説明

熱源判定装置、情報処理装置、熱源判定方法およびプログラム

【課題】温度異常上昇が発生したときの保守作業を容易にすることができる
【解決手段】熱源判定装置320は、主処理部330に電力を供給する。熱源判定装置320の温度測定部は、温度センサ310が測定した主処理部330の温度を取得する。熱源判定装置320の電力供給制御部は、温度測定部が取得した温度が、異常高温であると判定したときは、主処理部330への電力供給を停止する。熱源判定装置320の熱源判定部は、温度測定部が取得する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が主処理部330にあるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源判定装置、情報処理装置、熱源判定方法およびプログラム、特に、情報処理装置内の温度を測定する熱源判定装置、情報処理装置、熱源判定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の温度異常上昇監視機構は、情報処理装置の筺体内に取り付けられた温度センサを具備しており、この温度センサは測定した温度が設定温度に達したことを検出する手段と、該設定温度より低い温度になったことを検出する手段とを具備している。そして、この温度異常上昇監視機構は、温度センサが設定温度に達したことを検出してから、一定期間内に設定温度より低い温度になったことを検出しなければ、温度異常上昇を警告する表示をするとともに、中央処理装置に通報している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−241673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の温度異常上昇監視機構にあっては、温度異常上昇を検出することはできるが、異常上昇の原因は分からない。このため、保守員が現場に出向いて異常上昇の原因を切り分ける調査をし、該調査により判明した原因に応じて保守するため、保守作業が煩雑になり、時間を要してしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、温度異常上昇が発生したときの保守作業を容易にすることができる熱源判定装置、情報処理装置、熱源判定方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の熱源判定装置は、情報処理装置に電力を供給する熱源判定装置であって、前記情報処理装置内の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、前記情報処理装置への電力供給を停止する電力供給制御部と、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定する熱源判定部とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の熱源判定装置は、上述の熱源判定装置であって、前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を停止してからの温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の熱源判定装置は、上述の熱源判定装置であって、温度と温度減少とを対応付けて記憶する記憶部を具備し、前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を停止したときの温度Tに最も近い温度Trefに対応する温度減少ΔTrefを前記記憶部から読出し、前記電力供給を停止してから一定時間経過したときの温度減少ΔTと、前記温度減少ΔTrefとを比較して異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の熱源判定装置は、上述の熱源判定装置であって、前記温度減少ΔTより前記温度減少ΔTrefの方が小さいときは、異常高温の原因は前記情報処理装置であると判定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の熱源判定装置は、上述の熱源判定装置であって、前記温度減少ΔTから前記温度減少ΔTrefを引いた値ΔTdが、予め決められた閾値α1より大きいときは、異常高温の原因は前記情報処理装置であると判定し、前記値ΔTdが前記閾値α1と該閾値α1より小さい値であり、予め決められた閾値α2との間にあるときは、異常高温の原因を特定できないと判定し、前記値ΔTdが、前記閾値α2より小さいときは、異常高温の原因は前記情報処理装置ではないと判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の熱源判定装置は、上述の熱源判定装置であって、前記電力供給制御部は、電力供給を停止した後に、予め決められた条件を満たしたときは、電力供給を再開し、前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を再開してからの温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の熱源判定装置は、上述のいずれかの熱源判定装置であって、前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信する判定結果送信部を具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報処理装置は、自装置内の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、自装置の主処理部への電力供給を停止する電力供給制御部と、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が自装置にあるか否かを判定する熱源判定部とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、上述の情報処理装置であって、前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信する判定結果送信部を具備することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の情報処理装置は、上述の情報処理装置であって、前記主処理部は、前記判定結果送信部を具備し、前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を停止してからの温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定し、前記電力供給制御部は、電力供給を停止した後、予め決められた条件を満たしたときは、前記主処理部への電力供給を再開し、前記判定結果送信部は、前記電力供給制御部が電力供給を開始すると、前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の熱源判定方法は、情報処理装置内の温度を測定する温度測定部を具備し、該情報処理装置に電力を供給する熱源判定装置における熱源判定方法であって、前記熱源判定装置が、前記情報処理装置内の温度を測定する第1の過程と、前記熱源判定装置が、前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、前記情報処理装置への電力供給を停止する第2の過程と、前記熱源判定装置が、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定する第3の過程とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のプログラムは、情報処理装置の温度を測定する温度測定部を具備し、該情報処理装置に電力を供給する熱源判定装置のコンピュータを、前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、前記情報処理装置への電力供給を停止する電力供給制御部、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定する熱源判定部として機能させる。
【0017】
また、本発明のプログラムは、自装置の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部が測定した温度が異常高温であると判定したときは、自装置の主処理部への電力供給を停止する電力供給制御部と、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記主処理部にあるか否かを判定する熱源判定部とを具備する情報処理装置の前記主処理部のコンピュータを、前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信する判定結果送信部として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、熱源判定部が、温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が情報処理装置にあるか否かを判定するので、異常高温の原因が情報処理装置にあるのか、それ以外の要因なのかを把握できるため、この要因に応じて保守作業の内容を決めることができ、保守作業を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による観測システムの構成を示す概略ブロック図である。本実施形態における観測システムは、渋滞予測を行なうために各地点における車両の走行量を観測する車両観測システムや、気象予報のために各地点における気象状態を観測する気象観測システムや、土砂崩れや地滑り予測のために各地点における地盤の歪みを観測する地盤観測システムなどの観測システムであり、センタサーバ100とネットワーク200と観測装置300とを具備する。センタサーバ100は、各観測装置300からの観測結果を受信し、本観測システムを制御する。観測装置300は、各観測地点に設置され、観測内容をセンタサーバ100に送信する情報処理装置である。ネットワーク200は、センタサーバ100と各観測装置300とを通信可能に接続する。
【0020】
図2は、観測装置300の構成を示す概略ブロック図である。観測装置300は、温度センサ310、熱源判定装置320、主処理部330を具備する。温度センサ310は、観測装置300の筺体内の温度、特に主処理部330の温度を測定する。熱源判定装置320は、温度センサ310の測定内容に影響を与えないように、主処理部330に比べて消費電力が充分に小さい、すなわち発熱量が充分に小さい装置である。熱源判定装置320は、コンピュータを具備しており、温度センサ310から測定結果を取得して異常高温のときは熱源の判定をするとともに、主処理部330に供給する電力を制御する。主処理部330は、観測システムの観測装置300として動作するための情報処理装置であり、図示しない各種センサによる測定を行い、該測定の結果をセンタサーバ100に送信する。主処理部330は、判定結果送信部331と通信部332とを具備する。判定結果送信部331は、熱源判定装置320による熱源の判定結果を通信部332を介してセンタサーバ100に送信する。この判定結果の送信は、後述する電力供給の再開時に行なわれる。通信部332は、ネットワーク200を介してセンタサーバ100と通信する。
【0021】
図3は、熱源判定装置320の構成を示す概略ブロック図である。熱源判定装置320は、温度測定部321と、電力供給制御部322と、記憶部323と、熱源判定部324とを具備する。温度測定部321は、温度センサ310が測定した観測装置300の筺体内の温度、特に主処理部330の温度を取得する。電力供給制御部322は、温度測定部321が測定した温度が、予め設定された閾値Tthを超えた場合に異常高温であると判定し、主処理部330への電力供給を停止する。電力供給制御部322は、電力供給を停止してから、例えば、10分など予め決められた時間が経過すると、主処理部330への電力供給を再開する。なお、この電力供給再開の条件は、経過時間ではなく、温度測定部321による測定結果が予め設定された温度より低くなったときとしてもよい。
【0022】
記憶部323は、熱源判定のために、主処理部330が正常状態で電力供給を停止されたときに、停止時の温度Trefと、停止から一定時間、例えば、10分経過したときの温度減少ΔTrefとを対応付けて時間特性リファレンスデータとして記憶している。すなわち、記憶部323は、熱源判定を行なうときの参照用に、主処理部330が正常なときの電力供給を停止されてからの温度の経時変化を予め記憶している。熱源判定部324は、温度測定部321が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が主処理部330にあるか否かを判定する。この判定は、具体的には、電力供給を停止したときの温度Tに最も近い温度Trefと該温度Trefに対応する温度減少ΔTrefとを記憶部323から読出し、電力供給を停止してから一定時間経過したときの温度減少ΔTと、温度減少ΔTrefとを比較して、温度減少ΔTより温度減少ΔTrefの方が小さいときは、異常高温の原因は主処理部330にあると判定し、それ以外のときは、主処理部330以外にあると判定する。
【0023】
この判定は、主処理部330が異常高温の原因であるときは、主処理部330が発している熱が正常時より多いため、主処理部330と外部との温度差が正常時より大きくなっており、電力供給が停止されて主処理部330が熱を発しなくなったときの温度減少が正常時より大きくなることに基づき行なわれている。
図4は、記憶部323が記憶する時間特性リファレンスデータの具体例を示す図である。図4に示すように、記憶部323は、電力供給停止時の温度Trefと電力供給停止時から一定時間経過後の温度減少ΔTrefとの組み合わせを、例えば、温度Tref「40℃」と温度減少ΔTref「9℃」、同様に「45℃」と「12℃」、「50℃」と「15℃」、「55℃」と「19℃」というように記憶している。
【0024】
図5は、本実施形態における観測装置300の動作を説明するフローチャートである。温度測定部321は、温度センサ310が測定した温度を取得する(S1)。電力供給制御部322は、温度測定部321が取得した温度が異常高温閾値Tthを越えているか否かを判定する(S2)。このステップS2において越えていないと判定したときは、ステップS1に戻って処理を繰り返す。また、このステップ2において越えていると判定したときは、電力供給制御部322は、主処理部330用電源を遮断して、主処理部330への電力供給を停止する(S3)。温度測定部321は、電力供給停止直後にタイムスタンプを初期化(t=0とする)して、そのときに温度センサ310が測定した温度T0を取得し、このタイムスタンプ(t=0)と測定した温度T0を図示しない熱源判定装置320の一時作業用メモリに格納する(S4)。
【0025】
予め決められた一定の時間tm、例えば、10分が経過すると、温度測定部321は、そのときに温度センサ310が測定した温度Tmを取得し(S5)、このときのタイムスタンプ(t=tm)と測定した温度Tmを図示しない一時作業用メモリに格納する(S6)。熱源判定部324は、一時作業用メモリから、タイムスタンプt=0の温度T0と、タイムスタンプt=tmの温度Tmとを取得し、その差であるT0−Tm=ΔTを算出する。さらに熱源判定部324は、温度T0に最も近い温度Trefに対応付けて記憶している温度減少ΔTrefを記憶部323から取得する。ここでは、温度T0=52℃、温度Tm=25℃、すなわち、温度減少ΔT=27℃であり、温度T0に最も近い温度Tref=50℃であり、対応する温度減少ΔTref=15℃であるとする。
【0026】
熱源判定部324は、測定温度の温度減少ΔT=27℃であるのに対し、記憶部323から取得した温度減少ΔTref=15℃であるので、ΔT>ΔTref、すなわち温度減少ΔTより温度減少ΔTrefの方が小さいので、異常高温の原因は主処理部330にあると判定する(S7)。電力供給制御部322は、電力供給を停止してから、一定時間(tmと同じにすると余計な待ち時間がなくなる)が経過すると、主処理部330への電力供給を再開する。主処理部330の判定結果送信部331は、主処理部330への電力供給が再開されると、熱源判定部324から判定結果を取得し、通信部332を介して、取得した判定結果をセンタサーバ100へ送信する(S8)。
【0027】
このように、主処理部330が異常高温の原因のときは、主処理部330と外部との温度差が正常時より大きくなっているため、電力供給停止してからの温度減少が正常時より大きくなることを利用して、記憶部323に予め記憶している正常時の温度減少と、温度センサ310により測定した温度減少とを比較して、測定した温度減少の方が大きければ異常高温の原因が主処理部330にあると判定することができる。これにより、いずれかの観測装置300にて異常高温が発生した際に、その原因が主処理部330にあるのか、それ以外の要因なのかを把握できるため、保守作業の内容を決めることができ、保守作業を容易にすることができる。
また、異常高温の原因の判定結果を、センタサーバ100に送信するので、原因をセンタサーバ100にて把握できるため、観測装置300の設置場所に保守員が出向かずに保守作業の内容を決めることができ、観測装置300が広域に分散して設置されていても、保守作業を容易にすることができる。
【0028】
なお、本実施形態において、熱源判定部324は、熱源判定装置320が具備するとして説明したが、主処理部330が具備しており、主処理部330への電力供給が再開されたときに、熱源判定装置320のメモリから温度測定部321による測定結果を取得して熱源判定を行い、該判定の結果を、判定結果送信部331が送信するようにしてもよい。これにより、熱源判定装置320の処理を最小限にして、消費電力を抑えることができる。
【0029】
また、本実施形態において、判定結果送信部331および通信部332は主処理部330が具備するとして説明したが、熱源判定装置320が具備するとしてもよい。この場合、熱源判定装置320の消費電力は本実施形態に比べて大きくなるが、熱源判定の結果を送信するために、主処理部330への電力供給を再開する必要がなくなる。
また、本実施形態において、熱源判定部324は、主処理部330の電力供給を停止した後の温度の経時変化に基づき異常高温の原因を判定しているが、電力供給の再開後の温度の経時変化に基づき異常高温の原因を判定してもよい。このときは、熱源判定部は、電力供給を再開してからの温度上昇が、記憶部に格納されている温度上昇より大きくなれば、主処理部330が異常高温の原因であると判定する。
【0030】
また、本実施形態において、熱源判定部324は、温度減少ΔTと温度減少ΔTrefとの大小関係に基づき、熱源を判定しているが、温度減少ΔTから温度減少ΔTrefを引いた値ΔTdが、予め決められた閾値α1より大きいときは、異常高温の原因は主処理部330であると判定し、値ΔTdが閾値α1と予め決められた閾値α2(α2<α1)との間にあるときは、異常高温の原因を特定できないと判定し、値ΔTdが、閾値α2より小さいときは、異常高温の原因は主処理部330ではないと判定するようにしてもよい。さらに、このとき、異常高温の原因を特定できないときは、電力供給制御部322が再度電力供給を停止して、ステップS3からステップS7の処理を再度行い、熱源判定を行なうようにしてもよい。なお、上述の閾値α2は、−α1であってもよい。
【0031】
なお、図3における温度測定部321、電力供給制御部322、熱源判定部324は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、これらの各部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0032】
また、図2における判定結果送信部331の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより判定結果の送信を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0033】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0034】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、車両観測システム、気象観測システム、地盤観測システムなどの観測装置などが広域に分散したシステムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の一実施形態による観測システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態における観測装置300の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態における熱源判定装置320の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態における記憶部323が記憶する時間特性リファレンスデータの具体例を示す図である。
【図5】同実施形態における観測装置300の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
100…センタサーバ
200…ネットワーク
300…観測装置
310…温度センサ
320…熱源判定装置
321…温度測定部
322…電力供給制御部
323…記憶部
324…熱源判定部
330…主処理部
331…判定結果送信部
332…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に電力を供給する熱源判定装置であって、
前記情報処理装置内の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、前記情報処理装置への電力供給を停止する電力供給制御部と、
前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定する熱源判定部と
を具備することを特徴とする熱源判定装置。
【請求項2】
前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を停止してからの温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の熱源判定装置。
【請求項3】
温度と温度減少とを対応付けて記憶する記憶部を具備し、
前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を停止したときの温度Tに最も近い温度Trefに対応する温度減少ΔTrefを前記記憶部から読出し、前記電力供給を停止してから一定時間経過したときの温度減少ΔTと、前記温度減少ΔTrefとを比較して異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定すること
を特徴とする請求項2に記載の熱源判定装置。
【請求項4】
前記温度減少ΔTより前記温度減少ΔTrefの方が小さいときは、異常高温の原因は前記情報処理装置であると判定することを特徴とする請求項3に記載の熱源判定装置。
【請求項5】
前記温度減少ΔTから前記温度減少ΔTrefを引いた値ΔTdが、予め決められた閾値α1より大きいときは、異常高温の原因は前記情報処理装置であると判定し、前記値ΔTdが前記閾値α1と該閾値α1より小さい値であり予め決められた閾値α2との間にあるときは、異常高温の原因を特定できないと判定し、前記値ΔTdが、前記閾値α2より小さいときは、異常高温の原因は前記情報処理装置ではないと判定することを特徴とする請求項3に記載の熱源判定装置。
【請求項6】
前記電力供給制御部は、電力供給を停止した後に、予め決められた条件を満たしたときは、電力供給を再開し、
前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を再開してからの温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の熱源判定装置。
【請求項7】
前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信する判定結果送信部を具備することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載の熱源判定装置。
【請求項8】
自装置内の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、自装置の主処理部への電力供給を停止する電力供給制御部と、
前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が自装置にあるか否かを判定する熱源判定部と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信する判定結果送信部を具備することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記主処理部は、前記判定結果送信部を具備し、
前記熱源判定部は、前記電力供給制御部が電力供給を停止してからの温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定し、
前記電力供給制御部は、電力供給を停止した後、予め決められた条件を満たしたときは、前記主処理部への電力供給を再開し、
前記判定結果送信部は、前記電力供給制御部が電力供給を開始すると、前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信すること
を特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置内の温度を測定する温度測定部を具備し、該情報処理装置に電力を供給する熱源判定装置における熱源判定方法であって、
前記熱源判定装置が、前記情報処理装置内の温度を測定する第1の過程と、
前記熱源判定装置が、前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、前記情報処理装置への電力供給を停止する第2の過程と、
前記熱源判定装置が、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定する第3の過程と
を備えることを特徴とする熱源判定方法。
【請求項12】
情報処理装置の温度を測定する温度測定部を具備し、該情報処理装置に電力を供給する熱源判定装置のコンピュータを、
前記温度測定部が測定した温度が、異常高温であると判定したときは、前記情報処理装置への電力供給を停止する電力供給制御部、
前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記情報処理装置にあるか否かを判定する熱源判定部
として機能させるプログラム。
【請求項13】
自装置の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部が測定した温度が異常高温であると判定したときは、自装置の主処理部への電力供給を停止する電力供給制御部と、前記温度測定部が測定する温度の経時変化に基づき、異常高温の原因が前記主処理部にあるか否かを判定する熱源判定部とを具備する情報処理装置の前記主処理部のコンピュータを、
前記熱源判定部の判定結果を、外部装置に送信する判定結果送信部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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