説明

熱処理装置

【課題】基板等の被加熱物を熱風によって熱処理する熱処理装置を改良するものであり、開閉扉の開閉に伴う加熱室内の温度変動を抑制することができる熱処理装置の開発を課題とする。
【解決手段】熱処理室には排気ダクト30が設けられており、当該排気ダクト30の中途に送風機8が設けられており、基板を加熱する際に生じるガスを外部に排気するために、送風機8が常時運転されており、熱処理装置1内部の圧力が負圧傾向となるが、通気装置61を設けることで熱処理装置1の内外における圧力差が殆どない状態にすることができる。即ち熱処理装置1では、内部の圧力を検知する圧力センサーを有し、当該圧力センサーの信号をアクチュエータ73にフィードバックし、シート66を上方向に移動させて通気装置61の有効開度を調節し通気量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等の被加熱物を熱風によって熱処理する熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に開示されているような熱処理装置が液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display)、有機ELディスプレイ等のようなフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)の製作に使用されている。
熱処理装置の多くは、特許文献1の様に、加熱室内に載置棚が配された構造を有する。そして熱処理装置は、予めガラス板等の基板(被加熱物)に対して特定の溶液を塗布して加熱乾燥させ、この加熱乾燥した基板をロボットハンドを用いて段部の間隔に出し入れし、加熱室内に導入される所定の温度の熱風に基板を晒して熱処理(焼成)する装置である。
即ち熱処理装置は、複数の開閉口を有し、当該開閉口を順次開いて載置棚の段部に一枚づつ基板を挿入する。一方、熱処理装置の内部では、基板の挿入と平行して個々の基板に対して熱処理が実行されている。そして熱処理が終了した基板から順次排出されてゆく。
【0003】
ところで熱処理は、ガラスの表面に溶液を塗布した状態で行われるので、熱処理の際に表面の溶媒や、有効成分の一部が昇華する。そのため熱処理装置の内部では、昇華物の濃度が次第に上昇することとなる。その結果、昇華物が再固化して基板上に落下するという問題が生じた。
そのため基板を熱処理する熱処理装置では、昇華物の濃度が一定以上に上昇しないように、適宜、加熱室内が換気される。
換気は、例えば加熱室の内外を結ぶダクト内に送風機を設け、送風機で加熱室内の空気を屋外に排出することにより行われる。また換気用の送風機は、常に一定の回転数で回転させておく場合が多い。
【0004】
【特許文献1】特開2006−46894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱室内を換気する場合、前記した様に、換気用の送風機を、常に一定の回転数で回転させておくと、加熱室から常時一定量の空気が排出されるはずであり、昇華物の濃度は一定以下に保たれる。しかしながら従来技術の方策によると、加熱室内の温度が不安定になるという欠点がある。
即ち特許文献1の様に、加熱室内に載置棚が配され、ロボットハンドで基板を出し入れする構造の熱処理装置では、前記した様に、基板を熱処理している最中に開閉扉を開いて他の基板を出し入れする場合が生じる。
ここで基板を出し入れする開閉扉は、開口面積が大きいが気密性も高い。そのため開閉扉が閉じている場合は、送風機の回転によって加熱室内が負圧雰囲気となる。
そしてこの状態で、基板を出し入れすべく開閉扉を開くと、一度に大量の空気が加熱室内に流入し、加熱室の温度が一気に降下してしまう。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、開閉扉の開閉に伴う加熱室内の温度変動を抑制することができる熱処理装置の開発を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、被加熱物を加熱する加熱室と、加熱室内の温度を調節する温度調節手段と、被加熱物を加熱室内から出し入れする開口部と、加熱室内の空気を排出する排気装置と、加熱室内に空気を導入する吸気口とを有する熱処理装置において、前記吸気口は動力によって有効開口面積を増減する開口調節機能を備え、加熱室内の圧力に応じて吸気口の有効開口面積が増減されることを特徴とする熱処理装置である。
【0008】
本発明の熱処理装置は、吸気口は動力によって有効開口面積を増減する開口調節機能を備え、加熱室内の圧力に応じて吸気口の有効開口面積が増減される。そのため加熱室内の圧力が常時一定範囲に保たれる。
そのため被加熱物を出し入れする際における開口部からの空気の出入りが少なく、加熱室内の温度変化が小さい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、排気装置は、排気量を変化させることができるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置である。
【0010】
本発明の熱処理装置によると、熱処理装置の稼働率に応じて排気量を変更することができ、省エネルギーに寄与する。
例えば従来技術に開示した様な加熱室内に載置棚を有する熱処理装置では、商品の出荷要求量に応じて使用する段数を変更する場合がある。例えば、市場の需要が旺盛である場合には、全ての段に基板を載置して熱処理を行うが、需要が小さい場合には、一部の段だけを使用して基板を熱処理するという調整が行われる。
ここで、昇華物の発生量は、全ての段部に基板を載置して熱処理を行う場合に比べて、少ない数の段部だけを使用する場合の方が少ない。そのため使用する段数が少ない場合には、フル稼働している場合と同じように換気する必要はない。
また加熱室内の換気は、高温に上昇した空気を捨てる行為であり、熱エネルギーの無駄が生じる。
そこで本発明は、排気装置として排気量を変化させることができるものを採用し、無駄な換気を抑制して熱エネルギーの無駄を排することとした。
【0011】
請求項3に記載の発明は、吸気口は複数設けられていて、各吸気口は前記加熱室に対する設置高さが異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理装置である。
【0012】
熱処理装置に要求される品質の一つとして、加熱室内の温度ばらつきが小さいことが挙げられる。ここで経験則上、加熱室内の温度は、上下でばらつきが大きい。即ち加熱室の上部側は、一般に温度が高く、加熱室の下部側は温度が低い。
そこで本発明では、吸気口は複数設けられていて設置高さが異なるものを混在させた。本発明の熱処理装置では、高さの異なる位置から加熱室内に空気が導入される。ここで導入される空気は、加熱室内の空気よりも温度が低いから、低温の空気の混入によって加熱室内部の温度が平滑化する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、吸気口は最大開口面積が異なるものが混在し、上部側に最大開口面積が大きい吸気口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱処理装置である。
【0014】
前記した様に、一般に加熱室の上部側は温度が高く、加熱室の下部側は温度が低い。そこで本発明は、上部側により多くの空気を導入することにより、上部側の温度を低下させ、室内部の温度が平滑化を図ることとした。
【0015】
本発明の熱処理装置は、開口調節機能は複数の吸気口の有効面積の増減を連動して行うことが推奨される。(請求項5)
【0016】
請求項6に記載の発明は、吸気口には通気装置が設けられており、当該通気装置は気体が流通する開口部と、シートを有し、当該シートは一端側が前記開口部又は開口部の近傍に固定され、前記シートは、他端側を移動することによって当該シートの中間部が前記開口部を遮る方向の面を移動可能であり、前記シートの中間部が開口部を通過する気体の圧力によって開口部に押圧され、前記シートの他端側を移動させることによって、開口部の有効開口面積を変化させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱処理装置である。
【0017】
本発明で採用する通気装置は、シートの一端側が開口部又は開口部の近傍に固定され、シートの他端側を移動することによって当該シートの中間部が開口部を遮る方向に移動して当該開口部を通過する気体の圧力によってシートが開口部に押圧されるため、開口部の有効開口面積を調整する際には部材同士が擦れ合うことがない。これにより、本発明の通気装置は、通気量を調整する際であっても、通気流路近傍で部材同士が擦れ合うことがないため、粉塵が発生することがない。
また、通気量を調整するシートは、あくまで開口部を通過する気体の圧力により押圧される構造であるため、通気量の調整時であってもシートに無理な負荷が生じにくい。例えば、シートを天地方向に移動させる場合であるならば、開口部に空気が通気していない状態においては、シートは重力により一部が下方に垂れ下がった自然な状態であり、開口部に空気が通気した状況においても、シートの中間部が開口部に貼り付くのみでシートの形状が変化することを伴わないため、シートは自然な状態で空気量を調整することができる。
またシートを水平方向に移動させる場合であるならば、開口部に空気が通気していない状態においては、シートは自己の弾性や剛性により自然に撓んだ状態であり、開口部に空気が通気した状況においても、シートの中間部が開口部に貼り付くのみでシートの形状が変化することを伴わないため、シートは自然な状態で空気量を調整することができる。
即ち、本発明の通気装置は、通気量の調整の際であっても、シート等の部材が劣化し難い構成を有しているため、定期的なメンテナンスを要しない。
【0018】
請求項6に記載の発明は、加熱室内の圧力を検知する圧力検知手段を備え、前記通気装置はアクチュエータを具備し、当該アクチュエータによってシートの他端側が移動され、前記アクチュエータに圧力検知手段の信号がフィードバックされて開口部の有効開口面積を調節されることを特徴とする請求項5に記載の熱処理装置である。
【0019】
本発明で採用する通気装置は、アクチュエータによりシートの他端側が移動され、当該アクチュエータは圧力検知手段の信号に基づいて開口部の有効開口面積を調整するため、より確実に空気の通気量を制御することができ、圧力及び温度管理がし易くなる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、前記通気装置にはシャッターが備えられ、当該シャッターによっても開口部の有効開口面積を変化させることが可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の熱処理装置である。
【0021】
本発明で採用する通気装置は、シャッターによっても開口部の有効開口面積を変化できるため、シートと組み合わせることで、様々な状況に応じた通気量の調整が行える。即ち、予め開口部の一部をシャッターにより遮蔽しておくことが可能となり、シートでは通気量の微調整を行うことができる。これにより通気量の急激な変化を防止することができる。また、逆にシャッターの遮蔽を通気中に開放することで、通気量の急激な変化を積極的に生じさせることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の熱処理装置では、開閉扉の開閉に伴う加熱室内の温度変動を抑制することができ、加熱室内を一定の高温状態に保つことができる。そのため本発明の熱処理装置で熱処理された製品は、信頼性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明を実施するための好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態の熱処理装置を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態の熱処理装置に採用する通気装置(開口部開状態)を示す斜視図である。図3は、図2の通気装置の開口形成部材の側面図(a)及び熱処理装置の壁面を含む断面図(b)である。図4は、図2の通気装置の正面である。図5は、図2の通気装置(開口部一部遮蔽状態)を示す斜視図である。
【0024】
本実施形態の熱処理装置1は、ガラス製の液晶パネルの製造過程に用いられるものであり、特殊な通気装置61を具備している。
即ち具体的には、通気装置61は、熱処理装置1の正面に配置されており、基板が搬入される基板搬入口(被加熱物を加熱室内から出し入れする開口部)6の近傍である。なお、熱処理装置1内には、基板を垂直方向に30段以上(図示しない)配置できる載置棚16(図6,7)と、載置棚16を昇降させる昇降手段21(図7)が内蔵されている。
【0025】
通気装置61は、図2に示すように、熱処理装置1の壁面に開口を形成する開口形成部材65と、シート66と、シャッター67と、シート66の一端側を固定して直線的に移動する開閉装置68とで構成されている。
【0026】
開口形成部材65は、枠状であって、一面側に通気量調整面71が設けられ、内部にシャッタ67を挿通させる空間82(図3)が設けられたものである。
即ち開口形成部材65は、正面視が略正方形であり、図3(b)の様に正面側と裏面側が連通し、内部にシャッタ67が挿入される空間82がある。より詳細に説明すると、開口形成部材65の背面は、図3(b)の様に大きく開口し、当該開口69が開口形成部材65内の空間82と連通している。また開口形成部材65の正面側は、縁で囲まれた格子状であり、複数の貫通孔80の集合体(開口部)76となっている。
【0027】
即ち開口形成部材65の正面側は、略正方形状の多数の貫通孔80を有し、1つの集合体(開口部)76を形成している。集合体76は、通気量調整面71の各端部(4辺)から一定間隔空けて配されて略正方形を形成している。また、前記裏面の開口69と貫通孔80の集合体76は連通しているため、気体は開口形成部材65を介して外部から熱処理装置1内部に流入することができる。
即ち開口形成部材65は、図3(b)の様に熱処理装置1の壁面に取り付けられて熱処理装置1の内外を連通する。
【0028】
開口形成部材65の一方の側面には略長方形状のシャッター挿通口72が設けられている。シャッター挿通口72は、開口形成部材65の内部と連通している。
【0029】
通気量調整面71の上面側に後述するシート66の一方の端部を固定するシート固定部86が配されている。シート固定部86は、固定板77を有しており、シート66を固定板77で挟んでネジ等で固定できるものである。
【0030】
シャッター挿通口72は、図3に示すように、外部と通気装置61の内部(空間82)とを連通したスリット状の貫通孔であり、後述するシャッター67を挿通可能とするものである。具体的には、シャッター挿通口72は、長手方向長さmが貫通孔80の集合体76の辺のうち上下に延びる辺(図2を基準)の長さLと同等あるいはそれ以上の長さを有し、短手方向長さnはシャッター67の厚みと同等あるいはそれ以上の長さを有している。即ち、シャッター挿通口72は、シャッター67を挿通させるためだけに形成され、貫通孔80のように気体を通過させる機能は持ち合わせていない。シャッター挿通口72の開口周囲には、熱処理装置1内部の気密性を一定に保つために、ゴム性のシーリング材(図示しない)が設けられていることが望ましい。なお、シャッター挿通口72に挿通されたシャッター67の位置を固定するために、通気量調整面71のシャッター挿通口72側に固定用のネジ孔83が設けられ、当該ネジ孔83にネジ84が挿通されている。挿通されたネジ84は、シャッター挿通口72内に突出し、ネジ84の先端がシャッター67を押圧する。
つまり、シャッター67をシャッター挿通口72に挿通したあと、シャッター67を適当な位置に留めて、固定ネジ孔83にネジ84を挿通してシャッター67の位置決めができる。
【0031】
シート66は、ポリテトラフルオロチレンから成るフッ化炭素樹脂で構成されており、通気性を遮断できるものである。シート66は、幅(短手方向長さ)が貫通孔80の集合体76が形成する正方形のうち、左右に延びる辺(図2を基準)の長さSと同等あるいはそれ以上の長さを有しており、長手方向長さが貫通孔80の集合体76の長さL以上の長さを有している。具体的には、図2に示すように、シート66の端部は、それぞれ開口形成部材65と後述する開閉部材68に固定され、中間部が重力により下方に垂れ下がっているため、通気量を調整する際に最初に開口を遮蔽する部位はシート66の中間部である。そのため、シート66は、中間部から開閉装置68に固定された端部までの長さが集合体76の長さL以上とすることが好ましい。これにより、シート66は、通気量調整面71の貫通孔80の集合体76を完全に覆うことが可能な構成を有することとなる。
【0032】
シャッター67は、ステンレス等の金属で構成された矩形の薄板である。シャッター67は、前記したように、開口形成部材65のシャッター挿通口72に挿通され、貫通孔80を通気する空気を遮蔽できるものである。即ち、シャッター67は、挿通方向長さが貫通孔80の集合体76の長さSより長く、挿通方向に直交する長さが貫通孔80の集合体76の長さLと同等あるいはそれ以上の長さを有する。従って、貫通孔80の集合体76を完全に遮蔽する場合は、シート66あるいはシャッター67を用いることで通気を停止させることが可能である。なお、シャッター65の挿通方向に直交する断面積は、シャッター挿通口72の開口面積と同等あるいはそれより若干小さくする必要がある。
【0033】
開閉装置68は、アクチュエータ73を具備しており、当該アクチュエータ73は、熱処理装置1の内部に置かれた圧力センサ(図8)の信号に基づいて動作するものである。アクチュエータ73は、図4に示すように、モータ75と、スライドユニット74とを備えている。
スライドユニット74は、ギアボックス79から棹部材78が突出したものである。ギアボックス79は内部にラックアンドピニオン(図示せず)が内蔵されたものであり、モータ75の回転力を直線移動力に変換するものである。本実施形態では、モータ75が回転すると、棹部材78が直線移動する。
本実施形態に採用されたアクチュエータ73の機構においては、部材間の擦れが生じるが、周知のダンパー等のように、通気流路に機械部品が位置していないため、部材の粉塵等が熱処理装置1の内部に流入することが殆どない。
【0034】
そして、熱処理装置1の外部には垂直方向に伸びた細長い支持部材84と、その支持部材84に直交するように接合された水平方向に伸びた固定部材85を備え、棹部材78と支持部材84は、中間部材88を介して接合されているため、モータ75の駆動力が支持部材84に伝動されて、支持部材84及び固定部材85が直線的に垂直方向上下に移動する。
【0035】
支持部材84は、垂直方向に並んだ全ての通気口に渡る程度の長さを有しており、固定部材85は通気口の数と同数設けられ、通気口の近傍に位置する様に配されている。また、固定部材85には、シート66の他方の端部を固定するシート固定部87が配されており、通気量調整面71の開口状態をシート66により調整することができる。従って、アクチュエータ73を駆動することにより、支持部材84及び固定部材85が直線的に移動してシート66を直線的に移動させることが可能となる。なお、シート固定部87は、前記したシート固定部86と同様の構成を有している。
【0036】
次に通気装置61の組み立て構造について説明する。
【0037】
本実施形態の通気装置61は、図1に示すように、熱処理装置1の正面側に配置され、熱処理装置1に設けられた通気口(図示しない)を覆うように配置されて、ネジ等によって固定されている。
【0038】
開口形成部材65は、開放面(開口69)側が熱処理装置1に隣接しており、通気量調整面71が開放面と対向する側に配置している。即ち、熱処理装置1の通気口と通気量調整面71の貫通孔80は連通しているため、外部から熱処理装置1の内部に気体が流入可能である。また、開口形成部材65における、熱処理装置1の側面と開口形成部材65の通気量調整面71との間の側面には、シャッター挿通口72が配されており、そのシャッター挿通口72にシャッター67が挿通されて適当な位置で固定されている。即ち、シャッター67を挿通して開口を遮蔽することで、予め気体の通気量を制限することが可能である。
【0039】
また、通気量調整面71の上方側に位置するシート固定部86には、シート66の一方の端部が固定されている。そして、シート66の他方の端部は、開閉装置68が有する固定部材85のシート固定部87に固定されている。固定部材85は、開閉装置68の一部を構成しており、支持部材84と中間部材88を介してアクチュエータ73と接合されている。また、シート固定部86とシート固定部87は、平行して配され、且つ互いに対向した位置関係である。即ち、アクチュエータ73の駆動により、固定部材85に固定されたシート66の他方の端部は、常にシート固定部86と平行且つ対向した位置関係で移動させることができる。言い換えれば、シート66の他方の端部を移動させることで、通気量調整面71の貫通孔80の開度を調整することが可能となる。
【0040】
即ち通気装置61の開口形成部材65は、熱処理装置1の吸気口を構成するものであり、通気量調整面71は負圧傾向にある。そのためシート66は、通気量調整面71に吸着され、通気量調整面71の一部を覆う。またシート66の他方の端部を移動させることで、シート66の垂れ下がり量が変わる。そのため通気量調整面71に吸着されるシート66の面積が変化し、通気量調整面71の有効開度を調整することが可能となる。
【0041】
次に本実施形態の熱処理装置1の他の構成部分及び動作について図面を用いて説明する。
図6は、図1に示す熱処理装置の平面断面図である。図7は、図1に示す熱処理装置の分解斜視図である。図8は、図1に示す熱処理装置の吸排気機構を示す説明図である。
前記した通気装置61は、前記した様に図1の様な熱処理装置1の構成部品として機能する。
熱処理装置1は、縦・横・高さが7m、4m、6m程度の巨大な装置である。
熱処理装置1は、金属製で箱形の外壁部2を有し、機器収容部3が設けられており、その上方に基板処理部5が設けられた構成となっている。機器収容部3は、基板処理部5に電力を供給する電源装置(図示せず)や基板処理部5の動作を制御する制御装置(図示せず)等を内蔵している。
【0042】
基板処理部5は略直方体であり、図1や図7に示すように正面側に図示しないロボットハンド等の移載装置によって基板を出し入れするための基板搬入口6を4個有している。また基板搬入口6と同じ面には、通気装置61が設けられている。本実施形態で採用する通気装置61では、開口形成部材65が縦列に4個設けられている。
基板処理部5の一方の側面(吸気口側)からは送風機8の一部が突出している。送風機8は、熱処理装置1内において熱風を循環させるたるのものである。
もう一方の側面には扉10が設けられている。扉10は、メンテナンス時に開いて作業者が出入りするために設けられている。
【0043】
前記した基板搬入口6には、エアシリンダー11の作動に連動して開閉するシャッター9が装着されている。
【0044】
基板処理部5の内部は、平面的に見て図6の様に大きく2つの領域に分かれている。即ち基板処理部5の内部は、熱処理室12(加熱室)と熱風供給部(温度調節手段)14に分かれている。
ここで熱風供給部14は、熱処理室12内に熱風を循環させる装置が内蔵された部位である。より具体的には熱風供給部14は、熱処理装置1の内部に導入された外気や、熱処理室12の下流端から戻ってきた空気等を加熱し、熱処理室12内に送り込むためのものであり、送風機8や加熱器(図示せず)等を備えている。また熱風供給部14の基板処理部5側の面にはフィルター15が設けられている。
【0045】
熱処理室12(加熱室)は、フィルター15が装着された上流壁20および断熱材によって構成される周壁13によって包囲された部屋である。
熱処理室12(加熱室)の中央には載置棚16を含む基板換装システム18が配されている。
【0046】
熱処理室12は、上流壁20を構成するフィルター15の開口を介して熱風供給部14と連通している。
図7に示すように、熱処理室12の略中央部には、基板換装システム18が配されている。基板換装システム18は、基板を積載するための載置棚16と、当該載置棚16を全体的に昇降させる昇降装置21によって構成されている。
【0047】
なお実際の載置棚は、30段以上の段部を有するが、作図の関係上、8段の段部を有するものとして図示している。従って図示された載置棚16は、高さ方向の比率が実際よりも縮小されている。
【0048】
本実施形態の熱処理装置1は、公知のそれと同様に、熱処理室12内の載置棚16にガラス基板を設置し、熱処理する。
即ち昇降装置21を動作させて昇降台25を昇降し、載置棚16のいずれかの段部の高さをいずれかの換装口6の高さに一致させる。そして図示しないロボットで基板Wを保持し、換装口6を開いて熱処理室12内の載置棚16の前記段部にガラス基板Wを設置する。
その後に再度昇降装置21の昇降台25を動作させ、他のいずれかの段部の高さをいずれかの換装口6の高さに一致させて別の基板Wを挿入する。以下、この動作を繰り返して載置棚16の全ての段部に基板Wを装着する。
【0049】
一方、熱処理装置1内では、熱風供給部14の送風機8及び加熱器(図示せず)を起動し、熱処理室12内を熱風の通風雰囲気とする。
【0050】
また図8の様に熱処理室12には排気ダクト30が設けられており、当該排気ダクト30の中途に送風機31が設けられている。なお本実施形態では、排気ダクト30と送風機31によって排気装置28が構成されている。
なお送風機31のモータは、インバータ制御されており、回転数を任意に変更することができる。本実施形態では、熱処理室12で熱処理する基板の枚数に応じて、モータの回転数が変更される。即ち熱処理する基板の数が多い場合には、モータの回転数を上昇させて換気量を増大させ、基板の数が少ない場合には、モータの回転数を減少して換気量を減少させる。
【0051】
本実施形態の熱処理装置1では、基板を加熱する際に生じるガスを外部に排気するために、送風機31が常時運転されており、熱処理装置1内部の圧力が負圧傾向となるが、通気装置61を設けることで熱処理装置1の内外における圧力差が殆どない状態にすることができる。
【0052】
即ち本実施形態の熱処理装置1では、内部の圧力を検知する圧力センサーを有し、当該圧力センサーの信号をアクチュエータ73にフィードバックし、通気装置61の有効開度を調節し通気量を調整している。即ち、熱処理装置1の外部の圧力と、内部の圧力との差に依存した制御を行っており、熱処理装置1の内部に配した圧力センサが発信した信号を図示しない制御装置が受信し、内部の圧力が大気圧よりも低ければアクチュエータ73が動作してシート66を上方向に移動させて通気装置61の有効開度を増大させる。
【0053】
一方、熱処理装置1の内部の圧力が大気圧に近いか上であるならば、アクチュエータ73が動作してシート66を下方向に移動させて通気装置61の有効開度を低下させる。
より具体的に説明すると、図5に示す状態で、熱処理装置1の内外での圧力差が大きい場合(熱処理装置1内が負圧)は、支持部材84が垂直方向上向きに移動するようにアクチュエータ73の回転を制御することで、シート66の他方の端部が上方に移動する。これにより、図2に示すように、シート66が通気量調整面71の貫通孔80の集合体76を覆う面積が小さくなるため、シート66が貫通孔80を遮蔽する面積が小さくなる。言い換えれば、熱処理装置1内に流入する気体の量が大幅に増加して、熱処理装置1の内外での圧力差が小さくなる様に制御することができる。
【0054】
そして、開度を拡げて圧力差が小さくなれば、アクチュエータ73が有するモータ75を先に説明した方向と反対方向に回転させて、シート66の他方の端部を下方に移動させることで、図5に示すように、シート66が通気量調整面71の貫通孔80の集合体76を覆う面積を大きくする。これにより、通気装置61を通過する空気量が減少されるため、再び内外の圧力差が大きくなり、圧力差を小さくする制御が再度実行される。なお、本実施形態の通気装置61で採用している制御方法は開閉方向のみ制御しており、比例制御を採用していないので、シート66は常に昇降することとなる。そこで装置のハンチングを防止する目的から、アクチュエータ73の動作速度を遅く設定している。
比例制御を採用するならば、アクチュエータ73の回転数を高速にして通気量を急激に増加させる制御を行ってもよい。
【0055】
本実施形態で採用する通気装置61によれば、熱処理装置1の内外の圧力差を殆ど生じさせない制御を実行できるため、基板を基板搬入口6から導入する際であっても、基板搬入口6から急激に外部の気体が流入することを防止できる。これにより、基板搬入口6から急激に気体が流入することが抑制され、熱処理装置1の内部の温度が変動したり温度分布が乱れることを防止できる。
【0056】
また、本実施形態の通気装置61は、アクチュエータ73が駆動して支持部材84を垂直方向に直線的に移動させることで、図5に示すように、シート66が貫通孔80の集合体76を遮り、通気する気体の圧力によりシート66が貫通孔80の集合体76に貼り付いて通気する気体の量を調整する。即ち、通気量を制御する際には、気体が通気する開口をシート66の貼り付きのみで調整できるため、部材同士が擦れ合って、部材の粉塵が発生することがない。従って、本実施形態の通気装置61によれば、通気量を調整しても通気装置61の開口近傍で部材の摩耗が生じないため、摩耗により生じる粉塵等が熱処理装置1の内部に流入することを防止することができる。即ち、製造過程の基板に粉塵等が付着することがないため、製品価値を低下させることがない。さらに、通気量を調整する際に、シート66には殆ど負荷が掛からないため、部材の定期的なメンテナンスを要さない。
【0057】
また本実施形態の通気装置61は、シート66による有効開口面積の増減とは別に、67によっても有効開口面積を増減することができる。シャッター67は、動力によって動作させるものではなく、一定の開度に固定するものである。従ってシャッター67は、一つの開口形成部材65の通気能力自体を増減するものであると言える。
本実施形態で採用する通気装置61は、複数の開口形成部材65を持つものであり、シャッター67を個々に調節することにより、各開口形成部材65から導入される空気量の比率を変化させることができる。
【0058】
即ち本実施形態で採用する通気装置61は、複数の開口形成部材65を持つが、シート66の動作は連動しているから、各開口形成部材65におけるシャッター67の位置が同一であるならば、シート66の動作位置に関わらず、いずれの開口形成部材65の有効開口面積も同一となる。
これに対してシャッター67の位置に変化を設ければ、いずれの開口形成部材65においてもシート66の動作位置に応じてシートが覆う面積が同じように変化するが、その際の各開口形成部材65の有効開口面積は異なる。
【0059】
この性質を利用して熱処理装置1内の温度分布を均一化することができる。
即ち熱処理装置1に要求される品質の一つとして、熱処理室12(加熱室)内部の温度ばらつきが小さいことが挙げられる。ここで経験則上、加熱室内の温度は、上下でばらつきが大きい。
上記した実施形態の熱処理装置1で採用する通気装置61は、複数の開口形成部材65を持ち、これが上下に配列されている。そのためそれぞれのシャッター67の位置を変化させると、当該高さの位置に導入される空気量の比率を変更できる。そのため高さによる温度ばらつきを、導入する空気量の相違によって補正することができる。
【0060】
経験則上、熱処理室12の温度は、上部側が高く下部側は温度が低い。従ってシャッター67の位置は、上部に位置するものほど大きく開くものとする。
そうすることによって、高温となりがちな上部側に比較的大量の空気が導入され、低温となりがちな底部には少量の空気が導入され、熱処理室12内部の温度が平滑化する。
【0061】
本実施形態では、アクチュエータ73の制御を熱処理装置1の内外の圧力差に依存した開閉方向のみの制御としたが、本発明はこの構成に限定されるわけではなく、ON/OFF制御や比例制御を用いて圧力が安定する位置でアクチュエータ73の駆動を停止させることができる構成であっても構わない。
【0062】
本実施形態では、1つの支持部材84に4つの固定部材85を接合する構成を示したが、本発明はこの構成に限定されるわけではなく、1つの固定部材85に対して1つの支持部材84を接合してそれぞれにアクチュエータ73を接続した構成であっても構わない。しかしながら、この構成であれば、部材数が増えて、大幅なコストの増加に繋がる場合があるため、上記した実施形態の構成が好ましい。
【0063】
本実施形態では、シート66の端部を開口形成部材65と開閉装置68の固定部材85に固定してシート66の中間部を自重により下方に垂らす構成を示したが、本発明はこの構成に限定されるわけではない。例えば、図9(a)に示すように、シート66の中間部の下方に垂れた袋状の位置に筒状のおもりを配する構成であっても構わない。これにより、シート66を一方の方向に付勢することが可能となり、通気量を調整する際にシート66が乱れることを防止できる。また、図9(a)に示すように、おもりの両端にL字状の部材を取り付けたり、図9(b)に示すように、おもりの両端におもりより外径が大きい円形の部材を取り付けて、おもりが落下しないようにすることが好ましい。
【0064】
本実施形態では、開口形成部材65が有する貫通孔80の集合体76の形状を略正方形とする構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図10に示すように、集合体76の形状を台形とした構成であっても構わない。
【0065】
本実施形態では、シャッター67が略正方形とする構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図11に示すように、シャッターに切り欠き部74を設けてシャッター67の形状を台形とした構成であっても構わない。
本実施形態によると、シャッター67の移動量と、開口面積との関係を変化させることができる。同様の効果を有する例としては、図12に示すようにシャッターに開口(孔)89を設ける方策が考えられる。
【0066】
本実施形態では、シャッター67を集合体(開口部)76に対して直線的に移動させる構成を示したが、本発明はこの構成に限定されるわけではない。例えば、図13に示すように、スリット状の開口(孔)を複数設けた円形状の部材(シャッター)を通気量調整面71に対して回転させる構成であっても構わない。即ち、通気量調整面71の中心と円形状のシャッターの中心とを回転可能に軸支して、当該シャッターを回転させて通気量調整面71の貫通孔80と当該シャッターの開口を合わせたり、ずらしたりすることで通気量を調整する構成が勘案される。この場合、通気量調整面71の貫通孔80は前記シャッターの開口と略同様の形状とすることが好ましい。
【0067】
本実施形態では、1枚のシート66を採用した構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図14に示すように、2枚以上のシート66を用いても構わない。その場合、それぞれのシート66の通気性を変化させることが好ましい。
【0068】
本実施形態では、通気量調整面71とシート66の他端側が移動する平面が略平行となる構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図15に示すように、通気量調整面71とシート66の他端側が移動する平面が斜めに交差する構成であっても構わない。
即ち本実施形態では、通気量調整面71が傾斜姿勢となっている。そのためシート66を昇降させた場合にシート66と通気量調整面71との接触が確実に行われる。
【0069】
本実施形態では、シート66がポリテトラフルオロチレンから成るフッ素化炭素樹脂による構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、通気性がなく、耐久性がある素材であればよい。
【0070】
本実施形態では、シャッター67を手動で動かす構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、モータ等の駆動力を用いて自動で動かせる構成であっても構わない。
【0071】
本実施形態では、シート66の他端部を垂直方向上下に移動させる構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、シート66の他端部を集合体76に対して直交する方向あるいは垂直成分と水平成分を含む方向(曲線を含む)に移動させても構わない。その場合、上記した実施形態よりもシート66の長さを長くあるいは短くすることが好ましい。
【0072】
本実施形態では、シート66の中間部が垂直方向下側に垂れ、シート66の他端が固定された固定部材85を下側に移動させる構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、シート66の中間部が垂直方向上側あるいは水平方向に向く構成であっても構わない。その場合であっても、シート66の中間部が集合体76を遮るように移動させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態の熱処理装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の熱処理装置に採用する通気装置(開口部開状態)を示す斜視図である。
【図3】図2の通気装置の開口形成部材の側面図(a)及び熱処理装置の壁面を含む断面図(b)である。
【図4】図2の通気装置の正面図である。
【図5】図2の通気装置(開口部一部遮蔽状態)を示す斜視図である。
【図6】図1に示す熱処理装置の平面断面図である。
【図7】図1に示す熱処理装置の分解斜視図である。
【図8】図1に示す熱処理装置の吸排気機構を示す説明図である。
【図9】本発明の変形例の通気装置を示す概略図であり、(a)は、おもりによる付勢で、(b)は、おもりとバネによる付勢である。
【図10】本発明の変形例(集合体の形状)の通気装置を示す概略図である。
【図11】本発明の変形例(シャッターの形状)の通気装置を示す概略図である。
【図12】本発明の変形例(シャッターの形状)の通気装置を示す概略図である。
【図13】本発明の変形例(シャッターの形状)の通気装置を示す概略図である。
【図14】本発明の変形例(2枚シート)の通気装置を示す概略図である。
【図15】本発明の変形例(通気量調整面斜め)の通気装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0074】
1 熱処理装置
6 基板搬入口(被加熱物を加熱室内から出し入れする開口部)
12 熱処理室(加熱室)
14 熱風供給部(温度調節手段)
28 排気装置
61 通気装置
65 開口形成部材(吸気口)
66 シート
67 シャッター
71 通気量調整面
73 アクチュエータ
76 集合体(開口部)
80 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱室と、加熱室内の温度を調節する温度調節手段と、被加熱物を加熱室内から出し入れする開口部と、加熱室内の空気を排出する排気装置と、加熱室内に空気を導入する吸気口とを有する熱処理装置において、前記吸気口は動力によって有効開口面積を増減する開口調節機能を備え、加熱室内の圧力に応じて吸気口の有効開口面積が増減されることを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
排気装置は、排気量を変化させることができるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
吸気口は複数設けられていて、各吸気口は前記加熱室に対する設置高さが異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
吸気口は最大開口面積が異なるものが混在し、上部側に最大開口面積が大きい吸気口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱処理装置。
【請求項5】
開口調節機能は複数の吸気口の有効面積の増減を連動して行うものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱処理装置。
【請求項6】
吸気口には通気装置が設けられており、当該通気装置は気体が流通する開口部と、シートを有し、当該シートは一端側が前記開口部又は開口部の近傍に固定され、前記シートは、他端側を移動することによって当該シートの中間部が前記開口部を遮る方向の面を移動可能であり、前記シートの中間部が開口部を通過する気体の圧力によって開口部に押圧され、前記シートの他端側を移動させることによって、開口部の有効開口面積を変化させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱処理装置。
【請求項7】
加熱室内の圧力を検知する圧力検知手段を備え、前記通気装置はアクチュエータを具備し、当該アクチュエータによってシートの他端側が移動され、前記アクチュエータに圧力検知手段の信号がフィードバックされて開口部の有効開口面積を調節されることを特徴とする請求項6に記載の熱処理装置。
【請求項8】
前記通気装置にはシャッターが備えられ、当該シャッターによっても開口部の有効開口面積を変化させることが可能であることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−133647(P2010−133647A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310270(P2008−310270)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】