照明装置
【課題】 照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる照明装置を提供すること。
【解決手段】 内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部81を有する形状に設けられ、端部81から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体8と、導光体8の端部81へ向かって光を発する光源71と、前方が導光体8に遮られる重なる位置に、導光体8と2重構造となるように設けられた光源72と、反射により光源72の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる第1反射面34及び第2反射面37を備えた。
【解決手段】 内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部81を有する形状に設けられ、端部81から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体8と、導光体8の端部81へ向かって光を発する光源71と、前方が導光体8に遮られる重なる位置に、導光体8と2重構造となるように設けられた光源72と、反射により光源72の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる第1反射面34及び第2反射面37を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小さな光源にから導光して照明することが必要な照明装置技術分野に属し、特に、車両の計器の照明装置に有用な技術である。
【背景技術】
【0002】
従来では、文字板照明範囲を覆う形状で、略円弧状の導光板を配設し、円弧状の導光板の両端に光源を配置し、両端から入射した光を文字板に向けて拡散反させている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−139791号公報(第2−8頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の照明装置にあっては、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分にできなかった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、前面から光を放出して前方へ面状の照明を行う照明装置において、内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部を有する形状に設けられ、前記端部から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体と、前記導光体の端部へ向かって光を発する第1光源と、前方が前記導光体に遮られる重なる位置に、前記導光体と2重構造となるように設けられた第2光源と、反射により前記第2光源の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる反射手段と、を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の照明装置を実現する実施の形態を、請求項1〜6に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
実施例1では、照明装置として、車両のメータ装置を例として説明する。
図1は実施例1の照明装置である車両メータ装置の断面図である。
車両メータ装置1は、文字板2、ケース3、基板4、指針軸5、指針駆動部6、光源7(第1光源に相当する光源71,第2光源に相当する光源72を光源7と総称する)、導光体8、指針9を主要な構成としている。
【0009】
文字板2は、指針軸5に対する目盛が円周状に配置され、その目盛と文字など表示する意匠部分を透光性のあるようにし、それ以外の背景となる意匠部分は透光性のないようにする。さらに具体的な例として、透光性のある部分を透明な部材のままとし、透光性のない部分を透明な部材に黒の塗装を施したものを挙げておく。
なお、文字や目盛の配列は、図1における指針軸5を中心に円周状に配置したものとする。詳細は後述する。
【0010】
ケース3は、基板4と文字板2を所定の間隔に保持し、導光体8を文字板に近接させた位置に保持する構造部材であり、実施例1では白色樹脂成形により、光源7の反射部材を兼ねるものである。
ケース3の詳細構造については後述する。
【0011】
基板4は、文字板2と距離を開けて並行に設けられるものであり、光源71,72及び光源71,72の駆動回路が設置され、また、指針軸5を駆動させる指針駆動部6、及び指針駆動部6に必要な回路部分が設置される。
【0012】
指針軸5は、図示しない車両メータ装置の指針の軸である。この指針軸5は、指針駆動部6により駆動され、所定の回転角度変位を行う。これにより指針9が、文字板2の目盛を指し示し、例えば車速やエンジン回転数を表示する。
【0013】
光源71,72は、具体的にはLEDである。基板4に直接設ける構造により安価で組み立て性のよいものとなっている。なお、光源71は、略円弧状、言い換えると略C字形状の導光体8の両端と重なる基板位置に設ける。また、光源72は、導光体8の途中位置と重なる基板位置に設ける。詳細は後述する。
【0014】
導光体8は、平面形状が略円弧状、言い換えると略C字形状で、断面形状を図1に示すように上下を平面とする形状である。そして、両端を下方へ湾曲させて端面を光源71に向ける形状である。
指針9は、指針軸5に取り付けられ、メータの指針9として、回転して目盛りを指し示す動きを行うものである。指針9は、導光部材をもちいるようにしてもよく、その場合には、基板4に設ける光源71,72と別の光源により基端部へ投光し、内部を導光して、先端が光るようにことが好ましい。
【0015】
次に文字板2の構成について説明する。
図2は実施例1の車両メータ装置の文字板の説明図である。
実施例1の文字板2は、指針軸5を中心とし、最も外側に円弧状の第1目盛部21を設け、第1目盛部21の目盛の内側に第1目盛部21の目盛内容を示す第1目盛数字部22を設ける。
そして、第1目盛部21、第1目盛数字部22のさらに内側に、円弧状の第2目盛部23を設け、第2目盛部23の目盛の内側に第2目盛部23の目盛内容を示す第2目盛数字部24を設ける。実施例1では、車両メータ装置が車速を表示するものとし、第1目盛部21、第1目盛数字部22が車速を単位MPHで表示し、第2目盛部23、第2目盛数字部24が車速を単位km/hで表示する。そのため、指針9は同一とする。
【0016】
さらに、第1目盛部21及び第2目盛部23の円弧が切欠した部分、つまり指針9の指針と重ならない部分で、指針軸5に近い側には、車両から運転者へ情報を点灯(点滅であってもよい)で表示するインジケータ25〜27を設ける。
インジケータ25〜27は、光源71,72とは別の光源を基板4に設けて、点灯、非点灯を基板4に設けられる回路で車両情報に基づいて制御される。
【0017】
次にケース3の構造について説明する。
図3は実施例1の車両メータ装置のケースの平面図である。図4は実施例1の車両メータ装置のケースを斜め上方から見た斜視図である。図5は実施例1の車両メータ装置のケースの底面図である。図6は実施例1の車両メータ装置のケースを斜め下方から見た斜視図である。図7は実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体の説明斜視図である。図8は実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体を組合せた状態の平面図である。図9は図8のA−A断面図である。なお、図8では光源71、光源72とケース3の相対位置を説明するため、光源位置を符号71、72で示す。
【0018】
ケース3は、導光体収容部31、導光体用反射面32、支持部33、第1反射面34、中央部35、第2反射部36、第2反射面37を備えている。
そして、ケース3は、例えば白色の樹脂を成形したものである。
導光体収容部31は、導光体8の文字板側を開口し、基板側の面と側面を支持する面を設け、図4、図9に示すように、全体を凹部としたものである。
そして、導光体8の両端の基板側へ湾曲させた部分に対応する位置には、基板側と文字板側の対向方向に貫通した貫通部311を設ける。
この貫通部311が設けられた導光体収容部31の平面、つまり導光体8の平面形状に近い形状の面が、導光体8の内部を進む光源71の光を文字板側へ白色にて反射する反射面となる。これを導光体用反射面32とする。
【0019】
導光体収容部31において、最も外周側の側壁は、ケース3の全体の側壁の文字板側部分を兼ねる構造にする。
導光体収容部31の基板側には、基板4まで伸び、導光体収容部31を基板に対して支持する支持部33を設ける。
支持部33は、その配置が、図5、図6に示すように、導光体収容部31の外周側と内周側の間の3箇所から、内周に行くに従って広がる角度で配置されるようにする。言い換えると、図5に示すように、菱形の一つの角部331を、ケース3全体の円弧の切欠部分に合わせるように切欠させ、3つの角部331が導光体収容部31の基板側に配置されるにし、この菱形の外周縁に沿うように伸長させた形状である。
そして、この支持部33で仕切られ、内周側となる導光体収容部31の基板側の面部分と、支持部33の内側の面を、第1反射面34とする。
【0020】
中央部35は、内側に指針軸5を貫通させ、且つ指針9の基端部分を回転自在に収容する貫通穴部351を備える。
第2反射部36は、中央部35の外周側で、且つ支持部33の3つの角部331に対向する位置に、湾曲した面を形成する部分であり、文字板側を中央部35に近く、つまり指針軸5に近くし、基板側へ行くに従って、外周方向に行くよう傾斜した部分である。
この傾斜部分の文字板側の面は、図3、図4に示すように、基板方向へ凸となり、且つ中央、つまり指針軸5へ向かう方向へも凸となる湾曲面にする。図3〜図6には、この湾曲形状をわかりやすく示すために面に格子を張った線を示す。この文字板側の湾曲面を第2反射面37とする。
【0021】
この第2反射面37は、支持部33の角部331の3箇所と対向する位置に3箇所設ける。そして基板側で外周方向に広がった最も外周側の位置は、導光体収容部31の内周側端部の基板側に一部が重なるようにする。なお、一部となっているのは、図4に示すように、第2反射面37の湾曲により、最も基板側となる端部分の位置は、角部331に近い位置では、指針軸5に近い位置となり周縁が文字板側に露呈し、2箇所の角部331の間では、導光体収容部31の内周側端部の基板側に重なり、文字板側に露呈しなくなる形状だからである。
第2反射面37について、言い換えて説明しておく。この湾曲面は、言い換えると、文字板側に凹形状で球面に近い形状である。また、この湾曲面と隣り合う湾曲面の境目は、角部331の中間の位置となり、文字板側に凹形状を接続するため、文字板側に凸形状となる。
【0022】
なお、導光体収容部31の両端方向と同様方向の第2反射部36の両端となる部分、概ねC字状の切欠部分との境となる両端部には、図8に示すように壁面38を設け、図8において指針軸5の下方となる部分では、第2反射面37を設けないようにし、且つ第2反射面37で反射させた光が到達しないよう仕切るようにする。
【0023】
次に導光体8の構造について説明する。
導光体8は、例えば透明な樹脂で、光を内部に通過させる材質である。
そして、図7〜図9に示すように、平面形状を円弧状、つまりC形状とする。その両端を端部81として図7〜図9に示す。端部81は、基板4に端面が対向するように湾曲させた形状である。図7〜図9には、この湾曲部分の形状をわかりやすく示すために面に格子を張った線を示す。
また、導光体8は、図9に示すよう断面形状を矩形とし、円弧状、つまりC形状の内外周方向の幅は、第1目盛部21及び第1目盛数字部22を照明する幅とする。そのため、ケース3の内周側の側壁は、第1目盛部21及び第1目盛数字部22の照明範囲と、第2目盛部23及び第2目盛数字部24の照明範囲の境目位置となるよう設ける。
【0024】
次に光源71,72の配置構造について説明する。
導光体8の端部81の端面に光を照射する光源71は、図8に示すように、導光体8の端部81の端面に重なる位置の基板4に実装される。
光源72は、図9に示すように、文字板側には、導光体収容部31が重なる位置で、且つ、図8に示すように、支持部33の角部331の内側(指針軸側)にそれぞれ設ける。
【0025】
次に光漏れの防止構造について説明する。
導光体収容部31の文字板側端部、中央部35の文字板側端部、第2反射部36の文字板側端部は、同じ端面位置となるようにし、文字板2と接触または空隙少なく近接する構成にする。また、支持部33の基板側端部、中央部35の基板側端部、第2反射部36の基板側端部は、同じ端面位置となるようにし、基板4と接触または空隙少なく近接する構成にする。
【0026】
作用を説明する。
[照明範囲の拡大作用及び均一な照明作用]
図10は実施例1の車両メータ装置の照明をおこなっている状態の説明図である。
まず、図10に示す第1目盛部21、第1目盛数字部22の表示部分201の照明を行うには、光源71を点灯させる。
光源71が発する光は、ケース3の導光体収容部31の貫通部311から基板側へ突出している導光体8の端部81の端面に入光する。導光体の端部81へ入光した光は、一部が反射を繰り返すことにより、導光体8の内部を進み、一部は、導光体8から外部へ出る。また、光の一部は、導光体8を透過し、文字板2を照明する。
【0027】
導光体8から外部へ出る光のうち、文字板側へ出る光が文字板2の表示部分201を照明する。導光体8の内周側側方、外周側側方に出たものは、導光体収容部31の白色面で反射され、導光体8へ再度入光することになる。また、導光体8の基板側へ出たものは、導光体収容部31の導光体用反射面32により、反射され、導光体8へ再度入光することになる。そして、導光体8の内部の光のうち、文字板側への透過光となったものが文字板2を照明する(図1の符号101参照)。
【0028】
このように、導光体8の内部反射による光の伝達、導光体収容部31の導光体用反射面32、内外周側面の反射による再入光により、導光体8が均一な明るさで文字板2を照明する。文字板2を照明した光は、文字板2に設けた透過部分、つまり、第1目盛部21、第1目盛数字部22を通過することにより、第1目盛部21、第1目盛数字部22が輝度を有し、車両乗員等に視認される。
【0029】
次に、図10に示す第2目盛部23、第2目盛数字部24の表示部分202の照明を行うには、光源72を点灯させる。
図11は実施例1の車両メータ装置の第1反射面34における反射状態を示す説明図である。
光源72より発せられた光は、導光体収容部31の下面及び支持部33の内側の面で形成された第1反射面34で反射し、第2反射面37へ向かう。
さらに説明すると、図11に示す符号301で示すように、光源72の光は、平面方向には、支持部33の角部331から角度を持って伸延する部分によって、広がりを抑制されつつ、指針軸5のある中央側へ反射される。
また、垂直方向では、支持部33と導光体収容部31の下面の反射によって、図9に符号301で示すように、指針軸5のある中央側へ反射される。なお、光源72は、文字板2の方向には、図9に示すように、導光体収容部31の下面により文字板2へ直接、光が届くことはない。
また、光源72からの光の一部は、第1反射面34で反射されることなく、直接、指針軸5のある中央側へ向かう。
【0030】
このように指針軸5のある中央側へ反射された光は、第2反射部36の第2反射面37により、そのほとんどが文字板側へ反射される。
さらに説明すると、平面方向には、図11に示すように、対向する光源72及び第1反射面34からの光がさらに拡がるのを抑制しつつ、文字板側へ反射する。
また、垂直方向では、斜め上方へ向かって凹むよう湾曲した面により、光源72及び第1反射面34からの光のほとんどを文字板側へ反射する。
【0031】
この第2反射面37は、斜めの平面とせず、水平方向及び垂直方向に湾曲した面にすることによって、光源72からの光、及び第1反射面34で反射させた光を、基板側から文字板側方向へ向かう方向に近い方向に近づけて反射を行う。言い換えると、光の拡散を適度に抑制し、均一に第2目盛部23、第2目盛数字部24の表示部分202を照明する。
文字板2を照明した光は、文字板2に設けた透過部分、つまり、第2目盛部23、第2目盛数字部24を通過することにより、第2目盛部23、第2目盛数字部24が輝度を有し、車両乗員等に視認される。
また、このように実施例1の車両メータ装置では、第1目盛部21及び第1目盛数字部22と、第2目盛部23及び第2目盛数字部24が独立した照明となるため、輝度を別々に調整することが可能となる。これにより、2つの表示部分のコントラストが高くなり見やすい表示照明を得る。
【0032】
なお、光源72の光は、壁面38により遮られるため、インジケータ25〜27は別の光源により良好に点灯表示される。
このように実施例1の車両メータ装置では、指針軸5に近い内側部分を充分な範囲でメータ表示に用いることが可能となっている。
【0033】
さらに、実施例1のメータ装置の作用を明確にするために説明を加える。
図12に示すのは車両メータ装置の一例を示す説明図である。
車両メータ装置における指針は、見易さなどから図12に示すように、360未満の指針表示で、適度な角度範囲に抑えられる。この角度範囲の表示を円弧状、つまりC字状の導光体8aを両端から照明することにより、光源位置からのムラ少なく、均一に照明を行う。そして、メータ表示に使わない部分には、ウォーニングランプなどに用いるインジケータ25〜27を設ける要求がある。近年、車両装置の高度複雑化に伴い、ウォーニングランプなどは増加しているため、メータ表示の空いた部分に表示させたい要求が強い。
【0034】
また、表示についても、例えば、実施例1の図10に示すように、北米を仕向地とする場合にマイル表示とキロ表示の両方を同時に行う要求がある。
図13に示すのは、車両メータ装置の一例を示す説明図である。
このような要求に対して、図13に示すように導光体8bのように、導光体8bの幅を広くしていくと、外周側と内周側との距離が離れてしまうことにより、全体で均一な照明を行うことが困難となる。
そのため、図示しないが、内側と外側に円弧状、つまり略C字形状の導光体を配置する構造も考えられるが、インジケータ25、27と光源位置が重なることになり、実現が困難である。図13の車両メータ装置にあっても、インジケータ25、27と光源位置が重なることになり、実現が困難である。
【0035】
これに対して、実施例1の車両メータ装置では、限られたスペースで、内側の第2目盛部23、第2目盛数字部24を充分な表示範囲で、均一に照明し、インジケータ25〜27を支障なく配置することを可能にしている。
図14は光源の指向性の説明図である。図15は導光体の構造例を示す説明図である。
光源7の例としてはLEDを挙げる。LEDには図14に示すように指向性があるため、直接、文字板2を照明すると、光源位置が最も明るく見える光ムラが生じ、特に暗い部分と明るい部分の差が目立ち、品質が低いと使用者に感じさせてしまう。そのために、図15に示すように、文字板2と光源7の間に光源側に膨らんで、光を拡散させる拡散導光体82を設けることが必要となりコスト、レイアウトに制約を生じる。また、光源7を遠ざけることも考えられるが、省スペースの要求が高いために困難である。
【0036】
これに対して、実施例1における第2目盛部23、第2目盛数字部24は、光源72から直接照明されることがなく、拡散反射した後の光で照明されるため、より均一化された照明を行う。
【0037】
効果を説明する。
実施例1の照明装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)前面から光を放出して前方へ面状の照明を行う照明装置において、内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部81を有する形状に設けられ、端部81から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体8と、導光体8の端部81へ向かって光を発する光源71と、前方が導光体8に遮られる重なる位置に、導光体8と2重構造となるように設けられた光源72と、反射により光源72の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる第1反射面34及び第2反射面37を備えたため、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる。
【0038】
(2)上記(1)において、光源71及び光源72が実装される基板4と、基板4が組み付けられるケース3と、ケース3の一部として設けられ、導光体8を基板4から離間させた位置に支持し、導光体8の後面及び内外周方向の側面を凹部で収容する導光体収容部31を備え、導光体8の端部は、光を入射させる端面を光源71に対向させるよう後方へ向かう湾曲形状であり、導光体8の基板4からの離間距離は、少なくとも導光体8の端部81の湾曲形状を許容する距離であり、導光体収容部31は、凹部の前面を導光体8の導光体用反射面32とし、後面の一部を光源72の第1反射面34として、反射手段を兼ねるようにしたため、導光体8が導光のために必要とする距離を用いて、光源72を2重構造で配置し、この光源72の光を照明方向で遮ることになる導光体収容部31の後面の一部を第1反射面34とすることにより、装置を大型化させることなくわずかな空間を有効に用いて、光源72の光を反射させて反射拡散させた光で均一に内側の照明を行うことができる。
【0039】
(3)上記(2)において、ケース3の一部として設けられ、導光体収容部31と基板4の間を支持する支持部33を備え、支持部33の内側面は、光源72の光を内側方向へ反射する第1反射面34として、反射手段を兼ねるため、指示構造の一部を有効に用いて、構成を複雑化、大型化することなく、光源72の光を反射させて、反射拡散させた光で均一に内側の照明を行うことができる。
【0040】
(4)上記(2)又は(3)において、反射手段は、ケース3の一部として設けられ、光源72の光を内側へ向かわせるよう反射する第1反射面34と、ケース3の一部として導光体収容部31の内側に設けられ、第1反射面34により内側へ向かった光を前方へ向かわせるよう反射する第2反射面37を備えたため、構造部材であるケース3を反射部材として、コストを抑制し、大型化しないようにでき、2回の反射により充分に光源72の光を均一に拡散させ、且つ内側の範囲を均一な照明ができるように照明方向への光の反射を行うことができる。
【0041】
(5)上記(3)又は(4)において、支持部33は、光源72の外周側から、内側に向かって、徐々に間隔が広くなる第1反射面34を形成し、光源72の光の拡散を抑制しつつ、内側へ反射させたため、光源72の光が内側の範囲の広さで均一な照明光となるよう適度に拡散させ、且つ拡散しすぎることにより輝度差が大きくならないよう抑制することができる。
【0042】
(6)上記(4)又は(5)において、第2反射面37は、照明方向である前後方向に対して斜め後方に膨らむように湾曲し、且つ前後方向と直交する内外周方向に対して内側へ膨らむように湾曲する面であるため、第1反射面34で内側に反射させ、且つ適度に拡散させた光源72の光及び光源72からの直接の光は、前後方向に幅を有する第1反射面34が拡散させたことにより、照明方向である前後方向、及び前後方向と直交する内外周方向の両方に幅を持つ。この両方に幅を持つ光を湾曲面により適度に拡散させつつ、拡散しすぎないように抑制して反射させ、内側の照明範囲全体が均一に照明するよう反射させることができる。
【0043】
以上、本発明の照明装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、照明装置として車両メータ装置を説明したが、他のものであってもよい。
また例えば、実施例1が車両メータ装置の場合、導光体8の扇状(略半円板形状)は、文字板2に設けられる目盛りの範囲、言い換えると指針9の可動範囲、又は文字板2の意匠に合わせて角度範囲や大きさ、形状が変わるものである。
また、例えば、実施例1では、指針が一つで、第1目盛部と第2目盛部が同じ指針で指示表示されるものを示したが、指針が複数であってもよく、また、第1目盛部と第2目盛部が同軸でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1の照明装置である車両メータ装置の断面図である。
【図2】実施例1の車両メータ装置の文字板の説明図である。
【図3】実施例1の車両メータ装置のケースの平面図である。
【図4】実施例1の車両メータ装置のケースを斜め上方から見た斜視図である。
【図5】実施例1の車両メータ装置のケースの底面図である。
【図6】実施例1の車両メータ装置のケースを斜め下方から見た斜視図である。
【図7】実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体の説明斜視図である。
【図8】実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体を組合せた状態の平面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】実施例1の車両メータ装置の照明をおこなっている状態の説明図である。
【図11】実施例1の車両メータ装置の第1反射面における反射状態を示す説明図である。
【図12】車両メータ装置の一例を示す説明図である。
【図13】車両メータ装置の一例を示す説明図である。
【図14】光源の指向性の説明図である。
【図15】導光体の構造例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 車両メータ装置
2 文字板
21 第1目盛部
22 第1目盛数字部
23 第2目盛部
24 第2目盛数字部
25〜27 インジケータ
3 ケース
31 導光体収容部
311 貫通部
32 導光体用反射面
33 支持部
331 角部
34 第1反射面
35 中央部
351 貫通穴部
36 第2反射部
37 第2反射面
38 壁面
4 基板
5 指針軸
6 指針駆動部
7 光源
71,72 光源
8 導光体
81 両端部
82 拡散導光体
8a 導光体
8b 導光体
9 指針
101 透過光
201 表示部分
202 表示部分
301 反射光
350 ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、小さな光源にから導光して照明することが必要な照明装置技術分野に属し、特に、車両の計器の照明装置に有用な技術である。
【背景技術】
【0002】
従来では、文字板照明範囲を覆う形状で、略円弧状の導光板を配設し、円弧状の導光板の両端に光源を配置し、両端から入射した光を文字板に向けて拡散反させている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−139791号公報(第2−8頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の照明装置にあっては、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分にできなかった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、前面から光を放出して前方へ面状の照明を行う照明装置において、内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部を有する形状に設けられ、前記端部から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体と、前記導光体の端部へ向かって光を発する第1光源と、前方が前記導光体に遮られる重なる位置に、前記導光体と2重構造となるように設けられた第2光源と、反射により前記第2光源の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる反射手段と、を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の照明装置を実現する実施の形態を、請求項1〜6に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
実施例1では、照明装置として、車両のメータ装置を例として説明する。
図1は実施例1の照明装置である車両メータ装置の断面図である。
車両メータ装置1は、文字板2、ケース3、基板4、指針軸5、指針駆動部6、光源7(第1光源に相当する光源71,第2光源に相当する光源72を光源7と総称する)、導光体8、指針9を主要な構成としている。
【0009】
文字板2は、指針軸5に対する目盛が円周状に配置され、その目盛と文字など表示する意匠部分を透光性のあるようにし、それ以外の背景となる意匠部分は透光性のないようにする。さらに具体的な例として、透光性のある部分を透明な部材のままとし、透光性のない部分を透明な部材に黒の塗装を施したものを挙げておく。
なお、文字や目盛の配列は、図1における指針軸5を中心に円周状に配置したものとする。詳細は後述する。
【0010】
ケース3は、基板4と文字板2を所定の間隔に保持し、導光体8を文字板に近接させた位置に保持する構造部材であり、実施例1では白色樹脂成形により、光源7の反射部材を兼ねるものである。
ケース3の詳細構造については後述する。
【0011】
基板4は、文字板2と距離を開けて並行に設けられるものであり、光源71,72及び光源71,72の駆動回路が設置され、また、指針軸5を駆動させる指針駆動部6、及び指針駆動部6に必要な回路部分が設置される。
【0012】
指針軸5は、図示しない車両メータ装置の指針の軸である。この指針軸5は、指針駆動部6により駆動され、所定の回転角度変位を行う。これにより指針9が、文字板2の目盛を指し示し、例えば車速やエンジン回転数を表示する。
【0013】
光源71,72は、具体的にはLEDである。基板4に直接設ける構造により安価で組み立て性のよいものとなっている。なお、光源71は、略円弧状、言い換えると略C字形状の導光体8の両端と重なる基板位置に設ける。また、光源72は、導光体8の途中位置と重なる基板位置に設ける。詳細は後述する。
【0014】
導光体8は、平面形状が略円弧状、言い換えると略C字形状で、断面形状を図1に示すように上下を平面とする形状である。そして、両端を下方へ湾曲させて端面を光源71に向ける形状である。
指針9は、指針軸5に取り付けられ、メータの指針9として、回転して目盛りを指し示す動きを行うものである。指針9は、導光部材をもちいるようにしてもよく、その場合には、基板4に設ける光源71,72と別の光源により基端部へ投光し、内部を導光して、先端が光るようにことが好ましい。
【0015】
次に文字板2の構成について説明する。
図2は実施例1の車両メータ装置の文字板の説明図である。
実施例1の文字板2は、指針軸5を中心とし、最も外側に円弧状の第1目盛部21を設け、第1目盛部21の目盛の内側に第1目盛部21の目盛内容を示す第1目盛数字部22を設ける。
そして、第1目盛部21、第1目盛数字部22のさらに内側に、円弧状の第2目盛部23を設け、第2目盛部23の目盛の内側に第2目盛部23の目盛内容を示す第2目盛数字部24を設ける。実施例1では、車両メータ装置が車速を表示するものとし、第1目盛部21、第1目盛数字部22が車速を単位MPHで表示し、第2目盛部23、第2目盛数字部24が車速を単位km/hで表示する。そのため、指針9は同一とする。
【0016】
さらに、第1目盛部21及び第2目盛部23の円弧が切欠した部分、つまり指針9の指針と重ならない部分で、指針軸5に近い側には、車両から運転者へ情報を点灯(点滅であってもよい)で表示するインジケータ25〜27を設ける。
インジケータ25〜27は、光源71,72とは別の光源を基板4に設けて、点灯、非点灯を基板4に設けられる回路で車両情報に基づいて制御される。
【0017】
次にケース3の構造について説明する。
図3は実施例1の車両メータ装置のケースの平面図である。図4は実施例1の車両メータ装置のケースを斜め上方から見た斜視図である。図5は実施例1の車両メータ装置のケースの底面図である。図6は実施例1の車両メータ装置のケースを斜め下方から見た斜視図である。図7は実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体の説明斜視図である。図8は実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体を組合せた状態の平面図である。図9は図8のA−A断面図である。なお、図8では光源71、光源72とケース3の相対位置を説明するため、光源位置を符号71、72で示す。
【0018】
ケース3は、導光体収容部31、導光体用反射面32、支持部33、第1反射面34、中央部35、第2反射部36、第2反射面37を備えている。
そして、ケース3は、例えば白色の樹脂を成形したものである。
導光体収容部31は、導光体8の文字板側を開口し、基板側の面と側面を支持する面を設け、図4、図9に示すように、全体を凹部としたものである。
そして、導光体8の両端の基板側へ湾曲させた部分に対応する位置には、基板側と文字板側の対向方向に貫通した貫通部311を設ける。
この貫通部311が設けられた導光体収容部31の平面、つまり導光体8の平面形状に近い形状の面が、導光体8の内部を進む光源71の光を文字板側へ白色にて反射する反射面となる。これを導光体用反射面32とする。
【0019】
導光体収容部31において、最も外周側の側壁は、ケース3の全体の側壁の文字板側部分を兼ねる構造にする。
導光体収容部31の基板側には、基板4まで伸び、導光体収容部31を基板に対して支持する支持部33を設ける。
支持部33は、その配置が、図5、図6に示すように、導光体収容部31の外周側と内周側の間の3箇所から、内周に行くに従って広がる角度で配置されるようにする。言い換えると、図5に示すように、菱形の一つの角部331を、ケース3全体の円弧の切欠部分に合わせるように切欠させ、3つの角部331が導光体収容部31の基板側に配置されるにし、この菱形の外周縁に沿うように伸長させた形状である。
そして、この支持部33で仕切られ、内周側となる導光体収容部31の基板側の面部分と、支持部33の内側の面を、第1反射面34とする。
【0020】
中央部35は、内側に指針軸5を貫通させ、且つ指針9の基端部分を回転自在に収容する貫通穴部351を備える。
第2反射部36は、中央部35の外周側で、且つ支持部33の3つの角部331に対向する位置に、湾曲した面を形成する部分であり、文字板側を中央部35に近く、つまり指針軸5に近くし、基板側へ行くに従って、外周方向に行くよう傾斜した部分である。
この傾斜部分の文字板側の面は、図3、図4に示すように、基板方向へ凸となり、且つ中央、つまり指針軸5へ向かう方向へも凸となる湾曲面にする。図3〜図6には、この湾曲形状をわかりやすく示すために面に格子を張った線を示す。この文字板側の湾曲面を第2反射面37とする。
【0021】
この第2反射面37は、支持部33の角部331の3箇所と対向する位置に3箇所設ける。そして基板側で外周方向に広がった最も外周側の位置は、導光体収容部31の内周側端部の基板側に一部が重なるようにする。なお、一部となっているのは、図4に示すように、第2反射面37の湾曲により、最も基板側となる端部分の位置は、角部331に近い位置では、指針軸5に近い位置となり周縁が文字板側に露呈し、2箇所の角部331の間では、導光体収容部31の内周側端部の基板側に重なり、文字板側に露呈しなくなる形状だからである。
第2反射面37について、言い換えて説明しておく。この湾曲面は、言い換えると、文字板側に凹形状で球面に近い形状である。また、この湾曲面と隣り合う湾曲面の境目は、角部331の中間の位置となり、文字板側に凹形状を接続するため、文字板側に凸形状となる。
【0022】
なお、導光体収容部31の両端方向と同様方向の第2反射部36の両端となる部分、概ねC字状の切欠部分との境となる両端部には、図8に示すように壁面38を設け、図8において指針軸5の下方となる部分では、第2反射面37を設けないようにし、且つ第2反射面37で反射させた光が到達しないよう仕切るようにする。
【0023】
次に導光体8の構造について説明する。
導光体8は、例えば透明な樹脂で、光を内部に通過させる材質である。
そして、図7〜図9に示すように、平面形状を円弧状、つまりC形状とする。その両端を端部81として図7〜図9に示す。端部81は、基板4に端面が対向するように湾曲させた形状である。図7〜図9には、この湾曲部分の形状をわかりやすく示すために面に格子を張った線を示す。
また、導光体8は、図9に示すよう断面形状を矩形とし、円弧状、つまりC形状の内外周方向の幅は、第1目盛部21及び第1目盛数字部22を照明する幅とする。そのため、ケース3の内周側の側壁は、第1目盛部21及び第1目盛数字部22の照明範囲と、第2目盛部23及び第2目盛数字部24の照明範囲の境目位置となるよう設ける。
【0024】
次に光源71,72の配置構造について説明する。
導光体8の端部81の端面に光を照射する光源71は、図8に示すように、導光体8の端部81の端面に重なる位置の基板4に実装される。
光源72は、図9に示すように、文字板側には、導光体収容部31が重なる位置で、且つ、図8に示すように、支持部33の角部331の内側(指針軸側)にそれぞれ設ける。
【0025】
次に光漏れの防止構造について説明する。
導光体収容部31の文字板側端部、中央部35の文字板側端部、第2反射部36の文字板側端部は、同じ端面位置となるようにし、文字板2と接触または空隙少なく近接する構成にする。また、支持部33の基板側端部、中央部35の基板側端部、第2反射部36の基板側端部は、同じ端面位置となるようにし、基板4と接触または空隙少なく近接する構成にする。
【0026】
作用を説明する。
[照明範囲の拡大作用及び均一な照明作用]
図10は実施例1の車両メータ装置の照明をおこなっている状態の説明図である。
まず、図10に示す第1目盛部21、第1目盛数字部22の表示部分201の照明を行うには、光源71を点灯させる。
光源71が発する光は、ケース3の導光体収容部31の貫通部311から基板側へ突出している導光体8の端部81の端面に入光する。導光体の端部81へ入光した光は、一部が反射を繰り返すことにより、導光体8の内部を進み、一部は、導光体8から外部へ出る。また、光の一部は、導光体8を透過し、文字板2を照明する。
【0027】
導光体8から外部へ出る光のうち、文字板側へ出る光が文字板2の表示部分201を照明する。導光体8の内周側側方、外周側側方に出たものは、導光体収容部31の白色面で反射され、導光体8へ再度入光することになる。また、導光体8の基板側へ出たものは、導光体収容部31の導光体用反射面32により、反射され、導光体8へ再度入光することになる。そして、導光体8の内部の光のうち、文字板側への透過光となったものが文字板2を照明する(図1の符号101参照)。
【0028】
このように、導光体8の内部反射による光の伝達、導光体収容部31の導光体用反射面32、内外周側面の反射による再入光により、導光体8が均一な明るさで文字板2を照明する。文字板2を照明した光は、文字板2に設けた透過部分、つまり、第1目盛部21、第1目盛数字部22を通過することにより、第1目盛部21、第1目盛数字部22が輝度を有し、車両乗員等に視認される。
【0029】
次に、図10に示す第2目盛部23、第2目盛数字部24の表示部分202の照明を行うには、光源72を点灯させる。
図11は実施例1の車両メータ装置の第1反射面34における反射状態を示す説明図である。
光源72より発せられた光は、導光体収容部31の下面及び支持部33の内側の面で形成された第1反射面34で反射し、第2反射面37へ向かう。
さらに説明すると、図11に示す符号301で示すように、光源72の光は、平面方向には、支持部33の角部331から角度を持って伸延する部分によって、広がりを抑制されつつ、指針軸5のある中央側へ反射される。
また、垂直方向では、支持部33と導光体収容部31の下面の反射によって、図9に符号301で示すように、指針軸5のある中央側へ反射される。なお、光源72は、文字板2の方向には、図9に示すように、導光体収容部31の下面により文字板2へ直接、光が届くことはない。
また、光源72からの光の一部は、第1反射面34で反射されることなく、直接、指針軸5のある中央側へ向かう。
【0030】
このように指針軸5のある中央側へ反射された光は、第2反射部36の第2反射面37により、そのほとんどが文字板側へ反射される。
さらに説明すると、平面方向には、図11に示すように、対向する光源72及び第1反射面34からの光がさらに拡がるのを抑制しつつ、文字板側へ反射する。
また、垂直方向では、斜め上方へ向かって凹むよう湾曲した面により、光源72及び第1反射面34からの光のほとんどを文字板側へ反射する。
【0031】
この第2反射面37は、斜めの平面とせず、水平方向及び垂直方向に湾曲した面にすることによって、光源72からの光、及び第1反射面34で反射させた光を、基板側から文字板側方向へ向かう方向に近い方向に近づけて反射を行う。言い換えると、光の拡散を適度に抑制し、均一に第2目盛部23、第2目盛数字部24の表示部分202を照明する。
文字板2を照明した光は、文字板2に設けた透過部分、つまり、第2目盛部23、第2目盛数字部24を通過することにより、第2目盛部23、第2目盛数字部24が輝度を有し、車両乗員等に視認される。
また、このように実施例1の車両メータ装置では、第1目盛部21及び第1目盛数字部22と、第2目盛部23及び第2目盛数字部24が独立した照明となるため、輝度を別々に調整することが可能となる。これにより、2つの表示部分のコントラストが高くなり見やすい表示照明を得る。
【0032】
なお、光源72の光は、壁面38により遮られるため、インジケータ25〜27は別の光源により良好に点灯表示される。
このように実施例1の車両メータ装置では、指針軸5に近い内側部分を充分な範囲でメータ表示に用いることが可能となっている。
【0033】
さらに、実施例1のメータ装置の作用を明確にするために説明を加える。
図12に示すのは車両メータ装置の一例を示す説明図である。
車両メータ装置における指針は、見易さなどから図12に示すように、360未満の指針表示で、適度な角度範囲に抑えられる。この角度範囲の表示を円弧状、つまりC字状の導光体8aを両端から照明することにより、光源位置からのムラ少なく、均一に照明を行う。そして、メータ表示に使わない部分には、ウォーニングランプなどに用いるインジケータ25〜27を設ける要求がある。近年、車両装置の高度複雑化に伴い、ウォーニングランプなどは増加しているため、メータ表示の空いた部分に表示させたい要求が強い。
【0034】
また、表示についても、例えば、実施例1の図10に示すように、北米を仕向地とする場合にマイル表示とキロ表示の両方を同時に行う要求がある。
図13に示すのは、車両メータ装置の一例を示す説明図である。
このような要求に対して、図13に示すように導光体8bのように、導光体8bの幅を広くしていくと、外周側と内周側との距離が離れてしまうことにより、全体で均一な照明を行うことが困難となる。
そのため、図示しないが、内側と外側に円弧状、つまり略C字形状の導光体を配置する構造も考えられるが、インジケータ25、27と光源位置が重なることになり、実現が困難である。図13の車両メータ装置にあっても、インジケータ25、27と光源位置が重なることになり、実現が困難である。
【0035】
これに対して、実施例1の車両メータ装置では、限られたスペースで、内側の第2目盛部23、第2目盛数字部24を充分な表示範囲で、均一に照明し、インジケータ25〜27を支障なく配置することを可能にしている。
図14は光源の指向性の説明図である。図15は導光体の構造例を示す説明図である。
光源7の例としてはLEDを挙げる。LEDには図14に示すように指向性があるため、直接、文字板2を照明すると、光源位置が最も明るく見える光ムラが生じ、特に暗い部分と明るい部分の差が目立ち、品質が低いと使用者に感じさせてしまう。そのために、図15に示すように、文字板2と光源7の間に光源側に膨らんで、光を拡散させる拡散導光体82を設けることが必要となりコスト、レイアウトに制約を生じる。また、光源7を遠ざけることも考えられるが、省スペースの要求が高いために困難である。
【0036】
これに対して、実施例1における第2目盛部23、第2目盛数字部24は、光源72から直接照明されることがなく、拡散反射した後の光で照明されるため、より均一化された照明を行う。
【0037】
効果を説明する。
実施例1の照明装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)前面から光を放出して前方へ面状の照明を行う照明装置において、内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部81を有する形状に設けられ、端部81から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体8と、導光体8の端部81へ向かって光を発する光源71と、前方が導光体8に遮られる重なる位置に、導光体8と2重構造となるように設けられた光源72と、反射により光源72の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる第1反射面34及び第2反射面37を備えたため、照明範囲を導光体の内側方向へ拡大することが充分に、且つ均一な照明で行うことができる。
【0038】
(2)上記(1)において、光源71及び光源72が実装される基板4と、基板4が組み付けられるケース3と、ケース3の一部として設けられ、導光体8を基板4から離間させた位置に支持し、導光体8の後面及び内外周方向の側面を凹部で収容する導光体収容部31を備え、導光体8の端部は、光を入射させる端面を光源71に対向させるよう後方へ向かう湾曲形状であり、導光体8の基板4からの離間距離は、少なくとも導光体8の端部81の湾曲形状を許容する距離であり、導光体収容部31は、凹部の前面を導光体8の導光体用反射面32とし、後面の一部を光源72の第1反射面34として、反射手段を兼ねるようにしたため、導光体8が導光のために必要とする距離を用いて、光源72を2重構造で配置し、この光源72の光を照明方向で遮ることになる導光体収容部31の後面の一部を第1反射面34とすることにより、装置を大型化させることなくわずかな空間を有効に用いて、光源72の光を反射させて反射拡散させた光で均一に内側の照明を行うことができる。
【0039】
(3)上記(2)において、ケース3の一部として設けられ、導光体収容部31と基板4の間を支持する支持部33を備え、支持部33の内側面は、光源72の光を内側方向へ反射する第1反射面34として、反射手段を兼ねるため、指示構造の一部を有効に用いて、構成を複雑化、大型化することなく、光源72の光を反射させて、反射拡散させた光で均一に内側の照明を行うことができる。
【0040】
(4)上記(2)又は(3)において、反射手段は、ケース3の一部として設けられ、光源72の光を内側へ向かわせるよう反射する第1反射面34と、ケース3の一部として導光体収容部31の内側に設けられ、第1反射面34により内側へ向かった光を前方へ向かわせるよう反射する第2反射面37を備えたため、構造部材であるケース3を反射部材として、コストを抑制し、大型化しないようにでき、2回の反射により充分に光源72の光を均一に拡散させ、且つ内側の範囲を均一な照明ができるように照明方向への光の反射を行うことができる。
【0041】
(5)上記(3)又は(4)において、支持部33は、光源72の外周側から、内側に向かって、徐々に間隔が広くなる第1反射面34を形成し、光源72の光の拡散を抑制しつつ、内側へ反射させたため、光源72の光が内側の範囲の広さで均一な照明光となるよう適度に拡散させ、且つ拡散しすぎることにより輝度差が大きくならないよう抑制することができる。
【0042】
(6)上記(4)又は(5)において、第2反射面37は、照明方向である前後方向に対して斜め後方に膨らむように湾曲し、且つ前後方向と直交する内外周方向に対して内側へ膨らむように湾曲する面であるため、第1反射面34で内側に反射させ、且つ適度に拡散させた光源72の光及び光源72からの直接の光は、前後方向に幅を有する第1反射面34が拡散させたことにより、照明方向である前後方向、及び前後方向と直交する内外周方向の両方に幅を持つ。この両方に幅を持つ光を湾曲面により適度に拡散させつつ、拡散しすぎないように抑制して反射させ、内側の照明範囲全体が均一に照明するよう反射させることができる。
【0043】
以上、本発明の照明装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、照明装置として車両メータ装置を説明したが、他のものであってもよい。
また例えば、実施例1が車両メータ装置の場合、導光体8の扇状(略半円板形状)は、文字板2に設けられる目盛りの範囲、言い換えると指針9の可動範囲、又は文字板2の意匠に合わせて角度範囲や大きさ、形状が変わるものである。
また、例えば、実施例1では、指針が一つで、第1目盛部と第2目盛部が同じ指針で指示表示されるものを示したが、指針が複数であってもよく、また、第1目盛部と第2目盛部が同軸でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1の照明装置である車両メータ装置の断面図である。
【図2】実施例1の車両メータ装置の文字板の説明図である。
【図3】実施例1の車両メータ装置のケースの平面図である。
【図4】実施例1の車両メータ装置のケースを斜め上方から見た斜視図である。
【図5】実施例1の車両メータ装置のケースの底面図である。
【図6】実施例1の車両メータ装置のケースを斜め下方から見た斜視図である。
【図7】実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体の説明斜視図である。
【図8】実施例1の車両メータ装置におけるケースと導光体を組合せた状態の平面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】実施例1の車両メータ装置の照明をおこなっている状態の説明図である。
【図11】実施例1の車両メータ装置の第1反射面における反射状態を示す説明図である。
【図12】車両メータ装置の一例を示す説明図である。
【図13】車両メータ装置の一例を示す説明図である。
【図14】光源の指向性の説明図である。
【図15】導光体の構造例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 車両メータ装置
2 文字板
21 第1目盛部
22 第1目盛数字部
23 第2目盛部
24 第2目盛数字部
25〜27 インジケータ
3 ケース
31 導光体収容部
311 貫通部
32 導光体用反射面
33 支持部
331 角部
34 第1反射面
35 中央部
351 貫通穴部
36 第2反射部
37 第2反射面
38 壁面
4 基板
5 指針軸
6 指針駆動部
7 光源
71,72 光源
8 導光体
81 両端部
82 拡散導光体
8a 導光体
8b 導光体
9 指針
101 透過光
201 表示部分
202 表示部分
301 反射光
350 ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面から光を放出して前方へ面状の照明を行う照明装置において、
内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部を有する形状に設けられ、前記端部から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体と、
前記導光体の端部へ向かって光を発する第1光源と、
前方が前記導光体に遮られる重なる位置に、前記導光体と2重構造となるように設けられた第2光源と、
反射により前記第2光源の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる反射手段と、
を備えた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第1光源及び前記第2光源が実装される基板と、
前記基板が組み付けられる装置筐体と、
前記装置筐体の一部として設けられ、前記導光体を前記基板から離間させた位置に支持し、前記導光体の後面及び内外周方向の側面を凹部で収容する導光体収容部と、
を備え、
前記導光体の端部は、光を入射させる端面を前記第1光源に対向させるよう後方へ向かう湾曲形状であり、
前記導光体の前記基板からの離間距離は、少なくとも前記導光体の端部の湾曲形状を許容する距離であり、
前記導光体収容部は、凹部の前面を前記導光体の反射面とし、後面の一部を前記第2光源の反射面として、前記反射手段を兼ねるようにした、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置において、
前記装置筐体の一部として設けられ、前記導光体収容部と前記基板の間を支持する支持部を備え、
前記支持部の内側面は、第2光源の光を内側方向へ反射する反射面として、前記反射手段を兼ねる、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の照明装置において、
前記反射手段は、
装置筐体の一部として設けられ、第2光源の光を内側へ向かわせるよう反射する第1反射面と、
装置筐体の一部として前記導光体収容部の内側に設けられ、前記第1反射面により内側へ向かった光を前方へ向かわせるよう反射する第2反射面と、
を備えた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の照明装置において、
前記支持部は、第2光源の外周側から、内側に向かって、徐々に間隔が広くなる反射面を形成し、第2光源の光の拡散を抑制しつつ、内側へ反射させた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の照明装置において、
前記第2反射面は、
照明方向である前後方向に対して斜め後方に膨らむように湾曲し、且つ前記前後方向と直交する内外周方向に対して内側へ膨らむように湾曲する面である、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項1】
前面から光を放出して前方へ面状の照明を行う照明装置において、
内側の所定範囲を取り囲み、周回方向に端部を有する形状に設けられ、前記端部から光を導入し、周回方向に導光して、全体が一様に光を放出する導光体と、
前記導光体の端部へ向かって光を発する第1光源と、
前方が前記導光体に遮られる重なる位置に、前記導光体と2重構造となるように設けられた第2光源と、
反射により前記第2光源の光を内側の所定範囲へ誘導し、内側の所定範囲から前方へ光を放出させる反射手段と、
を備えた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第1光源及び前記第2光源が実装される基板と、
前記基板が組み付けられる装置筐体と、
前記装置筐体の一部として設けられ、前記導光体を前記基板から離間させた位置に支持し、前記導光体の後面及び内外周方向の側面を凹部で収容する導光体収容部と、
を備え、
前記導光体の端部は、光を入射させる端面を前記第1光源に対向させるよう後方へ向かう湾曲形状であり、
前記導光体の前記基板からの離間距離は、少なくとも前記導光体の端部の湾曲形状を許容する距離であり、
前記導光体収容部は、凹部の前面を前記導光体の反射面とし、後面の一部を前記第2光源の反射面として、前記反射手段を兼ねるようにした、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置において、
前記装置筐体の一部として設けられ、前記導光体収容部と前記基板の間を支持する支持部を備え、
前記支持部の内側面は、第2光源の光を内側方向へ反射する反射面として、前記反射手段を兼ねる、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の照明装置において、
前記反射手段は、
装置筐体の一部として設けられ、第2光源の光を内側へ向かわせるよう反射する第1反射面と、
装置筐体の一部として前記導光体収容部の内側に設けられ、前記第1反射面により内側へ向かった光を前方へ向かわせるよう反射する第2反射面と、
を備えた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の照明装置において、
前記支持部は、第2光源の外周側から、内側に向かって、徐々に間隔が広くなる反射面を形成し、第2光源の光の拡散を抑制しつつ、内側へ反射させた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の照明装置において、
前記第2反射面は、
照明方向である前後方向に対して斜め後方に膨らむように湾曲し、且つ前記前後方向と直交する内外周方向に対して内側へ膨らむように湾曲する面である、
ことを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−107463(P2010−107463A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282009(P2008−282009)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]