説明

燃料タンク給油パイプ用プラグシステム

燃料タンク給油パイプの上部に組み込まれるプラグシステムは、固定装置(3、10)を備えるプラグ(1);パイプへのアクセスを許容する位置とパイプへのアクセスを防止する位置とを占有することができる燃料フラップ(q)、およびプラグを固定または開放するようにフラップからの動作を固定装置に伝達することができる機械的接続システム(5、6、7、13)を含む。機械的接続システムは、フラップの動作の一部のみがプラグを固定または開放するために固定装置に伝達されることができるよう、1つの構成部品(7)の動作の一部が他の隣接する構成部品(6)に伝達されることにより相互作用することができる構成部品を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク給油パイプのための組込式プラグシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特に車載タンクといった燃料タンクに存在する給油パイプは、タンクの通常の使用の際、タンクが給油されていないときには栓がされている。施栓は、一般に、パイプの上部に挿入されて、かつ液体および気体からパイプを封止するためにねじられるキャップにより行われている。封止部を圧縮することにより(これは、キャップをねじ込むことにより、またはパイプの外部の中心に挿入した鍵を回すことにより行われる)封止を行う、金属製および/またはプラスチック製の、種々のタイプのキャップが見られる。
【0003】
タンクに給油する前のキャップを取り外す動作、ならびに、給油後にこのキャップを戻してパイプを閉める動作は、通常は、燃料を供給する、使用者または給油所の従業員により手作業により行われる。タンクへの給油作業が終了したとき、人々は、時々、キャップを戻すことを忘れ、これは、このキャップの紛失をもたらすと共に、パイプを、ある長さ期間にわたって大気に開放されたままとする可能性がある。この期間の間、液体燃料の損失が生じ得、蒸気が、周囲の大気中に流出する。
【0004】
キャップの紛失および続く大気汚染を防止する観点から、給油パイプに組み込まれるプラグシステムが従来のキャップに対する代替として提案されてきている。その向上した型は、一般に、例えば圧力洗浄機を用いてボール(給油パイプが設けられており燃料供給フラップにより閉じられている車体構造におけるくぼみ)が洗浄される場合にも、前記システムの予期しない開動作を防止する固定手段を含む。
【0005】
燃料フラップは、通常は、車体構造中に形成される。フラップが閉じているときにキャップまたはプラグシステムへのアクセスを防止すると共に、開いているときにキャップまたはプラグシステムへのアクセスを許容するよう設計されている。閉じているとき、フラップは、通常は、車体構造にからの段差がほとんど無いかまたはまったく無いよう、車体構造と面一である。
【0006】
使用者が固定手段を手動で操作する必要がないよう、燃料フラップの動作により作動させることが従来技術である。フラップの動作が、一般に、固定手段を作動させる機械的接続システムにフラップの動作に伴って力が伝達されるよう、機械的接続システムにより固定手段に伝達される。
【0007】
本出願人名義の(特許文献1)は、パイプ上部の軸に水平な推力により係合を解き、フラップと固定手段との間の機械的接続により燃料フラップが閉じられたときに自動的に再係合することが可能である固定手段を備えるプラグ装置を記載している。自動的な固定が、フラップの閉動作の全体にわたって生じる。これは、プラグを完全に固定すると共に封止するために固定手段によって生成される力が、機械的接続を介してフラップに伝達されることを意味する。これにより、閉動作の最後に達する時までにフラップの位置ずれが生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第03/010022号パンフレット
【特許文献2】仏国特許出願第FR 2 861 655号明細書
【特許文献3】仏国特許出願第FR 2 753 138号明細書
【特許文献4】国際公開第05/105505号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願第EP2004/052157号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、その動作が固定手段の直接的な作動化に関係があるときの燃料フラップの位置ずれの問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、
・固定装置を備えるプラグ、
・パイプへのアクセスを許容する位置とパイプへのアクセスを防止する位置とを占有することができる燃料フラップ、および
・プラグを固定または開放するようにフラップからの動作を固定装置に伝達することができる機械的接続システム
を含む、燃料タンク給油パイプの上部に組み込まれるプラグシステムに関し、
機械的接続システムは、フラップの動作の一部のみがプラグを固定または開放するために固定装置に伝達されることができるよう、1つの構成部品の動作の一部が他の隣接する構成部品に伝達されることにより相互作用することができる構成部品を含むことを特徴とする。
【0011】
「燃料タンク」という用語は、種々の温度および圧力条件下で液体および/または気体燃料を貯蔵することができる任意のタイプのタンクを示すことを意図する。自動車に見出される種類のタンクがより具体的に関係する。「自動車」という表現は、自動車、オートバイおよびトラックを含むことが意図される。
【0012】
給油パイプは、タンクの内部に連通し、その中へ燃料を導入させるパイプである。
【0013】
タンクおよびパイプは、金属製またはプラスチック製のものであり得る。
【0014】
本発明によるプラグシステムは、アセンブリの2つの構成部品の少なくとも1つがプラスチック製であるタンクおよび給油パイプアセンブリにきわめて好適である。このシステムは、給油パイプがプラスチック製であるアセンブリに特に好適である。好ましくは、このプラグシステム自体は、プラスチック製の少なくとも1つの部品を含む。主にプラスチック製であることがさらに好ましい。
【0015】
「プラスチック」という用語は、少なくとも1種の合成樹脂ポリマーを含む任意の材料を表すことが意図される。
【0016】
すべてのタイプのプラスチックが好適であり得る。特に好適なプラスチックは、熱可塑性樹脂の部類のものである。
【0017】
「熱可塑性樹脂」という用語は、熱可塑性エラストマー、ならびにこれらのブレンドを含む任意の熱可塑性ポリマーを表す。「ポリマー」という用語は、ホモポリマーおよびコポリマー(特に、2元または3元コポリマー)の両方を表す。このようなコポリマーの例は、非限定的に、ランダムコポリマー、直鎖ブロックコポリマー、他のブロックコポリマーおよびグラフトコポリマーである。
【0018】
融点が分解温度未満である任意のタイプの熱可塑性ポリマーまたはコポリマーが好適である。少なくとも10℃にわたる溶融範囲を有する合成熱可塑性樹脂が特に好適である。このような材料の例としては、それらの分子量において多分散を示すものが挙げられる。
【0019】
特に、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリビニル、熱可塑性ポリエステル、ポリケトン、ポリアミドおよびこれらのコポリマーが用いられ得る。ポリマーまたはコポリマーのブレンドもまた、ポリマー材料と、例えば、非限定的に、炭素、塩および他の無機誘導体、天然繊維または高分子繊維などの無機、有機および/または天然充填材とのブレンドと同様に用いられ得る。特に、繊維充填(例えばガラス繊維充填)ポリアミドが特に好適である。有利には、これらの高分子材料の少なくともいくつかは、静電気に関連する問題を回避するために、導電性充填材(例えばカーボンブラック)を含有する。上述のポリマーまたはコポリマーの少なくとも1種を含む一緒に結合された重畳層からなる多層構造を用いることも可能である。
【0020】
本発明によるプラグシステムは、タンクが燃料を含有するときに、液体燃料および蒸気の大気中へのいかなる放出および損失も防止する観点で、タンクが給油されていないときに給油パイプの上部を封止するキャップとして機能することが意図される。
【0021】
本発明によるプラグシステムは、給油パイプの上部に組み込まれており、すなわち、これは、給油パイプの上端に装着されていると共に、燃料分取ノズルを案内して給油をより容易とすることをその目的とする一組の部品に組み込まれている。このために、パイプの上部は、給油パイプに連通(位置合わせされている)していると共に、閉位置にあるときに封止するように本発明のシステムのプラグが閉塞する開口を含む。
【0022】
本発明によるプラグシステムは、好ましくは、開放位置にあるときに、給油ノズルの作用によって自動的にパイプを開けさせる。「自動的に開く」という表現は、いずれかの他の機械的な作用が無く給油ノズル単独の作用により開けられることを意味すると理解されるべきである。給油ノズルは、給油所における燃料ポンプホースに取り付けられたノズルである。
【0023】
プラグシステムは、プラグ、すなわちパイプ上部における前述の開口を通る気体および液体の流過を防止するデバイスを含む。このプラグは種々の形態をとってもよいが、本発明によれば、断面がほぼ円形でなければならない。これは、従って、基本的に円柱状(すなわち形状が円柱状)であり、長くてもまたは平たくても(ディスク)よい。特に好適な一形態は、閉位置にあるときに流路を施栓する移動ディスクのものである。好ましくは、このディスクは、軸を中心に旋回する。有利にはプラスチック製であるが、特に、美観的理由および磨耗に対する耐性(何回もの給油ノズルの挿入による摩耗)のために好ましくは金属カバーを備える。
【0024】
このディスクは、任意により、円柱状の開口を含む回転ストッパと対にされ得る(その内容が参照により本出願に援用される、本出願人に特許文献2に記載のとおり)。
【0025】
このディスクはまた、その内容がまた参照により本出願に援用される特許文献3に記載のとおり、給油パイプ中の圧力を調整するためのデバイス、および、特に、「SPD」(「圧力下および減圧下での安全性」のための)バルブを含み得る。
【0026】
プラグは、従って、パイプの上部の軸とほぼ平行な軸に沿って向けられる力の作用下で伸縮自在であることが好ましい。種々の手段が、プラグを伸縮自在とするために提示され得る。良好な結果を得ている1つの手段は、プラグの旋回を許容する回転軸ピンとして機能することが可能である、パイプの上部に設けられて、プラグ周縁に接続されるロッドである。この変形例において、プラグは、好ましくは、ロッドをその周縁に接続するための手段を有する。
【0027】
プラグは、好ましくは、戻しバネにより閉位置に維持される。特に好適であるバネの一タイプは、一端がプラグに固定されてロッドの周囲に配置されたねじりバネである。
【0028】
本発明のシステムは固定装置を含む。
【0029】
特定の一変形例において、固定装置は、本出願人による、その関連する内容が参照により本出願に援用される特許文献4に記載のとおり、旋回ドアから構成され得る。
【0030】
固定装置は、好ましくは、差込システムにおけるプラグに取り付けられた、旋回可能な構成部品(好ましくは、簡便性のために本文において「リング」と称されるであろう全体がリング形状のもの)を含み、その相互作用部品(三次元的成形部)が、好ましくは、リングの内面上(またはさらにより好ましくは内部開口の周縁上)およびプラグの外側周縁上に部分的に位置される。これらの三次元的成形部は、好ましくは、それぞれ、プラグとパイプの上部との間、またはより正確には、プラグが閉塞するよう設計されているパイプにおける開口の周縁上で封止部を圧縮/減圧するために、差込口の固定位置と開放位置との間でリングの回動動作だけではなく、このリングの「垂直方向の」動作(プラグ軸に平行)をも可能にするものなどの幾何学的形状のものである。この封止部は、任意のタイプのものであってよい。O−リングシールが良好な結果をもたらす。この封止部の材料は、好ましくは、燃料蒸気に耐えるよう選択されることとなる。フッ素化エラストマーがこの目的のために好適である。
【0031】
例えば、1つの構成部品(例えばリング)が、他の構成部品(プラグ)上の突出部の動作および通過を可能にするために好適な数、サイズおよび形状の凹部を含み得る。特に、リング(またはプラグ)における凹部は、有利には、プラグ(またはリング)上の突出部の数に対応する数、サイズおよび形状の傾斜部および切欠を含む。特定の好ましさの点から、傾斜部および突出部は、相補的に傾斜がつけられ、すなわち、これらの形状は、垂直方向および回転方向の両方であるこれらの動作を促進するために非連続的である。回転リングは、プラスチック製(上述のとおり)または金属製であり得る。
【0032】
特に、リング(またはプラグ)における凹部は、有利には、プラグ(またはリング)上に位置された突出部の数に対応する数のらせん状の傾斜部および切欠を含む。これらの突出部/切欠は、一般に、リングの周縁およびプラグの周縁の周囲に均一に位置され、これらは、一般に少なくとも2つ、好ましくは3つ、またはさらには4つ、またはさらには6つである。3つの突出部/切欠を有するシステムが良好な結果を得ている。
【0033】
本発明によれば、プラグシステムは、パイプへのアクセスを許容する位置とパイプへのアクセスを防止する位置とを占有することができる燃料フラップを含む。フラップは、通常は、ボールに取り付けられており、これは結果的に、通常は、車両のシャシーに固定されている。
【0034】
ボールは、特に、一緒に組み立てられた少なくとも2つの構成部品から構成され得、一方が下部筐体および他方が上部筐体であり得る。
【0035】
本発明のシステムの特定の一変形例において、フラップは、パイプの軸にほぼ直角である軸を中心に旋回することができるドアを含む。
【0036】
ドアは、好ましくは、ほぼ円柱形状の中空部を含む。このドアは、好ましくは、ドアが旋回するための軸ピンとして機能するロッドによりボールに取り付けられる。ロッドは、中空部の内部にあり、その両端がボールに固定される。
【0037】
フラップの動作は、手動または電気/機械的(モーターを介して)であってもよい。
【0038】
本発明によるプラグシステムはまた、プラグを固定または開放するようにフラップの動作の一部を固定装置に伝達することができる機械的接続システムを含む。この接続システムは、一般に、例えば一連のピニオン、リンク、カム、トラックおよび/またはラックシステムなどの、動作を伝達することができる任意の形態の構成部品を含む。種々の構成部品は、1つの構成部品からの動作の一部を他の隣接する構成部品に伝達することにより相互作用することができる。
【0039】
1つの構成部品からの動作の少なくとも一部の他の隣接する構成部品への伝達は、好ましくは、相補形の歯車によって行うことが可能である。
【0040】
機械的接続システムは、好ましくは、フラップの動作の少なくとも一部に対して不作動化されることが可能である機械的接続で協働することができる少なくともリンクおよびカムを含む。不作動化は、リンク、カムおよび/または任意により機械的接続システムのいくつかの他の構成部品の適切な幾何学的形状により可能である。
【0041】
カムは、好ましくは、フラップの動作の少なくとも一部について、リンクの動作がカムに伝達されないよう、リンクと相互作用することができる外形が組み入れられていてもよい。
【0042】
より好ましくは、機械的接続システムは、相補形の歯車により相互作用することができる少なくとも2つの構成部品を含む。
【0043】
好ましくは、プラグが差込システムにおけるリングに取り付けられる場合には、リングの回転は、フラップ開閉動作に接続される。この形態においては、差込口のリングは、通常は、開動作中に一方向に移動すると共にフラップの閉動作中に逆方向に移動し、この場合には、リングには、例えばスライダおよびラックシステムを含む上述の機械的接続システムによって、燃料フラップに一時的に接続されることが可能である駆動用ドッグ(dog)が単に設けられていればよい。このドッグが、次いで、プラグが固定される位置とプラグが開放される位置との間で前後方向の動作に供される。
【0044】
フラップの動作が、力の伝達により機械的接続システムに作動をもたらす。伝達された力が固定装置に作用して、プラグを固定/開放する。既述のとおり、プラグが差込システムにおけるリングに取り付けられている場合、リングの動作が、プラグとパイプの上部との間の封止部を圧縮/減圧することとなる。この動作がリングの次の反応を形成することが可能であり、これが接続システムによってフラップ/ボール結合システムに伝達される。
【0045】
例えば、フラップが開位置から閉位置にフラップが移動するに伴って、機械的接続システムが固定装置に作用してプラグを固定する。固定装置は、機械的接続システムを介してフラップ/ボール結合システムに伝達される力を形成する。
【0046】
同様に、閉位置から開位置にフラップを動かすに伴って、機械的接続システムは、プラグの開放により形成された力を、フラップ結合システムに伝達する。
【0047】
両方の場合(すなわち、開位置から閉位置またはその逆方向へのフラップの動作)において、フラップ結合システムに伝達される力は、その開位置または閉位置において位置ずれをフラップに生じさせる可能性がある。
【0048】
本発明では、機械的接続システムが、フラップの動作の一部において不作動化される、すなわち、フラップの動作の一部のみがプラグを固定または開放するよう固定装置に伝達されることが可能である。その結果、固定装置によって形成された力は、フラップの動作の一部のみについて結合システムに伝達され、特に、フラップがその開位置または閉位置に達するときには伝達されない。従って、伝達された力によってフラップ/ボール結合システムに導入された遊びが詰められる。
【0049】
特定の一変形例において、フラップは、
・機械的接続システムが不作動化される第1の部分、
・固定装置が固定位置から開放位置にまたは逆方向に移動する第2の部分、および
・機械的接続システムがまた不作動化される第3の部分
を含む動作の過程において旋回する。
【0050】
旋回動作の第1の部分は、好ましくは、0°〜15°、好ましくは0°〜10°の角度変化に相当し、第2の部分は、10°〜65°、好ましくは15°〜60°の角度変化に相当し、および第3の部分は、60°〜90°、好ましくは65°〜90°の角度変化に相当する。
【0051】
特に有利な一変形例において、本出願人による特許文献5(その関連する内容が参照により本出願に援用される)に記載されているとおり、本発明によるプラグシステムはまた、基本的に1つの面内に、好ましくはパイプの軸にほぼ直角に移動可能であるプラグ用の保護シールドを含む。
【0052】
前記シールドが、所与の面内で、パイプの軸に平行な軸を中心に旋回することにより移動することができることが明確に好ましい。本変形例はまた、本発明のもの以外のプラグシステムと一緒でも良好な結果をもたらすことに留意されたい。このような動作(平行移動ではなく軸を中心とする旋回)により、より小型の保護シールドの使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】燃料フラップが閉まっていると共にプラグが固定されている状態の本発明によるシステムの第1の変形例を示す平面図である。
【図2】燃料フラップが閉まっていると共にプラグが固定されている状態の本発明によるシステムの第1の変形例を示す側面図である。
【図3】燃料フラップが開いていると共にプラグが開放されている状態の同一の変形例を示す平面図である。
【図4】燃料フラップが開いていると共にプラグが開放されている状態の同一の変形例を示す側面図である。
【図5】本発明によるプラグシステムの第2の変形例の分解組立図である。
【図6】フラップ(9)が閉位置にあり、およびプラグが固定されている事例を図示する図である。
【図7】フラップ(9)が閉位置にあり、およびプラグが固定されている事例を図示する図である。
【図8】フラップ(9)が閉位置にあり、およびプラグが固定されている事例を図示する図である。
【図9】フラップ(9)が中間位置にあり、およびプラグが固定されている事例を示す図である。
【図10】フラップ(9)が中間位置にあり、およびプラグが固定されている事例を示す図である。
【図11】フラップ(9)が開位置にあり、プラグが開放されている事例を示す図である。
【図12】フラップ(9)が開位置にあり、プラグが開放されている事例を示す図である。
【図13】フラップ(9)が開位置にあり、プラグが開放されている事例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明が、いかなる限定も暗示されることなく、図1〜13に図示されている。
【0055】
図1および2は、燃料フラップが閉まっていると共にプラグが固定されている状態の本発明によるシステムの第1の変形例を示し;図3および4は、燃料フラップが開いていると共にプラグが開放されている状態の同一の変形例を示す。図1および3は平面図であり、一方、図2および4は底面図である。
【0056】
図5〜13は、本発明のシステムの第2の変形例を示す。
【0057】
図1に示されるプラグシステムは、差込システムにおけるリング(3)と相互作用することが可能である突出部(10)を備える本体(2)を含む固定装置を有するプラグ(1)を含む。プラグシステムはまた、機械的接続システムを含む。これは、リング(3)が配設されている駆動用ドッグ(12)に接続されているスライダ(4)を含む。この接続システムは、一連のピニオン(5)および、一端でスライダ(4)と相互作用すると共に他端で一連のピニオン(5)と相互作用することが可能であるラック(13)を含む。この接続システムはまた、カム(6)およびリンク(7)を含む。一連のピニオン(5)は、カム(6)の回動動作が一連のピニオン(5)を回転させるようカム(6)と相互作用することが可能である。プラグシステムはまた、リンク(7)に接続している軸ピン(8)を中心に旋回することが可能であるフラップ(9)を含む。この図において、リンク(7)は、カム(6)とは接触していない。
【0058】
図1において、プラグ(1)は、固定位置にあり、従って、突出部(10)がリング(3)に押圧されてプラグ(1)の動作が防止される。
【0059】
図3において、フラップ(9)は開位置にある一方でリング(3)は開放されており、すなわち、突出部(3)はもはやリング(3)に対して押圧されておらず、リング(3)に形成されている切欠(11)中にある。フラップ(9)の開動作に続いて、軸ピン(8)、リンク(7)、カム(6)、一連のピニオン(5)およびスライダ(4)(ここで、スライダ(4)はリング(3)に接続されている)を駆動する機械的接続により、スライダ(4)によってリング(3)が回転される。
【0060】
図1〜4において、カム(6)は特殊な外形を有する、すなわち、リンク(7)と係合するよう設計されたかみ合わせ部が、リンク(7)がフラップ(9)の旋回動作によって回転されるとき、リンク(7)の動作の初期の部分の最中にリンク(7)がカム(6)と係合しないような特殊な外形を有することが観察され、これは、リング(3)は、機械的接続が不作動化されるために回転されないことを意味する。
【0061】
フラップ(9)の動作の第2の部分の過程において、リンク(7)は、カム(6)の回動動作をもたらすような形態でカム(6)と係合する。この部分は、具体的にはリング(3)の開放に相当するフラップ(9)の旋回動作の有用な部分に相当する。リング(3)が完全に開放されるとき、カム(6)は、リンク(7)のいかなるさらなる動作もカム(6)に影響をもたらさないよう、回動を受ける。
【0062】
フラップ(9)の動作の第3の部分の過程において、リンク(7)の回転はカム(6)の動作に影響を与えず、これは、フラップの動作および固定装置の間の機械的接続が不作動化されていることを意味する。
【0063】
図5は、本発明によるプラグシステムの第2の変形例の分解組立図である。以下の構成部品が示されている。
−リング(3)
−一連のピニオン(5)
−カム(6)
−リンク(7)/トラック(13)アセンブリ
−軸ピン(8)
−フラップ(9)
−ヒンジ架台(14)
−上部筐体(15)
−下部筐体(16)
−制限ストッパ(limiting stop)(17)
−ピン(18)
−シールド(19)
−トリガー(20)
−中空部(21)。
【0064】
フラップ(9)は、架台(14)および中空部(21)の両方と係合する軸ピン(8)によりヒンジ架台(14)に接続されている、ほぼ円柱状の形状である中空部(21)を含む。フラップ(9)は、軸ピン(8)を中心に旋回することができる。フラップ(9)にはまた、トラック(13)に係合するためのピン様凸部(18)が設けられている。フラップ(9)が閉位置にあるとき、リンク(7)/トラック(13)アセンブリは、制限ストッパ(17)に接触するトラック(13)により画定される位置を占有する。リンク(7)/トラック(13)アセンブリは、カム(6)と相互作用するよう設計されたリンク(7)を含む。カム(6)は、カム(6)が回動するときに一連のピニオン(5)を回転させるように、一連のピニオン(5)と機械的接続関係にある。ピニオンは、一連のピニオン(5)の回転が、次いで、差込口(3)を回転させる、すなわち、プラグ(図中には図示せず)を固定または開放するよう、差込口(3)の歯付き部分と直接的に係合している。この変形例におけるプラグシステムは、上部筐体(15)および下部筐体(16)から構成されていると共に給油パイプの上部に設けられているボールを含む。
【0065】
プラグシステムはまた、回転保護シールド(19)およびトリガー(20)を含む。
【0066】
図6〜8は、フラップ(9)が閉位置にあり、およびプラグが固定されている事例を図示する。
【0067】
図9および10は、フラップ(9)が中間位置にあり、およびプラグが固定されている事例を示す。
【0068】
図11〜13は、フラップ(9)が開位置にあり、プラグが開放されている事例を示す。
【0069】
図6はプラグシステムの平面図であり:フラップ(9)が閉位置にあり、ピン(18)はトラック(13)に接触していない。図7は、同一の状況を側面図で示す。
【0070】
図8は、機械的接続システム、特に一連のピニオン(5)およびリング(3)を示す。
【0071】
図10においては、中間位置にあるフラップ(9)では、リンク(7)/トラック(13)アセンブリはカム(6)に作用することなく回転しており、従って、プラグは固定位置に保持されていることを見ることが可能である。
【0072】
図12においては、リンク(7)が、カムが回動し、これにより、一連のピニオン(5)およびリング(3)が回転されるようカム(6)に作用している。これはまた、一連のピニオン(5)が、突出部(10)がリング(3)の切欠に位置されるようリング(3)を回転させており:プラグが、それ故、開放されている、図13においても見ることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 プラグ
2 本体
3 リング
4 スライダ
5 ピニオン
6 カム
7 リンク
8 軸ピン
9 フラップ
10 突出部
11 切欠
12 駆動用トラック
13 トラック
14 ヒンジ架台
15 上部筐体
16 下部筐体
17 制限ストッパ
18 ピン
19 シールド
20 トリガー
21 中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・固定装置を備えるプラグ(1)、
・パイプへのアクセスを許容する位置と前記パイプへのアクセスを防止する位置とを占有することができる燃料フラップ(9)、および
・前記プラグ(1)を固定または開放するように前記フラップ(9)からの動作を前記固定装置に伝達することができる機械的接続システム
を含む、燃料タンク給油パイプの上部に組み込まれるプラグシステムであって、
前記機械的接続システムが、前記フラップ(9)の動作の一部のみが前記プラグ(1)を固定または開放するために前記固定装置に伝達されることができるよう、1つの構成部品の動作の一部が他の隣接する構成部品に伝達されることにより相互作用することができる構成部品を含むことを特徴とするプラグシステム。
【請求項2】
前記プラグ(1)が、前記パイプの軸にほぼ平行な軸に沿って向けられる力の作用下で伸縮自在であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プラグ(1)が、前記給油パイプ中の圧力を調整するためのデバイスを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記固定装置が、差込システムにおける前記プラグ(1)に取り付けられたリング(3)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記機械的接続システムが、前記フラップ(9)の動作の少なくとも一部について不作動化されることが可能である機械的接続において協働することができる少なくともリンク(7)およびカム(6)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記機械的接続システムが、相補形の歯車により相互作用することができる少なくとも2つの構成部品を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記燃料フラップ(9)が、前記パイプの軸にほぼ直角な軸(8)を中心に旋回することができるドアを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドアが、
・前記機械的接続システムが不作動化される第1の部分、
・前記固定装置が固定位置から開放位置または逆に移動する第2の部分、および
・前記機械的接続システムがまた不作動化される第3の部分
を含む動作の過程において旋回することができることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
・旋回の前記第1の部分が、0°〜15°の角度変化に対応し、
・旋回の前記第2の部分が、10°〜65°の角度変化に対応し、および
・旋回の前記第3の部分が、60°〜90°の角度変化に対応する
ことを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プラグ(1)用の保護シールド(19)を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−537397(P2009−537397A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511467(P2009−511467)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054719
【国際公開番号】WO2007/135030
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(507383057)イナジー・オートモーティブ・システムズ・リサーチ・(ソシエテ・アノニム) (65)
【Fターム(参考)】