説明

照明装置及び投写型映像表示装置

【課題】光源が発する光が照射された面の光量ムラを抑制可能な照明装置及び投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置100において、反射部11は、第1出射面10Saに対して45度の傾きを有して対向するように配置される半反射部11aと、第2出射面10Sbに対して45度の傾きを有し、半反射部11と平行に対向するように配置される全反射部11bとを有する。半反射部11aは、入射光の略半分を反射するとともに、入射光の略半分を透過し、全反射部11bは、入射光の略全部を反射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源が発する光を均一化するインテグレータレンズを備える照明装置及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源が発する光をスクリーンに投写する投写型映像表示装置が広く用いられている。光源としては、メタルハライドランプや高圧水銀ランプなどの放電ランプが一般的に用いられる。
【0003】
ここで、光源の出射面における光量は、出射面の中央から端に向かうに従って徐々に小さくなる傾向がある。そのため、スクリーンに投写される投写映像に光量ムラが発生することを抑制するために、光源が発する光を均一化するインテグレータレンズが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
インテグレータレンズは、複数の微少レンズ(以下、「セル」という。)によって構成されている。インテグレータレンズを構成するセルの数が多いほど、光量ムラをより抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−255466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、インテグレータレンズの光透過性を考慮すると、インテグレータレンズのセル数は少ないことが好ましい。また、インテグレータレンズのセル数を増やすと、インテグレータレンズの製造コストが増大してしまう。そのため、インテグレータレンズの有無に関わりなく、光量ムラを抑制したいという要請がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、光源が発する光が照射された面の光量ムラを抑制可能な照明装置及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴に係る照明装置は、光が出射される出射面を有する光源と、出射面から出射される光が照射される光学素子と、光源と光学素子との間に設けられ、出射面から出射される光を光学素子側に向かって直角に反射する反射部とを備え、出射面は、出射面上の中心軸に対して対称な第1出射面及び第2出射面を有し、反射部は、第1出射面に対して45度の傾きを有して第1出射面に対向するように配置される半反射部と、第2出射面に対して45度の傾きを有して第1出射面に対向するとともに、半反射部と平行に対向するように配置される全反射部とを有しており、半反射部は、入射光の略半分を反射するとともに、入射光の略半分を透過し、全反射部は、入射光の略全部を反射することを要旨とする。
【0009】
本発明の特徴に係る照明装置において、半反射部は、ハーフミラーであってもよい。
【0010】
本発明の特徴に係る照明装置において、光学素子は、出射面から出射される光が照射される照射面を有する光変調素子を含み、出射面の平面形状は、照射面の平面形状に相似する長方形であり、中心軸は、出射面の長手方向に沿って設けられていてもよい。
【0011】
本発明の特徴に係る投写型映像表示装置は、光が出射される出射面を有する光源と、出射面から出射される光が照射される光学素子と、光学素子から出射される光を投写する投写光学系と、光源と光学素子との間に設けられ、出射面から出射される光を光学素子側に向かって直角に反射する反射部とを備え、出射面は、出射面上の中心軸に対して対称な第1出射面及び第2出射面によって構成されており、反射部は、第1出射面に対して45度の傾きを有して第1出射面に対向するように配置される半反射部と、第2出射面に対して45度の傾きを有して第1出射面に対向するとともに、半反射部と平行に対向するように配置される全反射部とを有しており、半反射部は、入射光の略半分を直角に反射するとともに、入射光の略半分を透過し、全反射部は、入射光の略全部を反射することを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光源が発する光が照射された面の光量ムラを抑制可能な照明装置及び投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】投写型映像表示装置100の構成を示す模式図である。
【図2】実施形態に係る光源10の出射面10Sを反射部11側から見た平面図である。
【図3】実施形態に係る光源10及び反射部11の構成を示す模式図である。
【図4】実施形態に係る出射面10Sから出射される光の進路の模式図である。
【図5】実施形態に係る光源10の出射面10Sにおける光量QL10の分布を説明するための図である。
【図6】実施形態に係る反射部11をUV/IRカットフィルタ12側から見た平面図である。
【図7】実施形態に係る反射部11の発光面80における光量QL11の分布を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、投写型映像表示装置100の構成を示す模式図である。
【0017】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、反射部11と、UV/IRカットフィルタ12と、インテグレータレンズユニット14と、PBSアレイ16と、光学素子20と、クロスダイクロイックプリズム27と、投写レンズユニット30とを有する。
【0018】
光源10は、白色光を出射するUHP(超高圧水銀ランプなど)などである。光源10は、光が出射される出射面10Sを有する。出射面10Sから出射される光は、赤成分光、緑成分光及び青成分光を含む。
【0019】
ここで、出射面10Sは、第1出射面10Sa及び第2出射面10Sbを有する。図2は、光源10の出射面10Sを反射部11側から見た平面図である。図2に示すように、第1出射面10Saと第2出射面10Sbとは、出射面10S上の中心軸Pに対して対称である。本実施形態において、出射面10Sの平面形状は、横長の長方形である。このような出射面10Sの平面形状は、後述する液晶パネル21の平面形状に相似する。投写型映像表示装置100の使用状態において、出射面10Sの長手方向は水平方向であり、長手方向に直交する短手方向は垂直方向である。中心軸Pは、出射面10Sの短手方向に沿って設けられている。
【0020】
なお、光源10の出射面全体の平面形状は、円形や楕円形であってもよい。この場合であっても、投写型映像表示装置100による映像表示に有効に利用される有効光は、出射面10Sから出射されることに留意すべきである。すなわち、出射面10Sは、光源10の出射面全体のうち有効光を出射する領域である。出射面10Sから出射された光は、反射部11を介して、液晶パネル21を含む光学素子20に照射される。
【0021】
反射部11は、光源10と光学素子20との間に設けられる。反射部11は、出射面10Sから出射される光を光学素子20側に向かって直角に反射する。反射部11は、半反射部11aと全反射部11bとによって構成されており、出射面10Sから出射される光量ムラを抑制する機能を有する。半反射部11aは入射光の略半分を反射し、全反射部11bは入射光の略全部を反射する。反射部11の構成については後述する。反射部11によって反射された光は、UV/IRカットフィルタ12に入射する。
【0022】
UV/IRカットフィルタ12は、可視光成分(赤成分光、緑成分光及び青成分光)を透過する一方、視外光成分(例えば、赤外成分光や紫外成分光)を遮光する。
【0023】
インテグレータレンズユニット14は、出射面10から出射され反射部11によって反射された光を均一化する。具体的には、インテグレータレンズユニット14は、インテグレータレンズ14a及びインテグレータレンズ14bによって構成される。
【0024】
インテグレータレンズ14a及びインテグレータレンズ14bは、それぞれ、複数の微少レンズ(以下、「セル」という。)によって構成される。各セルは、光源10が発する光が液晶パネル21の全面に照射されるように、光源10から出射される光を導く。なお、インテグレータレンズ14a及びインテグレータレンズ14bそれぞれの平面形状は、液晶パネル21の平面形状に相似する長方形である。
【0025】
PBSアレイ16は、インテグレータレンズユニット14から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ16は、インテグレータレンズユニット14から出射された光をS偏光に揃える。
【0026】
また、投写型映像表示装置100は、複数の液晶パネル21(液晶パネル21R、液晶パネル21G、液晶パネル21B)と、ミラー群(ダイクロイックミラー200、ダイクロイックミラー201、反射ミラー210〜反射ミラー212)と、レンズ群(コンデンサレンズ220、コンデンサレンズ230R、コンデンサレンズ230G、コンデンサレンズ230B、リレーレンズ240〜リレーレンズ242)とを有する。
【0027】
ダイクロイックミラー200は、PBSアレイ16から出射された光のうち、赤成分光を透過する。ダイクロイックミラー200は、PBSアレイ16から出射された光のうち、緑成分光及び青成分光を反射する。
【0028】
ダイクロイックミラー201は、ダイクロイックミラー200で反射された光のうち、青成分光を透過する。ダイクロイックミラー201は、ダイクロイックミラー200で反射された光のうち、緑成分光を反射する。
【0029】
反射ミラー210は、赤成分光を反射して赤成分光を液晶パネル21R側に導く。反射ミラー211及び反射ミラー212は、青成分光を反射して青成分光を液晶パネル21B側に導く。
【0030】
コンデンサレンズ220は、光源10が発する白色光を集光するレンズである。
【0031】
コンデンサレンズ230Rは、液晶パネル21Rに赤成分光が照射されるように、赤成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ230Gは、液晶パネル21Gに緑成分光が照射されるように、緑成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ230Bは、液晶パネル21Bに青成分光が照射されるように、青成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ230Bの光出射面側には、紫外成分を遮光するUVカットフィルタ70が設けられる。
【0032】
リレーレンズ240〜リレーレンズ242は、青成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル21B上に青成分光を略結像する。
【0033】
液晶パネル21Rは、赤成分光の偏光方向を回転させることによって赤成分光を変調する光変調素子である。液晶パネル21Rの光入射面側には、コントラスト比を向上させる補償板22Rが設けられている。
【0034】
補償板22Rの光入射面側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板23Rが設けられている。入射側偏光板23Rの光入射面側には、入射側偏光板23Rに入射する光の光量や熱負担を軽減させる入射側プリ偏光板24Rが設けられている。
【0035】
一方、液晶パネル21Rの光出射面側には、後述する出射側偏光板26Rに入射する光の光量や熱負担を軽減させる出射側プリ偏光板25Rが設けられている。出射側プリ偏光板25Rの光出射面側には、一の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過する出射側偏光板26Rが設けられている。
【0036】
同様に、液晶パネル21Gは、緑成分光の偏光方向を回転させることによって緑成分光を変調する光変調素子である。液晶パネル21Gの光入射面側には、補償板22G、入射側偏光板23G及び入射側プリ偏光板24Gが設けられている。一方、液晶パネル21Gの光出射面側には、出射側プリ偏光板25G及び出射側偏光板26Gが設けられている。
【0037】
同様に、液晶パネル21Bは、青成分光の偏光方向を回転させることによって青成分光を変調する光変調素子である。液晶パネル21Bの光入射面側には、補償板22B、入射側偏光板23B及び入射側プリ偏光板24Bが設けられている。一方、液晶パネル21Bの光出射面側には、出射側プリ偏光板25B及び出射側偏光板26Bが設けられている。
【0038】
クロスダイクロイックプリズム27は、液晶パネル21R、液晶パネル21G及び液晶パネル21Bから出射された光を合成する。クロスダイクロイックプリズム27は、投写レンズユニット30側に合成光を出射する。
【0039】
投写レンズユニット30は、クロスダイクロイックプリズム27から出射された合成光をスクリーン上などに投写する。ただし、液晶パネル21の平面形状が横長の長方形であるので、スクリーン上には縦横比の異なる映像(例えば、横16:縦9など)が表示される。
【0040】
なお、液晶パネル21、補償板22、入射側偏光板23、入射側プリ偏光板24、出射側プリ偏光板25及び出射側偏光板26は、本実施形態に係る光学素子20を構成することに留意すべきである。
【0041】
(反射部の構成)
以下において、本実施形態に係る反射部11の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、光源10及び反射部11の構成を示す模式図である。
【0042】
反射部11は、半反射部11aと全反射部11bとによって構成されている。半反射部11aは、入射光の略半分を反射するとともに、入射光の略半分を透過する性質を有する。全反射部11bは、入射光の略全部を反射する性質を有する。
【0043】
半反射部11aとしては、例えば、ハーフミラー、PBS(偏光ビームスプリッター)、ワイヤーグリッドを用いた偏光板などを用いることができる。特に、ハーフミラーは、入射光の吸収率が低いため有用である。また、全反射部11bとしては、一般的なミラーを用いることができるが、これに限られるものではない。
【0044】
なお、本実施形態において、「略半分」とは、半反射部11aへの入射光の光量から半反射部11aに吸収されてしまう光量を除いた光量の半分のことである。また、「略全部」とは、全反射部11bへの入射光の光量から全反射部11bに吸収されてしまう光量を除いた光量のことである。
【0045】
半反射部11aは、第1出射面10Saに対向するように配置される。ただし、図3に示すように、半反射部11aは、第1出射面10Saに対して45度の傾きを有している。図3に示すように、半反射部11aは、第1出射面10Saに対して45度の傾きを有する第1半反射面HSと、第1半反射面HSの反対側に設けられる第2半反射面HSとを有する。
【0046】
全反射部11bは、第2出射面10Sbに対向するように配置される。ただし、図3に示すように、全反射部11bは、第2出射面10Sbに対して45度の傾きを有している。また、全反射部11bは、半反射部11a(具体的には、第2半反射面HS)に対向するように配置される。全反射部11bは、第2半反射面HSと平行に配置される。図3に示すように、全反射部11bは、第1全反射面ASと第2全反射面ASとを有する。第1全反射面ASは、第2出射面10Sbに対して45度の傾きを有しており、第2出射面10Sbと対向するように設けられる。第2全反射面ASは、第2半反射面HSに対向して平行に設けられる。
【0047】
(出射光の進路)
次に、図面を参照しながら、光源10の出射面10Sから出射される光の進路について説明する。図4は、出射面10Sから出射される光の進路を模式的に説明するための図である。図4では、光の進路を矢印の向きによって示し、光量の大きさを矢印の太さによって示している。
【0048】
図4に示すように、第1出射面10Saから出射された光Laは、第1半反射面HSに入射する。光Laの略半分の光Laは、第1半反射面HSによって直角に反射される。また、光Laの残りの略半分の光Laは、第1半反射面HSを透過して、第2半反射面HSから出射される。光Laの略全部は、第2全反射面ASによって直角に反射する。
【0049】
また、図4に示すように、第2出射面10Sbから出射された光Lbは、第1全反射面ASに入射する。光Lbの略全部は、第1全反射面ASによって直角に反射される。光Lbは、第2半反射面HSに入射する。光Lbの略半分の光Lbは、第2半反射面HS透過して、第1半反射面HSから出射される。光Lbの残りの略半分の光Lbは、第2半反射面HSによって直角に反射され、第2全反射面ASに入射する。光Lbの略全部は、第2全反射面ASによって直角に反射される。
【0050】
(反射部11から出射される光量分布)
まず、光源10の出射面10Sから出射される光の光量分布について説明する。図5は、出射面10Sにおける光量QL10の分布について説明するための図である。具体的には、図5は、図2の基準線Q(+H〜−H)上における光量QL10の分布を示している。
【0051】
図5に示すように、出射面10Sの光量QL10は、出射面10Sの中央から端に向かうに従って徐々に小さくなる傾向がある。このような傾向は、一般的に用いられる放物面リフレクタを用いた放電ランプの特性として周知である。
【0052】
次に、反射部11から出射される光の光量分布について説明する。図6は、反射部11をUV/IRカットフィルタ12側から見た平面図である。図7は、図6の基準線R(+H〜−H)上における光量QL11の分布を示している。
【0053】
図6に示すように、反射部11をUV/IRカットフィルタ12側から見た場合、半反射部11aの第1半反射面HSと、全反射部11bの第2全反射面ASとによって1枚の発光面80が形成される。
【0054】
図7に示すように、発光面80の光量QL11は、第1半反射面HSの中央から両端部に向かうに従って徐々に小さくなるとともに、第2全反射面ASの中央から両端部に向かうに従って徐々に小さくなる傾向がある。
【0055】
具体的には、光量QL11のうち−H〜Rにおける光量QL111は、第1半反射面HSによって反射される光Laの光量QLaと、第2半反射面HSを透過する光Lbの光量QLaとの和である。すなわち、光量QL111は、光量QL10のうち−H〜Qの光量と、光量QL10のうちQ〜+Hの光量との和の1/2である。
【0056】
また、R〜+Hにおける光量QL112は、第1半反射面HSを透過する光Laの光量QLaと、第2半反射面HSによって反射される光Lbの光量QLbとの和である。すなわち、光量QL112は、光量QL111と同様に、光量QL10のうち−H〜Qの光量と、光量QL10のうちQ〜+Hの光量との和の1/2である。
【0057】
そのため、発光面80の光量QL11の最大値は、出射面10Sの光量QL10の最大値よりも小さく、発光面80の光量QL11の最小値は、出射面10Sの光量QL10の最小値よりも大きくなる。従って、発光面80の光量QL11の分布幅δ11は、出射面10Sの光量QL10の分布幅δ10よりも小さい。ただし、発光面80から出射される全光量は、出射面10Sから出射される全光量と略同等であることに留意すべきである。
【0058】
(作用及び効果)
実施形態に係る投写型映像表示装置100において、反射部11は、第1出射面10Saに対して45度の傾きを有して対向するように配置される半反射部11aと、第2出射面10Sbに対して45度の傾きを有し、半反射部11と平行に対向するように配置される全反射部11bとを有する。半反射部11aは、入射光の略半分を反射するとともに、入射光の略半分を透過し、全反射部11bは、入射光の略全部を反射する。
【0059】
従って、半反射部11と全反射部11bとによって形成される発光面80の光量QL11の分布を、出射面10Sの光量QL10の分布よりも小さくすることができる。具体的には、図7に示すように、発光面80の光量QL11の分布幅δ11は、出射面10Sの光量QL10の分布幅δ10よりも小さくすることができるので、光源10が発する光が照射された面の光量ムラを抑制することができる。
【0060】
また、半反射部11aとしてハーフミラーを用いる場合には、入射光の吸収率が低いので、効率的に光の反射・透過を行なうことができる。
【0061】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0062】
例えば、上述した実施形態では、出射面10Sの平面形状は、長方形であることとしたが、これに限られるものではない。出射面10Sの平面形状は、正方形、円形、楕円形などであってもよい。この場合、反射部11や液晶パネル21の形状は、出射面10Sに対応していることが好ましい。特に、反射部11によって形成される発光面80や液晶パネル21の照射面の平面形状は、出射面10Sの平面形状と相似であることが好ましい。
【0063】
また、上述した実施形態では、出射面10Sの中心軸Pを垂直方向に沿って設けたが、水平方向に沿って設けられていてもよい。この場合、反射部11の配置は、上記実施形態において説明した配置から90度回転させて配置すればよい。
【0064】
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0065】
10…光源、11…反射部、11a…半反射部、11b…全反射部、12…UV/IRカットフィルタ、14…インテグレータレンズユニット、16…PBSアレイ、20…光学素子群、21…液晶パネル、22…補償板、23…入射側偏光板、24…入射側プリ偏光板、25…出射側プリ偏光板、26…出射側偏光板、27…クロスダイクロイックプリズム、30…投写レンズユニット、40…シャッタ、45…放熱板、50…熱伝変換素子、60…配線、70…UVカットフィルタ、80…発光面、100…投写型映像表示装置、200、201…ダイクロイックミラー、210〜212…反射ミラー、220…コンデンサレンズ、230…コンデンサレンズ、240〜242…リレーレンズ、110…光源冷却装置、120…シャッタ冷却装置、10S…出射面、10Sa…第1出射面、10Sb…第2出射面、P,Q…中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が出射される出射面を有する光源と、
前記出射面から出射される光が照射される光学素子と、
前記光源と前記光学素子との間に設けられ、前記出射面から出射される光を前記光学素子側に向かって直角に反射する反射部と
を備え、
前記出射面は、前記出射面上の中心軸に対して対称な第1出射面及び第2出射面を有し、
前記反射部は、
前記第1出射面に対して45度の傾きを有して前記第1出射面に対向するように配置される半反射部と、
前記第2出射面に対して45度の傾きを有して前記第1出射面に対向するとともに、前記半反射部と平行に対向するように配置される全反射部と
を有しており、
前記半反射部は、入射光の略半分を反射するとともに、入射光の略半分を透過し、
前記全反射部は、入射光の略全部を反射する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記半反射部は、ハーフミラーである
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
光が出射される出射面を有する光源と、
前記出射面から出射される光が照射される光学素子と、
前記光学素子から出射される光を投写する投写光学系と、
前記光源と前記光学素子との間に設けられ、前記出射面から出射される光を前記光学素子側に向かって直角に反射する反射部と
を備え、
前記出射面は、前記出射面上の中心軸に対して対称な第1出射面及び第2出射面によって構成されており、
前記反射部は、
前記第1出射面に対して45度の傾きを有して前記第1出射面に対向するように配置される半反射部と、
前記第2出射面に対して45度の傾きを有して前記第1出射面に対向するとともに、前記半反射部と平行に対向するように配置される全反射部と
を有しており、
前記半反射部は、入射光の略半分を直角に反射するとともに、入射光の略半分を透過し、
前記全反射部は、入射光の略全部を反射する
ことを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−243880(P2010−243880A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93762(P2009−93762)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】