説明

照明装置及びカメラ

【課題】バウンス撮影において、被写体に適切な光量の照射光を照射することができる照明装置を提供する。
【解決手段】本発明に係わる照明装置(30)は、照射光の照射範囲が可変で且つ前記照射光の光軸が被写体に対向する位置と前記被写体とは異なる反射面に対向する位置との間を移動可能な発光部(37)と、カメラの撮影光軸上に存在する被写体までの距離に相当する第1距離情報を取得する第1距離情報取得手段(41)と、前記照射光の光軸上に存在する前記反射面までの距離に相当する第2距離情報を取得する第2距離情報取得手段(41)と、前記発光部が前記反射面に対向している場合において、前記カメラの撮影光軸に対する前記照射光の光軸の角度情報を測定する角度測定手段(40)と、前記第1距離情報、前記第2距離情報及び前記角度情報に応じて、前記発光部から照射される照射光の照射範囲を変更する発光制御部(41)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びこれを備えたカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラによる写真撮影において、照明装置から照射した照射光を天井等の反射面に反射させ、その反射光を被写体に照射する、いわゆるバウンス撮影が行われている。このようなバウンス撮影時において、照射光が直接に被写体に照射されないように、照射光のバウンス角を撮影レンズの焦点距離に応じて可変とする照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−72301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バウンス撮影時には、カメラと反射面との距離が異なる場合がある。このような場合には、カメラと被写体との距離が同じであっても、照射光の光路長(被写体から反射面を経由したカメラまでの距離)がそれぞれ異なるため、照射光のバウンス角を同じ角度に設定しても、被写体に照射される照射光の光量が不足したり、逆に照射光の光量が過多になることが考えられる。
【0005】
本発明の課題は、バウンス撮影において、被写体に適切な光量の照射光を照射することができる照明装置及びカメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、カメラに設けられ、被写体に対する照射光の照射範囲が可変で且つ前記照射光の光軸が前記被写体に対向する位置と前記被写体とは異なる反射面に対向する位置との間を移動可能な発光部(37)を有する照明装置(30)であって、前記カメラの撮影光軸上に存在する被写体までの距離に相当する第1距離情報を取得する第1距離情報取得手段(41)と、前記照射光の光軸上に存在する前記反射面までの距離に相当する第2距離情報を取得する第2距離情報取得手段(41)と、前記発光部が前記反射面に対向している場合において、前記カメラの撮影光軸に対する前記照射光の光軸の角度情報を測定する角度測定手段(40)と、前記第1距離情報、前記第2距離情報及び前記角度情報に応じて、前記発光部から照射される照射光の照射範囲を変更する発光制御部(41)と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置(30)であって、前記発光制御部(41)は、前記発光部(37)から照射される前記照射光の照射範囲を段階的に変更することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の照明装置(30)であって、前記第1距離情報、前記第2距離情報及び前記角度情報に基づいて、前記被写体と前記反射面との間の距離に相当する第3距離情報を算出すると共に、当該第3距離情報と前記第2距離情報とを用いて前記被写体から前記反射面を経由する前記カメラまでの合計距離情報を算出する距離演算部(41)を更に備え、前記発光制御部(41)は、前記距離演算部で算出された前記合計距離情報に応じて、前記発光部(37)から照射される前記照射光の照射範囲を変更することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置(30)であって、前記発光部(37)は、照射光を発する光源(35)と、前記照射光を透過して外部に投光する光学部材(34)と、前記光源から発せられた照射光を前記光学部材に向けて反射する反射傘(36)と、を備え、前記発光制御部(41)は、前記光源又は前記反射傘の少なくとも一方を前記照射光の光軸方向に移動させることにより前記発光部から照射される前記照射光の照射範囲を変更することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明装置(30)と、被写体像を形成する光学部材を有するレンズ鏡筒(20)と、前記レンズ鏡筒の前記光学部材により形成された前記被写体像を受光面で撮像する撮像部(13)と、を備えるカメラ(1)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バウンス撮影において、被写体に適切な光量の照射光を照射することができる照明装置及びカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態の照明装置30を装着したカメラ1の外観図である。
【図2】照明装置30の部分断面図である。
【図3】実施形態におけるカメラ1の構成を示すブロック図である。
【図4】カメラ1、被写体50及び反射面60の位置関係を示す概略図である。
【図5】照明装置30と反射面60との距離が異なる場合の照射光の光路長を示す概念図である。
【図6】(a)〜(c)は、発光部37における照射光の照射範囲を示す概念図である。
【図7】バウンス撮影モードが設定されたときのカメラ1の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係わる照明装置及びカメラの実施形態について説明する。なお、図1及び図2には、説明と理解とを容易にするために、XYZの直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸Aを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラ位置(以下、「正位置」という)において撮影者から見て左側に向かう方向をXプラス方向とする。また、正位置において上側に向かう方向をYプラス方向とする。更に、正位置において被写体に向かう方向をZ方向とする。
【0010】
図1は、本実施形態の照明装置30を装着したカメラ1の外観図である。図2は、照明装置30の部分断面図である。
【0011】
本実施形態のカメラ(カメラシステム)1は、カメラ本体10と、レンズ鏡筒20と、照明装置30と、を備える。
【0012】
カメラ本体10は、カメラマウント部11と、アクセサリーシュー12と、を備える。カメラ本体10のカメラマウント部11には、レンズ鏡筒20が着脱自在に装着されている。レンズ鏡筒20は、入射した被写体光を屈折させて被写体像を形成する光学部材(不図示)を有する。カメラ1は、レンズ交換式の一眼レフカメラとして構成されている。
【0013】
カメラ本体10は、絞り機構、ミラーユニット、シャッタ機構、AFモジュール、測光センサ(いずれも不図示)等を備える。
【0014】
また、カメラ本体10のアクセサリーシュー12には、照明装置30が着脱自在に装着されている。照明装置30は、カメラ本体10による撮影時に、被写体(不図示)に向けて照射光を直接又は間接的に照射する装置である。照明装置30は、本体部31と、ヘッド部32と、取り付け脚33と、前カバー34と、を備える。ヘッド部32は、本体部31に対して、直交する2軸周り(X軸周り及びY軸周り)に回転が可能となるように構成されている。
【0015】
図1に示す矢印Aは、X軸周りの回転方向を示す。また、図1に示す矢印Bは、Y軸周りの回転方向を示す。図1に示すように、ヘッド部32をX軸周りに上向きに回転させることにより、照射光を天井等の反射面に向けて照射する、いわゆるバウンス撮影が可能となる。
【0016】
図2に示すように、照明装置30のヘッド部32は、光学部材としての前カバー34と、光源としてのキセノン管35と、反射傘としてのリフレクタ36と、を備える。
【0017】
前カバー34は、キセノン管35で発光された照射光を透過して外部に投光する光学部材である。前カバー34は、キセノン管35で発光された照射光の照射方向(図2のZ軸方向)に対して前方に設けられている。
【0018】
キセノン管35は、長手方向がX軸方向に延びた円柱状の発光管である。キセノン管は、カメラ本体10から送信される発光信号に同期して、照射光を発光する。
【0019】
リフレクタ36は、表面に反射層を有する板部材を、略放物線状に形成した反射部材である。リフレクタ36は、キセノン管35で発光された照射光のうち、照射方向の側方や後方に向かう光を照射方向の前方に反射する。リフレクタ36は、キセノン管35で発光された照射光の照射方向(図2のZ軸方向)に対して後方に設けられている。
【0020】
発光部37は、上述した前カバー34、キセノン管35、及びリフレクタ36を備える。なお、図2においては、光源となるキセノン管35の光軸をOBで示す。光軸OBは、キセノン管35が発する照射光の光軸である。
【0021】
キセノン管35は、ズーム機構部38(図3参照)により、光軸OB方向に沿って移動可能に支持されている。図2に示す矢印Cは、キセノン管35の移動方向と移動範囲を示している。リフレクタ36は、ヘッド部32の内部に固定配置されている。本実施形態の照明装置30は、固定配置されたリフレクタ36に対して、キセノン管35を光軸OB方向に沿って移動することにより、照射光の照射範囲を変更するように構成されている。
【0022】
なお、図示していないが、発光部37には、メインコンデンサ、充電制御回路及び発光制御回路が設けられている。
【0023】
次に、本実施形態におけるカメラ1の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるカメラ1の構成を示すブロック図である。なお、図3においては、図1に示すレンズ鏡筒20の図示を省略する。また、図3においては、画像信号の経路を破線で示す。
【0024】
まず、カメラ本体10について説明する。図3に示すように、カメラ本体10は、撮像部13と、画像データ処理部14と、記憶部15と、を備える。また、カメラ本体10は、カメラ制御部16と、操作部17と、メモリ18と、通信部19と、を備える。
【0025】
撮像部13は、レンズ鏡筒20(図1参照)により形成された被写体像を撮像面で撮像し、デジタルの画像信号に変換する。撮像部13は、例えば、CCDやCMOS等の電荷結合素子及びフォトダイオード等の撮像素子を備える。また、撮像部13は、レンズ鏡筒20の撮影レンズが駆動された際に、被写体のピント検出を行うオートフォーカス(以下、「AF」という)ユニット(不図示)を備える。
【0026】
画像データ処理部14は、撮像部13から出力された画像信号を増幅し、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、輪郭強調、レベル調整等の各種画像処理を行う。
【0027】
記憶部15は、画像データ処理部14で各種の処理が施された画像信号を、CFカード、SDカード等の記録媒体(不図示)に記録する。
【0028】
カメラ制御部16は、カメラ1の全体の動作を制御する。カメラ制御部16は、マイクロプロセッサにより構成されている。
【0029】
カメラ制御部16は、操作部17(後述)において、撮影者の操作によるAF制御/AE制御の実行開始の指示を取得したときには、自動的に被写体にピント合わせを行うAF制御と、自動的に被写体に露出を合わせるAE(自動露出)制御とを行う。
【0030】
カメラ制御部16は、操作部17において、撮影者の操作による撮影開始の指示を取得したときには、レンズ鏡筒20(図1参照)側に設けられた絞りユニット(不図示)や、カメラ1側に設けられたシャッタユニット(不図示)等を所定のタイミングで駆動し、撮像部13において被写体像を撮像させる撮像制御を行う。
【0031】
また、カメラ制御部16は、照明装置30によるバウンス撮影モードが設定されている場合に、操作部17において、撮影者の操作によるAF制御/AE制御の実行開始の指示を取得したときには、上記AF制御/AE制御を行うと共に、照明装置30の発光制御部41にAF制御開始信号を送信する。更に、カメラ制御部16は、被写体にピント合わせを行った際の測距情報を、第1距離情報として照明装置30の発光制御部41に送信する。第1距離情報とは、カメラ本体10から、カメラ本体10の撮影光軸上に存在する被写体までの距離に相当する。
【0032】
また、カメラ制御部16は、照明装置30による照明撮影モード(バウンス撮影モードを含む)が設定されている場合に、操作部17において、撮影者の操作による撮影開始の指示を取得したときには、被写体像の撮像と同期して照明装置30から照明光を照射させるために、通信部19を介して、照明装置30へ発光信号を送信する。
【0033】
なお、バウンス撮影モードは、照明装置30の操作部42(後述)又はカメラ本体10の操作部17(後述)を介して設定することができる。
【0034】
操作部17は、撮影者が各種操作を行うための入力手段である。操作部17は、レリーズボタンやコマンドダイアル等の操作部材(不図示)により構成される。例えば、撮影者は、レリーズボタンを半押し操作することにより、カメラ本体10に対してAF制御/AE制御の実行開始を指示することができる。また、撮影者は、レリーズボタンを全押しすることにより、カメラ本体10に対して撮影開始を指示することができる。また、撮影者は、コマンドダイアルを操作することにより、各種モードの設定を行うことができる。また、操作部17は、撮影画像、各種設定情報、メッセージ等を表示する液晶モニタ(不図示)を有する。
【0035】
メモリ18は、撮影者により操作部17から入力された設定情報、カメラ制御部16を制御するためのプログラム、このプログラムの実行に必要な初期値や設定値等を記憶する不揮発性メモリである。また、メモリ18は、カメラ制御部16が演算処理を実行する際に必要なデータや画像信号等を一時的に記憶する揮発性メモリを有する。
【0036】
通信部19は、照明装置30に設けられた通信部44(後述)との間で各種信号の送受信を行う。通信部19の入出力端子(不図示)は、アクセサリーシュー12(図1参照)に設けられている。
【0037】
次に、照明装置30について説明する。図3に示すように、照明装置30は、上述した発光部37と、ズーム機構部38と、AFユニット39と、角度測定手段としての角度センサ40と、を備える。
【0038】
また、照明装置30は、第1距離情報取得手段、第2距離情報取得手段、距離演算部及び制御部としての発光制御部41と、操作部42と、メモリ43と、通信部44と、を備える。
【0039】
ズーム機構部38は、発光部37のキセノン管35(図2参照)を、光軸OB方向に移動させるための駆動機構である。ズーム機構部38の動作は、発光制御部41により制御される。
【0040】
AFユニット39は、光学レンズ、AF機構及びAFモジュールを備える(いずれも不図示)。AFユニット39は、AFモジュールによりピントの検出を行いながら、AF機構により光学レンズを駆動する。この動作により、AFユニット39は、ピント合わせの対象となる反射面(不図示)にピントを合わせることができる。
【0041】
AFユニット39は、反射面にピント合わせを行った際の測距情報を、第2距離情報として発光制御部41へ送信する。第2距離情報とは、照明装置30(実質的にカメラ本体10)から、発光部37の照射する照射光の光軸上に存在する反射面までの距離に相当する。
【0042】
AFユニット39の動作は、発光制御部41により制御される。発光制御部41は、照明装置30によるバウンス撮影モードが設定されている場合に、カメラ本体10のカメラ制御部16からAF制御開始信号を受信したときには、AFユニット39を駆動して、第2距離情報を取得する。
【0043】
なお、発光制御部41は、カメラ制御部16から送信された第1距離情報、AFユニット39により取得した第2距離情報、及び角度センサ40(後述)で測定されたバウンス角θを、メモリ43に記憶する。
【0044】
角度センサ40は、発光部37が反射面に対向している場合において、カメラ本体10の撮影光軸と発光部37の発する照射光の光軸とのなす角度(以下、「バウンス角」という)θを、角度情報として測定する角度測定手段である。角度センサ40は、測定した発光部37の角度情報を発光制御部41に送信する。
【0045】
発光制御部41は、照明装置30の全体の動作を制御する。発光制御部41は、マイクロプロセッサにより構成されている。発光制御部41は、発光部37、ズーム機構部38、AFユニット39、角度センサ40、操作部42、メモリ43及び通信部44と接続されている。
【0046】
発光制御部41は、カメラ本体10から発光信号を受信すると、発光部37を制御して、照射光を発光させる。また、発光制御部41は、操作部42を介して設定された照射範囲に基づいてズーム機構部38を駆動し、発光部37から照射される照射光が設定された照射範囲となるように制御する。
【0047】
発光制御部41は、カメラ本体10において、被写体にピント合わせを行った際の測距情報(カメラ本体10から被写体までの距離に相当)を、第1距離情報として取得する。
【0048】
発光制御部41は、バウンス撮影モードが設定されている場合に、カメラ本体10からAF制御開始信号を受信したときには、AFユニット39を制御して、反射面へのピント合わせを行う。そして、反射面へのピント合わせを行った際の測距情報を第2距離情報として取得する。
【0049】
発光制御部41は、角度センサ40で測定された発光部37の角度情報を取得する。
【0050】
発光制御部41は、第1距離情報、第2距離情報及び角度情報に基づいて、被写体と反射面との距離に相当する第3距離情報を算出すると共に、この第3距離情報と第1距離情報とを用いて、被写体から反射面を経由したカメラ本体10までの合計距離情報を算出する。
【0051】
発光制御部41は、算出した合計距離情報に基づいて、発光部37から照射される照射光の照射範囲を変更する。
【0052】
ここで、第3距離情報及び合計距離情報の算出方法について説明する。図4は、カメラ1、被写体50及び反射面60の位置関係を示す概略図である。
【0053】
図4は、バウンス撮影時におけるカメラ1、被写体50及び反射面60の位置関係を示している。本実施形態においては、反射面60を室内の天井として説明する。
【0054】
図4に示すように、カメラ1と被写体50との間は、距離D1離れている。距離D1は、第1距離情報である。距離D1は、カメラ本体10のAFユニット(不図示)により測距される。カメラ1と反射面60との間は、照射光の光軸OB方向において、距離D2離れている。距離D2は、第2距離情報である。距離D2は、照明装置30のAFユニット39(図3参照)により測距される。被写体50と反射面60の間は、照射光の進行方向において、距離D3離れている。距離D3は、第3距離情報である。距離D3は、後述するように、発光制御部41により算出される。
【0055】
バウンス角θは、照明装置30が反射面60に対向している場合において、カメラ本体10の撮影光軸OAと照明装置30の発する照射光の光軸OBとのなす角度である。バウンス角θは、角度センサ40により測定される。
【0056】
発光制御部41は、第1距離情報(距離D1)、第2距離情報(距離D2)及び角度情報(θ)を、下記の式(1)に代入し、被写体50と反射面60との距離に相当する第3距離情報(D3)を算出する。
D3=√(A+B−2ABcosθ)・・・(1)
【0057】
更に、発光制御部41は、算出した第3距離情報(D3)と第2距離情報(D2)との和を、被写体50から反射面60を経由したカメラ本体10までの合計距離情報(D3+D2)として算出する。
【0058】
次に、算出した合計距離情報(D3+D2)に応じて、発光部37から照射する照射光の照射範囲を変更する制御について説明する。図5は、照明装置30と反射面60との距離が異なる場合の照射光の光路長を示す概念図である。図6(a)〜(c)は、発光部37における照射光の照射範囲を示す概念図である。
【0059】
まず、照明装置30と反射面60との距離が異なる場合における照射光の光路長を、図5を参照しながら説明する。
【0060】
図5に示すように、照明装置30と反射面60との距離が異なると、被写体50から反射面60を経由したカメラ本体10(図5では照明装置30)までの光路長もそれぞれ異なった長さとなる。光路長A〜Cは、上述した合計距離情報(D3+D2)に相当する。光路長A〜Cの長さは、カメラ本体10と反射面60との距離に比例する。なわち、図5に示すように、反射面60a<反射面60b<60cとすると、光路長の長さは、光路長A<光路長B<光路長Cとなる。
【0061】
なお、図5では、反射面60a〜60cの位置に対し、被写体50の位置がそれぞれ異なる例を示している。しかし、被写体50の位置が同じであっても、照明装置30と反射面60との距離が異なれば、上記のような光路長A〜Cの差が生じる。
【0062】
このように、反射面60とカメラ本体10との距離が長くなるにつれて、光路長も長くなる。従って、発光制御部41は、光路長が長くなるにつれて、照明装置30から照射される照射光の到達距離が長くなるように発光部37を制御する。また、発光制御部41は、光路長が短くなるにつれて、照明装置30から照射される照射光の到達距離が短くなるように発光部37を制御する。
【0063】
次に、照射光の照射範囲と照射光の到達距離との関係を、図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。図6では、照明装置30の発光部37のみを図示する。
【0064】
図6(a)は、図5に示す光路長Aの場合における照射光の照射範囲を示す。図6(b)は、図5に示す光路長Bの場合における照射光の照射範囲を示す。図6(c)は、図5に示す光路長Cの場合における照射光の照射範囲を示す。
【0065】
光路長が短い場合(図5の光路長A)において、発光制御部41は、図6(a)に示すように、キセノン管35を、照射光の光軸OBの方向に沿って、リフレクタ36の側(発光部37の後方)に移動する。このように、光源となるキセノン管35とリフレクタ36との間隔を近づけると、照射光Lの照射範囲は広くなる。照射光Lの照射範囲が広くなると、照射光Lの到達距離は短くなる。従って、光路長が短い場合には、照射光Lの照射範囲を広くして、照明光Lの到達距離を短くすることにより、被写体50に対して適切な光量の照射光Lを照射することができる。
【0066】
一方、光路長が長い場合(図5光路長C)において、発光制御部41は、図6(c)に示すように、キセノン管35を、照射光の光軸OBの方向に沿って、前カバー34の側(発光部37の前方)に移動する。このように、光源となるキセノン管35とリフレクタ36との間隔を離すと、照射光Lの照射範囲は狭くなる。照射光Lの照射範囲が狭くなると、照射光Lの到達距離は長くなる。従って、光路長が長い場合には、照射光Lの照射範囲を狭くして、照明光Lの到達距離を長くすることにより、被写体50に対して適切な光量の照射光Lを照射する。ことができる。
【0067】
また、光路長が中間の場合(図5の光路長B)において、発光制御部41は、図6(b)に示すように、キセノン管35を、照射光の光軸OBの方向に沿って、前カバー34とリフレクタ36の中間の位置に移動する。これにより、照射光Lの到達距離は、光路長A及び光路長Cの場合の中間となる。従って、被写体50に対して適切な光量の照射光Lを照射することができる。
【0068】
なお、光路長と被写体50に対する適切な光量との関係は、照明装置30のガイドナンバー等により異なる。従って、光路長に対して、被写体50に最も適切な光量となるように照射光Lの照射範囲を選択する。
【0069】
また、発光制御部41は、発光部37から照射される照射光Lの照射範囲を3段階に変更する。例えば、発光制御部41は、算出した光路長が3m未満の場合には、キセノン管35が図6(a)に示す位置となるように発光部37を制御する。また、発光制御部41は、算出した光路長が3m〜5m未満の場合には、キセノン管35が図6(b)に示す位置となるように発光部37を制御する。また、発光制御部41は、算出した光路長が5m以上の場合には、キセノン管35が図6(c)に示す位置となるように発光部37を制御する。
【0070】
このように、本実施形態の発光制御部41は、算出した光路長に応じて、照射光Lの照射範囲を3段階に制御する。なお、光路長(3m未満、3m〜5m未満、5m以上)と照射光Lの照射範囲との関係は、テーブルデータとしてメモリ43に記憶されている。発光制御部41は、算出した光路長に対応する照射光Lの照射範囲をテーブルデータから特定することにより、照射光Lの照射範囲を適切な照射範囲に設定することができる。
【0071】
次に、上記のように構成されたカメラ1において、バウンス撮影モードが設定されたときの制御手順を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0072】
図7は、バウンス撮影モードが設定されたときのカメラ1の制御手順を示すフローチャートである。図7において、左側はカメラ本体10の制御手順を示し、右側は照明装置30の制御手順を示している。また、カメラ本体10及び照明装置30には、バウンス撮影モードが設定されているものとする。更に、照明装置30のヘッド部32(図1参照)には、撮影者の操作により、所定のバウンス角が設定されているものとする。
【0073】
まず、カメラ本体10における制御手順について説明する。
ステップS101において、カメラ制御部16は、操作部17においてAF制御/AE制御の実行開始の指示を取得したか否かを判定する。ここで、カメラ制御部16は、AF制御/AE制御の実行開始の指示を取得した(YES)と判定した場合には、ステップS102へ進む。また、カメラ制御部16は、AF制御/AE制御の実行開始の指示を取得していない(NO)と判定した場合には、ステップS101に戻る。
【0074】
ステップS102において、カメラ制御部16は、照明装置30へAF制御開始信号を送信する。
【0075】
ステップS103において、カメラ制御部16は、自動的に被写体にピント合わせを行うAF制御、及び自動的に被写体に露出を合わせるAE制御を実行する。カメラ制御部16は、AF制御により、カメラ本体10から被写体までの距離となる第1距離情報を取得する。
【0076】
ステップS104において、カメラ制御部16は、AF制御により取得した第1距離情報を照明装置30へ送信する。
【0077】
ステップS105において、カメラ制御部16は、操作部17において撮影開始の指示を取得したか否かを判定する。ここで、カメラ制御部16は、撮影開始の指示を取得した(YES)と判定した場合には、ステップS106へ進む。また、カメラ制御部16は、撮影開始の指示を取得していない(NO)と判定した場合には、ステップS105に戻る。
【0078】
ステップS106において、カメラ制御部16は、発光信号を照明装置30へ送信する。
【0079】
ステップS107において、カメラ制御部16は、撮像部13及び画像データ処理部14を制御して、被写体像の画像を撮像させる(撮像処理)。
【0080】
ステップS108において、カメラ制御部16は、記憶部15を制御して、撮像した画像データを記録させる(記録処理)。そして、カメラ制御部16は、本フローチャートの処理を終了する。
【0081】
次に、照明装置30における制御手順について説明する。
ステップS201において、発光制御部41は、カメラ本体10から送信されたAF制御開始信号を受信する。
【0082】
ステップS202において、発光制御部41は、反射面にピントを合わせるようにAFユニット39を制御する(AF制御)。発光制御部41は、AFユニット39による反射面へのピント合わせにより、照明装置30から反射面までの距離となる第2距離情報を取得する。
【0083】
ステップS203において、発光制御部41は、カメラ本体10から送信された第1距離情報を受信する。
【0084】
ステップS204において、発光制御部41は、角度センサ40から発光部37の角度情報(バウンス角θ)を取得する。
【0085】
ステップS205において、発光制御部41は、第1距離情報、第2距離情報及び角度情報に基づいて、被写体から反射面を経由したカメラ本体10までの合計距離情報を算出する。
【0086】
ステップS206において、発光制御部41は、算出した合計距離情報とテーブルデータとに基づいて、照射光の照射範囲を特定する。
【0087】
ステップS207において、発光制御部41は、特定した照射光の照射範囲に基づいて、発光部37におけるキセノン管35の位置を制御する。
【0088】
ステップS208において、発光制御部41は、カメラ本体10から送信された発光信号を受信する。
【0089】
ステップS209において、発光制御部41は、発光部37を制御して、キセノン管35を所定の発光時間だけ発光させる(発光制御)。この後、発光制御部41は、発光部37を制御して、メインコンデンサ(不図示)を充電させる。そして、発光制御部41は、本フローチャートの処理を終了する。
【0090】
上述した本発明の実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態の照明装置30は、カメラ本体10から被写体50までの距離に相当する第1距離情報と、発光部37から反射面60までの距離に相当する第2距離情報と、発光部37の角度情報とに基づいて、発光部37から照射される照射光の照射範囲を変更する発光制御部41を備える。このため、発光部37には、カメラ本体10と反射面60との距離に応じた照射光の照射範囲が設定される。従って、バウンス撮影において、カメラ本体10と反射面60との距離が異なる場合でも、被写体50に過不足なく適切な光量の照射光を照射することができる。
(2)本実施形態の照明装置30において、発光制御部41は、発光部37から照射される照射光の照射範囲を段階的に変更する。このため、発光部37から反射面60までの距離が異なる状況において、照射光の照射範囲を適切な照射範囲に設定することができる。
(3)本実施形態の照明装置30において、発光制御部41は、第1距離情報、第2距離情報及び角度情報に基づいて、被写体50と反射面60との距離に相当する第3距離情報を算出すると共に、この第3距離情報と第2距離情報とを用いて、被写体50から反射面60を経由したカメラ本体10までの合計距離情報を算出する。また、発光制御部41は、算出した合計距離情報に応じて、発光部37から照射される照射光の照射範囲を変更する。このため、発光制御部41は、被写体50から反射面60を経由した照明装置30(実質的にカメラ本体10)までの光路長を正確に算出することができる。
(4)本実施形態の照明装置30において、発光部37は、照射光を発する光源としてのキセノン管35と、照射光を透過して外部に投光する光学部材としての前カバー34と、キセノン管35で発せられた照射光を前カバー34に向けて反射する反射傘としてのリフレクタ36と、を備える。また、発光制御部41は、キセノン管35を、照射光の光軸OB方向に移動することにより、発光部37から照射される照射光の照射範囲を変更する。このため、発光部37において、照射光の照射範囲を容易に変更することができる。
(5)本実施形態の照明装置30と、光学部材を有するレンズ鏡筒20と、レンズ鏡筒20により形成された被写体像を撮像面で撮像する撮像部13を有するカメラ本体10と、を備えたカメラ1においては、上記(1)〜(4)の効果を奏する。
【0091】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明は以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態においては、発光部37のバウンス角θを角度センサ40により測定している。しかしながら、この例に限らず、発光部37のバウンス角θは、ユーザが操作部42から入力してもよい。また、角度センサ40は、カメラ本体10に設けられていてもよい。
(2)本実施形態の照明装置30は、発光部37から反射面60までの距離に相当する第2距離情報を取得するためのAFユニット39を備える。しかしながら、この例に限らず、カメラ本体10のAF機能により、反射面60にピント合わせを行った際の測距情報を、第2距離情報としてもよい。すなわち、本例においては、カメラ本体10から反射面60までの距離が第2距離情報となる。この場合、カメラ制御部16は、第1距離情報と第2距離情報とを、照明装置30に送信する。
(3)カメラ本体10に水準器を設け、第2距離情報を計測する際に、反射面60にピント合わせを行ったときのカメラ本体10の傾き角を計測するようにしてもよい。この場合、カメラ制御部16は、第2距離情報とバウンス角θを同時に計測することができる。また、カメラ制御部16は、計測した第1距離情報、第2距離情報及びバウンス角θを、照明装置30に送信する。なお、水準器は、カメラ本体10において、画面の水平位置を検出するための水準器を用いてもよい。また、カメラ本体10に、バウンス角θを計測するための専用の水準器を設けてもよい。
(4)本実施形態では、照明装置30の発光制御部41において、第1距離情報、第2距離情報及び角度情報に基づいて、被写体50と反射面60との距離に相当する第3距離情報を算出すると共に、この第3距離情報と第2距離情報とを用いて、被写体50から反射面60を経由したカメラ本体10までの合計距離情報を算出する距離演算部の機能を実行している。しかしながら、これに限らず、照明装置30に、距離演算部として機能する専用の制御部を設けた構成としてもよい。また、カメラ本体10のカメラ制御部16において、距離演算部の機能を実行するようにしてもよい。
(5)本実施形態においては、照射光を発する光源として、キセノン管35を用いている。しかしながら、この例に限らず、光源として、発光ダイオード等の発光素子又は所定の光量を発光可能な発光手段を用いてもよい。
(6)本実施形態においては、図4に示すように、反射面60を室内の天井とした例について示した。しかしながら、この例に限らず、反射面は、建物の壁(室内又は屋外)や、建築部の一部等であってもよい。
(7)本実施形態の発光部37は、反射傘としてのリフレクタ36を固定とし、光源としてのキセノン管35を、照射光の光軸OBの方向に沿って移動する。しかしながら、この例に限らず、発光部37において、キセノン管35を固定とし、リフレクタ36を、照射光の光軸OBの方向に沿って移動するように構成してもよい。また、発光部37において、キセノン管35及びリフレクタ36の両方を、照射光の光軸OBの方向に沿って移動するように構成してもよい。すなわち、発光部37は、キセノン管35又はリフレクタ36の少なくとも一方を、照射光の光軸OBの方向に沿って移動するように構成すればよい。
(8)本実施形態の発光制御部41は、発光部37から照射される照射光の照射範囲を3段階に変更する。しかしながら、この例に限らず、更に複数の段階に変更するように構成してもよい。また、算出された合計距離情報に応じて、照射光の照射範囲を無段階に変更するように構成してもよい。
(9)本実施形態のカメラ1は、カメラ本体10と、このカメラ本体10のアクセサリーシュー12に装着された照明装置30と、を備える。しかしながら、この例に限らず、照明装置30は、カメラ本体10と接近した位置に設けられていればよい。すなわち、照明装置30は、カメラ本体10と接近した位置において電気的に接続されていれば、必ずしもカメラ本体10に装着されていなくてもよい。
(10)本実施形態においては、カメラ本体10に、照明装置30が外付けで装着されるカメラ1を例として示した。しかしながら、バウンス撮影が可能な構成であれば、この例に限らず、種々の形態で実施することができる。例えば、カメラ本体の上部に照明装置を収納可能に配置した、いわゆるポップアップ式のカメラとして構成することもできる。また、照明装置がカメラ本体に内蔵されたコンパクトタイプのカメラとして構成することもできる。更には、デジタル式カメラに限らず、フィルム式カメラにも適用することができる。
【0092】
また、上記実施形態及び変形形態は適宜に組み合わせて用いることができるが、各実施形態の構成は図示と説明により明らかであるため、詳細な説明を省略する。更に、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0093】
1:カメラ、10:カメラ本体、13:撮像部、20:レンズ鏡筒、30:照明装置、34:前カバー(光学部材)、35:キセノン管(光源)、36:リフレクタ(反射傘)、37:発光部、40:角度センサ(角度測定手段)、41:発光制御部(第1距離情報取得手段、第2距離情報取得手段、制御部、距離演算部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラに設けられ、被写体に対する照射光の照射範囲が可変で且つ前記照射光の光軸が前記被写体に対向する位置と前記被写体とは異なる反射面に対向する位置との間を移動可能な発光部を有する照明装置であって、
前記カメラの撮影光軸上に存在する被写体までの距離に相当する第1距離情報を取得する第1距離情報取得手段と、
前記照射光の光軸上に存在する前記反射面までの距離に相当する第2距離情報を取得する第2距離情報取得手段と、
前記発光部が前記反射面に対向している場合において、前記カメラの撮影光軸に対する前記照射光の光軸の角度情報を測定する角度測定手段と、
前記第1距離情報、前記第2距離情報及び前記角度情報に応じて、前記発光部から照射される照射光の照射範囲を変更する発光制御部と、
を備える照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記発光制御部は、前記発光部から照射される前記照射光の照射範囲を段階的に変更する照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置であって、
前記第1距離情報、前記第2距離情報及び前記角度情報に基づいて、前記被写体と前記反射面との間の距離に相当する第3距離情報を算出すると共に、当該第3距離情報と前記第2距離情報とを用いて前記被写体から前記反射面を経由する前記カメラまでの合計距離情報を算出する距離演算部を更に備え、
前記発光制御部は、前記距離演算部で算出された前記合計距離情報に応じて、前記発光部から照射される前記照射光の照射範囲を変更する照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置であって、
前記発光部は、照射光を発する光源と、前記照射光を透過して外部に投光する光学部材と、前記光源から発せられた照射光を前記光学部材に向けて反射する反射傘と、を備え、
前記発光制御部は、前記光源又は前記反射傘の少なくとも一方を前記照射光の光軸方向に移動させることにより前記発光部から照射される前記照射光の照射範囲を変更する照明装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明装置と、
被写体像を形成する光学部材を有するレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒の前記光学部材により形成された前記被写体像を受光面で撮像する撮像部と、
を備えるカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−227372(P2011−227372A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98760(P2010−98760)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】