説明

熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置

【課題】熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体に情報を記録するための磁場を形成する記録部と、記録部に隣接して位置し、光を伝送して磁気記録媒体に向けて投射する導波路とを備え、導波路は、光入射面と、光入射面に入射された光の伝送方向に行くほど断面が狭くなるテーパ部と、テーパ部を通過した光が出射される光出射面と、を備えることを特徴とする熱補助磁気記録ヘッドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱補助磁気記録ヘッドに係り、さらに詳細には、光ビームを照射して磁気記録媒体を局所的に加熱する熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気情報記録分野で記録密度を向上させるための研究が活発に進められている。記録密度を向上させるためには、単位情報が記録される磁気記録媒体のビットサイズを小さくしなければならず、ビットを構成する結晶粒のサイズを小さくして、遷移ノイズを減らさねばならない。
【0003】
一方、磁気記録媒体に記録された情報が安定的に維持されるためには、磁気記録媒体の保磁力が大きくなければならない。しかし、保磁力の大きい磁気記録媒体は、磁気記録ヘッドで発生する磁場の強度の限界のため、記録が不可能になることもある。このような問題を解決するために、熱補助磁気記録ヘッドが考案された。熱補助磁気記録ヘッドとは、磁気記録媒体を局所的に加熱して保磁力を落として、前記磁気記録媒体を弱い磁場に容易に磁化させた磁気記録ヘッドを称す。近来には、光ビームを照射して磁気記録媒体を加熱する方式の熱補助磁気記録ヘッドについての研究が進められている。
【0004】
図1は、従来の熱補助磁気記録ヘッドを備えた記録装置の一例を概略的に示す図面であって、これを参照すれば、前記熱補助磁気記録ヘッド15は、記録装置1の作動中に磁気記録媒体2から浮上った状態を維持し、磁気記録媒体2の特定トラックに移動可能に設けられたスライダ10の一端部に形成されている。前記スライダ10は、磁気記録媒体2の対向面に空気軸受面(ABS:Air Bearing Surface)13が形成されている。記録装置1の動作中に、前記磁気記録媒体2は、高速回転し、これにより前記ABS 13と磁気記録媒体2との間には、高速の空気流動が誘発される。前記高速空気流動が前記ABS 13を通過しつつ、スライダ10を磁気記録媒体2から離隔させる方向に揚力が発生する。前記揚力と前記スライダ10を弾性支持するサスペンション(図示せず)の付勢力とが平衡をなす高さで、前記スライダ10は、浮上状態を維持する。
【0005】
前記熱補助磁気記録ヘッド15は、スライダ10の一側に設けられた導波路16と、前記導波路16の前面に形成されたグレーティングカップラー17とを備える。スライダ10の外部の光源(図示せず)から照射された光ビームLoは、グレーティングカップラー17によって導波路16に吸収されて、前記導波路16に沿って伝送されて磁気記録媒体2に向けて投射される(Lsを参照)。
【0006】
しかし、前記記録装置1は、光ビームLoをグレーティングカップラー17に対向させるための複雑なコリメーティング手段を備えねばならないという問題点がある。また、複雑なコリメーティング手段を備えたのにもかかわらず、前記スライダ10の微細な姿勢揺れ及び、相対的に大きい光ビームサイズのため、導波路16に吸収できず、光ビームの損失が大きいという問題点もある。また、導波路16に吸収できず、磁気記録媒体2に乱反射された光ビームLrが前記磁気記録媒体2の磁化状態に影響を及ぼしてノイズを形成することもあるという問題点もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、光ビームの伝送損失を減らすように設計された導波路を備えた熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明は、磁気記録媒体に情報を記録するための磁場を形成する記録部と、前記記録部に隣接して位置し、光を伝送して前記磁気記録媒体に向けて投射する導波路と、を備え、前記導波路は、光入射面と、前記光入射面に入射された光の伝送方向に行くほど断面が狭くなるテーパ部と、前記テーパ部を通過した光が出射される光出射面と、を備えることを特徴とする熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を提供する。
【0009】
望ましくは、前記導波路は、前記テーパ部の末端でS字状に屈曲される屈曲部をさらに備えうる。
【0010】
望ましくは、前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を下側面とすれば、前記光入射面は、前記熱補助磁気記録ヘッドの左側面または右側面に設けられ、前記磁気記録媒体から光入射面の下側端までの距離が前記磁気記録媒体から光出射面までの距離より大きいかまたは同じでありうる。
【0011】
望ましくは、前記導波路は、前記屈曲部の末端に光路を前記光出射面側に反射させるための光反射面をさらに備えうる。
【0012】
望ましくは、前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を下側面とすれば、前記光入射面は、前記熱補助磁気記録ヘッドの上側面に設けられる。
【0013】
望ましくは、前記熱補助磁気記録ヘッドは、前記磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生部をさらに備え、前記導波路は、前記記録部と再生部との間に設けられる。
【0014】
望ましくは、前記熱補助磁気記録ヘッドは、前記光出射面を通じて出射される光のエネルギー分布を変えて、強化された近接場を形成するナノアパーチャをさらに備えうる。
【0015】
一方、前記記録装置に備えられる光源から投射された光を前記熱補助磁気記録ヘッドに導く光伝送媒体は、その屈折率が中心から外郭に行くほど漸進的に小さくなるGRIN(Graded Index)ファイバを備えうる。
【0016】
望ましくは、前記光伝送媒体は、ステップインデックスファイバと、前記ステップインデックスファイバの末端に結合されたGRINレンズとを備えうる。
【0017】
望ましくは、前記光伝送媒体は、その末端に光路を前記光入射面側に反射させるための光反射面をさらに備えうる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、導波路の光入射面を拡張できて光カップリング過程で光損失を抑制しうる。また、光カップリングのための複雑なコリメーティング手段を必要としないので、構造を単純化しうる。
【0019】
また、本発明の望ましい実施例によれば、導波路のテーパ部が磁気記録媒体に向かって突出しないので、磁気記録媒体とスライダとの衝突による損傷可能性が増大する恐れはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例による熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を詳細に説明する。
【0021】
図2は、本発明の望ましい実施例による熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を示す斜視図であり、図3は、図2のサブヨーク上に形成された導波路を示した断面図であり、図4は、導波路の断面と光ファイバの断面とを比較して示す図面であり、図5は、図2のファイバと導波路との間の光カップリング構造を示す断面図である。
【0022】
図2及び図3を参照すれば、本発明の望ましい実施例による記録装置100は、磁気記録媒体101と、前記磁気記録媒体101から浮上した状態を維持し、磁気記録媒体101の特定トラックに移動可能に設けられたスライダ110と、前記スライダ110の一側に形成された熱補助磁気記録ヘッド120と、を備える。前記スライダ110は、サスペンション(図示せず)に付着支持されるが、前記サスペンションは、前記スライダ110を磁気記録媒体101に向かう方向に付勢する。前記スライダ110は、前記磁気記録媒体101の対向面にABS(図示せず)が形成されている。通常的に、前記スライダ110は、AlTiCから形成される。
【0023】
記録装置100の作動中に、前記磁気記録媒体101は、高速回転し、これにより、前記スライダ110のABSと磁気記録媒体101との間には、高速の空気流動が誘発される。前記高速空気流動が前記ABSを通過しつつ、スライダ110を磁気記録媒体101から離隔させる方向に揚力が発生する。前記揚力と前記サスペンションの付勢力とが平衡をなす高さで、前記スライダ110は、浮上状態を維持し、この状態で前記熱補助磁気記録ヘッド120によって磁気記録媒体101の特定トラックに/から情報を記録/再生する機能が行われる。磁気記録媒体101は、図1には示されていないが、スライダ110の下側にXY平面上に設けられ、スライダ110に対する磁気記録媒体101の相対運動方向は、X軸の正の方向である。
【0024】
前記熱補助磁気記録ヘッド120は、前記磁気記録媒体101に情報を記録するための磁場を形成する記録部122と、前記磁気記録媒体101に記録された情報を再生するための再生部145と、前記記録部122と再生部145との間に導波路130と、を備える。前記記録部122は、磁気記録媒体101に磁場を加えるメインポール124と、前記メインポール124と共に磁場の磁路を形成するリターンヨーク125と、前記メインポール124に磁場を誘導するコイル123と、を備える。前記メインポール124の下側に漏れる漏れ磁束によって、磁気記録媒体101が磁化して前記磁気記録媒体101に記録が行われる。前記再生部145は、一対の平行したシールド146と、前記一対のシールドの間に形成された巨大磁気抵抗センサーのような再生センサー148と、を備える。前記一対のシールドは、磁性物質であるFeNiで形成される。
【0025】
前記記録装置100は、光源105と、前記光源105から投射された光L1を熱補助磁気記録ヘッド120の導波路130まで導く光伝送媒体の一例であるGRINファイバ106と、をさらに備える。前記光源105は、レーザを投射するレーザダイオード(LD:Laser Diode)を含みうる。例えば、スライダ110に隣接した前記GRINファイバ106の末端部のように、前記GRINファイバ106の少なくとも一部は、スライダ110を支持するサスペンション(図示せず)に支持される。
【0026】
一方、前記メインポール124と再生部145との間には、サブヨーク127が形成されており、前記導波路130は、前記サブヨーク127と同じ層に積層形成されている。前記サブヨーク127は、メインポール124の磁場の集束効率を向上させて漏れ磁束を増大させる。図2に示されていないが、前記熱補助磁気記録ヘッド120の空いている空間には、アルミナ(Al)が充填されて保護層を形成する。
【0027】
前記導波路130は、GRINファイバ106を通過した光ビームL1が入射される光入射面131と、前記光ビームL1の伝送方向に行くほど断面が狭くなるテーパ部132と、前記テーパ部132の末端でS字状に屈曲される屈曲部134と、前記光ビームL1が磁気記録媒体101側に出射される光出射面138と、前記屈曲部134の末端に設けられた光反射面137と、を備える。
【0028】
前記導波路130は、図4Aに示したように、X軸方向よりZ軸方向の長さが相対的に長い長方形の断面を有する。これは、入射された光ビームL1の偏光率を高めるためのものであって、図4Aとは異なり、X軸方向の長さがZ軸方向の長さより相対的に長い長方形の断面であってもよい。
【0029】
しかし、前記GRINファイバ106は、図4Bに示したように、円形の断面を有する。このような断面形状の差によって、GRINファイバ106から出射されて導波路130に向かう光ビームL1の光カップリング過程で光ビームの損失が引き起こされるところ、前記導波路130は、このような光ビームの損失を減らせるようにテーパ部132を備える。前記テーパ部132は、前記光入射面131に入射された光ビームL1の伝送方向(Y軸の負(−)の方向)に行くほど断面が狭くなるように形成される。これにより、光入射面131の断面が従来に比べて広くなって、光カップリング過程での光損失が減少しうる。
【0030】
前記磁気記録媒体101と対面する熱補助磁気記録ヘッド120の一面を下側面とすれば、前記光入射面131は、熱補助磁気記録ヘッド120の左側面または右側面に設けられ、前記光ファイバ106の末端部は、前記光入射面131と隣接するように前記熱補助磁気記録ヘッド120の左側または右側に設けられる。
【0031】
図5を参照すれば、前記GRINファイバ106の末端の光反射面108は、光ファイバ106をその長手方向(X軸方向)に対して45°ほど傾斜して切開し、HR(High Reflect)コーティングして形成する。光源105(図2参照)から投射された光ビームL1は、GRINファイバ106の内部から伝送され、光反射面108で反射されてY軸の負(−)の方向に進んで導波路130の光入射面131に入射される。前記光反射面108が光ビームL1の進行方向を光入射面131に対向させるので、別途のコリメーティング手段が不要であるので、構造が単純になる。
【0032】
一方、光ビームのサイズが大きければ、光カップリング過程で各整列公差が小さくなると知られている。これは、光ビームのサイズが大きければ、光入射面131に入射される光ビームL1の入射角が微細に反れても、光損失が大きくなって光カップリング効率が低下することを意味する。前述したように、本発明の記録装置100は、GRINファイバ106から導波路130への光カップリング過程で光損失が減少するので、光損失を勘案して、光ビームのサイズを大きくする必要はない。したがって、前記各整列公差が従来に比べて相対的に大きくなって光カップリング効率が向上する。
【0033】
前記GRINファイバ106は、その屈折率が中心から外郭に行くほど漸進的に低下する光ファイバである。GRINファイバは、自体フォーカシング機能があって、光反射面108に反射されて光入射面131に向かう光ビームL1が光入射面131の中心に集中する。したがって、光カップリング過程で光損失をさらに減らせ、別途のフォーカシングレンズを必要としないので、構造をさらに単純化しうる。
【0034】
但し、前記光伝送媒体は、GRINファイバ106に限定されず、ステップインデックスファイバと、前記ステップインデックスファイバの末端に結合されたGRINレンズと、を備えて構成することも可能である。
【0035】
再び、図2及び図3を参照すれば、前記導波路130の屈曲部134は、テーパ部132の末端で始まって磁気記録媒体101に対面するサブヨーク127の下側面に近く延びる。前記屈曲部134の曲がった二地点135,136の曲率は、屈曲部134に沿って進行する光ビームL1の光損失が最小化するように適切に決まる。前記屈曲部134の末端の光反射面137は、GRINファイバ106の光反射面108(図5参照)と同様に、屈曲部134の長手方向(Y軸方向)に対して45°ほど傾斜して切開し、HRコーティングして形成する。前記光反射面137に反射された光ビームL1は、Z軸の負(−)の方向に進行して光出射面138を通じて出射される。
【0036】
前記S字状の屈曲部134は、磁気記録媒体101から光入射面131の下側端までの距離A1が磁気記録媒体101から光出射面138までの距離A2より大きいかまたは同一にする。前記屈曲部134がなければ、テーパ部132が磁気記録媒体101に過度に近接して記録装置100の作動中に磁気記録媒体101と衝突する可能性が大きくなるか、または光出射面138が磁気記録媒体101から過度に離隔されて磁気記録媒体101に照射される光ビームL1の強度が弱くなりうる。
【0037】
前記熱補助磁気記録ヘッド120は、導波路130の光出射面138の下側にナノアパーチャ140をさらに備える。前記ナノアパーチャは、導波路130を通じて伝送された光ビームL1の光エネルギー分布を変えて強化された近接場を形成する。
【0038】
図6は、本発明の他の望ましい実施例による熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を示す斜視図であり、図7は、図6のサブヨーク上に形成された導波路を示す断面図である。
【0039】
図6及び図7を参照すれば、本発明の他の望ましい実施例による記録装置200も図2及び図3に示された記録装置100と同様に、磁気記録媒体201と、前記磁気記録媒体201から浮上った状態を維持し、磁気記録媒体201の特定トラックに移動可能に設けられたスライダ210と、前記スライダ210の一側に形成された熱補助磁気記録ヘッド220と、を備え、前記スライダ210を支持すると同時に磁気記録媒体201に向かう方向に付勢するサスペンション(図示せず)を備える。前記スライダ210は、AlTiCで形成されている。
【0040】
前記熱補助磁気記録ヘッド220は、前記磁気記録媒体201に情報を記録するための磁場を形成する記録部222と、前記磁気記録媒体201に記録された情報を再生するための再生部245と、前記記録部222と再生部245との間に導波路230と、を備える。図2及び図3の熱補助磁気記録ヘッド120と同様に、前記記録部222は、メインポール224と、リターンヨーク225と、コイル223と、を備え、前記再生部245は、一対の平行したシールド246と、前記一対のシールドの間に設けられた再生センサー248とを備える。
【0041】
前記記録装置200は、光源205と、前記光源205から投射された光L2を熱補助磁気記録ヘッド220の導波路230まで導く光伝送媒体の一例であって、GRINファイバ206をさらに備える。前記GRINファイバ206は、スライダ210を支持するサスペンション(図示せず)に支持される。前記スライダ210は、前記サスペンションの下側面に付着支持される一方、前記光ファイバ206は、前記サスペンションの上側面に付着支持されて末端部で光ビームL2を導波路230に向けて投射する。
【0042】
一方、前記導波路230は、メインポール224と再生部245との間に位置したサブヨーク227内に形成されている。前記導波路230は、光ファイバ206を通過した光ビームL2が入射される光入射面231と、前記光ビームL2の伝送方向(Z軸の負(−)の方向)に行くほど断面が狭くなるテーパ部232と、前記テーパ部232の末端に前記光ビームL2が磁気記録媒体101側に出射される光出射面238と、を備える。
【0043】
前記磁気記録媒体201と対面する熱補助磁気記録ヘッド220の一面を下側面とすれば、前記光入射面231は、熱補助磁気記録ヘッド220の上側面に設けられ、前記GRINファイバ206の末端部は、前記光入射面231と隣接するように前記熱補助磁気記録ヘッド220の上側に設けられる。
【0044】
前記GRINファイバ206の末端の光反射面208は、GRINファイバ206をその長手方向(X軸方向)に対して45°ほど傾斜して切開し、HRコーティングして形成する。光源205から投射された光ビームL2は、GRINファイバ206の内部から伝送され、光反射面208から反射されてZ軸の負(−)の方向に進行して導波路230の光入射面231に入射される。但し、本発明のさらに他の実施例による記録装置200’を示した図8を参照すれば、前記光伝送媒体は、GRINファイバ206(図6参照)に限定されず、ステップインデックスファイバ207と、前記ステップインデックスファイバ207の末端に結合されたGRINレンズ209とを備えて構成されることも可能である。
【0045】
前記熱補助磁気記録ヘッド220は、前記光出射面238の下側にナノアパーチャ240をさらに備える。前記ナノアパーチャは、導波路230を通じて伝送された光ビームL2の光エネルギー分布を変えて強化された近接場を形成する。
【0046】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明されたが、それは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、磁気記録媒体関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】従来の熱補助磁気記録ヘッドを備えた記録装置の一例を概略的に示す図面である。
【図2】本発明の望ましい実施例による熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を示す斜視図である。
【図3】図2のサブヨーク上に形成された導波路を示す断面図である。
【図4A】導波路の断面を示す図面である。
【図4B】光ファイバの断面を示す図面である。
【図5】図2のファイバと導波路との間の光カップリング構造を示す断面図である。
【図6】本発明の他の望ましい実施例による熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を示す斜視図である。
【図7】図6のサブヨーク上に形成された導波路を示す断面図である。
【図8】本発明のさらに他の望ましい実施例による熱補助磁気記録ヘッド及びそれを備えた記録装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
100 記録装置
101 磁気記録媒体
105 光源
106 GRINファイバ
110 スライダ
120 熱補助磁気記録ヘッド
122 記録部
123 コイル
124 メインポール
125 リターンヨーク
127 サブヨーク
130 導波路
140 ナノアパーチャ
145 再生部
146 シールド
148 再生センサー
L1 光ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体に情報を記録するための磁場を形成する記録部と、前記記録部に隣接して位置し、光を伝送して前記磁気記録媒体に向けて投射する導波路と、を備え、前記導波路は、
光入射面と、前記光入射面に入射された光の伝送方向に行くほど断面が狭くなるテーパ部と、前記テーパ部を通過した光が出射される光出射面と、を備えることを特徴とする熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項2】
前記導波路は、前記テーパ部の末端でS字状に屈曲される屈曲部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項3】
前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を下側面とすれば、前記光入射面は、前記熱補助磁気記録ヘッドの左側面または右側面に設けられ、前記磁気記録媒体から光入射面の下側端までの距離が前記磁気記録媒体から光出射面までの距離より大きいかまたは同じであることを特徴とする請求項2に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項4】
前記導波路は、前記屈曲部の末端に光路を前記光出射面側に反射させるための光反射面をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項5】
前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を下側面とすれば、前記光入射面は、前記熱補助磁気記録ヘッドの上側面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項6】
前記磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生部をさらに備え、前記導波路は、前記記録部と再生部との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項7】
前記光出射面を通じて出射される光のエネルギー分布を変えて強化された近接場を形成するナノアパーチャをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項8】
磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体上に浮上可能に設けられ、前記磁気記録媒体に情報を記録するための熱補助磁気記録ヘッドと、光を投射する光源と、前記光源から投射された光を前記熱補助磁気記録ヘッドに導く光伝送媒体と、を備える記録装置において、
前記熱補助磁気記録ヘッドは、前記磁気記録媒体に情報を記録するための磁場を形成する記録部と、前記記録部に隣接して位置し、前記光伝送媒体を通過した光を吸収して前記磁気記録媒体に向けて投射する導波路と、を備え、前記導波路は、
前記光伝送媒体を通過した光が入射される光入射面と、前記光入射面に入射された光の伝送方向に行くほど断面が狭くなるテーパ部と、前記テーパ部を通過した光が出射される光出射面と、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項9】
前記導波路は、前記テーパ部の末端でS字状に屈曲される屈曲部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を下側面とすれば、前記光入射面は、前記熱補助磁気記録ヘッドの左側面または右側面に設けられ、前記磁気記録媒体から光入射面の下側端までの距離が前記磁気記録媒体から光出射面までの距離より大きいかまたは同じであることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記導波路は、前記屈曲部の末端に光路を前記光出射面側に反射させるための光反射面をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
【請求項12】
前記磁気記録媒体と対面する熱補助磁気記録ヘッドの一面を下側面とすれば、前記光入射面は、前記熱補助磁気記録ヘッドの上側面に設けられることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項13】
前記熱補助磁気記録ヘッドは、前記磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生部をさらに備え、前記導波路は、前記記録部と再生部との間に設けられたことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項14】
前記熱補助磁気記録ヘッドは、前記光出射面を通じて出射される光のエネルギー分布を変えて強化された近接場を形成するナノアパーチャをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項15】
前記光伝送媒体は、その屈折率が中心から外郭に行くほど漸進的に小さくなるGRINファイバを含むことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項16】
前記光伝送媒体は、ステップインデックスファイバと、前記ステップインデックスファイバの末端に結合されたGRINレンズと、を備えることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項17】
前記光伝送媒体は、その末端に光路を前記光入射面側に反射させるための光反射面をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−103063(P2008−103063A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240922(P2007−240922)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】