説明

照明ユニット及び照明装置

【課題】複数連結可能であって、照明器具への取り付けが容易な照明ユニットを提供する。
【解決手段】照明ユニット1の照明ユニット本体10の長手方向には、それぞれ所定位置にねじ止め用孔113、123が穿設された板状の連結部11、12が形成されており、各連結部11、12を隣接する照明ユニット1の連結部12、11と重ねて連結する際に、当該重ねた連結部11、12に設けられたねじ止め用孔113、123が一致し、この部分にねじを挿通して、照明器具にねじ止めすることにより、照明ユニット1同士の連結と照明器具への固定とを同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を搭載した照明ユニットおよび当該照明ユニットを複数連結してなる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)などの半導体発光素子を光源とする照明装置が実用化されつつある。このような照明装置は、旧来の白熱電球や蛍光灯に比較して寿命と省エネルギーの点で極めて優れており、将来の照明装置の主流になると考えられている。
また、半導体発光素子を利用した照明装置は、単位となる発光素子モジュールを搭載した照明ユニットを複数個連結して、発光面や光量を所望の大きさに設定することができるので、その用途は広く、家庭用照明のみならず、例えば展示場などにおける各種ディスプレィなどにおいても威力を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−163907号公報
【特許文献2】特開2009−176899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、照明ユニットを連結して照明装置として組み立てるため、まず、照明ユニット同士を機械的に結合し、その後、これを照明器具本体や天井・壁などへ設置する作業が必要であり(以下、このような照明ユニットが設置されるべき対象を、「照明用基台」という。)、しかも、この設置作業の際、照明ユニット同士の良好な連結状態を維持しつつ慎重に扱う必要があり、作業性がよいとは言えない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、他の照明ユニットとの連結と、照明用基台への設置が容易な照明ユニットおよび当該照明ユニットを複数連結してなる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明ユニットは、発光素子を搭載した照明ユニットであって、隣接する他の照明ユニットと連結するため、ユニット本体から延設された板状の第1と第2の連結部を備え、前記第1と第2の連結部を、それぞれ隣接する他の照明ユニットの第2と第1の連結部に重ねた状態で連結されるように構成されており、各連結部には、当該重ねた状態で軸状の締結具が貫通する位置に貫通穴が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上の構成によれば、隣接する照明ユニットの第1と第2の連結部を重ねた状態で、連通した両連結部の貫通孔に軸状の締結具を挿通させて、それらが取り付けられるべき照明用基台に固定することが可能となる。これにより、照明ユニット同士の連結と照明用基台への取り付け作業を同時に行うことができ、照明装置の組立・設置における作業性が極めて向上する。
【0008】
また、本発明は、前記第1と第2の連結部の、他の照明ユニットの第2と第1の連接部と重なる面には、それぞれ、発光素子に給電するための第1と第2の導電端子が設けられており、他の照明ユニットの対応する連結部と重ねて連結したときに、それぞれの連結部に設けられた第1と第2の導電端子同士が接触して電気的に接続される構成となっていることを特徴とする。
【0009】
第1と第2の導電端子は、第1の連結部と第2の連結部の重なる面に設けられているため、隣接する照明ユニット同士を締結具で連結する際に、同時に給電路の電気的接続を確実に行うことができる。また、この構成によれば、第1の連結部側と第2の連結部側の各導電端子は、お互いに対向して反対方向に向く状態で設けられることになるので、連結の際、照明ユニットの方向を誤って、電極の極性を逆にして接続するようなことがなくなる。
【0010】
さらに、照明ユニットの筺体には、少なくとも一対の位置決め用突起と位置決め用穴が形成されており、連結時において隣接する一方の照明ユニットの位置決め用突起を他方の照明ユニットの位置決め用穴に挿入させることにより隣接する照明ユニット同士が位置決めされるように構成されると共に、前記第1と第2の導電端子と、前記発光素子の対応する電極とを結ぶ給電路のうち少なくとも一つの給電路には、前記位置決め用穴に挿入された位置決め用突起の先端に当接して当該給電路を電気的に導通させるスイッチ手段が介設されているとしてもよい。
【0011】
これにより、隣接する照明ユニット同士がきっちりと位置決めされている場合にのみ通電することができるので、連結時における作業ミスが判明しやすい。
ここで、前記照明ユニットの第1および/または第2の連結部における第1と第2の導電端子が露出した面を覆うカバー部材を備える構成としてもよい。
これにより連結部の露出した導電端子の保護と感電などの防止が図れる。
【0012】
また、ここで、前記カバー部材は、電源に接続される一対のリード線と、各リード線に接続され、前記第1と第2の導電端子にそれぞれ接触する第1と第2の給電端子を備える構成としてもよい。
これにより、カバー部材を介して、発光素子の点灯用電力を供給できる。
また、前記照明ユニットの第1および/または第2の連結部における第1と第2の導電端子が露出した面を覆うカバー部材を備え、前記カバー部材は、前記第1もしくは第2の連接部に取着されたときに、前記照明ユニットに設けられた位置決め用穴に挿入されて、前記スイッチ手段を動作させる位置決め用突起が設けられている構成としてもよい。
【0013】
これにより、カバー部材が装着されていない場合には、照明ユニットが点灯しないので、カバー部材の装着を確実にして、安全性を高めることができる。
さらに、前記照明ユニットのユニット本体の裏面は平坦であって、他の照明ユニットと連結したときに、双方のユニット本体の裏面が同一平面上となるように各第1、第2連結部の厚み及び当該厚み方向におけるユニット本体からの延出位置が決定されている構成としてもよい。
【0014】
これにより、複数の照明ユニットを平坦な場所に連結させた状態で安定して取り付けることができる。
また、前記軸状の締結具は、ねじ部材、リベット、ハトメのいずれかであるとしてもよく、さらに、前記発光素子は、発光ダイオードもしくは有機エレクトロルミネッセンスであるとしてもよい。
【0015】
また、本発明は、上記のいずれかの照明ユニットが複数個連結されてなる照明装置であって、各隣接する照明ユニットの第1と第2の連結部が互いに重ねられた状態で、当該重なった連結部の貫通孔に挿入された軸状の締結具を介して照明用基台に固定されてなることを特徴とする。
これにより、組立・取付作業が容易でありながら、各照明ユニット間の給電路の接続が確実に行える照明装置を提供できる。また、電源の容量に応じて、連結する照明ユニットの数を容易に変更することができるので、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態に係る照明ユニットの外観斜視図である。
【図2】照明ユニットの概略平面図である。
【図3】照明ユニットを正面から見たときの一部切り欠き断面図である。
【図4】照明ユニットに搭載されたLEDモジュールにおける配線および各端子との接続状態を示す回路図である。
【図5】照明ユニットに設けられたスイッチ部の構造の一例を示す拡大斜視図である。
【図6】照明ユニットの連結部同士を重ねて、照明用基台にねじ締めした状態を示す部分断面図である。
【図7】複数の照明ユニットをその長手方向に連結してなる照明装置の構成を示す斜視図である。
【図8】(a)(b)は、それぞれ第1端末ユニットと第2端末ユニットの構成を示す図である。
【図9】複数の照明ユニットをその長手方向と直交する方向に並列して照明装置を構成する場合の組み立て図である。
【図10】照明ユニットを2個並列配置する場合の第1端部ユニットの構成を示すための図である。
【図11】照明ユニットの第1変形例を示す外観斜視図である。
【図12】上記第1変形例に係る照明ユニットを縦横2列に連結してなる照明装置の平面図である。
【図13】(a)(b)は、それぞれ照明ユニットの第2変形例を示す平面図と正面図である。
【図14】上記第2変形例に係る照明ユニットを4個連結してなる照明装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る照明ユニットおよび当該照明ユニットを使用した照明装置について、図面を参照しながら説明する。
(1)照明ユニット
図1は、本実施の形態に係る照明ユニット1の外観斜視図である。
同図に示すように、照明ユニット1は、照明ユニット本体10と、照明ユニット本体10の上側(照射面側)の開口部に嵌め込まれた導光板(拡散板)13と、照明ユニット本体10からその長手方向に段差を有して延設された連結部11、12とを有し、当該照明ユニット本体10内部には、LEDモジュール14(図2、3参照)が搭載されてなる。なお、本実施の形態では、照明ユニット本体10と連結部11、12を合わせて照明ユニット1の筺体として一体的に形成されている。
【0018】
図2は、上記照明ユニット1において、導光板13を取り除いたときの平面図であり、図3は、照明ユニット1を正面から見たときの一部切り欠き断面図である。
図2に示すように、照明ユニット1には、基板146上に複数のLED141が実装されてなるLEDモジュール14が搭載されており、図3に示すように基板146の下面に接するようにアルミなどの金属やセラミックなど熱伝導性に優れた材料からなるヒートシンク15が配設されている。
【0019】
照明ユニット本体10は、例えば、(PBT樹脂:ポリプチレンテレフタレート)などの難燃性樹脂材料を射出成形してなるが、工業的に製造可能であれば、材料並びに製造方法は特に限定されない。
LEDモジュール14のLED141には、通常の照明用として白色LEDが使用されるが、これに限定されるものではなく、他の発光色を有するものであってもよい。特に、様々な発光色のLED141の照明ユニット1を配列して、独創的なディスプレィ照明を構成することも可能である。
【0020】
導光板13は、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂製で、LEDモジュール14から照射された光は、導光板13を透過する際に拡散及び平均化されて、導光板13の前面13から射出される。これにより、正面から見たときの発光面の輝度ムラがなくすことができる。
上記導光板13やヒートシンク15などは、例えば接着剤などで照明ユニット本体10に取着される。
【0021】
また、図3に示すように連結部11、12は、相互に段差を有した状態で、照明ユニット本体10と一体的に形成されており、連結部11の底面は照明ユニット本体10の底面の延長上にあると共に、連結部12の上面は、照明ユニット本体10の上面の延長上にあり、かつ、当該連結部11、12と、他の照明ユニット1の連結部12、11とをそれぞれ重ねたときに、隣接する照明ユニット1同士の上面と底面が、それぞれ同一平面上になるように、各連結部11、12の厚みが設定されている。
【0022】
図2に戻り、各連結部11、12の、他の照明ユニット1の連結部11または12に重ねられて接する面(以下、「連結面」という。)には、LEDモジュール14への給電のため、銅などの金属からなる導電端子111、112、121、122が設けられている。
LEDモジュール14の各電極143〜145は、それぞれ連結部11、12の端子112、121、122に電気的に接続されており、電極142のみが、スイッチ部16を介して連結部11の端子111に電気的に遮断可能なように構成されている。
【0023】
図4は、照明ユニット1におけるLEDモジュール14における配線構造と、LEDモジュール14と各端子111,112、121,122との接続状態を示す回路図である。
同図に示すように本実施の形態におけるLEDモジュール14は、複数のLED141が並列接続されてなり、端子112と端子122がLED141のマイナス極(カソード)に接続され、端子111と端子121がLED141のプラス極(アノード)に接続されるように構成される。
【0024】
上述の通り、端子111と電極142とは、スイッチ部16を介して接続されており、このスイッチ部16は、照明ユニット1同士が位置決めされて、連結部11と連結部12において正規の状態で連結されている場合に、通電状態となるものである。
なお、本実施の形態において「正規の状態」とは、隣接する照明ユニット1における連結部11と連結部12を重ねて、それぞれの連結部11、12の照明ユニット1長手方向の端面が、相手方の照明ユニット本体10の端面に当接して面接触し、照明ユニット1同士の長手方向側面が、ほぼ1直線上になっている状態を意味している。
【0025】
連結部12の端面にはピン状の位置決め用突起124(図1、図2参照)が立設されており、隣接する2個の照明ユニット1が上記正規な状態にあるときに、照明ユニット本体10端面の上記位置決め用突起124に対応する位置に当該位置決め用突起124が嵌挿される大きさの位置決め用穴114が形成されている。
図5は、スイッチ部16の構成を示す部分拡大斜視図である。同図に示すようにスイッチ部16は、第1金属片162と、第2金属片163が、それぞれそのリード線部161、164が、インサート成型などの手法により照明ユニット本体10の一部に埋設されて立設されている。
【0026】
照明ユニット1同士の連結時において、位置決め用突起124が位置決め用穴114に嵌挿されると、位置決め用突起124の先端が、第1金属片162に当接して、これを第2の金属片方向に押し込み、一の照明ユニット1の連結部12の端面125と、他の連結されるべき照明ユニット1の照明ユニット本体10の連結部11が設けられている側の端面115が面接触したときに、丁度第1の金属片162と第2の金属片163が導通するように、位置決め用突起124の長さと、スイッチ部16における第1,第2の金属片162,163の位置関係が決められている。
【0027】
なお、本実施の形態では、スイッチ部16の簡易な構成例を示したが、これに限られず、位置決め用穴114から侵入してきた位置決め用突起124と係合し、正規な状態での連結となったときに丁度で導通状態となるになるスイッチであれば、どのようなものでも利用可能であり、例えば、公知のリミットスイッチでもよい。
正規な状態で一の照明ユニット1の連結部11と、他の照明ユニット1の連結部12が重なったとき、一方の照明ユニット1の連結部11における端子111、112が、他方の照明ユニット1における連結部12の端子121と端子122にそれぞれ、ほぼ全部の面積で重なって接触するようにそれらの形成位置が決定される。そのため、本実施の形態では、特に、それらの端子を設ける位置が、照明ユニット1の平面視における中心(縦横の中点を結んだ中線の交点)に対してほぼ点対称となるように設定されている。
【0028】
もっとも、正規な状態で連結したときに対応する各端子の接触面積が所定以上あれば、上記のような配置に限定されるものではない。
ねじ止め用孔113、123の内径は、ほぼ等しく、上記正規な状態で連結すべく、隣接する照明ユニット1の各連結部11、12を重ねたときに、それらの孔の中心が重なるような位置に形成されている。すなわち、照明ユニット1の長手方向と直交する方向(以下、「短手方向」という。)における幅の中央であって、かつ図3に示すように連結部11と連結部12の照明ユニット本体10からの突設部分の長さが共にLで等しく、ねじ止め用孔113の中心は、連結部11の端面からL1の距離にあり、一方ねじ止め用孔123の中心は、連結部12の端面からL2の距離にあり、L1+L2=Lの関係を満たすことにより、図6の一部切り欠き断面図に示すように、正規な状態で隣接する照明ユニット1同士のねじ止め用孔113と123が重なり、この部分にねじ17を貫通させて、照明用基台50にねじ締めして固定することができる。
【0029】
このように連結部11、12の連結面が反対向きなってそれぞれに電力供給用の導電端子111と112,121と122が形成されているので、照明ユニット1の配置方向を容易に判別でき、誤って連結部11同士、あるいは連結部12同士を組み合わせて、一部のLEDモジュール14に逆極性の電圧が印加されるようなおそれはない。
また、隣接する照明ユニット1の連結部11と連結部12における各端子111と121、112と122は、ねじ締めによる強い力で圧接されているので、電気的接続が確実となる。
【0030】
さらに、連結部11、12に段差が設けられ、隣接する照明ユニット1の連結部12,11と重ねたときに、その裏面および裏面が同一平面上になるように構成されているので、平坦な照明用基台50に安定して取り付けることができると共に、照射面から見たときにも凹凸が少なく、一体感があり、見栄えがよい。
(2)照明装置
以下、上述の照明ユニット1を複数個連結して構成される照明装置の構成について説明する。連結する照明ユニット1の個数は、その直流電源装置の容量の範囲内で自由に設定できるが、本実施の形態では4個の照明ユニット1を連結するものとする。
【0031】
(2−1)直列配置の場合
図7は、4個の照明ユニット1をその長手方向に直列に配置してなる照明装置100の構成を示す斜視図である(便宜上、各照明ユニット1を手前から、照明ユニット1a、1b、1c、1dと呼ぶ。)。
同図に示すように、照明ユニット1a〜1dをその長手方向に並べ、位置決め用突起124を位置決め用穴114突起に挿入して隣接する連結部11、12同士を位置決めし、ねじ17を重なっている連結分11、12のねじ止め用孔113、123に挿入して、照明用基台50(図6参照)にねじ止め固定される。
【0032】
直線上に連結された4個の照明ユニット1a〜1dのうち両端に位置する照明ユニット1a、1dの連結部11、連結部12には、それぞれ樹脂などの絶縁性材料で形成された第1端部ユニット20、第2端部ユニット21が、ねじ17によりねじ締め固定される。
図8(a)は、上記第1端部ユニット20を、照明ユニット1aの連結部11との連結面側から見たときの図である。
【0033】
同図に示すように第1端部ユニット20の、ほぼ中央には、ねじ止め用孔204が形成される。このねじ止め用孔204も連結部11のねじ止め用孔113に重なって1本の貫通孔を形成するように設けられており、その内径や位置は、連結部12に設けられたねじ止め用孔123と同じである。
また、第1端部ユニット20の照明ユニット本体10に当接する側の端面には、上記連結部12に設けられた位置決め用突起124と同形状の位置決め用突起205が突設され、連結部11に装着されるときに位置決め用穴114に嵌挿されて、位置決めがなされる。
【0034】
さらに、第1端部ユニット20には、連結部11に設けられた端子111、112と接触する位置に、端子202、203が形成され、それぞれ電源ケーブル201のマイナス側リード線201a、プラス側リード線201bに接続されている。
なお、電源ケーブル201の他端には、4個のLEDモジュール14を点灯させるため所定容量の電力供給能力を有する直流電源装置が接続されるが、これ自体は公知であるので、その図示および説明は省略する。
【0035】
図8(b)は、第2端部ユニット21の平面図である。
同図に示すように第2端部ユニット21は、外部から照明ユニット1に電力を供給するための端子は設けられておらず、連結部12の下面を覆う肉薄部21aと連結部12の端面に当接する肉厚部21bと有している。
そして、肉薄部21aの連結部12のねじ止め用孔123に対応する位置には、ねじ止め用孔211が設けられると共に、肉厚部21bの位置決め用突起124に対応する位置には、位置決め用穴212が穿設されてなり、ねじ17により連結部12と重ねられた状態でねじ締め固定される。
【0036】
上記第1端部ユニット20、第2端部ユニット21は、連結部11、連結部12における各導電端子が露出しないようにするカバー部材として機能し、これにより各端子の保護と安全性を確保すると共に、感電や漏電などの発生を事前に阻止することができる。
また、第1端部ユニット20は、給電用のコネクターとしても機能するが、照明ユニット1aの連結部11に取着したときに、その位置決め用突起205の先端が、照明ユニット1内のスイッチ部16の第1金属片162に当接して通電状態にするので、第1端部ユニット20を装着しない限り、照明装置100は点灯しないようになっており、これにより、第1端部ユニット20を使用しないで、照明ユニット1の端子111、112を露出させたまま、直流電源装置からの出力端子から同電線を介して直接接続するなどしても点灯しないので、安全性がより担保される。
【0037】
(2−2)並列配置の場合
図9は、照明ユニット1を4個並列配置して照明装置101を組み立てる様子を示す図である(本例では、4個の照明ユニット1を、左から順に照明ユニット1a、1b、1c、1dとする。)。
この場合、並列配置された4個の照明ユニット1a〜1d同士は、その側面同士が接触しているだけで、直接的には連結はされておらず、第1端部ユニット23、第2端部ユニット24を介して間接的に連結される構成となっている。
【0038】
すなわち、第1端部ユニット23、第2端部ユニット24の幅は、照明ユニット4個分の幅になっており、第1端部ユニット23には、各照明ユニット1a〜1dの連結部11のねじ止め用孔113に対応する位置にねじ止め用孔231が穿設されると共に、各照明ユニット1a〜1dの位置決め用穴114に対応する位置に位置決め用突起233が突設される。
【0039】
また、第1端部ユニット23の連結部11との連結面には、各照明ユニット1a〜1dの連結部11に形成された端子111、112に接触する給電用の端子が形成される。
図10は、照明ユニット1を2個並列配置する場合の第1端部ユニット23の構成を示す略図である。
同図に示すように第1端部ユニット23の底面には、2個の照明ユニット1a、1bの各端子111、112に接触する細長形状の給電用端子234、235がほぼ並行に形成され、それぞれ電源ケーブル232のリード232a、232bを介して不図示の直流電源装置に接続される。
【0040】
また、第2端部ユニット24には、各照明ユニット1a〜1dの連結部12のねじ止め用孔123に対応する位置にねじ止め用孔241が穿設されると共に、各連結部12に設けられた位置決め用突起124に対応する位置には位置決め用穴242が穿設される。
上記のように本実施の形態に係る照明ユニット1の構成によれば、複数の照明ユニット1の機械的及び電気的な連結と、照明器具や天井、壁などの照明用基台への設置を同時に行うことができ、照明装置100の組み立て作業が極めて容易となる。また、その長手方向のみならずこれに短手方向にも必要個数だけ組み合わせることが可能となり、照明装置100の構成の自由度が格段に向上する。
【0041】
<変形例>
以上、本実施の形態に係る照明ユニット及び照明装置の実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る画像表示装置及び照明装置は、上記の実施の形態に限定されず、例えば次のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、一対の連結部11、12を、照明ユニット本体10の長手方向における両端部に形成したが、さらに、短手方向の端部にも形成してもよい。図11は、この場合の照明ユニット1の変形例を示す外観斜視図である。
【0042】
同図に示すように、この変形例では、照明ユニット本体10の短手方向においても連結部11a、12aが形成されている点が、図1の実施の形態と異なる。
この連接部11a、12aについても、短手方向に正規な状態で連結したときに、(a)隣接する照明ユニット1において、対応する位置に形成されたねじ止め用孔113a、123aが重なって、ねじが貫通できるように構成されている点、(b)それぞれの連結部の連結面に、連結時に接触して導通するように端子111aと112a、121aと122aが各連結部の接触面に形成されている点(連結部12aの端子121a、122aは、連結部12aの下面にあり、図では隠れて見えない。)、(c)位置決め用突起124aと、これが挿嵌される位置決め用穴(不図示)が形成されている点、(d)位置決め用穴114aから侵入してきた位置決め用突起124aの先端に当接して通電可能とするスイッチ部(不図示)が設けられている点については、上記実施の形態と同じである。
【0043】
もっとも、各照明ユニット1への電力供給は、長手方向における連結部11、12における端子の接続により達成することができるので、上記(b)(d)については特に必須ではないが、あれば、連結方向の自由度が増し、発光部がさまざまな形状の照明装置を形成することができ、たとえば照明ユニットを連結して文字を形作って照明することにより、インテリアや広告の分野での需要の増加を期待することができる。
【0044】
図12は、この変形例に係る照明ユニット1を長手方向と短手方向に2個ずつ連結してなる照明装置100を示す平面図である。
なお、電源供給用の端部ユニット23は、図9、10と同様な構成である。端部ユニット24〜26は、露出した連結部11aの端子のカバーと位置決めの機能を有するが、電力供給用としては機能していない。
【0045】
本変形例に係る照明ユニット1によれば、上述した連結方向の自由度向上の効果のほか、長手方向、短手方向の両方向において隣接する照明ユニット同士をしっかりねじ締め固定することができるので、より大きな発光面積を有する照明装置の場合に有効である。
(2) 上記実施の形態では、照明ユニット本体10の形状が、平面視で長方形となる場合について説明したが、正方形であっても構わないし、またその他の多角形であっても構わない。
【0046】
図13は、連結したときに1個の照明ユニット1の平面視の形状が、正六角形に見えるように構成した例を示す図であり、同図(a)は、この変形例に係る照明ユニット1の平面図であり、同図(b)は、その正面図である。
まず、図13(a)に示すように照明ユニット本体10と連結部12を含めた表面部分(他の照明ユニット1と連結したときに表面に現れる部分)の形状は、正6角形となっている。
【0047】
そして、連結部12における2辺に対応して、それぞれねじ止め用孔123a、123b、導電端子121aと122a、121bと122bが形成される。
照明ユニット本体10における上記連結部12の2辺の対辺部分には、平面視が直角3角形状の連結部11a、11bが、上記照明ユニット本体10の表面よりも、連結部12の厚みの分だけ低い位置に形成されている(図13(b)参照)。そして、当該直角3角形状の連結部11a、11bの短辺側を合わせると丁度連結部12の段部の形状と等しくなるように連結部11a,11bの形状並びに大きさが決定されている。
【0048】
この連結部11a、11bのそれぞれにおいて、上記連接部12の各辺に対応して設けられた導電端子に対応する位置に導電端子111aと112aおよび導電端子111bと112bが設けられており、連結部12aの対応する辺を合わせて連結したときに、それぞれ電気的に接続される。これらの端子の位置関係などは今まで説明してきた内容から明らかであるので、これ以上の説明は省略する。
【0049】
また、本例において図面の煩雑化を避けるため位置決め用穴や位置決め用突起について図示していないが、正規な状態に連結したときに当接する部分にそれらが形成され、これらにより各照明ユニット1の位置決めと、スイッチ部による導通動作が行われるように構成される。
図14に、本変形例に係る照明ユニット1を4個連結した場合の例を示す。なお、本図では、照明ユニット1同士の連結状態を示すことを目的としており、特に、端部ユニットなどは図示していない。
【0050】
このように本変形例によれば、照明装置における発光面の形状をさらに多様化することが可能である。
なお、図1、11に示す形状の照明ユニットと1辺の長さや端子の位置、または連結部の形状などを共通化すれば、異なる平面形状の照明ユニット同士の連結も可能となり、その組み合せられた照明の形状をさらに独創的なものとすることができる。
【0051】
(3)上記実施の形態では、一対の位置決め用穴114、位置決め用突起124によって隣接する照明ユニット1の位置決めを行うように構成したが、これを複数対設けてもよい(例えば、連結部12の端面に2つの位置決め用突起を設け、これに当接する照明ユニット本体10の側面に2つの位置決め用穴を設けるようにしてもよい。)。これにより、隣接する照明ユニット1同士の位置決めをより確実かつ迅速に行うことができるので、組み立て作業が一層容易になる。
【0052】
また、位置決め用穴、位置決め用突起を設ける位置も特に限定されず、連結時に隣接する照明ユニット同士の当接する部分であれば、照明ユニット1の筺体のどの場所に設けてもよい。
なお、このように位置決め用穴114および位置決め用突起124を複数対設ける場合において、例えば、端子122と端子145間(図2参照)にも、スイッチ部16と同様なスイッチ部を設け、これを動作させるため、連結部12の端面(すなわち、位置決め用突起124が突設されている端面)に、位置決め用穴114と同様な位置決め用穴を設けると共に、正規な状態で連結されたときに当該連結部12の端面に当接する照明ユニット本体10の側面(すなわち、位置決め用穴114が形成おされている側面)に、上記位置決め穴に挿嵌される位置決め用突起を設けるようにしてもよい。この場合、第2端部ユニット21(図7)もしくは第2端部ユニット24(図9)に、位置決め用突起を設けることにより、第2端部ユニット21(24)が装着されていなければ、対応する照明ユニット1が点灯しないので、第2端部ユニット21(24)の装着を失念することがなくなり、安全性が向上する。
【0053】
(4)上記実施の形態では、各連結部に設けられるねじ止め用孔は、重ねる連結部ごとに1箇所設けていたが、場合によっては、ねじ止め用孔を複数個設けて、それらが連結時に連通するようにしてもよい。これにより、1箇所の連結部を複数のねじで固定することができ、特に、照明ユニット1の連結する部分の辺が長い場合には有効である。
(5)上記実施の形態では、「正規な状態」は、照明ユニット本体側面と連結する連結部の端面が面接触し、かつ、照明ユニット本体10の長辺が1直線上になることであると定義したが、これに限らず、照明ユニット本体10の平面形状や、設計によって企図された電気的・機械的連結が確保された状態であればよい。
【0054】
(6)上記実施の形態では、照明ユニット1の光源としてLEDモジュールを例にして説明したが、他の半導体発光素子、例えば有機ELのモジュールを光源として使用してもよい。この場合、照明装置の電源として有機ELに適したものが採用されることはいうまでもない。
また、LEDモジュールにおけるLEDの数が少ない場合や、将来的に更に発熱量の少ない発光素子が開発されたような場合には、ヒートシンク15は必須の構成ではない。
【0055】
(7)上記実施の形態では、照明用基台に照明ユニット1を固定する治具として、「ねじ」を使用した。この「ねじ」としては、ボルトやタッピングねじなどの全てのねじ部材を含まれる。しかし、適当な軸状の締結部材であれば、ねじ部材に限られず、特に、照明用基台の厚みがあまりない場合には、リベットやハトメなどでも使用可能である。
なお、上記実施の形態や変形例は、可能な限り組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る照明ユニット及び照明装置は、一般照明用や各種ディスプレィ用の光源として利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1、1a、1b、1c、1d 照明ユニット
10 照明ユニット本体
11、12、11a、11b、12a 連結部
13 導光板
14 LEDモジュール
15 ヒートシンク
16 スイッチ部
17 ねじ
20、23 第1端部ユニット
21、24 第2端部ユニット
50 照明用基台
100 照明装置
111、112、121,122、111a、111b、112a、
112b、121a,121b,122a、122b 導電端子
113、123、231、241、
113a、113b、123a、123b ねじ止め用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を搭載した照明ユニットであって、
隣接する他の照明ユニットと連結するため、ユニット本体から延設された板状の第1と第2の連結部を備え、
前記第1と第2の連結部を、それぞれ隣接する他の照明ユニットの第2と第1の連結部に重ねた状態で連結されるように構成されており、
各連結部には、当該重ねた状態で軸状の締結具が貫通する位置に貫通穴が設けられている
ことを特徴とする照明ユニット。
【請求項2】
前記第1と第2の連結部の、他の照明ユニットの第2と第1の連接部と重なる面には、それぞれ、発光素子に給電するための第1と第2の導電端子が設けられており、他の照明ユニットの対応する連結部と重ねて連結したときに、それぞれの連結部に設けられた第1と第2の導電端子同士が接触して電気的に接続される構成となっている
ことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
照明ユニットの筺体には、少なくとも一対の位置決め用突起と位置決め用穴が形成されており、連結時において隣接する一方の照明ユニットの位置決め用突起を他方の照明ユニットの位置決め用穴に挿入させることにより隣接する照明ユニット同士が位置決めされるように構成されると共に、
前記第1と第2の導電端子と、前記発光素子の対応する電極とを結ぶ給電路のうち少なくとも一つの給電路には、前記位置決め用穴に挿入された位置決め用突起の先端に当接して当該給電路を電気的に導通させるスイッチ手段が介設されている
ことを特徴とする請求項2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記照明ユニットの第1および/または第2の連結部における第1と第2の導電端子が露出した面を覆うカバー部材を備える
ことを特徴とする請求項2または3に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記カバー部材は、電源に接続される一対のリード線と、各リード線に接続され、前記第1と第2の導電端子にそれぞれ接触する第1と第2の給電端子を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記照明ユニットの第1および/または第2の連結部における第1と第2の導電端子が露出した面を覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材は、前記第1もしくは第2の連接部に取着されたときに、前記照明ユニットに設けられた位置決め用穴に挿入されて、前記スイッチ手段を動作させる位置決め用突起が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記照明ユニットのユニット本体の裏面は平坦であって、他の照明ユニットと連結したときに、双方のユニット本体の裏面が同一平面上となるように各第1、第2連結部の厚み及び当該厚み方向におけるユニット本体からの延出位置が決定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項8】
前記軸状の締結具は、ねじ部材、リベット、ハトメのいずれかである
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項9】
前記発光素子は、発光ダイオードもしくは有機エレクトロルミネッセンスである
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の照明ユニットが複数個連結されてなる照明装置であって、
各隣接する照明ユニットの第1と第2の連結部が互いに重ねられた状態で、当該重なった連結部の貫通孔に挿入された軸状の締結具を介して照明用基台に固定されてなる
ことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−76913(P2011−76913A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228246(P2009−228246)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】