熱交換器
【課題】熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させる。
【解決手段】熱交換器1は、第1流体が流れる主流路2を形成する構造体11と、主流路2に沿って配置された、内部に第2流体が流れる一対の配管3,4を備えている。一対の配管3,4は、所定のピッチで蛇行する蛇行部31,41をそれぞれ含む。これらの蛇行部31,41は、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するように蛇行する方向と直交する方向に互いに積層されている。熱交換器1は、主流路2の断面積をA、一対の配管3,4のそれぞれの外径をD、前記所定のピッチをλ、蛇行部31,41間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式
3.6<A/D2<5.0
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ
を満たす。
【解決手段】熱交換器1は、第1流体が流れる主流路2を形成する構造体11と、主流路2に沿って配置された、内部に第2流体が流れる一対の配管3,4を備えている。一対の配管3,4は、所定のピッチで蛇行する蛇行部31,41をそれぞれ含む。これらの蛇行部31,41は、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するように蛇行する方向と直交する方向に互いに積層されている。熱交換器1は、主流路2の断面積をA、一対の配管3,4のそれぞれの外径をD、前記所定のピッチをλ、蛇行部31,41間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式
3.6<A/D2<5.0
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ
を満たす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1流体と第2流体の間で熱交換を行う熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2種類の流体(例えば、水と冷媒、空気と冷媒)の間で熱交換を行う熱交換器が広く使用されている。例えば、特許文献1には、図12に示すような水と冷媒の間で熱交換を行う熱交換器100が開示されている。
【0003】
この熱交換器100は、サーペンタイン型の水流路110を形成する構造体115と、水流路110に沿って配置された一対の冷媒管120とを備えている。水流路110の断面形状は矩形状であり、一対の冷媒管120は水流路110の高さ方向に積層されている。また、一対の冷媒管120は、一方の冷媒管の頂点と他方の冷媒管の頂点が均等な間隔で交互に並ぶように水流路110の幅方向に蛇行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/108240号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図12に示す熱交換器100では、水流路110の幅Wが冷媒管120の外径Dの約3倍であり、水流路110の高さHを約2Dとみなすと、水流路110の断面積Aは6D2程度である。すなわち、熱交換器100では、水流路110の断面積が一対の冷媒管120の占有面積に対して非常に大きくなっており、冷媒管120の回りに水が流れるスペースが大きく確保されている。それ故に、熱交換効率があまり高くない。
【0006】
熱交換効率を改善するには、水流路110の幅を小さくすることが考えられる。しかしながら、水流路110の幅を小さくしただけでは、熱交換器100を含むヒートポンプ装置(特許文献1ではヒートポンプ式給湯機)のAPF(通年エネルギー消費効率(Annual Performance Factor))はそれほど向上しない。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、主流路内で一対の配管が蛇行する熱交換器において、主流路の断面積をA、一対の配管の外径をDとしたときに、A/D2を特定の範囲に収めた上で、一対の配管の頂点の間隔を均等な状態から所定量だけずらすことにより、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFが向上することを見出した。すなわち、図12に示す熱交換器100のように、A/D2が6.0程度の状態で一対の配管の頂点の間隔を均等な状態から所定量ずらしても、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させることはできない。本発明は、このような観点からなされたものである。
【0009】
すなわち、本発明の熱交換器は、第1流体と第2流体の間で熱交換を行う熱交換器であって、第1流体が流れる主流路を形成する構造体と、前記主流路に沿って配置された、内部に第2流体が流れる一対の配管と、を備え、前記一対の配管は、所定のピッチで蛇行する蛇行部をそれぞれ含み、これらの蛇行部は、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するように蛇行する方向と直交する方向に互いに積層されており、前記主流路の断面積をA、前記一対の配管のそれぞれの外径をD、前記所定のピッチをλ、前記蛇行部間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式
3.6<A/D2<5.0
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ
を満たす、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させることができる。このため、同程度の性能を有する熱交換器に比べて小型化および軽量化を実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱交換器の全体斜視図
【図2】図1に示す熱交換器の内部構造を示す平面図
【図3】構造体を構成する箱体の平面図
【図4】冷媒管の蛇行部の形状の説明図
【図5】冷媒管同士の位置関係を示す平面図
【図6】(a)は双方の蛇行部の頂点が離れすぎる場合を示す図、(b)双方の蛇行部の頂点が近すぎる場合を示す図
【図7】冷媒管の一例である二重管の断面図
【図8】図2のVIII−VIII線に沿った熱交換器の断面図
【図9】ツイスト型熱交換器の構成図
【図10】シミュレーション結果である熱伝達係数および水側圧力損失を示すグラフ
【図11】シミュレーション結果であるAPF上昇率を示すグラフ
【図12】従来の熱交換器の内部構造を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0013】
本実施形態では、ヒートポンプ式給湯機などのヒートポンプ装置に使用され、水(第1流体)と冷媒(第2流体)との間で熱交換を行う熱交換器を例に挙げて説明する。ただし、第1流体および第2流体はこれらに限定されない。例えば、水に代えて、油、ブラインなどを第1流体として使用することも可能である。また、第1流体および第2流体の双方が液体または気体であってもよい。
【0014】
図1に、本実施形態の熱交換器1の外観を示し、図2に、熱交換器1の内部構造を示す。この熱交換器1は、水が流れる主流路2を形成する構造体11と、主流路2に沿って配置された、内部に冷媒が流れる一対の冷媒管3,4とを備えている。
【0015】
構造体11は平面視で長方形状の扁平な板状をなしており、その内部は空洞になっている。すなわち、構造体11の内部空間によって主流路2が構成されている。以下、説明の便宜のために、構造体11の長さ方向をY方向、幅方向をX方向、厚さ方向をZ方向という。本実施形態では、Z方向が鉛直方向であり、X方向およびY方向が水平方向である。ただし、X、Y、Z方向はこれに限定されるものではなく、熱交換器1の設置場所等に応じて適宜選定可能である。
【0016】
より詳しくは、構造体11は、上方に開口する容器状の箱体12と、この箱体12の開口を塞ぐ蓋13で構成されている。なお、図2は、蓋13を外した状態での熱交換器1の平面図である。蓋13のY方向の一方の端部には、主流路2に水を流入させるための水入口管15と、主流路2から水を流出させるための水出口管16が互いにX方向に離間して設けられている。冷媒管3,4の一端部3a,4aおよび他端部3b,4bは、水出口管16の近傍および水入口管15の近傍で箱体12を貫通している。
【0017】
図3は、箱体12のみの平面図である。箱体12は、蓋13と同形状の底壁12aと、底壁12aの周縁から立ち上がる矩形筒状の周壁12bとを有する。また、箱体12内には、周壁12bと同一高さの、互いに平行な複数の仕切り板14が配置されている。仕切り板14は、X方向に等間隔で並んでおり、周壁12bのうちのY方向に対向する短辺部の一方および他方に交互に接続されている。すなわち、仕切り板14は、周壁12bで囲まれる空間を部分的に仕切っており、構造体11の内部空間(主流路2)をサーペンタイン型の流路(蛇行した流路)に成形している。換言すれば、主流路2は、互いに平行な複数の直線部21と直線部21の端部同士を連結する連結部22を有しており、直線部21では水の流れ方向が交互に180度反対向きになっている。サーペンタイン型の流路は、構造体11内の無駄なスペースを省くのに有利である。
【0018】
なお、箱体12は複数段に積み重ねられ、それらの箱体12ごとに一対の冷媒管3,4が設けられていてもよい。この場合には、上方の主流路2と下方の主流路2を隔てる箱体12の底壁12aに、水入口管15および水出口管16に対応する位置に貫通孔を設けて、それらを連通させればよい。
【0019】
構造体11を構成する箱体12、蓋13および仕切り板14は、たとえば銅、銅合金、SUS、アルミニウムなどの金属によって構成されていてもよいし、金属以外の材料で作られていてもよい。例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリプロピレンなどの樹脂で作られていてもよい。これらの樹脂(熱可塑性樹脂)は、優れた耐熱性及び化学的耐久性を有しており、水に触れても劣化しにくく、より軽量な熱交換器を提供できる可能性がある。
【0020】
主流路2に沿って配置された一対の冷媒管3,4は、主流路2の全長に亘って、水と熱交換するべき冷媒が流れる副流路を形成する。このような冷媒管3,4には、良好な熱伝達性を有する金属管が採用される。冷媒管3,4としては、図7に示すような小径の内面平滑管51が大径の内面溝付管52で覆われた二重管(漏洩検知管)5を用いることが好ましい。このような二重管5によれば、万が一、内側の内面平滑管51が破損した場合であっても、外側の内面溝付管52の溝52aを伝って冷媒や潤滑油を構造体11の外側に逃がすことができ、冷媒や潤滑油が水中に混入することを防ぐことができる。
【0021】
ヒートポンプ回路を循環する冷媒としては、二酸化炭素や代替フロン等を用いることができる。二酸化炭素は、GWP(Global Warming Potential)の低い冷媒として、ヒートポンプ装置に好適である。二酸化炭素を冷媒として使用すると、水を沸点に近い温度まで加熱することができる。代替フロンとしては、ハイドロフルオロカーボン等が挙げられる。
【0022】
一対の冷媒管3,4は、主流路2の各直線部21内に配置された蛇行部31,41をそれぞれ含む。蛇行部31,41のそれぞれは、直線部21と同程度の長さを有しており、図4に示すように、所定のピッチλおよび振幅γで蛇行している。例えば、一対の冷媒管3,4のそれぞれの外径をDとしたときに、λ=4D〜6Dであり、γ=1.6D〜2.4Dである。本実施形態では、蛇行部31,41は、X方向に蛇行しており、図5に示すように、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するようにZ方向に積層されている。ただし、蛇行部31,41は、Z方向に蛇行しており、X方向に積層されていてもよい。
【0023】
本発明の発明者らは、冷媒管3,4の蛇行形状が同じ形状(外径D、ピッチλおよび振幅γ)である時に、互いの冷媒管の相対位置と熱伝達係数および水側圧力損失の関係をコンピュータシミュレーションによって詳しく調べた。その結果、主流路2の断面積をAとしたときに、A/D2を特定の範囲に収めた上で、一対の冷媒管3,4の頂点の間隔を均等な状態から所定量だけずらすことにより、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFが向上することを突き止めた。本実施形態の熱交換器1は、その条件に適合するように構成されている。
【0024】
具体的に、熱交換器1は、蛇行部31,41間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式1および式2を満たす。なお、一方の蛇行部の頂点から見て、最も近接する他方の蛇行部の頂点は、Y方向の一方側および他方側のどちら側にあってもよい。
3.6<A/D2<5.0 ・・・(式1)
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ ・・・(式2)
【0025】
本実施形態では、図8に示すように、主流路2の断面形状が、蛇行部31,41が蛇行するX方向およびそれらが積層されたZ方向に平行な辺を有する矩形状であるため、主流路2の断面積は主流路2の幅Wと高さHの積とほぼ等しい。なお、主流路2の幅Wは、冷媒管3,4のX方向の両側に所定の隙間(例えば、0.3〜0.5mm)が形成される程度が好ましく、主流路2の高さHは、冷媒管3,4のZ方向の両側に所定の隙間(例えば、0.3〜0.5mm)が形成される程度が好ましい。また、図8に示すように、主流路2の断面形状の4つのコーナー部は、半径R(例えば、2〜3mm)の丸みを帯びた形状に形成されていることが好ましい。これを実現するには、蓋13の下面にも主流路2に沿った溝を形成すればよい。あるいは、構造体11は、主流路2のZ方向の中央で二分割されていてもよい。
【0026】
上記式1の理由としては、A/D2が5.0以上では、図12に示す従来の熱交換器100と同様に熱交換効率があまり高くなく、A/D2が3.6以下では、水側圧力損失が極端に高くなるからである。
【0027】
上記式2に関しては、図6(a)に示すようにSが(4/9)λを超えると、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFがそれほど向上しない。これに対し、Sが(4/9)λになると、APFの向上が約4%とかなり大きくなり、さらにSが減少するにつれてAPFが上昇する。一方、図6(b)に示すようにSが(5/18)λ未満になると、水側圧力損失が大きく増加し、いったん上昇したAPFが下降に転じる。従って、Sは(5/18)λ以上であることが好ましい。
【0028】
また、熱交換器1は、冷媒管3,4と水との接触面積を確保するという観点から、以下の式3を満たすことが好ましい。
1.8≦γ/D≦2.2 ・・・(式3)
【0029】
なお、熱交換器1の熱交換能力は特に限定されないが、大きな熱交換能力が要求される場合には、熱交換器1を複数個並列で接続して使用することにより、要求される熱交換能力を満足することができる。
【0030】
(変形例)
前記実施形態では、主流路2の断面形状が矩形状になっていたが、主流路2の断面形状は円形状や楕円状、あるいは矩形状のどちらかの対辺が円弧になった長丸状であってもよい。
【0031】
(シミュレーション)
以下に、本実施形態の熱交換器1の効果を確認するために行ったシミュレーションを説明する。
【0032】
まず、図1,2,8に示す構成に対応する7つのモデル1〜7を作成し、これらのモデル1〜7に対して熱伝達係数および水側圧力損失をコンピュータシミュレーションで算出した。モデル1〜7では、蛇行部31,41間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量Sのみを変化させ、他の寸法は同一にした。
【0033】
具体的には、モデルの全長(Y方向長さ)を200mmとし、主流路2の断面形状を8.6mm×8.6mmの矩形状にした。また、主流路2の断面形状の4つのコーナー部の半径Rを2.35mmにした。冷媒管3,4については、外径Dを3.9mm、蛇行ピッチλを20mm、蛇行幅γを7.8mmとした。すなわち、一対の冷媒管3,4の上下左右に0.4mmの隙間を確保した。そして、モデル1〜7では、頂点ズレ量Sを、それぞれ、(1/8)λ,(2/9)λ,(1/4)λ,(5/18)λ,(11/36)λ,(3/8)λ、(1/2)λとした。
【0034】
解析用ソフトウェアとしては「Fluent」を用い、解析条件を、水の流量:0.35L/分、水の温度:40℃、冷媒管温度:45℃とした。
【0035】
次に、比較対象として、図9に示すようなツイスト型熱交換器6である参照モデルを作成した。ツイスト型熱交換器6では、断面円形の水管61の内部に、一対の冷媒管62,63が互いにツイストされた状態で配置されている。水管61の内径を8.6mm、冷媒管62,63の外径を3.9mm、冷媒管のツイストピッチを30mmとした。この参照モデルに対し、モデル1〜7と同様にして熱伝達係数および水側圧力損失を算出した。
【0036】
シミュレーションにより得られたモデル1〜7の熱伝達係数および水側圧力損失を参照モデルに対する比として図10に示す。また、シミュレーションにより得られた熱伝達係数および水側圧力損失から、モデル1〜7および参照モデルをヒートポンプ式給湯機に水を加熱する手段として用いたときのAPFを求め、参照モデルに対してモデル1〜7ではAPFがどれだけ上昇したかを図11に示す。
【0037】
図10に示すように、頂点ズレ量Sが小さいほど、高い熱伝達係数が得られるが、それよりも顕著に水側圧力損失が急激に上昇するという傾向が得られる。
【0038】
図11に示すように、ヒートポンプ式給湯機では、頂点ズレ量S=(5/18)λをピークにして頂点ズレ量Sが(1/8)λ≦S≦(4/9)λの範囲で参照モデルに対するAPFの上昇率が+4%以上を示す。ただし、(1/8)λ≦S<(5/18)λの範囲では、S=(5/18)λと比較してAPFの上昇率が劣り、水側圧力損失も大きくなるため、実用的ではない。そのため、APFの上昇率が高く、実用的と判断される頂点ズレ量Sの範囲は(5/18)λ≦S≦(4/9)λである。
【0039】
このようにAPFへの貢献に優れた熱交換器をヒートポンプ式給湯機に用いれば、同程度の性能を有する熱交換器に比して、熱交換器の小型化および軽量化が可能である。
【0040】
なお、本シミュレーションにおいて、内面平滑管51と内面溝付管52とが一体の冷媒管として取り扱われているので、内面溝付管52の存在は、シミュレーションの結果に影響を及ぼさない。内面溝付管52が存在しない場合、耐腐食性を高めるために内面平滑管51の肉厚を増やす必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の熱交換器は、ヒートポンプ式給湯機、温水暖房装置などのヒートポンプ装置に使用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 熱交換器
11 構造体
2 主流路
3,4 冷媒管
31,41 蛇行部
5 二重管
51 内面平滑管
52 内面溝付管
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1流体と第2流体の間で熱交換を行う熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2種類の流体(例えば、水と冷媒、空気と冷媒)の間で熱交換を行う熱交換器が広く使用されている。例えば、特許文献1には、図12に示すような水と冷媒の間で熱交換を行う熱交換器100が開示されている。
【0003】
この熱交換器100は、サーペンタイン型の水流路110を形成する構造体115と、水流路110に沿って配置された一対の冷媒管120とを備えている。水流路110の断面形状は矩形状であり、一対の冷媒管120は水流路110の高さ方向に積層されている。また、一対の冷媒管120は、一方の冷媒管の頂点と他方の冷媒管の頂点が均等な間隔で交互に並ぶように水流路110の幅方向に蛇行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/108240号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図12に示す熱交換器100では、水流路110の幅Wが冷媒管120の外径Dの約3倍であり、水流路110の高さHを約2Dとみなすと、水流路110の断面積Aは6D2程度である。すなわち、熱交換器100では、水流路110の断面積が一対の冷媒管120の占有面積に対して非常に大きくなっており、冷媒管120の回りに水が流れるスペースが大きく確保されている。それ故に、熱交換効率があまり高くない。
【0006】
熱交換効率を改善するには、水流路110の幅を小さくすることが考えられる。しかしながら、水流路110の幅を小さくしただけでは、熱交換器100を含むヒートポンプ装置(特許文献1ではヒートポンプ式給湯機)のAPF(通年エネルギー消費効率(Annual Performance Factor))はそれほど向上しない。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、主流路内で一対の配管が蛇行する熱交換器において、主流路の断面積をA、一対の配管の外径をDとしたときに、A/D2を特定の範囲に収めた上で、一対の配管の頂点の間隔を均等な状態から所定量だけずらすことにより、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFが向上することを見出した。すなわち、図12に示す熱交換器100のように、A/D2が6.0程度の状態で一対の配管の頂点の間隔を均等な状態から所定量ずらしても、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させることはできない。本発明は、このような観点からなされたものである。
【0009】
すなわち、本発明の熱交換器は、第1流体と第2流体の間で熱交換を行う熱交換器であって、第1流体が流れる主流路を形成する構造体と、前記主流路に沿って配置された、内部に第2流体が流れる一対の配管と、を備え、前記一対の配管は、所定のピッチで蛇行する蛇行部をそれぞれ含み、これらの蛇行部は、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するように蛇行する方向と直交する方向に互いに積層されており、前記主流路の断面積をA、前記一対の配管のそれぞれの外径をD、前記所定のピッチをλ、前記蛇行部間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式
3.6<A/D2<5.0
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ
を満たす、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFを向上させることができる。このため、同程度の性能を有する熱交換器に比べて小型化および軽量化を実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱交換器の全体斜視図
【図2】図1に示す熱交換器の内部構造を示す平面図
【図3】構造体を構成する箱体の平面図
【図4】冷媒管の蛇行部の形状の説明図
【図5】冷媒管同士の位置関係を示す平面図
【図6】(a)は双方の蛇行部の頂点が離れすぎる場合を示す図、(b)双方の蛇行部の頂点が近すぎる場合を示す図
【図7】冷媒管の一例である二重管の断面図
【図8】図2のVIII−VIII線に沿った熱交換器の断面図
【図9】ツイスト型熱交換器の構成図
【図10】シミュレーション結果である熱伝達係数および水側圧力損失を示すグラフ
【図11】シミュレーション結果であるAPF上昇率を示すグラフ
【図12】従来の熱交換器の内部構造を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0013】
本実施形態では、ヒートポンプ式給湯機などのヒートポンプ装置に使用され、水(第1流体)と冷媒(第2流体)との間で熱交換を行う熱交換器を例に挙げて説明する。ただし、第1流体および第2流体はこれらに限定されない。例えば、水に代えて、油、ブラインなどを第1流体として使用することも可能である。また、第1流体および第2流体の双方が液体または気体であってもよい。
【0014】
図1に、本実施形態の熱交換器1の外観を示し、図2に、熱交換器1の内部構造を示す。この熱交換器1は、水が流れる主流路2を形成する構造体11と、主流路2に沿って配置された、内部に冷媒が流れる一対の冷媒管3,4とを備えている。
【0015】
構造体11は平面視で長方形状の扁平な板状をなしており、その内部は空洞になっている。すなわち、構造体11の内部空間によって主流路2が構成されている。以下、説明の便宜のために、構造体11の長さ方向をY方向、幅方向をX方向、厚さ方向をZ方向という。本実施形態では、Z方向が鉛直方向であり、X方向およびY方向が水平方向である。ただし、X、Y、Z方向はこれに限定されるものではなく、熱交換器1の設置場所等に応じて適宜選定可能である。
【0016】
より詳しくは、構造体11は、上方に開口する容器状の箱体12と、この箱体12の開口を塞ぐ蓋13で構成されている。なお、図2は、蓋13を外した状態での熱交換器1の平面図である。蓋13のY方向の一方の端部には、主流路2に水を流入させるための水入口管15と、主流路2から水を流出させるための水出口管16が互いにX方向に離間して設けられている。冷媒管3,4の一端部3a,4aおよび他端部3b,4bは、水出口管16の近傍および水入口管15の近傍で箱体12を貫通している。
【0017】
図3は、箱体12のみの平面図である。箱体12は、蓋13と同形状の底壁12aと、底壁12aの周縁から立ち上がる矩形筒状の周壁12bとを有する。また、箱体12内には、周壁12bと同一高さの、互いに平行な複数の仕切り板14が配置されている。仕切り板14は、X方向に等間隔で並んでおり、周壁12bのうちのY方向に対向する短辺部の一方および他方に交互に接続されている。すなわち、仕切り板14は、周壁12bで囲まれる空間を部分的に仕切っており、構造体11の内部空間(主流路2)をサーペンタイン型の流路(蛇行した流路)に成形している。換言すれば、主流路2は、互いに平行な複数の直線部21と直線部21の端部同士を連結する連結部22を有しており、直線部21では水の流れ方向が交互に180度反対向きになっている。サーペンタイン型の流路は、構造体11内の無駄なスペースを省くのに有利である。
【0018】
なお、箱体12は複数段に積み重ねられ、それらの箱体12ごとに一対の冷媒管3,4が設けられていてもよい。この場合には、上方の主流路2と下方の主流路2を隔てる箱体12の底壁12aに、水入口管15および水出口管16に対応する位置に貫通孔を設けて、それらを連通させればよい。
【0019】
構造体11を構成する箱体12、蓋13および仕切り板14は、たとえば銅、銅合金、SUS、アルミニウムなどの金属によって構成されていてもよいし、金属以外の材料で作られていてもよい。例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリプロピレンなどの樹脂で作られていてもよい。これらの樹脂(熱可塑性樹脂)は、優れた耐熱性及び化学的耐久性を有しており、水に触れても劣化しにくく、より軽量な熱交換器を提供できる可能性がある。
【0020】
主流路2に沿って配置された一対の冷媒管3,4は、主流路2の全長に亘って、水と熱交換するべき冷媒が流れる副流路を形成する。このような冷媒管3,4には、良好な熱伝達性を有する金属管が採用される。冷媒管3,4としては、図7に示すような小径の内面平滑管51が大径の内面溝付管52で覆われた二重管(漏洩検知管)5を用いることが好ましい。このような二重管5によれば、万が一、内側の内面平滑管51が破損した場合であっても、外側の内面溝付管52の溝52aを伝って冷媒や潤滑油を構造体11の外側に逃がすことができ、冷媒や潤滑油が水中に混入することを防ぐことができる。
【0021】
ヒートポンプ回路を循環する冷媒としては、二酸化炭素や代替フロン等を用いることができる。二酸化炭素は、GWP(Global Warming Potential)の低い冷媒として、ヒートポンプ装置に好適である。二酸化炭素を冷媒として使用すると、水を沸点に近い温度まで加熱することができる。代替フロンとしては、ハイドロフルオロカーボン等が挙げられる。
【0022】
一対の冷媒管3,4は、主流路2の各直線部21内に配置された蛇行部31,41をそれぞれ含む。蛇行部31,41のそれぞれは、直線部21と同程度の長さを有しており、図4に示すように、所定のピッチλおよび振幅γで蛇行している。例えば、一対の冷媒管3,4のそれぞれの外径をDとしたときに、λ=4D〜6Dであり、γ=1.6D〜2.4Dである。本実施形態では、蛇行部31,41は、X方向に蛇行しており、図5に示すように、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するようにZ方向に積層されている。ただし、蛇行部31,41は、Z方向に蛇行しており、X方向に積層されていてもよい。
【0023】
本発明の発明者らは、冷媒管3,4の蛇行形状が同じ形状(外径D、ピッチλおよび振幅γ)である時に、互いの冷媒管の相対位置と熱伝達係数および水側圧力損失の関係をコンピュータシミュレーションによって詳しく調べた。その結果、主流路2の断面積をAとしたときに、A/D2を特定の範囲に収めた上で、一対の冷媒管3,4の頂点の間隔を均等な状態から所定量だけずらすことにより、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFが向上することを突き止めた。本実施形態の熱交換器1は、その条件に適合するように構成されている。
【0024】
具体的に、熱交換器1は、蛇行部31,41間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式1および式2を満たす。なお、一方の蛇行部の頂点から見て、最も近接する他方の蛇行部の頂点は、Y方向の一方側および他方側のどちら側にあってもよい。
3.6<A/D2<5.0 ・・・(式1)
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ ・・・(式2)
【0025】
本実施形態では、図8に示すように、主流路2の断面形状が、蛇行部31,41が蛇行するX方向およびそれらが積層されたZ方向に平行な辺を有する矩形状であるため、主流路2の断面積は主流路2の幅Wと高さHの積とほぼ等しい。なお、主流路2の幅Wは、冷媒管3,4のX方向の両側に所定の隙間(例えば、0.3〜0.5mm)が形成される程度が好ましく、主流路2の高さHは、冷媒管3,4のZ方向の両側に所定の隙間(例えば、0.3〜0.5mm)が形成される程度が好ましい。また、図8に示すように、主流路2の断面形状の4つのコーナー部は、半径R(例えば、2〜3mm)の丸みを帯びた形状に形成されていることが好ましい。これを実現するには、蓋13の下面にも主流路2に沿った溝を形成すればよい。あるいは、構造体11は、主流路2のZ方向の中央で二分割されていてもよい。
【0026】
上記式1の理由としては、A/D2が5.0以上では、図12に示す従来の熱交換器100と同様に熱交換効率があまり高くなく、A/D2が3.6以下では、水側圧力損失が極端に高くなるからである。
【0027】
上記式2に関しては、図6(a)に示すようにSが(4/9)λを超えると、熱交換器を含むヒートポンプ装置のAPFがそれほど向上しない。これに対し、Sが(4/9)λになると、APFの向上が約4%とかなり大きくなり、さらにSが減少するにつれてAPFが上昇する。一方、図6(b)に示すようにSが(5/18)λ未満になると、水側圧力損失が大きく増加し、いったん上昇したAPFが下降に転じる。従って、Sは(5/18)λ以上であることが好ましい。
【0028】
また、熱交換器1は、冷媒管3,4と水との接触面積を確保するという観点から、以下の式3を満たすことが好ましい。
1.8≦γ/D≦2.2 ・・・(式3)
【0029】
なお、熱交換器1の熱交換能力は特に限定されないが、大きな熱交換能力が要求される場合には、熱交換器1を複数個並列で接続して使用することにより、要求される熱交換能力を満足することができる。
【0030】
(変形例)
前記実施形態では、主流路2の断面形状が矩形状になっていたが、主流路2の断面形状は円形状や楕円状、あるいは矩形状のどちらかの対辺が円弧になった長丸状であってもよい。
【0031】
(シミュレーション)
以下に、本実施形態の熱交換器1の効果を確認するために行ったシミュレーションを説明する。
【0032】
まず、図1,2,8に示す構成に対応する7つのモデル1〜7を作成し、これらのモデル1〜7に対して熱伝達係数および水側圧力損失をコンピュータシミュレーションで算出した。モデル1〜7では、蛇行部31,41間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量Sのみを変化させ、他の寸法は同一にした。
【0033】
具体的には、モデルの全長(Y方向長さ)を200mmとし、主流路2の断面形状を8.6mm×8.6mmの矩形状にした。また、主流路2の断面形状の4つのコーナー部の半径Rを2.35mmにした。冷媒管3,4については、外径Dを3.9mm、蛇行ピッチλを20mm、蛇行幅γを7.8mmとした。すなわち、一対の冷媒管3,4の上下左右に0.4mmの隙間を確保した。そして、モデル1〜7では、頂点ズレ量Sを、それぞれ、(1/8)λ,(2/9)λ,(1/4)λ,(5/18)λ,(11/36)λ,(3/8)λ、(1/2)λとした。
【0034】
解析用ソフトウェアとしては「Fluent」を用い、解析条件を、水の流量:0.35L/分、水の温度:40℃、冷媒管温度:45℃とした。
【0035】
次に、比較対象として、図9に示すようなツイスト型熱交換器6である参照モデルを作成した。ツイスト型熱交換器6では、断面円形の水管61の内部に、一対の冷媒管62,63が互いにツイストされた状態で配置されている。水管61の内径を8.6mm、冷媒管62,63の外径を3.9mm、冷媒管のツイストピッチを30mmとした。この参照モデルに対し、モデル1〜7と同様にして熱伝達係数および水側圧力損失を算出した。
【0036】
シミュレーションにより得られたモデル1〜7の熱伝達係数および水側圧力損失を参照モデルに対する比として図10に示す。また、シミュレーションにより得られた熱伝達係数および水側圧力損失から、モデル1〜7および参照モデルをヒートポンプ式給湯機に水を加熱する手段として用いたときのAPFを求め、参照モデルに対してモデル1〜7ではAPFがどれだけ上昇したかを図11に示す。
【0037】
図10に示すように、頂点ズレ量Sが小さいほど、高い熱伝達係数が得られるが、それよりも顕著に水側圧力損失が急激に上昇するという傾向が得られる。
【0038】
図11に示すように、ヒートポンプ式給湯機では、頂点ズレ量S=(5/18)λをピークにして頂点ズレ量Sが(1/8)λ≦S≦(4/9)λの範囲で参照モデルに対するAPFの上昇率が+4%以上を示す。ただし、(1/8)λ≦S<(5/18)λの範囲では、S=(5/18)λと比較してAPFの上昇率が劣り、水側圧力損失も大きくなるため、実用的ではない。そのため、APFの上昇率が高く、実用的と判断される頂点ズレ量Sの範囲は(5/18)λ≦S≦(4/9)λである。
【0039】
このようにAPFへの貢献に優れた熱交換器をヒートポンプ式給湯機に用いれば、同程度の性能を有する熱交換器に比して、熱交換器の小型化および軽量化が可能である。
【0040】
なお、本シミュレーションにおいて、内面平滑管51と内面溝付管52とが一体の冷媒管として取り扱われているので、内面溝付管52の存在は、シミュレーションの結果に影響を及ぼさない。内面溝付管52が存在しない場合、耐腐食性を高めるために内面平滑管51の肉厚を増やす必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の熱交換器は、ヒートポンプ式給湯機、温水暖房装置などのヒートポンプ装置に使用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 熱交換器
11 構造体
2 主流路
3,4 冷媒管
31,41 蛇行部
5 二重管
51 内面平滑管
52 内面溝付管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体と第2流体の間で熱交換を行う熱交換器であって、
第1流体が流れる主流路を形成する構造体と、
前記主流路に沿って配置された、内部に第2流体が流れる一対の配管と、を備え、
前記一対の配管は、所定のピッチで蛇行する蛇行部をそれぞれ含み、これらの蛇行部は、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するように蛇行する方向と直交する方向に互いに積層されており、
前記主流路の断面積をA、前記一対の配管のそれぞれの外径をD、前記所定のピッチをλ、前記蛇行部間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式
3.6<A/D2<5.0
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ
を満たす、熱交換器。
【請求項2】
前記主流路の断面形状は、前記蛇行部が蛇行する方向およびこれと直交する方向に平行な辺を有する矩形状である、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記蛇行部が蛇行する幅をγとしたときに、以下の式
1.8≦γ/D≦2.2
を満たす、請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記主流路は、互いに平行な複数の直線部を有するサーペンタイン型の流路であり、前記蛇行部は、前記複数の直線部のそれぞれの内部に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記一対の配管のそれぞれは、内面平滑管が内面溝付管で覆われた二重管である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記一対の配管のそれぞれは、金属で構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記構造体は、樹脂で構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1流体が水であり、前記第2流体がヒートポンプ回路を循環する二酸化炭素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項1】
第1流体と第2流体の間で熱交換を行う熱交換器であって、
第1流体が流れる主流路を形成する構造体と、
前記主流路に沿って配置された、内部に第2流体が流れる一対の配管と、を備え、
前記一対の配管は、所定のピッチで蛇行する蛇行部をそれぞれ含み、これらの蛇行部は、一方の蛇行部の頂点の間に他方の蛇行部の頂点が位置するように蛇行する方向と直交する方向に互いに積層されており、
前記主流路の断面積をA、前記一対の配管のそれぞれの外径をD、前記所定のピッチをλ、前記蛇行部間での同方向に凸となる頂点同士のズレ量をSとしたときに、以下の式
3.6<A/D2<5.0
(5/18)λ≦S≦(4/9)λ
を満たす、熱交換器。
【請求項2】
前記主流路の断面形状は、前記蛇行部が蛇行する方向およびこれと直交する方向に平行な辺を有する矩形状である、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記蛇行部が蛇行する幅をγとしたときに、以下の式
1.8≦γ/D≦2.2
を満たす、請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記主流路は、互いに平行な複数の直線部を有するサーペンタイン型の流路であり、前記蛇行部は、前記複数の直線部のそれぞれの内部に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記一対の配管のそれぞれは、内面平滑管が内面溝付管で覆われた二重管である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記一対の配管のそれぞれは、金属で構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記構造体は、樹脂で構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1流体が水であり、前記第2流体がヒートポンプ回路を循環する二酸化炭素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−88073(P2013−88073A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230344(P2011−230344)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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