説明

照明駆動装置

【課題】LED照明の駆動電流が安定な照明駆動装置を提供する。
【解決手段】整流回路110と、整流回路110から出力される電圧の大きさを変換して出力する変圧回路120と、電源100の力率を補償する力率補償回路130と、変圧回路120から出力される電圧を平滑化して出力する平滑回路140と、LEDモジュール10に一定の駆動電流が流れるようにLED電流を制御する定電流駆動回路150と、ディミングを制御するディミング制御回路160と、力率補償回路130へフィードバック電圧を印加するフォトカプラ170と、LEDモジュール10の出力電圧をフィードバックしてフォトカプラ170の駆動電圧として印加する第1のフォトカプラ駆動回路190と、LEDモジュール10へ供給される電圧をフィードバックしてフォトカプラ170の駆動電圧として印加する第2のフォトカプラ駆動回路200と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明駆動装置に係り、特に、LED照明を安定して駆動可能にする照明駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低消費電力で駆動し且つ白熱灯のような照明装置に匹敵するほどの輝度を有するLED照明に対する関心が高まりつつある。
【0003】
特に、LED照明に一定の電流が流れるように電流を制御してLED照明を駆動するための照明駆動装置についての研究、開発が活発に進められている。この種の照明駆動装置は、様々な照明演出機能を持っており、特に直並列接続で配設されたLED素子のディミング(dimming)を変更することで、様々な照明演出が可能となる。
【0004】
図1は、従来の照明駆動装置の構成を示す図であり、図2は、従来の照明駆動装置のディミング制御信号による出力電圧及びLED電流の形態を例示的に示す図である。
【0005】
図1及び図2を参照すると、従来の照明駆動装置は、AC電源100から出力される電波を整流する整流回路110と、整流回路110から出力される電圧の大きさを変換して出力する変圧回路120と、フィードバック電圧を用いて負荷の大きさを検知し、検知された負荷の大きさに応じて変圧回路120の出力電圧を調節することでAC電源100から出力される電源の力率を補償する力率補償回路130と、変圧回路120から出力される電圧を平滑化して安定したDC電圧を出力し、その出力電圧VOUTをLEDモジュール10へ供給する平滑回路(Smoothing Circuit)140と、LEDモジュール10に一定の駆動電流が流れるようにLED電流ILEDを制御する定電流駆動回路150と、PWM(Pulse Width Modualtion)方式にてLEDモジュール10の電流の流れを調節してディミングを制御するディミング制御回路160と、定電流駆動回路150を介して伝達されるLEDモジュール10の出力電圧Voにより駆動して力率補償回路130へフィードバック電圧を印加するフォトカプラ170と、を含む。
【0006】
この種の照明駆動装置は、変圧回路120及びフォトカプラ170を基準に一次側と二次側とに分けられ、一次側には、AC電源100、整流回路110、及び力率補償回路130が備えられ、二次側には、LEDモジュール10、平滑回路140、定電流駆動回路150、及びディミング制御回路160が備えられる。
【0007】
ここで、LEDモジュール10は、LED素子の直列接続構造から構成され、単一または各種の色相の光を選択的に放出することができる。
【0008】
そして、変圧回路120は、複数のトランスTF1、TF2から構成される。ここで、一次側の第1のトランスTF1は、整流回路110から出力される電圧を二次側の第2のトランスTF2へ伝える機能を遂行する。また、第2のトランスTF2は、第1のトランスTF1からの電圧を変換して出力する機能を遂行する。
【0009】
力率補償回路130は、AC電源100から出力されたAC電源電圧及びAC入力電流IACの位相を一致させてAC電源100の力率を補償する力率補償制御器132と、力率補償制御器132の制御によりスイッチング駆動して変圧回路120の出力電圧を調節するMOSFETなどのスイッチ素子SWと、を含む。
【0010】
力率補償制御器132は、所定の抵抗R1、R2、R3により電圧分配されたAC電源電圧の入力を受けてAC電源電圧及びAC入力電流IACの位相を一致させ、LEDモジュール10の負荷の大きさに応じてスイッチ素子SWのゲート電圧VGを調節してスイッチ素子SWに流れる電流量を調節することで、変圧回路120の出力電圧を調節する。
【0011】
すなわち、力率補償制御器132は、フォトカプラ170の入力端OPTOに高電圧が印加され、フォトカプラ170が高電圧により駆動することによってLEDモジュール10に小さい負荷がかかったと判断し、スイッチ素子SWへ低いゲート電圧VGを印加することにより、スイッチ素子SWに流れる電流量を低減させ、変圧回路120の出力電圧の大きさも低減させる。一方、力率補償制御器132は、フォトカプラ170の入力端OPTOに低電圧が印加され、フォトカプラ170が低電圧により駆動することによってLEDモジュール10に過負荷がかかったと判断し、スイッチ素子SWへ高いゲート電圧VGを印加することにより、スイッチ素子SWに流れる電流量を増大させ、変圧回路120の出力電圧の大きさを増大させるようになる。
【0012】
平滑回路140は、変圧回路120の出力端に並列接続された所定のキャパシタを含む。
【0013】
ディミング制御回路160は、PWM制御器で発生するPWM信号PWMによりオン/オフスイッチング駆動してLEDモジュール10の電流の流れを調節する第1のスイッチ素子SW1を含む。
【0014】
この種の従来の照明駆動装置は、LED照明のディミング制御の際、PWM信号PWMのロジッグ値に応じてフォトカプラ170の入力端OPTOの電圧の大きさの変動幅が大きく、極めて不安定である。したがって、図2に示すように、PWM信号PWMのロジッグ値がハイ(High)である時、LEDモジュール10へ供給される照明駆動装置の出力電圧VOUTがOVP(Over Voltage Protection)電圧まで上がり、ロジッグ値が遷移する区間ではLEDモジュール10に過電流が発生することでLEDモジュール10を構成するLED素子の寿命を短縮させるという不具合がある。
【0015】
また、従来の照明駆動装置では、サージの発生や外部的な要因によりLEDモジュール10がオープンして異常状態で動作する場合、図3に示すように、LED電流ILEDがほとんど流れず、LEDモジュール10の出力電圧Voが低電圧に落ちるようになる。このとき、フォトカプラ170がLEDモジュール10の出力電圧Voのみによって駆動して力率補償回路130へフィードバック電圧を供給するため、力率補償回路130でLED電流ILEDが流れない状況を過負荷がかかったと判断し、変圧回路120の出力電圧、すなわちLEDモジュール10へ供給される電圧VOUTを飽和電圧、例えば、300V程度までブースティング(Boosting)することで回路の損傷や素子を破壊するなどの事故を誘発するようになるという不具合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記したような問題点を解決するためになされたものであって、状況に応じてLED照明の出力電圧とLED照明へ供給される電圧のいずれかをフィードバックし、フィードバック電圧の大きさに応じてLED照明へ供給される電圧を調節することでLED照明の駆動電流を安定させることができるようにする照明駆動装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述したような目的を達成するための本発明の一実施形態による照明駆動装置は、電源から出力される電波を整流する整流回路と、前記整流回路から出力される電圧の大きさを変換して出力する変圧回路と、フィードバック電圧を用いて負荷の大きさを検知し、検知された負荷の大きさに応じて前記変圧回路の出力電圧を調節することで前記電源の力率を補償する力率補償回路と、前記変圧回路から出力される電圧を平滑化して出力し、その出力電圧をLEDモジュールへ供給する平滑回路と、前記LEDモジュールに一定の駆動電流が流れるようにLED電流を制御する定電流駆動回路と、前記定電流駆動回路を制御して前記LEDモジュールの電流の流れを調節することでディミングを制御するディミング制御回路と、前記力率補償回路へフィードバック電圧を印加するフォトカプラと、前記ディミング制御回路の制御により駆動し、一定の出力電圧を保持するサンプル・アンド・ホールド回路と、前記サンプル・アンド・ホールド回路から出力される電圧をフィードバックして前記フォトカプラの駆動電圧として印加する第1のフォトカプラ駆動回路と、前記平滑回路から出力されて前記LEDモジュールへ供給される電圧をフィードバックして前記フォトカプラの駆動電圧として印加する第2のフォトカプラ駆動回路と、を含んでなることが好ましい。
【0018】
ここで、前記力率補償回路は、前記フォトカプラが高電圧により駆動することによって前記変圧回路の出力電圧の大きさを低減させる一方、前記フォトカプラが低電圧により駆動することによって前記変圧回路の出力電圧の大きさを増大させることが好ましい。
【0019】
また、前記第1のフォトカプラ駆動回路の出力端及び前記第2のフォトカプラ駆動回路の出力端は、電流の逆流防止のためのダイオードをそれぞれ備え、前記フォトカプラの入力端に並列接続されることが好ましい。
【0020】
さらに、前記第2のフォトカプラ駆動回路は、前記LEDモジュールへ供給される電圧を電圧分配する複数の抵抗素子と、前記複数の抵抗素子のいずれかにより電圧分配された電圧と第1の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第1の増幅器と、前記第1の増幅器から出力される電圧と第2の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第2の増幅器と、前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器へ基準電圧を供給する基準電圧供給器と、を含んでなることが好ましい。
【0021】
また、前記第1のフォトカプラ駆動回路は、前記ディミング制御回路の制御により前記定電流駆動回路の駆動が中断するに伴い、前記力率補償回路が前記変圧回路の出力電圧を低減させることで前記変圧回路の駆動が中断する程度の高電圧を前記フォトカプラへ印加することが好ましい。
【0022】
このような、前記第1のフォトカプラ駆動回路は、前記サンプル・アンド・ホールド回路から出力される電圧と第3の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第3の増幅器と、前記第3の増幅器から出力される電圧と第4の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第4の増幅器と、前記第3の増幅器及び前記第4の増幅器へ基準電圧を供給する基準電圧供給器と、前記ディミング制御回路の制御によりスイッチング駆動し、前記定電流駆動回路の駆動が中断するに伴い、前記第4の増幅器の第4の基準電圧として前記力率補償回路が前記変圧回路の出力電圧を低減させることで前記変圧回路の駆動が中断する程度の高電圧を印加するスイッチ素子と、を含んでなることが好ましい。
【0023】
また、前記定電流駆動回路は、接地端に接続されたツェナーダイオードと、前記LEDモジュールの出力端に接続されたセンス抵抗と、前記第1のツェナーダイオードにかかる電圧と前記センス抵抗にかかる電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第5の増幅器と、前記第5の増幅器から出力された電圧の入力を受けることによりオン/オフスイッチング駆動して前記LEDモジュールの電流の流れを調節する第1のスイッチ素子と、を含んでなることが好ましい。
【0024】
さらに、前記ディミング制御回路は、PWM制御器から発生したPWM信号の入力を受けてディミング制御信号を出力する一方、S/H制御信号を出力するデッドタイム部と、前記ディミング制御信号によりオン/オフスイッチング駆動して前記第5の増幅器の出力電圧を前記第1のスイッチ素子の駆動信号として伝達または遮断することで、前記第1のスイッチ素子の駆動を制御する第2のスイッチ素子と、を含んでなることが好ましい。
【0025】
ここで、前記デッドタイム部は、前記PWM制御器からPWM信号の入力を受けると、入力されたPWM信号をそのままディミング制御信号として出力する一方、PWM信号のロジッグ値が遷移する区間にそれぞれ非オーバーラップ時間区間に該当するデッドタイム区間を付与してS/H制御信号を生成及び出力することが好ましい。
【0026】
また、前記サンプル・アンド・ホールド回路では、前記ディミング制御回路から出力されるS/H制御信号が第1のロジッグ値のときの出力電圧をサンプリングし、S/H制御信号が第1のロジッグ値から第2のロジッグ値に遷移するときに第1のロジッグ値のときにサンプリングした出力電圧を出力することが好ましい。
【0027】
このような、前記サンプル・アンド・ホールド回路は、前記LEDモジュールの出力電圧を充電するキャパシタと、前記LEDモジュールの出力電圧または前記キャパシタの充電電圧と入力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリング出力し、且つ出力電圧をフィードバックして入力電圧として用いる第6の増幅器と、前記S/H制御信号のロジッグ値に応じてオン/オフスイッチング駆動することで前記LEDモジュールの出力電圧を前記第6の増幅器及びキャパシタに伝達または遮断する第3のスイッチ素子と、を含んでなることが好ましい。
【0028】
ここで、前記第3のスイッチ素子は、前記ディミング制御信号のロジッグ値が第2のロジッグ値になった時点から第1のデッドタイム区間に該当する時間が経過した以降、前記S/H制御信号のロジッグ値が第1のロジッグ値になると、第1のロジッグ値になった時点から第1のロジッグ値が保持される時間の間オンスイッチング駆動することで前記LEDモジュールの出力電圧を前記第6の増幅器の入力端及び前記キャパシタに伝達する一方、前記S/H制御信号のロジッグ値が第2のロジッグ値になると、第2のロジッグ値になった時点から第2のロジッグ値が保持される時間の間オフスイッチング駆動することで、前記LEDモジュールの出力電圧が前記第6の増幅器の入力端及び前記キャパシタに伝達できないように遮断することがより好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る照明駆動装置によれば、状況に応じてLED照明の出力電圧とLED照明へ供給される電圧のいずれかをフィードバックし、フィードバック電圧の大きさに応じてLED照明へ供給される電圧を調節してLED照明の駆動電流を安定させることで、LED照明を常時安定して駆動することができ、且つ、回路の損傷や素子の破壊などの事故発生を防止してLED照明の寿命を一層増大させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来の照明駆動装置の構成図である。
【図2】従来の照明駆動装置の動作を説明するための参考図である。
【図3】従来の照明駆動装置の動作を説明するための参考図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る照明駆動装置の構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る照明駆動装置の動作を説明するための参考図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る照明駆動装置の動作を説明するための参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態に係る照明駆動装置の構成及び動作過程について詳述する。
【0032】
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る照明駆動装置は、AC電源100から出力される電波を整流する整流回路110と、整流回路110から出力される電圧の大きさを変換して出力する変圧回路120と、フィードバック電圧を用いて負荷の大きさを検知し、検知された負荷の大きさに応じて変圧回路120の出力電圧を調節することでAC電源100から出力される電源の力率を補償する力率補償回路130と、変圧回路120から出力される電圧を平滑化して安定したDC電圧を出力し、その出力電圧VOUTをLEDモジュール10へ供給する平滑回路140と、LEDモジュール10に一定の駆動電流が流れるようにLED電流ILEDを制御する定電流駆動回路150と、PWM(Pulse Width Modualtion)方式にて定電流駆動回路150を制御してLEDモジュール10の電流の流れを調節することでディミングを制御するディミング制御回路160と、力率補償回路130へフィードバック電圧を印加するフォトカプラ170と、ディミング制御回路160の制御により駆動し、一定の出力電圧を保持するサンプル・アンド・ホールド回路180と、サンプル・アンド・ホールド回路180から出力される電圧をフィードバックしてフォトカプラ170の駆動電圧として印加する第1のフォトカプラ駆動回路190と、平滑回路140から出力されてLEDモジュール10へ供給される出力電圧VOUTをフィードバックしてフォトカプラ170の駆動電圧として印加する第2のフォトカプラ駆動回路200を含んでなるものであってよい。なお、LEDモジュール10の出力端には、LEDモジュール10の出力電圧Voの電圧上昇の制限のために第2のツェナーダイオードZD2が並列接続されることが好ましい。
【0033】
このような、本発明に係る照明駆動装置は、変圧回路120及びフォトカプラ170を基準に一次側と二次側とに分けられ、一次側には、AC電源100、整流回路110、及び力率補償回路130が備えられ、二次側には、LEDモジュール10、平滑回路140、定電流駆動回路150、ディミング制御回路160、サンプル・アンド・ホールド回路180、第1のフォトカプラ駆動回路190、及び第2のフォトカプラ駆動回路200が備えられることが好ましい。
【0034】
一方、定電流駆動回路150、ディミング制御回路160、サンプル・アンド・ホールド回路180、第1のフォトカプラ駆動回路190、及び第2のフォトカプラ駆動回路200は、例えば単一IC内に実現されることが好ましい。
【0035】
また、第1のフォトカプラ駆動回路190の出力端IOPTO及び第2のフォトカプラ駆動回路200の出力端VOPTOは、フォトカプラ170の入力端OPTOに並列接続され、各出力端IOPTO、VOPTOには、電流の逆流防止のためのダイオードD3、D4が備えられ、このような回路構成上の特性により第1のフォトカプラ駆動回路190の出力端IOPTO電圧と第2のフォトカプラ駆動回路200の出力端VOPTO電圧のうち大きいほうの電圧がフォトカプラ170の入力端OPTOへ印加される。このとき、力率補償回路130は、フォトカプラ170が高電圧により駆動することによって変圧回路120の出力電圧の大きさを低減させる一方、フォトカプラ170が低電圧により駆動することによって変圧回路120の出力電圧の大きさを増大させるようになる。
【0036】
以下、本発明に係る照明駆動装置の構成をより具体的に説明する。なお、本発明に係るAC電源100、整流回路110、変圧回路120、力率補償回路130、平滑回路140、及びフォトカプラ170は、従来の照明駆動装置を構成するAC電源100、整流回路110、変圧回路120、力率補償回路130、平滑回路140、及びフォトカプラ170とその技術的構成及び機能が同一であるので、詳しい説明は省略することにする。
【0037】
定電流駆動回路150は、接地端に接続された第1のツェナーダイオードZD1、第1のツェナーダイオードZD1にかかる電圧とLEDモジュール10の出力端に接続されたセンス抵抗Rsにかかる電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第1の増幅器OP1、及び第1の増幅器OP1から出力された電圧の入力を受けることによりオン/オフスイッチング駆動することでLEDモジュール10の電流の流れを調節する第1のスイッチ素子SW1を含む。例えば、第1のスイッチ素子SW1は、パワートランジスター(Power Transistor)などから構成されていてよい。
【0038】
すなわち、定電流駆動回路150の第1の増幅器OP1の出力により第1のスイッチ素子SW1がオンスイッチング駆動すると、LEDモジュール10には一定の大きさのLED電流ILEDが流れるようになる。このとき、LED電流ILEDの大きさは、第1のツェナーダイオードZD1にかかる電圧値である「VZD1」をセンス抵抗Rsの大きさで割って算出される。
【0039】
一方、ディミング制御回路160は、PWM制御器から発生したPWM信号PWMの入力を受けると、ディミング制御信号DIMを出力する一方、S/H制御信号S/Hを生成して出力するデッドタイム部162と、ディミング制御信号DIMによりオン/オフスイッチング駆動して第1の増幅器OP1の出力電圧を第1のスイッチ素子SW1の駆動信号として伝達または遮断することで、第1のスイッチ素子SW1の駆動を制御する第2のスイッチ素子SW2とを含む。
【0040】
ここで、デッドタイム部162は、図5に示すように、PWM信号PWMの入力を受けると、該入力されたPWM信号PWMをそのままディミング制御信号DIMとして出力する一方、PWM信号PWMのロジッグ値が遷移する区間にそれぞれデッドタイム区間DT1、DT2を付与してS/H制御信号S/Hを生成して出力する。ここで、S/H制御信号S/Hは、ディミング制御信号DIMと同位相を有するが、デッドタイム区間DT1、DT2に該当する非オーバーラップ時間区間を有する。
【0041】
そして、第2のスイッチ素子SW2は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値が第2のロジッグ値になると、第2のロジッグ値になった時点T1'から第2のロジッグ値が保持される時間の間オフスイッチング駆動して第1の増幅器OP1の出力電圧を第1のスイッチ素子SW1の駆動信号として伝達することで、定電流駆動回路150を駆動させる。このとき、定電流駆動回路150が駆動することにより、LEDモジュール10には定電流駆動回路150によりセットされた定電流が流れるようになり、その結果、LEDモジュール10の出力電圧Voは一定の大きさに下降するようになる。
【0042】
以降、第2のスイッチ素子SW2は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値が第1のロジッグ値になると、第1のロジッグ値になった時点T2'から第1のロジッグ値が保持される時間の間オンスイッチング駆動して第1のスイッチ素子SW1に伝達される第1の増幅器OP1の出力電圧を遮断することで、定電流駆動回路150の駆動を中断させる。このように定電流駆動回路150の駆動が中断するに伴い、LEDモジュール10の電流の流れもまた中断する。ここで、ディミング制御信号DIMの第1のロジッグ値は、例えば、ハイ(High)またはロー(Low)になることがあり、このとき、ディミング制御信号DIMの第1のロジッグ値がハイであると第2のロジッグ値はローになり、第1のロジッグ値がローであると第2のロジッグ値はハイになることが好ましい。
【0043】
一方、サンプル・アンド・ホールド回路180は、ディミング制御回路160から出力されるS/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値のときの出力電圧をサンプリングし、S/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値から第2のロジッグ値に遷移するときに第1のロジッグ値のときにサンプリングされた出力電圧を出力することで、一定電圧の出力を保持する。ここで、S/H制御信号S/Hの第1のロジッグ値は、例えば、ハイまたはローになることがあり、このとき、S/H制御信号S/Hの第1のロジッグ値がハイであると第2のロジッグ値はローになり、第1のロジッグ値がローであると第2のロジッグ値はハイであることが好ましい。
【0044】
このような、サンプル・アンド・ホールド回路180は、LEDモジュール10の出力電圧Voを充電するキャパシタC1と、LEDモジュール10の出力電圧VoまたはキャパシタC1の充電電圧と入力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリングして出力し、出力電圧をフィードバックして入力電圧として用いる第2の増幅器OP2と、デッドタイム部162から出力されるS/H制御信号S/Hのロジッグ値に応じてオン/オフスイッチング駆動することでLEDモジュール10の出力電圧Voを第2の増幅器OP2及びキャパシタC1に伝達または遮断する第3のスイッチ素子SW3を含む。
【0045】
ここで、第2の増幅器は、第3のスイッチ素子SW3がオンスイッチング駆動すると、LEDモジュール10の出力端からLEDモジュールの出力電圧Voの入力を受け、入力されたLEDモジュールの出力電圧Voとフィードバックされた自身の出力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリングして出力する一方、第3のスイッチ素子SW3がオフスイッチング駆動すると、LEDモジュールの出力電圧Voが充電されているキャパシタC1の充電電圧とフィードバックされた自身の出力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリングして出力することで、第1のフォトカプラ駆動回路190の入力端FB2に一定大きさの電圧を印加する。その結果、第1のフォトカプラ駆動回路190の入力端FB2には、常時第2の増幅器OP2から出力された一定大きさの電圧がかかるようになる。
【0046】
そして、第3のスイッチ素子SW3は、デッドタイム部162から出力されたS/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値であるときにオンスイッチング駆動してLEDモジュール10の出力電圧Voを第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達する一方、S/H制御信号S/Hが第2のロジッグ値であるときにはオフスイッチング駆動することで、LEDモジュール10の出力電圧Voが第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達できないように遮断する。
【0047】
すなわち、第3のスイッチ素子SW3は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値が第2のロジッグ値になった時点T1'から第1のデッドタイム区間DT1に該当する時間が経過した以降、S/H制御信号S/Hのロジッグ値が第1のロジッグ値になると、第1のロジッグ値になった時点T1から第1のロジッグ値が保持される時間t1の間オンスイッチング駆動してLEDモジュール10の出力電圧Voを第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達する一方、S/H制御信号S/Hのロジッグ値が第2のロジッグ値になると、第2のロジッグ値になった時点T2から第2のロジッグ値が保持される時間の間オフスイッチング駆動することで、LEDモジュール10の出力電圧Voが第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達できないように遮断する。
【0048】
一方、第1のフォトカプラ駆動回路190は、サンプル・アンド・ホールド回路180から出力される電圧と第1の基準電圧Vref1との差値に該当する電圧を増幅して出力する第3の増幅器OP3と、第3の増幅器OP3から出力される電圧と第2の基準電圧Vref2との差値に該当する電圧を増幅して出力する第4の増幅器OP4とを含む。このとき、第1のフォトカプラ駆動回路190は、基準電圧を供給する所定の基準電圧供給器をさらに含むことが好ましい。
【0049】
また、第1のフォトカプラ駆動回路190は、互いに直並列接続された抵抗R5及び複数のキャパシタC2、C3を含んでなり、帰還フィードバックルーフの極・零点を補償する極・零点補償器192が第3の増幅器OP3に並列接続されて構成されることが好ましい。その結果、本発明に係る照明駆動装置は、極・零点補償器192による帰還フィードバックルーフの極・零点補償を通じて十分な位相を確保するようになる。
【0050】
このような、第1のフォトカプラ駆動回路190は、照明駆動装置が正常状態で動作する場合、すなわちLEDモジュール10がオープンされずにLED電流ILEDの流れが持続する状況でLEDモジュール10の出力電圧Voが一定電圧にて保持され、LEDモジュール10へ供給される電圧が一定数値(例えば、60V)未満に保持されることによって、フォトカプラ170の入力端OPTO側に第2のフォトカプラ駆動回路200に比べて高い電圧を一定大きさにて出力するようになる。したがって、本発明に係る照明駆動装置が正常状態で動作する場合には、第1のフォトカプラ駆動回路190の出力電圧がフォトカプラ170の入力端OPTOへ印加され、その結果、フォトカプラ170が第1のフォトカプラ駆動回路190の一定の出力電圧により駆動するようになる。
【0051】
すなわち、第2のフォトカプラ駆動回路200は、サンプル・アンド・ホールド回路180から出力される一定電圧をフォトカプラ170を介して力率補償回路130にフィードバックすることで、力率補償回路130の変圧回路120の駆動によりLEDモジュール10へ供給される電圧VOUTを安定した電圧の大きさ、特に第1の目標値(例えば、50V)に保持させるようになる。
【0052】
また、第1のフォトカプラ駆動回路190は、ディミング制御回路160の制御により定電流駆動回路150の駆動が中断するに伴い、力率補償回路130が変圧回路120の出力電圧を低減させることで変圧回路120の駆動が中断する程度の高電圧をフォトカプラ170へ印加する。
【0053】
すなわち、第1のフォトカプラ駆動回路190は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値に応じてオン/オフスイッチング駆動することで第4の増幅器OP4の第2の基準電圧Vref2として高電圧VDDを印加する第4のスイッチ素子SW4をさらに含んでなるものであってよい。
【0054】
このような、第4のスイッチ素子SW4は、ディミング制御回路160の定電流駆動回路150の制御によりLED電流ILEDが流れないとき、第4の増幅器OP4の第2の基準電圧Vref2として高電圧VDDを印加することで、第4の増幅器OP4を介してフォトカプラ170へ一次側の駆動が中断する程度の高電圧を供給して一次側の駆動を中断させ、照明駆動装置の誤作動を防止する役割を遂行するようになる。
【0055】
例えば、第4のスイッチ素子SW4は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値が第1のロジッグ値である場合、すなわち、第2のスイッチ素子SW2のオンスイッチング駆動により定電流駆動回路150の駆動が中断してLED電流ILEDが流れない時、オンスイッチング駆動して基準電圧供給器の第2の基準電圧Vref2の代わりに、高電圧供給器からの高電圧VDDを第4の増幅器OP4の第2の基準電圧Vref2として供給することで、第4の増幅器OP4から一次側の駆動が中断する程度の高電圧が出力されるようにする。
【0056】
これにより、力率補償回路130を構成する力率制御補償器132は、スイッチ素子SWのゲート電圧VGをほぼ「0」に落としてスイッチ素子SWの駆動を中断することで、変圧回路120の駆動を中断し、結局として、一次側の駆動が中断する。
【0057】
このとき、LEDモジュール10へ供給される電圧VOUTは、一次側駆動の中断にもかかわらず、ディミング制御信号DIMのロジッグ値が第2のロジッグ値に遷移して、第2のスイッチ素子SW2のオフスイッチング駆動により定電流駆動回路150の駆動が開始するまで、平滑回路140を構成する大容量キャパシタにより一定の電圧大きさ、特に第1の目標値(例えば、50V)を安定して保持するようになる。
【0058】
一方、第2のフォトカプラ駆動回路200は、LEDモジュール10へ供給される出力電圧VOUTを電圧分配する複数の抵抗素子R6、R7と、複数の抵抗素子のいずれかの抵抗素子R7により電圧分配された電圧と第3の基準電圧Vref3との差値に該当する電圧を増幅して出力する第5の増幅器OP5と、第5の増幅器OP5から出力される電圧と第4の基準電圧Vref4との差値に該当する電圧を増幅して出力する第6の増幅器OP6とを含む。このとき、第2のフォトカプラ駆動回路200は、基準電圧を供給する所定の基準電圧供給器をさらに含むことが好ましい。
【0059】
また、第2のフォトカプラ駆動回路200は、抵抗素子R7により電圧分配された電圧の波形をフィルターリングする低域通過フィルター202を含んでなるものであってよい。このとき、低域通過フィルター202は、互いに直並列接続された抵抗R8及び複数のキャパシタC4、C5を含んでなるものであってよい。
【0060】
このような、第2のフォトカプラ駆動回路200は、照明駆動装置が異常状態で動作する場合、すなわち、LEDモジュール10がオープンされるなどの原因によりLED電流ILEDの流れが中断した状況でLEDモジュール10の出力電圧Voは下降し且つLEDモジュール10へ供給される電圧VOUTが持続的にブースティングされて一定数値(例えば、60V)以上に上昇することによって、フォトカプラ170の入力端OPTO側に第1のフォトカプラ駆動回路190に比べて高い電圧を出力するようになる。したがって、本発明に係る照明駆動装置が異常状態で動作する場合には、第2のフォトカプラ駆動回路200の出力電圧がフォトカプラ170の入力端OPTOへ印加され、その結果、フォトカプラ170が第2のフォトカプラ駆動回路200の出力電圧により駆動するようになる。
【0061】
すなわち、第2のフォトカプラ駆動回路200は、変圧回路120から出力され平滑回路140を介してLEDモジュール10へ供給される出力電圧VOUTをフォトカプラ170を介して力率補償回路130へフィードバックする。これにより、図6に示したように、LEDモジュール10がオープンされることでLED電流ILEDが殆ど流れず、LEDモジュール10の出力電圧Voが低電圧に落ちるようになる場合、力率補償回路130の変圧回路120の駆動によりLEDモジュール10へ供給される電圧VOUTが飽和電圧までブースティングされる現象を防止し、且つLEDモジュール10へ供給される電圧VOUTを安定した電圧大きさ、特に第1の目標値に比べて大きい値を有する第2の目標値(例えば、60V)に保持させるようになる。
【0062】
前述したような構成において、本発明の一実施形態に係る照明駆動装置の動作について説明すれば、次のとおりである。
【0063】
先ず、ディミング制御回路160のデッドタイム部162は、PWM信号PWMの入力を受けると、入力されたPWM信号PWMをそのままディミング制御信号DIMに出力して定電流駆動回路150を制御する一方、PWM信号PWMのロジッグ値が遷移する区間にそれぞれデッドタイム区間DT1、DT2を付与してS/H制御信号S/Hを生成し、生成されたS/H制御信号S/Hを出力してサンプル・アンド・ホールド回路180に入力する。
【0064】
例えば、ディミング制御回路160の第2のスイッチ素子SW2は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値がローになると、ロジッグ値がローになった時点T1'からローレベルが保持される時間の間オフスイッチング駆動して第1の増幅器OP1の出力電圧を第1のスイッチ素子SW1の駆動信号として伝達することで、定電流駆動回路150を駆動させる。これに対し、ディミング制御信号DIMのロジッグ値がハイになると、ロジッグ値がハイになった時点T2'からハイレベルが保持される時間の間オンスイッチング駆動して第1のスイッチ素子SW1に伝達する第1の増幅器OP1の出力電圧を遮断することで、定電流駆動回路150の駆動を中断する。このように定電流駆動回路150の駆動が中断するに伴い、LEDモジュール10の電流の流れもまた中断する。
【0065】
一方、定電流駆動回路150は、ディミング制御回路160の制御によりLEDモジュール10の電流の流れを制御する。このとき、LEDモジュール10の出力電圧Voは、センス抵抗Rsにかかった電圧と第1のスイッチ素子SW1の両端にかかった電圧、例えば、第1のスイッチ素子SW1がパワートランジスターからなる場合、第1のスイッチ素子のドレイン−ソースの両端にかかった電圧の和に該当する大きさを有する。
【0066】
このように定電流駆動回路150が駆動するに伴い、LEDモジュール10には定電流駆動回路150によりセットされた定電流が流れるようになり、その結果、LEDモジュール10の出力電圧Voは一定の大きさに下降するようになる。
【0067】
一方、サンプル・アンド・ホールド回路180は、ディミング制御回路160から出力されるS/H制御信号S/Hの入力を受け、その入力されたS/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値のときの出力電圧をサンプリングし、S/H制御信号が第1のロジッグ値から第2のロジッグ値に遷移するときに第1のロジッグ値の時にサンプリングした出力電圧を出力することで、一定電圧の出力を保持する。
【0068】
すなわち、サンプル・アンド・ホールド回路180の第3のスイッチ素子SW3は、デッドタイム部162から出力されたS/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値であるときにオンスイッチング駆動することで、LEDモジュール10の出力電圧Voを第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達する。一方、S/H制御信号S/Hが第2のロジッグ値であるときにはオフスイッチング駆動することで、LEDモジュール10の出力電圧Voが第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達できないように遮断する。
【0069】
例えば、第3のスイッチ素子SW3は、ディミング制御信号DIMのロジッグ値がローになった時点T1'から第1のデッドタイム区間DT1に該当する時間が経過した以降、S/H制御信号S/Hのロジッグ値がハイになると、ロジッグ値がハイになった時点T1からハイレベルが保持される時間t1の間オンスイッチング駆動することで、LEDモジュール10の出力電圧Voを第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達する。一方、S/H制御信号S/Hのロジッグ値がローになると、ロジッグ値がローになった時点T2からローレベルが保持される時間の間オフスイッチング駆動することで、LEDモジュール10の出力電圧Voが第2の増幅器OP2の入力端及びキャパシタC1に伝達できないように遮断する。
【0070】
すると、サンプル・アンド・ホールド回路180の第2の増幅器は、第3のスイッチ素子SW3がオンスイッチング駆動すると、LEDモジュール10の出力端からLEDモジュールの出力電圧Voの入力を受け、入力されたLEDモジュールの出力電圧Voとフィードバックされた自身の出力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリングして出力する。一方、第3のスイッチ素子SW3がオフスイッチング駆動すると、LEDモジュールの出力電圧Voが充電されているキャパシタC1から充電電圧の入力を受け、入力された電圧とフィードバックされた自身の出力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリングして出力することで、第1のフォトカプラ駆動回路190の入力端FB2に一定大きさの電圧を印加する。
【0071】
これにより、S/H制御信号S/Hが第2のロジッグ値である時でも第1のフォトカプラ駆動回路190の入力端FB2には、S/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値であるときの出力電圧が伝達される。言い換えれば、ディミング制御の際にディミング制御回路160から出力されるS/H制御信号S/Hのロジッグ値によらず、S/H制御信号S/Hが第1のロジッグ値の時にサンプリングされたサンプル・アンド・ホールド回路180の出力電圧が常時保持される。
【0072】
以降、第1のフォトカプラ駆動回路190は、サンプル・アンド・ホールド回路180から常時一定の大きさで出力される電圧の入力を受けて駆動し出力端OPTOを介して常時一定大きさの出力電圧を出力することで、フォトカプラ170を安定して駆動させるようになる。
【0073】
その結果、フォトカプラ170は、照明駆動装置のディミング制御のための駆動時に第1のフォトカプラ駆動回路190から常時一定大きさの電圧の入力を受けて駆動することで、常時一定大きさのフィードバック電圧FBを安定して出力するようになり、照明駆動装置をして常時一定大きさの出力電圧VOUTを保持できるようにする。そのため、LEDモジュール10には、常時安定した大きさの駆動電流が流れるようになる。
【0074】
一方、ディミング制御信号DIMのロジッグ値がハイになることによる第2のスイッチ素子SW2のオンスイッチング駆動によって定電流駆動回路150の駆動が中断することでLED電流ILEDの流れが中断した場合には、力率補償回路130の駆動によって変圧回路120の出力電圧がブースティングするなどの誤作動が発生することがある。このとき、第4のスイッチ素子SW4がディミング制御信号DIMのロジッグ値がハイになると、ロジッグ値がハイになった時点T2'からハイレベルが保持される時間の間オンスイッチング駆動して高電圧VDDを第4の増幅器OP4の第2の基準電圧Vref2として供給することで、一次側の駆動を制御して、LEDモジュール10へ供給される電圧VOUTを安定した電圧大きさに保持させるようになる。
【0075】
一方では、照明駆動装置が異常状態で動作する場合、すなわち、LEDモジュール10がオープンされるなどの原因によってLED電流ILEDの流れが中断することでLEDモジュール10の出力電圧Voは下降し且つLEDモジュール10へ供給される電圧が持続的にブースティングして一定数値(例えば、60V)以上に上昇することによって、第2のフォトカプラ駆動回路200がフォトカプラ170の入力端OPTO側に第1のフォトカプラ駆動回路190に比べて高い電圧を出力するようになり、その結果、フォトカプラ170が第2のフォトカプラ駆動回路200の出力電圧にて駆動するようになる。このとき、第2のフォトカプラ駆動回路200は、変圧回路120から出力されLEDモジュール10へ供給される出力電圧VOUTをフォトカプラ170を介して力率補償回路130にフィードバックするようになる。
【0076】
すると、力率補償回路130は、LEDモジュール10へ供給される電圧VOUTを下降させて第2のフォトカプラ駆動回路200の出力電圧を下降させ、フォトカプラ170に印加される電圧を下降させる動作を繰り返すことで、LEDモジュール10へ供給される電圧VOUTを安定した電圧大きさ、すなわち、第2の目標値(例えば、60V)に下降させ保持するようになる。
【0077】
本発明に係る照明駆動装置は、前述した実施例に限られるものではなく、本発明の技術思想が許容する範囲内で種々に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
10 LEDモジュール
100 AC電源
110 整流回路
120 変圧回路
130 力率補償回路
132 力率補償制御器
140 平滑回路
150 定電流駆動回路
160 ディミング制御回路
162 デッドタイム部
170 フォトカプラ
180 サンプル・アンド・ホールド回路
190 第1のフォトカプラ駆動回路
192 極・零点補償器
200 第2のフォトカプラ駆動回路
202 低域通過フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から出力される電波を整流する整流回路と、
前記整流回路から出力される電圧の大きさを変換して出力する変圧回路と、
フィードバック電圧を用いて負荷の大きさを検知し、検知された負荷の大きさに応じて前記変圧回路の出力電圧を調節することで前記電源の力率を補償する力率補償回路と、
前記変圧回路から出力される電圧を平滑化して出力し、その出力電圧をLEDモジュールへ供給する平滑回路と、
前記LEDモジュールに一定の駆動電流が流れるようにLED電流を制御する定電流駆動回路と、
前記定電流駆動回路を制御して前記LEDモジュールの電流の流れを調節することでディミングを制御するディミング制御回路と、
前記力率補償回路へフィードバック電圧を印加するフォトカプラと、
前記ディミング制御回路の制御により駆動し、一定の出力電圧を保持するサンプル・アンド・ホールド回路と、
前記サンプル・アンド・ホールド回路から出力される電圧をフィードバックして前記フォトカプラの駆動電圧として印加する第1のフォトカプラ駆動回路と、
前記平滑回路から出力されて前記LEDモジュールへ供給される電圧をフィードバックして前記フォトカプラの駆動電圧として印加する第2のフォトカプラ駆動回路と、
を含んでなることを特徴とする照明駆動装置。
【請求項2】
前記力率補償回路は、
前記フォトカプラが高電圧により駆動することによって前記変圧回路の出力電圧の大きさを低減させる一方、前記フォトカプラが低電圧により駆動することによって前記変圧回路の出力電圧の大きさを増大させることを特徴とする請求項1に記載の照明駆動装置。
【請求項3】
前記第1のフォトカプラ駆動回路の出力端及び前記第2のフォトカプラ駆動回路の出力端は、
電流の逆流防止のためのダイオードをそれぞれ備え、
前記フォトカプラの入力端に並列接続されることを特徴とする請求項2に記載の照明駆動装置。
【請求項4】
前記第2のフォトカプラ駆動回路は、
前記LEDモジュールへ供給される電圧を電圧分配する複数の抵抗素子と、
前記複数の抵抗素子のいずれかにより電圧分配された電圧と第1の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器から出力される電圧と第2の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第2の増幅器と、
前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器へ基準電圧を供給する基準電圧供給器と、
を含んでなることを特徴とする請求項3に記載の照明駆動装置。
【請求項5】
前記第1のフォトカプラ駆動回路は、
前記ディミング制御回路の制御により前記定電流駆動回路の駆動が中断するに伴い、前記力率補償回路が前記変圧回路の出力電圧を低減させることで前記変圧回路の駆動が中断する程度の高電圧を前記フォトカプラへ印加することを特徴とする請求項4に記載の照明駆動装置。
【請求項6】
前記第1のフォトカプラ駆動回路は、
前記サンプル・アンド・ホールド回路から出力される電圧と第3の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第3の増幅器と、
前記第3の増幅器から出力される電圧と第4の基準電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第4の増幅器と、
前記第3の増幅器及び前記第4の増幅器へ基準電圧を供給する基準電圧供給器と、
前記ディミング制御回路の制御によりスイッチング駆動し、前記定電流駆動回路の駆動が中断するに伴い、前記第4の増幅器の第4の基準電圧として前記力率補償回路が前記変圧回路の出力電圧を低減させることで前記変圧回路の駆動が中断する程度の高電圧を印加するスイッチ素子と、
を含んでなることを特徴とする請求項5に記載の照明駆動装置。
【請求項7】
前記定電流駆動回路は、
接地端に接続されたツェナーダイオードと、
前記LEDモジュールの出力端に接続されたセンス抵抗と、
前記第1のツェナーダイオードにかかる電圧と前記センス抵抗にかかる電圧との差値に該当する電圧を増幅して出力する第5の増幅器と、
前記第5の増幅器から出力された電圧の入力を受けることによりオン/オフスイッチング駆動して前記LEDモジュールの電流の流れを調節する第1のスイッチ素子と、
を含んでなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の照明駆動装置。
【請求項8】
前記ディミング制御回路は、
PWM制御器から発生したPWM信号の入力を受けてディミング制御信号を出力する一方、S/H制御信号を出力するデッドタイム部と、
前記ディミング制御信号によりオン/オフスイッチング駆動して前記第5の増幅器の出力電圧を前記第1のスイッチ素子の駆動信号として伝達または遮断することで、前記第1のスイッチ素子の駆動を制御する第2のスイッチ素子と、
を含んでなることを特徴とする請求項7に記載の照明駆動装置。
【請求項9】
前記デッドタイム部は、
前記PWM制御器からPWM信号の入力を受けると、入力されたPWM信号をそのままディミング制御信号として出力する一方、PWM信号のロジッグ値が遷移する区間にそれぞれ非オーバーラップ時間区間に該当するデッドタイム区間を付与してS/H制御信号を生成及び出力することを特徴とする請求項8に記載の照明駆動装置。
【請求項10】
前記サンプル・アンド・ホールド回路では、
前記ディミング制御回路から出力されるS/H制御信号が第1のロジッグ値のときの出力電圧をサンプリングし、S/H制御信号が第1のロジッグ値から第2のロジッグ値に遷移するときに第1のロジッグ値のときにサンプリングした出力電圧を出力することを特徴とする請求項8に記載の照明駆動装置。
【請求項11】
前記サンプル・アンド・ホールド回路は、
前記LEDモジュールの出力電圧を充電するキャパシタと、
前記LEDモジュールの出力電圧または前記キャパシタの充電電圧と入力電圧との差値に該当する電圧を単位利得にてバッファリング出力し、且つ出力電圧をフィードバックして入力電圧として用いる第6の増幅器と、
前記S/H制御信号のロジッグ値に応じてオン/オフスイッチング駆動することで前記LEDモジュールの出力電圧を前記第6の増幅器及びキャパシタに伝達または遮断する第3のスイッチ素子と、
を含んでなることを特徴とする請求項10に記載の照明駆動装置。
【請求項12】
前記第3のスイッチ素子は、
前記ディミング制御信号のロジッグ値が第2のロジッグ値になった時点から第1のデッドタイム区間に該当する時間が経過した以降、前記S/H制御信号のロジッグ値が第1のロジッグ値になると、第1のロジッグ値になった時点から第1のロジッグ値が保持される時間の間オンスイッチング駆動することで前記LEDモジュールの出力電圧を前記第6の増幅器の入力端及び前記キャパシタに伝達する一方、前記S/H制御信号のロジッグ値が第2のロジッグ値になると、第2のロジッグ値になった時点から第2のロジッグ値が保持される時間の間オフスイッチング駆動することで、前記LEDモジュールの出力電圧が前記第6の増幅器の入力端及び前記キャパシタに伝達できないように遮断することを特徴とする請求項11に記載の照明駆動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−216536(P2012−216536A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−77032(P2012−77032)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【出願人】(512082598)ドンウン アナテック カンパニー リミティド (1)
【Fターム(参考)】