説明

熱分解炉装置

【課題】回転ドラムの内面に付着物が付着し進行することを防止し、安定かつ長期的に渡って廃棄物の処理を継続できる熱分解炉装置を提供する。
【解決手段】熱分解炉装置10は燃焼室27と、燃焼室27を貫通して設けられた回転ドラム11と、回転ドラム11の入口側非加熱領域11a内に設けられた投入スクリュー22とを備えている。回転ドラム11の入口側非加熱領域11aに設けられた投入スクリュー22のスクリューケーシング23の上部に掻取板33が固定され、この掻取板33は半径方向外方へ回転しながら湾曲する形状を有している。この掻取板33により回転ドラム11内面に付着した付着物を取除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物等の被処理物を外熱式で加熱して熱分解し、乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣とに分離する横型外熱回転式の熱分解炉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な汚染物質を含む未分別でかつ未処理の廃棄物を処理して使用可能な物質に変質させる廃棄物処理システムとして、廃棄物を熱分解により処理する熱分解処理システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
図11は、このような熱分解処理システムの一例を示す図である。図11において、廃棄物等の被処理物71は前処理装置72を介して廃棄物供給装置73により回転ドラムを有する熱分解炉装置74内へ供給され、熱分解炉装置74の回転ドラム内において熱分解により処理される。ここで、熱分解炉装置74で熱分解により発生した有機性の高分子ガスはガス改質装置75により改質され、低分子の可燃性ガスとなる。可燃性ガスは次にガス浄化装置76により浄化され、ブロワ80を経て利用可能な可燃性ガス77となる。
【0004】
一方、熱分解炉74で発生する残渣は、残渣冷却装置78を経て造粒装置79に送られ、選別と造粒を施し再資源化される。
【0005】
系統のガス圧力は上述のように、ブロワ80にて安定的に制御されている。
【0006】
図11に示す熱分解処理システムの主要機器である熱分解炉装置74としては、例えば回転ドラムを外部から加熱する横型外熱回転式熱分解炉が一般的に用いられている。
【特許文献1】特開平11−128878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような熱分解システムにおいては、廃棄物を安定的かつ長期的に継続して熱分解処理を行うことが望まれる。
【0008】
しかしながら、廃棄物処理を長時間に渡って行っていると、熱分解炉装置74(横型外熱回転式熱分解炉)の回転ドラムの入口付近の内壁(非加熱部分)に熱分解タールと残渣が混合して付着が進行し、回転ドラム内が閉塞に至り、投入装置の出口が塞がり、回転ドラム内に廃棄物を送り込めなくなることが想定される。
【0009】
また、熱分解反応を行なう回転ドラムの加熱部分にも炭化物質膜が付着し、熱分解ガス化が十分にできなくなることが想定される。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、回転ドラムの内面に付着物が付着することを防止し、安定かつ長期間に渡って廃棄物の処理を継続できる熱分解炉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、燃焼室と、燃焼室を貫通して延び、被処理物を加熱して熱分解し、乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣とに分離する回転ドラムと、燃焼室外側に位置する回転ドラムの入口側非加熱領域内に延びるとともに、スクリューケーシングを含む投入スクリューとを備え、投入スクリューのスクリューケーシングに、回転ドラム内に延びる掻取機構を設けたことを特徴とする熱分解炉装置である。
【0012】
本発明は、掻取機構は回転方向に湾曲しながら半径方向外方へ延びる掻取板からなることを特徴とする熱分解炉装置である。
【0013】
本発明は、燃焼室外側に位置する回転ドラムの入口側非加熱領域外面に、回転ドラムの表面温度を測定する温度計を取付けたことを特徴とする熱分解炉装置である。
【0014】
本発明は、燃焼室内側に位置する回転ドラムの加熱領域内面に、半径方向内方へ延びて被処理物を掻揚げる掻揚げ羽根と、被処理物を掻取る掻取チェーンとが、円周方向に沿って複数配置されていることを特徴とする熱分解炉装置である。
【0015】
本発明は、燃焼室内側に位置する回転ドラムの加熱領域内部に、被処理物を破砕する複数の球状体が配置されていることを特徴とする熱分解炉装置である。
【0016】
本発明は、掻取機構はスクリューケーシングに、連結チェーンを介して連結され、回転ドラム内に載置された掻取板からなることを特徴とする熱分解炉装置である。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、スクリューケーシングに設けられた掻取機構により回転ドラム内面に付着した付着物を掻取ることができる。このため安定的かつ長期に渡って廃棄物の処理を継続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1乃至図6は、本発明による熱分解炉装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0020】
図1乃至図6に示すように、熱分解炉装置10は廃棄物20等の被処理物を加熱して熱分解し、乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣とに分離するものである。
【0021】
このような熱分解装置10は燃焼室27と、燃焼室27内を貫通して延び、被処理物等の廃棄物20を加熱して熱分解する回転自在の回転ドラム11とを備えている。
【0022】
このうち、回転ドラム11は燃焼室27外側に位置する非加熱領域11a、11aと、燃焼室27内側に位置する加熱領域11bとからなり、非加熱領域11a、11aのうち回転ドラム11の入口11d側は入口側非加熱領域11aとなり、回転ドラム11の出口11e側は出口側非加熱領域11aとなる。
【0023】
さらに回転ドラム11の入口11e側には、被処理物を回転ドラム11内に投入する投入スクリュー22が設置されている。この投入スクリュー22は、回転ドラム11の入口側非加熱領域11a内に延びるスクリューケーシング23と、スクリューケーシング23内に配置されたスクリュー主軸24と、スクリュー主軸24に固着されたスクリュー羽根25と、スクリュー主軸24を回動する駆動モータ26とを有している。
【0024】
また投入スクリュー22の入口側には、廃棄物20を投入スクリュー22内に供給する投入ホッパ21が設けられ、回転ドラム11の出口11eには出口フード31が設けられている。
【0025】
さらに図1に示すように、回転ドラム11は円筒構造を有し、ベース10a上にタイヤ12、13とローラ14、15を介して回転自在に保持されている。回転ドラム11にはスプロケット16が取付けられ、スプロケット16はチェーン17を介してベース10a上のモータ18(駆動装置)により回動する。
【0026】
廃棄物20は投入ホッパ21に溜められ、投入スクリュー22により回転ドラム11内に投入される。投入スクリュー22は上述のように、スクリューケーシング23、スクリュー主軸24、スクリュー羽根25および駆動モータ26により構成されている。
【0027】
回転ドラム11は燃焼室27内で回転し、バーナ28a、28b、28cにより外部から加熱され、燃焼室27内の燃焼排ガスは燃焼室27の外部に排気される。
【0028】
また回転ドラム11の入口11d側には、タイヤ12の両側に軸方向移動止めローラ29およびシール装置30が装着されている。さらに回転ドラム11の出口11e側には、出口フード31に連結されたシール装置32が装着されている。
【0029】
回転ドラム11の入口側非加熱領域11a内には投入スクリュー22のスクリューケーシング23が延び、このスクリューケーシング23の上部に回転ドラム11内に延びる掻取板(掻取機構)33が取付けられている。この掻取板33は回転方向に湾曲しながら半径方向外方へ延びている。この掻取板33は入口側非加熱領域11a内に位置している。
【0030】
図2は、図1におけるA−A線断面図である。図2において、回転ドラム11と、スプロケット16と、チェーン17と、モータ18と、スクリューケーシング23と、スクリュー軸24と、スクリュー羽根25と、掻取板33が示されている。このうち掻取板33は、半径方向外方に広がりながら、回転方向に湾曲した形状を有している。
【0031】
また図3および図4に示すように、回転ドラム11のうち燃焼室27で囲まれた加熱領域11b内面に、半径方向内方に延びて廃棄物20を掻揚げる掻揚げ羽根34と、廃棄物を掻取る掻取チェーン35とが取付けられている。掻揚げ羽根34は回転ドラム11の円周方向に複数枚数(例えば8枚)、回転ドラム11の軸方向に複数箇所(例えば4箇所)に千鳥配列されている。破砕チェーン35は軸方向に延び、隣り合わせの掻揚げ羽根34の端部同士に弛んだ状態で連結されている。
【0032】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0033】
まず図1に示すように、回転ドラム11が燃焼室27内に設けられたバーナ28a、28b、28cにより外面から加熱され、両側に設けられたタイヤ12、13を介してローラ14、15により支持されて回転する。この場合、回転ドラム11の両側のローラ14、15、シール装置30、32、スプロケット16、チェーン17、モータ18は非加熱領域11a内に位置している。回転ドラム11は上述のように非加熱領域11a、11aと、燃焼室27で囲まれた加熱領域11bとに分かれる。
【0034】
この間、投入スクリュー22によって投入ホッパ21内の廃棄物20が、回転ドラム11の内部に連続的に投入される。回転ドラム11内に投入された廃棄物20は、約500度前後の温度で空気を遮断した状態で蒸し焼きにされる。回転ドラム11内で加熱された廃棄物20からは、乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣が生成され分離される。そして乾留ガスは出口フード31を介してガス改質装置へ送られ、熱分解残渣は出口フード31を介して残渣冷却装置へ送られる。
【0035】
この過程で回転ドラム11の内部には付着物が成長する。たとえば、図5に示すように、回転ドラム11の入口側非加熱領域11aの内部には、乾留ガスの一部が冷却され内面に付着物36を生成する凝縮液(タール)が付着する。さらに、廃棄物20中のスラッジ分や熱分解残渣の炭化物がタールと混合して付着して固形化しながら付着物36の厚みが増え進行する。次に図6に示すように、ある程度、回転ドラム11内面に付着した付着物36の厚みの増加が進行すると、回転ドラム11内面に付着した付着物36がスクリューケーシング23に取付けられた掻取板33に接触し、新しい付着物36は掻取板33によって常時掻取られ、進行しないようになる。
【0036】
さらには、回転ドラム11内面に付着した付着物36の層が断熱材となりタールの発生も少なくなる。また、掻取板33は、半径方向に広がりながら、回転方向に湾曲した形状を有しているので、回転ドラム11内の絡みつきやすい廃棄物20も掻取板33からスムースにすり抜けることができる。
【0037】
他方、回転ドラム11の非加熱領域11aを通過した廃棄物20は加熱領域11bに送られる。回転ドラム11の加熱領域11b内面では、廃棄物20が掻揚げ羽根34で掻揚げられ、徐々に出口11e側に向かって移動しながら熱分解処理が行われる。また掻取チェーン35は回転ドラム11内面下部において重力荷重により回転ドラム11の回転方向と逆方向に移動する。このとき、掻取チェーン35が回転ドラム11表面の廃棄物20を掻取るため、回転ドラム20内面に熱分解残渣などが付着することはない。
【0038】
なお、回転ドラム11の入口側非加熱領域11a外表面に表面の温度を測定する温度計11cが取付けられており、この温度計11cにより測定された温度のトレンドを見ることにより、以下の点が解明される。すなわち、回転ドラム11の内部の付着物36の厚みが進行していく過程では温度が徐々に低くなっていき、付着物36が掻取坂33まで到達した以後は、ほぼ平衡な温度状態になる。さらには、掻取板33が何らかの原因で脱落した場合は、平衡の温度状態から更に温度が低くなる傾向になる。この温度計11cにより測定された温度変化を監視部11gで監視することにより、回転ドラム11の入口11d側内部の付着物36の付着状態あるいは掻取板33が脱落したか否かを判定できる。
【0039】
第2の実施の形態
次に図7および図8により本発明の第2の実施の形態について説明する。図7および図8に示すように、回転ドラム11の加熱部分の内部には複数の球状体39(例えば、セラミックボール、鋼球など)が装填されている。また球状体39が下流側に流れ出ないように、回転ドラム11の内面には、ドーナツ形状の複数のバッフル板37が設けられ、さらにバッフル板37には、回転ドラム11内の熱分解残渣が下流側に移動可能なように通過口38が複数設けられている。さらにバッフル板37の通過口38は球状体39の径より小さくなっている。
【0040】
他の構成は図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。図7および図8において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して詳細な説明は省略する。
【0041】
図7および図8において、回転ドラム11が燃焼室27内に設けられたバーナ28a、28b、28cにより外面から加熱され、両側に設けられたタイヤ12、13を介してローラ14、15により支持されて回転する。この場合、回転ドラム11の両側のローラ14、15、シール装置30、32、スプロケット16、チェーン17、モータ18は非加熱領域11a内に位置している。回転ドラム11は上述のように非加熱領域11a、11aと、燃焼室27で囲まれた加熱領域11bとに分かれる。
【0042】
この間、投入スクリュー22によって投入ホッパ21内の廃棄物20が、回転ドラム11の内部に連続的に投入される。回転ドラム11内に投入された廃棄物20は、約500度前後の温度で空気を遮断した状態で蒸し焼きにされる。加熱された廃棄物20からは乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣が生成され分離される。そして乾留ガスは出口フード31を介してガス改質装置へ送られ、熱分解残渣は出口フード31を介して残渣冷却装置へ送られる。
【0043】
この過程で回転ドラム11の内部には付着物が成長する。たとえば、図5に示すように、回転ドラム11の入口側非加熱領域11aの内部には、乾留ガスの一部が冷却され内面に付着物36を生成する凝縮液(タール)が付着する。さらに、廃棄物20中のスラッジ分や熱分解残渣の炭化物がタールと混合して付着して固形化しながら付着物36の厚みが増え進行する。次に図6に示すように、ある程度、回転ドラム11内面に付着した付着物36の厚みの増加が進行すると、回転ドラム11内面に付着した付着物36がスクリューケーシング23に取付けられた掻取板33に接触し、新しい付着物36は掻取板33によって常時掻取られ、進行しないようになる。
【0044】
さらには、回転ドラム11内面に付着した付着物36の層が断熱材となりタールの発生も少なくなる。また、掻取板33は、半径方向に広がりながら、回転方向に湾曲した形状を有しているので、回転ドラム11内の絡みつきやすい廃棄物20も掻取板33からすり抜けることができる。
【0045】
他方、回転ドラム11の非加熱領域11aを通過した廃棄物20は加熱領域11bに送られる。回転ドラム11の加熱領域11b内面には、複数の球状体39(例えば、セラミックボール、鋼球など)が装填されているため、回転ドラム11内面が球状体39との滑りで磨かれ付着物36が成長することはない。また、回転ドラム11内の廃棄物20は球状体39により砕かれ熱分解性能が向上する。
【0046】
この間、回転ドラム11の内面にドーナツ形状の複数のバッフル板37が設けられているため、球状体39が下流側に流れ出ることはない。またバッフル板37には通過口38が設けられているため、その通過口38を通過して廃棄物20からの熱分解残渣が下流側に移動する。通過口38を通過できなかった熱分解残渣はバッフル板37を乗り越えて下流側に移動する。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、回転ドラム11の内面に熱分解残渣などが付着することはない。
【0048】
第3の実施の形態
次に図9および図10により本発明の第3の実施の形態について説明する。図9および図10に示すように、スクリューケーシング23に掻取板33を設ける代わりに、スクリューケーシング23に連結チェーン40を介して棒状の掻取板41が連結されている。
【0049】
図9および図10に示すように、棒状の掻取板41は回転ドラム11の加熱領域11b内に軸線方向に延びて載置されている。他の構成は図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。図9および図10において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して詳細な説明は省略する。
【0050】
図9および図10において、回転ドラム11が燃焼室27内に設けられたバーナ28a、28b、28cにより外面から加熱され、両側に設けられたタイヤ12、13を介してローラ14、15により支持されて回転する。この場合、回転ドラム11の両側のローラ14、15、シール装置30、32、スプロケット16、チェーン17、モータ18は非加熱領域11a内に位置している。回転ドラム11は上述のように非加熱領域11a、11aと、燃焼室27で囲まれた加熱領域11bとに分かれる。
【0051】
この間、投入スクリュー22によって投入ホッパ21内の廃棄物20が、回転ドラム11の内部に連続的に投入される。回転ドラム11内に投入された廃棄物20は、約500度前後の温度で空気を遮断した状態で蒸し焼きにされる。加熱された廃棄物20からは乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣が生成され分離される。そして乾留ガスは出口フード31を介してガス改質装置へ送られ、熱分解残渣は出口フード31を介して残渣冷却装置へ送られる。
【0052】
この過程で回転ドラム11の内部には付着物が成長する。この場合、回転ドラム11の入口側非加熱領域11a内に投入スクリュー22のスクリューケーシング23に連結チェーン40を介して連結された棒状の掻取板41が設けられているため、回転ドラム11の掻取板41が滑べることになり、回転ドラム11内に付着物が成長することはない。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態によれば回転ドラム11の内面に熱分解残渣などの付着物が成長して進行することはない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による熱分解炉装置の第1の実施の形態を示す全体構成図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明による熱分解炉装置を示す部分構成図。
【図4】図3のB線方向矢視図。
【図5】本発明による熱分解炉装置の第1の実施の形態の作用を説明する図。
【図6】本発明による熱分解炉装置の第1の実施の形態の作用を説明する図。
【図7】本発明による熱分解炉装置の第2の実施の形態を示す部分構成図。
【図8】図7のC線方向矢視図。
【図9】本発明による熱分解炉装置の第3の実施の形態を示す部分構成図。
【図10】図9のD線方向矢視図。
【図11】従来の熱分解処理システムを説明する構成図。
【符号の説明】
【0055】
10 熱分解炉装置
11 回転ドラム
11a 非加熱領域
11b 加熱領域
11c 温度計
11d 入口
11e 出口
12 タイヤ
14 ローラ
16 スプロケット
20 廃棄物投入スクリュー
23 スクリューケーシング
27 燃焼室
28a、28b、28c バーナ
33 掻取板
34 掻揚げ羽根
35 掻取チェーン
36 付着物
37 バッフル板
38 通過口
39 球状体
40 連結チェーン
41 掻取板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室と、
燃焼室を貫通して延び、被処理物を加熱して熱分解し、乾留ガスと不揮発性成分を主とする熱分解残渣とに分離する回転ドラムと、
燃焼室外側に位置する回転ドラムの入口側非加熱領域内に延びるとともに、スクリューケーシングを含む投入スクリューとを備え、
投入スクリューのスクリューケーシングに、回転ドラム内に延びる掻取機構を設けたことを特徴とする熱分解炉装置。
【請求項2】
掻取機構は回転方向に湾曲しながら半径方向外方へ延びる掻取板からなることを特徴とする請求項1記載の熱分解炉装置。
【請求項3】
燃焼室外側に位置する回転ドラムの入口側非加熱領域外面に、回転ドラムの表面温度を測定する温度計を取付けたことを特徴とする請求項1記載の熱分解炉装置。
【請求項4】
燃焼室内側に位置する回転ドラムの加熱領域内面に、半径方向内方へ延びて被処理物を掻揚げる掻揚げ羽根と、被処理物を掻取る掻取チェーンとが、円周方向に沿って複数配置されていることを特徴とする請求項1記載の熱分解炉装置。
【請求項5】
燃焼室内側に位置する回転ドラムの加熱領域内部に、被処理物を破砕する複数の球状体が配置されていることを特徴とする請求項1記載の熱分解炉装置。
【請求項6】
掻取機構はスクリューケーシングに、連結チェーンを介して連結され、回転ドラム内に載置された掻取板からなることを特徴とする請求項1記載の熱分解炉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−303737(P2007−303737A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132640(P2006−132640)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】