説明

照射位置補正方法、照射位置補正用具セット及びレーザ加工装置

【課題】レーザ照射位置を補正するための装置の小型化を可能にし、なおかつ、高精度に照射位置を補正できるようにする。
【解決手段】複数の光センサ104を配置した検出面105を有する照射位置検出装置103を、レーザ加工対象物が配置されるワーク面51上に配置し、前記検出面105をレーザ光45によって走査し、前記検出面105の光センサ104が前記レーザ光45によって照射されたときの前記レーザ光45の照射目標位置と前記光センサ104の位置とに基づいて、前記レーザ光45の照射目標位置と照射位置とのズレを補正する照射位置補正方法において、前記ワーク面51上での前記照射位置検出装置103の配置位置を、少なくとも1或いは複数の前記光センサ104が重なり合うように規定し、重なり合うべき前記光センサ104から得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、前記配置位置の各々での前記光センサ104の位置のズレを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光の照射位置のズレを補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
部品や製品等の加工対象物をレーザ光により走査して、この加工対象物の表面に印字やマーキング等のレーザ加工を行うレーザ加工装置が知られている。また、光硬化樹脂にレーザ光を照射して光硬化造形法により三次元形状の物体を造形する光造形装置も知られている。これらのレーザ加工装置、及び、光造形装置においては、加工対象物或いは光硬化樹脂をレーザ光で走査するための走査手段として、互いに直交するX軸、Y軸の2軸方向にレーザ光を偏向可能にするスキャナ装置と(例えばガルバノスキャナ装置)、焦点位置をZ軸方向で調整可能にするダイナミックフォーカスレンズやfθレンズを備えている。
【0003】
一般に、スキャナ装置と、fθレンズ等のフォーカス調整装置とを組み合わせてレーザ光の位置決めを行う場合、位置決めの軌跡に、ピンクッション歪みやfθレンズの光学設計上のリニアリティー誤差による歪み等が合成された幾何学的な歪みが生じることが知られている。そこで、従来においては、正方形の領域内に、等間隔にマトリクス状に並んだ座標点の座標値に基づき基板上にレーザ光線を照射し、穴あけを行い、それぞれの穴の位置を測定器を用いて測定し、測定結果と座標点の座標値とを比較処理することにより、歪んだ形状と元の正方形との差分を求め、正方形の領域内への所定の穴あけを行う変換後の座標値を補正することにより、歪みの誤差を含まない正確な座標点に対してレーザ光照射を可能にする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、基板上に穴あけを実際に行う事なく位置補正を可能にするために、光学素子を格子状に配置したレーザ光スポット位置確認板を、加工対象物を載置する加工テーブルに取り付け、このレーザ光スポット位置確認板に配置された光学素子からの光強度信号に基づいてレーザ光スポット位置を算出する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−174256号公報
【特許文献2】特開2001−334376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レーザ光スポット位置確認板を用いて照射位置を補正する場合、レーザ光スポット位置確認板が、少なくとも加工テーブルのワーク面全体を覆う程度の広さを有する必要がある。したがって、ワーク面の広さによっては、レーザ光スポット位置確認板が大型化し、運搬や設置が非常に大変になる、という問題がある。
レーザ光スポット位置確認板よりもワーク面が広い場合、レーザ光スポット位置確認板をワーク面内で移動させて、ワーク面全体に対してレーザ光スポット位置を算出することも可能である。しかしながら、この場合には、レーザ光スポット位置確認板の移動前後での測定結果の間にバラツキが生じる恐れがあり、高精度な補正が不可能になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、レーザ照射位置を補正するための装置の小型化を可能にし、なおかつ、高精度に照射位置を補正することができる照射位置補正方法、照射位置補正用具セット及びレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の光センサを配置した検出面を有する照射位置検出装置を、レーザ加工対象物が配置されるワーク面上に配置し、前記照射位置検出装置の検出面をレーザ光によって走査し、前記検出面の光センサが前記レーザ光によって照射されたときの前記レーザ光の照射目標位置と前記ワーク面上での前記光センサの位置とに基づいて、前記レーザ光の照射目標位置と照射位置とのズレを補正する照射位置補正方法において、前記ワーク面上での前記照射位置検出装置の複数の配置位置を、少なくとも1或いは複数の前記光センサが重なり合うように規定し、重なり合うべき前記光センサから得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、前記配置位置の各々での前記光センサの位置のズレを補正することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記照射位置補正方法において、前記配置位置の各々で前記照射位置検出装置を移動させたときに、重なり合うべき光センサのうちの1つの光センサが前記ワーク面上の同一の点に位置するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記照射位置補正方法において、前記照射位置検出装置の検出面に前記光センサを格子状に配置し、前記ワーク面上での前記照射位置検出装置の配置位置の各々を、少なくとも1列の前記光センサが重なり合うように規定し、前記配置位置の各々で前記照射位置検出装置を移動させたときに、重なり合うべき光センサのうちの少なくとも1つの光センサが前記ワーク面上の同一の点に位置するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記照射位置補正方法において、前記照射位置検出装置を移動させたときに前記ワーク面上の同一の点に位置する光センサを基準にして、前記レーザ光の高さ方向のズレを補正することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記照射位置補正方法において、前記光センサのそれぞれについての前記照射目標位置と前記照射位置との間のズレと、前記光センサの各々の配置関係とに基づいて、前記検出面の任意の位置での前記ズレを補正することを特徴とする。
【0011】
また上記目的を達成するために、本発明は、複数の光センサを配置した検出面を有し、レーザ加工対象物が配置されるワーク面上に配置されて前記検出面がレーザ光によって走査され、前記光センサの各々の検出信号を出力し、当該検出信号に基づいて、前記レーザ光の照射目標位置と照射位置とのズレを補正可能にするための照射位置検出装置と、前記ワーク面上に配置され、前記照射位置検出装置の複数の配置位置を、少なくとも1或いは複数の前記光センサが重なり合うように規定する載置ベース体と、を備え、重なり合うべき前記光センサから得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、前記配置位置の各々での前記光センサの位置のズレを補正可能にしたことを特徴とする照射位置補正用具セットを提供する。
【0012】
また上記目的を達成するために、本発明は、レーザ光を出力するレーザ装置と、前記レーザ光をワーク面に向けて偏向すると共に、前記ワーク面を前記レーザ光で照射するスキャナ装置と、レーザ加工処理に応じて前記スキャナ装置による照射位置を制御するコントロールユニットとを備え、前記コントロールユニットは、前記ワーク面をレーザ光で照射しつつ、請求項5に記載の照射位置検出装置の光センサの検出信号を受信して、前記レーザ光の照射位置の目標と、実際の照射位置との間のズレを補正することを特徴とするレーザ加工装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワーク面上での照射位置検出装置の複数の配置位置を、少なくとも1或いは複数の前記光センサが重なり合うように規定し、重なり合うべき光センサから得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、配置位置の各々での前記光センサの位置のズレを補正可能にするため、照射位置検出装置をワーク面内で移動させてワーク面全体でレーザ光の照射位置検出を行いつつ、照射位置検出装置の移動前後での光センサの位置ズレを補正した上でレーザ光の照射位置の補正が可能になる。これにより、ワーク面よりも小さい照射位置検出装置を用いて、当該ワーク面全体にわたりレーザ光の照射位置を高精度に補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るレーザ加工装置1の構成を示す図であり、図2は本実施形態に係る照射位置補正用具セット100を模式的に示す斜視図である。
レーザ加工装置1は、レーザ発振器2と、スキャナ光学装置3と、レーザ発振器2から放射されたレーザ光45をスキャナ光学装置3に導く光学素子たる1対のミラー4A、4Bとを備えており、これらが板状の石定盤5に載置され固定されている。
レーザ発振器2は、図示せぬレーザ共振器を内蔵する直方体形状の発振器本体20を有し、この発振器本体20の先端部20Aに開口したレーザ出射口21からレーザ光を出射する。このレーザ発振器2としては、固体レーザ発振器、液体レーザ発振器、気体レーザ発振器、半導体レーザ発振器、或いは、自由電子レーザ発振器などが用いられる。
【0015】
発振器本体20の底面には、先端部20A側及び後端部20B側のそれぞれに、石定盤5にねじ止め固定されたXYZ軸ステージ22が設けられている。石定盤5は、平面精度が非常に高いため、各XYZ軸ステージ22を調整することで、レーザ発振器2の光軸の微調整が可能となる。さらに、石定盤5は、熱伝導率が非常に小さいため、レーザ発振器2の発熱が他の光学要素に伝導し熱的影響を及ぼすことが抑制される。
【0016】
スキャナ光学装置3は、光学要素として、レーザ発振器2から出力されたレーザ光45の強度を変調するAOM(音響光学変調素子)30と、レーザ光45のZ軸上での焦点位置を調整するダイナミックフォーカスレンズ31と、レーザ光45をX軸、Y軸の2軸に偏向して加工対象物に照射するスキャナヘッド32とを備え、これらの光学要素が、ミラー4Bとの光軸を合わせるための直線状に延びた高さ調整用のステージ33に載置されている。
この高さ調整用のステージ33には、ダイナミックフォーカスレンズ31及びスキャナヘッド32の間に固定配置され、ダイナミックフォーカスレンズ31から出力された光を集光する集光レンズ34と、AOM30に入射するレーザ光45を整形する光学素子としての2組のレンズ35A、35Bとが取り付けられている。
【0017】
スキャナヘッド32は、底面が開口した箱型の筐体42を備えており、この筐体42の上部及び側部には、モータ41A、41Bが設けられている。
モータ41Aの回転軸52(駆動軸)は、図1における左右方向に延在しており、その先端には、レーザ光45を偏向するスキャナミラー40Aが取り付けられている。このスキャナミラー40Aは、モータ41Aの回転軸52をR方向(図2参照)へ適宜回動させることにより、ミラーの角度を変えられるようになっている。
一方、モータ41Bの駆動軸は、図1における上下方向に延在しており、その先端には、スキャナミラー40Aの偏向方向に対して所定の角度となる方向にレーザ光45を偏向するスキャナミラー40Bが取り付けられている。このスキャナミラー40Bは、モータ41Bの駆動軸を回動させることにより、ミラーの角度を変えられるようになっている。
これらのスキャナミラー40A、40Bは、筐体42の内部に配置されており、筐体42の側面には、その内部にレーザ光45を導くための図示せぬ導入口が形成されている。
【0018】
また、筐体42が配置された部分の高さ調整用ステージ33には、上記スキャナミラー40A、40Bにて偏向された光を出射する出射口43が設けられている。これにより、スキャナヘッド32、レンズ34及びこの出射口43によって、レーザ発振器2から出力されたレーザ光45を偏向する偏向モジュールが構成されている。この偏向モジュールによって偏向されたレーザ光45は、出射口43を通過して加工テーブル50へと向けられる。加工対象物は、加工テーブル50の上面50Aに設定されたワーク面51に配置され、少なくともワーク面51内でレーザ光を走査可能に構成されている。
【0019】
ダイナミックフォーカスレンズ31は、レーザ光45をスキャナヘッド32で偏向し対象物をレーザ光45で走査する際に、対象物の走査面におけるレーザ光45の照射スポット径を照射位置によらず略一定に維持するようにレーザ光45の焦点距離を可変するものである。ダイナミックフォーカスレンズ31は、図示せぬモータによってレンズ系が光軸方向に駆動され、レーザ光45の焦点距離が可変される。さらに、対象物が立体的な走査面の場合には、該走査面で焦点が合うように、ダイナミックフォーカスレンズ31がコントロールユニット6によって制御される。この図示せぬモータ、及び、上記スキャナヘッド32のモータ41A、41Bは、コントロールユニット6により制御されている。このコントロールユニット6は、走査面におけるレーザ光45の照射位置に基づいて焦点距離を調整すべく、ダイナミックフォーカスレンズ31のモータと、スキャナヘッド32のモータ41A、41Bとを互いに同期させながら制御する。なお、ダイナミックフォーカスレンズ31に代えてfθレンズを焦点距離調整手段として用いても良い。
【0020】
AOM30は、上記の通り、レーザ発振器2から出力された連続発振レーザ光、或いは、パルスレーザ光の強度変調を行うものであり、上記コントロールユニット6により制御されており、コントロールユニット6は、対象物の走査面におけるレーザ加工深度等の加工度合いを常に一定に維持すべく、スキャナヘッド32のモータ41A、41Bの駆動量によって規定されるレーザ光45の走査速度に応じて、レーザ光45の強度を可変する。すなわち、コントロールユニット6は、レーザ光45の走査速度が速い場合には、単位面積あたりのエネルギーが低下するためレーザ光45の強度もしくはレーザ光45の密度を高め、これとは逆に、走査速度が遅い場合にはレーザ光45の強度もしくはレーザ光45の密度を低める制御を行い、レーザ光45の走査時の単位面積あたりのエネルギーを略一定に維持する制御を行う。なお、上記レーザ光45の密度は、パルスレーザ光の単位時間当たりのパルス数により定義され、当該レーザ光密度を可変することで、単位面積当たりのレーザ光45のエネルギーを可変することができる。
【0021】
また、スキャナヘッド32のモータ41A、41Bには、スキャナミラー40A、40Bの回転量に応じたパルス数のデジタルパルス信号SA、SBをコントロールユニット6に出力するエンコーダ44A及び44Bが設けられている。
コントロールユニット6は、各デジタルパルス信号SA、SBをカウントし、このカウント値に基づいて、スキャナミラー40A、40Bの回転量を特定し、現在のレーザ光照射位置のXY座標値を特定する。
また、コントロールユニット6は、レーザ光の照射目標位置の目標値と現在のXY座標値との偏差を打ち消すように、モータ41A、41Bのそれぞれに出力してネガティブフィードバック制御を実行する。このように、コントロールユニット6においては、デジタルパルス信号SA、SBを出力するエンコーダ44A、44B、及び、コントロールユニット6によりクローズドループ制御系が構成されており、各モータ41A、41Bの駆動が高精度に補償される。これにより、高精度なモータ制御、すなわち、加工対象物の加工面における高精度な照射位置制御が実現される。
【0022】
このようなレーザ加工装置1としては、例えば、リモートレーザ溶接、ワーキングディスタンスが比較的長い光造形システム、高い描画精度が要求される描画システム(単なる製造年月日などの文字を認識するために描画されるものを除く)、太陽光発電用パネル加工などに使用することができる。
【0023】
ところで、上記のようなスキャナ光学装置3を用いた場合、ダイナミックフォーカスレンズ31やスキャナヘッド32の光学設計上の幾何学的な歪みにより、レーザ照射位置と、実際のレーザ照射位置との間にズレが生じる。
そこで、本実施形態においては、図2に示す照射位置補正用具セット100を用いてレーザ照射位置のズレを補正するための補正作業を行うこととしている。この補正作業は、例えば、レーザ加工装置1を新たに設置したときや、スキャナ光学装置3の光学素子を変更したり位置を調整する等のアライメントをしたときに行われる。
【0024】
照射位置補正用具セット100は、図2に示すように、加工対象物が配置される加工テーブル50のワーク面51上に載置される略正方形の板状の載置ベース体101と、この載置ベース体101の載置面102に載置され、ワーク面51内でのレーザ光の照射位置を検出するための照射位置検出装置103とを有している。
図3は、照射位置検出装置103の構成を示す図であり、図3(A)は照射位置検出装置103の平面図、図3(B)は照射位置検出装置103の側面図である。
図2及び図3に示すように、照射位置検出装置103は、レーザ光を検出するためのn×n個(図示例では7×7個)の光センサ104を一定ピッチ(例えば51mm)で格子状に配置した略矩形の検出面105を有している。
上記光センサ104の各々は、レーザ光45の照射に応じた電流値の検出信号を出力するものであり、上記検出面105に開口する格子状に設けられた凹部に各々嵌め込まれている。
【0025】
照射位置検出装置103の側面には、光センサ104の各々の検出信号を出力する出力コネクタ106と把持部107とが設けられており、さらに、照射位置検出装置103の検出面105には、ねじ込み式の取手108が着脱自在に設けられている。また、照射位置検出装置103の底面には、3箇所に、支持脚109が各々同一の高さに、ねじ込み固定されている。
上記出力コネクタ106からは、レーザ光45が照射されている光センサ104を特定可能な信号が出力されるようになっている。
【0026】
レーザ照射位置の補正作業時には、照射位置検出装置103の出力コネクタ106とコントロールユニット6とを信号ケーブルで接続する。そして、上記把持部107を把持しつつ取手108を掴んで照射位置検出装置103を載置ベース体101の載置面102に載置し、照射位置検出装置103を配置する。なお、この配置の仕方については、後に詳述する。
その後、コントロールユニット6によってレーザ発振器2及びスキャナ光学装置3を駆動して、照射位置検出装置103の検出面105をレーザ光で走査する。これにより、コントロールユニット6には、レーザ光45が光センサ104を照射したか否かを示す検出信号が照射位置検出装置103から入力され、このコントロールユニット6は、各光センサ104にレーザ光が照射されたときに目標としていた照射目標位置と、各光センサ104の位置から求められる実際の照射位置とのズレに基づいて、レーザ光45の照射位置のズレを補正する。
【0027】
具体的には、図4に示すように、照射位置検出装置103の検出面105は、加工テーブル50のワーク面51から、当該照射位置検出装置103の厚みや上記載置ベース体101(図4には図示せず)の厚みによる高さHの位置に配置される。
今、ワーク面51を基準にしてXYZ座標を設定すると共に、レーザ光45が照射している照射位置検出装置103の光センサ104の座標値をP(X1、Y1、Z1)(但しZ1=H)とし、このレーザ光45によって照射されるワーク面51の座標値をQ(X2、Y2、0)と表記する。
このとき、光センサ104の座標値Pが既知である場合には、照射位置検出装置103の検出面105へのレーザ光45の入射角(θ、φ)と、上記高さHとに基づいて、ワーク面51での照射点の座標値Qが特定される。これにより、照射位置検出装置103の光センサ104にレーザ光45が照射されたとき、この光センサ104の座標値から実際に照射されるワーク面51の照射位置が特定され、また、このとき照射目標としていた照射目標位置と、実際のワーク面51での照射位置とに基づいて、照射位置のズレが特定可能になる。
【0028】
コントロールユニット6には、加工テーブル50のワーク面51を基準とした照射位置検出装置103の光センサ104のそれぞれの座標値Pが予め格納されており、コントロールユニット6は、光センサ104の照射を上記検出信号によって検出した場合、この光センサ104の座標値Pに基づいて、ワーク面51の照射位置の座標値Qを算出し、この座標値Qと、光センサ104を照射したときに目標としていた照射目標位置とのズレを特定し、照射位置の補正を行うことになる。
このときコントロールユニット6は、光センサ104の各々の配置関係(本実施形態ではマトリクス状)と、各光センサ104での座標値の上記ズレとに基づいて、光センサ104間の任意の座標値におけるズレを補間等して算出し、検出面105、すなわち、ワーク面51上の任意の照射位置について、目標値と実際の座標値とのズレを補正する。
【0029】
ここで加工テーブル50のワーク面51が照射位置検出装置103よりも広い場合、ワーク面51の全領域についてレーザ照射位置の補正を行うべく、照射位置検出装置103を載置ベース体101の載置面102内で移動させて配置位置を可変することで、ワーク面51よりも小さい照射位置検出装置103により、広いワーク面51全体に亘ってレーザ光の照射位置の補正を行う。
【0030】
このとき、何ら対策を施さなければ、照射位置検出装置103のそれぞれの配置位置において光センサ104の位置を示す座標値が不明となり、光センサ104をレーザ光45で照射したときの照射位置が特定できなくなる。
さらに、照射位置検出装置103のそれぞれの配置位置において、検出面105の高さにバラツキが生じると、光センサ104の座標値から求めた実際のレーザ光45の照射位置の座標値Qに誤差が生じることとなり、正確な補正ができない。
【0031】
そこで、本実施形態の照射位置補正用具セット100においては、照射位置検出装置103をワーク面51に対して一意に配置して所定の座標値の位置に光センサ104が必ず配置されるようにするための機構、及び、照射位置検出装置103のそれぞれの配置位置において検出面105の高さを同一に維持するための機構が設けられており、これらの機構について詳述する。
【0032】
図5は、載置ベース体101の構成を示す平面図である。
載置ベース体101は、加工テーブル50の上面50Aと略同程度の大きさに形成されている。この載置ベース体101には、図5及び図2に示すように、加工テーブル50に載置されたときに加工テーブル50の側面と係合し当該加工テーブル50を挟み込む複数の係合片110が設けられている。
また、この載置ベース体101の載置面102には、照射位置検出装置103の底面に設けられた3つの支持脚109を受ける脚受け体120A〜120Cが設けられており、これらの脚受け体120A〜120Cに、照射位置検出装置103の支持脚109を係合させることで、載置面102における照射位置検出装置103の配置位置が一意に決定されるようになっている。
【0033】
したがって、載置ベース体101を加工テーブル50のワーク面51に載置したときには、上記係合片110によって加工テーブル50のワーク面51に対する載置ベース体101の取り付け位置が一意に定まり、また、この載置ベース体101に照射位置検出装置103を配置したときには、脚受け体120A〜120Cによって載置ベース体101に対する照射位置検出装置103の配置位置が一意に定まることとなる。これにより、加工テーブル50のワーク面51に対して照射位置検出装置103の配置位置が一意に決定され、照射位置検出装置103の各光センサ104が、コントロールユニット6が予め格納している座標値Pに正確に配置されることとなる。
【0034】
脚受け体120A〜120Cは各々異なる形状に形成されている。具体的には、脚受け体120Aは支持脚109との係合面に凹部121を有する軸体(凸部)としての円柱体、脚受け体120Bは支持脚109との係合面にV溝122が形成された直方体、脚受け体120Cは支持脚109との係合面が平らな直方体とされている。また、脚受け体120BのV溝122は、この脚受け体120Bと上記円柱状の脚受け体120Aを結ぶ直線に沿って延びる方向に形成されている。
【0035】
したがって、照射位置検出装置103の支持脚109のそれぞれを、脚受け体120A〜120Cに係合させたときには、円柱状の脚受け体120Aの凹部121に1本の支持脚109が嵌り込むことで当該脚受け体120Aを中心に回転可能になされるものの、他の1本の支持脚109が脚受け体120BのV溝122に嵌ることで、脚受け体120Aを中心とした回転が規制され配置位置が一意に決定される。
これにより、脚受け体120A〜120Cの相互の設置間距離に多少の寸法誤差があったとしても、脚受け体120BのV溝122の構造、及び、脚受け体120Cの平らな面構造により、その寸法誤差の影響を受けること無く、照射位置検出装置103を正確に所定の位置に配置することが可能になる。
【0036】
照射位置検出装置103の検出面105には、図2及び図3に示すように、互いに直交する方向の水平度を示す1対の水準器130、131が配設されており、これにより、検出面105の水平度が示される。検出面105の水平度を調整する際には、照射位置検出装置103の3本の支持脚109のそれぞれのねじ込み量を調整して高さを変更して調整し、少なくとも照射位置の補正作業には、検出面105全体が略水平になるように維持する。
【0037】
載置ベース体101は、正方形の平板状の4枚のベースパーツ140A〜140Dを縦横に2×2枚を中央に配置した連結板145によって連結して形成されており、運搬の際には、それらの連結を解いてベースパーツ140A〜140Dを重ね合わせてコンパクトにした状態で持ち運びが可能になっている。
図6は、連結板145の構成を示す図であり、図6(A)は連結板145の平面図、図6(B)は連結板145の側面図を示す。
連結板145は、略正方形の平板の基体147を有し、その基体147の面内には、4本の円柱状の上記脚受け体120Aが互いに同一の高さで立設されている。
ベースパーツ140A〜140Dのそれぞれには、連結板145の脚受け体120Aが貫通する貫通穴が形成されており、連結板145の脚受け体120Aを貫通穴に貫通させて各ベースパーツ140A〜140Dを連結板145に連結し、例えば六角ボルト等で各ベースパーツ140A〜140Dと連結板145とを締結する。
これにより、各ベースパーツ140A〜140Dにおいては、互いに同一の高さの脚受け体120Aが立設されるため、各ベースパーツ140A〜140Dに照射位置検出装置103を配置したときには、それぞれの配置位置において検出面105の高さを同一に維持することが可能になる。
【0038】
また、図5に示すように、ベースパーツ140A〜140Dのうち、加工テーブル50に係合する係合片110が互いに隣接する2枚を連結するように設けられており、連結が強固になされている。また係合片110は、連結板145の基体147と同一の厚みを持つ板部110Aを有し、この板部110Aが連結板145と同じ面内に配置されることで、ベースパーツ140A〜140Dを連結したときの各ベースパーツ140A〜140D間のガタツキを防止している。
【0039】
それぞれのベースパーツ140A〜140Dには、上記脚受け体120A〜120Cが設けられており、各ベースパーツ140A〜140Dのそれぞれで、脚受け体120A〜120Cによって照射位置検出装置103を一意の位置に配置可能になされている。
ただし、照射位置検出装置103をベースパーツ140A〜140D間で移動させたときに、照射位置検出装置103の配置位置が所定の配置位置からズレると、光センサ104の位置も所定の位置(座標値P)からズレるため、レーザ光45の照射位置の補正を正確に行うことができなくなる。
【0040】
そこで、本実施形態においては、照射位置検出装置103の配置位置のズレを次のようにして補正可能にしている。
すなわち、照射位置検出装置103の検出面105は、ベースパーツ140A〜140Dよりも一回り大きく形成されており、図7に示すように、各ベースパーツ140A〜140Dに照射位置検出装置103を配置した場合には、照射位置検出装置103の検出面105に格子状に配列された光センサ104のうちの1列の光センサ104(以下、重複列150と言う)が重なり合うようになされている。
【0041】
この重複列150は、照射位置検出装置103を移動した前後でワーク面51上で同一の位置に配置されるため、照射位置検出装置103がベースパーツ140A〜140Dのそれぞれで所定の位置に正確に配置されていれば、重複列150の光センサ104から得られるレーザ光45の照射目標位置も、照射位置検出装置103の移動前後で同一の値となる。
【0042】
これに対して、照射位置検出装置103の配置位置にズレが生じている場合には、図8に示すように、重複列150の光センサ104に重ならないものが生じるため、重複列150の光センサ104から得られるレーザ光45の照射目標位置に、照射位置検出装置103の移動前後で異なりが生じることとなる。
このとき、照射位置検出装置103の移動前後での照射目標位置の測定値の差は、照射位置検出装置103の配置位置のズレの大きさによって示され、また、照射目標位置の移動の方向によって照射位置検出装置103の配置位置のズレの方向が示される。
【0043】
したがって、コントロールユニット6は、重複列150の各光センサ104がレーザ光で照射されたときの各々の照射目標位置を、照射位置検出装置103の移動前後で比較することで、照射位置検出装置103の所定の配置位置からのズレの大きさ及び方向を特定し、そして、照射位置検出装置103の移動後の各光センサ104の位置を示す座標値Pに照射位置検出装置103のズレを加えて、実際に各光センサ104が配置されている座標値Pを算出し、この座標値Pを用いてレーザ照射位置の補正を行う。
これにより、照射位置検出装置103をベースパーツ140A〜140Dの間で移動させたときに、照射位置検出装置103の配置位置が所定の配置位置からズレたとしても、そのズレを補償した上で、レーザ照射位置の正確な補正が行われることとなる。
【0044】
ここで、上述の通り、ベースパーツ140A〜140D上で照射位置検出装置103の配置位置を規定する脚受け体120A〜120Cのうち、脚受け体120Aのみを連結板145に立設しているため、ベースパーツ140A〜140Dの間で照射位置検出装置103を移動させて配置位置にズレが生じたとしても、脚受け体120Aの近傍に位置する光センサ104の位置ズレは抑えられる。
また、この脚受け体120Aに係合させる照射位置検出装置103の支持脚109は、図8に示すように、重複列150の端部側に設けられており、さらに、各脚受け体120Aが、ベースパーツ140A〜140Dからなる載置ベース体101の略中央に互いに近接して配置されている。
【0045】
以上の構成により、ベースパーツ140A〜140Dの間で移動させたときに照射位置検出装置103の配置位置にズレが生じた場合であっても、図8に示すように、脚受け体120A(連結板145)近傍の光センサ104Aが、ワーク面51上の同一の点に常に位置し、また、照射位置検出装置103の配置位置のズレが、光センサ104Aを中心とした回転ズレとして生じることとなる。
【0046】
この回転ズレのズレ量である回転角φ及び回転方向は、重複列150の各光センサ104について移動前後の照射目標位置のズレ量(移動量)に基づいて、簡単かつ正確に算出することができ、また、このようにして算出した回転角φ及び回転方向により、各光センサ104の所定位置を示す座標値Pを一括して補正することで、各光センサ104が実際に配置されているワーク面51上の位置(座標値)を簡単、かつ、正確に算出することが可能となる。
【0047】
また、上述の通り、ベースパーツ140A〜140Dの間で照射位置検出装置103を移動させて配置位置にズレが生じたとしても、脚受け体120Aの近傍に位置する光センサ104AのXY平面内での位置ズレは勿論、Z軸方向(高さ方向)の位置ズレも抑えられる。したがって、この光センサ104Aを照射したときのレーザ光の照射目標位置を、当該光センサ104Aの位置(座標値P)に基づいて補正することで、X及びY方向のみならず、Z軸方向に対するレーザ光の照射位置のズレを正確に補正することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、ワーク面51上での照射位置検出装置103の配置位置を、重複列150の光センサ104が重なり合うように規定する構成としたため、照射位置検出装置103を移動したときに、重複列150の光センサ104から得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、照射位置検出装置103の移動後の光センサ104の位置のズレを補正することができる。
【0049】
これにより、照射位置検出装置103をワーク面51内で移動させてワーク面51全体でレーザ光の照射位置検出を行いつつ、照射位置検出装置103の移動前後での光センサ104の位置ズレを補正した上でレーザ光の照射位置の補正が可能となり、ワーク面51よりも小さい照射位置検出装置103を用いて、当該ワーク面51全体にわたりレーザ光の照射位置を高精度に補正することができる。
【0050】
さらに、本実施形態によれば、ベースパーツ140A〜140Dの間で照射位置検出装置103を移動させたときに、重複列150の1つの光センサ104Aがワーク面51上の同一の点に常に位置するようにしたため、照射位置検出装置103の配置位置のズレが、光センサ104Aを中心とした回転ズレとして生じることとなり、この回転角φ及び回転方向を検出するだけで、各光センサ104の位置ずれを一括して簡単、かつ、正確に補正することができる。
【0051】
特に、本実施形態によれば、重複列150の1列の光センサ104が重なり合うように照射位置検出装置103のそれぞれの配置位置を規定しているため、配置位置のズレを示す上記回転角φ及び回転方向を、重複列150の各光センサ104について移動前後の照射目標位置のズレ量(移動量)を求めるだけで簡単に算出することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、照射位置検出装置103を移動させたときにワーク面51上の常に同一の点に位置する重複列150の光センサ104Aを基準にして、この光センサ104Aを照射したときのレーザ光の照射目標位置を補正することで、Z軸方向に対するレーザ光の照射位置のズレを正確に補正することができる。
【0053】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0054】
例えば上述した実施形態において、レーザ加工装置1のコントロールユニット6に照射位置検出装置103の検出信号を入力してレーザ照射位置の補正を行ったが、これに限らず、レーザ照射位置補正専用のコンピュータを用いてレーザ照射位置の補正を行っても良い。すなわち、コンピュータに、コントロールユニット6と照射位置検出装置103とを接続し、コントロールユニット6からレーザ照射位置の目標値を入力し、また、照射位置検出装置103から光センサ104へのレーザ光照射の検出信号を入力する。
そして、コンピュータは、光センサ104へのレーザ光が照射されたとき、予め保持する光センサ104の座標値情報と、レーザ照射位置の目標値とのズレに基づいて補正値を算出し、この補正値をコントロールユニット6に利用可能に出力する。
また、コンピュータは、レーザ照射位置の目標値とのズレに基づいて補正値を算出する際に、重複列150の光センサ104から得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、照射位置検出装置103の移動後の光センサ104の位置のズレを補正する。
【0055】
また、上述した実施形態において、本発明をレーザ加工装置に適用した場合を例示したが、これに限らず、例えば光造形装置に本発明を適用しても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。
【図2】照射位置補正用具セットを模式的に示す斜視図である。
【図3】照射位置検出装置の構成を示す図であり、(A)は照射位置検出装置の平面図、(B)は照射位置検出装置の側面図である。
【図4】レーザ照射位置のズレの補正を説明するための図である。
【図5】載置ベース体の構成を示す平面図である。
【図6】連結板の構成を示す図であり、(A)は連結板の平面図、(B)は連結板の側面図を示す。
【図7】各ベースパーツ間で照射位置検出装置を移動させたときの光センサの重なりを説明するための図である。
【図8】照射位置検出装置の配置位置のズレを示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 レーザ加工装置
2 レーザ発振器
3 スキャナ光学装置
6 コントロールユニット
31 ダイナミックフォーカスレンズ
32 スキャナヘッド
45 レーザ光
50 加工テーブル
51 ワーク面
100 照射位置補正用具セット
101 載置ベース体
103 照射位置検出装置
104、104A 光センサ
105 検出面
109 支持脚
120A〜120C 脚受け体
140A〜140D ベースパーツ
145 連結板
150 重複列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光センサを配置した検出面を有する照射位置検出装置を、レーザ加工対象物が配置されるワーク面上に配置し、前記照射位置検出装置の検出面をレーザ光によって走査し、前記検出面の光センサが前記レーザ光によって照射されたときの前記レーザ光の照射目標位置と前記ワーク面上での前記光センサの位置とに基づいて、前記レーザ光の照射目標位置と照射位置とのズレを補正する照射位置補正方法において、
前記ワーク面上での前記照射位置検出装置の複数の配置位置を、少なくとも1或いは複数の前記光センサが重なり合うように規定し、
重なり合うべき前記光センサから得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、前記配置位置の各々での前記光センサの位置のズレを補正する
ことを特徴とする照射位置補正方法。
【請求項2】
請求項1に記載の照射位置補正方法において、
前記配置位置の各々で前記照射位置検出装置を移動させたときに、
重なり合うべき光センサのうちの1つの光センサが前記ワーク面上の同一の点に位置するようにした
ことを特徴とする照射位置補正方法。
【請求項3】
請求項2に記載の照射位置補正方法において、
前記照射位置検出装置の検出面に前記光センサを格子状に配置し、前記ワーク面上での前記照射位置検出装置の配置位置の各々を、少なくとも1列の前記光センサが重なり合うように規定し、
前記配置位置の各々で前記照射位置検出装置を移動させたときに、重なり合うべき光センサのうちの少なくとも1つの光センサが前記ワーク面上の同一の点に位置するようにした
ことを特徴とする照射位置補正方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の照射位置補正方法において、
前記照射位置検出装置を移動させたときに前記ワーク面上の同一の点に位置する光センサを基準にして、前記レーザ光の高さ方向のズレを補正する
ことを特徴とする照射位置補正方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の照射位置補正方法において、
前記光センサのそれぞれについての前記照射目標位置と前記照射位置との間のズレと、前記光センサの各々の配置関係とに基づいて、前記検出面の任意の位置での前記ズレを補正することを特徴とする照射位置補正方法。
【請求項6】
複数の光センサを配置した検出面を有し、レーザ加工対象物が配置されるワーク面上に配置されて前記検出面がレーザ光によって走査され、前記光センサの各々の検出信号を出力し、当該検出信号に基づいて、前記レーザ光の照射目標位置と照射位置とのズレを補正可能にするための照射位置検出装置と、
前記ワーク面上に配置され、前記照射位置検出装置の複数の配置位置を、少なくとも1或いは複数の前記光センサが重なり合うように規定する載置ベース体と、を備え、
重なり合うべき前記光センサから得られた照射目標位置の測定値のズレに基づいて、前記配置位置の各々での前記光センサの位置のズレを補正可能にした
ことを特徴とする照射位置補正用具セット。
【請求項7】
レーザ光を出力するレーザ装置と、
前記レーザ光をワーク面に向けて偏向すると共に、前記ワーク面を前記レーザ光で照射するスキャナ装置と、
レーザ加工処理に応じて前記スキャナ装置による照射位置を制御するコントロールユニットとを備え、
前記コントロールユニットは、
前記ワーク面をレーザ光で照射しつつ、請求項5に記載の照射位置検出装置の光センサの検出信号を受信して、前記レーザ光の照射位置の目標と、実際の照射位置との間のズレを補正する
ことを特徴とするレーザ加工装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate