン200によって供給される蒸気を熱源として焼酎粕の分離液を加熱蒸発させて濃縮する。第1缶31aにおいて濃縮された濃縮液は、配管311を介して第2缶31bに送られ、第1缶31aで発生した蒸気は蒸気管201を介して第2缶31bに送られ、これを熱源として更に加熱蒸発させて濃縮する。第2缶31bにおいて濃縮された濃縮液は、配管312を介して第3缶31cに送られ、第2缶31bで発生した蒸気は蒸気管202を介して第3缶31cに送られ、これを熱源として更に加熱蒸発させて、配管313から排出される焼酎粕濃縮液の含水率を55wt%程度まで低下させる。第3缶31cで発生した蒸気は蒸気管203を介して図示しない蒸留塔等に送られる。但し、焼酎粕の種類によっては、含水率55wt%までの脱水が、流動性等の点から困難となるため、これに他の濃縮手段を付加する必要がある。
【0037】
一方、固液分離設備2で分離された固形分は乾燥設備4に送られる。乾燥設備4には図示しない乾燥機を有している。乾燥機としては特に限定されないが、蒸気供給ライン200から供給される蒸気を熱源として加熱乾燥を行う乾燥機を用いることが好ましい。乾燥機では焼酎粕固形分をおよそ含水率12wt%程度まで乾燥させる。得られた乾燥物は家畜飼料等の有用な資源として飼料会社等に販売される。
【0038】
本発明において、濃縮設備3の後段には燃焼設備5が設けられており、濃縮設備3で得られた焼酎粕濃縮液は、この燃焼設備5に送られて焼却される。
【0039】
なお、一般に焼酎粕濃縮物は、図3の焼酎粕の含水率と発熱量との関係を表すグラフに示されるように、含水率が高くなるにつれて燃焼熱が低下する。従って、濃縮設備3で得られた含水率50〜55wt%の焼酎粕濃縮物でも十分な燃焼熱(例えば低位発熱量として2500kcal/kg)が得られない場合は、燃焼設備5の前段に乾燥設備(図示せず)を設けて、補助的に追加乾燥を行うようにしてもよい。また、含水率50〜55wt%までの含水率低下が困難な場合にも同様に乾燥設備を設けるようにしてもよい。
【0040】
図4は、焼酎粕濃縮液を燃焼させる燃焼設備5の模式図である。本発明において、燃焼設備5は焼酎粕濃縮液を燃焼させるための燃焼炉50を有している。
【0041】
燃焼炉50の構造は特に問わないが、中でも竪型炉を用いることが好ましい。焼酎粕濃縮液を例えば横型の床燃焼炉を用いて燃焼させる場合、焼酎粕に含まれるK塩やNa塩が炉壁に付着して次第に堆積するため、これら付着物を掻き出して除去する必要があるが、竪型炉の場合は、後述するように、燃焼によって生成される灰が炉内の底部に溜まるため、溜まった灰を容易に排出でき、省力化を図ることができるためである。以下、燃焼炉50として、このような竪型炉を使用した態様について説明する。
【0042】
竪型炉50は、ある程度の高さを有する筒状であり、図中、51は炉頂に設置された焼酎粕濃縮液を噴射するためのバーナー噴射装置、52は燃焼初期段階においてバーナー噴射装置51から噴射される焼酎粕濃縮液の噴霧液を着火させるために使用されるパイロットバーナー、53は高温の燃焼ガスを導くためのダクト55の接続部、54は炉内下部に溜まった灰を排出する排出口である。
【0043】
本発明では、濃縮設備3から送られる焼酎粕濃縮液を、バーナー噴射装置51によって炉内に直接噴射することを特徴としている。ここで、濃縮設備3から排出される焼酎粕濃縮液は含水率50〜55wt%程度であり、その粘度は15℃でおよそ370cp程度の高粘度である。従って、このままではバーナー噴射装置51から噴射することは困難であるため、バーナー噴射装置51から噴射する前段階において、例えば図1に示す油添加手段6によって油を焼酎粕濃縮液に添加することにより、バーナー噴射装置51から噴射可能となる程度に焼酎粕濃縮液の粘度を低下させて流動性を付与する。
【0044】
本発明において、かかる油は粘度低下を果たすものであり、従来のような助燃剤としての油ではない。このような粘度低下のための油としては、例えば灯油を用いることもできるが、化石燃料の低減化を図る観点からバイオマス由来の油を用いることがより好ましい。但し、灯油を使用する場合でも、単に粘度低下を目的とするため、従来のような助燃剤として添加する場合に比べて使用量は低減できる。
【0045】
バイオマス由来の油とは、現生生物体構成物質起源の資源から生成された油であり、化石資源ではない。
【0046】
このようなバイオマス由来の油としては、植物油や発酵副産物であるフーゼル油を好ましく用いることができる。特にフーゼル油は、焼酎の製造過程で生成されるものを利用することができる。
【0047】
植物油としては、菜種油、胡麻油、大豆油、オリーブ油、アーモンド油、ココナッツ油、パーム油、ホホバ油、小麦胚芽油、サフラワー油等が挙げられる。
【0048】
また、これら植物油やフーゼル油の他、動物油等も使用することができる。
【0049】
バイオマス由来の油は、これらのいずれか1種でもよいし、2種以上を混合させてもよい。
【0050】
かかる油の添加により、焼酎粕濃縮液の粘度をバーナー噴射装置51から噴射可能となる100cp以下、好ましくは30〜40cpとなるまで低下させる。このための油の添加量は、10〜20wt%とされる。
【0051】
かかる油の添加により流動性を付与した後、焼酎粕濃縮液を燃焼用空気と共にバーナー噴射装置51から竪型炉50内に向けて噴射し、その濃縮液の噴霧液に直接着火させて燃焼させる。燃焼初期の段階では、パイロットバーナー52からの火炎によってバーナー噴射装置51からの噴霧液を着火させるが、着火後はバーナー噴射装置51からの燃焼が継続されるため、パイロットバーナー52の使用は停止する。
【0052】
焼酎粕濃縮液は竪型炉50内においてバーナー噴射装置51から下向きに噴射されて燃焼される。バーナー噴射装置51は必ずしも炉頂に限らず、竪型炉50の頂部近傍であってもよく、竪型炉50の上方部位に設置されていればよい。
【0053】
燃焼設備5に竪型炉50以外の燃焼炉を使用する場合でも、バーナー噴射装置51は炉内の上方部位に設置されていることが好ましい。
【0054】
この態様では、焼酎粕濃縮液を燃焼する際にかかる竪型炉50を用い、バーナー噴射装置51から直接噴射して燃焼させているため、燃焼によって生成される灰は炉内の底部50aに溜まる。溜まった灰は排出口54からそのまま落下させて排出できるため、炉内から掻き出す等の面倒な作業は不要となり、省力化を図ることができる。また、灰中にはK塩やNa塩等の有価物を含むため、灰を回収することによりこれら有価物の回収も可能である。
【0055】
かかる燃焼設備5によって焼酎粕濃縮液を燃焼した際に発生する燃焼ガスは、ダクト55によって後段の高温サイクロン7で除塵処理をした後、廃熱ボイラー8に送られる。
【0056】
廃熱ボイラー8では、給水ライン100から供給される水を燃焼設備5から導入された燃焼ガスを用いて加熱することで蒸気を回収する。この蒸気は各種の熱源として利用される。
【0057】
また、廃熱ボイラー8から排出される熱交換済みの排ガスは、その後段のバグフィルター9に送られる。バグフィルター9では、廃熱ボイラー8から排出された排ガスを除塵し、集塵物を回収する。また、高温サイクロン7で排ガスと分離されたダストもバグフィルター9によって得られた集塵物と共に回収される。
【0058】
これらバグフィルター9及び高温サイクロン7から排出された集塵物中にも、K塩やNa塩等の有価物が含まれているため、これらの回収によって更に有価物が回収される。これら回収された有価物は、燃焼設備5から回収された有価物と共に業者に販売される。
【0059】
以上のように、本発明によれば、焼酎粕を固液分離した後の液側を濃縮して生成した焼酎粕濃縮液を、炉内に向けて配置されたバーナー噴射装置51から噴射して燃焼させるので、化石燃料に依存せずに焼酎粕濃縮液を効率良く燃焼させることができ、その燃焼熱を利用して蒸気回収を行うことにより、それまで蒸気を生成・回収するために必要とされていた化石燃料の消費量を大幅に低減することができる。
【0060】
また、燃焼設備として竪型炉50を使用すれば、燃焼により生成された灰は底部50aに溜まり、排出口54からまとめて落下させることにより容易に排出できるので、炉壁にK塩やNa塩が付着することによる障害を回避することができる。
【実施例】
【0061】
固液分離処理後の芋焼酎粕の分離液(含水率約95wt%)を3重効用缶で濃縮することにより、焼酎粕濃縮液(含水率50wt%)を得た。
【0062】
この焼酎粕濃縮液の性状を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
このほか、カリウム分の1%内外のナトリウム分を含有する。
【0065】
かかる焼酎粕濃縮液に粘度低下油として灯油を用い、表2に示す仕様で、竪型炉の炉頂に設けたバーナー噴射装置によって炉内に向けて噴射させて燃焼させ、その燃焼ガスを用いて廃熱ボイラーによって蒸気回収するプロセスを実施した。
【0066】
この結果、長期に亘って安定な燃焼を維持することができ、安定して蒸気を回収することができた。
【0067】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る焼酎粕処理方法を実施するための焼酎粕処理システムの一例を示すフロー図
【図2】濃縮設備の一例を示すフロー図
【図3】焼酎粕の含水率と発熱量との関係を表すグラフ
【図4】燃焼設備の一例を示す模式図
【符号の説明】
【0069】
1:原液貯留タンク
2:固液分離設備
3:濃縮設備
31:多重効用缶
31a:第1缶
31b:第2缶
31c:第3缶
311、312、313:配管
4:乾燥設備
5:燃焼設備
50:竪型炉
50a:底部
51:バーナー噴射装置
52:パイロットバーナー
53:接続口
54:排出口
55:ダクト
6:油添加手段
7:高温サイクロン
8:廃熱ボイラー
9:バグフィルター
100:給水ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼酎粕を固液分離した後の液側を濃縮して生成した焼酎粕濃縮液を、燃焼炉内に向けて配置されたバーナー噴射装置から前記燃焼炉内に噴射して燃焼させ、その燃焼熱を利用して蒸気回収を行うことを特徴とする焼酎粕処理方法。
【請求項2】
前記焼酎粕濃縮液に、バイオマス由来の油を添加することにより前記バーナー噴射装置から噴射可能となる程度まで粘度を低下させた後、前記バーナー噴射装置から噴射することを特徴とする請求項1記載の焼酎粕処理方法。
【請求項3】
前記バイオマス由来の油を添加することにより、前記焼酎粕濃縮液の粘度を100cp以下とすることを特徴とする請求項2記載の焼酎粕処理方法。
【請求項4】
前記バイオマス由来の油としてフーゼル油を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の焼酎粕処理方法。
【請求項5】
前記バイオマス由来の油として植物油を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の焼酎粕処理方法。
【請求項6】
前記焼酎粕濃縮液の含水率が50〜55wt%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼酎粕処理方法。
【請求項7】
前記燃焼炉は竪型炉であり、前記バーナー噴射装置は、前記竪型炉の頂部又はその近傍に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼酎粕処理方法。
【請求項8】
焼酎粕を固液分離した後の液側を濃縮して生成した焼酎粕濃縮液を燃焼させる燃焼炉と、
前記燃焼炉内に向けて前記焼酎粕濃縮液を噴射して燃焼させるバーナー噴射装置と、
前記燃焼炉内の燃焼ガスを導入して蒸気回収を行う廃熱ボイラーとを有することを特徴とする焼酎粕処理装置。
【請求項9】
前記焼酎粕濃縮液を前記バーナー噴射装置に供給する前段に、該焼酎粕濃縮液にバイオマス由来の油を添加することにより前記バーナー噴射装置から噴射可能となる程度まで粘度を低下させる油添加手段を有することを特徴とする請求項8記載の焼酎粕処理装置。
【請求項10】
前記油添加手段は、バイオマス由来の油を添加することにより、前記焼酎粕濃縮液の粘度を100cp以下とすることを特徴とする請求項9記載の焼酎粕処理装置。
【請求項11】
前記バイオマス由来の油としてフーゼル油を用いることを特徴とする請求項9又は10記載の焼酎粕処理装置。
【請求項12】
前記バイオマス由来の油として植物油を用いることを特徴とする請求項9又は10記載の焼酎粕処理装置。
【請求項13】
前記燃焼炉は竪型炉であり、前記バーナー噴射装置は、前記竪型炉の頂部又はその近傍に配置されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の焼酎粕処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−256226(P2008−256226A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95729(P2007−95729)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】