説明

熱処理雰囲気ガス発生方法

【課題】常温分離法により製造される窒素ガスを原料として安定した組成の窒素と水素と水との混合ガスを安価に製造することができる熱処理雰囲気ガス発生方法を提供する。
【解決手段】圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段で発生させた原料窒素ガスに酸素含有ガスを混合して所定酸素濃度の酸素混合窒素ガスを発生させる工程と、該酸素混合窒素ガスに所定量の水素ガスを添加して原料混合ガスとする工程と、該原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させて水を生成させ、熱処理炉に導入する熱処理雰囲気ガスとする工程とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理雰囲気ガス発生方法に関し、詳しくは、金属やセラミックス等の焼結体を製造するための熱処理を行う熱処理炉内の雰囲気ガスを発生する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属やセラミックスなどの焼結製品は、原料となる材料粉末とバインダーや潤滑剤などの有機物とを混合して金型などで成形した後、バインダーを除去する脱脂工程を経て焼結処理を行って製造される。セラミックコンデンサは、誘電体であるチタン酸バリウムなどのセラミックスと電極材であるニッケルや銅などの金属を積層した成型体を作成して脱脂及び焼成処理を行うが、目的とする焼結特性を得るために熱処理炉内の酸素分圧を一定の範囲内に制御している。一般には、2H+O=2HOの平衡反応を利用して熱処理炉内の酸素分圧を制御するため、窒素と水素と水との混合ガスを用いている(例えば、特許文献1参照。)。ここで用いられる窒素は、深冷分離法により製造された高純度窒素を用いることが一般的である。また、水を添加する方法としては、一定温度に制御された水に窒素あるいは窒素と水素との混合ガスをバブリングして加湿するウエッターなどが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3272763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、窒素源として深冷分離法により製造された高純度窒素は、常温分離で製造する窒素と比較して高価であり、処理コストの観点において不利である。
【0005】
そこで、本発明は、常温分離法により製造される窒素ガスを原料として安定した組成の窒素と水素と水との混合ガスを安価に製造することができる熱処理雰囲気ガス発生方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の熱処理雰囲気ガス発生方法は、圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段で発生させた原料窒素ガスに酸素含有ガスを混合し、あらかじめ設定した酸素濃度に調節した酸素混合窒素ガスを発生させる酸素混合工程と、該酸素混合工程で酸素濃度を調節した酸素混合窒素ガスに、該酸素混合窒素ガス中の酸素濃度に対応させてあらかじめ設定した量の水素ガスを添加して原料混合ガスとする水素ガス添加工程と、前記原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させ、水を生成させて熱処理炉に導入する熱処理雰囲気ガスとする触媒反応工程とを含むことを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明の熱処理雰囲気ガス発生方法は、前記触媒反応工程に導入する原料混合ガスと、該触媒反応工程を導出した前記熱処理雰囲気ガスとを、該熱処理雰囲気ガスの流量を調節して熱交換させ、該熱処理雰囲気ガスを降温させて前記原料混合ガスを昇温すること、前記熱交換して降温した熱処理雰囲気ガスの温度を露点温度以上、200℃以下とすること、前記熱処理雰囲気ガスの温度を、前記熱処理炉内の温度が200℃以下のときには、熱処理炉内の温度と同じ温度に調節すること、前記水素ガス添加工程と前記触媒反応工程との間に、前記原料混合ガスと水とを接触させて原料混合ガス中に水分を添加する気液接触工程を設けたこと、前記酸素含有ガスが空気であることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の熱処理雰囲気ガス発生装置は、窒素ガスを発生する圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段と、該圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段で発生した原料窒素ガスに酸素含有ガスを混合して酸素混合窒素ガスとする酸素ガス混合手段と、前記酸素混合窒素ガスに水素ガスを添加して原料混合ガスとする水素ガス添加手段と、前記原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させ、水を生成させて熱処理炉に導入する熱処理雰囲気ガスとする触媒反応手段と、前記酸素混合窒素ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、該酸素濃度測定手段で測定した酸素濃度があらかじめ設定した酸素濃度になるように前記酸素含有ガスの混合量を調節する酸素流量調節手段と、前記酸素濃度測定手段で測定した酸素濃度に対応させて前記水素ガス添加手段で添加する水素ガス量をあらかじめ設定した添加量に調節する水素流量調節手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明の熱処理雰囲気ガス発生装置は、前記触媒反応手段に導入する前記原料混合ガスと、該触媒反応手段を導出した前記熱処理雰囲気ガスとを熱交換させ、該熱処理雰囲気ガスを降温させて前記原料混合ガスを昇温する熱交換器を備えるとともに、該熱交換器に導入する前記原料混合ガスの流量を調節する流量調節手段を備えていること、前記熱交換器で降温した熱処理雰囲気ガスの温度が、該熱処理雰囲気ガスの露点温度以上、200℃以下に設定されていること、前記熱処理炉内に導入する熱処理雰囲気ガスの温度は、熱処理炉内の温度が200℃以下のときには、熱処理炉内の温度と同じ温度に調節されること、前記水素ガス添加手段と前記触媒反応手段との間に、前記原料混合ガスと水とを接触させて原料混合ガス中に水分を添加する気液接触手段を設けたこと、前記酸素含有ガスが空気であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段の常温分離法により発生させた原料窒素ガスに酸素含有ガス、特に空気を混合するとともに、水素ガスを添加して触媒反応により熱処理雰囲気ガスを発生させるので、組成が安定した熱処理雰囲気ガスを安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の熱処理雰囲気ガス発生装置の第1形態例を示すブロック図である。
【図2】本発明の熱処理雰囲気ガス発生装置の第2形態例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1の第1本形態例に示す熱処理雰囲気ガス発生装置は、熱処理炉10の雰囲気ガスとして使用する熱処理雰囲気ガスを発生させて熱処理炉10に導入するためのものであって、空気圧縮機などの原料空気供給源11から供給される空気中の窒素ガスを分離して窒素ガスを発生する窒素発生手段12と、前記原料空気供給源11から供給される空気の一部を酸素流量調節器(酸素流量調節手段)13で流量調節して前記窒素発生手段12で発生した原料窒素ガスに混合し、原料窒素ガス中にあらかじめ設定した濃度の酸素ガスを含有した酸素混合窒素ガスとする酸素ガス混合器(酸素ガス混合手段)14と、該酸素ガス混合器14で原料窒素ガスと酸素含有ガスである空気とを混合した酸素混合窒素ガス中の酸素濃度を測定し、測定した酸素濃度に基づいて前記酸素流量調節器13における空気流量を調節する酸素濃度測定器(酸素濃度測定手段)15と、水素ガスボンベなどの水素ガス供給源16からの水素ガスを水素流量調節器(水素流量調節手段)17で流量調節して前記酸素混合窒素ガスに添加し、酸素混合窒素ガスに水素ガスを混合して原料混合ガスを得る水素ガス混合器(水素ガス添加手段)18と、前記原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させ、水を生成させて熱処理炉10に導入する熱処理雰囲気ガスとする触媒反応手段19と、該触媒反応手段19から導出した高温の熱処理雰囲気ガスと触媒反応手段19に導入される低温の前記原料混合ガスとを熱交換させて熱処理雰囲気ガスを降温させるとともに前記原料混合ガスを昇温して熱回収を行う熱交換器20と、前記原料混合ガスを、触媒反応手段19に直接導入する原料混合ガスと前記熱交換器20を通して昇温後に触媒反応手段19に導入する原料混合ガスとに分流し、熱交換器20に導入する原料混合ガスの流量を調節することによって熱交換器20から導出した熱処理雰囲気ガスの温度を制御するための流量調節手段である第1流量調節器21及び第2流量調節器22と、前記熱交換器20を導出して熱処理炉10に導入される熱処理雰囲気ガスの温度を測定する導入ガス温度計23と、熱処理炉10の内部温度を測定する炉内温度計24と、前記導入ガス温度計23及び前記炉内温度計24の各測定温度に基づいて前記第1流量調節器21及び第2流量調節器22の流量調節を行うことによって熱処理炉10に導入する熱処理雰囲気ガスの温度を制御する温度制御器25とを備えている。
【0013】
前記窒素発生手段12は、常温で空気分離を行うことによって純度が90〜99%程度の窒素ガスを発生させる圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段を使用する。すなわち、熱処理雰囲気ガスの主成分として用いられる窒素ガスは、酸素や水素、水分を含む状態で熱処理炉10に導入されるため、深冷分離装置で製造した高純度の窒素ガスを使用する必要がなく、圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段で発生させた窒素ガスを原料窒素ガスとして使用することにより、深冷分離装置で製造した高価な窒素ガスを使用する場合に比べて原料窒素ガスに要するコストを大幅に削減することができる。
【0014】
また、原料窒素ガスに混合する酸素含有ガスとして、本形態例に示すように、窒素発生手段12に導入するために圧縮機で昇圧した原料空気の一部を使用することにより、酸素含有ガスに要するコストも削減することができる。なお、酸素含有ガスとしては、前記原料窒素ガスに混合して所望の酸素濃度が得られて、触媒反応や熱処理に悪影響を及ぼす成分を含まないガスを任意に用いることができ、例えば、通常のガスボンベに充填されている工業用酸素ガスを使用することもでき、また、圧力変動吸着分離式窒素発生手段や分離膜式窒素発生手段から酸素成分が濃縮された状態で排出される排ガスを適宜昇圧して使用することもできる。
【0015】
前記触媒反応手段19は、前記原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させて水を生成させるものであって、触媒としては、酸素と水素とを触媒反応させることができる活性金属触媒を用いることができ、例えば、酸化物系セラミックスの担体に活性金属としてパラジウムを担持した触媒を使用することができる。触媒反応手段19における反応温度は、各種条件に応じて設定されるものであるが、通常は、反応筒内に充填した触媒層の中心温度が所定温度、例えば350℃になるように、加熱ヒーターの温度設定を行えばよい。このような触媒反応を行うことにより、原料混合ガス中の酸素と水素とが反応し、2H+O=2HOの平衡反応を利用することで熱処理炉内の酸素分圧を制御することができる。
【0016】
前記熱交換器20は、触媒反応手段19を導出した高温、例えば約350℃の熱処理雰囲気ガスの熱エネルギーによって前記原料混合ガスを加熱することで、原料混合ガスや触媒を加熱するためのエネルギーの低減を図るとともに、熱処理炉10に導入する熱処理雰囲気ガスの温度を熱処理炉10内に導入するのに適した温度に降温させて熱エネルギーを回収するものであって、前記導入ガス温度計23で測定した熱処理雰囲気ガスの温度が前記炉内温度計24で測定した炉内温度に比べて高い場合には、第1流量調節器21の流量を少なくして第2流量調節器22の流量を多くし、熱交換器20に導入する常温付近の原料混合ガスの流量を多くすることにより、熱処理雰囲気ガスの温度を下げることができる。炉内温度に比べて熱処理雰囲気ガスの温度が低い場合には、第1流量調節器21の流量を多くして第2流量調節器22の流量を少なくすればよい。
【0017】
原料空気供給源11からの原料空気、通常は、大気を吸引して圧縮する圧縮機により、窒素発生手段12の性能に応じた圧力に昇圧された原料空気は、窒素発生手段12で主として窒素ガスと酸素ガスとが分離されることにより、窒素発生手段12の性能に応じた純度の原料窒素ガスを発生させる。例えば、一般的な圧力変動吸着分離式窒素発生装置は、不純物である酸素濃度が0.01〜3容量%の窒素ガスを発生することができ、一般的な分離膜式窒素発生装置は酸素濃度が0.1〜5容量%の窒素ガスを発生させることができる。また、窒素発生手段12の後段にバッファタンクなどを設けることにより、窒素発生手段12、特に、圧力変動吸着分離式窒素発生装置で発生した窒素ガスの純度を安定化させることができる。
【0018】
前記酸素流量調節器13を通して前記原料窒素ガスに混合する空気量は、前記酸素濃度測定器15で測定した酸素混合窒素ガス中の酸素濃度に応じて前記酸素流量調節器13の流量を調節することにより、熱処理雰囲気ガス中の目的とする水分量に対してモル比で1/2の酸素量になるように制御される。また、酸素混合窒素ガスに添加する水素ガス量は、前記水素流量調節器17によって前記酸素に対してモル比で2倍以上の水素量になるように制御される。このとき、水素ガスを添加した原料混合ガス中の水素濃度が水素の爆発範囲に入らない組成となるように設定する。
【0019】
窒素ガス、酸素ガス及び水素ガスからなる原料混合ガスは、前記触媒反応手段19に導入され、反応筒に充填したパラジウム触媒などの触媒層を通過させることで、2H+O→2HOの反応を進行させ、水素と水と窒素とが所定の組成で混合した熱処理雰囲気ガスとする。触媒反応手段19を通過した高温の熱処理雰囲気ガスは、前記熱交換器20で低温の原料混合ガスと熱交換を行い、熱回収されて所定温度に調節された後に熱処理炉10に導入される。このとき、熱回収後の降温した熱処理雰囲気ガスの温度が、該熱処理雰囲気ガス中の水分が凝縮しない露点温度以上になるように、第1流量調節器21及び第2流量調節器22にて熱交換器20に導入する原料混合ガスの流量を調節する。また、熱交換器20から熱処理炉10に至る配管は、配管内での水分の凝縮を防止するため、熱処理雰囲気ガスの露点温度以上、例えば50℃以上になるように配管を保温することが好ましい。一方、熱処理雰囲気ガスの温度が高すぎると、配管系統の構成部材に悪影響を与えることがあるので、熱処理雰囲気ガスの温度は200℃以下に抑えることが好ましい。
【0020】
したがって、熱処理炉10に導入する熱処理雰囲気ガスの温度は、該熱処理雰囲気ガスの露点温度以上、200℃以下の範囲になるので、熱処理炉10内の温度が、この露点温度以上、200℃以下の温度範囲にあるときには、熱処理雰囲気ガスの温度を熱処理炉10内の温度と同じ温度になるように制御することにより、熱処理炉10内の温度分布の乱れを抑えることができる。
【0021】
また、図2に示すように、前記第1形態例に示した熱処理雰囲気ガス発生装置において、水素ガスを添加混合する水素ガス混合器18と触媒反応手段19との間に、前記原料混合ガスと水とを接触させて原料混合ガス中に水分を添加するための気液接触手段、例えば、ウエッター26などを設けて原料混合ガス中に水分を添加することにより、原料混合ガスに添加する水素ガス量を低減することができる。
【実施例1】
【0022】
第1形態例に示した熱処理雰囲気ガス発生装置を使用して熱処理雰囲気ガスを発生させる実験を行った。窒素発生手段12として、No.1〜No.3では発生ガス中の酸素濃度が0.8容量%以下になるように運転条件を設定した圧力変動吸着分離式窒素発生手段を用いた。また、No.4では、発生ガス中の酸素濃度が前記同様に0.8容量%以下になるように運転条件を設定した膜分離装置を用いた。また、No.5は、第2形態例に示したように、触媒反応手段19の前段にウエッター26を配置して原料混合ガス中に水分を添加した以外はNo.2と同じ条件とした。触媒反応手段19には、酸化物系セラミックスの担体に活性金属としてパラジウムを担持した触媒を充填した反応筒を使用し、触媒層の中心温度が350℃になるように加熱ヒーターの温度設定を行った。原料窒素ガスへの空気及び水素ガスの混合量を調整して触媒反応手段19に導入した原料混合ガスの組成と、触媒反応手段19からの発生ガス(熱処理雰囲気ガス)の組成とを表1に示す。
【表1】

【符号の説明】
【0023】
10…熱処理炉、11…原料空気供給源、12…窒素発生手段、13…酸素流量調節器、14…酸素ガス混合器、15…酸素濃度測定器、16…水素ガス供給源、17…水素流量調節器、18…水素ガス混合器、19…触媒反応手段、20…熱交換器、21…第1流量調節器、22…第2流量調節器、23…導入ガス温度計、24…炉内温度計、25…温度制御器、26…ウエッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段で発生させた原料窒素ガスに酸素含有ガスを混合し、あらかじめ設定した酸素濃度に調節した酸素混合窒素ガスを発生させる酸素混合工程と、該酸素混合工程で酸素濃度を調節した酸素混合窒素ガスに、該酸素混合窒素ガス中の酸素濃度に対応させてあらかじめ設定した量の水素ガスを添加して原料混合ガスとする水素ガス添加工程と、前記原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させ、水を生成させて熱処理炉に導入する熱処理雰囲気ガスとする触媒反応工程とを含むことを特徴とする熱処理雰囲気ガス発生方法。
【請求項2】
前記触媒反応工程に導入する原料混合ガスと、該触媒反応工程を導出した前記熱処理雰囲気ガスとを、該熱処理雰囲気ガスの流量を調節して熱交換させ、該熱処理雰囲気ガスを降温させて前記原料混合ガスを昇温することを特徴とする請求項1記載の熱処理雰囲気ガス発生方法。
【請求項3】
前記熱交換して降温した熱処理雰囲気ガスの温度を露点温度以上、200℃以下とすることを特徴とする請求項2記載の熱処理雰囲気ガス発生方法。
【請求項4】
前記熱処理雰囲気ガスの温度を、前記熱処理炉内の温度が200℃以下のときには、熱処理炉内の温度と同じ温度に調節することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱処理雰囲気ガス発生方法。
【請求項5】
前記水素ガス添加工程と前記触媒反応工程との間に、前記原料混合ガスと水とを接触させて原料混合ガス中に水分を添加する気液接触工程を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の熱処理雰囲気ガス発生方法。
【請求項6】
前記酸素含有ガスが空気であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱処理雰囲気ガス発生方法。
【請求項7】
窒素ガスを発生する圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段と、該圧力変動吸着分離式窒素発生手段又は分離膜式窒素発生手段で発生した原料窒素ガスに酸素含有ガスを混合して酸素混合窒素ガスとする酸素ガス混合手段と、前記酸素混合窒素ガスに水素ガスを添加して原料混合ガスとする水素ガス添加手段と、前記原料混合ガス中の酸素と水素とを触媒反応させ、水を生成させて熱処理炉に導入する熱処理雰囲気ガスとする触媒反応手段と、前記酸素混合窒素ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、該酸素濃度測定手段で測定した酸素濃度があらかじめ設定した酸素濃度になるように前記酸素含有ガスの混合量を調節する酸素流量調節手段と、前記酸素濃度測定手段で測定した酸素濃度に対応させて前記水素ガス添加手段で添加する水素ガス量をあらかじめ設定した添加量に調節する水素流量調節手段とを備えていることを特徴とする熱処理雰囲気ガス発生装置。
【請求項8】
前記触媒反応手段に導入する前記原料混合ガスと、該触媒反応手段を導出した前記熱処理雰囲気ガスとを熱交換させ、該熱処理雰囲気ガスを降温させて前記原料混合ガスを昇温する熱交換器を備えるとともに、該熱交換器に導入する前記原料混合ガスの流量を調節する流量調節手段を備えていることを特徴とする請求項7記載の熱処理雰囲気ガス発生装置。
【請求項9】
前記熱交換器で降温した熱処理雰囲気ガスの温度が、該熱処理雰囲気ガスの露点温度以上、200℃以下に設定されていることを特徴とする請求項8記載の熱処理雰囲気ガス発生装置。
【請求項10】
前記熱処理炉内に導入する熱処理雰囲気ガスの温度は、熱処理炉内の温度が200℃以下のときには、熱処理炉内の温度と同じ温度に調節されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の熱処理雰囲気ガス発生装置。
【請求項11】
前記水素ガス添加手段と前記触媒反応手段との間に、前記原料混合ガスと水とを接触させて原料混合ガス中に水分を添加する気液接触手段を設けたことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項記載の熱処理雰囲気ガス発生装置。
【請求項12】
前記酸素含有ガスが空気であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載の熱処理雰囲気ガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−185451(P2011−185451A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47952(P2010−47952)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】