説明

燃料タンクの部品接合方法

【課題】タンク本体が再生層を有していても、HC透過量を抑制し且つ十分な接合強度をもって付属部品を接合させる。
【解決手段】端面15aがタンク外方へ向くとともに内周面15bが開口16を形成する環状壁部15を燃料タンク1に形成し、環状壁部15の外周側形状よりも大きな内周側形状を有する環状凸条42を熱板ヒータ41に設ける。環状凸条42に環状壁部15を囲繞させて熱板ヒータ41をタンク本体10の外面に押し当て、タンク本体10の溶融物を環状凸条42で堰き止めつつ、環状壁部15の端面15aと環状凸条42の周囲の加熱溶着可能層14とを溶融させる。ベントバルブ20は、HCバリア部分23を環状壁部15の端面15aのHCバリア層12に整合させた状態で加熱溶着可能部分24を環状壁部15の周囲の加熱溶着可能層14に溶着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクの部品接合方法に関し、特に合成樹脂製のタンク本体の開口に付属部品を溶着するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽量化が容易で高い生産性が得られる合成樹脂材の燃料タンクが種々開発されている。一般にブロー成型に用いられる高密度ポリエチレン(以下、HDPEと称する)は、炭化水素(HC)の不透過性(バリア性)が低いため、そのままガソリンタンク全体に適用することは大気汚染防止の観点から困難であり、エチレンビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと称する)などのHCに対するバリア性が高い材料をHDPE内にバリア層として介在させたものが一般的となっている。
【0003】
この種の合成樹脂製の燃料タンクにおいては、フィラーネックやベントバルブなどの付属部品をタンク本体に接合する場合、接合強度を確保したうえで接合部からのHC透過量を抑制する必要がある。HC透過量を抑制すべくバリア層に不連続部分が生じないようにした接合構造として、HDPEなどの加熱溶着可能材とHCバリア材との積層材からなる合成樹脂製燃料タンクに対し、外向きに凸となる膨出部を形成し、膨出部を単一の平面に沿って切除して開口を形成し、HCバリア材層と加熱溶着可能材層とが同心的に露出した切断端面に、付属部品のHCバリア材層を対向させた状態で付属部品を加熱溶着させるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−235624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、タンク本体の材料として純粋な(不純物の少ない)バージン材のHDPEではなく、不純物を多く含む再生材を用いることがある。ところが、再生材に付属部品を確実に接合することは困難なため、再生材を用いる場合には、付属部品を確実に溶着させるために、バリア層の外側に設けた再生材からなる再生層のさらに外側に純粋なHDPEからなる加熱溶着可能層を設け、加熱溶着可能層に付属部品を溶着することが考えられる。
【0006】
しかしながら、引用文献1の接合構造を上記再生層を有する燃料タンクに適用すると、膨出部を切断して形成した切断端面に露出する加熱溶着可能層の面積が小さくなるため、十分な接合強度を得ることができない。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、再生材からなる再生層を有する燃料タンクにおいても、HC透過量を抑制し且つ十分な接合強度をもって付属部品を接合することのできる燃料タンクの部品接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一側面によれば、燃料を収容する内層(11)、HCバリア層(12)、再生材からなる再生層(13)、および加熱溶着可能層(14)が内側からこの順に配置されたタンク本体(10)に付属部品(ベントバルブ20)を接合するための燃料タンク(1)の部品接合方法であって、端面(15a)がタンク外方へ向いて突出するとともに内周面(15b)が開口(16)を形成する環状壁部(15)を有するタンク本体を用意するステップと、環状壁部の端面に露出するHCバリア層に整合する位置にHCバリア部分(23)が環状に配置されるとともに、当該HCバリア部分の外側に加熱溶着可能部分(24)が配置された付属部品を用意するステップと、熱板ヒータ(41)を用意するステップと、熱板ヒータをタンク本体の外面に押し当て、環状壁部の溶融物が周囲に流れ出ないように、環状壁部の端面と環状壁部の周囲の加熱溶着可能層とを溶融させるタンク本体溶融ステップと、HCバリア部分が環状壁部の端面におけるHCバリア層と整合するように付属部品を配置し、加熱溶着可能部分を環状壁部の周囲の加熱溶着可能層に溶着させる溶着ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
この方法によれば、タンク本体を溶融させるときに、熱板ヒータによって溶融される環状壁部の溶融物が周囲に流れ出ることがなく、同じく溶融された環状壁部の周囲の加熱溶着可能層の溶融物が純粋な状態に維持される。そのため、付属部品を環状壁部の端面に露出したHCバリア層に当接させつつ、付属部品の加熱溶着可能部分を環状壁部の周囲の純粋な加熱溶着可能層に溶着させることができる。これにより、タンク本体と付属部品との接合部からのHC透過量を少なくすることができるとともに、付属部品のタンク本体に対する所望の接合強度を確保することができる。また、環状壁部の端面に露出する加熱溶着可能層を付属品加熱溶着可能部分に溶着させることも可能である。
【0010】
また、本発明の一側面によれば、熱板ヒータを用意するステップでは、その内周側形状が環状壁部の外周側形状よりも大きな環状凸条(42)を有するように熱板ヒータを形成し、タンク本体溶融ステップでは、環状凸条が環状壁部を囲繞するように熱板ヒータをタンク本体の外面に押し当て、環状壁部の溶融物を環状凸条で堰き止めることを特徴とする。
【0011】
この方法によれば、熱板ヒータに環状突条を形成するだけで、環状壁部の溶融物を環状凸条で堰き止めて流出を防止し、環状壁部の周囲の加熱溶着可能層の溶融物を純粋な状態に維持することができる。
【0012】
また、本発明の一側面によれば、タンク本体溶融ステップは、環状壁部の周囲において加熱溶着可能層を溶融させる第1タンク本体溶融ステップと、第1タンク本体溶融ステップの後に、環状壁部の端面において加熱溶着可能層を溶融させる第2タンク本体溶融ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
この方法によれば、環状壁部の周囲の加熱溶着可能層が先に溶融されるため、後に溶融される環状壁部の溶融物が環状壁部の周囲に流れ出ることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の一側面によれば、熱板ヒータを用意するステップでは、その内周側形状が環状壁部の外周側形状よりも大きく且つ環状壁部よりも高い環状凸部(43)を有するように熱板ヒータを形成し、第1タンク本体溶融ステップは、環状凸部が環状壁部を囲繞するように熱板ヒータをタンク内方へ移動させ、環状凸部の先端面(43a)をタンク本体の外面に当接させて加熱溶着可能層を溶融させるものであり、第2タンク本体溶融ステップは、熱板ヒータを更にタンク内方へ移動させ、熱板ヒータを環状壁部の端面に当接させて加熱溶着可能層を溶融させるものであることを特徴とする。
【0015】
この方法によれば、熱板ヒータ41をタンク内方へ移動させることで、環状凸部の先端面を環状壁部の周囲の加熱溶着可能層に当接させて当該部分を溶融させた後に、熱板ヒータの内側部分を環状壁部の端面に当接させて当該部分を溶融させることができ、環状壁部の溶融物が周囲に流れることを環状凸部で防止することができる。
【0016】
また、本発明の一側面によれば、熱板ヒータを用意するステップでは、環状を呈し、その内周側形状が環状壁部の外周側形状よりも大きな第1熱板ヒータ(41a)と、第1熱板ヒータの内側に配置される第2熱板ヒータ(41b)とを有するように熱板ヒータを形成し、第1タンク本体溶融ステップは、環状壁部を囲繞するように第1熱板ヒータをタンク内方へ移動させ、タンク本体の外面に当接させて加熱溶着可能層を溶融させるものであり、第2タンク本体溶融ステップは、第2熱板ヒータをタンク内方へ移動させ、環状壁部の端面に当接させて加熱溶着可能層を溶融させるものであることを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、第1熱板ヒータをタンク内方へ移動させることで、第1熱板ヒータを環状壁部の周囲の加熱溶着可能層に当接させて当該部分を溶融させた後に、第2熱板ヒータを環状壁部の端面に当接させて当該部分を溶融させることができ、環状壁部の溶融物が周囲に流れることを第1熱板ヒータで防止することができる。
【0018】
また、本発明の一側面によれば、付属部品を用意するステップでは、加熱溶着可能部分がHCバリア部分よりも突出するように付属部品を形成し、熱板ヒータを付属部品に押し当て、加熱溶着可能部分を溶融させてHCバリア部分の環状の端面を覆わせる付属部品溶融ステップを更に有し、溶着ステップでは、HCバリア部分と環状壁部の端面におけるHCバリア層との間に溶融した加熱溶着可能部分を介在させたことを特徴とする。
【0019】
この方法によれば、溶融した加熱溶着可能部分が、HCバリア層とHCバリア部分との間に充填された状態でHCバリア部分と内層とに溶着することとなるため、加工誤差などによってHCバリア層とHCバリア部分との間に空隙が生じてHC透過量が増大するのを防止できるとともに、付属部品のタンク本体に対する接着強度をさらに高めることができる。
【0020】
また、本発明の一側面によれば、タンク本体を用意するステップは、タンク外方へ向けて突出する凸部(ドーム部19)を有するようにタンク本体を成形するステップと、凸部を切断除去することにより、タンク本体に環状壁部を形成するステップとを有することを特徴とする。
【0021】
この方法によれば、内層、HCバリア層、再生層、および加熱溶着可能層を有するタンク本体を、ブロー成形によって凸部を有するように容易に成形することができ、凸部を切断除去することにより、端面がタンク外方へ向くとともに内周面が開口を形成する環状壁部を容易にタンク本体に形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
このように本発明によれば、タンク本体に再生材からなる再生層が設けられても、HC透過量を抑制し且つ十分な接合強度をもって付属部品をタンク本体に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る接合方法により製造された燃料タンクの要部断面図
【図2】図1に示したタンク本体の製造手順の説明図
【図3】図1に示した燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【図4】図1に示した燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【図5】第1実施形態の変形例による燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【図6】第2実施形態に係る接合方法により製造された燃料タンクの要部断面図
【図7】第2実施形態に係る燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【図8】第2実施形態に係る燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【図9】第2実施形態の変形例による燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【図10】第3実施形態に係る燃料タンクの付属品接合手順の説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る燃料タンク1の部品接合方法およびこれにより製造された燃料タンク1について、いくつかの実施形態を挙げて図面を参照しながら説明する。
【0025】
≪第1実施形態≫
図1に示すように、燃料タンク1は、タンク本体10と、タンク本体10の上面に形成された開口16を塞ぐようにタンク本体10に接合された付属部品としてのベントバルブ20とを有している。
【0026】
タンク本体10は、ブロー成形によって製造され、内側から順に、燃料を収容するHDPEからなる内層11、EVOHからなるHCバリア層12、HDPEを主材料とする再生材からなる再生層13、およびHDPEからなる加熱溶着可能層14が配置された4層構造をなしている。なお、内層11とHCバリア層12との間、およびHCバリア層12と再生層13との間には、両層の接着性を確保するために図示しない接着層が形成されているが、接着層は複層構造を実現するためのタンク本体10の補助的機能を果たすものであるため、ここでは接着層を層と捉えないものとし、その説明も省略する。
【0027】
タンク本体10の開口16の周囲には、端面15aがタンク外方へ向くとともに内周面15bが開口16を形成する環状壁部15が形成されている。この環状壁部15の周囲には、上面(外面)が環状壁部15の端面15aと同じ高さに延在するとともに、その周囲に比較してタンク外方へ膨出した環状膨出部18が形成されている。
【0028】
なお、本実施形態では、その周辺部位(ベントバルブ20との接合領域に対する周辺部位)に比較してタンク外方へ膨出する環状膨出部18が形成されているが、環状膨出部18を形成せずに、環状壁部15の端面15aが単一平面状に形成されたタンク本体10の上面と同じ高さとなるようにすることもできる。
【0029】
ベントバルブ20は、射出成形によって製造され、バルブ本体21と、バルブ本体21を支持するとともに開口16を閉塞する蓋部22と、蓋部22の上面から延出するように一体形成され、キャニスターに接続される図示しないベントパイプとの接続に供されるノズル部25とを有している。蓋部22は、2色成形によって内側に環状に配置され、ポリアミド系樹脂(以下、PAと称す。)などのHCに対するバリア性が高い材料からなるHCバリア部分23と、外側に配置され、HDPEや変性ポリエチレンなどからなる加熱溶着可能部分24とを有しており、下端が開放された蓋付き筒形状をなしている。また、ノズル部25も、2色成形によって内側にバリア性の高い材料が配置され、外側にHDPEなどが配置されている。
【0030】
蓋部22のタンク本体10との接合面、すなわち筒状部分の下面は、タンク本体10の上面に沿う単一平面となっており、この単一平面においてHCバリア部分23および加熱溶着可能部分24が同心状に露出し、HCバリア部分23は、環状壁部15の端面15aに露出するHCバリア層12に対抗(整合)する位置に配置されている。
【0031】
ベントバルブ20は、タンク本体10の環状壁部15の端面15aに露出するHCバリア層12にHCバリア部分23を対向(整合)させた状態で、加熱溶着可能部分24がタンク本体10の加熱溶着可能層14に溶着されることでタンク本体10に接合されている。より具体的には、ベントバルブ20の加熱溶着可能部分24は、タンク本体10の環状膨出部18の上面において加熱溶着可能層14に加熱溶着された第1環状溶着部31と、タンク本体10の環状壁部15の端面15aにおいて加熱溶着可能層14に加熱溶着された第2環状溶着部32とをもって溶着されている。
【0032】
次に、この燃料タンク1の製造方法を説明する。図2の(A)に示すように、環状膨出部18の内側にタンク外方へ向けて突出するドーム部19を有するように4層構造のタンク本体10をブロー成形する。その後、図2の(B)に示すように、可能な限り環状膨出部18の上面高さに近い高さでドーム部19を切断除去することにより、端面15aがタンク外方へ向くとともに内周面15bが開口16を形成する環状壁部15を有するタンク本体10を形成する。なお、図2においては、各層11〜14の図示を省略してタンク本体10の輪郭のみを示している。
【0033】
なお、ドーム部19を切断する場合、円形の切断刃を回転させる回転式切断装置を用いることが考えられるが、環状膨出部18の上面と同じ高さで切断すると、環状膨出部18が傷ついて溶着が不完全になる虞があるため、環状膨出部18に切断刃が接触しないように環状膨出部18よりも若干高い位置でドーム部19を切断するのが望ましい。また、切断刃の回転軸が切断刃よりも突出する回転式切断装置を用いる場合には、回転軸が接触することでタンク本体10が傷つくことがないように、ベントバルブ20が接合される部位をタンク外方へ突出させて環状膨出部18を形成することで、ドーム部19を環状膨出部18の上面と略同じ高さで切断することができる。
【0034】
次に、図3の(C)に示すように、その内周側形状が環状壁部15の外周側形状よりも大きな環状凸条42を有する平板状の熱板ヒータ41を用意する。なお、環状凸条42の突出高さは環状壁部15の端面15aと環状膨出部18の上面との高低差よりも大きくなるようにする。
【0035】
その後、図3の(D)に示すように、環状凸条42が環状壁部15を囲繞するように熱板ヒータ41をタンク本体10の上面に押し当てる。すると、熱板ヒータ41は、まず環状凸条42が環状壁部15を取り囲んだ状態で環状膨出部18に当接し、次に環状壁部15の端面15aに当接し、タンク本体10を溶融させる。つまり、先に溶融して環状壁部15の周囲に流出しようとするタンク本体10の溶融物が環状凸条42により堰き止められた状態となる。
【0036】
さらに熱板ヒータ41を押し下げると、図3の(E)に示すように、環状壁部15の溶融物を環状凸条42で堰き止めつつ、熱板ヒータ41が環状凸条42の周囲においても環状膨出部18に当接し、環状壁部15の周囲の加熱溶着可能層14を溶融させる。
【0037】
一方、これらの手順と平行して、図4の(F)に示すように、蓋部22のタンク本体10との接合面(筒状部の下面22a)に、2色成形により内側にHCバリア部分23が環状に配置されるとともに、HCバリア部分23の外側に環状の加熱溶着可能部分24が配置されたベントバルブ20を用意する。そして、図4の(G)に示すように、蓋部22の下面22aを熱板ヒータ41の平坦な上面に当接させて溶融させる。
【0038】
その後、図4の(H)に示すように、ベントバルブ20を、HCバリア部分23が環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12と対抗(整合)するように配置し、蓋部22の下面22aを環状壁部15の端面15aおよび環状膨出部18の上面に接触させて押圧した後、大気中に放置して冷却する。これにより、ベントバルブ20の加熱溶着可能部分24が、タンク本体10の環状膨出部18の上面における第1環状溶着部31と、タンク本体10の環状壁部15の端面15aにおける第2環状溶着部32とをもって加熱溶着可能層14に溶着される。
【0039】
このようにして得られた燃料タンク1によれば、環状壁部15の端面15aに露出したHCバリア層12とHCバリア部分23とが略密着し、HCバリア材の不連続部分が生じないため、タンク本体10とベントバルブ20との接合部からのHC透過量を少なくすることができる。また、環状膨出部18の加熱溶着可能層14の溶融物が純粋な状態に維持され、加熱溶着可能部分24が所定の接合面積を有する第1環状溶着部31をもって純粋な加熱溶着可能層14に溶着されるため、ベントバルブ20のタンク本体10に対する接合強度を所望に得ることができる。さらに、加熱溶着可能部分24を、第1環状溶着部31だけでなくその内側の第2環状溶着部32をも介して加熱溶着可能層14に溶着させることができる。
【0040】
一方、タンク外方へ向けて突出するドーム部19を有するようにタンク本体10を成形した後に、ドーム部19を切断除去することで環状壁部15を形成するようにしたことにより、4層構造のタンク本体10をブロー成形によって容易に成形可能とし、端面15aがタンク外方へ向くとともに内周面15bが開口16を形成する環状壁部15を容易にタンク本体10に形成することができる。
【0041】
また、環状壁部15の端面15aをタンク本体10の上面と面一にするためには、タンク本体10が損傷を受ける虞や、切断処理を2回行うなどといった加工工数増大の虞があるが、環状壁部15の端面15aを環状膨出部18の上面よりもタンク外方に位置させ、先に溶融して環状壁部15の周囲に流出しようとするタンク本体10の溶融物を環状凸条42で堰き止めるようにしたことにより、タンク本体10に損傷を与えずに環状壁部15を容易に加工することができ、環状壁部15の溶融物が環状膨出部18に流れ込んでベントバルブ20の接合強度が低下することを防止できる。
【0042】
<変形例>
次に、図5を参照して上記実施形態の変形例を説明する。なお、図5は、上記実施形態の図4に対応するものであり、本変形例においても図2および図3に関連して説明した手順に変更はないため、重複する説明は省略する。本変形例においては、図2および図3の手順と平行して、図5の(F)に示すように、蓋部22のタンク本体10との接合面(筒状部の下面22a)に、2色成形により内側にHCバリア部分23が環状に配置されるとともに、HCバリア部分23の外側にHCバリア部分23よりも下方へ突出した環状の加熱溶着可能部分24が配置されたベントバルブ20を用意する。そして、図5の(G)に示すように、蓋部22の下面22aを熱板ヒータ41の平坦な上面に当接させて溶融させ、加熱溶着可能部分24の溶融材をHCバリア部分23の下方へ回り込ませ、その環状の端面を覆わせる。
【0043】
その後、図5の(H)に示すように、ベントバルブ20を、加熱溶着可能部分24の溶融材を介してHCバリア部分23が環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12と整合するように配置し、蓋部22の下面22aを環状壁部15の端面15aおよび環状膨出部18の上面に接触させて押圧した後、大気中に放置して冷却する。これにより、ベントバルブ20の加熱溶着可能部分24が、環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12に当接した状態で、タンク本体10の環状膨出部18の上面における第1環状溶着部31と、タンク本体10の環状壁部15の端面15aにおける第2環状溶着部32とをもって加熱溶着可能層14に溶着される。
【0044】
このようにして得られた燃料タンク1によっても、HCバリア層12とHCバリア部分23との非連続部分、すなわち両者に挟まれた加熱溶着可能部分24の厚さtが小さいために、再生層13や加熱溶着可能層14を透過してタンク外方へ透過するHC透過量を抑制することができる。また、環状膨出部18の加熱溶着可能層14の溶融物が純粋な状態に維持され、加熱溶着可能部分24が所定の接合面積を有する第1環状溶着部31をもって純粋な加熱溶着可能層14に溶着されるため、ベントバルブ20のタンク本体10に対する接合強度を所望に得ることができる。さらに、加熱溶着可能部分24を、第1環状溶着部31だけでなくその環状形状の内側に位置する第2環状溶着部32をも介して加熱溶着可能層14に溶着させることができる。
【0045】
さらに、溶融した加熱溶着可能部分24が、HCバリア層12とHCバリア部分23との間に充填された状態で、環状壁部15の端面15aにおいて第3環状溶着部33をもって内層11に溶着することとなるため、加工誤差などによってHCバリア層12とHCバリア部分23との間に空隙が生じてHC透過量が増大するのを防止できるとともに、ベントバルブ20のタンク本体10に対する接着強度をさらに高めることができる。
【0046】
≪第2実施形態≫
次に、図6〜図9を参照して第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。
【0047】
図6に示すように、本実施形態では、タンク本体10の開口16の周囲には、端面15aがタンク外方へ向くとともに内周面15bが開口16を形成する環状壁部15が形成されている。この環状壁部15の周囲では、タンク本体10の上面(外面)が環状壁部15の端面15aに比較してタンク内方へ凹んだ位置に延在している。言い換えれば、環状壁部15が端面15aをタンク外方へ突出させた態様でタンク本体10に形成されている。なお、タンク本体10の製造方法は、図2を参照して説明した第1実施形態と同じである。
【0048】
本実施形態では、ベントバルブ20の蓋部22は、外周側が下方へ(タンク内方へ)向けて突出した環状凸部26を備えており、蓋部22のタンク本体10との接合面、すなわち筒状部分の下面が、環状壁部15の端面15aとその周辺部分の上面に接合すべく、これらの高低差に応じた段差を形成している。
【0049】
蓋部22の下面における低い側(タンク内側)には、加熱溶着可能部分24が露出し、蓋部22の下面における高い側(タンク外側)には、外周側に加熱溶着可能部分24が露出するとともに、環状壁部15の端面15aに露出するHCバリア層12に対向(整合)する内周側の位置にHCバリア部分23が露出している。
【0050】
環状凸部26の内周形状は環状壁部15の外周形状よりも大きくされており、環状凸部26と環状壁部15との間に形成される環状の空間Sが、タンク本体10の環状壁部15の端面15aおよび周辺部分の上面にベントバルブ20の蓋部22を加熱溶着したときのつぶれ代を受容できるようになっている。
【0051】
次に、図7、図8を参照して、第2実施形態に係る燃料タンク1の部品接合方法を説明する。図7の(C)に示すように、その内周側形状が環状壁部15の外周側形状よりも大きく且つその外周側形状がベントバルブ20の接合面を構成する蓋部22と同等の大きさの下面43aを有する環状凸部43が形成された平板状の熱板ヒータ41を用意する。なお、環状凸部43の突出高さは環状壁部15の高さすなわち端面15aとタンク本体10の上面との高低差よりも大きくなるようにする。
【0052】
次に、図7の(D)に示すように、環状凸部43が所定の間隙をもって環状壁部15を囲繞するように熱板ヒータ41をタンク本体10の上面に押し当てる。すると、熱板ヒータ41は、まず環状凸部43が環状壁部15を取り囲んだ状態でその下面43aがタンク本体10の上面に当接し、加熱溶着可能層14を溶融させる。
【0053】
さらに熱板ヒータ41を押し下げると、図7の(E)に示すように、環状凸部43の内側において熱板ヒータ41の下面が環状壁部15の端面15aに当接し、端面15aに露出した加熱溶着可能層14を含むタンク本体10を溶融させる。つまり、環状壁部15が溶融するときには、その周辺部位が熱板ヒータ41の環状凸部43により覆われた状態となっており、環状壁部15の溶融物がベントバルブ20との接合領域となる周辺部位に流れ出ることが防止される。
【0054】
なお、図7の(E)の状態では、環状凸部43の更なる下降によって環状壁部15の周囲の加熱溶着可能層14の溶融物が押し出されるが、環状凸部43が環状壁部15との間に所定の間隔を形成する大きさとされていることにより、溶融物が環状凸部43の外周側だけでなく内周側にも押し出され得るようになっている。
【0055】
一方、これらの手順と平行して、図8の(F)に示すように、蓋部22のタンク本体10との接合面(筒状部の下面22a)に、2色成形により内側にHCバリア部分23が環状に配置されるとともに、HCバリア部分23の外側に環状の加熱溶着可能部分24が配置されたベントバルブ20を用意する。また、図8の(G)に示すように、蓋部22の下面22aに対応する段差を上面に有する熱板ヒータ41を用意したうえで、熱板ヒータ41の上面に蓋部22の下面22aを当接させて溶融させる。
【0056】
その後、図8の(H)に示すように、ベントバルブ20を、HCバリア部分23が環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12と対向(整合)するように配置し、蓋部22の下面22aを環状壁部15の端面15aおよび環状壁部15の周囲のタンク本体10の上面(加熱溶着可能層14)に接触させて押圧した後、大気中に放置して冷却する。これにより、ベントバルブ20の加熱溶着可能部分24が、タンク本体10の環状壁部15の周囲における第1環状溶着部31と、タンク本体10の環状壁部15の端面15aにおける第2環状溶着部32とをもって加熱溶着可能層14に溶着される。
【0057】
なお、環状凸部26の内周形状が環状壁部15の外周形状よりも大きくされて環状凸部26と環状壁部15との間に空間Sが形成されたことによっても、この空間Sがベントバルブ20をタンク本体10に押圧したときのつぶれ代を受容し、環状壁部15の溶融物が第1環状溶着部31をなす環状壁部15の周辺部分に流れ出ないようになっている。
【0058】
このようにして得られた燃料タンク1によっても、第1実施形態の燃料タンク1と同様の効果を得ることができる。
【0059】
<変形例>
次に、図9を参照して第1実施形態の変形例を説明する。なお、図9は、第2実施形態の図8に対応するものであり、本変形例においても図2および図7に関連して説明した手順に変更はないため、重複する説明は省略する。本変形例においては、図2および図7の手順と平行して、図9の(F)に示すように、蓋部22のタンク本体10との接合面(筒状部の下面22a)に、2色成形により内側にHCバリア部分23が環状に配置されるとともに、HCバリア部分23の外側にHCバリア部分23よりも下方へ突出した環状の加熱溶着可能部分24が配置され、且つ蓋部22の下面における高い側(タンク外側)に露出した加熱溶着可能部分24がHCバリア部分23よりも下方へ突出したベントバルブ20を用意する。そして、図9の(G)に示すように、加熱溶着可能部分24の段差に対応する高低差の段差を上面に有する熱板ヒータ41を用意したうえで、熱板ヒータ41の上面に蓋部22の下面22aを当接させて溶融させ、加熱溶着可能部分24の溶融材をHCバリア部分23の下方へ回り込ませ、その環状の端面を覆わせる。
【0060】
その後、図9の(H)に示すように、ベントバルブ20を、加熱溶着可能部分24の溶融材を介してHCバリア部分23が環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12と整合するように配置し、蓋部22の下面22aを環状壁部15の端面15aおよび環状膨出部18の上面に接触させて押圧した後、大気中に放置して冷却する。これにより、ベントバルブ20の加熱溶着可能部分24が、環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12に当接した状態で、タンク本体10の環状膨出部18の上面における第1環状溶着部31と、タンク本体10の環状壁部15の端面15aにおける第2環状溶着部32とをもって加熱溶着可能層14に溶着される。
【0061】
このようにして得られた燃料タンク1によっても、第1実施形態の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0062】
≪第3実施形態≫
次に、図10を参照して、第2実施形態に係る燃料タンク1の部品接合方法を説明する。なお、ここで用いるタンク本体10の構造および製造方法は第2実施形態と同一である。
【0063】
図10の(C)に示すように、環状を呈し、その内周側形状が環状壁部15の外周側形状よりも所定寸法大きく且つその外周側形状がベントバルブ20の接合面を構成する蓋部22と同等の大きさの下面を有する外側熱板ヒータ41aと、外側熱板ヒータ41aの内側に配置され、環状壁部15の端面15aよりも若干大きな下面を有する内側熱板ヒータ41bとを用意する。なお、内側熱板ヒータ41bは、外側熱板ヒータ41aの内側に配置された状態で外側熱板ヒータ41aに対して上下方向(タンク内外方向)にスライド可能とされている。
【0064】
次に、図10の(D)に示すように、外側熱板ヒータ41aのみをタンク内方へ移動させ、所定の間隙をもって環状壁部15を囲繞させた状態でタンク本体10の上面に当接させることにより、環状壁部15の周囲において加熱溶着可能層14を溶融させる。
【0065】
その後、図10の(E)に示すように、外側熱板ヒータ41aをタンク本体10に当接させた状態を維持しつつ、内側熱板ヒータ41bをタンク内方へ移動させ、環状壁部15の端面15aに当接させることにより、環状壁部15の端面15aに露出した加熱溶着可能層14を含むタンク本体10を溶融させる。つまり、環状壁部15が溶融するときには、その周辺部位が外側熱板ヒータ41aにより覆われた状態となっており、環状壁部15の溶融物がベントバルブ20との接合領域となる周辺部位に流れ出ることが防止される。
【0066】
一方、これらの手順と平行して、図8の(F)、(G)を参照して説明した手順と同様に、蓋部22のタンク本体10との接合面(筒状部の下面22a)に、2色成形により内側にHCバリア部分23が環状に配置されるとともに、HCバリア部分23の外側に環状の加熱溶着可能部分24が配置されたベントバルブ20を用意し、蓋部22の下面22aに対応する段差を上面に有する熱板ヒータ41を蓋部22の下面22aを当接させて溶融させる。
【0067】
その後、図10の(H)に示すように、ベントバルブ20を、HCバリア部分23が環状壁部15の端面15aにおけるHCバリア層12と対向(整合)するように配置し、蓋部22の下面22aを環状壁部15の端面15aおよび環状壁部15の周囲のタンク本体10の上面(加熱溶着可能層14)に接触させて押圧した後、大気中に放置して冷却する。これにより、ベントバルブ20の加熱溶着可能部分24が、タンク本体10の環状壁部15の周囲における第1環状溶着部31と、タンク本体10の環状壁部15の端面15aにおける第2環状溶着部32とをもって加熱溶着可能層14に溶着される。
【0068】
このようにして得られた燃料タンク1によっても、第2実施形態に係る燃料タンク1と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態においても、ベントバルブ20を第1実施形態の変形例のように形成してタンク本体10に溶着させれば、第2実施形態と同様の効果を得られることは言うまでもない。
【0069】
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、タンク本体10は4層構造とされているが、4層構造に限定されるものではなく、少なくともこれら4層を含むものであれば4層以上であってもよい。なお、上記実施形態に示した本発明に係る燃料タンク1の部品接合方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。例えば、上記実施形態では、図4の(G),(H)に示すように、蓋部22の下面22aを熱板ヒータ41で溶融させた後にベントバルブ20をタンク本体10に溶着させているが、蓋部22の下面22aを溶融させずにタンク本体10に溶着させることもできる。
【符号の説明】
【0070】
1 燃料タンク
10 タンク本体
11 内層
12 HCバリア層
13 再生層
14 加熱溶着可能層
15 環状壁部
15a 端面
15b 内周面
16 開口
18 環状膨出部
19 ドーム部(凸部)
20 ベントバルブ(付属部品)
22 蓋部
22a 下面(タンク本体との接合面)
23 HCバリア部分
24 加熱溶着可能部分
31 第1環状溶着部
32 第2環状溶着部
33 第3環状溶着部
41 熱板ヒータ
41a 外側熱板ヒータ(第1熱板ヒータ)
41b 内側熱板ヒータ(第2熱板ヒータ)
42 環状凸条
43 環状凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を収容する内層、HCバリア層、再生材からなる再生層、および加熱溶着可能層が内側からこの順に配置されたタンク本体に付属部品を接合するための燃料タンクの部品接合方法であって、
端面がタンク外方へ向いて突出するとともに内周面が開口を形成する環状壁部を有する前記タンク本体を用意するステップと、
前記環状壁部の端面に露出するHCバリア層に整合する位置にHCバリア部分が環状に配置されるとともに、当該HCバリア部分の外側に加熱溶着可能部分が配置された前記付属部品を用意するステップと、
熱板ヒータを用意するステップと、
前記熱板ヒータを前記タンク本体の外面に押し当て、前記環状壁部の溶融物が周囲に流れ出ないように、前記環状壁部の端面と当該環状壁部の周囲の前記加熱溶着可能層とを溶融させるタンク本体溶融ステップと、
前記HCバリア部分が前記環状壁部の端面におけるHCバリア層と整合するように前記付属部品を配置し、前記加熱溶着可能部分を前記環状壁部の周囲の加熱溶着可能層に溶着させる溶着ステップと
を有することを特徴とする燃料タンクの部品接合方法。
【請求項2】
前記熱板ヒータを用意するステップでは、その内周側形状が前記環状壁部の外周側形状よりも大きな環状凸条を有するように前記熱板ヒータを形成し、
前記タンク本体溶融ステップでは、前記環状凸条が前記環状壁部を囲繞するように前記熱板ヒータを前記タンク本体の外面に押し当て、前記環状壁部の溶融物を前記環状凸条で堰き止めることを特徴とする、請求項1に記載の燃料タンクの部品接合方法。
【請求項3】
前記タンク本体溶融ステップは、
前記環状壁部の周囲において前記加熱溶着可能層を溶融させる第1タンク本体溶融ステップと、
前記第1タンク本体溶融ステップの後に、前記環状壁部の端面において前記加熱溶着可能層を溶融させる第2タンク本体溶融ステップとを有することを特徴とする、請求項1に記載の燃料タンクの部品接合方法。
【請求項4】
前記熱板ヒータを用意するステップでは、その内周側形状が前記環状壁部の外周側形状よりも大きく且つ前記環状壁部よりも高い環状凸部を有するように前記熱板ヒータを形成し、
前記第1タンク本体溶融ステップは、前記環状凸部が前記環状壁部を囲繞するように前記熱板ヒータをタンク内方へ移動させ、前記環状凸部の先端面を前記タンク本体の外面に当接させて前記加熱溶着可能層を溶融させるものであり、
前記第2タンク本体溶融ステップは、前記熱板ヒータを更にタンク内方へ移動させ、前記熱板ヒータを前記環状壁部の端面に当接させて前記加熱溶着可能層を溶融させるものであることを特徴とする、請求項3に記載の燃料タンクの部品接合方法。
【請求項5】
前記熱板ヒータを用意するステップでは、環状を呈し、その内周側形状が前記環状壁部の外周側形状よりも大きな第1熱板ヒータと、前記第1熱板ヒータの内側に配置される第2熱板ヒータとを有するように前記熱板ヒータを形成し、
前記第1タンク本体溶融ステップは、前記第1熱板ヒータをタンク内方へ移動させ、前記環状壁部を囲繞させた状態で前記タンク本体の外面に当接させて前記加熱溶着可能層を溶融させるものであり、
前記第2タンク本体溶融ステップは、前記第2熱板ヒータをタンク内方へ移動させ、前記環状壁部の端面に当接させて前記加熱溶着可能層を溶融させるものであることを特徴とする、請求項3に記載の燃料タンクの部品接合方法。
【請求項6】
前記付属部品を用意するステップでは、前記加熱溶着可能部分が前記HCバリア部分よりも突出するように前記付属部品を形成し、
熱板ヒータを前記付属部品に押し当て、前記加熱溶着可能部分を溶融させて前記HCバリア部分の環状の端面を覆わせる付属部品溶融ステップを更に有し、
前記溶着ステップでは、前記HCバリア部分と前記環状壁部の端面におけるHCバリア層との間に溶融した前記加熱溶着可能部分を介在させたことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の燃料タンクの部品接合方法。
【請求項7】
前記タンク本体を用意するステップは、
タンク外方へ向けて突出する凸部を有するように前記タンク本体を成形するステップと、
前記凸部を切断除去することにより、前記タンク本体に前記環状壁部を形成するステップとを有することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の燃料タンクの部品接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−116559(P2012−116559A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270667(P2010−270667)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(390023917)八千代工業株式会社 (186)
【Fターム(参考)】