説明

熱及び振動安定性インスリン製剤

本発明は、インスリン、インスリン類似体、又はインスリン誘導体を含んでなり、そのレディーメードの製剤がインスリン、インスリン類似体、又はインスリン誘導体を固形物として適した溶媒に溶解することによって直接生じる、水性医薬製剤の調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を含んでなり、その即時使用可能な製剤(ready-to-use formulation)が固体形態のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を適した溶媒混合物に溶解することによって直接達成される、水性医薬製剤の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病を患っている人の数は、世界中で増えている。それらの多くはI型糖尿病患者と称するものであって、患者にとっては、内分泌性インスリン分泌不全の代替が、今のところ唯一可能な治療である。罹患した患者は、通常1日数回、死ぬまでインスリン注射に依存する。II型糖尿病は、インスリンの欠乏が、必ずしもあるわけではない点でI型糖尿病と対照的であるが、多くの場合、特に進行期には、必要に応じて、経口抗糖尿病薬と組み合わせたインスリンによる治療が、最も有益な治療形態と考えられる。
【0003】
健常人では、膵臓によるインスリンの放出は、血糖濃度と厳密に結びついている。食後に生じるような高められた血糖レベルは、インスリン分泌の対応する上昇によって急速に補われる。絶食状態では、血漿インスリンレベルは、インスリン感受性器官及び組織へのグルコースの連続的供給を確保するため、そして夜間の肝臓グルコース産生を低く保つために十分なベースライン値(base line value)まで低下している。外因性、通常、インスリンの皮下投与による内因性インスリン分泌の代替は、上記の血糖の生理学的調節の質に近付いていない。血糖が上方又は下方へ逸脱する場合がしばしばあり、そしてその最もひどい形では、これらの場合は致命的となりうる。しかしながら、さらに、初期症状なしに数年にわたって上昇した血糖値は、相当な健康リスクとなる。米国における大規模なDCCT研究(非特許文献1)は、慢性的に高い血糖値が後期糖尿病性合併症(late diabetic complications)を発症する原因となることを明白に示した。後期糖尿病性合併症は、網膜症、腎症又は神経障害として特定の状況で現れ、そして失明、腎不全、及び四肢の喪失に至り、そしてさらに心臓血管障害のリスク上昇に関連する微小血管及び大血管の損傷である。このことから推測することができるのは、糖尿病の改善された治療は、血糖をできるだけ生理学的範囲内の近くに保つことを主な目的にしなければならないということである。強化インスリン療法の概念によれば、これは、速効型及び遅効型インスリン製剤の1日数回の注射によって達成される。速効型製剤は、血糖の食後上昇を補うために食事時に与えられる。遅効型基礎インスリンは、低血糖にならないよう、特に夜間にインスリンの基礎供給を確保するためである。
【0004】
インスリンは、2つのアミノ酸鎖:21個のアミノ酸を有するA鎖及び30個のアミノ酸を有するB鎖に分けられる51個のアミノ酸からなるポリペプチドである。鎖は、2本のジスルフィド架橋によって結合している。インスリン製剤は、糖尿病治療において長年にわたって用いられてきた。このような製剤では、自然分泌インスリン(naturally occurring insulins)だけでなく、つい最近では、インスリン誘導体及びインスリン類似体も用いられている。
【0005】
インスリン類似体は、自然分泌インスリン、すなわち、ヒトインスリン又は動物インスリンの類似体であり、これは、本来存在する少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸で置換されている及び/又は少なくとも1つのアミノ酸残基が付加/欠失していることで、その他の点では同一の対応する自然分泌インスリンとは異なる。また、当該アミノ酸は、天然に存在しないアミノ酸であってもよい。
【0006】
インスリン誘導体は、化学修飾によって得られる、自然分泌インスリン又はインスリン類似体の誘導体である。化学修飾は、例えば、1つ又はそれ以上のアミノ酸への1つ又はそれ以上の定義された化学基の付加であってもよい。一般に、インスリン誘導体及びインスリン類似体の活性は、ヒトインスリンと比べていくらか変化している。
【0007】
作用開始が早められたインスリン類似体は、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載されている。特許文献1は、中でも、B27及びB28の置換に関する。特許文献3は、B29位においてグルタミン酸でなく異なるアミノ酸、好ましくはプロリンを有するインスリン類似体を記載している。特許文献2は、B28にリシン又はアルギニンを有するインスリン類似体を包含し、それはまた、B3及び/又はA21で場合により修飾されてもよい。
【0008】
特許文献4は、B3におけるアスパラギンの修飾及びA5、A15、A18又はA21位での少なくとも1つのさらなるアミノ酸の修飾によって化学修飾により保護されたインスリン類似体を記載している。
【0009】
一般に、インスリン誘導体及びインスリン類似体は、ヒトインスリンと比べていくらか変化した作用を有する。
【0010】
特許文献5は、B1〜B6位における少なくとも1つのアミノ酸がリシン又はアルギニンによって置換されたインスリン類似体を記載している。このようなインスリンは、特許文献5によれば、延長された効果を有する。また、遅延された効果は、特許文献6に記載されたインスリン類似体によって示されている。強化インスリン療法の概念は、基礎インスリンを早めに投与することで血糖値の安定な制御を目指すことによって健康に対するリスクを低下させることである。一般的な基礎インスリンの一例は、薬物ランタス(登録商標)(活性成分:インスリングラルギン=Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン)である。一般に、新しい改善された基礎インスリンの開発における目的は、低血糖事象の数を最小限にすることである。理想的な基礎インスリンは、少なくとも24時間、各患者において安全に作用する。理想的には、インスリン効果の開始が遅く、そしてかなり平らな時間/活性プロファイルを有し、それによって糖の短期的な供給不足のリスクを有意に最小限にし、そして食物が予め摂取されていなくても投与が可能である。基礎インスリンの供給は、インスリン活性ができるだけ長い間一貫して続く、すなわち、体に一定量のインスリンが供給されるときに有効である。その結果、低血糖事象のリスクは低くなり、そして患者に特有の及び日中に特有の(day-specific)変動性が最小限になる。そのため、理想的な基礎インスリンの薬物動態学的プロファイルは、遅延された作用開始及び遅延された作用、すなわち、長期持続性及び均一な作用を特徴としていなければならない。
【0011】
市場にあるインスリン置換のための自然分泌インスリンの製剤は、インスリンの由来(例えば、ウシ、ブタ、ヒトインスリン)、そしてまたそれらの組成において異なるため、活性プロファイル(作用開始及び時間)は影響を受けることがある。異なるインスリン製品の組み合わせを通して任意の非常に広く多様な活性プロファイルを得、非常に広い生理学的血糖値を用いることができる。今日では、組換えDNA技術により、この種の改質インスリンの製造が可能である。それには、延長された作用時間を有するインスリングラルギン(Gly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)ヒトインスリン)が含まれる。インスリングラルギンは、透明な酸性溶液の形態で注射され、そしてその溶解性に基づいて、皮下組織の生理学的pH範囲では安定な六量体会合体として沈殿する。インスリングラルギンは、1日1回注射され、そしてその平らな血清プロファイル、及びそれに伴う夜間低血糖のリスク低下のため他の長時間活性なインスリンと比較して注目すべきである(非特許文献2)。これまで記載された製剤と対照的に、作用時間が持続するインスリングラルギンの特定製剤は、酸性pHを有する透明溶液を特徴としている。しかしながら、インスリンは、特に酸性pHで安定性の低下、そして熱的及び物理的機械的負荷下で凝集傾向の増加を示し、そしてそれは混濁及び沈殿の形態(粒子形成)を呈することがある(非特許文献3)。
【0012】
2〜8℃での保存において、液体インスリン製剤は、約2年の保存期間(shelf life)を有する。使用における保存期間は、25℃までで保存が可能であり、4週間であると示されており;機械的ストレス(振動)を回避しなければならない。例外的な場合、「フィブリル(fibrils)」と称するものが形成されることで部分的にインスリンが沈殿することがありうるため、一般に、患者にとってはインスリン製剤が透明な溶液のままであることが保証されていなければならない。この結果として、薬物の十分な用量が確保されないリスクがある。
【0013】
従って、2型及び1型糖尿病を治療するため、熱安定性及び振動安定性の安定なインスリン、並びに熱安定性及び振動安定性の安定なインスリン製剤を開発する必要がある。これは、本明細書に記載された本発明の一部として達成された。本発明の2成分インスリン製剤は、その熱安定性及び機械的ストレスに対するその安定性においてその慣用の対応物とは異なる。市場で入手可能な液体インスリン製剤と対照的に、熱安定性及び振動安定性は、投与前の短時間までの固体形態におけるインスリンの保存に基づいている。固形インスリンが、溶解されたインスリンよりも熱ストレス下で分解(分子構造の変化)に対してより安定であることを示すことができた。さらに、溶解されたインスリンでは沈殿が起こり;これは、固体状態では起こりえない生物物理学的過程である。結果的に、相当する熱ストレスがあっても、溶解過程を熱ストレス後に行う場合、インスリン製剤からより生物学的に利用可能なインスリンが入手可能である。
【0014】
さらに、水性インスリン製剤は、機械的ストレス(振動)下でインスリンを沈殿させる傾向を示す。そのため、振動ストレス後の生物学的に利用可能なインスリンの量は、不明であり、患者の安全性を損なうことになる。さらに、熱安定性インスリン製剤は別として、機械的ストレス(例えば、振動)に関しても安定であるそれらの製剤が必要とされている。固形インスリンは、溶解されたインスリンより振動に対して安定であることを示すことができた。振動ストレスにおける沈殿の生物物理学的過程は、溶解されたインスリン中でのみ生じる。結果的に、相当する振動ストレスがあっても、溶解過程を振動ストレス後に行う場合、影響を受けない量で生物学的に利用可能なインスリンが入手可能である。
【0015】
インスリンは、例えば、抗殺細菌剤、等張化剤、緩衝物質及び/又は界面活性剤(=下の「溶媒」)のような補助剤及びアジュバントを含む水性系で市場において典型的に入手可能である。薬理学的製剤を製造するためのインスリンの溶解は、一般に、最初にインスリンを酸性的に溶解した後、さらなる工程において所望の濃度及びpHの溶液に調整することによって確実に行われる(非特許文献4)。
【0016】
別法として記載されるのは、アルカリ性範囲でインスリンを溶解した後にpHを調整することであり、それはインスリン製剤の一部においてわずかに高められた安定性を伴う(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】EP 0 214 826
【特許文献2】EP 0 375 437
【特許文献3】EP 0 678 522
【特許文献4】EP 0 419 504
【特許文献5】WO 92/00321
【特許文献6】EP−A 0 368 187
【特許文献7】WO 2004/096266
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】The Diabetes Control and Complications Trial Research Group (1993), N. Engl. J. Med. 329, 977-986
【非特許文献2】Schubert-Zsilavecz et al., 2:125-130 (2001)
【非特許文献3】Brange et al., J. Ph. Sci 86:517-525 (1997)
【非特許文献4】The Wellcome Foundation Limited te London, Octrooiraad Nederland, Octrooiaanvrage No. 6506714, 26.05.1965 “Werkwijze voor het bereidenvan insulinepreparaten”
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、いずれの場合も、即時使用可能なインスリン製剤を調製するためには、多段階の操作が必要であり、他の段階にはpHの調整が包含される。
【0020】
ここで驚くべきことに、インスリン(又はその類似体若しくは誘導体)を緩衝溶液と合わせ、そしてインスリン(又はその類似体若しくは誘導体)を溶解することで数分以内に即時使用可能なインスリン製剤が調製される、一段階法によって即時使用可能なインスリン製剤が調製可能であることが見出された。
【0021】
その結果、固形インスリンを溶解する過程は、例えば、2室アンプル(two-chamber ampoule)又は他の適切なデバイスで患者又は患者の介護者によってその場で行うことができる。妥当な時間(約10分)内に適切な溶媒及び濃度で完全にインスリンを溶解する対応する試みは、成功した。ここで達成された成功は、実質的に溶媒の適切なpHに左右される。溶媒(補助剤、添加剤、など)の基本的組成は、すでに市場にある製剤のものと全く異ならないか、又は必ずしも異ならない。
【0022】
従って、熱及び機械的ストレスに対して安定なインスリンは、以下の利点を提供する:
・冷却系(cooling chain)の必要がない
・暑い国でストックを保有するのがより簡単になる
・患者にとって薬物安全性が改善される
・一般に薬物の保存期間が延長される
・沈殿したインスリンを含むアンプルの返品が減る。
【0023】
本発明の2成分インスリン製剤は、上で定義された利点をもたらす。このように、適切な冷却装置を利用する手段がない又は不十分である患者が、インスリンのストックを保持することができる。気候の暑い国でのこのような製剤の使用は、同様に特に有益である。
【0024】
本発明の2成分インスリン製剤という意味で適したアンプルサイズを用いて、使用に必要な保存期間を最小限に減らすことができるようなやり方で患者にとってインスリン溶液の量を減らすことも可能である。これにより、m−クレゾール又は他のフェノールのような抗菌性アジュバントの添加を、例えば、減らすか又は完全に除くことが可能である。
【0025】
製剤は、すべての既知のインスリン、インスリン類似体、及びインスリン誘導体について調製することができる。
【0026】
これには、所望の基礎時間/活性プロファイルを有する製剤が含まれ、その際、インスリン類似体は、
・B鎖末端がリシン又はアルギニンアミドのようなアミド化された塩基性アミノ酸残基からなる、すなわち、B鎖末端のアミド化された塩基性アミノ酸残基において、末端アミノ酸のカルボキシル基がそのアミド化形態にあり、そして
・インスリンA鎖のN末端アミノ酸残基がリシン又はアルギニン残基であり、そして
・アミノ酸A8位がヒスチジン残基によって占有されており、そして
・アミノ酸A21位がグリシン残基によって占有されており、そして
・A5、A15、A18、B−1、B0、B1、B2、B3、及びB4位のそれぞれにおいて、酸性アミノ酸による中性アミノ酸の2つの置換、負に荷電されたアミノ酸残基の2つの付加、又は1つのこのような置換及び1つのこのような付加がある
という特性を特徴とする。
【0027】
従って、本発明は、即時使用可能な製剤が、固体形態のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を適した溶媒混合物で溶解することで直接達成される、好ましくは、その際、適した溶媒混合物の組成が
(a)pHにおいて異なり、そしてインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を含む製剤の最終的な賦形剤濃度に対応する賦形剤濃度を有する溶媒混合物を調製し、そして
(b)所望のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を溶解し、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の固形物を溶解した後、即時使用可能な製剤の所望のpHを生じる溶媒混合物を決定すること
によって決定される、インスリン、インスリン類似体若しくはインスリン誘導体、又はそれらの薬理学的に許容しうる塩を含む水性医薬製剤の調製方法を提供する。
【0028】
さらに、本発明は、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体が結晶性固体又は非晶質固体の形態をとる前記の方法を提供する。
【0029】
本発明は、インスリンがヒトインスリン、ブタインスリン及びウシインスリンからなる群より選ばれる前記の方法を提供する。
【0030】
さらに、本発明は、インスリン類似体が、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン、Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン、Asp(B28)ヒトインスリン、Lys(B28)Pro(B29)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンを含む群から選ばれる前記の方法を提供する。
【0031】
さらに、本発明は、インスリン類似体が式Iのインスリン類似体を含む群から選ばれ、
【化1】

ここで、
A0は、Lys又はArgであり;
A5は、Asp、Gln又はGluであり;
A15は、Asp、Glu又はGlnであり;
A18は、Asp、Glu又はAsnであり;
B−1は、Asp、Glu又はアミノ基であり;
B0は、Asp、Glu又は化学結合であり;
B1は、Asp、Glu又はPheであり;
B2は、Asp、Glu又はValであり;
B3は、Asp、Glu又はAsnであり;
B4は、Asp、Glu又はGlnであり;
B29は、Lys又は化学結合であり;
B30は、Thr又は化学結合であり;
B31は、Arg、Lys又は化学結合であり;
B32は、Arg−アミド、Lys−アミド又はアミノ基であり、
ここで、A5、A15、A18、B−1、B0、B1、B2、B3、及びB4を含む群の2つのアミノ酸残基は、同時に互いに独立して、Asp若しくはGlu、又はそれらの薬理学的に許容しうる塩であり、好ましくは、ここにおいて、インスリン類似体は、
【0032】
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Glu(A15),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Glu(A15),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B30),Arg(B31)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B30),Lys(B31)−NH2ヒトインスリン
を含む群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載された方法を提供する。
【0033】
さらに、本発明は、インスリン類似体が式IIのインスリン類似体を含むものから選ばれ、
【化2】

ここで、
A−1は、Lys、Arg又はアミノ基であり;
A0は、Lys、Arg又は化学結合であり;
A1は、Arg又はGlyであり;
A5は、Asp、Glu又はGlnであり;
A15は、Asp、Glu又はGlnであり;
A18は、Asp、Glu又はAsnであり;
A21は、Ala、Ser、Thr又はGlyであり;
B−1は、Asp、Glu又はアミノ基であり;
B0は、Asp、Glu又は化学結合であり;
B1は、Asp、Glu、Phe又は化学結合であり;
B3は、Asp、Glu又はAsnであり;
B4は、Asp、Glu又はGlnであり;
B29は、Arg、Lys又はアミノ酸Phe、Ala、Thr、Ser、Val、Leu、Glu若しくはAspを含む群から選ばれるアミノ酸、又は化学結合であり;
B30は、Thr又は化学結合であり;
B31は、Arg、Lys又は化学結合であり;
B32は、Arg−アミド又はLys−アミドであり、
ここで、A5、A15、A18、B−1、B0、B1、B2、B3及びB4を含む群からの1つを超えないアミノ酸残基は、同時に互いに独立して、Asp又はGluであり、好ましくは、ここにおいて、インスリン類似体は、
【0034】
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Arg(A1),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Arg(A1),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン
を含む群から選ばれる、前記の方法を提供する。
【0035】
さらに、本発明は、インスリン誘導体が、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−ミリストイルヒトインスリン、B29−N−パルミトイルヒトインスリン、B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン、B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B39)ヒトインスリン、B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンを含む群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法を提供する。
【0036】
さらに、本発明は、製剤が、フェノール、m−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、及びパラベンを含む群から選ばれる保存剤を含む前記の方法を提供する。
【0037】
さらに、本発明は、製剤が、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストロース、トレハロース、塩化ナトリウム、及びグリセリンを含む群から選ばれる等張化剤を含む前記の方法を提供する。
【0038】
さらに、本発明は、インスリン、インスリン類似体及び/又はインスリン誘導体が240〜3000nmol/mlの濃度で存在する前記の方法を提供する。
【0039】
さらに、本発明は、製剤が、グルカゴン様ペプチド−1(GLP1)若しくはその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3及び/若しくは−4、若しくはそれらの類似体、若しくは誘導体をさらに含み、好ましくは、その際、エキセンジン−4の類似体が、
H−desPro36−エキセンジン−4−Lys6−NH2
H−des(Pro36,37)−エキセンジン−4−Lys4−NH2及び
H−des(Pro36,37)−エキセンジン−4−Lys5−NH2
又はそれらの薬理学的に許容しうる塩を含む群から選ばれる、
前記の方法を提供する。
【0040】
さらに、本発明は、エキセンジン−4の類似体が、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−2(1−39)、
desPro36[Trp(O225,IsoAsp28]エキセンジン−2(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)及び
desPro36[Met(O)14Trp(O225,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
又はそれらの薬理学的に許容しうる塩を含む群から選ばれ、好ましくは、その際、ペプチドLys6−NH2が、エキセンジン−4の類似体のC末端に結合している前記の方法を提供する。
【0041】
さらに、本発明は、エキセンジン−4の類似体が
H−(Lys)6−des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
des Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225、Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
des Met(O)14Asp28 Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−Asn−(Glu)5 −des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又はそれらの薬理学的に許容しうる塩
を含む群から選ばれる前記の医薬製剤を提供する。
【0042】
さらに、本発明は、製剤が、Arg34,Lys26(Nε(γ−グルタミル(Nα−ヘキサデカノイル)))GLP−1(7−37)[リラグルチド]又はその薬理学的に許容しうる塩をさらに含む前記の方法を提供する。
【0043】
さらに、本発明は、製剤が亜鉛塩をさらに含む前記の方法を提供する。
【0044】
さらに、本発明は、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の工業的調製における前記の方法の使用を提供する。
【0045】
本発明は、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の熱安定性及び振動安定性保存のため、固形物を溶媒混合物中に溶解することによって即時使用可能な製剤を後で調製するための、一方の室が固体形態のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を含み、そしてもう一方の室が所定のpHを有し、かつインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の所望の製剤の最終的な賦形剤濃度を有する溶媒混合物を含む、2室注射システムをさらに提供する。
【0046】
本説明において、用語「処方物」及び「製剤」は、同義的に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ラットにおける式Iの新たなインスリン類似体の血糖低下効果を示す図である。
【図2】イヌにおける式Iの新たなインスリン類似体の血糖低下効果を示す図である。
【図3】イヌにおけるYKL205の血糖低下効果を示す図である。
【図4】イヌにおけるYKL205の血糖低下効果の亜鉛依存性を示す図である。
【図5】ラットにおける本発明の式IIのインスリン類似体の血糖低下効果を示す図である。
【図6】ラットにおけるインスリングラルギンの血糖低下効果を示す図である。
【実施例】
【0048】
以下の実施例は、本発明の概念を説明することを意図しており、なんら効果を限定するものではない。
【0049】
実施例1:一工程での簡略化されたインスリンの溶解(溶解試験)
インスリンは、市場では、例えば、抗殺細菌剤、等張化剤、緩衝物質及び/又は界面活性剤(=下の「溶媒」)のような補助剤及びアジュバントを含む水性系において典型的に入手可能である。薬理学的製剤を製造するためのインスリンの溶解は、一般に、最初にインスリンを酸性的に溶解した後、さらなる工程において溶液の所望の濃度及びpHに調整することによって確実に行われる(The Wellcome Foundation Limited te London, Octrooiraad Nederland, Octrooiaanvrage No. 6506714, 26.05.1965 “Werkwijze voor het bereiden insulinepreparaten”)。
【0050】
別法として、アルカリ性範囲でのインスリンの溶解が記載されており、インスリン製剤の一部においてわずかに高い安定性を伴う(WO 2004/096266 PCT/DK2004/000300, “Improved Physical Stability of Insulin Formulations”)。
【0051】
溶解試験:
インスリン溶解の複雑な手順(上記参照)を回避するため、一工程で市場に存在するそれらの処方物を得るようなやり方で、固体形態のインスリンを溶解することができるかどうかを測定する試験を実施した。目的は、市場の処方物の組成を保持することであり、換言すれば、すべての補助剤及び添加剤の濃度及びpHが含まれる。以下を研究した:
a.ランタス(登録商標)(補助剤及び添加剤 塩化亜鉛、m−メタクレゾール、グリセリン、pH4)
b.インスマン(登録商標)(補助剤及び添加剤 リン酸水素ナトリウム、m−メタクレゾール、グリセリン、pH7.3)
【0052】
2種のインスリン、ランタス(登録商標)及びインスマン(登録商標)について最終的な賦形剤濃度に対応して異なる溶媒混合物を調製した。溶媒のpHを変化させた。
a.ランタス(登録商標)では、必要な最終pH値のpH4で完全に溶解するために溶媒pH2.85が必要であった。溶解速度(最終体積1ml)は、10分未満であった。
b.インスマン(登録商標)では、必要な最終pH値のpH7.3で完全に溶解するために溶媒pH7.6が必要であった。溶解速度(最終体積1ml)は、10分未満であった。
【0053】
簡略化された溶解後のサンプルのLC−UV/MS分析及びその後のUVクロマトグラムの評価から市場の処方物と同一のスペクトル(保持時間及びピーク面積に関するm−メタクレゾール及びそれぞれのインスリンのUVシグナル)を得た。
【0054】
結論:一工程で、すなわち、酸性又はアルカリ性pHで予め溶解することなくインスリンを溶解することは可能である。確認された重要な要因は、溶媒のpHを特定の目標濃度に適応させることであり、そして、また、完成製品のpHを溶解すべきインスリンの固有のpH改変性(pH-modifying properties)の関数として適応させることである。これらの経験的に測定されたパラメーターを適応させると、適切な時間枠(<10分)内でインスリンの溶解手順を実施することが可能であった。
【0055】
実施例2:固形物の熱安定性(熱ストレス試験、振動試験、非晶質固形物)
水性インスリン製剤の熱安定性は、多くの研究の主題となっている(参照:A. Krogh, A.M. Hemmingsen, Biochem. J. (1928) 22, 1231-1238 “The destructive action of heat on insulin solutions”)。
【0056】
添加剤は、溶解されたインスリンの熱安定性にさまざまな影響を与えることが知られており、例は、亜鉛濃度又はpHである(N.R. Stephenson, R.G. Romans; Journal of Pharmacy and Pharmacology (1960), 12 372-376 “Thermal Stability of Insulin made from Zinc Insulin Crystals”)。
【0057】
補助剤及び添加剤のすべてを含む、社内の、市場準備ができた(market-ready)液剤の熱安定性の研究においては、本発明者ら自身の研究でも同様に、生物学的に活性なインスリン物質の喪失の主な原因として沈殿及び分解産物の形成が確認された(B.V. Fisher, P.B. Porter; J. Pharm. Pharmacol. (1981), 33 203-206 “Stability of bovine Insulin”)。
【0058】
これらの観察を基づいて、それぞれの固形インスリン(活性成分)についても使用された、即時使用可能な水性処方物に使用された商品名を用いて固形インスリンの熱安定性を試験した:
【0059】
熱ストレス試験:
I)種々の固形インスリンを異なる温度(50℃、60℃及び80℃)(明かりなし)で2週間保存した。
a.ランタス(登録商標)(結晶質);b.インスマン(登録商標)(結晶質);c.アピドラ(登録商標)(非晶質)
II)種々の固形インスリンを60℃で異なる時間(14日、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月)保存した。
a.ランタス(登録商標)(結晶質);b.インスマン(登録商標)(結晶質);c.アピドラ(登録商標)(非晶質)
III)Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリンアミド
及びランタス(登録商標)のいずれも非晶質状態の固形物を60℃で2週間保存した。
【0060】
熱ストレス期が終了した後、固形物を溶解し、市場の処方物のものと同一濃度にした。
【0061】
比較実施例として、同濃度のインスリン溶液を測定前に直接溶解した。
【0062】
さらに、市場に出る準備ができた製剤/容器中ランタス(登録商標)、インスマン(登録商標)及びアピドラ(登録商標)(供給源:製品)に60℃で14日間ストレスをかけた。比較実施例として、同じ製品バッチからの容器を4℃で保存し、そしてストレスをかけたサンプルと共に分析した。
【0063】
結論:14日間の固体形態での保存におけるインスリンの熱安定性は、温度依存性であることが立証された。安定性の程度は、インスリンに左右された。固体形態での保存は、市場に出る準備ができた溶液としての保存よりもより熱安定であることが立証された。
【0064】
(I)サンプルのLC−UV/MS分析及びその後のUVクロマトグラムの評価から以下の結果を得た:
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】

【0067】
結論:14日間の固体形態での保存におけるインスリンの熱安定性は、温度依存性であることが立証された。安定性の程度は、インスリンに左右された。固体形態での保存は、市場に出る準備ができた溶液としての保存よりもより熱安定であることが立証された。
【0068】
(II)サンプルのLC−UV/MS分析及びその後のUVクロマトグラムの評価から以下の結果を得た:
【0069】
【表3】

【0070】
結論:60℃で固体形態での保存におけるインスリンの熱安定性は、時間依存性であることが立証された。安定性の程度は、インスリンに左右された。
【0071】
(III)サンプルのLC−UV/MS分析及びその後のUVクロマトグラムの評価から以下の結果を得た:
【0072】
【表4】

【0073】
結論:60℃で固体形態での保存におけるインスリンの熱安定性は、時間依存性であることが立証された。安定性の程度は、インスリンに左右された。研究された長時間作用するインスリンは、いずれも非晶質状態で比較的熱安定性であることが同様に立証された。
振動試験:水性インスリン製剤は、振動に関して不安定であることが知られている(A. Oliva, J.B. Farina, M. Llabres; Int. J. Of Pharmaceutics (1996), 143 143-170 “Influence of temperature and shaking on stability of insulin preparations: degradation kinetics”)。
【0074】
種々のインスリン処方物を室温(明かりなし)、1400rpmで100時間振動させた。
【0075】
a)市場に出る準備ができた製剤/容器中のランタス(登録商標)、インスマン(登録商標)及びアピドラ(登録商標)(供給源:製品)
ランタス(ポリソルベート20なしのカートリッジ、ポリソルベート20なしのバイアル、ポリソルベート20入りのバイアル)、インスマン(登録商標)(カートリッジ、バイアル)、アピドラ(登録商標)(カートリッジ、バイアル)
b)固体形態のランタス(登録商標)、インスマン(登録商標)及びアピドラ(登録商標)(別々に振動させた:一工程で直接溶解するための溶媒;「固形インスリンの直接溶解」参照)。
【0076】
振動期の終了後、固形物(サンプルb)を溶解し、市場処方物のものと同一濃度にした。
【0077】
c)比較サンプルとして、対応する市場処方物を、室温、明かりなしで100時間保存した。
【0078】
サンプルのLC−UV/MS分析及びその後のUVクロマトグラムの評価から以下の結果を得た:(参照:サンプルc):
【0079】
【表5】

【0080】
結論:インスリン溶液における振動による機械的ストレスによりインスリンの沈殿が生じた。程度はインスリンに左右される:ここでは、インスマン(登録商標)が最も大きな不安定性を示した。機械的ストレスは、固形インスリンにおいてなんら有害な結果を示さなかった;同様に溶液を別々に振動したときでも固形物は、その後、100%程度まで溶解することができた。
【0081】
実施例3:可能な用途(インスリン製剤、二成分系の熱安定性及び振動安定性投与形態の工業用製造)
インスリン製剤の工業用製造:
一工程の溶解は、以下の利点を有する簡略化された方法である:工程がより少なく、実施すべき中間体分析(例えば、pH)がより少ない、すなわち、インスリン製剤の製造をより素早く行うことができる。さらに、製造があまり複雑でなく、被用者の訓練が簡略化される(あまり複雑でないSOP)。さらに、洗浄すべき容器がより少なく、さらに労働時間及び物質資源における節約が達成される。
【0082】
二成分系の熱安定性及び振動安定性投与形態:
固形インスリンは、熱ストレス下では長期間にわたっても、溶解されたインスリンより安定であることが見出された。少ない範囲で分解事例はあるが、沈殿損失がなく、そして相当する熱ストレスについては、溶解手順を熱ストレス後に行ったときに、より生物学的に利用可能なインスリンが入手可能であった。強い振動により誘発された固形インスリンの沈殿及び分解は、観察されなかった。
【0083】
従って、固体形態での投与は、一般により温度安定であり、そしてまた、振動に関してより強く、結果的により安全であると言うことができる。さらにまた、固体形態(粉末)のインスリンの投与では、患者による偶発的な凝固によりなんら合併症が起こることがなく;固形インスリンは、知られているように、凝固状態で保存されるというさらなる利点が得られる。
【0084】
可能な用途:溶解されたインスリンの代わりのインスリン粉末は、二成分系で適切な溶媒と共に提供される(一般に水性系は、例えば、抗殺細菌剤、等張化剤、緩衝物質、及び/又は界面活性剤=下の「溶媒」のような補助剤及び添加剤を含む)。2室系は、例えば、WO2007/038773 A1に記載されている。
【0085】
これにより許容しうる温度範囲が広がる(より低い及びより高い温度の両方向で)。さらに、例えば強い振盪のような機械的ストレスに対する安定性が高まる。結果的に、より長い保存期間、保存及び輸送のコスト削減、そしてより安全な薬物使用が予想される。
【0086】
一工程の簡略化された溶解では、患者によって使用される薬物について能力は確保される。
【0087】
実施例4:アミド化インスリン誘導体の処方物
実施例4〜8は、式Iのインスリン類似体の生物学的、薬理学的、及び物理化学的性質の測定にのみ役立ち、最初にその処方物の供給(実施例4)、次いで対応する試験の実施(実施例5〜8)が含まれる。化合物を含む溶液は、以下のように調製した:本発明のインスリン類似体を80μg/ml亜鉛(塩化亜鉛として)入りの1mM塩酸中240±5Mの目標濃度で溶解した。
【0088】
溶解媒体として用いた組成物は、以下の通りであった:
a)1mM塩酸
b)1mM塩酸、5μg/ml亜鉛(塩化亜鉛又は塩酸として加えた)
c)1mM塩酸、10μg/ml亜鉛(塩化亜鉛又は塩酸として加えた)
d)1mM塩酸、15μg/ml亜鉛(塩化亜鉛又は塩酸として加えた)
e)1mM塩酸、30μg/ml亜鉛(塩化亜鉛又は塩酸として加えた)
f)1mM塩酸、80μg/ml亜鉛(塩化亜鉛又は塩酸として加えた)
g)1mM塩酸、120μg/ml亜鉛(塩化亜鉛又は塩酸として加えた)
【0089】
この目的のため、分子量及び目標濃度に基づいて必要な量より約30%多い量の凍結乾燥物質を最初に計量した。その後、既存濃度を分析HPLCによって測定し、次いで、80μg/ml亜鉛入り5mM塩酸を用いて溶液を目標濃度の達成に必要な体積にした。必要に応じて、pHを3.5±0.1に再調整した。HPLCによる最終分析により240±5Mの目標濃度を確認した後、完成した溶液を、0.2μmフィルターアタッチメントを有するシリンジを用いて滅菌バイアル中に移し、これを隔壁及びクリンプキャップで閉じた。本発明のインスリン誘導体の短期の単一試験では、例えば等張化剤、保存剤又は緩衝物質の添加に関して処方物の最適化を行わなかった。
【0090】
実施例5:ラットにおける新たなインスリン類似体の血糖低下作用の評価
選ばれた新たなインスリン類似体の血糖低下効果を健康な雄血糖正常ウィスターラットにおいて試験した。雄ラットに用量9nmol/kgのインスリン類似体の皮下注射を行った。インスリン類似体の注射直前、そして注射後8時間までの間に一定間隔で血液サンプルを動物から採取し、そしてそれらの血糖含量を測定した。実験は、本発明のインスリン類似体が作用開始を有意に遅らせ、そして作用時間をより長く均一にすることを明らかに示している(図1参照)。
【0091】
実施例6:イヌにおける新たなインスリン類似体の血糖低下作用の評価
選ばれた新たなインスリン類似体の血糖低下効果を健康な雄血糖正常ビーグルにおいて試験した。雄の動物に用量6nmol/kgのインスリン類似体の皮下注射を行った。インスリン類似体の注射直前、及び注射後48時間までの間に一定間隔で、血液サンプルを動物から採取し、そしてそれらの血糖含量を測定した。実験は、使用した本発明のインスリン類似体が作用開始を有意に遅らせ、そして作用時間をより長く均一にすることを明らかに示している(図2参照)。
【0092】
実施例7:2倍増加した用量でのイヌにおける血糖低下作用の評価
選ばれた新たなインスリン類似体の血糖低下効果を健康な雄血糖正常ビーグルにおいて試験した。雄の動物に用量6nmol/kg及び12nmol/kgのインスリン類似体の皮下注射を行った。インスリン類似体の注射直前、及び注射後48時間までの間に一定間隔で、血液サンプルを動物から採取し、そしてそれらの血糖含量を測定した。実験は、使用した本発明のインスリン類似体が、用量依存的効果を有するが、用量を2倍増やしたにもかかわらず、効果プロファイルは平らであり、すなわち、顕著に低い点(最下点)が観察されなかったことを明らかに示している(図3参照)。このことから、本発明のインスリンは、知られているインスリンの遅延と比較して、低血糖事象が有意に少なくなることが推測されうる。
【0093】
実施例8:処方物中の異なる亜鉛濃度でのイヌにおける血糖低下効果の評価
実施例35に記載されたように実験を実施した。図4は結果を示す。それによれば、本発明のインスリン類似体の時間/活性曲線は、同濃度のインスリンを有する処方物において亜鉛イオンの量を通して影響を及ぼすことができ、このようなやり方では、0又は低い亜鉛含量では迅速な作用開始が観察され、そして作用が24時間にわたって持続するのに対して、より高い亜鉛量では、平らな作用開始が観察され、そしてインスリン効果が24時間よりかなり長く持続する。
【0094】
実施例9:アミド化インスリン誘導体の処方物
実施例9〜11は、式IIのインスリン類似体の生物学的、薬理学的及び物理化学的性質の測定にのみ役立ち、最初にその処方物の供給(実施例9)、次いで対応する試験の実施(実施例10及び11)が含まれる。本発明のインスリン類似体を、80μg/ml亜鉛(塩化亜鉛として)入りの1mM塩酸中240±5Mの目標濃度で溶解した。この目的のため、分子量及び目標濃度に基づいて必要な量より約30%多い量の凍結乾燥物質を最初に計量した。その後、既存濃度を分析HPLCによって測定し、次いで、80μg/ml亜鉛入りの5mM塩酸を用いて溶液を目標濃度の達成に必要な体積にした。必要に応じて、pHを3.5±0.1に再調整した。HPLCによる最終分析により240±5Mの目標濃度を確認した後、完成した溶液を、0.2μmフィルターアタッチメントを有するシリンジを用いて滅菌バイアル中に移し、これを隔壁及びクリンプキャップで閉じた。本発明のインスリン誘導体の短期の単一試験では、例えば等張化剤、保存剤又は緩衝物質の添加に関して処方物の最適化を行わなかった。
【0095】
実施例10:ラットにおける新たなインスリン類似体の血糖低下作用の評価
選ばれた新たなインスリン類似体の血糖低下効果を、健康な雄血糖正常ウィスターラットにおいて試験した。雄ラットに用量9nmol/kgのインスリン類似体の皮下注射を行った。インスリン類似体の注射直前、そして注射後8時間までの間に一定間隔で血液サンプルを動物から採取し、そしてそれらの血糖含量を測定した。実験は、本発明のインスリン類似体が作用開始を有意に遅らせ、そして作用時間をより長く均一にすることを明らかに示している(図5参照)
【0096】
実施例11:イヌにおける新たなインスリン類似体の血糖低下作用の評価
選ばれた新たなインスリン類似体の血糖低下効果を、健康な雄血糖正常ビーグルにおいて試験した。雄の動物に用量6nmol/kgのインスリン類似体の皮下注射を行った。インスリン類似体の注射直前、及び注射後48時間までの間に一定間隔で、血液サンプルを動物から採取し、そしてそれらの血糖含量を測定した。実験は、本発明のインスリン類似体が平らな作用開始を有意に遅らせ、そして作用時間をより長く均一にすることを明らかに示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリン、インスリン類似体若しくはインスリン誘導体、又はその薬理学的に許容しうる塩を含んでなり、その即時使用可能な製剤が、固体形態のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を適した溶媒混合物で溶解することで直接達成される、水性医薬製剤の調製方法。
【請求項2】
適した溶媒混合物の組成が、
(a)pHにおいて異なり、そしてインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を含んでなる製剤の最終的な賦形剤濃度に対応する賦形剤濃度を有する溶媒混合物を調製し、そして
(b)所望のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を溶解し、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の固形物を溶解した後、即時使用可能な製剤の所望のpHを生じる溶媒混合物を決定すること
によって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体が、結晶性固体又は非晶質固体の形態をとる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
インスリンが、ヒトインスリン、ブタインスリン及びウシインスリンからなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
インスリン類似体が、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン、Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン、Asp(B28)ヒトインスリン、Lys(B28)Pro(B29)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンを含む群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
インスリン類似体が、式I
【化1】

(式中、
A0は、Lys又はArgであり;
A5は、Asp、Gln又はGluであり;
A15は、Asp、Glu又はGlnであり;
A18は、Asp、Glu又はAsnであり;
B−1は、Asp、Glu又はアミノ基であり;
B0は、Asp、Glu又は化学結合であり;
B1は、Asp、Glu又はPheであり;
B2は、Asp、Glu又はValであり;
B3は、Asp、Glu又はAsnであり;
B4は、Asp、Glu又はGlnであり;
B29は、Lys又は化学結合であり;
B30は、Thr又は化学結合であり;
B31は、Arg、Lys又は化学結合であり;
B32は、Arg−アミド、Lys−アミド又はアミノ基であり、
ここで、A5、A15、A18、B−1、B0、B1、B2、B3、及びB4を含む群の2つのアミノ酸残基は、同時に互いに独立して、Asp若しくはGlu、又はそれらの薬理学的に許容しうる塩である)
のインスリン類似体を含む群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
インスリン類似体が、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Asp(A18),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Glu(A15),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Glu(A15),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A5),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Glu(A15),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Asp(B1),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Asp(B1),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B30),Arg(B31)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Asp(A18),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B30),Lys(B31)−NH2ヒトインスリン
を含む群から選ばれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
インスリン類似体が、式II
【化2】

(式中、
A−1は、Lys、Arg又はアミノ基であり;
A0は、Lys、Arg又は化学結合であり;
A1は、Arg又はGlyであり;
A5は、Asp、Glu又はGlnであり;
A15は、Asp、Glu又はGlnであり;
A18は、Asp、Glu又はAsnであり;
A21は、Ala、Ser、Thr又はGlyであり;
B−1は、Asp、Glu又はアミノ基であり;
B0は、Asp、Glu又は化学結合であり;
B1は、Asp、Glu、Phe又は化学結合であり;
B3は、Asp、Glu又はAsnであり;
B4は、Asp、Glu又はGlnであり;
B29は、Arg、Lys又はアミノ酸Phe、Ala、Thr、Ser、Val、Leu、Glu若しくはAspを含む群から選ばれるアミノ酸、又は化学結合であり;
B30は、Thr又は化学結合であり;
B31は、Arg、Lys又は化学結合であり;
B32は、Arg−アミド又はLys−アミドであり、
ここで、A5、A15、A18、B−1、B0、B1、B2、B3及びB4を含む群からの1つを超えないアミノ酸残基は、同時に互いに独立して、Asp又はGluである)のインスリン類似体を含む群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
インスリン類似体が、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A5),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Asp(A18),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Glu(A15),His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Asp(B3),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B4),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Glu(B0),Arg(B31),Lys(B32)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A−1),Arg(A0),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Arg(A1),His(A8),Gly(A21),Arg(B30)−NH2ヒトインスリン、
Arg(A0),Arg(A1),His(A8),Gly(A21),Lys(B30)−NH2ヒトインスリン、
His(A8),Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)−NH2ヒトインスリン
を含む群から選ばれる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
インスリン誘導体が、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−ミリストイルヒトインスリン、B29−N−パルミトイルヒトインスリン、B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン、B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B39)ヒトインスリン、B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンを含む群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
製剤が、フェノール、m−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、及びパラベンを含む群から選ばれる保存剤を含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
製剤が、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストロース、トレハロース、塩化ナトリウム、及びグリセリンを含む群から選ばれる等張化剤を含んでなる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
インスリン、インスリン類似体及び/又はインスリン誘導体が240〜3000nmol/mlの濃度で存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
製剤が、グルカゴン様ペプチド−1(GLP1)若しくはその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3及び/若しくは−4、若しくはそれらの類似体、若しくは誘導体をさらに含んでなる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
エキセンジン−4の類似体が、
H−desPro36−エキセンジン−4−Lys6−NH2
H−des(Pro36,37)−エキセンジン−4−Lys4−NH2及び
H−des(Pro36,37)−エキセンジン−4−Lys5−NH2
又はそれらの薬理学的に許容しうる塩
を含む群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
エキセンジン−4の類似体が、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−2(1−39)、
desPro36[Trp(O225,IsoAsp28]エキセンジン−2(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)及び
desPro36[Met(O)14Trp(O225,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
又はそれらの薬理学的に許容しうる塩を含む群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ペプチドLys6−NH2が、エキセンジン−4の類似体のC末端に結合している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
エキセンジン−4の類似体が、
H−(Lys)6−des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
des Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225、Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
des Met(O)14Asp28 Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−Asn−(Glu)5 −des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O225,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又はそれらの薬理学的に許容しうる塩
を含む群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
製剤が、Arg34,Lys26(Nε(γ−グルタミル(Nα−ヘキサデカノイル)))GLP−1(7−37)[リラグルチド]又はその薬理学的に許容しうる塩をさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
製剤が、亜鉛塩をさらに含んでなる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の工業的調製における請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項22】
インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の熱安定性及び振動安定性保存のため、請求項1〜20のいずれか1項に記載されたように、固形物を溶媒混合物に溶解することによって即時使用可能な製剤を後で調製するための、一方の容器が固体形態のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を含み、そしてもう一方の容器が所定のpHを有し、かつインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の所望の処方物の最終的な賦形剤濃度を有する溶媒混合物を含む、2部セットの容器。
【請求項23】
インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の熱安定性及び振動安定性保存のため、請求項1〜20のいずれか1項に記載されたように、固形物を溶媒混合物に溶解することによって即時使用可能な製剤を後で調製するための、一方の室が固体形態のインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体を含み、そしてもう一方の室が所定のpHを有し、かつインスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の所望の製剤の最終的な賦形剤濃度を有する溶媒混合物を含む、2室注射システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532177(P2012−532177A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518918(P2012−518918)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059430
【国際公開番号】WO2011/003820
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】