照明装置及び画像表示装置、並びにプロジェクタ
【課題】装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、所定面を効率良く照明できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備え、拡散光L2で第1面11を照明する。
【解決手段】照明装置1は、入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備え、拡散光L2で第1面11を照明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び画像表示装置、並びにプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置等の空間光変調装置で生成された画像情報を含む色光を投射系を用いてスクリーン上に投射する投射型画像表示装置(プロジェクタ)において、光源にレーザを用いる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−64789号公報
【特許文献2】特開2000−162548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ光により空間光変調装置の入射面を均一な照度分布で照明するために所定の光学系を用いる場合、光学系の構成によっては、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を招く可能性がある。また、光学系の構成によっては、光利用効率等の低下を招く可能性がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、所定面を効率良く照明できる照明装置を提供することを目的とする。また、照明装置で照明された光を用いて画像を表示する画像表示装置、並びにプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の観点によると、レーザ光を射出する複数のレーザ光源装置と、前記複数のレーザ光源装置のそれぞれから射出されたレーザ光が入射されるとともに、該入射された複数のレーザ光を集光する集光光学系と、前記集光光学系で集光された光を拡散して拡散光を生成する拡散光学素子とを備え、前記拡散光で第1面を照明する照明装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、第1面を高い照度で効率良く照明することができる。また、スペックルパターンの発生を抑え、第1面をほぼ均一な照度分布で照明することができる。
【0009】
本発明の照明装置において、前記集光光学系は疑似的な点光源を生成する構成を採用することができる。これにより、エテンデュを小さくすることができ、簡易な構成で照明領域を良好に照明することができる。ここで、エテンデュとは、有効に活用できる光束が存在する空間的な広がりを面積と立体角の積で表される数値であって、光学的に保存されるものである。
【0010】
本発明の照明装置において、前記拡散光学素子は前記集光光学系のほぼ焦点位置に設けられている構成を採用することができる。これにより、点光源化された光を効率良く拡散することができる。
【0011】
本発明の照明装置において、前記集光光学系は屈折レンズを含む構成を採用することができるし、回折光学素子を含む構成を採用することもできる。
【0012】
本発明の照明装置において、前記拡散光学素子は照射された光を散乱する散乱部材を含む構成を採用することができる。前記散乱部材は、光を透過する基材と、前記基材上の微粒子とを有する構成を採用することができるし、前記散乱部材は粗面を有する光学部材を含む構成を採用することもできる。あるいは、前記拡散光学素子は回折光学素子を含む構成を採用することができる。
【0013】
本発明の照明装置において、前記回折光学素子は前記第1面上での照明領域を設定する構成を採用することができる。これにより、照明領域を効率良く照明することができる。
【0014】
本発明の照明装置において、前記拡散光学素子と前記第1面との間に設けられ、前記拡散光学素子で生成された拡散光を平行化する平行化光学系を備えた構成を採用することができる。これにより、第1面に対する光の入射角度を小さくすることができ、第1面を効率良く照明することができる。
【0015】
本発明の照明装置において、前記平行化光学系は光軸に対して回転対称な軸対象レンズを含む構成を採用することができる。これにより、照明装置の部品点数を抑えて、光を良好に平行化することができる。
【0016】
本発明の照明装置において、前記平行化光学系はシリンドリカルレンズを含む構成を採用することができる。これにより、光を良好に平行化することができる。
【0017】
本発明の照明装置において、前記シリンドリカルレンズは前記第1面上での照明領域を設定する構成を採用することができる。これにより、照明領域を効率良く照明することができる。
【0018】
本発明の照明装置において、レンズ作用を有する曲面の接線どうしが互いに交差するように前記シリンドリカルレンズが複数設けられている構成を採用することができる。これにより、照明領域を矩形状など所定の形状に設定することができる。
【0019】
本発明の照明装置において、前記第1面上での照明領域を設定する照明領域設定光学系を備えた構成を採用することができる。これにより、照明領域を効率良く照明することができる。
【0020】
本発明の照明装置において、前記照明領域設定光学系は回折光学素子を含む構成を採用することができるし、シリンドリカルレンズを含む構成を採用することもできる。
【0021】
本発明の照明装置において、前記複数のレーザ光源装置はアレイ状に配置されている構成を採用することができる。これにより、第1面を高い照度で効率良く照明することができる。
【0022】
本発明の照明装置において、前記第1面は画像情報を含む構成を採用することができる。これにより、第1面を照明した光により画像を表示することができる。
【0023】
本発明の第2の観点によると、上記記載の照明装置で照明され、前記第1面を介した光により画像を表示する画像表示装置が提供される。
【0024】
本発明によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、高輝度で良好な画像を形成することができる。
【0025】
本発明の画像表示装置において、前記第1面は照明された光を画像信号に応じて光変調する空間光変調装置の入射面を含む構成を採用することができる。前記空間光変調装置は液晶装置を含む構成を採用することができる。これにより、所望の画像を表示することができる。
【0026】
本発明の第3の観点によると、上記記載の画像表示装置を含み、前記第1面を介した画像情報を含む光を第2面上に投射する投射系を備えたプロジェクタが提供される。
【0027】
本発明によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、高輝度で良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】拡散光学素子の一例を示す模式図である。
【図3】拡散光学素子の一例を示す模式図である。
【図4】第1実施形態に係る照明装置を備えた画像表示装置を示す概略構成図である。
【図5】第2実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】第3実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図7】回折光学素子の一例を説明するための模式図である。
【図8】回折光学素子の一例を説明するための模式図である。
【図9】回折光学素子の製造方法の一例を説明するための模式図である。
【図10】第3実施形態に係る照明装置で照明された第1面を示す図である。
【図11】第4実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図12】第5実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図13】第6実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図14】第7実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。
【0030】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る照明装置を示す概略構成図である。図1において、照明装置1は、所定部材10の第1面11を照明するものであって、レーザ光L1を射出する複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備えており、拡散光L2によって第1面11を照明する。拡散光学素子4と第1面11との間には、拡散光学素子4で生成された拡散光L2を平行化する平行化光学系5が設けられており、照明装置1は、平行化光学系5で平行化された拡散光L2で第1面11を照明する。
【0031】
複数のレーザ光源装置2はアレイ状に配置されている。図1に示す例では、複数のレーザ光源装置2は一次元方向(X軸方向)に複数並んで設けられている。レーザ光源装置2の光射出面は+Z側を向いており、各レーザ光源装置2は+Z方向に向けてレーザ光L1を射出する。
【0032】
集光光学系3は、屈折レンズ等の幾何光学的レンズを含んで構成されており、入射された複数のレーザ光L1を集光し、その焦点位置で擬似的な点光源を生成する。なお、集光光学系3として、フレネルレンズを用いてもよい。
【0033】
拡散光学素子4は、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成するものであり、集光光学系3のほぼ焦点位置に設けられている。本実施形態においては、拡散光学素子4は、照射された光を散乱する散乱部材を含む。
【0034】
図2は散乱部材(拡散光学素子)4の一例を示す図である。散乱部材4は、光を透過する基材4Aと、基材4A上の微粒子4Bとを有している。光を透過する基材4Aは、例えば透明の合成樹脂製のフィルム状部材、あるいは石英などのガラス製の板状部材により構成されている。そして、その基材4A上に、屈折率が互いに異なる複数の微粒子4Bがバインダ4Cを介して接着されている。散乱部材4に照射された光は、散乱部材4を通過することにより、拡散光(散乱光)に変換される。
【0035】
図3は散乱部材(拡散光学素子)4の別の例を示す図である。散乱部材4は、粗面を有する光学部材4Dによって構成されている。光学部材4Dは、例えば光を透過可能な石英などのガラス製の板状部材により構成されている。散乱部材4に照射された光は、散乱部材4を通過することにより、拡散光(散乱光)に変換される。
【0036】
図1に戻って、平行化光学系5は、拡散光学素子4で生成された拡散光L2を平行化するものであって、例えば球面レンズ、又は非球面レンズ等の光軸に対して回転対称な軸対象レンズを含んで構成されている。
【0037】
図4は本実施形態に係る照明装置1(1R、1G、1B)を備えた画像表示装置を示す概略構成図である。本実施形態においては、画像表示装置として、空間光変調装置で生成された画像情報を含む色光を投射系を介してスクリーン上に投射する投射型画像表示装置(プロジェクタ)を例にして説明する。
【0038】
図4において、投射型画像表示装置PJは、スクリーン100(第2面)上に画像情報を含む光を投射する投射ユニットUを備えている。投射ユニットUからスクリーン100に対して光が投射されることにより、スクリーン100上に画像が形成される。本実施形態の投射型画像表示装置PJは、スクリーン100を透過型のスクリーンとし、スクリーン100の正面側からスクリーン100上に画像情報を含む光を投射する。
【0039】
投射ユニットUは、第1の基本色光(赤色光)で第1面を照明可能な第1照明装置1Rと、第2の基本色光(緑色光)で第1面を照明可能な第2照明装置1Gと、第3の基本色光(青色光)で第1面を照明可能な第3照明装置1Bと、第1照明装置1Rで照明される入射面(第1面)11を有し、照明された光を画像情報に応じて光変調する第1空間光変調装置10Rと、第2照明装置1Gで照明される入射面(第1面)11を有し、照明された光を画像情報に応じて光変調する第2空間光変調装置10Gと、第3照明装置1Bで照明される入射面(第1面)11を有し、照明された光を画像情報に応じて光変調する第3空間光変調装置10Bと、空間光変調装置10R、10G、10Bにより変調された各基本色光を合成する色合成系12と、色合成系12で生成された光をスクリーン100上に投射する投射系13とを備えている。空間光変調装置10R、10G、10Bのそれぞれは液晶装置を含んで構成されている。以下の説明においては、空間光変調装置を適宜、ライトバルブ、と称する。
【0040】
ライトバルブは、入射側偏光板と、一対のガラス基板どうしの間に封入された液晶を有するパネルと、射出側偏光板とを備えている。ガラス基板には画素電極や配向膜が設けられている。空間光変調装置を構成するライトバルブは、定められた振動方向の光のみを透過させるようになっており、ライトバルブに入射した基本色光は、ライトバルブを通過することによって光変調される。
【0041】
第1照明装置1Rの複数のレーザ光源装置2は、赤色(R)のレーザ光をそれぞれ射出する。第1照明装置1Rは、複数の赤色のレーザ光を集光光学系3で集光した後、拡散光学素子4により拡散光を生成し、その生成された拡散光で第1ライトバルブ10Rの入射面11を照明する。
【0042】
第2照明装置1Gの複数のレーザ光源装置2は、緑色(G)のレーザ光をそれぞれ射出する。第2照明装置1Gは、複数の緑色のレーザ光を集光光学系3で集光した後、拡散光学素子4により拡散光を生成し、その生成された拡散光で第2ライトバルブ10Gの入射面11を照明する。
【0043】
第3照明装置1Bの複数のレーザ光源装置2は、青色(B)のレーザ光をそれぞれ射出する。第3照明装置1Bは、複数の青色のレーザ光を集光光学系3で集光した後、拡散光学素子4により拡散光を生成し、その生成された拡散光で第3ライトバルブ10Bの入射面11を照明する。
【0044】
各ライトバルブ10R、10G、10Bを通過することで変調された各基本色光(変調光)は、色合成系12で合成される。色合成系12はダイクロイックプリズムによって構成されており、赤色光(R)、緑色光(G)、及び青色光(B)は色合成系12で合成されてフルカラー合成光となる。色合成系12から射出されたフルカラー合成光は投射系13に供給される。投射系13はフルカラー合成光をスクリーン100上に投射する。投射系13は、入射側の画像を拡大してスクリーン100上に投射する所謂拡大系である。
【0045】
投射ユニットUは、各照明装置1R、1G、1Bのそれぞれで照明された各ライトバルブ10R、10G、10Bを介した画像情報を含むフルカラー合成光を投射系13を用いてスクリーン100上に投射することによって、スクリーン100上にフルカラーの画像を形成する。鑑賞者は、投射ユニットUによりスクリーン100に対して投射された画像を鑑賞する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の照明装置1によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、第1面(ライトバルブの入射面)11を均一な照度分布で効率良く照明することができる。すなわち、レーザ光源装置から射出されたレーザ光を用いて第1面を均一な照度分布で照明するために、例えばロッドインテグレータやフライアイレンズ等の光学系を用いた場合、部品点数の増大や光学系の複雑化を招き、装置全体の大型化、複雑化を招く虞がある。また、部品点数の増大やロッドインテグレータ等の高価な部品の使用により装置コストの上昇を招く虞もある。更には、各光学素子の界面より発生するフレネル反射損失等、光利用効率等の低下を招く虞もある。本実施形態では、比較的安価な光学素子を用い、しかもその部品点数が抑えられているので、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、第1面11を効率良く照明することができる。また、複数のレーザ光源装置2を備えているので、第1面11上での光量(照度)を増大することができる。そして、その照明装置1で照明された第1面(ライトバルブの入射面)11を介した光により画像を表示することにより、画像の高輝度化、高コントラスト化を実現することができる。
【0047】
また、光源としてレーザ光源装置を用いているので、偏光された光を射出することができ、光源として例えば超高圧水銀ランプ等の白色光源を用いる構成に比べて、偏光分離素子(偏光ビームスプリッタ)や、色分離素子(ダイクロイックミラー)等の部品を省略することができる。また、狭波長帯域のレーザ光(基本色光)を射出するので、そのレーザ光を用いて画像を表示する際、良好な色再現性を得ることができる。また、液晶装置(ライトバルブ)には紫外光が照射されないので、ライトバルブの劣化を抑制することもできる。
【0048】
また、本実施形態においては、照明装置1は複数のレーザ光源装置2を備えているので、スペックルパターンの発生を抑えることもできる。スペックルパターンとは、レーザ光のようなコヒーレント光で粗面や不均質な媒質を含む散乱面を照射し、その散乱光(拡散光)を観察したとき、空間に生じるコントラストの高い斑点状の模様をいう。散乱面の各点で発生した散乱光(拡散光)は、互いにランダムな位相関係で干渉し、その結果複雑な干渉パターンを生じ、第1面11を不均一な照度分布で照明する可能性がある。本実施形態では、照明装置1は複数のレーザ光源装置2を備えており、それら複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光は互いにインコヒーレントであるため、互いに異なる照度分布(輝度分布)を持つ光で第1面11を照明することとなる。そのため、それら各レーザ光に基づく拡散光を第1面11上で重ね合わせることにより、見た目上のスペックルパターンを低減し、第1面11上での照度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、画像表示装置PJは、輝度むら(照度むら)が小さい画像を表示することができる。
【0049】
また、本実施形態の照明装置1は、集光光学系3で疑似的な点光源を生成している。これにより、エテンデュを小さくすることができ、簡易な構成で第1面(ライトバルブの入射面)11を良好に照明することができる。エテンデュとは、有効に活用できる光束が存在する空間的な広がりを面積と立体角の積で表される数値であって、光学的に保存されるものである。ライトバルブが小型化され、そのライトバルブのエテンデュが小さくなると、光源のエテンデュも同等以下にする必要がある。本実施形態の照明装置1は、集光光学系3により、複数のレーザ光から小さい光源(点光源)を生成することができる。また、本実施形態では、直進性の高いレーザ光を用いており、複数のレーザ光から理想的な点光源を生成することができる。
【0050】
また、本実施形態の照明装置1は、拡散光学素子4と第1面11との間に平行化光学系5を備えているので、例えば、第1面11を垂直照明することができるなど、第1面11に対する光の入射角度を小さくすることができ、第1面11を効率良く照明することができる。そして、平行化光学系11として、光軸に対して回転対称な軸対象レンズを採用することにより、照明装置11の部品点数を抑えることができる。
【0051】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0052】
図5は第2実施形態に係る照明装置1を示す図である。図5において、照明装置1は複数のレーザ光源装置2を備えている。複数のレーザ光源装置2はアレイ状に配置されており、本実施形態においては、二次元方向(XY方向)に複数並んで設けられている。レーザ光源装置2の光射出面は+Z側を向いており、各レーザ光源装置2は+Z方向に向けてレーザ光L1を射出する。各レーザ光源装置2から射出されたレーザ光L1は、集光光学系3で集光された後、拡散光学素子4により拡散され、平行化光学系5で平行化された後、第1面11に照明される。
【0053】
このように、レーザ光源装置2の光射出面を二次元方向に配置してもよい。こうすることにより、光量を増大することができ、高い照度で第1面11を照明することができる。そして、この照明装置1によって、画像情報を含む第1面(ライトバルブの入射面を含む)11を照明することにより、画像表示装置PJは、高輝度な画像を表示することができる。
【0054】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、拡散光学素子4として回折光学素子を用いた点にある。
【0055】
図6は第3実施形態に係る照明装置1を示す図である。図6において、照明装置1は、複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する回折光学素子4Kを含む拡散光学素子4とを備えている。回折光学素子4Kは支持部材4Bに支持されている。拡散光学素子4と第1面11との間には平行化光学系5が設けられている。
【0056】
図7は回折光学素子4Kの一例を示す模式図であって、図7(A)は平面図、図7(B)は図7(A)のA−A線断面矢視図である。図7に示す回折光学素子は、その表面に複数の矩形状の凹部(凹凸構造)4Mを有している。凹部4Mは互いに異なる深さを有している。また、凹部4Mどうしの間の複数の凸部も互いに異なる高さを有している。そして、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さt(凸部の高さ)を含む回折光学素子4Kの表面条件を適宜調整することにより、この回折光学素子4Kに照射された光を拡散させることができる。換言すれば、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化することにより、回折光学素子4Kに拡散光学素子としての機能を持たせることができる。また、凹部4Mどうしのピッチdや凹部4Mの深さtの値を回折光学素子4Kの表面の複数の領域毎にそれぞれ異ならせる場合には、回折光学素子4Kの表面条件には、形成される凹部4Mどうしのピッチdの分布や、凹部4Mの深さtの分布も含まれる。凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化する設計手法としては、例えば反復フーリエ法など、所定の演算手法(シミュレーション手法)が挙げられる。そして、回折光学素子4Kの表面条件を最適化することで、所望の機能(拡散光生成機能)を有する回折光学素子4Kを形成することができる。
【0057】
なお、回折光学素子4Kとしては、矩形の凹部4Mを有するものに限られず、互いに異なる方向を向く平面を組み合わせた表面を有する回折光学素子であってもよい。例えば、回折光学素子4Kとしては、図8に示すような、斜面を有する三角形状の凹部を有するものであってもよい。また、回折光学素子4Kとしては、図7に示したような矩形状の凹部を有する領域と、図8に示したような三角形状の凹部を有する領域とのそれぞれを有するものであってもよい。そして、その表面条件を最適化することにより、所望の機能を有する回折光学素子4Kを形成することができる。
【0058】
ここで、図9を参照しながら、回折光学素子4Kの製造方法の一例について説明する。図9(A)に示すように、石英基板上にレジストを塗布した後、電子ビーム描画装置によりレジストに電子ビームを照射し、このレジストをパターニングする。次いで、エッチング処理することにより、図9(B)に示すように、石英からなるモールド(型)を形成する。そして、合成樹脂製のフィルム状部材など、回折光学素子を形成するための基板とモールドとを、基板のガラス転移温度以上に加熱する。次いで、図9(C)に示すように、基板とモールドとを押し付け、一定時間保持する。その後、基板とモールドとを、基板のガラス転移温度以下に冷却し、基板とモールドとを離す。これにより、図9(D)に示すように、所望の形状を有する合成樹脂製の回折光学素子が形成される。このように、本実施形態では、モールド(型)を形成した後、そのモールドの形状を基板に熱転写する、所謂ナノインプリントの手法により、回折光学素子を形成する。
【0059】
なお、ここで説明した回折光学素子の製造方法は一例であり、所望の形状を有する回折光学素子を製造できるのであれば、任意の手法を用いることができる。
【0060】
図10は回折光学素子4Kを含む照明装置1で照明された第1面11を示す模式図である。図10に示すように、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAを設定することができる。具体的には、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAの大きさ及び形状の少なくとも一方を設定することができる。本実施形態では、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、照明領域LAを矩形状(長方形状)に設定する。本実施形態の第1面(ライトバルブの入射面)11は矩形状であり、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、第1面(ライトバルブの入射面)11に応じた照明領域LAを設定する。照明領域LAの大きさ及び形状は、回折光学素子4Kの表面条件(凹部4Mどうしのピッチd、凹部4Mの深さtなど)を適宜調整することにより設定可能である。換言すれば、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化することにより、回折光学素子4Kに照明領域設定光学系としての機能を持たせることができる。回折光学素子4Kの表面条件を最適化する設計手法としては、上述の反復フーリエ法など、所定の演算手法が挙げられる。そして、回折光学素子4Kの表面条件を最適化することで、所望の機能(照明領域設定機能)を有する回折光学素子4Kを形成することができる。
【0061】
すなわち、本実施形態の回折光学素子4Kは、拡散光生成機能と照明領域設定機能との双方を有しており、それらの機能を有するように、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件が最適化されている。
【0062】
なお、本実施形態では、回折光学素子4Kは、照明領域LAを矩形状に設定しているが、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化することにより、例えば照明領域LAをライン状や円形状など、任意の形状に設定することができる。
【0063】
以上説明したように、拡散光学素子4として回折光学素子4Kを用いることができる。そして、回折光学素子4Kは第1面11上での照明領域LAを設定することができるので、照明領域LAを効率良く照明することができる。すなわち、例えば拡散光学素子4としてレンズ等を用いた場合、照明領域LAの形状と第1面11の形状とが異なる状況が生じる可能性がある。すなわち、例えば第1面11が矩形状であるのに対して、レンズを介して第1面11を照明したときの照明領域LAが円形状となる可能性がある。この場合、光の漏洩を抑えつつ、第1面11を照明するためには、円形状の照明領域LAを拡大するとともに、遮光部材等を用いて、照明領域LAを整形する必要がある。この場合、光利用効率が低下する。本実施形態では、回折光学素子4Kを用いて照明領域LAを設定することにより、回折光学素子4Kで生成した光のほぼ全てを第1面11に照射することができ、光利用効率を向上することができる。
【0064】
また、図9等を参照して説明したように、回折光学素子4Kはナノインプリントの手法で製造することができるため、回折光学素子を容易に大量に製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0065】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、集光光学系3として回折光学素子を用いた点にある。
【0066】
図11は第4実施形態に係る照明装置1を示す図である。図11において、照明装置1は、複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する回折光学素子3Kを含む集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備えている。回折光学素子3Kは支持部材3Bに支持されている。拡散光学素子4と第1面11との間には平行化光学系5が設けられている。
【0067】
回折光学素子3Kは、複数のレーザ光源装置2のそれぞれに対応するように複数設けられている。図11に示す例では、複数のレーザ光源装置2は一次元方向(X軸方向)に複数並んで設けられており、回折光学素子3Kは、それら複数のレーザ光源装置2に対応するように、支持部材3B上で一次元方向(X軸方向)に複数並んで設けられている。そして、複数の回折光学素子3Kのそれぞれは、複数のレーザ光源装置2の位置及び特性等に応じて最適化されている。すなわち、複数の回折光学素子3Kのそれぞれは、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1で擬似的な点光源を形成できるように(拡散光学素子4の所定位置に集光できるように)、その表面条件(凹部どうしのピッチ及び凹部の深さを含む)が最適化されている。回折光学素子3Kそれぞれの表面条件を最適化する設計手法としては、上述の反復フーリエ法など、所定の演算手法が挙げられる。そして、回折光学素子3Kの表面条件を最適化することで、所望の機能(集光機能)を有する回折光学素子3Kを形成することができる。
【0068】
本実施形態の回折光学素子3Kもナノインプリントの手法で製造することができ、回折光学素子を容易に大量に製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0069】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、平行化光学系5としてシリンドリカルレンズを用いた点にある。
【0070】
図12は第5実施形態に係る照明装置1を示す図である。図12において、照明装置1は、複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備えている。拡散光学素子4と第1面11との間にはシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む平行化光学系5が設けられている。
【0071】
本実施形態においては、平行化光学系5は2つのシリンドリカルレンズ5A、5Bを有している。2つのシリンドリカルレンズ5A、5Bのうち、第1のシリンドリカルレンズ5Aは、拡散光学素子4に近い位置に配置され、第2のシリンドリカルレンズ5Bは、第1のシリンドリカルレンズ5Aと第1面11との間に配置されている。そして、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bは、レンズ作用を有する接線どうしが互いに交差するように配置されている。すなわち、第1のシリンドリカルレンズ5Aは、その長手方向がY軸方向と平行になるように配置され、第2のシリンドリカルレンズ5Bは、その長手方向がX軸方向と平行になるように配置されている。拡散光学素子4で生成された拡散光L2は、シリンドリカルレンズ5A、5Bを通過することで、平行化される。
【0072】
第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAを設定することができる。具体的には、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAの大きさ及び形状の少なくとも一方を設定することができる。本実施形態では、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、照明領域LAを矩形状(長方形状)に設定する。本実施形態の第1面(ライトバルブの入射面)11は矩形状であり、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、第1面(ライトバルブの入射面)11に応じた照明領域LAを設定する。このように、シリンドリカルレンズ5A、5Bを含む光学系は、照明領域設定光学系としての機能を有する。
【0073】
以上説明したように、シリンドリカルレンズを用いて第1面11上での照明領域LAを設定することができ、照明領域LAを効率良く照明することができる。また、シリンドリカルレンズを用いて、第1面11に対する光の入射角度を小さくすることができる。
【0074】
なお、第5実施形態においては、照明装置1は2つのシリンドリカルレンズ5A、5Bを備えているが、図12に示すように、レーザ光源装置2が1次元方向(X軸方向)に複数並んでいる構成の場合、シリンドリカルレンズが1つであっても、そのシリンドリカルレンズを用いて、拡散光学素子4で生成された拡散光L2を平行化するとともに、照明領域LAを設定することができる。
【0075】
<第6実施形態>
なお、上述の各実施形態における照明装置1は、レーザ光源装置2を複数備えているが、図13に示すように、レーザ光源装置2を1つ備えた構成であってもよい。この場合、集光光学系を省略することができる。レーザ光源装置2から射出されたレーザ光L1は、拡散光学素子4に入射し、その拡散光学素子4で拡散されて拡散光L2に変換された後、平行化光学系5で平行化されて、第1面11に照射される。
【0076】
また、図13の拡散光学素子4を回折光学素子で構成することにより、第1面11上での照明領域LAを設定することもできる。同様に、図13の平行化光学系5をシリンドリカルレンズで構成することにより、第1面11上での照明領域LAを設定することができる。
【0077】
なお、上述の第1〜第6実施形態においては、回折光学素子として透過型の回折光学素子のうち、位相変調型の回折光学素子を用いているが、振幅変調型の回折光学素子を用いることもできる。また、透過型の回折光学素子に限られず、反射型の回折光学素子を用いることもできる。また、例えば、透過型の回折光学素子と、反射型の回折光学素子とを組み合わせてもよい。そして、それら回折光学素子の表面条件を最適化することにより、その回折光学素子に所望の機能を持たせることができる。
【0078】
なお上述の各実施形態においては、空間光変調装置として透過型の液晶装置(ライトバルブ)を用いているが、反射型の液晶装置を用いることもできるし、例えばDMD(Digital Micromirror Device)等の反射型光変調装置(ミラー変調器)を用いてもよい。
【0079】
なお、上述の各実施形態では、スクリーン100の正面側からスクリーン100上に画像情報を含む光を投射するフロント投射型のプロジェクタを例にして説明したが、投射ユニットUと、スクリーン100と、筐体とを有し、投射ユニットUがスクリーン100の背面側に配置され、スクリーン100の背面側からスクリーン100上に画像情報を含む光を投射する所謂リアプロジェクタに、上述の各実施形態の照明装置1を適用することもできる。
【0080】
なお、上述の実施形態のプロジェクタPJは、各基本色光(R、G、B)を射出可能なレーザ光源装置2をそれぞれ有する第1、第2、第3照明装置1R、1G、1Bを有しているが、赤色光(R)を射出する赤色レーザ光源装置、緑色光(G)を射出する緑色レーザ光源装置、及び青色光(B)を射出する青色レーザ光源装置をアレイ状に配置した構成を有する照明装置を1つ有する構成であってもよい。この場合、各基本色光を射出可能なレーザ光源装置のレーザ光射出動作を時分割で行い、その各レーザ光源装置のレーザ光射出動作に同期して、ライトバルブの動作を制御することにより、1つの照明装置及び1つのライトバルブでスクリーン100上にフルカラー画像を表示することができる。
【0081】
<第7実施形態>
なお、上述の各実施形態においては、照明装置1で空間光変調装置を照明し、その空間光変調装置を介した光によりスクリーン100上に画像を表示しているが、画像表示装置(プロジェクタ)としては、空間光変調装置を有していなくてもよい。例えば図14に示すような、画像情報を含むスライド(ポジフィルム)10’の面11’を照明装置1で照明し、スクリーン100上に画像情報を含む光を投射する、所謂スライドプロジェクタに、上述の各実施形態の照明装置1を適用することも可能である。
【0082】
また、画像表示装置としては、投射系を有さず空間光変調装置の画像を直接観察する直視型の画像表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…照明装置、2…レーザ光源装置、3…集光光学系、3K…回折光学素子、4…拡散光学素子、4A…基材、4B…微粒子、4D…光学部材、4K…回折光学素子、5…平行化光学系、5A、5B…シリンドリカルレンズ、10…空間光変調装置、11…第1面(入射面)、100…スクリーン(第2面)、LA…照明領域、PJ…画像表示装置(プロジェクタ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び画像表示装置、並びにプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置等の空間光変調装置で生成された画像情報を含む色光を投射系を用いてスクリーン上に投射する投射型画像表示装置(プロジェクタ)において、光源にレーザを用いる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−64789号公報
【特許文献2】特開2000−162548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ光により空間光変調装置の入射面を均一な照度分布で照明するために所定の光学系を用いる場合、光学系の構成によっては、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を招く可能性がある。また、光学系の構成によっては、光利用効率等の低下を招く可能性がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、所定面を効率良く照明できる照明装置を提供することを目的とする。また、照明装置で照明された光を用いて画像を表示する画像表示装置、並びにプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の観点によると、レーザ光を射出する複数のレーザ光源装置と、前記複数のレーザ光源装置のそれぞれから射出されたレーザ光が入射されるとともに、該入射された複数のレーザ光を集光する集光光学系と、前記集光光学系で集光された光を拡散して拡散光を生成する拡散光学素子とを備え、前記拡散光で第1面を照明する照明装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、第1面を高い照度で効率良く照明することができる。また、スペックルパターンの発生を抑え、第1面をほぼ均一な照度分布で照明することができる。
【0009】
本発明の照明装置において、前記集光光学系は疑似的な点光源を生成する構成を採用することができる。これにより、エテンデュを小さくすることができ、簡易な構成で照明領域を良好に照明することができる。ここで、エテンデュとは、有効に活用できる光束が存在する空間的な広がりを面積と立体角の積で表される数値であって、光学的に保存されるものである。
【0010】
本発明の照明装置において、前記拡散光学素子は前記集光光学系のほぼ焦点位置に設けられている構成を採用することができる。これにより、点光源化された光を効率良く拡散することができる。
【0011】
本発明の照明装置において、前記集光光学系は屈折レンズを含む構成を採用することができるし、回折光学素子を含む構成を採用することもできる。
【0012】
本発明の照明装置において、前記拡散光学素子は照射された光を散乱する散乱部材を含む構成を採用することができる。前記散乱部材は、光を透過する基材と、前記基材上の微粒子とを有する構成を採用することができるし、前記散乱部材は粗面を有する光学部材を含む構成を採用することもできる。あるいは、前記拡散光学素子は回折光学素子を含む構成を採用することができる。
【0013】
本発明の照明装置において、前記回折光学素子は前記第1面上での照明領域を設定する構成を採用することができる。これにより、照明領域を効率良く照明することができる。
【0014】
本発明の照明装置において、前記拡散光学素子と前記第1面との間に設けられ、前記拡散光学素子で生成された拡散光を平行化する平行化光学系を備えた構成を採用することができる。これにより、第1面に対する光の入射角度を小さくすることができ、第1面を効率良く照明することができる。
【0015】
本発明の照明装置において、前記平行化光学系は光軸に対して回転対称な軸対象レンズを含む構成を採用することができる。これにより、照明装置の部品点数を抑えて、光を良好に平行化することができる。
【0016】
本発明の照明装置において、前記平行化光学系はシリンドリカルレンズを含む構成を採用することができる。これにより、光を良好に平行化することができる。
【0017】
本発明の照明装置において、前記シリンドリカルレンズは前記第1面上での照明領域を設定する構成を採用することができる。これにより、照明領域を効率良く照明することができる。
【0018】
本発明の照明装置において、レンズ作用を有する曲面の接線どうしが互いに交差するように前記シリンドリカルレンズが複数設けられている構成を採用することができる。これにより、照明領域を矩形状など所定の形状に設定することができる。
【0019】
本発明の照明装置において、前記第1面上での照明領域を設定する照明領域設定光学系を備えた構成を採用することができる。これにより、照明領域を効率良く照明することができる。
【0020】
本発明の照明装置において、前記照明領域設定光学系は回折光学素子を含む構成を採用することができるし、シリンドリカルレンズを含む構成を採用することもできる。
【0021】
本発明の照明装置において、前記複数のレーザ光源装置はアレイ状に配置されている構成を採用することができる。これにより、第1面を高い照度で効率良く照明することができる。
【0022】
本発明の照明装置において、前記第1面は画像情報を含む構成を採用することができる。これにより、第1面を照明した光により画像を表示することができる。
【0023】
本発明の第2の観点によると、上記記載の照明装置で照明され、前記第1面を介した光により画像を表示する画像表示装置が提供される。
【0024】
本発明によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、高輝度で良好な画像を形成することができる。
【0025】
本発明の画像表示装置において、前記第1面は照明された光を画像信号に応じて光変調する空間光変調装置の入射面を含む構成を採用することができる。前記空間光変調装置は液晶装置を含む構成を採用することができる。これにより、所望の画像を表示することができる。
【0026】
本発明の第3の観点によると、上記記載の画像表示装置を含み、前記第1面を介した画像情報を含む光を第2面上に投射する投射系を備えたプロジェクタが提供される。
【0027】
本発明によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、高輝度で良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】拡散光学素子の一例を示す模式図である。
【図3】拡散光学素子の一例を示す模式図である。
【図4】第1実施形態に係る照明装置を備えた画像表示装置を示す概略構成図である。
【図5】第2実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】第3実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図7】回折光学素子の一例を説明するための模式図である。
【図8】回折光学素子の一例を説明するための模式図である。
【図9】回折光学素子の製造方法の一例を説明するための模式図である。
【図10】第3実施形態に係る照明装置で照明された第1面を示す図である。
【図11】第4実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図12】第5実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図13】第6実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図14】第7実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。
【0030】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る照明装置を示す概略構成図である。図1において、照明装置1は、所定部材10の第1面11を照明するものであって、レーザ光L1を射出する複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備えており、拡散光L2によって第1面11を照明する。拡散光学素子4と第1面11との間には、拡散光学素子4で生成された拡散光L2を平行化する平行化光学系5が設けられており、照明装置1は、平行化光学系5で平行化された拡散光L2で第1面11を照明する。
【0031】
複数のレーザ光源装置2はアレイ状に配置されている。図1に示す例では、複数のレーザ光源装置2は一次元方向(X軸方向)に複数並んで設けられている。レーザ光源装置2の光射出面は+Z側を向いており、各レーザ光源装置2は+Z方向に向けてレーザ光L1を射出する。
【0032】
集光光学系3は、屈折レンズ等の幾何光学的レンズを含んで構成されており、入射された複数のレーザ光L1を集光し、その焦点位置で擬似的な点光源を生成する。なお、集光光学系3として、フレネルレンズを用いてもよい。
【0033】
拡散光学素子4は、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成するものであり、集光光学系3のほぼ焦点位置に設けられている。本実施形態においては、拡散光学素子4は、照射された光を散乱する散乱部材を含む。
【0034】
図2は散乱部材(拡散光学素子)4の一例を示す図である。散乱部材4は、光を透過する基材4Aと、基材4A上の微粒子4Bとを有している。光を透過する基材4Aは、例えば透明の合成樹脂製のフィルム状部材、あるいは石英などのガラス製の板状部材により構成されている。そして、その基材4A上に、屈折率が互いに異なる複数の微粒子4Bがバインダ4Cを介して接着されている。散乱部材4に照射された光は、散乱部材4を通過することにより、拡散光(散乱光)に変換される。
【0035】
図3は散乱部材(拡散光学素子)4の別の例を示す図である。散乱部材4は、粗面を有する光学部材4Dによって構成されている。光学部材4Dは、例えば光を透過可能な石英などのガラス製の板状部材により構成されている。散乱部材4に照射された光は、散乱部材4を通過することにより、拡散光(散乱光)に変換される。
【0036】
図1に戻って、平行化光学系5は、拡散光学素子4で生成された拡散光L2を平行化するものであって、例えば球面レンズ、又は非球面レンズ等の光軸に対して回転対称な軸対象レンズを含んで構成されている。
【0037】
図4は本実施形態に係る照明装置1(1R、1G、1B)を備えた画像表示装置を示す概略構成図である。本実施形態においては、画像表示装置として、空間光変調装置で生成された画像情報を含む色光を投射系を介してスクリーン上に投射する投射型画像表示装置(プロジェクタ)を例にして説明する。
【0038】
図4において、投射型画像表示装置PJは、スクリーン100(第2面)上に画像情報を含む光を投射する投射ユニットUを備えている。投射ユニットUからスクリーン100に対して光が投射されることにより、スクリーン100上に画像が形成される。本実施形態の投射型画像表示装置PJは、スクリーン100を透過型のスクリーンとし、スクリーン100の正面側からスクリーン100上に画像情報を含む光を投射する。
【0039】
投射ユニットUは、第1の基本色光(赤色光)で第1面を照明可能な第1照明装置1Rと、第2の基本色光(緑色光)で第1面を照明可能な第2照明装置1Gと、第3の基本色光(青色光)で第1面を照明可能な第3照明装置1Bと、第1照明装置1Rで照明される入射面(第1面)11を有し、照明された光を画像情報に応じて光変調する第1空間光変調装置10Rと、第2照明装置1Gで照明される入射面(第1面)11を有し、照明された光を画像情報に応じて光変調する第2空間光変調装置10Gと、第3照明装置1Bで照明される入射面(第1面)11を有し、照明された光を画像情報に応じて光変調する第3空間光変調装置10Bと、空間光変調装置10R、10G、10Bにより変調された各基本色光を合成する色合成系12と、色合成系12で生成された光をスクリーン100上に投射する投射系13とを備えている。空間光変調装置10R、10G、10Bのそれぞれは液晶装置を含んで構成されている。以下の説明においては、空間光変調装置を適宜、ライトバルブ、と称する。
【0040】
ライトバルブは、入射側偏光板と、一対のガラス基板どうしの間に封入された液晶を有するパネルと、射出側偏光板とを備えている。ガラス基板には画素電極や配向膜が設けられている。空間光変調装置を構成するライトバルブは、定められた振動方向の光のみを透過させるようになっており、ライトバルブに入射した基本色光は、ライトバルブを通過することによって光変調される。
【0041】
第1照明装置1Rの複数のレーザ光源装置2は、赤色(R)のレーザ光をそれぞれ射出する。第1照明装置1Rは、複数の赤色のレーザ光を集光光学系3で集光した後、拡散光学素子4により拡散光を生成し、その生成された拡散光で第1ライトバルブ10Rの入射面11を照明する。
【0042】
第2照明装置1Gの複数のレーザ光源装置2は、緑色(G)のレーザ光をそれぞれ射出する。第2照明装置1Gは、複数の緑色のレーザ光を集光光学系3で集光した後、拡散光学素子4により拡散光を生成し、その生成された拡散光で第2ライトバルブ10Gの入射面11を照明する。
【0043】
第3照明装置1Bの複数のレーザ光源装置2は、青色(B)のレーザ光をそれぞれ射出する。第3照明装置1Bは、複数の青色のレーザ光を集光光学系3で集光した後、拡散光学素子4により拡散光を生成し、その生成された拡散光で第3ライトバルブ10Bの入射面11を照明する。
【0044】
各ライトバルブ10R、10G、10Bを通過することで変調された各基本色光(変調光)は、色合成系12で合成される。色合成系12はダイクロイックプリズムによって構成されており、赤色光(R)、緑色光(G)、及び青色光(B)は色合成系12で合成されてフルカラー合成光となる。色合成系12から射出されたフルカラー合成光は投射系13に供給される。投射系13はフルカラー合成光をスクリーン100上に投射する。投射系13は、入射側の画像を拡大してスクリーン100上に投射する所謂拡大系である。
【0045】
投射ユニットUは、各照明装置1R、1G、1Bのそれぞれで照明された各ライトバルブ10R、10G、10Bを介した画像情報を含むフルカラー合成光を投射系13を用いてスクリーン100上に投射することによって、スクリーン100上にフルカラーの画像を形成する。鑑賞者は、投射ユニットUによりスクリーン100に対して投射された画像を鑑賞する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の照明装置1によれば、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、第1面(ライトバルブの入射面)11を均一な照度分布で効率良く照明することができる。すなわち、レーザ光源装置から射出されたレーザ光を用いて第1面を均一な照度分布で照明するために、例えばロッドインテグレータやフライアイレンズ等の光学系を用いた場合、部品点数の増大や光学系の複雑化を招き、装置全体の大型化、複雑化を招く虞がある。また、部品点数の増大やロッドインテグレータ等の高価な部品の使用により装置コストの上昇を招く虞もある。更には、各光学素子の界面より発生するフレネル反射損失等、光利用効率等の低下を招く虞もある。本実施形態では、比較的安価な光学素子を用い、しかもその部品点数が抑えられているので、装置の大型化や複雑化、あるいは装置コストの上昇を抑え、第1面11を効率良く照明することができる。また、複数のレーザ光源装置2を備えているので、第1面11上での光量(照度)を増大することができる。そして、その照明装置1で照明された第1面(ライトバルブの入射面)11を介した光により画像を表示することにより、画像の高輝度化、高コントラスト化を実現することができる。
【0047】
また、光源としてレーザ光源装置を用いているので、偏光された光を射出することができ、光源として例えば超高圧水銀ランプ等の白色光源を用いる構成に比べて、偏光分離素子(偏光ビームスプリッタ)や、色分離素子(ダイクロイックミラー)等の部品を省略することができる。また、狭波長帯域のレーザ光(基本色光)を射出するので、そのレーザ光を用いて画像を表示する際、良好な色再現性を得ることができる。また、液晶装置(ライトバルブ)には紫外光が照射されないので、ライトバルブの劣化を抑制することもできる。
【0048】
また、本実施形態においては、照明装置1は複数のレーザ光源装置2を備えているので、スペックルパターンの発生を抑えることもできる。スペックルパターンとは、レーザ光のようなコヒーレント光で粗面や不均質な媒質を含む散乱面を照射し、その散乱光(拡散光)を観察したとき、空間に生じるコントラストの高い斑点状の模様をいう。散乱面の各点で発生した散乱光(拡散光)は、互いにランダムな位相関係で干渉し、その結果複雑な干渉パターンを生じ、第1面11を不均一な照度分布で照明する可能性がある。本実施形態では、照明装置1は複数のレーザ光源装置2を備えており、それら複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光は互いにインコヒーレントであるため、互いに異なる照度分布(輝度分布)を持つ光で第1面11を照明することとなる。そのため、それら各レーザ光に基づく拡散光を第1面11上で重ね合わせることにより、見た目上のスペックルパターンを低減し、第1面11上での照度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、画像表示装置PJは、輝度むら(照度むら)が小さい画像を表示することができる。
【0049】
また、本実施形態の照明装置1は、集光光学系3で疑似的な点光源を生成している。これにより、エテンデュを小さくすることができ、簡易な構成で第1面(ライトバルブの入射面)11を良好に照明することができる。エテンデュとは、有効に活用できる光束が存在する空間的な広がりを面積と立体角の積で表される数値であって、光学的に保存されるものである。ライトバルブが小型化され、そのライトバルブのエテンデュが小さくなると、光源のエテンデュも同等以下にする必要がある。本実施形態の照明装置1は、集光光学系3により、複数のレーザ光から小さい光源(点光源)を生成することができる。また、本実施形態では、直進性の高いレーザ光を用いており、複数のレーザ光から理想的な点光源を生成することができる。
【0050】
また、本実施形態の照明装置1は、拡散光学素子4と第1面11との間に平行化光学系5を備えているので、例えば、第1面11を垂直照明することができるなど、第1面11に対する光の入射角度を小さくすることができ、第1面11を効率良く照明することができる。そして、平行化光学系11として、光軸に対して回転対称な軸対象レンズを採用することにより、照明装置11の部品点数を抑えることができる。
【0051】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0052】
図5は第2実施形態に係る照明装置1を示す図である。図5において、照明装置1は複数のレーザ光源装置2を備えている。複数のレーザ光源装置2はアレイ状に配置されており、本実施形態においては、二次元方向(XY方向)に複数並んで設けられている。レーザ光源装置2の光射出面は+Z側を向いており、各レーザ光源装置2は+Z方向に向けてレーザ光L1を射出する。各レーザ光源装置2から射出されたレーザ光L1は、集光光学系3で集光された後、拡散光学素子4により拡散され、平行化光学系5で平行化された後、第1面11に照明される。
【0053】
このように、レーザ光源装置2の光射出面を二次元方向に配置してもよい。こうすることにより、光量を増大することができ、高い照度で第1面11を照明することができる。そして、この照明装置1によって、画像情報を含む第1面(ライトバルブの入射面を含む)11を照明することにより、画像表示装置PJは、高輝度な画像を表示することができる。
【0054】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、拡散光学素子4として回折光学素子を用いた点にある。
【0055】
図6は第3実施形態に係る照明装置1を示す図である。図6において、照明装置1は、複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する回折光学素子4Kを含む拡散光学素子4とを備えている。回折光学素子4Kは支持部材4Bに支持されている。拡散光学素子4と第1面11との間には平行化光学系5が設けられている。
【0056】
図7は回折光学素子4Kの一例を示す模式図であって、図7(A)は平面図、図7(B)は図7(A)のA−A線断面矢視図である。図7に示す回折光学素子は、その表面に複数の矩形状の凹部(凹凸構造)4Mを有している。凹部4Mは互いに異なる深さを有している。また、凹部4Mどうしの間の複数の凸部も互いに異なる高さを有している。そして、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さt(凸部の高さ)を含む回折光学素子4Kの表面条件を適宜調整することにより、この回折光学素子4Kに照射された光を拡散させることができる。換言すれば、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化することにより、回折光学素子4Kに拡散光学素子としての機能を持たせることができる。また、凹部4Mどうしのピッチdや凹部4Mの深さtの値を回折光学素子4Kの表面の複数の領域毎にそれぞれ異ならせる場合には、回折光学素子4Kの表面条件には、形成される凹部4Mどうしのピッチdの分布や、凹部4Mの深さtの分布も含まれる。凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化する設計手法としては、例えば反復フーリエ法など、所定の演算手法(シミュレーション手法)が挙げられる。そして、回折光学素子4Kの表面条件を最適化することで、所望の機能(拡散光生成機能)を有する回折光学素子4Kを形成することができる。
【0057】
なお、回折光学素子4Kとしては、矩形の凹部4Mを有するものに限られず、互いに異なる方向を向く平面を組み合わせた表面を有する回折光学素子であってもよい。例えば、回折光学素子4Kとしては、図8に示すような、斜面を有する三角形状の凹部を有するものであってもよい。また、回折光学素子4Kとしては、図7に示したような矩形状の凹部を有する領域と、図8に示したような三角形状の凹部を有する領域とのそれぞれを有するものであってもよい。そして、その表面条件を最適化することにより、所望の機能を有する回折光学素子4Kを形成することができる。
【0058】
ここで、図9を参照しながら、回折光学素子4Kの製造方法の一例について説明する。図9(A)に示すように、石英基板上にレジストを塗布した後、電子ビーム描画装置によりレジストに電子ビームを照射し、このレジストをパターニングする。次いで、エッチング処理することにより、図9(B)に示すように、石英からなるモールド(型)を形成する。そして、合成樹脂製のフィルム状部材など、回折光学素子を形成するための基板とモールドとを、基板のガラス転移温度以上に加熱する。次いで、図9(C)に示すように、基板とモールドとを押し付け、一定時間保持する。その後、基板とモールドとを、基板のガラス転移温度以下に冷却し、基板とモールドとを離す。これにより、図9(D)に示すように、所望の形状を有する合成樹脂製の回折光学素子が形成される。このように、本実施形態では、モールド(型)を形成した後、そのモールドの形状を基板に熱転写する、所謂ナノインプリントの手法により、回折光学素子を形成する。
【0059】
なお、ここで説明した回折光学素子の製造方法は一例であり、所望の形状を有する回折光学素子を製造できるのであれば、任意の手法を用いることができる。
【0060】
図10は回折光学素子4Kを含む照明装置1で照明された第1面11を示す模式図である。図10に示すように、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAを設定することができる。具体的には、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAの大きさ及び形状の少なくとも一方を設定することができる。本実施形態では、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、照明領域LAを矩形状(長方形状)に設定する。本実施形態の第1面(ライトバルブの入射面)11は矩形状であり、回折光学素子4Kを含む照明装置1は、第1面(ライトバルブの入射面)11に応じた照明領域LAを設定する。照明領域LAの大きさ及び形状は、回折光学素子4Kの表面条件(凹部4Mどうしのピッチd、凹部4Mの深さtなど)を適宜調整することにより設定可能である。換言すれば、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化することにより、回折光学素子4Kに照明領域設定光学系としての機能を持たせることができる。回折光学素子4Kの表面条件を最適化する設計手法としては、上述の反復フーリエ法など、所定の演算手法が挙げられる。そして、回折光学素子4Kの表面条件を最適化することで、所望の機能(照明領域設定機能)を有する回折光学素子4Kを形成することができる。
【0061】
すなわち、本実施形態の回折光学素子4Kは、拡散光生成機能と照明領域設定機能との双方を有しており、それらの機能を有するように、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件が最適化されている。
【0062】
なお、本実施形態では、回折光学素子4Kは、照明領域LAを矩形状に設定しているが、凹部4Mどうしのピッチd及び凹部4Mの深さtを含む表面条件を最適化することにより、例えば照明領域LAをライン状や円形状など、任意の形状に設定することができる。
【0063】
以上説明したように、拡散光学素子4として回折光学素子4Kを用いることができる。そして、回折光学素子4Kは第1面11上での照明領域LAを設定することができるので、照明領域LAを効率良く照明することができる。すなわち、例えば拡散光学素子4としてレンズ等を用いた場合、照明領域LAの形状と第1面11の形状とが異なる状況が生じる可能性がある。すなわち、例えば第1面11が矩形状であるのに対して、レンズを介して第1面11を照明したときの照明領域LAが円形状となる可能性がある。この場合、光の漏洩を抑えつつ、第1面11を照明するためには、円形状の照明領域LAを拡大するとともに、遮光部材等を用いて、照明領域LAを整形する必要がある。この場合、光利用効率が低下する。本実施形態では、回折光学素子4Kを用いて照明領域LAを設定することにより、回折光学素子4Kで生成した光のほぼ全てを第1面11に照射することができ、光利用効率を向上することができる。
【0064】
また、図9等を参照して説明したように、回折光学素子4Kはナノインプリントの手法で製造することができるため、回折光学素子を容易に大量に製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0065】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、集光光学系3として回折光学素子を用いた点にある。
【0066】
図11は第4実施形態に係る照明装置1を示す図である。図11において、照明装置1は、複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する回折光学素子3Kを含む集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備えている。回折光学素子3Kは支持部材3Bに支持されている。拡散光学素子4と第1面11との間には平行化光学系5が設けられている。
【0067】
回折光学素子3Kは、複数のレーザ光源装置2のそれぞれに対応するように複数設けられている。図11に示す例では、複数のレーザ光源装置2は一次元方向(X軸方向)に複数並んで設けられており、回折光学素子3Kは、それら複数のレーザ光源装置2に対応するように、支持部材3B上で一次元方向(X軸方向)に複数並んで設けられている。そして、複数の回折光学素子3Kのそれぞれは、複数のレーザ光源装置2の位置及び特性等に応じて最適化されている。すなわち、複数の回折光学素子3Kのそれぞれは、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1で擬似的な点光源を形成できるように(拡散光学素子4の所定位置に集光できるように)、その表面条件(凹部どうしのピッチ及び凹部の深さを含む)が最適化されている。回折光学素子3Kそれぞれの表面条件を最適化する設計手法としては、上述の反復フーリエ法など、所定の演算手法が挙げられる。そして、回折光学素子3Kの表面条件を最適化することで、所望の機能(集光機能)を有する回折光学素子3Kを形成することができる。
【0068】
本実施形態の回折光学素子3Kもナノインプリントの手法で製造することができ、回折光学素子を容易に大量に製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0069】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、平行化光学系5としてシリンドリカルレンズを用いた点にある。
【0070】
図12は第5実施形態に係る照明装置1を示す図である。図12において、照明装置1は、複数のレーザ光源装置2と、複数のレーザ光源装置2のそれぞれから射出されたレーザ光L1が入射されるとともに、その入射された複数のレーザ光L1を集光する集光光学系3と、集光光学系3で集光された光を拡散して拡散光L2を生成する拡散光学素子4とを備えている。拡散光学素子4と第1面11との間にはシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む平行化光学系5が設けられている。
【0071】
本実施形態においては、平行化光学系5は2つのシリンドリカルレンズ5A、5Bを有している。2つのシリンドリカルレンズ5A、5Bのうち、第1のシリンドリカルレンズ5Aは、拡散光学素子4に近い位置に配置され、第2のシリンドリカルレンズ5Bは、第1のシリンドリカルレンズ5Aと第1面11との間に配置されている。そして、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bは、レンズ作用を有する接線どうしが互いに交差するように配置されている。すなわち、第1のシリンドリカルレンズ5Aは、その長手方向がY軸方向と平行になるように配置され、第2のシリンドリカルレンズ5Bは、その長手方向がX軸方向と平行になるように配置されている。拡散光学素子4で生成された拡散光L2は、シリンドリカルレンズ5A、5Bを通過することで、平行化される。
【0072】
第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAを設定することができる。具体的には、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、第1面11上での照明領域LAの大きさ及び形状の少なくとも一方を設定することができる。本実施形態では、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、照明領域LAを矩形状(長方形状)に設定する。本実施形態の第1面(ライトバルブの入射面)11は矩形状であり、第1、第2のシリンドリカルレンズ5A、5Bを含む照明装置1は、第1面(ライトバルブの入射面)11に応じた照明領域LAを設定する。このように、シリンドリカルレンズ5A、5Bを含む光学系は、照明領域設定光学系としての機能を有する。
【0073】
以上説明したように、シリンドリカルレンズを用いて第1面11上での照明領域LAを設定することができ、照明領域LAを効率良く照明することができる。また、シリンドリカルレンズを用いて、第1面11に対する光の入射角度を小さくすることができる。
【0074】
なお、第5実施形態においては、照明装置1は2つのシリンドリカルレンズ5A、5Bを備えているが、図12に示すように、レーザ光源装置2が1次元方向(X軸方向)に複数並んでいる構成の場合、シリンドリカルレンズが1つであっても、そのシリンドリカルレンズを用いて、拡散光学素子4で生成された拡散光L2を平行化するとともに、照明領域LAを設定することができる。
【0075】
<第6実施形態>
なお、上述の各実施形態における照明装置1は、レーザ光源装置2を複数備えているが、図13に示すように、レーザ光源装置2を1つ備えた構成であってもよい。この場合、集光光学系を省略することができる。レーザ光源装置2から射出されたレーザ光L1は、拡散光学素子4に入射し、その拡散光学素子4で拡散されて拡散光L2に変換された後、平行化光学系5で平行化されて、第1面11に照射される。
【0076】
また、図13の拡散光学素子4を回折光学素子で構成することにより、第1面11上での照明領域LAを設定することもできる。同様に、図13の平行化光学系5をシリンドリカルレンズで構成することにより、第1面11上での照明領域LAを設定することができる。
【0077】
なお、上述の第1〜第6実施形態においては、回折光学素子として透過型の回折光学素子のうち、位相変調型の回折光学素子を用いているが、振幅変調型の回折光学素子を用いることもできる。また、透過型の回折光学素子に限られず、反射型の回折光学素子を用いることもできる。また、例えば、透過型の回折光学素子と、反射型の回折光学素子とを組み合わせてもよい。そして、それら回折光学素子の表面条件を最適化することにより、その回折光学素子に所望の機能を持たせることができる。
【0078】
なお上述の各実施形態においては、空間光変調装置として透過型の液晶装置(ライトバルブ)を用いているが、反射型の液晶装置を用いることもできるし、例えばDMD(Digital Micromirror Device)等の反射型光変調装置(ミラー変調器)を用いてもよい。
【0079】
なお、上述の各実施形態では、スクリーン100の正面側からスクリーン100上に画像情報を含む光を投射するフロント投射型のプロジェクタを例にして説明したが、投射ユニットUと、スクリーン100と、筐体とを有し、投射ユニットUがスクリーン100の背面側に配置され、スクリーン100の背面側からスクリーン100上に画像情報を含む光を投射する所謂リアプロジェクタに、上述の各実施形態の照明装置1を適用することもできる。
【0080】
なお、上述の実施形態のプロジェクタPJは、各基本色光(R、G、B)を射出可能なレーザ光源装置2をそれぞれ有する第1、第2、第3照明装置1R、1G、1Bを有しているが、赤色光(R)を射出する赤色レーザ光源装置、緑色光(G)を射出する緑色レーザ光源装置、及び青色光(B)を射出する青色レーザ光源装置をアレイ状に配置した構成を有する照明装置を1つ有する構成であってもよい。この場合、各基本色光を射出可能なレーザ光源装置のレーザ光射出動作を時分割で行い、その各レーザ光源装置のレーザ光射出動作に同期して、ライトバルブの動作を制御することにより、1つの照明装置及び1つのライトバルブでスクリーン100上にフルカラー画像を表示することができる。
【0081】
<第7実施形態>
なお、上述の各実施形態においては、照明装置1で空間光変調装置を照明し、その空間光変調装置を介した光によりスクリーン100上に画像を表示しているが、画像表示装置(プロジェクタ)としては、空間光変調装置を有していなくてもよい。例えば図14に示すような、画像情報を含むスライド(ポジフィルム)10’の面11’を照明装置1で照明し、スクリーン100上に画像情報を含む光を投射する、所謂スライドプロジェクタに、上述の各実施形態の照明装置1を適用することも可能である。
【0082】
また、画像表示装置としては、投射系を有さず空間光変調装置の画像を直接観察する直視型の画像表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…照明装置、2…レーザ光源装置、3…集光光学系、3K…回折光学素子、4…拡散光学素子、4A…基材、4B…微粒子、4D…光学部材、4K…回折光学素子、5…平行化光学系、5A、5B…シリンドリカルレンズ、10…空間光変調装置、11…第1面(入射面)、100…スクリーン(第2面)、LA…照明領域、PJ…画像表示装置(プロジェクタ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を射出する複数のレーザ光源装置と、
前記複数のレーザ光源装置のそれぞれから射出されたレーザ光が入射されるとともに、該入射された複数のレーザ光を集光する集光光学系と、
前記集光光学系で集光された光を拡散して拡散光を生成する拡散光学素子とを備え、
前記拡散光で第1面を照明する照明装置。
【請求項2】
前記集光光学系は疑似的な点光源を生成する請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記拡散光学素子は前記集光光学系のほぼ焦点位置に設けられている請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
前記拡散光学素子は照射された光を散乱する散乱部材を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項5】
前記拡散光学素子は回折光学素子を含み、前記回折光学素子は前記第1面上での照明領域を設定する請求項1〜3のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項6】
前記拡散光学素子と前記第1面との間に設けられ、前記拡散光学素子で生成された拡散光を平行化する平行化光学系を備えた請求項1〜5のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項7】
前記平行化光学系は光軸に対して回転対称な軸対象レンズを含む請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記平行化光学系はシリンドリカルレンズを含み、前記シリンドリカルレンズは前記第1面上での照明領域を設定し、レンズ作用を有する曲面の接線どうしが互いに交差するように前記シリンドリカルレンズが複数設けられている請求項6記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1面上での照明領域を設定する照明領域設定光学系を備えた請求項1〜8のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項10】
前記複数のレーザ光源装置はアレイ状に配置されている請求項1〜9のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の照明装置で照明され、前記第1面を介した光により画像を表示する画像表示装置。
【請求項12】
前記第1面は照明された光を画像信号に応じて光変調する空間光変調装置の入射面を含む請求項11記載の画像表示装置。
【請求項13】
請求項11又は請求項12記載の画像表示装置を含み、前記第1面を介した画像情報を含む光を第2面上に投射する投射系を備えたプロジェクタ。
【請求項1】
レーザ光を射出する複数のレーザ光源装置と、
前記複数のレーザ光源装置のそれぞれから射出されたレーザ光が入射されるとともに、該入射された複数のレーザ光を集光する集光光学系と、
前記集光光学系で集光された光を拡散して拡散光を生成する拡散光学素子とを備え、
前記拡散光で第1面を照明する照明装置。
【請求項2】
前記集光光学系は疑似的な点光源を生成する請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記拡散光学素子は前記集光光学系のほぼ焦点位置に設けられている請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
前記拡散光学素子は照射された光を散乱する散乱部材を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項5】
前記拡散光学素子は回折光学素子を含み、前記回折光学素子は前記第1面上での照明領域を設定する請求項1〜3のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項6】
前記拡散光学素子と前記第1面との間に設けられ、前記拡散光学素子で生成された拡散光を平行化する平行化光学系を備えた請求項1〜5のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項7】
前記平行化光学系は光軸に対して回転対称な軸対象レンズを含む請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記平行化光学系はシリンドリカルレンズを含み、前記シリンドリカルレンズは前記第1面上での照明領域を設定し、レンズ作用を有する曲面の接線どうしが互いに交差するように前記シリンドリカルレンズが複数設けられている請求項6記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1面上での照明領域を設定する照明領域設定光学系を備えた請求項1〜8のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項10】
前記複数のレーザ光源装置はアレイ状に配置されている請求項1〜9のいずれか一項記載の照明装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の照明装置で照明され、前記第1面を介した光により画像を表示する画像表示装置。
【請求項12】
前記第1面は照明された光を画像信号に応じて光変調する空間光変調装置の入射面を含む請求項11記載の画像表示装置。
【請求項13】
請求項11又は請求項12記載の画像表示装置を含み、前記第1面を介した画像情報を含む光を第2面上に投射する投射系を備えたプロジェクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−100739(P2011−100739A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268693(P2010−268693)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【分割の表示】特願2005−213494(P2005−213494)の分割
【原出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【分割の表示】特願2005−213494(P2005−213494)の分割
【原出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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