説明

照明装置、及び表示装置

【課題】電極端子と放電管の電極部との間に生じるアーク放電を検出することができる信頼性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置を提供する。
【解決手段】冷陰極蛍光管(放電管)9と、冷陰極蛍光管9の一端部側に接続されるとともに、当該冷陰極蛍光管9を駆動するインバータ回路(駆動回路)16を備えた照明装置であって、冷陰極蛍光管の他端部側に設けられるとともに、冷陰極蛍光管の他端部側の電極部に電気的に接続される電極端子と、電極端子に接続されるとともに、電極部と電極端子との間に発生したアーク放電を検出するアーク放電検出部17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、特に冷陰極蛍光管などの放電管を使用した照明装置、及びこれを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば家庭用のテレビ受信装置では、液晶表示装置に代表されるように、在来のブラウン管に比べ薄型、軽量等の多くの特長を有するフラットな表示部としての液晶パネルを備えた表示装置が主流になりつつある。このような液晶表示装置には、光を発光する照明装置(バックライト)と、照明装置に設けられた光源からの光に対してシャッターの役割を果たすことで、所望画像を表示する液晶パネルとが設けられている。そして、テレビ受信装置では、テレビ放送の映像信号に含まれた文字、画像等の情報を液晶パネルの表示面上に表示するようになっている。
【0003】
また、上記照明装置では、液晶パネルに対する光源の配置の仕方によって直下型とエッジライト型とに大別されるが、20インチ以上の液晶パネルを備えた液晶表示装置では、エッジライト型よりも高輝度・大型化を図り易い直下型の照明装置が一般的に使用されている。すなわち、直下型の照明装置は、液晶パネルの背後(非表示面)側に、複数の光源を配置して構成されており、液晶パネルのすぐ裏側に光源を配置できるため、多数の光源を使用することが可能となり、高輝度が得やすく高輝度・大型化に適している。また、直下型の照明装置は、装置内部が中空構造であるため、大型化しても軽量であることからも、高輝度・大型化に適している。
【0004】
また、上記のような従来の直下型の照明装置では、例えば下記特許文献1に記載されているように、光源としての複数の冷陰極蛍光管を備えるとともに、複数の各冷陰極蛍光管に対してインバータ回路(駆動回路)を接続して、当該インバータ回路による高周波点灯によって、各冷陰極蛍光管を駆動することが提案されている。
【特許文献1】国際公開第08/099532号パンフレット(2008)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような従来の照明装置では、クリップ状の電極端子を用いることにより、冷陰極蛍光管(放電管)の取付作業の簡単化が図られていた。具体的にいえば、この従来の照明装置では、弾性変形可能に構成され、かつ、冷陰極蛍光管の電極部を着脱自在に構成された一対の係止片を有する電極端子が設置されていた。そして、この従来の照明装置では、一対の係止片の間に、冷陰極蛍光管の電極部を挿入することによって当該冷陰極蛍光管を取り付けていた。
【0006】
ところが、上記のような従来の照明装置では、電極端子と冷陰極蛍光管の電極部との間に発生したアーク放電により、当該電極端子に劣化が生じて、冷陰極蛍光管が正常に点灯駆動されないおそれがあった。具体的には、この従来の照明装置では、冷陰極蛍光管の電極部が電極端子の一対の係止片の間に不完全な状態で挿入されると、電極部と電極端子との間でアーク放電が発生して、当該電極端子が劣化した。この結果、従来の照明装置では、冷陰極蛍光管を正常に点灯駆動させることができずに、信頼性が低下するという問題点を生じるおそれがあった。
【0007】
上記の課題を鑑み、本発明は、電極端子と放電管の電極部との間に生じるアーク放電を検出することができる信頼性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる照明装置は、放電管と、前記放電管の一端部側に接続されるとともに、当該放電管を駆動する駆動回路を備えた照明装置であって、
前記放電管の他端部側に設けられるとともに、前記放電管の他端部側の電極部に電気的に接続される電極端子と、
前記電極端子に接続されるとともに、前記電極部と前記電極端子との間に発生したアーク放電を検出するアーク放電検出部とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
上記のように構成された照明装置では、上記電極端子と放電管の電極部との間に発生したアーク放電を検出するアーク放電検出部が電極端子に接続されている。これにより、上記従来例と異なり、電極端子と放電管の電極部との間に生じるアーク放電を検出することができ、信頼性に優れた照明装置を構成することができる。
【0010】
また、上記照明装置において、前記アーク放電検出部には、前記電極端子に接続される一次巻線を有するトランスと、前記トランスの二次巻線に接続されて当該二次巻線を流れる電流を用いることにより、前記アーク放電の発生の有無を検出する検出部とが設けられていることが好ましい。
【0011】
この場合、アーク放電検出部はトランスを介在させてアーク放電の発生の有無を検出するので、放電管の駆動回路の構成に影響を与えることなく、アーク放電の発生の有無を検出することができる。
【0012】
また、上記照明装置において、複数の前記放電管を備えるとともに、
前記アーク放電検出部は、前記複数の放電管毎に設けられてもよい。
【0013】
この場合、複数の放電管が設けられたときでも、アーク放電を生じている放電管を容易に検出することができる。
【0014】
また、上記照明装置において、前記電極端子には、弾性変形可能に構成されるとともに、弾性変形することにより、前記放電管の前記電極部と着脱自在に構成された一対の係止片が含まれていることが好ましい。
【0015】
この場合、放電管の取付作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、本発明の表示装置は、上記いずれかの照明装置を用いたことを特徴とするものである。
【0017】
上記のように構成された表示装置では、電極端子と放電管の電極部との間に生じるアーク放電を検出することができる信頼性に優れた照明装置が用いられているので、優れた信頼性を有する表示装置を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電極端子と放電管の電極部との間に生じるアーク放電を検出することができる信頼性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の照明装置、及びこれを用いた表示装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を透過型の液晶表示装置に適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビ受信装置及び液晶表示装置を説明する分解斜視図である。図において、本実施形態のテレビ受信装置1は、表示装置としての液晶表示装置2を備えており、アンテナやケーブル(図示せず)などによりテレビ放送を受信可能に構成されている。液晶表示装置2は、表キャビネット3及び裏キャビネット4に収納された状態で、スタンド5によって立設されるようになっている。また、テレビ受信装置1では、液晶表示装置2の表示面2aが表キャビネット3を介在させて視認可能に構成されている。この表示面2aは、スタンド5により、重力の作用方向(鉛直方向)に平行となるように設置されている。
【0021】
また、テレビ受信装置1では、液晶表示装置2と裏キャビネット4との間に、支持板6に取り付けられるTVチューナー回路基板6a、後述の照明装置等のテレビ受信装置1の各部を制御する制御回路基板6b、及び電源回路基板6cが配置されている。そして、テレビ受信装置1では、TVチューナー回路基板6a上のTVチューナーで受信されたテレビ放送の映像信号に応じた画像が表示面2a上に表示されるとともに、表キャビネット3に設けられたスピーカ3aから音声が再生出力される。なお、裏キャビネット4には、多数の通気孔が形成されており、照明装置や電源等で発生した熱を適切に放熱できるようになっている。
【0022】
次に、図2を参照して、液晶表示装置2について具体的に説明する。
【0023】
図2は、上記液晶表示装置の要部構成を説明する図である。図において、液晶表示装置2には、文字及び画像などの情報を表示する表示部としての液晶パネル7と、液晶パネル7の非表示面側(図の下側)に配置されて、当該液晶パネル7を照明する照明光を発生する本発明の照明装置8とが設けられており、これらの液晶パネル7と照明装置8とが透過型の液晶表示装置2として一体化されている。また、液晶表示装置2では、液晶パネル7の非表示面側及び表示面側に、透過軸が互いにクロスニコルに配置された一対の偏光板12及び13がそれぞれ設置されている。
【0024】
照明装置8には、有底状のシャーシ8aと、シャーシ8aに収容された複数本の冷陰極蛍光管(CCFL)9が互いに等ピッチで設けられており、液晶パネル7の非表示面側(図の下側)に冷陰極蛍光管9を配置した直下型の照明装置が構成されている。シャーシ8aの内面には、例えば反射シート8bが設置されており、放電管(光源)としての冷陰極蛍光管9からの光を液晶パネル7側に反射させることにて当該冷陰極蛍光管9の光利用効率を向上させるようになっている。
【0025】
また、各冷陰極蛍光管9には、直管状のものが用いられており、後に詳述するように、その電極部がコネクタまたは電極端子に接続されている。また、各冷陰極蛍光管9には、直径3.0〜4.0mm程度の発光効率に優れた細管化されたものが使用されており、コンパクトで発光効率に優れた照明装置8を容易に構成することができるようになっている。また、各冷陰極蛍光管9は、図示しない光源保持具によって拡散板10及び反射シート8bとの各間の距離を所定の距離に保たれた状態で、シャーシ8aの内部に保持されている。
【0026】
さらに、複数の冷陰極蛍光管9は、その長手方向が重力の作用方向と直交する方向に平行となるように配置されている。これにより、冷陰極蛍光管9では、その内部に封入された水銀(蒸気)が重力の作用により長手方向の一方の端部側に集まるのが防がれて、ランプ寿命が大幅に向上されている。
【0027】
また、上記シャーシ8aの外側には、液晶パネル7を駆動する液晶駆動部14、照明装置8の制御部としての照明制御部15、及びこの照明制御部15からの制御信号を用いて、複数の各冷陰極蛍光管9をインバータ駆動にて高周波点灯させるインバータ回路16が設置されている。これらの液晶駆動部14、照明制御部15、及びインバータ回路16は、制御回路基板6b(図1)上に設けられており、シャーシ8aの外側と対向するように配置されている。
【0028】
また、照明装置8では、シャーシ8aの開口部を覆うように設置された拡散板10と、拡散板10の上方に設置された光学シート11とが設けられている。拡散板10は、例えば厚さ2mm程度の長方形状の合成樹脂またはガラス材を用いて構成されている。また、拡散板10は、シャーシ8a上で移動可能に保持されており、冷陰極蛍光管9の発熱やシャーシ8aの内部の温度上昇等の熱の影響により、当該拡散板10に伸縮(塑性)変形が生じたときでも、シャーシ8a上で移動することで変形を吸収可能になっている。
【0029】
光学シート11には、例えば厚さ0.2mm程度の合成樹脂フィルムにて構成された拡散シートが含まれており、液晶パネル7への上記照明光を適度に拡散して当該液晶パネル7の表示面での表示品位を向上させるように構成されている。また、光学シート11には、液晶パネル7の表示面での表示品位の向上を行うためなどのプリズムシート、偏光反射シートなどの公知の光学シート材が必要に応じて適宜積層されるようになっている。そして、光学シート11は、拡散板10から出射された面状光を、所定の輝度(例えば、10000cd/m2)以上で、かつ、ほぼ均一な輝度を有する面状光に変換して照明光として液晶パネル7側に入射させるように構成されている。
【0030】
尚、上記の説明以外に、例えば液晶パネル7の上方(表示面側)に当該液晶パネル7の視野角を調整するための拡散シートなどの光学部材を適宜積層してもよい。
【0031】
ここで、図3〜図7も参照して、本実施形態の照明装置8について具体的に説明する。
【0032】
図3は図2に示した照明装置の要部構成を説明する図であり、図4は図3に示したインバータ回路の構成例を説明する図である。図5は、図2に示した冷陰極蛍光管の一端部側の電極部とコネクタを示す断面図である。図6Aは上記冷陰極蛍光管の他端部側の電極部と電極端子を示す斜視図であり、図6Bは上記電極端子を説明する図である。図7は、図3に示したアーク放電検出部の構成例を説明する図である。
【0033】
図3に示すように、照明装置8には、複数の各冷陰極蛍光管9の駆動制御を行うための上記照明制御部15と、冷陰極蛍光管9毎に設けられ、照明制御部15からの制御信号(駆動信号)を基に対応する冷陰極蛍光管9を点灯駆動する駆動回路としての上記インバータ回路16とが設置されている。このインバータ回路16は、各冷陰極蛍光管9の長手方向での一端部側に設置されており、対応する冷陰極蛍光管9に対して、上記一端部側から電流を供給するよう構成されている。
【0034】
また、インバータ回路16には、後に詳述するように、例えばハーフブリッジタイプのものが用いられており、インバータ回路16は、上記駆動信号に基づいて、PWM調光を用いて、対応する冷陰極蛍光管9を駆動可能に構成されている。
【0035】
また、照明装置8では、冷陰極蛍光管9毎にアーク放電の発生の有無を検出するアーク放電検出部17が設けられている。つまり、図3に示すように、アーク放電検出部17は、各冷陰極蛍光管9の長手方向での他端部側に設けられており、各冷陰極蛍光管9の他端部側の電極部と電極端子との間に発生したアーク放電を検出するようになっている(詳細は後述。)。
【0036】
さらに、照明装置8は、インバータ回路16(冷陰極蛍光管9)毎に設けられて、対応する冷陰極蛍光管9を流れるランプ電流値を検出するランプ電流検出回路RCを備えており、照明装置8では、各ランプ電流検出回路RCにて検出されたランプ電流値が各冷陰極蛍光管9に応じて設置されたフィードバック回路FBを経て照明制御部15に出力されるようになっている。
【0037】
また、照明制御部15には、外部からの指示信号として、例えば照明装置8の発光面の輝度を変更する調光指示信号が入力されるようになっており、液晶表示装置2では、ユーザが液晶パネル7の表示面での輝度(明るさ)を適宜変更可能に構成されている。すなわち、照明制御部15には、例えば液晶表示装置2側に設けられたリモートコントローラ等の操作入力器(図示せず)から調光指示信号が入力されるように構成されている。そして、照明制御部15は、入力された調光指示信号を用いて、PWM調光でのデューティ比を決定するとともに、各冷陰極蛍光管9への供給電流の目標値を決定するようになっている。
【0038】
その後、照明制御部15は、決定した目標値を基に各インバータ回路16への駆動信号を生成して出力することにより、対応する冷陰極蛍光管9に流れるランプ電流値が変化する。この結果、各冷陰極蛍光管9から出射される出射光の光量が、調光指示信号に応じて変化して、照明装置8の発光面での輝度及び液晶パネル7の表示面での輝度がユーザの操作指示に応じて適切に変更される。
【0039】
また、各冷陰極蛍光管9に実際に供給されたランプ電流値は、対応するランプ電流検出回路RC及びフィードバック回路FBを介して、照明制御部15に検出電流値としてフィードバックされる。そして、照明制御部15では、検出電流値と、上記調光指示信号を基に決定された供給電流の目標値とを用いたフィードバック制御が実行されることにより、ユーザが所望する輝度での表示が維持される。
【0040】
図4に例示するように、インバータ回路16には、トランス16aと、照明制御部15に接続されるとともに、トランス16aの一次巻線側で互いに直列に設けられた第1及び第2のスイッチング部材16b、16cと、第1のスイッチング16bに接続された駆動電源16dとを備えたハーフブリッジタイプのものが用いられている。
【0041】
第1及び第2の各スイッチング部材16b、16cには、例えば電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、後に詳述するように、照明制御部15から上記駆動信号として位相が180°互いに異なる第1及び第2の駆動信号がそれぞれ入力されることによって、トランス16aの二次巻線側に接続された冷陰極蛍光管9への電力供給のオン/オフ制御を行うようになっている。
【0042】
そして、インバータ回路16は、対応する冷陰極蛍光管9(図3)を高周波点灯するようになっている。すなわち、トランス16aの二次巻線には、いずれかの冷陰極蛍光管9の高電圧側端子が接続されており、第1及び第2のスイッチング部材16b、16cが照明制御部15からの第1及び第2の駆動信号を基にスイッチング動作を行うことにより、トランス16aは、対応する冷陰極蛍光管9に電力供給を行い、当該冷陰極蛍光管9を点灯動作させる。また、トランス16aの二次巻線には、上記ランプ電流検出回路RCが接続されており、対応する冷陰極蛍光管9での上記ランプ電流値が検出されるようになっている。
【0043】
図5に示すように、各冷陰極蛍光管9の一端部側では、その電極部は合成樹脂製のコネクタ18を介在させてインバータ回路16に接続されるように構成されている。すなわち、各冷陰極蛍光管9の一端部側では、安全性を高めるために、電極部をコネクタ18の内部に収納した状態でインバータ回路16から電力供給が行われるようになっている。
【0044】
具体的にいえば、コネクタ18には、図5の上部側に設けられるとともに、冷陰極蛍光管9が取り付けられる取付部18aと、取付部18aから下部側に延ばされるとともに、シャーシ8aに固定される延設部18bと、延設部18bの一端部(図5の右端部)から下部側に突出するように形成されるとともに、インバータ回路基板19に固定される突出部18cとが設けられている。
【0045】
取付部18aは、冷陰極蛍光管9の端部と左右の各側部にそれぞれ対向するように設けられた3つの壁部18a1によって囲まれた空間を有しており、その空間の内部には、冷陰極蛍光管9の上記電極部と電気的に接続する略円筒状の接続部材20が設置されている。
【0046】
また、コネクタ18では、シャーシ8aに設けられた取付孔に対して、突出部18c及び延設部18bを順次挿通することにより、延設部18bが上記取付孔と係合して、当該コネクタ18がシャーシ8aに取り付けられるようになっている。さらに、コネクタ18では、インバータ回路基板19に設けられた取付孔19aに対して、突出部18cを挿通することにより、突出部18cが取付孔19aと係合して、当該コネクタ18がインバータ回路基板19に取り付けられるようになっている。
【0047】
また、コネクタ18には、接続部材20に電気的に接続された導通部材21が延設部18bに設けられている。この導通部材21では、その先端部分が突出部18cまで延ばされており、接続部材23に電気的に接続されている。また、この接続部材23は、インバータ回路基板19に設けられた配線パターン(図示せず)に電気的に接続されている。これにより、冷陰極蛍光管9は、接続部材20、導通部材21、及び接続部材23を介して、上記インバータ回路16に接続される。また、突出部18c及び接続部材23は、インバータ回路基板18に取り付けられた合成樹脂製のコネクタカバー部材22によって覆われている。
【0048】
また、図6Aに示すように、各冷陰極蛍光管9の他端部側では、その電極部9aはクリップ状の電極端子24に接続されており、各冷陰極蛍光管9の他端部側は、電極端子24を介在させてアーク放電検出部17に接続されるとともに、アース基板(図示せず)に接続されて接地されるように構成されている。
【0049】
電極端子24は、図6Bに例示するように、基部24aと、基部24a上に設けられた一対の係止片24b、24cを備えている。一対の係止片24b、24cは、弾性変形可能に構成されるとともに、弾性変形することにより、冷陰極蛍光管9の電極部9aと着脱自在に構成されている。すなわち、冷陰極蛍光管9では、電極部9aが図6Bの上方から一対の係止片24b、24cの間に挿入されることによって電極端子24に接続されて、接地されるようになっている。
【0050】
また、図7に示すように、アーク放電検出部17には、冷陰極蛍光管9の電極部9a側に接続されたトランス25と、電極部9aと電極端子24との間に発生したアーク放電を検出する検出部26とが設けられている。具体的には、トランス25には、電極部9aに接続された電極端子24に電気的に接続された一次巻線25aと、検出部26に接続された二次巻線25bとが設けられている。
【0051】
また、検出部26は、二次巻線25bを流れる電流を用いることにより、上記アーク放電の発生の有無を検出するように構成されている。すなわち、検出部26は、電極部9aが電極端子24の係止片24b、24cに不完全な状態で挿入されたとき、つまり電極部9aと係止片24b、24cとの間に隙間が生じた状態で、電極部9aが電極端子24に取り付けられたときに、これらの、電極部9aと電極端子24との間で発生するアーク放電を検出するようになっている。具体的には、検出部26は、上記アーク放電による電流の周期的な乱れ(揺れ)を検出することによって、アーク放電の発生の有無を検出する。
【0052】
以上のように構成された本実施形態の照明装置8では、電極端子24と冷陰極蛍光管(放電管)9の電極部9aとの間に発生したアーク放電を検出するアーク放電検出部17が電極端子24に接続されている。これにより、本実施形態では、上記従来例と異なり、電極端子24と冷陰極蛍光管9の電極部9aとの間に生じるアーク放電を検出することができ、信頼性に優れた照明装置8を構成することができる。
【0053】
また、本実施形態の照明装置8では、アーク放電検出部17の検出部26はトランス25の二次巻線25bを流れる電流を用いて、上記アーク放電の発生の有無を検出している。すなわち、アーク放電検出部17は、トランス25を介在させてアーク放電の発生の有無を検出するので、冷陰極蛍光管9のインバータ回路(駆動回路)16の構成に影響を与えることなく、アーク放電の発生の有無を検出することができる。
【0054】
また、本実施形態では、電極端子24と冷陰極蛍光管9の電極部9aとの間に生じるアーク放電を検出することができる信頼性に優れた照明装置8が用いられているので、優れた信頼性を有する液晶表示装置2を容易に構成することができる。
【0055】
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0056】
例えば、上記の説明では、本発明を透過型の液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の照明装置はこれに限定されるものではなく、光源の光を利用して、画像、文字などの情報を表示する非発光型の表示部を備えた各種表示装置に適用することができる。具体的には、半透過型の液晶表示装置、あるいは液晶パネルをライトバルブに用いた投写型表示装置に本発明の照明装置を好適に用いることができる。
【0057】
また、上記の説明以外に、本発明は、レントゲン写真に光を照射するシャウカステンあるいは写真ネガ等に光を照射して視認をし易くするためのライトボックスや、看板や駅構内の壁面などに設置される広告等をライトアップする発光装置の照明装置として好適に用いることができる。
【0058】
また、上記の説明では、直下型の照明装置を構成した場合について説明したが、本発明は、放電管と、放電管の一端部側に接続されるとともに、当該放電管を駆動する駆動回路を備えた照明装置において、放電管の他端部側に設けられるとともに、放電管の他端部側の電極部に電気的に接続される電極端子と、電極端子に接続されるとともに、電極部と電極端子との間に発生したアーク放電を検出するアーク放電検出部とを備えているものであれば何等限定されない。
【0059】
また、上記の説明では、冷陰極蛍光管を用いた場合について説明したが、本発明の放電管はこれに限定されるものではなく、熱陰極蛍光管やキセノン蛍光管などの他の放電管を使用することもできる。
【0060】
また、上記の説明では、複数の冷陰極蛍光管(放電管)毎にアーク放電検出部を設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の放電管に対して、1つのアーク放電検出部を設ける構成でもよい。すなわち、複数の各放電管において、例えば上記他端部の電極部と接地線との間に1つのアーク放電検出部を接続し、いずれかの放電管でのアーク放電を検出する構成でもよい。
【0061】
但し、上記実施形態のように、複数の放電管毎に、アーク放電検出部を設ける場合の方が、複数の放電管が設けられたときでも、アーク放電を生じている放電管を容易に検出することができる点で好ましい。
【0062】
また、上記の説明では、弾性変形可能に構成されるとともに、弾性変形することにより、放電管の電極部と着脱自在に構成された一対の係止片を含んだ電極端子を用いた場合について説明したが、本発明の電極端子は、放電管の他端部側に設けられて、放電管の他端部側の電極部に電気的に接続されるものであれば何等限定されない。
【0063】
但し、上記実施形態のように、上記のような一対の係止片を含んだ電極端子を用いる場合の方が、放電管の取付作業を容易に行うことができる点で好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、電極端子と放電管の電極部との間に生じるアーク放電を検出することができる信頼性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置に対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態にかかるテレビ受信装置及び液晶表示装置を説明する分解斜視図である。
【図2】上記液晶表示装置の要部構成を説明する図である。
【図3】図2に示した照明装置の要部構成を説明する図である。
【図4】図3に示したインバータ回路の構成例を説明する図である。
【図5】図2に示した冷陰極蛍光管の一端部側の電極部とコネクタを示す断面図である。
【図6A】上記冷陰極蛍光管の他端部側の電極部と電極端子を示す斜視図である。
【図6B】上記電極端子を説明する図である。
【図7】図3に示したアーク放電検出部の構成例を説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
2 液晶表示装置(表示装置)
3 照明装置
9 冷陰極蛍光管(放電管)
9a 電極部
16 インバータ回路(駆動回路)
17 アーク放電検出部
24 電極端子
24b、24c (一対の)係止片
25 トランス
25a 一次巻線
25b 二次巻線
26 検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電管と、前記放電管の一端部側に接続されるとともに、当該放電管を駆動する駆動回路を備えた照明装置であって、
前記放電管の他端部側に設けられるとともに、前記放電管の他端部側の電極部に電気的に接続される電極端子と、
前記電極端子に接続されるとともに、前記電極部と前記電極端子との間に発生したアーク放電を検出するアーク放電検出部と
を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記アーク放電検出部には、前記電極端子に接続される一次巻線を有するトランスと、前記トランスの二次巻線に接続されて当該二次巻線を流れる電流を用いることにより、前記アーク放電の発生の有無を検出する検出部とが設けられている請求項1に照明装置。
【請求項3】
複数の前記放電管を備えるとともに、
前記アーク放電検出部は、前記複数の放電管毎に設けられている請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記電極端子には、弾性変形可能に構成されるとともに、弾性変形することにより、前記放電管の前記電極部と着脱自在に構成された一対の係止片が含まれている請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置を用いたことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−123453(P2010−123453A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297077(P2008−297077)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】