照明装置及びこれを備える電子機器
【課題】 光源にLEDを使用し、かつEL並みの薄さで実現可能なキー操作部用の照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 操作部となるキートップと、スイッチ接合部とLEDチップを有するメンブレンスイッチ(メンブレンシート)で構成されるキー照明装置において、メンブレンスイッチの一部のフィルムを導光用フィルムとして使用する。導光用フィルムは、LEDチップからの光が照射される部分に微細な凹凸形状を形成し、さらにフィルムに設けられた孔の側面部に微細な凹凸を付与する。これら微細な凹凸およびプリズムパターンは、導光用フィルムの製造時、もしくは抜き加工を行なう際に付与する。
【解決手段】 操作部となるキートップと、スイッチ接合部とLEDチップを有するメンブレンスイッチ(メンブレンシート)で構成されるキー照明装置において、メンブレンスイッチの一部のフィルムを導光用フィルムとして使用する。導光用フィルムは、LEDチップからの光が照射される部分に微細な凹凸形状を形成し、さらにフィルムに設けられた孔の側面部に微細な凹凸を付与する。これら微細な凹凸およびプリズムパターンは、導光用フィルムの製造時、もしくは抜き加工を行なう際に付与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー操作部を照明するための照明装置、及びこれを備える携帯情報機器や携帯電話などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などを代表とする携帯情報機器はその利便性の高さゆえに、様々な場所での使用が想定されて開発が行なわれている。中でも、暗所での使用を可能にするためキー操作部を照明する装置が、多くの携帯情報機器に組み込まれている。このキー操作部照明装置は、携帯情報機器の内部からキー操作部を照明することにより、夜間や外光が少ない場所でもキー操作を可能にし、時間や場所を問わず使用することを可能にしている。
【0003】
このキー操作部照明装置による照明方法としては、EL(エレクトロルミネッセンス)を用いたタイプとLED(発光ダイオード)を用いたタイプとに多くは大別される。それぞれの特徴としてELを用いたタイプでは、長所として、均一な面発光が可能、厚みが薄い、など挙げられ、短所として、寿命がLEDタイプに比べて短い、直流→交流インバータが必要、輝度が低い、などが挙げられる。一方LEDタイプの場合は、長所として、高輝度、ELタイプより長寿命、インバータが不要、などが挙げられ、短所として、均一な面発光のための工夫(導光板など)が必要、厚みが厚い、などが挙げられる。
【0004】
従来のLEDを使用したキー操作部の照明装置は、ボタンスイッチとして機能するキーシートと、表面にチップLEDとスイッチ接合部を備えたプリント基板と、LEDからの光を拡散し均一にする導光板とで構成されている。LEDの光が導光板内で導光し、キーシートのボタンスイッチが照らされ、夜間などの暗所でもキー操作を快適に行なうことができるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
またELタイプのキー操作部用照明装置は、キー操作部を備えた作動部と非作動部を一体に成型したシリコンゴム及びラバーパッドの背面にELシートを配設することにより、クリック操作に影響を及ぼさずにキーパッドの各キーを照明できるようになっている(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開平9−55143号公報
【特許文献2】特開平10−283096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ELタイプ・LEDタイプ両者ともに前述した欠点があり、機器に要求される仕様に合わせてどちらかを選択する場合が多く、両者の特徴を併せ持った形式のキー操作部用照明装置がないのが現状である。
【0007】
さらに最近の傾向として、携帯機器の厚みを薄くすることにより携帯感の向上を目指しているため、キー操作部の照明装置には「厚みが薄い」という長所を持ったELタイプが多く採用されているのが現状である。ただしLEDタイプの、高輝度、長寿命、インバータが不要、という長所も重要視されており、厚みの薄いLEDタイプのキー操作部用照明装置が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、光源にLEDを使用し、かつEL並みの薄さで実現可能なキー操作部用の照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明のタッチスイッチ機能付の照明装置は、上電極が形成された上部電極シートと、下電極が形成された下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源を備えており、スペーサフィルムが、光源から発光された光を導光する機能を備えている。また、スペーサフィルムにはメンブレンシートのスイッチ機能を阻害しないための孔が設けられており、この孔から照明光が出射することとした。
【0010】
また、上部電極シートとスペーサフィルムの間と、下部電極シートとスペーサフィルムの間の少なくとも一方に、反射層を設けることとした。また、孔の側面部に微細凹凸形状を形成することとした。
【0011】
また、光源に点光源を用い、点光源とスペーサフィルムの入光面の間に、点光源側と入光面側で厚みが異なる形状のライトパイプを配置し、ライトパイプの出光面からスペーサフィルムの入光面に線状光が入光することとした。
【0012】
さらに、光源からの光が上部電極シートの端面からも入光するように構成し、上部電極シートが光源から発光された光を導光する機能を持つこととした。すなわち、スペーサフィルムと上部電極シートを導光用フィルムとして用いることとした。ここで、上部電極シートの光出射面に反射層を設けた。
【0013】
本発明を適用したキー操作部用の照明装置は、スイッチ機能を有するメンブレンシート(メンブレンスイッチ)と光源となるLEDチップにより構成される。メンブレンシートはその構造により、「フラットタイプ」「エンボスタイプ」「金属ドームタイプ」などに分けられるが、主流となっているのは「エンボスタイプ」である。これらの共通点は、上部電極シートと下部電極シートと、これらの間に設けられたスペーサ用フィルムで構成されている点である。各電極シートやスペーサ用フィルムにはポリエステル・ポリカーボネイド・塩化ビニール・ポリウレタンなどが用いられ、各フィルムは粘着剤などで接着されている。粘着剤は透過率の優れた光学粘着を使用する。メンブレンシートのスイッチ部に相当する部分の裏側には、導電インクが印刷されており、その種類として銀やカーボンもしくはそれらをブレンドしたものを使用する。メンブレンシートは多数のフィルムで構成されており、一部のフィルムを導光用フィルムとして使用できる。本発明では、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを導光用フィルムとして用いている。上部電極シートと下部電極シートには、スイッチ部となる箇所に電極が設けられている。導光用フィルムには、スイッチ部の周辺に任意の孔が形成されており、スイッチ機能を阻害しないようになっている。
【0014】
また、キー操作部のボタン部を明るくするために、導光体フィルムの入光面に微細な凹凸パターンを形成し、ボタン部まで光を到達させる。また導光用フィルムの孔の側面部に微細な凹凸パターンを付与する。これら微細な凹凸およびパターンは、導光用フィルムの製造時、もしくは抜き加工を行なう際に付与される。
【0015】
本発明の電子機器は、上部電極シートと、下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを有するメンブレンシートと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、メンブレンシートの上部に設けられたキー操作部を備えており、スペーサフィルムに光源から発光された光を導光する機能を持たせてキー操作部を照明するように構成した。さらに、スペーサフィルムにはメンブレンシートのスイッチ機能を阻害しないように孔が設けられており、孔から照明光が出射するように構成した。
【0016】
また、光源から発光された光が上部電極シートの端面からも入光するように構成されるとともに、上部電極シートに光源から発光された光を導光する機能を持たせてキー操作部を照明するように構成した。
【0017】
さらに、光源の光で励起する蛍光体を、光源とキー操作部の間の光路中に設けることとした。あるいは、蓄光材を、光源とキー操作部の間の光路中に設けることとした。
【発明の効果】
【0018】
本発明の照明装置は、LEDチップの光をキーシートのボタン部に導くためにキーシートを構成するフィルムの一部を使用している。そのため、従来のLEDタイプのキー操作部用照明装置より、導光板一枚分薄くすることができ、ELタイプのキー操作部用照明装置と遜色ない程度の薄さが実現できる。
【0019】
また、LEDチップからの光線をより効率良くキー操作部へ到達させるための微細凹凸形状を導光用フィルムに付与しているため、少ないLEDチップで照明を行なうことも可能である。これにより、従来では多数使用していたLEDチップの数を大幅に減らすことが可能となり、低消費電力を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の照明装置は、上電極が形成された上部電極シートと、下電極が形成された下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源を備えており、このスペーサフィルムが光源から発光された光を導光する機能を持っている。ここで、上部電極シートと、下電極シートと、スペーサフィルムがタッチスイッチ機能を担っている。
【0021】
また、スペーサフィルムには孔が設けられており、スペーサフィルムにより導光された光が照明光として孔から出射する。上部電極シートとスペーサフィルムの間、下部電極シートとスペーサフィルムの間の少なくとも一方に、反射層を設けることによりスペーサフィルム内を導光する光が孔以外から漏れることを防ぐことができる。
【0022】
本発明では、スペーサ用フィルムを導光用フィルムとして使用している。この導光用フィルムはロール押し出し加工により作製され、ロールシート状で押し出された導光用フィルムは、所定のサイズに、抜き加工される。本発明の光源は導光用フィルムの端辺に設置されており、その部分に光の入射性を向上させる入光部が設けられる。導光用フィルムをシートから各ピースに抜く過程で、抜き刃に微細凹凸形状をつけることにより、端辺に微細凹凸状の入光部が形成される。またスイッチ部の孔を抜き型により形成する過程で、抜き型の刃に、孔の径が抜き方向に対して変化する円錐形状の刃を使用することができる。また前記抜き型の刃をプリズムや波型などの微細な凹凸形状にすることにより、抜き型の刃と同様の形状を孔の側面に設けることができる。これらの形状を孔の側面に設けることにより、導光用フィルムから出射される光はキートップへ向けられ、明るく均一なキーパッド用照明装置を実現できる。
【0023】
さらに、孔の側面部をテーパ状にすることにより、光が孔の上部へ出光するのを制御できる。また、孔の微細凹凸の形状をLED光源近傍では荒く、LED光源遠方の孔では細かくすることにより、孔からの光量を制御して各孔から均一な出光特性を得られる。
【0024】
また、光源から発光された光が上部電極シートの端面からも入光するように構成し、上部電極シートも光源から発光された光を導光するように構成してもよい。すなわち、スペーサシートと上部電極シートを導光用フィルムとして用いてもよい。その場合、上部電極シートの光出射面側のスイッチ部を除いた領域に反射層を設けるとよい。
【0025】
光源は、白色LEDを使用する。直接LEDから導光用フィルムに入光させる場合は、導光用フィルムと同程度の厚みの薄いLEDを使用する。導光用フィルムより厚みの厚いLEDを使用する場合は、ライトパイプを用いることにより、導光用フィルムへ入光することができる。
【0026】
また、光源の照射面と導光用フィルムの入光面の間を接合樹脂で充填することにより、全反射現象と入光部における屈折効果を利用して光入射の効率と拡散性を向上させることができる。また、上部電極シートの電極にITOなどの透明電極を用いることにより、スイッチ部での出射光が妨げられることなく、キートップ部の照明を行なうことができる。
【0027】
さらに、本発明の電子機器は、上部電極シートと、下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを有するメンブレンシートと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、メンブレンシートの上部に設けられたキー操作部を備えており、スペーサフィルムが光源から発光された光を導光する機能を持ち、キー操作部を照明する構成である。
【0028】
以下に本発明の照明装置に関する実施例を、図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0029】
本発明のキー操作部照明装置を図1に示す。図1に示す照明装置は、LED光源1、メンブレンシート2で構成されている。さらにメンブレンシート2は、上部電極シート3、下部電極シート4、およびそれらのスペーサの役割とLED光源1からの光を導波させるための役割をもったスペーサフィルム5を備えている。上部電極シート3と下部電極シート4には、接触することにより接点出力を出す電極6が印刷されている。LED光源1はスペーサフィルム5の端部に配置されており、LED光源1が電極シートまたは回路基板に実装されている。LED光源1から発光された光は、スペーサフィルム5に入射され、フィルム内部を導光していく。上部電極シート3と下部電極シート4の回路を除いた領域には、反射率の高い白色顔料が印刷もしくは銀蒸着され、反射特性を向上させている。さらにスペーサフィルム5には、上下の電極6の接触を妨げないように孔7が設けられており、この孔7より前記LED光源1からの光を出射させ、光は表面シートもしくはキートップを直接照明する。
なお、本実施例では、LED光源1が回路基板だけでなく、上部電極シート3もしくは下部電極シート4に実装されている場合も想定している。また、図1はエンボス加工されたメンブレンシートによるキー照明装置を示しているが、これは本発明がエンボスタイプのみに限定されることを意味するものではない。
【0030】
各部材について更に説明を行なう。LED光源1は白色LEDであり、単一で白色光を出射するものを使用する。LED光源1の大きさは、厚み方向で0.1mm〜0.3mmであり、スペーサフィルム5とほぼ同等かそれ以下である。またLED光源1は側面発光タイプのものを使用し、導光用フィルムの側面から入光させる。上部電極シート3および下部電極シート4は、主にポリエステル(PET),ポリカーボネイト(PC),塩化ビニール,ポリウレタンが用いられるが、ここではエンボス加工に適したPETを使用する。これら電極シートの厚みは、一般的なPETフィルムの0.05mm〜0.20mmである。スペーサフィルム5は、全光線透過率が高いことが要求され、経時劣化による色味変化を起こしにくい耐候性の高さも要求される。前記条件を満たすものとして、光学用途のPETやPCなどを主に用いる。スペーサフィルム5の厚みは0.1mm〜0.3mmである。ただし、スペーサフィルム5はメンブレンシート2においてスペーサの役割を果たしており、ある程度厚みを必要とする。上部電極シート3、下部電極シート4、スペーサフィルム5は、スイッチ機能を果たす孔7の周辺以外は接着されており、接着剤としては透過率が低下することを防ぐため、光学粘着材を主に使用する。電極6は、導電性インクとしてカーボンペーストや銀ペーストが使用される。もしくは両者を混合したブレンドインクを使用する場合もある。接点部以外は回路保護のため絶縁インクによるレジストを施す。
【0031】
さらにスペーサフィルム5の詳細について説明する。まずLED光源1からスペーサフィルム5に入光する部分に、入射効率を改善するための微細凹凸を形成する。これは導光板などに用いられる入光部と呼ばれるものであり、LED光源からの光の入射効率を高めるともに入射分布を広げる効果がある。入光部の形状としては、図2(a)に示すプリズム形状や図2(b)に示す半円プリズム形状が多く、本実施例では他に同様の形状を用いる。図2(a)は三角プリズム形状の入光部で高い拡散効果が得られ、図2(b)は半円プリズム形状の入光部で拡散効果と三角プリズムよりも加工しやすい特徴を持つ。また、スペーサフィルム5に抜き加工により孔7を形成する。通常は、円柱型の抜き孔にするが、本発明では抜き型の刃に微細凹凸もしくは微細プリズム、孔7の抜き面に厚み方向の微細プリズムを設ける。微細凹凸形状の例を図3に模式的に示す。図3(a)はプリズム型,図3(b)は波状型、図3(c)は歯車型を示している。プリズム型は出光特性が良く波状型は加工し易い。歯車型は両者の中間の特性を示す。孔7から出射された光は、上部電極シート3に達してキートップへ照明光として出射される。一部の光はそのまま再度スペーサフィルム5に入光し、LED光源1側から見て後部に配置された孔7から再び出光されることになる。この微細凹凸形状がLED光源1近傍の孔7と、LED光源1から離れた孔7とで異なる形状で形成されることにより、孔7から出射される光量を制御することができる。具体的には、LED光源1近傍の孔7の微細凹凸形状は大きさやピッチが荒いものにし、LED光源1から離れていくに従い微細凹凸形状の大きさやピッチを細かいものにしていく。微細凹凸形状は、LED光源1の配置と孔7の配置により最適化されている。
また、孔7の断面図を図4に示す。図4(a)は一般的な円柱型である。更に光出射率を高めるために、図4(b)のようにテーパ状に孔を抜く方法もある。これらにより、光がスペーサフィルム5を導光し孔7に達した際に、孔7の上部へ出光するのを制御することができる。これにより、各キー部での発光強度を調整することができ、均一な発光状態を得ることができた。本実施例により、LED光源を用いた薄くて均一な発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例2】
【0032】
本実施例の照明装置の構成を図5に模式的に示す。この実施例2では、LED光源1がスペーサフィルム5より大きい場合、スペーサフィルム5に入光させる方法として、ライトパイプ21を用いる方法を示している。ライトパイプ21は、LED光源1から側面側に入光させ、その光を線光源として出射する機能を有する。本実施例では、現在一般的に用いられている0.4mm以上のLED光源1に対して、0.3mm以下の発光面を持つライトパイプを用いる。ライトパイプ21の具体的な構造として、LED光源1側はスロープ状になっており、0.4mm以上の光源から発した光を0.3mm以下まで縮小する機能を有する。ライトパイプ21の入射面および出射面以外の各面は反射材により覆われている。用いられる反射材の種類としては、AlやAgまたはAgとPdとの合金などを蒸着した反射層を形成したものや、内部に反射率の高い白色顔料を混合した透明高分子基材などを用いることができる。このライトパイプ21により光線厚みを小さくすることができ、かつ線状の均一な光分布をスペーサフィルム5に入光させることができる。この際、図2に示したようなLED光源1前方にのみ入光部を形成していたが、本実施例のライトパイプ21を使用するタイプでは、スペーサフィルム5の入光面側すべてに入光部を形成するのが望ましい。上述の形態により、スペーサフィルム5より厚みのあるLED光源を利用して、実施例1と同様の特性を得ることができた。
【実施例3】
【0033】
図6に本実施例の照明装置を模式的に示す。本実施例では、実施例2と同様にスペーサフィルム5より厚みがあるLED光源1を使用するが、LED光源1と導光用フィルムの端辺を接合樹脂22により一体化する方法を用いる。この接合樹脂22は、シリコン樹脂・アクリル樹脂・エポキシ樹脂などを用い、接合部分の破損を防ぐため弾性の高い樹脂を使用する。また、LED光源1とスペーサフィルム5を接合しているため、光吸収率が小さく全光線透過率が高いものが望ましい。図6のように、接合樹脂22をLED光源1とスペーサフィルム5の端部に塗布・硬化させることにより、LED光源1の上部へ出射しようとする光を、接合樹脂22と空気との屈折率の差により、外部への光線損失を抑えた状態でスペーサフィルム5に入光させることができるようになる。上述の形態により、スペーサフィルム5より厚みのあるLED光源1を利用して、実施例2と同様の効果を得ることができた。
【実施例4】
【0034】
本実施例のキー操作部用照明装置の構成を図7に示す。本実施例が実施例1と異なる点は以下の通りである。
【0035】
本実施例では、LED光源1から出射された光を導光させる部分として、上部電極シート3とスペーサフィルム5を用いる。スペーサフィルム5をそれぞれの電極シートに接着している粘着剤は、透過率の優れた光学粘着を使用し、上部電極シート3とスペーサフィルム5が一体化された導光部となる。LED光源1はこれら導光用部材の端辺に配置され、その部分に光の入射性を向上させるための光の屈折現象を利用し入光部12を設ける。
【0036】
また、LED光源1は厚み方向で0.10mm〜0.40mmが望ましく、各導光部材への入光時の光漏れを軽減させるためLED光源1とメンブレンシート2を接合樹脂22により被覆する。被覆する樹脂の形状を、LED光源1から出射される光の角度に対して全反射現象が生じる形状にすることにより、入光時の漏れによる損失を防ぐ。
【0037】
また、上部電極シート3にはキートップ部11にのみ光を出射させるために、スペーサフィルム5に設けられた孔7に対応する箇所を除いて、反射層8が設けられている。この反射層8が上部電極シート3から光が漏れるのを防ぎ、効率良くキートップ部11に光を導く。この反射層8は、反射率の高い白色顔料や銀ペーストなどを印刷、もしくは銀蒸着することにより回路部分以外に形成される。図1は上部電極シート3にのみ反射層を設けているが、更に下部電極シート4に反射層を設ける方法もある。これにより下部電極シート4による光の損失を防ぎ、輝度アップが可能となる。
【0038】
メンブレンスイッチに使用される電極は、通常カーボンや銀ペーストなどを用いたものを使用するが、本実施例では上部電極シート3側の電極6は光出射の経路になっており、光を透過させるものが望ましい。そこで、ITOなどの透明電極で電極6を形成する。これにより、光の出射を阻害せずにスイッチ部側へ透過させることができる。
【0039】
図8はLED光源1とメンブレンシート2の代表的な配置を示している。(a)はLED光源1を片側3灯使用した場合、(b)は片側2灯使用した場合、(c)は両側4灯使用した場合、(d)は片側1灯使用した場合、(e)は両側2灯使用した場合のLED光源1とメンブレンシート2の配置の例を示している。LED光源1とメンブレンシート2の孔7の配置は製品仕様により変化するが、LED光源1の灯数を増やすことで輝度が上昇し、両側にLED光源1を配置することにより均一性が向上する。さらに本実施例の構成を用いた場合、LED灯数1灯での均一な発光も可能である。
【0040】
本実施例の形態により、LED光源を用いた薄くて均一な発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例5】
【0041】
本実施例の照明装置の構成を図9に模式的に示す。本実施例は下部電極シート4の回路を除く部分に、反射率の高い白色顔料が印刷または銀蒸着されていることと、孔7の形状がLED光源1側の側面部がテーパ状になっている以外は、実施例4と同じである。LED光源1からスペーサフィルム5に入光された光は、孔7の側面に到達し空気層に出光される。このとき、孔7に微細凹凸を設けることにより光出射率の制御を行なえることを実施例1で述べたが、本実施例のように孔7の側面をテーパ状にすることにより、光出射する方向を孔7の真上にすることが可能となる。具体的には、孔7のテーパ部に照射された光は屈折効果により下部電極シート4に進行方向が曲げられる。曲げられた光は下部電極シート4で反射され、上部電極シート3の方向に導かれキートップ部11に入光することになる。このテーパの角度としては、下部電極シート4に対して45度の角度とするのが最も望ましい。
【0042】
上述の構成により、均一でかつ明るい発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例6】
【0043】
本実施例の特徴を示した模式図を図10に示す。図10は、LED光源1とメンブレンシート2の一部を示したものである。本実施例では、LED光源1に側面発光型のLEDではなく、直上発光型のLEDと反射構造体23を用いる。図10(a)および(b)は反射構造体23の構造の一例である。LEDを用いてシートなど薄型の導光部材に入光させる場合、光の出射方向と必要とされる導光方向が一致していることから側面発光型の方が入光させやすく、直上発光型を用いることが難しい。ただし、LEDの厚み方向の傾向として、パッケージ方法の難しさから側面発光型の薄型化は困難であり、実際には直上発光型のLEDの方が薄くなっている。図10のように、直上発光型のLED光源と反射構造体23を組み合わせることにより、側面発光型のLEDよりも薄くすることができ、かつメンブレンシート2への入光率を向上させることが可能となる。具体的には、LED光源1から直上方向へ出射された光は反射構造体23に照射され、そこでメンブレンシート2の導光部へ照射される。反射構造体23はメンブレンシート2の導光部とほぼ同じ大きさであるため、メンブレンシート2の導光部と同じ厚みの側面発光型LEDを同等の光源として利用できる。反射構造体23は、アルミニウムなどの金属成型品や銀蒸着などの反射層を施した成型品を用いる。または、実施例3と同様にメンブレンシート2とLED光源1を接合樹脂で被覆し、その上に反射層を設ける方法もある。
【0044】
本実施例の形態により、さらに薄くて均一な発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例7】
【0045】
上述の各実施例では、LED光源1に白色光を発光する白色LEDを用いたが、本実施例では、青色LEDと赤・緑蛍光体を組み合わせた光源を用いて白色光を実現している。ここで青色LEDとは、青色発光ダイオードを発光源として、主に400nm〜500nmの発光スペクトルを持っているものを指す。これらを励起光源として、緑発光蛍光体と赤発光蛍光体を使用することにより、RGBの発光スペクトルを持った白色光を得ることができる。ここで、緑発光蛍光体は青色LEDの発光スペクトルを励起光として、主に500nm〜600nmの間に発光ピーク波長を持つ蛍光体であり、赤発光蛍光体は青色LEDの発光スペクトルを励起光とする主に600nm〜700nmの間に発光ピーク波長を持つ蛍光体を指す。
【0046】
これら蛍光体は、青色LEDから発した光を波長変換するため、LEDからの光が照射される箇所に配置する必要がある。実施例3に適用する場合には、接合樹脂22に緑発光蛍光体と赤発光蛍光体を混合することにより、LEDからの光をほぼ全て波長変換することができる。
【0047】
また、実施例2に適用する場合には、ライトパイプ21を緑発光蛍光体と赤発光蛍光体を混入することにより、同様の波長変換を行なうことができる。実施例1に適用する場合には、図11のようにLED光源1とスペーサフィルム5の間に、各々の蛍光体を混入した波長変換材31を配置することで実現できる。また、各実施例ともに光源付近ではなく図12のようにスペーサフィルム5の孔7の中に、各々の蛍光体を混入した波長変換材31を配置することにより、色変換を行なうことができる。更には、図13のようにメンブレンシート2の操作側に各蛍光体を配合した波長変換材31を樹脂に混ぜて印刷することでも、同様の色変換が実現できる。ここでの印刷方法はスクリーン印刷などが厚み制御と蛍光体濃度制御が容易に行なえるため、印刷に適している。
【0048】
このような色変換は、青色LEDと緑色発光蛍光体,赤色発光蛍光体を組み合わせて白色光を得ることを前提としているが、所望する照明光の色によっては、RGBの各三色のみならずR+G,R+B,G+Rの色を波長変換材の蛍光体の含有量で調整して、照明光として用いることが可能である。特に、図12や図13に示した構成では、各キー毎に異なる発光色を得ることができ、鮮やかなキー照明装置を実現することができる。本実施例によれば、照明光の色の種類が豊富な照明装置を得ることができる。
【実施例8】
【0049】
本実施例では、実施例7における蛍光体の代替として蓄光体を使用する。蓄光体とは、励起光となる光が照射されない状態でも、発光を長時間継続している発光材であり、電力をカットした状態でも、長時間の発光が可能な発光材である。蓄光体は主に、近紫外のスペクトル波長を励起光としており、青や緑色の発光色を示す。これら蓄光体は、青色発光ダイオードからの発光スペクトルでも蓄光が行なわれるため、青色LEDや白色LEDからの発光光でも、蓄光体を励起させることは可能である。蓄光体の配置方法としては、実施例7の図13において、メンブレンシート2の操作側に蓄光体を混入した波長変換材31が混入された樹脂を印刷する。LED光源1が点灯している状態では蓄光体の励起が行なわれ、ある程度時間が経過した時点で、LED光源1への電力をカットし、蓄光体からの蓄光を利用することが可能となる。本実施例によれば、電力供給を適宜に抑えた消費電力の少ないキー操作部照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による照明装置の断面構成を示す模式図である。
【図2】入光部の形状を示す模式図である。
【図3】孔の形状例を説明する模式図である。
【図4】孔の断面形状を示す模式図である。
【図5】ライトパイプを用いた構造を示す模式図である。
【図6】本発明による照明装置の一部構造を示す模式図である。
【図7】本発明による照明装置の断面構成を示す模式図である。
【図8】光源の配置を示す模式図である。
【図9】本発明による照明装置の断面構成を示す模式図である。
【図10】本発明による照明装置の一部構造を示す模式図である。
【図11】波長変換材の配置を説明する模式図である。
【図12】波長変換材の配置を説明する模式図である。
【図13】波長変換材の配置を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0051】
1 LED光源
2 メンブレンシート
3 上部電極シート
4 下部電極シート
5 スペーサフィルム
6 スイッチ接点
7 孔
8 反射層
9 粘着層
11 キートップ部
12 入光部
21 ライトパイプ
22 接合樹脂
23 反射構造体
31 波長変換材
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー操作部を照明するための照明装置、及びこれを備える携帯情報機器や携帯電話などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などを代表とする携帯情報機器はその利便性の高さゆえに、様々な場所での使用が想定されて開発が行なわれている。中でも、暗所での使用を可能にするためキー操作部を照明する装置が、多くの携帯情報機器に組み込まれている。このキー操作部照明装置は、携帯情報機器の内部からキー操作部を照明することにより、夜間や外光が少ない場所でもキー操作を可能にし、時間や場所を問わず使用することを可能にしている。
【0003】
このキー操作部照明装置による照明方法としては、EL(エレクトロルミネッセンス)を用いたタイプとLED(発光ダイオード)を用いたタイプとに多くは大別される。それぞれの特徴としてELを用いたタイプでは、長所として、均一な面発光が可能、厚みが薄い、など挙げられ、短所として、寿命がLEDタイプに比べて短い、直流→交流インバータが必要、輝度が低い、などが挙げられる。一方LEDタイプの場合は、長所として、高輝度、ELタイプより長寿命、インバータが不要、などが挙げられ、短所として、均一な面発光のための工夫(導光板など)が必要、厚みが厚い、などが挙げられる。
【0004】
従来のLEDを使用したキー操作部の照明装置は、ボタンスイッチとして機能するキーシートと、表面にチップLEDとスイッチ接合部を備えたプリント基板と、LEDからの光を拡散し均一にする導光板とで構成されている。LEDの光が導光板内で導光し、キーシートのボタンスイッチが照らされ、夜間などの暗所でもキー操作を快適に行なうことができるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
またELタイプのキー操作部用照明装置は、キー操作部を備えた作動部と非作動部を一体に成型したシリコンゴム及びラバーパッドの背面にELシートを配設することにより、クリック操作に影響を及ぼさずにキーパッドの各キーを照明できるようになっている(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開平9−55143号公報
【特許文献2】特開平10−283096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ELタイプ・LEDタイプ両者ともに前述した欠点があり、機器に要求される仕様に合わせてどちらかを選択する場合が多く、両者の特徴を併せ持った形式のキー操作部用照明装置がないのが現状である。
【0007】
さらに最近の傾向として、携帯機器の厚みを薄くすることにより携帯感の向上を目指しているため、キー操作部の照明装置には「厚みが薄い」という長所を持ったELタイプが多く採用されているのが現状である。ただしLEDタイプの、高輝度、長寿命、インバータが不要、という長所も重要視されており、厚みの薄いLEDタイプのキー操作部用照明装置が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、光源にLEDを使用し、かつEL並みの薄さで実現可能なキー操作部用の照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明のタッチスイッチ機能付の照明装置は、上電極が形成された上部電極シートと、下電極が形成された下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源を備えており、スペーサフィルムが、光源から発光された光を導光する機能を備えている。また、スペーサフィルムにはメンブレンシートのスイッチ機能を阻害しないための孔が設けられており、この孔から照明光が出射することとした。
【0010】
また、上部電極シートとスペーサフィルムの間と、下部電極シートとスペーサフィルムの間の少なくとも一方に、反射層を設けることとした。また、孔の側面部に微細凹凸形状を形成することとした。
【0011】
また、光源に点光源を用い、点光源とスペーサフィルムの入光面の間に、点光源側と入光面側で厚みが異なる形状のライトパイプを配置し、ライトパイプの出光面からスペーサフィルムの入光面に線状光が入光することとした。
【0012】
さらに、光源からの光が上部電極シートの端面からも入光するように構成し、上部電極シートが光源から発光された光を導光する機能を持つこととした。すなわち、スペーサフィルムと上部電極シートを導光用フィルムとして用いることとした。ここで、上部電極シートの光出射面に反射層を設けた。
【0013】
本発明を適用したキー操作部用の照明装置は、スイッチ機能を有するメンブレンシート(メンブレンスイッチ)と光源となるLEDチップにより構成される。メンブレンシートはその構造により、「フラットタイプ」「エンボスタイプ」「金属ドームタイプ」などに分けられるが、主流となっているのは「エンボスタイプ」である。これらの共通点は、上部電極シートと下部電極シートと、これらの間に設けられたスペーサ用フィルムで構成されている点である。各電極シートやスペーサ用フィルムにはポリエステル・ポリカーボネイド・塩化ビニール・ポリウレタンなどが用いられ、各フィルムは粘着剤などで接着されている。粘着剤は透過率の優れた光学粘着を使用する。メンブレンシートのスイッチ部に相当する部分の裏側には、導電インクが印刷されており、その種類として銀やカーボンもしくはそれらをブレンドしたものを使用する。メンブレンシートは多数のフィルムで構成されており、一部のフィルムを導光用フィルムとして使用できる。本発明では、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを導光用フィルムとして用いている。上部電極シートと下部電極シートには、スイッチ部となる箇所に電極が設けられている。導光用フィルムには、スイッチ部の周辺に任意の孔が形成されており、スイッチ機能を阻害しないようになっている。
【0014】
また、キー操作部のボタン部を明るくするために、導光体フィルムの入光面に微細な凹凸パターンを形成し、ボタン部まで光を到達させる。また導光用フィルムの孔の側面部に微細な凹凸パターンを付与する。これら微細な凹凸およびパターンは、導光用フィルムの製造時、もしくは抜き加工を行なう際に付与される。
【0015】
本発明の電子機器は、上部電極シートと、下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを有するメンブレンシートと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、メンブレンシートの上部に設けられたキー操作部を備えており、スペーサフィルムに光源から発光された光を導光する機能を持たせてキー操作部を照明するように構成した。さらに、スペーサフィルムにはメンブレンシートのスイッチ機能を阻害しないように孔が設けられており、孔から照明光が出射するように構成した。
【0016】
また、光源から発光された光が上部電極シートの端面からも入光するように構成されるとともに、上部電極シートに光源から発光された光を導光する機能を持たせてキー操作部を照明するように構成した。
【0017】
さらに、光源の光で励起する蛍光体を、光源とキー操作部の間の光路中に設けることとした。あるいは、蓄光材を、光源とキー操作部の間の光路中に設けることとした。
【発明の効果】
【0018】
本発明の照明装置は、LEDチップの光をキーシートのボタン部に導くためにキーシートを構成するフィルムの一部を使用している。そのため、従来のLEDタイプのキー操作部用照明装置より、導光板一枚分薄くすることができ、ELタイプのキー操作部用照明装置と遜色ない程度の薄さが実現できる。
【0019】
また、LEDチップからの光線をより効率良くキー操作部へ到達させるための微細凹凸形状を導光用フィルムに付与しているため、少ないLEDチップで照明を行なうことも可能である。これにより、従来では多数使用していたLEDチップの数を大幅に減らすことが可能となり、低消費電力を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の照明装置は、上電極が形成された上部電極シートと、下電極が形成された下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源を備えており、このスペーサフィルムが光源から発光された光を導光する機能を持っている。ここで、上部電極シートと、下電極シートと、スペーサフィルムがタッチスイッチ機能を担っている。
【0021】
また、スペーサフィルムには孔が設けられており、スペーサフィルムにより導光された光が照明光として孔から出射する。上部電極シートとスペーサフィルムの間、下部電極シートとスペーサフィルムの間の少なくとも一方に、反射層を設けることによりスペーサフィルム内を導光する光が孔以外から漏れることを防ぐことができる。
【0022】
本発明では、スペーサ用フィルムを導光用フィルムとして使用している。この導光用フィルムはロール押し出し加工により作製され、ロールシート状で押し出された導光用フィルムは、所定のサイズに、抜き加工される。本発明の光源は導光用フィルムの端辺に設置されており、その部分に光の入射性を向上させる入光部が設けられる。導光用フィルムをシートから各ピースに抜く過程で、抜き刃に微細凹凸形状をつけることにより、端辺に微細凹凸状の入光部が形成される。またスイッチ部の孔を抜き型により形成する過程で、抜き型の刃に、孔の径が抜き方向に対して変化する円錐形状の刃を使用することができる。また前記抜き型の刃をプリズムや波型などの微細な凹凸形状にすることにより、抜き型の刃と同様の形状を孔の側面に設けることができる。これらの形状を孔の側面に設けることにより、導光用フィルムから出射される光はキートップへ向けられ、明るく均一なキーパッド用照明装置を実現できる。
【0023】
さらに、孔の側面部をテーパ状にすることにより、光が孔の上部へ出光するのを制御できる。また、孔の微細凹凸の形状をLED光源近傍では荒く、LED光源遠方の孔では細かくすることにより、孔からの光量を制御して各孔から均一な出光特性を得られる。
【0024】
また、光源から発光された光が上部電極シートの端面からも入光するように構成し、上部電極シートも光源から発光された光を導光するように構成してもよい。すなわち、スペーサシートと上部電極シートを導光用フィルムとして用いてもよい。その場合、上部電極シートの光出射面側のスイッチ部を除いた領域に反射層を設けるとよい。
【0025】
光源は、白色LEDを使用する。直接LEDから導光用フィルムに入光させる場合は、導光用フィルムと同程度の厚みの薄いLEDを使用する。導光用フィルムより厚みの厚いLEDを使用する場合は、ライトパイプを用いることにより、導光用フィルムへ入光することができる。
【0026】
また、光源の照射面と導光用フィルムの入光面の間を接合樹脂で充填することにより、全反射現象と入光部における屈折効果を利用して光入射の効率と拡散性を向上させることができる。また、上部電極シートの電極にITOなどの透明電極を用いることにより、スイッチ部での出射光が妨げられることなく、キートップ部の照明を行なうことができる。
【0027】
さらに、本発明の電子機器は、上部電極シートと、下部電極シートと、上部電極シートと下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを有するメンブレンシートと、スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、メンブレンシートの上部に設けられたキー操作部を備えており、スペーサフィルムが光源から発光された光を導光する機能を持ち、キー操作部を照明する構成である。
【0028】
以下に本発明の照明装置に関する実施例を、図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0029】
本発明のキー操作部照明装置を図1に示す。図1に示す照明装置は、LED光源1、メンブレンシート2で構成されている。さらにメンブレンシート2は、上部電極シート3、下部電極シート4、およびそれらのスペーサの役割とLED光源1からの光を導波させるための役割をもったスペーサフィルム5を備えている。上部電極シート3と下部電極シート4には、接触することにより接点出力を出す電極6が印刷されている。LED光源1はスペーサフィルム5の端部に配置されており、LED光源1が電極シートまたは回路基板に実装されている。LED光源1から発光された光は、スペーサフィルム5に入射され、フィルム内部を導光していく。上部電極シート3と下部電極シート4の回路を除いた領域には、反射率の高い白色顔料が印刷もしくは銀蒸着され、反射特性を向上させている。さらにスペーサフィルム5には、上下の電極6の接触を妨げないように孔7が設けられており、この孔7より前記LED光源1からの光を出射させ、光は表面シートもしくはキートップを直接照明する。
なお、本実施例では、LED光源1が回路基板だけでなく、上部電極シート3もしくは下部電極シート4に実装されている場合も想定している。また、図1はエンボス加工されたメンブレンシートによるキー照明装置を示しているが、これは本発明がエンボスタイプのみに限定されることを意味するものではない。
【0030】
各部材について更に説明を行なう。LED光源1は白色LEDであり、単一で白色光を出射するものを使用する。LED光源1の大きさは、厚み方向で0.1mm〜0.3mmであり、スペーサフィルム5とほぼ同等かそれ以下である。またLED光源1は側面発光タイプのものを使用し、導光用フィルムの側面から入光させる。上部電極シート3および下部電極シート4は、主にポリエステル(PET),ポリカーボネイト(PC),塩化ビニール,ポリウレタンが用いられるが、ここではエンボス加工に適したPETを使用する。これら電極シートの厚みは、一般的なPETフィルムの0.05mm〜0.20mmである。スペーサフィルム5は、全光線透過率が高いことが要求され、経時劣化による色味変化を起こしにくい耐候性の高さも要求される。前記条件を満たすものとして、光学用途のPETやPCなどを主に用いる。スペーサフィルム5の厚みは0.1mm〜0.3mmである。ただし、スペーサフィルム5はメンブレンシート2においてスペーサの役割を果たしており、ある程度厚みを必要とする。上部電極シート3、下部電極シート4、スペーサフィルム5は、スイッチ機能を果たす孔7の周辺以外は接着されており、接着剤としては透過率が低下することを防ぐため、光学粘着材を主に使用する。電極6は、導電性インクとしてカーボンペーストや銀ペーストが使用される。もしくは両者を混合したブレンドインクを使用する場合もある。接点部以外は回路保護のため絶縁インクによるレジストを施す。
【0031】
さらにスペーサフィルム5の詳細について説明する。まずLED光源1からスペーサフィルム5に入光する部分に、入射効率を改善するための微細凹凸を形成する。これは導光板などに用いられる入光部と呼ばれるものであり、LED光源からの光の入射効率を高めるともに入射分布を広げる効果がある。入光部の形状としては、図2(a)に示すプリズム形状や図2(b)に示す半円プリズム形状が多く、本実施例では他に同様の形状を用いる。図2(a)は三角プリズム形状の入光部で高い拡散効果が得られ、図2(b)は半円プリズム形状の入光部で拡散効果と三角プリズムよりも加工しやすい特徴を持つ。また、スペーサフィルム5に抜き加工により孔7を形成する。通常は、円柱型の抜き孔にするが、本発明では抜き型の刃に微細凹凸もしくは微細プリズム、孔7の抜き面に厚み方向の微細プリズムを設ける。微細凹凸形状の例を図3に模式的に示す。図3(a)はプリズム型,図3(b)は波状型、図3(c)は歯車型を示している。プリズム型は出光特性が良く波状型は加工し易い。歯車型は両者の中間の特性を示す。孔7から出射された光は、上部電極シート3に達してキートップへ照明光として出射される。一部の光はそのまま再度スペーサフィルム5に入光し、LED光源1側から見て後部に配置された孔7から再び出光されることになる。この微細凹凸形状がLED光源1近傍の孔7と、LED光源1から離れた孔7とで異なる形状で形成されることにより、孔7から出射される光量を制御することができる。具体的には、LED光源1近傍の孔7の微細凹凸形状は大きさやピッチが荒いものにし、LED光源1から離れていくに従い微細凹凸形状の大きさやピッチを細かいものにしていく。微細凹凸形状は、LED光源1の配置と孔7の配置により最適化されている。
また、孔7の断面図を図4に示す。図4(a)は一般的な円柱型である。更に光出射率を高めるために、図4(b)のようにテーパ状に孔を抜く方法もある。これらにより、光がスペーサフィルム5を導光し孔7に達した際に、孔7の上部へ出光するのを制御することができる。これにより、各キー部での発光強度を調整することができ、均一な発光状態を得ることができた。本実施例により、LED光源を用いた薄くて均一な発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例2】
【0032】
本実施例の照明装置の構成を図5に模式的に示す。この実施例2では、LED光源1がスペーサフィルム5より大きい場合、スペーサフィルム5に入光させる方法として、ライトパイプ21を用いる方法を示している。ライトパイプ21は、LED光源1から側面側に入光させ、その光を線光源として出射する機能を有する。本実施例では、現在一般的に用いられている0.4mm以上のLED光源1に対して、0.3mm以下の発光面を持つライトパイプを用いる。ライトパイプ21の具体的な構造として、LED光源1側はスロープ状になっており、0.4mm以上の光源から発した光を0.3mm以下まで縮小する機能を有する。ライトパイプ21の入射面および出射面以外の各面は反射材により覆われている。用いられる反射材の種類としては、AlやAgまたはAgとPdとの合金などを蒸着した反射層を形成したものや、内部に反射率の高い白色顔料を混合した透明高分子基材などを用いることができる。このライトパイプ21により光線厚みを小さくすることができ、かつ線状の均一な光分布をスペーサフィルム5に入光させることができる。この際、図2に示したようなLED光源1前方にのみ入光部を形成していたが、本実施例のライトパイプ21を使用するタイプでは、スペーサフィルム5の入光面側すべてに入光部を形成するのが望ましい。上述の形態により、スペーサフィルム5より厚みのあるLED光源を利用して、実施例1と同様の特性を得ることができた。
【実施例3】
【0033】
図6に本実施例の照明装置を模式的に示す。本実施例では、実施例2と同様にスペーサフィルム5より厚みがあるLED光源1を使用するが、LED光源1と導光用フィルムの端辺を接合樹脂22により一体化する方法を用いる。この接合樹脂22は、シリコン樹脂・アクリル樹脂・エポキシ樹脂などを用い、接合部分の破損を防ぐため弾性の高い樹脂を使用する。また、LED光源1とスペーサフィルム5を接合しているため、光吸収率が小さく全光線透過率が高いものが望ましい。図6のように、接合樹脂22をLED光源1とスペーサフィルム5の端部に塗布・硬化させることにより、LED光源1の上部へ出射しようとする光を、接合樹脂22と空気との屈折率の差により、外部への光線損失を抑えた状態でスペーサフィルム5に入光させることができるようになる。上述の形態により、スペーサフィルム5より厚みのあるLED光源1を利用して、実施例2と同様の効果を得ることができた。
【実施例4】
【0034】
本実施例のキー操作部用照明装置の構成を図7に示す。本実施例が実施例1と異なる点は以下の通りである。
【0035】
本実施例では、LED光源1から出射された光を導光させる部分として、上部電極シート3とスペーサフィルム5を用いる。スペーサフィルム5をそれぞれの電極シートに接着している粘着剤は、透過率の優れた光学粘着を使用し、上部電極シート3とスペーサフィルム5が一体化された導光部となる。LED光源1はこれら導光用部材の端辺に配置され、その部分に光の入射性を向上させるための光の屈折現象を利用し入光部12を設ける。
【0036】
また、LED光源1は厚み方向で0.10mm〜0.40mmが望ましく、各導光部材への入光時の光漏れを軽減させるためLED光源1とメンブレンシート2を接合樹脂22により被覆する。被覆する樹脂の形状を、LED光源1から出射される光の角度に対して全反射現象が生じる形状にすることにより、入光時の漏れによる損失を防ぐ。
【0037】
また、上部電極シート3にはキートップ部11にのみ光を出射させるために、スペーサフィルム5に設けられた孔7に対応する箇所を除いて、反射層8が設けられている。この反射層8が上部電極シート3から光が漏れるのを防ぎ、効率良くキートップ部11に光を導く。この反射層8は、反射率の高い白色顔料や銀ペーストなどを印刷、もしくは銀蒸着することにより回路部分以外に形成される。図1は上部電極シート3にのみ反射層を設けているが、更に下部電極シート4に反射層を設ける方法もある。これにより下部電極シート4による光の損失を防ぎ、輝度アップが可能となる。
【0038】
メンブレンスイッチに使用される電極は、通常カーボンや銀ペーストなどを用いたものを使用するが、本実施例では上部電極シート3側の電極6は光出射の経路になっており、光を透過させるものが望ましい。そこで、ITOなどの透明電極で電極6を形成する。これにより、光の出射を阻害せずにスイッチ部側へ透過させることができる。
【0039】
図8はLED光源1とメンブレンシート2の代表的な配置を示している。(a)はLED光源1を片側3灯使用した場合、(b)は片側2灯使用した場合、(c)は両側4灯使用した場合、(d)は片側1灯使用した場合、(e)は両側2灯使用した場合のLED光源1とメンブレンシート2の配置の例を示している。LED光源1とメンブレンシート2の孔7の配置は製品仕様により変化するが、LED光源1の灯数を増やすことで輝度が上昇し、両側にLED光源1を配置することにより均一性が向上する。さらに本実施例の構成を用いた場合、LED灯数1灯での均一な発光も可能である。
【0040】
本実施例の形態により、LED光源を用いた薄くて均一な発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例5】
【0041】
本実施例の照明装置の構成を図9に模式的に示す。本実施例は下部電極シート4の回路を除く部分に、反射率の高い白色顔料が印刷または銀蒸着されていることと、孔7の形状がLED光源1側の側面部がテーパ状になっている以外は、実施例4と同じである。LED光源1からスペーサフィルム5に入光された光は、孔7の側面に到達し空気層に出光される。このとき、孔7に微細凹凸を設けることにより光出射率の制御を行なえることを実施例1で述べたが、本実施例のように孔7の側面をテーパ状にすることにより、光出射する方向を孔7の真上にすることが可能となる。具体的には、孔7のテーパ部に照射された光は屈折効果により下部電極シート4に進行方向が曲げられる。曲げられた光は下部電極シート4で反射され、上部電極シート3の方向に導かれキートップ部11に入光することになる。このテーパの角度としては、下部電極シート4に対して45度の角度とするのが最も望ましい。
【0042】
上述の構成により、均一でかつ明るい発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例6】
【0043】
本実施例の特徴を示した模式図を図10に示す。図10は、LED光源1とメンブレンシート2の一部を示したものである。本実施例では、LED光源1に側面発光型のLEDではなく、直上発光型のLEDと反射構造体23を用いる。図10(a)および(b)は反射構造体23の構造の一例である。LEDを用いてシートなど薄型の導光部材に入光させる場合、光の出射方向と必要とされる導光方向が一致していることから側面発光型の方が入光させやすく、直上発光型を用いることが難しい。ただし、LEDの厚み方向の傾向として、パッケージ方法の難しさから側面発光型の薄型化は困難であり、実際には直上発光型のLEDの方が薄くなっている。図10のように、直上発光型のLED光源と反射構造体23を組み合わせることにより、側面発光型のLEDよりも薄くすることができ、かつメンブレンシート2への入光率を向上させることが可能となる。具体的には、LED光源1から直上方向へ出射された光は反射構造体23に照射され、そこでメンブレンシート2の導光部へ照射される。反射構造体23はメンブレンシート2の導光部とほぼ同じ大きさであるため、メンブレンシート2の導光部と同じ厚みの側面発光型LEDを同等の光源として利用できる。反射構造体23は、アルミニウムなどの金属成型品や銀蒸着などの反射層を施した成型品を用いる。または、実施例3と同様にメンブレンシート2とLED光源1を接合樹脂で被覆し、その上に反射層を設ける方法もある。
【0044】
本実施例の形態により、さらに薄くて均一な発光を有するキー照明装置を得ることができた。
【実施例7】
【0045】
上述の各実施例では、LED光源1に白色光を発光する白色LEDを用いたが、本実施例では、青色LEDと赤・緑蛍光体を組み合わせた光源を用いて白色光を実現している。ここで青色LEDとは、青色発光ダイオードを発光源として、主に400nm〜500nmの発光スペクトルを持っているものを指す。これらを励起光源として、緑発光蛍光体と赤発光蛍光体を使用することにより、RGBの発光スペクトルを持った白色光を得ることができる。ここで、緑発光蛍光体は青色LEDの発光スペクトルを励起光として、主に500nm〜600nmの間に発光ピーク波長を持つ蛍光体であり、赤発光蛍光体は青色LEDの発光スペクトルを励起光とする主に600nm〜700nmの間に発光ピーク波長を持つ蛍光体を指す。
【0046】
これら蛍光体は、青色LEDから発した光を波長変換するため、LEDからの光が照射される箇所に配置する必要がある。実施例3に適用する場合には、接合樹脂22に緑発光蛍光体と赤発光蛍光体を混合することにより、LEDからの光をほぼ全て波長変換することができる。
【0047】
また、実施例2に適用する場合には、ライトパイプ21を緑発光蛍光体と赤発光蛍光体を混入することにより、同様の波長変換を行なうことができる。実施例1に適用する場合には、図11のようにLED光源1とスペーサフィルム5の間に、各々の蛍光体を混入した波長変換材31を配置することで実現できる。また、各実施例ともに光源付近ではなく図12のようにスペーサフィルム5の孔7の中に、各々の蛍光体を混入した波長変換材31を配置することにより、色変換を行なうことができる。更には、図13のようにメンブレンシート2の操作側に各蛍光体を配合した波長変換材31を樹脂に混ぜて印刷することでも、同様の色変換が実現できる。ここでの印刷方法はスクリーン印刷などが厚み制御と蛍光体濃度制御が容易に行なえるため、印刷に適している。
【0048】
このような色変換は、青色LEDと緑色発光蛍光体,赤色発光蛍光体を組み合わせて白色光を得ることを前提としているが、所望する照明光の色によっては、RGBの各三色のみならずR+G,R+B,G+Rの色を波長変換材の蛍光体の含有量で調整して、照明光として用いることが可能である。特に、図12や図13に示した構成では、各キー毎に異なる発光色を得ることができ、鮮やかなキー照明装置を実現することができる。本実施例によれば、照明光の色の種類が豊富な照明装置を得ることができる。
【実施例8】
【0049】
本実施例では、実施例7における蛍光体の代替として蓄光体を使用する。蓄光体とは、励起光となる光が照射されない状態でも、発光を長時間継続している発光材であり、電力をカットした状態でも、長時間の発光が可能な発光材である。蓄光体は主に、近紫外のスペクトル波長を励起光としており、青や緑色の発光色を示す。これら蓄光体は、青色発光ダイオードからの発光スペクトルでも蓄光が行なわれるため、青色LEDや白色LEDからの発光光でも、蓄光体を励起させることは可能である。蓄光体の配置方法としては、実施例7の図13において、メンブレンシート2の操作側に蓄光体を混入した波長変換材31が混入された樹脂を印刷する。LED光源1が点灯している状態では蓄光体の励起が行なわれ、ある程度時間が経過した時点で、LED光源1への電力をカットし、蓄光体からの蓄光を利用することが可能となる。本実施例によれば、電力供給を適宜に抑えた消費電力の少ないキー操作部照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による照明装置の断面構成を示す模式図である。
【図2】入光部の形状を示す模式図である。
【図3】孔の形状例を説明する模式図である。
【図4】孔の断面形状を示す模式図である。
【図5】ライトパイプを用いた構造を示す模式図である。
【図6】本発明による照明装置の一部構造を示す模式図である。
【図7】本発明による照明装置の断面構成を示す模式図である。
【図8】光源の配置を示す模式図である。
【図9】本発明による照明装置の断面構成を示す模式図である。
【図10】本発明による照明装置の一部構造を示す模式図である。
【図11】波長変換材の配置を説明する模式図である。
【図12】波長変換材の配置を説明する模式図である。
【図13】波長変換材の配置を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0051】
1 LED光源
2 メンブレンシート
3 上部電極シート
4 下部電極シート
5 スペーサフィルム
6 スイッチ接点
7 孔
8 反射層
9 粘着層
11 キートップ部
12 入光部
21 ライトパイプ
22 接合樹脂
23 反射構造体
31 波長変換材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上電極が形成された上部電極シートと、下電極が形成された下部電極シートと、前記上部電極シートと前記下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムと、前記スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、を備え
前記スペーサフィルムが、前記光源から発光された光を導光することを特徴とするタッチスイッチ機能付の照明装置。
【請求項2】
前記スペーサフィルムには孔が設けられており、前記スペーサフィルムにより導光された光が照明光として前記孔から出射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記上電極が透明電極であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記スペーサフィルムの入光面に微細凹凸形状が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記孔の側面部に微細凹凸形状が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記孔の側面部がテーパ状になっていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源の照射面と前記入光面の間を接合樹脂で充填することを特徴とする前記1〜6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記上部電極シートと前記スペーサフィルムの間、または前記下部電極シートと前記スペーサフィルムの間の少なくとも一方に、反射層が設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記光源から発光された光が前記上部電極シートの端面からも入光するように構成されるとともに、前記上部電極シートが前記光源から発光された光を導光することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記上部電極シートの光出射面側に反射層が設けられたことを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記光源は点光源であり、前記光源と前記入光面の間に、前記光源の側と前記入光面の側で厚みが異なる形状のライトパイプを備えており、前記入光面には前記ライトパイプの出光面より線状光が入光することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
上部電極シートと、下部電極シートと、前記上部電極シートと前記下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを有するメンブレンシートと、
前記スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、
前記メンブレンシートの上部に設けられたキー操作部と、を備え、
前記スペーサフィルムは前記光源から発光された光を導光する機能を持ち、前記キー操作部を照明することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
前記光源から発光された光が前記上部電極シートの端面からも入光するように構成されるとともに、前記上部電極シートが前記光源から発光された光を導光することを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記スペーサフィルムには孔が設けられており、前記孔から照明光が出射することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
前記光源の光で励起する蛍光体が、前記光源と前記キー操作部の間の光路中に設けられたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項16】
前記光源と前記キー操作部の間の光路中に蓄光材が設けられたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項1】
上電極が形成された上部電極シートと、下電極が形成された下部電極シートと、前記上部電極シートと前記下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムと、前記スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、を備え
前記スペーサフィルムが、前記光源から発光された光を導光することを特徴とするタッチスイッチ機能付の照明装置。
【請求項2】
前記スペーサフィルムには孔が設けられており、前記スペーサフィルムにより導光された光が照明光として前記孔から出射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記上電極が透明電極であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記スペーサフィルムの入光面に微細凹凸形状が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記孔の側面部に微細凹凸形状が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記孔の側面部がテーパ状になっていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源の照射面と前記入光面の間を接合樹脂で充填することを特徴とする前記1〜6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記上部電極シートと前記スペーサフィルムの間、または前記下部電極シートと前記スペーサフィルムの間の少なくとも一方に、反射層が設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記光源から発光された光が前記上部電極シートの端面からも入光するように構成されるとともに、前記上部電極シートが前記光源から発光された光を導光することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記上部電極シートの光出射面側に反射層が設けられたことを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記光源は点光源であり、前記光源と前記入光面の間に、前記光源の側と前記入光面の側で厚みが異なる形状のライトパイプを備えており、前記入光面には前記ライトパイプの出光面より線状光が入光することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
上部電極シートと、下部電極シートと、前記上部電極シートと前記下部電極シートの間に設けられたスペーサフィルムを有するメンブレンシートと、
前記スペーサフィルムの入光面に光を供給する光源と、
前記メンブレンシートの上部に設けられたキー操作部と、を備え、
前記スペーサフィルムは前記光源から発光された光を導光する機能を持ち、前記キー操作部を照明することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
前記光源から発光された光が前記上部電極シートの端面からも入光するように構成されるとともに、前記上部電極シートが前記光源から発光された光を導光することを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記スペーサフィルムには孔が設けられており、前記孔から照明光が出射することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
前記光源の光で励起する蛍光体が、前記光源と前記キー操作部の間の光路中に設けられたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項16】
前記光源と前記キー操作部の間の光路中に蓄光材が設けられたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−243807(P2008−243807A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42593(P2008−42593)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]